(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137416
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240927BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048937
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋本 綾子
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA01
3C100AA18
3C100BB05
3C100BB29
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】SOP(Standard Operating Procedure:標準作業手順書)には、曖昧な記述があったり、操作の詳細が十分に記載されていなかったりすることがあり、オペレータによる手動操作は、個々のオペレータに依存してしまう場合がある。そのため、SOPにしたがったDCS(Distributed Control System:分散型制御システム)の操作において、安定的な安全が確保できない場合がある。そこで、SOPにしたがった装置の操作を支援することを課題とする。
【解決手段】情報処理プログラムは、分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、部品の組み合わせに基づいて、各部品に指定される作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成する処理を情報処理装置に実行させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、
前記部品の組み合わせに基づいて、前記各部品に指定される前記作業内容を配置してSOP(Standard Operating Procedure)にしたがった作業手順を生成し、
前記作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する
処理を情報処理装置に実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記各部品のうちの第1の部品および第2の部品のそれぞれに対応付けられた前記作業内容を組み合わせることができない場合、ユーザが前記第1の部品と前記第2の部品とを組み合わせることができないように制御する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第1の部品と前記第2の部品とを組み合わせることができないように制御する処理は、
前記部品の指定に用いるユーザインタフェースの形状を表示する場合に、前記第1の部品と前記第2の部品とに組み合わせられない前記形状を対応付けて表示することにより、前記ユーザが前記第1の部品と前記第2の部品とを組み合わせることができないように制御する
処理を含むことを特徴とする請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記各部品のうちの第3の部品に作業箇所が指定されている場合、前記第3の部品に対して指定された前記作業内容と前記作業箇所とを対応付け、
前記第1の作業手順として表示された前記作業内容に対応付けられた前記作業箇所に対する監視および操作の少なくとも1つを行うための画面を表示する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記画面に含まれる前記作業箇所の表示を強調表示する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
生成された前記作業手順の修正内容として、修正された、前記作業内容、前記各部品、および前記部品の組み合わせの少なくとも1つを取得し、
前記修正内容に基づいて、前記作業手順を更新する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記作業手順に基づいて、前記SOPを生成し、
生成された前記SOPを出力する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、
前記部品の組み合わせに基づいて、前記各部品に指定される前記作業内容を配置してSOP(Standard Operating Procedure)にしたがった作業手順を生成し、
前記作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する
処理を情報処理装置が実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、
前記部品の組み合わせに基づいて、前記各部品に指定される前記作業内容を配置してSOP(Standard Operating Procedure)にしたがった作業手順を生成し、
前記作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する
