(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137214
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】人流誘導装置、人流誘導方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/047 20230101AFI20240927BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20240927BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q10/047
G08G1/005
G08G1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048650
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北野 佑
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 純一郎
【テーマコード(参考)】
5H181
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB12
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC14
5H181EE03
5L010AA04
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】効率良く人流の誘導を行う。
【解決手段】人流誘導システム10は、複数の移動体の動線データを抽出する動線抽出部101と、動線データに基づいて、複数の移動体から誘導対象とする移動体を検出する誘導対象検出部102と、誘導対象検出部102により検出された誘導対象のタイプを推定し、その推定結果に基づいて誘導対象の誘導方法を決定する誘導方法決定部103と、誘導方法決定部103により決定された誘導方法に従って複数の誘導装置をそれぞれ制御することで、誘導対象を含む人流の誘導を行う誘導装置制御部105と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体の動線データを抽出する動線抽出部と、
前記動線データに基づいて、前記複数の移動体から誘導対象とする移動体を検出する誘導対象検出部と、
前記誘導対象検出部により検出された前記誘導対象のタイプを推定し、その推定結果に基づいて前記誘導対象の誘導方法を決定する誘導方法決定部と、
前記誘導方法決定部により決定された前記誘導方法に従って複数の誘導装置をそれぞれ制御することで、前記誘導対象を含む人流の誘導を行う誘導装置制御部と、を備える人流誘導システム。
【請求項2】
請求項1に記載の人流誘導システムであって、
前記誘導方法決定部は、前記動線データに基づいて前記誘導対象の行動の特徴を表す特徴量を算出し、前記特徴量に基づいて前記誘導対象のタイプを推定する人流誘導システム。
【請求項3】
請求項2に記載の人流誘導システムであって、
前記誘導装置制御部により前記複数の誘導装置の制御を行った際に前記動線抽出部が抽出した前記動線データに基づいて、前記誘導対象に対する誘導の成功度合いを表す誘導スコアを算出する誘導方法評価部を備え、
前記誘導方法決定部は、前記誘導スコアおよび前記特徴量に基づいて前記誘導対象のタイプを推定する人流誘導システム。
【請求項4】
請求項3に記載の人流誘導システムであって、
前記誘導方法決定部は、機械学習モデルを用いて前記特徴量に応じた前記タイプを出力することで前記誘導対象のタイプを推定し、前記誘導スコアに基づいて前記機械学習モデルの学習を行う人流誘導システム。
【請求項5】
請求項1に記載の人流誘導システムであって、
前記動線データにおける前記移動体の動きと場所の特徴を互いに関連付けした検出ルールを複数有する検出ルールテーブルが記録された検出ルールデータベースを備え、
前記誘導対象検出部は、前記検出ルールテーブルを用いて前記誘導対象を検出する人流誘導システム。
【請求項6】
請求項1に記載の人流誘導システムであって、
前記複数の誘導装置の各々から出力可能なコンテンツと前記コンテンツに対する制御情報とを有するコンテンツテーブルが記録された装置制御データベースを備え、
前記誘導装置制御部は、前記装置制御データベースを用いて前記複数の誘導装置をそれぞれ制御する人流誘導システム。
【請求項7】
コンピュータにより、
複数の移動体の動線データを抽出し、
前記動線データに基づいて、前記複数の移動体から誘導対象とする移動体を検出し、
前記誘導対象のタイプを推定し、
前記誘導対象のタイプの推定結果に基づいて前記誘導対象の誘導方法を決定し、
前記誘導方法に従って複数の誘導装置をそれぞれ制御することで、前記誘導対象を含む人流の誘導を行う人流誘導方法。
【請求項8】
請求項7に記載の人流誘導方法であって、
前記動線データに基づいて前記誘導対象の行動の特徴を表す特徴量を算出し、
前記特徴量に基づいて前記誘導対象のタイプを推定する人流誘導方法。
【請求項9】
請求項8に記載の人流誘導方法であって、
前記複数の誘導装置の制御を行った際に抽出した前記動線データに基づいて、前記誘導対象に対する誘導の成功度合いを表す誘導スコアを算出し、
前記誘導スコアに基づいて前記誘導対象のタイプを推定する人流誘導方法。
【請求項10】
請求項9に記載の人流誘導方法であって、
機械学習モデルを用いて前記特徴量に応じた前記タイプを出力することで前記誘導対象のタイプを推定し、
前記誘導スコアに基づいて前記機械学習モデルの学習を行う人流誘導方法。
【請求項11】
請求項7に記載の人流誘導方法であって、
前記動線データにおける前記移動体の動きと場所の特徴を互いに関連付けした検出ルールを複数有する検出ルールテーブルが記録された検出ルールデータベースを用いて、前記誘導対象を検出する人流誘導方法。
【請求項12】
請求項7に記載の人流誘導方法であって、
前記複数の誘導装置の各々から出力可能なコンテンツと前記コンテンツに対する制御情報とを有するコンテンツテーブルが記録された装置制御データベースを用いて、前記複数の誘導装置をそれぞれ制御する人流誘導方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人流の誘導を行う装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空港や駅などの公共施設では、保安検査場や税関検査場や窓口の行列の混雑を緩和するため、検査台や窓口の数を適宜変更したり、旅客を適切な場所へ誘導する等、現場でのオペレーションを改善することが求められている。
【0003】
これに対し、レーザーレーダやカメラ等を用いて動線データを取得することにより、現状の旅客の利用状況等を管理者が把握することができる。管理者は現場の係員に対して、人流の誘導などを指示する、等の対応がとられている。
【0004】
人流の誘導を行うための機器制御に関する先行技術として、特許文献1、2に示す技術が知られている。特許文献1では、制御ルールに基づき、計測された動線データから機器制御を実施する際、制御ルールの設定変更を容易に行う技術について開示されている。特許文献2では、移動体の動線データを抽出し、この動線データに基づいて、移動体が目的地に到着する時刻を推定し、推定された到着時刻に基づいて、移動体のグループごとに誘導情報を算出する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-186667号公報
