(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137267
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】製銑用耐火物
(51)【国際特許分類】
C04B 35/66 20060101AFI20240927BHJP
F27D 1/00 20060101ALI20240927BHJP
F27D 1/16 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C04B35/66
F27D1/00 N
F27D1/16 F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048725
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前野 翔平
【テーマコード(参考)】
4K051
【Fターム(参考)】
4K051AA01
4K051AA06
4K051AB03
4K051BE03
4K051LC01
(57)【要約】
【課題】炭化珪素及びチタニアを含有する製銑用耐火物において稼働最初期の熱衝撃による割れを抑制する。
【解決手段】 耐火組成物100質量%中に、粒径0.3mm未満の炭化珪素微粉を5質量%以上35質量%以下、粒径0.3mm未満のチタニア微粉を3質量%以上20質量%以下、及び粒径75μm未満の金属シリコン微粉を6質量%以下含有し、かつカーボンブラックの含有率が5質量%以下(0を含む)であり、更に、金属シリコン微粉の含有率(Si)、チタニア微粉の含有率(TiO2)、及びカーボンブラックの含有率(C)が次の式(1)を充足する製銑用耐火物。
Si/TiO2≧0.11×C+0.1 … 式(1)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火組成物100質量%中に、粒径0.3mm未満の炭化珪素微粉を5質量%以上35質量%以下、粒径0.3mm未満のチタニア微粉を3質量%以上20質量%以下、及び粒径75μm未満の金属シリコン微粉を6質量%以下含有し、かつカーボンブラックの含有率が5質量%以下(0を含む)であり、更に、金属シリコン微粉の含有率(Si)、チタニア微粉の含有率(TiO2)、及びカーボンブラックの含有率(C)が次の式(1)を充足する製銑用耐火物。
Si/TiO2≧0.11×C+0.1 … 式(1)
【請求項2】
チタニア微粉は易分散性表面処理されたものである、請求項1に記載の製銑用耐火物。
【請求項3】
製銑スラグと溶銑が併存する箇所、又は製銑スラグと溶銑との境界部に使用される、請求項1又は請求項2に記載の製銑用耐火物。
【請求項4】
高炉樋に使用される流し込み材である、請求項1又は請求項2に記載の製銑用耐火物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉、高炉樋、混銑車、混銑炉等に使用される、流し込み材、圧送材、プレキャストブロック、吹付材、こて塗材、あるいは突き固め材などの製銑用耐火物に関する。
【背景技術】
【0002】
製銑用耐火物においては、炭化珪素や炭素質原料を多く使用して、耐食性を確保する技術が広く利用されている。しかし、炭化珪素の酸化等に伴い、耐食性の低下が問題となることがある。その対策として、例えば、特許文献1のように炭化チタンを耐火物の原料として使用することが提案されている。しかし、炭化チタンは高価であることから、炭化チタンを耐火物の原料として使用することは産業上現実的ではない。
【0003】
一方、例えば特許文献2には、操業中にチタニアと炭化珪素を反応させることで炭化チタンを形成させて耐食性の維持・向上を図ろうとする技術が提案されている。すなわち、特許文献2では、耐火組成物100質量%中に、耐火性微粉として粒径0.3mm以下の炭化珪素微粉を5~35質量%、及び粒径0.3 mm以下のチタニア微粉を3~20質量%含有し、硬化剤としてアルミナセメントを0.5~8質量%含有することを特徴とする不定形耐火物が開示されている。そして特許文献2には、炭化珪素とチタニアが反応することで炭化チタンや炭窒化チタンが生成する旨の記載があり、溶銑と高炉スラグを侵食剤とした誘導炉侵食試験で優れた耐食性を有することが実施例に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-16698号公報
【特許文献2】特許第4922851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らが特許文献2の不定形耐火物について実機使用を想定した割れに対する評価をラボで実施したところ、割れが顕著に発生することがわかった。そしてこの割れ現象は、例えば高炉樋において、流し込み材が施工された後、乾燥を経た施工体が稼働最初期において高温のスラグと溶銑に直接的に曝されたときに顕著に生じることがわかった。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、炭化珪素及びチタニアを含有する製銑用耐火物において稼働最初期の熱衝撃による割れを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、炭化珪素微粉とチタニア微粉を含有する製銑用耐火物において、チタニア微粉に対して金属シリコン微粉を特定の質量比で含有させることで熱衝撃抵抗性が大幅に向上することを見出した。以下、具体的に説明する。
