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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137216
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/10 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
F04B49/10 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048656
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉川 充
(72)【発明者】
【氏名】濱田 憲
(72)【発明者】
【氏名】疋田 開士
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA06
3H145AA23
3H145AA42
3H145BA41
3H145CA19
3H145CA24
3H145CA25
3H145CA28
3H145DA03
3H145EA34
(57)【要約】
【課題】製造コストの増加を抑制しつつ、汎用的なモータの駆動により結露防止できるポンプ装置を提供すること。
【解決手段】ポンプ装置は、ポンプと、モータファンを有し、前記ポンプを駆動させるモータと、前記モータに設けられ、前記モータを可変速制御する制御部と、環境の情報を検出する検出装置と、を備え、前記制御部は、前記検出装置で検出した前記環境の情報から、結露を検出又は推定し、前記結露を検出又は推定したときに、結露防止運転により前記モータを駆動する。また、必要に応じて、前記モータ及び前記制御部を覆うカバーを備えることもできる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプと、
モータファンを有し、前記ポンプを駆動させるモータと、
前記モータに設けられ、前記モータを可変速制御する制御部と、
環境の情報を検出する検出装置と、を備え、
前記制御部は、前記検出装置で検出した前記環境の情報から、結露を検出又は推定し、前記結露を検出又は推定したときに、結露防止運転により前記モータを駆動する、ポンプ装置。
【請求項2】
前記モータ及び前記制御部を覆うカバーをさらに備える、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
前記検出装置は、前記結露を直接検出する漏水検出装置である、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記検出装置は湿度検出装置であり、
前記制御部は、前記モータの停止中に前記検出装置で検出した湿度が予め設定した湿度値である第一閾値よりも高い場合に、前記結露を推定する、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記検出装置は、前記モータの内部、又は、前記制御部の内部に設けられた温度検出装置であり、
前記制御部は、前記モータの停止中に、前記検出装置で第一設定時間毎に温度を検出し、前記検出装置で検出した前記温度と前記モータ停止中の最大温度との温度差が予め設定した温度差である第二閾値よりも低い場合に、前記結露を推定する、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記検出装置は、外部機器と通信し、前記環境の情報としての前記外部機器から気象情報を取得する、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項7】
駆動した前記モータの停止後に、前記モータの駆動時間に応じた時間、又は、予め設定した第二設定時間の間、前記結露防止運転を行わない、請求項1に記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変速制御を行うモータで駆動するポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置において、モータ等の電気部品に結露が生じると、故障の要因となる。このため、ポンプ装置の結露を防止できる技術が求められている。例えば、雰囲気温度とモータ温度との差により、モータコイルへ起動電圧未満の電圧を印加・非印加にて制御することで、モータの結露防止を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、三相駆動可変速制御によりモータを駆動するポンプ装置において、停止時に三相可変速制御を単相運転して、その単相出力を交流モータに印加することで、結露防止する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、モータをポッティングすることで、モータの内部に結露防止を行う技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、モータを設置する時に、最下部となる部分に孔を開けて、発生した結露水を溜まらない様にモータ外に排出する技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63-162984号公報
【特許文献2】特開平3-230781号公報
