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特開2024-137381体験型デジタル図書スペースシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137381
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】体験型デジタル図書スペースシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240927BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048883
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松林 容子
(72)【発明者】
【氏名】山田 真
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA48
5E555BA01
5E555BA16
5E555BA19
5E555BA29
5E555BB01
5E555BB16
5E555BB19
5E555BB29
5E555BC07
5E555BD01
5E555BE13
5E555DA03
5E555DA21
5E555DA26
5E555DA27
5E555DA30
5E555FA00
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】より多くのユーザへの、より多様な書籍関連コンテンツの視聴体験の提供を可能化する体験型デジタル図書スペースシステムを提供する。
【解決手段】体験型デジタル図書スペースシステム10は、図書スペース101に設置される表示装置2を備える。図書スペース101は、1人以上のユーザU1~U3で構成されるユーザ群UG1に複数種類の図書体験を提供するためのスペースである。複数種類の図書体験は、書籍301の利用を体験させる書籍体験を含む。複数種類の図書体験は、書籍301の内容に関連する書籍関連コンテンツの視聴を体験させる視聴体験を更に含む。表示装置2は、ユーザ群UG1への書籍体験の提供の前又は後に、書籍関連コンテンツ126を表示する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1人以上のユーザで構成されるユーザ群に書籍の利用を体験させる書籍体験を含む複数種類の図書体験を提供するための図書スペース、に設置される表示装置を備え、
前記複数種類の図書体験は、前記書籍の内容に関連する書籍関連コンテンツの視聴を前記ユーザ群に体験させる視聴体験を更に含み、
前記表示装置は、前記ユーザ群への前記書籍体験の提供の前又は後に、前記書籍関連コンテンツを表示する、
体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項2】
前記書籍関連コンテンツは、前記書籍の前記内容への興味の誘発、前記書籍の前記内容の理解、及び前記書籍の前記内容の記憶定着の少なくとも1つに寄与し得るコンテンツである、
請求項1に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項3】
前記図書スペースは、前記書籍体験のための書籍エリアを含む複数のエリアを有し、
前記表示装置は、前記複数のエリアのうち前記書籍エリアとは異なるエリアに設置され、前記複数のエリアを所定の順序で巡る前記ユーザ群が、前記表示装置が設置されている前記エリアに存在する期間に、前記書籍関連コンテンツを表示する、
請求項1に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項4】
前記図書スペースに設置され、前記複数種類の図書体験に関する演出を行うための演出ユニットと、
前記表示装置及び前記演出ユニットを制御する制御装置と、を更に備え、
前記複数のエリアは、前記視聴体験のための視聴エリアを更に含み、
前記表示装置は、前記視聴エリアに設置され、
前記制御装置は、前記書籍エリア及び前記視聴エリアを含む前記複数のエリアを所定の順序で巡る前記ユーザ群に対し、前記複数種類の図書体験が互いに異なるエリアで互いに異なる期間に提供されるように、
前記表示装置及び前記演出ユニットの少なくとも一方に、前記ユーザ群に対して、前記複数のエリアのうち最初のエリアへの初期移動を促す又は支援する初期誘導演出、及び前記初期誘導演出の後に、前記複数のエリアの間でのエリア間移動を促す又は支援する1回以上のエリア間誘導演出、を含む複数回の誘導演出のうち、少なくとも前記視聴エリアへの誘導演出を行わせる誘導演出制御と、
前記視聴エリアへの誘導演出の後、前記表示装置に前記書籍関連コンテンツの表示を行わせる表示制御と、を実行する、
請求項3に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記誘導演出制御に続いて、前記ユーザ群の感情を落ち着かせる落ち着かせ演出制御を行う、
請求項4に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項6】
複数の前記演出ユニットの各々が、前記複数のエリアのいずれか1つ又は2つ以上に対応付けて設置され、
前記制御装置は、前記複数のエリアを巡る前記ユーザ群に対して、前記複数のエリアの各々に対応する前記演出ユニットを制御して、前記複数のエリアの各々において提供される図書体験の種類に応じたエリア演出制御を行う、
請求項4又は5に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項7】
前記演出ユニットは、
照明機器と、
音響機器、映像機器、空調機器、空質機器及び芳香機器、のうち1種類以上の機器と、を含み、
前記制御装置は、
前記照明機器からの光の出力タイミング、出力周期、光量、配光及び光色、並びに複数の前記照明機器からの光の出力タイミングのずれ、のうち1つ以上の光パラメータを制御する光パラメータ制御と、
前記音響機器からの音響の出力タイミング、出力周期、音量、指向性及び音色、並びに複数の前記音響機器からの音響の出力タイミングのずれ、のうち1つ以上の音パラメータを制御する音パラメータ制御と、
前記映像機器からの映像に含まれる画像及びテキスト、のうち1つ以上の映像パラメータを制御する映像パラメータ制御と、の少なくとも1つを行うことで、前記誘導演出制御を実現する、
請求項6に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記照明機器からの光、前記音響機器からの音響、前記映像機器からの映像、前記芳香機器からの香り、及び前記空調機器又は前記空質機器からの風、のうち1つ以上の空間変動パラメータを制御する空間変動パラメータ制御を行うことで、少なくとも前記エリア演出制御を実現する、
請求項7に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項9】
前記視聴エリアに、前記表示装置の表示面と、前記表示面に対面している前記ユーザと、の間の空間の所定範囲を囲むように設けられる囲み部材、を更に備える、
請求項4に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記視聴エリアから前記書籍エリアへの誘導演出において、前記表示装置及び前記演出ユニットの少なくとも一方に、前記視聴エリアでの前記視聴体験に関する問いかけ又は課題の提示を行わせる制御を行う、
請求項4に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記書籍エリアでの前記エリア演出制御において、前記演出ユニットに、前記ユーザによる前記書籍の選択を支援する書籍選択支援を行わせる、
請求項8に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項12】
前記制御装置は、前記書籍エリアでの前記エリア演出制御において、前記演出ユニットに、前記ユーザのリラックス感を醸成するリラックス感演出を行わせる、
請求項8に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項13】
前記制御装置は、前記書籍エリアでの前記エリア演出制御において、前記演出ユニットに、前記ユーザに時間の経過を感じさせる時間経過演出を行わせる、
請求項8に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項14】
前記複数種類の図書体験は、前記ユーザ群又は前記ユーザ群を構成する前記1人以上のユーザの各々を撮像する体験である撮像体験を更に含み、
前記複数のエリアは、前記撮像体験のための撮像エリアを更に含む、
請求項7に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項15】
前記制御装置は、前記書籍エリア又は前記視聴エリアから前記撮像エリアへのエリア間誘導演出において、前記表示装置及び前記演出ユニットの少なくとも一方に、前記書籍エリア又は前記視聴エリアから前記撮像エリアに向かう動きを伴う映像の表示制御又は発光のタイミング制御を行わせる、
請求項14に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項16】
前記撮像エリアに設けられ、前記撮像エリアに存在する前記ユーザを撮像する撮像装置、を更に備え、
前記制御装置は、
撮像装置に前記ユーザを撮像させ、
前記表示装置に、前記撮像装置で撮像した前記ユーザの画像であるユーザ画像を、前記書籍関連コンテンツの画像であるコンテンツ画像と共に表示させる、
請求項14に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項17】
前記撮像エリアは前記視聴エリアを含み、
前記表示装置は第1表示装置であり、
前記撮像エリアに、前記第1表示装置と互いの表示面同士が対面するように設けられる第2表示装置、を更に備え、
前記撮像装置は、前記第1表示装置及び前記第2表示装置の間に設けられ、前記第1表示装置及び前記第2表示装置の間に存在する前記ユーザを撮像し、
前記制御装置は、
前記第1表示装置及び前記第2表示装置の一方の表示面に前記コンテンツ画像を表示させ、
前記撮像装置に、前記コンテンツ画像を背景として前記ユーザを撮像させ、
前記第1表示装置及び前記第2表示装置の他方の表示面に、前記コンテンツ画像を背景として前記ユーザを撮像した背景付ユーザ画像を表示させる、
請求項16に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項18】
前記ユーザ群は、複数のユーザで構成され、
前記複数種類の図書体験は、前記複数のユーザのうち、前記複数種類の図書体験の少なくとも1つを共有したユーザ間での談話体験を更に含み、
前記複数のエリアは、前記談話体験のための談話エリアを更に含む、
請求項17に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【請求項19】
前記制御装置は、前記複数のユーザの各々の気づきを書き込んだ気づきデータを受け付け、前記複数のユーザの各々が閲覧可能に保存する、
請求項18に記載の体験型デジタル図書スペースシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体験型デジタル図書スペースシステムに関し、より詳細には、ユーザ(図書体験の提供対象となる対象者:以下同様)に図書体験を提供する体験型デジタル図書スペースシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが書籍を読んでいるときに、現在開いている頁の拡張現実のためのブックオブジェクトが、ユーザの頭部に装着されたVR端末に表示されるものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7022250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術では、その書籍専用のコンテンツが必要であり、内容に共通点がある(例えば、同じ分野に属する)複数の書籍に使える汎用的なコンテンツの視聴は想定外である。また、一のスペースに存在する複数のユーザに視聴体験を提供する場合、個々のユーザ専用の表示装置が必要となる。さらに、複数の書籍に対応した汎用の書籍関連コンテンツを共用の表示装置に単に表示すれば、個々のユーザの読書の妨げとなる場合もある。
