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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137258
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】光源駆動装置及び測距システム
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/042 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240927BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01S5/042 630
H01L33/00 J
G01S7/481 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048709
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】増田 貴志
【テーマコード(参考)】
5F173
5F241
5J084
【Fターム(参考)】
5F173SC10
5F173SE02
5F173SG02
5F173SG05
5F173SJ02
5F173SJ12
5F173SJ16
5F241AA04
5F241BC03
5F241BC16
5F241BC42
5F241FF16
5J084AA05
5J084AB01
5J084AB07
5J084AB17
5J084AB20
5J084AC02
5J084AC03
5J084AC04
5J084AC06
5J084AC07
5J084AC08
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA07
5J084BA20
5J084BA34
5J084CA21
5J084CA31
5J084CA49
5J084CA70
5J084DA01
5J084DA07
5J084DA08
5J084DA09
5J084EA33
(57)【要約】
【課題】所望の発光輝度を得る。
【解決手段】光源駆動装置は、発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、前記カレントミラー回路は、ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光待機中の第1期間に前記ゲートを第1電圧に設定する第1制御回路と、前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光中の第2期間に、前記ゲートを前記発光素子の発光輝度に応じた第2電圧に設定する第2制御回路と、を備え、前記駆動電流は、前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光中における前記第2トランジスタのゲートの寄生容量による電圧降下を補償する第1電圧に前記ゲートを設定するのに必要な電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第1電流源と、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光輝度に応じた電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第2電流源と、を備える、
光源駆動装置。
【請求項2】
前記第2電流源は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光される前記発光素子の数が多いほど、より多くの電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す、
請求項1に記載の光源駆動装置。
【請求項3】
発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光待機中の第1期間に前記ゲートを第1電圧に設定する第1制御回路と、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光中の第2期間に、前記ゲートを前記発光素子の発光輝度に応じた第2電圧に設定する第2制御回路と、を備え、
前記駆動電流は、前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れる、
光源駆動装置。
【請求項4】
前記第1制御回路は、前記第2期間に前記第2トランジスタのゲート電圧が前記第2トランジスタのゲートの寄生容量に応じて低下する電圧降下を補償するべく、前記第1電圧の電圧レベルを設定する、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項5】
前記第1制御回路は前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのソースを前記第1電圧に応じた第3電圧に設定するインピーダンス回路を有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記インピーダンス回路に流さずにドレイン-ソース間に流す第3トランジスタを有する、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項6】
前記カレントミラー回路は、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光中における前記第2トランジスタのゲートの寄生容量による電圧降下を補償する第1電圧に前記ゲートを設定するのに必要な電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第1電流源と、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光輝度に応じた電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第2電流源と、を有する、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項7】
前記カレントミラー回路は、前記第1制御回路及び前記第2制御回路で共有される電流源を有し、
前記第1制御回路は、
インピーダンス回路と、
前記第1期間に前記電流源からの電流を、前記インピーダンス回路を介して前記第1トランジスタのドレインに供給し、前記第2期間には前記電流源からの電流を遮断する第1切替器と、を有し、
前記第2制御回路は、
前記第1期間には前記電流源からの電流を遮断し、前記第2期間には前記電流源からの電流を前記第1トランジスタのドレインに供給する第2切替器を有する、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項8】
前記カレントミラー回路は、
前記第1制御回路及び前記第2制御回路で共有される電流源と、
前記電流源の出力ノードと前記第2トランジスタのゲートとを接続するか遮断するかを切り替える第1切替器と、
前記第1トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのゲートとを接続するか遮断するかを切り替える第2切替器と、を有し、
前記第1制御回路は、前記電流源の出力ノードと前記第1トランジスタのドレインとの間に接続されるインピーダンス回路を有し、
前記第1制御回路は、前記第1期間には、前記第2切替器を遮断するとともに前記第1切替器にて前記電流源の出力ノードと前記第2トランジスタのゲートとを接続させて、前記電流源の出力ノードの電圧レベルである前記第1電圧を前記第2トランジスタのゲートに供給し、
前記第2制御回路は、前記第2期間には、前記第1切替器を遮断するとともに前記第2切替器にて前記第1トランジスタのゲート及びドレインを前記第2トランジスタのゲートに接続させて、前記第2電圧を前記第2トランジスタのゲートに供給する、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項9】
前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのソースを前記第1電圧に応じた第3電圧に設定する第3トランジスタを有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第4トランジスタを有し、
前記第3トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第2期間にオフし、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフする、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項10】
前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのドレインと基準電圧ノードとの間に直列に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのドレインを前記第1電圧に設定する第3トランジスタ及び第4トランジスタを有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第5トランジスタを有し、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第2期間にオフし、
前記第5トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフし、
前記第3トランジスタのゲート及びドレインは、前記第1トランジスタのゲート及びドレインに接続される、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項11】
前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのドレインと基準電圧ノードとの間に直列に接続されるインピーダンス回路、第3トランジスタ及び第4トランジスタと、を有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第5トランジスタを有し、
前記インピーダンス回路、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタは、前記第1期間に前記インピーダンス回路と、前記第3トランジスタのドレイン-ソース間と、及び前記第4トランジスタのドレイン-ソース間と、を流れる電流により前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのゲートを前記第1電圧に設定し、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第1期間にオフし、
前記第5トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフし、
前記第3トランジスタのゲート及びドレインは、前記第1トランジスタのゲート及びドレインに接続される、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項12】
前記インピーダンス回路は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光される前記発光素子の数が多いほど、より高いインピーダンスに設定される、
請求項5に記載の光源駆動装置。
【請求項13】
前記第3トランジスタをオン又はオフさせる第1制御信号と、前記第4トランジスタをオン又はオフさせる第2制御信号とは、同じタイミングで逆論理になる信号であるか、又は、前記第2制御信号が前記第4トランジスタをオフさせた後に、前記第1制御信号が前記第3トランジスタをオンさせる信号である、
