(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137354
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】画像読取装置及び複合機
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240927BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N1/00 519
H04N1/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048847
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】岡本 佳大
(72)【発明者】
【氏名】田中 洋光
(72)【発明者】
【氏名】中野 憲希
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 渡
(72)【発明者】
【氏名】辻 拓也
【テーマコード(参考)】
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AD02
5C062AD06
5C072LA02
5C072LA04
5C072LA08
5C072NA01
(57)【要約】
【課題】操作パネルと第1筐体との隙間に液体が垂れることを抑制できる画像読取装置及び複合機を提供する。
【解決手段】画像読取装置1は、原稿ガラス3G1、読取センサ3S、第1筐体10、操作パネル50及び原稿カバー90を備える。操作パネル50と第1筐体10との間には、隙間G1がある。原稿カバー90の前面は、第1前面91と、第1前面91よりも上方に位置し、隙間G1よりも前方に位置する第2前面92と、第1前面91と第2前面92とを連結する連結面93と、を有する。第2前面92の左端92Lは、左右方向において隙間G1の左端G1Lと同じ位置、又は、隙間G1の左端G1Lよりも左方の位置にある。第2前面92の右端92Rは、左右方向において隙間G1の右端G1Rと同じ位置、又は、隙間G1の右端G1Rよりも右方の位置にある。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を支持する原稿支持面を有する原稿ガラスと、
前記原稿支持面に支持された原稿の画像を読み取る読取センサと、
前記原稿ガラスを保持するとともに、前記読取センサを収容する第1筐体と、
前記第1筐体から前方に突出する操作パネルと、
前記第1筐体よりも上方に位置し、前記第1筐体の後端側で左右方向に延びる開閉軸心周りに、前記原稿支持面を覆う閉鎖位置と、前記原稿支持面を開放する開放位置と、の間で回動可能な原稿カバーと、
を備えた画像読取装置であって、
前記操作パネルと前記第1筐体との間には、隙間があり、
前記原稿カバーの前面は、第1前面と、
前記第1前面よりも上方に位置し、前記隙間よりも前方に位置する第2前面と、
前記第1前面と前記第2前面とを連結する連結面と、
を有し、
前記第2前面の左端は、左右方向において前記隙間の左端と同じ位置、又は、前記隙間の前記左端よりも左方の位置にあり、
前記第2前面の右端は、左右方向において前記隙間の右端と同じ位置、又は、前記隙間の前記右端よりも右方の位置にあることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記操作パネルの上面は、前方に向かうほど下方に位置するように傾斜するパネル傾斜面を有し、
前記第2前面は、前記パネル傾斜面の真上に位置している請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記原稿カバーの重心は、左右方向において前記連結面の左端と右端との間に位置している請求項1記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記原稿カバーは、読取対象の原稿を支持する供給トレイと、
モータと、前記モータによって駆動される複数のローラと、を有する搬送部であって、前記供給トレイ上の原稿を前記読取センサに向けて搬送し、前記読取センサの上方を通過させる前記搬送部と、
前記読取センサの上方を通過した原稿を支持する排出トレイと、
を有し、
前記モータは、左右方向において前記連結面の前記左端と前記右端との間に位置している請求項3記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記原稿カバーは、前記モータと、各前記ローラの少なくとも一部と、を支持する金属製の支持フレームを有し、
前記支持フレームは、左右方向において前記連結面の前記左端と前記右端との間に位置している請求項4記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記原稿カバーは、前記支持フレームに組み付けられて前記支持フレームを補強する金属製の補強フレームを有し、
前記補強フレームは、左右方向において前記連結面の前記左端と前記右端との間に位置している請求項5記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記原稿カバーは、前方を向く前外観面、後方を向く後外観面、左方を向く左外観面、及び右方を向く右外観面を有する第1ケーシングであって、前記前外観面、前記後外観面、前記左外観面及び前記右外観面のそれぞれの上端の高さが同じである前記第1ケーシングと、
前記第1ケーシングよりも上方に位置する第2ケーシングであって、後面に、前記後外観面よりも上方に位置する後壁を有する前記第2ケーシングと、
を有し、
前記後壁は、上方に向かうほど前方に位置するように傾斜する後壁傾斜面を有している請求項1記載の画像読取装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の画像読取装置と、
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を収容する第2筐体と、
前記第2筐体よりも上方、かつ前記第1筐体よりも下方に位置し、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結するジョイントカバーと、
を備え、
前記第1筐体は、左右方向における第1向きを向いて上下方向に延びる第1側面を有し、
前記第2筐体は、前記第1向きを向いて上下方向に延びる第2側面を有し、
前記ジョイントカバーは、前記第1向きを向いて上下方向に延びる第3側面を有し、
前記ジョイントカバーは、前記第1側面と前記第2側面とが前記第3側面よりも前記第1向き側に位置して、前記第3側面が前記第1側面及び前記第2側面との間で段差となっていることを特徴とする複合機。
【請求項9】
前記第1筐体は、前記第1側面の下端から前記ジョイントカバーの前記第3側面に向かって傾斜する第1筐体傾斜面を有している請求項8記載の複合機。
