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特開2024-137219学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137219
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240927BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20240927BHJP
   G09B 19/06 20060101ALI20240927BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/0481
G09B19/00 G
G09B19/06
G09B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048662
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 悠希
【テーマコード(参考)】
2C028
5E555
【Fターム(参考)】
2C028AA03
2C028BB01
2C028BC05
5E555AA22
5E555AA30
5E555BA02
5E555BA07
5E555BB07
5E555BC14
5E555DB41
5E555DB51
5E555DC35
5E555DD06
5E555EA03
5E555EA05
5E555EA26
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】文章を構成する単語について単語の学習状況に応じた表示態様で表示させる学習支援装置を提供する。
【解決手段】学習支援システム1において、学習支援サーバは、ユーザの電子辞書20から取得した学習情報に基づいて、新たに学習された単語(学習単語)をユーザ管理データベースのユーザIDに対応付けて記憶させ、全ユーザの学習単語の各々に対応付けて、ユーザ属性別にその総ユーザ数に対する学習人数と学習割合を記憶するユーザ属性別単語学習割合データベースを更新し、電子辞書からユーザ任意の文章データを取得すると、文章データを構成する単語のうちユーザ属性別単語学習割合データベースに記憶されている、ユーザが設定したユーザ属性に対応付けられた学習単語と同じ単語に対してその学習割合(高/中/低:重要度に相当)に応じた識別情報(カラーマーカRm/Ym/Bm)を付加し、単語重要度表示付き文章画面として電子辞書に表示させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文章を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された文章から単語を抽出する抽出手段と、
所定の母集団に含まれるユーザであって、前記単語それぞれについて学習したユーザのユーザ数を取得するユーザ数取得手段と、
前記所定の母集団のユーザ数に対する前記ユーザ数取得手段によって取得された前記ユーザ数の割合を示す割合情報を導出する割合情報導出手段と、
前記割合情報導出手段により導出された割合情報に基づいて、前記単語を少なくとも1つのグループに分類する分類手段と、
前記単語を、前記分類手段により分類された前記グループ毎に異なる態様で表示させる表示制御手段と、
を備える学習支援装置。
【請求項2】
文章を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された文章から単語を抽出する抽出手段と、
所定の母集団に含まれるユーザであって、前記単語それぞれについて学習したユーザのユーザ数を取得するユーザ数取得手段と、
前記所定の母集団のユーザ数に対する前記ユーザ数取得手段によって取得された前記ユーザ数に基づいて重要度を導出する重要度導出手段と、
前記重要度導出手段により導出された重要度に基づいて、前記単語を少なくとも1つのグループに分類する分類手段と、
前記単語を、前記分類手段により分類された前記グループ毎に異なる態様で表示させる表示制御手段と、
を備える学習支援装置。
【請求項3】
前記分類手段により分類された前記グループへの選択を受け付ける選択受付手段を備え、
前記表示制御手段は、前記選択受付手段により選択を受け付けた前記グループに分類された単語を、前記選択されたグループに対応する態様で表示させる、
請求項1または2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記所定の母集団は、前記ユーザが属するクラス全員と、前記ユーザが属する学年全員と、前記ユーザが属する学校全員と、前記ユーザと同一モデルの学習手段を使用している全員と、前記ユーザが設定した任意の集団と、のうち何れかである、
請求項1または2に記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記分類手段は、前記単語のうち、
前記割合情報導出手段により導出した前記割合情報が第1閾値以上である前記単語を第1グループに分類し、
前記割合情報導出手段により導出した前記割合情報が前記第1閾値未満であり、且つ、第2閾値以上である前記単語を第2グループに分類し、
前記割合情報導出手段により導出した前記割合情報が前記第2閾値未満である前記単語を第3グループに分類する、
請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記ユーザ数取得手段は、前記所定の母集団に含まれるユーザであって、単語検索を行った検索履歴があるユーザのユーザ数と、単語帳に登録を行っているユーザのユーザ数と、所定の学習コンテンツにより学習を行ったユーザのユーザ数と、のうち複数または何れかを取得する、
請求項1または2に記載の学習支援装置。
【請求項7】
表示部を有する電子機器と、学習支援装置と、を含む学習支援システムであって、
前記学習支援装置は、
文章を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された文章から単語を抽出する抽出手段と、
