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特開2024-137385コンクリート供給用デストリビュータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137385
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】コンクリート供給用デストリビュータ
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/04 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
E04G21/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048889
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】弁理士法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 幹也
(72)【発明者】
【氏名】須田 智之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 悠
(72)【発明者】
【氏名】礒村 涼
【テーマコード(参考)】
2E172
【Fターム(参考)】
2E172CA55
(57)【要約】
【課題】ベース装置と、このベース装置に搭載されるブーム装置とを備えたコンクリート供給用デストリビュータにおいて、アウトリガの大部分をベース本体内に格納したり或いはベース本体の外側面に沿わせて格納する必要をなくし、これにより、アウトリガを長くした場合でも、デストリビュータの車載時や施工現場での移動時に格納位置のアウトリガ他物と干渉しにくくし、作業を容易化する。
【解決手段】ベース装置10は、これの主枠となるベース本体11と、ベース本体11にその周方向に互いに間隔をおいて基部Rbが水平軸線回りに回動可能に軸支される複数のアウトリガR1~R4とを備え、各々のアウトリガR1~R4は、これの回動により、ベース本体11の外側方に張出す展開位置Roと、ベース本体11より上方又は下方に延びる格納位置Riとの間を移動可能である。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース装置(10)と、このベース装置(10)に搭載されるブーム装置(30)とを備えたコンクリート供給用デストリビュータにおいて、
前記ベース装置(10)は、該ベース装置(10)の主枠となるベース本体(11)と、前記ベース本体(11)にその周方向に互いに間隔をおいて基部(Rb)が水平軸線回りに回動可能に軸支される複数のアウトリガ(R1~R4)とを備え、
各々の前記アウトリガ(R1~R4)は、これの前記回動により、前記ベース本体(11)の外側方に張出す展開位置(Ro)と、前記ベース本体(11)より上方又は下方に延びる格納位置(Ri)との間を移動可能であることを特徴とする、コンクリート供給用デストリビュータ。
【請求項2】
前記ベース本体(11)の一側部及び他側部の上、下部に上下で対をなす前記アウトリガ(R3,R4)の基部(Rb)が前記水平軸線回りに回動可能に軸支され、前記上下で対をなすアウトリガ(R3,R4)が前記展開位置(Ro)にあるときにその両アウトリガ(R3,R4)の相互間に、前記ベース装置(10)を支持可能な支持体(FS1~FS3)を挟持可能としたことを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート供給用デストリビュータ。
【請求項3】
前記ベース本体(11)の中央部に起立姿勢で下端部が支持され且つ上端部に前記ブーム装置(30)が搭載されていて上下方向に延びるマスト本体(21)を備え、
前記マスト本体(21)と前記アウトリガ(R1~R4)との間には、その間を着脱可能に結合してアウトリガ(R1~R4)を前記格納位置(Ri)に固縛可能な結合装置(Ji)が介設されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート供給用デストリビュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース装置と、このベース装置に搭載されるブーム装置とを備えたコンクリート供給用デストリビュータに関する。
【背景技術】
【0002】
上記コンクリート供給用デストリビュータは、例えば特許文献1に記載されるように従来公知であり、その公知のものでは、ベース装置のベース台1(ベース本体)において、複数のアウトリガ32が、ベース台1の外側方に張出す張出装置と、その展開位置よりもベース台1寄りの格納位置との間を移動可能として取付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-193494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のデストリビュータでは、アウトリガ32がベース台1の外側に、その外側面に沿うようにして格納される。