【0005】
本開示の目的は、より多くのユーザへの、より多様な書籍関連コンテンツの視聴体験の提供を可能化する体験型デジタル図書スペースシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る体験型デジタル図書スペースシステムは、図書スペースに設置される表示装置を備える。前記図書スペースは、1人以上のユーザで構成されるユーザ群に複数種類の図書体験を提供するためのスペースである。前記複数種類の図書体験は、書籍の利用を体験させる書籍体験を含む。前記複数種類の図書体験は、前記書籍の内容に関連する書籍関連コンテンツの視聴を体験させる視聴体験を更に含む。前記表示装置は、前記ユーザ群への前記書籍体験の提供の前又は後に、前記書籍関連コンテンツを表示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の体験型デジタル図書スペースシステムは、より多くのユーザへの、より多様な書籍関連コンテンツの視聴体験の提供を可能化するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施形態に係る体験型デジタル図書スペースシステムのブロック図である。
図2図2は、同上の体験型デジタル図書スペースシステムが適用された図書スペースを有する建物を示す上面図である。
図3図3は、同上の実施形態の体験型デジタル図書スペースシステムを構成する制御装置の動作の一部を説明するフローチャートである。
図4図4は、同上の動作の他の一部を説明するフローチャートである。
図5図5は、同上の動作の他のその他の一部を説明するフローチャートである。
図6図6は、同上の体験型デジタル図書スペースシステムの変形例を示すブロック図である。
図7図7は、同上の変形例が適用された図書スペースを有する建物を示す上面図である。
図8図8は、同上の変形例を構成する制御装置の動作の一部を説明するフローチャートである。
図9図9Aは、同上の変形例における視聴体験の一例を示す模式図であり、図9Bは、同上の変形例における撮像体験の一例を示す模式図である。
図10図10Aは、同上の撮像体験においてユーザが見る背景付きユーザ画像(第1表示装置の表示画像)を示す概念図であり、図10Bは、同上の撮像体験において第1表示装置の表示画像を背景として撮像されるユーザを示す概念図である。
図11図11Aは、同上の視聴体験の他の例を示す模式図であり、図11Bは、同上の撮像体験の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示では、より多くのユーザへの、より多様な書籍関連コンテンツの視聴体験の提供を可能化する体験型デジタル図書スペースシステムについて説明する。さらには、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を図り、むしろ書籍体験の促進を図ることができるような視聴体験の提供、ひいては、そのような視聴体験を含むより多様な図書体験の提供を可能化する体験型デジタル図書スペースシステムについて説明する。
【0010】
(1)第1実施形態の概要
本開示の第1実施形態に係る体験型デジタル図書スペースシステム10は、図2に示すように、図書スペース101に設置される表示装置2を備える。
【0011】
(1-1)表示装置
表示装置2とは、書籍関連コンテンツ126(後述)を表示するための装置であり、例えば、ディスプレイ、プロジェクタなどである。表示装置2は、通常、音声出力機能も有する。ただし、表示装置2は、表示専用でもよいし、別体の音声出力装置と接続されていてもよい。表示装置2は、例えば、120インチ等の大画面を有することが好適である。
【0012】
(1-2)図書スペース
図書スペース101とは、図書に関するサービスを提供するための物理的な空間(つまり、仮想空間とは異なるリアル空間)であり、例えば、建物100の一のフロアである。図書スペース101では、1人以上のユーザ(例えば、3人のユーザU1~U3)で構成されるユーザ群UG1に対し、複数種類の図書体験が提供される。
【0013】
(1-3)ユーザ及びユーザ群
図書体験の提供を受けるユーザ(U1~U3)は、主として、1歳半から9歳までの子供(幼児前期~学童前期)、及び準高齢者(65~75歳)である。ただし、対象年齢には、学童後期(10~13歳)及び高齢者(75歳以上)の少なくとも一方も含まれてもよい。
【0014】
ユーザ群UG1は、例えば、上記のような年齢層に属する複数のユーザ(U1~U3)で構成される。ユーザ群UG1は、好ましくは、上記のような年齢層に属し、かつ互いに近い年齢の複数のユーザ(例えば、複数の幼稚園児、複数の準高齢者など)で構成される。ただし、ユーザ群UG1の中に上記以外の年齢層に属するユーザが含まれていてもよい。また、単一のユーザで構成されるユーザ群(不図示)があっても構わない。
【0015】
なお、図2及び図7に示されるユーザ群UG1は、例えば、幼稚園児であるユーザU2と、その両親又は祖父母であるユーザU1及びユーザU3と、で構成されている。
【0016】
(1-4)書籍及び図書体験
複数種類の図書体験は、書籍301の利用を体験させる書籍体験を含む。書籍301の利用とは、例えば、書籍301を読む読書、書籍301を使った調べものなどである。
【0017】
書籍301は、例えば、紙の書籍であるが、タブレット端末等の端末を介して利用される電子書籍でもよい。図書スペース101には、紙の書籍及び電子書籍が混在していてもよい。
【0018】
(1-5)書籍関連コンテンツ及び視聴体験
複数種類の図書体験は、書籍関連コンテンツ126の視聴を体験する視聴体験を更に含む。視聴とは、通常、発話や音楽等の音声を聴きながら動画等の映像を視ることであるが、視るだけ、聴くだけの場合も含む。
【0019】
書籍関連コンテンツ126とは、書籍301の内容に関連するコンテンツである。本実施形態における書籍関連コンテンツ126は、電子書籍そのもの(紙の書籍の内容を単にデータ化したもの)とは異なるコンテンツである。ただし、電子書籍そのものも書籍関連コンテンツ126の一種と考えてもよい。
【0020】
書籍関連コンテンツ126は、例えば、書籍301の内容への興味の誘発、書籍301の内容の理解、及び書籍301の内容の記憶定着、の少なくとも1つに寄与し得るコンテンツであることが好適である。ある種の書籍関連コンテンツ126は、例えば、書籍301の内容に興味を持たせることで、書籍301の自発的な利用を促す作用を有する。例えば、書籍体験と併せて、書籍301の内容への興味を誘発する作用を有する書籍関連コンテンツ126の視聴体験をさせることで、書籍体験に自発性が生じ、書籍の利用が促進されることが期待される。
【0021】
別の種類の書籍関連コンテンツ126は、例えば、書籍301の内容を整理することで、内容の理解を深める作用、及び書籍301の内容を振り返ることで、内容の記憶を定着させる作用、のうち少なくとも一方を有する。例えば、書籍体験と併せて、書籍301の内容を振り返りながら整理する作用を有する書籍関連コンテンツ126の視聴体験をさせることで、書籍体験で得た内容に関する理解がより深まると共に書籍体験で得た内容の記憶が定着することが期待される。
【0022】
(1-6)第1実施形態の一要部:書籍体験に対する視聴体験のタイミング
表示装置2は、ユーザ群UG1への書籍体験の提供の前又は後に、書籍関連コンテンツ126を表示する。
【0023】
詳しくは、書籍体験の前に書籍関連コンテンツ126を表示して視聴体験を提供することで、書籍301の内容に対する興味を誘発したり、予備知識を提供したりできる。また、書籍体験の後に書籍関連コンテンツ126を表示することで、書籍の内容に対する興味を持続させたり、書籍で得た知識を整理する機会を提供したりできる。
【0024】
さらには、こうして、書籍体験とは時期をずらして視聴体験を提供することで、書籍体験に静寂性が要求される場合でも、書籍体験の妨げとなることなく視聴体験を提供できる。
【0025】
このように、本実施形態の体験型デジタル図書スペースシステム10では、書籍301を利用する体験である書籍体験を含む複数種類の図書体験が提供される図書スペース101に、表示装置2を設置する。そして、書籍301の内容に関連する書籍関連コンテンツ126を視聴する体験である視聴体験が、書籍体験とは異なる時期に更に提供されるように、表示装置2が書籍関連コンテンツ126を書籍体験の提供の前又は後に表示する。従って、本実施形態では、書籍体験及び視聴体験が互いに異なる期間に提供される。
【0026】
(1-7)第1実施形態の利点
こうして、図書スペース101に存在するユーザ群UG1に対し、書籍体験及び視聴体験が互いに異なる期間に提供されることで、より多くのユーザ(U1~U3)に、より多様な書籍関連コンテンツ126の視聴体験を提供することが可能となる。また、静粛性を求められる書籍体験であっても、光や音響を伴う視聴体験であっても、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を図ることができる。従って、より多くのユーザ(U1~U3)に、より多様な書籍関連コンテンツ126の視聴体験を、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を図りつつ、提供できる。
【0027】
(2)第1実施形態の詳細
(2-1)書籍の内容と書籍関連コンテンツとの関係
書籍関連コンテンツ126は、書籍301の内容への興味の誘発、及び書籍301の内容の理解、の少なくとも一方に寄与し得るコンテンツである。
【0028】
内容への興味の誘発及び内容の理解の少なくとも一方に寄与し得る書籍関連コンテンツ126の視聴体験を、書籍体験の前に提供することで、書籍体験において、内容への興味及び内容の事前理解の少なくとも一方に基づく自発的な書籍利用が促され、理解の深化が図られる。
【0029】
また、視聴体験を書籍体験の後に提供することで、書籍体験で得られた興味の持続及び理解の定着の少なくとも一方を図ることができる。こうして、書籍301への興味が誘発され、書籍301の内容の理解が深まり、ひいては理解の定着を図ることができる。
【0030】
従って、内容への興味の誘発及び内容の理解の少なくとも一方に寄与することで、むしろ書籍体験の促進を図ることができるような、より多様な視聴体験を提供できる。
【0031】
(2-2)各種の図書体験、及びそのための複数のエリア
図書スペース101には、複数のエリア(例えば、3つのエリア101a~101c)が定義される。複数のエリア(101a~101c)は、書籍体験のための書籍エリア101aを含む。また、複数のエリア(101a~101c)は、書籍体験以外の各種の体験ための1つ以上のエリア(101b及び101c)を更に含む。
【0032】
書籍体験以外の各種の体験とは、例えば、前述した視聴体験、後述する談話体験、及び後述する撮像体験などであり、複数のエリア(101a~101c)は、例えば、視聴体験のための視聴エリア101b、及び談話体験のための談話エリア101c、を更に含んでもよい。
【0033】
ただし、書籍体験以外の各種の体験は、例えば、単一のエリアで行われてもよく、その場合、複数のエリア(101a~101c)は、書籍体験のための書籍エリア101aに加えて、それ以外の各種の体験のための多目的エリア(不図示)を更に含んでもよい。
【0034】
(2-3)表示装置の詳細:所在及び表示タイミング
表示装置2は、複数のエリア(101a~101c)のうち、書籍エリア101aとは異なるエリア(101b又は101c:例えば視聴エリア101b)に設置される。そして、表示装置2は、複数のエリア(101a~101c)を所定の順序で巡るユーザ群UG1が、表示装置2が設置されているエリア101bに存在する期間に、書籍関連コンテンツ126を表示する。
【0035】
(2-4)エリア巡りの順序の例
所定の順序とは、例えば、最初、書籍エリア101aに向かい、書籍エリア101aからそれ以外のエリア(例えば、視聴エリア101bなど)に移動する順序でもよいし、最初、書籍エリア101a以外のエリア(例えば、視聴エリア101bなど)に向かい、そこから書籍エリア101aに移動する順序でもよい。
