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  • 特開-洗浄装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137225
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B08B3/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048668
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】久保田 一
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA33
3B201AB54
3B201BB22
3B201BB43
3B201BB46
3B201BB47
3B201BB52
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】 洗浄ユニットを安全にタンクから取り出す。
【解決手段】 洗浄装置は、上部の開口部よりタンクの内部に挿入されて洗浄液を噴射する洗浄ユニット12と、上記洗浄ユニット12を昇降させる昇降手段とを備え、上記洗浄ユニット12は、上記昇降手段に設けられたアーム13cの先端から下方に懸垂されている。
上記アーム13cの先端に、上下に揺動可能に設けられるとともに先端部で上記洗浄ユニット12を懸垂した状態で保持するレバー22を設け、さらに当該レバー22の先端部を上方に付勢して上端位置に保持する付勢手段23と、上記レバー22の先端部が上端位置から下降したことを検知する検知手段24とを備える。
上記昇降手段が上記洗浄ユニット12を上昇させる際に、上記レバー22が上端位置から下降したことを上記検知手段24が検知すると、上記昇降手段が洗浄ユニット12の上昇を停止させる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクの上部に形成された開口部よりタンクの内部に挿入されて洗浄液を噴射する洗浄ユニットと、上記洗浄ユニットを昇降させる昇降手段とを備え、
上記洗浄ユニットは、上記昇降手段に設けられたアームの先端から懸垂された状態で保持されている洗浄装置において、
上記アームの先端に、上下に揺動可能に設けられるとともに先端部で上記洗浄ユニットを懸垂した状態で保持するレバーを設け、さらに当該レバーを付勢して先端部を上端位置に保持する付勢手段と、上記レバーの先端部が付勢手段の付勢力に抗して上端位置から下方に揺動したことを検知する検知手段とを備え、
上記昇降手段が上記洗浄ユニットを上昇させる際に、上記レバーが上端位置から下降したことを上記検知手段が検知すると、上記昇降手段が洗浄ユニットの上昇を停止させることを特徴とする洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄装置に関し、詳しくはタンクの上部に形成された開口部からタンクの内部に挿入されて洗浄液を噴射する洗浄ユニットと、上記洗浄ユニットを昇降させる昇降手段とを備えた洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄装置として、タンクの上部に形成された開口部からタンクの内部に挿入されて洗浄液を噴射する洗浄ユニットと、上記洗浄ユニットを上下に昇降させる昇降手段とを備えたものが知られている(特許文献1)。
このような洗浄装置では、昇降手段が洗浄ユニットを下降させて当該洗浄ユニットをタンクの内部に挿入すると、洗浄ユニットから洗浄液を噴射させてタンクの内面の洗浄を行うようになっている。
そしてタンクの洗浄後には、昇降手段が洗浄ユニットを上昇させることにより、洗浄ユニットをタンクの上方に退避させ、その状態でタンクを洗浄装置から取り除くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6531972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記洗浄装置においては、上記洗浄ユニットに対するタンクの位置決めが厳密に行われずに、洗浄ユニットの中心とタンクの開口部の中心とが一致しない場合がある。
その場合、洗浄後に洗浄ユニットをタンクから上昇させると、洗浄ユニットを構成する洗浄ノズル等が開口部に下方から干渉してしまい、洗浄ノズルを破損させたり、タンクや洗浄装置が転倒するなどの事故を発生させる恐れがあった。
