(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013721
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】色補正カラーチャート付識別治具及びそのラベル
(51)【国際特許分類】
A61C 19/04 20060101AFI20240125BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20240125BHJP
A23L 19/00 20160101ALN20240125BHJP
A23L 17/00 20160101ALN20240125BHJP
【FI】
A61C19/04 J
A01G7/00 603
A23L19/00 B
A23L17/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116035
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】521280604
【氏名又は名称】久保 浩太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100173680
【弁理士】
【氏名又は名称】納口 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】久保 浩太郎
【テーマコード(参考)】
4B016
4B042
4C052
【Fターム(参考)】
4B016LG01
4B016LP13
4B016LT08
4B042AC10
4B042AG11
4B042AG51
4B042AT10
4C052NN05
4C052NN14
4C052NN15
(57)【要約】
【課題】、被検査物(例えば、歯、果物等)の指定範囲を正確に容易に撮影させることができる一方、被検査物を識別できると共に、その被検査物の色を精度良く識別できる色補正カラーチャート付識別治具を得る。
【解決手段】
色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10は、右側外鍔20aと、左側外鍔20bとに、二次元バーコード(QRコード(登録商標))と、色補正カラーチャート21とを又は貼り付けた右側本人認証識別コード板部16a、左側本人認証識別コード板部16bを設け、右側本人認証識別コード板部16aと左側本人認証識別コード板部16bとの近くのアーム24を手で持ち、バネ力に抗して内側に向かって押し込むことにより、患者の口腔に装着し、、右側本人認証識別コード12a及び左側本人認証識別コード12b並びに色補正カラーチャート21を含めて撮影させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の羽板と、これらの羽板に接続された略U字状又は四角状のアームとを備えて前記羽板は、一定の間隔を有して前記アームに接続されており、
前記羽板は、
左右の羽板の間の被検査物の色の基準となる色補正カラーチャートと、識別コードとが印字又は貼り付けられている、
ことを特徴とする色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項2】
前記色補正カラーチャートは、
前記羽板の、前記被検査物側に最も近い領域に印字又は貼り付けられている、ことを特徴とする請求項1記載の色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項3】
前記羽板は、
前記被検査物側が円弧の三日月形状であり、この三日月形状の領域に、前記色補正カラーチャートを印字又は貼り付けられた色補正カラーチャート板を連結しており、
この色補正カラーチャート板に前記識別コードが印字又は貼り付けられた識別子板を連結している、ことを特徴とする請求項1記載の色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項4】
前記羽板は、口を横に広げることが可能とするために、三日月形状の口外側となる第1の羽板に、口内側となる三日月状の第2の羽板を三日月状の連結部材で連結して形成しており、
前記第1の羽板には、口腔の色の基準となる口腔用色補正カラーチャートが印字又は貼り付けられた色補正カラーチャート板を連結し、
この色補正カラーチャート板に、口腔に挿入された被挿入者を識別コードが印字又は貼り付けられた識別子板を連結している、ことを特徴とする請求項1記載の色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項5】
左右の第1の羽板には、略U字状又は四角状のアームが接続されており、
このアームには、左右を跨ぐ横バーを接続しており、この横バーは、左右に摺動する第1のスライダーに、所定長さの色付きの縦バーが上下に摺動可能に固着可能な第2のスライダーが固着されている、ことを特徴とする請求項4記載の色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項6】
左側の羽板に一方が接続された所定長の左側接続バーと、右側の羽板に一方が接続された所定長の左側接続バーと、
前記左側接続バーの他方に設けられた左側スライダー部と、
前記右側接続バーの他方に設けられた右側スライダー部と、
前記左側スライダー部と左側スライダー部に挟持された所定長の横バーとを備え、
前記左側スライダー部は、
前記左側接続バーを縦方向に摺動可能に保持する左側接続バー用左側スライダーと、
前記左側接続バー用左側スライダーに連結され、前記横バーを水平方向に摺動可能に保持する前記横バー用左側スライダーとを備え、
前記右側スライダー部は、
前記右側接続バーを縦方向に摺動可能に保持する右側接続バー用右側スライダーと、
前記右側接続バー用右側スライダーに連結され、前記横バーを水平方向に摺動可能に保持する前記横バー用左側スライダーとを備えている、
ことを特徴とする請求項1記載の色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項7】
前記横バーには、目盛りが刻印されていることを特徴とする請求項6記載の色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項8】
前記識別コードは、被検査物が歯科患者の場合は、その患者の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、歯科医情報、撮影場所、撮影時刻の情報を、
若しくは前記被検査物が果物、野菜、魚介類の場合は、この被検査物の種類、生産場所環境、生産者名、生産者住所、被検査物の特徴を、
