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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137330
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】アノテーション装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04845 20220101AFI20240927BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240927BHJP
   G06T 7/12 20170101ALI20240927BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/04845
G06T7/00 U
G06T7/12
A01G7/00 603
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048812
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】今村 龍太
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩平
(72)【発明者】
【氏名】大庭 宏明
【テーマコード(参考)】
5E555
5L096
【Fターム(参考)】
5E555AA09
5E555AA30
5E555BA02
5E555BA82
5E555BB02
5E555BC01
5E555CA02
5E555CA12
5E555CA14
5E555CA42
5E555CC16
5E555DB41
5E555DB51
5E555DC40
5E555EA22
5E555EA26
5E555FA00
5L096CA24
5L096FA06
5L096HA11
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】
【課題】効率的なアノテーション作業を実現できる技術を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によるアノテーション装置は、1つ以上の種子を撮影した撮影画像が含まれるアノテーション画面を表示させる表示制御部と、前記アノテーション画面において、前記種子を表す画像領域に対して操作対象領域と前記操作対象領域以外の領域とを区別する操作が行われた場合、前記区別する操作によって区別された領域の輪郭を、前記種子の輪郭として抽出する抽出部と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の種子を撮影した撮影画像が含まれるアノテーション画面を表示させる表示制御部と、
前記アノテーション画面において、前記種子を表す画像領域に対して操作対象領域と前記操作対象領域以外の領域とを区別する操作が行われた場合、前記区別する操作によって区別された領域の輪郭を、前記種子の輪郭として抽出する抽出部と、
を有するアノテーション装置。
【請求項2】
前記撮影画像にはxy座標平面が設定されており、
前記抽出部は、
前記区別する操作によって区別された領域と前記撮影画像の背景との差分から前記区別された領域を抽出し、
抽出した前記区別された領域の輪郭を表すxy座標値の集合を、前記種子の輪郭として抽出する、請求項1に記載のアノテーション装置。
【請求項3】
前記抽出部によって抽出された1つ以上の前記種子の輪郭に対して所定の順に識別子を付与する付与部を更に有する請求項1又は2に記載のアノテーション装置。
【請求項4】
前記区別する操作は、タッチペン、スタイラスペン、マウスを含む入力デバイスを利用した塗りつぶし操作である、請求項3に記載のアノテーション装置。
【請求項5】
前記区別する操作は、前記撮影画像の背景色とは異なる色を利用して前記操作対象領域を色付ける操作である、請求項4に記載のアノテーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アノテーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械学習技術を利用して学習された分類モデルにより、撮影画像中の種子の発芽状態を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1等)。このような分類モデルを学習するためには、撮影画像中の種子領域に対してその発芽状態をラベル付けした画像を学習用データとして準備する必要がある。
【0003】
撮影画像中の種子領域を指定する作業はアノテーション作業等と呼ばれ、一般に、アノテーションツール(例えば、非特許文献1等)が利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-157548号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Visual Geometry Group - University of Oxford, インターネット<URL:https://www.robots.ox.ac.uk/~vgg/software/via/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、種子領域を指定するためには、撮影画像中で種子の輪郭に対応する画素を一点一点手作業でプロットする必要がある。このため、種子領域の指定に多くの時間と労力を要している。