制御部を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場やプラントを動かすための設備であるDCS(Distributed Control System:分散型制御システム)の操作は、一部自動化されているものの半自動化状態である。特に、プラントの立ち上げや停止、製品の生産量の変更、および機器の切り替えなどの非定常運転時や、トラブル対応時などは、オペレータによるDCSの手動操作が要求される。
【0003】
オペレータによるDCSの手動操作は、安定的な安全を確保するため、紙ベースのSOP(Standard Operating Procedure:標準作業手順書)にしたがって行われる。また、SOPベースの操作ガイダンスシステムが構築され、オペレータが当該システムによる画面監視および操作することにより、DCSの操作を半自動化している。なお、SOPにしたがって操作される装置は、DCSに限定されず、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)やPLC(Programmable Logic Controller)なども含まれ、例えば、独自コントローラ込みの装置(回転機など)や、バッチプラント領域ではバーコードリーダーや秤量機などの装置も含まれる。
【0004】
ここで、プラントは、石油、石油化学、化学、ガスなどを用いた各種プラントの一例であり、生成物を得るためのさまざまな施設を備える工場などを含む。また、生成物とは、例えば、LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)、樹脂(プラスチック、ナイロンなど)、化学製品などである。また、施設とは、例えば、工場施設、機械施設、生産施設、発電施設、貯蔵施設、石油、天然ガスなどを採掘する井戸元における施設である。
【0005】
また、プラント内は、DCSなどを用いて構築され、設備、フィールド機器、センサなどの運転制御が実行される。例えば、プラント内のDCSが、プラントで利用されるプロセスデータ、設定値、操作量などを用いて、制御を行う対象の設備に設置されたフィールド機器などの制御機器や、制御を行う対象の設備に対応する操作機器などに対して各種制御を実行する。なお、プロセスデータには、例えば、測定値(PV:Process Variable)、設定値(SV:Setting Variable)、操作量(MV:Manipulated Variable)などが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、SOPには、例えば、曖昧な記述があったり、操作の詳細が十分に記載されていなかったりすることがあり、オペレータによる手動操作は、個々のオペレータに依存してしまう場合がある。そのため、SOPにしたがった装置の操作において、安定的な安全が確保できない場合がある。
【0008】
本発明は、SOPにしたがった装置の操作を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一側面にかかる情報処理プログラムは、分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、部品の組み合わせに基づいて、各部品に指定される作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成し、作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する処理を情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0010】
一側面にかかる情報処理方法は、分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、部品の組み合わせに基づいて、各部品に指定される作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成し、作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する処理を情報処理装置が実行することを特徴とする。
【0011】
一側面にかかる情報処理装置は、分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、部品の組み合わせに基づいて、各部品に指定される作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成し、作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する制御部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
一実施形態によれば、SOPにしたがった装置の操作を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態にかかる情報処理装置10の構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態にかかる部品の組み合わせについて説明するための図である。
【
図4】本実施形態にかかる部品について説明するための図である。
【
図5】本実施形態にかかる部品の組み合わせによる作業手順の生成について説明するための図である。
【
図6】本実施形態にかかる原料投入作業の指定および表示について説明するための図である。
【