各々、二次元バーコード又は一次元バーコードで形成している、ことを特徴とする請求項6記載の色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項9】
前記羽板が三日月形状の場合は、突起部付近から内側径にそって、丸型、四角、若しくはダイヤ型の格子の色補正カラーチャートを印字又は貼り付けていることを特徴とする請求項1記載の色補正カラーチャート付識別治具。
【請求項10】
台紙と、
識別コードと、丸型、四角、若しくはダイヤ型の色補正カラーチャートを直線又は三日月状に配列したシートを前記台紙に重ねて形成している、ことを特徴とするカラーチャート付被検査物識別ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色補正カラーチャート付識別治具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、初診又は再初診の患者の口腔を撮影し、この撮影した写真画像(以下、口腔写真という)をコンピュータ画面に表示して、患者の口腔がどのように変わって行くかを説明した後に、治療を行うようにしている場合がある。また、口腔写真からデンタルチャートに記録して口腔写真と共に歯科用医療機器データベースに登録して、将来の身元確認に用いる場合もある。
【0003】
一方、近年は歯科医が遠隔地点にいる方又は来院できない方用に、歯科医師の責任のもとで医学的に可能だと判断した場合に、口腔内の状況や基礎疾患の情報を把握した上で、リモートで診断や処方等を行う行うことも多くなってきた。この診断や処方を行うための撮影及び通信手段としてスマートフォンを用いるシステムもある。
【0004】
このような場合でも、口腔内写真画像を用いて行うようにしている。口腔写真の撮影には、口角鈎器を用いるのが一般的である。
【0005】
しかし、口角腔鈎器で口を広げさせたとしても、歯科医の指示に従って、どこまでの範囲を収めて撮影すればよいかは分からない。
【0006】
これを解消するための口角鈎器が特許文献1に開示されている。特許文献1には、左右の口角鈎の外側鍔に、被挿入者を識別するための識別子情報を含む所定のサイズの識別子部を、印字又は貼り付けた四角形状の所定の大きさの板部を連結した口角鈎器にして、左右の識別子部を含むようにして口腔を撮影することが記載されている。
【0007】
しかし、口腔の写真は、被写体(歯、歯茎等)の実際の色と相違する場合がある。このため、近年は受信側ではカラーチャートを用いた色補正を行っている。
例えば、歯を作らせる場合は(差し歯、義歯等)、歯科医は歯科技工士に対して歯科医は、シェードガードと口腔(歯)とを含むように撮影して、この画像を送ることが多い(特許文献2)。
【0008】
カラーチヤートを用いるのは果物の収穫時期を判定するのにも使用されるようになってきた。例えば、特許文献3は、スマートフォンで果物を撮影して、誰でも精度良く収穫適期を支援することを目的としたものであり、熟度判定に用いる領域である熟度判定用領域を抽出し、この熟度判定用領域の色相を、予め登録している熟度データベースの色相値とを比較している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第7022862号公報
【特許文献2】特開2020-25612号公報
【特許文献3】特開2017-134585
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の口角鈎器を口腔に挿入して画像を取得したとしても、口腔の部位の色合いは取得できない。
また、特許文献2のように、カラーチャートを用いたとしても、その画像がだれのものか等は分からない。
【0011】
さらに、特許文献3のように、スマートフォンで果物を撮影したとしても、熟度判定領域はサービスサイト側で決めた領域であるので、人の目による領域に対する熟度の判定ではない。熟度の判定領域は、光の当たり具合等で常に変化し、農家の熟練者が決定した方が好ましい。
【0012】
さらに、近年は、
(1)全身の健康と、口腔の健康に関する科学的根拠の集積と、国民への適切な情報提供。
(2)生涯を通じた歯科検診(いわゆる国民皆歯科検診)の具体的な検討。
(3)オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実。
(4)歯科医療職間・医科歯科連携を始めとする関係職種間・関係機関の連携。
(5)歯科衛生士・歯科技工士の人材確保。
(6)歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化。
(7)市場価格に左右されない歯科用材料の導入の推進等
も検討されるようになってきており、精度の高い被検査物の撮影情報が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る色補正カラーチャート付識別治具は、
左右一対の羽板と、これらの羽板に接続された略U字状又は四角状のアームとを備えて前記羽板は、一定の間隔を有して前記アームに接続されており、
前記羽板は、
左右の羽板の間の被検査物の色の基準となる色補正カラーチャートと、識別コードとが印字又は貼り付けられている、
ことを特徴とする。
また、カラーチャート付被検査物識別ラベルは、台紙と、
識別コードと、丸型、四角、若しくはダイヤ型の色補正カラーチャートを直線又は三日月状に配列したシートを前記台紙に重ねて形成している、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、被検査物(例えば、歯、果物等)の指定範囲を正確に容易に撮影させることができる一方、被検査物を識別させることができると共に、その被検査物の色を精度良く識別させることができる。
このため、本発明を歯科に適用した場合は、口腔写真が誰のものでかつその口腔の歯、歯茎等の色を精度良く分る。従って、これらの取得データ(口腔画像、色チャート)を蓄積することで、上記(1)~(7)の事項も解決できる。
一方、本発明を果物、魚、肉等の被検査物に提要した場合は、その被検査物が何時、どこで、どのような条件で生産されたかが分かると共に、その被検査物の色をカラーチヤートで解析できるので、糖度も分る。また、これらの取得データ(例えば、葡萄、桃、色チャート)を蓄積することで、、後どの程度でどのような色になり、かつ糖度も予測できる。従って、産地偽造も分る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施1の形態の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10を説明する斜視図である。
