(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137232
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】通信装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/724 20210101AFI20240927BHJP
H04W 92/08 20090101ALI20240927BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240927BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
H04M1/724
H04W92/08
H04W88/06
G06F3/0488
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048676
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 賢治
(72)【発明者】
【氏名】谷川 武市
(72)【発明者】
【氏名】永松 秀人
【テーマコード(参考)】
5E555
5K067
5K127
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555BA06
5E555BB06
5E555BC07
5E555CA12
5E555CB05
5E555CB34
5E555CC03
5E555DA02
5E555DB03
5E555FA00
5K067AA34
5K067FF23
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB06
5K127JA23
(57)【要約】
【課題】利便性の高い通信装置、情報処理方法、及びプログラムを提案する。
【解決手段】通信装置は、表示部を備える通信装置であって、第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行する通信制御部と、前記同時通信に関する表示を前記表示部へ表示する表示制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備える通信装置であって、
第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行する通信制御部と、
前記同時通信に関する表示を前記表示部へ表示する表示制御部と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示として、前記同時通信を実行しているか、又は、前記複数のデータ通信のいずれかを使用する非同時通信を実行しているか、を区別可能にする表示を前記表示部へ表示する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示を、前記第1のデータ通信に関する表示と前記第2のデータ通信に関する表示とに関連付けて表示する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1のデータ通信に関する表示は、前記第1のデータ通信に関する第1の電波強度表示であり、
前記第2のデータ通信に関する表示は、前記第2のデータ通信に関する第2の電波強度表示である、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記同時通信に関する表示は、データ通信の通信種別を区別可能にする表示である、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信種別には、通信方向が含まれる、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示として、第1のアプリケーションによる前記第1のデータ通信の使用を示す第1の表示と、他の1又は複数のアプリケーションによる前記第2のデータ通信の使用を示す第2の表示と、を前記表示部へ表示する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記第1の表示を前記第1のデータ通信に関する表示に関連付けて表示し、前記第2の表示を前記第2のデータ通信に関する表示に関連付けて表示する、
請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記第1のデータ通信に関する表示は、前記第1のデータ通信に関する第1の電波強度表示であり、
前記第2のデータ通信に関する表示は、前記第2のデータ通信に関する第2の電波強度表示である、
請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示として、アプリケーションと、前記複数のデータ通信のうちの二以上のデータ通信と、を関連付けることが可能な第1のユーザインタフェースを表示する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記アプリケーションに関するダウンロード又はアップロードが実行される際に、前記第1のユーザインタフェースを表示する、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記ダウンロード又は前記アップロードのデータサイズが所定の閾値より大きい場合に、前記第1のユーザインタフェースを表示する、
請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記第1のユーザインタフェースを使って選択されたデータ通信を、前記アプリケーションがデータ通信を行う際のデフォルト設定とする設定部、を備える、
請求項11に記載の通信装置。
【請求項14】
前記表示制御部は、前記表示部に表示される前記アプリケーションのアイコンに所定の操作がなされた場合に、前記第1のユーザインタフェースを表示する、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項15】
前記表示制御部は、それぞれアプリケーションを表示する複数のウィンドウが前記表示部に表示される際に、前記第1のユーザインタフェースを表示する、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項16】
前記表示制御部は、前記複数のウィンドウそれぞれにアプリケーションが使用するデータ通信を示す表示を表示する、
請求項15に記載の通信装置。
【請求項17】
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示として、時間と、前記複数のデータ通信のうちの二以上のデータ通信と、を関連付けることが可能な第2のユーザインタフェースを表示する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項18】
前記第2のユーザインタフェースは、予定を入力するインタフェースである、
請求項17に記載の通信装置。
【請求項19】
表示部を備える通信装置が実行する情報処理方法であって、
第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行し、
前記同時通信に関する表示を前記表示部へ表示する、
情報処理方法。
【請求項20】
表示部を備える通信装置を制御するコンピュータを、
第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行する通信制御部、
前記同時通信に関する表示を前記表示部へ表示する表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の無線通信を使用可能な通信装置が知られている。例えば、2つのSIM(Subscriber Identity Module)を備えることで、モバイルネットワークを使って、通話とデータ通信を同時に行うことが可能な、DSDA(Dual SIM Dual Active)対応の端末装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の無線通信を使用可能な通信装置は、複数の無線通信の同時使用に関して、ユーザに不便を強いることがある。例えば、同一種類の複数の無線通信を使用可能な通信装置(例えば、DSDA対応の端末装置)の場合、ユーザは、いずれの種類の無線通信(例えば、無線LANではなくモバイルネットワーク)が使用されているかを把握することはできても、当該種類の無線通信がどのように使用されているかを詳細に把握することは困難である。例えば、ユーザは、モバイルネットワークが使用されていることは把握できても、1つのSIMのみが使用されているのか、又は、複数のSIMが使用されているのかを把握することは困難である。
【0005】
特に、現在のDSDA対応の端末装置は、ユーザが通話とデータ通信を同時に行うことを想定して設計されている。端末装置が2つのSIMを同時に使ってデータ通信を行うことまでは想定されていない。今後、DSDA対応の端末装置は、2つのSIMを同時に使ったデータ通信も可能になると想定される。従来技術のままでは、端末装置が2つのSIMを同時に使ってデータ通信を行ったとしても、ユーザがそのことを把握できない。この場合、ユーザは、どのように無線通信が使用されているかを詳細に把握できず、不便を強いられることになる。
【0006】
そこで、本開示では、利便性の高い通信装置、情報処理方法、及びプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の通信装置は、表示部を備える通信装置であって、第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行する通信制御部と、前記同時通信に関する表示を前記表示部へ表示する表示制御部と、を備える通信装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の解決手段の概要を説明するための図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係るサーバの構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る端末装置の構成を示す図である。
【
図6】本実施形態の通信システム1に適用されるRSPアーキテクチャ構成の一例を示す図である。
【
図7】実施例1に係る第1の表示例を示す図である。
【
図8】実施例1に係る第2の表示例を示す図である。
【
図9】実施例1に係る第3の表示例を示す図である。
【
図10】実施例1に係る第4の表示例を示す図である。
【
図11】実施例2に係る第1の表示例を示す図である。
【
図12】実施例2に係る第2の表示例を示す図である。
【
図13】実施例3に係る第1の表示例を示す図である。
【
図14】実施例3に係る第2の表示例を示す図である。
【
図15】実施例3に係る第3の表示例を示す図である。
【
図16】実施例4に係る第1の表示例を示す図である。