【0005】
ところでベース装置の支持スパンを長くして支持を安定させる上で、アウトリガ32の全長を長くすることは有効であるが、アウトリガ32を特に長く形成した場合には、その長いアウトリガ32が格納時においてもベース台1の周辺に少なからず突出する関係で、アウトリガ32を含むベース装置が全体的に大型化する。そのため、デストリビュータの車両による運搬作業や、施工現場での移動作業(例えば盛替え作業)を行う際には、大型化したベース装置と他物との干渉を回避する配慮が必要となり、それだけ作業が煩雑化し作業能率が低下する等の問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来構造の問題を簡単な構造で解決可能としたコンクリート供給用デストリビュータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、ベース装置と、このベース装置に搭載されるブーム装置とを備えたコンクリート供給用デストリビュータにおいて、前記ベース装置は、該ベース装置の主枠となるベース本体と、前記ベース本体にその周方向に互いに間隔をおいて基部が水平軸線回りに回動可能に軸支される複数のアウトリガとを備え、各々の前記アウトリガは、これの前記回動により、前記ベース本体の外側方に張出す展開位置と、前記ベース本体より上方又は下方に延びる格納位置との間を移動可能であることを第1の特徴とする。
【0008】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記ベース本体の一側部及び他側部の上、下部に上下で対をなす前記アウトリガの基部が前記水平軸線回りに回動可能に軸支され、前記上下で対をなすアウトリガが前記展開位置にあるときにその両アウトリガの相互間に、前記ベース装置を支持可能な支持体を挟持可能としたことを第2の特徴とする。
【0009】
また本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、前記ベース本体の中央部に起立姿勢で下端部が支持され且つ上端部に前記ブーム装置が搭載されていて上下方向に延びるマスト本体を備え、前記マスト本体と前記アウトリガとの間には、その間を着脱可能に結合してアウトリガを前記格納位置に固縛可能な結合装置が介設されることを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベース装置は、これの主枠となるベース本体と、ベース本体にその周方向に互いに間隔をおいて基部が水平軸線回りに回動可能に軸支される複数のアウトリガとを備え、各々のアウトリガは、これの回動により、ベース本体の外側方に張出す展開位置と、ベース本体より上方又は下方に延びる格納位置との間を移動可能であるので、アウトリガは、その大部分をベース本体内に格納したり或いはベース本体の外側面に沿わせて格納する必要はなくなる。従って、アウトリガを長く形成して大型化した場合でも、デストリビュータの車載時や施工現場での移動時に格納位置のアウトリガが他物と干渉しにくくなって作業が容易となり、また此のように他物との干渉を回避しながらアウトリガを無理なく長大化できることで、ベース本体の支持を安定させることができる。
【0011】
また第2の特徴によれば、ベース本体の一側部及び他側部の上、下部に上下で対をなすアウトリガの基部が水平軸線回りに回動可能に軸支され、上下で対をなすアウトリガが展開位置にあるときにその両アウトリガの相互間に、ベース装置を支持可能な支持体を挟持可能としたので、上下で対をなすアウトリガが展開位置にあるときに、その相互間で支持体(例えば床スラブ)を挟むことで、アウトリガの支持体に対する浮き沈みを確実に阻止可能となる。これにより、ベース本体の、アウトリガを介しての支持体への支持をより安定化することができる。
【0012】
また第3の特徴によれば、ベース本体の中央部に起立姿勢で下端部が支持され且つ上端部にブーム装置が搭載されていて上下方向に延びるマスト本体を備え、マスト本体とアウトリガとの間には、その間を着脱可能に結合してアウトリガを格納位置に固縛可能な結合装置が介設されるので、アウトリガを格納位置に保持するのをアクチュエータのみで行う場合と比べ、格納位置の保持がより確実となり、従って、アクチュエータの負荷軽減が図られるばかりか、耐久性の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係るデストリビュータの稼働状態の一例を示す全体縦断面図
図2図1の2X矢視方向から見たデストリビュータの側面図
図3】アウトリガが展開位置にある状態でのベース装置及びマスト装置の要部を、一部を破断して示す拡大側面図(図1の3X矢視部の拡大図)