【
図2】
図2は
図1の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10を上(A方向)から見た場合の図面である。
【
図4】分離型の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器40の構成図である。
【
図7】実施の形態4の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器60の正面図である。
【
図8】本実施の形態の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10の詳細図である。
【
図10】被検査物認識サービスシステムの概略構成図(1)である。
【
図11】被検査物認識サービスシステムの概略構成図(2)である。
【
図12】実施の形態7の色補正カラーチャート付果物識別治具の構成図である。
【
図16】実施の形態8の色補正カラーチャート付果物識別治具の構成図である。
【
図18】
図12の400でブドウを撮影した場合のブドウ粒毎の色補正値の割あての説明図である。
【
図19】数本(数種類)のシェードガイドを取り付け可能とした色補正カラーチャート付識別治具の被検査物個別色検出治具の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施の形態の色補正カラーチャート付識別治具を用いる被検査物を口腔(歯科用)、果物用(魚、野菜でもよい)として説明する。
【0017】
<実施の形態1:歯科用>
歯科用は色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10と称する。なお、被検査物は人の口腔であり、色補正カラーチャートは口腔(歯、歯茎等)の色を精度良く解析するためのものである。
【0018】
図1は本実施の形態1の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10を説明する斜視図である。
図2は
図1の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10を上(A方向)から見た場合の図面である。
図3は
図2の一部の拡大図である。
【0019】
色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10の材質は、プラスチック、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材である。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態1の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10は、右側外鍔20aと、左側外鍔20bとに、色補正付個人識別板を設けている。なお、右側外鍔20aと左側外鍔20bと色補正付個人識別板とを総称して羽板ともいう。
【0021】
右側は右側色補正付個人識別板部16aと称し、左側は左側色補正付個人識別板部16bと称する。
右側色補正付個人識別板部16aは二次元バーコード(QRコード(登録商標))を印字又はレベルで設けている。このQRコード(登録商標)は、右側は右側本人認証識別コード12aと称し、左側は左側本人認証識別コード12bと称する。この右側本人認証識別コード12aの口腔側には、右側色補正カラーチャート21aを設けている(印字又はラベル)。また、左側本人認証識別コード12bの口腔側にも左側色補正カラーチャート21b(印字又はラベル)を設けている。また、右側色補正付個人識別板部16a及び左側色補正付個人識別板部16bの裏面には、氏名、年月日、コード番号等を書き込むための白紙(図示せず)が貼り付け又は白色を塗布するのが好ましい。
【0022】
右側色補正カラーチャート21aは、5mm程度(3mm~8mm)の正方形(丸、長方形、ダイヤ型でも構わない)であり、赤(R)、緑(G)、青(B)、黒(Black)、灰色(Gray)等である。また、左側色補正カラーチャート21bは、5mm程度(3mm~8mm)の正方形(丸、長方形、ダイヤ型でも構わない)であり、Cyan、Yellow、Magenta、Whit、ピンク、薄いピンクである。これらの色の組み合わせは任意であり、さま様な組み合わせがある。色も様々である。つまり、被検査物である口腔の色を補正できる色であればよい。
また、右側色補正カラーチャート21aの周囲は黒又は白色が塗布されている(後述する)。
【0023】
また、右側色補正カラーチャート21a、左側色補正カラーチャート21b、右側本人認証識別コード12a、左側本人認証識別コード12bを印字している場合は、右側色補正カラーチャート21a、左側色補正カラーチャート21bのバージョンNO、被検査物(使用対象)の種類、照明光源の種類、撮影場所の色彩、年月日時刻、カメラ情報等のカラーチャート情報をそのコードに含ませている。
【0024】
また、この色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10は、左右一対の口角鈎(口外右側鍔20a、口外左側鍔20b)の下方は、略U字状のアーム24(この字状の形のアームでもよい)で連結(一体成型でもよい)している。このアームも、弾力性があるプラスチック、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材である。
なお、口外右側鍔20a、口外左側鍔20bは、白又は水色等の色が塗布されているのが好ましい。
【0025】
さらに、板部には、縦状の凸部が設けられている。この縦状の凸部は、指でつまんでさらに口を横に広げるためのものである。右側を右側縦凸部26aと称し、左側を左側縦凸部26bと称する。
【0026】
なお、
図1においては、右側本人認証識別コード12a、右側本人認証識別コード板部16a、左側本人認証識別コード12b、左側本人認証識別コード板部16bは拡大して示している。
また、本実施の形態1の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10は横幅amm(120mm~160mm:好ましくは135mm)程度であり、口外右側鍔20aの上端と口外左側鍔20bの上端とを通る水平線Laからアーム24端までの長dは80mm~100mm(90mm程度が好ましい)である。
【0027】
