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特開2024-137186仮想空間情報管理方法及び仮想空間情報管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137186
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】仮想空間情報管理方法及び仮想空間情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048604
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山城 昌雄
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】仮想空間内で行われる施策を適切に管理することで、効率的に精度の高い施策評価を実現する。
【解決手段】仮想空間情報管理方法であって、仮想空間の構成を示す仮想空間構成情報を保持し、仮想空間における部分空間を設定する情報の入力を受けると、部分空間を設定する情報を領域設定情報として保持する手順と、部分空間において実行される施策に関する情報の入力を受けると、施策に関する情報を施策情報として保持する手順と、部分空間における施策に基づいて、仮想空間の利用者に対して出力する情報を生成して施策表示パターン情報として保持する手順と、仮想空間の利用者の仮想空間内での行動に基づいて施策を評価する手順と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算機システムが実行する仮想空間情報管理方法であって、
前記計算機システムは、所定の処理を実行する制御装置と、前記制御装置がアクセス可能な記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、仮想空間の構成を示す仮想空間構成情報を保持し、
前記仮想空間情報管理方法は、
前記制御装置が、前記仮想空間における部分空間を設定する情報の入力を受けると、前記部分空間を設定する情報を領域設定情報として前記記憶装置に保持する領域設定手順と、
前記制御装置が、前記部分空間において実行される施策に関する情報の入力を受けると、前記施策に関する情報を施策情報として前記記憶装置に保持する入力施策管理手順と、
前記制御装置が、前記部分空間における前記施策に基づいて、前記仮想空間の利用者に対して出力する情報を生成して前記記憶装置に施策表示パターン情報として保持する出力情報管理手順と、
前記制御装置が、前記仮想空間の利用者の前記仮想空間内での行動に基づいて前記施策を評価する施策評価手順と、を含むことを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記領域設定手順において、前記制御装置は、複数の前記部分空間を設定し、
前記入力施策管理手順において、前記制御装置は、前記複数の部分空間において実行される複数の前記施策に関する情報を前記施策情報として格納し、
前記複数の部分空間の各々において実行される施策は、前記部分空間に複数の提示物を出力する比較テストであり、
前記出力情報管理手順において、前記制御装置は、前記各部分空間において、複数の前記仮想空間の利用者の各々に前記複数の提示物のいずれかを出力するように、前記仮想空間の利用者に対して出力する情報を生成することを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記出力情報管理手順において、前記制御装置は、
前記複数の施策の相互影響の有無を評価し、
前記複数の施策の相互影響があると評価された場合、前記複数の施策の各々について、前記相互影響を相殺するように、複数の前記仮想空間の利用者の各々に対して出力する情報を生成することを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記複数の部分空間は、第1の部分空間及び第2の部分空間を含み、
前記複数の施策は、前記第1の部分空間において実行される第1の施策及び前記第2の部分空間において実行される第2の施策を含み、
前記第1の施策は、前記第1の部分空間に第1の提示物又は第2の提示物を出力する比較テストであり、
前記第2の施策は、前記第2の部分空間に第3の提示物又は第4の提示物を出力する比較テストであり、
前記出力情報管理手順において、前記制御装置は、複数の前記仮想空間の利用者のうち、前記第1の部分空間において前記第1の提示物が出力される利用者に、前記第の部分空間において前記第3の提示物が出力される利用者と前記第4の提示物が出力される利用者とが均等に含まれ、かつ、前記第1の部分空間において前記第2の提示物が出力される利用者に、前記第の部分空間において前記第3の提示物が出力される利用者と前記第4の提示物が出力される利用者とが均等に含まれるように、前記各部分空間において複数の前記仮想空間の利用者の各々に対して出力される情報を生成することを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記第1の部分空間及び前記第2の部分空間は、それぞれ、前記仮想空間内の2次元又は3次元の部分空間であり、
前記第1の提示物、前記第2の提示物、前記第3の提示物及び前記第4の提示物は、それぞれ、前記2次元の部分空間に表示される画像、又は、前記3次元の部分空間に表示される3次元のオブジェクトであり、
前記出力情報管理手順において、前記制御装置は、前記第1の部分空間と前記第2の部分空間との距離、前記第1の部分空間に表示される前記提示物と前記第2の部分空間に表示される前記提示物とが前記仮想空間の利用者の画面に同時に表示されるか否か、及び、前記第1の部分空間に表示される前記提示物と前記第2の部分空間に表示される前記提示物との関連性の少なくともいずれかに基づいて、前記複数の施策の相互影響の有無を評価することを特著とする仮想空間情報管理方法。
【請求項6】
請求項2に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記複数の部分空間は、それぞれ、前記仮想空間内の2次元の部分空間、前記仮想空間内の3次元の部分空間、前記仮想空間の利用者が参照する画面内の部分空間、及び、前記仮想空間の利用者に出力される音声内の部分空間のいずれかであり、
前記複数の施策に関する情報は、前記提示物の情報として、それぞれ、前記仮想空間内の2次元の部分空間に表示される画像の情報、前記仮想空間内の3次元の部分空間に表示される3次元のオブジェクトの情報、前記仮想空間の利用者が参照する画面内の部分空間に表示される情報、及び、前記仮想空間の利用者に対する音声として出力される情報のいずれかを含み、
前記複数の施策に関する情報は、それぞれ、異なる入力者によって入力されることを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項7】
請求項2に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記複数の施策に関する情報は、それぞれ、前記提示物の情報、前記比較テストにおけるデータの集計条件、評価項目及び終了条件を含むことを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記施策情報は、同一の前記部分空間において実行される複数の施策に関する情報を含む場合、前記複数の施策の実行順序を示す情報を含み、
前記施策評価手順において、前記制御装置は、前記実行順序を示す情報に基づいて、前記複数の施策を順次実行し、評価することを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項9】
請求項7に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記データの集計条件は、前記複数の施策のそれぞれについて、参加した前記仮想空間の利用者を集計する条件を含み、
前記評価項目は、前記複数の施策のそれぞれについて、評価の基準となる前記仮想空間の利用者の行動を示す情報を含み、