【0007】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたもので、効率的なアノテーション作業を実現できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様によるアノテーション装置は、1つ以上の種子を撮影した撮影画像が含まれるアノテーション画面を表示させる表示制御部と、前記アノテーション画面において、前記種子を表す画像領域に対して操作対象領域と前記操作対象領域以外の領域とを区別する操作が行われた場合、前記区別する操作によって区別された領域の輪郭を、前記種子の輪郭として抽出する抽出部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
効率的なアノテーション作業を実現できる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るデータ作成システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係るアノテーション処理部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係るアノテーション処理の一例を示すフローチャートである。
図4】アノテーション画面の一例を示す図(その1)である。
図5】アノテーション画面の一例を示す図(その2)である。
図6】領域抽出画像の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る領域抽出処理部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る領域抽出処理の一例を示すフローチャート(実施例1)である。
図9】本実施形態に係る領域抽出処理の一例を示すフローチャート(実施例2)である。
図10】本実施形態に係る領域抽出処理の一例を示すフローチャート(実施例3)である。
図11】修正画面の一例を示す図である。
図12】本実施形態に係るラベル付け処理部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図13】本実施形態に係るラベル付け処理の一例を示すフローチャートである。
図14】本実施形態に係るラベル変更処理部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図15】本実施形態に係るラベル変更処理の一例を示すフローチャートである。
図16】ラベル変更画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。以下では、撮影画像中の種子の発芽状態を判定する分類モデルの学習に用いられる学習用データとして、画像中の種子領域に対して発芽状態を表すラベルを付与した画像(以下、ラベル付き領域抽出画像ともいう。)を作成できるデータ作成システム1について説明する。
【0012】
<データ作成システム1の全体構成例>
本実施形態に係るデータ作成システム1の全体構成例を図1に示す。図1に示すように、本実施形態に係るデータ作成システム1には、データ作成装置10と、1以上の第1のユーザ端末20と、1以上の第2のユーザ端末30とが含まれる。また、データ作成装置10と各第1のユーザ端末20と各第2のユーザ端末30は、例えば、インターネット等を含む通信ネットワーク40を介して通信可能に接続される。
【0013】
データ作成装置10は、シャーレや育成トレイ等に配置された1以上の種子を撮影した撮影画像からラベル付き領域抽出画像を作成する。データ作成装置10としては、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や汎用サーバ等を用いることができる。なお、撮影画像は、例えば、種苗会社等からデータ作成装置10に与えられる。
【0014】
第1のユーザ端末20は、撮影画像に対してアノテーションを行って種子領域を抽出したり、その種子領域に対してラベルを付与したりする者(以下、第1のユーザともいう。)が利用する各種端末である。第1のユーザ端末20としては、例えば、PC、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等を用いることができる。なお、第1のユーザとしては、例えば、学習用データを作成する企業の担当者等が挙げられる。
【0015】
第2のユーザ端末30は、ラベル付き領域抽出画像のラベルを確認し、必要に応じてその変更をする者(以下、第2のユーザともいう。)が利用する各種端末である。第2のユーザ端末30としては、例えば、PC、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等を用いることができる。なお、第2のユーザとしては、例えば、撮影画像を提供する種苗会社の担当者等が挙げられる。
【0016】
ここで、本実施形態に係るデータ作成装置10は、アノテーション処理部110と、領域抽出処理部120と、ラベル付け処理部130と、ラベル変更処理部140とを有する。これら各部は、例えば、データ作成装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサに実行させる処理により実現される。また、本実施形態に係るデータ作成装置10は、記憶部150を有する。記憶部150は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置により実現される。
【0017】
