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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137199
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】結紮装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048626
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100152515
【弁理士】
【氏名又は名称】稲山 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】大澤 直勝
(72)【発明者】
【氏名】山野 純慈
(72)【発明者】
【氏名】飯島 竜太
(72)【発明者】
【氏名】市橋 昌志
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD03
4C160DD22
4C160MM33
(57)【要約】
【課題】被結紮体を糸により安定的に結紮することが可能な結紮装置を提供する。
【解決手段】結紮装置1は、柱状の本体2Aと、本体2Aの長手方向の一端に設けられ、被結紮体を保持する保持部3と、本体2A内に少なくとも一部分が配置され、一部分が本体2Aの長手方向の他端に向けて移動することによって、保持部3に保持された被結紮体を結紮する糸を本体2A内に引き込む引込体と、本体2Aの長手方向の他端に接続され、引込体を長手方向に沿って移動させる駆動モータMmを少なくとも有する駆動機構7と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の本体と、
前記本体の長手方向の一端に設けられ、被結紮体を保持する保持部と、
前記本体内に少なくとも一部分が配置され、前記一部分が前記本体の前記長手方向の他端に向けて移動することによって、前記保持部に保持された前記被結紮体を結紮する糸を前記本体内に引き込む引込体と、
前記本体の前記長手方向の他端に接続され、前記引込体を前記長手方向に沿って移動させる第1モータを少なくとも有する駆動機構と、
を備えたことを特徴とする結紮装置。
【請求項2】
前記引込体は、前記糸を引っ掛けるフックを先端に有するフック体を備えた1又は複数の引込部材を有し、
前記駆動機構は、前記引込部材毎に設けられ、
前記第1モータにより回転する第1ねじ軸と、
前記フック体の基端を支持するフック支持部と、
を更に備え、
前記フック支持部は、
前記第1ねじ軸に噛み合い、前記第1ねじ軸の回転により前記長手方向に移動する第1ナット部を含み、
前記第1ナット部の移動に応じて前記長手方向に移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の結紮装置。
【請求項3】
前記引込部材は、前記フックとの間で前記フックに引っ掛けられた前記糸を押さえるワイヤを有し、
前記駆動機構は、
前記フック体に対して前記ワイヤを前記長手方向に相対移動させる移動機構を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の結紮装置。
【請求項4】
前記移動機構は、
第1補助モータと、
前記第1ねじ軸と平行に配置され、前記第1補助モータにより回転する第1補助軸と、
前記第1補助軸の回転により回転する第1主ギヤと、
前記第1主ギヤに噛み合い、前記第1主ギヤの回転により回転する第1従ギヤと、
前記ワイヤの基端に接続し、前記第1従ギヤの回転運動を直線運動に変換して前記ワイヤを前記長手方向に移動させる第1変換部と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の結紮装置。
【請求項5】
前記フック支持部は、
前記第1ナット部を含む第1回転体と、
前記第1回転体に連結し、前記ワイヤの基端が接続されるワイヤ接続部と、
前記第1回転体を支持し、前記フック体の基端が接続される第1回転体支持部と、
を含み、
前記第1回転体支持部に対して前記第1回転体が回転不能な状態で、前記第1ねじ軸の回転により前記第1回転体が前記長手方向に移動することに応じ、前記第1回転体支持部及び前記ワイヤ接続部が前記長手方向に移動し、
前記移動機構は、
前記第1回転体支持部に対して前記第1回転体が回転可能な状態に切り替える第1切替部と、
前記第1回転体に設けられ、前記第1切替部により前記第1回転体支持部に対して前記第1回転体が回転可能な状態で、前記第1ねじ軸の回転に応じて回転する前記第1回転体の回転運動を直線運動に変換して前記ワイヤを前記長手方向に移動させる第2変換部と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の結紮装置。
【請求項6】
前記引込体は、第1引込部材及び第2引込部材を少なくとも有し、
前記第1引込部材の前記フック体の基端を支持する第1フック支持部と、前記第2引込部材の前記フック体の基端を支持する第2フック支持部とのそれぞれの前記長手方向と直交する直交方向の位置が互いに相違することを特徴とする請求項2に記載の結紮装置。
【請求項7】
前記引込部材により引き込まれた前記糸にループを形成する形成部と、
筒状を有し、内部に前記引込部材が配置され、前記長手方向の一端に向けて移動することによって、前記形成部により形成された前記ループを押し出すノットプッシャと、
を更に備え、
前記駆動機構は、
第2モータと、
前記第2モータにより回転する第2ねじ軸と、
前記ノットプッシャの基端を支持するプッシャ支持部と、
を更に備え、
前記プッシャ支持部は、
前記第2ねじ軸に噛み合い、前記第2ねじ軸の回転により前記長手方向に移動する第2ナット部を含み、
前記第2ナット部の移動に応じて前記長手方向に移動する
ことを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の結紮装置。
【請求項8】
前記駆動機構は、
前記ノットプッシャの中心を通って前記長手方向に延びる回転軸を中心として前記ノットプッシャを回転させる回転機構を更に備え、
前記回転機構は、
第2補助モータと、
前記第2ねじ軸と平行に配置され、前記第2補助モータにより回転する第2補助軸と、
前記第2補助軸の回転により回転する第2主ギヤと、
前記第2主ギヤに噛み合い、前記第2主ギヤの回転により回転する第2従ギヤと
を備え、
前記ノットプッシャの基端に前記第2従ギヤが接続したことを特徴とする請求項7に記載の結紮装置。
【請求項9】
前記駆動機構は、
前記ノットプッシャの中心を通って前記長手方向に延びる回転軸を中心として前記ノットプッシャを回転させる回転機構を更に備え、
前記プッシャ支持部は、
前記第2ナット部を含む第2回転体と、
前記第2回転体に連結し、前記ノットプッシャの基端が接続されるプッシャ接続部と、
前記第2回転体を支持する第2回転体支持部と、
を含み、
前記第2回転体支持部に対して前記第2回転体が回転不能な状態で、前記第2ねじ軸の回転により前記第2回転体が前記長手方向に移動することに応じ、前記プッシャ接続部が前記長手方向に移動し、
前記回転機構は、
前記第2回転体支持部に対して前記第2回転体が回転可能な状態に切り替える第2切替部と、
前記第2切替部により前記第2回転体支持部に対して前記第2回転体が回転可能な状態で、前記第2ねじ軸の回転に応じて回転する前記第2回転体の動力を前記ノットプッシャに伝達し、前記ノットプッシャを回転させる伝達部と、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の結紮装置。
【請求項10】
前記フック支持部のうち、前記フック体の基端が接続する位置と、前記プッシャ支持部のうち前記ノットプッシャの基端が接続する位置とが、前記長手方向に重なることを特徴とする請求項7に記載の結紮装置。
【請求項11】
前記本体と前記フック支持部との間の前記長手方向の間隔よりも、前記本体と前記プッシャ支持部との間の前記長手方向の間隔の方が短いことを特徴とする請求項7に記載の結紮装置。
【請求項12】
前記保持部は、
第1顎部と、
前記第1顎部に近接して前記被結紮体を保持する近接位置と、前記第1顎部から離隔した離隔位置とに移動可能な第2顎部と、を有し、
前記保持部に設けられ、前記第1顎部から前記第2顎部に向けて前記糸を送り出す送り部と、
前記送り部により送り出された前記糸が前記引込体により引き込まれた場合、引き込まれた前記糸にループを形成する形成部と、
ロボットと接続するロボット接続部と、
を更に備え、
前記第2顎部、前記送り部、及び前記形成部の少なくとも1つは、前記ロボット接続部に接続した前記ロボットに内蔵されたロボットモータにより駆動することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の結紮装置。
【請求項13】
ロボットと接続するロボット接続部を備え、
前記ロボット接続部と前記第1モータとの間の前記長手方向の間隔の方が、前記ロボット接続部と前記第1ねじ軸との間の前記長手方向の間隔、及び、前記ロボット接続部と前記フック支持部との間の前記長手方向の最短距離よりも短いことを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の結紮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被結紮体を糸により結紮する結紮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、体内の被結紮体を糸により結紮する結紮デバイスを開示する。結紮デバイスは、第1延出可能部材、前進部材、第2延出可能部材、及び補足部材を有する。第1延出可能部材及び第2延出可能部材は、それぞれ管腔を有する。前進部材は、糸が取り付けられたループを先端に保持する。前進部材は、第1延出可能部材の管腔に配置され、第1延出可能部材の管腔に沿って移動可能である。補足部材は、補足部分を先端に有する。補足部材は、第2延出可能部材の管腔に配置され、第2延出可能部材の管腔に沿って移動可能である。第1延出可能部材、前進部材、第2延出可能部材、及び補足部材を移動させるための操作は、操作者により手動で行われる。
【0003】
結紮デバイスを用いて被結紮体を糸により結紮する方法は、次の通りである。操作者の操作に応じ、第1延出可能部材及び第2延出可能部材は被結紮体に向けて移動する。第1延出可能部材及び第2延出可能部材のそれぞれの先端が被結紮体の奥側まで移動した後、第1延出可能部材及び第2延出可能部材は停止する。次に、操作者の操作に応じ、前進部材及び補足部材が移動する。前進部材の先端に保持されたループは、第1延出可能部材の先端から突出する。補足部材の先端に設けられた補足部分は、第2延出可能部材の先端から突出する。補足部分はループを補足する。次に、操作者の操作に応じ、前進部材及び補足部材は手前側に移動する。補足部分により補足されたループは、前進部材から離脱する。被結紮体の周囲は、糸により囲まれた状態となる。これにより、被結紮体を糸により結紮することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2004-513702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結紮デバイスにおいて、被結紮体を糸により結紮するための操作は、操作者が手動で行う。従って、操作にばらつきが生じることにより、被結紮体を安定的に結紮できない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、被結紮体を糸により安定的に結紮することが可能な結紮装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る結紮装置は、柱状の本体と、前記本体の長手方向の一端に設けられ、被結紮体を保持する保持部と、前記本体内に少なくとも一部分が配置され、前記一部分が前記本体の前記長手方向の他端に向けて移動することによって、前記保持部に保持された前記被結紮体を結紮する糸を前記本体内に引き込む引込体と、前記本体の前記長手方向の他端に接続され、前記引込体を前記長手方向に沿って移動させる第1モータを少なくとも有する駆動機構と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
結紮装置は、被結紮体を結紮する糸を引込体により本体内に引き込み、被結紮体を結紮する。結紮装置は、引込体を第1モータにより駆動することで、被結紮体を結紮するために糸を本体内に引き込む動作を安定的に行うことができる。従って、結紮装置は、被結紮体を糸により安定的に結紮できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】結紮装置1の斜視図である。
図2図1のII-II線を矢印方向から視た断面図である。
図3図1のIII-III線を矢印方向から視た断面図である。
図4図1のIV-IV線を矢印方向から視た断面図である。
図5】形成部2Bの斜視図である。
図6】引込体4、ノットプッシャ5、及び駆動ユニット7の斜視図である。
図7】引込体4、ノットプッシャ5、及び駆動ユニット7の側面図である。
図8】駆動ユニット7の背面図である。
図9】第1引込部材4A及び第1駆動機構7Aの斜視図である。
図10】第1フック支持部70Aの分解斜視図である。
図11図9のXI-XI線を矢印方向から視た断面図である。
図12】第2引込部材4B及び第2駆動機構7Bの斜視図である。
図13】第2フック支持部70Bの分解斜視図である。
図14図12のXIV-XIV線を矢印方向から視た断面図である。
図15】ノットプッシャ5及び第3駆動機構7Cの斜視図である。
図16】プッシャ支持部70Cの分解斜視図である。
図17】送り部6の斜視図である。
図18】結紮工程の第1工程を示す図である。
図19】結紮工程の第2工程を示す図である。
図20】結紮工程の第3工程を示す図である。
図21】結紮工程の第4工程を示す図である。
図22】結紮工程の第5工程を示す図である。
図23】結紮工程の第6工程を示す図である。
図24】結紮工程の第7工程を示す図である。
図25】結紮工程の第8工程を示す図である。
図26】結紮工程の第9工程を示す図である。
図27】結紮工程の第10工程を示す図である。
図28】糸Tが巻かれた被結紮体Sの状態を示す図である。
図29】結紮工程の第11工程を示す図である。
図30】糸Tが巻かれた被結紮体Sの状態を示す図である。
図31】結紮工程の第12工程を示す図である。
図32】結紮工程の第13工程を示す図である。
図33】結紮工程の第14工程を示す図である。
図34】再配置工程の第1工程を示す図である。
図35】再配置工程の第2工程を示す図である。
図36】再配置工程の第3工程を示す図である。
図37】再配置工程の第4工程を示す図である。
図38】再配置工程の第5工程を示す図である。
図39】再配置工程の第6工程を示す図である。
図40】再配置工程の第7工程を示す図である。
図41】第1引込部材4A及び第1駆動機構8Aの斜視図である。
図42】第1引込部材4A及び第1駆動機構8Aの平面図である。
図43】第1フック支持部80の分解斜視図である。
図44】ノットプッシャ5及び第3駆動機構8Cの斜視図である。
図45】ノットプッシャ5及び第3駆動機構8Cの平面図である。
図46】プッシャ支持部85の分解斜視図である。
図47】第2回転体86の側面図である。
図48】第1駆動機構8Aの動作を説明する説明図である。
図49】第1駆動機構8Aの動作を説明する説明図である。
図50】第3駆動機構8Cの動作を説明する説明図である。
図51】第3駆動機構8Cの動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る結紮装置1の一実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図1の上方、下方、左下方、右上方、右下方、及び左上方が、それぞれ、結紮装置1の上方、下方、前方、後方、左方、及び右方である。
【0011】
<結紮装置1の概要>
結紮装置1は、被結紮体Sを糸Tで結紮するための装置である。被結紮体Sは、一例として生体の一部、例えば血管等である。結紮装置1は、低侵襲技術を用いて手術を行うための手術支援用のロボットR(図1参照)に接続されて使用される。結紮装置1A、1Bは、それぞれ、結紮装置1の一例である。
【0012】
<第1実施形態(結紮装置1A)>