請求項10に記載の光源駆動装置。
【請求項14】
前記第3トランジスタは、前記第4トランジスタよりも駆動能力が低い、
請求項10に記載の光源駆動装置。
【請求項15】
前記発光素子は、カソード端子及びアノード端子を有し、
前記第2トランジスタのドレインは、前記発光素子のカソード端子又はアノード端子に接続される、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項16】
前記カレントミラー回路は、複数の前記発光素子を発光させるための複数の前記駆動電流を生成し、
前記カレントミラー回路は、ゲート同士が接続された前記第1トランジスタ及び複数の前記第2トランジスタを有し、
前記複数の駆動電流のそれぞれは、対応する前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れる、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項17】
前記第1電圧は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光させる前記発光素子の数が多いほど、より高い電圧レベルに設定される、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項18】
前記カレントミラー回路は、複数の前記発光素子を個別に発光制御可能な面発光装置を駆動する、
請求項3に記載の光源駆動装置。
【請求項19】
前記面発光装置に積層される、
請求項18に記載の光源駆動装置。
【請求項20】
物体に光を照射する発光装置と、
前記発光装置の駆動を制御する光源駆動装置と、
前記発光装置からの光が前記物体で反射された反射光を受光する受光装置と、
前記発光装置が照射した光と、前記受光装置が受光した反射光とに基づいて、前記物体の距離を計測する距離計測装置と、を備え、
前記光源駆動装置は、
発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光待機中の第1期間に前記ゲートを第1電圧に設定する第1制御回路と、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光中の第2期間に、前記ゲートを前記発光素子の発光輝度に応じた第2電圧に設定する第2制御回路と、を備え、
前記駆動電流は、前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れる、
測距システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源駆動装置及び測距システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を物体に照射して、物体からの反射光を受光することで、物体の距離を計測する測距技術が注目されており、例えば自動運転を実現するには、高精度の測距性能を持つ測距システムが求められている。
【0003】
屋外は、太陽光などの環境光が存在し、また、レーザ光は伝搬時間が長いほど減衰する。よって、測距システム用の光源として、レーザ光の発光強度を切替制御可能な面発光装置(例えば、VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)を用いる例が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-22689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
VCSELは、複数の発光素子のそれぞれを個別に発光制御できるという特徴を持つ。VCSELの各発光素子の発光輝度が変動すると、測距精度に影響することから、例えば共通のカレントミラー回路で全ての発光素子に流れる電流を制御する。より詳細には、カレントミラー回路には、各発光素子に流れる電流を制御するトランジスタが発光素子ごとに設けられる。
【0006】
しかしながら、カレントミラー回路における発光素子ごとに設けられるトランジスタのゲートには寄生容量が存在する。この寄生容量により、発光素子の発光時にトランジスタのゲート電圧が低下し、それに伴って発光素子に流れる電流が低下して所望の発光輝度が得られなくなるおそれがある。
【0007】
そこで、本開示では、所望の発光輝度が得られるようにした光源駆動装置及び測距システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示によれば、発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光中における前記第2トランジスタのゲートの寄生容量による電圧降下を補償する第1電圧に前記ゲートを設定するのに必要な電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第1電流源と、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光輝度に応じた電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第2電流源と、を備える、
光源駆動装置が提供される。
【0009】
前記第2電流源は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光される前記発光素子の数が多いほど、より多くの電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流してもよい。
【0010】
発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光待機中の第1期間に前記ゲートを第1電圧に設定する第1制御回路と、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光中の第2期間に、前記ゲートを前記発光素子の発光輝度に応じた第2電圧に設定する第2制御回路と、を備え、
前記駆動電流は、前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れてもよい。
【0011】
前記第1制御回路は、前記第2期間に前記第2トランジスタのゲート電圧が前記第2トランジスタのゲートの寄生容量に応じて低下する電圧降下を補償するべく、前記第1電圧の電圧レベルを設定してもよい。
【0012】
前記第1制御回路は前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのソースを前記第1電圧に応じた第3電圧に設定するインピーダンス回路を有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記インピーダンス回路に流さずにドレイン-ソース間に流す第3トランジスタを有してもよい。
【0013】
前記カレントミラー回路は、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光中における前記第2トランジスタのゲートの寄生容量による電圧降下を補償する第1電圧に前記ゲートを設定するのに必要な電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第1電流源と、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光輝度に応じた電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第2電流源と、を有してもよい。
【0014】
前記カレントミラー回路は、前記第1制御回路及び前記第2制御回路で共有される電流源を有し、
前記第1制御回路は、
インピーダンス回路と、
前記第1期間に前記電流源からの電流を、前記インピーダンス回路を介して前記第1トランジスタのドレインに供給し、前記第2期間には前記電流源からの電流を遮断する第1切替器と、を有し、
前記第2制御回路は、
前記第1期間には前記電流源からの電流を遮断し、前記第2期間には前記電流源からの電流を前記第1トランジスタのドレインに供給する第2切替器を有してもよい。
【0015】
前記カレントミラー回路は、
前記第1制御回路及び前記第2制御回路で共有される電流源と、
前記電流源の出力ノードと前記第2トランジスタのゲートとを接続するか遮断するかを切り替える第1切替器と、
前記第1トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのゲートとを接続するか遮断するかを切り替える第2切替器と、を有し、
前記第1制御回路は、前記電流源の出力ノードと前記第1トランジスタのドレインとの間に接続されるインピーダンス回路を有し、
前記第1制御回路は、前記第1期間には、前記第2切替器を遮断するとともに前記第1切替器にて前記電流源の出力ノードと前記第2トランジスタのゲートとを接続させて、前記電流源の出力ノードの電圧レベルである前記第1電圧を前記第2トランジスタのゲートに供給し、
前記第2制御回路は、前記第2期間には、前記第1切替器を遮断するとともに前記第2切替器にて前記第1トランジスタのゲート及びドレインを前記第2トランジスタのゲートに接続させて、前記第2電圧を前記第2トランジスタのゲートに供給してもよい。
【0016】
前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのソースを前記第1電圧に応じた第3電圧に設定する第3トランジスタを有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第4トランジスタを有し、
前記第3トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第2期間にオフし、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフしてもよい。
【0017】
前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのドレインと基準電圧ノードとの間に直列に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのドレインを前記第1電圧に設定する第3トランジスタ及び第4トランジスタを有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第5トランジスタを有し、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第2期間にオフし、
前記第5トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフし、
前記第3トランジスタのゲート及びドレインは、前記第1トランジスタのゲート及びドレインに接続されてもよい。
【0018】
前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのドレインと基準電圧ノードとの間に直列に接続されるインピーダンス回路、第3トランジスタ及び第4トランジスタと、を有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第5トランジスタを有し、
前記インピーダンス回路、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタは、前記第1期間に前記インピーダンス回路と、前記第3トランジスタのドレイン-ソース間と、及び前記第4トランジスタのドレイン-ソース間と、を流れる電流により前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのゲートを前記第1電圧に設定し、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第1期間にオフし、