【0008】
炭化珪素微粉とチタニア微粉を含有する耐火物では、高温域(製銑工程における耐火物の温度が約1350℃以上1600℃以下)でチタンの炭化物や炭窒化物微粒子が生成し、それらの微粒子相互が凝集する。この凝集に伴い、耐火物内部では収縮が生じる。そして、この収縮に伴って耐火物内部組織に破壊が生じ、耐火物全体の割れ・剥落に繋がる。
この割れ現象は、昇温速度又は受熱速度が小さい場合にはほとんど発生しないが、例えば数百度程度の温度から急な受銑等のような温度変化の大きい場合にはほぼ確実に発生することがわかった。
【0009】
ここで、チタニア微粉に対して金属シリコン微粉を特定の質量比で含有させると、金属シリコン微粉が酸化され微粉領域でシリカが生成し、微粉領域より大きい粒子間に新たな固体が発生する。その結果、耐火物内部にいわば支柱ができたような状態となり、組織構造が安定化する。このような安定化した組織構造内では、たとえ常温から高温に至る時間が短く耐火物内部で発生する温度勾配が大きい急熱条件に曝されても、高温域でチタンの炭化物や炭窒化物微粒子の生成とその凝集に伴う微粉領域の収縮は制限され、割れ等の発生を抑制できることを見出した。
【0010】
更に、樋材等では過焼結の防止や、スラグの浸潤を抑制するために、平均粒径1μm以下の炭素微粉であるカーボンブラックを添加することがあるが、炭化珪素微粉と、チタニア微粉にカーボンブラックが併存すると、併存しない場合と比べて金属シリコン微粉を多く添加しないと割れが発生してしまうことをも見出した。
【0011】
本発明は、以上の知見に基づき想到されたもので、その要旨は次の通りである。
耐火組成物100質量%中に、粒径0.3mm未満の炭化珪素微粉を5質量%以上35質量%以下、粒径0.3mm未満のチタニア微粉を3質量%以上20質量%以下、及び粒径75μm未満の金属シリコン微粉を6質量%以下含有し、かつカーボンブラックの含有率が5質量%以下(0を含む)であり、更に、金属シリコン微粉の含有率(Si)、チタニア微粉の含有率(TiO2)、及びカーボンブラックの含有率(C)が次の式(1)を充足する製銑用耐火物。
Si/TiO2≧0.11×C+0.1 … 式(1)
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、炭化珪素及びチタニアを含有する製銑用耐火物において稼働最初期の熱衝撃による割れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】高炉樋用の流し込み材を想定した製銑用耐火物について行った熱衝撃試験の結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記の通り、本発明の式(1)において「Si」は粒径75μm未満の金属シリコンである金属シリコン微粉の含有率、「TiO2」は粒径0.3mm未満のチタニアであるチタニア微粉の含有率、「C」はカーボンブラックの含有率を表す。また、これらの「含有率」とは耐火組成物100質量%中に占める質量割合のことをいう。すなわち、式(1)において「Si/TiO2」とは、チタニア微粉に対する金属シリコン微粉の質量比を意味する。そこで以下の説明では「Si/TiO2」を「Si/TiO2比」と表記する。
【0015】
本発明の製銑用耐火物において耐火組成物中にカーボンブラックを含有しない場合、上記の式(1)はSi/TiO2≧0.1となり、要するにSi/TiO2比が0.1以上であることが要件となる。すなわち、Si/TiO2比が0.1未満では熱衝撃抵抗性が不十分となる。
一方、金属シリコン微粉の含有率が6質量%を超えると、副生成物として生成するシリカが過剰に生成し耐食性の低下に繋がる。すなわち、シリカはスラグに対する溶解速度が大きいので、シリカを過剰に含む耐火物では溶損速度が大きくなる。そのため本発明では、金属シリコン微粉の含有率の上限を6質量%としている
【0016】
他方、本発明の製銑用耐火物において耐火組成物中にカーボンブラックを含有する場合、使用中の受熱により耐火物中のカーボンブラックがチタニア微粉と反応して炭化チタンを生成する際、その反応前後で固体体積が減少して収縮する。そのため、カーボンブラックの含有率に応じて金属シリコンを増量し固体体積減少分をキャンセルする必要がある。そこで、種々試験を行ったところ、式(1)を充足する必要のあることがわかった。
【0017】
図1は、高炉樋用の流し込み材を想定した製銑用耐火物について、耐火組成物中のカーボンブラック含有率及びSi/TiO
2比が異なる条件で熱衝撃試験を行い、その結果をプロットしたものである。
図1中、〇は亀裂や割れが発生しなかったもの、×は亀裂及び割れが発生したものである。
図1中の実線は(カーボンブラック含有率、Si/TiO