前記施策評価手順において、前記制御装置は、複数の前記仮想空間の利用者の行動ログに基づいて、複数の前記仮想空間の利用者のうち、前記施策に参加した利用者及び前記評価の基準となる行動をした利用者の数を集計して、前記集計した利用者の数に基づく評価結果を出力することを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記参加した前記仮想空間の利用者を集計する条件は、前記仮想空間における前記部分空間と前記仮想空間の利用者との距離、又は、前記仮想空間の利用者の画面に前記部分空間が表示されたか否かに基づく条件であり、
前記評価の基準となる前記仮想空間の利用者の行動は、所定の情報へのアクセス又は所定の情報の受け取りであり、
前記終了条件は、前記施策が実行されてからの経過時間、又は、前記施策に参加した前記仮想空間の利用者の人数に基づいて定義されることを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項11】
請求項9に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記参加した前記仮想空間の利用者を集計する条件は、集計する対象の前記仮想空間の利用者の属性を示す情報を含むことを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項12】
請求項9に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記施策評価手順において、前記制御装置は、前記施策に参加した前記仮想空間の利用者に所定のポイントを付与することを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項13】
請求項2に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記領域設定情報は、前記複数の部分空間のそれぞれについて、前記部分空間の位置、大きさ、前記提示物の規格及び利用価格の情報を含むことを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項14】
請求項12に記載の仮想空間情報管理方法であって、
前記入力施策管理手順において、前記制御装置は、入力された前記施策に関する情報に含まれる前記掲示物が前記領域設定情報に含まれる前記掲示物の規格を満たすかを判定し、
前記掲示物が前記規格を満たさない場合、前記入力された施策に関する情報を前記施策情報として保持しないか、又は、前記掲示物が前記規格を満たすように前記入力された施策に関する情報を修正することを特徴とする仮想空間情報管理方法。
【請求項15】
仮想空間情報管理システムであって、
所定の処理を実行する制御装置と、前記制御装置がアクセス可能な記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、仮想空間の構成を示す仮想空間構成情報を保持し、
前記制御装置は、
前記仮想空間における部分空間を設定する情報の入力を受けると、前記部分空間を設定する情報を領域設定情報として前記記憶装置に保持し、
前記部分空間において実行される施策に関する情報の入力を受けると、前記施策に関する情報を施策情報として前記記憶装置に保持し、
前記部分空間における前記施策に基づいて、前記仮想空間の利用者に対して出力する情報を生成して前記記憶装置に施策表示パターン情報として保持し、
前記仮想空間の利用者の前記仮想空間内での行動に基づいて前記施策を評価することを特徴とする仮想空間情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間内の領域を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上で施策の実施及び評価を行う技術として、例えば特開2022-83998号公報(特許文献1)に記載の技術がある。特許文献1には、「コンテンツ配置方法は、コンテンツ配置のためのカード形態の専用客体であるキューカードリストを提供する段階、およびキューカードリストから選択されたキューカードを利用してコンテンツセットをカード単位で配置する段階を含む。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-83998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば上記特許文献1に記載されているように、インターネット上でいわゆるABテスト等の施策を実施し、その結果を評価する技術は知られている。しかし、仮想空間内の領域を開放して、その領域への施策の入力を受け付け、入力された施策を管理、実施及び評価する仕組みは従来知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の少なくとも一つを解決するために、本願において開示される発明の代表的な一例は、計算機システムが実行する仮想空間情報管理方法であって、前記計算機システムは、所定の処理を実行する制御装置と、前記制御装置がアクセス可能な記憶装置と、を有し、前記記憶装置は、仮想空間の構成を示す仮想空間構成情報を保持し、前記仮想空間情報管理方法は、前記制御装置が、前記仮想空間における部分空間を設定する情報の入力を受けると、前記部分空間を設定する情報を領域設定情報として前記記憶装置に格納する領域設定手順と、前記制御装置が、前記部分空間において実行される施策に関する情報の入力を受けると、前記施策に関する情報を施策情報として前記記憶装置に格納する入力施策管理手順と、前記制御装置が、前記部分空間における前記施策に基づいて、前記仮想空間の利用者に対して出力する情報を生成して前記記憶装置に施策表示パターン情報として保持する出力情報管理手順と、前記制御装置が、前記仮想空間の利用者の前記仮想空間内での行動に基づいて前記施策を評価する施策評価手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、仮想空間内で行われる施策を適切に管理することで、効率的に精度の高い施策評価を実現することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムによる管理対象である仮想空間及びそのユーザーを示す説明図である。
図2】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムの開放領域設定部が実行する処理を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムが保持する開放領域設定情報を示す説明図である。
図5】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムによって設定される各タイプの開放領域を示す説明図である。
図6】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムの入力施策管理部が実行する処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムが保持する施策情報を示す説明図である。
図8】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムの表示情報管理部が実行する処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムの表示情報管理部による表示パターンの生成を示す説明図である。
図10】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムが保持する施策表示パターンを示す説明図である。
図11】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムの施策評価部が実行する処理を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムが保持する仮想空間利用ユーザーの行動ログと施策の判定結果を示す説明図である。