このような問題に鑑み、本発明は上記洗浄ユニットを安全にタンクから取り出すことが可能な洗浄装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明は、タンクの上部に形成された開口部よりタンクの内部に挿入されて洗浄液を噴射する洗浄ユニットと、上記洗浄ユニットを昇降させる昇降手段とを備え、
上記洗浄ユニットは、上記昇降手段に設けられたアームの先端から懸垂された状態で保持されている洗浄装置において、
上記アームの先端に、上下に揺動可能に設けられるとともに先端部で上記洗浄ユニットを懸垂した状態で保持するレバーを設け、さらに当該レバーを付勢して先端部を上端位置に保持する付勢手段と、上記レバーの先端部が付勢手段の付勢力に抗して上端位置から下方に揺動したことを検知する検知手段とを備え、
上記昇降手段が上記洗浄ユニットを上昇させる際に、上記レバーが上端位置から下降したことを上記検知手段が検知すると、上記昇降手段が洗浄ユニットの上昇を停止させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、上記アームの先端部に設けられたレバーが付勢手段によって上端位置に維持され、この状態で洗浄ユニットが当該レバーの先端に懸垂されている。
この状態で洗浄ユニットによるタンクの洗浄が終了し、昇降手段が洗浄ユニットを上昇させると、洗浄ユニットの一部がタンクの開口部に対して下方から干渉する場合がある。
この場合、洗浄ユニットが下方に引っ張られて、レバーが上記付勢手段の付勢力に抗して上端位置から下降することから、検知手段がこれを検出すると昇降手段が洗浄ユニットの上昇を停止させて、洗浄ユニットの破損やタンクの転倒などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる洗浄装置の側面図
図2】洗浄装置の平面図
図3】安全装置の拡大図
図4】安全装置の側面図
図5】安全装置の動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施形態について本発明を説明すると、図1は上部に開口部1aが形成されたタンク1の内部を洗浄する洗浄装置2の側面図を、図2は平面図を示している。ここで、以下の説明においては、図1図2の図示左方を洗浄装置2の前方として説明する。
上記タンク1は略円筒状を有しており、上部には円形の開口部1aが、下部にはテーパ状に形成された排出部1bが設けられている。またタンク1は略直方体形状を有した格子状のフレーム1cによって保持されており、本実施形態においては上記タンク1はフレーム1cによって開口部1aを上方に向けた状態で地面に設置されるようになっている。
なお、上記洗浄されるタンク1の形状は一例であり、例えば円筒状ではなく角柱状のものや、上下にテーパ形状が形成されていないものであってもよい。
【0009】
上記洗浄装置2は、制御手段等が設けられた本体部11と、上記タンク1の内部を洗浄する洗浄ユニット12と、上記洗浄ユニット12を上下に昇降させる昇降手段13と、上記洗浄ユニット12をタンク1から取り出す際に、洗浄ユニット12の破損やタンク1の転倒を防止する安全装置14とを備えている。
上記本体部11は箱状のハウジング11aを備えており、内部には洗浄液を洗浄ユニット12に圧送するポンプ等を備え、上部には制御手段を構成する操作用パネル11bが設けられている。
本体部11の4隅にはキャスターCが設けられ、また本体部11の側方には前方向けて略L字形を有した脚部11cが設けられており、各脚部11cにはそれぞれキャスターCが設けられている。
上記脚部11cは上記タンク1を避けるように設けられており、タンク1を洗浄する際には、作業者が洗浄装置2を上記タンク1に隣接した位置まで移動させると、上記脚部11cと脚部11cとの間にタンク1が位置し、洗浄装置2とタンク1とを洗浄位置に位置させることが可能となっている。
本実施形態においてタンク1の内部で噴射される洗浄液としては、温水や高圧水のほか、上記洗浄ユニット12において高圧水と大気とを混合させた気液混合流を用いることができる。
また、これらに洗剤を混合した洗浄剤を用いても良く、この場合、洗浄装置2に接続された洗浄水供給部に洗剤注入装置を設けて、洗浄水に洗剤を混合した状態で洗浄装置2に供給すればよい。
【0010】