【0036】
(2-5)視聴体験の提供タイミング及び提供エリア
このように、本実施形態の体験型デジタル図書スペースシステム10では、表示装置2は、書籍体験が提供される書籍エリア101aとは異なるエリア(例えば、視聴エリア101b)に設置され、書籍エリア101aを含む複数のエリア(101a~101c)を巡るユーザ群UG1に対して、書籍体験が提供される期間とは異なる期間に視聴体験を提供する。
【0037】
こうして、ユーザ群UG1への書籍体験及び視聴体験が互いに異なるエリア(101a,101b)で互いに異なる期間に提供されることで、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を、より一層図ることができる。
【0038】
(2-5-1)視聴エリア
詳しくは、本実施形態における図書スペース101には、書籍エリア101aに加えて、視聴エリア101b及び談話エリア101cが更に定義される。これら3つのエリア(書籍エリア101a、視聴エリア101b及び談話エリア101c)は、図書スペース101内の互いに異なる位置に定義される(図2参照)。なお、互いに異なる位置とは、エリア間に隙間がある場合に限らず、隙間がない(図書スペース101が連続する複数のエリアに区画される)場合も含まれる。表示装置2は、これら3つのエリア(101a~101c)のうち、視聴エリア101bに設置される。
【0039】
(2-5-1a)視聴エリアの利点
こうして、書籍エリア101aとは異なるエリアに表示装置2を設置し、ユーザ群UG1に対し、書籍体験を書籍エリア101aで、視聴体験を表示装置2が設置されているエリアで、それぞれ提供することで、静粛性を求められる書籍体験の妨げとならないような視聴体験の提供が可能となる。
【0040】
(2-5-1b)視聴エリアの他の利点
なお、例えば、最初の期間(第1期間)に、書籍エリア101aで上記ユーザ群(第1ユーザ群UG1に書籍体験を提供すると共に、視聴エリア101bで別のユーザ群(第2ユーザ群UG2:不図示)に視聴体験を提供してもよい。その後、第1ユーザ群UG1及び第2ユーザ群UG2が書籍エリア101aと視聴エリア101bとの間を相互に移動し、次の期間(第2期間)に、書籍エリア101aで第2ユーザ群UG2に書籍体験を提供するとともに、視聴エリア101bで第1ユーザ群UG1に視聴体験を提供してもよい。
【0041】
これにより、複数のユーザ群(UG1,UG2)の各々に対して、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を図りつつ、より多様な書籍関連コンテンツ126の視聴体験の提供を図ることができる。また、一の期間に、複数のユーザ群(UG1,UG2)に対して異なる体験を異なるエリアで提供することで、図書スペース101の有効活用を図ることができる。
【0042】
(2-6)演出ユニット及び制御装置
また、体験型デジタル図書スペースシステム10は、図書スペース101に設置される演出ユニット3(3a~3c)と、表示装置2及び演出ユニット3(3a~3c)を制御する制御装置1と、を更に備える。演出ユニット3(3a~3c)とは、複数種類の図書体験に関する演出を行うためのユニットである。
【0043】
(2-6-1)演出ユニットの数
演出ユニット3(3a~3c)の数は、複数が好ましいが、単一でもよい。本実施形態では、図2に示すように、3つの演出ユニット(第1演出ユニット3a~第3演出ユニット3c)が、図書スペース101内に定義された3つのエリア(101a~101c)に対応付けて設置される。なお、エリアに対応付けて設置されることは、通常、エリア内に設置されることであるが、エリアの周縁又は外部に設置される場合も含む。
【0044】
ただし、3つのエリア(101a~101c)の中には、演出ユニット3(3a~3c)が対応付けられないエリアがあってもよい。また、3つのエリア(101a~101c)のうち2つ以上のエリアに対して、単一の演出ユニット3が対応付けられてもよいし、図書スペース101の全体に対して単一の演出ユニット3が対応付けられても構わない。
【0045】
(2-6-2)制御装置
制御装置1は、例えば、図書スペース101内の適宜な場所に設置されるが、図書スペース101が設けられた建物100内の、図書スペース101とは異なる場所に設置されてもよし、建物100とは別の場所にあってもよい。制御装置1は、表示装置2及び演出ユニット3(3a~3c)の各々と、例えばLAN等のネットワークを介して、通信可能に接続される。
【0046】
(2-6-2a)誘導演出制御及び表示制御
制御装置1は、書籍エリア101a及び視聴エリア101bを含む複数のエリア(101a~101c)を所定の順序で巡るユーザ群UG1に対し、複数種類の図書体験が互いに異なるエリアで互いに異なる期間に提供されるように、誘導演出制御(S3,S11,S16,S14b)及び表示制御(S6,S9)を実行する。
【0047】
所定の順序とは、例えば、最初、視聴エリア101bに向かい、視聴エリア101bから書籍エリア101aに移動した後、更にそれ以外のエリア(例えば、撮像エリア101dなど)に移動する順序である。または、所定の順序は、最初、書籍エリア101aに向かい、書籍エリア101aから視聴エリア101bに移動した後、更にそれ以外のエリア(例えば、談話エリア101cなど)に移動する順序、などでもよい。
【0048】
本実施形態における誘導演出制御(S3,S11,S16:図3図5参照)は、表示装置2及び演出ユニット3(3a~3c)の少なくとも一方に、ユーザ群UG1に対して、初期誘導演出及び1回以上のエリア間誘導演出、を含む複数回の誘導演出のうち、少なくとも視聴エリア101bへの誘導演出(S3)を行わせる。ただし、誘導演出制御(S3,S11,S16)は、複数回の誘導演出の全部を行ってもよいし、視聴エリア101b以外のエリア(例えば、談話エリア101c等)への誘導のみが行われてもよい。
【0049】
初期誘導演出とは、複数のエリア(101a~101c)のうち最初のエリア(例えば視聴エリア101b)への初期移動を促す又は支援する演出である。また、エリア間誘導演出とは、初期誘導演出の後に、複数のエリア(101a~101c)の間でのエリア間移動を促す又は支援する演出である。さらに、表示制御(S6,S9)とは、視聴エリア101bへの誘導演出(S3)の後、表示装置2に書籍関連コンテンツ126の表示を行わせる制御である。
【0050】
こうして、制御装置1が表示装置2及び演出ユニット3(3c~3c)の少なくとも一方を制御して、ユーザ群UG1のエリア移動(最初のエリアへの初期移動、及びその後のエリア間移動)を促す又は支援する誘導演出を行うことで、ユーザ群UG1を構成する1人以上(特に、複数)のユーザが複数のエリア(101a~101c)を所定の順序で巡る(特に、集団で一斉に巡る)ように誘導できる。
【0051】
(2-6-2b)誘導演出後の落ち着かせ演出制御
制御装置1は、誘導演出制御に続いて、落ち着かせ演出制御(S4)を行う。落ち着かせ演出制御(S4)とは、誘導演出によって高まったユーザ群UG1(ユーザU1~U3)の感情を落ち着かせる演出を実現するための制御である。落ち着かせ演出制御(S4)は、例えば、初期誘導演出に続いて行われる。これによって、一連の図書体験の開始に当たって昂揚した感情を落ち着かせることが可能となる。
【0052】
特に、最初の図書体験が視聴体験である場合には、昂揚感がより大きくなるため、視聴エリア101bへの初期誘導演出に続けて落ち着かせ演出制御(S4)が行われることが好ましい。ただし、落ち着かせ演出制御は、初期誘導演出後に限らず、例えば、1回以上のエリア間誘導演出の各々の後に行われてもよい。
【0053】
このような、誘導演出後の落ち着かせ演出によれば、誘導演出で高まった興奮を鎮め、次の図書体験に備えた落ち着き感の醸成を図ることができる。
【0054】
(2-6-2c)視聴エリアから書籍エリアへの誘導演出
制御装置1は、視聴エリア101bから書籍エリア101aへの誘導演出において、表示装置2及び演出ユニット3(3a~3c)の少なくとも一方に、視聴エリア101bでの視聴体験に関する問いかけ又は課題の提示を行わせる制御を行ってもよい。
【0055】
このような、視聴体験に関する問いかけ又は課題の提示に応じて、ユーザU1が視聴体験で視聴した書籍関連コンテンツ126の内容を振り返ることで、視聴体験後の書籍体験において、自発的な書籍利用の促進を図ることができる。
【0056】
(2-6-2d)各エリアでのエリア演出制御
本実施形態では、複数の演出ユニット3(3a~3c)の各々が、複数のエリア(101a~101c)のいずれか1つ又は2つ以上に対応付けて設置される。
【0057】
制御装置1は、複数のエリア(101a~101c)を巡るユーザ群UG1に対して、複数のエリア(101a~101c)の各々に対応する演出ユニット(3a~3c)を制御して、複数のエリア(101a~101c)の各々において提供される図書体験の種類に応じたエリア演出制御(S7,S12~S14,S17)を行う。
【0058】
複数のエリア(101a~101c)の各々(各エリア101a~101c)において提供される図書体験の種類に応じたエリア演出制御とは、例えば、書籍エリア101aで提供される図書体験に応じた演出であり、具体的には、書籍選択支援演出、リラックス感演出、及び時間経過演出などである。また、このようなエリア演出は、例えば、視聴エリアで提供される視聴体験に応じた演出であり、具体的には、臨場感及び没入感の少なくとも一方を高める演出などである。さらに、エリア演出制御は、例えば、談話エリア101cでの談話体験に応じた演出であり、具体的には、共有感及び和み感の少なくとも一方を醸成する演出である。エリア演出制御は、例えば、ゲーム感覚を生むような演出でもよい。
【0059】
このように、本実施形態では、制御装置1が各エリア(101a~101c)の演出ユニット(3a~3c)を制御して、図書スペース101内を巡るユーザ群UG1に対し、各エリア(101a~101c)において提供される図書体験の種類に応じた演出を行う。これにより、各ユーザU1~U3において、各種の図書体験に応じた感情のコントロールが図られ、誘発された感情が書籍301への興味の持続や書籍301の内容理解の定着に寄与する結果、書籍体験の更なる促進を図ることができる。
【0060】
(2-6-3)制御装置による各種のパラメータ制御
本実施形態でいうパラメータとは、制御装置1が演出ユニット3(3a~3c)を介して各種の演出を実現するために行う各種の制御の対象である。各種の演出とは、例えば、誘導演出、落ち着かせ演出、及びエリア演出等である。各種の制御とは、例えば、照明機器31を介した光の制御、音響機器33を介した音(音響)の制御、映像機器32を介した映像の制御、空調機器34及び空質機器35の少なくとも一方を介した風の制御、及び芳香機器36を介した芳香の制御、などである。
【0061】
パラメータは、例えば、光パラメータ、音パラメータ、映像パラメータ、風パラメータ、及び芳香パラメータ(いずれも後述)などである。光パラメータは、例えば照明機器31を介して、音パラメータは、例えば音響機器33を介して、映像パラメータは、例えば映像機器32を介して、風パラメータは、例えば空調機器34及び空質機器35の少なくとも一方を介して、芳香機器36は、例えば芳香機器36を介して、それぞれ制御される。
【0062】
または、パラメータは、空間変動パラメータ(後述)でもよい。空間変動パラメータとは、例えば光や音や映像等の変化を通じて、空間の状態を変動させるためパラメータである。空間変動パラメータもまた、映像機器32、空調機器34、空質機器35、芳香機器36は、芳香機器36などを介して制御される。
【0063】
(2-6-3a)演出ユニットの詳細
演出ユニット3(3a~3c)は、照明機器31と、音響機器33、映像機器32、空調機器34、空質機器35及び芳香機器36、のうち1種類以上の機器(32~36)と、を含む。
【0064】
演出ユニット3(3a~3c)は、照明機器31に加えて、少なくとも音響機器33を更に含むことが好適である。本実施形態における演出ユニット3(3a~3c)は、図1に示すように、照明機器31、音響機器33、映像機器32、空調機器34、空質機器35及び芳香機器36の、6種類の機器全てを含む。ただし、1種類以上5種類以下の機器しか含まない演出ユニット3(3a~3c)があってもよい。
