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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137403
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 7/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B60K7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048914
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤野 慎
【テーマコード(参考)】
3D235
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB45
3D235CC42
3D235GA03
3D235GA13
3D235GA70
3D235GB13
3D235GB34
3D235HH07
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でインホイールモータを冷却する。
【解決手段】冷却装置は、インホイールモータの回転子に設けられ、前記回転子と一体的に回転し、前記インホイールモータに向けて送風可能な羽根と、前記羽根の開度を変更する変更機構と、1つまたは複数のプロセッサと、前記プロセッサに接続される1つまたは複数のメモリと、を有する制御装置と、を備え、前記プロセッサは、前記変更機構を制御することによって、前記羽根の開度を調整することを含む処理を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インホイールモータの回転子に設けられ、前記回転子と一体的に回転し、前記インホイールモータに向けて送風可能な羽根と、
前記羽根の開度を変更する変更機構と、
1つまたは複数のプロセッサと、前記プロセッサに接続される1つまたは複数のメモリと、を有する制御装置と、
を備え、
前記プロセッサは、
前記変更機構を制御することによって、前記羽根の開度を調整することを含む処理を実行する、冷却装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記羽根の開度の上限値を、前記インホイールモータの出力に基づいて決定することと、
前記羽根の開度を前記上限値以下に調整することと、
を含む処理を実行する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
温度情報に基づいて、前記羽根の開度を調整することを含む処理を実行する、請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
車両の挙動情報に基づいて、前記羽根の開度を調整することを含む処理を実行する、請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
ブレーキ装置の使用状況情報に基づいて、前記羽根の開度を調整することを含む処理を実行する、請求項1または2に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、車両において、車輪のホイールの内側に、インホイールモータを配置し、インホイールモータによって車輪を直接駆動する技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-91511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記インホイールモータを冷却するために、冷媒を循環させる冷却回路をインホイールモータの近傍に設置することが考えられる。この場合、冷却に要する冷却回路が大がかりとなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、簡易な構成でインホイールモータを冷却することが可能な冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一実施の形態に係る冷却装置は、
インホイールモータの回転子に設けられ、前記回転子と一体的に回転し、前記インホイールモータに向けて送風可能な羽根と、
前記羽根の開度を変更する変更機構と、
1つまたは複数のプロセッサと、前記プロセッサに接続される1つまたは複数のメモリと、を有する制御装置と、
を備え、
前記プロセッサは、
前記変更機構を制御することによって、前記羽根の開度を調整することを含む処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成でインホイールモータを冷却することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る車両の構成を示す概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る冷却装置の構成を示す概略図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る冷却装置の羽根および変更機構を説明する第1の図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る冷却装置の羽根および変更機構を説明する第2の図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る変更機構の動作を説明する第1の図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る変更機構の動作を説明する第2の図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る冷却方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す具体的な寸法、材料、数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る車両100の構成を示す概略図である。図1に示すように、車両100は、バッテリ110と、インホイールモータ120と、冷却装置150とを含む。