【特許文献2】特開2022-26618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、人の活動状況に応じて照明機器や音響機器の適切な制御を行うためのものであり、人流の誘導を目的としたものではないため、人流の誘導を効率的に行うという目的には適さない。一方、特許文献2に記載の技術では、目的地への到着時刻に応じて人をグループ分けし、このグループ単位で人流の誘導を行う。しかしながら、人流の誘導手段には、例えばデジタルサイネージのように人の視覚を利用して誘導を行うものや、指向性スピーカのように人の聴覚を利用して誘導を行うものなど、様々な形態のものが考えられる。こうした様々な誘導手段のうちどれが効果的であるかは、各個人の特性や各個人が置かれた状況などによって変化し、一定ではない。特許文献2の技術では、こうした点について考慮されていないため、人流誘導の効率化に関して依然として改善の余地がある。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、効率良く人流の誘導を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による人流誘導システムは、複数の移動体の動線データを抽出する動線抽出部と、前記動線データに基づいて、前記複数の移動体から誘導対象とする移動体を検出する誘導対象検出部と、前記誘導対象検出部により検出された前記誘導対象のタイプを推定し、その推定結果に基づいて前記誘導対象の誘導方法を決定する誘導方法決定部と、前記誘導方法決定部により決定された前記誘導方法に従って複数の誘導装置をそれぞれ制御することで、前記誘導対象を含む人流の誘導を行う誘導装置制御部と、を備える。
本発明による人流誘導方法は、コンピュータにより、複数の移動体の動線データを抽出し、前記動線データに基づいて、前記複数の移動体から誘導対象とする移動体を検出し、前記誘導対象のタイプを推定し、前記誘導対象のタイプの推定結果に基づいて前記誘導対象の誘導方法を決定し、前記誘導方法に従って複数の誘導装置をそれぞれ制御することで、前記誘導対象を含む人流の誘導を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率良く人流の誘導を行うことができる。
【0010】
本明細書において開示される主題の、少なくとも一つの実施の詳細は、添付されている図面と以下の記述の中で述べられる。開示される主題のその他の特徴、態様、効果は、以下の開示、図面、請求項により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る人流誘導システムの基本構成を表すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る人流誘導システムで行われる全体処理を表すフローチャートである。
【
図3】動線DBのデータ構造例における動線テーブルの一例を示す図である。
【
図4】動線DBのデータ構造例における状態テーブルの一例を示す図である。
【
図5】動線DBのデータ構造例におけるODテーブルの一例を示す図である。
【
図6】検出ルールDBのデータ構造例における検出ルールテーブルの一例を示す図である。
【
図7】検出ルールDBのデータ構造例におけるチェックポイントテーブルの一例を示す図である。
【
図8】誘導実績DBのデータ構造例における実績テーブルの一例を示す図である。
【
図9】誘導モデルDBのデータ構造例におけるタイプ推定テーブルの一例を示す図である。
【
図10】誘導モデルDBのデータ構造例における誘導方法対応テーブルの一例を示す図である。
【
図11】装置制御DBのデータ構造例における制御テーブルの一例を示す図である。
【
図12】装置制御DBのデータ構造例におけるコンテンツテーブルの一例を示す図である。
【
図13】誘導対象検出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】誘導方法決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】誘導装置制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】誘導方法評価処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】誘導モデル学習処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】各クラスタの統計値の算出方法の概要を示す図である。
【
図19】管理者端末に表示される管理画面の一例を示す図である。
【
図20】管理者端末に表示されるモデル学習画面の一例を示す図である。
【
図21】管理者端末に表示される検出ルール修正画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は移動中の人を誘導する人流誘導システムに関するものである。なお本人流誘導システムで誘導するのは人だけでなく、船舶や車両、航空機などの移動体であってもよい。本実施例では、人に焦点をあてて説明を行う。
【0013】
本実施例の人流誘導システムは、空港等の施設内で、移動している旅客等の人に対して、施設内に設置された誘導装置を用いることで、どこの場所へ向かえばよいか誘導するシステムである。
【0014】
例えば、空港内に複数の検査場が存在しており、それぞれに行列ができている場合、デジタルサイネージや指向性スピーカなどの誘導装置に、どの行列に並べば待ち時間が短くなるか等の誘導情報を表示または音声出力することで、人流誘導を行う。
【0015】
この際、レーザーレーダやカメラ等のセンサを用いて計測された人の動線データ(時系列的な位置情報)から誘導対象とする人のタイプを推定し、その推計結果に応じた誘導方法を用いて、誘導装置の制御を行う。これにより、人流を構成する様々な人にとって最適な誘導方法を用いて、効率の良い人流誘導が行われるようにする。
【0016】
なお、この際、どの場所へ向かえばよいか等の情報ではなく、人の行動を変化させる類の情報を誘導対象の人に対して提供してもよい。例えば、電子化ゲート通過のため、スマートフォンなどでの操作を誘発するような指示であってもよいし、この先には向かわないように指示する等の内容であってもよい。
【0017】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る人流誘導システムの基本構成を表すブロック図である。
【0018】
本実施例の人流誘導システム(計算機)10は、人流計測システム11から計測データを受信し、計測データから抽出された動線データを用いて誘導対象とする移動体(人)を検出する機能と、検出された移動体(人)のタイプを推定し、その推定結果に基づいて誘導方法を決定する機能と、決定された誘導方法に従って誘導装置群12を制御することで、誘導対象を含む人流の誘導を行う機能と、決定された誘導方法を評価する機能と、を含む。
【0019】
上記機能を実現するために、人流誘導システム10は、動線抽出部101と、誘導対象検出部102と、誘導方法決定部103と、誘導方法評価部104と、誘導装置制御部105と、誘導情報管理部106と、動線DB(DataBase)107と、検出ルールDB108と、誘導実績DB109と、誘導モデルDB110と、装置制御DB111と、を含む。
【0020】
人流誘導システム10において、動線抽出部101、誘導対象検出部102、誘導方法決定部103、誘導方法評価部104、誘導装置制御部105および誘導情報管理部106の各機能ブロックは、例えば計算機が有するCPUにおいて所定のプログラムを実行することにより実現される。また、動線DB107、検出ルールDB108、誘導実績DB109、誘導モデルDB110および装置制御DB111の各データベースは、例えば計算機に搭載またはネットワークを介して計算機に接続されたHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記録媒体を用いて実現される。