所定の母集団に含まれるユーザであって、前記単語それぞれについて学習したユーザのユーザ数を取得するユーザ数取得手段と、
前記所定の母集団のユーザ数に対する前記ユーザ数取得手段によって取得された前記ユーザ数の割合を示す割合情報を導出する割合情報導出手段と、
前記割合情報導出手段により導出された割合情報に基づいて、前記単語を少なくとも1つのグループに分類する分類手段と、
前記単語に、前記分類手段により分類された前記グループ毎に異なる識別情報を付加し、前記識別情報を付加した前記単語を前記電子機器へ送信する送信手段と、を備え、
前記電子機器は、
前記学習支援装置の前記送信手段により送信された前記識別情報が付加された前記単語を所定の取得手段によって取得する単語取得手段と、
前記単語取得手段によって取得された識別情報に対応する前記グループへの選択を前記電子機器から受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段によって選択を受け付けられた前記グループの前記単語を前記グループに対応する表示態様で前記表示部に表示させる表示制御手段と、を備える、
学習支援システム。
【請求項8】
学習支援装置が実行する学習支援方法であって、
文章を取得する文章取得ステップと、
前記文章から単語を抽出する抽出ステップと、
所定の母集団に含まれるユーザであって、前記単語それぞれについて学習したユーザのユーザ数を取得するユーザ数取得ステップと、
前記所定の母集団のユーザ数に対する前記学習したユーザ数の割合を示す割合情報を導出する割合情報導出ステップと、
前記割合情報に基づいて、前記単語を少なくとも1つのグループに分類する分類ステップと、
前記単語を、前記分類ステップにて分類された前記グループ毎に異なる態様で表示させる表示制御ステップと、
を有することを特徴とする学習支援方法。
【請求項9】
学習支援装置のコンピュータを、
文章を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された文章から単語を抽出する抽出手段、
所定の母集団に含まれるユーザであって、前記単語それぞれについて学習したユーザのユーザ数を取得するユーザ数取得手段、
前記所定の母集団のユーザ数に対する前記ユーザ数取得手段によって取得された前記ユーザ数の割合を示す割合情報を導出する割合情報導出手段、
前記割合情報導出手段により導出された割合情報に基づいて、前記単語を少なくとも1つのグループに分類する分類手段、
前記単語を、前記分類手段により分類された前記グループ毎に異なる態様で表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユーザの電子辞書の単語帳の情報を、ユーザの属性情報を対応付けてサーバに登録し、サーバに登録した情報に基づき、ユーザの属性に対応した単語の学習状況を知ることのできる学習支援システムが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-013829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の学習支援システムは、ユーザの学習状況に基づいた表示態様で単語の表示をさせることができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの学習状況に基づいた表示態様で単語を表示することが出来る学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る学習支援装置は、
文章を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された文章から単語を抽出する抽出手段と、
所定の母集団に含まれるユーザであって、前記単語それぞれについて学習したユーザのユーザ数を取得するユーザ数取得手段と、
前記所定の母集団のユーザ数に対する前記ユーザ数取得手段によって取得された前記ユーザ数の割合を示す割合情報を導出する割合情報導出手段と、
前記割合情報導出手段により導出された割合情報に基づいて、前記単語を少なくとも1つのグループに分類する分類手段と、
前記単語を、前記分類手段により分類された前記グループ毎に異なる態様で表示させる表示制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、ユーザの学習状況に基づいた表示態様で単語を表示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法およびプログラムの実施形態に係る学習支援システム1の全体の構成を示す図。
図2】学習支援サーバ10の電子回路の構成を示すブロック図。
図3】学習支援サーバ10のユーザ管理データベース記憶領域12cに記憶されるユーザ管理データベース(12c)の内容を示す図。
図4】学習支援サーバ10のユーザ属性別総ユーザ数データ記憶領域12dに記憶されるユーザ属性別総ユーザ数データ(12d)の内容を示す図。
図5】学習支援サーバ10のユーザ属性別単語学習割合データベース記憶領域12eに記憶されるユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)の内容を示す図。
図6】学習支援サーバ10の登録単語候補リストデータ記憶領域12fに記憶される登録単語候補リストデータ(12f)の内容を示す図。
図7】電子辞書20に表示される学習状況取得対象ユーザ設定画面GSを示す図。
図8】電子辞書20の電子回路の構成を示すブロック図。
図9】学習支援サーバ10のサーバ制御プログラム(12a)に従った単語学習状況収集処理を示すフローチャート。
図10】学習支援サーバ10のサーバ制御プログラム(12a)に従った単語帳自動生成処理(その1)を示すフローチャート。
図11】学習支援サーバ10のサーバ制御プログラム(12a)に従った単語帳自動生成処理(その2)を示すフローチャート。
図12】学習支援サーバ10の単語帳自動生成処理に従った電子辞書20での表示動作を示す図であり、同図(A)は単語重要度表示付き文章画面G1を示す図、同図(B)は登録単語学習割合(重要度)選択メニュー画面G2を示す図、同図(C)はマーカ単語帳画面G3を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