図4】アウトリガが格納位置にある状態でのベース装置及びマスト装置の要部を示す図3対応図
図5】アウトリガが展開位置にある状態でのベース装置を示す全体平面図(図3の5X矢視図)
図6】アウトリガが格納位置にある状態でのベース装置を示す全体平面図(図4の6X矢視図)
図7】マスト装置の要部を示す拡大側面図(図1の7X矢視部の拡大図)
図8】アウトリガが展開位置にある状態でのベース装置の全体斜視図
図9】デストリビュータの盛替え工程の一例を示す工程説明図
図10】第2実施形態に係るベース装置の要部を模式的に示す概略平面図
図11】第3実施形態に係るベース装置の要部を模式的に示す概略平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
先ず、本発明の第1実施形態を、図1図8により以下に具体的に説明する。
【0015】
コンクリート供給用デストリビュータDSは、例えばビル等の建設現場において構造物の躯体各所(例えば床スラブや各壁体等)を構築するための生コンクリートを、現場の地上に置かれた不図示のコンクリートポンプから受け取り、高所に在る打設現場の随所に供給するために使用される。その使用例を図1図2に示す。
【0016】
このデストリビュータDSは、土台となるベース装置10と、このベース装置10上に起立状態で支持される高さ調節可能なマスト装置20と、そのマスト装置20上に搭載されるブーム装置30とを備えている。次にその各装置10,20,30の一例について、図3図7も併せて参照して、順に説明する。
【0017】
先ず、ベース装置10について説明すると、それは、上下に扁平な直方体状に形成されてベース装置10の主枠となるベース本体11と、ベース本体11に対する支持スパンを長く確保してベース本体11の支持を安定させるための複数(実施形態では4つ)のアウトリガR1とを備える。而して、ベース本体11は、複数の金属製フレーム板を枠組みして成る中空の剛体枠で構成され、平面視で外縁が略多角形(実施形態では略正方形)に形成される。
【0018】
ベース本体11の中央部には、マスト装置20の下部(具体的には後述する最下部のマスト本体21の下端部)を接離可能に嵌合、支持する支持筒部11aが固着され、この支持筒部11aの下端はベース本体11の底壁11bに載置、固定される。また支持筒部11aは、マスト本体21と略同一の横断面形状を有する角筒状に形成されており、その上端は、ベース本体11の上壁11tを貫通してその上方に突出する。
【0019】
また支持筒部14aの周囲でベース本体11の上壁11t及び底壁11bの適所には、後述する接続配管28を通す不図示の貫通孔がそれぞれ設けられる。尚、接続配管28の一部に曲管或いは可撓管を用いることで、接続配管28がベース本体11を貫通せずに配管(例えば接続配管28の一部をベース本体11外側を迂回して配管)できる場合には、ベース本体11において上記貫通孔は省略可能である。
【0020】
また支持筒部11aの上端部外周には複数の結合用ブロックBdが周方向に間隔をおいて固定される。これらの結合用ブロックBdと、最下部のマスト本体21の下端部外周に固定の複数の結合用ブロックBuと、それらブロックBd,Bu間を着脱可能に結合する結合手段(例えばボルト)とを介して、後述するように最下部のマスト本体21の下端部と支持筒部11a(従ってベース本体11)とが結合される。
【0021】
その結合状態で上下の結合用ブロックBu,Bdは相互が当接し、その当接面相互は、最下部のマスト本体21と支持筒部11aとの周方向及び径方向の位置ずれを抑制し得るように互いに凹凸係合する。この凹凸係合により、支持筒部11a(従ってベース本体11)上に最下部のマスト本体21を容易に位置決めでき、しかもその当接面に沿う方向のマスト本体21の位置ずれを確実に阻止できる。
【0022】
尚、ベース本体11の上壁11tには、ベース装置10をクレーンで単独で吊り下げる場合に吊り下げ用ワイヤの下端部を係止させるための係止孔付きブラケット(図示せず)が、必要に応じて固着される。
【0023】
而して、ベース本体11は、支持体としての前記躯体の床スラブFS1~FS3上に複数の前記アウトリガR1を介して載置、固定されるが、床スラブFS1~FS3に形成される通孔(例えばエレベータホールFS1h~FS3h)よりもやや小さく形成される。従って、ベース本体11は、各アウトリガRが格納位置Riにある状態ではエレベータホールFS1h~FS3hを上下方向に通過可能である。
【0024】
4つのアウトリガR1は、横断面矩形状で且つ両端が閉塞された角筒状又は角柱状に形成される。そして、この4つのアウトリガRは、ベース本体11の外縁の、平面視で直線状をなす4つの辺部としての側壁11sに設けた平面視U字状の凹所15内に基部Rbが受容され、且つその基部Rbが枢軸16を介してベース本体11に上下方向回動可能に支持される。枢軸16は、基部Rbを横切る水平軸線を中心軸線とするものであって、その水平軸線回りに基部Rbと一体的に回動ように基部Rbに結合(例えばスプライン嵌合、キー止め、溶接等)される。