【特許文献3】特開2007-236098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
可変速制御によりモータを駆動ポンプ装置において、結露防止運転について、本来は設置環境ごとに最適な動作方法は異なる。しかしながら、設置環境毎に、結露防止を最適化すると、部品点数の増加や制御プラグラム等を要することになり、製造コストが増加する。そこで、製造コストの増加を抑制しつつ、を実現させることが求められる。
【0008】
そこで、本発明は、製造コストの増加を抑制しつつ、汎用的なモータの駆動により結露防止できるポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、ポンプ装置は、ポンプと、ファンを有し、前記ポンプを駆動させるモータと、前記モータに設けられ、前記モータを可変速制御する制御部と、環境の情報を検出する検出装置と、を備え、前記制御部は、前記検出装置で検出した前記環境の情報から、結露を検出又は推定し、前記結露を検出又は推定したときに、結露防止運転により前記モータを駆動する。また、必要に応じて、前記モータ及び前記制御部を覆うカバーを備えることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造コストの増加を抑制しつつ、汎用的なモータの駆動により結露防止できるポンプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るポンプ装置の構成の一例を示すブロック図。
図2】同ポンプ装置の構成を一部断面で示す側面図。
図3】同ポンプ装置のモータ及び制御部の構成を上方から示す斜視図。
図4】同モータ及び制御部の構成を、モータのファンカバーを省略して上方から示す斜視図。
図5】同モータ及び制御部の構成を下方から示す斜視図。
図6】同ポンプ装置の結露検出の一例を示す流れ図。
図7】同ポンプ装置の結露検出の他の例を示す流れ図。
図8】同ポンプ装置の結露検出の他の例を示す流れ図。
図9】同ポンプ装置の結露防止運転の一例を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係るポンプ装置1の例を、図1乃至図9を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るポンプ装置1の構成の一例を示すブロック図、図2は、ポンプ装置1の構成を示すとともに、カバー24を断面で示す側面図である。図3は、ポンプ装置1のモータ21及び制御部23の構成を上方から示す斜視図であり、図4は、モータ21及び制御部23の構成を、モータ21のファンカバー36を省略して上方から示す斜視図である。図5は、モータ21及び制御部23の構成を下方から示す斜視図である。図6は、ポンプ装置1の結露検出の一例を示す流れ図であり、図7は、ポンプ装置1の結露検出の他の例を示す流れ図、図8は、ポンプ装置1の結露検出の他の例を示す流れ図である。図9は、ポンプ装置1の結露防止運転の一例を示す流れ図である。
【0014】
ポンプ装置1は、水を圧送し、貯水槽等や建造物等の供給先に給水する。ポンプ装置1は、陸上に設置される陸上用であり、例えば、屋外に設置される。
【0015】
図1及び図2に示すように、ポンプ装置1は、モータ21と、ポンプ22と、モータ21を可変速駆動制御する制御部23と、少なくとも、モータ21及び制御部23の側方及び上方を覆うカバー24と、を備える。また、図1に示すように、ポンプ装置1は、カバー24内の結露を検出又は推定するためのカバー24内の構成部品内に結露が生じるか否かの判定を行うための環境の情報を取得する検出装置としての第一センサ25と、モータ21及びポンプ22を制御するために必要な情報を取得する第二センサ26と、を備える。例えば、環境の情報とは、ポンプ装置1を設置した設置場所における湿度、温度等であってもよく、ポンプ装置1のカバー24内の温度、湿度等であってもよく、モータ21及び/又は制御部23の内部又は外面の湿度、温度等であってもよく、また、カバー24内の構成部品内のいずれかに生じた結露であってもよい。
【0016】
ポンプ装置1は、回転電機であるモータ21により、回転機械であるポンプ22を駆動する回転機械装置である。ポンプ装置1は、モータ21にポンプ22が連結され、制御部23を構成する複数の構成部品がモータ21の異なる複数箇所に固定される。また、ポンプ装置1は、モータ21及びポンプ22が、ボルト等の締結部材99により固定されるとともに、制御部23の構成部品がモータ21に、ビスやボルト等の締結部材99により固定される。
【0017】
モータ21は、回転電機である。モータ21は、例えば、三相永久磁石搭載同期電動機、又は、三相誘導電動機である。
【0018】
モータ21は、制御部23によって駆動制御される。図4乃至図14に示すように、モータ21は、モータ軸31と、外周面に放熱部材としてのモータ放熱フィン32aを複数有するモータケーシング32と、モータケーシング32内に固定される固定子と、モータ軸31が固定される回転子と、を備える。また、モータ21は、軸方向の一端部に設けられるモータファンである外扇ファン35と、モータケーシング32に固定され、外扇ファン35を覆うファンカバー36と、を有する。モータ21は、内部配線である電力線を介して制御部23に接続される。また、例えば、モータ21は、モータケーシング32のポンプ22が接続される側とはモータ軸31の軸方向で反対側に、制御部23の構成要素の一部が配置される部品カバー53で覆われた実装空間を有する。