(実施形態の構成)
図1は、本発明の学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法およびプログラムの実施形態に係る学習支援システム1の全体の構成を示す図である。
【0011】
学習支援システム1は、インターネットなどの通信ネットワークN上に設けられる学習支援サーバ(学習支援装置)10と、Wi-Fi(登録商標)などの通信機能を有するユーザの電子辞書(電子機器)(学習手段)20と、を含んで構成される。
【0012】
スマートフォンなどのユーザ端末(電子機器)30に、学習支援サーバ10を利用するための学習支援サーバ利用アプリ(アプリケーションプログラム)をインストールした場合、学習支援システム1は、ユーザ端末30(学習手段)を含んで構成される。
【0013】
なお、ユーザ端末30は、学習支援サーバ10の辞書データベースに基づく辞書機能を利用してよいし、ユーザ端末30自身で辞書データベースを記憶することで辞書機能を有してよい。ユーザ端末30が有する辞書機能は、電子辞書20が有する辞書機能と同様であってよい。
【0014】
なおここで言う、学習支援サーバ10とは、電子辞書20や学習支援サーバ利用アプリと、クラウドサービスとをつなげる専用サーバのことを示している。
【0015】
電子辞書(電子機器)20は、以下に説明する専用の電子辞書20以外に、辞書機能を有するスマートフォン、タブレット端末、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとして構成され得る。
【0016】
ユーザ端末(電子機器)30は、通信機能を有するスマートフォン、タブレット端末、電子辞書、PC、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとして構成され得る。
【0017】
実施形態の学習支援システム1において、以下では、ユーザが電子辞書20を使用している場合を代表的な例として説明する。
【0018】
<学習支援サーバ(学習支援装置)10の機能>
学習支援サーバ10は、少なくとも以下の機能(10a)~(10i)を有する。
【0019】
(10a)電子辞書20(学習手段)から、例えばその電源操作(オン/オフまたはその何れか)が行なわれる毎に通信接続されて受信される学習情報(辞書で単語を検索した検索履歴の情報、単語帳に登録した登録単語の情報、練習問題などの学習コンテンツで学習した学習内容の情報など)を取得する機能(学習情報取得手段)。
【0020】
(10b)電子辞書20から取得した学習情報に基づき、ユーザが学習した学習済みの単語(学習単語)をユーザ毎にユーザ管理データベース(12c:図3参照)に記憶する機能。
【0021】
なお、実施形態における学習済みの単語(学習単語)とは、ユーザによって辞書検索された単語、もしくは、ユーザによって単語帳に登録された単語、もしくは、学習コンテンツで学習した単語を意味する。
【0022】
(10c)ユーザ管理データベース(12c)のユーザID(ユーザ識別情報:例えば辞書ID)に対応付けてユーザの属性(学校、学年、クラス、使用中の辞書モデル(電子辞書20の型番)など)を記憶する機能。
【0023】
(10d)ユーザ管理データベース(12c)に記憶された全てのユーザの学習単語の各々に対応付けて、ユーザ属性別(例えば、全ユーザ/学校別/学年別/クラス別/辞書モデル別)の総ユーザ数(所定の母集団)に対する学習割合(割合情報)を計算しユーザ属性別単語学習割合データベース(12e:図5参照)に記憶する機能(割合情報導出手段)。
【0024】
(10e)電子辞書20からユーザ操作に応じて随時受信されるユーザ任意の文章データ(テキストデータ:電子辞書20に内蔵されたコンテンツに含まれる文章データ、メモリカードから読み込まれた文章データなど)を取得する機能(取得手段)。
【0025】
(10f)電子辞書20から取得した文章データに含まれる単語のうち、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)に記憶されている、ユーザが設定したユーザ属性(学習状況取得対象ユーザのユーザ属性)の学習割合が対応付けられた単語を対象に、その学習割合に応じた識別情報(目印)を付加する機能(分類手段)。
【0026】
ここで、学習状況取得対象ユーザのユーザ属性とは、例えば、ユーザが単語を学習する上で自身の学習能力の比較対象として学習状況を把握したいユーザのユーザ属性であり、例えば、電子辞書20に表示される学習状況取得対象ユーザ設定画面(GS:図7参照)に従いユーザにより設定される。
【0027】
また、学習割合に応じた識別情報(目印)とは、例えばカラーマーカであって、実施形態では、学習割合1%~29%(重要度[低])(第3グループ)に分類される場合は青色マーカBm、学習割合30%(第2閾値)~69%(重要度[中])(第2グループ)に分類される場合は黄色マーカYm、学習割合70%(第1閾値)~100%(重要度[高])(第1グループ)に分類される場合は赤色マーカRmとする(図12参照)。学習割合に応じた識別情報は、カラーマーカに限らず、他の記号や文字あるいは図形であってよく、分類される学習割合のグループ(ここでは学習割合の範囲(重要度))に応じて異なる表示態様となればよい。
【0028】
(10g)ユーザが設定したユーザ属性での学習割合(重要度)に応じた識別情報(ここではカラーマーカ)を付加した単語を含む文章データを、単語重要度表示付き文章画面(G1:図12(A)参照)として文章データ送信元のユーザの電子辞書20に送信して表示させる機能(単語取得手段)(表示制御手段)。
【0029】
(10h)ユーザが設定したユーザ属性での学習割合(重要度[高][中][低])に応じた識別情報を付加した単語のうち、ユーザが選択した学習割合に応じた識別情報を付加した単語を、単語帳に登録して単語帳を生成する機能。
【0030】
(10i)生成した単語帳を文章データ送信元のユーザの電子辞書20に送信して記憶させ、マーカ単語帳画面(G3:図12(C)参照)として表示させる機能(単語取得手段)(表示制御手段)。