また、右側本人認証識別コード12a及び左側本人認証識別コード12bのサイズが20mm程度(10mm程度でも構わない)の場合は、右側色補正付個人識別板部16a及び左側色補正付個人識別板部16bの縦bは35mm~40mm程度であり、横幅Cは40mm程度が好ましい。そして、左側本人認証識別コード12b(12a)の上側には、氏名等を書き込むための欄Ra(長方形:幅5mm長さ30mm程度)が設けられている。
なお、色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10は、中、小サイズがある。
【0028】
一方、色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10を使用する場合には、右側本人認証識別コード板部16aと左側本人認証識別コード板部16bとの近くのアーム24を手で持ち、アーム24のバネ力に抗して内側に向かって押し込むことにより、口角鈎の幅寸法を縮小させてから、患者の口腔内に挿入させて口角(唇)の両側部に引っ掛ける。
【0029】
そして、アーム24から手を離すと、バネアームの復帰力により左右の口角鈎が開く方向に移動して口角が左右に押し広げられる。これによって、口腔内の診査、診療、撮影等を可能となる。
【0030】
すなわち、左右の鍔(口外右側鍔20a、口外左側鍔20b)にQRコード(登録商標)とカラーチャート(右側本人認証識別コード板部16a、左側本人認証識別コード板部16b)を一体化又は連結しているので、撮影者(看護師、介護者、リモート者(診察要求者)等)は、右側本人認証識別コード12aと右側色補正カラーチャート21a及び左側本人認証識別コード12bと左側色補正カラーチャート21b並びに唇、状態(口全体)で歯を収まるように撮影できる。このため、カラーチャートを基準色にして色補正ができる。また、左側本人認証識別コード12bと左側色補正カラーチャート21bとの範囲を撮影範囲Saとして撮影しているので、ずれてもその画像は水平に修正できる。
また、右側本人認証識別コード12a(12b)の周囲には、コード番号(図示せず)が書き込まれている。
【0031】
そして、これらのバーコードは、左右共に、患者の識別情報(患者住所、氏名、年齢、性別、電話番号、保険証番号、マイナンバー番号、口角鈎提供歯科医情報等)であるので、例えば、口腔画像をセンターに通信ネットワークで送信して記憶させた場合は、この撮影画像のバーコード(QRコード(登録商標))を解析することで、どこの誰であるかを把握させることができると共に、口腔内の被検査物(歯、歯茎等)の色をカラーチャートに基づく適正な色に修正させることができる。
【0032】
さらに、本実施の形態1の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10は、右側本人認証識別コード板部16a及び左側本人認証識別コード板部16bには、縦状の凸部が設けられている。この縦状の凸部は、指でつまんでさらに口を横に広げるためのものである。右側を右側縦凸部26aと称し、左側を左側縦凸部26bと称する(この凸部は無くてもよい)。
【0033】
図2に示すように、本実施の形態1の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10は、右側口角鈎部10aと右側色補正付個人識別板部16aとよりなる右側色補正個人識別部31aと、左側口角鈎部10bと左側色補正付個人識別板部16bとよりなる左側色補正個人識別部31bが左右一対で成型されている(いずれか一方でも構わない)。なお、右側色補正付個人識別板部16a、左側色補正付個人識別板部16bを除いたものを本体部(右側口角鈎部10a、左側口角鈎部10b、アーム24)と称する。
【0034】
右側口角鈎部10aは、略三日月状の部材(以下、右側三日月状部材34aという)を挟んで口腔内右側鍔30aと口外右側鍔20aとを成型している。この右側三日月状部材34aの厚みは、2mm~4mm程度であり(34aa参照(例えば3.5mm))、幅は8mm~1.5mm(好ましくは9mm)程度である。
また、口腔内右側鍔30a(口外右側鍔20a)は、厚みは、2mm~4mm程度である(例えば3.5mm))。この口腔内右側鍔30a(口外右側鍔20a)は、湾曲していてもよいし、34aaから少しの角度(水平軸から3度~8度)の傾斜で直線上にしていてもかまわない。
【0035】
また、口腔内右側鍔30a(口外右側鍔20a)の外側縁のR(半径)は18mm~22mm程度(例えば、20mm)であり、内側縁のR(半径)は13mm~18mm程度(例えば、16mm)であり、内側縁と外側縁とは最大で10mm程度(例えば、8mm)である。
【0036】
一方、左側口角鈎部10bは同様に、略三日月状の部材(以下、左側三日月状部材34bという)を挟んで口腔内左側鍔30bと口外左側鍔20bとを成型している。この左側三日月状部材34bの厚みも、2mm~4mm程度である(34bb参照)。
【0037】
また、
図2に示すように、口腔内右側鍔30a及び口腔内左側鍔30bは内側方向に湾曲しており、口外右側鍔20a及び口外左側鍔20bは直線状になっている(多少内側に湾曲してもよい)。
【0038】
そして、右側本人認証識別コード板部16aが右側板部取付治具17aにより右側外鍔20aに連結され、左側本人認証識別コード板部16bが左側板部取付治具17bにより左側外鍔20bに連結(一体成型してもよい)されている。
【0039】
なお、右側本人認証識別コード12aと右側色補正カラーチャート21aとは右側仕切部19aにより仕切られており、左側本人認証識別コード12bと左側色補正カラーチャート21bとは左側仕切部19b(厚みが1mm~2mm:白又は黒)により仕切られている。
【0040】
次に、右側色補正個人識別部31a(左側色補正個人識別部31bは右側と同様であるので説明を省略する)の右側板部取付治具17a(合成樹脂材)について
図3を用いて説明する。なお、上記図と同一符号のものは説明を省略する。
【0041】
右側本人認証識別コード板部16aの裏面には、右側凸型部17ab(縦が8mm~15mm程度、幅が3mm~8mm程度、高さkが3mm~5mm程度)が接着材等で貼り付けられている。
【0042】
また、口外右側鍔20aの表面には、右側凹型部材17aa(縦が8mm~15mm程度、幅K4が4mm~9mm程度、厚みが1mm~1.5mm程度)の裏面が接着材等で貼り付けられている。この右側凹型部材17aaは、右側凸型部17abを挿入したときに、押さえつけられて止まるように、壁面が内側に少し傾斜していることが好ましい。
【0043】
