(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137260
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】半導体回路
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H02J1/00 306K
H02J1/00 304E
H02J1/00 308B
H02J1/00 308J
H02J1/00 306D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048714
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 昌敏
(72)【発明者】
【氏名】林 庸行
(72)【発明者】
【氏名】戸田 修二
【テーマコード(参考)】
5G165
【Fターム(参考)】
5G165CA01
5G165DA01
5G165DA02
5G165EA02
5G165FA02
5G165HA01
5G165HA07
5G165HA16
5G165JA04
5G165JA09
5G165KA01
5G165KA04
5G165LA01
5G165LA02
5G165MA10
5G165NA05
(57)【要約】
【課題】半導体回路の特性を向上する。
【解決手段】実施形態の半導体回路は、第1の電源電圧VIN1の出力を制御する第1のスイッチSWAと、第2の電源電圧VIN2の出力を制御する第2のスイッチSWAと、を含み、第1及び第2の電源電圧VIN1,VIN2を切り替えるスイッチ回路11と、第1の電源電圧VIN1の入力に関連付けられた第1の制御信号EN1及び第2の電源電圧VIN2の入力に関連付けられた第2の制御信号EN2を受け、第1及び第2の電源電圧VIN1,VIN2の入力を検出し、第1及び第2の制御信号EN1,EN2と第1及び第2の電源電圧VIN1,VIN2の検出結果とに基づいて、スイッチ回路11の動作モードを制御する制御回路15と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源電圧の出力を制御する第1のスイッチと、第2の電源電圧の出力を制御する第2のスイッチと、を含み、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧とを切り替るスイッチ回路と、
前記第1の電源電圧の入力に関連付けられた第1の制御信号及び前記第2の電源電圧の入力に関連付けられた第2の制御信号を受け、前記第1及び第2の電源電圧の入力を検出し、前記第1及び第2の制御信号と前記第1及び第2の電源電圧の検出結果とに基づいて、前記スイッチ回路の動作モードを制御する制御回路と、
を具備する半導体回路。
【請求項2】
前記第1及び第2の電源電圧の入力を検出する検出回路を、さらに含み、
前記検出回路は、前記第1及び第2の電源電圧に対する減算処理を実行する減算回路を含む、
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項3】
前記検出回路は、前記減算処理の結果に基づいて、前記動作モードを示すモード信号を前記制御回路に出力する、
請求項2に記載の半導体回路。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記第1及び第2のスイッチの動作を制御するドライバ回路と、
前記モード信号と前記第1及び第2の制御信号を用いて、前記ドライバ回路を制御するゲートドライバ制御回路と、
を含む、
請求項3に記載の半導体回路。
【請求項5】
前記第1及び第2のスイッチのそれぞれは、
電源系統に接続される第1のソースと、第1のドレインと、を有する第1のトランジスタと、
出力端子に接続される第2のソースと、前記第1のドレインに接続される第2のドレインと、を有する第2のトランジスタと、
を含み、
前記第1のトランジスタの動作は、前記制御回路からの第1のゲート信号に基づいて制御され、
前記第2のトランジスタの動作は、前記制御回路からの第2のゲート信号に基づいて、制御される、
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項6】
第1のモードの前記動作モードによって、前記第1及び第2のスイッチが動作する場合、前記第1の制御信号が第1のレベルから第2のレベルへシフトした後、前記第1及び第2のトランジスタは、オンし、
前記第1のモードと異なる第2のモードの前記動作モードによって、前記第1及び第2のスイッチが動作する場合、前記第1の制御信号が前記第1のレベルから前記第2のレベルへシフトするのに応じて、前記第2のトランジスタがオンし、前記第2のトランジスタがオンした後、前記第1のトランジスタは、オンする、
請求項5に記載の半導体回路。
【請求項7】
前記第2のモードの前記動作モードによって、前記第1及び第2のスイッチが動作する場合、前記第1の制御信号が前記第2のレベルから前記第1のレベルへシフトするのに応じて、前記第1のトランジスタがオフし、前記第1のトランジスタがオフした後、前記第2のトランジスタは、オフする、
請求項6に記載の半導体回路。
【請求項8】
前記第1のモードの前記動作モードによって、前記第1及び第2のスイッチが動作する場合、前記第1の制御信号が前記第2のレベルから前記第1のレベルへシフトするのに応じて、前記第1及び第2のトランジスタがオフする、
請求項7に記載の半導体回路。
【請求項9】
前記第1のモードは、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧との間において電源電圧が切り替えられる場合、前記スイッチ回路からの前記第1の電源電圧の出力と前記スイッチ回路からの前記第2の電源電圧の出力との間において、電源電圧の出力が、停止され、
前記第2のモードは、前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧との間において電源電圧が切り替えられる場合、前記スイッチ回路からの電圧の出力が、前記スイッチ回路からの前記第1の電源電圧の出力と前記スイッチ回路からの前記第2の電源電圧の出力との間で連続して切り替えられる、
請求項6に記載の半導体回路。
【請求項10】
前記動作モードは、
前記スイッチ回路から出力される電圧が前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧との間において連続して変化する第1のモードと、
前記スイッチ回路からの前記第1の電源電圧の出力と前記第2の電源電圧の出力との間において前記電圧の出力が停止される第2のモードと、
前記スイッチ回路から出力される電圧が前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧へ変化する時に前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧へ連続して変化し、前記電圧が前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧に変化した後に前記電圧が前記第2の電源電圧から前記第1の電源電圧へ変化する時に前記第1の電源電圧の出力と前記第2の電源電圧の出力との間において前記電圧の出力が停止される第3のモードと、
前記電圧が前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧へ変化する時に前記第1の電源電圧の出力と前記第2の電源電圧の出力との間において前記電圧の出力が停止され、前記電圧が前記第1の電源電圧から前記第2の電源電圧に変化した後に前記電圧が前記第2の電源電圧から前記第1の電源電圧へ変化する時に前記第2の電源電圧から前記第1の電源電圧へ連続して変化する第4のモードと、
を含む、
請求項1に記載の半導体回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体回路に関する。
【背景技術】
【0002】
機器の用途又は機器の接続先に応じて、適した動作モードで電源を切り替えることが、半導体回路に求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-182822号公報
【特許文献2】特開2010-104195号公報
【特許文献3】特開2015-198474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体回路の特性を向上する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体回路は、第1の電源電圧の出力を制御する第1のスイッチと、第2の電源電圧の出力を制御する第2のスイッチと、を含み、前記第1の電源電圧と第2の電源電圧とを切り替るスイッチ回路と、前記第1の電源電圧の入力に関連付けられた第1の制御信号及び前記第2の電源電圧の入力に関連付けられた第2の制御信号を受け、前記第1及び第2の電源電圧の入力を検出し、前記第1及び第2の制御信号と前記第1及び第2の電源電圧の検出結果とに基づいて、前記スイッチ回路の動作モードを制御する制御回路と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の半導体回路を含む電子機器の構成例を示す図。
【
図2】実施形態の半導体回路の動作モードを示す図。
【
図4】実施形態の半導体回路の入力電圧検出回路の構成例を示す図。
【
図5】実施形態の半導体回路の入力電圧検出回路の構成例を示す図。
【
図6】実施形態の半導体回路の入力ロジック回路の構成例を示す図。
【
図7】実施形態の半導体回路の入力ロジック回路の構成例を示す図。
【
図8】実施形態の半導体回路の入力ロジック回路の構成例を示す図。
【
図9】実施形態の半導体回路の入力ロジック回路の構成例を示す図。
【
図10】実施形態の半導体回路の入力ロジック回路の動作例を示す図。
【
図11】実施形態の半導体回路のゲートドライバ制御回路の構成例を示す図。
【
図12】実施形態の半導体回路のゲートドライバ制御回路の動作例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、
図1乃至
図14を参照しながら、本実施形態の半導体回路について詳細に説明する。
【0008】
以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付す。また、以下の各実施形態において、末尾に区別化のための数字/英字を伴った参照符号を付された構成要素(例えば、回路、配線、各種の電圧及び信号など)が、相互に区別されなくとも良い場合、末尾の数字/英字が省略された記載(参照符号)が用いられる。
【0009】
[実施形態]
(1)構成例
図1乃至
図12を参照して、本実施形態の半導体回路の構成例について、説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の半導体回路を含む電子機器を説明するための図である。
【0011】
図1に示されるように、電子機器1は、本実施形態の半導体回路10、及び、コア回路20を含む。例えば、電子機器1は、ヘルスケア機器、医療機器、産業機械、オーディオ機器、映像機器、携帯端末、大容量電源機器、又は、充電機器などである。
【0012】
コア回路20は、複数の信号線を介して、端子(コネクタ)90に供給された信号SIGを受ける。コア回路20は、受けた信号SIGに基づいて、各種の信号処理及び/又は動作シーケンスを、実行する。コア回路20は、内部処理によって生成された信号SIGを、複数の信号線を介して、電子機器1の外部へ出力する。
【0013】
本実施形態の半導体回路10は、電源切替回路10である。
【0014】
電源切替回路10は、複数の電源系統(電源線)Apw、Bpw,Cpw,Zpwに接続される。電源系統Apwは、電源端子(電源コネクタ)91Aを介して、電源電圧(入力電圧ともよばれる)VIN1を受ける。電源系統Bpwは、電源端子91Bを介して、電源電圧VIN2を受ける。電源系統Cpwは、電源端子91Cを介して、電源電圧VIN3を受ける。電源系統Zpwは、電源端子92を介して、グランド電圧VGNDを受ける。電源電圧VIN1,VIN2,VIN3は、互いに異なる正の電圧値を有する。グランド電圧VGNDは、例えば、0Vである。グランド電圧VGNDは、電源電圧VIN1,VIN2,VIN3より低い正の電圧値又は負の電圧値を有する場合もある。
【0015】
例えば、電源系統Apwは、バッテリー(例えば、蓄電池)から電源電圧VIN1を供給される。例えば、電源系統Bpwは、ワイヤレス給電機器から電源電圧VIN2を供給される。電源系統Cpwは、ケーブル(例えば、電源ケーブル又はUSBケーブル)から電源電圧VIN3を供給される。
【0016】
電源切替回路10は、供給された複数の電源電圧VIN1,VIN2,VIN3のうち1つを、コア回路20へ送る。
【0017】
電源切替回路10は、スイッチ回路11及び制御回路15を含む。
【0018】
スイッチ回路11は、各電圧VIN1,VIN2,VIN3,VGNDを、コア回路20に転送する。スイッチ回路11は、コア回路20に対する電源電圧VIN1,VIN2,VIN3の供給(出力)及び遮断を制御するための複数のスイッチSWA,SWB,SWCを含む。
【0019】
スイッチSWAは、電源系統Apwに対応する。スイッチSWAの一端(ノード、端子)は、電源系統Apwに接続される。スイッチSWAの他端(ノード、端子)は、スイッチ回路11の出力端子を介して、コア回路20に接続される。スイッチSWAがオン状態である場合、スイッチSWAは、電圧VIN1をコア回路20に転送(供給、出力)する。スイッチSWAがオフ状態である場合、電圧VIN1を遮断する。
【0020】