【請求項10】
前記ジョイントカバーは、前記第3側面の上端側で上方に向かうほど前記第1向き側に位置するように傾斜するジョイントカバー傾斜面を有している請求項8記載の複合機。
【請求項11】
前記第1筐体は、前記第1向きと反対の向きである第2向きを向いて上下方向に延びる第4側面を有し、
前記第2筐体は、前記第2向きを向いて上下方向に延びる第5側面を有し、
前記ジョイントカバーは、前記第2向きを向いて上下方向に延びる第6側面を有し、
前記ジョイントカバーは、前記第4側面と前記第5側面とが前記第6側面よりも前記第2向き側に位置して、前記第6側面が前記第4側面及び前記第5側面との間で段差となっており、
前記第4側面と前記第6側面との左右方向における位置の差は、前記第1側面と前記第3側面との左右方向における位置の差よりも大きく、
前記第1筐体は、前記第2向き側に位置する下面から下向きに突出し、かつ前後方向に延びるリブを有している請求項8記載の複合機。
【請求項12】
前記第1筐体及び前記第2筐体は、白色であり、
前記ジョイントカバーは、黒色又は灰色である請求項8記載の複合機。
【請求項13】
前記原稿カバーは、黒色又は灰色であって、前記ジョイントカバーと同色である請求項12記載の複合機。
【請求項14】
前記第1筐体、前記第2筐体及び前記ジョイントカバーは、ポストコンシューマーリサイクル材によって構成されている請求項12記載の複合機。
【請求項15】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の画像読取装置と、
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を収容する第2筐体と、
前記第2筐体よりも上方、かつ前記第1筐体よりも下方に位置し、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結するジョイントカバーと、
を備え、
前記第2筐体と前記ジョイントカバーとの間には、前記画像形成部によって画像が形成されたシートを排出する排出口があり、
前記操作パネルの下端は、前記第1筐体の下端よりも下方に位置し、
前後方向に沿って見て、前記操作パネルの前記下端の一部は、前記排出口の一部と重なっていることを特徴とする複合機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像読取装置及び複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像読取装置の一例が開示されている。この画像読取装置は、コンタクトガラスを保持する筐体と、筐体から前方に突出する操作パネルと、筐体よりも上方に位置し、筐体の後端にヒンジ部を介して連結されて開閉操作される自動原稿搬送装置と、を備えている。
【0003】
自動原稿搬送装置は、取っ手部を有している。取っ手部の左端は、左右方向において操作パネルと筐体との隙間の左端と同じ位置にある。取っ手部の右端である右側辺部は、その隙間の右端よりも左方に大きく離隔した位置にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の画像読取装置において、取っ手部は、操作パネルと筐体との隙間における取っ手部の右側辺部よりも右方に位置する部分を上から覆っていない。このため、この画像読取装置に上方から液体がかかった場合、取っ手部よりも右方において、その液体が操作パネルと筐体との隙間に垂れ易いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、操作パネルと第1筐体との隙間に液体が垂れることを抑制できる画像読取装置及び複合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像読取装置は、原稿を支持する原稿支持面を有する原稿ガラスと、
前記原稿支持面に支持された原稿の画像を読み取る読取センサと、
前記原稿ガラスを保持するとともに、前記読取センサを収容する第1筐体と、
前記第1筐体から前方に突出する操作パネルと、
前記第1筐体よりも上方に位置し、前記第1筐体の後端側で左右方向に延びる開閉軸心周りに、前記原稿支持面を覆う閉鎖位置と、前記原稿支持面を開放する開放位置と、の間で回動可能な原稿カバーと、
を備えた画像読取装置であって、
前記操作パネルと前記第1筐体との間には、隙間があり、
前記原稿カバーの前面は、第1前面と、
前記第1前面よりも上方に位置し、前記隙間よりも前方に位置する第2前面と、
前記第1前面と前記第2前面とを連結する連結面と、
を有し、
前記第2前面の左端は、左右方向において前記隙間の左端と同じ位置、又は、前記隙間の前記左端よりも左方の位置にあり、
前記第2前面の右端は、左右方向において前記隙間の右端と同じ位置、又は、前記隙間の前記右端よりも右方の位置にあることを特徴とする。
【0008】
本発明の画像読取装置において、上記構成である原稿カバーの前面は、上側が前方に突出した構成となっていることにより、操作パネルと第1筐体との隙間の全体を上方から覆う。これにより、この画像読取装置に上方から液体がかかった場合、第2前面によって、その液体を操作パネルと第1筐体との隙間よりも前方で垂らすことができる。
【0009】
したがって、本発明の画像読取装置は、操作パネルと第1筐体との隙間に液体が垂れることを抑制できる。
【0010】
さらに、この画像読取装置は、原稿カバーの連結面について、ユーザが原稿カバーに対する回動操作を行うときの手掛けとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図3は、実施例1の複合機の左側面図である。
【
図4】
図4は、実施例1の複合機の右側面図である。
【
図6】
図6は、実施例1の複合機の部分上面図である。
【
図7】
図7は、実施例1の複合機に係り、第1筐体の一部と、操作パネルと、を示す部分斜視図である。
【
図8】
図8は、実施例1の複合機の模式部分断面図である。
【
図9】
図9は、実施例1の複合機の模式上面図であって、搬送部、支持フレーム及び補強フレームを示す図である。
【
図10】
図10は、実施例1の複合機の配色を説明する斜視図である。
【
図11】
図11は、実施例1の複合機の配色を説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施例1~4について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の複合機1は、本発明の画像読取装置及び複合機の具体的態様の一例である。
図1において、複合機1の操作パネル50側が前方である。複合機1の左右方向は、前後方向に直交し、かつ水平に延びる方向である。操作パネル50に向かった場合に左に来る側を左方とする。そして、
図2以降の各図に示す各方向は、全て
図1に示す各方向に対応させて表示する。