つまり、右側凹型部材17aaに右側凸型部17abを嵌め込むことで、右側本人認証識別コード板部16aが口外右側鍔20aに連結されることになる。
【0044】
従って、右側本人認証識別コード板部16a、右側本人認証識別コード板部16aを本体部より外して、本体部を洗浄できるし、また、右側本人認証識別コード板部16a、右側本人認証識別コード板部16aを被検査物の種類に応じて交換できる。
【0045】
なお、口外右側鍔20aのK1は35mm程度であり、K3は13mm~16mm程度、K2は30mm~35mm程度である。
【0046】
<実施の形態2:歯科用>
実施の形態2は、ORコード(登録商標)と、カラーチャート部とが鍔(20a、20b)から分離できる分離型の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器である。
図4に分離型の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器40の構成図を示す。但し、右側のみを示す。また、上図と同一符号のものについては説明を省略する。
【0047】
なお、本実施の形態では、右側を右側分離型用識別板部40a(表面は白等の色が塗布されているのが好ましい)と称し、左側を左側分離型用識別板部40b(図示せず)と称する。
なお、右側本人認証識別コード板部は連結ピン42,43を有するので右側本人認証識別コード板部44a(左側は44b)と称する。右側分離型用識別板部40a(40b)の表には上記の欄Raが設けられている。
また、カラーチャート板は、連結ピン42,43を嵌め込むための孔(図示せず)を有するので、右側色補正カラーチャート板41a(左側は41b)と称する。この右側色補正カラーチャート板41a(表面は白等の色が塗布されているのが好ましい)の裏面には、右側凸型部17abが接着剤等で固着されている。さらに、右側色補正カラーチャート板41a(左側は41b)の表面には、上記の欄Raが設けられており、この欄Raには既にカラーチャート番号等が印字されている。
【0048】
また、右側本人認証識別コード板部44aの幅h1は右側本人認証識別コード12aのサイズが10mm程度の場合は、37mm程度であり、横h2は35mm程度であり、厚みは2mm~3mm程度である。
【0049】
さらに、右側色補正カラーチャート板41aの横幅f1は、25mm程度、縦f2は37mm程度、厚みは2mm~3mm程度である。
【0050】
また、右側色補正カラーチャート21aの周囲は、黒等の色(21aa)で囲まれている(幅は1mm~2mm程度)。また、この21aaの隣には、上記のカラーチャート情報を有するカラーチャート情報部21abが設けられている。カラーチャート部21abは幅が5mm程度であり、一次元バーコードでカラーチャート情報が印字(又はラベル)されている。
【0051】
従って、右側本人認証識別コード板部44aのみを交換したり、右側色補正カラーチャート板41aのみを交換したりできる。
すなわち、被検査物(歯、唇又は歯茎)の色に応じて異なる色のカラーチャート板にできるし、本人認証識別コード板部を他のコードを印字又は貼り付けたものにすることもできる。
【0052】
<実施の形態3:歯科、果物用>
実施の形態3は板に、QRコード(登録商標)とカラーチャートとをラベルにした場合の例であり、カラーチャート付被検査物識別ラベル50と称する。
【0053】
このカラーチャート付被検査物識別ラベル50の構成を
図5に示す。本実施の形態では、
図4に分離型の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器40に使用するラベルを
図5に記載し、5mm程度又は10mm程度の正方形マスを縦列にしたラベルを
図6に記載する。
【0054】
図5(a)はカラーチャート付被検査物識別ラベル50の正面図であり、
図5(b)は
図5(a)の側面図である。
【0055】
図5(b)に示すように、カラーチャート付被検査物識別ラベル50は下台紙51(紙、樹脂フィルム等)と、上台紙53(紙)等よりなり、上台紙53の裏面には剥離可能とするための接着層52(厚めに記載している)が塗布されている。また、上台紙53の上には、右側本人認証識別コード12aと右側色補正カラーチャート21aと左側色補正カラーチャート21b等が塗布されている。
【0056】
また、上台紙53は中央付近に切取ラインW1が設けられている。なお、この上台紙53は白色が好ましい。また、右側本人認証識別コード12aと、19aと21abと右側色補正カラーチャート21aとからなる部分(Wa)と間にも切取ラインW2が設けられており、さらに左側本人認証識別コード12bと、左側色補正カラーチャート21bと19bと21bbとからなる部分(Wb)の間にも切取ラインW3が設けられている。
【0057】
(カラーチャート付被検査物識別ラベル50の使用方法)
このカラーチャート付被検査物識別ラベル50は、例えば
図4のような分離型の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器40の場合は、切取ラインW2で切断して、下台紙51から上台紙53をはぎ取り、右側本人認証識別コード板部44aに張り付ける。
【0058】
また、
図6の正方形マスカラーチャート54を同様にはぎ取って、貼り付けてもよい。
正方形マスカラーチャート54は、
図6に示すように、5mmサイズの9×9のカラーチャートであり、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)、黒(Black)、灰色(Gray)、Cyan、Yellow、Magenta、Whitの色の組み合わせである。
なお、赤(R)、緑(G)、青(B)、黒(Black)、灰色(Gray)、Cyan、Yellow、Magenta、Whitの周囲の小さな格子分は、カラーチャート情報表す。
【0059】
<実施の形態4:歯科用>
実施の形態4は、歯科医が口角鈎写真を撮影させる場合には、口全体もあるし、いずれかの箇所を撮影させたい場合もある。しかし、遠隔ではどのあたりかは患者が分からないし、歯科医側でもどこの範囲かを指示するのに戸惑うことがある。
【0060】
また、被検者は、どのあたりを見てほしいかを伝えたい場合もある。このようなことを実施の形態4で解消する。
【0061】
図7は実施の形態4の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器60の正面図である。
図8は実施の形態4の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器60の詳細説明図である。