【0031】
このような学習支援システム1によれば、ユーザは、任意の文章データを電子辞書20から学習支援サーバ10へ送ることで、文章データに含まれる単語のうち、ユーザが設定したユーザ属性のユーザにより学習された単語(学習単語)にその学習割合(重要度)に応じた表示色のカラーマーカ(赤色マーカRm:重要度[高]/黄色マーカYm:重要度[中]/青色マーカBm:重要度[低])を付加して生成された単語重要度表示付き文章画面G1(図12(A))を、電子辞書20に取得して確認できる。
【0032】
また、ユーザは、単語重要度表示付き文章画面G1において、ユーザが設定したユーザ属性のユーザによる学習割合(重要度)に応じた表示色のカラーマーカが付加された単語のうち、ユーザが選択した学習割合(重要度[高/中/低])に対応した単語を登録して自動生成された単語帳(マーカ単語帳画面G3(図12(C))を、電子辞書20に取得して確認できる。
【0033】
<学習支援サーバ10の電子回路>
図2は、学習支援サーバ10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0034】
学習支援サーバ10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:central processing unit)11と、記憶部12と、記録媒体読取部14と、通信部15と、入力部16と、表示部17とを備えている。なお、制御部11のCPUは1つに限らず複数あってよい。
【0035】
制御部11は、記憶部12に記憶されているサーバ制御プログラム(12a)に従い、入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは通信ネットワークN上のユーザ端末(ここでは電子辞書20)からの通信部15による受信信号に応じて回路各部の動作を制御する。
【0036】
サーバ制御プログラム(12a)は、記憶部12に予め記憶されていてもよいし、あるいはCD-ROMなどの外部記録媒体13から記録媒体読取部14を介して記憶部12に読み込まれて記憶されたものでもよいし、通信ネットワークN上のWebサーバ(この場合、プログラムサーバ)40からダウンロードして記憶部12に読み込まれて記憶されたものであってもよい。
【0037】
サーバ制御プログラム(12a)は、少なくとも前述の(10a)~(10i)の機能を実行するためのプログラムを含む。
【0038】
制御部11には、システムおよびデータバスを介して、記憶部12、記録媒体読取部14、通信部15のほか、ポインティングデバイスやキーボードを含む入力部16、および表示部17などが接続される。
【0039】
記憶部12には、サーバ制御プログラム(12a)を記憶するプログラム記憶領域12aのほか、辞書データベース記憶領域12b、ユーザ管理データベース記憶領域12c、ユーザ属性別総ユーザ数データ記憶領域12d、ユーザ属性別単語学習割合データベース記憶領域12e、登録単語候補リストデータ記憶領域12f、および作業データ記憶領域12gなどが確保される。
【0040】
辞書データベース記憶領域12bには、英和辞典、和英辞典、国語辞典などの辞書データの種類毎に、見出し語(単語)と、同見出し語の単語訳と例文と例文訳を含む説明情報とが、予め対応付けられて記憶される。
【0041】
図3は、学習支援サーバ10のユーザ管理データベース記憶領域12cに記憶されるユーザ管理データベース(12c)の内容を示す図である。
【0042】
ユーザ管理データベース記憶領域12cには、学習支援サーバ10を利用するユーザの電子辞書20に対応するユーザID(辞書ID)と、ユーザの属性(学生の場合は学校と学年とクラスと辞書モデル、社会人の場合は職種と辞書モデルなど)と、ユーザが設定した学習状況取得対象ユーザの属性と、ユーザの電子辞書20から受信した学習情報に基づき抽出した学習済みの単語である学習単語と、ユーザの電子辞書20から受信した文章データに含まれる単語のうち、学習状況取得対象ユーザの属性に対応するユーザ全般の学習単語にある単語に基づき自動生成した単語帳と、が対応付けられて記憶される。
【0043】
ユーザ管理データベース記憶領域12cのユーザ<辞書>ID、ユーザの属性、学習状況取得対象ユーザの属性は、例えばユーザの電子辞書20を学習支援サーバ10に登録するための初期設定に伴い、電子辞書20から入力され記憶されてよい。
【0044】
図4は、学習支援サーバ10のユーザ属性別総ユーザ数データ記憶領域12dに記憶されるユーザ属性別総ユーザ数データ(12d)の内容を示す図である。
【0045】
ユーザ属性別総ユーザ数データ記憶領域12dには、ユーザ管理データベース(12c)に記憶されているユーザのユーザ属性別のユーザの総数(例えば、全ユーザ数、学校別の総ユーザ数、学年別の総ユーザ数、クラス別の総ユーザ数、辞書モデル別の総ユーザ数)が、例えば、新たなユーザの電子辞書20が学習支援サーバ10に登録されたり登録済みのユーザの属性が変更されたりする毎に、更新されて記憶される。
【0046】
なお、学校別の総ユーザ数、学年別の総ユーザ数、クラス別の総ユーザ数は、生徒全員すなわち、学校別の総生徒数、学年別の総生徒数、クラス別の総生徒数であってよい。
【0047】
図5は、学習支援サーバ10のユーザ属性別単語学習割合データベース記憶領域12eに記憶されるユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)の内容を示す図である。
【0048】
ユーザ属性別単語学習割合データベース記憶領域12eには、ユーザ管理データベース(12c)に記憶されている全てのユーザの学習単語の各々に対応付けて、ユーザ属性別(例えば、全ユーザ/学校別/学年別/クラス別/辞書モデル別)の総ユーザ数(12d)に対する学習済みの人数(学習人数)とその割合(割合情報)とが、例えば、ユーザ管理データベース(12c)のユーザの学習単語が追加される毎に、更新されて記憶される。
【0049】
なお、ここで言う学年別とは学校・学年別であり、クラス別とは学校・学年・クラス別である。
【0050】