【
図17】実施例4に係る第2の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0010】
<<1.本実施形態の概要>>
本実施形態を詳細に説明する前に、本実施形態の概要を説明する。
【0011】
<1-1.課題>
複数の無線通信を使用可能な通信装置が知られている。例えば、2つのSIM(Subscriber Identity Module)を備えることで、モバイルネットワークを使って、通話とデータ通信を同時に行うことが可能な、DSDA(Dual SIM Dual Active)対応の端末装置が知られている。
【0012】
複数の無線通信を使用可能な通信装置は、複数の無線通信の同時使用に関して、ユーザに不便を強いることがある。例えば、同一種類の複数の無線通信を使用可能な通信装置(例えば、DSDA対応の端末装置)の場合、ユーザは、いずれの種類の無線通信(例えば、無線LANではなくモバイルネットワーク)が使用されているかを把握することはできても、当該種類の無線通信がどのように使用されているかを詳細に把握することは困難である。例えば、ユーザは、モバイルネットワークが使用されていることは把握できても、1つのSIMのみが使用されているのか、又は、複数のSIMが使用されているのかを把握することは困難である。
【0013】
特に、現在のDSDA対応の端末装置は、ユーザが通話とデータ通信を同時に行うことを想定して設計されている。端末装置が2つのSIMを同時に使ってデータ通信を行うことまでは想定されていない。今後、DSDA対応の端末装置は、2つのSIMを同時に使ったデータ通信も可能になると想定される。従来技術のままでは、端末装置が2つのSIMを同時に使ってデータ通信を行ったとしても、ユーザがそのことを把握できない。この場合、ユーザは、どのように無線通信が使用されているかを詳細に把握できず、不便を強いられることになる。
【0014】
そこで、本実施形態では、以下の通り上記課題を解決する。
【0015】
<1-2.解決手段>
図1は、本実施形態の解決手段の概要を説明するための図である。
【0016】
本実施形態の通信装置は、例えば、ユーザが所持する端末装置である。
図1の例では、端末装置は、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)となっている。
【0017】
本実施形態の端末装置は、表示部を備える。
図1の例では、端末装置は、表示部として、タッチパネル式のディスプレイを備えている。なお、
図1の例では、表示部は、上下2分割のマルチウィンドウの状態となっている。具体的には、表示部の上側にはウィンドウMW1となっており、下側にはウィンドウMW2となっている。これらのウィンドウには、それぞれ異なるアプリケーションが表示されている。以下の説明では、ウィンドウMW1に表示されたアプリケーションを第1のアプリケーション、ウィンドウMW2に表示されたアプリケーションを第2のアプリケーションということがある。
【0018】
端末装置の表示部には、一般的な情報(例えば、時間、電波強度、バッテリ状態等)を表示するための領域が設けられることがある。
図1の例では、表示部の上部のアンテナ及び電池等の絵が表示された横長の矩形の領域がその領域に該当する。以下の説明では、この領域のことをステータスバーということがある。
図1の例では、ステータスバーには、少なくとも、電波強度表示A1と電波強度表示A2とが表示されている。電波強度表示A1は、SIM1の電波強度表示であり、電波強度表示A2は、SIM2の電波強度表示である。
【0019】
本実施形態の端末装置は、例えば、複数のSIM(Subscriber Identity Module)を有するDSDA(Dual SIM Dual Active)対応の端末装置である。このとき、端末装置が備えるSIMは、SIMカード(SIMカードに記録されたSIMプロファイルデータ)であってもよいし、eSIM(eSIMプロファイルデータ)であってもよい。以下の説明では、端末装置が有する複数のSIMのうちの1つを第1のSIM、他の1つを第2のSIMということがある。
図1の例では、第1のSIMはSIM1であり、第2のSIMはSIM2である。
【0020】
本実施形態の端末装置は、第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する通信(以下、同時通信という。)を実行可能である。例えば、端末装置は、第1のアプリケーションのデータ通信を第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信とし、第2のアプリケーションのデータ通信を第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信とする同時通信が可能である。なお、同時通信は、複数のデータ通信(例えば、第1のデータ通信と第2のデータ通信)を使って行われる、1又は複数のアプリケーションのデータ通信であってもよい。
【0021】
そして、端末装置は、同時通信に関する表示を表示部へ表示する。例えば、端末装置は、同時通信に関する表示として、同時通信を実行しているか、又は、複数のデータ通信のいずれかを使用する通信(以下、非同時通信又は個別通信ともいう。)を実行しているか、を区別可能にする表示を表示部へ表示する。
【0022】
例えば、端末装置は、同時通信に関する表示を、第1のデータ通信に関する表示(例えば、電波強度表示A1)と第2のデータ通信に関する表示(例えば、電波強度表示A2)とに関連付けて表示する。例えば、端末装置は、例えば
図1に示すように、同時通信を実行している場合には、電波強度表示A1及び電波強度表示A2とともに、同時通信中であることを示す通信アイコンB1をステータスバーに表示する。なお、端末装置は、1つのアプリケーションのデータ通信を第1のデータ通信と第2のデータ通信の両方を使って行っている場合、同時通信の現在の通信方向(ダウンロード/アップロード)を示す通信アイコンC3をステータスバーに表示してもよい。
【0023】
これにより、端末装置が、同一種類の複数の無線通信を同時に使用している場合であっても、ユーザは、どのように無線通信が使用されているかを詳細に把握できる。結果として、端末装置の利便性が向上する。
【0024】
以上、本実施形態の概要を述べたが、以下、本実施形態に係る端末装置20を詳細に説明する。
【0025】
<<2.通信システムの構成>>
まず、通信システム1の構成を説明する。
【0026】
図2は、本開示の実施形態に係る通信システム1の構成例を示す図である。通信システム1は、サーバ10と、複数の通信路に接続可能に構成された端末装置20と、を備える。通信システム1は、サーバ10、及び端末装置20をそれぞれ複数備えていてもよい。
図2の例では、通信システム1は、サーバ10としてサーバ10
1、10
2等を備えており、端末装置20として端末装置20
1、20
2、20
3等を備えている。端末装置20は、ネットワークN1及び/又はネットワークN2を介してサーバ10を接続する。
【0027】
ネットワークN1、N2は、例えば、異なるMNO(Mobile Network Operator)のセルラーネットワークである。なお、ネットワークN1、N2は同一のMNOのセルラーネットワークであってもよい。なお、ネットワークN1、N2は、セルラーネットワークに限定されない。例えば、ネットワークN1、N2は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、固定電話網、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等、セルラーネットワーク以外の通信ネットワークであってもよい。なお、ネットワークN1、N2には、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。また、ネットワークN1、N2には、コアネットワークが含まれていてもよい。コアネットワークは、例えば、EPC(Evolved Packet Core)や5GC(5G Core network)である。勿論、ネットワークNは、コアネットワークに接続されるデータネットワークであってもよい。データネットワークは、通信事業者のサービスネットワーク、例えば、IMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークであってもよい。また、データネットワークは、企業内ネットワーク等、プライベートなネットワークであってもよい。
【0028】
なお、
図2の例では、端末装置20が使用するネットワークとして、ネットワークN1とネットワークN2の2つしか示されていないが、ネットワークは2つに限られない。ネットワークは3つ以上存在してもよい。また、ネットワークは、ネットワークN1とネットワークN2のいずれか1つであってもよい。
【0029】
本実施形態の端末装置20は、複数の通信路を使ってネットワークに接続可能である。このとき、複数の通信路の少なくとも1つは、無線通信路であってもよい。例えば、通信路は、端末装置20と基地局との間の無線通信路(無線アクセスネットワーク)であってもよい。また、通信路は、端末装置20とアクセスポイントとの間の無線通信路であってもよい。勿論、複数の通信路には、有線通信路(例えば、有線LAN)が含まれていてもよい。なお、通信路は、ネットワークそのものであってもよい。
【0030】
複数の通信路に無線通信路が含まれる場合、端末装置20は、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)、6G、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、等の無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を使ってネットワークに接続するよう構成されていてもよい。このとき、端末装置20は、異なる無線アクセス技術(無線通信方式)を使用可能に構成されていてもよい。例えば、端末装置20は、NRとWi-Fiを使用可能に構成されていてもよい。また、端末装置20は、異なるセルラー通信技術(例えば、LTE、NR、又は6G)を使用可能に構成されていてもよい。LTE及びNRは、セルラー通信技術の一種であり、基地局がカバーするエリアをセル状に複数配置することで端末装置の移動通信を可能にする。また、6Gもセルラー通信技術の一種であり、基地局がカバーするエリアをセル状に複数配置することで端末装置の移動通信を可能にする。
【0031】
なお、以下の説明では、「LTE」には、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)、及びEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が含まれるものとする。また、NRには、NRAT(New Radio Access Technology)、及びFEUTRA(Further EUTRA)が含まれるものとする。なお、単一の基地局は複数のセルを管理してもよい。以下の説明において、LTEに対応するセルはLTEセルと称され、NRに対応するセルはNRセルと称される。
