(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137376
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】金属ラックに取り付けるレール付き引き出し用バスケットのレール装置
(51)【国際特許分類】
A47B 88/407 20170101AFI20240927BHJP
A47B 47/02 20060101ALI20240927BHJP
A47B 96/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A47B88/407
A47B47/02 C
A47B96/06 F
A47B96/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048875
(22)【出願日】2023-03-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】504058891
【氏名又は名称】永山實業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭西明
【テーマコード(参考)】
3B054
3B160
【Fターム(参考)】
3B054AA01
3B054BA04
3B054BA11
3B054FA01
3B160AA01
3B160AB02
3B160AB03
3B160AB41
3B160AB62
3B160CA05
3B160CA06
3B160CA13
3B160CA32
3B160DB00
(57)【要約】
【課題】金属ラックに取り付けるレール付き引き出し用バスケットのレール装置を提供する。
【解決手段】本発明のレール装置は、レール取付具30と、レール40と、を備える。レール取付具は、内面側の上半部に、棚板11のフレーム12を嵌合及び収容できる嵌合溝が設置される。嵌合溝の上縁及び下縁に、棚板のフレームの上縁及び下縁にそれぞれ係止するフック部が形成される。レールは、棚板の前後のフレームに組み立てられたレール取付具間に組み立てられるよう、レール取付具の下半部の両側縁に、それぞれレールの端部を挿入する開放溝が凹設される。開放溝の上縁及び下縁には、レールの上下の外縁と嵌合する嵌合部が形成され、開放溝の内側壁に、レールの端部に設けられた固定穴と嵌合する凸部が設けられる。棚板の前後のフレームに取り付けられたペアのレール取付具により、ペアのレールが構成され、引き出し用バスケット20がレール間に設置可能となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ラックの棚板の下方空間に引き出し用バスケットを取り付けるためのレール装置であって、
レール取付具と、
レールと、
を備え、
前記レール取付具は、前記棚板の前後のフレームの外面側に安定して組立てられるよう、前記レール取付具の内面側の上半部に、前記棚板のフレームを嵌合および収容できる嵌合溝が設置され、前記嵌合溝の上縁および下縁に、前記棚板のフレームの上縁および下縁にそれぞれ係止するフック部が形成されており、
前記レールは、前記棚板の前後のフレームに組み立てられた前記レール取付具間に組み立てられるよう、前記レール取付具の下半部の両側縁に、それぞれ前記レールの端部を挿入する開放溝が凹設されており、前記開放溝の上縁および下縁には、前記レールの上下の外縁と嵌合する嵌合部が形成されており、前記開放溝の内側壁に、前記レールの端部に設けられた固定穴と嵌合する凸部がさらに設けられ、
前記棚板の前後のフレームに取り付けられたペアの前記レール取付具により、ペアの前記レールが構成され、引き出し用バスケットが前記レール間に設置可能となることを特徴とするレール装置。
【請求項2】
前記引き出し用バスケットが取り付けられないとき、前記レール取付具の前記開放溝に、トリムが装着され、
前記トリムは輪郭が前記開放溝の形態に係合する箱状体であり、前記開放溝の溝口の嵌合部に固定して位置決めされ、前記開放溝内に安定して装着されるよう、内側面に固定穴が設けられ、外側面の上縁および下縁にストッパーが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレール装置。
【請求項3】
前記レール取付具の下半部の内面側には、同一側面のフレーム上にあるペアの前記レール取付具間に引っかけて接続することによりペアの前記レール取付具の相対的な位置関係を維持し、前記引き出し用バスケットの取り付けと出し入れの安定性を維持することができる位置決め連結棒を挿入および連結可能なペアの挿入孔が設けられており、前記位置決め連結棒の長さは前記引き出し用バスケットの幅に応じて決まることを特徴とする請求項1に記載のレール装置。