【0014】
図1~
図6に示すように、複合機1は、第1筐体10、原稿カバー90、操作パネル50、第2筐体20及びジョイントカバー30を備えている。また、複合機1は、
図2~
図4に示す画像読取部3及び画像形成部5を備えている。
【0015】
<第1筐体及び画像読取部>
第1筐体10は、上下方向の長さが前後方向長さ及び左右方向の長さよりも大幅に小さい扁平な略箱状体である。
【0016】
図7及び
図8に示すように、第1筐体10は、上方が開放された略箱状体であるスキャナベース19と、スキャナベース19に上から組み付けられた枠体18と、によって構成されている。
【0017】
図1、
図2、
図4、
図6及び
図7に示すように、第1筐体10は、前面15を有している。前面15は、スキャナベース19の前面と、枠体18の前面と、からなる。前面15は、前を向いて上下方向及び左右方向に延びている。
【0018】
図2及び
図4に示すように、第1筐体10は、右側面11を有している。右側面11は、スキャナベース19の右側面と、枠体18の右側面と、からなる。右側面11は、右方を向いて上下方向及び前後方向に延びている。右側面11は、右向きを本発明の「左右方向における第1向き」とした場合における本発明の「第1側面」の一例である。
【0019】
図1~
図3に示すように、第1筐体10は、左側面14を有している。左側面14は、スキャナベース19の左側面と、枠体18の左側面と、からなる。左側面14は、左方を向いて上下方向及び前後方向に延びている。左側面14は、左向きを本発明の「左右方向における第1向き」とした場合における本発明の「第1側面」の一例である。
【0020】
図7及び
図8に示すように、第1筐体10は、画像読取部3を収容している。画像読取部3は、第1原稿ガラス3G1及び第2原稿ガラス3G2を備えている。第1原稿ガラス3G1は、本発明の「原稿ガラス」の一例である。
【0021】
第1原稿ガラス3G1は、大面積の矩形状である原稿支持面3Aを上面に有している。枠体18は、スキャナベース19に形成された図示しないリブとの挟持、及び両面テープによる貼り付けにより、原稿支持面3Aを第1筐体10の上面に露出させた状態で第1原稿ガラス3G1を保持している。
【0022】
第2原稿ガラス3G2は、前後方向に細長く延びる矩形状である読取面3Bを上面に有している。枠体18は、スキャナベース19に形成された図示しないリブとの挟持、及び両面テープによる貼り付けにより、読取面3Bを第1筐体10の上面における原稿支持面3Aよりも左方に露出させた状態で第2原稿ガラス3G2を保持している。
【0023】
図8に示すように、画像読取部3は、読取センサ3S及び図示しない走査機構を備えている。原稿支持面3Aは、静止した状態の原稿を支持する。原稿支持面3Aが支持する原稿は、用紙、OHPシート等のシートや書籍等である。読取面3Bは、後述する搬送部4が作動する場合に利用される。
【0024】
読取センサ3Sは、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の周知の画像読取センサであり、前後方向に細長く延びている。読取センサ3Sは、原稿支持面3A及び読取面3Bの下方に位置している。
【0025】
読取センサ3Sは、画像読取部3が原稿支持面3Aに支持された原稿の画像を読み取る場合、図示しない走査機構の作動により、原稿支持面3Aの左端縁の下方から右向きに、すなわち副走査方向に移動しながら、その原稿の画像を前後方向、すなわち主走査方向においてライン状に読み取る。読取センサ3Sは、原稿支持面3Aの右端縁の下方まで移動すると画像の読み取りを終了し、図示しない走査機構の作動により待機位置に復帰する。
【0026】
なお、後述する搬送部4が作動する場合、読取センサ3Sは、図示しない走査機構の作動により、読取面3Bの下方の静止読取位置に移動して静止する。
【0027】
<操作パネル>
図1及び
図7に示すように、操作パネル50は、第1筐体10の前面15の左端側に位置する部分から前方に突出する略箱状体である。操作パネル50は、操作パネルベース59と、操作パネルベース59に上から組み付けられた操作パネルカバー58と、によって構成されている。
【0028】
操作パネル50の前後方向の長さ及び左右方向の長さは、第1筐体10の前後方向の長さ及び左右方向の長さよりも小さい。
図1に示すように、操作パネル50の左側面は、第1筐体10の左側面14と面一である。
【0029】
操作パネル50は、タッチパネル51と、タッチパネル51を制御する図示しないタッチパネル制御基板と、を収容している。操作パネルカバー58は、矩形状の開口により、タッチパネル51の操作面を露出させている。
【0030】
タッチパネル51は、ユーザによる画像読取部3及び画像形成部5に関する操作指示入力を受け付ける。また、タッチパネル51は、操作面の下方に位置するLCD等の表示部によって、画像読取部3及び画像形成部5の稼働状態や設定等を示す画像を表示する。
【0031】
図7に示すように、操作パネル50の上面は、パネル傾斜面50S及び水平面50Fを有している。
【0032】
パネル傾斜面50Sは、操作パネルカバー58における第1筐体10の前面15よりも前方に位置する部分の上面と、タッチパネル51の操作面と、によって構成されている。
【0033】
パネル傾斜面50Sは、前方に向かうほど下方に位置するように緩やかに傾斜している。パネル傾斜面50Sは、操作パネル50の上面の前端を含んでいる。なお、タッチパネル51の操作面は、操作パネルカバー58の上面に対して、少し下がった位置となっているが、操作パネルカバー58の上面が水平方向に対して傾斜する角度と、タッチパネル51の操作面が水平方向に対して傾斜する角度とは同じである。すなわち、操作パネルカバー58の上面と、タッチパネル51の操作面とは、平行となっている。
【0034】
水平面50Fは、操作パネルカバー58における第1筐体10の前面15よりも後方に突出し、かつ左右方向に延びて、枠体18における前方かつ左方の角部に食い込む部分の上面によって構成されている。
【0035】
水平面50Fは、パネル傾斜面50Sの後端における左部分に接続して、後方に短く延び、かつ左右方向に延びている。
【0036】
図6及び
図7に示すように、操作パネル50と第1筐体10との間には、隙間G1がある。隙間G1は、パネル傾斜面50Sの後端における右部分、水平面50Fの後端、及び水平面50Fの右端と、枠体18における前方かつ左方の角部と、の間に形成されている。
【0037】
隙間G1の左端G1Lは、操作パネル50の左側面の後端に位置している。隙間G1の右端G1Rは、操作パネル50の右側面の後端に位置している。隙間G1は、左端G1Lから右端G1Rまで延びる途中で、クランク状に折れ曲がっている。
【0038】
<原稿カバー>
図1~
図4に示すように、原稿カバー90は、第1筐体10よりも上方に位置している。原稿カバー90は、第1ケーシング81及び第2ケーシング82を有している。