図13】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムが保持する入力施策の評価結果を示す説明図である。
図14】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムが出力する開放領域設定画面を示す説明図である。
図15】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムが出力する入力施策管理画面を示す説明図である。
図16】本発明の実施例における仮想空間情報管理システムが出力する施策評価画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システムによる管理対象である仮想空間及びそのユーザーを示す説明図である。
【0010】
本実施例において提供される仮想空間100は、例えばメタバースと呼ばれる空間のような、3次元の仮想空間である。仮想空間100内の建物及びその中の部屋といった施設に関するデータ、仮想空間100内に配置された2次元又は3次元のオブジェクトのデータ、及び、仮想空間100のユーザーに提供されるユーザーインターフェース(UI)及びガイダンス等のデータは、仮想空間情報管理システム1を介して仮想空間管理者101によって管理される。
【0011】
本実施例の仮想空間100のユーザーとして、施策入力ユーザー102及び空間利用ユーザー103の2種類のユーザーが想定される。空間利用ユーザー103は、仮想空間100内で活動する一般的なユーザーであり、例えば自身の化身(アバター)を使用して仮想空間100内で種々の活動を行ってもよい。その場合、空間利用ユーザー103は、例えば、アバターの視点からの仮想空間100の映像を見ることができてもよい。以下の説明では、仮想空間100内のアバターの視点をユーザーの視点として説明する場合がある。
【0012】
空間利用ユーザー103が仮想空間100内で行う活動は任意であり、特定のものに限定されないが、いくつかの例を挙げれば、仮想空間100内の風景又はイベントを鑑賞しながら通過するだけであってもよいし、仮想空間100内の店舗等で販売されている商品又はサービスを購入することであってもよいし、仮想空間100内にいる他の空間利用ユーザー103と交流することであってもよい。
【0013】
本実施例において、仮想空間管理者101は、仮想空間100の特定の部分領域を、仮想空間管理者101以外の者に開放することができる。以下、開放された部分領域を開放領域とも記載する。施策入力ユーザー102は、開放された領域を使用して種々の施策を行うユーザーである。行われる施策は特定のものに限定されないが、一例を挙げれば、商品又は広告等を開放された領域に配置して、それに対する空間利用ユーザーの反応を実験するといった施策である。例えば、異なるデザインの商品等を配置してそれらに対する反応を比較するといったいわゆるABテストを行ってもよい。
【0014】
本実施例の仮想空間情報管理システム1は、開放された領域の空間情報、ユーザーによる利用状況、実験の振り分け/開始/終了等を管理する。
【0015】
図2は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1の構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施例の仮想空間情報管理システム1は、中央制御装置11、入力装置12、出力装置13、通信装置14、主記憶装置15及び補助記憶装置16を有する。これらは、バスによって互いに接続されている。
【0017】
主記憶装置15及び補助記憶装置16は、中央制御装置11が使用するプログラム及びデータを格納している。主記憶装置15は、例えば半導体メモリによって構成され、主に実行中のプログラム及びデータを保持するために利用される。中央制御装置11は、主記憶装置15に格納されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。中央制御装置11がプログラムに従って動作することで、開放領域設定部21、入力施策管理部22、表示情報管理部23及び施策評価部24等の機能部が実現される。
【0018】
補助記憶装置16は、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブなどの大容量の記憶装置によって構成され、プログラム及びデータを長期間保持するために利用される。補助記憶装置16には、例えば仮想空間構成情報31、開放領域設定情報32、施策情報33、施策表示パターン34、仮想空間利用ユーザーの行動ログと施策の判定結果35及び入力施策評価結果36等が保持される。これらの情報の詳細については後述する。
【0019】
中央制御装置11は、単一の処理ユニット又は複数の処理ユニットで構成することができ、単一もしくは複数の演算ユニット、又は複数の処理コアを含むことができる。中央制御装置11は、1又は複数の中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロ計算機、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ステートマシン、ロジック回路、グラフィック処理装置、チップオンシステム、及び/又は制御指示に基づき信号を操作する任意の装置として実装することができる。
【0020】
補助記憶装置16に格納されたプログラム及びデータが起動時又は必要時に主記憶装置15にロードされ、プログラムを中央制御装置11が実行することによって、仮想空間情報管理システム1の各機能部の処理が実行される。したがって、以下の説明においてメタバース空間情報管理システム1の各機能部によって実行される処理は、中央制御装置11がプログラムに従って実行する処理である。
【0021】
入力装置12は、ユーザーが仮想空間情報管理システム1に指示及び情報などを入力するためのハードウェアデバイスである。出力装置13は、入出力用の各種画像を提示するハードウェアデバイスであり、例えば、表示デバイス又は印刷デバイスである。通信装置14は、ネットワーク4との接続のためのインタフェースである。
【0022】
仮想空間情報管理システム1は、ネットワーク4を介して外部システム2及び外部サーバ3と接続されてもよい。例えば、補助記憶装置16に保持される情報の少なくとも一部が、外部システム2及び外部サーバ3のいずれかから取得されてもよい。
【0023】
なお、仮想空間情報管理システム1は2以上の中央制御装置11を含んでもよい。また、仮想空間情報管理システム1の機能は、複数の計算機に実装することもできる。その場合、複数の計算機はネットワークを介して通信する。例えば、仮想空間情報管理システム1の複数の機能の一部が一つの計算機に実装され、他の一部が他の計算機に実装されてもよい。
【0024】
図3は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1の開放領域設定部21が実行する処理を示すフローチャートである。
【0025】
開放領域設定部21は、開放領域のタイプ、場所、レギュレーション及び利用価格を設定し(それぞれステップ301、302、303、304)、設定された開放領域の情報を開放領域設定情報32として登録する。設定情報の詳細については図4及び図5を参照して後述する。
【0026】
図4は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1が保持する開放領域設定情報32を示す説明図である。
【0027】
開放領域設定情報32は、開放領域番号401、タイプ402、場所403、レギュレーション404及び価格405を含む。
【0028】
開放領域番号401は、各開放領域を一意に識別する番号である。
【0029】
タイプ402は、各開放領域のタイプを示す情報であり、図3のステップ301において設定される。開放領域のタイプとしては、例えば、仮想空間100内の2次元空間、仮想空間100内の3次元空間、仮想空間100の映像を空間利用ユーザー103に対して表示する画面におけるUI表示空間、及び、仮想空間100の映像と合わせて提供される音声内のUI空間等が挙げられる。
【0030】