【請求項4】
前記レール上に、前記引き出し用バスケットの移動を制限する移動制限部材が嵌合されることを特徴とする請求項1に記載のレール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ラックに取り付けるレール付き引き出し用バスケットのレール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の金属ラックは構造設計において、主に少なくとも四つの直立棒を有し、各棒周囲の表面に等間隔に複数の凹リング溝が企画・製作されている。別途製作したプラスチック部材が選択的にそれに嵌合されるように組み合わせられ、プラスチック部材の内縁に製作した凸リブが、棒の凹リング溝内に嵌合され、初歩的な関連位置決め効果を取得する。プラスチック部材のテーパー状の設計に合わせて、別途製作した棚板は、その四端角の部位のスリーブのテーパー状内径の設計により、プラスチック部材の仲介的な位置づけにより棚板と棒の安定的な連結関係の位置決め効果を獲得し、また、それを維持することができる。棚板は設計上、通常、金属棒を採用してグリル式の物置面になるように溶接・形成され、またはメタルメッシュを採用して物置面とし、それにより物品の配置機能を提供する。
【0003】
ただし、棚板構造は、グリル式棚板または金属メッシュの面の棚板のいずれを採用するにしても、物品の収納・配置においては、いずれも棚板の物置面に配置され、適切な遮断物がなく、それにより配置された物品は落ち易い恐れがあり、同時に物品の収納・配置においても多くの制限がある。物品の収納・配置のさらなる弾力性と実用性を付与するため、業界は引き出し用バスケットをこの種類の金属ラックに付着するように整合しようとし、引き出し用バスケットの構造空間形態を利用して小さい物品の収納機能を提供し、もっとフレキシブルで実用的な価値を付与する。
【0004】
従来の金属ラックの引き出し用バスケットにおける整合・取付においては、
図1を参照されたい。それは主に金属ラック(1)の棚板(2)の下方に、別途製作したレールホルダー(3)が鎖結・組立てられる。レールホルダー(3)は、両側に溝口を有するレール(4)(5)と両端の連結固定片(6)(7)により構成されており、両端の連結固定片(6)(7)に栓孔が製作されている。それによりボルトが棚板(2)の前後のフレームの下縁側にロックされ、レールホルダー(3)を棚板(2)の下方に組立て、それにより引き出し用バスケット(8)を両レール(4)(5)間に設置し、引き出し用バスケット(8)の取り付けを完成させる。また引き出し用バスケット(7)が往復する押し引き機能が付与され、それにより物品の出し入れが便利となる。
【0005】
ただし、レールホルダーは組立において、ボルトにより棚板の前後のフレームの下縁側にロックされているため、作業においては一人で単独で完成させにくく、往々にして他人の助けとサポートがあって初めて順調にその組立て作業を完成させることができる。それはマンパワーの浪費だけでなく、また組立てにおいて相当面倒で、さらに組立ての偏位の問題がよく生じる。またレールホルダーは組立構造形態なので、単一規格の引き出し用バスケットしか使用出来ない。異なる規格の引き出し用バスケットを組み立てようとする場合は、多種類の規格のレールホルダーを準備しなければならず、産業上の利用可能性の多くのコスト問題を引き起こすに違いなく、実になんとかして解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の金属ラックの場合に、棚板の下方に引き出し用バスケットを取り付けるために使用されている固定形態のレールホルダーによって、組立て上及び使用上に存在し、また、派生した問題に鑑みて、発明者は特に研究開発に着手し、それを改善しようとした。関連産業に従事していた長年の経験と技術に基づき、本発明の金属ラックに取り付けるレール付き引き出し用バスケットのレール装置を発明したのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、金属ラックの棚板の下方空間に引き出し用バスケットを取り付けるためのレール装置に関する。
本発明のレール装置は、レール取付具と、レールと、を備える。
レール取付具は、棚板の前後のフレームの外面側に安定して組立てられるよう、レール取付具の内面側の上半部に、棚板のフレームを嵌合および収容できる嵌合溝が設置されている。嵌合溝の上縁および下縁に、棚板のフレームの上縁および下縁にそれぞれ係止するフック部が形成されている。