【0039】
第1ケーシング81の底面の外形状は、第1筐体10の上面の外形状と略同一である。第1ケーシング81は、前方を向く前外観面81A、後方を向く後外観面81B、左方を向く左外観面81L、及び右方を向く右外観面81Rを有している。第1ケーシング81は、前外観面81A、後外観面81B、左外観面81L及び右外観面81Rのそれぞれの上端の高さが同じ高さH1である。
【0040】
第2ケーシング82は、第1ケーシング81よりも上方に位置している。第2ケーシング82の左右方向の長さは、第1ケーシング81の左右方向の長さよりも小さい。第2ケーシング82の左側面は、第1ケーシング81の左外観面81Lよりも上方に位置し、左外観面81Lと面一である。つまり、第2ケーシング82は、第1ケーシング81の左側に偏っている。
【0041】
図3に示すように、第2ケーシング82は、後面に、後外観面81Bよりも上方に位置する後壁82Bを有している。後壁82Bは、後壁傾斜面82Sを有している。後壁傾斜面82Sは、上方に向かうほど前方に位置するように傾斜している。
【0042】
図3に示すように、原稿カバー90は、第1筐体10の後端側で左右方向に延びる開閉軸心X90周りに回動可能である。ユーザが原稿カバー90に対する回動操作を行うことにより、原稿カバー90は、
図3に実線で示すように原稿支持面3Aを覆う閉鎖位置と、
図3に二点鎖線で示すように原稿支持面3Aを開放する開放位置と、の間で回動可能である。
【0043】
ユーザは、原稿カバー90が開放位置にある状態で、原稿支持面3Aへの原稿の載置、及びその原稿の取り出しを行うことができる。
【0044】
<原稿カバーの第1前面、第2前面及び連結面>
図1~
図4及び
図6に示すように、原稿カバー90の前面は、第1前面91、第2前面92及び連結面93を有している。
【0045】
第1前面91は、第1ケーシング81の前外観面81Aと、第2ケーシング82の下側前面82Aと、からなる。下側前面82Aは、前外観面81Aよりも上方に位置して前を向く面であり、前外観面81Aの左側に偏っている。
【0046】
下側前面82Aの上端は、前方に向かって湾曲している。下側前面82Aにおける湾曲する上端よりも下方に位置する部分は、前外観面81Aと面一である。
【0047】
第1前面91の下端は、
図4及び
図6に示すように、隙間G1における右端G1Rを含む右部分の真上に位置し,
図3及び
図6に示すように、隙間G1における左端G1Lを含む左部分よりも前方に位置している。
【0048】
図1~
図4に示すように、第2前面92は、第1前面91よりも上方に位置して前を向く面である。
図6に示すように第2前面92は、隙間G1及び第1前面91よりも前方に位置している。第2前面92は、パネル傾斜面50Sの真上に位置している。
【0049】
ここで、「第2前面92が隙間G1及び第1前面91よりも前方に位置する」とは、左右方向の任意の位置において、第2前面92が隙間G1及び第1前面91よりも前方に位置することを意味している。
【0050】
図6に示すように、第2前面92の左端側は、1/4円弧を描くように後向きに湾曲している。第2前面92の左端92Lは、その1/4円弧における左方かつ後方に位置する先端である。
【0051】
第2前面92の右端側も、1/4円弧を描くように後向きに湾曲している。第2前面92の右端92Rは、その1/4円弧における右方かつ後方に位置する先端である。
【0052】
下側前面82Aの左端側及び右端側は、第2前面92の左端側及び右端側に沿うように後向きに湾曲している。
【0053】
図3及び
図4に示すように、連結面93は、前後方向及び左右方向に延びる下向きの面であり、第1前面91の湾曲する上端と、第2前面92の下端と、を連結している。連結面93は、ユーザが原稿カバー90に対する回動操作を行うときの手掛けとして機能する。
【0054】
図6に示すように、連結面93の左端側は、第2前面92の左端側と、下側前面82Aの左端側と、に沿うように後方かつ左方に延びている。連結面93の右端側は、第2前面92の右端側と、下側前面82Aの右端側と、に沿うように後方かつ右方に延びている。
【0055】
上面視した場合、連結面93の左端93Lは、第2前面92の左端92Lと同じ位置にあり、連結面93の右端93Rは、第2前面92の右端92Rと同じ位置にある。
【0056】
第2前面92の左端92Lは、左右方向において隙間G1の左端G1Lと同じ位置にある。第2前面92の右端92Rは、左右方向において隙間G1の右端G1Rよりも右方の位置にある。
【0057】
<原稿カバーの供給トレイ及び排出トレイ>
図1に示すように、原稿カバー90は、供給トレイ95及び排出トレイ96を有している。供給トレイ95は、原稿カバー90の第2ケーシング82の右部分に位置している。排出トレイ96は、原稿カバー90の第1ケーシング81の右部分に位置している。
【0058】
図8に示すように、供給トレイ95は、排出トレイ96よりも上方に位置している。供給トレイ95は、画像読取対象であるシート状の原稿SHを積層状態で支持する。排出トレイ96は、画像読取が終了して排出される原稿SHを支持する。
【0059】
なお、本実施例においては、原稿支持面3Aを使用して画像が読み取られる原稿と、搬送部4により搬送しながら画像が読み取られる原稿SHとは、実質的に同じものであってもよい。
【0060】
<原稿カバーの搬送部>
図8に示すように、原稿カバー90は、搬送部4、第1搬送ガイド49A、第2搬送ガイド49B及び第3搬送ガイド49Cを有している。搬送部4及び第1~第3搬送ガイド49A~49Cは、原稿カバー90の左部分の内部に位置している。
【0061】
搬送部4は、給送ローラ41、分離ローラ42、分離パッド42A、搬送ローラ43、搬送ピンチローラ43P、押圧部材44、排出ローラ45、排出ピンチローラ45P、補助排出ローラ47及び弾性片48を有している。
【0062】
給送ローラ41は、供給トレイ95の左端部に上から対向している。分離ローラ42及び分離パッド42Aは、給送ローラ41よりも左方に位置している。
【0063】
搬送ローラ43は、原稿カバー90の第1ケーシング81の左外観面81L側であって、第1筐体10の上面に近い側に位置している。搬送ピンチローラ43Pは、搬送ローラ43に対して左方かつ下方に位置し、搬送ローラ43に向けて押圧されている。押圧部材44は、読取面3Bの真上に位置している。
【0064】
排出ローラ45は、排出トレイ96の左端から上方かつ左方に離隔する位置にある。排出ピンチローラ45Pは、排出ローラ45に対して下方に位置し、排出ローラ45に向けて押圧されている。
【0065】
補助排出ローラ47は、排出トレイ96の左端から上方に離隔する位置、かつ排出トレイ96の左端から左方にずれた位置にある。補助排出ローラ47の上端は、排出ローラ45と排出ピンチローラ45Pとのニップ位置よりも上方に位置している。
【0066】