前記第5トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフし、
前記第3トランジスタのゲート及びドレインは、前記第1トランジスタのゲート及びドレインに接続されてもよい。
【0019】
前記インピーダンス回路は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光される前記発光素子の数が多いほど、より高いインピーダンスに設定されてもよい。
【0020】
前記第3トランジスタをオン又はオフさせる第1制御信号と、前記第4トランジスタをオン又はオフさせる第2制御信号とは、同じタイミングで逆論理になる信号であるか、又は、前記第2制御信号が前記第4トランジスタをオフさせた後に、前記第1制御信号が前記第3トランジスタをオンさせる信号であってもよい。
【0021】
前記第3トランジスタは、前記第4トランジスタよりも駆動能力が低くてもよい。
【0022】
前記発光素子は、カソード端子及びアノード端子を有し、
前記第2トランジスタのドレインは、前記発光素子のカソード端子又はアノード端子に接続されてもよい。
【0023】
前記カレントミラー回路は、複数の前記発光素子を発光させるための複数の前記駆動電流を生成し、
前記カレントミラー回路は、ゲート同士が接続された前記第1トランジスタ及び複数の前記第2トランジスタを有し、
前記複数の駆動電流のそれぞれは、対応する前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れてもよい。
【0024】
前記第1電圧は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光させる前記発光素子の数が多いほど、より高い電圧レベルに設定されてもよい。
【0025】
前記カレントミラー回路は、複数の前記発光素子を個別に発光制御可能な面発光装置を駆動してもよい。
【0026】
前記面発光装置に積層されてもよい。
【0027】
また、本開示によれば、物体に光を照射する発光装置と、
前記発光装置の駆動を制御する光源駆動装置と、
前記発光装置からの光が前記物体で反射された反射光を受光する受光装置と、
前記発光装置が照射した光と、前記受光装置が受光した反射光とに基づいて、前記物体の距離を計測する距離計測装置と、を備え、
前記光源駆動装置は、
発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光待機中の第1期間に前記ゲートを第1電圧に設定する第1制御回路と、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光中の第2期間に、前記ゲートを前記発光素子の発光輝度に応じた第2電圧に設定する第2制御回路と、を備え、
前記駆動電流は、前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れる、
測距システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の第1の実施形態に係る光源駆動装置の回路図である。
図2】本開示の第1の実施形態に係る光源駆動装置のタイミングチャートである。
図3】第1比較例に係る光源駆動装置のタイミングチャートである。
図4】第2比較例に係る光源駆動装置の構成を示す回路図である。
図5】本開示の第1の実施形態の一変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図6】本開示の第2の実施形態に係る光源駆動装置の回路図である。
図7】本開示の第1の実施形態に係る光源駆動装置の長パルスの発光時の状態を示すタイミングチャートである。
図8】本開示の第2の実施形態に係る光源駆動装置の長パルスの発光時の状態を示すタイミングチャートである。
図9】本開示の第2の実施形態の第1の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図10A】本開示の第2の実施形態に係る光源駆動装置に入力される各信号のタイミングチャートの第1例である。
図10B】本開示の第2の実施形態に係る光源駆動装置に入力される各信号のタイミングチャートの第2例である。
図10C】本開示の第2の実施形態に係る光源駆動装置に入力される各信号のタイミングチャートの第3例である。
図11】本開示の第2の実施形態の第2の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図12A】発光チャネル数のより多い状態である。
図12B】発光チャネル数のより少ない状態である。
図13】本開示の第2の実施形態の第2の変形例に係る光源駆動装置のタイミングチャートである。
図14】本開示の第2の実施形態の第3の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図15】本開示の第2の実施形態の第4の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図16】本開示の第2の実施形態の第5の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図17】本開示の第2の実施形態の第6の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図18】本開示の第2の実施形態の第7の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図19】本開示の第2の実施形態の第8の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図20】本開示の第2の実施形態の第9の変形例に係る光源駆動装置の回路図である。
図21】本開示の第1の実施形態に係る測距システムの一構成例を示すブロック図である。
図22】発光部の構造を示す断面図である。
図23A】STL方式の説明図である。
図23B】STL方式の測距原理についての説明図である。
図24】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図25】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、撮像装置及び撮像システムの実施形態について説明する。以下では、の主要な構成部分を中心に説明するが、撮像装置及び撮像システムには、図示又は説明されていない構成部分や機能が存在しうる。以下の説明は、図示又は説明されていない構成部分や機能を除外するものではない。
【0030】
本開示による光源駆動装置は、レーザ光源などの種々の発光素子を駆動する装置である。本開示による光源駆動装置は、1つの発光素子を駆動する場合だけでなく、複数の発光素子を同時に駆動する場合も念頭に置いている。また、本開示による光源駆動装置は、同時に発光させる発光素子の数を必要に応じて切り替えることも念頭に置いている。本開示による光源駆動装置によって駆動される発光素子の一例は、VCSELである。以下では、VCSELを駆動する光源駆動装置について主に説明するが、本開示による光源駆動装置が駆動する発光素子は必ずしもVCSELに限定されず、種々の発光素子の駆動に適用可能である。VCSELは、複数の発光素子を備えており、同時に発光させる発光素子の数を切り替えることができる。本明細書では、同時に発光させる発光素子の数を発光チャネル数と呼ぶ。
【0031】
(第1の実施形態)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る光源駆動装置1の回路図である。光源駆動装置1は、発光素子10を駆動する。光源駆動装置1は、カレントミラー回路13を備える。カレントミラー回路13は、トランジスタ(第1トランジスタ)Tr1と、トランジスタ(第2トランジスタ)Tr2と、電流源(第2電流源)11と、電流源(第1電流源)12とを有する。
【0032】
トランジスタTr1、Tr2は、ゲート同士が接続されている。以下では、トランジスタTr1、Tr2をNMOS(N channel Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタで構成する例を説明するが、PMOS(P channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタで構成してもよい。
【0033】
トランジスタTr2は、発光素子10ごとに設けられる。よって、複数の発光素子10が設けられる場合は、発光素子10の数分のトランジスタTr2が設けられる。各トランジスタTr2のゲートはいずれも、トランジスタTr1のゲートに接続される。
【0034】
発光素子10のアノード又はカソードのいずれか一方(例えば、カソード)は、トランジスタTr2のソースに接続されている。発光素子10のアノード又はカソードのいずれか他方(例えば、アノード)は、所定の高電圧電源ノードVPOSに接続されている。発光素子10は、アノードとカソードとの間に電流が流れることにより、電流に応じた輝度で発光する。
【0035】
トランジスタTr1は、光源駆動装置1に少なくとも1つ配置される。図1のトランジスタTr1のドレインは、電流源11、12に接続されるとともに、トランジスタTr1のゲートと短絡されている。
【0036】
電流源11は、発光素子10の発光待機中及び発光中に、発光素子10の発光輝度に応じた電流をトランジスタT1のドレイン-ソース間に流す。
【0037】
電流源12は、発光素子10の発光待機中及び発光中に、発光素子10の発光中におけるトランジスタTr2のゲートの寄生容量による電圧降下を補償する第1電圧にゲートを設定するのに必要な電流をトランジスタTr1のドレイン-ソース間に流す。
【0038】
光源駆動装置1が複数の発光素子10を駆動する場合、同時に発光される発光素子10の数が多いほど、電流源11、12はより多くの電流をトランジスタTr1のドレイン-ソース間に流す必要がある。同様に、電流源11、12は、発光素子10の発光輝度が高いほど、より多くの電流をトランジスタTr1のドレイン-ソース間に流す必要がある。
【0039】
図1に示すように、第1の実施形態に係る光源駆動装置1におけるカレントミラー回路13は、トランジスタTr3とトランジスタTr4を有する。以下では、トランジスタTr3、Tr4をNMOSトランジスタで構成する例を示すが、PMOSトランジスタで構成してもよい。
【0040】
トランジスタTr3は、トランジスタTr1のソースと基準電圧ノード(例えば、接地ノード)の間に接続される。トランジスタTr3のゲートはハイレベル電位に固定されており、トランジスタTr3は常にオン状態である。
【0041】
トランジスタTr4は、トランジスタTr2のソースと基準電圧ノード(例えば、接地ノード)の間に接続される。トランジスタTr4のゲートには、発光を指示する発光指示信号INが入力される。発光指示信号INは、発光素子10を発光させるタイミングに合わせてハイレベルになり、発光素子10を発光させない発光待機中はローレベルになる。トランジスタTr4は、発光指示信号INがハイレベルになるとオンし、トランジスタTr2のゲート電圧に応じた電流(駆動電流Idrv)が発光素子10に流れて、その電流に応じた輝度で発光する。
【0042】
上記の通り、カレントミラー回路13は、発光素子10を発光させるための駆動電流Idrvを生成する。光源駆動装置1が複数の発光素子10を駆動する場合は、カレントミラー回路13は、複数の駆動電流Idrvを生成するとともに、それぞれの駆動電流Idrvを対応するトランジスタTr2のドレイン―ソース間に供給する。これにより、カレントミラー回路13は、複数の発光素子10を個別に発光制御可能な面発光装置を駆動する。面発光装置については後述する。