【0025】
より具体的に言えば、ベース体11の凹所15の左右内側壁には、枢軸16の両端部を回転自在に支持する一対の軸受17がそれぞれ固定される。そして、左右一方の軸受17の外側に隣接し且つ枢軸16(従ってアウトリガR)を回転駆動可能なアクチュエータとしてのモータユニットUが、ベース体11内に収納されており、そのユニットケースはベース体11の内壁適所に固定される。
【0026】
モータユニットUは、電動モータ18と、電動モータ18のモータ軸18m及び枢軸16相互を連動回転させるギヤ伝動機構19とを備えており、そのモータ18の回転駆動力がギヤ伝動機構19及び枢軸16を経てアウトリガRに伝えられてアウトリガRを回動させる。尚、電動モータ18に代えて、油圧モータ又はエアモータを用いてもよい。
【0027】
かくして、各々のアウトリガR1は、モータユニットUに駆動されて、前記水平軸線回りに上下回動し、この回動により、ベース本体11の外側方に長く張出す水平姿勢の展開位置Roと、ベース本体11より上方に延びる鉛直姿勢の格納位置Riとの間を移動可能である。
【0028】
ところでベース本体11と、アウトリガRの基部Rb寄りの中間部との間には、その間を着脱可能に結合してアウトリガR1を展開位置Roに固縛可能な第1結合装置Joが介装される。第1結合装置Joは、展開位置RoにあるアウトリガRを上方から貫通してベース本体11の底壁11bに螺挿される少なくとも1個の第1ボルトBoを備える。尚、第1ボルトBoに代わる結合手段、例えば展開位置RoにあるアウトリガRを上方から貫通してベース本体11の底壁11bに挿着される抜け止めピンを用いてもよい。
【0029】
また後述するマスト本体21と、アウトリガR1の先部Raとの間には、その間を着脱可能に結合してアウトリガR1を格納位置Riに固縛可能な第2結合装置Jiが介設される。第2結合装置Jiは、格納位置RiにあるアウトリガRを側方から貫通してマストス本体21の側壁21sに固定(例えば溶接等)の受け部材25に螺挿される少なくとも1個の第2ボルトBiを備える。尚、第2ボルトBiに代わる結合手段、例えば格納位置RiにあるアウトリガRを側方から貫通してマスト本体21の側壁11sに挿着される抜け止めピンを用いてもよい。
【0030】
次に図1図3図7を主として参照して、マスト装置20の一例を説明する。
【0031】
マスト装置20は、ベース装置10上に起立状態で支持され且つ互いに縦列状態で結合される複数のマスト本体21より分割構成されており、そのマスト本体21の接続個数を増やすことでマスト装置20の全長(従って全高)を長く(高く)することができる。そして、マスト装置20の上部(即ち最上位のマスト本体21の上端部)にブーム装置30が搭載される。
【0032】
それらマスト本体21は、基本的に横断面同一の中空筒体で構成され、実施形態では横断面矩形状の頑丈な閉断面構造となっている。各々のマスト本体21の外周面には、作業員がマスト装置20に沿って昇降するための梯子23が固定され、また最上位のマスト本体21の上部には、そこで作業員が各種作業(例えば組立、点検整備等)を安全に行うための作業台24が固定され、それらの固定作業は、例えば不図示の固定手段でマスト装置20をベース装置10上に据え付ける前に予め行われる。
【0033】
さらに各々のマスト本体21の外周には、不図示のコンクリートポンプから延びるコンクリート圧送管に接続可能で且つマスト本体21に沿って縦列配置状態で延びる複数の接続配管28がそれぞれ固定され、隣り合う接続配管28相互は、従来周知のジョイントで液密に接続可能となっている。
【0034】
また各々のマスト本体21の上端部及び下端部の各外周には、その両端部で周方向位置を同じくして周方向に互いに間隔をおいて並ぶ複数の結合用ブロックBd,Buがそれぞれ固定される。而して、隣り合う一対のマスト本体21の隣接端部にそれぞれ固定の結合用ブロックBd,Buは、その両マスト本体21を上下に縦列配置した状態で相互が当接し、その当接面相互は、隣り合うマスト本体21相互の周方向及び径方向の位置ずれを抑制し得るように互いに凹凸係合する。
【0035】
而して、隣り合うマスト本体21間の結合用ブロックBd,Buによる結合構造は、前記したような最下部のマスト本体21と支持筒部11a(ベース本体11)との間の結合用ブロックBd,Buによる結合構造と基本的に同じである。
【0036】
次に図1図2を主として参照して、ブーム装置30の一例を説明する。ブーム装置30は、互いに直列に配列され且つ相互間が屈折揺動可能に枢支連結される複数のブームB1~B4よりなるブーム列BTと、マスト装置20の上部(具体的には最上位のマスト本体21の上端部)に取付けられてブーム列BTにおける最も基端側の第1ブームB1を水平な枢軸J1を介して起伏回動可能に支持するブーム支持台BSとを備える。
【0037】