弾性片48は、剛性の高いフィルム製である。弾性片48は、排出ローラ45と補助排出ローラ47との間で片持ち支持されて右方に突出し、補助排出ローラ47よりも右方の位置で屈曲して右向きに下り傾斜している。弾性片48は、補助排出ローラ47に対して前後方向にずれて配置されている。
【0067】
第1~第3搬送ガイド49A~49Cは、原稿カバー90の内部に位置する複数のシュート部材の一部や、原稿カバー90の上壁部材の裏面から下向きに突出するリブ等からなる。
【0068】
第1搬送ガイド49Aは、原稿SHを供給トレイ95の左端部から左向きに案内して下向きにUターンさせ、搬送ローラ43及び搬送ピンチローラ43Pまで案内する。
【0069】
第2搬送ガイド49Bは、その原稿SHを搬送ローラ43及び搬送ピンチローラ43Pから読取面3Bまで下り傾斜するように案内し、次に、押圧部材44と読取面3Bとの間を、すなわち静止読取位置にある読取センサ3Sの上方を通過させるように案内する。
【0070】
第3搬送ガイド49Cは、その原稿SHを排出ローラ45及び排出ピンチローラ45Pまで右向きに上り傾斜するように案内し、さらに補助排出ローラ47及び弾性片48まで案内する。
【0071】
画像読取部3が供給トレイ95に支持された原稿SHの画像を読み取る場合、搬送部4が作動し、給送ローラ41が供給トレイ95に支持された原稿SHを給送する。分離ローラ42及び分離パッド42Aは、給送ローラ41によって給送される原稿SHを1枚ずつに分離しつつ搬送する。
【0072】
次に、搬送ローラ43及び搬送ピンチローラ43Pは、分離ローラ42によって搬送される原稿SHを引き継ぎ、第1搬送ガイド49A及び第2搬送ガイド49Bに案内される原稿SHを静止読取位置にある読取センサ3Sに向けて搬送し、読取センサ3Sの上方を通過させる。これにより、読取センサ3Sは、その原稿SHの画像を読み取る。
【0073】
その後、排出ローラ45及び排出ピンチローラ45Pは、読取センサ3Sの上方を通過した原稿SHを引き継いて排出トレイ96に排出する。
【0074】
この際、補助排出ローラ47及び弾性片48は、排出ローラ45及び排出ピンチローラ45Pを補助し、排出ローラ45及び排出ピンチローラ45Pのニップ位置よりも高い位置から排出トレイ96に原稿SHを排出する。
【0075】
<搬送部の駆動力伝達構成の詳細>
図9に示すように、原稿カバー90は、支持フレーム97及び補強フレーム98を有している。支持フレーム97及び補強フレーム98はそれぞれ金属製であり、本実施例では、鋼板が打ち抜き加工及び折り曲げ加工等されてなる。
【0076】
支持フレーム97及び補強フレーム98は、原稿カバー90の左部分における後端側に位置している。補強フレーム98は、後方から支持フレーム97に組み付けられて支持フレーム97を補強している。
【0077】
搬送部4は、モータM1及び駆動力伝達機構40を備えている。支持フレーム97は、その左端側においてモータM1を支持するとともに、モータM1よりも左方において駆動力伝達機構40を支持している。
【0078】
また、支持フレーム97は、分離ローラ42の回転軸42S、搬送ローラ43の回転軸43S、及び排出ローラ45の回転軸45Sのそれぞれの後端を支持している。
【0079】
モータM1は、分離ローラ42、搬送ローラ43、排出ローラ45及び補助排出ローラ47を駆動する駆動力を発生する。給送ローラ41、分離ローラ42、搬送ローラ43、排出ローラ45及び補助排出ローラ47は、本発明の「モータによって駆動される複数のローラ」の一例である。
【0080】
駆動力伝達機構40は、プーリ&ベルトや複数のギヤを有している。駆動力伝達機構40は、モータM1の駆動力を回転軸42Sを経由して分離ローラ42に伝達し、回転軸43Sを経由して搬送ローラ43に伝達し、回転軸45Sを経由して排出ローラ45に伝達する。
【0081】
給送ローラ41は、回転軸42Sに揺動可能に支持されたホルダ42Fの左端に回転可能に支持されている。回転軸42Sは、伝達ギヤ群41Gを経由して給送ローラ41に駆動力を伝達する。
【0082】
回転軸45Sは、その前端に固定されたギヤ45Gと、補助排出ローラ47の回転軸47Sの前端に固定されたギヤ47Gとが噛み合うことにより、補助排出ローラ47に駆動力を伝達する。
【0083】
モータM1、支持フレーム97及び補強フレーム98は、左右方向において連結面93の左端93Lと右端93Rとの間に位置している。
【0084】
モータM1、支持フレーム97及び補強フレーム98を含む搬送部4が原稿カバー90の左部分に位置する構成により、
図2に示すように、原稿カバー90の重心CG1は、左右方向において連結面93の左端93Lと右端93Rとの間に位置している。
【0085】
<第2筐体、ジョイントカバー及び画像形成部>
図1~
図4に示すように、第2筐体20は、左右方向の長さが第1筐体10の左右方向の長さと略同一であるが、上下方向の長さ及び前後方向の長さが第1筐体10の上下方向の長さ及び前後方向の長さよりも大きい略箱状体である。第2筐体20の前後左右の外観面は、複数の外装カバーによって構成されている。
【0086】
なお、本実施例では、第1筐体10及び原稿カバー90が対象とする原稿の最大サイズがA4サイズ(横210mm×縦297mm)である。
【0087】
図4に示すように、第2筐体20は、右側面22を有している。右側面22は、右方を向いて上下方向及び前後方向に延びている。右側面22は、右向きを本発明の「左右方向における第1向き」とした場合における本発明の「第2側面」の一例である。
【0088】
図1に示すように、第2筐体20は、左側面25を有している。左側面25は、左方を向いて上下方向及び前後方向に延びている。左側面25は、左向きを本発明の「左右方向における第1向き」とした場合における本発明の「第2側面」の一例である。
【0089】
ジョイントカバー30は、第2筐体20よりも上方、かつ第1筐体10よりも下方に位置している。ジョイントカバー30は、
図1に示すカバー本体31と、
図1、
図2及び
図4に示す右支持部32Rと、
図1~
図3に示す左支持部32Lと、を一体に有している。
【0090】
図1に示すように、カバー本体31は、前後方向及び左右方向に延びており、第2筐体20の上面の大部分を覆うように第2筐体20に連結している。右支持部32Rは、カバー本体31の右端側から上向きに突出し、かつ第2筐体20の後端側から前向きに延びている。左支持部32Lは、カバー本体31の左端側から上向きに突出し、かつ第2筐体20の後端側から前向きに延びている。
【0091】
図2に示すように、右支持部32Rの上端と、左支持部32Lの上端とは、第1筐体10のスキャナベース19と連結している。こうして、ジョイントカバー30は、第1筐体10と第2筐体20とを連結している。
【0092】