図1に示すように、結紮装置1の一実施形態である結紮装置1Aは、本体2A、形成部2B、保持部3、引込体4(図6等参照)、ノットプッシャ5(図6等参照)、送り部6(図17参照)、駆動ユニット7、及びロボット接続部9等を備える。
【0013】
<本体2A>
本体2Aは円柱状を有し、前後方向に延びる。前後方向は、本体2Aの長手方向に対応する。本体2Aは、基部20A及び回動部20Bを含む。回動部20Bは、基部20Aの前端に支持される。回動部20Bは、上下方向に延びる第1軸C1を中心として回動可能である。以下では、基部20A及び回動部20Bが前後方向に一直線状に配置された状態を前提として説明する。図2図3図4に示すように、本体2Aの内部には、複数の挿通孔が形成される。具体的には、第1挿通孔21、第2挿通孔22A、第3挿通孔22B、第4挿通孔23A、第5挿通孔23B、第6挿通孔24A、第7挿通孔24B、及び第8挿通孔25が本体2Aの内部に形成される。
【0014】
第1挿通孔21は、本体2Aの左右方向中央に配置される。図2に示すように、第1挿通孔21は、延伸部21A、第1分岐部21B、及び第2分岐部21Cを含む。延伸部21Aは、本体2Aの前端から後方に延びる。第1分岐部21Bは、延伸部21Aの後端から後方に延びる。第2分岐部21Cは、延伸部21Aの後端から後斜め下方に延び、後方に曲折して後方に延びる。第1挿通孔21は、延伸部21Aの後端で、第1分岐部21B、及び第2分岐部21Cに分岐する。第1分岐部21Bには、第1引込部材4A及びノットプッシャ5のそれぞれの一部が挿通する。第2分岐部21Cには、第2引込部材4Bの一部が挿通する。
【0015】
図4に示す第2挿通孔22A、第3挿通孔22B、第4挿通孔23A、第5挿通孔23B、第6挿通孔24A、第7挿通孔24B、第8挿通孔25は、前後方向に延びる。第2挿通孔22A、第3挿通孔22Bは、本体2Aの上下方向中央に配置される。第2挿通孔22Aは、第1挿通孔21よりも右側に配置される。第3挿通孔22Bは、第1挿通孔21よりも左側に配置される。第2挿通孔22A、第3挿通孔22Bには、第3操作ワイヤ221が挿通する。第4挿通孔23A、第5挿通孔23Bは、第1挿通孔21の第2分岐部21Cよりも下方に配置される。第4挿通孔23Aは、第2分岐部21Cよりも右側に配置される。第4挿通孔23Aには、第1操作ワイヤ201、及び第4操作ワイヤ231が挿通する。第5挿通孔23Bは、第2分岐部21Cよりも左側に配置される。第5挿通孔23Bには、第5操作ワイヤ232が挿通する。第6挿通孔24Aは、第1分岐部21Bの右側に配置される。第6挿通孔24Aには、第1操作ワイヤ201、及び第2操作ワイヤ202が挿通する。第7挿通孔24Bは、第1分岐部21Bの左側に配置される。第7挿通孔24Bには、第2操作ワイヤ202が挿通する。本体2Aは、第2操作ワイヤ202に対する操作に応じ、基部20Aに対して回動部20Bが回動する。第8挿通孔25は、第2分岐部21Cの下側に配置される。第8挿通孔25には、第6操作ワイヤ251が挿通する。
【0016】
図2に示すように、回動部20Bの内部に第1カッタ26が設けられる。図3に示すように、第1カッタ26は、回転台26A及び刃26Bを有する。回転台26Aは、上下方向に延びる第2軸C2を中心として回転可能である。回転台26Aは、第4操作ワイヤ231、及び第5操作ワイヤ232(図4参照)に対する操作に応じて回転する。刃26Bは、回転台26Aの上面から上方に延びる。回転台26Aの回転時、刃26Bは、第1挿通孔21の延伸部21A内(図2参照)を通過する。刃26Bは、延伸部21A内を通過することにより、延伸部21A内の糸Tを切断する。
【0017】
図2に示すように、回動部20Bの内部のうち第1カッタ26よりも前側に、ボビンBが配置される。ボビンBには糸Tが巻回される。ボビンBは、左右方向に延びる第3軸C3を中心として回転可能に支持される。
【0018】
<形成部2B>
図2図3に示すように、形成部2Bは、本体2Aの内部のうち第1カッタ26よりも後方に配置される。形成部2Bは、第1挿通孔21の延伸部21A内の糸Tにループを形成させる。形成部2Bは、第1ループ軸46、及び第2ループ軸56を備える。
【0019】
図5に示すように、第1ループ軸46は、第1支持台46A、第1離隔台46B、第2離隔台46C、第1離隔壁461B、第2離隔壁462B、第3離隔壁461C、第4離隔壁462C、及び第1ギヤ46Dを有する。第2ループ軸56は、第2支持台56A、第3離隔台56B、第4離隔台56C、第5離隔壁561B、第6離隔壁562B、第7離隔壁561C、第8離隔壁562C、及び第2ギヤ56Dを有する。
【0020】
第1支持台46A、及び第2支持台56Aは、円形の板であり、上下方向と直交する。第1支持台46A、及び第2支持台56Aは、前後方向に並ぶ。第1支持台46Aは、第2支持台56Aの後方に配置される。第1支持台46Aは、中心を通って上下方向に延びる第4軸C4を中心として回転可能である。第2支持台56Aは、中心を通って上下方向に延びる第5軸C5を中心として回転可能である。
【0021】
第1支持台46Aの側面に第1溝463が形成される。第3操作ワイヤ221は、第1支持台46Aの後方から前方に延び、第1溝463に巻き付いて向きを変え、後方に延びる。第1支持台46Aの下側に第1ギヤ46Dが設けられる。第2支持台56Aの下側に第2ギヤ56Dが設けられる。第1ギヤ46D、及び第2ギヤ56Dは噛み合う。第3操作ワイヤ221に対する操作に応じ、第1支持台46A、及び第2支持台56Aは連動して回転する。
【0022】
上方から視た場合において第1支持台46Aが時計回り方向に回転する場合、第2支持台56Aは反時計回り方向に回転する。以下、この回転方向を「第1回転方向R1」という。上方から視た場合において第1支持台46Aが反時計回り方向に回転する場合、第2支持台56Aは時計回り方向に回転する。以下、この回転方向を「第2回転方向R2」という。以下説明において、特に説明のない限り、「時計回り方向」「反時計回り方向」とは、上方から視た場合を前提とした回転方向を示す。
【0023】
第1離隔台46B、及び第2離隔台46Cは、第1支持台46Aの上面に設けられる。第1離隔台46B、及び第2離隔台46Cは、第4軸C4を中心とした半径方向において離隔する。第1離隔台46B、及び第2離隔台46C間に、第2溝460Aが形成される。第3離隔台56B、及び第4離隔台56Cは、第2支持台56Aの上面に設けられる。第3離隔台56B、及び第4離隔台56Cは、第5軸C5を中心とした半径方向において離隔する。第3離隔台56B、及び第4離隔台56Cの間に、第3溝560Aが形成される。
【0024】
第1離隔壁461B、及び第2離隔壁462Bは、第1離隔台46Bから上方に突出する。第1離隔壁461B、及び第2離隔壁462Bは、第4軸C4を中心とした周方向において離隔する。第1離隔壁461B、及び第2離隔壁462B間に、第4溝460Bが形成される。第3離隔壁461C、及び第4離隔壁462Cは、第2離隔台46Cから上方に突出する。第3離隔壁461C、及び第4離隔壁462Cは、第4軸C4を中心とした周方向において離隔する。第3離隔壁461C、及び第4離隔壁462Cの間に、第5溝460Cが形成される。第1離隔壁461B、第2離隔壁462B、第3離隔壁461C、及び第4離隔壁462Cの上端は、時計回り方向の端部から反対側の端部に向けて、上方に傾斜する。
【0025】
第5離隔壁561B、及び第6離隔壁562Bは、第3離隔台56Bから上方に突出する。第5離隔壁561B、及び第6離隔壁562Bは、第5軸C5を中心とした周方向において離隔する。第5離隔壁561B、及び第6離隔壁562Bの間に、第6溝560Bが形成される。第7離隔壁561C、及び第8離隔壁562Cは、第4離隔台56Cから上方に突出する。第7離隔壁561C、及び第8離隔壁562Cは、第5軸C5を中心とした周方向において離隔する。第7離隔壁561C、及び第8離隔壁562Cの間に、第7溝560Cが形成される。第5離隔壁561B、第6離隔壁562B、第7離隔壁561C、及び第8離隔壁562Cの上端は、反時計回り方向の端部から反対側の端部に向けて、上方に傾斜する。
【0026】
図5に示すように、第2ループ軸56が回転して第2離隔台46Cが第1離隔台46Bに対して右側に配置された場合、第2ループ軸56は連動して回転し、第4離隔台56Cが第3離隔台56Bに対して右側に配置される。以下、図5に示す回転位置を、「第1回転位置」という。第1ループ軸46、及び第2ループ軸56が第1回転位置から第1回転方向R1に90度回転した位置を、「第2回転位置」という。第1ループ軸46、及び第2ループ軸56が第1回転位置から180度回転した位置を、「第3回転位置」という。
【0027】
第1ループ軸46、及び第2ループ軸56が第1回転位置又は第3回転位置に配置された状態で、第2溝460A、及び第3溝560Aは前後方向に延び、第4溝460B、第5溝460C、第6溝560B、及び第7溝560Cは左右方向に延びる。第1ループ軸46、及び第2ループ軸56が第2回転位置に配置された状態で、第2溝460A、及び第3溝560Aは左右方向に延び、第4溝460B、第5溝460C、第6溝560B、及び第7溝560Cは前後方向に延びる。
【0028】
形成部2Bは、第1ループ軸46、及び第2ループ軸56に糸Tを巻き付けることにより、第1ループP1、及び第2ループP2(図40参照)を形成させることが可能である。第1ループP1は第1ループ軸46に形成され、第2ループP2は第2ループ軸56に形成される。又、形成部2Bは、第1ループP1、及び第2ループP2が形成された状態で第1ループ軸46、及び第2ループ軸56を回転させることにより、糸Tに第1ループP1、及び第2ループP2が形成された状態を維持しつつ、第1ループ軸46、及び第2ループ軸56から第1ループP1、及び第2ループP2を外すことができる。
【0029】
<保持部3>
図1に示すように、保持部3は、本体2Aの前端に設けられる。保持部3は、第1顎部3A及び第2顎部3Bを含む。第1顎部3A及び第2顎部3Bは、被結紮体Sを保持する。
【0030】
第1顎部3Aは、本体2Aの前端から前方に延び、前斜め上方に屈曲して更に延びる。第2顎部3Bの後端は、本体2Aの前端に回動可能に支持される。第2顎部3Bの回動中心に沿って延びる第6軸C6は、左右方向に延びる。第2顎部3Bの前端は、第2顎部3Bの回動に応じ、第1顎部3Aの前端に接触した近接位置(図2参照)と、第1顎部3Aの前端に対して上方に離隔した離隔位置(図1参照)とに移動する。第2顎部3Bは、第1操作ワイヤ201(図4参照)に対する操作に応じて近接位置と離隔位置とに移動する。
【0031】
図2に示すように、第2顎部3Bが近接位置に配置された状態で、第1顎部3Aのうち第2顎部3Bとの接触部分を除く部分と、第2顎部3Bのうち第1顎部3Aとの接触部分を除く部分との間に、隙間が形成される。被結紮体Sは、この隙間に収容された状態で、第1顎部3A及び第2顎部3Bにより保持される。
【0032】
第1顎部3A内に第1挿通孔31が形成される。第1挿通孔31は、第1顎部3Aのうち近接位置に配置された第2顎部3Bと接触する部分から、後斜め下方に延び、後方に曲折して後方に延びる。第1挿通孔31には、後述する送り部6(図17参照)が配置される。第1挿通孔31の前端に、糸Tを掛け止めるための掛止ピン35が設けられる。
【0033】
第2顎部3Bの下面に凹部32が形成される。凹部32は上方に凹む。凹部32は、第2顎部3Bの前端から後端に向けて後方に延びる。凹部32の後端は、本体2Aの第1挿通孔21の前端の前方に位置する。第2顎部3Bの前端の近傍に第2挿通孔33が設けられる。第2挿通孔33は、第2顎部3Bを上下方向に貫通する。凹部32及び第2挿通孔33は交差する。第2顎部3Bの第2挿通孔33のうち後側面に、第2カッタ34が固定される。第2カッタ34の刃は、第2挿通孔33の内側を向く。
【0034】
<引込体4>
引込体4は、本体2A内に少なくとも一部が配置される。引込体4は、本体2Aに対して前後方向に移動可能である。引込体4は、後方に向けて移動することにより、本体2A内に糸Tを引き込む。図6図7図8に示すように、引込体4は、第1引込部材4A、及び第2引込部材4Bを含む。第1引込部材4A、及び第2引込部材4Bは同一形状を有する。第1引込部材4Aは、第2引込部材4Bの上方に配置される。第1引込部材4Aは、後述するノットプッシャ5の内部に配置される。
【0035】
図9に示すように、第1引込部材4Aは、フック体41及びワイヤ42を有する。フック体41は円筒状を有し、前後方向に延びる。フック体41の前端近傍且つ左側に、切欠41Aが形成される。切欠41Aの切欠面のうち左端から右方に延びる部分は、前方に傾斜する。フック体41の前端部は、上方から視た状態で鉤状に曲折する。フック体41の鉤状の部分を、「フック41B」という。フック41Bは、糸Tを引っ掛ける。
【0036】
ワイヤ42は、フック体41内の貫通孔に配置される。ワイヤ42は円柱状を有し、前後方向に延びる。ワイヤ42の前面42Aは、前後方向と直交する面に対して傾斜する。上方から視た状態で、前面42Aは、左端から右斜め後方に延びる。ワイヤ42は、フック体41のフック41Bにより引っ掛けられた糸Tを押さえる。
【0037】
図12に示すように、第2引込部材4Bは、フック体43及びワイヤ44を有する。フック体43及びワイヤ44は、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42(図9参照)に対応する。フック体43の切欠43A及びフック43Bは、フック体41の切欠41A及びフック41B(図9参照)に対応する。ワイヤ44の前面44Aは、ワイヤ42の前面42A(図9参照)に対応する。
【0038】
第1引込部材4Aは、本体2Aのうち第1挿通孔21の延伸部21A及び第1分岐部21B(図2参照)、並びに、第2顎部3Bの凹部32(図2参照)に沿って、前後方向に移動可能である。第2引込部材4Bは、本体2Aのうち第1挿通孔21の延伸部21A及び第2分岐部21C(図2参照)、並びに、第2顎部3Bの凹部32(図2参照)に沿って、前後方向に移動可能である。
【0039】
<ノットプッシャ5>
ノットプッシャ5は、本体2A内に少なくとも一部が配置される。ノットプッシャ5は、本体2Aに対して前後方向に移動可能である。ノットプッシャ5は、前方に移動することにより、形成部2Bにて形成された糸Tの第1ループP1、及び第2ループP2を、本体2Aから前方に押し出す。
【0040】
図15に示すように、ノットプッシャ5は筒状を有し、前後方向に延びる。ノットプッシャ5の内部に第1引込部材4A(図9参照)が配置される。ノットプッシャ5及び第1引込部材4Aのそれぞれの中心を通って前後方向に延びる中心線の位置は、一致する。ノットプッシャ5の前端51は、前後方向と直交する面に対して傾斜する。
【0041】
ノットプッシャ5は、本体2Aのうち第1挿通孔21の延伸部21A及び第1分岐部21B、並びに、第2顎部3Bの凹部32(図2参照)に沿って、前後方向に移動可能である。又、ノットプッシャ5は、内部に配置された第1引込部材4Aに対して前後方向に相対移動可能である。
【0042】
<送り部6>
図17に示す送り部6は、保持部3の第1顎部3A(図1等参照)内に配置される。送り部6は、第1挿通孔31(図2参照)に沿って前後方向に移動可能である。送り部6は、第1顎部3Aから第2顎部3Bに向けて糸Tを送り出す。送り部6は、基部61、溝62、連結部63、及び接続部64を有する。
【0043】
基部61は、円柱が弧状に湾曲した形状を有する。基部61は、前端に向かうに従って上方に延びる。基部61の前端に溝62が設けられる。溝62は前後方向に延びる。溝62は、基部61の左右方向中央よりも右方に配置される。溝62は、間に糸Tを挟んで保持する。基部61の右面に切欠60が形成される。切欠60の底部は、左右方向において溝62よりも左方に位置する。
【0044】
連結部63は、基部61の後端から後方に向けて延びる。連結部63は、基部61よりも断面径が小さい円柱状を有する。連結部63は可撓性を有する。連結部63の後端に接続部64が設けられる。接続部64には、第6操作ワイヤ251(図4参照)が接続される。送り部6は、第6操作ワイヤ251に対する操作に応じて前後方向に移動する。
【0045】
<ロボット接続部9>
図1に示すように、ロボット接続部9は、本体2Aの後端部を覆う。ロボット接続部9は円筒状を有する。ロボット接続部9は、下端の開口を覆う下底面を有する。本体2Aは、ロボット接続部9の側面91の前端部を後方に通過し、側面91の後端部まで延びる。引込体4及びノットプッシャ5は、本体2Aを通過し、側面91の後端部よりも後方まで延びる。
【0046】