ブーム支持台BSは、マスト装置20の上部に固定される固定台31と、その固定台31に鉛直軸線回りに旋回可能に支持される旋回台32とを備えており、固定台31及び旋回台32間には、旋回台32を旋回駆動可能な旋回駆動装置が介装される。尚、この旋回駆動装置の構造は、多段ブーム付きのクレーン装置の技術分野において従来周知であるので、これ以上の説明を省略する。
【0038】
固定台31の下端部は、マスト本体21と略同一の横断面形状を有した角筒体で構成され、その角筒体の下部外周には、各マスト本体21の下端部に固定したのと同一構造の複数の結合用ブロックBuが固定される。この固定台31側の結合用ブロックBuと最上部のマスト本体21の上端側の結合用ブロックBdとは、マスト本体21上に固定台31を搭載した状態で互いに当接し、その当接面相互は、固定台31及びマスト本体21相互の周方向及び径方向の位置ずれを抑制し得るように互いに凹凸係合する。
【0039】
而して、固定台31側の結合用ブロックBuと最上部のマスト本体21の結合用ブロックBdとによる結合構造は、前記したような隣り合うマスト本体21間の結合用ブロックBd,Buによる結合構造と基本的に同じである。
【0040】
またブーム列BTにおいて、第1ブームB1とブーム支持台BS(特に後述する旋回台32の起立壁部32s)間には、第1ブームB1をブーム支持台BSに対し強制的に起伏揺動させる油圧シリンダC1が介装される。またブーム列BTの相隣なるブーム相互間(即ち基端側の第1ブームB1と次の第2ブームB2間、第2ブームB2と次の第3ブームB3間、並びに第3ブームB3と最も先端側の第4ブームB4間)には、その相互間を強制的に屈折揺動させる油圧シリンダC2~C4が直接、又はリンク機構を介してそれぞれ介装される。
【0041】
また各々の油圧シリンダC1~C4には、ブーム支持台BS(特に後述する固定台31)に設置した油圧供給装置(例えば油タンク・油圧ポンプ・制御弁等を含む)が、ブーム列BTに沿って取り回される不図示の油圧配管を介して接続される。この油圧供給装置と各油圧シリンダC1~C4との間での作動油圧の給排制御は、作業員の操作に基づいて行われる。その油圧制御系の構成もまた、多段ブーム付きクレーン装置の技術分野において従来周知である。
【0042】
また第4ブームB4の先部には、可撓性を有して生コンクリートを先部から吹出可能な吹出チューブ37が取付けられる。この吹出チューブ37の基端と、マスト本体21に沿設された前述の接続配管28の下流端とは、ブーム支持台BSの内外に渡って設けた第1中継管38と、ブーム列BTの各ブームB1~B4に支持されて各ブームB1~B4に沿うよう配置された第2中継管39とを介して接続される。
【0043】
その第2中継管39は、隣り合うブームB1,B2;B2,B3;B3,B4相互の枢支連結部となる中空の枢軸J2~J4内を貫通する折返し部を途中に有して屈曲し、且つ隣り合うブームB1~B4に沿って取り回される。
【0044】
しかも第2中継管39の上流端と第1中継管38の下流端との間は、相互間を枢軸J1の軸線回りに相対回動可能に接続する継ぎ手を介して接続される。また第2中継管39の途中、特に上記した各折返し部の近傍において、上流側の管部と下流側の管部との間を相対回動可能に接続する継ぎ手がそれぞれ介設される。従って、それらの継ぎ手により、第1ブームB1の起伏回動、並びに隣り合うブームB1,B2;B2,B3;B3,B4相互の屈折揺動の際に、それら起伏回動及び屈折揺動に対し第2中継管39が無理なく追従できるようになっている。
【0045】
ところで固定台31には、これをクレーンで吊り上げる際に使用される従来周知の複数即ち4つの第1取付部T1が設置される。より具体的に説明すると、第1取付部T1は、ブーム列BTが折り畳まれて縦向き姿勢(図8参照)又は横向き姿勢(図示せず)にある状態でブーム装置30をクレーンで第1索条W1を介して吊り上げる際に使用され、その際には各第1取付部T1には、従来周知の係脱機構を介して第1索条W1の下端部が係脱可能に係止される。尚、ブーム装置30を吊り上げ可能な大型クレーンは従来周知であるので、実施形態ではクレーン本体は図示せず、クレーム本体のブーム先部よりワイヤを介して懸吊されるクレーンフック80のみを示す。
【0046】
また特に本実施形態では、第1ブームB1基部の枢軸J1の軸線に沿う所定方向(以下、単にブーム列BTの幅方向という)で間隔をおいて並ぶ一対の第1取付部T1の組が固定台31に、上記幅方向と直交する水平方向に間隔をおいて2組(即ち固定台31の前後左右の都合4カ所に)配設される。尚、上記一対の第1取付部T1の組は、3組以上設けてもよい。
【0047】
ところで以上説明した複数の第1取付部T1は、相互間隔を長く確保すべくブーム支持台BSの特に固定台31に支持ブラケット41を介して設けられるが、固定台31に直接設けてもよい。また第1取付部T1を、固定台31に設ける代わりに、旋回台32に直接又はブラケット等の支持部材を介して設けてもよい。
【0048】