図4に示すように、ジョイントカバー30は、右側面33を有している。右側面33は、右支持部32Rの右側面である。右側面33は、右方を向いて上下方向及び前後方向に延びている。右側面33は、右向きを本発明の「左右方向における第1向き」とした場合における本発明の「第3側面」の一例である。
【0093】
図1に示すように、ジョイントカバー30は、左側面36を有している。左側面36は、左支持部32Lの左側面である。左側面36は、左方を向いて上下方向及び前後方向に延びている。左側面36は、左向きを本発明の「左右方向における第1向き」とした場合における本発明の「第3側面」の一例である。
【0094】
第2筐体20は、その下部においてシートカセット20Cを収容している。シートカセット20Cは、画像形成対象のシートを積層状態で支持している。
【0095】
図2に示すように、第2筐体20は、その内部におけるシートカセット20Cよりも上方において、画像形成部5を収容している。画像形成部5は、シートカセット20Cから搬送されるシートに対し、電子写真方式により画像を形成する。
【0096】
第2筐体20とジョイントカバー30との間には、排出口5Eがある。排出口5Eは、スキャナベース19の下面と、右支持部32Rの左側面と、左支持部32Lの右側面と、右支持部32Rと左支持部32Lとの間に位置するカバー本体31の上面と、によって区画されている。排出口5Eは、画像形成部5によって画像が形成されたシートを排出する。
【0097】
図1に示すように、カバー本体31における右支持部32Rと左支持部32Lとの間に位置する上面は、画像形成後排出トレイ39である。画像形成後排出トレイ39は、排出口5Eから排出されるシートを支持する。
【0098】
図2に示すように、ジョイントカバー30は、第1筐体10の右側面11と第2筐体20の右側面22とがジョイントカバー30の右側面33よりも右側に位置して、右側面33が右側面11及び右側面22との間で段差となっている。
【0099】
ジョイントカバー30は、第1筐体10の左側面14と第2筐体20の左側面25とがジョイントカバー30の左側面36よりも左側に位置して、左側面36が左側面14及び左側面25との間で段差となっている。
【0100】
操作パネル50の下端50D、すなわち操作パネルベース59の下面は、第1筐体10の下端10D、すなわちスキャナベース19の下面よりも下方に位置している。
【0101】
前後方向に沿って見て、操作パネル50の下端50Dにおける右方に位置する一部は、排出口5Eにおける左方かつ上方に位置する一部と重なっている。
【0102】
<複合機の配色>
第1筐体10のスキャナベース19及び枠体18と、操作パネル50の操作パネルベース59及び操作パネルカバー58と、第2筐体20の複数の外装カバーと、ジョイントカバー30と、原稿カバー90の第1ケーシング81及び第2ケーシング82と、はそれぞれ熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂成形品である。
【0103】
本実施例では、スキャナベース19、枠体18、操作パネルベース59、操作パネルカバー58、第2筐体20の複数の外装カバー、ジョイントカバー30、第1ケーシング81及び第2ケーシング82は、ポリスチレン樹脂やABS樹脂等のポストコンシューマーリサイクル材によって構成されている。
【0104】
ポストコンシューマーリサイクル材とは、製品のエンドユーザが製品を使用し、本来の目的のためにはもはや使用できなくなった製品を回収して再生される材料である。
【0105】
樹脂材料は、紫外線を長期間浴びるなどして経年劣化すると変色し易く、特に、ポストコンシューマーリサイクル材は、その経年劣化による変色の程度が大きくなり易い。
【0106】
このため、本実施例では、
図10及び
図11に示すように、複合機1の配色について、第1筐体10及び第2筐体20が白色であり、ジョイントカバー30が黒色であり、原稿カバー90が黒色であって、ジョイントカバー30と同色であり、操作パネル50が白色であって、第1筐体10と同色である。
【0107】
図10及び
図11に示す複合機1において、網掛けした領域は黒色であり、網掛けしていない領域は白色である。また、ジョイントカバー30及び原稿カバー90の黒色を灰色に変更してもよい。
【0108】
<作用効果>
実施例1の複合機1において、
図3及び
図4に示すように、原稿カバー90の前面は、第1前面91、第2前面92及び連結面93を有し、上側が前方に突出した構成となっている。
【0109】
そして、
図6に示すように、第2前面92の左端92Lは、左右方向において隙間G1の左端G1Lと同じ位置にある。第2前面92の右端92Rは、左右方向において隙間G1の右端G1Rよりも右方の位置にある。
【0110】
こうして、原稿カバー90の前面は、操作パネル50と第1筐体10との隙間G1の全体を上方から覆う。これにより、複合機1に上方から液体がかかった場合、第2前面92によって、その液体を操作パネル50と第1筐体10との隙間G1よりも前方で垂らすことができる。
【0111】
したがって、実施例1の複合機1は、操作パネル50と第1筐体10との隙間G1に液体が垂れることを抑制できる。
【0112】
さらに、この複合機1は、
図3に示すように、原稿カバー90の連結面93について、ユーザが原稿カバー90に対する回動操作を行うときの手掛けとして機能させることができる。
【0113】
また、この複合機1において、
図1及び
図2に示すように、操作パネル50の上面はパネル傾斜面50Sを有し、第2前面92はパネル傾斜面50Sの真上に位置している。この構成により、パネル傾斜面50Sによって、操作パネル50の上面に垂れた液体を操作パネル50と筐体との隙間G1から前方に遠ざけることができる。
【0114】
さらに、この複合機1において、
図2に示すように、原稿カバー90の重心CG1は、左右方向において連結面93の左端93Lと右端93Rとの間に位置している。この構成により、ユーザが連結面93に手を掛けて原稿カバー90に対する回動操作を行うときに、原稿カバー90の捩じれを抑制でき、原稿カバー90を円滑に回動させることができる。
【0115】
また、この複合機1において、
図9に示すように、モータM1は、左右方向において連結面93の左端93Lと右端93Rとの間に位置している。この構成により、原稿カバー90の重心CG1に作用する質量が増加し易い。このため、ユーザが連結面93に手を掛けて原稿カバー90に対する回動操作を行うときに、原稿カバー90の捩じれを抑制でき、原稿カバー90を円滑に回動させることができる、という作用効果を享受し易い。
【0116】
さらに、この複合機1において、支持フレーム97は、左右方向において連結面93の左端93Lと右端93Rとの間に位置している。この構成により、原稿カバー90の重心CG1に作用する質量が一層増加し易い。このため、ユーザが連結面93に手を掛けて原稿カバー90に対する回動操作を行うときに、原稿カバー90の捩じれを抑制でき、原稿カバー90を円滑に回動させることができる、という作用効果を一層享受し易い。