【0032】
NRは、LTE(LTE-Advanced、LTE-Advanced Proを含む第4世代通信)の次の世代(第5世代)の無線アクセス技術である。NRは、eMBB(Enhanced Mobile Broadband)、mMTC(Massive Machine Type Communications)及びURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)を含む様々なユースケースに対応できる無線アクセス技術である。NRは、これらのユースケースにおける利用シナリオ、要求条件、及び配置シナリオなどに対応する技術フレームワークを目指して検討されている。
【0033】
6Gは第5世代移動体通信であるNRや5GS(5G system)の次の世代のセルラー通信技術であり、無線アクセス技術及び基地局、コアネットワークおよびデータネットワーク間のネットワーク技術を含む。6GではNRにおいて主要ユースケース又は要求条件とされていたeMBB、mMTC及びURLLCのそれぞれの高度化(Extreme connectivity)、並びに新たな側面における新技術を含んでもよい。新技術としては、例えば、AI(Cognitive network、AI native Air Interface)、センシング(Rader sensing, network as a sensorを含む。)、及びテラヘルツ通信などが想定される。
【0034】
なお、端末装置20は、LTE、NR、6G、Wi-Fi、Bluetooth以外の無線アクセス技術(無線通信方式)を使ってネットワークに接続可能であってもよい。例えば、端末装置20は、LPWA(Low Power Wide Area)通信を使ってネットワークに接続可能であってもよい。また、端末装置20は、独自規格の無線通信を使ってネットワークに接続可能であってもよい。
【0035】
ここで、LPWA通信とは、小電力の広範囲通信を可能とする無線通信のことである。例えば、LPWA無線とは、特定小電力無線(例えば、920MHz帯)やISM(Industry-Science-Medical)バンドを使用したIoT(Internet of Things)無線通信のことである。なお、端末装置20が使用するLPWA通信はLPWA規格に準拠したものであってもよい。LPWA規格としては、例えば、ELTRES、ZETA、SIGFOX、LoRaWAN、NB-Iot等が挙げられる。勿論、LPWA規格はこれらに限定されず、他のLPWA規格であってもよい。
【0036】
なお、複数の通信路には、仮想ネットワークが含まれていてもよい。例えば、端末装置20が接続可能な複数の通信路には、VLAN(Virtual Local Area Network)等の仮想ネットワークとIP通信路等の物理的ネットワークとが含まれていてもよい。この場合、端末装置20は、OSPF(Open Shortest Path First)、BGP(Border Gateway Protocol)等の経路制御プロトコルに基づいて経路制御を行ってもよい。
【0037】
その他、複数の通信路には、1又は複数のオーバーレイネットワークが複数含まれていてもよいし、1又は複数のネットワークスライシングが含まれていてもよい。
【0038】
なお、図中の装置は、論理的な意味での装置と考えてもよい。つまり、同図の装置の一部または全部が、仮想マシン(VM:Virtual Machine)、コンテナ(Container)、ドッカー(Docker)などで実現され、それらが物理的に同一のハードウェア上で実装されてもよい。
【0039】
また、本実施形態において、通信装置は、通信の機能を有する装置のことであり、
図3の例では、少なくとも端末装置20は通信装置である。サーバ10を通信装置とみなしてもよい。
【0040】
以下、通信システム1を構成する各装置の構成を具体的に説明する。なお、以下に示す各装置の構成はあくまで一例である。各装置の構成は、以下に示す構成とは異なっていてもよい。
【0041】
<2-1.サーバの構成>
最初に、サーバ10の構成を説明する。
【0042】
サーバ10は、端末装置20に対して上流ネットワーク(例えば、ネットワークN1、N2)を介して各種サービスを提供する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、サーバ10は、アプリケーションサーバやWebサーバである。サーバ10は、PCサーバであってもよいし、ミッドレンジサーバであってもよいし、メインフレームサーバであってもよい。また、サーバ10は、ユーザや端末の近くでデータ処理(エッジ処理)を行う情報処理装置であってもよい。例えば、サーバ10は、基地局に併設又は内蔵された情報処理装置(コンピュータ)であってもよい。勿論、サーバ10は、クラウドコンピューティングを行う情報処理装置であってもよい。
【0043】
図3は、本開示の実施形態に係るサーバ10の構成例を示す図である。サーバ10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。なお、
図3に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、サーバ10の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。例えば、サーバ10は、複数の情報処理装置により構成されていてもよい。
【0044】
通信部11は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、通信部11は、ネットワークインタフェースである。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースである。なお、通信部11は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。通信部11は、制御部13の制御に従って端末装置20と通信する。
【0045】
記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。
【0046】
制御部13は、サーバ10の各部を制御するコントローラ(controller)である。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部13は、サーバ10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0047】
<2-2.端末装置の構成>
端末装置20は、ユーザが所持する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、端末装置20は、他の無線通信装置(例えば、基地局、中継局、または他の端末装置20等)との間で無線通信を行う無線通信装置である。
【0048】
端末装置20は、複数の通信路に接続可能に構成されている。例えば、端末装置20は、端末装置は、Wi-Fi(登録商標)とセルラーネットワークの2つの通信路に接続可能に構成されていてもよい。端末装置20は、複数のセルラーネットワークに接続可能であってもよい。このとき、複数のセルラーネットワークは、それぞれ異なるSIM(Subscriber Identity Module)に紐づけられたものであってもよい。
【0049】
端末装置20には、あらゆる形態の情報処理装置(コンピュータ)を採用可能である。例えば、端末装置20は、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC等のモバイル端末であってもよい。また、端末装置20は、通信機能を具備した撮像装置(例えば、カムコーダ)であってもよい。また、端末装置20は、FPU(Field Pickup Unit)等の通信機器が搭載されたバイクや移動中継車等であってもよい。また、端末装置20は、M2M(Machine to Machine)デバイス、又はIoT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、端末装置20は、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイスであってもよい。
【0050】
また、端末装置20は、AR(Augmented Reality)デバイス、VR(Virtual Reality)デバイス、MR(Mixed Reality)デバイス等のxRデバイスであってもよい。このとき、xRデバイスは、ARグラス、MRグラス等のメガネ型デバイスであってもよいし、VRヘッドマウントディスプレイ等のヘッドマウント型デバイスであってもよい。端末装置20をxRデバイスとする場合、端末装置20は、ユーザ装着部分(例えば、メガネ部分)のみで構成されるスタンドアローン型のデバイスであってもよい。また、端末装置20は、ユーザ装着部分(例えば、メガネ部分)と、当該部分と連動する端末部分(例えば、スマートデバイス)と、で構成される端末連動型デバイスであってもよい。
【0051】
なお、端末装置20は、複数のSIMカードを切り替えて使用できるように構成されていてもよい。例えば、端末装置20は、デュアルSIM又はトリプルSIMに対応していてもよい。勿論、端末装置20は、3つより多くのSIMカードを挿入可能に構成されていてもよいし、3つ以上のSIMのうち少なくとも1つはeSIMであってもよい。
【0052】
また、端末装置20は、RSP(Remote SIM Provisioning)に対していてもよい。例えば、端末装置20は、eSIM(Embedded SIM)に対応していてもよい。RSP対応の端末装置は、SIMカードを入れ替えなくても、無線通信に関する情報(以下、プロファイルという。)の書き換えが可能である。
【0053】
ここで、プロファイルとは、無線通信に関する情報であり、サービスプロバイダ(通信キャリア)の情報や契約者情報(例えば、eSIMに割り当てるICCIDなど)が記録されたデータである。ICCID(IC Card Identifier)は、プロファイルを識別するための一意の番号である。プロファイルは、ネットワーク上のサーバ(例えば、サーバ10)からダウンロード可能である。
【0054】
なお、プロファイルは、eSIMプロファイルであってもよい。eSIMプロファイルは、eSIM対応の通信装置で使用されるプロファイルである。例えば、eSIMプロファイルは、サービスを提供する目的でeUICCにプロビジョニングされる、データとアプリケーションの組み合わせである。eUICC(Embedded UICC)は、安全な方法でプロファイルのローカル管理を可能にするUICC(Universal Integrated Circuit Card)である。以下の説明では、SIMカードに記録されたプロファイルのみならず、eSIMプロファイルのことも、SIMプロファイル、或いは単にプロファイルということがある。
【0055】