場所403は、各開放領域が設定された場所を示す情報であり、図3のステップ302において設定される。例えば開放領域が2次元又は3次元の空間である場合、その空間の位置を示す座標値が場所403として設定されてもよい。開放領域がUI画面中の空間である場合、当該UI画面中の開放領域の位置を示す座標値が場所403として設定されてもよい。開放領域が音声のUI空間である場合、音声が出力される位置(例えば所定の基準に対する音声の出力タイミング)が場所403として設定されてもよい。
【0031】
レギュレーション404は、開放領域の範囲を示す情報であり、図3のステップ303において設定される。例えば開放領域が2次元空間、3次元空間又はUI空間である場合、開放領域の範囲を示す情報として、表示される画素数又は表示されるオブジェクトのデータ量等が設定されてもよい。また、例えば開放領域が音声内の空間である場合、音声の出力時間が設定されてもよい。
【0032】
価格405は、開放領域を利用する施策入力ユーザー102に対する課金額を示す情報であり、図3のステップ304において設定される。。例えば1日当たりなど、単位時間当たりの料金が設定されてもよい。
【0033】
図5は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1によって設定される各タイプの開放領域を示す説明図である。
【0034】
開放領域501は、仮想空間100のうち、画素数が1080画素×1920画素の2次元の部分空間である。これは、例えば、図4に示した開放領域設定情報32の開放領域番号が「1」の領域に対応する。
【0035】
開放領域502は、仮想空間100のうち、5メートル×3メートル×3メートルの3次元の部分空間である。これは、例えば、図4に示した開放領域設定情報32の開放領域番号が「2」の領域に対応する。
【0036】
開放領域503Aは、ユーザーに提示されるUI画面503B中の100画素×100画素の部分空間である。これは、例えば、図4に示した開放領域設定情報32の開放領域番号が「3」の領域に対応する。
【0037】
開放領域504は、仮想空間100内の特定の部屋にユーザーが入室するときの所定の時間(例えば60秒間)の音声である。この音声は、例えばユーザーを誘導するための情報を含んでもよい。これは、例えば、図4に示した開放領域設定情報32の開放領域番号が「4」の領域に対応する。
【0038】
図3図5を参照して説明した通り、仮想空間管理者101は、予め仮想空間100内の1以上の(本実施例では複数の)部分空間を開放領域として設定しておくことができる。施策入力ユーザー102は、自身の施策を行うための開放領域について、施策に関する情報を入力することができる。そのような入力が行われた場合の処理について、図6及び図7を参照して説明する。
【0039】
図6は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1の入力施策管理部22が実行する処理を示すフローチャートである。
【0040】
入力施策管理部22は、施策入力ユーザー102からの入力を受け付ける(ステップ601)。この入力は、例えば、対象の開放領域を指定する情報、その開放領域で実施する施策を特定する情報等を含んでもよい。本実施例では、施策の例として、空間利用ユーザー103に対して何らかのアクションを起こした際の当該ユーザーの反応を計測及び評価するものを示す。施策の具体的な一例は、複数の表示物を空間利用ユーザー103に示して、それらに対するユーザーの反応を比較する、いわゆるABテストである。
【0041】
なお、本実施例では表示物を表示する施策の例について説明するが、表示物に限らず、音声など、任意の種類の提示物を提示する施策に本発明を適用することができる。
【0042】
入力施策管理部22は、入力された施策を特定する情報に基づいて、当該施策の登録可否を判定する(ステップ602)。ここでは、例えば、表示される情報に著作権侵害がないか、あるいは暴力的コンテンツが含まれないか、など、仮想空間100に表示するに相応しいデータかどうかをチェックしてもよい。また、入力施策管理部22は、表示される情報がレギュレーション404に適合しているかをチェックしてもよい。表示される情報がレギュレーションに違反している場合、入力施策管理部22は、登録を中止してもよいし、レギュレーションに適合するように自動的に情報を変更してもよい。
【0043】
次に、入力施策管理部22は、入力された施策の評価指標及び条件を確認する(ステップ603)。例えば、仮想空間100において実際に実行可能な施策であるか、といったことを確認してもよい。また、条件として、評価の対象となる空間利用ユーザー103の属性(例えば性別、年齢層など)を指定してもよい。また、特定の時間帯のみ開放領域を使用するといった制限を設けてもよい。
【0044】
次に、入力施策管理部22は、入力された施策について、仮想空間100での動作確認を行う(ステップ604)。例えば、入力施策管理部22は、入力された施策で定義された対象物(例えば2次元の画像、3次元の物体又は音声等)を開放領域に配置して期待通りの動作をするかを確認してもよい。
【0045】
上記の各段階の確認は、入力施策管理部22が所定の基準に基づいて自動的に行ってもよいし、仮想空間管理者101が人手で行ってもよい。上記の処理の結果、仮想空間100で施策の評価が実行できることが確認できた場合、入力施策管理部22は、入力された施策に関する情報を施策情報33として登録する(ステップ605)。このとき、設定された料金についての決済を行ってもよい。また、施策の評価が実行できないと判断された場合には、入力施策管理部22は、施策入力ユーザー102に対して施策に関する情報の再入力を要求してもよい。
【0046】
図7は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1が保持する施策情報33を示す説明図である。
【0047】
施策情報33は、入力施策テーブル700及び施策内容テーブル710を含む。入力施策テーブル700には、登録された施策入力の開放領域との対応、実行順序及び現在の状態等を示す情報が保持される。具体的には、入力施策テーブル700は、開放領域701、入力情報702、施策入力ユーザー703、状態704及び進捗705を含む。
【0048】
開放領域701は、入力された施策が行われる開放領域の識別番号であり、図4の開放領域番号401に対応する。入力情報702は、入力された施策を識別する情報である。施策入力ユーザー703は、各施策を入力した施策入力ユーザー102を識別する情報である。状態704及び進捗705は、それぞれ、各開放領域に割り当てられた施策の現時点の状態及び進捗を示す。
【0049】
施策内容テーブル710には、入力された施策の内容に関する情報が保持される。具体的には、施策内容テーブル710は、入力情報711、内容712、入力データ713、評価指標714、人数集計条件715及び終了条件716を含む。
【0050】
入力情報711は、入力された施策を識別する情報であり、入力施策テーブル700の入力情報702に対応する。内容712は、入力された施策の内容、例えばどのような種類の施策であるかといった情報を示す。入力データ713は、施策として入力されるデータを示す。評価指標714は、施策を行った結果の評価指標を示す。人数集計条件715は、施策を行った結果を評価するために、施策に参加した空間利用ユーザー103の人数を集計する条件を示す。終了条件716は、施策の実行を終了する条件を示す。
【0051】
図7の例では省略されているが、施策内容テーブル710は、各施策における評価の対象となる空間利用ユーザー103の属性を示す情報を含んでもよい。
【0052】
図7に示す入力施策テーブル700の例は、開放領域「1」に施策入力「1」、「3」、「4」の3つの施策入力が登録されている。これらの3つの施策は、それぞれ、施策入力ユーザー「1」、「3」、「4」によって入力されたものである。これらのうち、施策入力「1」の状態704が「実行中」、施策入力「3」、「4」の状態704がそれぞれ「待機@1」、「待機@2」である。また、施策入力「1」の進捗705は「60%」である。これは、開放領域「1」において、施策入力「1」によって特定される施策が現在実行されており、60%まで進捗していること、及び、この施策が終了した後に施策入力「3」及び「4」の施策が順次実行される予定であること、をそれぞれ示している。