ロボット接続部9の上端の開口9Aに、ロボットRの円板Rrが嵌る。これにより、ロボット接続部9はロボットRに接続される。円板Rrには、ロボットRに内蔵された複数のロボットモータMRが接続される。複数のロボットモータMRの回転軸は、ロボット接続部9内に向けて延びる。ロボットRは、複数のロボットモータMRを回転させることにより、第1操作ワイヤ201、第2操作ワイヤ202、第3操作ワイヤ221、第4操作ワイヤ231、第5操作ワイヤ232、第6操作ワイヤ251(図4参照)を操作する。
【0047】
<駆動ユニット7>
図1に示すように、駆動ユニット7は、ロボット接続部9の側面の91の後端部に接続する。駆動ユニット7は、第1駆動機構7A(図9参照)、第2駆動機構7B(図12参照)、第3駆動機構7C(図15参照)、第1支持板701、第2支持板702、複数のスペーサ703、ケース704、及び底板705を有する。
【0048】
第1支持板701、及び第2支持板702は、円形の板であり、前後方向と直交する。複数のスペーサ703は、第1支持板701、及び第2支持板702の間に設けられる。複数のスペーサ703は、第1支持板701、及び第2支持板702が前後方向に離隔した状態で、第1支持板701、及び第2支持板702を支持する。第2支持板702は、第1支持板701よりも後方に配置される。ケース704は円筒状を有する。ケース704の中心軸は、前後方向に延びる。ケース704の前端は、第2支持板702の後面に接続する。ケース704の後端は、底板705により閉塞される。
【0049】
図9図10図11に示す第1駆動機構7Aは、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42を前後方向に移動させる。図12図13図14に示す第2駆動機構7Bは、第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44を前後方向に移動させる。図15図16に示す第3駆動機構7Cは、ノットプッシャ5を前後方向に移動させ且つ回転させる。第1駆動機構7A、第2駆動機構7B、及び第3駆動機構7Cの構成の詳細は、後述する。
【0050】
図6に示すように、第1モータMa1、第1補助モータMa2、第1モータMb1、第1補助モータMb2、第2モータMc1、及び第2補助モータMc2(以下、総称して「駆動モータMm」という。)は、第1支持板701の前面に固定される。駆動モータMmの回転軸は、第1支持板701の貫通孔を後方に通過し、第1支持板701の後面よりも後方に突出する。
【0051】
図6図7に示すように、第1ねじ軸Xa1、Xb1、及び第2ねじ軸Xc1(以下、総称して「ねじ軸X1」という)、第1補助軸Xa2、Xb2、及び第2補助軸Xc2(以下、総称して「補助軸X2」という)は、第2支持板702と底板705の間に亘って前後方向に延びる。ねじ軸X1は、断面が円形の棒状を有する。ねじ軸X1の側面に雄ねじが形成される。雄ねじは、前後方向に螺旋状に延びる。補助軸X2は、断面がD字状を有するDカット軸である。
【0052】
ねじ軸X1及び補助軸X2のそれぞれの前端部は、第2支持板702に設けられた貫通孔を前方に通過し、第2支持板702の前面よりも前方に突出する。ねじ軸X1及び補助軸X2は、第2支持板702及び底板705により回転可能に支持される。ねじ軸X1、補助軸X2、及び、後述する第1フック支持部70A、第2フック支持部70B、プッシャ支持部70Cは、ケース704により覆われる。
【0053】
<第1駆動機構7A>
図9に示すように、第1駆動機構7Aは、第1ねじ軸Xa1、第1補助軸Xa2、第1フック支持部70A、第1モータMa1、及び第1補助モータMa2(図6参照)を有する。
【0054】
第1ねじ軸Xa1は、第1補助軸Xa2に対して右斜め下方に配置され、第1補助軸Xa2と平行に延びる。第1ねじ軸Xa1のうち第2支持板702(図6参照)よりも前方に突出した部分に、第1ギヤGa1が接続する。第1ギヤGa1は、第1モータMa1(図6参照)の回転軸に接続されたギヤに噛み合う。第1ねじ軸Xa1は、第1モータMa1が駆動することにより回転する。第1補助軸Xa2のうち第2支持板702よりも前方に突出した部分に、第2ギヤGa2が接続される。第2ギヤGa2は、第1補助モータMa2(図6参照)の回転軸に接続されたギヤに噛み合う。第1補助軸Xa2は、第1補助モータMa2が駆動することにより回転する。
【0055】
第1フック支持部70Aは、フック体41及びワイヤ42を支持する。図10図11に示すように、第1フック支持部70Aは、支持基部71A、第1主ギヤ71B、第1従ギヤ71C、及び第1変換部71Dを有する。
【0056】
支持基部71Aは、フック体41、第1主ギヤ71B、第1従ギヤ71C、及び第1変換部71Dを支持する。支持基部71Aは、基部711、第1挟持部712、第2挟持部713、及び第1突出部714、及び第2突出部715を有する。基部711は円柱状を有する。基部711の中心軸は、前後方向に延びる。基部711には、前後方向に延びる貫通孔が形成される。貫通孔の内面に雌ねじが形成される。雌ねじは、前後方向に螺旋状に延びる。雌ねじが内面に形成された貫通孔を、「第1ナット部710」という。第1ナット部710には、第1ねじ軸Xa1が挿通する(図9参照)。第1ねじ軸Xa1の雄ねじと、第1ナット部710の雌ねじとは噛み合う。
【0057】
第1挟持部712、及び第2挟持部713は、基部711の側面から左斜め上方に突出する。第1挟持部712、及び第2挟持部713は、板状を有し、前後方向と直交する。第1挟持部712、及び第2挟持部713は、前後方向に離隔する。第1挟持部712は、第2挟持部713よりも前方に配置される。第1挟持部712の上端部に、前後方向に貫通する第1貫通孔712Hが形成される。第2挟持部713の上端部に、前後方向に貫通する第2貫通孔713Hが形成される。第1貫通孔712H、及び第2貫通孔713Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。第1貫通孔712H、及び第2貫通孔713Hには、第1補助軸Xa2が挿通する(図9参照)。
【0058】
第1突出部714は、第1挟持部712の前面のうち左端部から前方に突出する。第1挟持部712及び第1突出部714に、前後方向に貫通する第1貫通孔714Hが形成される。フック体41の後端は、第1突出部714の前面、且つ、第1貫通孔714Hの周囲に接続する(図11参照)。第2突出部715は、第2挟持部713の後面のうち左端部から後方に突出する。第2挟持部713及び第2突出部715に、前後方向に貫通する第2貫通孔715Hが形成される。第1貫通孔714H、及び第2貫通孔715Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。
【0059】
第1主ギヤ71Bは平歯車である。第1主ギヤ71Bの回転軸は、前後方向に延びる。第1主ギヤ71Bは、第1挟持部712、及び第2挟持部713のそれぞれの上端部の間に配置される。第1主ギヤ71Bの中心に、前後方向に延びるギヤ貫通孔716Hが形成される。ギヤ貫通孔716Hの断面形状は、D字状である。第1挟持部712の第1貫通孔712H、第2挟持部713の第2貫通孔713H、及び第1主ギヤ71Bのギヤ貫通孔716Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。ギヤ貫通孔716Hには、第1補助軸Xa2(図9参照)が挿通する。第1主ギヤ71Bは、第1補助軸Xa2に対して前後方向に移動可能である。なお、第1補助軸Xa2の断面形状はD字状である。このため、第1主ギヤ71Bは、第1補助軸Xa2の回転に応じて回転する。
【0060】
第1従ギヤ71Cは平歯車である。第1従ギヤ71Cの回転軸は、前後方向に延びる。第1従ギヤ71Cは、第1挟持部712、及び第2挟持部713のそれぞれの左端部の間に配置される。第1従ギヤ71Cには、中心を通って前後方向に延びる貫通孔が形成される。貫通孔の内面に、雌ねじが形成される。雌ねじは、前後方向に螺旋状に延びる。図11に示すように、雌ねじが内面に形成された貫通孔を、「ナット部717」という。第1挟持部712及び第1突出部714に形成された第1貫通孔714H、第2挟持部713及び第2突出部715に形成された第2貫通孔715H、及びナット部717は、前後方向に一直線状に並ぶ。
【0061】
第1従ギヤ71Cは、第1主ギヤ71Bに噛み合う。このため、第1従ギヤ71Cは、第1主ギヤ71Bの回転に応じて回転する。
【0062】
図10図11に示すように、第1変換部71Dは、ワイヤ42の後端部に設けられる。第1変換部71Dは、終端部718及び従ギヤ719を有する。終端部718は、ワイヤ42の後端に接続する。終端部718は、第2貫通孔715H内に配置される。終端部718は、第2貫通孔715Hに沿って前後方向に移動可能である。ワイヤ42は、終端部718から前方に向けて延びる。ワイヤ42は、第2貫通孔715H、第1従ギヤ71Cのナット部717、及び、第1貫通孔714Hを通過し、フック体41の貫通孔に挿通する。
【0063】
従ギヤ719は、終端部718よりも前方、且つ、ワイヤ42の周囲に接続する。従ギヤ719は、従ギヤ719の側面に雄ねじが形成される。従ギヤ719の雄ねじと、ナット部717の雌ねじとは噛み合う。
【0064】
<第2駆動機構7B>
図12に示すように、第2駆動機構7Bは、第1ねじ軸Xb1、第1補助軸Xb2、第2フック支持部70B、第1モータMb1、及び第1補助モータMb2(図6参照)を有する。
【0065】
第1ねじ軸Xb1は、第1補助軸Xb2に対して右方に配置され、第1ねじ軸Xb1と平行に延びる。第1ねじ軸Xb1のうち第2支持板702(図6参照)よりも前方に突出した部分に、第3ギヤGb1が接続する。第3ギヤGb1は、第1モータMb1(図6参照)の回転軸に接続されたギヤに噛み合う。第1ねじ軸Xb1は、第1モータMb1が駆動することにより回転する。第1補助軸Xb2のうち第2支持板702よりも前方に突出した部分に、第4ギヤGb2が接続する。第4ギヤGb2は、第1補助モータMb2(図6参照)の回転軸に接続されたギヤに噛み合う。第1補助軸Xb2は、第1補助モータMb2が駆動することにより回転する。
【0066】
第2フック支持部70Bは、フック体43及びワイヤ44を支持する。第2フック支持部70Bの構成は、第1フック支持部70A(図10図11参照)と共通する。以下では、構成が共通する部分の説明を省略又は簡略化する。
【0067】
図13図14に示すように、第2フック支持部70Bは、支持基部72A、第1主ギヤ72B、第1従ギヤ72C、及び第1変換部72Dを有する。支持基部72A、第1主ギヤ72B、第1従ギヤ72C、及び第1変換部72Dは、第1フック支持部70Aの支持基部71A、第1主ギヤ71B、第1従ギヤ71C、及び第1変換部71D(図10図11参照)に対応する。支持基部72Aの基部721、第1挟持部722、第2挟持部723、第1突出部724、及び第2突出部725は、支持基部71Aの基部711、第1挟持部712、第2挟持部713、第1突出部714、及び第2突出部715(図10図11参照)に対応する。基部721に形成される第1ナット部720は、支持基部71Aの基部711に形成される第1ナット部710(図10参照)に対応する。
【0068】
第1ナット部720には、第1ねじ軸Xb1が挿通する(図12参照)。第1ねじ軸Xb1の雄ねじと、第1ナット部720の雌ねじとは噛み合う。
【0069】
第1挟持部722、及び第2挟持部723は、基部721の側面から左斜め上方に突出する。第1挟持部722の左端部に形成された第1貫通孔722H、及び、第2挟持部723の左端部に形成された第2貫通孔723Hは、支持基部71Aの第1貫通孔712H、及び第2貫通孔713H(図10参照)に対応する。第1貫通孔722H、及び第2貫通孔723Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。第1貫通孔722H、及び第2貫通孔723Hには、第1補助軸Xb2が挿通する(図12参照)。
【0070】
第1突出部724は、第1挟持部722の前面のうち上端部から前方に突出する。第1挟持部722及び第1突出部724に形成された第1貫通孔724Hは、支持基部71Aの第1貫通孔714H(図10図11参照)に対応する。フック体43の後端は、第1突出部724の前面、且つ、第1貫通孔724Hの周囲に接続する(図14参照)。第2突出部725は、第2挟持部723の後面のうち上端部から後方に突出する。第2挟持部723及び第2突出部725に形成された第2貫通孔725Hは、支持基部71Aの第2貫通孔715H(図10図11参照)に対応する。第1貫通孔724H、及び第2貫通孔725Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。
【0071】
第1主ギヤ72Bの貫通孔726Hは、第1フック支持部70Aの第1主ギヤ71Bのギヤ貫通孔716H(図10図11参照)に対応する。第1挟持部722の第1貫通孔722H、第2挟持部723の第2貫通孔723H、及び第1主ギヤ72Bの貫通孔726Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。貫通孔726Hには、第1補助軸Xb2(図12参照)が挿通する。第1主ギヤ72Bは、第1補助軸Xb2に対して前後方向に移動可能である。第1主ギヤ72Bは、第1補助軸Xb2の回転に応じて回転する。
【0072】
第1従ギヤ72Cは、第1挟持部722、及び第2挟持部723のそれぞれの上端部の間に配置される。第1従ギヤ72Cの貫通孔には、雌ねじが内面に形成される。雌ねじが内面に形成された貫通孔を、「ナット部727」という。図14に示すように、第1挟持部722及び第1突出部724に形成された第1貫通孔724H、第2挟持部723及び第2突出部725に形成された第2貫通孔725H、及びナット部727は、前後方向に一直線状に並ぶ。第1従ギヤ72Cは、第1主ギヤ72Bに噛み合う。このため、第1従ギヤ72Cは、第1主ギヤ72Bの回転に応じて回転する。
【0073】
図13図14に示すように、第1変換部72Dの終端部728及び従ギヤ729は、第1フック支持部70Aの第1変換部71Dの終端部718及び従ギヤ719(図10図11参照)に対応する。ワイヤ44は、終端部728から前方に向けて延びる。ワイヤ44は、第2貫通孔725H、第1従ギヤ72Cのナット部727、及び、第1貫通孔724Hを通過し、フック体43の貫通孔に挿通する。従ギヤ729の雄ねじと、ナット部727の雌ねじとは噛み合う。
【0074】
<第3駆動機構7C>
図15に示すように、第3駆動機構7Cは、第2ねじ軸Xc1、第2補助軸Xc2、プッシャ支持部70C、第2モータMc1、及び第2補助モータMc2(図6参照)を有する。
【0075】
第2ねじ軸Xc1は、第2補助軸Xc2に対して左斜め下方に位置し、第2ねじ軸Xc1と平行に延びる。第2ねじ軸Xc1のうち第2支持板702(図6参照)よりも前方に突出した部分に、第5ギヤGc1が接続する。第5ギヤGc1は、第2モータMc1(図6参照)の回転軸に接続されたギヤに噛み合う。第2ねじ軸Xc1は、第2モータMc1が駆動することにより回転する。第2補助軸Xc2のうち第2支持板702よりも前方に突出した部分に、ギヤGc2が接続する。ギヤGc2は、第2補助モータMc2(図6参照)の回転軸に接続されたギヤに噛み合う。第2補助軸Xc2は、第2補助モータMc2が駆動することにより回転する。
【0076】
プッシャ支持部70Cは、ノットプッシャ5を支持する。プッシャ支持部70Cの構成は、一部を除き、第1フック支持部70A(図10図11参照)、第2フック支持部70B(図13図14参照)と共通する。以下では、第1フック支持部70Aと構成が共通する部分の説明を省略又は簡略化する。
【0077】
図16に示すように、プッシャ支持部70Cは、支持基部73A、第2主ギヤ73B、及び第2従ギヤ739を有する。支持基部73A及び第2主ギヤ73Bは、第1フック支持部70Aの支持基部71A及び第1主ギヤ71B(図10参照)に対応する。プッシャ支持部70Cは、第1フック支持部70Aの第1従ギヤ71C(図10参照)に対応する部材を有さない。支持基部73Aの基部731、第1挟持部732、及び第2挟持部733は、支持基部71Aの基部711及び第1挟持部712、及び第2挟持部713(図10図11参照)に対応する。支持基部73Aは、第1フック支持部70Aの第1突出部714、及び第2突出部715(図10図11参照)に対応する部分を有さない。基部731に形成される第2ナット部730は、支持基部71Aの基部711に形成される第1ナット部710(図10参照)、に対応する。第2ナット部730には、第2ねじ軸Xc1が挿通する(図15参照)。第2ねじ軸Xc1の雄ねじと、第2ナット部730の雌ねじとは噛み合う。