【0011】
バッテリ110は、車両100の駆動源である。つまり、車両100は、電気自動車またはハイブリッド自動車である。
【0012】
インホイールモータ120は、後述する車両100の車輪のホイールの内側に設けられる。インホイールモータ120は、バッテリ110から出力された電力によって車輪を回転する。
【0013】
冷却装置150は、インホイールモータ120を冷却する。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係る冷却装置150の構成を示す概略図である。図2に示すように、冷却装置150は、1または複数の羽根210と、変更機構220と、制御装置230とを含む。
【0015】
図3は、本発明の実施形態に係る冷却装置150の羽根210および変更機構220を説明する第1の図である。図4は、本発明の実施形態に係る冷却装置150の羽根210および変更機構220を説明する第2の図である。なお、図3は、車輪102の鉛直断面図である。また、図4は、図3のIV矢視図である。
【0016】
図3に示すように、車輪102は、タイヤ104と、タイヤ104を支持するホイール106とを備える。
【0017】
インホイールモータ120は、ホイール106の内部空間に設けられる。インホイールモータ120は、回転子122と、回転子ブラケット124と、固定子126と、固定子ブラケット128と、ブレーキ装置130と、を含む。
【0018】
回転子122は、円筒形状を有する。回転子122には、永久磁石が設けられている。回転子ブラケット124は、円板形状を有する。回転子ブラケット124は、回転子122をホイール106に固定する。回転子ブラケット124には、複数の通気孔124aが形成されている。通気孔124aは、例えば、回転子ブラケット124の中心軸の周りを同心円状に互いに所定角度の間隔をおいて配される。各通気孔124aは、回転子ブラケット124の中心部124bと、2つの側部124cと、外周部124dとによって区画される。側部124cは、中心部124bから径方向外方に延在した棒形状の板部材である。側部124cは、中心部124bと、外周部124dとを接続する。通気孔124aは、インホイールモータ120の軸方向に見た場合、例えば、扇形状である。通気孔124aには、後述する冷却装置150の羽根210が設けられる。
【0019】
固定子126は、円筒形状を有する。固定子126の外径は、回転子122の内径よりも小さい。固定子126は、固定子126の外周面と、回転子122の内周面とが離隔するように、回転子122内に設けられる。固定子126には、電磁石が設けられている。固定子ブラケット128は、固定子126を、不図示のサスペンション装置に固定する。固定子ブラケット128は、ボス部128aと、支持部128bとを含む。ボス部128aは、固定子126の中心部に設けられる。ボス部128aは、不図示のサスペンション装置に接続される。支持部128bは、棒形状の板部材で構成される。固定子ブラケット128は、複数の支持部128bを備える。支持部128bは、固定子126とボス部128aとを接続する。
【0020】
ブレーキ装置130は、ブレーキロータ132と、ブレーキキャリパ134とを含む。ブレーキロータ132は、円柱形状を有する。ブレーキロータ132は、回転子ブラケット124の中心部124bに固定されるとともに、固定子ブラケット128のボス部128aに回転可能に支持される。ブレーキロータ132には、ブレーキディスク132aが設けられている、ブレーキディスク132aは、円板形状を有する。ブレーキキャリパ134は、ブレーキパッド134aを有する。ブレーキキャリパ134は、ブレーキパッド134aによってブレーキディスク132aの外周が挟まれるように、固定子ブラケット128に固定される。
【0021】
図3図4に示すように、複数の羽根210の各々は、回転子ブラケット124の各通気孔124aに配される。羽根210は、インホイールモータ120の軸方向に交差する平面上に延在する平板形状である。羽根210は、後述する開状態において、インホイールモータ120の軸方向に見た場合、通気孔124aと実質的に等しい形状を有する。羽根210は、例えば、扇形状である。開状態において、羽根210は、車両100の外部の空気をインホイールモータ120に向けて送風可能となるように通気孔124aに配される。
【0022】
羽根210の周縁部のうちインホイールモータ120の径方向に延在する2つの延在部212、214の各々は、回転子ブラケット124の側部124cの近傍で側部124cに沿って配置される。2つの延在部212、214の一方である延在部212は、回転子ブラケット124の通気孔124aの側部124cに軸支される。したがって、羽根210は、回転子ブラケット124および回転子122と一体的に回転する。
【0023】
変更機構220は、後述する制御装置230による制御指令に応じて、羽根210の開度を変更する。変更機構220は、例えば、羽根210の姿勢を変更して、羽根210による通気孔124aの開度を変更する。本実施形態において、変更機構220は、羽根210の延在部212を回転軸として、羽根210を回動させる。
【0024】
図5は、本発明の実施形態に係る変更機構220の動作を説明する第1の図である。図6は、本発明の実施形態に係る変更機構220の動作を説明する第2の図である。
【0025】