また第1ブームB1の途中には、ブーム列BTが横向き姿勢にある状態でブーム装置30をクレーンで不図示の第2索条を介して吊り上げる際に使用され且つ第2索条に連結可能な第2取付部T2(図1参照)が、必要に応じて設けられる。
【0049】
次に第1実施形態の作用を説明する。本実施形態のデストリビュータDSを例えばビルの建設現場で使用する場合には、最下層(例えば1階)の鉄筋コンクリート製床スラブFS1を予め構築しておく。そして、床スラブFS1上にデストリビュータDSを組立てて据え付ける組立工程と、その据え付けたデストリビュータDSを用いて行う生コンクリートの打設作業に基づいて、上側の床スラブFS2,FS3及び関連の壁体を構築する工程とを順次行う。
【0050】
このようにして上層の床スラブFS2,FS3等が構築されると、更に上層の床スラブ等を構築するためにデストリビュータDS全体を、上層の床スラブ(例えばFS2)上に載せ替える工程(この工程を現場では「盛替え」と呼ぶ)を行う。そこで、上記したデストリビュータDSの組立工程と盛替え工程について、順に説明する。
[組立工程]
図1は、この組立工程で床スラブFS1上にデストリビュータDSが設置された直後の状態を示す。この組立工程では、先ずベース装置10のみをクレーンで懸吊して床スラブFS1と略同一レベルまで降ろし、展開位置Roに展開させたアウトリガR1を床スラブFS1上に載置し、このアウトリガR1を従来周知の固定手段(例えばUボルト、アンカボルト等)を用いて床スラブFS1に固定する。次いで、予め別の場所で組立てたマスト装置20をクレーンで懸吊して、ベース装置10(ベース本体11の支持筒部11a上)に搭載、固定し、しかる後に、予め別の場所で組立てたブーム装置30をクレーンで懸吊して、マスト装置20の上部に搭載、固定する。次いで、生コンクリートの圧送に関係する必要な配管作業を行うことで、地上に設置のコンクリートポンプから生コンクリートを接続配管28、第1,第2中継管38,39及び吹出チューブ37に順次、圧送供給できる状態(図1参照)となる。
【0051】
かくして、最下層の床スラブFS1上へのデストリビュータDSの設置が終了するので、この状態からデストリビュータDSは、ブーム列BTのブームB1~B4相互を適宜屈折させ且つ旋回台32(従ってブーム列BT)を旋回させることで、ブーム列BT先部の吹出チューブ37から生コンクリートを所望の打設場所に供給可能となる。これにより、次の階層の床スラブFS2や壁体、さらには次の階層の床スラブFS3や壁体を順次に構築可能となる。
【0052】
このようにして上層の床スラブFS2,FS3や壁体が積み上がると、更に上層の床スラブFS4等を構築するためにデストリビュータDS全体を、例えば床スラブFS2上に載せ替える次の盛替え工程に移行する。
[盛替え工程]
本工程では、例えば、マスト本体21に固定の接続配管28を前記コンクリートポンプに連なるコンクリート圧送管より切り離すと共に、アウトリガR1の床スラブFS1への固定を解除する。そして、図8(A)に示すように、折り畳んだブーム列BTを略鉛直の縦向き姿勢になるまで起立揺動させ、この状態のままブーム支持台BS(固定台31)の4つの第1取付部T1に4条の第1索条W1の下端の被連結部をそれぞれ連結する。そして、それら第1索条W1の上端の被連結部をクレーンフック80に係止させて、クレーンで鉛直姿勢のデストリビュータDS全体を吊り上げる。
【0053】
次いで、図8(B)に示すように、アウトリガR1を格納位置Riまで回動させ、これにより、デストリビュータDSの上昇時に、階上の床スラブFS2の貫通孔としてのエレベータホールFS2h周辺部にアウトリガR1が干渉しないようにする。そして、ベース装置10が階上の床スラブFS2と略同一レベルとなるまで、デストリビュータDS全体をクレーンで吊り上げ、上昇させる。
【0054】
その上昇後は、図8(C)に示すように、アウトリガRを再び展開位置Roまで展開させた後、階上の床スラブFS2上に載置、固定する。次いで、全部の第1索条W1の下端を固定台31の第1取付部T1より取り外して、別の保管場所に保管しておく。またマスト本体21に固定の接続配管28の上流端(下端)には、コンクリートポンプから延びるコンクリート圧送管を再接続すれば、生コンクリートを接続配管28、第1,第2中継管38,39及び吹出チューブ37に順次、圧送供給できるようになる。
【0055】
かくして、デストリビュータDSの上層階への盛り替え作業が終了するので、この状態からデストリビュータDSは、図8(D)に示すようにブーム列BTの第1ブームB1を伏倒させつつブームB1~B4相互を適宜屈折させ且つ旋回台32(従ってブーム列BT)を旋回させることで、ブーム列BT先部の吹出チューブ37から生コンクリートを上層階での所望の打設場所に供給可能となる。これにより、上層階の床スラブFS4や壁体を構築可能となる。
【0056】
而して、上記したような盛り替え工程を床スラブFSの階層が上がるのに応じて順次行うことで、同じデストリビュータDSを用いて中層のビルや、高層のビルを無理なく建設可能となる。