【0065】
(2-6-3b)光パラメータ制御及び音パラメータ制御
制御装置1は、例えば、光パラメータを制御する光パラメータ制御と、音パラメータを制御する音パラメータ制御と、の少なくとも一方を行うことで、誘導演出制御(S3,S11,S16)を実現する。
【0066】
光パラメータとは、光に関するパラメータである。光パラメータは、例えば、演出ユニット3(3a~3c)を構成する照明機器31からの光の出力タイミング、出力周期、光量、配光及び光色、並びに複数の演出ユニット3(3a~3c)に対応する複数の照明機器31からの光の出力タイミングのずれ、などである。制御装置1が、こうした各種の光パラメータのうち1つ以上を制御することで、ユーザ群UG1に対して、移動を促したり、移動方向を示したりできる。
【0067】
音パラメータとは、音に関するパラメータである。音パラメータは、例えば、演出ユニット3(3a~3c)を構成する音響機器33からの音の出力タイミング、出力周期、音量、指向性及び音色、並びに複数の演出ユニット3(3a~3c)に対応する複数の音響機器33からの音の出力タイミングのずれ、などである。制御装置1が、こうした各種の音パラメータのうち1つ以上を制御することで、ユーザ群UG1に対して、移動を促したり、移動方向を示したりできる。
【0068】
なお、音パラメータ制御は、例えば、表示装置2からの音又は音声ガイダンスの出力の制御であってもよく、誘導演出制御(S3,S11,S16)は、このような制御によって、例えば、表示装置2に、音又は音声ガイダンスの出力を行わせることで実現されてもよい。
【0069】
(2-6-3c)映像パラメータ制御
または、誘導演出制御(S3,S11,S16)は、例えば、映像機器32(又は表示装置2)からの映像に関する映像パラメータの制御によって実現されてもよい。
【0070】
映像パラメータとは、映像に含まれる画像(動画像、静止画像)、テキストなどである。動画像は、例えば、書籍エリア101aから撮像エリア101dに向かって進む波紋等の動画の画像である。静止画像は、例えば、書籍エリア101aから撮像エリア101dへの方向を示す矢印等の静止画の画像である。テキストは、例えば、「画面に向かって右手の撮像エリアに移動してください」等のテキストの画像である。制御装置1がこうした映像パラメータを制御することでも、ユーザ群UG1に対して、移動を促したり、移動方向を示したりすることができる。
【0071】
(2-6-3d)風パラメータ制御及び芳香パラメータ制御
または、誘導演出制御(S3,S11,S16)は、例えば、空調機器34及び空質機器35の少なくとも一方からの風に関する風パラメータ(例えば、風速や風温など)の制御や、芳香機器36からの芳香に関する芳香パラメータ(例えば、香りの種類や強さなど)の制御、によって実現されてもよい。
【0072】
(2-6-3e)光、音、映像、風、芳香等のパラメータ制御による誘導演出等の実現
このように、制御装置1が、光パラメータ制御、音パラメータ制御、映像パラメータ制御、風パラメータ制御、及び芳香パラメータ制御、の5種類のパラメータ制御のうち少なくとも1つを実行することで、誘導演出制御(S3,S11,S16,S14b)の実現を図ることができる。
【0073】
また、上記5種類のパラメータ制御のうち2つ以上が実行されることで、より多様な演出の実現を図ることができる。制御装置1は、例えば、光パラメータ制御及び音パラメータ制御を行ってもよいし、光パラメータ制御及び音パラメータ制御に加えて、映像パラメータ制御を更に行ってもよい。照明機器31や音響機器33や映像機器32等の各種の機器(31~36)を含む演出ユニット3(3a~3c)に対して、制御装置1が光パラメータや音パラメータや映像パラメータ等の各種のパラメータ制御を行うことで、光や音や映像等による誘導演出等の多様な演出の実現を図ることができる。
【0074】
(2-6-3f)空間変動パラメータ制御
制御装置1は、空間変動パラメータを制御する空間変動パラメータ制御を行うことで、少なくともエリア演出制御(S7,S12~S14,S17)を実現する。空間変動パラメータとは、前述したように、空間内の状態に変化を生じさせるパラメータである。空間内の状態とは、例えば、明るさ、静けさ、気温、湿度、空気質、香りなどであるが、これに限らない。
【0075】
制御装置1は、例えば、照明機器31からの光の変動(明るさの変動、色の変動など)、映像機器32からの映像の変動(明るさの変動、色の変動、映像内容の変化など)、音響機器33からの音響の変動(音量の変動、音色の変動、音楽や発話等の音響内容の変化など)、空調機器34又は空質機器35からの風の変動(風量の変動、風速の変動、温度の変動、湿度の変動など)、及び芳香機器36からの香りの変動(香りの強さの変動、香りの種類の変化など)、のうち1つ以上の空間変動パラメータを制御することで、各エリア101a~101cでのエリア演出を実現する。制御対象となる1つ以上の空間変動パラメータは、エリアによって異なることが好適であるが、2つ以上のエリア間で共通する場合があってもよい。
【0076】
また、空間変動パラメータ制御は、エリア演出制御(S7,S12~S14,S17)に加えて、落ち着かせ演出制御(S4)を更に実現してもよい。落ち着かせ演出制御では、例えば、光量や音量等の空間変動パラメータを揺らがせたり、風でカーテンを揺らしたりすることが好適である。
【0077】
なお、空間変動パラメータ制御は、例えば、移動演出制御及びエリア演出制御の少なくとも一方にも利用されてもよい。
【0078】
このように、1つ以上の空間変動パラメータの制御によって、各種のエリア演出さらには落ち着かせ演出などを実現できる。
【0079】
(2-6-4)書籍エリアでのエリア演出制御:書籍選択支援
制御装置1は、書籍エリア101aでのエリア演出制御において、例えば、演出ユニット3(3a~3c)に、書籍選択支援を行わせる。書籍選択支援とは、ユーザ群UG1(各ユーザU1~U3)による書籍301の選択を支援するための演出である。書籍選択支援は、例えば、映像機器32を制御して、書籍エリア101aの壁面や天井面等に書籍選択のヒント(文字列やイラストなど)を投影する、照明機器31を制御して、選択対象を含む数冊の書籍が存在する範囲にスポットライトを当てる、等の制御を行うものであってもよい。
【0080】
これによって、書籍301を選ぶ楽しみを伴う書籍体験の提供を図ることができる。
【0081】
(2-6-5)書籍エリアでのエリア演出制御:リラックス感演出
また、制御装置1は、書籍エリア101aでのエリア演出制御において、第3演出ユニット3cに、リラックス感演出を行わせることが好適である。
【0082】
リラックス感演出とは、ユーザ群GU1(各ユーザU1~U3)のリラックス感を醸成するための演出である。リラックス感演出は、例えば、照明機器31からの光の光色や光量を変える制御によって実現されるが、音響機器33からの音響、空調機器34及び空質機器35の少なくとも一方からの風、芳香機器36からの芳香、などを流す制御により実現されてもよい。
【0083】
なお、静粛性が求められる書籍エリア101aでは、光や音、特に、刺激の強い光や大音響の使用は控えられる。ただし、ユーザ群UG1の年齢層によっては、静粛性への要求度が高くない場合もあり、光や音も使用されてよい。
【0084】
これによって、リラックス感を伴う書籍体験の提供を図ることができる。
【0085】
(2-6-6)書籍エリアでのエリア演出制御:時間経過演出
さらに、制御装置1は、書籍エリア101aでのエリア演出制御において、演出ユニット3(3a~3c)に、時間経過演出を行わせることが好適である。
【0086】
時間経過演出とは、ユーザ群UG1(各ユーザU1~U3)に時間の経過を感じさせるための演出である。時間経過演出は、例えば、照明機器31に対して、時間の経過に応じた減光を行わせる制御により実現される。時間の経過に応じた減光に代えて又これに加えて、照明機器31に対して、所定時間が経過した時点で光の点滅を開始させ、以降、時間の経過に応じて点滅の速度を高速化させる制御、が行われてもよい。
【0087】
または、所定時間が経過した時点で、音響機器33に対してベル音の発生を開始させる制御(または、空調機器34等に対して風の発生を開始させる制御)を行い、以降、時間の経過に応じて、ベル音の発生間隔を短縮化させる制御(又は風の強さを強くさせる制御
を行ってもよい。
【0088】
これにより、時間の経過感を伴う書籍体験の提供を図ることができる。さらには、時間の経過感から誘発される焦燥感、興奮感等が伴う書籍体験の提供を図ることができる。
【0089】
(2-6-7)談話体験及び談話エリア
本実施形態におけるユーザ群UG1は、通常、複数のユーザ(例えば、3人のユーザU1~U3)で構成される。複数種類の図書体験は、複数のユーザ(U1~U3)のうち、複数種類の図書体験の少なくとも1つを共有したユーザ間での談話体験を更に含む。また、複数のエリア(101a~101d)は、談話体験のための談話エリア101cを更に含む。
【0090】
こうして、図書スペース101内を巡るユーザ群UG1に対し、談話エリア101cでの談話体験を更に含むより多様な図書体験を提供することで、書籍体験の更なる促進を図ることができる。
【0091】
(2-6-8)談話エリアへのエリア間移動演出
制御装置1は、書籍エリア101a(又は、後述する撮像エリア101d)から談話エリア101cへのエリア間誘導演出において、例えば、演出ユニット3(3a~3c)の映像機器32に、談話エリア101cへの移動を促すキャラクタ画像の表示制御を行わせる。
【0092】
なお、視聴エリア101bから談話エリア101cへのエリア間誘導演出においても、上記と同様の表示制御が行われてよい。この場合の表示制御は、映像機器32に代えて、表示装置2に対して行われてもよい。
【0093】
こうして、談話エリア101cへの移動を促すキャラクタ画像を表示させることで、談話エリア101cへのわくわく感を伴う誘導を図ることができる。
【0094】
なお、制御装置1は、キャラクタ画像の表示制御に加えて、又はこれに代えて、例えば、書籍エリア101aから撮像エリア101dに向かって進む波紋等の動画像、撮像エリア101dへの方向を示す矢印等の静止画像、及び「画面に向かって右手の撮像エリアに移動してください」等のテキスト画像、のうち1種類以上の画像を含む映像を表示させる等の制御を行ってもよい。
【0095】
(2-6-9)気づきデータの共有
制御装置1は、複数のユーザ(U1~U3)の各々の気づきを書き込んだ気づきデータを受け付け、複数のユーザ(U1~U3)の各々が閲覧可能に保存する。
【0096】
気づきデータは、例えば、複数のユーザ(U1~U3)の各々の携帯端末を介して受け付けられる。携帯端末は、例えば、個々のユーザ(U1~U3)が保有しているスマートフォン等の携帯通信端末であるが、図書スペース101への入場時に貸与される端末でもよい。または、気づきデータは、談話エリア101cに配置されているタブレット端末等の入力装置(不図示)を介して受け付けられてもよい。
【0097】
受け付けられた気づきデータは、例えば、制御装置1のメモリ12に保存されるが、記憶装置(不図示)に保存されてもよい。保存された気づきデータは、例えば、個々のユーザ(U1~U3)の携帯通信端末を介した閲覧が可能である。
【0098】
なお、上記各種の端末及び記憶装置の各々は、例えば、無線又は有線のLAN等を介して、制御装置1と通信可能に接続される。
【0099】
こうして、ユーザ群UG1を構成する複数のユーザU1~U3、つまり一緒に複数のエリア(101a~101c)を巡ったユーザ同士が、各々の気づきを共有することで、各種の図書体験の共有感の醸成を図ることができる。
【0100】
(3)第1実施形態の具体例
本例の第1実施形態に係る体験型デジタル図書スペースシステム10は、図1に示すように、制御装置1と、表示装置2と、3つの演出ユニット3(第1演出ユニット3a~第3演出ユニット3c)と、を備える。制御装置1は、プロセッサ11と、メモリ12と、を備える。なお、体験型デジタル図書スペースシステム10は、通常、キーボードやシーンスイッチ等の入力装置、ハードディスクドライブ等の記憶装置も備える。
【0101】