【0062】
実施の形態4の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器60は、縦バー62を縦横に摺動させるためのスライダー64を有する横バー66をアーム24(総称して被検査物個別色検出治具と称する)に連結している。
この横バー66(四角柱)は、ある程度軟らかいプラスチック材(塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン等)が好ましい。理由はアーム24が湾曲してもそれに追従して湾曲させるためである。
【0063】
前述の縦バー62(幅3mm~5mm、縦長30mm~55mm:厚み2mm~3mm)には、表面には色が施されていても構わない。
また、横バー66(幅5mm~8mm:厚さ3mm~4mm、長さ80mm~90mm)には、目盛(5mm、1cm間隔)が左右の端にわたる範囲に施されている。
【0064】
例えば、横バー66の両端(内側端又は外側端)の中心(基準位置)から左右に例えば1cm間隔で、「1」、「2」、「3」、「4」・・:整数と刻印している。右側は「‐1」、「‐2」、「‐3」、「‐4」・・と刻印し、左側は「+1」、「+2」、「+3」、「+4」と刻印するのが好ましい。さらに、これらの数字と共に、1cm間隔で目盛りを刻印し、各々のcm単位の間に5mm目盛りを刻印してもよい。なお、基準位置には「0」を刻印するのが好ましい。
【0065】
もしくは、横バー66のいずれか一方端(内側端又は外側端)から左右に1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm・・と目盛り刻印し、各々のcm単位の間に5mm目盛りを刻印する。
【0066】
この横バー66は、口外右側鍔20a、口外左側鍔20bの下端からpmm(15mm~20mm)の付近に位置させられている。
【0067】
次に、
図8を用いて説明する。
図8(a)は縦バー62(幅3mm~5mm、縦長30mm~55mm:厚み2mm~3mm)に施されているカラーチャートを説明するための正面図である。このカラーチャートを縦バー用カラーチャート68と称する。縦バー用カラーチャート68は印字又はラベルであり、周囲は白又は黒にされている。
【0068】
縦バー用カラーチャート68は、5mm程度(3mm~8mm)の正方形(丸、長方形、ダイヤ型でも構わない)であり、赤(R)、緑(G)、青(B)、黒(Black)、灰色(Gray)、Cyan、Yellow、Magenta、Whit、ピンク、薄いピンク等である。これらの色の組み合わせは任意であり、さま様な組み合わせがある。色も様々である。つまり、口腔内の色を補正できる色であればよい。
【0069】
また、
図8(b)にはスライダー64の構造を示す。
図8(b)に示すように、スライダー64は、横バー66を挟んで横に摺動させる横用凹型スライダー64aと、縦バー62を挟んで上下に手動させる縦用凹型スライダー64bとからなり、横用凹型スライダー64aの裏と、縦用凹型スライダー64bの裏とは接着されている。なお、横用凹型スライダー64aの横バー66を挟む歯、縦用凹型スライダー64bの縦バー62を挟む噛歯は少し内側に傾斜しているのが好まし。
【0070】
図8(c)は、横バー66とアーム24との連結を説明する説明図であり、横バー66の端部(左右とも)は、ピン66a、66bでアーム24に連結されている。
また、このピン66a、66bの長さは5mm~10mm程度にして、アーム24から5mm~10mm程度、横バー66を浮かせてもよい。
【0071】
<実施の形態5:歯科用>
歯(差し歯、被せもの、義歯等)を歯科技工士に作ってもらうには歯の色を指示しないといけない。歯の色の判別にはシェードガイドを用いて歯の色を特定し、この特定した歯の番号を歯科技工士に通知する。
【0072】
しかし、歯の色というのは主観であるから必ずしも正確ではない。このため、近年は、歯科医師がカメラによってシェードガイド(歯科用の色見本)と共に撮影した患者の口腔内の見本写真を歯科技工士に送って制作させることが多くなってきている。この制作においても本実施の形態の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器60(色補正カラーチャート付識別治具)が有効である。
【0073】
実施の形態5ではシェードガイド70を縦バー62に代えて色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器60のスライダー64に装着した例である。
図9(a)には正面図を示し、
図9(b)には
図8(a)の斜視図を示す。但し、、赤(R)、緑(G)、青(B)、黒(Black)、灰色(Gray)、Cyan、Yellow、Magenta、Whitの9個(各5mmサイズ)のカラーチャート54と張り付けた例を示している。
【0074】
<実施の形態6>
上記の色補正カラーチャート付識別治具は
図10に示すような構成接続にしてクラウドに上げてその取得データを使用する(被検査物認識サービスシステムともいう)。
図10においては、被検査対象者をリモートワーク者とした例である。無論、実際の患者でもよい。
【0075】
図10にように、会員スマートフォン80(例えば、リモートワーク者の)と、医師端末90と、歯科技工士端末120(又は歯科衛生士)と、歯科歯科連携情報サービスサイト200と、歯科用材料提供サイト300とをインターネット網100を介して接続している。
【0076】
また、色補正カラーチャート付識別治具は、
図11に示すように実施の形態4の色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器60であってもよい。
なお、歯科歯科連携情報サービスサイト200は、サーバ210と、担当者パソコン230等よりなる。
【0077】
サーバ210は、少なくとも、会員情報(ID、パスワード、住所、性別、年齢、氏名、病歴等)、歯科技工士情報(ID、パスワード、住所、性別、年齢、氏名等)、歯科衛生士情報(ID、パスワード、住所、性別、年齢、氏名等)、医師情報(ID、パスワード、医師名(歯科医含む)住所、性別、年齢、氏名等)を記憶した会員情報用データベース240と、口腔撮影画像情報が記憶されるメモリ222と、医師診断情報(ID、パスワード、住所、性別、年齢、氏名、口腔撮影画像等)用のメモリ228と、色補正部220等を備えている。
【0078】