【0057】
ところで前記した第1実施形態によれば、デストリビュータDSのベース装置10は、これの主枠となるベース本体11と、ベース本体11にその周方向に互いに間隔をおいて基部Rbが水平軸線回りに回動可能に軸支される複数のアウトリガR1とを備え、各々のアウトリガR1は、これの上記回動により、先部Raがベース本体11の外側方に長く張出す展開位置Roと、ベース本体11より上方に延びる格納位置Riとの間を移動可能である。
【0058】
これにより、各々のアウトリガR1は、その大部分をベース本体11内に格納したり或いはベース本体11の外側面に沿わせて格納する必要はなくなる。従って、アウトリガRを長く形成して大型化した場合でも、デストリビュータDSの車載時や施工現場での移動時に格納位置RiのアウトリガR1が他物と干渉しにくくなって作業が容易となる。また此のように他物との干渉を回避しながらもアウトリガR1を無理なく長大化できることで、ベース本体11に対する支持スパンを十分長く確保し得て、ベース本体11の支持を安定させることができる。
【0059】
また本実施形態においては、マスト本体11とアウトリガR1の先部Raとの間には、その間を着脱可能に結合してアウトリガR1を格納位置Riに固縛可能な結合装置Joが介設される。これにより、アウトリガR1を格納位置Riに保持するのをアクチュエータのみで行う場合と比べ、格納位置Riの保持がより確実となるため、アクチュエータの負荷軽減が図られるばかりか、耐久性の向上に寄与することができる。
【0060】
また図9には、本発明の第2実施形態が示される。第2実施形態のアウトリガR2は、第1実施形態と同様、ベース本体11の側壁11sの凹所15に基部Rbが受容され、その基部Rbがベース本体11に枢軸16を介して水平軸線回りに回動可能に支持される。但し、アウトリガR1は、これの上記回動により、先部Raがベース本体11の外側方に長く張出す展開位置Roと、ベース本体11より下方に延びる格納位置Riとの間を移動可能である。
【0061】
従って、デストリビュータDSの盛替え工程では、展開位置Roから格納位置Riに下方回動させる直前でベース装置10(デストリビュータDS)をクレーン等で一旦、上方へ持ち上げて、展開位置RoのアウトリガR1を床スラブFS1より所定高さ浮かせた状態におけば、アウトリガR1を、床スラブFS1との干渉を回避しつつ格納位置Riに向かって下方回動させることが可能となる。
【0062】
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と基本的に同様であるので、これ以上の説明は省略する。
【0063】
而して、第2実施形態によれば、第1実施形態の前記作用効果と同等の作用効果が達成され、更に次のような作用効果も達成可能である。即ち、また第2実施形態では、アウトリガR1を自重で格納位置Riに保持可能であるので、第2結合装置Jiを省略可能である。
【0064】
また図10には、本発明の第3実施形態が示される。第3実施形態では、ベース本体11の一側部及び他側部の上、下部に上下で対をなすアウトリガR3,R4の基部Rbが水平軸線回りに回動可能に軸支され、上下で対をなすアウトリガR3,R4が展開位置Roにあるときにその両アウトリガR3,R4の相互間に、ベース装置10を支持可能な支持体としての床スラブFS1~FS3を挟持可能としている。
【0065】
この第3実施形態において、上下のアウトリガR3,R4は、これらが展開位置RoにあるときにアウトリガR3,R4相互の上下方向間隔が一般的な床スラブの厚さ(150mm)以上となるよう、両アウトリガR3,R4の枢軸16,16′相互の軸間距離を設定することが望ましい。
【0066】
第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と基本的に同様であるので、これ以上の説明は省略する。而して、第3実施形態によれば、第1,第2実施形態の前記作用効果と同等の作用効果が達成され、更に次のような作用効果も達成可能である。即ち、上下で対をなすアウトリガR3,R4が共に展開位置Roにあるときに、その相互間で支持体としての床スラブFS1~FS3を挟むことで、アウトリガRの支持体に対する浮き沈みを確実に阻止可能となる。これにより、ベース本体11の、アウトリガR3,R4を介しての床スラブFS1~FS3(即ち支持体)への支持をより安定化することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態を実施可能である。
【0068】
例えば、前記実施形態では、アウトリガR1~R4を回転駆動するアクチュエータとしてモータユニットUを用いた例を示したが、アウトリガR1~R4の回転駆動装置は、実施形態に限定されず、他の駆動方式(例えばチェーン機構と伸縮シリンダの組合わせ等)を用いたものでもよい。或いはまた、アウトリガR1~R4のサイズや重量によっては、アウトリガR1~R4の格納位置Ri及び展開位置Ro間の回動を手動で行うようにしてもよい。