プロセッサ11は、各種の処理を実行する。各種の処理とは、例えば、表示制御、及び各種の演出に関する制御などの処理である。各種の演出とは、例えば、誘導演出、落ち着かせ演出、及びエリア演出などである。誘導演出は、初期誘導演出及びエリア間誘導演出を含む。エリア演出は、例えば、図2に示す各種のエリア(書籍エリア101a,視聴エリア101b及び談話エリア101c)での演出を含む。また、プロセッサ11は、例えば、図3図5のフローチャートに示す各種の判断などの処理も実行する。
【0102】
メモリ12には、プログラム121及び各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、エリア情報122、スケジュール情報123、書籍情報124及びコンテンツ情報125などである。
【0103】
プログラム121は、例えば、メモリ12内の各種の情報を用いて、図3図5のフローチャートに示される処理を実行することによって、体験型デジタル図書スペースシステム10の機能を実現する。
【0104】
エリア情報122は、例えば、図2に示されるような各種のエリア(101a~101c)を定義する。スケジュール情報123は、例えば、図3図5のフローチャートに示される各種のタイミング(図書体験開始タイミング、各種のエリアへの誘導タイミング、コンテンツ表示開始タイミング、コンテンツ表示終了タイミング、及び図書体験終了タイミング)を規定する。
【0105】
書籍情報124とは、書籍301に関する情報である。書籍情報124は、例えば、書籍301を識別する書籍識別子、及び書籍301が属する分類に関する分類情報などを含む。分類は、例えば、「学習」や「小説」等の大分類、「学習」の下位の「海洋生物」や「陸表生物」等の小分類、といった階層化された分類でもよい。
【0106】
詳しくは、書籍エリア101aの書籍棚30に、同じ分類(例えば、大分類「学習」及び小分類「海洋生物」)に属する複数の書籍301(海洋生物に関する図鑑や絵本など)が陳列されており、メモリ12には、これら複数の書籍301に対応する複数の書籍情報124が記憶されている。
【0107】
コンテンツ情報125とは、書籍関連コンテンツ126に関する情報である。コンテンツ情報125は、例えば、書籍関連コンテンツ126を識別するコンテンツ識別子、及び書籍関連コンテンツ126が属する分類に関する分類情報などを含む。
【0108】
詳しくは、制御装置1と通信可能に接続された記憶装置(不図示)に、複数の書籍関連コンテンツ(サンゴ礁や深海等の海洋の海中映像、アフリカの草原の映像、等の電子データ:不図示)が記憶されており、メモリ12には、これら複数の書籍関連コンテンツ126に対応する複数のコンテンツ情報125が記憶されている。
【0109】
書籍関連コンテンツ126とは、書籍301の内容に関連するコンテンツである。例えば、書籍301の内容が、海洋生物の学習用の図鑑や絵本である場合、このような内容に関連する書籍関連コンテンツ126は、海中を撮影した映像の電子データ、各種の海洋生物の動画などである。
【0110】
3つの演出ユニット3(3a~3c)の各々は、照明機器31、映像機器32、音響機器33、空調機器34、空質機器35及び芳香機器36を備える。
【0111】
照明機器31は、光を発する機器であり、例えば、照明器具や投光器などである。映像機器32は、映像を表示する機器であり、例えば、モニタやプロジェクタなどである。なお、ここでいうプロジェクタは、通常、コンテンツ等の映像をスクリーンに投影するものであるが、例えば、壁面への映像の投影やスポットライトの投光を行うスポットライト型のプロジェクタでもよい。ただし、スポットライト型のプロジェクタは、照明機器31(投光器)の一種と考えてもよい。
【0112】
音響機器33は、音響を発する機器であり、例えば、スピーカ及びアンプを含むオーディオセットなどである。空調機器34は、気温及び湿度の少なくとも一方を調整する機器であり、例えば、エアコンディショナや除湿器、加湿器などである。空質機器35は、送風や換気、ほこり等の除去などを行う機器であり、例えば、サーキュレータや換気扇、空気清浄器などである。芳香機器36は、香りを発する機器であり、例えば、アロマディフューザなどである。
【0113】
体験型デジタル図書スペースシステム10は、例えば、図2に示すような図書スペース101を有する建物100に用いられる。図書スペース101には、書籍エリア101aと、視聴エリア101bと、談話エリア101cと、の3つのエリア(101a~101c)が定義されている。
【0114】
これら3つのエリア(101a~101c)のうち、書籍エリア101aには、書籍棚30が設置され、そこに複数の書籍301(例えば、海洋生物に関する図鑑や絵本など)が陳列されている。表示装置2は、視聴エリア101bに設置される。
【0115】
3つの演出ユニット3(3a~3c)は、3つのエリア(101a~101c)にそれぞれ設置される。詳しくは、3つの演出ユニット(3a~3c)3のうち、1つ(以下、「第1演出ユニット3a」と記す)が書籍エリア101aに設置され、他の1つ(以下、「第2演出ユニット3b」と記す)が視聴エリア101bに設置され、その他の1つ(以下、「第3演出ユニット3c」と記す)が談話エリア101cに設置される。
【0116】
本実施形態では、幼稚園児であるユーザU2とその両親であるユーザU1及びユーザU2とで構成されたユーザ群UG1が、図書スペース101内の3つのエリア(101a~101c)を巡りながら、各種の図書体験の提供を受けていく。
【0117】
体験型デジタル図書スペースシステム10は、ユーザ群UG1が3つのエリア(101a~101c)を所定の順序で巡るように誘導演出を行いつつ、3つのエリア(101a~101c)の各々(以下、「各エリア(101a~101c)」のように記す場合がある)で、エリア演出付きの各種の図書体験(書籍体験、視聴体験及び談話体験)を提供する。
【0118】
(3-1)制御装置の動作例
制御装置1は、図3図5のフローチャートに従って動作する。図3図5のフローチャートの処理は、例えば、ユーザ群UG1の図書スペース101への入場に応じて開始され、一連の図書体験の完了に応じて終了される。
【0119】
処理が開始されると、制御装置1(プロセッサ11)は、初期処理を実行する(ステップS1)。初期処理では、例えば、書籍情報124及びコンテンツ情報125を用いた書籍関連コンテンツ126の選択、及び記憶装置(不図示)からメモリ12への書籍関連コンテンツ126の読み込み、といった処理が必要に応じて行われる。
【0120】
詳しくは、例えば、書籍棚30に、海洋生物に関する複数の書籍301が配置され、記憶装置には、海洋生物の学習用コンテンツを含む複数の書籍関連コンテンツが記憶されており、メモリ12には、複数の書籍301に関する複数の書籍情報124と、複数の書籍関連コンテンツに対応する複数のコンテンツ情報125と、が記憶されている。制御装置1は、メモリ12に記憶されている複数の書籍情報124に共通の分類情報を抽出し、抽出した分類情報と同じ分類情報を含むコンテンツ情報125を、メモリ12に記憶されている複数のコンテンツ情報125の中から特定し、特定したコンテンツ情報125に対応する図書関連コンテンツを、記憶装置からメモリ12に読み込んでもよい。なお、書籍関連コンテンツ126が既に読み込み済みの場合は、このような処理は不要である。
【0121】
また、初期処理では、必要に応じて、エリア情報122の更新などの処理も実行される。エリア情報122の更新は、例えば、新たなエリアの追加、又は既存のエリアの削除、などがあった場合に行われる。
【0122】
次に、制御装置1は、メモリ12内のスケジュール情報123に基づいて、図書体験開始タイミングか否かを判断する(ステップS2)。図書体験開始タイミングでない(No)と判断された場合、処理はステップS2に戻る。
【0123】
ステップS2で図書体験開始タイミングである(Yes)と判断された場合、制御装置1は、視聴エリア101bに設置されている第2演出ユニット3bを制御して、視聴エリア101bへの誘導演出(初期誘導演出)を行う(ステップS3)。
【0124】
次に、制御装置1は、誘導先の視聴エリア101bに設置されている第2演出ユニット3bを制御して、落ち着かせ演出を行う(ステップS4)。
【0125】
次に、制御装置1は、スケジュール情報123を基に、コンテンツ表示開始タイミングか否かを判断する(ステップS5)。コンテンツ表示開始タイミングでない(No)と判断された場合、処理はステップS5に戻る。
【0126】
ステップS5でコンテンツ表示開始タイミングである(Yes)と判断された場合、制御装置1は、視聴エリア101bに設置されている表示装置2を制御して、メモリ12に記憶されている書籍関連コンテンツ126のコンテンツ表示を開始する(ステップS6)。
【0127】
次に、制御装置1は、第2演出ユニット3bを制御して、視聴体験における臨場感や没入感等を醸成するためのエリア演出を行う(ステップS7)。
【0128】
次に、制御装置1は、コンテンツ表示終了タイミングか否かを判断する(ステップS8)。コンテンツ表示終了タイミングでない(No)と判断された場合、処理はステップS8に戻る。
【0129】
ステップS8でコンテンツ表示終了タイミングである(Yes)と判断された場合、制御装置1は、表示装置2を制御して、コンテンツ表示を終了する(ステップS9)。
【0130】
次に、制御装置1は、スケジュール情報123を基に、書籍エリア101aへの誘導タイミングか否かを判断する(ステップS10)。書籍エリア101aへの誘導タイミングでない(No)と判断された場合、処理はステップS10に戻る。
【0131】
ステップS10で書籍エリア101aへの誘導タイミングである(Yes)と判断された場合、制御装置1は、例えば、視聴エリア101bに設けられている第2演出ユニット3b及び書籍エリア101aに設けられている第1演出ユニット3aを制御して、書籍エリア101aへのエリア間誘導演出(第2演出ユニット3b及び第1演出ユニット3aに対応する2つの照明機器31による時間差付き点灯)を行う(ステップS11)。
【0132】
次に、制御装置1は、書籍エリア101aに設けられている第1演出ユニット3aを制御して、書籍選択支援演出を行う(ステップS12)。次に、制御装置1は、第1演出ユニット3aを制御して、リラックス感演出を行う(ステップS13)。次に、制御装置1は、第1演出ユニット3aを制御して、時間経過演出を行う(ステップS14)。
【0133】
次に、制御装置1は、スケジュール情報123を基に、談話エリア101cへの誘導タイミングか否かを判断する(ステップS15)。談話エリア101cへの誘導タイミングでない(No)と判断された場合、処理はステップS15に戻る。
【0134】
ステップS15で談話エリア101cへの誘導タイミングである(Yes)と判断された場合、制御装置1は、例えば、書籍エリア101aに設けられている第1演出ユニット3a及び談話エリア101cに設けられている第3演出ユニット3cを制御して、書籍エリア101aから談話エリア101cへのエリア間誘導演出(第1演出ユニット3a及び第3演出ユニット3cに対応する2つの照明機器31による時間差付き点灯)を行う(ステップS16)。
【0135】
次に、制御装置1は、第3演出ユニット3cを制御して、共有感演出等の談話エリア演出を行う(ステップS17)。
【0136】
次に、制御装置1は、スケジュール情報123を基に、図書体験終了タイミングか否かを判断する(ステップS18)。図書体験終了タイミングでない(No)と判断された場合、処理はステップS18に戻る。図書体験終了タイミングである(Yes)と判断された場合、この処理は終了される。
【0137】
なお、図3図5のフローチャートでは、制御装置1は、スケジュール情報123を基に各種制御の実行タイミングを判断しているが、これに代えて、例えば、人感センサ(不図示)からの信号や、位置検出システム(不図示)の検出結果などを基に同様の判断を行ってもよい。または、制御装置1は、例えば、図書スペース101を管理する管理者の判断で行われるシーンスイッチ(不図示)等のスイッチ選択に応じて、各種制御を行ってもよい。
【0138】
(3-2)具体例の利点
本例によれば、より多くのユーザ(U1~U3)への、より多様な書籍関連コンテンツ126の視聴体験の提供の可能化が図られる。