スイッチSWBは、電源系統Bpwに対応する。スイッチSWBの一端は、電源系統Bpwに接続される。スイッチSWBの他端は、スイッチ回路11の出力端子を介して、コア回路20に接続される。スイッチSWBがオン状態である場合、スイッチSWBは、電圧VIN2をコア回路20に転送する。スイッチSWBがオフ状態である場合、電圧VIN2を遮断する。
【0021】
スイッチSWCは、電源系統Cpwに対応する。スイッチSWCの一端は、電源系統Cpwに接続される。スイッチSWCの他端は、スイッチ回路11の出力端子を介して、コア回路20に接続される。スイッチSWCがオン状態である場合、スイッチSWCは、電圧VIN3をコア回路20に転送する。スイッチSWCがオフ状態である場合、電圧VIN3を遮断する。
【0022】
スイッチSWA,SWB,SWCのオン及びオフは、制御回路15によって、制御される。以下において、電源電圧の供給及び遮断のためのスイッチSWA,SWB,SWCは、電源スイッチともよばれる。電源系統Apw,Bpw,Cpwに印加される電圧VIN1,VIN2,VIN3は、電源電圧とよばれる。
【0023】
制御回路15は、各電源系統Apw,Bpw,Cpwから電源電圧VIN1,VIN2,VIN3を受ける。制御回路15は、信号端子95を介して制御信号CNTを受ける。制御回路15は、電源スイッチSWA,SWB,SWCに制御信号を送る。
【0024】
制御回路15は、電源電圧VIN1,VIN2,VIN3の検出結果、及び、制御信号CNTに基づいて、スイッチ回路11の各電源スイッチSWA,SWB,SWCのオン及びオフを制御する。
【0025】
本実施形態の電源切替回路10は、入力電圧検出回路(単に、電圧検出回路ともよばれる)110を、例えば、制御回路15内に含む。入力電圧検出回路110は、供給されている電圧VIN1,VIN2,VIN3を検出できる。尚、入力電圧検出回路110は、制御回路15の外部に設けられてもよい。
【0026】
本実施形態の電源切替回路10は、コア回路20に供給される電源電圧VIN1,VIN2,VIN3の切替を、供給された電源電圧VIN1,VIN2,VIN3の検出結果に基づいて複数の動作モードのうちいずれか1つを用いて、実行する。
【0027】
図2は、本実施形態の電源切替回路10が実行する複数の動作モードを説明するための図である。
図2の(a)、(b)、(c)及び(d)のそれぞれは、本実施形態の電源切替回路10が実行する動作モードにおける、電源切替回路10から出力される電圧の波形パターンを示している。
図2の(a)、(b)、(c)及び(d)のそれぞれにおいて、グラフの横軸は時間に対応し、グラフの縦軸は電圧に対応する。
【0028】
図2の(a)の動作モードにおいて、電源切替回路10は、或る電源系統の電源電圧V1を、時刻t1aから時刻t2aまでの期間において出力する。
【0029】
時刻t2aにおいて、電源切替回路10は、電源系統を切り替える。時刻t2aから時刻t3aまでの期間において、電源切替回路10の出力電圧が増加する。
【0030】
電源切替回路10は、時刻t3aにおいて、他の電源系統の電源電圧V2を出力する。電源電圧V2は、電源電圧V1より高い。
【0031】
例えば、電源切替回路10は、時刻t3aから時刻t4aまでの期間において電源電圧V2を出力した後、時刻t4aにおいて、電源系統を切り替える。時刻t4aから時刻t5aまでの期間において、電源切替回路10の出力電圧が減少する。例えば、電源切替回路10は、時刻t5aにおいて、電源電圧V1を出力する。尚、時刻t4a及び時刻t5aにおいて、電源電圧V2から電源電圧V1以外の電源電圧に対応する電源系統に、切り替えられてもよい。
【0032】
このように、
図2の(a)の動作モードは、電源電圧を遮断すること無しに、電源切替回路10の出力電圧を、電源電圧V1から電源電圧V2に連続的(シームレス)に切り替える。例えば、
図2の(a)の動作モードは、MBB(Make before brake)モードとよばれる。
【0033】
図2の(b)の動作モードにおいて、電源切替回路10は、或る電源系統の電源電圧V1を、時刻t1bから時刻t2bまでの期間において出力する。時刻t2bにおいて、電源切替回路10は、電源系統から電気的に分離され、電源電圧V1の供給を遮断する。時刻t2bから時刻t3bまでの期間において、電源切替回路10の出力電圧が減少する。
【0034】
電源切替回路10は、時刻t3bにおいて、電源電圧V1より低いグランド電圧VGNDを出力する。時刻t3bから時刻t4bまでの期間において、電源切替回路10は、電源の遮断状態を継続し、グランド電圧VGNDを出力する。
【0035】
電源切替回路10は、時刻t4bにおいて、電源系統の切替によって、他の電源系統に接続される。時刻t4bから時刻t5aまでの期間において、電源切替回路10の出力電圧が増加する。時刻t5bにおいて、電源切替回路10は、電源電圧V2を出力する。
【0036】
例えば、電源切替回路10は、時刻t5bから時刻t6bまでの期間において電源電圧V2を出力した後、時刻t6bにおいて、電源電圧V2の供給を遮断する。時刻t6bから時刻t7bまでの期間において、電源切替回路10の出力電圧が減少する。例えば、電源切替回路10は、時刻t7bから時刻t8bまでの期間において、グランド電圧VGNDを出力する。
【0037】
例えば、電源切替回路10は、時刻t8bにおいて、電源系統に接続される。時刻t8bから時刻t9bまでの期間において、電源切替回路10の出力電圧が増加する。時刻t9bにおいて、電源切替回路10は、電源電圧V1を出力する。尚、時刻t9bにおいて、電源電圧V2の電源系統から電源電圧V1以外の電源電圧に対応する電源系統に、切り替えられてもよい。
【0038】
このように、
図2の(b)の動作モードは、電源系統を切り替える場合に電源電圧の供給を遮断し、電源切替回路10の出力電圧を、電源電圧V1から電源電圧V2に(又は、電源電圧V2から電源電圧V1に)切り替える。
図2の(b)の動作モードにおいて、電源電圧V1の出力と電源電圧V2の出力との間の期間に、グランド電圧が出力される期間が設けられている。例えば、第2の動作モードは、BBM(Brake before make)モードとよばれる。
【0039】
図2の(c)の動作モードにおいて、電源切替回路10は、(a)の動作モードと同様に、電源電圧V1を、時刻t1cから時刻t2cまでの期間において出力する。時刻t2cにおいて、電源切替回路10は、電源系統を切り替える。時刻t3cにおいて、電源切替回路10は、電源電圧V2を出力する。
【0040】
電源切替回路10は、時刻t3cから時刻t4cまでの期間において電源電圧V2を出力した後、時刻t4cにおいて、電源電圧V2の供給を遮断する。電源切替回路10は、時刻t5cから時刻t6cまでの期間において、グランド電圧VGNDを出力する。
【0041】
電源切替回路10は、時刻t6cにおいて、電源系統に電気的に接続され、電源電圧の供給を再開する。時刻t7cにおいて、電源切替回路10は、電源電圧V1を出力する。
【0042】
このように、
図2の(c)の動作モードは、低い電源電圧V1から高い電源電圧V2に切り替える場合に電源電圧の供給の遮断無しに電源系統を連続的に切り替え、高い電源電圧V2から低い電源電圧V1に切り替える場合に電源電圧の供給を遮断する。例えば、第3の動作モードは、MMBtoBBMモードとよばれる。
【0043】
図2の(d)の動作モードにおいて、電源切替回路10は、(b)の動作モードと同様に、電源電圧V1を、時刻t1dから時刻t2dまでの期間において出力する。時刻t2dにおいて、電源切替回路10は、電源系統から電気的に分離され、電源電圧の供給を遮断する。時刻t3dにおいて、電源切替回路10は、グランド電圧VGNDを出力する。
【0044】
電源切替回路10は、時刻t3dから時刻t4dまでの期間においてグランド電圧VGNDを出力した後、時刻t4dにおいて、電源電圧の供給を再開する。電源切替回路10は、時刻t5dから時刻t6dまでの期間において、電源電圧V2を出力する。
【0045】
電源切替回路10は、時刻t6dにおいて、電源系統を切り替える。時刻t7dにおいて、電源切替回路10は、電源電圧V1を出力する。
【0046】
このように、
図2の(d)の動作モードは、低い電源電圧V1から高い電源電圧V2に切り替える場合に電源電圧の供給を遮断してから電源系統を切り替え、高い電源電圧V2から低い電源電圧V1に切り替える場合に電源電圧の供給の遮断無しに、電源系統を連続的に切り替える。例えば、第4の動作モードは、BBMtoMMBモードとよばれる。
【0047】
本実施形態の電源切替回路10は、4つの動作モードによる電源系統の切替を、電源切替回路10に入力された電源電圧の検出結果に応じて、適した動作モードによって実行する。
【0048】
(a)電源切替回路
図3は、本実施形態の電源切替回路10の内部構成を説明するための模式図である。
【0049】
図3に示されるように、電源切替回路10は、上述のように、スイッチ回路11内に、複数の電源スイッチSW(SWA,SWB,SWC)を含む。
【0050】
電源スイッチSWAは、電源線190Aと出力ノード(出力端子)NDoutとの間に設けられている。電源スイッチSWAの一端は、電源線190Aに電気的に接続される。電源スイッチSWAの他端は、出力ノードNDoutに電気的に接続される。電源スイッチSWAのオン又はオフによって、電源線190Aと出力ノードNDoutとの間の電気的な接続又は分離が、制御され得る。
【0051】
電源スイッチSWBは、電源線190Bと出力ノードNDoutとの間に設けられている。電源スイッチSWBの一端は、電源線190Bに電気的に接続される。電源スイッチSWBの他端は、出力ノードNDoutに電気的に接続される。電源スイッチSWBのオン又はオフによって、電源線190Bと出力ノードNDoutとの間の電気的な接続又は分離が、制御され得る。
【0052】
電源スイッチSWCは、電源線190Cと出力ノードNDoutとの間に設けられている。電源スイッチSWCの一端は、電源線190Cに電気的に接続される。電源スイッチSWCの他端は、出力ノードNDoutに電気的に接続される。電源スイッチSWCのオン又はオフによって、電源線190Cと出力ノードNDoutとの間の電気的な接続又は分離が、制御され得る。
【0053】
電源スイッチSWのそれぞれは、コモンドレインMOSFETである。電源スイッチSWとしてのコモンドレインMOSFETは、2つのトランジスタ(MOSFET)TR1(TR1a,TR1b,TR1c),TR2(TR2a,TR2b,TR2c)を含む。
【0054】
トランジスタTR1の電流経路の一端(ソース)は、対応する電源線190(190A,190B,190C)に接続される。トランジスタTR2の電流経路の一端(ソース)は、電源切替回路10の出力ノード(出力端子)NDoutに接続される。トランジスタTR1の電流経路の他端(ドレイン)は、トランジスタTR2の電流経路の他端(ドレイン)に接続される。トランジスタTR1のゲート及びトランジスタTR2のゲートは、ドライバ回路(ゲートドライバ回路ともよばれる)140に接続される。ゲート信号(制御信号)g1(g1a,g1b,g1c)が、トランジスタTR1のゲートに接続されたスイッチ145(145a、145b、145c)に供給される。ゲート信号(制御信号)g2(g2a,g2b,g2c)が、トランジスタTR2のゲートに接続されたスイッチ146(146a、146b、146c)に供給される。ゲート信号g1(g1a,g1b,g1c),g2(g2a,g2b,g2c)に応じて、コモンドレインMOSFETを含む電源スイッチSWのオン及びオフ、及び、コモンドレインMOSFETの動作タイミングが、制御される。
【0055】
オン状態の電源スイッチSWによって選択された電源系統の電圧VINが、スイッチ回路11から出力される電源電圧(出力電圧ともよばれる)VBUSとして、電源切替回路10から出力される。
【0056】
本実施形態の電源切替回路10において、制御回路15は、入力電圧検出回路110、入力ロジック回路120、ゲートドライバ制御回路130、及びドライバ回路140を含む。
【0057】
入力電圧検出回路110は、各電源系統Apw,Bpw,Cpwに対応する電源線190A,190B,190Cに接続される。入力電圧検出回路110は、各電源系統Apw,Bpw,Cpwにおける電源電圧VIN1,VIN2,VIN3の供給状態(入力の有無)、及び、電源電圧VIN1,VIN2,VIN3の大小関係を検出できる。入力電圧検出回路110は、入力された電源電圧VIN1,VIN2,VIN3の検出結果の基づく制御信号MDを、ゲートドライバ制御回路130に供給する。例えば、制御信号MDは、電源切替回路10が実行すべき動作モードを示す信号である。
【0058】
入力ロジック回路120は、制御信号CNTに含まれる各種の制御信号EN1,EN2,EN3,MDxを受ける。
【0059】
制御信号EN1,EN2,EN3は、複数の電源系統のうち有効状態に設定される電源系統を示す信号(イネーブル信号)である。換言すると、制御信号EN(EN1,EN2,EN3)は、有効状態の電源電圧VINを示す信号である。制御信号EN1は、電源電圧VIN1の入力に関連付けられている。制御信号EN2は、電源電圧VIN2の入力に関連付けられている。制御信号EN3は、電源電圧VIN3の入力に関連付けられている。
【0060】
信号MDxは、電源切替回路10の外部から電源切替回路10が実行すべき動作モードを通知する信号である。
【0061】
入力ロジック回路120は、入力された各種の制御信号EN,MDxを用いた計算処理(例えば、論理演算)を実行する。入力ロジック回路120は、計算処理の結果に基づく制御信号SLを、入力電圧検出回路110及びゲートドライバ制御回路130に供給する。
【0062】