【0043】
トランジスタTr2のゲートは寄生容量を有するため、発光素子10の発光中に発光素子10からトランジスタTr2のドレイン-ソース間に電流が流れると、トランジスタTr2のゲートの寄生容量によりゲート電圧が低下し、これが原因で発光素子10に流れる電流が減少し、発光素子10が所望の輝度より低い輝度でしか発光できなくなるおそれがある。具体的には、トランジスタTr2のゲートとドレインの間の寄生容量Cdgと、トランジスタTr2のゲートとソースの間の寄生容量Cgsによって、発光素子10の発光中に上述したトランジスタTr2のゲート電圧の低下が生じる。
【0044】
トランジスタTr2のゲートの寄生容量によるゲート電圧の低下を抑制するために、本開示の第1の実施形態に係る光源駆動装置1は、カレントミラー回路13内の第1トランジスタTr1のドレイン-ソース間に、電流源11からの電流を流すだけでなく、新たに設けた電流源12からの電流を流す。これにより、トランジスタTr2のゲートに、寄生容量Cgs、Cdgによるゲートの電圧降下を補償する電圧(第1電圧とも呼ぶ)が供給される。電流源12は、トランジスタTr2のゲートを第1電圧に設定するのに必要な電流を生成して、トランジスタTr1のドレイン-ソース間に供給する。本明細書では、電流源11が生成する電流をメイン電流、電流源12が生成する電流をアシスト電流と呼ぶことがある。
【0045】
上述したトランジスタTr2のゲートに付加される寄生容量Cgs、Cdgは、発光素子10ごとに存在し、同時に発光する発光素子10の数が多いほど、寄生容量Cgs、CdgによるトランジスタTr2のゲート電圧の低下量は大きくなる。したがって、電流源12は、同時に発光する発光素子10の発光チャネル数に応じたアシスト電流を生成するのが望ましい。
【0046】
図2は、本開示の第1の実施形態に係る光源駆動装置1のタイミングチャートである。図2は、時間に応じて変化する発光指示信号INの電圧レベル、発光素子10のカソード(Cathode)の電圧レベル、トランジスタTr2のソース(Source)の電圧レベル、トランジスタTr2のゲート(Gate)の電圧レベル、駆動電流Idrvの電流レベルを示している。
【0047】
時刻t0~t1は、発光素子10の発光待機期間である。本明細書では、この発光待機期間を第1期間とも呼ぶ。このとき、発光指示信号INはローレベルであり、トランジスタTr2のゲートは第1電圧の電圧レベルVcompである。このとき、発光素子10のカソードの電圧レベル及びトランジスタTr2のソースの電圧レベルは、所定のレベルに維持されている。
【0048】
続いて時刻t1~t2の間に、発光指示信号INがハイレベルになる。このとき、発光素子10に駆動電流Idrvが流れ始める。一方、時刻t1~t2において発光素子10のカソード電圧レベル及びトランジスタTr2のソース電圧レベルが低下する。これにより、トランジスタTr2のゲート電圧レベルが低下する。
【0049】
ここで、第1電圧の電圧レベルVcompは、発光素子10の所望の発光輝度に応じたトランジスタTr2のゲート電圧レベルVexpを、時刻t1~t2間の電圧降下量に応じて補償した電圧である。したがって、トランジスタTr2のゲート電圧は、時刻t1~t2における電圧降下後も、電圧レベルVexp以上の電圧を維持することができる。なお、電圧レベルVcompは、発光チャネル数が多いほど、より高い電圧レベルに設定される。
【0050】
続く時刻t2~t3は、発光素子10の発光期間である。本明細書では、この発光期間を第2期間とも呼ぶ。トランジスタTr2のゲート電圧は電圧レベルVexp以上であるため、駆動電流Idrvは所望の電流レベルIexp以上となる。これにより、光源駆動装置1は発光素子10を所望の発光輝度で発光させることができる。
【0051】
続く時刻t3~t4において、発光指示信号INがローレベルになるとともに、駆動電流Idrvがローレベルになる。これにともない、発光素子10のカソードの電圧レベル及びトランジスタTr2のソースの電圧レベルは、時刻t0~t1時点の所定のレベルになる。また、トランジスタTr2のゲート電圧レベルは、再び第1電圧の電圧レベルVcompになる。
【0052】
図3は、第1比較例に係る光源駆動装置のタイミングチャートである。図3は、図1に示した電流源12を持たない光源駆動装置における各信号の状態を示している。また、図3のグラフw1、w3は、それぞれ発光素子10の発光チャネル数が少ないときのトランジスタTr2のゲート電圧レベル、駆動電流Idrvの電流レベルを示している。グラフw2、w4は、それぞれ発光素子10の発光チャネル数が多いときのトランジスタTr2のゲート電圧レベル、駆動電流Idrvの電流レベルを示している。
【0053】
時刻t0~t1において、トランジスタTr2のゲート電圧は、発光素子10の所望の発光輝度に応じたトランジスタTr2のゲート電圧レベルVexpに設定されている。時刻t1~t2において発光指示信号INがハイレベルになる。このとき、発光素子10の発光チャネル数が少ない場合、ゲートの寄生容量による電圧降下量が小さいため、ゲート電圧の落ち込みは小さくなり、発光素子10に流れる駆動電流Idrvは所望の電流になる。
【0054】
一方、発光素子10の発光チャネル数が多い場合、グラフw2に示すようにトランジスタTr2のゲート電圧レベルは電圧レベルVexpから低下してしまう。このため、時刻t2~t3において、グラフw4に示すように、駆動電流Idrvは所望の電流レベルIexpを満たさず、発光素子10は所望の発光輝度で発光することができない。
【0055】
図3に示すように、第1比較例の光源駆動装置は、発光素子10の発光チャネル数が多い場合、発光素子10を所望の発光輝度で発光させることができない。
【0056】
図4は、第2比較例に係る光源駆動装置91の構成を示す回路図である。図4の光源駆動装置91は、電流源12の代わりにキャパシタCgateを備える。光源駆動装置91は、キャパシタCgateにより、トランジスタTr2のゲートの寄生容量による電圧降下を抑える。
【0057】
図3に示す通り、発光素子10の発光チャネル数により、トランジスタTr2のゲート電圧の電圧降下量が変動し、発光チャネル数が多いほど、ゲートの寄生容量による電圧降下量が大きくなる。したがって、発光チャネル数が多いほど、光源駆動装置91は大容量かつ大面積のキャパシタCgateを必要とする。このように、図4の光源駆動装置91は、大容量かつ大面積のキャパシタCgateを必要とし、光源駆動装置91を小型化できなくなる。
【0058】
これに対して、本開示の第1の実施形態に係る光源駆動装置1は、電流源12によってトランジスタTr2のゲートの寄生容量による電圧降下を補償する。これにより、発光チャネル数が多い場合でも、光源駆動装置1を大面積化することなく、所望の発光輝度が得られる。
【0059】
上記の通り、発光チャネル数が増大するにしたがって、電流源12はより多くの電流を生成する必要がある。光源駆動装置1は、電流源12の電流量を増幅させる構成を有していてもよい。
【0060】
図5は、本開示の第1の実施形態の一変形例に係る光源駆動装置1aの回路図である。図5では、図1と共通する構成部材には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。図5の光源駆動装置1aは、図1の光源駆動装置とは異なる構成の電流源(第1電流源)12aを備える。電流源12aは、カレントミラー回路のトランジスタTr1のゲートに複数のトランジスタTr2の各ゲートが接続されている場合には、同時に発光される発光素子10の数(発光チャネル数)が多いほど、より多くの電流をトランジスタTr1のドレイン-ソース間に流す。
【0061】
電流源12aは、図1と同様の電流源12に加えて、発光チャネル数に応じた電流を生成する電流源12bを有する。電流源12bは、例えば、カレントミラー回路20を用いて構成される。
【0062】
カレントミラー回路20は、ゲート同士がそれぞれ接続されるトランジスタTr11と、複数のトランジスタTr12を有する。複数のトランジスタTr12は、発光素子10の数に応じた数だけ設けられる。トランジスタTr11、Tr12は、例えばPMOSトランジスタである。これらトランジスタTr11、Tr12のソースは所定の高電圧電源ノードVDDに接続されている。トランジスタTr11のゲートは、トランジスタTr11のドレインに短絡されている。トランジスタTr11のドレインは、電流源12に接続されている。複数のトランジスタTr12のドレインは、トランジスタTr1のドレイン及びゲートに接続されている。
【0063】
カレントミラー回路20は、トランジスタTr11のドレインから電流源12に流れる電流に比例した電流を、複数のトランジスタTr12のソース-ドレイン間に流す。トランジスタTr1のドレイン-ソース間には、複数のトランジスタTr12のソース-ドレイン間を流れる電流を合算した電流が流れる。
【0064】
図5では省略しているが、発光チャネル数に応じてカレントミラー回路20内の複数のトランジスタTr12の数を可変させることにより、発光素子10の発光チャネル数に応じて電流源12aを流れる電流を可変制御できる。
【0065】
このように、本開示の第1の実施形態に係る光源駆動装置1は、発光素子10の駆動電流Idrvを生成するトランジスタTr2のゲートの寄生容量によるゲート電圧の降下を補償するための電流源12を備えるため、発光素子10の発光中にトランジスタTr2のゲート電圧が必要以上に低下するおそれがなくなり、所望の発光輝度で発光素子10を発光させることができる。電流源12は、少数のトランジスタを用いて構成できるため、大容量かつ大面積のキャパシタを設ける必要がなくなり、小さい回路規模で光源駆動装置1を構成できる。
【0066】
また、光源駆動装置1は、発光待機中に設定するトランジスタTr2のゲート電圧を発光チャネル数に応じて制御できるため、発光チャネル数が変化しても、最適な発光輝度で各発光素子10を発光させることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
第1の実施形態の光源駆動装置1においては、発光期間中にトランジスタTr2のゲート電圧及び駆動電流Idrvが変動する。第2の実施形態は、発光期間中にトランジスタTr2のゲート電圧及び駆動電流Idrvを変動させないことを特徴とする。
【0068】
図6は、本開示の第2の実施形態に係る光源駆動装置1bの回路図である。図6の光源駆動装置1bは、発光素子10を発光させるための駆動電流Idrvを生成するカレントミラー回路13を備える。カレントミラー回路13は、ゲート同士が接続されたトランジスタ(第1トランジスタ)Tr1及びトランジスタ(第2トランジスタ)Tr2と、第1制御回路41と、第2制御回路42とを有する。
【0069】
第1制御回路41は、トランジスタTr1のドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、発光素子10の発光待機中の第1期間にトランジスタTr1、Tr2のゲートを第1電圧に設定する。第1制御回路41は、第2期間にトランジスタTr2のゲート電圧がトランジスタTr2のゲートの寄生容量に応じて低下する電圧降下を補償するべく、第1電圧の電圧レベルを設定する。
【0070】
第2制御回路42は、トランジスタTr1のドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、発光素子10の発光中の第2期間に、トランジスタTr1、Tr2のゲートを発光素子10の発光輝度に応じた第2電圧に設定する。第2電圧は、発光チャネル数と発光輝度に応じた電圧レベルの電圧である。
【0071】