【0021】
動線抽出部101は、人流計測システム11にて計測されたデータから、複数の移動体の動線データを抽出し、動線DB107に格納する。この際、人流計測システム11にて計測されるデータは、誘導対象領域の動画データでもよいし、レーザーレーダデータでもよい。
【0022】
動線抽出部101が、動画データから動線データを抽出する際は、周知又は公知の画像処理技術により人を認識し、人の座標を抽出してもよい。また、動線抽出部101が、レーザーレーダデータから動線データを抽出する際は、周知又は公知の技術を用いてレーザーレーダデータから距離が変化する移動体を人として抽出し、座標情報に変換してもよい。
【0023】
なお、本実施例では、人々を誘導する誘導対象領域としてひとつの領域の例を示すが、人流誘導システム10は複数の誘導対象領域を監視して人を誘導することができる。また、人流誘導システム10と人流計測システム11および誘導装置群12とは、図示しないネットワークによって接続されている。
【0024】
誘導対象検出部102は、動線分析部1021と、検出ルール適用部1022と、を有する。動線分析部1021は、動線抽出部101により抽出されて動線DB107に格納された動線データの分析を行い、分析結果を動線DB107に格納する。検出ルール適用部1022は、動線DB107に格納された動線データの分析結果と、検出ルールDB108に格納された検出ルールとを比較し、検出ルールに規定された条件を満たす移動体(人)を誘導対象として検出する。これにより、動線データが表す複数の移動体から誘導対象とする移動体を検出し、誘導実績DB109に格納する。誘導対象検出部102が行う具体的な処理については後述する。
【0025】
誘導方法決定部103は、特徴量算出部1031と、誘導モデル学習部1032と、誘導対象タイプ推定部1033と、誘導パラメータ選定部1034と、を有する。特徴量算出部1031は、誘導対象検出部102により検出されて誘導実績DB109に格納された各誘導対象について、当該誘導対象の行動の特徴を表す特徴量を算出する。誘導対象タイプ推定部1033は、誘導モデルDB110に格納された機械学習モデルである誘導モデルを用いて、特徴量算出部1031により算出された特徴量から、各誘導対象のタイプを推定する。誘導パラメータ選定部1034は、誘導対象タイプ推定部1033による各誘導対象のタイプの推定結果に応じて、各誘導対象に対して誘導装置群12の制御に用いる誘導パラメータを選定し、誘導実績DB109に格納する。誘導モデル学習部1032は、誘導モデルDB110に格納された誘導モデルの学習を行う。これにより、誘導対象検出部102により検出された各誘導対象のタイプを推定し、その推定結果に基づいて各誘導対象の誘導方法を決定する。誘導方法決定部103が行う具体的な処理については後述する。
【0026】
誘導方法評価部104は、誘導方法決定部103により決定された誘導方法を用いて人流の誘導を行った際に得られた動線データから、その誘導方法に対する評価を行い、評価結果を誘導実績DB109に格納する。誘導方法評価部104が行う具体的な処理については後述する。
【0027】
誘導装置制御部105は、誘導方法決定部103により決定されて誘導実績DB109に格納された誘導パラメータを用いて、誘導装置群12を構成する各誘導装置の動作を制御する。これにより、誘導対象検出部102によって検出された各誘導対象を含む人流の誘導を行う。誘導装置制御部105が行う具体的な処理については後述する。
【0028】
誘導情報管理部106は、人流誘導システム10において得られた誘導情報(動線データ、誘導対象の検出結果、誘導対象タイプの推定結果、誘導パラメータ値、誘導結果等)を管理者端末13に対して出力する。誘導情報管理部106から出力された誘導情報は、管理者端末13において表示され、人流誘導システム10の管理を行う管理者に対して提供される。管理者は、この誘導情報を管理者端末13において参照するとともに、必要に応じて管理者端末13の操作により誘導情報の内容を変更することで、人流誘導システム10の管理を行うことができる。管理者が行った誘導情報の変更結果は、誘導情報管理部106によって人流誘導システム10に反映される。
【0029】
誘導装置群12は、例えば表示装置を有するデジタルサイネージや、スマートフォンと連携可能なネットワーク型のデジタルサイネージ、特定の範囲に音声を出力する指向性スピーカなどの様々な誘導装置で構成される。誘導装置群12の各誘導装置は、誘導装置制御部105によってその動作が制御されることで近傍の人へと誘導情報を提示し、人流の誘導を行う。
【0030】
動線DB107、検出ルールDB108、誘導実績DB109、誘導モデルDB110および装置制御DB111の各データベースに格納されるデータについては後述する。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態に係る人流誘導システムで行われる全体処理を表すフローチャートである。以下に
図2の処理について説明する。
【0032】
ステップS10では、動線抽出部101により、人流計測システム11から受信した計測データを動線データに変換し、動線DB107に格納する。
【0033】
ステップS20では、誘導対象検出部102による誘導対象検出処理を実行する。ここでは後述の
図13のフローチャートに従って誘導対象検出処理を実行することにより、動線データが表す複数の移動体から誘導対象とする移動体を検出する。
図13のフローチャートの詳細については後述する。
【0034】
ステップS30では、誘導方法決定部103による誘導方法決定処理を実行する。ここでは後述の
図14のフローチャートに従って誘導方法決定処理を実行することにより、誘導対象のタイプを推定して誘導方法を決定する。
図14のフローチャートの詳細については後述する。
【0035】
ステップS40では、誘導装置制御部105による誘導装置制御処理を実行する。ここでは後述の
図15のフローチャートに従って誘導装置制御処理を実行することにより、誘導装置群12を構成する各誘導装置の動作を制御して人流の誘導を行う。
図15のフローチャートの詳細については後述する。
【0036】
ステップS50では、誘導方法評価部104による誘導方法評価処理を実行する。ここでは後述の
図16のフローチャートに従って誘導方法評価処理を実行することにより、ステップS30の誘導方法決定処理で決定された誘導方法に対する評価を行う。
図16のフローチャートの詳細については後述する。
【0037】
ステップS50の処理を終えたら、
図2のフローチャートに示す全体処理を終了する。
【0038】
なお、人流誘導システム10において
図2の全体処理は一定の時間ごとに繰り返される。例えば1秒ごとにこれらの処理が繰り返されてもよい。また、ステップS20~S50に関しては、定期的に処理をスキップしてもよい。例えば、ステップS10は1秒に1回行われ、ステップS20~S50は10秒に1回行われてもよい。
【0039】
次に、動線DB107、検出ルールDB108、誘導実績DB109、誘導モデルDB110および装置制御DB111の各データベースに格納されるデータについて、
図3~
図12を参照して以下に説明する。
【0040】
図3~
図5は、動線DB107のデータ構造例である。動線DB107には、動線抽出部101によって取得された動線データや、動線分析部1021による動線データの分析結果が格納される。
【0041】
図3は、動線DB107の動線テーブル1071の一例を示す図である。動線テーブル1071は、動線データを格納するテーブルである。動線テーブル1071には、人ごとに、また一定の時間ごとに、例えば1秒ごとに、動線データの座標をサンプリングしたような形で格納される。
【0042】