ゲートドライバ制御回路130は、入力電圧検出回路110から制御信号MD及び入力ロジック回路120から制御信号SLを受ける。ゲートドライバ制御回路130は、制御信号MD及び制御信号SLを用いた計算処理に基づく制御信号SGを生成する。ゲートドライバ制御回路130は、制御信号SGを、ドライバ回路140に送る。
【0063】
ドライバ回路140は、ゲートドライバ制御回路130から制御信号SGを受ける。ドライバ回路140は、制御信号SGに基づいて、各電源スイッチSWの動作を制御する。
【0064】
ドライバ回路140は、複数の電源スイッチSWA,SWB,SWCのそれぞれに対応するように、複数の昇圧回路141(141a,141b,141c)及び複数のゲートドライバ142(142a,142b,142c)を含む。
【0065】
昇圧回路141は、対応する電源線190に接続される。昇圧回路141は、接続された電源線190からの電源電圧VINを受ける。昇圧回路141は、ゲートドライバ制御回路130からの制御信号SGに応じて、電源電圧VINを昇圧する。昇圧回路141は、昇圧した電圧(例えば、電源スイッチSWの駆動電圧)を、対応するゲートドライバ142に供給する。
【0066】
ゲートドライバ142は、対応する電源スイッチSWに接続される。ゲートドライバ142は、昇圧回路141から昇圧された電圧を受ける。ゲートドライバ142は、ゲートドライバ制御回路130から制御信号SGを受ける。ゲートドライバ142は、昇圧された電圧及び制御信号SGを用いて、ゲート電圧(駆動電圧)を生成する。ゲートドライバ142は、生成したゲート電圧を、スイッチ145(145a,145b,145c),146(146a,146b,146c)を介して、対応する電源スイッチSWに供給する。
【0067】
スイッチ145,146は、ゲートドライバ142と電源スイッチSWとの間の接続を、制御する。ゲート信号g1a,g1b,g1cは、スイッチ145a,145b,145cにそれぞれ供給される。ゲート信号g2a,g2b,g2cは、スイッチ146a,146b,146cにそれぞれ供給される。ゲート信号g1a,g1b,g1c,g2a,g2b,g2cによって、スイッチ145,146は、オン又はオフする。ゲート信号g1a,g1b,g1c,g2a,g2b,g2cによって、異なる電源スイッチSWの動作タイミングは、、それぞれ独立に制御される。ゲート信号g1a,g1b,g1c,g2a,g2b,g2cによって、各電源スイッチSW内のトランジスタTR1,TR2の動作タイミングは、同時に制御される。
【0068】
保護回路150は、例えば、ゲートドライバ制御回路130に接続される。保護回路150は、ゲートドライバ制御回路130を保護する。例えば、保護回路150は、ESD保護回路などを含む。
【0069】
(a-1)入力電圧検出回路
図4及び
図5を参照して、本実施形態の電源切替回路10における、入力電圧検出回路110の内部構成について、説明する。
【0070】
図4は、本実施形態の電源切替回路10における、入力電圧検出回路110の内部構成の一例を示す回路図である。
【0071】
入力電圧検出回路110は、抵抗回路(分圧回路)270(270a,270b、270c)を介して、電源電圧VIN(VIN1,VIN2,VIN3)を受ける。
【0072】
抵抗回路270aは、複数の抵抗体271a,272aを含む。抵抗体271aの一端は、電源電圧VIN1を受ける。抵抗体271aの他端は、接続ノードND1を介して、抵抗体272aの一端に接続される。抵抗体272aの他端は、接地される。抵抗回路270aは、電源電圧VIN1を分圧する。例えば、抵抗回路270aは、0.05×VIN1程度の電圧を、接続ノードND1から出力する。
【0073】
抵抗回路270bは、抵抗体271b,272bを含む。抵抗体271bの一端は、電源電圧VIN2を受ける。抵抗体271bの他端は、接続ノードND2を介して、抵抗体272bの一端に接続される。抵抗体272bの他端は、接地される。抵抗回路270bは、電源電圧VIN2を分圧する。例えば、抵抗回路270bは、0.05×VIN2程度の電圧を、接続ノードND2から出力する。
【0074】
抵抗回路270cは、抵抗体271c,272cを含む。抵抗体271cの一端は、電源電圧VIN3を受ける。抵抗体271cの他端は、接続ノードND3を介して、抵抗体272cの一端に接続される。抵抗体272cの他端は、接地される。抵抗回路270cは、電源電圧VIN3を分圧する。例えば、抵抗回路270cは、0.05×VIN3程度の電圧を、接続ノードND3から出力する。
【0075】
入力電圧検出回路110は、複数の演算増幅器200(200A,200B,200C)を含む。演算増幅器200は、3つの抵抗回路270のうち対応する2つの抵抗回路270のそれぞれから分圧された電源電圧VINを受ける。演算増幅器200は、コンパレータとして機能する。
【0076】
演算増幅器200Aは、抵抗回路270a及び抵抗回路270bに対応する。演算増幅器200Aは、電源電圧VIN1及び電源電圧VIN2に関連付けられている。演算増幅器200Aの一方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、抵抗回路270aの接続ノードND1に接続される。演算増幅器200Aの他方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗回路270bの接続ノードND2に接続される。演算増幅器200Aは、電源電圧VIN1の分圧電圧を一方の入力端子において受け、電源電圧VIN2の分圧電圧を他方の入力端子において受ける。演算増幅器200Aは、電源電圧VIN1及び電源電圧VIN2の比較結果を示す出力信号Cmpout1を、出力する。出力信号Cmpout1は、電源電圧VIN1及び電源電圧VIN2の比較結果に基づいて、“H”レベル又は“L”レベルの信号レベルを取り得る。出力信号Cmpout1は、後述の制御回路250に供給される。
【0077】
演算増幅器200Bは、抵抗回路270a及び抵抗回路270cに対応する。演算増幅器200Bは、電源電圧VIN1及び電源電圧VIN3に関連付けられている。演算増幅器200Bの一方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、抵抗回路270aの接続ノードND1に接続される。演算増幅器200Bの他方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗回路270cの接続ノードND3に接続される。演算増幅器200Bは、電源電圧VIN1の分圧電圧を一方の入力端子において受け、電源電圧VIN3の分圧電圧を他方の入力端子において受ける。演算増幅器200Bは、電源電圧VIN1及び電源電圧VIN3の比較結果を示す出力信号Cmpout2を、出力する。出力信号Cmpout2は、電源電圧VIN1及び電源電圧VIN3の比較結果に基づいて、“H”レベル又は“L”レベルの信号レベルを取り得る。出力信号Cmpout2は、後述の制御回路250に供給される。
【0078】
演算増幅器200Cは、抵抗回路270b及び抵抗回路270cに対応する。演算増幅器200Cは、電源電圧VIN2及び電源電圧VIN3に関連付けられている。演算増幅器200Cの一方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、抵抗回路270bの接続ノードND2に接続される。演算増幅器200Cの他方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗回路270cの接続ノードND3に接続される。演算増幅器200Cは、電源電圧VIN2の分圧電圧を一方の入力端子において受け、電源電圧VIN3の分圧電圧を他方の入力端子において受ける。演算増幅器200Cは、電源電圧VIN2及び電源電圧VIN3の比較結果を示す出力信号Cmpout3を、出力する。出力信号Cmpout3は、電源電圧VIN2及び電源電圧VIN3の比較結果に基づいて、“H”レベル又は“L”レベルの信号レベルを取り得る。出力信号Cmpout3は、後述の制御回路250に出力される。
【0079】
入力電圧検出回路110は、複数のスイッチ211,212,213,214を含む。
【0080】
スイッチ211の一端は、抵抗回路270aの接続ノードND1に接続される。スイッチ211の他端は、スイッチSWHa及びスイッチSWLbに接続される。スイッチ212の一端は、抵抗回路270bの接続ノードND2に接続される。スイッチ212の他端は、スイッチSWHb及びスイッチSWLaに接続される。スイッチ213の一端は、抵抗回路270cの接続ノードND3に接続される。スイッチ213の他端は、スイッチSWHa及びスイッチSWLbに接続される。スイッチ214の一端は、抵抗回路270cの接続ノードND3に接続される。スイッチ214の他端は、スイッチSWHb及びスイッチSWLaに接続される。
【0081】
スイッチ211,212,213,214のオン及びオフは、入力ロジック回路120からの制御信号SW1,SW2,SW3,SW4に基づいて、設御される。スイッチ211のオン/オフは、制御信号SW1によって、制御される。スイッチ212のオン/オフは、制御信号SW2によって、制御される。スイッチ213のオン/オフは、制御信号SW3によって、制御される。スイッチ214のオン/オフは、制御信号SW4によって、制御される。
【0082】
スイッチ211がオン状態に設定された場合、スイッチ212又はスイッチ214がオン状態に設定され、スイッチ213はオフ状態に設定される。スイッチ212がオン状態に設定された場合、スイッチ211又はスイッチ213がオン状態に設定され、スイッチ214はオフ状態に設定される。スイッチ213がオン状態に設定された場合、スイッチ212がオン状態に設定され、スイッチ211,214はオフ状態に設定される。スイッチ214がオン状態に設定された場合、スイッチ211がオン状態に設定され、スイッチ212,213はオフ状態に設定される。
【0083】
制御信号SW1,SW2,SW3,SW4の信号レベルは、入力ロジック回路120に供給された制御信号EN1,EN2,EN3に応じて、設定される。
【0084】
入力電圧検出回路110は、複数の演算増幅器220(220H,220L)を含む。演算増幅器220は、減算回路として機能する。減算回路としての演算増幅器220は、供給された電源電圧に対して減算処理を実行する。
【0085】
演算増幅器220Hの一方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、抵抗体282Hを介して、演算増幅器220Hの出力端子に接続される。演算増幅器の他方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗体281Hを介して、グランド端子に接続される。演算増幅器220Hの一方の入力端子は、抵抗体280a、スイッチSWHa及びスイッチ211を介して、抵抗回路270aの接続ノードND1に接続される。演算増幅器220Hの一方の入力端子は、抵抗体280a、スイッチSWHa及びスイッチ213を介して、抵抗回路270cの接続ノードND3に接続される。演算増幅器220Hの他方の入力端子は、抵抗体280b、スイッチSWHb及びスイッチ212を介して、抵抗回路270bの接続ノードND2に接続される。演算増幅器220Hの他方の入力端子は、抵抗体280b、スイッチSWHb及びスイッチ214を介して、抵抗回路270cの接続ノードND3に接続される。
【0086】
スイッチSWHa,SWHbがオン状態に設定された場合、演算増幅器220Hの一方の入力端子は、オン状態のスイッチ213を介して、電源電圧VIN3の分圧電圧を受ける、又は、オン状態のスイッチ211を介して、電源電圧VIN1の分圧電圧を受ける。スイッチSWHa,SWHbがオン状態に設定された場合、演算増幅器220Hの他方の入力端子は、オン状態のスイッチ212を介して電源電圧VIN2の分圧電圧を受ける、又は、オン状態のスイッチ214を介して電源電圧VIN3の分圧電圧を受ける。演算増幅器220Hは、供給された2つの電圧に応じて、出力信号VOUT1を出力する。
【0087】
演算増幅器220Lの一方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、抵抗体282Lを介して、演算増幅器220Lの出力端子に接続される。演算増幅器220Lの他方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗体281Lを介して、グランド端子に接続される。演算増幅器220Lの一方の入力端子は、抵抗体283a、スイッチSWLa及びスイッチ212を介して、抵抗回路270bの接続ノードND2に接続される。演算増幅器220Lの一方の入力端子は、抵抗体283a、スイッチSWLa及びスイッチ214を介して、抵抗回路270cの接続ノードND3に接続される。演算増幅器220Lの他方の入力端子は、抵抗体283b、スイッチSWLb及びスイッチ211を介して、抵抗回路270aの接続ノードND1に接続される。演算増幅器220Lの他方の入力端子は、抵抗体283b、スイッチSWLb及びスイッチ213を介して、抵抗回路270cの接続ノードND3に接続される。
【0088】
スイッチSWLa,SWLbがオン状態に設定された場合、演算増幅器220Lの一方の入力端子は、オン状態のスイッチ212を介して、電源電圧VIN2の分圧電圧を受ける、又は、オン状態のスイッチ214を介して、電源電圧VIN3の分圧電圧を受ける。スイッチSWLa,SWLbがオン状態に設定された場合、演算増幅器220Lの他方の入力端子は、オン状態のスイッチ211を介して、電源電圧VIN1の分圧電圧を受ける、又は、オン状態のスイッチ213を介して、電源電圧VIN3の分圧電圧を受ける。演算増幅器220Lは、供給された2つの電圧に応じて、出力信号VOUT2を出力する。