【0139】
(4)第2実施形態の概要及び要部
次に、本開示の第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と共通の事項についての説明は省略又は簡略化し、相違点についてのみ詳しく説明する。
【0140】
(4-1)撮像体験
本実施形態における複数種類の図書体験は、撮像体験を更に含む。撮像体験とは、ユーザ群UG1又はユーザ群UG1を構成する1人以上のユーザ(U1~U3)の各々を撮像する体験である。
【0141】
(4-2)撮像エリア
本実施形態における複数のエリアは、図7に示すように、撮像エリア101dを更に含む。撮像エリア101dとは、撮像体験のためのエリアである。
【0142】
(4-3)撮像装置
本開示の第2実施形態に係る体験型デジタル図書スペースシステム10は、図6に示すように、撮像エリア101dに設けられる撮像装置4を更に備える。
【0143】
撮像装置4は、撮像エリア101dを訪れたユーザU1を撮像する。ユーザU1が撮像エリア101d内の所定に位置で所定の向きを向くと、撮像エリア101dに設置された撮像装置4によって、自動的に撮像が実行される。
【0144】
(4-3-1)撮像した画像を視る体験:ユーザ画像、背景付きユーザ画像、及び合成画像
撮像体験には、通常、撮像した画像を視る体験も含まれている。撮像装置4が撮像した画像(ユーザ画像Im1:図10A参照)は、例えば、視聴エリア101bに設けられている第1表示装置2a(後述)、又は撮像エリア101dに設けられている第2演出ユニット3bの映像機器32、によって表示される。または、ユーザ画像Im1は、例えば、図書スペース101に設置されているプリンタ(不図示)でプリントアウトされてもよい。
【0145】
ユーザ画像Im1は、書籍関連コンテンツ126と共に表示されてもよい。制御装置1は、例えば、撮像装置4に対して、書籍関連コンテンツ126の画像であるコンテンツ画像Im0(図10A参照)を背景にユーザU1を撮像(図10B参照)させる制御を行い、表示装置2に対して、その撮像した画像である背景付きユーザ画像“Im0+Im1”(不図示)を表示させる制御を行ってもよい。
【0146】
なお、背景付きユーザ画像“Im0+Im1”は、図9B及び図10Aに示す合成画像“Im0+Im1+Im2”から、別のコンテンツ画像Im2を除去したもの(言い換えると、別のコンテンツ画像Im2が合成される前の画像)である。
【0147】
または、制御装置1は、上記のような背景付きユーザ画像”Im0+Im1”に他のコンテンツの画像Im2(例えば、アフリカ象の画像)を合成し、その合成した画像である合成画像“Im0+Im1+Im2”(図10B参照)を、表示装置2に表示させる制御を行ってもよい。
【0148】
このように、本実施形態では、ユーザ群UG1に対して、撮像エリア101dでの撮像体験が更に提供される。これにより、図書スペース101内を巡るユーザ群UG1に対し、撮像体験を更に含むより多様な図書体験を提供することが可能となり、書籍体験の更なる促進を図ることができる。
【0149】
(4-3-2)書籍エリア又は視聴エリアから撮像エリアへのエリア間誘導演出
本実施形態における第2演出ユニット3bは、視聴エリア101b及び撮像エリア101dの2つのエリアで共用される。
【0150】
制御装置1は、書籍エリア101a又は視聴エリア101bから撮像エリア101dへのエリア間誘導演出において、表示装置2及び演出ユニット3(3a~3c)の少なくとも一方に、書籍エリア101a又は視聴エリア101bから撮像エリア101dに向かう動きを伴う映像(又は、向きを示す静止画像)の表示制御又は発光のタイミング制御を行わせる。
【0151】
制御装置1は、書籍エリア101aから撮像エリア101dへのエリア間誘導演出の際に、例えば、書籍エリア101a側での発光タイミングに対して、撮像エリア101d側での発光タイミングが所定時間だけ遅延するように、書籍エリア101a及び撮像エリア101dに対応する2つの照明機器31の間で発光タイミングを制御する。
【0152】
または、制御装置1は、視聴エリア101bから撮像エリア101dへのエリア間誘導演出の際に、視聴エリア101b側での発光タイミングに対して、撮像エリア101d側での発光タイミングが所定時間だけ遅延するように、視聴エリア101b及び撮像エリア101dに対応する2つの照明機器31の間で発光タイミングを制御する。
【0153】
なお、上記のような発光タイミングの制御に代えて、音出力タイミングの制御が行われてもよい。また、発光又は音出力のタイミング制御に代えて、移動先である撮像エリア101dにおいて単に発光または音出力が行われるだけでも、撮像エリア101dへの移動を促すことはできる。こうした事項は、撮像エリア101d以外のエリア(101a~101c)への移動についても当てはまる。
【0154】
このように、書籍エリア101a又は視聴エリア101bから撮像エリア101dへの方向を、動く映像又は時間差を伴う発光等により視覚的に感じさせることで、書籍関連コンテンツ126又は書籍301への興味を持続させつつ、撮像エリア101dへの誘導を図ることができる。
【0155】
(4-4)囲み部材
本実施形態の体験型デジタル図書スペースシステム10は、図9Aに示すように、視聴エリア101bに設けられる囲み部材20を更に備える。囲み部材20は、第1表示装置2aの表示面と、表示面に対面しているユーザU1と、の間の空間の所定範囲を囲むように設けられる。第1表示装置2aは、その表示画面が床に対して垂直になるように配置されている。囲み部材20は、鉛直方向に反射性を有する(又は、反射性及び透過性を有する)遮蔽材で構成される。
【0156】
所定範囲とは、例えば、ユーザU1の視野のうち、少なくとも誘導視野を含む範囲である。所定範囲は、例えば、ユーザの視野のうち、中心視野と、その周囲の誘導視野とを含んでもよい。ただし、中心視野は、第1表示装置2aの表示画像で占められる方が、臨場感等の点で好適である。
【0157】
こうして、第1表示装置2aとユーザU1との間の空間の所定範囲を囲み部材20で覆うことで、視聴体験における臨場感及び没入感の少なくとも一方の増大を図ることができる。
【0158】
例えば、ユーザU1が第1表示装置2aの表示面と対面している状態で、ユーザU1の視野のうち、誘導視野(視野中心から±50度の範囲のうち、視野中心から±15度の有効視野を除いた部分)が囲み部材20で占められていれば、表示面に表示されているコンテンツ画像Im0を視るユーザU1の誘導視野に生じる座標系誘導効果によって、臨場感の増大を効果的に図ることができる。
【0159】
さらに、この場合における第1表示装置2aの表示面のサイズが、有効視野に対応するサイズ(例えば、120インチ等の大画面)であれば、臨場感の増大を一層効果的に図ることができる。
【0160】
なお、囲み部材20は、第1実施形態においても、視聴エリア101bに設けられてよい。この場合、囲み部材20は、図2の図書スペース101おいて、表示装置2の表示面と、表示面に対面しているユーザU1と、の間の空間の(上記と同様の)所定範囲を囲むように設けられる。
【0161】
また、囲み部材20へは、画像投影時に、画像投影面の背景および周辺の壁と共に、照明機器31からの光が投光されてもよい。その際、制御装置1は、照明機器31が囲み部材20へ投光する光の色度および強度を、投影画像の周辺色度に合わせて制御してもよい。
【0162】
(5)第2実施形態の具体例
次に、本開示の第2実施形態の具体例について説明する。なお、以下では、第1実施形態の具体例におけるものと共通の事項についての説明は省略又は簡略化し、異なる事項についてのみ詳細に説明する。
【0163】
本例の体験型デジタル図書スペースシステム10は、図6に示すように、第1実施形態の体験型デジタル図書スペースシステム10(図1参照)において、第2表示装置2bと、撮像装置4と、を更に備える。なお、本例における第1表示装置2aは、第1実施形態の具体例における表示装置2、に対応する要素である。また、第1表示装置2a及び第2表示装置2b並びに撮像装置4の各々も、接続線やLANなどを介して制御装置1と通信可能に接続されている。
【0164】
本例における図書スペース101には、図7に示すように、撮像エリア101dが更に定義される。撮像エリア101dは、図書スペース101内の、書籍エリア101a及び談話エリア101cのいずれとも異なる位置に、視聴エリア101bを包含するように定義される。なお、ここでの包含は、視聴エリア101b全体の包含であるが、部分的な包含でもよい。
【0165】
ただし、撮像エリア101dは、書籍エリア101a、視聴エリア101b及び談話エリア101cのいずれとも異なる位置に定義されてもよい(不図示)。
【0166】
第2演出ユニット3bは、視聴エリア101b及び撮像エリア101dの2つのエリアで共用される。
【0167】
第2表示装置2bは、撮像エリア101dに、第1表示装置2aと互いの表示面同士が対面するように設けられる。
【0168】
撮像装置4は、撮像エリア101dに設けられる。撮像装置4は、第1表示装置2a及び第2表示装置2bの間に設けられ、第1表示装置2a及び第2表示装置2bの間に存在するユーザU1を撮像する。
【0169】
ユーザ群UG1は、撮像エリア101dを更に巡り、そこで撮像体験の提供を受ける。つまり、本実施形態の体験型デジタル図書スペースシステム10では、書籍エリア101aでの書籍体験、視聴エリア101bでの視聴体験、及び談話エリア101cでの談話体験、に加えて、撮像エリア101dでの撮像体験が更に提供される。
【0170】
(5-1)撮像体験及び撮像した画像を視る体験の具体例
本例では、例えば図7に示すように、第1表示装置2aは、撮像エリア101dの前寄りの壁面(前壁)に設置される。第2表示装置2bは、撮像エリア101dの、上記前壁に対向する壁面(後壁)に設置される。
【0171】
撮像装置4は、第1表示装置2a及び第2表示装置2bの間に、第2表示装置2bの方に向けて(つまり、後ろ向きに)設置される。
【0172】
視聴体験時、例えば、図9Aに示すように、ユーザU1は、第1表示装置2aと撮像装置4との間(つまり視聴エリア101b)に居る。このとき、第1表示装置2aに、書籍関連コンテンツ126のコンテンツ画像Im0(例えば、アフリカの草原の画像)が表示され、ユーザU1は、コンテンツ画像Im0を視ることができる。
【0173】
なお、ユーザU1と第1表示装置2aとの間の空間は、図9Aに示すような囲み部材20で覆われている。ユーザU1の視野のうち、有効視野は第1表示装置2aの表示面(コンテンツ画像Im0)で占められ、有効視野の周囲の誘導視野は囲み部材20で占められる。これにより、コンテンツ画像Im0を視るユーザU1の臨場感及び没入感が高められる。
【0174】
視聴体験に続く像体験時、例えば、図9Bに示すように、ユーザU1は、第1表示装置2aと撮像装置4の間(視聴エリア101b)から、撮像装置4と第2表示装置2bとの間に移動(つまり、撮像装置4の後方に移動)し、第1表示装置2aの方(つまり前方向)を向く。このとき、第2表示装置2bには、書籍関連コンテンツ(Im0)が表示されている。この状態で、撮像装置4から後方(第2表示装置2b側)を視ると、図10Bに示すような、コンテンツ画像Im0を背景に立つユーザU2の姿(リアル空間)が見える。
【0175】
撮像装置4は、第2表示装置2bに表示されているコンテンツ画像Im0を背景に、ユーザU1を撮像する。制御装置1は、こうして得られる背景付きユーザ画像“Im0+Im1”に、別のコンテンツ画像Im2を合成する。そして、制御装置1は、得られた合成画像“Im0+Im1+Im2”を第1表示装置2aに出力する。これにより、第1表示装置2aには、図10Aに示すような合成画像“Im0+Im1+Im2”が表示される。
【0176】
(5-2)制御装置の動作例
制御装置1は、図3図4及び図8のフローチャートに従って動作する。図3図4及び図8のフローチャートの処理は、図3図5のフローチャートの処理(ステップS1~ステップS18)において、ステップS14とステップS15との間に、撮像体験に関する4つのステップS14a~S14dを追加したものである。
【0177】