図7】本実施形態にかかる繰り返し作業の指定および表示について説明するための図である。
【
図8】本実施形態にかかる条件指定について説明するための図である。
【
図9】本実施形態にかかる繰り返し作業の中断の指定および表示について説明するための図である。
【
図10】本実施形態にかかる繰り返し作業の中止の指定および表示について説明するための図である。
【
図11】本実施形態にかかる繰り返し作業の部品について説明するための図である。
【
図12】本実施形態にかかる作業手順の表示画面の一例について示す図である。
【
図13】本実施形態にかかる作業手順表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】本実施形態にかかる情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略し、各実施形態は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0015】
(全体構成)
次に、本実施形態を実施するための情報処理システムについて説明する。
図1は、本実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる情報処理システム1は、情報処理装置10と、管理者装置60、操作者装置70、およびDCS制御装置80とがネットワーク50を介して相互に通信可能に接続されるシステムである。
【0016】
ネットワーク50には、有線や無線を問わず、例えば、インターネットやイントラネットなどの各種通信網を採用できる。また、ネットワーク50は、単一のネットワークではなく、例えば、インターネットとイントラネットがゲートウェイなどネットワーク装置やその他の装置(図示せず)を介して構成されてよい。
【0017】
情報処理装置10は、例えば、工場やプラントなどの管理者などによって管理されるデスクトップPC(Personal Computer)やノートPC、またはサーバコンピュータなどの情報処理装置である。または、情報処理装置10は、例えば、クラウドコンピューティングサービスを提供するサービス提供者によって管理されるクラウドコンピュータ装置であってもよい。情報処理装置10は、例えば、DCSの作業内容が指定された部品の組み合わせを取得し、組み合わせに基づいて作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成し、作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する。また、情報処理装置10は、例えば、DCSの作業内容が指定された部品の組み合わせを構成するためにユーザが操作するWebサイトやアプリケーションを提供する。
【0018】
管理者装置60は、例えば、工場やプラントなどの管理者などによって利用されるデスクトップPCやノートPCなどの情報処理装置である。例えば、管理者は、作業手順を生成または修正するために、管理者装置60を用いて、情報処理装置10などによって提供されるWebサイトやアプリケーションなどを介して、DCSの作業内容が指定された部品の組み合わせを構成する。
【0019】
操作者装置70は、例えば、DCSのオペレータなどによって利用されるデスクトップPCやノートPCなどの情報処理装置である。例えば、オペレータは、操作者装置70を用いて、情報処理装置10などによって提供されるWebサイトやアプリケーションなどを介して、情報処理装置10によって生成された作業手順を確認し、当該作業手順にしたがってDCSを操作する。また、オペレータも、作業手順を生成または修正するために、操作者装置70を用いて、情報処理装置10などによって提供されるWebサイトやアプリケーションなどを介して、DCSの作業内容が指定された部品の組み合わせを構成できる。
【0020】
DCS制御装置80は、例えば、DCSを制御するためのサーバコンピュータなどの情報処理装置である。DCS制御装置80は、例えば、操作者装置70を介したオペレータからの操作指示に基づいて、DCSを制御する。なお、本実施形態では、DCS制御装置80としてDCSを制御する装置を示すが、本実施形態で制御される装置は、DCSに限定されず、SCADAやPLCなど、SOPにしたがって操作され得る装置が含まれる。
【0021】
なお、
図1では、情報処理装置10やDCS制御装置80を1台のコンピュータとして示しているが、複数台のコンピュータで構成される分散型コンピューティングシステムであってもよい。また、DCS制御装置80もクラウドコンピュータ装置であってよい。また、管理者装置60や操作者装置70も、
図1では各1台ずつ示しているが、それぞれ、複数台あってよい。
【0022】
(情報処理装置10の機能構成)
次に、本実施形態の実行主体となる情報処理装置10の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態にかかる情報処理装置10の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0023】
通信部20は、管理者装置60など、他の装置との間の通信を制御する処理部であり、例えば、ネットワークインタフェースカードなどの通信インタフェースである。
【0024】