例えば、図4図5に示す例では、2つの延在部212、214の一方である延在部214が回転子ブラケット124の側部124cと接しており、羽根210によって通気孔124aが塞がれている。このため、通気孔124aを介して空気が流通不可能な状態となっている。以下、この状態を「閉状態」という。
【0026】
閉状態から羽根210を回動させることにより、図6に示すように、2つの延在部212、214の一方である延在部214が回転子ブラケット124の側部124cから離れるように、羽根210の姿勢が変化する。これにより、羽根210によって通気孔124aが開かれ、通気孔124aを介して空気が流通可能な状態となる。以下、この状態を「開状態」という。
【0027】
このように羽根210によって通気孔124aが開かれた状態において、通気孔124aが開かれている度合いが通気孔124aの開度に相当する。通気孔124aの開度は、例えば、インホイールモータ120の軸方向に見た場合の通気孔124aの開口面積であってもよく、通気孔124aの流路断面積であってもよく、閉状態を基準とする羽根210の回動角であってもよい。
【0028】
このように、変更機構220は、羽根210の姿勢を変化させることにより、羽根210による通気孔124aの開度を変更する。変更機構220は、例えば、ステッピングモータで構成される。この場合、モータの回転軸は、側部124cに沿って延在する。変更機構220は、例えば、回転子ブラケット124の中心部124bに設けられる。なお、図4に示すように、1つのモータによって1つの羽根210を回動させてもよいし、1つのモータによってすべての羽根210を回動させてもよい。
【0029】
図2に戻って説明すると、制御装置230は、1つまたは複数のプロセッサ242と、プロセッサ242に接続される1つまたは複数のメモリ244と、を有する。プロセッサ242は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。メモリ244は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。ROMは、CPUが使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶する記憶素子である。RAMは、CPUにより実行される処理に用いられる変数およびパラメータ等のデータを一時記憶する記憶素子である。
【0030】
制御装置230は、車両100に設けられる各装置と通信を行う。各装置は、例えば、インホイールモータ120、ブレーキ装置130、変更機構220等である。制御装置230と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。
【0031】
図7は、本発明の実施形態に係る制御装置230の機能構成の一例を示すブロック図である。例えば、図7に示すように、制御装置230は、取得部250と、決定部252と、制御部254とを有する。なお、取得部250と、決定部252と、制御部254とにより行われる以下で説明する処理を含む各種処理は、プロセッサ242によって実行され得る。詳細には、メモリ244に記憶されているプログラムをプロセッサ242が実行することにより、各種処理が実行される。
【0032】
取得部250は、モータ出力情報、温度情報、車両100の挙動情報、ブレーキ装置130の使用状況情報を取得する。モータ出力情報は、例えば、インホイールモータ120の出力を示す情報である。温度情報は、例えば、インホイールモータ120の温度を示す情報、インホイールモータ120のインバータの温度を示す情報、または、外気温を示す情報である。車両100の挙動情報は、例えば、車両100の車速を示す情報、または、車両100の加速度を示す情報である。ブレーキ装置130の使用状況情報は、例えば、ブレーキ装置130の使用回数を示す情報、または、ブレーキ装置130の使用時間を示す情報である。
【0033】
決定部252は、羽根210の開度の上限値を、インホイールモータ120の出力に基づいて決定する。
【0034】
決定部252は、例えば、インホイールモータ120の出力が大きいほど上限値を小さく決定する。羽根210の開度が大きいほど、ホイール106の剛性は低くなる。例えば、車両100が上りの勾配を走行している場合、トーイング走行をしている場合等の車両100の要求トルクが高い場合、ホイール106の剛性は高い方が望ましい。このため、要求トルクが高いほど、つまり、インホイールモータ120の出力が大きいほど、上限値を小さくすることにより、冷却装置150は、インホイールモータ120を冷却しつつ、ホイール106の剛性を高めることが可能となる。
【0035】
制御部254は、変更機構220を制御することによって、羽根210の開度を調整する。本実施形態において、制御部254は、羽根210の開度を、決定部252によって決定された上限値以下に調整する。これにより、冷却装置150は、インホイールモータ120を冷却しつつ、ホイール106の剛性を適切に保つことができる。
【0036】
また、本実施形態において、制御部254は、羽根210の開度を上限値以下に調整することを前提とし、さらに、各種情報に基づいて、羽根210の開度を調整してもよい。
【0037】
制御部254は、例えば、温度情報に基づいて、羽根210の開度を調整してもよい。例えば、制御部254は、温度情報としてのインホイールモータ120の温度に基づいて、羽根210の開度を調整する。これにより、制御部254は、インホイールモータ120の温度に応じて、送風による空冷性能を調整できる。例えば、制御部254は、インホイールモータ120の温度が高いほど、羽根210の開度を大きくする。これにより、冷却装置150は、インホイールモータ120の温度が高い場合に、送風による空冷性能を増加させ、インホイールモータ120を確実に冷却することができる。このように、冷却装置150は、温度情報に基づいて、羽根210の開度を調整することにより、インホイールモータ120を適切に冷却することができる。