端末装置20は、基地局との間でNOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)通信が可能であってもよい。端末装置20は、基地局と通信する際、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術を使用可能であってもよい。端末装置20は、他の端末装置20との間でサイドリンク通信が可能であってもよい。端末装置20は、サイドリンク通信を行う際、HARQ等の自動再送技術を使用可能であってもよい。端末装置20は、他の端末装置20との間でサイドリンク通信を行う際、NOMA通信が可能であってもよい。端末装置20は、基地局等の他の無線通信装置との間でLPWA通信が可能であってもよい。端末装置20が使用する無線通信は、ミリ波を使った無線通信であってもよい。端末装置20が使用する無線通信は、サイドリンク通信を含めて、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線または可視光を使った無線通信、すなわち光無線であってもよい。
【0056】
端末装置20は、移動可能な無線通信装置、すなわち移動体装置であってもよい。端末装置20は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。端末装置20は、自動車、バス、トラック、または自動二輪車等の道路上を移動する車両(Vehicle)であってもよいし、当該車両に搭載された無線通信装置であってもよい。移動体は、モバイル端末であってもよいし、陸上(狭義の地上)、地中、水上、または水中を移動する移動体であってもよい。また、移動体は、航空機、飛行船、気球、ヘリコプター等の大気圏内を移動する移動体であってもよいし、人工衛星等の大気圏外を移動する移動体であってもよい。移動体は、ドローン等のUAV(Unmanned Aerial Vehicle)であってもよい。また、端末装置20は、移動体に搭載された無線通信装置であってもよい。
【0057】
端末装置20は、同時に複数の基地局または複数のセルと接続して通信が可能であってもよい。1つの基地局が複数のセル(例えば、pCellまたはsCell)を介して通信エリアをサポートしている場合には、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術、デュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)技術、またはマルチコネクティビティ(MC:Multi-Connectivity)技術等によって、それら複数のセルを束ねて基地局と端末装置20との間で通信することができる。あるいは、異なる基地局のセルを介して、協調送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point Transmission and Reception)技術によって、端末装置20とそれら複数の基地局との間で通信することもできる。
【0058】
端末装置20はリモート端末への通信をリレーするリレー端末であってもよい。
【0059】
図4は、本実施形態に係る端末装置20の構成を示す図である。端末装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、入力部24と、出力部25と、を備えている。ただし、
図4に示される構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置20の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0060】
通信部21は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースである。通信部21は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。
【0061】
通信部21が無線インタフェースを備える場合、通信部21は、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、等の無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を使ってネットワーク、又は他の通信装置と接続するよう構成されていてもよい。このとき、通信部21は、異なる無線アクセス技術を使用可能に構成されていてもよい。例えば、通信部21は、NRとWi-Fiを使用可能に構成されていてもよい。また、通信部21は、異なるセルラー通信技術(例えば、LTEとNR、又は、NRと6G)を使用可能に構成されていてもよい。その他、端末装置20は、LTE、NR、6G、Wi-Fi、Bluetooth以外の無線アクセス技術を使ってネットワーク、又は他の通信装置に接続可能であってもよい。
【0062】
なお、通信部21は、他の無線通信装置(例えば、基地局、中継局、または他の端末装置20)との間で無線通信するための信号処理部であってもよい。この場合、通信部21は、1つまたは複数の無線アクセス方式に対応していてもよい。通信部21は、NR、LTE、及び6Gのうち少なくとも1つに対応してもよい。通信部21は、NR、LTE、及び6Gに加えて、W-CDMAおよびcdma2000等に対応してもよい。通信部21は、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術に対応してもよい。
【0063】
通信部21は、例えば、送信処理部と受信処理部とアンテナとで構成される。通信部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合には、通信部21を構成する各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されてもよい。送信処理部および受信処理部は、LTEとNRと6Gとで個別に構成されてもよい。アンテナは、複数のアンテナ素子、例えば複数のパッチアンテナによって構成されもよい。通信部21は、ビームフォーミング機能を有してもよい。例えば、通信部21は、垂直偏波(V偏波)および水平偏波(H偏波)を用いる偏波ビームフォーミング機能(又は垂直方向から45度、及び-45度の偏波方向でのDual偏波を用いる偏波ビームフォーミング機能)を有してもよい。また、通信部21は、ポイントフォーミング機能を有してもよい。
【0064】
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、端末装置20の記憶手段として機能する。
【0065】
制御部23は、端末装置20の各部を制御するコントローラである。制御部23は、他の無線通信装置(例えば、基地局、中継局、または他の端末装置20)との間で無線通信を実施するように無線通信部を制御する。制御部23は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。詳細には、制御部23は、端末装置20の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部23は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは、いずれもコントローラとみなすことができる。制御部23は、GPUにより実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、FPGA、及びGPUは何れもコントローラとみなすことができる。なお、制御部23は、複数の物理的に分離された物体により構成されていてもよい。例えば、制御部23は、複数の半導体チップにより構成されていてもよい。
【0066】
制御部23は、通信制御部231と、表示制御部232と、設定部233と、を備える。制御部23を構成する各ブロック(通信制御部231~設定部233)はそれぞれ制御部23の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。制御部23は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。
【0067】
入力部24は、外部から各種入力を受け付ける入力装置である。例えば、入力部24は、キーボードやマウスや操作キー等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。なお、端末装置20にタッチパネルが採用される場合には、タッチパネルも入力部24に含まれる。この場合、ユーザは、指やスタイラスで画面をタッチすることにより各種操作を行う。
【0068】
出力部25は、音、光、振動、画像等、外部に各種出力を行う装置である。出力部25は、制御部23の制御に従って、ユーザに各種出力を行う。なお、出力部25は、各種情報を表示する表示装置を備える。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機ELディスプレイ(Organic Electro Luminescence Display)である。以下の説明では、端末装置20が備える表示装置、又はその表示装置により形成される画面のことを表示部251ということがある。なお、表示部251は、タッチパネル式の表示装置であってもよい。この場合、表示部251は、入力部24と一体の構成とみなしてもよい。
【0069】
図5は、端末装置20の外観の一例を示す図である。表示部251は、例えば
図5に示すような縦長の画面であってもよい。表示部251の上部領域V1は、一般的な情報(例えば、時間、電波状態、バッテリ状態等)を表示するための領域となっている。また、表示部251の下部領域V3は、各種キー(例えば、バックキー、ホームキー、メニュー/マルチタスクキー)を表示するための領域となっている。それらの領域に挟まれた中央領域V2がアプリケーション画面の表示領域である。なお、アプリケーション画面の表示領域は中央領域V2に限られない。例えば、端末装置20は、中央領域V2に、上部領域V1及び/又は下部領域V3を組み合わせた領域をアプリケーション画面の表示領域としてもよい。
【0070】
なお、端末装置20がxRデバイス(例えば、AR/MRグラス)の場合、出力部25は、グラス上に画像を投影する透過型デバイスであってもよいし、ユーザの網膜に直接画像を投影する網膜投影型デバイスであってもよい。なお、端末装置20が、例えばユーザの網膜に直接画像を投影する等の手段を有することにより、物体としての画面(例えば、ディスプレイ、又はパネル等に投影された画面)を有しない場合があり得る。この場合であっても、ユーザが画面として認識できるのであれば、その画面は、本実施形態の表示部251とみなすことができる。
【0071】
なお、端末装置20がxRデバイスの場合、端末装置20が、ユーザの手の動きを検知するセンサからの情報を基に、ユーザが画面をタッチしようとする動作を検知してもよい。この場合、ユーザが画面をタッチしようとする動作をタッチ操作とみなして以下の実施形態を適用してもよい。以下の説明では、端末装置20が備える表示部251は、一例として、タッチパネルディスプレイであるものとする。
【0072】
<2-3.RSPアーキテクチャ>