図6は、学習支援サーバ10の登録単語候補リストデータ記憶領域12fに記憶される登録単語候補リストデータ(12f)の内容を示す図である。
【0051】
登録単語候補リストデータ記憶領域12fには、ユーザの電子辞書20から受信した文章データに含まれる単語のうち、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)に記憶されている、ユーザが設定した学習状況取得対象ユーザのユーザ属性での学習人数と学習割合が対応付けられた学習単語と同じ単語を単語帳に登録する登録候補として抜き出し、抜き出した単語にその学習割合を対応付けたデータをリスト化して記憶する。
【0052】
なおここでは、例えば、学習割合1~29%の単語は重要度[低]のグループ、学習割合30~69%の単語は重要度[中]のグループ、学習割合70~100%の単語は重要度[高]のグループに分類されて記憶されるが、学習割合の範囲と重要度との関係がこれに限定されないのは勿論である(分類手段)。
【0053】
作業データ記憶領域12gには、制御部11による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0054】
図7は、電子辞書20に表示される学習状況取得対象ユーザ設定画面GSを示す図である。
【0055】
学習状況取得対象ユーザ設定画面GSは、例えば、電子辞書20が有する各種の機能の設定メニューに含まれる学習状況取得対象ユーザの設定項目を指定することで表示部27に表示される。ユーザは、学習状況取得対象ユーザ設定画面GSに従い、例えば、ユーザの単語学習能力の比較対象として学習状況を把握したいユーザのユーザ属性(所定の母集団)を、「全ユーザ」「学校別」「学年別」「クラス別」「辞書モデル別」「任意」の中から選択して設定する。
【0056】
なお「任意」を選択した場合、例えば、「学校別」「学年別」「クラス別」の何れかに、「辞書モデル」を組み合わせて設定したり、学習支援サーバ10のユーザ管理データベース(12c)に記憶されている他のユーザ属性の中から選択して設定したりしてよい。
【0057】
設定された学習状況取得対象ユーザのユーザ属性は、例えば、電子辞書20の学習状況取得対象ユーザ設定データ記憶領域22g(図8参照)に記憶され、当該電子辞書20からユーザ任意の文章データを学習支援サーバ10へ送信するタイミングで、文章データとともに学習支援サーバ10に取得され、図3で示したユーザ管理データベース記憶領域12cのユーザID(辞書ID)に対応付けて記憶される。
【0058】
このように構成された学習支援サーバ10は、制御部11がサーバ制御プログラム(12a)に記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
【0059】
<電子辞書20の電子回路>
図8は、電子辞書20の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0060】
電子辞書20の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU)21と、記憶部22と、記録媒体読取部24と、Wi-Fiなどの通信部25と、キー入力部26と、例えばタッチパネル式の表示部(touch panel type display)27とを備えている。なお、制御部21のCPUは1つに限らず複数あってよい。
【0061】
制御部21は、記憶部22に記憶された辞書制御プログラム(22a)に従い回路各部の動作を制御する。辞書制御プログラム(22a)は、記憶部22に予め記憶されるか、メモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取って記憶部22に記憶させるか、通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)40から通信部25を介してダウンロードして記憶部22に記憶させるか、の何れであってもよい。
【0062】
辞書制御プログラム(22a)は、電子辞書20の全体を制御するシステムプログラムのほか、ユーザ操作に応じて辞書データ(22c)を検索するためのプログラム、検索履歴データ(22d)を生成するためのプログラム、単語帳データ(22e)を生成するためのプログラム、練習問題などの学習コンテンツ(22f)を実行するためのプログラム、および前述の学習支援サーバ10の機能(10a)~(10i)に関わり学習支援サーバ10との通信接続を実行するためのプログラムを含む。
【0063】
制御部21には、システムおよびデータバスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25のほか、文字入力キーと[訳/決定]キーを含むキー入力部26、およびタッチパネル式の表示部27などが接続される。
【0064】
記憶部22には、辞書制御プログラム(22a)を記憶するプログラム記憶領域22aのほか、辞書ID(辞書識別情報/ユーザ識別情報)(22b)を記憶する辞書ID記憶領域22b、辞書データ(22c)を記憶する辞書データ記憶領域22c、検索履歴データ(22d)を記憶する検索履歴データ記憶領域22d、単語帳データ(22e)を記憶する単語帳データ記憶領域22e、学習コンテンツ(22f)を記憶する学習コンテンツデータ記憶領域22f、学習状況取得対象ユーザ設定データ(22g)を記憶する学習状況取得対象ユーザ設定データ記憶領域22g、および作業データ記憶領域22hなどが確保される。
【0065】
辞書ID記憶領域22bには、電子辞書20に固有の辞書識別情報が辞書IDとして記憶される。なお辞書IDはユーザ識別情報を兼ねてもよい。
【0066】
辞書データ記憶領域22cには、英和辞書、和英辞書、国語辞書などの各種の辞書データが、見出し語である単語と、同見出し語(単語)に対応する単語訳、例文、例文訳を含む説明情報とを対応付けた辞書データとして記憶される。
【0067】
検索履歴データ記憶領域22dには、辞書データ(22c)の種類毎に、ユーザが辞書データ(22c)を検索した見出し語(単語)が記憶される。
【0068】