【0019】
モータ軸31は、モータケーシング32の軸方向で両端から突出する駆動軸である。モータ軸31の両端には、直接又は間接的に、モータ軸31の回転に伴って回転する回転体が接続される。本実施形態において、モータ軸31の一端は、ポンプ22のインペラ22bに接続され、モータ軸31の他端は、外扇ファン35に接続される。
【0020】
モータケーシング32は、金属材料で形成されたモータフレームである。モータケーシング32は、例えば、円筒状に形成されるとともに、外周面の一部に、軸方向に延びるモータ放熱フィン32aが複数形成される。モータケーシング32は、外周面の周方向の一部に、モータ放熱フィン32aが設けられず、制御部23の構成の一部が固定される取付面を有する。
【0021】
図3乃至図5に示すように、例えば、モータケーシング32は、有底円筒状に形成された第一フレーム32Aと、第一フレーム32Aの開口を閉塞する第二フレーム32Bと、を備える。
【0022】
第一フレーム32Aは、ポンプ22側が開口し、そして、外扇ファン35側が閉塞する。第一フレーム32Aは、複数のモータ放熱フィン32a及び外周面に取付面32bが形成される。また、第一フレーム32Aには、端面に形成された、モータ軸31の他端を挿通する第一開口、第一フレーム32Aを第二フレーム32Bに固定するボルト等の締結部材99が挿通する複数の第一挿通孔部32dが形成される。
【0023】
第二フレーム32Bは、第一フレーム32Aのポンプ22側の開口を閉塞する。第二フレーム32Bには、中央にモータ軸31の一端が挿通する第二開口及び第一フレーム32Aを固定するボルト等の締結部材99が挿通する複数の第二挿通孔部32jが形成される。
【0024】
モータ放熱フィン32aは、モータケーシング32の外周面から径方向外方に立設されるとともにそれぞれモータ軸31の軸方向に延びる板状又は柱状の部材である。複数のモータ放熱フィン32aは、取付面を除き、モータケーシング32の外周面において周方向に所定のピッチで配置される。
【0025】
第一挿通孔部32dは、第一フレーム32Aのポンプ22側の端部の外周面の一部に設けられた突起部であり、モータ21の軸方向に延びる、締結部材99が挿通する孔が形成される。第一挿通孔部32dは、例えば、制御部23が取り付けられる領域を避けて、第一フレーム32Aのポンプ22側の端部の外周面に、周方向に所定の間隔を空けて複数箇所、本実施形態においては3箇所に設けられる。
【0026】
第二挿通孔部32jは、第二フレーム32Bの外周面の一部に設けられた突起部であり、モータ21の軸方向に延び、締結部材99が挿入される孔が形成される。第二挿通孔部32jは、例えば、第二フレーム32Bの外周面であって、複数の第一挿通孔部32dと対向する位置に、周方向に所定の間隔を空けて複数箇所、本実施形態においては3箇所に設けられる。
【0027】
外扇ファン35は、モータ軸31に固定される。外扇ファン35は、軸方向でモータケーシング32のポンプ22が接続される側とは反対側のモータ軸31に固定される。外扇ファン35は、モータ軸31の回転に伴って回転することで、軸方向から吸い込んだ空気を径方向でファンカバー36に送風する。
【0028】
図3に示すように、ファンカバー36は、例えば、軸方向でモータケーシング32のポンプ22が接続される側とは反対側に固定される。ファンカバー36は、例えば、外扇ファン35と対向する部位に設けられた、複数の通風孔36cが形成された天板部36aと、天板部36aから外扇ファン35側へと延びるスカート部36bと、を備える。なお、ファンカバー36は、制御部23の一部が配置される部位、より具体的には、モータケーシング32の取付面32bと隣接する天板部36a及びスカート部36bの一部が切欠していてもよい。
【0029】
ファンカバー36は、例えば、ボルト等の締結部材99により、モータケーシング32の端部に固定される。スカート部36bは、天板部36a側からモータケーシング32側に向かって漸次内径が増加し、そして、モータケーシング32側の端部において、モータ21の軸方向に延びるとともに、モータケーシング32の外径及び部品カバー53の外径よりも大きく形成される。換言すると、スカート部36bの一部は、テーパ状に形成される。スカート部36bは、外扇ファン35により径方向に送風された風を、テーパ状の内面によってモータ21の軸方向の流れに変換することで、モータケーシング32の端部に設けられた部品カバー53の間の隙間から、軸方向でポンプ22側に送風する。これにより、外扇ファン35で送風された空気は、モータケーシング32の外周面、具体例として、複数のモータ放熱フィン32aの間に案内される。
【0030】
実装空間は、第一フレーム32Aの閉塞する端面と外扇ファン35との間に、第一フレーム32A及び部品カバー53により形成される空間であり、制御部23の構成要素の一部を配置する。本実施形態においては、実装空間には、コンデンサ実装用基板及びリアクトルが配置される。
【0031】
ポンプ22は、モータ21に接続される。ポンプ22は、ポンプケーシング22aと、ポンプケーシング22a内に設けられる単数又は複数のインペラ22bと、ポンプケーシング22aを閉塞するケーシングカバー22cと、を備える単段または複数段のポンプである。
【0032】
ポンプケーシング22aは、インペラ22bを収容するポンプ室を形成する。ポンプケーシング22aは、ポンプ室に接続される吸込口22d及び吐出口22eと、を備える。ポンプケーシング22aは、例えば、吸込口22d及び吐出口22eに、配管に設けられたフランジ27を固定可能に形成される。