【0078】
第1挟持部732、及び第2挟持部733は、基部731の側面から右斜め上方に突出する。第1挟持部732の上端部に形成された第1貫通孔732H、及び、第2挟持部733の上端部に形成された第2貫通孔733Hは、支持基部71Aの第1貫通孔712H、及び第2貫通孔713H(図10参照)に対応する。第1貫通孔732H、及び第2貫通孔733Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。第1貫通孔732H、及び第2貫通孔733Hには、第2補助軸Xc2が挿通する(図15参照)。
【0079】
第1挟持部732の右端部に、第1貫通孔734Hが形成される。第2挟持部733の右端部に、第2貫通孔735Hが形成される。第1貫通孔734H、及び第2貫通孔735Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。第1貫通孔734H、及び第2貫通孔735Hには、ノットプッシャ5の後端部が挿通する。
【0080】
第2主ギヤ73Bのギヤ貫通孔736Hは、第1フック支持部70Aの第1主ギヤ71Bのギヤ貫通孔716H(図10図11参照)に対応する。第1挟持部732の第1貫通孔732H、第2挟持部733の第2貫通孔733H、及び第2主ギヤ73Bのギヤ貫通孔736Hは、前後方向に一直線状に並ぶ。ギヤ貫通孔736Hには、第2補助軸Xc2が挿通する(図12参照)。第2主ギヤ73Bは、第2補助軸Xc2に対して前後方向に移動可能である。第2主ギヤ73Bは、第2補助軸Xc2の回転に応じて回転する。
【0081】
第2従ギヤ739は、ノットプッシャ5の後端よりも僅かに前方の部分の周囲に接続する。第2従ギヤ739は、第1挟持部732、及び第2挟持部733間に配置される。第2従ギヤ739は、第2主ギヤ73Bと噛み合う。第2補助軸Xc2が回転することに応じ、第2主ギヤ73B及び第2従ギヤ739が回転する。
【0082】
<第1駆動機構7Aの動作説明>
以下説明では、ねじ軸X1を回転させてフック体41、43、及びノットプッシャ5を前方に移動させる場合におけるねじ軸X1の回転方向を、「正方向」という。ねじ軸X1を回転させてフック体41、43、及びノットプッシャ5を後方に移動させる場合におけるねじ軸X1の回転方向を、「逆方向」という。補助軸X2を回転させてワイヤ42、44を前方に移動させる場合における補助軸X2の回転方向を、「正方向」という。補助軸X2を回転させてワイヤ42、44を後方に移動させる場合における補助軸X2の回転方向を、「逆方向」という。
【0083】
結紮装置1Aは、図9図10において、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42を前方に移動させる場合、第1モータMa1を駆動し、第1ねじ軸Xa1を正方向に回転させる。第1ナット部710は、第1ねじ軸Xa1が回転することに応じて前向きの力を受け、前方に移動する。この場合、第1ナット部710が形成された支持基部71Aは、第1ナット部710の移動に応じて前方に移動する。これにより、第1突出部714に接続されたフック体41も、前方に移動する。なお、第1主ギヤ71Bは、第1補助軸Xa2に沿って前方に移動する。
【0084】
又、支持基部71Aが前方に移動することに応じ、第2貫通孔715H内に配置された終端部718に接続するワイヤ42も前方に移動する。従って、第1引込部材4Aは、フック体41及びワイヤ42が一体となって前方に移動する。
【0085】
一方、結紮装置1Aは、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42を後方に移動させる場合、第1モータMa1を駆動し、第1ねじ軸Xa1を逆方向に回転させる。これにより、第1引込部材4Aは、フック体41及びワイヤ42が一体となって後方に移動する。
【0086】
又、結紮装置1Aは、第1引込部材4Aのフック体41に対してワイヤ42を前方に相対移動させる場合、第1補助モータMa2を駆動し、第1補助軸Xa2(図9参照)を正方向に回転させる。第1補助軸Xa2が回転することに応じ、第1主ギヤ71B及び第1従ギヤ71Cが回転する。第1従ギヤ71Cが回転することに応じ、第1変換部71Dの従ギヤ719は第1従ギヤ71Cから前向きの力を受け、前方に移動する。この場合、従ギヤ719に接続するワイヤ42も前方に移動する。なお、第1突出部714に接続されたフック体41は移動しない。従って、第1引込部材4Aは、フック体41に対してワイヤ42が前方に相対移動する。
【0087】
一方、結紮装置1Aは、フック体41に対してワイヤ42を後方に相対移動させる場合、第1補助モータMa2を駆動し、第1補助軸Xa2を逆方向に回転させる。この場合、第1突出部714に接続されたフック体41は移動せず、ワイヤ42のみ後方に移動する。
【0088】
以上のように、第1駆動機構7Aは、第1モータMa1の駆動により第1ねじ軸Xa1を回転させることに応じ、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42を一体で前後方向に移動させる。又、第1駆動機構7Aのうち第1補助モータMa2、第1補助軸Xa2、第1主ギヤ71B、第1従ギヤ71C、及び第1変換部71Dは、フック体41に対してワイヤ42を前後方向に相対移動させる移動機構71として機能する。第1変換部71Dは、第1補助軸Xa2、第1主ギヤ71B、及び第1従ギヤ71Cの回転運動を直線運動に変換することにより、ワイヤ42を前後方向に移動させる。
【0089】
<第2駆動機構7Bの動作説明>
第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44を前後方向に移動させる場合の第2駆動機構7Bの動作は、第1駆動機構7Aの動作と共通する。図12図13において、第2駆動機構7Bは、第1モータMb1の駆動により第1ねじ軸Xb1を回転させることに応じ、第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44を一体で前後方向に移動させる。又、第2駆動機構7Bのうち第1補助モータMb2、第1補助軸Xb2、第1主ギヤ72B、第1従ギヤ72C、及び第1変換部72Dは、フック体43に対してワイヤ44を前後方向に相対移動させる移動機構72として機能する。第1変換部72Dは、第1補助軸Xb2、第1主ギヤ72B、及び第1従ギヤ72Cの回転運動を直線運動に変換することにより、ワイヤ44を前後方向に移動させる。
【0090】
<第3駆動機構7Cの動作説明>
結紮装置1Aは、図15図16において、ノットプッシャ5を前方に移動させる場合、第2モータMc1を駆動し、第2ねじ軸Xc1を正方向に回転させる。第2ナット部730は、第2ねじ軸Xc1が回転することに応じて前向きの力を受け、前方に移動する。この場合、第2ナット部730が形成された支持基部73Aは、第2ナット部730の移動に応じて前方に移動する。又、支持基部73Aの第1挟持部732、及び第2挟持部733により挟持された第2従ギヤ739も前方に移動する。従って、第2従ギヤ739が後端部に接続されたノットプッシャ5は、前方に移動する。なお、第2主ギヤ73Bは、第2補助軸Xc2に沿って前方に移動する。一方、結紮装置1Aは、ノットプッシャ5を後方に移動させる場合、第2モータMc1を駆動し、第2ねじ軸Xc1を逆方向に回転させる。
【0091】
又、結紮装置1Aは、ノットプッシャ5を回転させる場合、第2補助モータMc2を駆動し、第2補助軸Xc2を回転させる。第2補助軸Xc2が回転することに応じ、第2主ギヤ73B及び第2従ギヤ739が回転する。これにより、第2従ギヤ739に接続するノットプッシャ5は、中心を通って前後方向に延びる第7軸C7を中心として回転する。なお、第2補助軸Xc2が正方向に回転した場合のノットプッシャ5の回転方向と、第2補助軸Xc2が逆方向に回転した場合のノットプッシャ5の回転方向とは相違する。
【0092】
以上のように、第3駆動機構7Cは、第2モータMc1の駆動により第2ねじ軸Xc1を回転させることに応じ、ノットプッシャ5を前後方向に移動させる。又、第3駆動機構7Cのうち第2補助モータMc2、第2補助軸Xc2、第2主ギヤ73B、及び第2従ギヤ739は、第7軸C7を中心としてノットプッシャ5を回転させる回転機構73として機能する。
【0093】
<第1駆動機構7A、第2駆動機構7B、第3駆動機構7Cの位置関係>
図7に示すように、ロボット接続部9の後端と、第1フック支持部70Aの前端との間の前後方向の間隔を、L11と表記する。ロボット接続部9の後端と第2フック支持部70Bとの間の前後方向の間隔を、L12と表記する。ロボット接続部9の後端とプッシャ支持部70Cとの間の前後方向の間隔を、L13と表記する。ロボット接続部9の後端と駆動モータMmの前端との間の前後方向の間隔を、L21と表記する。ロボット接続部9の後端とねじ軸X1及び補助軸X2の前端との間の前後方向の間隔を、L22と表記する。なお、ロボット接続部9の後端の前後方向の位置は、本体2Aの後端の前後方向の位置と一致する。
【0094】
間隔L21は、間隔L22よりも短い。つまり、ねじ軸X1及び補助軸X2よりも駆動モータMmの方が、ロボット接続部9に近接する。又、間隔L21は、間隔L11、L12、L13よりも短い。つまり、第1フック支持部70A、第2フック支持部70B及びプッシャ支持部70Cよりも駆動モータMmの方が、ロボット接続部9に近接する。
【0095】
図8に示すように、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bのそれぞれの位置は、前後方向と直交する方向(上下方向及び左右方向)において互いに相違する。このため、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bがそれぞれ前後方向に移動する場合、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bは互いに接触しない。従って、第1フック支持部70Aは第2フック支持部70Bよりも前方に移動可能であり、且つ、第2フック支持部70Bは第1フック支持部70Aよりも前方に移動可能である。又、例えば図7に示すように、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bのそれぞれの一部が前後方向において重なる場合でも、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bは互いに接触しない。
【0096】
図8に示すように、後方から視た状態で、第1引込部材4Aとノットプッシャ5とは同心円状に配置される。第1フック支持部70Aのうち第1引込部材4Aが接続される位置と、プッシャ支持部70Cのうちノットプッシャ5が接続される位置とは、前後方向と直交する方向(上下方向及び左右方向)において一致する。第1フック支持部70Aのうち第1引込部材4Aが接続される位置と、プッシャ支持部70Cのうちノットプッシャ5が接続される位置とは、前後方向に重なる。より詳細には、後方から視た状態で、第1引込部材4Aにより囲まれる領域U1は、ノットプッシャ5により囲まれる領域U2に含まれる。
【0097】
第1フック支持部70Aとプッシャ支持部70Cとのそれぞれの一部は、前後方向と直交する方向(上下方向及び左右方向)において重なる。図7に示すように、第1フック支持部70Aよりも前方にプッシャ支持部70Cが配置される。プッシャ支持部70Cよりも前方に第1フック支持部70Aが移動することは、第1フック支持部70Aの前面にプッシャ支持部70Cの後面が接触することで規制される。このため第1フック支持部70Aは、プッシャ支持部70Cよりも常に後方に配置される。間隔L13は、間隔L11よりも短くなる。
【0098】
一方、図8に示すように、第2フック支持部70Bとプッシャ支持部70Cとの夫々の位置は、前後方向と直交する方向(上下方向及び左右方向)において互いに相違する。後方から視た状態で、第2フック支持部70Bとプッシャ支持部70Cとは互いに重ならない。このため、第2フック支持部70Bとプッシャ支持部70Cとがそれぞれ前後方向に移動する場合、第2フック支持部70Bとプッシャ支持部70Cとは互いに接触しない。従って、第2フック支持部70Bはプッシャ支持部70Cよりも前方に移動可能であり、且つ、プッシャ支持部70Cは第2フック支持部70Bよりも前方に移動可能である。プッシャ支持部70Cが第2フック支持部70Bよりも前方に位置する場合、間隔L13は間隔L12よりも短くなる。一方、プッシャ支持部70Cが第2フック支持部70Bよりも後方に位置する場合、間隔L13は間隔L12よりも長くなる。
【0099】
<結紮工程の動作説明>
結紮装置1Aが被結紮体Sを糸Tにより結紮する結紮工程について説明する。結紮工程は、初期状態の結紮装置1Aにより開始される。初期状態は次の通りである。
【0100】
第2顎部3Bは近接位置に配置される。送り部6は、第1顎部3Aの第1挿通孔31内に収容される。第1引込部材4A及びノットプッシャ5は、第1挿通孔21の延伸部21A及び第1分岐部21Bに配置される。第1引込部材4A及びノットプッシャ5の前端は、本体2Aの前端の近傍に位置する。第2引込部材4Bは、第1挿通孔21の第2分岐部21Cに配置される。第2引込部材4Bの前端は、延伸部21Aが分岐する分岐位置の近傍に位置する。
【0101】
ボビンBから繰り出された糸Tは、第1顎部3Aの第1挿通孔31、掛止ピン35、第1挿通孔21の延伸部21A及び第1分岐部21Bを通過する。糸Tの先端は、第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44により把持される。形成部2Bの第1ループ軸46、及び第2ループ軸56は、第3回転位置に配置される。第1ループ軸46に第1ループP1が形成されており、第2ループ軸56に第2ループP2が形成されている。第1引込部材4A及びノットプッシャ5は、第1ループP1、及び第2ループP2に挿通する。図18図40では、理解を容易にするために、第1ループP1、及び第2ループP2が第1ループ軸46、及び第2ループ軸56から外れた状態を示す。
【0102】
結紮装置1Aの本体2Aは、体内で被結紮体Sよりも後方に配置される。この状態で、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第1操作ワイヤ201を操作する。図18に示すように、第2顎部3Bは、近接位置から離隔位置に移動する(矢印Y11)。この状態で、本体2Aは前方に移動する。第1顎部3Aと第2顎部3Bとの間に被結紮体Sが配置される。
【0103】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第1操作ワイヤ201を操作する。図19に示すように、第2顎部3Bは、離隔位置から近接位置に移動する(矢印Y12)。被結紮体Sは、第1顎部3Aと第2顎部3Bとの間に挟まれる。糸Tは、被結紮体Sの下方に配置される。次に、結紮装置1Aは第1モータMa1、及び第2モータMc1を駆動し、第1ねじ軸Xa1、及び第2ねじ軸Xc1を正方向に回転させる。第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42、並びにノットプッシャ5は前方に移動する(矢印Y13)。第1引込部材4A及びノットプッシャ5は、第2顎部3Bの凹部32内を通過する。第1引込部材4A及びノットプッシャ5の前端は、第2顎部3Bの第2挿通孔33に到達する。
【0104】
次に、結紮装置1Aは第1モータMa1を駆動し、第1ねじ軸Xa1を正方向に回転させる。図20に示すように、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42は前方に移動する(矢印Y14)。第1引込部材4Aの前端は、第2顎部3Bの第2挿通孔33の前端の近傍に到達する。なお、第2モータMc1は駆動せず、第2ねじ軸Xc1は回転しない。このため、ノットプッシャ5は前方に移動しない。従って、第1引込部材4Aの前端部は、ノットプッシャ5の前端から前方に突出する。
【0105】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第6操作ワイヤ251を操作する。送り部6は前方に移動する。図21に示すように、送り部6の基部61は、第1顎部3Aの第1挿通孔31から上方に突出し、第2顎部3Bの第2挿通孔33に挿通して更に上方まで移動する(矢印Y15)。このとき、送り部6の溝62は糸Tを挟み、糸Tを上方に持ち上げる。