単語帳データ記憶領域22eには、ユーザが辞書データ(22c)を検索して説明情報を確認した見出し語(語句)が、ユーザによる単語帳への登録の指示に応じて辞書名別に記憶される。
【0069】
学習コンテンツデータ記憶領域22fには、英語を含む例えば各言語の練習問題などの学習コンテンツが記憶される。
【0070】
学習状況取得対象ユーザ設定データ記憶領域22gには、前述したように、学習状況取得対象ユーザ設定画面GS(図7)に従いユーザにより選択されて設定された、学習状況取得対象ユーザのユーザ属性が記憶される。
【0071】
作業データ記憶領域22hには、制御部21による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0072】
このように構成された電子辞書20は、制御部21が辞書制御プログラム(22a)に記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
【0073】
(実施形態の動作)
次に、実施形態の学習支援システム1の動作について説明する。
【0074】
<単語学習状況収集処理>
図9は、学習支援サーバ10のサーバ制御プログラム(12a)に従った単語学習状況収集処理を示すフローチャートである。
【0075】
単語学習状況収集処理は、例えば、ユーザ端末(ここでは電子辞書20)(学習手段)の電源操作(オン/オフまたはその何れか)が行なわれる毎に電子辞書20にて実行される学習支援サーバ10への通信接続に応じて開始される。
【0076】
学習支援サーバ10において、電子辞書20から送信されたユーザID(辞書ID)を含む接続要求が受信されると、制御部11は、受信されたユーザIDがユーザ管理データベース(12c)に記憶(登録)されているユーザIDと一致することを認証し、接続要求送信元の電子辞書20と通信接続する(ステップS1(Yes))。
【0077】
制御部11は、通信接続した電子辞書20から、例えば検索履歴データ(22d)、単語帳データ(22e)、学習コンテンツデータ(22f)の学習内容を含む学習情報を取得し(ステップS2)(学習情報取得手段)、取得した学習情報に基づいて、当該電子辞書20のユーザが学習した学習済みの単語(学習単語)を、ユーザ管理データベース(12c)のユーザIDに対応付けて記憶させる。既に同じ学習単語が記憶されている場合は新たな学習単語を追加して記憶させ、該当するユーザの学習単語のデータベースを更新する(ステップS3)。
【0078】
なお、電子辞書20から取得する学習情報は、検索履歴データ(22d)、単語帳データ(22e)、学習コンテンツデータ(22f)の学習内容など、複数種類の学習情報を含むことに限らず、その何れか、例えば単語帳データ(22e)に限ることで、ユーザにとって確実に学習されている、すなわち重要性のある単語(学習単語)に絞って収集するようにしてもよい。
【0079】
制御部11は、ユーザ管理データベース(12c)に新たに記憶された学習単語について、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)に同じ学習単語がある場合は、同学習単語の該当するユーザのユーザ属性に対応した学習人数を取得(ユーザ数取得手段)して加算し、ユーザ属性別の総ユーザ数(12d)(所定の母集団)に対する学習人数の割合(割合情報)を導出して更新する(ステップS4)(割合情報導出手段)。
【0080】
なお、ユーザ管理データベース(12c)に新たに記憶された学習単語について、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)に同じ学習単語が無い場合は、同学習単語を新たに記憶させ、該当するユーザのユーザ属性に対応した学習人数を取得して加算し(ここでは1人になる)、ユーザ属性別の総ユーザ数(12d)に対する学習人数の割合(割合情報)を計算して記憶させる(ステップS4)。
【0081】
このように、単語学習状況収集処理では、ユーザの電子辞書20から取得した学習情報にユーザが学習した新たな学習単語が含まれる場合、ユーザ管理データ(12c)の該当するユーザIDに対応付けられた学習単語が更新され、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)の該当する学習単語に対応付けられた該当するユーザ属性に対応する学習人数と学習割合が更新される。
【0082】
<単語帳自動生成処理>
図10は、学習支援サーバ10のサーバ制御プログラム(12a)に従った単語帳自動生成処理(その1)を示すフローチャートである。
【0083】
図11は、学習支援サーバ10のサーバ制御プログラム(12a)に従った単語帳自動生成処理(その2)を示すフローチャートである。
【0084】
単語帳自動生成処理は、例えば、ユーザ端末(ここでは電子辞書20)のユーザ操作に応じて、ユーザ任意の文章データ(電子辞書20に内蔵されたコンテンツに含まれる文章データ、メモリカードから読み込まれた文章データなど)を学習支援サーバ10へ送信する操作が行なわれた場合に、電子辞書20にて実行される学習支援サーバ10への通信接続に応じて開始される。
【0085】
学習支援サーバ10において、電子辞書20から送信されたユーザID(辞書ID)を含む接続要求が受信されると、制御部11は、受信されたユーザIDがユーザ管理データベース(12c)に記憶(登録)されているユーザIDと一致することを認証し、接続要求送信元の電子辞書20と通信接続する(ステップT1(Yes))。
【0086】
制御部11は、通信接続した電子辞書20から送信された文章データを受信して取得し(ステップT2)(取得手段)、また、接続した電子辞書20の学習状況取得対象ユーザ設定データ(22g)として記憶されている学習状況取得対象ユーザのユーザ属性を取得する(ステップT3)。
【0087】
制御部11は、電子辞書20から取得した文章データに含まれる(文章データを構成する)単語を抽出し(ステップT4)(抽出手段)、抽出した単語と同じ学習単語が、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)の対象(学習状況取得対象)となるユーザ属性の学習割合が対応付けられた学習単語にあるかを確認する(ステップT5)。