第1制御回路41は、抵抗素子31を有する。抵抗素子31は、トランジスタTr1のソースと基準電圧ノード(例えば、接地ノード)との間に接続されている。抵抗素子31は、発光待機中の第1期間に、トランジスタTr1のソースを、第1電圧に応じた第3電圧に設定する。抵抗素子31によって、第1期間にトランジスタTr1のソースを第3電圧に設定することで、第1期間にトランジスタTr1のゲートを第1電圧に設定できる。
【0072】
上述したように、抵抗素子31は、第1期間にトランジスタTr1のソースを第3電圧に設定するためのものであり、抵抗素子以外の種々のインピーダンス素子(例えば、トランジスタ又はキャパシタなど)を含むインピーダンス回路を用いて構成することができる。
【0073】
第2制御回路42は、トランジスタ(第3トランジスタ)Tr3を有する。トランジスタTr3は、トランジスタTr1のソースと基準電圧ノード(例えば、接地ノード)との間に接続される。トランジスタTr3は、発光中である第2期間に、トランジスタTr1のドレイン-ソース間を流れる電流を抵抗素子31に流さずにトランジスタTr3のドレイン-ソース間に流す。
【0074】
より詳細には、トランジスタTr3のドレインはトランジスタTr1のソースに接続され、トランジスタTr3のソースは基準電圧ノードに接続され、トランジスタTr3のゲートには、発光期間中にハイレベルとなるXASSIST信号が供給される。
【0075】
抵抗素子31は、発光待機中にトランジスタTr2のゲート電圧レベルを高くするために用いられる。抵抗素子31は、トランジスタTr3のオン抵抗よりも高い抵抗値を有する。
【0076】
第1制御回路41と第2制御回路42は、電流源11を共有する。電流源11は、基準電圧ノード(例えば、電源電圧ノードVDD)とトランジスタTr1のドレインとの間に接続される。発光待機中の第1期間には、電流源11からの電流は、トランジスタTr1のドレイン-ソース間を通って、抵抗素子31に流れ、トランジスタTr1のソースは第3電圧に設定されるとともに、トランジスタTr1のゲートは第1電圧に設定される。発光中の第2期間には、電流源11からの電流は、トランジスタTr1のドレイン-ソース間を通って、トランジスタTr3のドレイン-ソース間に流れ、トランジスタTr1のゲートは発光輝度に応じた第2電圧に設定される。
【0077】
上述したように、トランジスタTr3のオン抵抗は、抵抗素子31の抵抗値よりも小さいため、トランジスタTr3がオンすると、電流源11からの電流は、抵抗素子31には流れずに、トランジスタTr3のドレイン-ソース間に流れる。よって、発光待機中の第1期間と発光中の第2期間で、トランジスタTr1、Tr2のゲート電圧を相違させることができる。
【0078】
図7は、第1の実施形態に係る光源駆動装置1において、発光素子10の連続発光期間が長い場合のタイミングチャートである。本明細書では、発光素子10の連続発光期間が長いことを長パルス、短いことを短パルスと呼ぶ。図7のタイミングチャートでは、十分に長い時間である時刻t2~t11にかけて長パルスの発光が行われる。また、時刻t11~t12において発光指示信号INがローレベルになる。
【0079】
図7に示すように、第1の実施形態の光源駆動装置1においては、発光期間中にトランジスタTr2のゲート電圧が上昇し続ける。したがって、トランジスタTr2のゲート電圧は所望の電圧レベルである第2電圧Vexpよりも大きくなるとともに、駆動電流Idrvが所望の電流レベルIexpよりも大きくなる。これにより、発光素子10は所望の発光輝度より高い輝度で発光してしまう。
【0080】
図8は、第2の実施形態に係る光源駆動装置1bが長パルス発光を行う場合のタイミングチャートである。図8は、図7に示す信号のほか、トランジスタTr3のゲートに供給されるXASSIST信号を図示している。
【0081】
上述の通り、XASSIST信号は、時刻t0~t1においてはローレベルである。時刻t0~t1において電流源11の電流は抵抗素子31に流れ、トランジスタTr2の電圧レベルは発光輝度に応じた第2電圧Vexpよりも高い電圧レベルである第1電圧Vcompに維持される。これにより、時刻t1~t2の間(発光待機中)に発光素子10のカソードの電圧及びトランジスタTr2のソース電圧が低下しても、トランジスタTr2のゲートを第2電圧Vexp以上の電圧レベルに維持することができる。
【0082】
XASSIST信号は、発光指示信号INと同様に、時刻t1~t2にかけてハイレベルになる。XASSIST信号がハイレベルになることにより、時刻t2~t11において電流源11の電流はトランジスタTr3のドレイン-ソース間を流れる。これにより、トランジスタTr2のゲートは、発光期間中において、所望の電圧レベルである第2電圧Vexpを維持することができる。また、駆動電流Idrvは発光期間中に所望の電流レベルIexpに維持されることにより、発光素子10は長パルス発光の場合でも所望の発光輝度で発光することができる。なお、XASSIST信号は、時刻t11~t12にかけてローレベルになる。
【0083】
上述したように、図6の抵抗素子31は、種々のインピーダンス素子を含むインピーダンス回路に置換することができる。図9は、本開示の第2の実施形態の第1の変形例における光源駆動装置1cの構成を示す回路図である。例えば、図9の第1制御回路41aは、図6の抵抗素子31の代わりに、トランジスタ(第3トランジスタ)Tr21を有する。また、図9ではトランジスタTr3を第4トランジスタと呼ぶ。
【0084】
トランジスタTr21は、発光待機期間(第1期間)に、トランジスタTr1のソースを第1電圧に応じた第3電圧に設定する。トランジスタTr21は、例えばNMOSトランジスタである。トランジスタTr21のドレインは、トランジスタTr1のソース及びトランジスタTr3のドレインに接続される。トランジスタTr21のソースは、例えば接地電圧ノードに接続される。トランジスタTr21のゲートには、発光期間中にローレベルとなるASSIST信号が供給される。
【0085】
トランジスタTr21には、トランジスタTr3よりも駆動能力の低いトランジスタが用いられる。トランジスタTr21には、例えば、トランジスタTr3よりもチャネル幅が小さいものが用いられてもよいし、トランジスタTr3よりもチャネル長が大きいものが用いられてもよい。トランジスタTr21の駆動能力をトランジスタTr3よりも低くすることにより、トランジスタTr21のオン抵抗を、トランジスタTr3のオン抵抗よりも大きくすることができる。
【0086】
図10A図10B、及び図10Cは、光源駆動装置1cに入力される各信号のタイミングチャートである。図10A図10Cは、発光指示信号IN、XASSIST信号及びASSIST信号のタイミングを図示している。なお、本明細書ではXASSIST信号、ASSIST信号を、それぞれ第1制御信号、第2制御信号とも呼ぶ。
【0087】
図10Aに示す第1例では、図8と同様に、XASSIST信号は発光指示信号INがハイレベルに遷移するタイミングでハイレベルに遷移し、発光指示信号INがローレベルに遷移するタイミングでローレベルに遷移する。一方、ASSIST信号は発光指示信号INがハイレベルに遷移するタイミングでローレベルに遷移し、発光指示信号INがローレベルに遷移するタイミングでハイレベルに遷移する。
【0088】
図10Bでは、発光指示信号INがハイレベルに遷移するタイミングで、図10Aと同様に、XASSIST信号はハイレベルに遷移し、かつASSIST信号はローレベルに遷移する。一方、発光指示信号INがローレベルに遷移したタイミングから遅れて、XASSIST信号はローレベルに遷移し、かつASSIST信号はハイレベルに遷移する。
【0089】
図10Cでは、発光指示信号INがハイレベルに遷移する前に、XASSIST信号はハイレベルに遷移し、かつASSIST信号はローレベルに遷移する。一方、発光指示信号INがローレベルに遷移するタイミングで、XASSIST信号はローレベルに遷移し、かつASSIST信号はハイレベルに遷移する。
【0090】
図10A図10B、及び図10Cのいずれも、発光指示信号INがハイレベルの期間には、XASSIST信号はハイレベルで、かつASSIST信号はローレベルであり、図6及び図9の光源駆動装置は正常に動作する。
【0091】
上述したように、発光チャネル数を可変制御する場合、発光待機中の第1期間にトランジスタTr1、Tr2のゲートを発光チャネル数に応じた電圧レベルの第1電圧に設定するのが望ましい。このような制御を図6又は図9の光源駆動装置で実現するには、例えば、図6の抵抗素子31を可変抵抗素子に変更する、又は図9のトランジスタTr21のゲート電圧を可変制御することが考えられる。
【0092】
図11は、本開示の第2の実施形態の第2の変形例における光源駆動装置1dの構成を示す回路図である。図11の第1制御回路41bは、図6の抵抗素子31の代わりに、可変インピーダンス回路32を有する。可変インピーダンス回路32の一端は、トランジスタTr1のソース及びトランジスタTr3のドレインに接続される。可変インピーダンス回路32の他の一端は、例えば接地電圧ノードに接続される。
【0093】
可変インピーダンス回路32は、例えば、可変抵抗素子、トランジスタ、又は並列接続された複数の抵抗素子と各抵抗素子に直列に接続されたスイッチなどで構成可能である。可変インピーダンス回路32のインピーダンス値(例えば、抵抗値)は、発光チャネル数に応じた値に設定される。
【0094】
図12A及び図12Bは面発光装置(VCSEL)2の発光状態の一例を示す図である。図12Aは同時に発光させる発光チャネル数が多い例を示し、図12Bは発光チャネル数が少ない例を示す。面発光装置2は、二次元方向に配列された複数の発光素子を有する。図12A図12Bの黒丸は発光中の発光素子10aを示し、白丸は発光していない発光素子10bを示す。
【0095】
図12A図12Bでは、光源駆動装置1が、面発光装置2の列ごとに発光チャネル数を切り替える例を示すが、行ごとに発光チャネル数を切替可能にしてもよいし、任意の1個以上の発光素子を単位として、発光を制御できるようにしてもよい。なお、光源駆動装置1は面発光装置2に積層されている。
【0096】
図13は、本開示の第2の実施形態の第2の変形例における光源駆動装置1dのタイミングチャートである。図13のグラフw11は、発光素子10の発光チャネル数が多いとき(すなわち、図12A)のトランジスタTr2のゲート電圧レベルを示している。グラフw12は、発光チャネル数が少ないとき(すなわち、図12B)のトランジスタTr2のゲート電圧レベルを示している。
【0097】
発光素子10の発光チャネル数が多いときは、発光中におけるトランジスタTr2のゲート電圧レベルの電圧降下が大きい。このため、発光待機中のトランジスタTr2のゲート電圧レベルは、より大きい電圧レベルVcompAに調整されるのが望ましい。したがって、発光素子10の発光チャネル数が多いほど、可変インピーダンス回路32のインピーダンス値はより大きい値に設定される。
【0098】
一方、発光素子10の発光チャネル数が少ないときは、発光待機中のトランジスタTr2のゲート電圧レベルは、より小さい電圧レベルVcompBに調整されるのが望ましい。したがって、可変インピーダンス回路32のインピーダンス値はより小さい値に設定される。
【0099】
図14は、本開示の第2の実施形態の第3の変形例に係る光源駆動装置1eの回路図である。図14の光源駆動装置1eは、図6図9、及び図11とは異なる構成の第1制御回路41cを備える。第2制御回路42の構成は、図6等と同じである。図14の第1制御回路41cは、カレントミラー回路13の入力部であるトランジスタTr1のドレインと、電流源11との間に接続されるという点で異なる。第1制御回路41cは、トランジスタ(第3トランジスタ)Tr21と、トランジスタ(第4トランジスタ)Tr22とを有する。また、図14ではトランジスタTr3を第5トランジスタと呼ぶ。