【0089】
スイッチSWH(SWHa,SWHb)及びスイッチSWL(SWLa,SWLb)のうちいずれか一方が、制御回路250からの制御信号SQに応じて、オン状態に設定される。2つの演算増幅器220H,220Lのうちいずれか一方が、スイッチSWH,SWLのオン及びオフに応じて、活性化される。活性化された演算増幅器220(220H,220L)が、電源電圧VINを受ける。
【0090】
スイッチSWH,SWLのオン及びオフは、制御回路250によって制御される。
【0091】
図5は、制御回路250の内部構成を示す回路図である。
【0092】
図5に示されるように、制御回路250は、複数のANDゲート701,702,703、複数のスイッチ704,705,706、及びORゲート710を含む。
【0093】
ANDゲート701は、一方の入力端子において、制御信号SW1を受ける。ANDゲート701は、他方の入力端子において、制御信号SW2を受ける。ANDゲート701の出力端子は、スイッチ704の制御端子に接続される。ANDゲート701は、制御信号SW1及び制御信号SW2の論理積演算(AND演算)を実行する。ANDゲート701は、AND演算の結果を示す信号を、制御信号として、スイッチ704に供給する。
【0094】
ANDゲート702は、一方の入力端子において、制御信号SW1を受ける。ANDゲート702は、他方の入力端子において、制御信号SW4を受ける。ANDゲート702の出力端子は、スイッチ705の制御端子に接続される。ANDゲート702は、制御信号SW1及び制御信号SW4のAND演算を実行する。ANDゲート702は、AND演算の結果を示す信号を、制御信号として、スイッチ705に供給する。
【0095】
ANDゲート703は、一方の入力端子において、制御信号SW2を受ける。ANDゲート703は、他方の入力端子において、制御信号SW3を受ける。ANDゲート703の出力端子は、スイッチ706の制御端子に接続される。ANDゲート703は、制御信号SW2及び制御信号SW3のAND演算を実行する。ANDゲート703は、AND演算の結果を示す信号を、制御信号として、スイッチ706に供給する。
【0096】
スイッチ704の一方の入力端子は、信号Cmpout1を受ける。スイッチ704の他方の入力端子は、ORゲート710の第1の入力端子に接続される。スイッチ704の制御端子は、ANDゲート701の出力信号を受ける。スイッチ704は、ANDゲート701の出力信号(制御信号SW1,SW2のAND演算の結果)に応じて、オン又はオフする。オン状態のスイッチ704は、信号Cmpout1を、ORゲート710に供給する。
【0097】
スイッチ705の一方の入力端子は、信号Cmpout2を受ける。スイッチ705の他方の入力端子は、ORゲート710の第2の入力端子に接続される。スイッチ705の制御端子は、ANDゲート702の出力信号を受ける。スイッチ705は、ANDゲート702の出力信号(制御信号SW1,SW4のAND演算の結果)に応じて、オン又はオフする。オン状態のスイッチ705は、信号Cmpout2を、ORゲート710に供給する。
【0098】
スイッチ706の一方の入力端子は、信号Cmpout3を受ける。スイッチ706の他方の入力端子は、ORゲート710の第3の入力端子に接続される。スイッチ706の制御端子は、ANDゲート703の出力信号を受ける。スイッチ706は、ANDゲート703の出力信号(制御信号SW2,SW3のAND演算の結果)に応じて、オン又はオフする。オン状態のスイッチ706は、信号Cmpout3を、ORゲート710に供給する。
【0099】
ORゲート710は、スイッチ704からの信号Cmpout1、スイッチ705からの信号Cmpout2、及びスイッチ706からの信号Cmpout3を受ける。ORゲート710は、信号Cmpout1,Cmpout2,Cmpout3の論理和演算(OR演算)を実行する。ORゲート710は、OR演算の結果を示す信号SQを、スイッチSWH,SWLの制御端子に供給する。
【0100】
これによって、スイッチSWH,SWLは、制御信号SW1,SW2,SW3,SW4及び信号Cmpout1,Cmpout2,Cmpout3に応じて、オン又はオフする。
【0101】
図4に戻って、入力電圧検出回路110は、演算増幅器230(230A,230B)及びORゲート240を含む。演算増幅器230は、コンパレータとして機能する。
【0102】
演算増幅器230Aの一方の入力端子は、演算増幅器220Hの出力端子に接続される。演算増幅器230Aの他方の入力端子は、抵抗回路290aに接続される。抵抗回路290aは、抵抗体291a及び抵抗体292aを含む。抵抗体291aの一端は、バンドギャップ電圧VBGが印加された端子(電源端子VBG)に接続され、抵抗体291aの他端は、接続ノードNaを介して、抵抗体292aの一端に接続される。抵抗体292aの他端は、グランド端子に接続される。抵抗回路290aは、バンドギャップ電圧VBGを分圧し、参照電圧VREFを接続ノードNaから出力する。2つの抵抗体291a,292aの接続ノードNaは、演算増幅器230Aの他方の入力端子に接続される。演算増幅器230Aの出力端子は、ORゲート240の一方の入力端子に接続される。演算増幅器230Aは、演算増幅器220Hからの電圧VOUT1と抵抗回路290aからの参照電圧VREFとを比較する。演算増幅器230Aは、比較結果に応じた“H”レベル又は“L”レベルの信号を、ORゲート240に出力する。
【0103】
演算増幅器230Bの一方の入力端子は、演算増幅器220Lの出力端子に接続される。演算増幅器230Bの他方の入力端子は、抵抗回路290bに接続される。抵抗回路290bは、抵抗体291b及び抵抗体292bを含む。抵抗体291bの一端は、電源端子VBGに接続され、抵抗体291bの他端は、接続ノードNbを介して、抵抗体292bの一端に接続される。抵抗体292bの他端は、グランド端子に接続される。2つの抵抗体291b,292bの接続ノードNbは、演算増幅器230Bの他方の入力端子に接続される。抵抗回路290bは、参照電圧VREFを接続ノードNbから出力する。演算増幅器230Bの出力端子は、ORゲート240の他方の入力端子に接続される。演算増幅器230Bは、演算増幅器220Lからの電圧VOUT2と抵抗回路290bからの参照電圧VREFとを比較する。演算増幅器230Bは、比較結果に応じた“H”レベル又は“L”レベルの信号を、ORゲート240に出力する。
【0104】
ORゲート240の一方の入力端子は、演算増幅器230Aの出力端子に接続される。ORゲート240の他方の入力端子は、演算増幅器230Bの出力端子に接続される。ORゲートの出力端子は、ゲートドライバ制御回路130に接続される。
【0105】
ORゲート240は、減算回路220Hの計算処理の結果に応じた演算増幅器230Aの出力信号と減算回路220Lの計算処理の結果に応じた演算増幅器230Bの出力信号とのOR演算を実行する。ORゲート240は、OR演算の結果を示すモード信号MDを、ゲートドライバ制御回路130に出力する。モード信号MDは、“H”レベル又は“L”レベルの信号レベルを取り得る。例えば、“H(1)”レベルのモード信号MDは、MBBモードを示す。例えば、“L(0)”レベルのモード信号MDは、BBMモードを示す。
【0106】
ゲートドライバ制御回路130は、入力電圧検出回路110からのモード信号MD及び制御信号EN1,EN2,EN3に基づいて、電源スイッチSWA,SWB,SWCを制御するためのゲート信号g1a,g2a,g1b,g2b,g1c,g2cを制御する。
【0107】
このように、本実施形態の電源切替回路10において、入力電圧検出回路110は、入力された電源電圧VINを検出する。入力電圧検出回路110は、入力された電源電圧VINに基づいて、電源切替回路10の実行すべき動作モードを示すモード信号MDを、決定する。
【0108】
これによって、本実施形態の電源切替回路10は、適した動作モードによって、自動的に電源系統(出力すべき電源電圧)を切り替えることができる。
【0109】
尚、電源系統の切替は、電源切替回路10の外部から供給された外部モード信号MDxによって、制御される場合もある。
【0110】
(a-2)入力ロジック回路
図6を参照して、本実施形態の電源切替回路10における、入力ロジック回路120の内部構成について、説明する。
【0111】
図6は、本実施形態の電源切替回路10における、入力ロジック回路120の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0112】
図6に示されるように、入力ロジック回路120は、判定回路40と、ロジック回路50とを含む。
【0113】
判定回路40は、制御信号EN(EN1,EN2,EN3)を受ける。判定回路40は、制御信号ENの判定結果に基づいて、制御信号XA,XB,XCを、ロジック回路50に出力する。判定回路40は、3つの回路ブロック41A,41B,41Cを含む。回路ブロック41Aは、供給された制御信号ENに基づいて、制御信号XAをロジック回路50に出力する。回路ブロック41Bは、供給された制御信号ENに基づいて、制御信号XBをロジック回路50に出力する。回路ブロック41Cは、供給された制御信号ENに基づいて、制御信号XCをロジック回路50に出力する。
【0114】
ロジック回路50は、回路ブロック41A,41B,41Cのそれぞれからの制御信号XA,XB,XCに基づいて、制御信号SW1,SW2,SW3,SW4の信号レベルを制御する。
【0115】
制御信号SW1,SW2,SW3,SW4は、入力電圧検出回路110のスイッチ211,212,213,214に供給される。制御信号SW1は、スイッチ211のオン及びオフを制御する。制御信号SW2は、スイッチ212のオン及びオフを制御する。制御信号SW3は、スイッチ213のオン及びオフを制御する。制御信号SW4は、スイッチ214のオン及びオフを制御する。
【0116】
図7は、
図6の判定回路40における回路ブロック41Aの構成例及び動作を説明するための模式図である。
【0117】
図7の(a)は、判定回路40における、回路ブロック41Aの内部構成を示す回路図である。
【0118】
図7の(a)に示されるように、回路ブロック41Aは、インバータ400a、複数のトランジスタ401a,402a、複数の抵抗体403a,404a,405a,406a,407a、複数の演算増幅器408a,409a、及び、論理ゲート410aを含む。
【0119】
インバータ(NOTゲート)400aの入力端子は、制御信号EN2が供給される端子492に接続される。インバータ400aの出力端子は、トランジスタ401aのゲートに接続される。インバータ400aは、制御信号EN2の反転信号を出力する。
【0120】
トランジスタ401aは、P型の電界効果トランジスタである。トランジスタ401aの電流経路の一端は、内部電源電圧(例えば、電圧VDD)が印加された内部電源線490に接続される。トランジスタ401aの電流経路の他端は、内部ノードNVAに接続される。トランジスタ401aのゲートは、インバータ400aの出力端子に接続される。トランジスタ401aは、制御信号EN2の反転信号に応じて、オン又はオフする。
【0121】
トランジスタ402aは、N型の電界効果トランジスタである。トランジスタ402aの電流経路の一端は、内部ノードNVAに接続される。トランジスタ402aの電流経路の他端は、グランド端子に接続される。トランジスタ402aのゲートは、制御信号EN1が供給される端子491に接続される。トランジスタ402aは、制御信号EN1に応じて、オン又はオフする。
【0122】
複数の抵抗体403a,404a,405a,406a,407aのそれぞれは、抵抗値R1を有する。
【0123】
抵抗体403aの一端は、内部電源線490に接続される。抵抗体403aの他端は、内部ノードNVAに接続される。抵抗体404aの一端は、内部ノードNVAに接続される。抵抗体404aの他端は、グランド端子に接続される。抵抗体405aの一端は、内部電源線490に接続される。抵抗体405aの他端は、内部ノードN1aに接続される。抵抗体406aの一端は、内部ノードN1aに接続される。抵抗体406aの他端は、内部ノードN2aに接続される。抵抗体407aの一端は、内部ノードN2aに接続される。抵抗体407aの他端は、グランド端子に接続される。
【0124】
演算増幅器408a,409aは、コンパレータとして機能する。
【0125】
演算増幅器408aの一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、内部ノードN1aに接続される。演算増幅器408aの他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、内部ノードNVAに接続される。演算増幅器408aの出力端子は、論理ゲート410aの一方の入力端子に接続される。演算増幅器408aは、内部ノードNVAの電圧VAと内部ノードN1aの電圧との比較結果に応じた信号SA1を、論理ゲート410aに出力する。
【0126】
演算増幅器409aの一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、内部ノードNVAに接続される。演算増幅器409aの他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、内部ノードN2aに接続される。演算増幅器409aの出力端子は、論理ゲート410aの他方の入力端子に接続される。演算増幅器409aは、内部ノードN2aの電圧と内部ノードNVAの電圧VAとの比較結果に応じた信号SA2を論理ゲート410aに出力する。
【0127】