本体部11の前方には上記昇降手段13が設けられており、当該昇降手段13は本体部11の前方に設けられた支柱13aと、当該支柱13aに沿って上下に移動する昇降部材13bと、当該昇降部材13bの上端部より水平方向前方に設けられたアーム13cとを備えている。
ここで、上記昇降部材13bは図示しない駆動手段によって上下に移動可能となっており、また上記駆動手段は上記本体部11に設けられた制御手段によって制御されるようになっている。
上記洗浄ユニット12は、上記アーム13cの先端部から下方に向けて懸垂された状態で保持され、上記洗浄装置2をタンク1に対して洗浄位置に位置させた際に、当該洗浄ユニット12が概ね上記タンク1の開口部1aの中心に位置するよう、上記アーム13cの先端位置の寸法が規定されている。
【0011】
上記洗浄ユニット12は、上記特許文献1に記載されるように従来公知であり、洗浄液を噴射する噴射ノズル12aと、上記タンク1の開口部1aを閉鎖する蓋部12bとを備え、上記噴射ノズル12aは駆動手段によって水平方向および垂直方向に回転可能に設けられている。
上記洗浄ユニット12が下降して、蓋部12bが上記タンク1の開口部1aに接触すると、当該開口部1aが蓋部12bによって閉鎖され、上記噴射ノズル12aがタンク1の内部に位置するようになっている。
この状態で上記噴射ノズル12aより洗浄液を噴射させるとともに、上記噴射ノズル12aを水平方向および垂直方向に回転させることで、タンク1の内面全体に洗浄液が噴射され、タンク1の内面が洗浄されるようになっている。
このとき、開口部1aは蓋部12bによって閉鎖されているため、噴射ノズルより噴射された洗浄液が外部に飛散しないようになっている。
【0012】
ここで、上述したように洗浄ユニット12は上記昇降手段13を構成するアーム13cの先端部に懸垂されており、図3に示すように本実施形態では上記洗浄ユニット12はチェーン15によって下方に吊り下げられている。
このような構成により、吊り下げられた洗浄ユニット12の中心がタンク1の開口部1aの中心に一致している場合には、昇降手段13が洗浄ユニット12を昇降させても、上記噴射ノズル12aがタンク1の開口部1aに干渉しないようになっている。
これに対し、これらの間にずれが存在する場合、洗浄ユニット12を昇降させると上記噴射ノズル12aが開口部1aに干渉する場合があり、特に洗浄ユニット12を上昇させてタンク1から離脱させる際に、上記噴射ノズル12aがタンク1の開口部1aに下方から係合すると、洗浄ユニット12の上昇が妨げられる場合がある。
このように噴射ノズル12aが開口部1aに係合した状態で昇降手段13が洗浄ユニット12を上昇させると、上記噴射ノズル12aが変形したり、タンク1が持上げられて転倒したり、洗浄装置2がタンク1にひきつけられて転倒してしまう恐れがあった。
【0013】
このような問題に鑑み、本実施形態の洗浄装置2には、図3図5に示す安全装置14を設けて、上述した噴射ノズル12aの破損やタンク1の転倒などを防止するようになっている。
図3は上記安全装置14の拡大図を示し、図4は安全装置14の側面図を、図5は安全装置14の動作を説明する図となっている。また安全装置14は図1に示すようにアーム13cの上部に設けられたカバー25の内部に収容されている。
上記安全装置14は、上記アーム13cの先端部に水平方向に設けられた保持部材21と、当該保持部材21に対して上下に揺動可能に設けられるとともに上記洗浄ユニット12を懸垂した状態で保持するレバー22と、当該レバー22を付勢して先端部を上端位置に保持する付勢手段23と、上記レバー22の先端部が上端位置から下方に揺動したことを検知する検知手段24とを備えている。
上記保持部材21は図4に示すように上記アーム13cを挟んで平行に設けられるとともに、当該アーム13cの先端部よりも図示左方に突出するように設けられている。
また保持部材21は断面L字形を有しており、当該アーム13cに固定される垂直部21aと、当該垂直部21aの上部から水平方向に設けられた水平部21bとから構成されている。
【0014】
上記レバー22は、上記保持部材21の垂直部21aと垂直部21aとの間に設けられ、基端部は回転軸26を介して上記垂直部21aに対して上下に揺動可能に設けられている。
上記レバー22の先端部は上記保持部材21の先端部よりもさらに図示左方に突出するように設けられており、さらに先端部には、上記洗浄ユニット12の上端部に設けられたチェーン15が連結されたブラケット27が設けられている。
そして、図3に示すように上記レバー22が水平方向を向いた状態では、その下端部は水平方向を向くとともに、上記保持部材21の垂直部21aの下端部と同じ高さに位置するようになっている。