アノテーション処理部110は、第1のユーザが撮影画像に対してアノテーションを行ってその撮影画像から種子領域を抽出した領域抽出画像(以下、第1の領域抽出画像ともいう。)を作成するためのアノテーション処理を実行する。なお、アノテーションとは、撮影画像中の種子領域を指定することを意味する。また、領域抽出画像とは、撮影画像に対して、その撮影画像から抽出された種子領域の輪郭を表す座標群(撮影画像上に設定されたxy座標平面におけるxy座標の集合)を対応付けたデータのことである。
【0018】
領域抽出処理部120は、与えられた領域抽出モデルを少なくとも第1の領域抽出画像を利用して再学習した上で、この再学習後の領域抽出モデルにより、領域抽出対象の撮影画像(以下、対象画像ともいう。)から種子領域を抽出した領域抽出画像(以下、第2の領域抽出画像ともいう。)を作成するための領域抽出処理を実行する。ここで、領域抽出モデルとは、画像を入力としてその画像中の物体領域を抽出する機械学習モデルのである。領域抽出モデルとしては、例えば、他品種の種子に関する種子領域を撮影画像から抽出するモデル等といった既存の学習済みモデルが用いられる。
【0019】
ラベル付け処理部130は、領域抽出画像中の種子領域に対してその発芽状態を表すラベルを付与したラベル付き領域抽出画像を作成するためのラベル付け処理を実行する。
【0020】
ラベル変更処理部140は、ラベル付き領域抽出画像中のラベルを変更するためのラベル変更処理を実行する。
【0021】
記憶部150は、アノテーション処理、領域抽出処理、ラベル付け処理、ラベル変更処理等の実行に必要に各種データ(例えば、撮影画像、領域抽出画像、ラベル付き領域抽出画像、領域抽出モデル等)を記憶する。
【0022】
また、本実施形態に係る第1のユーザ端末20は、UI部210を有する。UI部210は、例えば、第1のユーザ端末20にインストールされた1以上のプログラム(例えば、Webブラウザ等)が、CPU等のプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0023】
UI部210は、各種画面(例えば、後述するアノテーション画面や修正画面等)をディスプレイ等といった表示装置上に表示する。また、UI部210は、これらの各種画面上での各種ユーザ操作を受け付ける。
【0024】
また、本実施形態に係る第2のユーザ端末30は、UI部310を有する。UI部310は、例えば、第2のユーザ端末30にインストールされた1以上のプログラム(例えば、Webブラウザ等)が、CPU等のプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0025】
UI部310は、各種画面(例えば、後述するラベル変更画面等)をディスプレイ等といった表示装置上に表示する。また、UI部310は、これらの各種画面上での各種ユーザ操作を受け付ける。
【0026】
なお、図1に示すデータ作成システム1の全体構成は一例であって、これに限られるものではない。例えば、図1に示すデータ作成システム1には、1台の第1のユーザ端末20と、1台の第2のユーザ端末30とが図示されているが、これらは複数台存在してもよい。また、例えば、データ作成装置10は、複数台の汎用サーバ等で構成されていてもよい。
【0027】
以下、アノテーション処理、領域抽出処理、ラベル付け処理、ラベル変更処理について説明する。
【0028】
[アノテーション処理]
以下、アノテーション処理について説明する。
【0029】
<アノテーション処理部110の詳細な機能構成例>
本実施形態に係るアノテーション処理部110の詳細な機能構成例を図2に示す。図2に示すように、本実施形態に係るアノテーション処理部110には、UI提供部111と、操作受付部112と、画像作成部113と、データ保存部114とが含まれる。
【0030】
UI提供部111は、後述するアノテーション画面を第1のユーザ端末20に提供する。操作受付部112は、アノテーション画面上での第1の領域抽出画像の作成操作を受け付ける。画像作成部113は、第1の領域抽出画像の作成操作に応じて、撮影画像に対するアノテーションから第1の領域抽出画像を作成する。データ保存部114は、第1の領域抽出画像を記憶部150に保存する。
【0031】
<アノテーション処理の流れ>
以下、本実施形態に係るアノテーション処理の流れについて、図3を参照しながら説明する。
【0032】
まず、アノテーション処理部110のUI提供部111は、アノテーション画面を第1のユーザ端末20に提供する(ステップS101)。これにより、第1のユーザ端末20のUI部210によってアノテーション画面が表示される。
【0033】
ここで、アノテーション画面の一例を図4に示す。図4に示すアノテーション画面1000には、撮影画像1100と、作成ボタン1200とが含まれる。撮影画像1100は、例えば、アノテーション対象として第1のユーザによって指定された撮影画像である。図4に示す撮影画像1100には、種子1101~1109が含まれている。作成ボタン1200は、第1の領域抽出画像の作成を開始するためのボタンである。
【0034】
第1のユーザは、図4に示すアノテーション画面1000に含まれる撮影画像1100中の種子1101~1109に対応する領域を塗りつぶすことで、種子1101~1109に対するアノテーション操作を行うことができる。このような塗りつぶし操作(アノテーション操作)は、例えば、スタイラスペンやタッチペン等により効率的に行うことができる。なお、これらのアノテーション操作はUI部210によって受け付けられ、アノテーション画面上に塗りつぶされた領域が反映される。アノテーション操作は、操作対象の領域をそれ以外の領域と区別するための操作であればよく、必ずしも塗りつぶし操作に限られるものではない。
【0035】