ステップS14の時間経過演出の後、制御装置1は、スケジュール情報123を基に、撮像エリア101dへの移動タイミングか否かを判断する(ステップS14a)。撮像エリア101dへの誘導タイミングでない(No)と判断された場合、処理はステップS14aに戻る。
【0178】
ステップS14aで撮像エリア101dへの誘導タイミングである(Yes)と判断された場合、制御装置1は、例えば、書籍エリア101aに設けられている第1演出ユニット3a及び撮像エリア101dに設けられている第3演出ユニット3cを制御して、書籍エリア101aから撮像エリア101dへのエリア間誘導演出(第1演出ユニット3a及び第3演出ユニット3cに対応する2つの照明機器31による時間差付き点灯)を行う(ステップS14b)。
【0179】
次に、制御装置1は、撮像エリア101dに設けられている撮像装置4を用いて、撮像エリア101dに居るユーザ群UG1(ここでは、ユーザU1)の撮像を行う(ステップS14c)。
【0180】
次に、制御装置1は、撮像エリア101dに設けられている第3演出ユニット3cを制御して、ステップS14cでの撮像結果であるユーザ画像Im1を用いた融合感演出を行う(ステップS14d)。その後、制御装置1は、ステップS15以降の処理を行う。撮像エリア101dでの演出は、例えば、ユーザU1~U3がクリエータになった感覚を生むものであってもよい。
【0181】
(5-3)撮像体験及び撮像した画像を視る体験の第1変形例
この変形例における撮像装置4は、図11Aに示すように、第1表示装置2a及び第2表示装置2bの間に、第1表示装置2aの方に向けて(つまり、前向きに)設置されている。撮像装置4の向き以外の要素は、第1実施形態と同様である。
【0182】
視聴体験時、図11Aに示すように、ユーザU1は、第1表示装置2aと撮像装置4との間(視聴エリア101b)に居る。第1表示装置2aにコンテンツ画像Im0が表示され、ユーザU1は、コンテンツ画像Im0を視ることができる。
【0183】
視聴体験に続く撮像体験時、図11Bに示すように、ユーザU1は、第1表示装置2aと撮像装置4の間(視聴エリア101b)に居たまま、第2表示装置2bの方(つまり後ろ方向)を向く。このとき、第1表示装置2aには、書籍関連コンテンツ126のコンテンツ画像Im0が表示されている。この状態で、撮像装置4から前方(第1表示装置2a側)を視ると、図10Bに示すような、コンテンツ画像Im0を背景に立つユーザU1の姿(リアル空間)が見える。
【0184】
撮像装置4は、第1表示装置2aに表示されているコンテンツ画像Im0を背景に、ユーザU1を撮像する。制御装置1は、こうして得られる背景付きユーザ画像“Im0+Im1”に、別のコンテンツ画像Im2(アフリカ象の画像)を合成する。そして、制御装置1は、得られた合成画像“Im0+Im1+Im2”を第2表示装置2に出力する。これにより、第2表示装置2bには、図10Aに示すような合成画像“Im0+Im1+Im2”が表示される。
【0185】
(5-4)撮像体験及び撮像した画像を視る体験の第2変形例
本例における制御装置1は、撮像エリア101dに存在するユーザU1を、例えば緑色のスクリーン(不図示)を背景として、撮像装置4に撮像させる。そして、制御装置1は、第1表示装置2aに、撮像装置4で撮像したユーザU1の画像であるユーザ画像Im1を、書籍関連コンテンツ126の画像であるコンテンツ画像Im0と合成(クロマキー合成)して表示させる。これにより、例えば、第1表示装置2aに、背景付きユーザ画像“Im0+Im1”(不図示)が表示される。
【0186】
また、制御装置1は、コンテンツ画像Im0とは別のコンテンツ画像Im2(例えば、アフリカ象の画像)を更に合成し、表示させてもよい。これにより、例えば、第1表示装置2aに、背景付きユーザ画像“Im0+Im1”に別のコンテンツ画像Im2を合成した合成画像“Im0+Im1+Im2”(図10A参照)が表示される。
【0187】
(5-5)その他の変形例
なお、第2演出ユニット3bは、図7では、撮像エリア101dの内部かつ視聴エリア101bの外部に設置されているが、視聴エリア101bの内部に設置されていてもよい。図9A図9B図11A及び図11Bの第2演出ユニット3bも同様である。
【0188】
また、第1及び第2の各実施形態において、体験型デジタル図書スペースシステム10は3つの演出ユニット3(3a~3c)を備えているが、演出ユニット3の数は2つ又は1つでもよい。
【0189】
さらに、体験型デジタル図書スペースシステム10は、制御装置1及び演出ユニット3(3a~3c)を備えていなくてもよい。その場合、書籍関連コンテンツ126は、例えば、表示装置2のメモリ(不図示)に記憶される。又は、書籍関連コンテンツ126を記憶した記憶装置(不図示)が、表示装置2に接続されてもよい。
【0190】
(6)まとめ
第1の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)は、図書スペース(101)に設置される表示装置(2,2a)を備える。図書スペース(101)は、1人以上のユーザ(U1~U3)で構成されるユーザ群(UG1)に複数種類の図書体験を提供するためのスペースである。複数種類の図書体験は、書籍(301)の利用を体験させる書籍体験を含む。複数種類の図書体験は、書籍(301)の内容に関連する書籍関連コンテンツ(126)の視聴を体験させる視聴体験を更に含む。表示装置(2)は、ユーザ群(UG1)への書籍体験の提供の前又は後に、書籍関連コンテンツ(126)を表示する。
【0191】
この態様によれば、図書スペース(101)に存在するユーザ群(UG1)に対し、書籍体験及び視聴体験が互いに異なる期間に提供されることで、より多くのユーザ(U1~U3)に、より多様な書籍関連コンテンツ(126)の視聴体験を提供可能となる。また、静粛性を求められる書籍体験であっても、光や音響を伴う視聴体験であっても、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を図ることができる。従って、より多くのユーザ(U1~U3)に、より多様な書籍関連コンテンツ(126)の視聴体験を、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を図りつつ、提供できる。
【0192】
第2の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第1の態様において、書籍関連コンテンツ(126)は、書籍(301)の内容への興味の誘発、書籍(301)の内容の理解、及び書籍(301)の内容の記憶定着の少なくとも1つに寄与し得るコンテンツである。
【0193】
この態様によれば、内容への興味の誘発、内容の理解及び内容の記憶定着の少なくとも1つに寄与し得る書籍関連コンテンツ(126)の視聴体験を、書籍体験の前に提供することで、書籍体験において、内容への興味、内容の事前理解及び内容の事前記憶の少なくとも1つに基づく自発的な書籍利用が促され、理解の深化が図られる。また、視聴体験を書籍体験の後に提供することで、書籍体験で得られた興味の持続、理解の定着及び内容の記憶定着の少なくとも1つを図ることができる。こうして、書籍(301)への興味が誘発され、書籍(301)の内容の理解が深まり、ひいては理解及び記憶の定着を図ることができる。従って、内容への興味の誘発、内容の理解及び内容の記憶定着の少なくとも1つに寄与することで、むしろ書籍体験の促進を図ることができるような、より多様な視聴体験を提供できる。
【0194】
第3の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第1又は第2の態様において、図書スペース(101)には、書籍体験のための書籍エリア(101a)を含む複数のエリア(101a~101d)が定義される。
【0195】
表示装置(2,2a)は、複数のエリア(101a~101d)のうち書籍エリア(101a)とは異なるエリア(101b~101d:例えば視聴エリア101b)に設置される。そして、表示装置(2,2a)は、複数のエリア(101a~101d)を所定の順序で巡るユーザ群(UG1)が、表示装置(2)が設置されているエリア(101b)に存在する期間に、書籍関連コンテンツ(126)を表示する。
【0196】
この態様によれば、図書スペース(101)内を巡るユーザ群(UG1)に対し、書籍体験及び視聴体験が互いに異なるエリア(101a,101b)で互いに異なる期間に提供されることで、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を、より一層図ることができる。
【0197】
第4の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)は、第3の態様において、図書スペース(101)に設置される演出ユニット(3,3a~3c)と、表示装置(2,2a)及び演出ユニット(3,3a~3c)を制御する制御装置(1)と、を更に備える。演出ユニット(3,3a~3c)は、複数種類の図書体験に関する演出を行うためのユニットである。複数のエリア(101a~101d)は、視聴体験のための視聴エリア(101b)を更に含む。表示装置(2,2a)は、視聴エリア(101b)に設置される。制御装置(1)は、書籍エリア(101a)及び視聴エリア(101b)を含む複数のエリア(101a~101d)を所定の順序で巡るユーザ群(UG1)に対し、複数種類の図書体験が互いに異なるエリアで互いに異なる期間に提供されるように、誘導演出制御(S3,S11,S16,S14b)と表示制御(S6,S9)とを実行する。誘導演出制御(S3,S11,S16,S14b)は、表示装置(2,2a)及び演出ユニット(3,3a~3c)の少なくとも一方に、ユーザ群(UG1)に対して、初期誘導演出及び1回以上のエリア間誘導演出、を含む複数回の誘導演出のうち、少なくとも視聴エリア(101b)への誘導演出(S3)を行わせる。初期誘導演出は、複数のエリア(101a~101d)のうち最初のエリア(101b)への初期移動を促す又は支援する演出である。エリア間誘導演出は、初期誘導演出の後に、複数のエリア(101a~101d)の間でのエリア間移動を促す又は支援する演出である。表示制御(S6,S9)は、視聴エリア(101b)への誘導演出(S3)の後、表示装置(2,2a)に書籍関連コンテンツ(126)の表示を行わせる。
【0198】
この態様によれば、ユーザ(U1~U3)のエリア移動(最初のエリアへの初期移動、及びその後のエリア間移動)を促す又は支援する誘導演出を行うことで、複数のエリアを所定の順序で巡るように誘導できる。
【0199】
第5の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第4の態様において、制御装置(1)は、誘導演出制御に続いて、ユーザ群(UG1)の感情を落ち着かせる落ち着かせ演出制御(S4)を行う。
【0200】
この態様によれば、誘導演出によって高まった興奮を鎮め、落ち着き感の醸成を図ることができる。
【0201】
第6の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第4又は第5の態様において、複数の演出ユニット(3,3a~3c)の各々が、複数のエリア(101a~101d)のいずれか1つ又は2つ以上に対応付けて設置される。制御装置(1)は、複数のエリア(101a~101d)を巡るユーザ群(UG1)に対して、複数のエリア(101a~101d)の各々に対応する演出ユニット(3a~3c)を制御して、複数のエリア(101a~101d)の各々において提供される図書体験の種類に応じたエリア演出制御(S7,S12~S14,S14d,S17)を行う。
【0202】
この態様によれば、図書スペース(101)内を巡るユーザ群(UG1)に対し、複数のエリア(101a~101d)の各々において、提供される図書体験の種類に応じた演出を行うことで、各種の図書体験に応じた感情のコントロールが図られ、誘発された感情が書籍(301)への興味の持続や書籍(301)の内容理解の定着に寄与する結果、書籍体験の更なる促進を図ることができる。
【0203】