【0117】
また、この複合機1において、補強フレーム98は、左右方向において連結面93の左端93Lと右端93Rとの間に位置している。この構成により、原稿カバー90の重心CG1に作用する質量がより一層増加し易い。このため、ユーザが連結面93に手を掛けて原稿カバー90に対する回動操作を行うときに、原稿カバー90の捩じれを抑制でき、原稿カバー90を円滑に回動させることができる、という作用効果をより一層享受し易い。
【0118】
さらに、この複合機1において、
図1~
図4に示すように、原稿カバー90は、第1ケーシング81及び第2ケーシング82を有している。第1ケーシング81において、前外観面81A、後外観面81B、左外観面81L及び右外観面81Rのそれぞれの上端の高さが同じ高さH1である。第2ケーシング82において、後壁82Bは、後壁傾斜面82Sを有している。この構成により、
図3に二点鎖線で示すように、開放位置に回動した原稿カバー90が複合機1の後面側に位置する障害物に接触することを抑制できる。また、第2ケーシング82が複数の仕様を有する場合でも、それらの仕様について第1ケーシング81を共用し易い。
【0119】
また、この複合機1において、
図2に示すように、ジョイントカバー30は、第1筐体10の右側面11と第2筐体20の右側面22とがジョイントカバー30の右側面33よりも右側に位置して、右側面33が右側面11及び右側面22との間で段差となっている。また、ジョイントカバー30は、第1筐体10の左側面14と第2筐体20の左側面25とがジョイントカバー30の左側面36よりも左側に位置して、左側面36が左側面14及び左側面25との間で段差となっている。第1筐体10の経年劣化による変色の程度と、第2筐体20の経年劣化による変色の程度と、ジョイントカバー30の経年劣化による変色の程度と、が異なる場合がある。この点、実施例1の複合機1は、ジョイントカバー30の右側面33が第1筐体10の右側面11及び第2筐体20の右側面22との間で段差となっており、また、ジョイントカバー30の左側面36が第1筐体10の左側面14及び第2筐体20の左側面25との間で段差となっている構成により、ユーザが変色の色差を認識することを抑制できる。
【0120】
さらに、この複合機1において、
図10及び
図11に示すように、第1筐体10及び第2筐体20は白色であり、ジョイントカバー30は黒色である。第1筐体10の白色の経年劣化による変色の程度と、第2筐体20の白色の経年劣化による変色の程度と、が異なる場合がある。この場合において、第1筐体10と第2筐体20とが隣接していると、ユーザが変色の色差を認識し易くなるおそれがある。この点、第1筐体10と第2筐体20とが離隔し、双方の間に黒色のジョイントカバー30が位置する構成により、ユーザが変色の色差を認識することを抑制できる。
【0121】
また、この複合機1において、原稿カバー90は、黒色であって、ジョイントカバー30と同色である。この構成により、原稿カバー90、第1筐体10、ジョイントカバー30及び第2筐体20の配色が上から、黒、白、黒、白となるので、意匠性が向上する。また、原稿カバー90の供給トレイ95及び排出トレイ96に支持される原稿をユーザが視認し易くなる。さらにジョイントカバー30の画像形成後排出トレイ39に支持されるシートをユーザが視認し易くなる。
【0122】
さらに、この複合機1において、第1筐体10、第2筐体20及びジョイントカバー30は、ポストコンシューマーリサイクル材によって構成されている。この構成により、ポストコンシューマーリサイクル材からなる外装部材が経年劣化により変色し易いので、ユーザが変色の色差を認識することを抑制できる、という作用効果を享受し易い。
【0123】
また、この複合機1において、
図2に示すように、操作パネル50の下端50Dは、第1筐体10の下端10Dよりも下方に位置している。前後方向に沿って見て、操作パネル50の下端50Dにおける右方に位置する一部は、排出口5Eにおける左方かつ上方に位置する一部と重なっている。この構成により、操作パネル50の下端50Dが第1筐体10の下端10Dと上下方向において同じ位置、又は上方の位置にある場合と比較して、高さ方向の小型化を実現できる。なお、操作パネル50の下端50Dの一部と排出口5Eの一部との重なりは、ユーザが排出口5Eから排出されたシートを取り出す動作に影響を与える程大きくなり難い一方、小型化に寄与し易い。
【0124】
(実施例2)
実施例1の複合機1では、第1筐体10及び原稿カバー90が対象とする原稿の最大サイズがA4サイズであるが、
図12及び
図13に示すように、実施例2の複合機では、第1筐体10及び原稿カバー90が対象とする原稿の最大サイズがリーガルサイズ(横215.9mm×縦355.6mm)に変更されている。
【0125】
このため、実施例2では、実施例1と同一構成である第1筐体10及び原稿カバー90の左右方向の長さが実施例1よりも大きくなっている。また、実施例2では、実施例1と同一構成である操作パネル50の前後方向の長さ及び左右方向の長さが実施例1よりも大きくなっている。
【0126】
それに応じて、
図13に示すように、原稿カバー90の重心CG1の位置が実施例1から変わっている。また、
図14に示すように、隙間G1の左端G1Lの位置及び右端G1Rの位置が実施例1から変わっている。さらに、第2前面92の左端92Lの位置及び右端92Rの位置と、連結面93の左端93Lの位置及び右端93Rの位置と、が実施例1から変わっている。
【0127】
実施例2のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0128】
実施例2の複合機でも、第2前面92の左端92Lは、左右方向において隙間G1の左端G1Lと同じ位置にある。第2前面92の右端92Rは、左右方向において隙間G1の右端G1Rよりも右方の位置にある。
【0129】
したがって、実施例2の複合機は、実施例1の複合機1と同様に、操作パネル50と第1筐体10との隙間G1に液体が垂れることを抑制できる。
【0130】
また、実施例2の複合機は、実施例1に係る他の作用効果についても、実施例1と同様に奏することができる。
【0131】
さらに、実施例1の複合機1と、実施例2の複合機とは、第1筐体10及び原稿カバー90の仕様が対象とする原稿の最大サイズの相違に応じて異なっている。つまり、実施例1の複合機1と、実施例2の複合機とは、一部の仕様が異なる同一機種である。
【0132】
ここで、仮に、実施例1の複合機1について、第1筐体10の右側面11と、第2筐体20の右側面22と、ジョイントカバー30の右側面33とを面一に変更し、その複合機1と、実施例2の複合機とをユーザが比較することを想定した場合、右側面に段差があるか、又は面一であるかという相違によって、デザイン上の統一性がない等の違和感をユーザがもつおそれがある。
【0133】