【0088】
ここで、文章データから抽出した単語と同じ学習単語が、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)の対象となるユーザ属性の学習割合が対応付けられた学習単語にある場合(ステップT5(Yes))、制御部11は、抽出した単語に対象となるユーザ属性の学習割合を対応付けたデータを、単語帳に登録する候補単語のデータとしてリスト化し、登録単語候補リストデータ(12f)として記憶する(ステップT6)。
【0089】
制御部11は、例えば図12(A)に示すように、電子辞書20から取得した文章データのうち登録単語候補リストデータ(12f)にある単語にその学習割合(重要度)に応じて分類した識別情報(重要度[高]:赤色マーカRm<第1グループ>/重要度[中]:黄色マーカYm<第2グループ>/重要度[低]:青色マーカBm<第3グループ>)を付加した文章データの単語重要度表示付き文章画面G1を生成し、生成した単語重要度表示付き文章画面G1を電子辞書20に送信して表示部27に表示させる(ステップT7)(単語取得手段)(表示制御手段)。
【0090】
これにより、ユーザは、単語重要度表示付き文章画面G1のカラーマーカが付加された単語を確認することで、ユーザ任意の文章データに含まれる単語のうち、ユーザが設定したユーザ属性のユーザにより学習されている単語(学習単語)について、容易にその学習割合(重要度)(重要度[高]:赤色マーカRm/重要度[中]:黄色マーカYm/重要度[低]:青色マーカBm)を知ることができ、ユーザ自身の効率的な単語の学習に役立てることができる。
【0091】
単語重要度表示付き文章画面G1には、表示中の文章画面G1に基づいたマーカ単語帳を作成するか否かをユーザに選択させるための単語帳作成選択メニューMを含ませてよい。
【0092】
なお、ステップT5において、文章データから抽出した単語と同じ学習単語が、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)の対象となるユーザ属性の学習割合が対応付けられた学習単語に無い場合(ステップT5(No))、すなわち、当該単語が、対象となるユーザ属性のユーザの電子辞書20によって学習されていない単語である場合、制御部11は、例えば、対象となるユーザ属性のユーザは文章データに含まれる何れの単語も未学習であり重要度のある単語帳を生成しない旨のメッセージを電子辞書20に表示させてよい。
【0093】
図12は、学習支援サーバ10の単語帳自動生成処理に従った電子辞書20での表示動作を示す図であり、同図(A)は単語重要度表示付き文章画面G1を示す図、同図(B)は登録単語学習割合(重要度)選択メニュー画面G2を示す図、同図(C)はマーカ単語帳画面G3を示す図である。
【0094】
図12(A)に示すように、学習支援サーバ10によって電子辞書20に表示させた単語重要度表示付き文章画面G1の単語帳作成選択メニューMにおいて、ユーザ操作に応じて[Y]ボタン(単語帳を作成する)が指定されると(ステップT8(Yes))、制御部11は、図12(B)に示すように、単語帳に登録する(単語帳の生成対象とする)単語の学習割合(重要度)[高/中/低]をユーザに選択させるための登録単語学習割合(重要度)選択メニュー画面G2を電子辞書20に表示させる(ステップT9)(選択受付手段)。
【0095】
登録単語学習割合(重要度)選択メニュー画面G2では、選択対象の項目である[学習割合(重要度):高][学習割合(重要度):中][学習割合(重要度):低]の各々に対応して、カラーマーカである[赤色マーカRm][黄色マーカYm][青色マーカBm]が付加されると共に、選択された項目(複数の項目を選択可能)を示すチェックボックスchが設けられる。
【0096】
電子辞書20に表示させた登録単語学習割合(重要度)選択メニュー画面G2において、ユーザ操作に応じて[学習割合(重要度):高][学習割合(重要度):中][学習割合(重要度):低]の1または複数の項目が選択されると(ステップT10(Yes))、制御部11は、ステップT6にて生成された登録単語候補リストデータ(12f)から、選択された学習割合(重要度)の単語を抽出する(ステップT11)。
【0097】
制御部11は、抽出した単語にその学習割合(重要度)に応じた識別情報(ここではカラーマーカ)を付加した単語を、単語帳に登録して単語帳を生成し、生成した単語帳をユーザ管理データベース(12c)のユーザID(辞書ID)に対応付けて記憶させる(ステップT12)。
【0098】
ここで、ユーザ管理データベース(12c)の該当するユーザID(辞書ID)に対応付けられて生成済みの単語帳がある場合、新たな単語は追加して登録し、また、登録済みの単語はその学習割合(重要度)の識別情報を更新し、新しい単語帳に更新する。
【0099】
制御部11は、生成した単語帳を電子辞書20に送信して単語帳データ記憶領域22eに記憶させ、図12(C)に示すように、マーカ単語帳画面G3として表示部27に表示させる(ステップT13)(単語取得手段)(表示制御手段)。
【0100】
マーカ単語帳画面G3では、単語帳に登録されている単語の一覧が表示されると共に、一覧表示された単語の先頭に対応付けて当該単語の識別情報に従った単語の学習割合(重要度)を示すカラーマーカ(赤色マーカRm:重要度[高]/黄色マーカYm:重要度[中]/青色マーカBm:重要度[低])が表示される。
【0101】
これにより、ユーザは、任意の文章データを学習支援サーバ10へ送信するだけで、文章データを構成する単語のうち、ユーザが設定したユーザ属性(学校別、学年別、クラス別、使用中の辞書モデル別など)のユーザにより学習されている単語(学習単語)にそのユーザ属性の総ユーザ数に対する学習割合(重要度)に応じたカラーマーカを付加したマーカ単語帳を自動生成させて自身の電子辞書20に取得でき、マーカ単語帳画面G3において確認できる。
【0102】
ユーザは、マーカ単語帳画面G3のカラーマーカ(Rm/Ym/Bm)によって、ユーザが設定したユーザ属性のユーザ間で学習されている単語を、その学習割合に応じた重要度を確認しつつ知ることができ、効率的な単語の学習に役立てることができる。