【0033】
インペラ22bは、モータ21のモータ軸31に直接的に接続されるか、又はモータ軸31に継手等を介して接続された回転軸に接続される。例えば、本実施形態においては、インペラ22bは、モータ軸31に直接固定される。このようなポンプ22は、モータ軸31の回転に伴ってインペラ22bが回転することで、流体を増圧して二次側に圧送する。
【0034】
ケーシングカバー22cは、ポンプケーシング22aに固定され、ポンプケーシング22aに形成されるポンプ室の開口を閉塞する。また、ケーシングカバー22cは、モータ21に固定されることで、モータ21をポンプケーシング22aに固定する。
【0035】
制御部23は、モータ21を可変速制御する。図4に示すように、制御部23は、筐体51と、モータ21の可変速制御を行うための複数の電装品(電気部品)と、部品カバー53と、を備える。制御部23は、モータ21の異なる複数箇所、本実施形態においては、2箇所に、モータ21の可変速制御を行うための複数の電装品を分けた第一構成部品及び第二構成部品を配置することで構成される。具体例として、制御部23は、モータ21の側面外周部に第一構成部品が収容された筐体51が固定され、モータ21と一体化されるとともに、実装空間(部品カバー53内)に第二構成部品が収容される。なお、モータ21は実装空間(部品カバー53)を有さずに、筐体51内にのみ、複数の電装品を収容する構成であってもよい。
【0036】
筐体51は、電装箱を構成する。筐体51は、図2乃至図5に示すように、第一ケース61と、第二ケース62と、を備える。
【0037】
第一ケース61は、ビスやボルト等の締結部材99によりモータケーシング32に固定される。第一ケース61は、所定の深さを有する矩形の皿状又は椀状に形成された第一胴部71と、第一胴部71の開口する開口端の外周縁に形成された第一フランジ72と、を備える。第一胴部71は、例えば、パッキンを介して、モータケーシング32に固定される。第一フランジ72は、例えば、矩形環状に形成される。第一フランジ72は、締結部材99により、第二ケース62に固定される。
【0038】
第二ケース62は、例えば、熱伝導率の高い金属材料、例えば、アルミニウム等により形成される。第二ケース62は、所定の深さを有する矩形の皿状又は椀状に形成された第二胴部81と、第二胴部81の開口する開口端の外周縁に形成された第二フランジ82と、を備える。
【0039】
第二胴部81は、外面に形成された複数の放熱フィン81aと、内面に形成され、第一構成部品の一部と当接する当接部と、を有する。
【0040】
放熱フィン81aは、モータ21の軸方向、及び、軸方向に直交する方向のそれぞれに傾斜する、一方向に延びる突起である。複数の放熱フィン81aは、所定の間隔を空けて、並んで配置される。放熱フィン81aは、筐体51内の第一構成部品の放熱部として構成される。当接部は、第二胴部81の内面から突出する平板状の突起であり、ボルトやビス等の締結部材によって、当接する電装品を固定可能に形成される。
【0041】
第二フランジ82は、例えば、第一ケース61の第一フランジ72と同形状に形成される。第二フランジ82は、パッキンを介して、第一フランジ72に、締結部材99により固定される。
【0042】
このような制御部23は、例えば、図1に示すように、通信部91、入力部92、インターフェース93、表示部94、設定部95、インバータユニット96、メモリ97及びプロセッサ98を備える。制御部23は、通信部91によって外部機器200と無線通信を行い、情報の送受信を行う。また、制御部23は、通常制御としてモータ21の可変速制御を行うとともに、結露を検出又は推定し、結露防止制御として、モータ21(ポンプ22)を通常制御よりも低い回転数で駆動する。
【0043】
通信部91は、プロセッサ98により制御され、無線通信技術を用いて、外部端末等の外部機器200と通信可能な任意の通信インターフェースである。通信部91は、例えば、通信モジュール又は通信基板等として実装されていてもよい。通信モジュールは、例えばコネクタを介して制御部23の制御基板に着脱自在に設けられてもよい。具体的には、通信部91は、例えば、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetoothe Low Energyの規格(以下、BLE規格ともいう))、Wi-Fi(登録商標)、NFC等の近距離無線通信技術、及び、LTE(登録商標)等の携帯電話回線を含めた汎用無線通信技術やsigfox(登録商標)等の専用無線通信技術等を含む遠距離無線通信技術等の無線通信技術を用いて、外部機器200に接続できる。
【0044】
ここで、外部機器200は、管理サーバ、PCやタブレット端末等の外部端末等のCPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、表示機器、入力機器及び通信機器を有するコンピュータである。
【0045】
入力部162は、例えば、ボタンを含む操作パネル、タッチパネル、キーボード、マウス、等のユーザ入力を受け付ける装置と、圧力センサ、マイクロフォン、カメラなどのセンサとの、少なくともいずれかを有する。入力部162は、パラメータ設定、各運転モードの設定等の任意のユーザからの指令であるユーザ入力を受け付ける装置である。入力部92からの電気信号はバスを介してプロセッサ98に供給される。