動線テーブル1071は、START_TIME10711と、END_TIME10712と、PID10713と、ORIENT10714と、ACT10715と、GEOM10716と、を一つのレコードに含む。
【0043】
START_TIME10711と、END_TIME10712とは、動線データをサンプリングする際の開始時間と終了時間を表し、PID10713は、人のID(識別子)を表す。GEOM10716は、対応するPID10713の人が、START_TIME10711からEND_TIME10712までの間に動いた際の動線(時系列的な位置情報)のラインストリングに関するジオメトリ情報(動線データ)を表す。なお、このジオメトリ情報に関する座標系は周知又は公知のものでよく、例えば平面直角座標系などでもよい。
【0044】
ORIENT10714は、END_TIME10712においてPID10713の人が向いている方向を角度(又は方位)で表した情報を表す。この角度情報は、レーザーレーダを用いて人を計測した場合は、3D点群データに対し、Pose Estimation等の周知又は公知の技術を使って向きを検出した結果を格納してもよい。カメラを用いて人を計測した場合は、周知又は公知の画像処理技術を用いて向きを検出した結果を格納してもよい。
【0045】
あるいは、動線データから人の向き推定を行った結果を格納してもよい。動線データから向き推定を行う場合、PID10713の人のSTART_TIME10711からEND_TIME10712にかけての動いた座標の差分ベクトルを算出して向き検出を行った結果を格納してもよい。
【0046】
ACT10715は、対応するPID10713の人がSTART_TIME10711からEND_TIME10712までの間にどういう行動をとっていたかを表す。例えば、歩いている、走っている、立ち止まっている、しゃがんでいる、座っている、などの情報を表す。またこれらの組み合わせの情報が格納されていてもよい。
【0047】
ACT10715は、レーザーレーダを用いて計測した場合は、3D点群データに対し、Pose Estimation等の周知又は公知技術を使って得られた結果を格納してもよい。
【0048】
カメラを用いて計測した場合は、周知又は公知の画像処理技術を用いて得られた結果を格納してもよい。又は動線データを分析することで得られた結果を格納してもよい。例えば、動線データに対してHidden Markov ModelやLong Short Term Memory等、系列データに対応した機械学習の手法を適用することで得られてもよい。
【0049】
図4は、動線DB107の状態テーブル1072の一例を示す図である。状態テーブル1072は、動線分析部1021によって得られた動線データの分析結果のうち、誘導対象領域内で形成された各行列にどの人がどの順番で並んでいたかの情報を格納するテーブルである。
【0050】
状態テーブル1072は、行列の開始時刻と終了時刻をそれぞれ表すSTART_TIME10721及びEND_TIME10722と、行列が形成された位置をチェックポイントの識別子で指定する行列のCID10723と、行列に並んでいる人のPID10713(
図3参照)をサービス待ちの順番通りに並べたIDリストであるPID_LIST10724と、を一つのレコードに格納する。
【0051】
ここでCID10723は、後述の
図7に示すチェックポイントテーブル1082に含まれるCID10821と対応している。
【0052】
図5は、動線DB107のODテーブル1073の一例を示す図である。ODテーブル1073は、動線分析部1021によって得られた動線データの分析結果のうち、誘導対象領域内に存在する各人がどこからどこへ向かって移動しているかの情報を格納するテーブルである。
【0053】
ODテーブル1073は、人の移動開始時刻と移動終了時刻をそれぞれ表すSTART_TIME10731及びEND_TIME10732と、人のIDを表すPID10733と、人が移動を開始及び終了した場所のチェックポイントのIDをそれぞれ表すO10174及びD10735と、を一つのレコードに格納する。
【0054】
ここでPID10733は、前述の
図3に示した動線テーブル1071に含まれるPID10713と対応している。また、O10174及びD10735は、前述の
図4に示した状態テーブル1072に含まれるCID10723と同様に、後述の
図7に示すチェックポイントテーブル1082に含まれるCID10821とそれぞれ対応している。
【0055】
図6、
図7は、検出ルールDB108のデータ構造例である。検出ルールDB108には、検出ルール適用部1022が誘導対象とする移動体(人)を検出する際に利用される検出ルールの情報が格納される。
【0056】
図6は、検出ルールDB108の検出ルールテーブル1081の一例を示す図である。検出ルールテーブル1081は、事前に準備された誘導対象の検出ルールを格納するテーブルである。
【0057】
検出ルールテーブル1081は、検出ルールのIDと名称をそれぞれ表すRID10811及びNAME10812と、誘導対象領域内に存在する様々な人から誘導対象を抽出する際の検出ルールの条件を表すCONDITION10813と、検出ルールによって検出された誘導対象に対して適用すべき誘導方法を表すGUIDE10814と、を一つのレコードに格納する。CONDITION10813及びGUIDE10814では、誘導対象の抽出条件や誘導方法が例えばSQL(Structured Query Language)によって表現されている。
【0058】
図7は、検出ルールDB108のチェックポイントテーブル1082の一例を示す図である。
【0059】
チェックポイントは、誘導対象領域内で人が移動する際の立ち寄り場所や、何らかの属性が付加された通過場所を示す。例えば、誘導対象領域として空港施設の到着ロビーなどを考える場合、チェックポイントは出入口や行列、デジタルサイネージや、荷物の受け取りのベルトコンベアや検査台等の情報に相当する。
【0060】
チェックポイントテーブル1082は、チェックポイントのID、名称及び種類をそれぞれ表すCID10821、NAME10822及びTYPE10823と、チェックポイントの位置情報や形状情報(ジオメトリ情報)を表すWKT10824と、を一つのレコードに格納する。WKT10824は、オブジェクトの形状を表す座標を、ポリゴンやラインストリングといった形のジオメトリとして表したものである。WKT10824の座標系は任意のものでよい。
【0061】
ここでCID10821は、前述の
図4に示した状態テーブル1072に含まれるCID10723や、前述の
図5に示したODテーブル1073に含まれるO10174及びD10735と対応している。
【0062】
図8は、誘導実績DB109のデータ構造例である。誘導実績DB109には、検出ルール適用部1022によって検出された誘導対象の情報や、特徴量算出部1031によって算出された特徴量の情報、誘導対象タイプ推定部1033によって推定された誘導対象のタイプ、誘導パラメータ選定部1034によって選定された誘導パラメータ、誘導方法評価部104による誘導方法の評価結果などの情報が格納される。
【0063】
図8は、誘導実績DB109の実績テーブル1091の一例を示す図である。実績テーブル1091は、誘導対象の検出結果と、検出された誘導対象について行われた誘導の実績とを、誘導対象ごとに、また一定の時間(例えば10秒)ごとに格納するテーブルである。
【0064】
実績テーブル1091は、TIME10911と、PID10912と、TRIAL10913と、TYPE10914と、RID10915と、F_k10916と、THETA_l10917と、SCORE10918と、を一つのレコードに含む。
【0065】
TIME10911は、誘導対象に対して誘導を実行した時間を表し、PID10912は、誘導対象として検出された人のIDを表す。ここでPID10912は、前述の