レールは、棚板の前後のフレームに組み立てられたレール取付具間に組み立てられるよう、レール取付具の下半部の両側縁に、それぞれレールの端部を挿入する開放溝が凹設されている。開放溝の上縁および下縁には、レールの上下の外縁と嵌合する嵌合部が形成されている。開放溝の内側壁に、レールの端部に設けられた固定穴と嵌合する凸部がさらに設けられている。
棚板の前後のフレームに取り付けられたペアのレール取付具により、ペアのレールが構成され、引き出し用バスケットがレール間に設置可能となる。
【0008】
引き出し用バスケットが取り付けられないとき、レール取付具の開放溝にトリムが装着される。
レール取付具の下半部の内面側に、同一側面のフレーム上にあるペアのレール取付具間に引っかけて接続することによりペアのレール取付具の相対的な位置関係を維持し、引き出し用バスケットの取り付けと出し入れの安定性を維持することができる位置決め連結棒を挿入および連結可能なペアの挿入孔が製作されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は金属ラックに取り付けるレール付き引き出し用バスケットのレール装置である。別途製作したレール取付具が棚板の前後のフレームに嵌合するように組立てられ、それにより従来の組立て式レールホルダーに取って代わる。それは組立て上もっと容易になるだけでない。さらにレール取付具の変位調整により、異なる規格の引き出し用バスケットの取り付けが簡単に実現する。従来の組立て式レールホルダーと較べて見れば、確実にもっと便利性とフレキシブル性を有し、誠に産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】従来の金属ラックに取り付ける引き出し用バスケットのレールホルダー構造の模式図である。
【
図2】本発明の好適な実施例の構造分解模式図である。
【
図3】本発明の好適な実施例のレール装置と引き出し用バスケットの構造に関する組合せ模式図である。
【
図4】本発明の好適な実施例のレール装置と引き出し用バスケットの構造分解模式図である。
【
図5】本発明の好適な実施例のレール装置にかかる部分構造分解模式図である。
【
図6】本発明の好適な実施例のレール装置にかかるレール取付具と棚板のフレームの組立の部分構造関係の模式図である。
【
図7】本発明の好適な実施例のレール装置にかかるレール取付具と引き出し用バスケットの部分構造関係の模式図である。
【
図8】本発明の好適な実施例における、棚板抜きのメッシュ面の構造模式図である。
【
図9】本発明の好適な実施例における、一部棚板抜きのメッシュ面の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の構造組成、技術手段及び効果達成の方面に関して、図式に合わせながら、例を挙げてさらに具体的に下記のように説明する。
【0012】
図2~
図9を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。図に示すように、本発明は金属ラック(10)の棚板(11)の下方空間に取り付ける、レール付き引き出し用バスケット(20)のレールの組立構造、すなわち、レール装置に関する。それは主に金属ラック(10)の棚板(11)の前後のフレーム(12)にペアのレール取付具(30)を嵌合するように組立てる。別途製作したレール(40)を、レール取付具(30)に嵌合および結合し、引き出し用バスケット(20)をペアのレール(40)に一体的に滑らせるように設置することにより、棚板(11)の下方空間に取り付ける引き出し用バスケット(20)の目的を実現する。
【0013】
レール取付具(30)は、その内面側の上半部に棚板(11)のフレーム(12)を嵌合および収容できる嵌合溝(31)が設置されていてもよい。嵌合溝(31)の上縁、下縁に形成されたフック部(311)(312)は、棚板(11)のフレーム(12)の上縁および下縁にそれぞれ嵌合することができ、それによりレール取付具(30)は安定してフレーム(12)の外面側に組立てられることができる。レール取付具(30)の下半部の両側縁には、それぞれ開放溝(32)が凹設されており、開放溝(32)はその側の開放溝の上縁、下縁に嵌合部(321)(322)が形成されている。また開放溝(32)の内側壁にさらに凸部(33)が製作されており、それにより別途製作したレール(40)の端部がレール取付具(30)の開放溝(32)内に嵌まる。また開放溝(32)側における開放溝の嵌合部(321)(322)がレール(40)の上下の外縁に締結される。