【0046】
インターフェース93は、第一センサ25及び第二センサ26や、外部端末等が電気的に接続可能な端子又は回路である。また、インターフェース93は、ポンプ装置1の一次側又は二次側に受水槽を設け、受水槽の液面制御をする電極棒を設ける構成とする場合には、該電極棒が電気的に接続される。
【0047】
表示部94は、各種データを表示する。表示部94としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ等の情報を表示できる任意のディスプレイや、発光により情報を表示するLED等の発光素子が用いられる。
【0048】
設定部95は、制御に関するパラメータのうち、読み出しパラメータを取得するための電気的な接続状態を物理的に設定する入力部である。設定部95としては、例えば、ディップスイッチ又はジャンパーピン等が適宜用いられてもよい。なお、入力部92が設定部95の機能を有する構成であってもよい。
【0049】
インバータユニット96は、基板と、パワー回路素子と、コンバータ回路、平滑コンデンサ及びインバータ回路を含むコンデンサ基板と、リアクトルと、ノイズフィルタと、を含む。インバータユニット96は、モータ21に所定周波数の交流電力を供給する。また、インバータユニット96は、プロセッサ98からインバータ制御信号を受け取る。インバータユニット96は、インバータ制御信号に応じて動作する。例えば、インバータユニット96は、運転停止信号または運転開始信号に相当するインバータ制御信号に応じて運転を停止または開始する。また、インバータユニット96は、回転数制御信号に相当するインバータ制御信号に応じて周波数(運転周波数)を可変させてモータ21の回転数(回転速度)を制御する。
【0050】
メモリ97は、データの読出及び書込が可能である。メモリ97は、プロセッサ98によって使用されるデータ、モータ21及びポンプ22の運転データやモータ21の制御に用いる各種データやプログラム等を格納する。メモリ97は、各種データを記憶するROMやRAM、HDD、SSD、集積回路記憶装置等である。
【0051】
メモリ97には、制御情報として、起動圧力、停止流量、目標圧力、加速時間、減速時間、PI制御設定値、第一最大運転周波数、第二最大運転周波数、最小運転周波数といった各種制御設定値が記憶される。また、記憶装置57には、各種処理として、通常運転として目標圧力一定制御によりモータ21を制御するプログラム、環境の情報に基づいて結露を判定するプログラム、及び結露を判定したときに結露防止運転としてモータ21を制御するプログラム等が記憶される。また、メモリ97は、これら処理を行うための、各種パラメータを記憶する。ここで、結露防止運転とは、通常運転によるモータ21の回転速度、電流値又は電力値での動作(通常動作)よりも低い回転速度、電流値又は電流値である第一設定回転速度によりモータ21及びポンプ22を運転することである。
【0052】
プロセッサ98は、CPUやマイクロプロセッサ等の演算装置である。プロセッサ98は、ASICやFPGA等の専用の回路により構成されてもよい。プロセッサ98は、メモリ97に記憶された各種プログラムを実行することで、管理装置としての機能、例えば、モータ21及びポンプ22の運転情報を取得する取得部と、結露を判定する判定部と、通信部91を制御して、運転情報、判定情報、各種プログラム及び各種パラメータ等を送受信する通信制御部と、の各機能を実現する制御部である。
【0053】
カバー24は、モータ21の側方及び上方、ポンプ22の上方、並びに、制御部23の筐体51の側方及び上方を覆う。例えば、カバー24は、下端が開口する矩形箱状に形成される。カバー24は、例えば、矩形状の天板部24aと、天板部24aの周縁に設けられ、天板部24aから垂下する矩形筒状の周壁部24bと、を備える。
【0054】
天板部24aは、モータ21のファンカバー36の天板部36aと、所定の距離を空けて対向する。周壁部24bの一面は、制御部23の筐体51の第二ケース62の第二胴部81と所定の距離を空けて対向する。また、天板部24aの筐体51と対向する一面は、筐体51の第二胴部81に形成される放熱フィン81aと離間する。例えば、天板部24a及びファンカバー36の天板部36aとの間の隙間は、周壁部24bの一面及び第二胴部81との間の隙間よりも大きい。
【0055】
第一センサ25は、プロセッサ98が結露判定処理として、カバー24内に結露が生じていることを判定するために必要な、ポンプ装置1の設置場所の環境の情報、カバー24内の環境の情報、又は、カバー24内に設けられる構成要素の内部若しくは外面の環境の情報を取得する検出器である。例えば、第一センサ25は、例えば、漏水(漏液)検知装置、湿度検出装置及び温度検出装置のうち、少なくともいずれか一つである。
【0056】
漏水検知装置は、例えば、二つの電極を含む電極部を有し、電極部に水が付着しないと開放し、電極部に水が付着することで電極間が短絡し、開放状態及び短絡状態に対応する信号を制御部23に出力する。例えば、漏水検知装置は、モータ21の内部又は外面の下方、制御部23の内部又は外面の下方、筐体51の内部や外面の下方、ポンプケーシング22a及び/又はケーシングカバー22c等の、カバー24内の下方に設けられる。例えば、漏水検知装置は、カバー内で結露が生じたときに、結露水が流れて溜まる位置に設けられる。なお、漏水検知装置は、光を結露水が溜まる位置に照射し、反射率を取得して結露水を検出するファイバーセンサを用いる構成であってもよい。