記憶部30は、各種データや、制御部40が実行するプログラムを記憶する機能を有し、例えば、メモリやハードディスクなどの記憶装置により実現される。記憶部30は、部品情報31、作業手順情報32、SOP情報33などを記憶する。
【0025】
部品情報31は、例えば、作業手順を生成するための部品に関する情報などを記憶する。当該部品は、ユーザインタフェース(UI:User Interface)として、Webサイトやアプリケーションを介して管理者装置60などに表示され、作業手順を生成するために、管理者などによって組み合わされる。
図3は、本実施形態にかかる部品の組み合わせについて説明するための図である。
図3の左側に示されるのが、文書で作成されたSOP100である。また、
図3の右側に示されるのが、作業手順を生成するために組み合わされた部品である。当該部品には、
図3の右側に示すように、作業内容などに応じて、例えば、部品110、120-1~120-3、130、および140といった複数の種類の部品がある。管理者などは、例えば、紙ベースのSOPを見ながら、Webサイトやアプリケーションを介して管理者装置60などに表示された専用のエディタを用いて、部品110、120-1~120-3、130、および140などといった各部品を組み合わせる。なお、部品120-1~120-3のような同種類の部品を、以下、まとめて「部品120」という場合がある。そして、詳細は後述するが、情報処理装置10は、各部品の組み合わせに基づいて作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成する。
【0026】
図2の説明に戻り、作業手順情報32は、例えば、各部品の組み合わせや、当該組み合わせに基づいて生成された作業手順に関する情報などを記憶する。各部品の組み合わせは、例えば、管理者などによって構成され、管理者装置60などから送信された後、情報処理装置10によって受信され、作業手順情報32に記憶される。また、例えば、情報処理装置10によって、各部品の組み合わせが作業手順情報32から取得され、当該組み合わせに基づいて作業手順が生成され、作業手順情報32に記憶される。
【0027】
SOP情報33は、例えば、各部品の組み合わせに基づいて生成された作業手順から生成された電子文書ベースのSOPに関する情報などを記憶する。電子文書ベースのSOPは、例えば、情報処理装置10によって、各部品の組み合わせに基づいて生成された作業手順が作業手順情報32から取得され、当該作業手順に基づいて生成され、SOP情報33に記憶される。
【0028】
なお、記憶部30に記憶される上記情報はあくまでも一例であり、記憶部30は、上記情報以外にも様々な情報を記憶できる。
【0029】
制御部40は、情報処理装置10全体を司る処理部であり、例えば、プロセッサなどである。制御部40は、取得部41、生成部42、表示部43、および更新部44を備える。なお、各処理部は、プロセッサが有する電子回路の一例やプロセッサが実行するプロセスの一例である。
【0030】
取得部41は、例えば、DCSの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得する。当該部品の組み合わせは、例えば、情報処理装置10によって管理者装置60などから受信され、作業手順情報32に記憶されているので、作業手順情報32から取得される。
【0031】
生成部42は、例えば、取得部41によって取得された部品の組み合わせに基づいて、各部品に指定されるDCSの作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成する。作業手順の生成について、より具体的に説明する。
【0032】
まず、作業手順を生成するために管理者などによって組み合わされる部品について、より具体的に説明する。
図4は、本実施形態にかかる部品について説明するための図である。
図4の左側に示されるのは、
図3の右側に示された、作業手順を生成するために組み合わされた各部品である。また、
図4の右側に示されるのは、各部品を選択するためのユーザインタフェースである。
図4に示すように、管理者などは、管理者装置60などに表示された専用のエディタを用いて、各部品を選択し、配置することにより、各部品を組み合わせて、部品の組み合わせを構成する。
【0033】
なお、各部品の選択および配置は、例えば、管理者などがマウスなどの入力装置を用いて、各部品を選択するためのユーザインタフェースから、部品をドラッグして選択し、配置したい場所にドロップすることで行われる。このように選択および配置される部品は、例えば、
図4に示すように、作業手順を指定するための部品110や120、逐次実行処理手順を指定するための部品141、並行実行処理手順を指定するための部品140、説明文を指定するための部品111や121、確認作業を指定するための部品130や131であるが、これらに限定されない。なお、各部品には、例えば、管理者などがキーボードなどの入力装置を用いて、タイトルや説明文、値などが入力可能である。また、例えば、管理者などは、確認作業を指定するための部品130や131に、“TIC001”など確認先のDCSを識別するための識別子や、“800<=PV<=830”など確認する数値などを入力することにより、確認作業の内容を指定できる。
【0034】