【0069】
また前記実施形態では、アウトリガR1~R4を展開位置Roに固縛する第1結合装置Joをベース本体11とアウトリガR1~R4との間に介設し、その一例として第1ボルトBo又は抜け止めピンを用いたものを示したが、ベース本体11の形態・構造によっては、ベース本体11とアウトリガR1~R4との間に介設してもよい。また第1結合装置Joに代えて、回転停止位置で自動ロック機構が働いて同位置をロック可能な自己ロック機能付きモータユニットUを用いて、アウトリガR1~R4を展開位置Roに固縛してもよい。
【0070】
また前記実施形態では、アウトリガR1~R4を格納位置Riに固縛する第2結合装置Jiをマスト本体21とアウトリガR1~R4との間に介設したものを示したが、ベース本体11の形態・構造によっては、ベース本体11とアウトリガR1~R4との間に介設してもよい。また第2結合装置Jiに代えて、回転停止位置で自動ロック機能が発揮可能な自己ロック機構付きモータユニットUを用いて、アウトリガR1~R4を格納位置Riに固縛してもよい。
【0071】
また前記実施形態では、デストリビュータDSのベース本体11のサイズを、デストリビュータDSの盛替えが行われる各床スラブFS1~FS3におけるエレベータホールFS1h~FS3hのサイズより小さく形成して、盛替えにエレベータホールFS1h~FS3hを利用可能とするものを例示したが、盛替えにエレベータホールFS1h~FS3hを利用しない場合には、ベース本体11のサイズをエレベータホールFS1h~FS3hより大きく形成してもよい。
【0072】
また前記実施形態では、展開位置RoのアウトリガR1~R4を床スラブFS1~FS3に従来周知の固定手段(例えばUボルト、アンカボルト等)を用いて固定するものを示したが、アウトリガR1~R4を床スラブFS1~FS3に特別に固定しなくてもデストリビュータDSを安定姿勢に保持し得る使用環境では上記固定を省略してもよい。
【0073】
また前記実施形態では、柱状をなして相互に結合される2個のマスト本体21でマスト装置20を構成し、そのマスト装置20を介してベース装置10上にブーム装置30を搭載するものを示したが、マスト本体21の長さや現場の作業態様によっては、1個のマスト本体21でマスト装置20を構成してもよく、或いは3個以上のマスト本体21を縦列状態で結合してマスト装置20を構成してもよい。また現場の作業態様や周辺環境等によっては、マスト装置20を介さずにベース装置10上にブーム装置30を直接搭載してもよく、この場合、アウトリガR1~R4を格納位置Riに固縛可能な結合装置(前記実施形態における結合装置Jiに対応する結合手段)は、ベース本体11とアウトリガR1~R4との間に介設してもよいし、或いは、ブーム装置30(例えばブーム支持台BSの固定台31)とアウトリガR1~R4との間に介設してもよい。
【0074】
また前記実施形態では、相隣なるマスト本体21の隣接端部外周に周方向に互いに間隔をおいて固定した各複数の結合用ブロックBd,Bu相互を上下に隣接させて上下方向に対面、当接させ、その当接面相互をボルト等の結合手段で結合するものを示したが、その結合手段としては、ボルト以外の結合手段(例えば溶接、カシメ、ピン止め等)も実施可能である。また結合用ブロックBd,Bu相互をマスト本体21の周方向に隣接させて周方向に対面、当接させ、その当接面相互をボルト25その他の結合手段で結合してもよく、この場合に当接面相互を結合するボルト又は固定ピンとしては、横向きの(即ち周方向を向く)ボルト又は固定ピンが使用される。
【0075】
また前記実施形態では、ブーム装置30におけるブーム列BTを、直列配置されて相互に屈折揺動可能な第1~第4ブームB1~B4で構成したものを示したが、ブーム列BTは、少なくとも2本のブームを繋げればよく、実施形態のブーム数に限定されない。
【0076】
尚、前記実施形態では、デストリビュータDSの[盛替え工程]の実行に当たり、図8に示すように第1索条W1を介して縦向き姿勢のブーム装置30をクレーンで吊り上げるようにした作業形態を示した。しかしブーム装置30を横向き姿勢のまま第1索条W1や不図示の第2索条を介してクレーンで吊り上げても、構築済みの構造物(例えば上層の床スラブ等)とブーム装置30が干渉しなければ、ブーム装置30を横向き姿勢のまま盛り替え作業を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
DS・・・・・デストリビュータ
Ji・・・・・結合装置としての第2結合装置
R1~R4・・アウトリガ
Ra・・・・・アウトリガの基部
Ri・・・・・格納位置
Ro・・・・・展開位置
10・・・・・ベース装置
11・・・・・ベース本体
21・・・・・マスト本体
30・・・・・ブーム装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11