【0057】
湿度検出装置は、カバー24内に設けられる。湿度検出装置は、カバー24内の湿度を検出可能に形成される。湿度検出装置は、検出した湿度に対応する信号を制御部23に出力する。なお、湿度検出装置は、モータ21の内部又は外面、制御部23の内部又は外面等に設けることもできる。
【0058】
温度検出装置は、モータ21の内部若しくは外面の温度、制御部23の内部若しくは外面の温度、カバー24の内部の温度又は外気温を検出可能に形成される。温度検出装置は、検出した温度に対応する信号を制御部23に出力する。
【0059】
第二センサ26は、モータ21及びポンプ22を制御するために必要な情報を取得する検出器である。第二センサ26は、圧力センサ及び/又は流量センサである。第二センサ26は、制御部23に電気的に接続され、取得した圧力又は流量に対応する信号を制御部23に出力する。圧力センサは、ポンプ22の一次側及び/又は二次側の圧力を検出し、検出した圧力に対応する信号を制御部23に出力する。流量センサは、ポンプ22の一次側及び/又は二次側の流量を検出し、検出した流量に対応する信号を制御部23に出力する。
【0060】
次に、実施形態に係るポンプ装置1の制御方法の一例を、図6乃至図9を用いて説明する。先ず、ポンプ装置1の制御方法として、第一センサ25を用いた、結露の発生を判定する結露判定処理について説明する。なお、結露判定処理は、第一センサ25に用いるセンサの種類により異なることから、第一例として、図6の流れ図を用いて第一センサ25に漏水(漏液)検知装置を用いた結露判定処理を説明し、第二例として、図7の流れ図を用いて第一センサ25に湿度検出装置を用いた結露判定処理を説明し、第三例として、図8の流れ図を用いて第一センサ25に温度検出装置を用いた結露判定処理を説明する。
【0061】
先ず、第一例の結露判定処理を説明する。ポンプ装置1に通電中であって、且つ、モータ21の駆動が停止しているとき、又は、モータ21が駆動しているときに、プロセッサ98は、漏水検知装置である第一センサ25から漏水の信号が出力されるか否かを判定する(ステップST11)。
【0062】
第一センサ25からの漏水の信号が入力される(ステップST11のYES)と、プロセッサ98は、結露を検出したと判定(結露検出判定)する(ステップST12)。具体例として、第一センサ25である漏水検知装置の電極に水が接触して、電極間に短絡が生じると、プロセッサ98は、結露による短絡と判定する。
【0063】
第一センサ25から漏水の信号が入力されない場合(ステップST11のNO)には、結露を検出していないと判定(結露未検出判定)する(ステップST13)。具体例として、第一センサ25である漏水検知装置の電極間に短絡が生じておらず、電極間が開放している場合には、プロセッサ98は、結露が発生していないと判定する。このように、第一例の結露判定処理として、プロセッサ98は、例えば、ポンプ装置1への通電が停止するまで、第一センサ25の監視を行い、結露判定処理を継続する。
【0064】
なお、第一例の結露判定処理において、例えば、第一センサ25の抵抗測定値は、短絡時と開放時におけるチャタリング防止のため、予め、抵抗差(ヒステリシス)を持たせることが好ましい。
【0065】
次に、第二例の結露判定処理を説明する。ポンプ装置1に通電中であって、且つ、モータ21の駆動が停止しているとき、又は、モータ21が駆動しているときに、プロセッサ98は、湿度検出装置である第一センサ25で検出した湿度に対応する信号を取得し、取得した湿度と、メモリ97に予め記憶された、結露が生じる湿度値である第一閾値とを比較し、結露の発生を推定できるかを判定する(ステップST21)。具体例として、プロセッサ98は、第一センサ25で検出した湿度が第一閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0066】
第一センサ25で検出した湿度が第一閾値よりも大きい場合(ステップST21のYES)には、結露が発生しているか、又は、結露が発生する虞があると推定し、推定結露を検出したと判定(推定結露検出判定)する(ステップST22)。
【0067】
第一センサ25で検出した湿度が第一閾値以下である場合(ステップST21のNO)には、結露が発生していない又は結露が発生する虞がほぼないと推定し、推定結露を検出していないと判定(推定結露未検出判定)する(ステップST23)。このように、第二例の結露判定処理として、プロセッサ98は、例えば、ポンプ装置1への通電が停止するまで、第一センサ25で検出した湿度から、結露の発生を推定する推定結露判定処理を行う。
【0068】
なお、第二例の結露判定処理において、結露が発生すると推定する高湿度と、結露が発生しないと推定する低湿度とに、湿度差(ヒステリシス)を持たせて、チャタリング防止を行ってもよい。
【0069】
次に、第三例の結露判定処理を説明する。先ず、プロセッサ98は、ポンプ22を駆動し、その後、停止したと判定する(ステップST31)と、ポンプ22の停止直後の温度を温度検出装置である第一センサ25により検出し、検出したポンプ22停止直後の温度をメモリ97に記憶する(ステップST32)。
【0070】