また、部品に対応付けられた作業内容によっては、組み合わせることができない部品が存在する。その場合は、各部品の形状を組み合わせられない形状にすることで、組み合わせることができない部品を配置できないように制御可能である。より具体的には、例えば、
図4において円形の破線の示されるように、部品の形状を組み合わせられない形状にすることで、組み合わせることができない部品を配置できないように制御可能である。より具体的には、
図4に示すように、開始時チェック作業の内容を指定する部分は、凸状部分が逆三角形の形状をしており、凹状部分が台形の形状をした部品110や111などは配置できず、凹状部分が逆三角形の形状をした部品130などは配置できるように制御される。また、
図4の例では、作業のタイトルや説明を指定する部分は、説明文を指定するための部品111や121のみが組み合わせることができる形状をしている。これにより、例えば、作業手順を生成するためにオペレータが各部品を組み合わせる場合であっても、誤った作業内容を組み合わせて作業手順が生成されないように制御可能である。
【0035】
そのため、情報処理装置10は、例えば、DCSの作業内容が指定された各部品のうちの第1の部品および第2の部品のそれぞれに対応付けられた作業内容を組み合わせることができない場合、ユーザが第1の部品と第2の部品とを組み合わせることができないように制御する。また、このような、第1の部品と前記第2の部品とを組み合わせることができないように制御する処理は、DCSの作業内容が指定された部品の指定に用いるユーザインタフェースの形状を表示する場合に、第1の部品と第2の部品とに組み合わせられない形状を対応付けて表示することにより、ユーザが第1の部品と第2の部品とを組み合わせることができないように制御する処理を含む。
【0036】
以上説明したように、管理者などは、作業手順を生成するために、例えば、管理者装置60などに表示された専用のエディタを用いて、各部品を組み合わせて、部品の組み合わせを構成する。そして、生成部42は、例えば、各部品の組み合わせに基づいて作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成する。作業手順の生成について、
図5~11を用いて、部品ごとに、より具体的に説明する。
【0037】
図5は、本実施形態にかかる部品の組み合わせによる作業手順の生成について説明するための図である。
図5の左側は、組み合わされた部品を示し、
図5の右側は、当該部品の組み合わせに基づいて生成された作業手順を示す。
図5は、作業手順を指定するための部品110に、入れ子の形で、さらに作業手順を指定するための部品120-1~120-6が組み合わされた例である。この場合、部品110に対応する作業手順の中で、部品120-1~120-6に対応する作業手順における各作業を順番に実行するという一連の作業手順が指定されることになる。
【0038】
図5の右側に示すように、生成部42は、部品110および120-1~120-6にそれぞれ対応する表示210および220-1~220-6を配置し、作業手順を生成する。なお、当該表示とは、例えば、ウインドウや画面コントロールなどのGUI(Graphical User Interface)であってよい。また、生成された作業手順は、例えば、操作者装置70などに表示され、オペレータは、表示された作業手順にしたがって作業を実行する。
【0039】
また、
図5の右側に示すように、表示210および220-1~220-6のそれぞれには、各表示に対応する作業の進捗状況を示す表示、例えば、“active”(実行中)、“done”(実行済み)、“ready”(実行待ち)などが含まれてよい。なお、当該進捗状況を示す表示は、例えば、情報処理装置10が、DCS制御装置80からDCSの操作状況を受信し、当該操作状況に基づいて更新されてよい。
【0040】
図6は、本実施形態にかかる原料投入作業の指定および表示について説明するための図である。
図6は、
図5に示した、作業手順を指定するための部品120-1に、さらに原料投入作業を指定するための部品132-1~132-3を組み合わせて、原料投入作業の手順を指定および表示する例である。なお、部品120-1は、例えば、部品120-1に対するユーザ操作などによって、
図5に示す閉じた状態から、
図6に示す部品132-1~132-3を含む状態に展開されて表示されてよい。
【0041】
例えば、管理者などは、原料投入作業を指定するための部品132-1~132-3に、原料投入先を識別するための識別子や、投入する原料の種類、原料の投入量などを入力することにより、原料投入作業の内容を指定できる。また、
図6の右側に示すように、生成部42は、部品120-1および132-1~132-3にそれぞれ対応する表示220-1および232-1~232-3を配置し、作業手順を生成する。なお、
図6に示す表示220-1は、
図5に示す表示220-1に対するユーザ操作などによって、画面遷移または別ウインドウにより表示されてよい。
【0042】
図7は、本実施形態にかかる繰り返し作業の指定および表示について説明するための図である。
図7は、
図5に示した、作業手順を指定するための部品120-5に、さらに繰り返し作業を指定するための部品150、繰り返し作業の中で実行される各作業を指定するための部品133~135を組み合わせて、繰り返し作業の手順を指定および表示する例である。なお、部品120-5も、例えば、部品120-5に対するユーザ操作などによって、