図3に示した動線テーブル1071に含まれるPID10713や、前述の
図5に示したODテーブル1073に含まれるPID10713と対応している。
【0066】
TRIAL10913は、誘導を試行(実行)した回数を表し、TYPE10914は、誘導対象タイプ推定部1033によって推定された誘導対象のタイプを表す。ここでTYPE10914は、後述の
図9に示すタイプ推定テーブル1101に含まれるTYPE11012と対応している。
【0067】
RID10915は、誘導対象が検出された検出ルールのIDを表す。ここでRID10915は、前述の
図6に示した検出ルールテーブル1081に含まれるRID10811と対応している。
【0068】
F_k10916は、特徴量算出部1031によって算出された誘導対象の特徴量を表す。ここでkは特徴量の識別子を表し、誘導対象ごとにK種類の特徴量が算出されるとすると、このK種類の特徴量に対して、k=1~Kの整数が識別子としてそれぞれ設定される。
【0069】
THETA_l10917は、誘導パラメータ選定部1034によって選定された誘導パラメータを表す。ここでlは誘導パラメータの識別子を表し、誘導対象ごとにL種類の誘導パラメータが設定されるとすると、このL種類の誘導パラメーに対して、l=1~Lの整数が識別子としてそれぞれ設定される。
【0070】
SCORE10918は、対応するTHETA_l10917の組み合わせに応じて定まる誘導方法により誘導対象を誘導した結果に対して、誘導方法評価部104により算出された評価値を表す。
【0071】
図9、
図10は、誘導モデルDB110のデータ構造例である。誘導モデルDB110には、誘導対象タイプ推定部1033が誘導対象のタイプを推定する際に利用される機械学習モデルである誘導モデルの情報が格納される。
【0072】
図9は、誘導モデルDB110のタイプ推定テーブル1101の一例を示す図である。タイプ推定テーブル1101は、誘導モデルのパラメータを格納するテーブルである。
【0073】
タイプ推定テーブル1101は、誘導モデルの更新時刻を表すUPDATE_TIME11011と、誘導対象のタイプを表すTYPE11012と、誘導モデルのパラメータ値(重み)を表すMODEL_m11013と、誘導モデルの詳細を表すDESCRIPTION11014と、を一つのレコードに格納する。ここでTYPE11012は、前述の
図8に示した実績テーブル1091に含まれるTYPE10914と対応している。また、MODEL_m11013におけるmは誘導モデルのパラメータの識別子を表し、誘導モデルごとにM種類のパラメータが設定されるとすると、このM種類のパラメータに対して、m=1~Mの整数が識別子としてそれぞれ設定される。
【0074】
なお、DESCRIPTION11014の内容は、例えば管理者が人流誘導システム10に対して誘導モデルの設定を行う際に、管理者端末13を介して任意に入力することができる。
【0075】
図10は、誘導モデルDB110の誘導方法対応テーブル1102の一例を示す図である。誘導方法対応テーブル1102は、誘導モデルごとに対応する誘導方法を格納するテーブルである。
【0076】
誘導方法対応テーブル1102は、誘導方法の更新時刻を表すUPDATE_TIME11021と、誘導対象のタイプを表すTYPE11022と、誘導パラメータを表すTHETA_l11023と、誘導の成功度合いを表すSUCCESS11024と、を一つのレコードに格納する。ここでTYPE11022は、前述の
図9に示したタイプ推定テーブル1101に含まれるTYPE11012と同様に、
図8に示した実績テーブル1091に含まれるTYPE10914と対応している。また、THETA_l11023は、
図8に示した実績テーブル1091に含まれるTHETA_l10917と対応している。
【0077】
図11、
図12は、装置制御DB111のデータ構造例である。装置制御DB111には、誘導装置制御部105が誘導装置群12の動作を制御する際に利用される情報が格納される。
【0078】
図11は、装置制御DB111の制御テーブル1111の一例を示す図である。制御テーブル1111は、誘導装置群12に含まれる各誘導装置の情報を格納するテーブルである。
【0079】
制御テーブル1111は、誘導装置のIDを表すTHETA_ID11111と、同一種類の誘導装置が複数ある場合にそれぞれの誘導装置を区別するためのIDを表すDID11112と、誘導装置の名称を表すNAME11113と、誘導装置の設置位置を表すAREA11114と、を一つのレコードに格納する。ここで制御テーブル1111におけるレコードの数、すなわち誘導装置群12に含まれる誘導装置の数は、
図8に示した実績テーブル1091に含まれるTHETA_l10917及び
図10に示した誘導方法対応テーブル1102に含まれるTHETA_l11023の数と対応している。
【0080】
図12は、装置制御DB111のコンテンツテーブル1112の一例を示す図である。コンテンツテーブル1112は、誘導装置群12に含まれる各誘導装置に対する誘導パラメータの値ごとの制御内容を格納するテーブルである。
【0081】
コンテンツテーブル1112は、誘導装置のIDを表すTHETA_ID11121と、誘導パラメータの値を表すTHETA11122と、誘導装置に対して行う具体的な制御内容を表すCONTENTS11123と、を一つのレコードに格納する。ここでTHETA_ID11121は、前述の
図11に示した制御テーブル1111に含まれるTHETA_ID11111と対応している。
【0082】
次に、
図2のフローチャートにおけるステップS20~S50の各処理の詳細について、
図13~
図16を参照して以下に説明する。
【0083】
図13は、
図2のステップS20において誘導対象検出部102により実行される誘導対象検出処理の一例を示すフローチャートである。
【0084】
ステップS21では、動線分析部1021により、
図3に示した動線テーブル1071のデータと、
図7に示したチェックポイントテーブル1082のデータとを用いて、誘導対象領域内に存在する各人に対するOD分析を実施し、その結果をODテーブル1073に格納する。ここでは、誘導対象領域内における各人の移動状態を動線テーブル1071の各情報から判断し、ある場所から移動を開始した人については、その場所のチェックポイントのIDをチェックポイントテーブル1082から取得して、ODテーブル1073のO10174に格納し、ある場所で移動を終了した人については、その場所のチェックポイントのIDをチェックポイントテーブル1082から取得して、ODテーブル1073のD10175に格納する。
【0085】
ステップS22では、動線分析部1021により、
図3に示した動線テーブル1071のデータと、
図7に示したチェックポイントテーブル1082のデータとを用いて、誘導対象領域内に存在する各人に対する行列判定を実施し、その結果を状態テーブル1072に格納する。ここでは、誘導対象領域内における各人の移動状態を動線テーブル1071の各情報から判断するとともに、チェックポイントテーブル1082のWKT10824からチェックポイントの場所を判断し、いずれかのチェックポイントから一定の距離以内で移動速度が一定値以下の人を、行列に並んでいる人として抽出する。そして、当該チェックポイントの最近傍にいる人を行列の先頭として抽出し、次に近い人を次に並んでいる人として抽出する。その際に各人の向き(ORIENT10714)の情報を用いてもよい。これを繰り返すことで、チェックポイントで発生した行列に並んでいる人を検出することができる。
【0086】
ステップS22の行列判定により、行列の開始時刻及び終了時刻と、行列が形成されたチェックポイントと、行列に並んでいる人とその順番が特定される。これらの結果を、状態テーブル1072のSTART_TIME10721、END_TIME10722、CID10723、PID_LIST10724にそれぞれ格納する。