端末装置20は、RSP(Remote SIM Provisioning)に対応していてもよい。例えば、端末装置20は、eSIM(Embedded SIM)に対応していてもよい。以下、RSPについて説明する。
【0073】
図6は、本実施形態の通信システム1に適用されるRSPアーキテクチャ構成の一例を示す図である。
図6に示すRSPアーキテクチャは、サーバ10
1(SM-DP+)と、サーバ10
2(SM-SM)と、端末装置20と、を含む。
【0074】
サーバ101は、SM-DP+(Subscription Manager - Data Preparation +)と呼ばれるサーバである。SM-DP+は、端末装置20のeUICCのLPAにプロファイルを送信する。
【0075】
サーバ102は、SM-DS(Subscription Manager - Discovery Server)と呼ばれるサーバである。SM-DSは、1又は複数のSM-DP+のアドレスを端末装置20のLDS(Local Discovery Service)に提供する。
【0076】
端末装置20は、eUICCと組み合わせて使用されるユーザ機器である。端末装置20は、無線通信に関するプロファイルの保存及び削除に関する機能を備える。端末装置20は、
図6に示すように、eSIMプロファイルを管理するためのLPA(Local Profile Assistant)と、eSIMプロファイルを保存するためのeUICC(Embedded UICC)と、を備える。
【0077】
LPAは、複数のプロファイルを端末装置(例えば、eUICCのメモリ)に記録する機能を備える機能要素(ソフトウェア)である。LPAは、LPD(Local Profile Download)機能、LDS(Local Discovery Service)機能、およびLUI(Local User Interface)機能を備える。LPAは、端末装置20内の機能要素であってもよいし、eUICC内の機能要素であってもよい。
【0078】
eUICCは、安全な方法でプロファイルのローカル管理を可能にするUICC(Universal Integrated Circuit Card)である。eUICCは、端末装置20内の基板に実装されたものであってもよいし、端末装置20に挿入されるカードに実装されたものであってもよい。eUICCは、LPAサービスと、LPAとを含む。
【0079】
LPAサービスは、LPA機能に必要なサービスとデータへの必要なアクセスを提供する機能要素(ソフトウェア)である。例えば、LPA(Local Profile Assistant)は、LPD機能、LDS機能、およびLUI機能を提供する機能要素(ソフトウェア)である。LPAは、複数のプロファイルをeUICCのメモリに記録する機能を備える。
【0080】
<<3.端末装置の動作>>
以上、通信システム1(サーバ10、端末装置20)の構成について述べたが、次に、本実施形態の端末装置20の動作を説明する。
【0081】
上述したように、現在のDSDA対応の端末装置は、ユーザが通話とデータ通信を同時に行うことを想定して設計されており、端末装置が複数のSIMを同時に使ってデータ通信を行うことまでは想定されていない。今後、DSDA対応の端末装置は、複数のSIMを同時に使用するデータ通信が可能になると想定される。
【0082】
そこで、本実施形態では、複数のデータ通信を同時に使用する同時通信(以下、同時データ通信という。)が可能な端末装置20について説明する。
【0083】
なお、以下の説明では、端末装置20(例えば、通信制御部231)は、第1のSIM(SIM1ともいう。)に紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIM(SIM2ともいう。)に紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に実行可能であるものとする。勿論、端末装置20は、第1のデータ通信及び/又は第2のデータ通信と同時に、第3のSIM(SIM3ともいう。)に紐づけられた第3のプロファイルを用いる第3のデータ通信を実行可能に構成されていてもよい。以下の説明では、SIMに紐づけられたプロファイルのことを単にSIMということがある。また、以下の実施例1、2、3は、それぞれの少なくとも一部またはすべてが、他の実施例の少なくとも一部またはすべてと組み合わされて実施されてもよい。
【0084】
<3-1.実施例1>
まず、実施例1に係る端末装置20の動作について説明する。
【0085】
上述したように、現在のDSDA対応の端末装置は、2つのSIMを同時に使ったデータ通信について想定されておらず、端末装置が2つのSIMを同時に使ってデータ通信を行ったとしても、ユーザがそのことを把握できない。そこで、実施例1では、複数のSIMを使って通信していることをユーザが容易に認識可能な端末装置20について説明する。具体的には、実施例1では、複数のSIMを使ってデータ通信していることをユーザが容易に認識できるUI(User Interface)を備える端末装置20について説明する。
【0086】
以下、実施例1に係る端末装置20の動作を詳細に説明する。
【0087】
上述したように、端末装置20は、表示部251を備える。例えば、端末装置20は、表示部251として、
図5に示すような、ステータスバーの表示領域V1を有するディスプレイを備える。ステータスバーは、端末装置20に関する一般的な情報(例えば、時間、電波強度、バッテリ状態等)を表示するための領域である。ステータスバーには、例えば
図1に示すように、電波強度表示A1と電波強度表示A2とが表示される。電波強度表示A1は、第1のデータ通信に関する第1の電波強度表示(SIM1の電波強度表示)であり、電波強度表示A2は、第2のデータ通信に関する第2の電波強度表示(SIM2の電波強度表示)である。
【0088】
実施例1では、端末装置20(例えば、表示制御部232)は、このステータスバーに同時データ通信に関する表示を行う。例えば、端末装置20は、同時データ通信に関する表示として、同時データ通信を実行しているか、又は、複数のデータ通信のいずれかを使用する通信(以下、非同時データ通信又は個別データ通信という。)を実行しているか、を区別可能にする表示をステータスバーへ表示する。例えば、端末装置20は、同時通信に関する表示を、第1のデータ通信に関する表示(例えば、電波強度表示A1)と第2のデータ通信に関する表示(例えば、電波強度表示A2)とに関連付けて表示する。
【0089】
以下に、実施例1に係る、同時データ通信に関する表示例を示す。
【0090】
(1)第1の表示例
図7は、実施例1に係る第1の表示例を示す図である。端末装置20は、SIM1又はSIM2のプロファイルを使ってデータ通信(非同時データ通信)を行っているときは、それぞれのSIM表示に対応する箇所に通信アイコンを表示する。例えば、端末装置20は、SIM1のプロファイルを使ってデータ通信を行っているとき(S11)は、
図7の状態S11に示すように、電波強度表示A1の隣(右隣、又は左隣)に通信アイコンC1を表示する。また、端末装置20は、SIM2のプロファイルを使ってデータ通信を行っているとき(S12)は、
図7の状態S12に示すように、電波強度表示A2の隣(右隣、又は左隣)に通信アイコンC2を表示する。
【0091】
一方、端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使ってデータ通信(同時データ通信)を行っているとき(S13)は、SIM1及びSIM2の両方のSIM表示にまたがるように通信アイコンを表示する。例えば、端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使ってデータ通信を行っているときは、
図7の状態S13に示すように、電波強度表示A1と電波強度表示A2の両方にまたがるように通信アイコンC3を表示する。この場合、電波強度表示A1と電波強度表示A2の両方の右隣、又は左隣に通信アイコンC3は表示される。
【0092】
なお、通信アイコンC1~C3は、データ通信の通信種別を区別可能にする表示であってもよい。例えば、通信アイコンC1~C3は、通信方向(例えば、アップロード、ダウンロード、又はアップロードとダウンロードの両方)を示すアイコンであってもよい。
図7の例であれば、通信方向がアップロードのときは上向き三角が表示(ハイライト)され、通信方向がダウンロードのときは下向き三角が表示(ハイライト)され、通信方向が両方向のときは上向き三角と下向き三角の両方が表示(ハイライト)される。さらに又はこれに代えて、通信アイコンC1~C3は、通信方向としてのアップリンク、又はダウンリンクを示すアイコンであってもよい。
図7の例であれば、通信方向がアップリンクのときは上向き三角が表示(ハイライト)され、通信方向がダウンリンクのときは下向き三角が表示(ハイライト)され、通信方向が両方向のときは上向き三角と下向き三角の両方が表示(ハイライト)される。つまり、データ通信にSIM1若しくはSIM2又は両方のプロファイルの組合せのうち、いずれを使っているか(S11、S12、又はS13)に応じてデータ通信の通信アイコン(C1、C2、又はC3)を異ならせる。
【0093】
(2)第2の表示例
図8は、実施例1に係る第2の表示例を示す図である。端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使ってデータ通信(同時データ通信)を行っているときは、同時通信を実行中であることを示す通信アイコンを表示する。例えば、端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使ってデータ通信を行っているときは、
図8に示すように、ステータスバーに通信アイコンB1を表示する。
図8の例では、通信アイコンB1は、第1のデータ通信と第2のデータ通信のRAT(Radio Access Technology)の種別を示す表示となっている。
図8の例では、通信アイコンB1は、「5G+4G」となっているが、この例に限られず、例えば、「5G+5G」、「4G+4G」、「4G+5G」等であってもよい。また、
図8の例では第1のデータ通信と第2のデータ通信のRATの種別を示す表示が、電波強度表示A2の右隣に表示されているが、この例には限られない。例えば、第1のデータ通信と第2のデータ通信のRATの種別を示す表示は、電波強度表示A1の左隣に表示されてもよいし、電波強度表示A1の右隣且つ電波強度表示A2の左隣に表示されてもよい。
【0094】
また、端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使ってデータ通信を行っているときは、