【0106】
次に、結紮装置1Aは第1モータMa1、及び第2モータMc1を駆動し、第1ねじ軸Xa1、及び第2ねじ軸Xc1を逆方向に回転させる。図22に示すように、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42、並びにノットプッシャ5は後方に移動する(矢印Y16)。第1引込部材4A及びノットプッシャ5の前端は、送り部6に対して後方に離隔する。フック体41のフック41Bに糸Tが引っ掛かる。次に、結紮装置1Aは第1補助モータMa2を駆動し、第1補助軸Xa2を正方向に回転させる。ワイヤ42は前方に移動する。ワイヤ42の前面42Aは、フック体41のフック41Bとの間に糸Tを把持する。なお、この状態で糸Tは潰れておらず、フック体41のフック41B及びワイヤ42に対して移動可能な状態である。糸Tは、フック体41から外れない程度の強さで、フック体41のフック41B及びワイヤ42により把持される。以下、このような把持状態を、「半把持状態」という。
【0107】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第6操作ワイヤ251を操作する。図23に示すように、送り部6は後方に移動し、第1顎部3Aの第1挿通孔31内に収容される(矢印Y17)。又、結紮装置1Aは第1モータMa1、及び第2モータMc1を駆動し、第1ねじ軸Xa1、及び第2ねじ軸Xc1を逆方向に回転させる。第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42、並びにノットプッシャ5は後方に移動する(矢印Y18)。第1引込部材4Aにより把持された糸Tは、被結紮体Sの上方を通過する。第1引込部材4A及びノットプッシャ5の前端は、第1挿通孔21の延伸部21A内、且つ、第1カッタ26と形成部2Bとの間の部分に到達する。
【0108】
次に、結紮装置1Aは第1補助モータMa2を駆動し、第1補助軸Xa2を正方向に回転させる。ワイヤ42は前方に移動する。フック体41のフック41B及びワイヤ42により把持された状態の糸Tは潰れ、フック体41のフック41B及びワイヤ42に対して移動不可能な状態となる。以下、このような把持状態を、「全把持状態」という。
【0109】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第6操作ワイヤ251を操作する。送り部6は前方に移動する。図24に示すように、送り部6の基部61は、第1顎部3Aの第1挿通孔31から上方に突出し、第2顎部3Bの第2挿通孔33に挿通して更に上方まで移動する(矢印Y19)。このとき、送り部6の溝62は糸Tを挟み、糸Tを上方に持ち上げる。次に、結紮装置1Aは第1モータMa1、及び第2モータMc1を駆動し、第1ねじ軸Xa1、及び第2ねじ軸Xc1を逆方向に回転させる。第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42、並びにノットプッシャ5は後方に移動する(矢印Y20)。
【0110】
糸Tのうち送り部6の溝62に把持された部分と、第1引込部材4Aにより把持さえた部分との間の部分は、第2顎部3Bに固定された第2カッタ34に押し付けられる。糸Tは、第2カッタ34により切断される。糸Tのうち、切断によりボビンB側から切り離された糸T1は、一方側の第1端部taにおいて第2引込部材4Bにより把持される。糸T1は、第1端部taから前方に延び、被結紮体Sに巻回して後方に延び、第1引込部材4Aにより把持された部分で曲折して前方に延び、他方側の第2端部tbに至る。糸T1は、被結紮体Sに巻き付く。
【0111】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第6操作ワイヤ251を操作する。図25に示すように、送り部6は後方に移動し、第1顎部3Aの第1挿通孔31内に収容される。又、結紮装置1Aは第1補助モータMa2を駆動し、第1補助軸Xa2を逆方向に回転させる。ワイヤ42は後方に移動する。フック体41は、全把持状態から半把持状態に切り替えられる。
【0112】
結紮装置1Aは第1モータMa1、及び第2モータMc1を駆動し、第1ねじ軸Xa1、及び第2ねじ軸Xc1を逆方向に回転させる。第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42、並びにノットプッシャ5は後方に移動する(矢印Y21)。第1引込部材4A及びノットプッシャ5が後方に移動する過程で、糸T11の第2端部tbは、第1ループP1、及び第2ループP2を後方に通過する。第1引込部材4A及びノットプッシャ5の前端は、第1挿通孔21の第1分岐部21B内に到達する。又、結紮装置1Aは第1補助モータMa2を駆動し、第1補助軸Xa2を正方向に回転させる。ワイヤ42は前方に移動する。フック体41は、半把持状態から全把持状態に切り替えられる。
【0113】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第3操作ワイヤ221を操作する。図26に示すように、第1ループ軸46、及び第2ループ軸56は、第3回転位置から第1回転方向R1に360度回転する。第1ループP1は第1ループ軸46から外れ、第2ループP2は第2ループ軸56から外れる。
【0114】
又、結紮装置1Aは第1モータMa1、及び第2モータMc1を駆動し、第1ねじ軸Xa1、及び第2ねじ軸Xc1を正方向に回転させる。第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42、並びにノットプッシャ5は前方に移動する(矢印Y22)。同時に、結紮装置1Aは第1モータMb1を駆動し、第1ねじ軸Xb1を逆方向に回転させる。第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44は後方に移動する(矢印Y23)。これにより、糸T1の弛みが防止される。
【0115】
次に、結紮装置1Aは第1モータMb1を駆動し、第1ねじ軸Xb1を逆方向に回転させる。図27に示すように、第1ねじ軸Xb1の回転に応じ、第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44は更に後方に移動する(矢印Y24)。これにより、糸T1に張力が付与される。次に、結紮装置1Aは第1モータMa1を駆動し、第1ねじ軸Xa1を正方向に回転させる。第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42は前方に移動する(矢印Y25)。第1引込部材4Aの前端は、本体2Aの前端近傍に到達する。又、結紮装置1Aは第2モータMc1を駆動し、第2ねじ軸Xc1を正方向に回転させる。ノットプッシャ5は前方に移動する(矢印Y26)。ノットプッシャ5の前端は、本体2Aの前端から前方に突出し、被結紮体Sの近傍に到達する。これにより、ノットプッシャ5は、第1ループP1、及び第2ループP2を被結紮体Sの近傍まで移動させる。図28は、被結紮体Sの近傍に配置された第1ループP1、及び第2ループP2を示す。
【0116】
次に、結紮装置1Aは第1モータMa1を駆動し、第1ねじ軸Xa1を逆方向に回転させる。図29に示すように、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42は後方に移動する(矢印Y27)。第1引込部材4Aの前端は、本体2Aの第1挿通孔21内のうち第1カッタ26よりも後方に到達する。又、結紮装置1Aは第1モータMb1を駆動し、第1ねじ軸Xb1を正方向に回転させる。第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44は前方に移動する(矢印Y28)。
【0117】
第1引込部材4A、及び第2引込部材4Bの移動により、図28に示す第1ループP1が延びる。図30に示すように、糸T1のうち第2ループP2と第1端部taとの間の部分に、新たな第1ループP11が形成される。これにより、男結びの結び目Kが形成され、被結紮体Sは糸T11により結紮される。
【0118】
次に、結紮装置1Aは第2モータMc1を駆動し、第2ねじ軸Xc1を逆方向に回転させる。図31に示すように、ノットプッシャ5は後方に移動する(矢印Y29)。ノットプッシャ5の前端は、第1引込部材4Aの前端近傍に到達する。次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第4操作ワイヤ231、及び第5操作ワイヤ232を操作する。第1カッタ26の回転台26Aは回転する(矢印Y30)。第1カッタ26の刃26Bは、糸T11のうち結び目Kから第1端部ta、及び第2端部tbに向けて延びる分を、結び目Kから切り離す。結び目Kから切り離された糸T11のうち第2端部tbを含む部分を、「糸T12」という。結び目Kから切り離された糸T11のうち第1端部taを含む部分を、「糸T13」という。
【0119】
次に、結紮装置1Aは第1モータMa1、及び第2モータMc1を駆動し、第1ねじ軸Xa1、及び第2ねじ軸Xc1を逆方向に回転させる。図32に示すように、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42、並びにノットプッシャ5は後方に移動する(矢印Y31)。第1引込部材4A及びノットプッシャ5の前端は、本体2Aよりも後方に移動する。第1引込部材4Aに把持された糸T12(図31参照)は、第1引込部材4Aから取り外される。又、第2引込部材4Bに把持された糸T13(図31参照)は、第2引込部材4Bから取り外される。結紮装置1Aは第1モータMa1を駆動し、第1ねじ軸Xa1を正方向に回転させる。第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42は前方に移動する(矢印Y32)。第1引込部材4Aの前端は、第1挿通孔21の第1分岐部21B内に到達する。
【0120】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第1操作ワイヤ201を操作する。図33に示すように、第2顎部3Bは、近接位置から離隔位置に移動する(矢印Y33)。糸T11により結紮された被結紮体S(図32参照)は、保持部3から取り外される。次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第1操作ワイヤ201を操作する。第2顎部3Bは、離隔位置から近接位置に移動する(矢印Y34)。
【0121】
<再配置工程の動作説明>
結紮工程を経て被結紮体Sが糸Tにより結紮された後、結紮装置1Aを初期状態に戻す再配置工程について説明する。はじめに、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第3操作ワイヤ221を操作する。第1ループ軸46、及び第2ループ軸56は、第3回転位置から第1回転位置に向けて、180度回転する。
【0122】
結紮装置1Aは第1モータMb1を駆動し、第1ねじ軸Xb1を正方向に回転させる。図34に示すように、第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44は前方に移動する(矢印Y51)。第2引込部材4Bは、第1挿通孔21の第2分岐部21C及び延伸部21Aを通過する。第2引込部材4Bの前端は、第2顎部3Bの第2挿通孔33の前端の近傍に到達する。
【0123】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第6操作ワイヤ251を操作する。送り部6は前方に移動する。図35に示すように、送り部6の基部61は、第1顎部3Aの第1挿通孔31から上方に突出し、第2顎部3Bの第2挿通孔33に挿通して更に上方まで移動する(矢印Y52)。このとき、送り部6の溝62は糸Tを挟み、糸Tを上方に持ち上げる。
【0124】
次に、結紮装置1Aは第1モータMb1を駆動し、第1ねじ軸Xb1を逆方向に回転させる。図36に示すように、第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44は後方に移動する(矢印Y53)。フック体43のフック43Bに糸Tが引っ掛かる。次に、結紮装置1Aは第1補助モータMb2を駆動し、第1補助軸Xb2を正方向に回転させる。ワイヤ44は前方に移動する。ワイヤ44の前面44Aは、フック体43のフック43Bとの間に糸Tを把持する。
【0125】
次に、結紮装置1Aは第1モータMb1を駆動し、第1ねじ軸Xb1を逆方向に回転させる。図37に示すように、第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44は後方に移動する(矢印Y54)。第2引込部材4Bの前端は、第1挿通孔21の延伸部21Aが第1分岐部21B及び第2分岐部21Cに分岐する分岐位置の近傍に到達する。これにより、ボビンBから繰り出された糸Tは、第1顎部3Aの第1挿通孔31、掛止ピン35、第2顎部3Bの凹部32、第1挿通孔21の延伸部21Aを通過する。糸Tの一部は、形成部2Bのうち第1回転位置に配置された第1ループ軸46の第2溝460A、及び、第1回転位置に配置された第2ループ軸56の第3溝560A(図5参照)に沿って配置される。又、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第6操作ワイヤ251を操作する。送り部6は後方に移動し、第1顎部3Aの第1挿通孔31内に収容される(矢印Y55)。
【0126】
次に、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第3操作ワイヤ221を操作する。図38に示すように、第1ループ軸46、及び第2ループ軸56は、第1回転位置から第2回転位置に向けて、第1回転方向R1に90度回転する。これにより、第2溝460Aに沿って配置された糸Tを、第4溝460B、及び第5溝460Cに移動させ、且つ、第3溝560Aに沿って配置された糸Tを、第6溝560B、第7溝560Cに移動させる。
【0127】
次に、結紮装置1Aは第1モータMb1を駆動し、第1ねじ軸Xb1を逆方向に回転させる。図39に示すように、第2引込部材4Bは、糸Tを把持したまま後方に移動する(矢印Y55)。第2引込部材4Bの前端は、第1挿通孔21の第2分岐部21Cに到達する。次に、結紮装置1Aは第1モータMb1を駆動し、第1ねじ軸Xb1を正方向に回転させる。第2引込部材4Bは、前方に僅かに移動する(矢印Y56)。又、ロボットRはロボットモータMRを駆動し、第3操作ワイヤ221を操作する。第1ループ軸46、及び第2ループ軸56は、第2回転位置から第3回転位置に向けて、第2回転方向R2に270度回転する。これにより、図40に示すように、第1ループ軸46に第1ループP1が形成され、第2ループ軸56に第2ループP2が形成される。
【0128】
次に、結紮装置1Aは第2モータMc1を駆動し、第2ねじ軸Xc1を正方向に回転させる。ノットプッシャ5は前方に移動する。ノットプッシャ5の前端は、第1引込部材4Aよりも前方に突出する。次に、結紮装置1Aは第1モータMa1、及び第2モータMc1を駆動し、第1ねじ軸Xa1、及び第2ねじ軸Xc1を正方向に回転させる。第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42、並びにノットプッシャ5は前方に移動する(矢印Y57)。第1引込部材4A及びノットプッシャ5は、形成部2Bの第1ループ軸46に形成された第1ループP1、及び、第2ループ軸56に形成された第2ループP2を通過する。
【0129】
又、結紮装置1Aは、第1ループP1、及び第2ループP2を形成する糸Tをノットプッシャ5の前端が通過する度に、第2補助モータMc2を駆動し、第2補助軸Xc2を正方向又は逆方向に交互に回転させる。ノットプッシャ5は、第7軸C7(図16参照)を中心として一方側及び他方側に交互に180度ずつ回転する(矢印Y58)。これにより、ノットプッシャ5は、第1ループP1、及び第2ループP2に引っ掛からずに前方に移動する。第1引込部材4A及びノットプッシャ5の前端は、第1ループP1、及び第2ループP2を通過した後、本体2Aの前端の近傍に到達する。以上により、結紮装置1Aは初期状態となる。
【0130】
<結紮装置1Aの作用、効果>
結紮装置1Aは、被結紮体Sを結紮する糸Tを引込体4により本体2A内に引き込み、被結紮体Sを結紮する。結紮装置1Aは、第1引込部材4Aのフック体41を第1モータMa1により駆動し、且つ、第2引込部材4Bのフック体43を第1モータMb1により駆動することで、被結紮体Sを結紮するために糸Tを本体2A内に引き込む動作を安定的に行うことができる。従って、結紮装置1Aは、被結紮体Sを糸Tにより安定的に結紮できる。