一例として、図4に示す撮影画像1100中の種子1101~1107に対して塗りつぶし操作が行われた場合のアノテーション画面1000を図5に示す。図5に示すアノテーション画面1000に含まれる撮影画像1100には、種子1101~1107がそれぞれ塗りつぶされた塗りつぶし領域1111~1117が含まれている。なお、図5に示す例では、種子1108~1109は未だアノテーション操作が行われておらず、塗りつぶされていない。
【0036】
第1のユーザは、撮影画像1100中の種子1101~1109に対応する領域を塗りつぶした上で、作成ボタン1200を押下することで、第1の領域抽出画像の作成操作を行うことができる。以下、撮影画像1100中の種子1101~1109に対応する領域が塗りつぶされた上で、第1の領域抽出画像の作成操作が行われたものとして説明を続ける。なお、塗りつぶし操作では、種子に対応する領域を完全に塗りつぶす必要はなく、例えば、種子に対応する領域の内部等が塗られていなくてもよい。また、塗りつぶし操作は、例えば、ペイント操作や色付け操作等と呼ばれてもよい。更に、塗りつぶし操作に用いられる色は限定されないが、背景色と異なる色であることが好ましい。
【0037】
アノテーション処理部110の操作受付部112は、第1の領域抽出画像の作成操作を受け付ける(ステップS102)。
【0038】
次に、アノテーション処理部110の画像作成部113は、アノテーション操作が行われた撮影画像から第1の領域抽出画像を作成する(ステップS103)。ここで、画像作成部113は、例えば、以下の手順11~手順13により第1の領域抽出画像を作成する。
【0039】
手順11:画像作成部113は、撮影画像中の塗りつぶし領域と、当該撮影画像の背景との差分を抽出する処理を行って、当該塗りつぶし領域を抽出する。なお、これは既存の画像処理技術により実現可能である。
【0040】
手順12:次に、画像作成部113は、手順11で抽出された各塗りつぶし領域の輪郭を表すxy座標群を抽出する。
【0041】
手順13:そして、画像作成部113は、撮影画像と、手順12で抽出した各xy座標群とを対応付けたデータを第1の領域抽出画像とする。なお、画像作成部113は、xy座標群が表す輪郭に対して順に番号(識別子)を付与した上で、これらの番号を更に対応付けたデータを第1の領域抽出画像としてもよい。また、例えば、各塗りつぶし領域を更に対応付けたデータを第1の領域抽出画像としてもよい。
【0042】
ここで、第1の領域抽出画像の一例を図6に示す。図6に示す第1の領域抽出画像2000には種子1101~1109が含まれており、各種子1101~1109に対応する領域の輪郭1131~1139がそれぞれ含まれている。これらの輪郭1131~1139の各々が、上記の手順12で抽出されたxy座標群で表される輪郭である。また、図6に示す第1の領域抽出画像2000には、更に、各輪郭1131~1139に対して左上から右下に向かって順に付与された番号1141~1149がそれぞれ含まれている。なお、これらの番号1141~1149は、上記の手順13で付与されてもよいし、例えば、アノテーション画面上で第1のユーザによって手作業で付与されてもよい。
【0043】
そして、アノテーション処理部110のデータ保存部114は、上記のステップS103で作成された第1の領域抽出画像を記憶部150に保存する(ステップS104)。
【0044】
なお、複数の第1の領域抽出画像を作成及び保存する場合、上記のステップS101~ステップS104を繰り返せばよい。
【0045】
以上のように、本実施形態に係るアノテーション処理では、第1のユーザは、撮影画像中の各種子に対応する領域をタッチペンやスタイラスペン等で塗りつぶすだけで、その領域の輪郭を抽出するためのアノテーション操作を行うことができる。このため、例えば、撮影画像中の各種子の輪郭に対応する画素を一点一点手作業でプロットする場合と比較して、効率的なアノテーションを行うことが可能となる。また、例えば、撮影画像中の各種子の輪郭に対応する画素を一点一点手作業でプロットする場合と比較して、器用さ等といった属人性を排除することが可能となり、画一的に高品質な第1の領域抽出画像を作成することが可能となる。
【0046】
[領域抽出処理]
以下、領域抽出処理について説明する。
【0047】
<領域抽出処理部120の詳細な機能構成例>
本実施形態に係る領域抽出処理部120の詳細な機能構成例を図7に示す。図7に示すように、本実施形態に係る領域抽出処理部120には、UI提供部121と、操作受付部122と、データ取得部123と、再学習部124と、領域抽出部125と、データ保存部126と、修正画像作成部127とが含まれる。
【0048】
UI提供部121は、後述する修正画面を第1のユーザ端末20に提供する。操作受付部122は、修正画面上での第3の領域抽出画像(後述)の作成操作を受け付ける。データ取得部123は、与えられた領域抽出モデルの再学習用の領域抽出画像を取得したり、与えられた対象画像を取得したりする。再学習部124は、与えられた領域抽出モデルを再学習用の領域抽出画像を利用して再学習する。領域抽出部125は、再学習後の領域抽出モデルにより、対象画像から第2の領域抽出画像を作成する。データ保存部126は、第2の領域抽出画像を記憶部150に保存する。修正画像作成部127は、第3の領域抽出画像の作成操作に応じて、修正対象の領域抽出画像を修正した領域抽出画像(以下、第3の領域抽出画像ともいう。)を作成する。ここで、修正画面とは、再学習後の領域抽出モデルによる種子領域の抽出結果を修正(例えば、抽出漏れや誤抽出を修正)するための画面である。
【0049】
<領域抽出処理の流れ(実施例1)>
本実施形態に係る領域抽出処理の実施例1の流れについて、図8を参照しながら説明する。