【0087】
ステップS23では、検出ルール適用部1022により、
図3に示した動線テーブル1071のデータと、
図5に示したODテーブル1073のデータと、
図4に示した状態テーブル1072のデータとに基づき、誘導対象とする人を検出する。ここでは
図3~
図5の各データと、
図6に示した検出ルールテーブル1081のCONDITION10813の内容とを、RID10811の値ごとに比較して、いずれかのRID10811に対応するCONDITION10813で指定される条件を満たす人の有無を判定する。その結果、いずれかのRID10811について条件を満たす人が存在する場合は、その人を誘導対象として検出する。
【0088】
ステップS24では、検出ルール適用部1022により、ステップS23で誘導対象として検出された人の情報を誘導実績DB109に格納する。ここでは検出時刻と、その人のPIDの値と、検出ルールテーブル1081において条件を満たすと判定されたレコードのRID10811の値とを取得して、実績テーブル1091のTIME10911、PID10912、RID10915にそれぞれ格納する。
【0089】
ステップS24の処理を実行したら、
図13の誘導対象検出処理を終了し、
図2の処理フローをステップS20からステップS30へ進める。
【0090】
図14は、
図2のステップS30において誘導方法決定部103により実行される誘導方法決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0091】
ステップS31では、特徴量算出部1031により、誘導実績DB109に情報が格納された各誘導対象に対して特徴量を算出する。ここでは、動線テーブル1071、状態テーブル1072及びODテーブル1073の各情報に基づき、所定の領域ごと、行動ごと、判定ルールごとのいずれか1つ以上に関する様々な特徴を、誘導対象ごとに特徴量として算出する。この特徴量の算出には、周知の様々な手法を利用することができる。
【0092】
ステップS31で算出された特徴量の値は、実績テーブル1091において、誘導対象ごとにF_k10916に格納される。
【0093】
ステップS32では、誘導対象タイプ推定部1033により、誘導モデルDB110に格納された誘導モデルを用いて、誘導対象のタイプを推定する。ここでは、タイプ推定テーブル1101においてUPDATE_TIME11011の値が最新であるレコードをTYPE11012の値ごとに抽出することで、現在運用中の誘導モデルを特定する。そして、抽出した各レコードのMODEL_m11013に格納されたパラメータ値で表される各誘導モデルに対して、誘導対象ごとに、ステップS31で実績テーブル1091のF_k10916に格納された特徴量の値を入力し、その出力を取得する。その結果、各誘導対象について最も高い出力が得られたレコードのTYPE11012の値を、当該誘導対象のタイプの推定結果として取得する。
【0094】
ステップS32で得られた誘導対象のタイプの推定結果、すなわちタイプ推定テーブル1101で最も高い出力が得られたレコードのTYPE11012の値は、実績テーブル1091において、誘導対象ごとにTYPE10914に格納される。
【0095】
ステップS33では、誘導パラメータ選定部1034により、ステップS32で得られた各誘導対象のタイプの推定結果に対応する誘導パラメータθを順番に選定する。ここでは誘導対象ごとに、誘導方法対応テーブル1102のTYPE11022の値が、ステップS32で得られたTYPE11012の値と一致する各レコードを、SUCCESS11024に格納されている値が高い順に選択する。具体的には、最初にステップS33の処理を実行するときには、SUCCESS11024の値が最も高いレコードを選択し、次にステップS33の処理を実行するときには、SUCCESS11024の値が二番目に高いレコードを選択する。そして、選択したレコードのTHETA_l11023に格納されている各値を、当該誘導対象に対応する誘導装置ごとの誘導パラメータθの値として選定する。
【0096】
ステップS34では、ステップS33で選定した誘導パラメータθの値による誘導結果を取得する。ここでは、ステップS33で選定した誘導パラメータθの値に基づき、誘導装置制御部105が
図2のステップS40で誘導装置制御処理を行い、その後に誘導方法評価部104が
図2のステップS50で誘導方法評価処理を行った後に、ステップS31で算出された特徴量の値が実績テーブル1091においてF_k10916に格納された各レコードのSCORE10918に格納されている誘導スコアの値を、誘導パラメータθに応じた誘導対象の誘導結果として取得する。なお、ここでSCORE10918に格納されている誘導スコアの値は、誘導方法評価部104において後述の
図16に示すフローチャートの処理が実行されることによって算出されるものである。
【0097】
ステップS35では、ステップS34で取得した誘導結果に基づいて、各誘導対象が正しく誘導されたか否かを判定する。ここでは誘導対象ごとに、ステップS34で誘導結果として取得した誘導スコアの値が所定値以上であるか否かを判定する。その結果、誘導スコアの値が所定値以上であれば誘導対象が正しく誘導されたと判定し、誘導スコアの値が所定値未満であれば誘導対象が正しく誘導されなかったと判定する。
【0098】
ステップS35で誘導対象が正しく誘導されたと判定した場合は、
図14の誘導方法決定処理を終了し、
図2の処理フローをステップS30からステップS40へ進める。一方、ステップS35で誘導対象が正しく誘導されなかったと判定した場合は、処理をステップS36に進める。
【0099】
ステップS36では、誘導対象ごとに、誘導パラメータθが取り得る全ての値について誘導を試行済みか否かを判定する。これまでに実行したステップS33の処理において、誘導パラメータθが取り得る全ての値を選定済みである場合、すなわち、ステップS33で選択可能な全てのレコードを誘導方法対応テーブル1102において選択済みの場合は、ステップS36を肯定判定し、処理をステップS37に進める。一方、これまでに実行したステップS33の処理において未選定の誘導パラメータθの値が存在する場合、すなわち、ステップS33で未選択のレコードが誘導方法対応テーブル1102において存在する場合は、ステップS36を否定判定してステップS33に戻る。この場合、未選定の誘導パラメータθの値のいずれかをステップS33で選定した後、ステップS34及びS35の処理を繰り返す。
【0100】
ステップS37では、誘導パラメータθの値をランダムに変更する。ここでは、誘導方法対応テーブル1102のTHETA_l11023に格納されている値に関わらず、誘導パラメータθの値を任意に変更することで、誘導方法において突然変異を発生させる。これにより、過去に前例のない誘導方法の中から、各誘導対象にとって最適な誘導方法を探索できるようにする。
【0101】
ステップS37の処理を実行したらステップS34に戻り、変更後の誘導パラメータθの値を用いて、ステップS34、S35及びS36の処理を繰り返す。
【0102】
図15は、
図2のステップS40において誘導装置制御部105により実行される誘導装置制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0103】