次に、プロセッサ98は、予め設定し、メモリ97に予め記憶した第一設定時間毎に、第一センサ25で温度を検出し、検出毎に検出した温度をメモリ97に記憶する(ステップST33)。例えば、プロセッサ98は、ステップST32で検出した、ポンプ22の停止直後の温度を最大温度と設定し、そして、ステップST33で検出した第一設定時間毎の検出温度を現温度として、検出毎に検出した現温度をメモリ97に更新記憶する。
【0071】
次に、プロセッサ98は、ポンプ22の停止直後の温度である最大温度から、第一設定時間経過毎に検出して更新した現温度(検出温度)の温度差(最大温度-検出温度)を求め、求めた温度差と、メモリ97に予め記憶された結露が生じる虞のある温度差である第二閾値と比較する(ステップST34)。ここで、第二閾値としての二つの異なる温度値の差は、温度の低下量であり、空気中の水分が凝縮して結露が生じる虞がある値が予め設定される。具体例として、プロセッサ98は、最大温度及び現温度の差が第二閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0072】
最大温度及び現温度の差が第二閾値よりも大きい場合(ステップST34のYES)には、結露が発生していると推定し、推定結露を検出したと判定(推定結露検出判定)する(ステップST35)。
【0073】
最大温度及び現温度の差が第二閾値以下である場合(ステップST34のNO)には、結露が発生していない又は結露が発生する虞がほぼないと推定し、推定結露を検出していないと判定(推定結露未検出判定)し、ステップST33に戻る。そして、プロセッサ98は、第一設定時間が経過したときに第一センサ25で検出した温度を現温度(検出温度)として、ステップST33以降の処理を行う。このように、第三例の結露判定処理として、プロセッサ98は、設定された第一設定時間毎に定期的に、第一センサ25で検出した温度に基づいて、結露の発生を推定する推定結露判定処理を行う。
【0074】
なお、第三の結露判定処理において、結露が発生すると推定する温度差と、結露が発生しないと推定する温度差とに、ヒステリシスを持たせて、チャタリング防止を行ってもよい。また、第三の結露判定処理は、通常のポンプ22の停止直後が、モータ21の発熱後であることから、余熱も残っているため、前回のポンプ運転時間に応じて、一定時間の間、又は、予め設定し、メモリ97に記憶された第二設定時間内には行わない構成としてもよい。即ち、第三の結露判定処理は、最大温度として、ポンプ22の停止直後に第一センサ25で温度を検出・記憶(ステップST31、ST32)した後に、ポンプ運転時間(モータ駆動時間)に対応する時間、又は、第二設定時間が経過するまで第三結露判定処理を行わない冷却期間を設け、冷却期間経過後に、ステップST33以降の処理を行う構成としてもよい。これは、冷却期間内は、モータ21内の温度も高いため、飽和水蒸気量も多く、結露し難い状況であるためである。
【0075】
次に、ポンプ装置1の他の制御方法として、これら第一例乃至第三例のいずれかの結露判定処理において、結露検出判定(推定結露検出判定)を行った場合の、結露防止運転処理の一例を、図9の流れ図を用いて説明する。
【0076】
先ず、プロセッサ98は、ポンプ22の停止中(ステップST41)に、結露判定処理を行う。プロセッサ98は、結露判定処理において、結露検出判定又は推定結露検出判定を行う(ステップST42)と、通常運転としての目標圧力一定制御でモータ21及びポンプ22を駆動させる通常動作よりも低い第一設定回転速度でモータ21及びポンプ22の運転を開始する(ステップST43)。第一設定回転速度は、通常動作よりも回転速度が低いことから、モータ21の過度な発熱が抑制されるとともに、外扇ファン35が回転することで、図2中、矢印で示すように空気が流れる。よって、カバー24内において、結露が新たに発生することを抑制するとともに、生じた結露水を気化させることができる。
【0077】
プロセッサ98は、結露防止運転として、第一設定回転速度でモータ21の駆動を継続する(ステップST44)とともに、結露防止運転中において、結露防止運転開始から結露防止運転を行った時間が、予め設定し、メモリ97に記憶された第三設定時間を経過する(ステップST45)と、ポンプ22を停止する(ステップST46)。
【0078】
または、結露防止運転中において、プロセッサ98は、第一例の結露判定処理を行い、結露未検出判定となる(ステップST47)と、結露未検出判定から、予め設定し、メモリ97に記憶された第四設定時間を経過するまで、結露防止運転を継続する。そして、プロセッサ98は、第四設定時間を経過まで、結露検出判定とならない場合には、第四設定時間を経過した後(ステップST48)、ポンプ22を停止する(ステップST46)。または、結露防止運転中において、プロセッサ98は、第二例の結露判定処理又は第三例の結露判定処理を行い、推定結露未判定となる(ステップST49)と、推定結露未検出判定から、予め設定し、メモリ97に記憶された第五設定時間を経過するまで、結露防止運転を継続する。そして、プロセッサ98は、第五設定時間を経過まで、推定結露検出判定とならない場合には、第五設定時間を経過した後(ステップST50)、ポンプ22を停止する(ステップST46)。ここで、第四設定時間及び第五設定時間は、結露が発生することがないと判断できる時間、発生した結露を気化できる時間等に基づいて適宜設定できる。
【0079】