【0050】
まず、領域抽出処理部120のデータ取得部123は、与えられた領域抽出モデルの再学習用の領域抽出画像として、第1の領域抽出画像を記憶部150から取得する(ステップS201)。
【0051】
次に、領域抽出処理部120の再学習部124は、上記のステップS201で取得された第1の領域抽出画像を用いて、既知の教師あり学習の手法により、当該領域抽出モデルを再学習する(ステップS202)。すなわち、再学習部124は、第1の領域抽出画像に含まれる撮影画像を入力として、当該撮影画像に対応付けられた各種子領域の輪郭(を表すxy座標群)を精度良く抽出できるように、当該領域抽出モデルを再学習する。これにより、再学習後の領域抽出モデルが得られる。なお、再学習は、例えば、モデル補正(又は、単に補正)と呼ばれてもよい、また、例えば、再学習前の領域抽出モデルが種子以外の何等かの物品の領域抽出モデルである場合や今回の抽出対象とは異なる種類又は種別の種子の領域抽出モデルである場合等には転移学習等と呼ばれてもよい。
【0052】
領域抽出処理部120のデータ取得部123は、与えられた対象画像を取得する(ステップS203)。
【0053】
次に、領域抽出処理部120の領域抽出部125は、再学習後の領域抽出モデルにより、上記のステップS202で取得された対象画像から第2の領域抽出画像を作成する(ステップS204)。すなわち、領域抽出部125は、対象画像中の種子領域の輪郭(を表すxy座標群)を当該領域抽出モデルにより抽出した上で、当該対象画像に対して、当該輪郭を表すxy座標群を対応付けることで、第2の領域抽出画像を作成する。
【0054】
そして、領域抽出処理部120のデータ保存部126は、上記のステップS204で作成された第2の領域抽出画像を記憶部150に保存する(ステップS205)。
【0055】
なお、上記のステップS203~ステップS205は、与えられた対象画像毎に繰り返し実行される。
【0056】
<領域抽出処理の流れ(実施例2)>
本実施形態に係る領域抽出処理の実施例2の流れについて、図9を参照しながら説明する。なお、図9のステップS301~ステップS305は、図8のステップS201~ステップS205とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。
【0057】
ステップS305に続いて、領域抽出処理部120の再学習部124は、領域抽出モデルの再学習を行うか否かを判定する(ステップS306)。ここで、再学習部124は、例えば、再学習を行うことを示す指示が第1のユーザから行われた場合に再学習を行うと判定すればよい。ただし、これは一例であって、これ以外にも、例えば、無条件で再学習を行うと判定してもよいし、何等かの条件を満たした場合に再学習を行うと判定してもよい。
【0058】
上記のステップS306で再学習を行うと判定されなかった場合、領域抽出処理部120は、領域抽出処理を終了する。一方で、上記のステップS306で再学習を行うと判定された場合、領域抽出処理部120のデータ取得部123は、領域抽出モデルの再学習用の領域抽出画像として、第2の領域抽出画像を記憶部150から取得する(ステップS307)。これにより、ステップS302において、これらの第2の領域抽出画像を利用して領域抽出モデルが再学習される。この再学習により、実施例1よりも精度の良い領域抽出モデルの獲得が期待できる。
【0059】
<領域抽出処理の流れ(実施例3)>
本実施形態に係る領域抽出処理の実施例3の流れについて、図10を参照しながら説明する。なお、図19のステップS401~ステップS405は、図8のステップS201~ステップS205とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。
【0060】
ステップS405に続いて、領域抽出処理部120の再学習部124は、領域抽出モデルの再学習を行うか否かを判定する(ステップS406)。ここで、再学習部124は、例えば、再学習を行うことを示す指示が第1のユーザから行われた場合に再学習を行うと判定してもよいし、領域抽出モデルの精度が所定の閾値以下である場合に再学習を行うと判定してもよい。ただし、これは一例であって、これ以外にも、例えば、無条件で再学習を行うと判定してもよいし、何等かの条件を満たした場合に再学習を行うと判定してもよい。
【0061】
上記のステップS406で再学習を行うと判定されなかった場合、領域抽出処理部120は、領域抽出処理を終了する。一方で、上記のステップS406で再学習を行うと判定された場合、領域抽出処理部120のUI提供部121は、第2の領域抽出画像の抽出漏れや誤抽出を修正するための修正画面を第1のユーザ端末20に提供する(ステップS407)。これにより、第1のユーザ端末20のUI部210によって修正画面が表示される。
【0062】
ここで、修正画面の一例を図11に示す。図11に示す修正画面3000には、第2の領域抽出画像3100と、作成ボタン3200とが含まれる。第2の領域抽出画像3100は、上記のステップS403~ステップS404で作成及び保存された領域抽出画像である。図11に示す第2の領域抽出画像3100には、種子3101~3109が含まれている。また、種子3101、3103~3109に対応する輪郭3111、3113~3119がそれぞれ含まれていると共に、輪郭3111、3113~3119に付与された番号3121、3123~3129がそれぞれ含まれている。一方で、種子3102の輪郭は抽出されておらず、抽出漏れが発生している。また、ごみや埃等といった種子以外の物体3501の輪郭3511が抽出されており、その番号3521も付与されており、誤抽出が発生している。作成ボタン3200は、第3の領域抽出画像の作成を開始するためのボタンである。