開放溝(32)内の凸部(33)が、レール(40)の端部に予め製作された固定穴(41)に嵌合されることにより固定され、レール(40)を棚板(11)の前後のフレーム(12)に相対的に組立てられたレール取付具(30)間に組立てる。前後のフレーム(12)におけるペアのレール取付具(30)により、ペアのレール(40)の組立および結合が完成する。別途製作した引き出し用バスケット(20)を一体的に滑らせるようにペアのレール(40)間に設置することができ、引き出し用バスケット(20)の取り付け作業を達成する。それにより引き出し用バスケット(20)はレール(40)にガイドされて往復する押し引き機能を果たすことができる。引き出し用バスケット(20)が、過度の力でうっかり引っ張り出されることを避けるため、さらにレール(40)の上に移動制限部材(42)を嵌合することができ、それにより引き出し用バスケット(20)の引き出しによる移動を制限する。
【0014】
レール取付具(30)は、その両側縁の二つの開放溝(32)を設けていることにより、二つの引き出し用バスケット(20)が隣り合うこととなり、共通の需要に対応することができる。またレール取付具(30)が一番側、すなわち、外側にあり、一つの開放溝(32)を使用しない場合、別途製作したトリム(34)を開放溝(32)に装着することができる。トリム(34)は輪廓が開放溝(32)の形態に係合する枠型体、すなわち箱状体であることができ、その内側面に固定穴(341)が設置されており、その外側面の上縁および下縁にはストッパー(342)が形成されている。それにより開放溝(32)の溝口の嵌合部(321)(322)と係合するよう位置決めされ、それによりトリム(34)を安定的に開放溝(32)内に装着することができ、それによりその外観の全体性と美観性を維持する。また、レール取付具(30)の下半部の内面側にさらにペアの挿入孔(35)(36)が製作されており、それにより同側の、すなわち、同一側面のフレーム上にある、ペアとなる両レール取付具(30)間に別途製作した位置決め連結棒(37)が挿入および連結される。位置決め連結棒(37)の長さは引き出し用バスケット(20)の幅の規格に応じて決めることができ、位置決め連結棒(37)のフック設定・連結、すなわち、位置決め連結棒(37)を引っかけて接続することにより、両レール取付具(30)の相対関係、すなわち、相対的な位置関係を維持し、それにより引き出し用バスケット(20)の一体性と押し引きの安定性を維持し、引き出し用バスケット(20)に過大な重量負荷がかかって崩れ落ちる問題が発生することを避ける。
【0015】
レール取付具の構造設計により、引き出し用バスケットのレールは組立製造上もっと容易となり、さらに他人の助けがなくても単独で完成することができる。特にそのレールは組立てにおいて引き出し用バスケットの規格に制限されずに、引き出し用バスケットの規格により適当にレール取付具の位置を調整して、レール間隔を調整することができる。各種の規格の引き出し用バスケットの取り付けに対応することにより、全体的に組立てにおいてもっとフレキシブルで実用的になると同時に、引き出し用バスケットの押し引き操作の安定性を確保することができる。それにより従来のレールホルダーに取って代わり、もっと便利な引き出し用のレール付きバスケットのレール装置を提供する。
【0016】
以上の説明により全体的に見て分かるように、本発明の金属ラックに取り付ける引き出し用のレール付きバスケットのレール装置は、設計上、レール取付具が、棚板の前後のフレームの外面側に嵌合するように組立てられる。レールがレール取付具に嵌合および結合され、さらにペアのレールに、引き出し用バスケットを一体的に滑らせるように設置することにより、棚板の下方空間に引き出し用バスケットが取り付けられるという目的を実現する。本発明は、従来の組立て式レールホルダーに取って代わり、もっと便利でフレキシブルなレール装置を提供する。全体的に言えば、確かに産業上の利用可能性と実用価値を有し、誠に優れている、突出した革新的な設計であり、ここで法により特許出願を提出する。
【符号の説明】
【0017】
(1)金属ラック (2)棚板
(3)レールホルダー (4)(5)レール
(6)(7)連結固定片 (8)引き出し用バスケット
(10)金属ラック (11)棚板
(12)フレーム (20)引き出し用バスケット
(30)レール取付具 (31)嵌合溝
(311)(312)フック部
(32)開放溝 (321)(322)嵌合部
(33)凸部 (34)トリム
(341)固定穴 (342)ストッパー
(35)(36)挿入孔 (37)位置決め連結棒
(40)レール (41)固定穴
(42)移動制限部材