【0053】
一方、図7に示す施策内容テーブル710の例を参照すると、施策入力「1」の施策の内容712はABテストであり、入力データ713はパターン「A」及び「B」の画像とURL(Uniform Resource Locator)リンクである。これは、施策の実行中に、開放領域「1」(例えば図4に示す2次元空間)に、パターンA、Bの画像とURLリンク(2次元バーコード等であってもよい)が表示されることを示している。そして、評価指標714はURLリンクのアクセス有無であり、空間利用ユーザー103のUI画面上に当該表示物が表示されたことであり、終了条件はパターン「A」及び「B」のそれぞれについて100人集計したときに終了することである。
【0054】
この場合、仮想空間100内でパターン「A」の画像を画面に表示した空間利用ユーザー103の数、及び、パターン「B」の画像を画面に表示した空間利用ユーザー103の数をそれぞれ集計し、いずれの数も100に達したところで施策の実行が終了する。進捗705が60%であれば、現時点で60人が集計されたことを示している。
【0055】
そして、パターン「A」及び「B」のそれぞれについて、画像を画面に表示した空間利用ユーザー103のうち、あわせて表示されたURLへのリンクにアクセスしたユーザーの割合が評価指標として計算され、両者が比較される。例えば表示される画像が商品の広告等であれば、どちらのパターンの広告がユーザーに大きな影響を与えるかといった効果を計測することができる。
【0056】
上記の例では2次元の開放領域に2次元画像が表示される例を示したが、入力データ713は3次元の開放領域に表示される3次元のオブジェクトであってもよいし、あわせて何らかのアイテムが配布されてもよい。このとき、例えば表示されるオブジェクトとして複数パターンのものが用意されていてもよいし、配布されるアイテムとして複数パターンのものが用意されていてもよい。アイテムが配布される場合、評価指標714は、そのアイテムを空間利用ユーザーが受け取ったか否かであってもよい。また、人数集計条件715は、表示物との距離が所定の値(例えば1メートル)以下であってもよい。終了条件716は、施策の実行開始から所定の期間(例えば1週間)が経過したことであってもよい。
【0057】
施策入力がUI画面上の表示又はUI音声である場合にも、同様に、その内容712、入力データ713、評価指標714、人数集計条件715及び終了条件716が定義される。
【0058】
次に、施策情報33に基づく施策の表示について説明する。表示情報管理部23は、例えば、空間利用ユーザー103が仮想空間100へ入場する際、または、仮想空間内の開放領域の近傍空間に来た際に、当該開放領域において当該空間利用ユーザー103に対して表示する表示物を決定してもよい。例えば施策としてABテストを行う場合など、一つの開放領域においてユーザー毎に別々の情報が提示される場合がある。このとき、表示情報管理部23は、1つの仮想空間100内の複数の開放領域で複数の施策を同時に実行できるように、ユーザーへの提示情報を管理及び制御する。複数の施策を同時に実行可能かは、例えば、施策間で相互影響が発生するかに基づいて判断される。表示情報管理部23は、一度施策評価を実行したユーザーに対しては別の施策内容を提示してもよい。また、表示情報管理部23は、終了条件を満たした施策は表示しない。
【0059】
以下、表示情報管理部23の具体的な処理について、図8図10を参照して説明する。
【0060】
図8は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1の表示情報管理部23が実行する処理を示すフローチャートである。
【0061】
表示情報管理部23は、施策情報33を参照して、各開放領域に対する施策入力の有無を確認する(ステップ801)。次に、表示情報管理部23は、施策情報33に基づいて一つの仮想空間100内の複数の開放領域について複数の施策入力がある場合に、各施策の相互影響の有無を評価する(ステップ802)。
【0062】
例えば、表示物間の距離(すなわち開放領域間の距離が所定の基準より近い場合に相互影響の可能性があると評価してもよい。あるいは、複数の表示物が同時に空間利用ユーザー103の画面に表示される場合に相互影響の可能性があると評価してもよい。あるいは、表示されるコンテンツの関連度などに基づいて、近傍の開放領域で類似の施策が実行されている場合に、相互影響の可能性があると評価してもよい。
【0063】
次に、表示情報管理部23は、各施策の評価対象者を読み込む(ステップ803)。そして、表示情報管理部23は、各施策の相互影響がある場合に、その相互影響を相殺する表示パターンを生成して(ステップ804)、そのパターンに基づいて各空間利用ユーザー103に対する表示情報を決定する(ステップ805)。
【0064】
相互影響を相殺するパターンとは、一方の表示物の影響を受けずにもう一方の表示物の影響を評価することができるようなそれぞれの表示物の表示パターンであり、その例については、図9等を参照して後述する。表示物を同時に表示した場合に相互影響を排除しきれないと評価された場合には、表示情報管理部23は、一方の開放領域の表示を停止してもよい。
【0065】
図9は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1の表示情報管理部23による表示パターンの生成を示す説明図である。
【0066】
図9の例では、仮想空間100内の開放領域901に、第1の施策入力に基づいて、パターン「A」及び「B」の2種類の表示物902が表示される。一方、同じ仮想空間100内の別の開放領域903には、第2の施策入力に基づいて、パターン「C」及び「D」の2種類の表示物904が表示される。それぞれの表示物は、例えば2次元の画像又は3次元のオブジェクト等であってもよい。以下、開放領域901及び開放領域903をそれぞれ開放領域1及び開放領域2とも記載する。第1の施策入力及び第2の施策入力をそれぞれ施策入力1及び施策入力2とも記載する。パターン「A」の表示物~パターン「D」の表示物をそれぞれ表示物A~表示物Dとも記載する。第1の空間利用ユーザー103~第4の空間利用ユーザー103をそれぞれユーザー1~ユーザー4とも記載する。
【0067】
例えば図8のステップ801において、仮想空間100の開放領域901に表示物902が表示され、開放領域903に表示物904が表示されることが特定され、かつ、ステップ802において、これらの表示物の相互影響があると評価された場合、ステップ804では、相互影響を相殺する表示パターンが生成され、施策表示パターン34として保持される。
【0068】
パターン「A」及び「B」、パターン「C」及び「D」など、複数種類の表示物は、空間利用ユーザー103に応じて切り替えられる。例えば、表示情報管理部23は、ユーザー1に対しては表示物A及び表示物Cを、ユーザー2に対しては表示物A及び表示物Dを、ユーザー3に対しては表示物B及び表示物Cを、ユーザー4に対しては表示物B及び表示物Bを、それぞれ表示してもよい。
【0069】
図10は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1が保持する施策表示パターン34を示す説明図である。
【0070】
施策表示パターン34は、表示パターン1001及び表示対象1002を含む。表示パターン1001には、施策入力1に基づいて表示される表示物A及び表示物Bと、施策入力2に基づいて表示される表示物C及び表示物Dと、の全ての(すなわち4通りの)組合せが登録される。そして、表示対象1002には、各組合せの表示対象の空間利用ユーザー103が登録される。
【0071】
図10の例では、図9を参照して説明したように、ユーザー1に対しては表示物A及び表示物Cを表示し、ユーザー2に対しては表示物A及び表示物Dを表示し、ユーザー3に対しては表示物B及び表示物Cを表示し、ユーザー4に対しては表示物B及び表示物Dを表示するように制御される。