リモートワーク者は例えば、色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器10を口に挿入して会員スマートフォン80のカメラ82(裏側のカメラが好ましい)で撮影する。このとき、右側本人認証識別コード12aと右側色補正カラーチャート21a及び左側本人認証識別コード12bと左側色補正カラーチャート21b並びに唇、状態(口全体)で歯を収まるように撮影する。
そして、この口腔撮影画像情報(ID、パスワード、年月日時刻等)をインターネット網100を介して医科歯科連携情報サービスサイト200に送信する。
【0079】
医科歯科連携情報サービスサイト200のサーバ210の色補正部220は、この口腔撮影画像情報を受信し、右側本人認証識別コード12aと、左側本人認証識別コード12bと、口腔画像と、右側色補正カラーチャート21aの画像と、左側色補正カラーチャート21bの画像とに分離して、受付番号、受信時刻、サイト名等を関連付けてメモリ226に順次、記憶する。
【0080】
そして、右側色補正カラーチャート21aの画像と、左側色補正カラーチャート21bの画像とを用いて色補正(AIが好ましい)し、これをメモリ222に記憶する。このとき受付番号を関連付ける。
【0081】
そして、この色補正した画像に含まれているID、パスワードを有する医師診断情報に関連付けて記憶する。又は、画像を歯科技工士端末又は歯科衛生士端末若しくは医師(歯科医、内科医、外科医、研究者)等に送信する。
従って、サーバ側で医師端末からの情報等を用いれば、
(ア)全身の健康管理と、口腔の健康に関する科学的根拠の集積と、国民への適切な情報提供が可能となる。
(イ)生涯を通じた歯科検診(いわゆる国民皆歯科検診)の最適次期等を提供できる。
(ウ)オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理を充実させることができる。
(エ)歯科医療職間・医科歯科連携を始めとする関係職種間・関係機関の連携ができる。
(オ)歯の色等を精度良く確認できるので、作り直し等がないので歯科衛生士・歯科技工士の人材確保につながる。
(カ)歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の構築と強化ができる。
【0082】
<実施の形態7:果物>
実施の形態7は、被検査物を例えば葡萄、梨、リンゴ、桃、パイナップル、マンゴ等(魚でも、野菜でも構わない)の色を取得させると共に、どこの誰の果物かを識別させて、色に基づいて解析した糖度等から収穫時期、若しくは産地偽装を防止できるようにした色補正カラーチャート付識別治具の一例である。本実施の形態では色補正カラーチャート付識別治具を色補正カラーチャート付果物識別治具と称する。
図12は実施の形態7の色補正カラーチャート付果物識別治具400の構成図である。
【0083】
但し、右側鍔及び左側鍔は、大きさは同一対象でも非対称でもよいし、内径、外径のRも
図1よりも大きくた鍔でも構わない。また、右側鍔、左側鍔は、四角形状の羽板であっても構わない。
【0084】
要は果物の対象物に応じて変更している。色補正付個人識別板は、
図1に示す右側色補正付個人識別板部16a、左側色補正付個人識別板部16bでも構わないが、
図12においては、
図4に示す右側分離型用識別板部40a(左側分離型用識別板部40b(図示せず))を用いても構わないが、
図1に示す色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器を用いている例として説明する。
【0085】
なお、右側分離型用識別板部40a(左側分離型用識別板部40b)は、右側口角鈎部10a(右側三日月状部材34a、口腔内右側鍔30a、口外右側鍔20a)、左側分離型用識別板部40b(左側三日月状部材34b、口腔内左側鍔30b、口外左側鍔20b)を含んでも構わないが、本実施の形態では、右側三日月状部材34a、口腔内右側鍔30a、左側三日月状部材34b、口腔内左側鍔30bは含まないので、右側を右側分離型用果物識別板部410a、左側を左側分離型用果物識別板部410bと称する。
【0086】
また、右側分離型用果物識別板部410aの下部と、左側分離型用果物識別板部410bの下部とには、アームに相当する保持部450を接続している。なお、保持部450は
図1のU字型であっても構わない。
【0087】
この保持部450は、例えば幅5mm~10mm、厚さ2mm~3mm、長さ80mm~100mmの接続バー(右側は右側接続バー402a、左側は左側接続バー402b)で接続されている(鍔と一体でも構わない)。
【0088】
右側接続バー402a(アクリル:透明又は色付き)、左側接続バー402b(アクリル:透明又は色付き)との間隔e1は、巨峰の場合は150mm~200mm程度が好ましい。
【0089】
また、右側接続バー402a(アクリル:透明又は色付き)、左側接続バー402b(アクリル:透明又は色付き)には、大きさ計測用横バー420が右側スライダバー410a、左側スライダー410bにより連結されている。この計測用横バー420の中央付近に手持板430が接続されている。
【0090】
また、目盛りが上記のように刻印されている。なお、QRコード(登録商標)である410a(410b)は、生産者名、住所、種類、測定次期、農協名、栽培条件(肥料の種類、量、日照時間)等である。
従って、例えば、
図12に示すように、葡萄Miの端側の葡萄粒m4に20aの内側径部分をできるだけ近づけて合わせ、410bを左側スライダー410bを左側に摺動させて、葡萄粒m7に、20bの内径部分を合わせると、m4~m7までの範囲を左右から葡萄粒を傷つけることなく、葡萄粒の球面形状に合わせて、挟むことになる。
【0091】
このとき、410aと410bとを含むように、m4~m7の撮影範囲Saをスマートフォンで撮影させる。また、目盛りでm4~m7までの横幅を計測できる。
【0092】
図12のC方向からみた場合の側面図を
図13に示している。
図13においては、17abは記載を省略している。
図14は
図12のB方向から見た場合の上面図を示している
【0093】
図13に示すように、左側接続バー402b(アクリル:透明又は色付き)は、一方部(h2:35mm程度)が左側鍔の裏面に固着(接着剤又は螺子止め)されている。
また、この一方部からバー主部(g1:70mm~90mm)が例えばθa(35度~38度程度)で立ち上げられて他方部(g2:40mm~80mm)が左側スライダー410bに収納されている(
図15(b)参照)。
【0094】
また、手持ち部430は、
図13に示すように、横バー440の中央下部の裏面に一方部(例えば、g3:10mm~30mm)が固着(接着又は螺子止め)されている。なお、鍔(20a、20b)の大きさは、