【0063】
第1のユーザは、例えば、種子3102に対してアノテーション操作(塗りつぶし操作)を行うことで、抽出漏れを修正することができる。また、第1のユーザは、輪郭3511や番号3521を削除する操作(削除)を行うことで、誤抽出を修正することができる。これらの抽出漏れの修正や誤抽出の修正が行われた上で、作成ボタン3200を押下することで、第2の領域抽出画像を修正した第3の領域抽出画像を作成するための操作(第3の領域抽出画像の作成操作)を行うことができる。以下、抽出漏れの修正や誤抽出の修正が行われた上で、第3の領域抽出画像の作成操作が行われたものとして説明を続ける。なお、アノテーション操作や削除操作はUI部210によって受け付けられ、修正画面上に塗りつぶされた領域や削除が反映される。
【0064】
なお、抽出漏れの修正の際には、UI部210は、例えば、輪郭及びその内部の画像領域の表示を抑止してもよい。例えば、図11に示す例では、輪郭3111、3113~3119、3511とそれらの輪郭の内部の画像領域の表示を抑止(つまり、非表示)としてもよい。これにより、抽出漏れの種子(図11に示す例では、種子3102)のみを表示させることが可能となり、第1のユーザが抽出漏れの種子を容易に把握することができるようになる。
【0065】
一方で、誤抽出の修正の際には、UI部210は、例えば、輪郭及びその内部以外の画像領域の表示を抑止してもよい。例えば、図11に示す例では、輪郭3111、3113~3119、3511とそれらの輪郭の内部の画像領域以外の画像領域の表示を抑止(つまり、非表示)としてもよい。これにより、誤抽出された物体(図11に示す例では物体3501とその輪郭3511及び番号3521)を第1のユーザが容易に把握することができるようになる。なお、このとき、更に、抽出漏れの修正によって修正された種子の表示を抑止してもよい。
【0066】
領域抽出処理部120の操作受付部122は、第3の領域抽出画像の作成操作を受け付ける(ステップS408)。
【0067】
次に、領域抽出処理部120の修正画像作成部127は、アノテーション操作や削除操作(つまり、抽出漏れや誤抽出の修正操作)が行われた第2の領域抽出画像から第3の領域抽出画像を作成する(ステップS409)。ここで、修正画像作成部127は、抽出漏れの修正操作が行われた場合は以下の(1)、誤抽出の修正操作が行われた場合は以下の(2)、抽出漏れの修正操作と誤抽出の修正操作の両方が行われた場合は以下の(1)及び(2)の両方を実行することで、第3の領域抽出画像を作成すればよい。
【0068】
(1)修正画像作成部127は、上記の手順11~手順12と同様に、修正操作が行われた種子の輪郭を表すxy座標群を抽出し、このxy座標群を第2の領域抽出画像に新たに対応付ける。
【0069】
(2)修正画像作成部127は、修正操作が行われた物体の輪郭を表すxy座標群とその番号を第2の領域抽出画像から削除する。
【0070】
なお、上記の(1)若しくは(2)又はその両方を実行した後、修正画像作成部127は、第3の領域抽出画像に含まれる各輪郭(を表すxy座標群)の番号(識別子)を付与し直してもよい。
【0071】
次に、領域抽出処理部120のデータ取得部123は、領域抽出モデルの再学習用の領域抽出画像として、第3の領域抽出画像を取得する(ステップS410)。これにより、ステップS402において、これらの第3の領域抽出画像を利用して領域抽出モデルが再学習される。この再学習により、実施例2よりも精度の良い領域抽出モデルの獲得が期待できる。
【0072】
[ラベル付け処理]
以下、ラベル付け処理について説明する。
【0073】
<ラベル付け処理部130の詳細な機能構成例>
本実施形態に係るラベル付け処理部130の詳細な機能構成例を図12に示す。図12に示すように、本実施形態に係るラベル付け処理部130には、UI提供部131と、操作受付部132と、データ取得部133と、ラベル付け部134と、データ保存部135とが含まれる。
【0074】
UI提供部131は、領域抽出画像中の種子領域に対してその発芽状態を表すラベルを付与するためのラベル付け画面を第1のユーザ端末20に提供する。操作受付部132は、ラベル付け画面上でのラベル付き領域抽出画像の作成操作を受け付ける。データ取得部133は、ラベル付け対象の領域抽出画像を記憶部150から取得する。ラベル付け部134は、ラベル付け対象の領域抽出画像からラベル付き領域抽出画像を作成する。データ保存部135は、ラベル付き領域抽出画像を記憶部150に保存する。
【0075】
<ラベル付け処理の流れ>
本実施形態に係るラベル付け処理の流れについて、図13を参照しながら説明する。
【0076】
まず、ラベル付け処理部130のデータ取得部133は、ラベル付け対象の領域抽出画像を記憶部150から取得する(ステップS501)。例えば、ラベル付け処理部130は、ラベル付け対象の領域抽出画像として、第2の領域抽出画像を取得すればよい。ただし、これに限られず、ラベル付け処理部130は、任意の領域抽出画像をラベル付け対象として取得してもよい。
【0077】
次に、ラベル付け処理部130のラベル付け部134は、上記のステップS501で取得された領域抽出画像中の各種子領域に対してその発芽状態を表すラベルを付与する(ステップS502)。ここで、ラベル付け処理部130は、例えば、以下の(a)又は(b)によりラベルの付与を行えばよい。なお、発芽状態は、例えば、「正常/異常/その他」の3値であってもよいし、「正常/異常」や「発芽/その他」、「発芽/発芽でない」等といった2値であってもよいし、これら以外の任意の分類を表すものであってもよい。