ステップS41では、誘導実績DB109に情報が格納された各誘導対象について、当該誘導対象の位置情報に対応する誘導装置のIDを装置制御DB111より抽出する。ここでは、誘導対象ごとに対応するPID10912の値を誘導実績DB109から取得し、動線テーブル1071においてPID10713の値が一致するレコードを特定する。そして、当該レコードのGEOM10716に格納されている値と、制御テーブル1111の各レコードのAREA11114に格納されている値とを比較することで、誘導対象の位置に対応する誘導装置のレコードを特定し、当該レコードのTHETA_ID11111及びDID11112の値を抽出する。これにより、誘導対象ごとにその位置情報に対応する誘導装置のIDを抽出することができる。
【0104】
ステップS42では、ステップS41で抽出したIDにより指定される制御対象の誘導装置が制御可能であるか否かを判定する。ここでは、例えば他の誘導対象の誘導のために当該誘導装置が現在動作中である場合などのように、現時点では誘導装置の制御が不可能な場合は、ステップS42を否定判定してステップS43に進む。一方、こうした制限が存在せず、現時点で誘導装置の制御を実行可能な場合は、ステップS42を肯定判定してステップS44に進む。
【0105】
ステップS43では、誘導装置制御部105の処理を1ステップ待機する。待機後はステップS42へ戻り、ステップS42の判定処理を再度実行する。この処理を繰り返すことにより、誘導装置が制御可能な状態となるまで、誘導装置制御部105による誘導装置の制御を行わずに待機する。
【0106】
ステップS44では、ステップS41で抽出したIDにより指定される誘導装置に対して制御信号を送信する。ここでは、
図14のステップS33で選定された誘導パラメータθの値、または、
図14のステップS37で変更された誘導パラメータθの値を取得し、コンテンツテーブル1112において、THETA_ID11121の値がステップS41で抽出したIDと一致し、かつTHETA11122の値が取得した誘導パラメータθと一致するレコードを特定する。そして、当該レコードのCONTENTS11123を参照することで制御内容を決定し、その制御内容に応じた制御信号を生成して、ステップS41で抽出したIDの誘導装置へ送信する。
【0107】
ステップS44の処理を実行したら、
図15の誘導装置制御処理を終了し、
図2の処理フローをステップS40からステップS50へ進める。
【0108】
図16は、
図2のステップS50において誘導方法評価部104により実行される誘導方法評価処理の一例を示すフローチャートである。
【0109】
ステップS51では、ステップS40で誘導装置制御部105が誘導装置制御処理を実行した後、一定ステップの間待機する。このステップS51の待機処理は、誘導装置制御部105が行う誘導装置制御処理によって誘導装置の動作を制御し、それに応じて誘導対象が誘導されるのを待つための処理である。なお、
図16の誘導方法評価処理を所定時間ごとに繰り返し行うことで、ステップS51の待機処理を省略しても良い。
【0110】
ステップS52では、誘導装置制御部105による誘導装置の動作制御後に得られた誘導対象の動線データより、その誘導結果に対する誘導スコアを算出する。ここでは、各誘導対象について動線テーブル1071、状態テーブル1072、ODテーブル1073にそれぞれ格納された情報を取得し、これらの情報と、検出ルールテーブル1081において当該評価対象が検出された検出ルールに対応するレコードのGUIDE10814に格納されている内容とを比較して、その比較結果に応じた評価値を誘導スコアとして算出する。
【0111】
ステップS53では、ステップS52で算出された誘導スコアを誘導実績DB109に格納する。ここでは、実績テーブル1091において各誘導対象に対応するレコードを特定し、当該レコードのSCORE10918に算出した誘導スコアの値を格納する。なお、ここでSCORE10918に格納された誘導スコアの値は、前述の
図14に示した誘導方法決定処理のステップS34において、選定した誘導パラメータθに対する誘導対象の誘導結果として取得される。
【0112】
ステップS54では、ステップS53で誘導実績DB109に格納された誘導スコアを誘導対象のタイプと誘導方法の組み合わせごとに分類し、これによって得られた誘導対象のタイプ及び誘導方法ごとの誘導スコアから、誘導の成功度合いを算出する。ここでは、実績テーブル1091においてTYPE10914とTHETA_l10917の値の組み合わせが同じレコード同士をまとめてグループ化し、グループごとに各レコードのSCORE10918の値を合計することにより、誘導対象のタイプ及び誘導方法ごとに誘導の成功度合いを算出する。
【0113】
ステップS55では、ステップS54で算出された誘導の成功度合いを誘導モデルDB110に格納する。ここでは、誘導方法対応テーブル1102において、誘導対象のタイプ及び誘導方法の組み合わせごとに対応するレコードを特定し、当該レコードのSUCCESS11024に算出した誘導の成功度合いの値を格納する。
【0114】
ステップS55の処理を実行したら、
図16の誘導方法評価処理を終了し、
図2の処理フローを完了する。
【0115】
続いて、誘導方法決定部103の誘導モデル学習部1032で行われる誘導モデル学習処理について説明する。人流誘導システム10では、誘導モデルDB110に格納された誘導モデルの学習を行うために、誘導モデル学習部1032において誘導モデル学習処理が実行される。この誘導モデル学習処理の詳細について、
図17及び
図18を参照して以下に説明する。
【0116】
図17は、誘導モデル学習部1032により実行される誘導モデル学習処理の一例を示すフローチャートである。誘導モデル学習部1032は、例えば所定時間ごとに、または管理者によって指示された任意のタイミングで、
図17のフローチャートに示す誘導モデル学習処理を実行する。
【0117】
ステップS61では、誘導実績DB109に格納されている特徴量に対して、重み付きクラスタリングを実行する。ここでは、実績テーブル1091の各レコードに格納されているF_k10916の値を取得し、これらの値が表す特徴量のそれぞれに対して、SCORE10918に格納されている誘導スコアの値を乗算することにより、重み付け特徴量を算出する。そして、算出した重み付け特徴量をその種類ごとにクラスタリングすることで、実績テーブル1091の各レコードに対して、特徴量の重み付きクラスタリングを実行する。
【0118】
ステップS62では、ステップS61で行った特徴量の重み付きクラスタリングの結果に基づく各クラスタの統計値pnを算出し、この統計値pnが以下の条件式(1)を満たすか否かを判定する。
【数1】
【0119】
条件式(1)において、nは各クラスタの識別番号を表し、これは各クラスタに対して1から順に付される整数値で表される。また、Nはクラスタ数を表し、λ,Tは予め設定された係数と閾値をそれぞれ表す。
【0120】
図18は、ステップS62における各クラスタの統計値pnの算出方法の概要を示す図である。
【0121】
図18において、分布
図21は、ステップS61において算出された重み付け特徴量の分布例を示している。この分布
図21で表される各点に対して、横軸を重み付け特徴量の値とし、縦軸を各点の確率密度とすると、例えば曲線22のような確率密度分布が求められる。
【0122】
ここで、分布
図21の各点をクラスタリングした結果、例えばD1,D2の各クラスタが求められたとする。これらのクラスタD1,D2における各点の確率密度分布は、例えば曲線23,24でそれぞれ表される。これらの確率密度分布から、クラスタD1の統計値p1と、クラスタD2の統計値p2とをそれぞれ算出することができる。
【0123】
図17の説明に戻ると、ステップS62で条件式(1)が満たされないと判定した場合はステップS63に進み、満たされないと判定した場合はステップS64に進む。
【0124】