図3の鍔よりも全体的に10mm~20mm程度大きくするのが好ましい。
【0095】
また、手持ち部430は、一方部(例えば、g3:10mm~30mm)からg4(20mm~40mm)の箇所がθb(例えば、50度~55度)の傾斜で立ち上げられている。そして、g5(40mm手色)の範囲がフラットにされている。
【0096】
図15はスライダー部分の斜視図であり、
図15(a)に右スライダー410aを記載し、
図15(b)に左スライダー410bを記載している。
【0097】
図15(a)の右スライダー410aは、横バー440用の横バー用スライダー410abと、縦バー402a用の縦バー用スライダー410aaとから構成されている。なお、横バー440には、目盛りが刻印されている。
【0098】
この目盛りは、402aの中心から距離である。横バー用スライダー410abに収納されている横バー440の一端はこの横バー用スライダー410abに固着されている(接着又は固着)。なお、スライダー410ba、410aaは螺子で縦バーを固着できるようにしているのが好ましい。
【0099】
従って、葡萄を挟んで寸法も図ることができるし、カラーチャートで色補正をさせることができる。なお、420a(420b)は、θa、θbの角度として葡萄にあたらないようにしたが、420a(420b)は、θa、θbを有してないで真っ直ぐにしても構わない。
【0100】
<実施の形態8:果物用>
図16は実施の形態8の色補正カラーチャート付果物識別治具の構成図である。但し、右側のみを記載する。また、16aにはRaが設けられているが図示しない。
上記の縦状のカラーチャートは、
図16に示すように、鍔(20a)の表面に、内径部分の曲線に合わせて色を連接配列(或いは一定間隔(3mm程度)をあけて配列してもよい)してもよい。
図16は〇(正方形の四角でも構わない)で色を刻印している例である。
【0101】
なお、この〇は、黒色等で周囲が囲まれている。〇を500aiと記載し、黒色の部分を500bi(i=1、2、・・)と記載する。500ai(〇)と500bi(黒)とを総称して色マーカ500Ai(A1、A2、・・・と記載する。500a1(〇)は、Red、500a2は、Green、500a3はBL、500a4は灰色(Gray)、500a5はCyan、500a6はYellow、500a7はMagenta、500a8はWhit、・・・である。
【0102】
これらの配列順は任意である。また、葡萄の場合は、緑、黄緑、薄い緑、赤味がかかった黄緑等であってもよい。
この鍔の表面に、内径部分の曲線に合わせて色を配列したチャートを総称して三日月型状色チャート500と称する。三日月型状色チャート500は、
図5、
図6に示すようなラベルであってもよい。また、カラーチャートは、マス目型チャートであっても構わない。さらに、三日月型状色チャート500には、チャートコードを書き込むための三日月状の欄Raが併設されている(欄Raは無くても構わない)。
【0103】
すなわち、三日月状の鍔の内径部分に沿って、カラーチャートを配列しているので、両脇の葡萄粒に最も近い状態でカラーチャートを当てることができる。
【0104】
<実施の形態9:果物>
図17は実施の形態9のラベルの説明図である。
また、
図17に示すように、果物にラベルを張り付けてもよい。
図17は、
図6のラベル52をメロンMRaに張り付けた例である(W1で分離して)。むろん、
図5の21a(21b)のラベル50を54にかえて張り付けてもよい。
【0105】
従って、スマートフォンでこのメロンMaと、ラベルとを含ませて撮影すると、上記の
図10、
図11のようなシステムを構築している場合は、メロンの色合いと、糖度と、誰がどこで収穫したかを解析できことになる。
【0106】
図18は
図12の400でブドウを撮影した場合の葡萄粒毎の色補正値の割あての説明図である。
【0107】
例えば、
図12に示すように葡萄房Miのm4~m7を挟むようにして、撮影した場合は、m4、m5、m6、m7毎に、その画像を記憶できる。このとき、葡萄房Miの識コード(QRコード(登録商標))にm4、m5、m6、m7の画像(Bij、Bij+1、Bij+2、Bij+3)を関連付けて記憶する。
【0108】
そして、この画像(Bij、Bij+1、Bij+2、Bij+3)に、21aaにも続いて色値(1、・・6)を解析して、年月日時刻と共に割り付けるようにする。
従って、1粒毎に、どこの誰が生産し、かついつの時点の糖度かも解読できるし、所定経過後の色、糖度も予測可能となる。このため、産地偽造はできない。
【0109】
<その他の実施の形態>
シェードガイドは1個単位で使用することもあるが、色合いがことなる数種類を纏めて使用することがある。
図19は数本(数種類)のシェードガイドを取り付け可能とした色補正カラーチャート付識別治具の被検査物個別色検出治具の構成図である。
図19においては、4C用は70、4B用は71、4D用は72と記載している。この被検査物個別色検出治具は、スライダー64の上にシェードガイド連結部90を設けている。このシェードガイド連結部90は、64bを3列に横接続したものである。但し、64bの間隔は5mm~15mm程度であり、単にアクリルである。また、シェードガイド連結部90の両端は支持バー91、92で64bに接続されている。
一方、近年は世界情勢の影響で、銀歯の材料であるバラジウムが高騰している。このため、現在では銀歯の代わりに、強化プラスチック(CADCAM冠ともいう)で治療することも認められている。さらに、この強化プラスチックをさらに壊れにくい材料の開発も検討されているが、バラジウムを希望するのが多い。
【0110】
しかし、例えば、
図10又は
図11のようなシステム構成にして、またQRコード(登録商標)を氏名、治療後の確認コード、装丁日、材料、グラム数等にして、撮影させる。
そして、その撮影画像を記憶する(過去の撮影画像)。このようなことを各医院毎に実施しておく。
【0111】
そして、定期健診等において、再び撮影して(今回の撮影画像)、その汚れ程度、歯茎の状態、周辺の歯の状態(色合い)を過去の撮影画像を用いて比較して、後どの程度で交換するべきかを推定(AI)するようにすれば、何時どの程度のバラジウムが必要になるかが予測できる。
【0112】
従って、安い時に大量にバラジウムを購入しておくことができる。つまり、(キ)市場価格に左右されない歯科用材料の導入に繋げられる。
【符号の説明】
【0113】
10 色補正カラーチャート付個人識別口角鈎器
16a 右側色補正付個人識別板部
16b 左側色補正付個人識別板部
20a 右側外鍔
20b 左側外鍔
21a 右側色補正カラーチャート
21b 左側本人認証識別コード