2比)=(0、0.1)、(2、0.35)、(5、0.65)の3点に基づく近似直線である。具体的には、切片を(0、0.1)とし、最小二乗法で直線近似したもので、この直線を表す式が上記の式(1)である。なお、この熱衝撃試験の結果は、後述する実施例14の材料をベースにして実施例と同じ条件で行った結果である。
【0018】
本発明の製銑用耐火物において耐火組成物は、上述のチタニア微粉及び金属シリコン微粉のほかに、粒径0.3mm未満の炭化珪素である炭化珪素微粉を含有する。すなわち本発明では、耐食性特に耐スラグ性を確保するために、チタニア微粉から炭化チタンを生成するための炭素源として、炭化珪素微粉を5質量%以上35質量%以下の含有率で使用する。炭化珪素微粉の含有率が5質量%未満では、耐スラグ性が不足すると共に炭化チタンの生成量が不十分となり、この点からも耐スラグ性が不十分となる。一方、炭化珪素微粉の含有率が35質量%を超えると溶銑に対する耐食性が低下する。
炭化珪素微粉としては、耐火物の原料として一般的に使用されているものあれば問題なく使用することができる。また、炭化珪素の純度は85質量%以上のものを使用することができる。
【0019】
また、チタニア微粉は、使用中に炭化物となることで耐食性を向上するために3質量%以上20質量%以下の含有率で使用する。チタニア微粉の含有率が3質量%未満では炭化物の生成が少ないため耐食性が不十分となる。一方、チタニア微粉の含有率が20質量%を超えると、微粉部が多すぎて組織の均一性を確保することが困難になりやすく、例えば流し込み材の場合は流動性を損ねやすい。
チタニア微粉としては、耐火物の原料として一般的に使用されているものあれば問題なく使用することができる。また、チタニアの純度は90質量%以上のものを使用することができる。更に耐食性向上の観点から純度は93質量%以上とすることもできる。なお、チタニア微粉の粒度は粒径0.3mm未満であるが、これより細かい粒度、例えば粒径44μm未満、更には平均粒径が1μm以下のものも使用可能である。
【0020】
またチタニア微粉としては、易分散性表面処理がなされたもの(以下「易分散性表面処理型」という。)を用いることで、特に流し込み材で汎用される分散剤の吸着性が増し、流動性が良好な流し込み材を得ることができる。チタニアの易分散性表面処理とは、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、ケイ酸ソーダ等を硫酸や水酸化ナトリウムによって共沈させ、湿式にてチタニアの表面に無機物処理を施すものであり、チタニアの界面電位を改質するものである。このように易分散性表面処理型のチタニア微粉を使用することで、特に流し込み材の場合に、低水分での流動性等を確保しやすくなる。またプレス等の成形を行う場合にも、低水分/低液分化することができて、緻密な組織が得られやすくなる。
【0021】
本発明の製銑用耐火物において耐火組成物には、その他の耐火原料として、アルミナ、スピネル、ムライト、マグネシア、ジルコニア等の電融品又は焼結品、及びシリカフューム、粘土、ジルコン、窒化珪素、炭素類等を必要に応じて使用することができる。また、炭素類としては黒鉛粉、ピッチ類等が使用できる。
【0022】
本発明の製銑用耐火物は、水を混練水として使用し、成形後に1200℃以下の熱処理により製造される製銑工程で使用される耐火物である。より具体的には、流し込み材、プレキャストブロック、吹付材、こて塗材、及び突き固め材などの不定形耐火物とすることができる。またこれらのうち、高炉樋用流し込み材は、炭化珪素を多く含有ししかも耐食性が要求されている点から、本発明を適用することで耐食性及び熱衝撃抵抗性に優れたものが得られるため、本発明の用途として最適である。
【0023】
本発明の製銑用耐火物を流し込み材とする場合、従来の流し込み材で一般的に使用されている結合剤を使用することができ、例えば、アルミナセメント、シリカゾル、アルミナゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、リン酸塩類等の水溶性の結合剤を使用することができる。耐火組成物中の結合剤の含有率は固形分割合で0.5質量%以上5質量%以下とすることができる。
更に、従来の流し込み材で一般的に使用されている分散剤を使用することもできる。分散剤としては、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ポリメタリン酸ソーダ、ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩、β―ナフタレンスルホン酸塩類、ナフタリンスルホン酸、メラミンスルホン酸塩類等が挙げられる。耐火組成物中の分散剤の含有率は0.01質量%以上1質量%以下とすることができる。
また更に、従来の流し込み材で一般的に使用されている乾燥促進剤や酸化防止剤を使用することもできる。乾燥促進剤としては、有機質ファイバー、発泡剤、塩基性乳酸アルミニウム等を使用できる。有機質ファイバーの具体例は、ビニロン(ポリビニルアルコールを含む)、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子有機質ファイバーである。酸化防止剤として、ホウ化物、ガラス粉等を使用できる。