【0078】
(a)人によるラベル付与
ラベル付け処理部130のUI提供部131は、ラベル付け画面を第1のユーザ端末20に提供する。これにより、第1のユーザ端末20のUI部210によってラベル付け画面が表示される。その後、第1のユーザは、このラベル付け画面上で種子領域とそのラベルを指定する指定操作を行った上で、ラベル付き領域抽出画像の作成操作を行う。そして、ラベル付け部134は、ラベル付き領域抽出画像の作成操作が操作受付部132によって受け付けられた場合、種子領域とそのラベルの指定操作によって指定された種子領域及びラベルを用いて、当該種子領域の輪郭を表すxy座標群と当該ラベルとを対応付ける。これにより、領域抽出画像に含まれる各輪郭に対してラベルが対応付けられたラベル付き領域抽出画像が得られる。
【0079】
なお、ラベル付け画面上では、既にラベルが付与されている種子領域に関してそのラベルの値の変更ができてもよい。
【0080】
(b)自動ラベル付与
種子領域を表す画像を入力として発芽状態を表すラベルを出力する分類モデルが存在する場合、ラベル付け部134は、この分類モデルを用いて、ラベル付け対象の領域抽出画像中の各種子領域に対してラベル付け(例えば、種子領域の輪郭に付与された番号順にその種子領域をラベル付け)を行う。このとき、ラベル付け部134は、例えば、領域抽出画像から各種子領域を含む画像領域を抽出する等といった画像処理を行った上で、この画像領域を1つの画像として分類モデルに入力してもよい。これにより、当該領域抽出画像に含まれる各輪郭に対してラベルが対応付けられたラベル付き領域抽出画像が得られる。なお、上記の分類モデルは必ずしも精度の良い分類モデルでなくてもよく、例えば、他品種の種子の発芽状態を分類するための分類モデルを転用してもよい。
【0081】
なお、(b)を行った後に、(a)を行ってもよい。これにより、特に、(b)で利用される分類モデルの精度が低い場合に、人手でラベルの値を修正することができる。
【0082】
そして、ラベル付け処理部130のデータ保存部135は、上記のステップS502で作成されたラベル付き領域抽出画像を記憶部150に保存する(ステップS503)。
【0083】
[ラベル変更処理]
以下、ラベル変更処理について説明する。
【0084】
<ラベル変更処理部140の詳細な機能構成例>
本実施形態に係るラベル変更処理部140の詳細な機能構成例を図14に示す。図14に示すように、本実施形態に係るラベル変更処理部140には、UI提供部141と、操作受付部142と、ラベル変更部143と、データ保存部144とが含まれる。
【0085】
UI提供部141は、後述するラベル変更画面を第2のユーザ端末30に提供する。操作受付部142は、ラベル変更画面上でのラベル変更後のラベル付き領域抽出画像の作成操作を受け付ける。ラベル変更部143は、ラベル変更対象のラベル付き領域抽出画像のラベルを変更したラベル付き領域抽出画像を作成する。データ保存部144は、ラベル変更後のラベル付き領域抽出画像を記憶部150に保存する。
【0086】
<ラベル変更処理の流れ>
本実施形態に係るラベル変更処理の流れについて、図15を参照しながら説明する。
【0087】
まず、ラベル変更処理部140のUI提供部141は、ラベル変更画面を第2のユーザ端末30に提供する(ステップS601)。これにより、第2のユーザ端末30のUI部310によってラベル変更画面が表示される。
【0088】
ここで、ラベル変更画面の一例を図16に示す。図16に示すラベル変更画面4000には、ラベル付き領域抽出画像4100と、ラベル情報表示欄4200と、作成ボタン4300とが含まれる。ラベル付き領域抽出画像4100は、ラベル変更対象のラベル付き領域抽出画像である。図16に示すラベル付き領域抽出画像4100には種子4101~4109が含まれており、これらの種子4101~4109に対応する領域にラベルが付与されている。ラベル情報表示欄4200は、種子4101~4109に対応する領域に付与されているラベルの情報(各ラベル値の数とその総数)が表示される表示欄である。図16に示すラベル情報表示欄4200には、ラベル値「正常」の数「9」と、ラベル値「異常」の数「0」と、ラベル値「その他」の数「0」と、ラベル値「正常」の数と「異常」の数と「その他」の数の合計「9」とが表示されている。作成ボタン4300は、ラベル変更後のラベル付き領域抽出画像の作成を開始するためのボタンである。
【0089】
第2のユーザは、図16に示すラベル変更画面4000に含まれるラベル付き領域抽出画像4100中の種子4101~4109に対応する領域を選択することで、その領域に付与されているラベルの値の変更操作を行うことができる。例えば、種子に対応する領域をマウス等のポインティングデバイスで利用してクリックすることで、その領域に付与されているラベルの値が「正常」である場合は「異常」に、「異常」である場合は「正常」に変更することができる。これにより、第2のユーザは、容易にラベルの値を変更することが可能となる。特に、例えば、撮影画像中の種子はその向きが種子毎に異なっていたり、種子同士に重なりがあったりするため、ラベル付け処理では、正確なラベル付けができない場合がある。このため、第2のユーザは、ラベル付き処理による誤ったラベルの値を正しい値に容易に変更することが可能となる。
【0090】
なお、上記のラベル値変更方法は一例であって、これに限られるものではない。例えば、種子に対応する領域に対して変更操作が行われるたびに、「正常」→「異常」→「その他」→「正常」等とラベル値が遷移してもよい。
【0091】
また、例えば、各種子に関して、その種子に対応する領域に付与されているラベルの値を固定するためのボタンが存在してもよい。これにより、第2のユーザは、種子に対応する領域に付与されているラベルの値を確定することが可能となる。