尚、内部ノードN1aの電位は、内部電源電圧の0.66倍程度になる。内部ノードN2aの電位は、内部電源電圧の0.33倍程度になる。
【0128】
論理ゲート410aは、XORゲートである。XORゲート410aの一方の入力端子は、演算増幅器408aの出力端子に接続される。XORゲート410aの他方の入力端子は、演算増幅器409aの出力端子に接続される。XORゲート410aの出力端子は、ロジック回路50に接続される。
【0129】
XORゲート410aは、演算増幅器408aからの信号SA1と演算増幅器409aからの信号SA2との排他的論理和演算(XOR演算)を実行する。XORゲート410aは、XOR演算の結果を示す信号XAを、ロジック回路50に出力する。
【0130】
回路ブロック41Aは、3つの電源電圧VIN1,VIN2,VIN3のうち、電源電圧VIN1及び電源電圧VIN2の電源系統の切替に関する判定を行う。例えば、電源電圧VIN1は、電源電圧VIN2(及び電源電圧VIN3)より低い。例えば、電源電圧VIN2は、電源電圧VIN1より高く、電源電圧VIN3より低い。
【0131】
制御信号EN1は、電源電圧VIN1の入力に関連付けられている。制御信号EN2は、電源電圧VIN2の入力に関連付けられている。
【0132】
図7の(b)は、
図7の(a)の回路ブロック41Aの動作を説明するための図である。
【0133】
回路ブロック41Aは、電源電圧を、低電圧である電源電圧(以下では、低電源電圧ともよばれる)VIN1と中電圧である電源電圧(以下では、中電源電圧ともよばれる)VIN2との間で切り替える場合に、制御信号XAの信号レベルを、電源電圧VIN1の入力及び/又は電源電圧VIN2の入力の検知に応じて“1(H)”レベルに維持する。
【0134】
例えば、
図7の(b)のパターンPA1に示されるように、電源電圧が低電源電圧VIN1から中電源電圧VIN2に切り替えられる場合、電源電圧VIN2の入力に応じて、制御信号EN1の信号レベルが“1”レベルから“0(L)”レベルに変わり、制御信号EN2の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わる。尚、制御信号EN3の信号レベルは、“0”レベルに維持される。
【0135】
制御信号EN1の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルに変わった場合、トランジスタ402aはオフする。制御信号EN2の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルへ変わった場合、トランジスタ401aは、オンする。この結果として、内部ノードNVAの電圧VAは、“0”レベルから“1”レベルへ変わる。電圧VAは、内部ノードN1a,N2aの電圧より高くなる。
【0136】
内部ノードNVAの電圧VAの変化に応じて、演算増幅器408aの出力信号SA1は、“1”レベルから“0”レベルに変わる。これと共に、演算増幅器409aの出力信号SA2は、“0”レベルから“1”レベルに変わる。
【0137】
XORゲート410aは、“1”レベルから“0”レベルに変わる信号SA1と、“0”レベルから“1”レベルに変わる信号SA2と、を受ける。
【0138】
XORゲート410aが、“1”レベルの信号SA1と“0”レベルの信号SA2を受けていた場合、XORゲート410aの制御信号XAは、“1”レベルである。信号SA1,SA2の遷移に応じて、XORゲート410aが、“0”レベルの信号SA1と“1”レベルの信号SA2を受けた場合、XORゲート410aの制御信号XAは、“1”レベルである。
【0139】
このように、低電源電圧VIN1から中電源電圧VIN2への切り替わりのタイミングにおいて、回路ブロック41Aの制御信号XAは、“1”レベルに維持される。
【0140】
図7の(b)のパターンPA2に示されるように、電源電圧が中電源電圧VIN2から低電源電圧VIN1に切り替えられる場合、電源電圧VIN1の入力に応じて、制御信号EN1の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わり、制御信号EN2の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルに変わる。
【0141】
制御信号EN1の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わった場合、トランジスタ402aはオンする。制御信号EN2の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルへ変わった場合、トランジスタ401aは、オフする。この結果として、内部ノードNVAの電圧VAは、“1”レベルから“0”レベルへ変わる。電圧VAは、内部ノードN1a,N2aの電圧より低くなる。
【0142】
内部ノードNVAの電圧VAの変化に応じて、演算増幅器408aの出力信号SA1は、“0”レベルから“1”レベルに変わる。これと共に、演算増幅器409aの出力信号SA2は、“1”レベルから“0”レベルに変わる。
【0143】
XORゲート410aは、“0”レベルから“1”レベルに変わる信号SA1と、“1”レベルから“0”レベルに変わる信号SA2と、を受ける。
【0144】
XORゲート410aが、“0”レベルの信号SA1と“1”レベルの信号SA2を受けていた場合、XORゲート410aの制御信号XAは、“1”レベルである。信号SA1,SA2の遷移に応じて、XORゲート410aが、“1”レベルの信号SA1と“0”レベルの信号SA2を受けた場合、XORゲート410aの制御信号XAは、“1”レベルである。
【0145】
このように、中電源電圧VIN2から低電源電圧VIN1への切り替わりのタイミングにおいて、回路ブロック41Aの制御信号XAは、“1”レベルに維持される。
【0146】
電源電圧VIN1と電源電圧VIN2との間の電源電圧の切替以外において、XORゲート410aの制御信号XAの遷移パターンは、“1”レベルから“0”レベルへの遷移パターン、又は、“0”レベルから“1”レベルへの遷移パターンとなる。
【0147】
このように、回路ブロック41Aは、制御信号EN1及び制御信号EN2の信号レベルの遷移が生じた場合、“1”レベルの信号XAの出力を継続する。
【0148】
したがって、回路ブロック41Aは、低電源電圧VIN1から中電源電圧VIN2への切替、又は、中電源電圧VIN2から低電源電圧VIN1への切替を、特定できる。
【0149】
例えば、信号XAの信号レベルが、低電源電圧VIN1と中電源電圧VIN2との切り替わり期間中に“1”レベルに維持される場合、電源切替回路10は、MBBモードで動作する。
【0150】
図8は、
図6の判定回路40における回路ブロック41Bの構成例及び動作を説明するための模式図である。
【0151】
図8の(a)は、判定回路40における、回路ブロック41Bの内部構成を示す回路図である。
【0152】
図8の(a)に示されるように、回路ブロック41Bは、インバータ400b、複数のトランジスタ401b,402b、複数の抵抗体403b,404b,405b,406b,407b、複数の演算増幅器408b,409b、及び、論理ゲート(XORゲート)410bを含む。
【0153】
回路ブロック41Bにおいて、構成要素400b,401b,・・・,410b間の接続関係は、
図7の(a)の回路ブロック41Aと実質的に同じである。但し、以下の点で、回路ブロック41Bの構成は、回路ブロック41Aの構成と異なる。
【0154】
インバータ400bは、端子493に供給された制御信号EN3を受ける。インバータ400bは、制御信号EN3の反転信号を、P型のトランジスタ401bのゲートに出力する。
【0155】
演算増幅器408bは、内部ノードN1bの電圧と内部ノードNVBの電圧VBとの大小関係に応じて、信号SB1を、XORゲート410bの一方の入力端子に出力する。
【0156】
演算増幅器409bは、内部ノードN2bの電圧と内部ノードNVBの電圧VBとの大小関係に応じて、信号SB2を、XORゲート410bの他方の入力端子に出力する。
【0157】
XORゲート410bは、信号SB1,SB2のXOR演算の結果を示す信号XBを、ロジック回路50に出力する。
【0158】
回路ブロック41Bは、3つの電源電圧VIN1,VIN2,VIN3のうち、低電源電圧VIN1及び高電圧である電源電圧(以下では、高電源電圧ともよばれる)VIN3の電源系統の切替に関する判定を行う。制御信号EN3は、電源電圧VIN3の入力に関連付けられている。
【0159】
図8の(b)は、
図8の(a)の回路ブロック41Bの動作を説明するための図である。
【0160】
回路ブロック41Bは、電源電圧を、低電圧である電源電圧VIN1と高電圧である電源電圧VIN3との間で切り替える場合に、制御信号XBの信号レベルを、電源電圧VIN1の入力及び/又は電源電圧VIN3の入力の検知に応じて“1”レベルに維持する。
【0161】
例えば、
図8の(b)のパターンPB1に示されるように、電源電圧が低電源電圧VIN1から高電源電圧VIN3に切り替えられる場合、電源電圧VIN3の入力に応じて、制御信号EN1の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルに変わり、制御信号EN3の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わる。尚、制御信号EN2の信号レベルは、“0”レベルに維持される。
【0162】
制御信号EN1の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルに変わった場合、トランジスタ402bはオフする。制御信号EN3の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルへ変わった場合、トランジスタ401bは、オンする。この結果として、内部ノードNVBの電圧VBは、“0”レベルから“1”レベルへ変わる。電圧VBは、内部ノードN1b,N2bの電圧より高くなる。
【0163】
内部ノードNVBの電圧VBの変化に応じて、演算増幅器408bの出力信号SB1は、“1”レベルから“0”レベルに変わる。これと共に、演算増幅器409bの出力信号SB2は、“0”レベルから“1”レベルに変わる。
【0164】
XORゲート410bは、“1”レベルから“0”レベルに変わる信号SB1と、“0”レベルから“1”レベルに変わる信号SB2と、を受ける。
【0165】
XORゲート410bが、“1”レベルの信号SB1と“0”レベルの信号SB2を受けていた場合、XORゲート410bの制御信号XBは、“1”レベルである。信号SB1,SB2の遷移に応じて、XORゲート410bが、“0”レベルの信号SB1と“1”レベルの信号SB2を受けた場合、XORゲート410bの制御信号XBは、“1”レベルである。
【0166】
このように、低電源電圧VIN1から高電源電圧VIN3への切り替わりのタイミングにおいて、回路ブロック41Bの制御信号XBは、“1”レベルに維持される。
【0167】
図8の(b)のパターンPB2に示されるように、電源電圧が高電源電圧VIN3から低電源電圧VIN1に切り替えられる場合、電源電圧VIN1の入力に応じて、制御信号EN1の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わり、制御信号EN3の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルに変わる。
【0168】
制御信号EN1の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わった場合、トランジスタ402bはオンする。制御信号EN3の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルへ変わった場合、トランジスタ401bは、オフする。この結果として、内部ノードNVBの電圧VBは、“1”レベルから“0”レベルへ変わる。電圧VBは、内部ノードN1b,N2bの電圧より低くなる。
【0169】
内部ノードNVBの電圧VBの変化に応じて、演算増幅器408bの出力信号SB1は、“0”レベルから“1”レベルに変わる。これと共に、演算増幅器409bの出力信号SB2は、“1”レベルから“0”レベルに変わる。
【0170】
XORゲート410bは、“0”レベルから“1”レベルに変わる信号SB1と、“1”レベルから“0”レベルに変わる信号SB2と、を受ける。
【0171】
XORゲート410bが、“0”レベルの信号SB1と“1”レベルの信号SB2を受けていた場合、XORゲート410bの制御信号XBは、“1”レベルである。信号SB1,SB2の遷移に応じて、XORゲート410bが、“1”レベルの信号SB1と“0”レベルの信号SB2を受けた場合、XORゲート410bの制御信号XBは、“1”レベルである。
【0172】
このように、高電源電圧VIN3から低電源電圧VIN1への切り替わりのタイミングにおいて、回路ブロック41Bの制御信号XBは、“1”レベルに維持される。
【0173】
電源電圧VIN1と電源電圧VIN3との間の電源電圧の切替以外において、XORゲート410bの制御信号XBの遷移パターンは、“1”レベルから“0”レベルへの遷移パターン、又は、“0”レベルから“1”レベルへの遷移パターンとなる。
【0174】
このように、回路ブロック41Bは、制御信号EN1及び制御信号EN3の信号レベルの遷移が生じた場合、“1”レベルの信号XBの出力を継続する。
【0175】
したがって、回路ブロック41Bは、低電源電圧VIN1から高電源電圧VIN3への切替、又は、高電源電圧VIN3から低電源電圧VIN1への切替を、特定できる。
【0176】
図9は、