なお、流し込み材以外の場合も同様に、従来の吹付材、こて塗材、突き固め材などに使用されている結合剤や分散剤を使用することができる。
【0024】
ここで、本発明でいう粒径とは、耐火原料粒子を篩いで篩って分離したときの篩い目の大きさのことであり、例えば粒径75μm未満の金属シリコンとは、篩い目が75μmの篩いを通過する金属シリコンのことで、粒径75μm以上の金属シリコンとは、篩い目が75μmの篩い目を通過しない金属シリコンのことである。
また、本発明でいう平均粒径とは、レーザ回折散乱式粒度分布計で測定された累積曲線の中央累積値(D50)にあたる体積平均粒径をいう。
【実施例0025】
表1に、本発明の実施例及び比較例における耐火組成物、及び得られた耐火物の評価結果を示す。
表1に示す各例の耐火組成物において、スピネルとしてはAl2O3が72質量%、MgOが28質量%の電融スピネルで粒径8mm未満のものを、チタニア微粉としてはTiO2が93質量%で平均粒径が1μm以下のものを、炭化珪素微粉としてはSiCが95質量%で粒径75μm未満のものを、カーボンブラックとしてはCが98質量%で平均粒径が1μm以下のものを、仮焼アルミナとしてはAl2O3が99質量%で平均粒径が4μm以下のものを使用した。また、実施例17を除きチタニアはアルミナとシリカの水和物を併用した易分散性表面処理を行った易分散性表面処理型を使用した。実施例17では易分散性表面処理を行っていない非易分散性表面処理型を使用した。
【0026】
【0027】
各例の耐火組成物100質量%に対して5質量%の添加率で水を添加し混練して得た混練物を用いて、以下の要領で、熱衝撃抵抗性、耐食性及び流動性の評価を行った。
<熱衝撃抵抗性>
上記混練物を振動させ40×40×160mmの型枠に流し込み、養生(20℃で24時間)、乾燥(110℃で24時間)を経て試験片を得た。次に、試験片を500℃で3時間加熱した。500℃で加熱する理由は、1550℃の溶銑に浸漬させた際に、結合剤等に由来する水分等の揮発分が残っていると爆裂する危険性があるためである。
高周波誘導炉にるつぼをセットし、炉内で銑鉄が溶融して1550℃に達したことを確認後、溶銑中に試験片を投入し、20分経過後に試験片を引き上げ、亀裂や割れが生じているかを目視することで熱衝撃抵抗性を評価した。具体的には、引き上げ後に亀裂や割れが生じていない場合を◎(合格(優))、微亀裂が生じ場合を〇(合格(良))、中低度以上の亀裂及び割れが生じ場合を×(不合格)とした。
<耐食性>
上記混練物を振動付与して型枠に流し込み、養生(20℃で24時間)、乾燥(110℃で24時間)を経て試験片を得た。そして試験片を高周波誘導炉の炉壁にセットし、炉内で銑鉄を溶融したことを確認後、その上に高炉スラグを投入して耐食性評価を行った。試験温度と時間は1550℃×6時間で行った。試験前後の各試験片の寸法差を溶損寸法とし、比較例1の溶損寸法を100として溶損指数を求めた。この溶損指数は数値が小さいものほど耐食性が優れていることを示す。具体的には、溶損指数が80以下の場合を◎(合格(優))、80超100以下の場合を〇(合格(良))、100超の場合を×(不合格)とした。
<流動性>
流動性の評価では、上記混練物についてJISR2521に準拠してタップフロー値を測定し、タップフロー値が150mm以上の場合を◎(合格(優))、130mm以上150mm未満の場合を〇(合格(良))、130mm未満の場合を×(不合格)とした。
【0028】
実施例1から実施例8は、カーボンブラックを含有しない系において、Si/TiO2比が本発明の範囲内で異なる場合であるが、熱衝撃抵抗性及び耐食性に優れる結果となった。
これに対して比較例1は、金属シリコン微粉を含有しない場合であり、熱衝撃抵抗性に劣る結果となった。また比較例2から比較例4は、金属シリコン微粉を含有するが、Si/TiO2比が本発明の下限値を下回る場合であり熱衝撃抵抗性に劣る結果となった。一方、比較例5は金属シリコン微粉の含有率が本発明の上限値を上回る場合であり、耐食性に劣る結果となった。
【0029】
実施例9及び実施例10はチタニア微粉の含有率が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり良好な結果となった。
実施例11及び実施例12は炭化珪素微粉の含有率が異なる場合であるが、本発明の範囲内であり良好な結果となった。
【0030】
実施例13から実施例16は、カーボンブラックを含有する系おいて、Si/TiO2比が本発明の範囲内で異なる場合であるが、熱衝撃抵抗性及び耐食性に優れる結果となった。これに対して比較例6から比較例9は、カーボンブラックを含有する系おいて、Si/TiO2比が本発明の範囲外の場合であり、熱衝撃抵抗性に劣る結果となった。
【0031】
実施例17は、非易分散性表面処理型のチタニア微粉を使用した場合であり、易分散性表面処理型のチタニア微粉を使用した場合と比較して流動性に劣っているが、熱衝撃抵抗性及び耐食性は十分であった。