【0131】
結紮装置1Aは、第1ねじ軸Xa1に噛み合う第1ナット部710が第1ねじ軸Xa1の回転により前後方向に移動することに応じ、第1フック支持部70Aに接続されたフック体41を前後方向に移動させる。結紮装置1Aは、第1ねじ軸Xb1に噛み合う第1ナット部720が第1ねじ軸Xb1の回転により前後方向に移動することに応じ、第2フック支持部70Bに接続されたフック体43を前後方向に移動させる。従って、結紮装置1Aは、第1ねじ軸Xa1、Xb1を回転させる第1モータMa1、Mb1の回転駆動力を、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bに効率良く伝達し、フック体41、43を前後方向に移動させることができる。
【0132】
移動機構71は、第1引込部材4Aのワイヤ42をフック体41に対して前後方向に相対移動させる。移動機構72は、第2引込部材4Bのワイヤ44をフック体43に対して前後方向に相対移動させる。結紮装置1Aは、フック体41、43とワイヤ42、44とにより糸Tを安定的に把持して本体2A内に引き込むことで、被結紮体Sを糸Tにより安定的に結紮できる。
【0133】
移動機構71は第1駆動機構7Aに設けられ、移動機構72は第2駆動機構7Bに設けられる。このため、結紮装置1Aは、移動機構71が第1駆動機構7Aとは別に設けられ、移動機構72が第2駆動機構7Bとは別に設けられる場合と比べて、サイズを小型化できる。
【0134】
移動機構71は、第1補助モータMa2を駆動して第1補助軸Xa2を回転させることにより、第1主ギヤ71B、第1従ギヤ71C、及び第1変換部71Dを介してワイヤ42を前後方向に移動させる。移動機構72は、第1補助モータMb2を駆動して第1補助軸Xb2を回転させることにより、第1主ギヤ72B、第1従ギヤ72C、及び第1変換部72Dを介してワイヤ44を前後方向に移動させる。このように、結紮装置1Aは、フック体41、43を移動させるための第1モータMa1、Mb1と、ワイヤ42、44を移動させるための第1補助モータMa2、Mb2とを別々にすることで、フック体41、43及びワイヤ42、44を前後方向に安定的に移動させることができる。
【0135】
第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bのそれぞれの位置は、前後方向と直交する方向(上下方向及び左右方向)において互いに相違する。後方から視た状態で、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bは互いに重ならない。第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bを前後方向において近接させた場合でも、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bは互いに干渉しない。従って、第1フック支持部70Aは第2フック支持部70Bよりも前方に移動可能となり、且つ、第2フック支持部70Bは第1フック支持部70Aよりも前方に移動可能となる。このため、結紮装置1Aは、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bのそれぞれの前後方向における移動可能な範囲を大きくできる。
【0136】
結紮装置1Aは、第2ねじ軸Xc1に噛み合う第2ナット部730が第2ねじ軸Xc1の回転により前後方向に移動することに応じ、プッシャ支持部70Cに接続されたノットプッシャ5を前後方向に移動させる。従って、結紮装置1Aは、第2ねじ軸Xc1を回転させる第2モータMc1の回転駆動力をプッシャ支持部70Cに効率良く伝達し、ノットプッシャ5を前後方向に移動させることができる。
【0137】
回転機構73は、第7軸C7を中心としてノットプッシャ5を回転させる。回転機構73は第3駆動機構7Cに設けられるので、結紮装置1Aは、回転機構73が第3駆動機構7Cとは別に設けられる場合と比べて、サイズを小型化できる。又、回転機構73は、第2補助モータMc2を駆動して第2補助軸Xc2を回転させることにより、第2主ギヤ73B及び第2従ギヤ739を介してノットプッシャ5を回転させる。結紮装置1Aは、ノットプッシャ5を前後方向に移動させるための第2モータMc1と、ノットプッシャ5を回転させるための第2補助モータMc2とを別々にすることで、ノットプッシャ5の移動及び回転を安定的に実行できる。
【0138】
第1引込部材4Aとノットプッシャ5とは同心円状に配置される。第1フック支持部70Aのうち第1引込部材4Aが接続される位置と、プッシャ支持部70Cのうちノットプッシャ5が接続される位置とは、前後方向に重なる。この場合、結紮装置1Aは、前後方向と直交する方向(上下方向又は左右方向)において、第1フック支持部70Aとプッシャ支持部70Cとを近接させて配置させることができる。従って、結紮装置1Aは、前後方向と直交する方向のサイズを小型化できる。
【0139】
本体2Aと第1フック支持部70Aとの間の前後方向の間隔L11よりも、本体2Aとプッシャ支持部70Cとの間の前後方向の間隔L13の方が短い。この場合、結紮装置1Aは、ノットプッシャ5を前方に移動させた場合において、プッシャ支持部70Cが第1フック支持部70Aに干渉することを抑制できる。従って、結紮装置1Aは、プッシャ支持部70Cの移動が第1フック支持部70Aにより抑制されることを防止できる。
【0140】
第2顎部3B、送り部6、及び形成部2Bは、ロボット接続部9に接続したロボットRに内蔵されたロボットモータMRにより駆動する。結紮装置1Aは、第2顎部3B、送り部6、形成部2Bを駆動するためのモータを備えなくてよい。従って、結紮装置1Aは、小型化、軽量化が可能となる。
【0141】
ねじ軸X1及び補助軸X2よりも駆動モータMmの方が、ロボット接続部9に近接する。又、第1フック支持部70A、第2フック支持部70B及びプッシャ支持部70Cよりも駆動モータMmの方が、ロボット接続部9に近接する。このように、ロボット接続部9に対して近傍した位置に駆動モータMmを配置させることにより、ロボット接続部9から離隔した位置に駆動モータMmを配置する場合と比べて、ロボットRが結紮装置1Aを保持した状態でロボット接続部9に作用する力は小さくなる。このため、ロボットRに対して結紮装置1Aを強固に保持させることが可能となる。
【0142】
<第2実施形態(結紮装置1B)>
結紮装置1の別の実施形態である結紮装置1Bについて、図面を参照して説明する。結紮装置1Bの本体2A、形成部2B、保持部3、引込体4(第1引込部材4A、第2引込部材4B)、ノットプッシャ5、送り部6、及びロボット接続部9の構成は、結紮装置1A(図1参照)と共通する。結紮装置1Bは、駆動ユニット7の代わりに駆動ユニット8を有する点で、結紮装置1Aと相違する。以下では、構成が相違する駆動ユニット8について説明し、その他の説明を省略する。なお、図1では、駆動ユニット7における駆動モータMmとして、第1モータMa1、第1補助モータMa2、第1モータMb1、第1補助モータMb2、第2モータMc1、及び第2補助モータMc2(図6参照)が示されている。しかし、駆動ユニット8には、第1モータMa1、第1モータMb1、及び第2モータMc1のみ含まれ、第1補助モータMa2、第1補助モータMb2、及び第2補助モータMc2は含まれない。
【0143】
<駆動ユニット8>
駆動ユニット8は、第1駆動機構8A(図41図43参照)、第2駆動機構8A´、及び第3駆動機構8C(図44図46参照)を有する。第1駆動機構8Aは、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42を前後方向に移動させる。第2駆動機構8A´は、第2引込部材4Bのフック体43及びワイヤ44を前後方向に移動させる。第2駆動機構8A´は、第1駆動機構8Aと同一構成を有する。以下では、第2駆動機構8A´の構成及び動作の説明を省略する。第3駆動機構8Cは、ノットプッシャ5を前後方向に移動させ且つ回転させる。
【0144】
<第1駆動機構8A>
図41図42に示すように、第1駆動機構8Aは、第1モータMa1、(図6参照)、第1ねじ軸Xd1、支持軸Xd2、第1フック支持部80、及び第1切替部800を有する。
【0145】
第1ねじ軸Xd1及び支持軸Xd2は、前後方向に延びる。第1ねじ軸Xd1及び支持軸Xd2は、平行である。第1ねじ軸Xd1は、第2支持板702及び底板705(図6参照)により回転可能に支持される。第1ねじ軸Xd1の側面に雄ねじが形成される。雄ねじは、前後方向に螺旋状に延びる。第1ねじ軸Xd1のうち第2支持板702よりも前方に突出した部分に接続するギヤは、第1モータMa1の回転軸に接続するギヤに噛み合う。図41図42において、ギヤは省略されている。第1ねじ軸Xd1は、第1モータMa1が駆動することにより回転する。支持軸Xd2は、円柱状を有する。支持軸Xd2は、第2支持板702及び底板705の間に固定され、回転不能である。
【0146】
第1フック支持部80は、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42を支持する。図43に示すように、第1フック支持部80は、第1回転体81、第1回転体支持部82、83、及びワイヤ接続部84を有する。
【0147】
第1回転体81は、円筒状を有する。第1回転体81の中心軸は、前後方向に延びる。第1回転体81の貫通孔の径は、前後方向に亘って同一である。貫通孔の内面に雌ねじが形成される。雌ねじは、前後方向に螺旋状に延びる。雌ねじが内面に形成された貫通孔を、「第1ナット部810」という。第1ナット部810には、第1ねじ軸Xd1が挿通する(図41参照)。第1ねじ軸Xd1の雄ねじと、第1ナット部810の雌ねじとは噛み合う。
【0148】
図43に示すように、第1回転体81は、前部81A、中央部81B、及び後部81Cを含む。前部81A、中央部81B、及び後部81Cは、前後方向に並ぶ。前部81Aは最も前方に配置され、後部81Cは最も後方に配置される。中央部81Bは、前部81A及び後部81Cにより前後方向から挟まれる。中央部81Bの外径は、前部81A、後部81Cの外径よりも大きい。前部81Aと中央部81Bとのそれぞれの側面の間に亘って延びる段差面81Dは、前後方向と直交する。
【0149】
中央部81Bの側面に、周方向に蛇行しながら延びる溝811が形成される。中央部81Bの側面の前端部に、複数の突起812が設けられる。複数の突起812は、第1回転体81の中心軸を中心とした半径方向において、外方に突出する。各突起812は、第1面812A、第2面812B、及び頂点812Cを含む。頂点812Cは、第1回転体81の中心軸を中心とした半径方向において最も外方に配置される。第1面812Aは、前方から視た場合において、頂点812Cから第1回転体81の中心軸に向かう方向に沿って延びる。第2面812Bは、前方から視た場合において、頂点812Cから第1回転体81の中心軸に向かう方向に対して時計回り方向に傾斜する。
【0150】
段差面81Dに複数の突起813が設けられる。複数の突起813は、段差面81Dから前方に突出する。複数の突起813は、第1回転体81の中心軸を中心とした周方向に等間隔に並ぶ。
【0151】
第1回転体支持部82、83は、前後方向に並ぶ。第1回転体支持部82は、第1回転体支持部83に対して前方に配置される。第1回転体支持部82には、第1貫通孔82A、第2貫通孔82B、第3貫通孔82C、第4貫通孔82D、第5貫通孔82Eが形成される。第1貫通孔82A、第2貫通孔82B、第3貫通孔82C、第4貫通孔82D、及び第5貫通孔82Eは、前後方向に延びる。
【0152】
第1貫通孔82Aの断面形状は、円形である。第1貫通孔82Aには、第1回転体81の前部81Aが後方から挿通する。第1回転体支持部82の後面のうち、第1貫通孔82Aの周囲の部分に、複数の凹部821が形成される。複数の凹部821は、第1貫通孔82Aの中心軸を中心とした周方向に等間隔に並ぶ。
【0153】
第2貫通孔82Bは、第1貫通孔82Aの右方に配置される。第2貫通孔82Bの断面形状は、四角形である。第3貫通孔82Cは、第2貫通孔82Bの右方に配置される。第3貫通孔82Cの断面形状は、円形である。第3貫通孔82Cには第1スペーサ82Pが配置され、第1スペーサ82Pに支持軸Xd2が挿通する。第4貫通孔82Dは、第2貫通孔82Bの上方に配置される。第5貫通孔82Eは、第2貫通孔82Bの下方に配置される。第4貫通孔82D、及び第5貫通孔82Eの断面形状は、円形である。
【0154】
第1回転体支持部83は、基部830、第1延伸部831、第2延伸部832、第3延伸部833、及び突出部834を有する。基部830は、右端が円弧状に湾曲する。基部830に第1貫通孔83Cが形成される。第1貫通孔83Cは前後方向に延びる。第1貫通孔83Cの形状は円形である。第1貫通孔83Cは、第1回転体支持部82の第3貫通孔82Cの後方に配置される。第1貫通孔83Cには第2スペーサ83Pが配置され、第2スペーサ83Pに支持軸Xd2が挿通する。第1延伸部831は、基部830の上端部近傍から左方に延びる。第2延伸部832は、基部830の下端部近傍から左方に延びる。第1延伸部831、及び第2延伸部832は上下方向に離隔する。第1延伸部831に第2貫通孔83Dが形成される。第2貫通孔83Dは、第1回転体支持部82の第4貫通孔82Dの後方に配置される。第2延伸部832に第3貫通孔83Eが形成される。第3貫通孔83Eは、第1回転体支持部82の第5貫通孔82Eの後方に配置される。第2貫通孔83D、及び第3貫通孔83Eは、前後方向に延びる。第2貫通孔83D、及び第3貫通孔83Eの断面形状は、円形である。第3延伸部833は、基部830の後端部近傍から左方に延びる。
【0155】
第1延伸部831、及び第2延伸部832の間の隙間のうち右端近傍に、第2空間83Fが形成される。第2空間83Fの前方は、突出部834により覆われる。突出部834は、基部830の前面よりも前方に突出する。突出部834は、第1回転体支持部82の第2貫通孔82B内に配置される。突出部834には、前後方向に延びる貫通孔が形成される。突出部834の前面にフック体41が接続される。フック体41は、突出部834の前面から前方に延びる。フック体41の貫通孔と、突出部834の貫通孔とは、前後方向に一直線状に配置される。
【0156】
第1延伸部831、及び第2延伸部832の間の隙間のうち左端近傍に、第1空間83Bが形成される。第1空間83Bには、第1回転体81の中央部81Bが配置される。第3延伸部833のうち、第1空間83Bの後方に、貫通孔83Aが形成される。貫通孔83Aの断面形状は円形である。貫通孔83Aには、第1回転体81の後部81Cが配置される。
【0157】
第1ボルト82Kは、第1回転体支持部83の後方から第2貫通孔83Dに挿通する。第1ボルト82Kは、第1回転体支持部83の第2貫通孔83D、及び、第1回転体支持部82の第4貫通孔82Dを通過する。第2ボルト83Kは、第1回転体支持部83の後方から第3貫通孔83Eに挿通する。第2ボルト83Kは、第1回転体支持部83の第3貫通孔83E、及び、第1回転体支持部82の第5貫通孔82Eを通過する。第1ボルト82K、及び第2ボルト83Kの前端部は、第1回転体支持部82よりも前方に突出する。第1ボルト82Kの突出部に第1ナット82Nが嵌合される。第2ボルト83Kの突出部に第2ナット83Nが嵌合される。
【0158】
第1ばね82Sは、第1ボルト82Kの頭部と第1回転体支持部82の後面との間に介在する。第2ばね83Sは、第2ボルト83Kの頭部と第1回転体支持部82の後面との間に介在する。第1ばね82S、及び第2ばね83Sは、第1回転体支持部82、83が互いに近接する向きの付勢力を付与する。これにより、第1回転体支持部82の後面と、第1回転体支持部83の基部830の前面とは密着する。第1回転体支持部82と、第1回転体支持部83の第3延伸部833とは、第1回転体81を前後方向から挟んだ状態で支持する。第1回転体81の複数の突起813は、第1回転体支持部82の複数の凹部821に後側から嵌合する。
【0159】
図42に示すように、第1回転体支持部82、83により第1回転体81が支持された状態で、第1回転体支持部82の左端と、第1回転体81の複数の突起812の左端との左右方向の位置は一致する。中央部81Bのうち複数の突起812を除く部分の左端、及び第1回転体支持部83の第3延伸部833の左端は、第1回転体支持部82の左端よりも右方に位置する。
【0160】