図8に示すように、通信アイコンB1の隣(右隣又は左隣)に通信アイコンC3を表示してもよい。通信アイコンC3は、データ通信の通信種別を区別可能にする表示である。例えば、通信アイコンC3は、通信方向(例えば、アップロード、ダウンロード、又はアップロードとダウンロードの両方向)を示すアイコンである。また、通信アイコンC3が示す通信方向と、通信アイコンB1が示すRATの種別が対応づけられていてもよい。例えば、SIM1のプロファイルを使って5Gにおいてダウンロード通信を行い、SIM2のプロファイルを使って4Gにおいてアップロード通信を行っている場合を想定する。この場合、ダウンロード通信を行っている場合は、5Gを示す通信アイコンB1とダウンロード通信を示す通信アイコンC3が同時に表示されてもよい。さらに又はこれに代えて、アップロード通信を行っている場合は、4Gを示す通信アイコンB1とアップロード通信を示す通信アイコンC3が同時に表示されてもよい
【0095】
(3)第3の表示例
図9は、実施例1に係る第3の表示例を示す図である。端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使ってデータ通信(同時データ通信)を行っているときは、同時通信を実行中であることを示す通信アイコンを表示する。例えば、端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使ってデータ通信を行っているときは、
図9に示すように、ステータスバーに通信アイコンB1を表示する。
図9の例では、通信アイコンB1は、第1のデータ通信と第2のデータ通信のRAT(Radio Access Technology)の種別を示す表示となっている。
図9の例では、通信アイコンB1は、「5G+4G」となっているが、この例に限られず、例えば、「5G+5G」、「4G+4G」、「4G+5G」等であってもよい。
【0096】
また、端末装置20は、SIM1及び/又はSIM2のプロファイルを使ってデータ通信(同時データ通信及び/又は非同時データ通信)を行っているときは、それぞれのSIM表示に対応する箇所に通信アイコンを表示する。例えば、端末装置20は、SIM1のプロファイルを使って非同時データ通信を行っているときは、電波強度表示A1の隣に通信アイコンC1を表示し、電波強度表示A2の隣には通信アイコンC2を表示しない。また、端末装置20は、SIM2のプロファイルを使って非同時データ通信を行っているときは、電波強度表示A2の隣に通信アイコンC2を表示し、電波強度表示A1の隣には通信アイコンC1を表示しない。また、端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使って同時データ通信を行っているときは、電波強度表示A1の隣に通信アイコンC1を表示するともに、電波強度表示A2の隣に通信アイコンC2を表示する。なお、ここでの「表示しない」の意はグレーアウトであってもよい。
【0097】
ここで、通信アイコンC1及び通信アイコンC2は、データ通信の通信種別を区別可能にする表示である。例えば、通信アイコンC1及び通信アイコンC2は、通信方向(例えば、アップロード、ダウンロード、又はアップロードとダウンロードの両方)を示すアイコンである。通信種別は、通信方向に限られない。例えば、通信種別は、RATの種別(例えば、無線LAN、4G、5G、又は6G)、リンク種別(例えば、サイドリンク、アップリンク、又はダウンリンク)又は、基地局との通信形態(例えば、キャリアアグリケーション/デュアルコネクティビティ等の複数のコンポーネントキャリアを使用した通信か否か)であってもよい。
【0098】
(4)第4の表示例
図10は、実施例1に係る第4の表示例を示す図である。端末装置20は、SIM1又はSIM2のプロファイルを使ってデータ通信(非同時データ通信)を行っているときは、通信に使用しているSIMの表示をハイライトするとともに、その表示に対応する箇所に通信アイコンを表示する。このとき、端末装置20は、使用していないSIMの表示およびその表示に対応する通信アイコンを消去(グレーアウト)する。
【0099】
例えば、端末装置20は、SIM1のプロファイルを使って非同時データ通信を行っているときは、
図10の状態S21に示すように、電波強度表示A1をステータスバーに表示(ハイライト)するとともにその隣に通信アイコンC1を表示する。そして、端末装置20は、電波強度表示A2及び通信アイコンC2を消去(グレーアウト)する。一方、SIM2のプロファイルを使って非同時データ通信を行っているときは、端末装置20は、
図10の状態S22に示すように、電波強度表示A2をステータスバーに表示(ハイライト)するとともにその隣に通信アイコンC2を表示する。そして、端末装置20は、電波強度表示A1及び通信アイコンC1を消去(グレーアウト)する。
【0100】
また、端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使って同時データ通信を行っているときは、SIM1及びSIM2の両方のSIM表示を表示(ハイライト)するとともに、両方のSIM表示にそれぞれ通信アイコンを表示する。例えば、端末装置20は、SIM1とSIM2の両方のプロファイルを使って同時データ通信を行っているときは、
図10の状態S23に示すように、電波強度表示A1と電波強度表示A2の両方を表示(ハイライト)する。そして、端末装置20は、電波強度表示A1の隣に通信アイコンC1を表示するともに、電波強度表示A2の隣に通信アイコンC2を表示する。
【0101】
ここで、通信アイコンC1及び通信アイコンC2は、データ通信の通信種別を区別可能にする表示である。例えば、通信アイコンC1及び通信アイコンC2は、通信方向(例えば、アップロード、ダウンロード、又はアップロードとダウンロードの両方)を示すアイコンである。通信種別は、通信方向に限られず、例えば、RATの種別、リンク種別又は、基地局との通信形態であってもよい。
【0102】
実施例1によれば、ユーザは、端末装置20が複数のSIMを使ってデータ通信を行っていることを容易に認識できる。
【0103】
<3-2.実施例2>
次に、実施例2に係る端末装置20の動作について説明する。
【0104】
実施例2では、端末装置20は、SIMとアプリケーションとを紐づける表示を表示部251に表示する。例えば、端末装置20は、アプリケーションとそのアプリケーションがデータ通信に使用しているSIMとがわかるようなアイコンをステータスバーに表示する。なお、端末装置20は、特定のアプリケーションに他のアプリケーションに優先して特定のSIMを使用させてもよい。このとき、端末装置20は、特定のアプリケーションが特定のSIMを占有して通信であることをUI(User Interface)上に表示してもよい。
【0105】
以下に、実施例2に係る、同時データ通信に関する表示例を示す。
【0106】
(1)第1の表示例
図11は、実施例2に係る第1の表示例を示す図である。上述したように、端末装置20は、ステータスバーの表示領域を有する表示部251を備える。ステータスバーには、例えば電波強度表示A1と電波強度表示A2とが表示される。電波強度表示A1は、第1のデータ通信に関する第1の電波強度表示(SIM1の電波強度表示)であり、電波強度表示A2は、第2のデータ通信に関する第2の電波強度表示(SIM2の電波強度表示)である。
【0107】
第1の表示例では、端末装置20は、これら電波強度表示に、同時データ通信に関する表示を関連付けて表示する。例えば、端末装置20は、同時データ通信に関する表示として、第1のアプリケーションによる第1のデータ通信の使用を示す第1の表示と、他の1又は複数のアプリケーションによる第2のデータ通信の使用を示す第2の表示と、を電波強度表示に関連付けて表示する。
図11の例では、端末装置20は、第1のアプリケーションを示すアイコンD1(第1の表示)を電波強度表示A1に関連付けて表示し、他の1又は複数のアプリケーションを示すアイコンD2(第2の表示)を電波強度表示A2に関連付けて表示している。
【0108】
(2)第2の表示例
図12は、実施例2に係る第2の表示例を示す図である。第2の表示例では、端末装置20は、専用のアイコンに、同時データ通信に関する表示を関連付けて表示する。例えば、端末装置20は、同時データ通信に関する表示として、第1のアプリケーションによる第1のデータ通信の使用を示す第1の表示と、他の1又は複数のアプリケーションによる第2のデータ通信の使用を示す第2の表示と、を専用のアイコンに関連付けて表示する。
図12の例では、端末装置20は、第1のアプリケーションを示すアイコンD1(第1の表示)をSIM表示E1に関連付けて表示し、他の1又は複数のアプリケーションを示すアイコンD2(第2の表示)をSIM表示E2に関連付けて表示している。SIM表示E1は、第1のデータ通信に関する専用アイコン(SIM1を示す表示)であり、SIM表示E2は、第2のデータ通信に関する専用アイコン(SIM2を示す表示)である。
【0109】
実施例2によれば、ユーザは、SIMがどのアプリケーションにより使用されているかを容易に認識できる。例えば、ユーザは、特定のSIMを優先的に使用しているアプリケーションを容易に認識できる。
【0110】
<3-3.実施例3>
次に、実施例3に係る端末装置20の動作について説明する。
【0111】
従来のDSDS対応の端末装置は、ユーザ設定で、ユーザが、複数のSIMの中からデータ通信に使用するSIM(データ通信優先SIM)を選択するよう構成されている。上述したように、今後、DSDA対応の端末装置は、複数のSIMを同時に使用するデータ通信が可能になると想定される。しかしながら、現状では、データ通信に同時に複数のSIMを使用するためのUI(例えば、データ通信に使用するSIMとして複数のSIMを追加することを可能にするUI)が存在しない。そこで、ユーザが意図したタイミングで、適切にデータ通信に使用するSIMを追加できる手段(UI)を提供する必要がある。
【0112】
実施例3では、端末装置20は、同時データ通信に関する表示として、アプリケーションと、複数のデータ通信のうちの二以上のデータ通信と、を関連付けることが可能なユーザインタフェース(第1のユーザインタフェース)を表示部251に表示する。
【0113】
以下に、実施例3に係る、同時データ通信に関する表示例を示す。
【0114】
(1)第1の表示例
図13は、実施例3に係る第1の表示例を示す図である。第1の表示例では、端末装置20は、アプリケーションに関するデータ通信(ダウンロード又はアップロード)が実行される際に、そのデータ通信に使用する1又は複数のSIMを選択するためのユーザインタフェースを表示する。
【0115】
例えば、端末装置20は、状態S31に示すように、データ通信(
図13の例ではダウンロード)が実行される際に、アイコンP1を表示部251に表示する。アイコンP1は、データ通信に使用可能なSIM一覧(例えば、後述のウィンドウW1)を表示するためのユーザインタフェースである。なお、端末装置20は、ダウンロード又はアップロードのデータサイズが所定の閾値より大きい場合に、ユーザインタフェース(アイコンP1及び/又はウィンドウW1)を表示するようにしてもよい。
【0116】
そして、端末装置20は、例えば状態S32に示すように、アイコンP1がクリック(タップ)された場合に、ユーザインタフェースとして、そのデータ通信に使用する1又は複数のSIMを選択するためのウィンドウW1を表示する。