図6の判定回路40における回路ブロック41Cの構成例及び動作を説明するための模式図である。
【0177】
図9の(a)は、判定回路40における、回路ブロック41Cの内部構成を示す回路図である。
【0178】
図9の(a)に示されるように、回路ブロック41Cは、インバータ400c、複数のトランジスタ401c,402c、複数の抵抗体403c,404c,405c,406c,407c、複数の演算増幅器408c,409c、及び、論理ゲート(XORゲート)410cを含む。
【0179】
回路ブロック41Cにおいて、構成要素400c,401c,・・・,410c間の接続関係は、
図7の(a)の回路ブロック41A及び
図8の(b)の回路ブロック41Bと実質的に同じである。但し、以下の点で、回路ブロック41Cの構成は、回路ブロック41A,41Bの構成と異なる。
【0180】
インバータ400cは、制御信号EN3を受ける。インバータ400cは、制御信号EN3の反転信号を、P型のトランジスタ401cのゲートに出力する。
【0181】
N型のトランジスタ402cは、制御信号EN2を、ゲートに受ける。
【0182】
演算増幅器408cは、内部ノードN1cの電圧と内部ノードNVCの電圧VCとの大小関係に応じて、信号SC1を、XORゲート410cの一方の入力端子に出力する。
【0183】
演算増幅器409cは、内部ノードN2cの電圧と内部ノードNVCの電圧VCとの大小関係に応じて、信号SC2を、XORゲート410cの他方の入力端子に出力する。
【0184】
XORゲート410cは、信号SC1,SC2のXOR演算の結果を示す信号XCを出力する。
【0185】
回路ブロック41Cは、3つの電源電圧VIN1,VIN2,VIN3のうち、中電源電圧VIN2及び高電源電圧VIN3の電源系統の切替に関する判定を行う。
【0186】
図9の(b)は、
図9の(a)の回路ブロック41Cの動作を説明するための図である。
【0187】
回路ブロック41Cは、電源電圧を、中電圧である電源電圧VIN2と高電圧である電源電圧VIN3との間で切り替える場合に、制御信号XCの信号レベルを、電源電圧VIN2の入力及び/又は電源電圧VIN3の入力の検知に応じて“1”レベルに維持する。
【0188】
例えば、
図9の(b)のパターンPC1に示されるように、電源電圧が中電源電圧VIN2から高電源電圧VIN3に切り替えられる場合、高電源電圧VIN3の入力に応じて、制御信号EN2の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルに変わり、制御信号EN3の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わる。尚、制御信号EN1の信号レベルは、“0”レベルに維持される。
【0189】
制御信号EN2の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルに変わった場合、トランジスタ402cはオフする。制御信号EN3の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルへ変わった場合、トランジスタ401cは、オンする。この結果として、内部ノードNVCの電圧VCは、“0”レベルから“1”レベルへ変わる。電圧VCは、内部ノードN1c,N2cの電圧より高くなる。
【0190】
内部ノードNVCの電圧VCの変化に応じて、演算増幅器408cの出力信号SC1は、“1”レベルから“0”レベルに変わる。これと共に、演算増幅器409cの出力信号SC2は、“0”レベルから“1”レベルに変わる。
【0191】
XORゲート410cは、“1”レベルから“0”レベルに変わる信号SC1と、“0”レベルから“1”レベルに変わる信号SC2と、を受ける。
【0192】
XORゲート410cが、“1”レベルの信号SC1と“0”レベルの信号SC2を受けていた場合、XORゲート410cの制御信号XCは、“1”レベルである。信号SC1,SC2の遷移に応じて、XORゲート410cが、“0”レベルの信号SC1と“1”レベルの信号SC2を受けた場合、XORゲート410cの制御信号XCは、“1”レベルである。
【0193】
このように、中電源電圧VIN2から高電源電圧VIN3への切り替わりのタイミングにおいて、回路ブロック41Cの制御信号XCは、“1”レベルに維持される。
【0194】
図9の(b)のパターンPC2に示されるように、電源電圧が高電源電圧VIN3から中電源電圧VIN2に切り替えられる場合、電源電圧VIN2の入力に応じて、制御信号EN2の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わり、制御信号EN3の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルに変わる。
【0195】
制御信号EN2の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わった場合、トランジスタ402cはオンする。制御信号EN3の信号レベルが“1”レベルから“0”レベルへ変わった場合、トランジスタ401cは、オフする。この結果として、内部ノードNVCの電圧VCは、“1”レベルから“0”レベルへ変わる。電圧VCは、内部ノードN1c,N2cの電圧より低くなる。
【0196】
内部ノードNVCの電圧VCの変化に応じて、演算増幅器408cの出力信号SC1は、“0”レベルから“1”レベルに変わる。これと共に、演算増幅器409cの出力信号SC2は、“1”レベルから“0”レベルに変わる。
【0197】
XORゲート410cは、“0”レベルから“1”レベルに変わる信号SC1と、“1”レベルから“0”レベルに変わる信号SC2と、を受ける。
【0198】
XORゲート410cが、“0”レベルの信号SC1と“1”レベルの信号SC2を受けていた場合、XORゲート410cの制御信号XCは、“1”レベルである。信号SC1,SC2の遷移に応じて、XORゲート410cが、“1”レベルの信号SC1と“0”レベルの信号SC2を受けた場合、XORゲート410cの制御信号XCは、“1”レベルである。
【0199】
このように、電源電圧VIN3から電源電圧VIN2への切り替わりのタイミングにおいて、回路ブロック41Cの制御信号XCは、“1”レベルに維持される。
【0200】
電源電圧VIN2と電源電圧VIN3との間の電源電圧の切替以外において、XORゲート410cの制御信号XCの遷移パターンは、“1”レベルから“0”レベルへの遷移パターン、又は、“0”レベルから“1”レベルへの遷移パターンとなる。
【0201】
このように、回路ブロック41Cは、制御信号EN2及び制御信号EN3の信号レベルの遷移が生じた場合、“1”レベルの信号XCの出力を継続する。
【0202】
したがって、回路ブロック41Cは、中電源電圧VIN2から高電源電圧VIN3への切替、又は、高電源電圧VIN3から中電源電圧VIN2への切替を、特定できる。
【0203】
ロジック回路50は、各回路ブロック41A,41B,41Cからの信号XA,XB,XCを受ける。ロジック回路50は、信号XA,XB,XCに対して各種の計算処理(例えば、論理演算)を実行する。ロジック回路50は、供給された信号XA,XB,XCに基づいて、入力電圧検出回路のスイッチ211,212,213,214の制御信号SW1,SW2,SW3,SW4の信号レベルを、制御する。
【0204】
図10は、本実施形態の電源切替回路10における、制御信号EN1,EN2,EN3に応じた、信号XA,XB,XC及び信号SW1,SW2,SW3,SW4の遷移のシミュレーション結果を示す図である。
【0205】
図10において、横軸は時間に対応し、縦軸は各信号の信号レベルに対応する。
【0206】
図10に示されるように、制御信号EN1が“1”レベルから“0”レベルに遷移し、制御信号EN2が“0”レベルから“1”レベルへ遷移した場合(パターンP1a)、信号XAは、2サイクルにわたって、“1”レベルに維持される。この場合において、信号SW1及び信号SW2が、“1”レベルに設定される。これによって、スイッチ211及びスイッチ212が、オン状態に設定される。
【0207】
制御信号EN1が“0”レベルから“1”レベルに遷移し、制御信号EN2が“1”レベルから“0”レベルへ遷移した場合(パターンP1b)、信号XAは、2サイクルにわたって、“1”レベルに維持される。この場合において、信号SW1及び信号SW2が、“1”レベルに設定される。これによって、スイッチ211及びスイッチ212が、オン状態に設定される。
【0208】
制御信号EN1が“1”レベルから“0”レベルに遷移し、制御信号EN3が“0”レベルから“1”レベルへ遷移した場合(パターンP2a)、信号XBは、2サイクルにわたって、“1”レベルに維持される。この場合において、信号SW1及び信号SW4が、“1”レベルに設定される。これによって、スイッチ211及びスイッチ214が、オン状態に設定される。
【0209】
制御信号EN1が“0”レベルから“1”レベルに遷移し、制御信号EN3が“1”レベルから“0”レベルへ遷移した場合(パターンP2b)、信号XBは、2サイクルにわたって、“1”レベルに維持される。この場合において、信号SW1及び信号SW4が、“1”レベルに設定される。これによって、スイッチ211及びスイッチ214が、オン状態に設定される。
【0210】
制御信号EN2が“1”レベルから“0”レベルに遷移し、制御信号EN3が“0”レベルから“1”レベルへ遷移した場合(パターンP3a)、信号XCは、2サイクルにわたって、“1”レベルに維持される。この場合において、信号SW2及び信号SW3が、“1”レベルに設定される。これによって、スイッチ212及びスイッチ213が、オン状態に設定される。
【0211】
制御信号EN2が“0”レベルから“1”レベルに遷移し、制御信号EN3が“1”レベルから“0”レベルへ遷移した場合(パターンP3b)、信号XCは、2サイクルにわたって、“1”レベルに維持される。この場合において、信号SW2及び信号SW3が、“1”レベルに設定される。これによって、スイッチ212及びスイッチ213が、オン状態に設定される。
【0212】
このように、判定回路40及びロジック回路50を含む入力ロジック回路120によって、制御信号EN1,EN2,EN3の信号レベルの遷移に応じて、入力電圧検出回路110内のスイッチ211,212,213,214のオン及びオフが、制御される。
【0213】
これによって、入力電圧検出回路110は、入力された電源電圧VIN1,VIN2,VIN3を検出できる。
【0214】
(a-3)ゲートドライバ制御回路
図11及び
図12を参照して、本実施形態の電源切替回路10における、ゲートドライバ制御回路130の内部構成について、説明する。
【0215】
ゲートドライバ制御回路130は、ドライバ回路140の動作を制御する。上述のように、ドライバ回路140は、複数の電源スイッチSW(SWA,SWB,SWC)のそれぞれに対応するように、複数のゲートドライバ142(142a,142b,142c)を含む。
【0216】
ゲートドライバ制御回路130は、各ゲートドライバ142を制御するための回路ブロック(以下では、制御ブロックとよばれる)131を含む。例えば、制御ブロック131の数は、ゲートドライバ142及び電源スイッチSWの数と同数である。
【0217】
図11は、本実施形態の電源切替回路10における、ゲートドライバ制御回路130の内部構成を示す回路図である。
【0218】
図11に示されるように、ゲートドライバ制御回路130において、複数の制御ブロック131を含む。制御ブロック131のそれぞれは、対応するゲートドライバ142に接続される。各制御ブロック131は、1つのゲートドライバ142に対応する。制御ブロック131は、複数のインバータ601,602,603,604と、複数の抵抗体611,612と、NORゲート615と、NANDゲート616と、複数のスイッチ621,622を含む。
【0219】
ゲートドライバ制御回路130において、制御ブロック131は、制御信号EN(x)を受ける。制御信号EN(x)は、端子699に供給される。制御ブロック131は、制御信号EN(x)に応じて、ゲート信号g1(y),g2(y)を、対応するゲートドライバ142に対応するスイッチ145,146に出力する。ここで、“x”は、対応するゲートドライバ142に応じて、“1”、“2”、及び“3”のうちいずれか1つの値を取り得る。“y”は、対応する電源スイッチSWA,SWB,SWCに応じて、“a”、“b”、及び“c”のうちいずれか1つの値を取り得る。
【0220】
インバータ601の入力端子は、端子699に接続される。インバータ601の出力端子は、NORゲート615の一方の入力端子に接続される。インバータ601は、制御信号EN(x)の反転信号を出力する。
【0221】
インバータ602の入力端子は、端子699に接続される。インバータ602の出力端子は、抵抗体611を介して、NORゲート615の他方の入力端子に接続される。インバータ602は、制御信号EN(x)の反転信号を出力する。
【0222】
インバータ603の入力端子は、端子699に接続される。インバータ603の出力端子は、NANDゲート616の一方の入力端子に接続される。インバータ603は、制御信号EN(x)の反転信号を出力する。
【0223】
インバータ604の入力端子は、端子699に接続される。インバータ604の出力端子は、抵抗体612を介して、NANDゲート616の他方の入力端子に接続される。インバータ604は、制御信号EN(x)の反転信号を出力する。
【0224】
抵抗体611の一端は、インバータ602の出力端子に接続される。抵抗体611の他端は、NORゲート615の他方の入力端子に接続される。抵抗体612の一端は、インバータ604の出力端子に接続される。抵抗体612の他端は、NANDゲート616の他方の入力端子に接続される。