【0092】
第2のユーザは、適宜ラベルの値の変更操作を行った上で、作成ボタン3200を押下することで、ラベル変更後のラベル付き領域抽出画像の作成操作を行うことができる。以下、ラベル付き領域抽出画像4100中の少なくとも一部の種子に対応する領域に対してラベルの値の変更操作が行われた上で、ラベル変更後のラベル付き領域抽出画像の作成操作が行われたものとして説明を続ける。
【0093】
ラベル変更処理部140の操作受付部142は、ラベル変更後のラベル付き領域抽出画像の作成操作を受け付ける(ステップS602)。
【0094】
次に、ラベル変更処理部140のラベル変更部143は、ラベル変更対象のラベル付き領域抽出画像のラベルを変更したラベル付き領域抽出画像を作成する(ステップS603)。
【0095】
そして、ラベル変更処理部140のデータ保存部144は、上記のステップS603で作成されたラベル付き領域抽出画像を記憶部150に保存(上書き保存)する(ステップS604)。これにより、元のラベル付き領域抽出画像に含まれる種子領域に付与されているラベルの値が変更されたラベル付き領域抽出画像が得られる。
【0096】
[変形例]
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0097】
・変形例1
上記のアノテーション処理では、種子領域(の輪郭)を抽出するためにアノテーション操作を行ったが、例えば、発芽領域(の輪郭)を抽出するためにアノテーション操作が行われてもよい。この場合、上記の領域抽出処理でも同様に発芽領域(の輪郭)を抽出してもよい。更に、上記の領域抽出処理で発芽領域(の輪郭)を抽出する場合、ラベル付け処理も同時に行って、種子領域の抽出と発芽状態の組み合わせにより抽出されてもよい。
【0098】
・変形例2
上記の領域抽出処理で種子領域(の輪郭)が抽出された後、例えば、画像処理技術等に未検出の物体領域を検出してもよい。また、この場合、検出された物体領域毎に、その物体領域が種子領域であるか否か判定を第1のユーザに問い合わせてもよい。
【0099】
・変形例3
例えば、図11に示す修正画面3000上で抽出漏れを修正する際には、修正対象の種子領域に対する一部の輪郭座標の入力に基づいて、その種子領域の輪郭を表すxy座標群が抽出されてもよい。すなわち、当該種子領域に対する一部の輪郭座標の入力に基づいて、その輪郭を構成する他のxy座標が補完されてもよい。また、このとき、修正対象の種子領域(対象領域)と背景とを区別する情報の一部又は全部に基づいて、当該種子領域の輪郭を表すxy座標群が抽出されてもよい。
【0100】
・変形例4
例えば、図11に示す修正画面3000上で抽出漏れや誤抽出が修正された領域抽出画像のみを再学習用の領域抽出画像として、領域抽出モデルが再学習されてもよい。
【0101】
・変形例5
アノテーション操作は、スタイラスペンやタッチペン等による操作に限られず、例えば、マウスによる操作やその他の入力デバイスを利用した操作等であってもよい。
【0102】
・変形例6
対象画像は、2次元の画像に限られず、例えば、3次元の座標情報を有する3次元画像(例えば、xy座標に加えて、深度や距離等を表すz座標を持つ画像等)であってもよい。この場合、奥行きの情報(つまり、種子の高さを表すz座標)を考慮して種子領域の抽出が行われてもよい。種子領域に対応するxy座標群は、奥行き情報を持った3次元座標をそのまま使用してもよいし、3次元座標を平面に射影した2次元座標をxy座標群としてもよい。
【0103】
・変形例7
モデル学習のためのアノテーション作業に限られず、これ以外の用途に適用することも可能である。例えば、図10に示す領域抽出処理から再学習に関する部分の除いた処理を行ってもよい。これにより、種子領域(又は、変形例1を更に適用して発芽領域でもよい。)の抽出結果から抽出漏れや誤抽出を確認することができる。
【0104】
[まとめ]
以上のように、本実施形態に係るデータ作成システム1は、アノテーション処理、領域抽出処理、ラベル付け処理、ラベル変更処理により、撮影画像中の種子の発芽状態を精度良く分類する分類モデルを学習するための学習用データを効率的に作成することが可能となる。このため、本実施形態に係るデータ作成システム1を用いることで、撮影画像中の種子の発芽状態を精度良く分類する分類モデルを低コストで構築することが可能となる。
【0105】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から逸脱することなく、種々の変形や変更、既知の技術との組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 データ作成システム
10 データ作成装置
20 第1のユーザ端末
30 第2のユーザ端末
40 通信ネットワーク
110 アノテーション処理部
111 UI提供部
112 操作受付部
113 画像作成部
114 データ保存部
120 領域抽出処理部
121 UI提供部
122 操作受付部
123 データ取得部
124 再学習部
125 領域抽出部
126 データ保存部
127 修正画像作成部
130 ラベル付け処理部
131 UI提供部
132 操作受付部
133 データ取得部
134 ラベル付け部
135 データ保存部
140 ラベル変更処理部
141 UI提供部
142 操作受付部
143 ラベル変更部
144 データ保存部
150 記憶部
210 UI部
310 UI部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16