図43に示すように、ワイヤ接続部84は、ワイヤ42の後端部に接続する。ワイヤ接続部84は、第1回転体支持部83の第2空間83Fに配置され、前後方向に移動可能である。ワイヤ接続部84から前方に延びるワイヤ42は、第2空間83Fの前方に配置された突出部834の貫通孔を通過し、更に、突出部834の前面に接続されたフック体41の貫通孔を通過する。
【0161】
ワイヤ接続部84は、左面にカムフォロア84Aを有する。カムフォロア84Aは、第1回転体81の溝811に嵌合する。ワイヤ42は、カムフォロア84A及び溝811を介して第1回転体81に連結する。
【0162】
図41図42に示すように、第1切替部800は、左右方向において第1フック支持部80よりも左方に配置される。図42に示すように、第1切替部800は、基台801、第1切替棒802、及び第2切替棒803を有する。基台801は、ケース704(図1参照)内に固定される。基台801の右面と、第1回転体支持部82の左面との左右方向の位置は略一致する。第1切替棒802、及び第2切替棒803は、左右方向に延びる。第1切替棒802、及び第2切替棒803は、前後方向に並ぶ。第1切替棒802は、第2切替棒803よりも前方に配置される。第1切替棒802、及び第2切替棒803は、第1フック支持部80の第1回転体支持部82よりも後方に配置される。
【0163】
第1切替棒802は、基台801の右面に形成された第1凹部802U(図49参照)に沿って左右方向に移動する。第2切替棒803は、基台801の右面に形成された第2凹部803U(図49参照)に沿って左右方向に移動する。第1切替棒802、及び第2切替棒803が最も右方に移動した状態で、それぞれの先端部は、基台801の右面から左方に突出する。第1切替棒802、及び第2切替棒803が最も左方に移動した状態で、それぞれの先端部は、基台801の右面から右方に突出しない。第1切替棒802は、基台801の第1凹部802Uの底部に設けられた第1付勢部材802F(図49参照)により、右方に付勢される。第2切替棒803は、基台801の第2凹部803Uの底部に設けられた第2付勢部材803F(図49参照)により、右方に付勢される。
【0164】
<第3駆動機構8C>
図44図45に示すように、第3駆動機構8Cは、第2モータMc1(図6参照)、第2ねじ軸Xf1、支持軸Xf2、プッシャ支持部85、及び第2切替部850を有する。第2ねじ軸Xf1、支持軸Xf2、プッシャ支持部85、及び第2切替部850の構成は、一部を除き、第1駆動機構8Aの第1ねじ軸Xd1、支持軸Xd2、第1フック支持部80、及び第1切替部800(図41図43参照)と共通する。以下では、構成が共通する部分の説明を省略又は簡略化する。
【0165】
第2ねじ軸Xf1及び支持軸Xf2は、第1駆動機構8Aの第1ねじ軸Xd1及び支持軸Xd2(図41図43参照)に対応する。第2ねじ軸Xf1のうち第2支持板702(図6参照)よりも前方に突出した部分に接続するギヤは、第2モータMc1の回転軸に接続するギヤに噛み合う。図44図45において、ギヤは省略されている。第2ねじ軸Xf1は、第2モータMc1が駆動することにより回転する。プッシャ支持部85は、ノットプッシャ5を支持する。
【0166】
図46に示すように、プッシャ支持部85は、第2回転体86、第2回転体支持部87、88、及び第1従ギヤ89を有する。第2回転体86は、第1駆動機構8Aの第1回転体81(図43参照)に対応する。第2回転体86のうち、雌ねじが内面に形成された貫通孔を、「第2ナット部860」という。第2ナット部860には、第2ねじ軸Xf1が挿通する(図41参照)。第2ねじ軸Xf1の雄ねじと、第2ナット部860の雌ねじとは噛み合う。第2回転体86の前部86A、中央部86B、後部86Cは、第1駆動機構8Aの前部81A、中央部81B、後部81C(図43参照)に対応する。
【0167】
図47に示すように、前部86Aと中央部81Bとのそれぞれの側面の間に亘って延びる第1段差面86D、及び、中央部86Bと後部81Cとのそれぞれの側面の間に亘って延びる第2段差面86Eは、前後方向と直交する。第1段差面86Dの前方、且つ、前部86Aの後端部に、第2主ギヤ861が設けられる。第2段差面86Eに複数の突起863が設けられる。複数の突起863は、第2段差面86Eから後方に突出する。複数の突起863は、第2回転体86の中心軸を中心とした周方向に等間隔に並ぶ。
【0168】
図46に示すように、中央部86Bの側面に複数の突起862が設けられる。複数の突起862は、それぞれ、第2回転体86の中心軸を中心とした半径方向において、外方に突出する。各突起862は、第1面862A、第2面862B、及び頂点862Cを含む。頂点862Cは、第2回転体86の中心軸を中心とした半径方向において最も外方に配置される。第1面862Aは、前方から視た場合において、頂点862Cから第2回転体86の中心軸に向かう方向に沿って延び、反時計回り方向に湾曲して更に延びる。第2面862Bは、前方から視た場合において、頂点862Cから第2回転体86の中心軸に向かう方向に対して時計回り方向に傾斜する。第1駆動機構8Aの第1回転体81(図43参照)とは異なり、中央部86Bの側面に溝は形成されない。
【0169】
第2回転体支持部87、88は、第1駆動機構8Aの第1回転体支持部82、83(図43参照)に対応する。第2回転体支持部87の第1貫通孔87A、第2貫通孔87B、第3貫通孔87C、第4貫通孔87D、及び第5貫通孔87Eは、第1回転体支持部82の第1貫通孔82A、第2貫通孔82B、第3貫通孔82C、第4貫通孔82D、及び第5貫通孔82E(図43参照)に対応する。第1貫通孔87Aには、第2回転体86の前部86Aが後方から挿通する。第2貫通孔87Bには第2スペーサ87Pが配置され、第2スペーサ87Pに支持軸Xf2が挿通する。
【0170】
第2回転体支持部88には、第1貫通孔88A、第2貫通孔88B、第3貫通孔88C、第4貫通孔88D、及び第5貫通孔88Eが形成される。第1貫通孔88A、第2貫通孔88B、第3貫通孔88C、第4貫通孔88D、及び第5貫通孔88Eは、前後方向に延びる。第1貫通孔88Aの断面形状は、円形である。第1貫通孔88Aには、第2回転体86の後部86Cが前方から挿通する。第2回転体支持部88の前面のうち、第1貫通孔88Aの周囲の部分に、複数の凹部881が形成される。複数の凹部881は、第1貫通孔88Aの中心を通る軸を中心として周方向に等間隔に並ぶ。
【0171】
第2貫通孔88Bは、第1貫通孔88Aの右方に配置される。第2貫通孔88Bの断面形状は、円形である。第2貫通孔88Bには第3スペーサ88Pが配置され、第3スペーサ88Pに支持軸Xf2が挿通する。第3貫通孔88Cは、第2貫通孔88Bの右方に配置される。第3貫通孔88Cの断面形状は、円形である。第3貫通孔88Cには、ノットプッシャ5の後端部が挿通する。第4貫通孔88Dは、第2貫通孔88Bの上方に配置される。第5貫通孔88Eは、第2貫通孔88Bの下方に配置される。第4貫通孔88D、及び第5貫通孔88Eの断面形状は、円形である。
【0172】
図44図45に示すように、ボルト87Kは、第2回転体支持部88の後方から第4貫通孔88D(図46参照)に挿通する。ボルト87Kは、第2回転体支持部88の第4貫通孔88D、及び、第2回転体支持部87の第4貫通孔87Dを通過する。ボルト87Kの前端部は、第2回転体支持部87よりも前方に突出する。ボルト87Kの突出部にナット87Nが嵌合される。ばね87Sは、ボルト87Kの頭部と第2回転体支持部88の後面との間に介在する。ばね87Sは、第2回転体支持部87、88が互いに近接する向きの付勢力を付与する。なお、図示されていないボルトは、第2回転体支持部88の後方から第5貫通孔87E、88E(図46参照)に挿通する。ボルトの前端部は、第2回転体支持部87よりも前方に突出し、図示しないナットに嵌合する。図示しないばねは、ボルトの頭部と第2回転体支持部88の後面との間に介在し、第2回転体支持部87、88が互いに近接する向きの付勢力を付与する。
【0173】
ばね87S等の付勢力により、第2回転体支持部87、88は、第2回転体86を前後方向から挟んだ状態で支持する。第2回転体86の複数の突起863は、第2回転体支持部88の複数の凹部881に前方から嵌合する。
【0174】
図46に示すように、第2回転体支持部87よりも後方、第2回転体支持部88よりも前方、且つ、第2回転体86よりも右方に、第2従ギヤ86Gが配置される。第2従ギヤ86Gの中心軸は、前後方向に延びる。第2従ギヤ86Gは、第2回転体86の第2主ギヤ861に噛み合う。第2従ギヤ86Gの中心に、前後方向に貫通する貫通孔864が形成される。貫通孔864に第1スペーサ86Pが配置され、第1スペーサ86Pに支持軸Xf2が挿通する。第2従ギヤ86Gは、第2回転体86の回転に応じ、支持軸Xf2を中心として回転可能である。
【0175】
ノットプッシャ5の後端部に第1従ギヤ89が接続する。第1従ギヤ89は、第2従ギヤ86Gの右方に配置され、第2従ギヤ86Gに噛み合う。第2従ギヤ86Gの回転に応じて第1従ギヤ89した場合、第1従ギヤ89に接続するノットプッシャ5も回転する。ノットプッシャ5は、第1従ギヤ89から前方に延び、第2回転体支持部87の第3貫通孔87Cを通過する。
【0176】
図44図45に示すように、第2切替部850は、左右方向においてプッシャ支持部85よりも左方に配置される。第2切替部850の基台851、第1切替棒852、及び第2切替棒853は、それぞれ、第1切替部800の基台801、第1切替棒802、及び第2切替棒803(図41図42参照)に対応する。基台851の右面と、第2回転体支持部88の左面との左右方向の位置は略一致する。第1切替棒852、及び第2切替棒853は、プッシャ支持部85の第2回転体支持部87よりも前方に配置される。基台851の第1凹部852U、第2凹部853U、第1付勢部材852F、及び第2付勢部材853F(図51参照)は、基台801の第1凹部802U、及び第2凹部803U、第1付勢部材802F、及び第2付勢部材803F(図49参照)に対応する。
【0177】
<第1駆動機構8Aの動作説明>
図48に示すように、第1フック支持部80のうち第1回転体支持部82は、第1切替部800の第1切替棒802に対して前方に配置される。第1フック支持部80の第1回転体支持部82、83は、第1ばね82S、及び第2ばね83Sの付勢力により密着する。図43に示す第1回転体81の複数の突起813は、第1回転体支持部82の複数の凹部821に嵌合する。このため、第1回転体81は、第1回転体支持部82、83に対して回転不能である。
【0178】
結紮装置1Bは、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42を後方に移動させる場合、第1モータMa1(図6参照)を駆動し、第1ねじ軸Xd1を逆方向に回転させる。なお、第3貫通孔82C、及び第1貫通孔83Cに支持軸Xd2が挿通しているので、第1フック支持部80は、第1ねじ軸Xd1を中心とした回転ができない状態となっている。このため、第1回転体81の第1ナット部810は、第1ねじ軸Xd1が回転することに応じて後向きの力を受け、後方に移動する。この場合、図48に示すように、第1回転体81を支持する第1回転体支持部82、83は、第1回転体81の移動に応じて後方に移動する(矢印Y71)。これにより、第1回転体支持部83に接続するフック体41も、後方に移動する(矢印Y72)。
【0179】
又、回転不能な状態の第1回転体81が後方に移動することに応じ、カムフォロア84A及び溝811を介して第1回転体81に連結したワイヤ42も後方に移動する(矢印Y72)。従って、第1引込部材4Aは、フック体41及びワイヤ42が一体となって後方に移動する。例えば図22に示すように、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42が一体となって後方に移動することに応じ、フック体41のフック41Bに糸Tが引っ掛かる。
【0180】
図48に示すように、第1ねじ軸Xd1の回転に応じて第1フック支持部80が後方に移動することに応じ(矢印Y73)、第1回転体支持部82の後面に、第1切替部800の第1切替棒802が後方から接触する。第1回転体支持部82の後方への移動は、第1切替棒802により規制される。更に第1ねじ軸Xd1が逆方向に回転することに応じ、第1回転体81及び第1回転体支持部83のみ後方に移動する(矢印Y74)。第1回転体支持部82の後面と第1回転体81との間、及び、第1回転体支持部82の後面と第1回転体支持部83の基部830の前面との間に、隙間Δd1が形成される。第1回転体81の複数の突起813は、第1回転体支持部82の複数の凹部821から脱離する。第1回転体81は、第1回転体支持部82、83に対して回転可能となる。
【0181】
図49に示すように、更に第1ねじ軸Xd1が逆方向に回転することに応じ、回転可能となった第1回転体81は、第1ねじ軸Xd1を中心として回転する(矢印Y75)。第1回転体81の回転方向は、前方から視た状態で反時計回り方向である。第1回転体81の回転に応じ、ワイヤ42の後端に接続したワイヤ接続部84のカムフォロア84Aは、第1回転体81の溝811に沿って前方に移動する。これにより、ワイヤ42は前方に移動する(矢印Y76、矢印Y77)。このとき、第1回転体81は後方に移動しないので、第1回転体支持部83に接続するフック体41は後方に移動しない。例えば図22に示すように、フック体41に対してワイヤ42が前方に相対移動することに応じ、ワイヤ42の前面42Aは、フック体41のフック41Bとの間に糸Tを把持する。
【0182】
図49に示すように、更に第1ねじ軸Xd1が逆方向に回転して第1回転体81が回転することに応じ(矢印Y78)、図43に示す第1回転体81の突起812のうち第2面812Bは、第1切替棒802に下方から接触する。突起812は、第1切替棒802を左方に付勢する。第1切替棒802は、突起812から受ける力に応じ、第1付勢部材802Fの付勢力に抗して左方に移動する(矢印Y79)。第1切替棒802の先端は、第1切替部800の基台801の右面から右方に突出しなくなる。第1回転体支持部82は、後方への移動が可能となる。第1回転体支持部82は、第1ばね82S、及び第2ばね83Sの付勢力により後方に移動する(矢印Y80)。第1回転体支持部82、83は、密着する。第1回転体81の複数の突起813は、第1回転体支持部82の複数の凹部821に嵌合する。第1回転体81は、第1回転体支持部82、83に対して回転不能となる。
【0183】
更に第1ねじ軸Xd1が逆方向に回転することに応じ、第1回転体81の第1ナット部810は、後向きの力を受ける。第1回転体81を支持する第1回転体支持部82、83は、第1回転体81の移動に応じて後方に移動する(矢印Y81)。これにより、第1回転体支持部83に接続するフック体41も、後方に移動する(矢印Y82)。又、回転不能な状態の第1回転体81が後方に移動することに応じ、カムフォロア84A及び溝811を介して第1回転体81に連結したワイヤ42も後方に移動する(矢印Y82)。従って、第1引込部材4Aは、フック体41及びワイヤ42が一体となって後方に移動する。例えば図23に示すように、フック体41及びワイヤ42は、糸Tを把持した状態を維持しつつ被結紮体Sの上方を通過する。
【0184】
更に第1ねじ軸Xd1が逆方向に回転した場合、第1切替部800の第2切替棒803は、第1回転体支持部82の後面に後方から近接し、接触する。第1回転体81は回転可能となる。第1ねじ軸Xd1の回転に応じて第1回転体81は回転し、ワイヤ42を後方に移動させる。このとき、第1回転体81は後方に移動しないので、第1回転体支持部83に接続するフック体41は後方に移動しない。フック体41に対してワイヤ42が後方に相対移動することに応じ、フック体41及びワイヤ42により糸Tが把持された状態は解除される。
【0185】
以上のように、第1回転体81の溝811、及び、ワイヤ接続部84のカムフォロア84Aは、第1回転体81の回転運動を直線運動に変換し、ワイヤ42を前方に移動させる第2変換部840として機能する。又、第1切替部800及び第2変換部840は、フック体41に対してワイヤ42を前後方向に相対移動させる移動機構80Aとして機能する。
【0186】
<第3駆動機構8Cの動作説明>
図50に示すように、プッシャ支持部85のうち第2回転体支持部87は、第2切替部850の第1切替棒852に対して後方に配置される。プッシャ支持部85の第2回転体支持部87、88は、ばね87Sの付勢力により第2回転体86を挟持する。図46に示す第2回転体86の複数の突起863は、第2回転体支持部88の複数の凹部881に嵌合する。このため、第2回転体86は、第2回転体支持部87、88に対して回転不能である。