【0100】
トランジスタTr21のドレインは、電流源11及びトランジスタTr1のドレインに接続されているとともに、トランジスタTr21のゲートと短絡されている。トランジスタTr21のソースは、トランジスタTr22のドレインに接続されている。トランジスタTr21は、実質的にダイオードとして機能する。
【0101】
トランジスタTr21、Tr22は、発光待機中の第1期間に、トランジスタTr1のドレイン及びゲートを第1電圧に設定する。Tr22には、例えばNMOSトランジスタが用いられる。トランジスタTr22のソースは、例えば接地電圧ノードに接続される。トランジスタTr22のゲートには、図9に示すASSIST信号が入力される。トランジスタTr22は、発光待機中にオンするとともに、発光期間にオフする。
【0102】
トランジスタTr21及びTr22は、トランジスタTr1及びTr3とは並列に接続されている。トランジスタTr21及びTr22には、トランジスタTr1及びTr3よりも駆動能力の低いトランジスタが用いられる。よって、トランジスタTr22とトランジスタTr21からなる直列回路は、トランジスタTr1とトランジスタTr3からなる直列回路よりも、抵抗値が大きくなる。
【0103】
図9の例と同様に、発光待機中には、電流源11の電流はトランジスタTr21及びTr22に流れる。これにより、発光待機中のトランジスタTr2のゲート電圧レベルは、トランジスタTr21及びTr22の抵抗値に応じたレベルになる。また、発光期間中において、電流源11の電流はトランジスタTr1及びTr3を流れる。これにより、図9と同様に、発光期間中のトランジスタTr2のゲート電圧レベルは、発光輝度に応じた電圧レベルになる。
【0104】
図15は、本開示の第2の実施形態の第4の変形例に係る光源駆動装置1fの回路図である。図15の第1制御回路41dは、電流源11とトランジスタTr22の間に接続される可変インピーダンス回路32を新たに追加した点で、図14の第1制御回路41cと異なるものの、その他の構成は図14と同じである。
【0105】
図15の可変インピーダンス回路32は、一端が電流源11及びトランジスタTr1のドレインに接続されている。トランジスタTr22のドレインは、可変インピーダンス回路32の他端に接続されている。図11と同様、第1制御回路41dは、可変インピーダンス回路32により、発光素子10の発光チャネル数の増減に応じた第2電圧を、発光待機中に第2トランジスタTr2のゲートに設定できる。
【0106】
図16は、本開示の第2の実施形態の第5の変形例に係る光源駆動装置1gの回路図である。図16の光源駆動装置1gは、電流源11と、トランジスタTr1の間に2つの電流経路を有するという点に特徴がある。
【0107】
図16の第1制御回路41eは、可変インピーダンス回路32と第1切替器33とを有する。第2制御回路42aは、トランジスタTr3と第2切替器34とを有する。電流源11は、第1制御回路41e及び第2制御回路42aで共有される。
【0108】
第1切替器33には図9のASSIST信号が入力される。第1切替器33はASSIST信号がローレベルのときにオフになり、第1切替器33を流れる電流を遮断する。第2切替器34は、ローレベルのXASSIST信号が入力されるときにオフになるとともに、第2切替器34を流れる電流を遮断する。
【0109】
トランジスタTr3は、トランジスタTr1及び接地電圧ノードの間に配置される。トランジスタTr3のゲートはハイレベル電位に固定されており、トランジスタTr3は常にオン状態であり、電流源として機能する。
【0110】
第1切替器33は一端が電流源11、第2切替器34の一端に接続され、他の一端が可変インピーダンス回路32に接続される。可変インピーダンス回路32は、第1切替器33と接続される一端とは異なる一端がトランジスタTr1のドレインに接続される。第2切替器34は、第1切替器33と接続される一端とは異なる一端がトランジスタTr1のドレインに接続される。トランジスタTr1のゲートは、トランジスタTr2のゲートに接続されているとともに、電流源11、第1切替器33、第2切替器34の間のノードに接続されている。
【0111】
電流源11の電流は、発光待機中は第1切替器33及び可変インピーダンス回路32に流れる。これにより、発光待機中のトランジスタTr2のゲート電圧レベルは、可変インピーダンス回路32の抵抗値に応じたレベルになる。電流源11の電流は、発光期間中は第2切替器34に流れるとともに、トランジスタTr3を介して接地電圧ノードに流れる。これにより、発光期間中のトランジスタTr2のゲート電圧レベルは、発光輝度に応じた電圧レベルになる。
【0112】
図17は、本開示の第2の実施形態の第6の変形例に係る光源駆動装置1hの回路図である。図17の光源駆動装置1hにおけるカレントミラー回路13は、第1制御回路41fと、第2制御回路42bと、第1制御回路41f及び第2制御回路42bで共有される電流源11と、第1切替器33と、第2切替器34とを有する。
【0113】
第1切替器33は、電流源11の出力ノードとトランジスタTr2のゲートとを接続するか遮断するかを切り替える。
【0114】
第2切替器34は、トランジスタTr1のゲートとトランジスタTr2のゲートとを接続するか遮断するかを切り替える。
【0115】
第1制御回路41fは、電流源11の出力ノードと第1トランジスタTr1のドレインとの間に接続される可変インピーダンス回路32と、を有する。
【0116】
第1制御回路41fは、第1期間には、第1切替器33にて電流源11の出力ノードとトランジスタTr2のゲートとを接続させて、電流源11の出力ノードの電圧レベルである第1電圧をトランジスタTr2のゲートに供給する。
【0117】
第2制御回路42bは、第2期間には、第2切替器34にてトランジスタTr1のゲート及びドレインをトランジスタTr2のゲートに接続させて、第2電圧をトランジスタTr2のゲートに供給する。
【0118】
上述した各実施形態及びその変形例に係る光源駆動装置内の各トランジスタの導電型を逆にすることも可能である。例えば、図9のトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr21には、PMOSトランジスタが用いられてもよい。図18は、本開示の第2の実施形態の第7の変形例に係る光源駆動装置1iの回路図である。図18の光源駆動装置1iは、トランジスタTr1a、Tr2a、Tr3a、Tr4a、Tr21aを有する。トランジスタTr21aは、第1制御回路41gを構成する。トランジスタTr3aは、第2制御回路42cを構成する。
【0119】
図18のトランジスタTr1a、Tr2a、Tr3a、Tr4a、Tr21aは、図9のトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr21にそれぞれ対応するとともに、それぞれPMOSトランジスタで構成される。図18のトランジスタTr1a、Tr2a、Tr3a、Tr4a、Tr21aは、図9の対応するトランジスタとは、ソースとドレインとの接続関係が入れ替わる。また、トランジスタTr3a、Tr4a、Tr21aのソースは、高電圧電源ノードVPOSに接続される。図18の発光素子10は、アノードがトランジスタTr2aのドレインに接続され、カソードが接地電圧ノードに接続されている。電流源11は、一端が接地電圧ノードに接続され、他の一端がトランジスタTr1aのドレインに接続されている。また、図18の発光指示信号IN、ASSIST信号、XASSIST信号は、図9とは論理が逆の信号になる。
【0120】
図18のトランジスタTr2aのゲート電圧レベルは、図9と同様に、発光期間中は発光輝度に応じた電圧レベルになるとともに、発光待機中はトランジスタTr21aのオン抵抗に応じたレベルになる。
【0121】
図18の第1制御回路41gは、図11と同様に、可変インピーダンス回路32で構成されてもよい。図19は、本開示の第2の実施形態の第8の変形例に係る光源駆動装置1jの回路図である。図19の第1制御回路41hは、トランジスタTr21aの代わりに、可変インピーダンス回路32aを有する。可変インピーダンス回路32aの一端は、図11の可変インピーダンス回路32と異なり、高電圧電源ノードVPOSに接続される。可変インピーダンス回路32aの他端は、トランジスタTr1aのソース及びトランジスタTr3aのドレインに接続される。
【0122】
図11と同様に、トランジスタTr2aのゲート電圧レベルは、発光待機中は可変インピーダンス回路32aの抵抗値に応じたレベルになる。
【0123】
本開示の第1の実施形態に係る電流源12は、本開示の第2実施形態に係る光源駆動装置に適用されてもよい。図20は、本開示の第2の実施形態の第9の変形例に係る光源駆動装置1kの回路図である。図20の光源駆動装置1kは、図6の光源駆動装置1bの構成に加え、図1の電流源12を有する。電流源12は、図1と同様に、一端がトランジスタTr1のソースのドレインに接続される。電流源12の他の一端は、例えば高電圧電源ノードVDDに接続される。
【0124】
図20の光源駆動装置1kは、発光期間中のトランジスタTr2のゲート電圧の降下を、電流源12及び抵抗素子31によって補償することができる。同様に、電流源12は光源駆動装置1c~1jのいずれに適用されてもよい。また、光源駆動装置1c~1jに図5の電流源12a、12bが適用されてもよい。
【0125】
このように、第2の実施形態では、発光素子10に流れる駆動電流Idrvを生成するカレントミラー回路13を構成する第1トランジスタTr1と第2トランジスタTr2のゲート電圧を、発光待機中は第1制御回路41で第1電圧に制御し、発光中は第2制御回路42で第2電圧に制御する。第1制御回路41は、発光中に第2トランジスタTr2のゲートの寄生容量によりゲート電圧が降下することを補償するべく、第1電圧を制御する。これにより、連続発光期間が長くても、上述したゲート電圧が上昇することがなく、安定した発光輝度で発光させることができる。また、発光素子10の発光輝度を切り替える場合、又は発光チャネル数を切り替える場合であっても、発光素子10を最適な発光輝度で発光させることができる。
【0126】
(測距装置)
図21は、本開示に係る測距システム50の一構成例を示すブロック図である。図21の測距システム50は、任意の被写体Sに光を照射し、その反射光を受光することで、被写体Sとの距離を計測するものである。測距システム50は、発光部3、駆動回路4、電源回路5、発光側光学系51、受光側光学系52、受光部53、信号処理部54、制御部55、及び温度検出部56を備えている。
【0127】
本開示の光源駆動装置1、面発光装置2は、例えば駆動回路4、発光部3にそれぞれ配置される。発光部3は、発光装置とも呼ばれる。受光部53は、受光装置とも呼ばれる。信号処理部54及び制御部55は、距離計測装置とも呼ばれる。
【0128】
発光部3は、複数の光源により光を発する。発光部3は、各光源として、例えばVCSELによる発光素子を有している。発光部3は、それら発光素子が例えばマトリクス状等の所定態様により配列されて構成されている。
【0129】
駆動回路4は、発光部3を駆動するための電源回路5を有して構成される。電源回路5は、例えば測距システム50に設けられた不図示のバッテリ等からの入力電圧に基づき、駆動回路4の電源電圧を生成する。駆動回路4は、該電源電圧に基づいて発光部3を駆動する。
【0130】
発光部3より発せられた光は、発光側光学系51を介して測距対象としての被写体(対象物)Sに照射される。そして、このように照射された光の被写体Sからの反射光は、受光側光学系52を介して受光部53の受光面に入射する。
【0131】