ステップS63では、再帰的クラスタリングを行う。ここでは、ステップS61で得られたクラスタリング結果とは異なる結果となるように各クラスタの分割条件を設定することで、実績テーブル1091の各レコードに対して、特徴量の重み付きクラスタリングを再度実行する。ステップS63の処理を実行した後はステップS62へ戻り、ステップS62の判定処理を再度実行する。この処理を繰り返すことにより、条件式(1)が満たされるまで、実績テーブル1091の各レコードに対して特徴量の重み付きクラスタリングを実行する。
【0125】
ステップS64では、ステップS61またはステップS63で最終的に得られた各クラスタの情報を誘導モデルDB110に格納する。ステップS64の処理を実行したら、
図17の誘導モデル学習処理を終了する。
【0126】
以上説明した誘導モデル学習処理が実行されることにより、各誘導対象に対して算出された誘導スコアの値に基づいて、タイプ推定テーブル1101のMODEL_m11013の値が更新され、誘導モデルの学習が行われる。こうして学習された誘導モデルに基づいて誘導対象のタイプの推定が行われるため、過去の誘導結果を誘導モデルDB110に反映して、誘導対象のタイプの推定精度を向上させることができる。
【0127】
続いて、誘導情報管理部106の処理によって管理者端末13に表示される画面の例について、
図19、
図20及び
図21を参照して以下に説明する。
【0128】
図19は、管理者端末13に表示される管理画面の一例を示す図である。この画面では、人流誘導システム10においてどのような人が誘導対象として検出されたか、各誘導対象に対して誘導装置によりどのような誘導が行われたかを表示し、管理者の意思決定に繋げられるようにする。
【0129】
図19に示す管理画面30は、誘導対象として検出された人の動線データを表示する動線表示画面31と、誘導対象として検出された人をリスト化して表示する誘導対象リスト32と、誘導対象に対してどのような誘導パラメータθの値が設定されたかを表示する詳細誘導設定33と、誘導対象に対する動線分析結果を表示する詳細分析画面34と、を含んで構成される。管理者は、管理者端末13に表示された管理画面30を確認することで、人流誘導システム10の動作状態を確認することができる。また、必要に応じて管理画面30に対して任意の操作を行うことにより、人流誘導システム10の制御を行うこともできる。
【0130】
図20は、管理者端末13に表示されるモデル学習画面の一例を示す図である。この画面では、誘導モデルDB110に格納された誘導モデルの学習状態を表示する。
【0131】
図20に示すモデル学習画面40は、クラスタリング結果を表示する画面41と、各誘導対象の誘導履歴を表示する画面42と、学習履歴を表示する画面43と、を含んで構成される。管理者は、管理者端末13に表示されたモデル学習画面40を確認することで、人流誘導システム10における誘導モデルの学習状態を確認することができる。また、必要に応じてモデル学習画面40に対して任意の操作を行うことにより、誘導モデルの学習を実行させることもできる。
【0132】
図21は、管理者端末13に表示される検出ルール修正画面の一例を示す図である。この画面では、検出ルールDB108に格納された検出ルールの内容を表示する。
【0133】
図21に示す検出ルール修正画面50は、検出ルールにより誘導対象として検出された人の動きを表示する画面51と、検出ルールの内容を表示する画面52と、を含んで構成される。管理者は、管理者端末13に表示された検出ルール修正画面50を確認することで、人流誘導システム10における検出ルールの設定状態を確認することができる。また、必要に応じて検出ルール修正画面50に対して任意の操作を行うことにより、検出ルールの修正を行うこともできる。
【0134】
以上説明した本発明の一実施形態に係る人流誘導システム10によれば、以下の作用効果を奏する。
【0135】
(1)人流誘導システム10は、複数の移動体の動線データを抽出する動線抽出部101と、動線データに基づいて、複数の移動体から誘導対象とする移動体を検出する誘導対象検出部102と、誘導対象検出部102により検出された誘導対象のタイプを推定し、その推定結果に基づいて誘導対象の誘導方法を決定する誘導方法決定部103と、誘導方法決定部103により決定された誘導方法に従って複数の誘導装置をそれぞれ制御することで、誘導対象を含む人流の誘導を行う誘導装置制御部105と、を備える。このようにしたので、効率良く人流の誘導を行うことができる。
【0136】
(2)誘導方法決定部103は、特徴量算出部1031により、動線データに基づいて誘導対象の行動の特徴を表す特徴量を算出し(ステップS31)、誘導対象タイプ推定部1033により、特徴量に基づいて誘導対象のタイプを推定する(ステップS32)。具体的には、人流誘導システム10は、誘導装置制御部105により複数の誘導装置の制御を行った際に動線抽出部101が抽出した動線データに基づいて、誘導対象に対する誘導の成功度合いを表す誘導スコアを算出する(ステップS52)誘導方法評価部104を備える。誘導方法決定部103は、この誘導スコアおよび特徴量に基づいて誘導対象のタイプを推定する。すなわち、誘導方法決定部103は、機械学習モデルである誘導モデルを用いて特徴量に応じたタイプを出力することで誘導対象のタイプを推定し(ステップS32)、誘導スコアに基づいて誘導モデルの学習を行う(ステップS61~S64)。このようにしたので、過去の誘導対象の誘導結果を反映して、誘導対象のタイプを正確に推定することができる。
【0137】
(3)人流誘導システム10は、動線データにおける移動体の動きと場所の特徴を互いに関連付けした検出ルールを複数有する検出ルールテーブル1081が記録された検出ルールデータベース108を備える。誘導対象検出部102は、検出ルールテーブル1081を用いて誘導対象を検出する(ステップS23)。このようにしたので、予め定められた検出ルールに基づき、誘導対象とすべき移動体(人)を確実に検出することができる。
【0138】
(4)人流誘導システム10は、複数の誘導装置の各々から出力可能なコンテンツとコンテンツに対する制御情報とを有するコンテンツテーブル1112が記録された装置制御データベース111を備える。誘導装置制御部105は、装置制御データベース111を用いて複数の誘導装置をそれぞれ制御する(ステップS41~S44)。このようにしたので、様々なコンテンツを出力可能な各誘導装置において、誘導対象ごとに適切な誘導方法で誘導を行うことができる。
【0139】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換のいずれもが、単独で、又は組み合わせても適用可能である。
【0140】
また、上記の各構成、機能、処理部、及び処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、及び機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0141】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0142】
10:人流誘導システム
11:人流計測システム
12:誘導装置群
13:管理者端末
101:動線抽出部
102:誘導対象検出部
103:誘導方法決定部
104:誘導方法評価部
105:誘導装置制御部
106:誘導情報管理部
107:動線DB
108:検出ルールDB
109:誘導実績DB
110:誘導モデルDB
111:装置制御DB
1021:動線分析部
1022:検出ルール適用部
1031:特徴量算出部
1032:誘導モデル学習部
1033:誘導対象タイプ推定部
1034:誘導パラメータ選定部
1071:動線テーブル
1072:状態テーブル
1073:ODテーブル
1081:検出ルールテーブル
1082:チェックポイントテーブル
1091:実績テーブル
1101:タイプ推定テーブル
1102:誘導方法対応テーブル
1111:制御テーブル
1112:コンテンツテーブル