この点、実施例1の複合機1と、実施例2の複合機とは、第1筐体10及び原稿カバー90の仕様が異なっていても、ジョイントカバー30の右側面33が第1筐体10の右側面11及び第2筐体20の右側面22との間で段差となっており、また、ジョイントカバー30の左側面36が第1筐体10の左側面14及び第2筐体20の左側面25との間で段差となっている構成により、デザイン上の統一性がない等の違和感をユーザがもつことを抑制できる。
【0134】
(実施例3)
図15に示すように、実施例3の複合機は、実施例1の複合機1に係る第1筐体10について、第1筐体傾斜面11Sを有するように変更している。第1筐体傾斜面11Sは、右側面11の下端からジョイントカバー30の右側面33に向かって傾斜している。
【0135】
また、この複合機は、実施例1に係るジョイントカバー30について、ジョイントカバー傾斜面33Sを有するように変更している。ジョイントカバー傾斜面33Sは、右側面33の上端側で上方に向かうほど右側に位置するように傾斜している。ジョイントカバー傾斜面33Sは、第1筐体傾斜面11Sと連続している。
【0136】
実施例3のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0137】
実施例3の複合機でも、実施例1、2の複合機1と同様に、操作パネル50と第1筐体10との隙間G1に液体が垂れることを抑制できる。
【0138】
また、この複合機は、第1筐体傾斜面11Sによって、第1筐体10における右側面11側の下面にユーザが手を掛けることを抑制できる。
【0139】
さらに、この複合機は、ジョイントカバー傾斜面33Sによって、第1筐体10における右側面11側の下面にユーザが手を掛けることを一層抑制できる。
【0140】
(実施例4)
図16に示すように、実施例4の複合機は、実施例2の複合機に係る第1筐体10について、第1筐体傾斜面11Sを有するように変更している。第1筐体傾斜面11Sは、実施例3に係る第1筐体傾斜面11Sと同様に、右側面11の下端からジョイントカバー30の右側面33に向かって傾斜している。
【0141】
また、この複合機は、実施例2に係るジョイントカバー30について、ジョイントカバー傾斜面33Sを有するように変更している。ジョイントカバー傾斜面33Sは、実施例3に係るジョイントカバー傾斜面33Sと同様に、右側面33の上端側で上方に向かうほど右側に位置するように傾斜している。ジョイントカバー傾斜面33Sは、第1筐体傾斜面11Sと連続している。
【0142】
この複合機において、第1筐体10の左側面14は、左向きを本発明の「第1向きと反対の向きである第2向き」とした場合における本発明の「第4側面」の一例である。
【0143】
第2筐体20の左側面25は、左向きを本発明の「第1向きと反対の向きである第2向き」とした場合における本発明の「第5側面」の一例である。
【0144】
ジョイントカバー30の左側面36は、左向きを本発明の「第1向きと反対の向きである第2向き」とした場合における本発明の「第6側面」の一例である。
【0145】
左側面14と左側面36との左右方向における位置の差L2は、右側面11と右側面33との左右方向における位置の差L1よりも大幅に大きい。
【0146】
第1筐体10は、複数のリブ14Tを有している。各リブ14Tは、スキャナベース19におけるジョイントカバー30の左側面36よりも左方に位置する下面から下向きに突出し、かつ前後方向に延びている。
【0147】
スキャナベース19におけるジョイントカバー30の左側面36よりも左方に位置する下面は、本発明の「第1筐体の第2向き側に位置する下面」の一例である。
【0148】
実施例4のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0149】
実施例4の複合機でも、実施例1~3の複合機1と同様に、操作パネル50と第1筐体10との隙間G1に液体が垂れることを抑制できる。
【0150】
また、この複合機によれば、ユーザが第1筐体10の左側面14側の下面に一方の手を掛けて複合機1を移動させようとする場合に、各リブ14Tによってその一方の手が滑り難い。なお、ユーザは、他方の手を第2筐体20の右側面22の下端等に掛けることができる。
【0151】
以上において、本発明を実施例1~4に即して説明したが、本発明は上記実施例~4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0152】
実施例1~4では、本発明の画像読取装置について、画像読取部3及び画像形成部5を備える複合機1として具体化したが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、画像形成機能を有しない画像読取装置に本発明の構成を適用してもよい。
【0153】
実施例1~4では、第2前面92の左端92Lが左右方向において隙間G1の左端G1Lと同じ位置にあるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、第2前面の左端は、左右方向において隙間の左端よりも左方の位置にあってもよい。
【0154】
実施例1~4では、第2前面92の右端92Rが隙間G1の右端G1Rよりも右方の位置にあるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、第2前面の右端は、左右方向において隙間G1の右端G1Rと同じ位置にあってもよい。
【0155】
実施例1~4では、パネル傾斜面50Sが第2前面92の直下に位置しているが、操作パネル50の上面が傾斜していない構成も本発明に含まれる。例えば、第2前面92の直下に位置する操作パネルの上面は、水平形状であってもよい。
【符号の説明】
【0156】
1…画像読取装置(複合機)、SH…原稿、3A…原稿支持面
3G1…原稿ガラス(第1原稿ガラス)、3S…読取センサ
10…第1筐体、50…操作パネル、X90…開閉軸心
90…原稿カバー、G1…隙間
91…第1前面、92…第2前面、93…連結面
92L…第2前面の左端、92R…第2前面の右端
G1L…隙間の左端、G1R…隙間の右端
50S…パネル傾斜面、CG1…原稿カバーの重心
93L…連結面の左端、93R…連結面の右端
95…供給トレイ、M1…モータ
41、42、43、45、47…複数のローラ(41…給送ローラ、42…分離ローラ、43…搬送ローラ、45…排出ローラ、47…補助排出ローラ)
4…搬送部、96…排出トレイ、97…支持フレーム
98…補強フレーム、81A…前外観面、81B…後外観面
81L…左外観面、81R…右外観面、81…第1ケーシング
H1…前外観面、後外観面、左外観面及び右外観面のそれぞれの上端の高さ
82…第2ケーシング、82B…第2ケーシングの後壁
82S…後壁傾斜面、5…画像形成部、20…第2筐体
30…ジョイントカバー、11S…第1筐体傾斜面
33S…ジョイントカバー傾斜面、14T…リブ
5E…排出口、50D…操作パネルの下端
10D…第1筐体の下端