受光部53は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の受光素子とされ、上記のように受光側光学系52を介して入射する被写体Sからの反射光を受光し、電気信号に変換して出力する。
【0132】
受光部53は、受光した光を光電変換して得た電気信号について、例えばCDS(Correlated Double Sampling)処理、AGC(Automatic Gain Control)処理などを実行し、さらにA/D(Analog/Digital)変換処理を行う。そしてデジタルデータとしての信号を、後段の信号処理部54に出力する。
【0133】
また、本例の受光部53は、フレーム同期信号を駆動回路4に出力する。これにより駆動回路4は、発光部3における発光素子を受光部53のフレーム周期に応じたタイミングで発光させることが可能とされる。
【0134】
信号処理部54は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等により信号処理プロセッサとして構成される。信号処理部54は、受光部53から入力されるデジタル信号に対して、各種の信号処理を施す。
【0135】
制御部55は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するマイクロコンピュータ、或いはDSP等の情報処理装置を備えて構成され、発光部3による発光動作を制御するための駆動回路4の制御や、受光部53による受光動作に係る制御を行う。
【0136】
制御部55は、測距部55aとしての機能を有する。測距部55aは、信号処理部54を介して入力される信号(つまり被写体Sからの反射光を受光して得られる信号)に基づき、被写体Sまでの距離を測定する。本例の測距部55aは、被写体Sの三次元形状の特定を可能とするために、被写体Sの各部について距離の測定を行う。なお、測距システム50における具体的な測距の手法については後に改めて説明する。
【0137】
温度検出部56は、発光部3の温度を検出する。温度検出部56としては、例えばダイオードを用いて温度検出を行う構成を採ることができる。本例では、温度検出部56により検出された温度の情報は駆動回路4に供給され、これにより駆動回路4は該温度の情報に基づいて発光部3の駆動を行うことが可能とされる。
【0138】
図22は発光部3の構造を示す断面図である。上述のように発光部3は、複数の発光素子10を有する。複数の発光素子10は、互いに対向する基板61と基板62の間に配置されるとともに、基板61上の積層膜63をメサ形状に加工して形成される。
【0139】
基板61は、例えばLD(Laser Diode)基板であり、GaAs(ガリウムヒ素)等の化合物半導体を材料として形成される。基板61の基板62に対向する面が表(おもて)面であり、レーザ光は基板61の裏面側から出射される。積層膜63は、第1多層膜反射鏡、第1スペーサ層、活性層、第2スペーサ層、及び第2多層膜反射鏡などを含んでおり、活性層で発生されたレーザ光を第1多層膜反射鏡と第2多層膜反射鏡の間で共振させて光強度を向上させ、基板の裏面側から出射する。このように、図22の発光部3は裏面照射型である。本明細書では、図22のような層構成の発光素子10をVCSEL構造と呼ぶ。
【0140】
基板61は、複数のパッド64と、共通電極65とを備えている。パッド64は、例えばコンタクト電極、反射電極、及びパッド電極で構成される。パッド64は発光素子10のアノード電極又はカソード電極のいずれか一方(例えば、アノード電極)を有する。また、共通電極65はアノード電極又はカソード電極のいずれか他方(例えば、カソード電極)により構成される。基板61側から見て、各発光素子10の上面にはパッド64が配置されている。同様に、基板61の端部側に配置される積層膜63の上面及び側面には共通電極65が配置されている。共通電極65は、基板61側から見て、複数の発光素子10の積層膜63の最下層側にも配置されている。
【0141】
基板62は、例えばLDD(Laser Diode Driver)基板であり、複数の発光素子10に駆動信号を供給するための複数のパッド66を有する。複数のパッド66の上には、接合層67が配置されており、接合層67を介して、基板62のパッド66と、基板61の対応するパッド64とが接合される。接合層67は、半田材料等を含む積層膜である。基板61と基板62の間の隙間には、基板61及び基板62の接合部分を保護し、剥離等を防止するアンダーフィル層が注入されてもよい。
【0142】
図21の駆動回路4は、基板62に配置されてもよい。この場合、基板62はアクティブ駆動を行う。あるいは、基板62は、外部の駆動回路4で生成された駆動信号に応じた電圧をパッド66に供給してもよい。この場合、基板62は、パッシブ駆動を行う。
【0143】
(測距手法)
測距システム50における測距手法としては、例えばSTL(Structured Light:構造化光)方式やToF(Time of Flight:光飛行時間)方式による測距手法を採用することができる。
【0144】
STL方式は、例えばドットパターンや格子パターン等の所定の明/暗パターンを有する光を照射された被写体Sの画像に基づいて距離を測定する方式である。
【0145】
図23Aは、STL方式の説明図である。STL方式では、例えば図23Aに示すようなドットパターンによるパターン光Lpを被写体Sに照射する。パターン光Lpは、複数のブロックBLに分割されており、各ブロックBLにはそれぞれ異なるドットパターンが割当てられている(ブロックB間でドットパターンが重複しないようにされている)。
【0146】
図23Bは、STL方式の測距原理についての説明図である。
ここでは、壁Wとその前に配置された箱BXとが被写体Sとされ、該被写体Sに対してパターン光Lpが照射された例としている。図中の「G」は受光部53による画角を模式的に表している。
【0147】
また、図中の「BLn」はパターン光Lpにおける或るブロックBLの光を意味し、「dn」は受光部53による受光画像に映し出されるブロックBLnのドットパターンを意味している。
【0148】
ここで、壁Wの前の箱BXが存在しない場合、受光画像においてブロックBLnのドットパターンは図中の「dn’」の位置に映し出される。すなわち、箱BXが存在する場合と箱BXが存在しない場合とで、受光画像においてブロックBLnのパターンが映し出される位置が異なるものであり、具体的には、パターンの歪みが生じる。
【0149】
STL方式は、このように照射したパターンが被写体Sの物体形状によって歪むことを利用して被写体Sの形状や奥行きを求める方式となる。具体的には、パターンの歪み方から被写体Sの形状や奥行きを求める方式である。
【0150】
STL方式を採用する場合、受光部53としては、例えばグローバルシャッタ方式によるIR(Infrared:赤外線)受光部が用いられる。そして、STL方式の場合、測距部55aは、発光部3がパターン光を発光するように駆動回路4を制御すると共に、信号処理部54を介して得られる画像信号についてパターンの歪みを検出し、パターンの歪み方に基づいて距離を計算する。
【0151】
続いて、ToF方式は、発光部3より発された光が対象物で反射されて受光部53に到達するまでの光の飛行時間(時間差)を検出することで、対象物までの距離を測定する方式である。
【0152】
ToF方式として、いわゆるダイレクトToF(dTOF)方式を採用する場合、受光部53としてはSPAD(Single Photon Avalanche Diode)を用い、また発光部3はパルス駆動する。この場合、測距部55aは、信号処理部54を介して入力される信号に基づき、発光部3より発せられ受光部53により受光される光について発光から受光までの時間差を計算し、該時間差と光の速度とに基づいて被写体Sの各部の距離を計算する。
【0153】
なお、ToF方式として、いわゆるインダイレクトToF(iTOF)方式(位相差法)を採用する場合、受光部53としては例えばIRを受光することのできる受光部が用いられる。
【0154】
(移動体への応用例)
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0155】
図24は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0156】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図24に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0157】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0158】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0159】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0160】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0161】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0162】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0163】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0164】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0165】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図24の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0166】
図25は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0167】
図25では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0168】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0169】
なお、図25には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0170】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0171】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0172】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0173】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0174】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。具体的には、撮像部12031とともに、本開示による光源駆動装置1及び面発光装置2を設ければよい。撮像部12031に、本開示に係る技術を適用することにより、電磁ノイズの発生を抑制しつつ、距離画像の解像度を向上させることができ、車両12100の機能性および安全性を高めることができる。
【0175】
なお、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光中における前記第2トランジスタのゲートの寄生容量による電圧降下を補償する第1電圧に前記ゲートを設定するのに必要な電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第1電流源と、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光輝度に応じた電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第2電流源と、を備える、