図13の例では、ウィンドウW1には、ユーザが選択可能なSIMとして、SIM1とSIM2とSIM3とが一覧表示されている。なお、端末装置20は、利用可能な他のRAT(例えば、Wi-Fi等の無線LAN)が有れば、そのRATも一覧に含めてもよい。また、それぞれのSIMに対応するMNOオペレータの情報(MNO名又はサービス名、キャリア名)がそれぞれのSIMに関連付けられて、SIMの表示の隣又は周辺に表示されてもよい。
【0117】
なお、端末装置20は、データ通信が実行される際に、アイコンP1を介さずに、直接、表示部251にウィンドウW1を表示してもよい。例えば、端末装置20は、データ通信のデータサイズが所定の閾値より大きい場合に、アイコンP1を介さずに、直接、表示部251にウィンドウW1を表示してもよい。
【0118】
選択肢から1又は複数のSIMが選択された場合、端末装置20は、選択された1又は複数のSIMを使用してデータ通信(
図13の例であれば、ダウンロード)を実行する。なお、端末装置20は、選択された1又は複数のSIMの情報をアプリケーションと紐づけて記憶部22に保存してもよい。そして、端末装置20(例えば、設定部233)は、その選択された1又は複数のSIM(選択された1又は複数のデータ通信)を、当該アプリケーションが次回以降にデータ通信を行う際のデフォルト設定としてもよい。
【0119】
(2)第2の表示例
図14は、実施例3に係る第2の表示例を示す図である。第2の表示例では、端末装置20は、表示部251に表示されるアプリケーションのアイコンに所定の操作がなされた場合に、そのアプリケーションのデータ通信に使用する1又は複数のSIMを選択するためのユーザインタフェースを表示する。
【0120】
例えば、端末装置20は、状態S41に示すように、アプリケーションの起動時に当該アプリケーションのアイコンP2が長押しされた場合に、例えば状態S42に示すように、アプリケーションのデータ通信に使用する1又は複数のSIMを選択するためのウィンドウを表示する。
図14の例であれば、端末装置20は、ユーザに起動オプションを選択させるためのウィンドウW3を表示する。ウィンドウW3は、ユーザにDSDAの機能を使用するか否かを問うためのウィンドウである。さらに又はこれに代えて、状態S41に示すアプリケーションの起動が初回起動時(アプリのインストール後最初の起動、又は、端末装置20の電源ON若しくは再起動後の最初の起動)である場合に、当該アプリケーションのアイコンP2がタップされた場合に、状態S42に示すように、アプリケーションのデータ通信に使用する1又は複数のSIMを選択するためのウィンドウを表示してもよい。この場合の、アイコンP2のタップは長押しでなくてよい。
【0121】
ユーザがDSDAの機能を使用することを選択した場合、端末装置20は、ユーザインタフェースとして、そのアプリケーションのデータ通信に使用する1又は複数のSIMを選択するためのウィンドウW4を表示する。
図14の例では、ウィンドウW4には、ユーザが選択可能なSIMとして、SIM1とSIM2とSIM3とが一覧表示されている。なお、端末装置20は、利用可能な他のRAT(例えば、Wi-Fi等の無線LAN)が有れば、そのRATも一覧に含めてもよい。また、それぞれのSIMに対応するMNOオペレータの情報(MNO名又はサービス名、キャリア名)がそれぞれのSIMに関連付けられて、SIMの表示の隣又は周辺に表示されてもよい。
【0122】
なお、端末装置20は、データ通信が実行される際に、アイコンP2を介さずに、直接、表示部251にウィンドウW4を表示してもよい。例えば、端末装置20は、データ通信のデータサイズが所定の閾値より大きい場合に、アイコンP2を介さずに、直接、表示部251にウィンドウW4を表示してもよい。
【0123】
選択肢から1又は複数のSIMが選択された場合、端末装置20は、選択された1又は複数のSIMを使用してデータ通信を実行する。なお、端末装置20は、選択された1又は複数のSIMの情報をアプリケーションと紐づけて記憶部22に保存してもよい。そして、端末装置20(例えば、設定部233)は、その選択された1又は複数のSIM(選択された1又は複数のデータ通信)を、当該アプリケーションが次回以降にデータ通信を行う際のデフォルト設定として設定してもよい。
【0124】
(3)第3の表示例
図15は、実施例3に係る第3の表示例を示す図である。第3の表示例では、端末装置20は、マルチウィンドウが表示部251に表示される際に、そのマルチウィンドウに表示されるアプリケーションがデータ通信に使用する1又は複数のSIMを選択するためのユーザインタフェースを表示する。マルチウィンドウは、それぞれアプリケーションを表示する複数のウィンドウで構成されるウィンドウである。
図15の例では、マルチウィンドウを構成するウィンドウとして、ウィンドウMW1とウィンドウMW2の2つが表示されている。
【0125】
第3の表示例では、端末装置20は、例えば状態S51に示すように、マルチウィンドウを構成する複数のウィンドウ(
図15の例ではウィンドウMW1とウィンドウMW2)それぞれに、データ通信に使用されるSIMを紐づけるためのユーザインタフェースを表示する。
図15の例では、端末装置20は、ウィンドウMW1にユーザインタフェースとしてウィンドウW5を表示し、ウィンドウMW2にユーザインタフェースとしてウィンドウW6を表示している。
図15の例では、ウィンドウW5及びウィンドウW6には、ユーザが選択可能なSIMとして、SIM1とSIM2とSIM3とが一覧表示されている。なお、端末装置20は、利用可能な他のRAT(例えば、Wi-Fi等の無線LAN)が有れば、そのRATも一覧に含めてもよい。また、それぞれのSIMに対応するMNOオペレータの情報(MNO名又はサービス名、キャリア名)がそれぞれのSIMに関連付けられて、SIMの表示の隣又は周辺に表示されてもよい。
図15の例では、ウィンドウ1つにつき1つのSIMしか選択されていないが、端末装置20は、ウィンドウ1つにつき複数のSIMが選択可能に構成されていてもよい。また、ウィンドウに紐づけられる1又は複数のSIMは、マルチウィンドウを構成する他のウィンドウに紐づけられる1又は複数のSIMと同じであってもよい。
【0126】
なお、端末装置20は、ウィンドウへのSIMの紐づけを、マルチウィンドウ画面の起動時に実行可能に構成されていてもよい。例えば、端末装置20は、ウィンドウへSIMを紐づけるためのユーザインタフェース(
図15の例ではウィンドウW5及び/又はウィンドウW6)を、マルチウィンドウ画面を起動する際に表示してもよい。勿論、端末装置20は、ウィンドウへのSIMの紐づけを、事前(マルチウィンドウ画面の起動前)に実行可能に構成されていてもよい。例えば、端末装置20は、ウィンドウへSIMを紐づけるための設定画面を表示可能に構成されていてもよい。また、端末装置20は、ウィンドウへのSIMの紐づけを、マルチウィンドウ画面の起動後に実行可能に構成されていてもよい。例えば、端末装置20は、マルチウィンドウを構成するウィンドウに所定の操作がなされた場合に、データ通信に使用するSIMを変更するためのウィンドウを表示してもよい。
【0127】
マルチウィンドウの起動、端末装置20は、選択された1又は複数のSIMを使用してデータ通信を実行する。なお、端末装置20は、例えば状態S52に示すように、マルチウィンドウを構成する複数のウィンドウそれぞれに、どのSIMでデータ通信が行われているかを示す表示(Indication)を表示してもよい。すなわち、端末装置20は、マルチウィンドウを構成する複数のウィンドウそれぞれに、ウィンドウに表示されたアプリケーションが使用するデータ通信を示す表示(Indication)を表示してもよい。例えば、端末装置20は、状態S52に示すように、ウィンドウMW1にSIM1が使用されている旨の表示F1を表示し、ウィンドウMW2にSIM2が使用されている旨の表示F2を表示してもよい。
【0128】
実施例3によれば、ユーザは、意図したタイミングで、適切にデータ通信に使用するSIMを追加できる。
【0129】
<3-4.実施例4>
次に、実施例4に係る端末装置20の動作について説明する。
【0130】
実施例4では、同時データ通信に関する表示として、時間と、複数のデータ通信のうちの二以上のデータ通信と、を関連付けることが可能なユーザインタフェース(第2のユーザインタフェース)を表示する。ユーザは、このユーザインタフェースを使用して、特定の時間にデータ通信を行うSIMを予め設定する。例えば、ユーザは、通信が混雑する時間帯では、その時間帯に有利なSIMを設定する。或いは、ユーザは、通信が混雑する時間帯では、複数のSIMを同時に使う旨の設定を行う。端末装置20は、ユーザインタフェースで設定された時間となったタイミングで、データ通信に使用するSIMを変更する。
【0131】
以下に、実施例4に係る、同時データ通信に関する表示例を示す。
【0132】
(1)第1の表示例
図16は、実施例4に係る第1の表示例を示す図である。端末装置20は、ユーザインタフェースとして、ユーザによる事前設定を可能にするウィンドウW7を表示部251に表示する。ユーザはウィンドウW7を使用して時間帯とその時間帯で使用するSIMを設定する。
図16の例では、端末装置20は、12:00~13:00に使用するSIMとしてSIM2が設定され、17:00~19:00に使用するSIMとしてSIM2が設定され、21:00~24:00に使用するSIMとしてSIM1とSIM2の2つが設定されている。また、
図16の例では、標準SIM(例えば、Default Data SIM)は、上記に時間帯以外で使用されるSIM)としてSIM1がされている。標準SIMは、例えば、上記に時間帯以外で使用されるSIMである。端末装置20は、ウィンドウW7で設定された時間となったタイミングで、データ通信に使用するSIMを変更する。
【0133】
(2)第2の表示例
図17は、実施例4に係る第2の表示例を示す図である。端末装置20は、ユーザインタフェースとして、データ通信に使用するSIMを入力可能な予定入力インタフェース(予定入力画面)を表示する。
図17の例では、予定入力インタフェース(予定入力画面)にデータ通信に使用するSIMを設定するための領域G1が設けられている。ユーザは、予定入力インタフェースを使用して、データ通信に使用するSIMを設定する。
図17の例では、2022年9月21日の16:30~17:30に使用するSIMとしてSIM1が設定されている。なお、
図17の例では、1つの時間帯(1つの予定)に1つのSIMしか設定されていないが、端末装置20は、1つの時間帯(1つの予定)に複数のSIMを設定可能に構成されてもよい。
【0134】
(3)応用例
なお、端末装置20は、予定入力インタフェースに入力された予定内容からその予定の時間帯に使用するSIMを自動的に切り替えてもよい。例えば、ユーザは、所定のユーザインタフェースを使用して、予定内容とその予定内容で使用するSIMを紐づける。例えば、ユーザは、所定のユーザインタフェースを使用して、仕事中は会社用SIMを使用し、それ以外は私用SIMを使用する、と設定する。このとき、ユーザは、1つの予定内容に複数のSIMを設定してもよい。そして、端末装置20は、予定入力インタフェースへの入力内容から、ユーザの予定がユーザの設定(例えば、仕事中又はそれ以外)のいずれに該当するかを推測する。そして、端末装置20は、推測結果に従ってSIMを切り替える。