【0072】
例えば、施策入力1と施策入力2とに関連性があり、施策入力2に関して表示物Cを見たユーザーは施策入力1に関して表示物Bより表示物Aの影響を受けやすくなり、表示物Dを見たユーザーは表示物Aより表示物Bの影響を受けやすくなる、といった相互影響がある場合を想定する。この場合において、仮に、施策に基づくABテストの結果、表示物Bの影響を受けたユーザーより表示物Aの影響を受けたユーザーの方が多いと評価された場合、その結果が表示物Aと表示物Bの相違のみに起因するものであるのか、それとも表示物C及び表示物Dからの影響が反映されたものであるのか、判別できない。
【0073】
しかし、図10の例では、表示物Aを見たユーザー1及びユーザー2は、それぞれ表示物C及び表示物Dを見ている。一方、表示物Bを見たユーザー3及びユーザー4も、同様に、それぞれ表示物C及び表示物Dを見ている。すなわち、表示物Aが表示されたユーザーのうち表示物Cが表示されたユーザーと表示物Dが表示されたユーザーが均等になり、表示物Bが表示されたユーザーのうち表示物Cが表示されたユーザーと表示物Dが表示されたユーザーが均等になる。このため、ユーザー1~ユーザー4が表示物Aから受けた影響と表示物Bから受けた影響とを比較するときに、仮に施策入力1と施策入力2との間に相互影響があったとしても、その相互影響は相殺されて、表示物Aと表示物Bの影響を比較することができる。
【0074】
次に、施策評価部24による施策の評価について説明する。施策評価部24は、仮想空間100における空間利用ユーザー103の行動ログに基づいて施策を評価する。ここで、行動ログとは、例えば、時系列で保存されたユーザーの行動情報であり、時刻ごとの座標の情報、及び、アクションとして、歩く、走る、ものに触れる、UIを操作する、などの情報を含んでもよい。
【0075】
施策の評価は、空間利用ユーザー103が施策実施領域を訪れ、指定された行動(例えば表示されたURLへのアクセス等)を実行したか否かに基づいて行われる。ここで、指定された行動は、アクセスした/しなかった、等の2値判定ではなく、3以上のパターンに当てはめてもよい。
【0076】
評価は逐次実行され、施策の終了条件が満たされた場合などに、施策評価部24が入力施策管理部22に施策の終了情報を渡してもよい。
【0077】
以下、施策評価部24による施策の評価の詳細について、図11図13を参照して説明する。
【0078】
図11は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1の施策評価部24が実行する処理を示すフローチャートである。
【0079】
施策評価部24は、各施策の評価指標714及び人数集計条件715を取得する(ステップ1101)。次に、施策評価部24は、各空間利用ユーザー103の行動ログを取得する(ステップ1102)。次に、施策評価部24は、各空間利用ユーザー103の行動ログが各施策の人数集計条件715に該当するかを確認する(ステップ1103)。
【0080】
次に、施策評価部24は、各空間利用ユーザー103の行動ログが各施策の人数集計条件715に該当するかを確認する(ステップ1103)。次に、施策評価部24は、各空間利用ユーザー103の行動ログが各施策の評価指標714を満たすかを確認する(ステップ1104)。これらの結果は、仮想空間利用ユーザーの行動ログと施策の判定結果35として保存される。
【0081】
なお、施策評価部24は、行動ログが各施策の人数集計条件715に該当すると判定した空間利用ユーザー103に、所定のポイント(例えば商品等の購入に使用できるクーポン等)を付与してもよい。これによって施策への参加者を増やすことができる。
【0082】
そして、施策評価部24は、ステップ1103及びステップ1104の結果に基づいて施策評価結果を生成して入力施策評価結果36として保存する(ステップ1105)。
【0083】
図12は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1が保持する仮想空間利用ユーザーの行動ログと施策の判定結果35を示す説明図である。
【0084】
仮想空間利用ユーザーの行動ログと施策の判定結果35は、時刻1201、座標1202、アクション1203、入力施策1の集計対象1204、入力施策1の評価判定1205、入力施策2の集計対象1206、及び、入力施策2の評価判定1207を含む。
【0085】
ここでは、例として、ある一人の空間利用ユーザー103の行動ログと、それに基づく施策の判定結果とを示している。時刻1201~アクション1203は、当該ユーザーの行動ログに相当する。これらの情報に基づいて、当該ユーザーの時刻ごとの位置及びそこで行ったアクションが特定される。これらを人数集計条件715及び評価指標714と照合することによって、各時刻において当該ユーザーが各入力施策の集計対象であったか否か、及び、評価指標を満たしたか否かが判定される。
【0086】
図10の例では、当該ユーザーが時刻1~時刻4にかけて仮想空間100内を移動し、時刻5において例えば施策入力1に対応する情報へのアクセス(例えば施策入力1によって表示された表示物に含まれるURLへのアクセス)が行われている。この例において、当該ユーザーは、時刻3以降において入力施策2の集計対象となっており、時刻4以降において入力施策1の集計対象となっており、時刻5において入力施策の評価指標を満たしている。
【0087】
各ユーザーについて同様の評価が行われ、各施策入力の集計対象となったか否か、及び、各施策入力の評価指標が満たされたか否かが判定される。
【0088】
図13は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1が保持する入力施策の評価結果36を示す説明図である。
【0089】
入力施策の評価結果36は、施策入力1301、周辺環境1302、評価結果としての評価人数1303、及び、評価結果としてのアクセス数1304を含む。施策入力1301は、ある施策における表示物を特定する情報である。周辺環境1302は、施策が行われている領域の周辺環境、具体的には周辺で行われている施策及びそこでの表示物等を示す。評価結果としての評価人数1303は、ステップ1103で当該施策の人数集計条件715に該当すると判定された空間利用ユーザー103の数を示す。評価結果としてのアクセス数1304は、ステップ1104で行動ログが当該施策の評価指標714を満たすと判定された空間利用ユーザー103の数を示す。
【0090】
図13には、図9に示した開放領域1における入力施策の評価結果の例を示す。この例では、開放領域1において表示物Aを提示されて評価対象者となった空間利用ユーザー103のうち、その周辺の開放領域2において表示物Cを提示されたユーザーの数が20人であり、そのうち、評価指標を満たした(例えば表示されたURLにアクセスした)ユーザーの数が10人であったことを示している。同様に、開放領域1において表示物Aを提示されて評価対象者となった空間利用ユーザー103のうち、その周辺の開放領域2において表示物Dを提示されたユーザーの数が20人であり、そのうち、評価指標を満たしたユーザーの数が12人であった。
【0091】
また、開放領域1において表示物Bを提示されて評価対象者となった空間利用ユーザー103のうち、その周辺の開放領域2において表示物Cを提示されたユーザーの数が20人であり、そのうち、評価指標を満たしたユーザーの数が12人であった。開放領域1において表示物Bを提示されて評価対象者となった空間利用ユーザー103のうち、その周辺の開放領域2において表示物Dを提示されたユーザーの数が20人であり、そのうち、評価指標を満たしたユーザーの数が15人であった。
【0092】
次に、仮想空間情報管理システム1によって出力される表示画面について、図14図16を参照して説明する。これらの表示画面は、出力装置13によって表示されてもよいし、ネットワーク4を介して仮想空間管理者101が使用する端末装置(図示省略)等によって出力されてもよい。
【0093】
図14は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1が出力する開放領域設定画面を示す説明図である。