この例のように、プロセッサ98は、結露防止運転処理を行う。なお、結露防止運転処理は、結露の発生をより防止する制御処理を行っても良い。具体例として、図9に破線の矢印で示すように、プロセッサ98は、結露防止運転開始後、結露検出処理を行い、第三設定時間よりも短い第六設定時間を経過(ステップST61)しても、継続して結露検出判定又は推定結露検出判定を行った場合(ステップST62)に、第一設定回転速度から、予め設定した一定割合の回転速度、電流値又は電流値を加算した第二設定回転速度で結露防止運転する(ステップST63)。
【0080】
そして、ステップST45、ステップST47又はステップST49以降の処理で結露防止運転を停止するまで、ステップST61以降の処理を繰り返し行い、一定割合で回転速度、電流値又は電流値を加算することで、結露防止運転の回転速度(第二設定回転速度)を繰り返し又は所定の回数だけ補正する。このように、結露防止運転処理として、結露防止運転における回転速度を補正する構成としてもよい。また、ステップST63において、一定割合を第一設定回転速度から加算し、回転速度を増速した場合には、次回結露防止運転をスムースに行うため、結露防止運転の停止直前の第二設定回転速度をメモリ97に記憶し、次回以降の結露防止運転は,補正した回転速度(第二設定回転速度)の設定値を前記記憶した回転速度に変更してもよい。
【0081】
なお、実際にはモータ21及びポンプ22の回転速度を変化させて、モータ21の発熱にて結露の防止を行うため、第一設定回転速度、第二設定回転速度とは、回転速度基準(ポンプ22の回転速度又はモータ21の運転周波数)であってもよく、電流値基準(インバータユニット96の一次側電流値、直流中間電流値又は二次側電流値)であってもよく、電力値基準(インバータユニット96の入力電力値(消費電力)、インバータユニット96の出力電力値又は軸動力)であってもよい。これは、モータ21の回転数は、回転速度、電流値及び電力値のいずれを変化させる制御としても制御できるためである。
【0082】
また、モータ21と可変速制御を行う機器(インバータユニット96)は、モータ21と一体に設けられず、モータ21やポンプ装置1と別に設けられていても良いが、可変速制御機器を含む電装箱(筐体51)を搭載し、モータ21だけでなく電装箱内の制御基板を含めた結露防止を行っても良い。この場合、第一センサ25として、筐体51に搭載された電極(漏水検出装置)、湿度検出装置又は温度検出装置を用いて、結露判定処理及び結露防止運転を行っても良い。なお、このような構成とする場合には、表示部94における表示は、情報の表示や表示部94の点灯、点滅等の発光状態が、通常運転と結露防止運転とにおいて区別可能に異なることが好ましい。
【0083】
上述したように、本実施形態に係るポンプ装置1によれば、結露を検出又は推定するための環境の情報を取得する第一センサ25を設け、結露を検出又は推定したときに、通常動作よりも低い回転速度でモータ21を駆動する結露防止運転を行う。これにより、ポンプ装置1は、製造コストの増加を抑制しつつ、汎用的なモータ21の駆動により結露を防止することができる。
【0084】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、結露を検出又は推定するための情報を検出する検出装置として第一センサ25を設け、この第一センサ25で検出した環境の情報に基づいて、プロセッサ98が結露を検出するか、又は結露を推定する例を説明したが、これに限定されない。例えば、プロセッサ98は、検出装置として、異なる環境の情報を取得する第一センサ25を複数有し、この異なる環境の情報に基づいて結露を検出又は推定する構成としてもよい。例えば、第一センサ25は、湿度検出装置及び温度検出装置の二つを有する構成とし、温度及び湿度に基づいて結露を検出又は推定してもよい。
【0085】
また、プロセッサ98は、環境の情報を取得する検出装置として、通信部91を機能させてもよい。具体例として、プロセッサ98は、通信部91を制御し、外部機器200からポンプ装置1を設置した位置に基づく環境の情報、例えば、設置位置における湿度、温度、降水確率等の気象情報を取得し、この取得した気象情報を第一センサ25で取得する情報に加え、又は第一センサ25で取得する情報に変えて、結露判定処理を行い、結露を推定する構成としてもよい。
【0086】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0087】
1…ポンプ装置、21…モータ、22…ポンプ、22a…ポンプケーシング、22b…インペラ、22c…ケーシングカバー、22d…吸込口、22e…吐出口、23…制御部、24…カバー、24a…天板部、24b…周壁部、25…第一センサ、26…第二センサ、27…フランジ、31…モータ軸、32…モータケーシング、32a…モータ放熱フィン、32A…第一フレーム、32b…取付面、32B…第二フレーム、32d…第一挿通孔部、32j…第二挿通孔部、35…外扇ファン、36…ファンカバー、36a…天板部、36b…スカート部、36c…通風孔、38…実装空間、51…筐体、53…部品カバー、57…記憶装置、61…第一ケース、62…第二ケース、71…第一胴部、72…第一フランジ、81…第二胴部、81a…放熱フィン、82…第二フランジ、91…通信部、92…入力部、93…インターフェース、94…表示部、95…設定部、96…インバータユニット、97…メモリ、98…プロセッサ、99…締結部材、162…入力部、200…外部機器。
図1
図2
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図9