【0015】
上記付勢手段23は、図4に示すように上記保持部材21の水平部21bにそれぞれ立設されたピン28と、各ピン28の上部に設けられたストッパ29と、上記保持部材21の水平部21bと上記ストッパ29との間に弾装されたバネ30と、上記ピン28の下端部同士を連結するドグプレート31とから構成されている。
上記ピン28は上記保持部材21の水平部21bを貫通するように設けられており、水平部21bに対して上下に移動可能に設けられている。上記ストッパ29は上記ピン28の上部に固定され、上記バネ30の径に合わせて円盤状のプレート29aを備えている。
上記バネ30は、上記保持部材21の水平部21bと上記ストッパ29との間に弾装され、これらを相互に離隔させる方向に付勢するようになっている。つまり、上記ストッパ29を上方に向けて付勢するようになっている。
上記ドグプレート31は図4に示すように2つのピン28の先端部と先端部とを連結するように設けられた板状の部材となっており、上記バネ30の付勢力によって常時上方に向けて付勢されるようになっている。
そしてドグプレート31がレバー22に対して下方から当接することで、当該レバー22が上記付勢手段23によって下方から上方に向けて付勢されるようになっている。
但し、上記ドグプレート31が上記保持部材21の垂直部21aに対して下方から当接すると、これ以上の上昇が阻止されるため、上記レバー22をこれ以上上方に移動させることができなくなり、この図3に示した状態をレバー22の上端位置と呼ぶこととする。
そして、上記バネ30の付勢力は、上記レバー22を上端位置に保持する力と、レバー22の先端に懸垂された洗浄ユニット12の重量とが釣り合うように設定されている。
したがって、洗浄ユニット12に対して下方に引っ張る力が作用すると、当該引っ張り力がバネ30の付勢力を上回り、上記レバー22が下方に揺動することとなる。
すると、図5に示すようにレバー22の下端部が保持部材21の垂直部21aの下方に突出することとなり、これによりレバー22によってドグプレート31が下方に移動されるようになっている。
【0016】
上記検知手段24は、図4に示すように一方の保持部材21の垂直部21aに設けた従来公知の近接センサとなっており、上記ドグプレート31の上方に隣接した位置に設けられている。
検知手段24は、上記ドグプレート31が上記保持部材21の下端部および上記レバー22の水平部21bの下端部に当接した状態、すなわち上記レバー22が上端位置に位置した状態からドグプレート31が下方に離隔すると、制御手段に信号を送信して上記昇降手段13による洗浄ユニット12の上昇を停止させるものとなっている。
具体的に説明すると、まず図3に示すようにレバー22の水平部21bが上端位置に位置している状態で、洗浄ユニット12の噴射ノズル12aがタンク1の開口部1aに下方から干渉すると、洗浄ユニット12が下方に引っ張られることとなる。
このとき、上記バネ30の付勢力は、レバー22を上端位置に保持する力と、洗浄ユニット12の重量とが釣り合うように設定されているため、上記洗浄ユニットに下方への力が作用すると、上記レバー22が上端位置から下方へと移動することとなる。
その結果、図5に示すように上記保持部材21の垂直部21aの下端部からレバー22が下方に突出し、これにより検知手段24からドグプレート31が離隔することとなる。
すると、検知手段24は直ちにその旨の信号を制御手段に送信し、制御手段は上記昇降手段13による洗浄ユニット12の上昇を直ちに停止させるようになっている。
【0017】
上記構成を有する洗浄装置2の使用方法について説明する。
まず、上記昇降手段13が洗浄ユニット12を上昇させた状態で、作業者が洗浄装置2をタンク1に隣接した位置まで移動させ、上記本体部11に設けた脚部11cと脚部11cとの間にタンク1が位置した、洗浄位置に位置させる。
このとき、洗浄ユニット12の中心がタンク1の開口部1aの中心に一致していることが望ましいが、作業者が洗浄装置2を移動させていることから、必ずしも中心が一致しているとは限らない。
上記洗浄ユニット12の中心がタンク1の開口部1aの中心に一致している場合、洗浄ユニット12を下降させても上記噴射ノズル12aがタンク1の開口部1aに干渉することはないが、ずれが生じている場合には、洗浄ユニット12がタンク1の開口部1aに干渉する恐れがある。