【0187】
結紮装置1Bは、ノットプッシャ5を前方に移動させる場合、第2モータMc1(図6参照)を駆動し、第2ねじ軸Xf1を正方向に回転させる。なお、第3貫通孔87C、88Cに支持軸Xf2が挿通しているので、プッシャ支持部85は、第2ねじ軸Xf1を中心とした回転ができない状態となっている。このため、第2回転体86の第2ナット部860は、第2ねじ軸Xf1が回転することに応じて前向きの力を受け、前方に移動する。この場合、図50に示すように、第2回転体86を支持する第2回転体支持部87、88は、第2回転体86の移動に応じて前方に移動する(矢印Y91)。これにより、第2回転体支持部87、88間に挟持された第1従ギヤ89に接続するノットプッシャ5も前方に移動する(矢印Y92)。例えば図40に示すように、ノットプッシャ5が前方に移動することに応じ、ノットプッシャ5の前端51は、形成部2Bの第1ループ軸46に形成された第1ループP1に後方から近接する。
【0188】
図50に示すように、第2ねじ軸Xf1の回転に応じてプッシャ支持部85が前方に移動することに応じ(矢印Y93)、第2回転体支持部88の前面に、第2切替部850の第2切替棒853が前方から接触する。第2回転体支持部88の前方への移動は、第2切替棒853により規制される。更に第2ねじ軸Xf1が正方向に回転することに応じ、第2回転体86及び第2回転体支持部87のみ前方に移動する(矢印Y94)。第2回転体支持部88の前面と第2回転体86との間に隙間Δd2が形成される。第2回転体86の複数の突起863は、第2回転体支持部88の複数の凹部881から脱離する。第2回転体86は、第2回転体支持部87、88に対して回転可能となる。
【0189】
図51に示すように、更に第2ねじ軸Xf1が正方向に回転することに応じ、回転可能となった第2回転体86は、第2ねじ軸Xf1を中心として回転する(矢印Y85)。第2回転体86の回転方向は、前方から視た状態で時計回り方向である。第2回転体86の回転に応じ、第2回転体86の第2主ギヤ861に噛み合う第2従ギヤ86Gも回転する。更に、第2従ギヤ86Gの回転に応じ、第2従ギヤ86Gに噛み合う第1従ギヤ89は、回転方向の力を受ける。これにより、第1従ギヤ89が後端部に接続したノットプッシャ5は、第7軸C7を中心として回転する(矢印Y86)。このとき、第2回転体86は前方に移動しないので、第2回転体支持部87、88により支持されたノットプッシャ5は後方に移動しない。例えば図40に示すように、ノットプッシャ5は、第7軸C7を中心として180度回転し、第1ループP1を形成する糸Tを通過する。
【0190】
図51に示すように、更に第2ねじ軸Xf1が正方向に回転して第2回転体86が回転することに応じ(矢印Y98)、図46に示す第2回転体86の突起862のうち第2面862Bは、第2切替棒853に上方から接触する。突起862は、第2切替棒853を左方に付勢する。第2切替棒853は、突起862から受ける力に応じ、第2付勢部材853Fの付勢力に抗して左方に移動する(矢印Y99)。第2切替棒853の先端は、第2切替部850の基台851の右面から右方に突出しなくなる。第2回転体支持部88は、前方への移動が可能となる。第2回転体支持部88は、ばね87Sの付勢力により前方に移動する(矢印Y100)。第2回転体86の複数の突起863は、第2回転体支持部88の複数の凹部881に嵌合する。第2回転体86は、第2回転体支持部87、88に対して回転不能となる。
【0191】
更に第2ねじ軸Xf1が正方向に回転することに応じ、第2回転体86の第2ナット部860は、前向きの力を受ける。第2回転体86を支持する第2回転体支持部87、88は、第2回転体86の移動に応じて前方に移動する(矢印Y101)。これにより、プッシャ支持部85に支持されたノットプッシャ5も前方に移動する(矢印Y102)。例えば図40に示すように、ノットプッシャ5は、第1ループP1を形成する糸Tを通過した後、前方に移動する。
【0192】
更に第2ねじ軸Xf1が正方向に回転した場合、第2切替部850の第1切替棒852は、第2回転体支持部88の前面に前方から近接し、接触する。第2回転体86は回転可能となる。第2ねじ軸Xf1の回転に応じて第2回転体86は回転し、ノットプッシャ5を回転させる。このように、ノットプッシャ5が回転と前方移動を繰り返す。これにより、図40に示すように、ノットプッシャ5は、第1ループP1、及び第2ループP2に引っ掛からずに前方に移動する。
【0193】
以上のように、第2回転体86の第2主ギヤ861、第2従ギヤ86G、及び、ノットプッシャ5の第1従ギヤ89は、第2ねじ軸Xf1の回転に応じて回転する第2回転体86の動力をノットプッシャ5に伝達し、ノットプッシャ5を回転させる伝達部890として機能する。又、第2切替部850及び伝達部890は、ノットプッシャ5を回転させる回転機構85Aとして機能する。
【0194】
<結紮装置1Bの作用、効果>
第1駆動機構8Aは、第1回転体支持部82、83に対して第1回転体81が回転不能な状態で第1ねじ軸Xd1を回転させることにより、第1引込部材4Aのフック体41を前後方向に移動させる。又、第1駆動機構8Aは、第1回転体支持部82、83に対して第1回転体81が回転可能な状態で第1ねじ軸Xd1を回転させることにより、フック体41に対してワイヤ42を前後方向に相対移動させる。このため第1駆動機構8Aは、第1モータMa1を駆動して第1ねじ軸Xd1を回転させることにより、第1引込部材4Aのフック体41及びワイヤ42をそれぞれ前後方向に移動させることができる。従って、結紮装置1Bは、フック体41とワイヤ42とのそれぞれを共通のモータにより前後方向に移動させることができるので、サイズを小型化し且つ軽量化することが可能となる。
【0195】
第3駆動機構8Cは、第2回転体支持部87、88に対して第2回転体86が回転不能な状態で第2ねじ軸Xf1を回転させることにより、ノットプッシャ5を前後方向に移動させる。又、第3駆動機構8Cは、第2回転体支持部87、88に対して第2回転体86が回転可能な状態で第2ねじ軸Xf1を回転させることにより、ノットプッシャ5を回転させる。このため第3駆動機構8Cは、第1モータMa1を駆動して第1ねじ軸Xd1を回転させることにより、ノットプッシャ5を前後方向に移動させ且つ回転させることができる。従って、結紮装置1Bは、ノットプッシャ5の移動及び回転のそれぞれを共通のモータにより前後方向に移動させることができるので、サイズを小型化し且つ軽量化することが可能となる。
【0196】
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。結紮装置1A、1Bの保持部3の構成は、第1顎部3A及び第2顎部3Bに限定されない。保持部3は、被結紮体Sを保持することが可能な他の構成を有してもよい。例えば保持部3は、本体2Aの先端に被結紮体Sを吸着させたり、被結紮体Sに巻き付いたりすることにより、被結紮体Sを保持してもよい。結紮装置1A、1Bの第1引込部材4Aの構成は、フック体41及びワイヤ42に限定されない。第1引込部材4Aは、本体2Aに糸Tを引き込むことが可能な他の構成を有してもよい。例えば、第1引込部材4Aは、フック体41のみ有し、ワイヤ42を有さなくてもよい。例えば第1引込部材4Aは、糸Tを把持して後方に移動することにより、糸Tを本体2Aに引き込んでもよい。第2引込部材4Bについても同様である。
【0197】
上記実施形態における結紮工程は一例であり、他の方法により被結紮体Sが糸Tにより結紮されてもよい。上記実施形態における再配置工程は一例であり、他の方法により糸Tが再配置されてもよい。例えば糸Tの再配置は、操作者が手動で行ってもよい。
【0198】
結紮装置1A、1Bにおいて、糸Tに第1ループP1、及び第2ループP2を形成させるための形成部2Bの構成は、上記の実施形態に限定されない。例えば結紮装置1A、1Bは形成部2Bを有さず、引込体4が本体2A内で稼働することにより、糸Tにループが形成されてもよい。
【0199】
結紮装置1A、1Bは、第1引込部材4Aのみ有し、第2引込部材4Bを有さなくてもよい。結紮装置1A、1Bは、第1引込部材4A、及び第2引込部材4Bに加えて別の引込部材を1以上有してもよい。つまり、引込部材は3つ以上であってもよい。結紮装置1A、1Bは、引込体4及び引込体の駆動機構のみ有し、ノットプッシャ5及び第3駆動機構7C、8Cを有さなくてもよい。ねじ軸X1は、滑りねじでもよいしボールねじでもよい。
【0200】
結紮装置1Aの第1駆動機構7A、及び第2駆動機構7Bは、ねじ軸X1の回転により第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bを移動させることで、引込体4を前後方向に移動させた。第1駆動機構7A、及び第2駆動機構7Bは、ねじ軸X1を用いずに第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bを移動させることで、引込体4を前後方向に移動させてもよい。例えば第1駆動機構7A、及び第2駆動機構7Bは、2つのプーリによって前後方向の両端部が支持されたタイミングベルトを有してもよい。タイミングベルトに第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bが設けられてもよい。結紮装置1Aは、タイミングベルトを回転駆動して第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bを移動させることにより、引込体4を前後方向に移動させてもよい。又、例えば第1駆動機構7A、及び第2駆動機構7Bは、リニアモータにより第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bを移動させることで、引込体4を前後方向に移動させてもよい。第3駆動機構7Cについても同様である。又、結紮装置1Bの第1駆動機構8A、第2駆動機構8A´、及び第3駆動機構8Cについても同様である。
【0201】
第1駆動機構7Aは第1従ギヤ71Cを有さなくてもよい。第1主ギヤ71Bは従ギヤ719に噛み合っていてもよい。第1主ギヤ71B及び第1従ギヤ71Cの代わりにプーリが用いられてもよい。プーリ間にベルトが架け渡されていてもよい。第1補助軸Xa2の回転に応じてベルトが回転することに応じ、ワイヤ42を前後方向に移動させてもよい。第2駆動機構7B、第1駆動機構8A、及び第2駆動機構8A´についても同様である。
【0202】
第1駆動機構7Aの第1補助軸Xa2及び第1主ギヤ71Bの代わりに、第1補助モータMa2の回転軸に連結されたギヤが用いられてもよい。ギヤは前後方向に延び、第1従ギヤ71Cに噛み合ってもよい。この場合、第1駆動機構7Aは、第1補助軸Xa2及び第1主ギヤ71Bを有さなくてもよい。第2駆動機構7B、第1駆動機構8A、及び第2駆動機構8A´についても同様である。
【0203】
第3駆動機構7Cにおいて、第2主ギヤ73B及び第2従ギヤ739の代わりにプーリが設けられてもよい。プーリ間にベルトが架け渡されてもよい。第2補助軸Xc2の回転に応じてベルトが回転することにより、ノットプッシャ5が回転してもよい。第3駆動機構7Cの第2補助軸Xc2及び第2主ギヤ73Bの代わりに、第2補助モータMc2の回転軸に連結されたギヤが用いられてもよい。ギヤは前後方向に延び、第2従ギヤ739に噛み合ってもよい。この場合、第3駆動機構7Cは、第2補助軸Xc2及び第2主ギヤ73Bを有さなくてもよい。
【0204】
第1駆動機構8Aにおいて、第1フック支持部80の第1回転体81は、側面にギヤを有してもよい。ワイヤ42に接続するワイヤ接続部84として、第1回転体81の側面のギヤに噛み合うウォームギヤを有してもよい。第1フック支持部80は、第1ねじ軸Xd1の回転に応じて第1回転体81が回転した場合、第1回転体81の側面のギヤがウォームギヤを前後方向に移動させることにより、ワイヤ42を前後方向に移動させてもよい。第1切替部800は、第1フック支持部80が前後方向に移動することに応じて、第1回転体81を回転可能な状態と回転不能な状態とに切り替えていた。第1回転体81は、別の方法で回転可能な状態と回転不能な状態とに切り替えられてもよい。例えば、第1回転体支持部82、83を強制的に離隔させることが可能なアクチュエータにより、第1回転体81を任意のタイミングで回転可能な状態と回転不能な状態とに切り替えてもよい。第1駆動機構8Aは、第1ねじ軸Xd1のみ有し、支持軸Xd2を有さなくてもよい。フック体41は、第1フック支持部80の第1回転体支持部82に接続してもよい。
【0205】
第3駆動機構8Cにおいて、プッシャ支持部85の第1従ギヤ89の代わりにプーリが設けられてもよい。第2回転体86とプーリとの間にベルトが架け渡されていてもよい。第2回転体86が回転してベルトが回転することに応じ、プーリに接続したノットプッシャ5が回転してもよい。第2切替部850は、プッシャ支持部85が前後方向に移動することに応じて、第2回転体86を回転可能な状態と回転不能な状態とに切り替えていた。第2回転体86は、別の方法で回転可能な状態と回転不能な状態とに切り替えられてもよい。例えば、第2回転体支持部87、88を強制的に離隔させることが可能なアクチュエータにより、第2回転体86を任意のタイミングで回転可能な状態と回転不能な状態とに切り替えてもよい。第3駆動機構8Cは、第2ねじ軸Xf1のみ有し、支持軸Xf2を有さなくてもよい。
【0206】
第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bのそれぞれの一部は、前後方向と直交する方向(上下方向及び左右方向)において一致してもよい。後方から視た状態で、第1フック支持部70A、及び第2フック支持部70Bの夫々の一部が互いに重なってもよい。
【0207】
第1フック支持部70Aは、プッシャ支持部70Cよりも常に前方に配置されてもよい。この場合、間隔L13は、間隔L11よりも長くてもよい。第1フック支持部70Aとプッシャ支持部70Cとのそれぞれの前後方向の位置は、一致してもよい。この場合、間隔L11、L13は一致してもよい。
【0208】
ロボット接続部9は、駆動モータMmの後方且つケース704の前方に設けられてもよいし、ケース704の後端部に設けられてもよい。ロボットRは、第2顎部3B、送り部6、形成部2Bの全てをロボットモータMRにより駆動しなくてもよく、第2顎部3B、送り部6、形成部2Bのうち少なくとも1つをロボットモータMRにより操作してもよい。結紮装置1A、1Bは、ロボットRに接続されて使用される場合に限定されない。結紮装置1A、1Bは、それぞれ単体で動作可能でもよい。この場合、第2顎部3B、送り部6、形成部2Bを操作するための操作ワイヤは、操作者により直接操作されてもよいし、結紮装置1A、1Bに内蔵されたモータにより操作されてもよい。例えば結紮装置1A、1Bは、ケース704の後端部を操作者が直接支えた状態で使用されてもよい。
【0209】
前後方向は、本発明の「長手方向」の一例である。
【符号の説明】
【0210】
1A、1B :結紮装置
2A :本体
2B :形成部
3 :保持部
3A :第1顎部
3B :第2顎部
4 :引込体
4A :第1引込部材
4B :第2引込部材
5 :ノットプッシャ
6 :送り部
7A、8A :第1駆動機構
7B、8A´ :第2駆動機構
7C、8C :第3駆動機構
9 :ロボット接続部
41、43 :フック体
42、44 :ワイヤ
70A、80 :第1フック支持部
70B :第2フック支持部
70C、85 :プッシャ支持部
71、72、80A :移動機構
71D、72D、840 :変換部
73、85A :回転機構
71B、72B :第1主ギヤ
73B、861 :第2主ギヤ
81 :第1回転体
86 :第2回転体
82、83 :第1回転体支持部
87、88 :第2回転体支持部
84 :ワイヤ接続部
710、720、810 :第1ナット部
730、860 :第2ナット部
71C、72C、719、729、739 :従ギヤ
800 :第1切替部
850 :第2切替部
890 :伝達部
MR :ロボットモータ
Ma1、Mb1 :第1モータ
Ma2、Mb2 :第1補助モータ、
Mc1 :第2モータ
Mc1 :第2補助モータ
R :ロボット
S :被結紮体
T :糸
Xa1、Xb1、Xd1 :第1ねじ軸
Xc1 :第2ねじ軸
Xa2、Xb2 :第1補助軸
Xc2 :第2補助軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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