【0094】
図14に示す開放領域設定画面1400は、図3に示した開放領域設定部21の処理が実行されるときに、出力装置13によって表示される。具体的には、開放領域設定画面1400は、仮想空間表示部1401、領域タイプ選択部1402、設定済開放領域リスト表示部1403、追加ボタン1404、場所変更ボタン1405、レギュレーション変更ボタン1406及び価格変更ボタン1407を含む。仮想空間管理者101が入力装置12を用いて開放領域設定画面1400を操作することによって開放領域設定部21の処理が実行される。
【0095】
仮想空間表示部1401には、例えば、仮想空間100全体を示す図が表示される。図14の例では仮想空間100の斜投影図が表示されている。領域タイプ選択部1402には、例えば、選択可能な開放領域のタイプのプルダウンメニューが表示され、仮想空間管理者101の操作によってそれらのいずれかを選択することができる。
【0096】
例えば、仮想空間管理者101は、領域タイプ選択部1402において3次元空間を選択して、仮想空間表示部1401においてカーソル(図示省略)を操作することによって、3次元の開放領域502の場所及び大きさ(レギュレーション)を設定することができる。また、仮想空間表示部1401には、既に設定された開放領域(例えば開放領域501)が表示されてもよい。
【0097】
設定済開放領域リスト表示部1403には、設定された開放領域の情報が表示される。図14の例では、図4に示したものと同様の情報が表示される。仮想空間管理者101は、追加ボタン1404を操作して新たな開放領域を追加することができる。また、場所変更ボタン1405、レギュレーション変更ボタン1406及び価格変更ボタン1407を操作して、設定した開放領域の場所、レギュレーション及び価格を変更することができる。
【0098】
図15は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1が出力する入力施策管理画面を示す説明図である。
【0099】
図15に示す入力施策管理画面1500は、図6に示した入力施策管理部22の処理が実行されるとき、及び、その結果として設定された入力施策が実行されるときに、出力装置13によって表示される。具体的には、入力施策管理画面1500は、入力施策リスト表示部1501、開放領域詳細表示ボタン1502、施策詳細表示ボタン1503、施策選択部1504、施策詳細表示部1505及びチェック結果表示部1506を含む。
【0100】
入力施策リスト表示部1501には、入力された施策のリストが表示される。図15の例では、図7に示した入力施策テーブル700と同様の情報が表示される。仮想空間管理者101が開放領域詳細表示ボタン1502を操作すると、各開放領域の詳細を示す情報が表示され、施策詳細表示ボタン1503を操作すると、入力された施策の詳細を示す情報が表示される。
【0101】
仮想空間管理者101が施策詳細表示ボタン1503を操作したときに、例えば施策選択部1504、施策詳細表示部1505及びチェック結果表示部1506が表示されてもよい。仮想空間管理者101が施策選択部1504を操作して施策を選択すると、その施策の詳細を示す情報が施策詳細表示部1505に表示される。図15の例では、施策選択部1504において施策入力1が選択され、施策詳細表示部1505には図5に示した施策内容テーブル710のうち施策入力1に関する情報が表示される。
【0102】
チェック結果表示部1506には、選択された施策のチェック結果が表示される。例えば選択された施策の内容がABテストであり、その施策においてA、Bの2パターンの画像が表示される場合、それらの2パターンの画像と、それらをチェックした結果とが表示されてもよい。
【0103】
図16は、本発明の実施例における仮想空間情報管理システム1が出力する施策評価画面を示す説明図である。
【0104】
図16に示す施策評価画面1600は、図11に示した施策評価部24の処理によって得られた施策評価結果を表示する画面である。具体的には、施策評価画面1600は、施策選択部1601、状態表示部1602、評価結果表示部1603及び参加ユーザー分析結果表示部1604を含む。なお、この画面は、出力装置13によって仮想空間管理者101向けに表示されてもよいし、ネットワーク4を介して施策入力ユーザー102向けに表示されてもよい。ここでは、施策評価画面1600が仮想空間管理者101向けに表示された場合を例として説明する。
【0105】
仮想空間管理者101が施策選択部1601を操作していずれかの施策を選択すると、状態表示部1602には選択された施策の現在の状態が表示され、評価結果表示部1603には選択された施策の評価結果が表示され、参加ユーザー分析結果表示部1604には選択された施策に参加した空間利用ユーザー103を分析した結果が表示される。
【0106】
例えば、状態表示部1602には、選択された施策の現在の進捗率及び終了条件が表示される。評価結果表示部1603には、評価結果として、例えば図13に示した入力施策評価結果36の内容が表示されてもよい。参加ユーザー分析結果表示部1604には、選択された施策に参加した(すなわち当該施策の人数集計条件715を満たした)各空間利用ユーザー103の属性(例えば性別及び年齢層等)、及び、評価指標714が満たされたか(例えば表示されたURLへのアクセスがあったか)が表示されてもよい。
【0107】
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
【0108】
(1)計算機システム(例えば仮想空間情報管理システム1)が実行する仮想空間情報管理方法であって、計算機システムは、所定の処理を実行する制御装置(例えば中央制御装置11)と、制御装置がアクセス可能な記憶装置(例えば主記憶装置15及び補助記憶装置16の少なくともいずれか)と、を有し、記憶装置は、仮想空間の構成を示す仮想空間構成情報(例えば仮想空間構成情報31)を保持し、仮想空間情報管理方法は、制御装置が、仮想空間における部分空間を設定する情報の入力を受けると、部分空間(例えば開放領域501~504等)を設定する情報を領域設定情報として記憶装置に保持する領域設定手順(例えば開放領域設定部21の処理、図3等)と、制御装置が、部分空間において実行される施策に関する情報の入力を受けると、施策に関する情報を施策情報として記憶装置に保持する入力施策管理手順(例えば入力施策管理部22の処理、図6等)と、制御装置が、部分空間における前記施策に基づいて、仮想空間の利用者(例えば空間利用ユーザー103)に対して出力する情報を生成して記憶装置に施策表示パターン情報として保持する出力情報管理手順(例えば表示情報管理部23の処理、図8等)と、制御装置が、仮想空間の利用者の仮想空間内での行動に基づいて施策を評価する施策評価手順(例えば施策評価部24の処理、図11等)と、を含む。
【0109】
これによって、仮想空間内で行われる施策を適切に管理し、効率的に精度の高い施策評価を実現することができる
【0110】
(2)上記(1)に記載の仮想空間情報管理方法であって、領域設定手順において、制御装置は、複数の部分空間を設定し、入力施策管理手順において、制御装置は、複数の部分空間において実行される複数の施策に関する情報を施策情報として格納し、複数の部分空間の各々において実行される施策は、部分空間に複数の提示物(例えば表示物、又は音声でもよい)を出力する比較テスト(例えばABテスト)であり、出力情報管理手順において、制御装置は、各部分空間において、複数の仮想空間の利用者の各々に複数の提示物のいずれかを出力するように、仮想空間の利用者に対して出力する情報を生成する(例えばステップ804、805)。
【0111】
これによって、一つの仮想空間内で複数の施策を実行して、効率的な施策評価を実現することができる。
【0112】
(3)上記(2)に記載の仮想空間情報管理方法であって、出力情報管理手順において、制御装置は、複数の施策の相互影響の有無を評価し(例えばステップ802)、複数の施策の相互影響があると評価された場合、複数の施策の各々について、相互影響を相殺するように、複数の仮想空間の利用者の各々に対して出力する情報を生成する(例えばステップ804、805)。