【0135】
また、端末装置20は、ネットワーク上のサーバ(例えば、障害情報を監視し発信するWebサーバ)から障害情報を取得し、障害が起きている場合には、障害が起きている通信サービスのSIMを使用しないようにしてもよい。
【0136】
実施例3によれば、ユーザは、意図したタイミングで、適切にデータ通信に使用するSIMを切り替えることができる。
【0137】
<<4.変形例>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0138】
例えば、実施例1及び実施例2では、同時データ通信に関する表示をステータスバーに表示したが、表示箇所はステータスバーに限定されない。端末装置20は、同時通データ信に関する表示を、ステータスバー以外の箇所に表示してもよい。
【0139】
また、実施例2では、第2のデータ通信を使用するアプリケーションは、第1のアプリケーションとは異なるアプリケーション(他の1又は複数のアプリケーション)であるものとした。このとき、第2のデータ通信を使用するアプリケーションは、第1のアプリケーション以外の全てのアプリケーションであってもよいし、第1のアプリケーション以外の1又は複数のアプリケーションの中から選択される1又は複数のアプリケーションであってもよい。また、第2のデータ通信を使用するアプリケーションは、第1のデータ通信を使用するアプリケーションと同じアプリケーションであってもよい。また、第1のデータ通信を使用するアプリケーションは、複数あってもよい。
【0140】
また、上述の実施形態では、同時通信は、第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時データ通信であるものとした。しかしながら、本実施形態の同時通信は、これに限定されず、例えば、無線LANを使用したデータ通信とモバイルネットワークを使用したデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する通信であってもよい。また、同時通信は、データ通信とデータ通信以外の通信とを同時に使用する通信であってもよい。上述の同時データ通信は、適宜、同時通信に置き換え可能である。
【0141】
また、端末装置20は、上述の実施例1~実施例4で示した複数の機能の中から選択される1の機能のみを備えていてもよいし、複数の機能の中から選択される2以上の機能を備えていてもよい。勿論、端末装置20は、上述の実施例1~実施例4で示した全ての機能を備えていてもよい。
【0142】
本実施形態のサーバ10、又は端末装置20を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムにより実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムによって実現してもよい。
【0143】
例えば、上述の動作を実行するための通信プログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、サーバ10、又は端末装置20の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、サーバ10、又は端末装置20の内部の装置(例えば、制御部13、又は制御部23)であってもよい。
【0144】
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0145】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0146】
また、図示した装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散又は統合による構成は動的に行われてもよい。
【0147】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態の各処理は、適宜順序を変更することが可能である。
【0148】
また、例えば、本実施形態は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
【0149】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0150】
また、例えば、本実施形態は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0151】
<<5.むすび>>
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、端末装置20は、第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行可能である。そして、端末装置20は、同時通信に関する表示を表示部251へ表示する。これにより、ユーザは、同一種類の複数の無線通信が同時に使用されている場合であっても、どのように無線通信が使用されているかを詳細に把握できる。結果として、端末装置20の利便性が向上する。
【0152】
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0153】
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0154】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
表示部を備える通信装置であって、
第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行する通信制御部と、
前記同時通信に関する表示を前記表示部へ表示する表示制御部と、
を備える通信装置。
(2)
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示として、前記同時通信を実行しているか、又は、前記複数のデータ通信のいずれかを使用する非同時通信を実行しているか、を区別可能にする表示を前記表示部へ表示する、
前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示を、前記第1のデータ通信に関する表示と前記第2のデータ通信に関する表示とに関連付けて表示する、
前記(2)に記載の通信装置。
(4)
前記第1のデータ通信に関する表示は、前記第1のデータ通信に関する第1の電波強度表示であり、
前記第2のデータ通信に関する表示は、前記第2のデータ通信に関する第2の電波強度表示である、
前記(3)に記載の通信装置。
(5)
前記同時通信に関する表示は、データ通信の通信種別を区別可能にする表示である、
前記(2)~(4)のいずれかに記載の通信装置。
(6)
前記通信種別には、通信方向が含まれる、
前記(5)に記載の通信装置。
(7)
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示として、第1のアプリケーションによる前記第1のデータ通信の使用を示す第1の表示と、他の1又は複数のアプリケーションによる前記第2のデータ通信の使用を示す第2の表示と、を前記表示部へ表示する、
前記(1)~(6)のいずれかに記載の通信装置。
(8)
前記表示制御部は、前記第1の表示を前記第1のデータ通信に関する表示に関連付けて表示し、前記第2の表示を前記第2のデータ通信に関する表示に関連付けて表示する、
前記(7)に記載の通信装置。
(9)
前記第1のデータ通信に関する表示は、前記第1のデータ通信に関する第1の電波強度表示であり、
前記第2のデータ通信に関する表示は、前記第2のデータ通信に関する第2の電波強度表示である、
前記(8)に記載の通信装置。
(10)
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示として、アプリケーションと、前記複数のデータ通信のうちの二以上のデータ通信と、を関連付けることが可能な第1のユーザインタフェースを表示する、
前記(1)~(9)のいずれかに記載の通信装置。
(11)
前記表示制御部は、前記アプリケーションに関するダウンロード又はアップロードが実行される際に、前記第1のユーザインタフェースを表示する、
前記(10)に記載の通信装置。
(12)
前記表示制御部は、前記ダウンロード又は前記アップロードのデータサイズが所定の閾値より大きい場合に、前記第1のユーザインタフェースを表示する、
前記(11)に記載の通信装置。
(13)
前記第1のユーザインタフェースを使って選択されたデータ通信を、前記アプリケーションがデータ通信を行う際のデフォルト設定とする設定部、を備える、
前記(11)又は(12)に記載の通信装置。
(14)
前記表示制御部は、前記表示部に表示される前記アプリケーションのアイコンに所定の操作がなされた場合に、前記第1のユーザインタフェースを表示する、
前記(10)~(13)のいずれかに記載の通信装置。
(15)
前記表示制御部は、それぞれアプリケーションを表示する複数のウィンドウが前記表示部に表示される際に、前記第1のユーザインタフェースを表示する、
前記(10)~(14)のいずれかに記載の通信装置。
(16)
前記表示制御部は、前記複数のウィンドウそれぞれにアプリケーションが使用するデータ通信を示す表示を表示する、
前記(15)に記載の通信装置。
(17)
前記表示制御部は、前記同時通信に関する表示として、時間と、前記複数のデータ通信のうちの二以上のデータ通信と、を関連付けることが可能な第2のユーザインタフェースを表示する、
前記(1)~(16)のいずれかに記載の通信装置。
(18)
前記第2のユーザインタフェースは、予定を入力するインタフェースである、
前記(17)に記載の通信装置。
(19)
表示部を備える通信装置が実行する情報処理方法であって、
第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行し、
前記同時通信に関する表示を前記表示部へ表示する、
情報処理方法。
(20)
表示部を備える通信装置を制御するコンピュータを、
第1のSIMに紐づけられた第1のプロファイルを用いる第1のデータ通信と、第2のSIMに紐づけられた第2のプロファイルを用いる第2のデータ通信と、を含む複数のデータ通信を同時に使用する同時通信を実行する通信制御部、
前記同時通信に関する表示を前記表示部へ表示する表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0155】
1 通信システム
10 サーバ
20 端末装置
11、21 通信部
12、22 記憶部
13、23 制御部
24 入力部
25 出力部
231 通信制御部
232 表示制御部
233 設定部
251 表示部
A1、A2 電波強度表示
B1、C1~C3 通信アイコン
D1、D2、P1、P2 アイコン
E1、E2 SIM表示
F1、F2 表示
G1 領域
MW1、MW2、W1~W7 ウィンドウ
V1 上部領域
V2 中央領域
V3 下部領域