この場合であっても、作業者が洗浄ユニット12を側方から支持しながら下降させれば、洗浄ユニット12の中心を開口部1aの中心に一致させることができ、その状態で洗浄ユニット12をさらに下降させて蓋部12bをタンク1の開口部1aに設置することで、それ以後の洗浄ユニット12の移動が阻害されて、噴射ノズル12aを開口部1aの中心に位置させた状態を維持することができる。
【0018】
このようにしてタンク1に洗浄ユニット12が設置されたら、作業者は本体部11の操作用パネル11bを操作して、タンク1の洗浄を開始させる。
タンク1の内部では、上記噴射ノズル12aから洗浄液が噴射されるとともに、駆動手段が噴射ノズル12aを水平方向および垂直方向に旋回させて、洗浄液をタンク1の内面全体に噴射し、これを洗浄するようになっている。
このとき噴射ノズル12aから噴射された洗浄液は、上記タンク1の開口部1aに装着された上記蓋部12bによって外部への飛び出しが防止され、また使用された洗浄液はタンク1の下部に設けた排出部1bより排出されるようになっている。
【0019】
上記洗浄ユニット12による洗浄が終了すると、作業者は上記本体部11の操作用パネル11bを操作して、洗浄ユニット12をタンク1より離脱させる。このとき、安全装置14では、図3に示すようにバネ30の付勢力によって上記レバー22の水平部21bが上端位置に位置した状態となっている。
上記昇降手段13が洗浄ユニット12を上昇させる際、上記洗浄ユニット12の中心がタンク1の開口部1aの中心に一致している場合には、洗浄ユニット12がタンク1の開口部1aに干渉する恐れはない。
一方、上記洗浄ユニット12の中心がタンク1の開口部1aの中心に対してずれている場合には、洗浄ユニット12を上昇させて蓋部12bが開口部1aより離脱した瞬間に、洗浄ユニット12が中心位置に向けて揺動し、タンク1の開口部1aの中心からずれてしまう。
洗浄ユニット12が揺動した状態で昇降手段13が洗浄ユニット12を上昇させると、噴射ノズル12aがタンク1の開口部1aに下方から係合してしまい、洗浄ユニット12の上昇が妨げられる場合がある。
【0020】
噴射ノズル12aがタンク1の開口部1aに下方から係合すると、洗浄ユニット12は下方に向けて引っ張られ、上記レバー22の先端部に下方に向けて力が作用し、図5に示すようにレバー22がドグプレート31を下方に押圧しながら、上記上端位置から下方へと移動する。
すると、検知手段24がドグプレート31の移動を検出し、制御手段は直ちに昇降手段13を制御して、洗浄ユニット12の上昇動作を停止させるとともに、所要の警告を発生させる。
その結果、タンク1の開口部1aに係合した噴射ノズル12aが変形することはなく、またタンク1の転倒や洗浄装置2の転倒が防止されることとなる。
これに対し、仮に噴射ノズル12aがタンク1の開口部に係合したまま、昇降手段13が洗浄ユニット12を上昇させようとすると、上記噴射ノズル12aが変形したり、タンク1が引き上げられて転倒したり、洗浄ユニット12がタンク1にひきつけられて洗浄装置2が転倒してしまう恐れがあった。
また、昇降手段13が洗浄ユニット12の上昇動作を停止させると、その後作業者が操作用パネル11bを操作して、昇降手段13により洗浄ユニット12を一旦下降させ、その後洗浄ユニット12を側方から支持した状態で上昇させることにより、噴射ノズル12aが開口部1aに接触しないように洗浄ユニット12をタンク1より離脱させることができる。
【0021】
なお、本実施形態の洗浄装置2は作業者がタンク1の近傍まで移動させるようになっているが、洗浄装置2を固定し、所定の洗浄位置にタンク1を移動させるようにした洗浄装置2としてもよい。
この場合も、タンク1を洗浄位置まで移動させた際に、洗浄ユニット12の中心位置とタンク1の開口部1aの中心とがずれる場合があるため、洗浄ユニット12を上昇させる際に噴射ノズル12aがタンク1の開口部1aに下方から干渉する場合がある。
そのような場合であっても、上記安全装置14における上記検知手段24が洗浄ユニット12が下方に引っ張られていることを検知し、直ちに昇降手段13による洗浄ユニット12の上昇を停止させ、噴射ノズル12a等の破損を防止することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 タンク 1a 開口部
2 洗浄装置 12 洗浄ユニット
12a 噴射ノズル 13 昇降手段
13c アーム 14 安全装置
21 保持部材 22 レバー
23 付勢手段 24 検知手段
図1
図2
図3
図4
図5