【0038】
制御部254は、例えば、車両100の挙動情報に基づいて、羽根210の開度を調整する。例えば、制御部254は、挙動情報としての車速に基づいて、羽根210の開度を調整する。車速が高いほど、回転子122の回転数が高くなる。つまり、車速が高いほど、羽根210の回転数が高くなる。したがって、車速が高いほど、通気孔124aを通してホイール106内に供給される空気量が増加する。ホイール106内の空気量が増加すると、揚力によって車両100の車体が浮き上がる。そうすると、車両100が受ける空気抵抗が大きくなる。そこで、制御部254は、車速が高いほど、羽根210の開度を小さくする。これにより、制御部254は、車両100が受ける空気抵抗を低減することができる。なお、車速が高い場合、走行風が強いため、羽根210の開度が小さくても、インホイールモータ120を充分に冷却することができる。このように、冷却装置150は、車両100の挙動情報に基づいて、羽根210の開度を調整することにより、インホイールモータ120を充分に冷却しつつ、車両100が受ける空気抵抗を適切にすることができる。
【0039】
制御部254は、例えば、ブレーキ装置130の使用状況情報に基づいて、羽根210の開度を調整する。ブレーキ装置130の使用回数および使用時間が長くなると、ブレーキパッド134aから生じたダストの量が増加する。このため、例えば、制御部254は、ブレーキ装置130の使用状況情報としてのブレーキ装置130の使用回数が所定回数以上となった場合に、羽根210を開状態とする。これにより、冷却装置150は、インホイールモータ120を冷却しつつ、ブレーキ装置130のブレーキパッド134aから生じたダストを空気とともにホイール106外へ排出することができる。
【0040】
なお、制御部254は、温度情報に基づく羽根210の開度の調整と、車両100の挙動情報に基づく羽根210の開度の調整と、ブレーキ装置130の使用状況情報に基づく羽根210の開度の調整とを任意に組み合わせてもよい。また、この場合、制御部254は、例えば、車両100の挙動情報、ブレーキ装置130の使用状況情報よりも温度情報を優先し、温度情報よりも車両100の挙動情報を優先して、羽根210の開度の調整を行ってもよい。
【0041】
[冷却方法]
続いて、冷却装置150を用いたインホイールモータ120の冷却方法について説明する。図8は、本発明の実施形態に係る冷却方法の処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、冷却方法は、上限値決定処理S110、開度決定処理S120、開度制御処理S130を含む。以下、各処理について説明する。
【0042】
[上限値決定処理S110]
決定部252は、インホイールモータ120の出力に基づいて、羽根210の開度の上限値を決定する。
【0043】
[開度決定処理S120]
制御部254は、上限値、および、各種情報に基づいて、羽根210の開度を決定する。
【0044】
[開度制御処理S130]
制御部254は、決定された開度となるように、変更機構220を制御することによって、羽根210の開度を調整する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る冷却装置150は、インホイールモータ120の回転子122に設けられ、回転子122と一体的に回転し、インホイールモータ120に向けて送風可能な羽根210と、羽根210の開度を変更する変更機構220と、1つまたは複数のプロセッサ242と、プロセッサ242に接続される1つまたは複数のメモリ244と、を有する制御装置230と、を備え、プロセッサ242は、変更機構220を制御することによって、羽根210の開度を調整することを含む処理を実行する。これにより、冷却装置150は、羽根210、変更機構220、および、制御装置230を備えるだけといった簡易な構成で、インホイールモータを冷却することができる。
【0046】
また、羽根210および変更機構220は、ホイール106内に設けられるため、冷却装置150は、インホイールモータ120の冷却に要する機構をコンパクトにすることができる。したがって、冷却装置150は、車両100の車輪102近傍の設計の自由度を向上することが可能となる。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0048】
例えば、上記実施形態において、変更機構220が、羽根210の姿勢を変更して、羽根210の開度を変更する場合を例に挙げた。しかし、変更機構220は、羽根210の開度を変更できれば構成に限定はない。例えば、変更機構220は、回転子ブラケット124の周方向、または、径方向に羽根210をスライドさせることによって、羽根210の開度を変更してもよい。
【0049】
また、上記実施形態において、羽根210が回転子ブラケット124に設けられる場合を例に挙げた。しかし、羽根210は、回転子122と一体的に回転し、インホイールモータ120に向けて送風可能であれば、設置位置に限定はない。例えば、羽根210は、回転子122に直接設けられてもよい。
【0050】
また、上記実施形態において、制御部254が、羽根210の開度を上限値以下に調整する場合を例に挙げた。しかし、ホイール106の剛性が高い場合等において、羽根210の開度に上限値を設定せずともよい。
【符号の説明】
【0051】
120 インホイールモータ
122 回転子
130 ブレーキ装置
150 冷却装置
210 羽根
220 変更機構
230 制御装置
242 プロセッサ
244 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8