【0225】
NORゲート615は、一方の入力端子において、インバータ601からの制御信号EN(x)の反転信号を受ける。NORゲート615は、他方の入力端子において、インバータ602及び抵抗体611からの制御信号EN(x)の反転信号を受ける。NORゲート615の他方の入力端子において、遅延された制御信号EN(x)の反転信号が、供給される。NORゲート615は、供給された2つの信号の否定論理和演算(NOR演算)を行う。NORゲート615は、NOR演算の結果を示す信号を、ゲート信号g1(y)として出力する。NORゲート615から出力される信号は、スイッチ621を介して、ゲート信号g2(y)として出力される。
【0226】
NANDゲート616は、一方の入力端子において、インバータ603からの制御信号EN(x)の反転信号を受ける。NANDゲート616は、他方の入力端子において、インバータ604および抵抗体612からの制御信号EN(x)の反転信号を受ける。NANDゲート616の他方の入力端子において、遅延された制御信号EN(x)の反転信号が、供給される。NANDゲート616は、供給された2つの信号の否定論理積演算(NAND演算)を行う。NANDゲート616は、NAND演算の結果を示す信号を、スイッチ622を介して、ゲート信号g2(y)として出力する。
【0227】
スイッチ621は、NORゲート615の出力端子とスイッチ146の制御端子との間に設けられている。スイッチ622は、NANDゲート616の出力端子とスイッチ146の制御端子との間に設けられている。スイッチ621及びスイッチ622は、モード信号MDを受ける。モード信号MDの信号レベルに応じて、スイッチ621及びスイッチ622のうちいずれか一方が、オンする。
【0228】
例えば、ゲート信号g1(y),g2(y)は、スイッチ145,146にそれぞれ供給される。スイッチ145,146は、ゲート信号g1(y),g2(y)に応じて、オン又はオフする。
【0229】
ゲートドライバ142は、制御信号EN(x)及びゲート信号g1(y),g2(y)に基づいて、スイッチ145,146を介して、電源スイッチSW内のTR1,TR2のゲートに、駆動電圧を供給する。例えば、“1”レベルの制御信号EN(x)を受けたゲートドライバ142は、電源スイッチSWのトランジスタTR1,TR2をオン状態に設定する駆動電圧(ゲート電圧)を、出力する。
【0230】
スイッチ145の一端は、ゲートドライバ142の出力端子に接続される。スイッチ145の他端は、トランジスタTR1のゲートに接続される。スイッチ145の制御端子は、ゲート信号g1(y)を受ける。スイッチ145は、ゲート信号g1(y)に基づいて、ゲートドライバ142とトランジスタTR1との間の電気的な接続を制御する。スイッチ145がオン状態である場合、ゲートドライバ142からの駆動電圧が、トランジスタTR1のゲートに供給される。スイッチ145がオフ状態である場合、ゲートドライバ142からの駆動電圧は、トランジスタTR1のゲートに供給されない。
【0231】
スイッチ146の一端は、ゲートドライバ142の出力端子に接続される。スイッチ146の他端は、トランジスタTR2のゲートに接続される。スイッチ146の制御端子は、ゲート信号g2(y)を受ける。スイッチ146は、ゲート信号g2(y)に基づいて、ゲートドライバ142とトランジスタTR2との間の電気的な接続を制御する。スイッチ146がオン状態である場合、ゲートドライバ142からの駆動電圧が、トランジスタTR2のゲートに供給される。スイッチ146がオフ状態である場合、ゲートドライバ142からの駆動電圧は、トランジスタTR2のゲートに供給されない。
【0232】
ゲートドライバ制御回路130の制御ブロック131からのゲート信号g1(y),g2(y)に基づいて、ゲートドライバ142と電源スイッチSWとの導通状態が制御される。この結果として、電源スイッチSWの動作状態が、制御され得る。
【0233】
尚、ゲートドライバ142が、制御ブロック131の制御に基づいて、ゲート信号g1(y),g2(y)をトランジスタTR1,TR2に供給するように、制御ブロック131及びゲートドライバ142が構成されてもよい。
【0234】
図12は、本実施形態の電源切替回路10における、ゲートドライバ制御回路130の動作例を示すタイミングチャートである。
【0235】
図12に示されるように、時刻t60から時刻t64までの期間において、モード信号MDは、例えば、“0(L)”レベルに設定される。“0”レベルのモード信号MDは、実行すべき動作モードがBBMモードであることを示している。尚、モード信号MDは、入力電圧検出回路110から供給された信号でもよいし、電源切替回路10の外部から供給された信号(外部モード信号MDx)でもよい。
【0236】
時刻t61において、制御信号EN(x)の信号レベルが、“0”レベルから“1”レベルへ変わる。“1”レベルの信号が、インバータ601,602,603,604のそれぞれに供給される。インバータ601,602,603,604のそれぞれは、“0”レベルの信号を、出力する。
【0237】
NORゲート615は、一方の入力端子において、インバータ601からの信号を受ける。NORゲート615は、他方の入力端子において、抵抗体611を介してインバータ602からの信号を受ける。インバータ602の出力信号は、抵抗体611によって遅延して、NORゲート615に供給される。それゆえ、NORゲート615は、インバータ601からの“0”レベルの信号を受けている期間の冒頭において、インバータ602からの“1”レベルの信号を受けている。この結果として、NORゲート615の出力信号の信号レベルは、制御信号EN(x)における“0”レベルから“1”レベルの遷移のタイミングに比較して、抵抗体611の抵抗値に応じた遅延時間の経過後において、“0”レベルから“1”レベルへ遷移する。
【0238】
NANDゲート616は、一方の入力端子において、インバータ603からの信号を受ける。NANDゲート616は、他方の入力端子において、抵抗体612を介してインバータ604からの信号を受ける。インバータ604の出力信号は、抵抗体612によって遅延して、NANDゲート616に供給される。それゆえ、NANDゲート616は、インバータ603からの“0”レベルの信号を受けている期間の冒頭において、インバータ604からの“1”レベルの信号を受けている。この結果として、NANDゲート616の出力信号の信号レベルは、制御信号EN(x)における“0”レベルから“1”レベルの遷移のタイミングに比較して、抵抗体612の抵抗値に応じた遅延時間の経過後において、“0”レベルから“1”レベルへ遷移する。
【0239】
時刻t62において、NORゲート615の出力信号が、ゲート信号g1(y)として出力される。それゆえ、“1”レベルのゲート信号g1(y)が、コモンドレインMOSFETの一方のトランジスタTR1のゲートに、供給される。トランジスタTR1は、ゲート信号g1(y)の遅延に応じて、オンする。
【0240】
モード信号MDが“0”レベルである期間において、スイッチ621がオンし、スイッチ622がオフする。オフ状態のスイッチ622によって、NANDゲート616の出力信号は、遮断される。それゆえ、オン状態のスイッチ621を介して、NORゲート615の出力信号が、ゲート信号g2(y)として出力される。この結果として、時刻t62において、“1”レベルのゲート信号g2(y)が、コモンドレインMOSFETの他方のトランジスタTR2のゲートに、供給される。トランジスタTR2は、ゲート信号g2(y)の遅延に応じて、オンする。
【0241】
このように、モード信号MDが“0”レベルである場合、ゲート信号g2(y)の位相は、ゲート信号g1(y)の位相と同じである。したがって、トランジスタTR1,TR2の両方が、実質的に同時にオンする。
【0242】
時刻t62から時刻t63までの期間において、コモンドレインMOSFETからなる電源スイッチSWは、オンする。オン状態の電源スイッチSWを介して、電源電圧VIN(x)が、電源切替回路10の入力端子から出力端子へ転送される。
【0243】
時刻t63において、制御信号EN(x)の信号レベルは、“1”レベルから“0”レベルに遷移される。インバータ601,602,603,604は、“0”レベルの信号を受ける。インバータ601,602,603,604は、“1”レベルの信号を出力する。インバータ601からの“1”レベルの信号によって、NORゲート615の出力信号は、時刻t63において、“1”レベルから“0”レベルに変わる。これによって、ゲート信号g1(y),g2(y)の信号レベルは、“1”レベルから“0”レベルに変わる。
【0244】
“0”レベルのゲート信号g1(y),g2(y)によって、スイッチ145,146は、オフする。オフ状態のスイッチ145,146によって、ゲートドライバ142から電源スイッチSWへの駆動電圧の供給は、停止する。電源スイッチSWは、電源電圧VIN(x)の転送を、終了する。
【0245】
このように、電源切替回路10がBBMモードによって動作するように、コモンドレインMOSFETからなる電源スイッチSWの動作が、制御される。
【0246】
尚、インバータ601から“1”レベルの信号を受けてから或る遅延時間の経過の後、NORゲート615は、インバータ602からの“1”レベルの信号を受ける。インバータ601から“1”レベルの信号及びインバータ602からの“1”レベルの信号を受けた場合、NORゲート615の出力信号は、“0”レベルである。
【0247】
時刻t64において、モード信号MDの信号レベルが、“0”レベルから“1”レベルへ変わる。“1”レベルのモード信号MDは、実行すべき動作モードがMBBモードであることを示している。
【0248】
時刻t65において、制御信号EN(x)の信号レベルは、“0”レベルから“1”レベルへ変わる。インバータ601,602,603,604は、“1”レベルの制御信号EN(x)を受ける。インバータ601,602,603,604は、“0”レベルの信号を出力する。上述のように、インバータ602の出力信号は、インバータ601の出力信号よりも遅延して、NORゲート615に供給される。それゆえ、ゲート信号g1(y)の信号レベルは、制御信号EN(x)の“0”レベルから“1”レベルの遷移のタイミング(時刻t65)よりも後の時刻t66において、“0”レベルから“1”レベルに変わる。
【0249】
ここで、“1”レベルのモード信号MDによって、スイッチ621がオフされ、スイッチ622がオンされる。この場合において、NANDゲート616の出力信号が、ゲート信号g2(y)に選択される。NANDゲート616が、インバータ603からの“0”レベルの信号を受けている期間の冒頭において、抵抗体612によって遅延されたインバータ604からの“1”レベルの信号を受けている。それゆえ、時刻t65において、信号の遅延の影響無しに、NANDゲート616からの“1”レベルの信号が、オン状態のスイッチ622を介して、ゲート信号g2(y)として出力される。NANDゲート616は、インバータ604から受ける信号の信号レベルが“0”レベルから“1”レベルに変わった後も、“1”レベルの信号を出力する。
【0250】
この結果として、時刻t65から時刻t67までの期間において、ゲート信号g2(y)の信号レベルは、“1”レベルとなる。ゲート信号g2(y)の信号レベルは、ゲート信号g1(y)の信号レベルが“1”レベルに変化する前に、“1”レベルとなる。
【0251】
このように、時刻t65から時刻t66までの期間において、コモンドレインMOSFETのトランジスタTR1は、ゲート信号g1(y)の遅延に応じて、オフする。これに対して、時刻t65から時刻t66までの期間において、コモンドレインMOSFETのトランジスタTR2は、オンする。この結果として、コモンドレインMOSFETの負荷側のトランジスタTR2によって、電源電圧が、転送される。時刻t66から時刻t67までの期間において、トランジスタTR1は、オンする。これによって、オン状態のコモンドレインMOSFETからなる電源スイッチSWを介して、電源電圧VINが、電源切替回路10の入力端子から出力端子へ転送される。
【0252】
時刻t67において、制御信号EN(x)の信号レベルが、“1”レベルから“0”レベルに変わる。これによって、NORゲート615からの出力信号に応じたゲート信号g1(y)の信号レベルは、“1”レベルから“0”レベルに変わる。
【0253】
上述のように、NANDゲート616は、遅延された信号を、インバータ604から受ける。それゆえ、NANDゲート616がインバータ603から“1”レベルの信号を受けたとしても、インバータ604から遅延された“0”レベルの信号が供給されている期間において、NANDゲート616は、“1”レベルの信号を、ゲート信号g2(y)として出力する。それゆえ、時刻t67から時刻t68までの期間において、ゲート信号g2(y)の信号レベルは、遅延によって、“1”レベルに維持される。
【0254】
この結果として、コモンドレインMOSFETのトランジスタTR2は、コモンドレインMOSFETのトランジスタTR1がオフした後も、ゲート信号g2(y)の遅延に応じた或る期間においてオン状態に維持される。このように、ゲートドライバ制御回路130の制御によって、コモンドレインMOSFETの負荷側のトランジスタTR2が、トランジスタTR1のオフよりも遅延してオフされる。この結果として、MBBモードにおいて、オン状態からオフ状態へ遷移したコモンドレインMOSFETにおける電流の逆流が、防止される。
【0255】
時刻t68において、インバータ604からNANDゲート616への“1”レベルの信号の供給によって、ゲート信号g2(y)の信号レベルは、“1”レベルから“0”レベルに変わる。これによって、コモンドレインMOSFETからなる電源スイッチSWは、オフする。電源スイッチSWを介した電源電圧VIN(x)の転送は、終了する。