第7の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第6の態様において、演出ユニット(3,3a~3c)は、照明機器(31)と、音響機器(33)、映像機器(32)、空調機器(34)、空質機器(35)及び芳香機器(36)、のうち1種類以上の機器(32~36)と、を含む。制御装置(1)は、照明機器(31)からの光の出力タイミング、出力周期、光量、配光及び光色並びに複数の照明機器(31)からの光の出力タイミングのずれ、のうち1つ以上の光パラメータを制御する光パラメータ制御と、音響機器(33)からの音響の出力タイミング、出力周期、音量、指向性及び音色、並びに複数の音響機器(33)からの音響の出力タイミングのずれ、のうち1つ以上の音パラメータを制御する音パラメータ制御と、映像機器(32)からの映像に含まれる画像及びテキスト、のうち1つ以上の映像パラメータを制御する映像パラメータ制御と、の少なくとも1つを行うことで、誘導演出制御(S3,S11,S16,S14b)を実現する。
【0204】
この態様によれば、光や音や映像で誘導演出等の多様な演出の実現を図ることができる。
【0205】
第8の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第7の態様において、制御装置(1)は、照明機器(31)からの光、音響機器(33)からの音響、映像機器(32)からの映像、芳香機器(36)からの香り、及び空調機器(34)又は空質機器(35)からの風、のうち1つ以上の空間変動パラメータを制御する空間変動パラメータ制御を行うことで、少なくともエリア演出制御(S7,S12~S14,S14d,S17)を実現する。
【0206】
この態様によれば、空間変動によって各種のエリア演出(さらには、落ち着かせ演出)を実現できる。
【0207】
第9の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)は、第4~第8のいずれかの態様において、視聴エリア(101b)に設けられる囲み部材(20)を更に備える。囲み部材(20)は、表示装置(2,2a)の表示面と、表示面に対面しているユーザ(U1)と、の間の空間の所定範囲を囲むように設けられる。
【0208】
この態様によれば、表示装置(2,2a)とユーザ(U1)との間の空間の所定範囲を囲み部材(20)で覆うことで、視聴体験における臨場感の増大を図ることができる。例えば、ユーザ(U1)が表示装置(2,2a)の表示面と対面している状態で、ユーザ(U1)の視野のうち、誘導視野(視野中心から±50度の範囲のうち、視野中心から±15度の有効視野を除いた部分)が囲み部材(20)で占められていれば、表示面に表示されているコンテンツ画像(Im0)を視るユーザ(U1)の誘導視野に生じる座標系誘導効果によって、臨場感の増大を効果的に図ることができる。さらに、この場合における表示装置(2,2a)の表示面のサイズが、有効視野に対応するサイズ(例えば、120インチ等の大画面)であれば、臨場感の増大を一層効果的に図ることができる。
【0209】
第10の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第4~第9のいずれかの態様において、制御装置(1)は、視聴エリア(101b)から書籍エリア(101a)への誘導演出において、表示装置(2,2a)及び演出ユニット(3,3a~3c)の少なくとも一方に、視聴エリア(101b)での視聴体験に関する問いかけ又は課題の提示を行わせる制御を行う。
【0210】
この態様によれば、視聴体験に関する問いかけ又は課題の提示に応じて、ユーザ(U1~U3)が視聴体験で視聴した書籍関連コンテンツ(126)の内容を振り返ることで、視聴体験後の書籍体験において、自発的な書籍利用の促進を図ることができる。
【0211】
第11の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第8の態様において、制御装置(1)は、書籍エリア(101a)でのエリア演出制御において、演出ユニット(3,3a~3c)に、ユーザ(U1~U3)による書籍(301)の選択を支援する書籍選択支援を行わせる。
【0212】
この態様によれば、書籍を選ぶ楽しみを伴う書籍体験の提供を図ることができる。
【0213】
第12の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第8又は第11の態様において、制御装置(1)は、書籍エリア(101a)でのエリア演出制御において、演出ユニット(3,3a~3c)に、ユーザ(U1~U3)のリラックス感を醸成するリラックス感演出を行わせる。
【0214】
この態様によれば、リラックス感を伴う書籍体験の提供を図ることができる。
【0215】
第13の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第8,第11及び第12のいずれかの態様において、制御装置(1)は、書籍エリア(101a)でのエリア演出制御において、演出ユニット(3,3a~3c)に、ユーザ(U1~U3)に時間の経過を感じさせる時間経過演出を行わせる。
【0216】
この態様によれば、時間の経過感を伴う書籍体験の提供を図ることができる。さらには、時間の経過感から誘発される焦燥感、興奮感等が伴う書籍体験の提供を図ることができる。
【0217】
第14の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第7の態様において、複数種類の図書体験は、撮像体験を更に含む。撮像体験は、ユーザ群(UG1)又はユーザ群(UG1)を構成する1人以上のユーザ(U1~U3)の各々を撮像する体験である。複数のエリアは、撮像体験のための撮像エリアを更に含む。
【0218】
この態様によれば、図書スペース(101)内を巡るユーザ群(UG1)に対し、撮像エリア(101d)での撮像体験を更に含むより多様な図書体験を提供することで、書籍体験の更なる促進を図ることができる。
【0219】
第15の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第14の態様において、制御装置(1)は、書籍エリア(101a)又は視聴エリア(101b)から撮像エリア(101d)へのエリア間誘導演出において、表示装置(2)及び演出ユニット(3,3a~3c)の少なくとも一方に、書籍エリア(101a)又は視聴エリア(101b)から撮像エリア(101d)に向かう動きを伴う映像の表示制御又は発光のタイミング制御を行わせる。
【0220】
この態様によれば、書籍エリア(101a)又は視聴エリア(101b)から撮像エリア(101d)への方向を、動く映像又は時間差を伴う発光により視覚的に感じさせることで、書籍関連コンテンツ(126)又は書籍(301)への興味を持続させつつ、撮像エリア(101d)への誘導を図ることができる。
【0221】
第16の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)は、第14の態様において、撮像エリア(101d)に設けられる撮像装置(4)を更に備える。撮像装置(4)は、撮像エリア(101d)に存在するユーザ(U1)を撮像する。制御装置(1)は、撮像装置(4)にユーザ(U1)を撮像させる。そして、制御装置(1)は、表示装置(2,2a)に、撮像装置(4)で撮像したユーザ(U1)の画像であるユーザ画像(Im1)を、書籍関連コンテンツ(126)の画像であるコンテンツ画像(Im0)と共に表示させる。
【0222】
この態様によれば、視聴エリア(101b)で視聴した書籍関連コンテンツ(126)に基づくコンテンツ画像(Im0)と共に、撮像エリア(101d)で撮像したユーザ画像(Im1)を表示させることで、コンテンツ画像(Im0)とユーザ画像(Im1)と融合感の醸成を図ることができる。
【0223】
第17の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第16の態様において、撮像エリア(101d)は視聴エリア(101b)を含み、表示装置(2,2a)は第1表示装置(2a)である。体験型デジタル図書スペースシステム(10)は、撮像エリア(101d)に設けられる第2表示装置(2b)を更に備える。第2表示装置(2b)は、第1表示装置(2a)と互いの表示面同士が対面するように設けられる。撮像装置(4)は、第1表示装置(2a)及び第2表示装置(2b)の間に設けられ、第1表示装置(2a)及び第2表示装置(2b)の間に存在するユーザ(U1)を撮像する。制御装置(1)は、第1表示装置(2a)及び第2表示装置(2b)の一方の表示面にコンテンツ画像(Im0)を表示させる。次に、制御装置(1)は、撮像装置(4)に、コンテンツ画像(Im0)を背景としてユーザ(U1)を撮像させる。そして、制御装置(1)は、第1表示装置(2a)及び第2表示装置(2b)の他方の表示面に、コンテンツ画像(Im0)を背景としてユーザ(U1)を撮像した背景付ユーザ画像(Im0+Im1)を表示させる。
【0224】
この態様によれば、第1及び第2の2つの表示装置(2a及び2b)を用いることで、コンテンツ画像を背景としてユーザ(U1)を撮像した背景付ユーザ画像(Im0+Im1)を表示できる。これにより、融合感の醸成を簡易かつ効果的に図ることができる。
【0225】
第18の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第17の態様において、ユーザ群(UG1)は、複数のユーザ(U1~U3)で構成される。複数種類の図書体験は、複数のユーザ(U1~U3)のうち、複数種類の図書体験の少なくとも1つを共有したユーザ間での談話体験を更に含む。複数のエリア(101a~101d)は、談話体験のための談話エリア(101c)を更に含む。
【0226】
この態様によれば、図書スペース(101)内を巡るユーザ群(UG1)に対し、談話エリア(101c)での談話体験を更に含むより多様な図書体験を提供することで、書籍体験の更なる促進を図ることができる。
【0227】
第19の態様に係る体験型デジタル図書スペースシステム(10)では、第18の態様において、制御装置(1)は、複数のユーザ(U1~U3)の各々の気づきを書き込んだ気づきデータを受け付け、複数のユーザ(U1~U3)の各々が閲覧可能に保存する。
【0228】
この態様によれば、複数のユーザ(U1~U3)が、各々の気づきを共有することで、各種の図書体験の共有感の醸成を図ることができる。
【0229】
なお、第18の態様において、制御装置(1)は、書籍エリア(101a)又は撮像エリア(101d)から談話エリア(101c)へのエリア間誘導演出において、演出ユニット(3,3a~3c)に、談話エリア(101c)への移動を促すキャラクタ画像の表示制御を行わせる。こうして、キャラクタ画像を表示することで、談話エリア(101c)へのわくわく感を伴う誘導を図ることができる。
【0230】
第20の態様に係る建物(100)は、第1~第19のいずれかの態様の体験型デジタル図書スペースシステム(10)と、図書スペース(101)とを備える。
【0231】
この態様によれば、図書スペース(101)に存在するユーザ群(UG1)に対し、書籍体験及び視聴体験が互いに異なる期間に提供されることで、より多くのユーザ(U1~U3)に、より多様な書籍関連コンテンツ(126)の視聴体験を提供可能となる。また、静粛性を求められる書籍体験であっても、光や音響を伴う視聴体験であっても、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を図ることができる。従って、より多くのユーザ(U1~U3)に、より多様な書籍関連コンテンツ(126)の視聴体験を、視聴体験が書籍体験の妨げとなることの回避を図りつつ、提供できる。
【符号の説明】
【0232】
100 建物
101 図書スペース
101a 書籍エリア
101b 視聴エリア
101c 談話エリア
101d 撮像エリア
10 体験型デジタル図書スペースシステム
1 制御装置
126 書籍関連コンテンツ
2 表示装置
2a(2) 第1表示装置
2b 第2表示装置
20 囲み部材
3 演出ユニット
3a 第1演出ユニット
3b 第2演出ユニット
3c 第3演出ユニット
31 照明機器
32 映像機器
33 音響機器
34 空調機器
35 空質機器
36 芳香機器
301 書籍
4 撮像装置
UG1 ユーザ群
U1~U3 ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11