【0113】
これによって、一つの仮想空間内で複数の施策を実行する場合にも高精度な施策評価を実現することができる。
【0114】
(4)上記(3)に記載の仮想空間情報管理方法であって、複数の部分空間は、第1の部分空間及び第2の部分空間を含み、複数の施策は、第1の部分空間(例えば図9の開放領域1)において実行される第1の施策(例えば施策入力1)及び第2の部分空間(例えば開放領域2)において実行される第2の施策(例えば施策入力2)を含み、第1の施策は、第1の部分空間に第1の提示物(例えば表示物A)又は第2の提示物(例えば表示物B)を出力する比較テストであり、第2の施策は、第2の部分空間に第3の提示物(例えば表示物C)又は第4の提示物(例えば表示物D)を出力する比較テストであり、出力情報管理手順において、制御装置は、複数の仮想空間の利用者のうち、第1の部分空間において第1の提示物が出力される利用者に、第の部分空間において第3の提示物が出力される利用者と第4の提示物が出力される利用者とが均等に含まれ、かつ、第1の部分空間において第2の提示物が出力される利用者に、第の部分空間において第3の提示物が出力される利用者と第4の提示物が出力される利用者とが均等に含まれるように、各部分空間において複数の仮想空間の利用者の各々に対して出力される情報を生成する。
【0115】
これによって、一つの仮想空間内で複数の施策を実行する場合にも高精度な施策評価を実現することができる。
【0116】
(5)上記(4)に記載の仮想空間情報管理方法であって、第1の部分空間及び第2の部分空間は、それぞれ、仮想空間内の2次元又は3次元の部分空間であり(例えば開放領域501又は502)、第1の提示物、第2の提示物、第3の提示物及び第4の提示物は、それぞれ、2次元の部分空間に表示される画像、又は、3次元の部分空間に表示される3次元のオブジェクトであり、出力情報管理手順において、制御装置は、第1の部分空間と第2の部分空間との距離、第1の部分空間に表示される提示物と第2の部分空間に表示される提示物とが仮想空間の利用者の画面に同時に表示されるか否か、及び、第1の部分空間に表示される提示物と第2の部分空間に表示される提示物との関連性の少なくともいずれかに基づいて、複数の施策の相互影響の有無を評価する(例えばステップ802)。
【0117】
これによって、一つの仮想空間内で複数の施策を実行する場合の相互影響を適切に評価して高精度な施策評価を実現することができる。
【0118】
(6)上記(2)に記載の仮想空間情報管理方法であって、複数の部分空間は、それぞれ、仮想空間内の2次元の部分空間、仮想空間内の3次元の部分空間、仮想空間の利用者が参照する画面内の部分空間、及び、仮想空間の利用者に出力される音声内の部分空間(例えば開放領域501~504)のいずれかであり、複数の施策に関する情報は、提示物の情報として、それぞれ、仮想空間内の2次元の部分空間に表示される画像の情報、仮想空間内の3次元の部分空間に表示される3次元のオブジェクトの情報、仮想空間の利用者が参照する画面内の部分空間に表示される情報、及び、仮想空間の利用者に対する音声として出力される情報のいずれかを含み、複数の施策に関する情報は、それぞれ、異なる入力者(例えば施策入力ユーザー102)によって入力される。
【0119】
これによって、種々の利用者のニーズに応じて自由度の高い多様な施策評価を実現することができる。
【0120】
(7)上記(2)に記載の仮想空間情報管理方法であって、複数の施策に関する情報は、それぞれ、提示物の情報、比較テストにおけるデータの集計条件、評価項目及び終了条件を含む(例えば図7)。
【0121】
これによって、施策評価を適切に管理することができる。
【0122】
(8)上記(7)に記載の仮想空間情報管理方法であって、施策情報は、同一の部分空間において実行される複数の施策に関する情報を含む場合、複数の施策の実行順序を示す情報(例えば入力情報702)を含み、施策評価手順において、制御装置は、実行順序を示す情報に基づいて、複数の施策を順次実行し、評価する。
【0123】
これによって、施策評価を適切に管理することができる。
【0124】
(9)上記(7)に記載の仮想空間情報管理方法であって、データの集計条件は、複数の施策のそれぞれについて、参加した仮想空間の利用者を集計する条件(例えば人数集計条件715)を含み、評価項目は、複数の施策のそれぞれについて、評価の基準となる仮想空間の利用者の行動を示す情報を含み(例えば評価指標714)、施策評価手順において、制御装置は、複数の仮想空間の利用者の行動ログに基づいて、複数の仮想空間の利用者のうち、施策に参加した利用者及び評価の基準となる行動をした利用者の数を集計して、集計した利用者の数に基づく評価結果を出力する。
【0125】
これによって、施策が適切に評価される。
【0126】
(10)上記(9)に記載の仮想空間情報管理方法であって、参加した仮想空間の利用者を集計する条件は、仮想空間における部分空間と仮想空間の利用者との距離、又は、仮想空間の利用者の画面に部分空間が表示されたか否かに基づく条件であり、評価の基準となる仮想空間の利用者の行動は、所定の情報へのアクセス(例えば表示されたURLへのアクセス)又は所定の情報の受け取り(例えばアイテムの受け取り)であり、終了条件は、施策が実行されてからの経過時間、又は、施策に参加した仮想空間の利用者の人数に基づいて定義される。
【0127】
これによって、施策が適切に評価される。
【0128】
(11)上記(9)に記載の仮想空間情報管理方法であって、参加した仮想空間の利用者を集計する条件は、集計する対象の仮想空間の利用者の属性を示す情報を含む。
【0129】
これによって、施策が適切に評価される。
【0130】
(12)上記(9)請求項9に記載の仮想空間情報管理方法であって、施策評価手順において、制御装置は、施策に参加した仮想空間の利用者に所定のポイントを付与する。
【0131】
これによって、施策の評価への参加者を増やし、高精度な評価を実現できる。
【0132】
(13)上記(2)に記載の仮想空間情報管理方法であって、領域設定情報は、複数の部分空間のそれぞれについて、部分空間の位置、大きさ、提示物の規格(レギュレーション)及び利用価格の情報を含む(例えば図4)。
【0133】
これによって、施策が行われる部分空間が適切に管理される。
【0134】
(14)上記(12)に記載の仮想空間情報管理方法であって、入力施策管理手順において、制御装置は、入力された施策に関する情報に含まれる掲示物が領域設定情報に含まれる掲示物の規格を満たすかを判定し、掲示物が規格を満たさない場合、入力された施策に関する情報を施策情報として保持しないか、又は、掲示物が規格を満たすように入力された施策に関する情報を修正する(例えばステップ603)。
【0135】
これによって、施策の際の提示物が適切に管理される。
【0136】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したものであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0137】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0138】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 計測誤差補正装置
2 外部システム
3 外部サーバ
4 ネットワーク
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 通信装置
15 主記憶装置
16 補助記憶装置
21 開放領域設定部
22 入力施策管理部
23 表示情報管理部
24 施策評価部
31 仮想空間構成情報
32 開放領域設定情報
33 施策情報
34 施策表示パターン
35 仮想空間利用ユーザーの行動ログと施策の判定結果
36 入力施策評価結果
100 仮想空間
101 仮想空間管理者
102 施策入力ユーザー
103 空間利用ユーザー
図1
図2
図3
図4
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