【0256】
このように、電源切替回路10がMBBモードによって動作するように、コモンドレインMOSFETからなる電源スイッチSWの動作が、制御される。
【0257】
図12に示されるゲートドライバ制御回路130による制御によって、電源電圧VIN(x)が、コモンドレインMOSFETからなる電源スイッチSWを介して、電源切替回路10から後段の回路へ、転送される。
【0258】
以上のように、ゲートドライバ制御回路130は、ゲートドライバ142による電源スイッチSWの動作を、制御できる。
【0259】
(2)動作例
図13を参照して、本実施形態の電源切替回路10の動作例について説明する。
【0260】
図13は、実施形態の電源切替回路10の動作のシミュレーション結果を示す図である。
図13において、グラフの横軸は時間に対応し、グラフの縦軸は電圧に対応する。
【0261】
図13に示されるように、時刻t20において、
図3の電源切替回路の動作が、開始する。
【0262】
時刻t20において、電源電圧VIN1が、電源線190Aに供給され、電源電圧VIN2が、電源線190Bに供給される。
【0263】
時刻t20から時刻t21において、電源電圧VINの入力の検出によって、或る大きさの出力電圧VBUSが、電源スイッチSWA(又は電源スイッチSWB)を介して、出力される。
【0264】
時刻t21において、MBBモードによる電源系統の切替が開始される。電源スイッチSWAが、オン状態に設定される。これによって、電源電圧VIN1に応じた出力電圧VBUSが、出力される。
【0265】
時刻t22において、電源スイッチSWBが、オン状態に設定される。これによって、電源電圧の供給に使用される電源系統は、電源電圧VIN1の電源系統から電源電圧VIN2の電源系統へ変わる。時刻t22において、例えば、電源スイッチSWAは、オン状態に維持されていてもよい。
【0266】
時刻t23において、電源電圧VIN2の出力電圧VBUSが、出力される。このように、MBBモードによって、電源電圧VIN1から電源電圧VIN2への切替が、実行される。
【0267】
この後、電源電圧VIN2から電源電圧VIN1への電源系統の切替が、実行される。
【0268】
電源電圧VIN2の出力電圧が出力された後、時刻t24において、電源スイッチSWBは、オフ状態に設定される。出力電圧VBUSの大きさは、電源電圧VIN2から電源電圧VIN1へ、変わる。これによって、電源電圧VIN1の出力電圧VBUSが、出力される。
【0269】
時刻t25において、電源電圧VIN3が、供給される。これと共に、電源電圧VIN2の供給が、停止される。
【0270】
電源電圧VIN3(及び電源電圧VIN1)の検出に応じて、MBBモードによる電源電圧の切替に連続して、BBMモードによる電源電圧の切替が、実行される。
【0271】
時刻t25において、電源スイッチSWA,SWB,SWCは、オフ状態に設定される。これによって、出力電圧VBUSは、グランド電圧(0V)となる。
【0272】
時刻t26において、電源スイッチSWCが、オン状態に設定される。電源電圧VIN3の出力電圧VBUSが、出力される。このように、BBMモードによって、電源電圧VIN1から電源電圧VIN3への切替が、実行される。
【0273】
時刻t27において、電源スイッチSWCが、オフ状態に設定される。これによって、出力電圧VBUSは、グランド電圧となる。これによって、BBMモードによる電源電圧の切替は、完了する。
【0274】
BBMモードによる電源電圧の切替に連続して、MBBモードによる電源電圧の切替が、実行される。
【0275】
時刻t28において、電源スイッチSWAがオン状態に設定される。これによって、電源電圧VIN1の出力電圧VBUSが、出力される。この後、電源電圧VIN2が、供給される。
【0276】
電源電圧VIN2の供給の検出によって、電源スイッチSWBが、オン状態に設定される。これによって、時刻t29において、出力電圧VBUSの大きさは、電源電圧VIN1から電源電圧VIN2へ連続して変わる。
【0277】
以上のように、本実施形態の電源切替回路10は、
図2に示されるような複数の動作モードによる電源系統の切替を実現できる。本実施形態の電源切替回路10において、複数の動作モードによる電源系統の切替は、入力電圧検出回路110による電源電圧の検出結果に基づいて、自動的に実行される。
【0278】
(3)変形例
図14を参照して、本実施形態の電源切替回路10の変形例について、説明する。
【0279】
図14は、本実施形態の電源切替回路10の変形例を示す回路図である。
【0280】
電源切替回路10に供給される電源電圧の数が、2つである場合もある。また、2つの電源電圧の大小関係が、不定である場合もある。
【0281】
このような場合において、
図14に示される入力電圧検出回路110Xによって、適した動作モードによって電源電圧を切り替えることができる。
【0282】
図14に示されるように、電源電圧VINa及び電源電圧VINbが、変形例の入力電圧検出回路110Xに供給される。
【0283】
電源電圧VINaは、抵抗体271a,272aを含む抵抗回路270aに印加される。電源電圧VINaは、抵抗体271aの一端に印加される。抵抗体271aの他端は、接続ノードND1xを介して、抵抗体272aの一端に接続される。抵抗体272aの他端は、接地される。電源電圧VINaは、抵抗回路270aによって分圧される。
【0284】
電源電圧VINbは、抵抗体271b,272bを含む抵抗回路270bに印加される。電源電圧VINbは、抵抗体271bの一端に印加される。抵抗体271bの他端は、接続ノードND2xを介して、抵抗体272bの一端に接続される。抵抗体272bの他端は、接地される。電源電圧VINbは、抵抗回路270bによって分圧される。
【0285】
電源電圧VINa及び電源電圧VINbの大小関係は、不定である。
【0286】
入力電圧検出回路110Xは、複数の演算増幅器200X,220H,220L,230A,230B、を含む。
【0287】
演算増幅器200Xの一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗回路270aの接続ノードND1xに接続される。演算増幅器200Xの他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、抵抗回路270bの接続ノードND2xに接続される。
【0288】
演算増幅器200Xは、コンパレータとして機能する。演算増幅器200Xは、分圧された電源電圧VINa及び分圧された電源電圧VINbの大小関係を比較する。電源電圧VINaが電源電圧VINbより高い場合、演算増幅器200Xは、“1”レベルの信号CmpoutXを出力する。電源電圧VINaが電源電圧VINbより低い場合、演算増幅器200Xは、“0”レベルの信号CmpoutXを出力する。
【0289】
演算増幅器220Hの一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗体280b及びスイッチSWHbを介して、抵抗回路270bの接続ノードND2xに接続される。これによって、演算増幅器220Hの一方の入力端子は、分圧された電源電圧VINbを受ける。演算増幅器220Hの他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、抵抗体280a及びスイッチSWHaを介して、抵抗回路270aの接続ノードND1xに接続される。これによって、演算増幅器220Hの他方の入力端子は、分圧された電源電圧VINaを受ける。
【0290】
演算増幅器220Hは、減算回路として機能する。演算増幅器220Hは、供給された2つの電圧VINa,VINbの電位差を増幅する。演算増幅器220Hは、増幅された電圧VOUT1を、後段の演算増幅器230Aに出力する。
【0291】
演算増幅器220Lの一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗体283b及びスイッチSWLbを介して、抵抗回路270aの接続ノードND1xに接続される。これによって、演算増幅器220Lの一方の入力端子は、分圧された電源電圧VINaを受ける。演算増幅器220Lの他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、抵抗体283a及びスイッチSWLaを介して、抵抗回路270bの接続ノードND2xに接続される。これによって、演算増幅器220Lの他方の入力端子は、分圧された電源電圧VINbを受ける。
【0292】
演算増幅器220Lは、減算回路として機能する。演算増幅器220Lは、供給された2つの電圧VINa,VINbの電位差を増幅する。演算増幅器220Lは、増幅された電圧VOUT2を、後段の演算増幅器230Bに出力する。
【0293】
スイッチSWHは、演算増幅器200Xの出力信号CmpoutXの信号レベルに応じて、オン又はオフする。例えば、出力信号CmpoutXの信号レベルが、“1(H)”レベルである場合、スイッチSWHは、オンする。
【0294】
スイッチSWLは、演算増幅器200Xの出力信号CmpoutXの信号レベルに応じて、オン又はオフする。例えば、出力信号CmpoutXの信号レベルが、“0(L)”レベルである場合、スイッチSWLは、オンする。
【0295】
このように、スイッチSWH,SWLのオン及びオフによって、2つの演算増幅器220H,220Lのうちいずれか一方が、電源電圧VINa,VINbを受ける。
【0296】
演算増幅器230Aの一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗回路290aからの参照電圧VREFを受ける。演算増幅器230Aの他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、演算増幅器220Hからの出力信号VOUT1を受ける。演算増幅器230Aの出力端子は、ゲートドライバ制御回路130に接続される。
【0297】
演算増幅器230Aは、コンパレータとして機能する。演算増幅器230Aは、参照電圧VREF及び電圧VOUT1の比較結果を示す信号MDを、ゲートドライバ制御回路130に出力する。
【0298】
演算増幅器230Bの一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)は、抵抗回路290bからの参照電圧VREFを受ける。演算増幅器230Bの他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は、演算増幅器220Lからの出力信号VOUT2を受ける。演算増幅器230Bの出力端子は、ゲートドライバ制御回路130に接続される。
【0299】
演算増幅器230Bは、コンパレータとして機能する。演算増幅器230Bは、参照電圧VREF及び電圧VOUT2の比較結果を示す信号MDを、ゲートドライバ制御回路130に出力する。
【0300】
演算増幅器230A,230Bから出力される信号MDは、モード信号である。
【0301】
ゲートドライバ制御回路130Aは、モード信号MDを、2つの演算増幅器230A,230Bのうちいずれか一方から受ける。ゲートドライバ制御回路130Aは、供給されたモード信号MD及び制御信号EN1,EN2に応じて、ゲート信号g1a,g2a,g1b,g2bの信号レベルを制御する。
【0302】
電源電圧VINa,VINbの大小関係に応じて、減算回路としての演算増幅器220H,220Lの何れか一方の出力信号VOUTに応じて、電源電圧VINa,VINbに応じたモード信号MDが、出力される。
【0303】
電源電圧VINaが電源電圧VINbより高い場合、“H”レベルの信号CmpoutXに応じて、演算増幅器220H,230Aが、電源電圧VINa,VINbに応じたモード信号MDを、出力する。
【0304】
電源電圧VINaが電源電圧VINbより低い場合、“L”レベルの信号CmpoutXに応じて、演算増幅器220L,230Bが、電源電圧VINa,VINbに応じたモード信号MDを、出力する。
【0305】
このように、変形例の入力電圧検出回路110Xは、大小関係が不明な2つの電源電圧VINa,VINbに対して、適した動作モードによって電源系統を切り替えるためのモード信号MDを、設定できる。
【0306】
(4)まとめ
本実施形態の電源切替回路10は、減算回路を用いた入力電圧検出回路を含む。
【0307】
本実施形態において、入力電圧検出回路110は、電源切替回路10に供給された複数の電源電圧VINを検出する。入力電圧検出回路110は、電源電圧VINの検出結果に基づいて、電源系統Apw,Bpw,Cpwを切り替えるための電源スイッチ(例えば、コモンドレインMOSFET)SWA,SWB,SWCの動作を制御する。
【0308】
これによって、本実施形態の電源切替回路10は、入力された電源電圧VINの大きさに応じて、より適した動作モードによって、電源電圧の切替を実行できる。
【0309】
また、本実施形態の電源切替回路10は、回路を集積化できる。それゆえ、本実施形態の電源切替回路10は、回路内の部品数を削減できる。この結果として、本実施形態の電源切替回路10は、デバイスの製造コストの削減、又は、デバイスのサイズの削減に、貢献できる。
【0310】
以上のように、本実施形態の半導体回路は、半導体回路の特性を向上できる。
【0311】
(5) その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0312】
10:半導体回路(電源切替回路)、110:入力電圧検出回路、120:入力ロジック回路、130:ゲートドライバ制御回路、140:ドライバ回路。