光源駆動装置。
(2)前記第2電流源は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光される前記発光素子の数が多いほど、より多くの電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す、
(1)に記載の光源駆動装置。
(3)発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光待機中の第1期間に前記ゲートを第1電圧に設定する第1制御回路と、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光中の第2期間に、前記ゲートを前記発光素子の発光輝度に応じた第2電圧に設定する第2制御回路と、を備え、
前記駆動電流は、前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れる、
光源駆動装置。
(4)前記第1制御回路は、前記第2期間に前記第2トランジスタのゲート電圧が前記第2トランジスタのゲートの寄生容量に応じて低下する電圧降下を補償するべく、前記第1電圧の電圧レベルを設定する、
(3)に記載の光源駆動装置。
(5)前記第1制御回路は前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのソースを前記第1電圧に応じた第3電圧に設定するインピーダンス回路を有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記インピーダンス回路に流さずにドレイン-ソース間に流す第3トランジスタを有する、
(3)又は(4)に記載の光源駆動装置。
(6)前記カレントミラー回路は、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光中における前記第2トランジスタのゲートの寄生容量による電圧降下を補償する第1電圧に前記ゲートを設定するのに必要な電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第1電流源と、
前記発光素子の発光待機中及び発光中に、前記発光素子の発光輝度に応じた電流を前記第1トランジスタのドレイン-ソース間に流す第2電流源と、を有する、
(3)乃至(5)のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
(7)前記カレントミラー回路は、前記第1制御回路及び前記第2制御回路で共有される電流源を有し、
前記第1制御回路は、
インピーダンス回路と、
前記第1期間に前記電流源からの電流を、前記インピーダンス回路を介して前記第1トランジスタのドレインに供給し、前記第2期間には前記電流源からの電流を遮断する第1切替器と、を有し、
前記第2制御回路は、
前記第1期間には前記電流源からの電流を遮断し、前記第2期間には前記電流源からの電流を前記第1トランジスタのドレインに供給する第2切替器を有する、
(3)又は(4)に記載の光源駆動装置。
(8)前記カレントミラー回路は、
前記第1制御回路及び前記第2制御回路で共有される電流源と、
前記電流源の出力ノードと前記第2トランジスタのゲートとを接続するか遮断するかを切り替える第1切替器と、
前記第1トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのゲートとを接続するか遮断するかを切り替える第2切替器と、を有し、
前記第1制御回路は、前記電流源の出力ノードと前記第1トランジスタのドレインとの間に接続されるインピーダンス回路を有し、
前記第1制御回路は、前記第1期間には、前記第2切替器を遮断するとともに前記第1切替器にて前記電流源の出力ノードと前記第2トランジスタのゲートとを接続させて、前記電流源の出力ノードの電圧レベルである前記第1電圧を前記第2トランジスタのゲートに供給し、
前記第2制御回路は、前記第2期間には、前記第1切替器を遮断するとともに前記第2切替器にて前記第1トランジスタのゲート及びドレインを前記第2トランジスタのゲートに接続させて、前記第2電圧を前記第2トランジスタのゲートに供給する、
(3)又は(4)に記載の光源駆動装置。
(9)前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのソースを前記第1電圧に応じた第3電圧に設定する第3トランジスタを有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第4トランジスタを有し、
前記第3トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第2期間にオフし、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフする、
(3)又は(4)に記載の光源駆動装置。
(10)前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのドレインと基準電圧ノードとの間に直列に接続され、前記第1期間に前記第1トランジスタのドレインを前記第1電圧に設定する第3トランジスタ及び第4トランジスタを有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと前記基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第5トランジスタを有し、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第2期間にオフし、
前記第5トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフし、
前記第3トランジスタのゲート及びドレインは、前記第1トランジスタのゲート及びドレインに接続される、
(3)又は(4)に記載の光源駆動装置。
(11)前記第1制御回路は、前記第1トランジスタのドレインと基準電圧ノードとの間に直列に接続されるインピーダンス回路、第3トランジスタ及び第4トランジスタと、を有し、
前記第2制御回路は、前記第1トランジスタのソースと基準電圧ノードとの間に接続され、前記第2期間に前記第1トランジスタのドレイン-ソース間を流れる電流を前記基準電圧ノードに流す第5トランジスタを有し、
前記インピーダンス回路、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタは、前記第1期間に前記インピーダンス回路と、前記第3トランジスタのドレイン-ソース間と、及び前記第4トランジスタのドレイン-ソース間と、を流れる電流により前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのゲートを前記第1電圧に設定し、
前記第4トランジスタは、前記第1期間にオンして前記第1期間にオフし、
前記第5トランジスタは、前記第1期間にオフして前記第2期間にオフし、
前記第3トランジスタのゲート及びドレインは、前記第1トランジスタのゲート及びドレインに接続される、
(3)又は(4)に記載の光源駆動装置。
(12)前記インピーダンス回路は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光される前記発光素子の数が多いほど、より高いインピーダンスに設定される、
(5)、(7)、(8)、(11)のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
(13)前記第3トランジスタをオン又はオフさせる第1制御信号と、前記第4トランジスタをオン又はオフさせる第2制御信号とは、同じタイミングで逆論理になる信号であるか、又は、前記第2制御信号が前記第4トランジスタをオフさせた後に、前記第1制御信号が前記第3トランジスタをオンさせる信号である、
(10)に記載の光源駆動装置。
(14)前記第3トランジスタは、前記第4トランジスタよりも駆動能力が低い、
(10)に記載の光源駆動装置。
(15)前記発光素子は、カソード端子及びアノード端子を有し、
前記第2トランジスタのドレインは、前記発光素子のカソード端子又はアノード端子に接続される、
(1)乃至(14)のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
(16)前記カレントミラー回路は、複数の前記発光素子を発光させるための複数の前記駆動電流を生成し、
前記カレントミラー回路は、ゲート同士が接続された前記第1トランジスタ及び複数の前記第2トランジスタを有し、
前記複数の駆動電流のそれぞれは、対応する前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れる、
(1)乃至(15)のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
(17)前記第1電圧は、前記カレントミラー回路の前記第1トランジスタのゲートに複数の前記第2トランジスタの各ゲートが接続されている場合には、同時に発光させる前記発光素子の数が多いほど、より高い電圧レベルに設定される、
(1)乃至(16)のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
(18)前記カレントミラー回路は、複数の前記発光素子を個別に発光制御可能な面発光装置を駆動する、
(1)乃至(17)のいずれか一項に記載の光源駆動装置。
(19)前記面発光装置に積層される、
(18)に記載の光源駆動装置。
(20)物体に光を照射する発光装置と、
前記発光装置の駆動を制御する光源駆動装置と、
前記発光装置からの光が前記物体で反射された反射光を受光する受光装置と、
前記発光装置が照射した光と、前記受光装置が受光した反射光とに基づいて、前記物体の距離を計測する距離計測装置と、を備え、
前記光源駆動装置は、
発光素子を発光させるための駆動電流を生成するカレントミラー回路を備え、
前記カレントミラー回路は、
ゲート同士が接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光待機中の第1期間に前記ゲートを第1電圧に設定する第1制御回路と、
前記第1トランジスタのドレイン又はソースの少なくとも一方に接続され、前記発光素子の発光中の第2期間に、前記ゲートを前記発光素子の発光輝度に応じた第2電圧に設定する第2制御回路と、を備え、
前記駆動電流は、前記第2トランジスタのドレイン-ソース間を流れる、
測距システム。
【0176】
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0177】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1k、91 光源駆動装置、2 面発光装置、3 発光部、4 駆動回路、5 電源回路、10、10a、10b 発光素子、11、12、12a、12b 電流源、13 カレントミラー回路、20 カレントミラー回路、31 抵抗素子、32、32a 可変インピーダンス回路、33 第1切替器、34 第2切替器、41、41a、41b、41c、41d、41e、41f、41g、41h 第1制御回路、42、42a、42b、42c 第2制御回路、50 測距システム、51 発光側光学系、52 受光側光学系、53 受光部、54 信号処理部、55 制御部、55a 測距部、56 温度検出部、61、62 基板
、63 積層膜、64、66 パッド、65 共通電極、67 接合層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24
図25