【0103】
マーカ単語帳画面G3において、単語の一覧から任意の単語がカーソルcrにより指定されると、指定された単語に対応する説明情報が辞書データ22cから読み出され、指定された単語とその説明情報がマーカ単語帳画面G3の下部に設けられたプレビューエリアPVに表示される。
【0104】
(実施形態のまとめ)
実施形態の学習支援システム1によれば、学習支援サーバ10は、学習支援サーバ10に登録されているユーザの電子辞書20(学習手段)から、例えば電子辞書20の電源オン/オフのタイミングで、検索履歴データ(22d)、単語帳データ(22e)、学習コンテンツデータ(22f)における学習済みデータ、などの学習情報を取得し(学習情報取得手段)、取得した学習情報に基づいて、新たに学習された単語(学習単語)をユーザ管理データベース(12c)のユーザIDに対応付けて記憶させる。そして、全ユーザの学習単語の各々に対応付けて、ユーザ属性別にその総ユーザ数(所定の母集団)に対する学習人数(学習ユーザ数)と学習割合(割合情報)を記憶するユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)を生成し更新する(ユーザ数取得手段)(割合情報導出手段)。
【0105】
学習支援サーバ10は、電子辞書20からユーザ任意の文章データが送信されて取得されると(取得手段)、文章データから抽出された(抽出手段)文章データを構成する単語のうちユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)のユーザが設定したユーザ属性に対応付けられた学習単語と同じ単語に対してその学習割合のグループ(高/中/低:重要度に相当)に応じて分類した(分類手段)識別情報(カラーマーカRm/Ym/Bm)(目印)を付加し、単語重要度表示付き文章画面G1として電子辞書20に送信して表示させる(表示制御手段)。
【0106】
これにより、ユーザは、ユーザ任意の文章データに含まれる単語のうち、ユーザが設定したユーザ属性のユーザにより学習されている単語(学習単語)について、容易にその学習割合(重要度)を確認できる。
【0107】
また、実施形態の学習支援システム1によれば、学習支援サーバ10は、電子辞書20から取得した文章データを構成する単語のうち、ユーザ属性別単語学習割合データベース(12e)のユーザが設定したユーザ属性に対応付けられた学習単語と同じ単語を、その学習割合(重要度:高/中/低)を対応付けて登録単語候補リストデータ(12f)としてリスト化する。そして、登録単語候補リストデータ(12f)からユーザが選択した学習割合(重要度)の単語を抽出し、抽出した単語にその学習割合(重要度:高/中/低)に応じた識別情報(カラーマーカRm/Ym/Bm)を付加した単語を、単語帳に登録して単語帳を生成し、生成した単語帳を電子辞書20に送信して記憶させ、マーカ単語帳画面G3として表示させる(表示制御手段)。
【0108】
これにより、ユーザは、任意の文章データを学習支援サーバ10へ送信するだけで、ユーザが設定したユーザ属性のユーザにより学習されている単語(学習単語)のうち、ユーザが選択した学習割合(重要度:高/中/低)の単語にその重要度(高/中/低)に応じたカラーマーカを付加したマーカ単語帳を自動生成させて得ることができ、マーカ単語帳画面G3において確認できる。
【0109】
よって、実施形態の学習支援システム1によれば、ユーザの学習状況に基づいた表示態様で単語を表示することが可能になる。
【0110】
なお、前記実施形態の学習支援システム1では、ユーザが電子辞書(電子機器)20を使用している場合を代表的な例に上げて説明したが、学習支援サーバ利用アプリ(アプリケーションプログラム)をインストールしたスマートフォンなどのユーザ端末(電子機器)30を使用した場合でも、電子辞書20の場合と同様に実施可能であるのは勿論である。
【0111】
以上の各実施形態において記載した学習支援システム1による各処理の手法、すなわち、図9のフローチャートに示す単語学習状況収集処理、図10および図11のフローチャートに示す単語帳自動生成処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、学習支援装置(サーバ装置)の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、各実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0112】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを学習支援装置(サーバ装置)に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した各種の機能を実現することもできる。
【0113】
本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0114】
1 …学習支援システム
10 …学習支援サーバ(学習支援装置)
11 …制御部(CPU)
12a…プログラム記憶領域(サーバ制御プログラム)
12b…辞書データベース記憶領域
12c…ユーザ管理データベース記憶領域
12d…ユーザ属性別総ユーザ数データ記憶領域
12e…ユーザ属性別単語学習割合データベース記憶領域
12f…登録単語候補リストデータ記憶領域
15 …通信部
20 …電子辞書(電子機器)(学習手段)
21 …制御部(CPU)
22a…プログラム記憶領域(辞書制御プログラム)
22b…辞書ID記憶領域
22c…辞書データ記憶領域
22d…検索履歴データ記憶領域
22e…単語帳データ記憶領域
22f…学習コンテンツデータ記憶領域
22g…学習状況取得対象ユーザ設定データ記憶領域
GS …学習状況取得対象ユーザ設定画面
G1 …単語重要度表示付き文章画面
G2 …登録単語学習割合(重要度)選択メニュー画面
G3 …マーカ単語帳画面
30 …ユーザ端末(電子機器)
40 …Webサーバ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12