図5に示す閉じた状態から、
図7に示す部品150や151、133~135を含む状態に展開されて表示されてよい。
【0043】
例えば、管理者などは、繰り返し作業を指定するための部品150に、繰り返し条件などを入力することにより、繰り返し作業の内容を指定できる。より具体的には、例えば、管理者などは、
図7に示すように、部品150に、条件を指定するための部品151を組み合わせて、繰り返し条件を指定する。
図7の例では、部品150に部品151を組み合わせることにより、分析値が0.1より大きい間は作業を繰り返すことが指定されている。
【0044】
なお、
図7を用いて説明したような条件を指定するための部品により指定される条件は、部品151による条件に限られず、様々な条件が指定可能である。
図8は、本実施形態にかかる条件指定について説明するための図である。
図8に示すように、部品150に対し、部品151の代わりに、比較演算子用の部品や、論理演算子用の部品などを組み合わせることにより、様々な条件が指定可能である。なお、例えば、
図8に示すように、部品150の条件指定部分の形状、および条件を指定するための部品の形状を共に六角形などといった特定の形状にすることにより、部品150の条件指定部分には、条件を指定するための部品のみが組み合わせることができるように制御可能である。また、
図8に示すように、比較演算子用の部品において比較される両辺には、算術演算子用の部品を組み合わせて、例えば、“A+B=C-D”などといった算術式を指定できる。また、
図8に示すように、論理演算子用の部品には、入れ子の形で、比較演算子用の部品や論理演算子用の部品を組み合わせて、例えば、“A>30かつA<50”などといった論理式を指定できる。なお、
図8に示すように、比較演算子用の部品や、算術演算子用の部品における他の部品を組み合わせる部分の形状も、六角形や円形などといった特定の形状にすることにより、誤った条件を組み合わせて作業手順が生成されないように制御可能である。このようにして、管理者などは、より複雑な条件をより簡単に指定できる。
【0045】
図7の説明に戻り、また、例えば、管理者などは、繰り返し作業を指定するための部品150に、繰り返し作業の中で実行される各作業を指定するための部品133~135を組み合わせ、部品133~135に各作業の内容などを入力することにより、繰り返し作業の内容を指定できる。また、
図7の右側に示すように、生成部42は、部品120-5、150、および133~135にそれぞれ対応する表示220-5、250、および233~235を配置し、作業手順を生成する。なお、
図7に示す表示220-5は、
図5に示す表示220-5に対するユーザ操作などによって、画面遷移または別ウインドウにより表示されてよい。
【0046】
図9は、本実施形態にかかる繰り返し作業の中断の指定および表示について説明するための図である。
図9は、
図7を用いて説明した繰り返し作業の手順に対し、さらに繰り返し作業を中断するための作業の手順を追加して指定および表示する例である。
図9の例では、部品150は、さらに部品150-1と150-2とに分かれ、部品150-1が
図7における部品150に相当する。同様に、表示250-1が
図7における表示250に相当する。
【0047】
そして、例えば、管理者などは、
図9に示すように、繰り返し作業を中断するための作業を指定するための部品150-2に、中断条件などを入力することにより、中断作業の内容を指定できる。また、
図9の右側に示すように、生成部42は、部品120-5、150-1、および150-2にそれぞれ対応する表示220-5、250-1、および250-2を配置し、作業手順を生成する。
【0048】
図10は、本実施形態にかかる繰り返し作業の中止の指定および表示について説明するための図である。
図10は、
図7を用いて説明した繰り返し作業の手順に対し、さらに繰り返し作業を中止するための作業の手順を追加して指定および表示する例である。
【0049】
例えば、管理者などは、
図10に示すように、部品150に、条件分岐を指定するための部品160を組み合わせ、部品160に繰り返し作業の中止条件などを入力することにより、中止作業の内容を指定できる。また、例えば、管理者などは、
図10に示すように、部品150に、中止の際に実施される作業を指定するための部品136を組み合わせ、部品136に作業内容などを入力することにより、中止の際に実施される作業を指定できる。そして、
図10の右側に示すように、生成部42は、部品120-5、150、160、および136にそれぞれ対応する表示220-5、250、260、および236を配置し、作業手順を生成する。
【0050】
なお、
図10を用いて説明したような条件分岐を指定するための部品により指定される条件分岐は、部品160による条件分岐に限られず、様々な条件が指定可能である。
図11は、本実施形態にかかる繰り返し作業の部品について説明するための図である。
図10に示す部品160は、いわゆる、if文による条件分岐を指定するための部品であるのに対し、
図11に示す部品161および162は、それぞれ、if-else文およびswitch文による条件分岐を指定するための部品である。また、図示しないが、条件分岐を指定するための部品には、例えば、else-if文による条件分岐など、
図10や
図11に示した条件分岐以外の条件分岐を指定するための部品が含まれてよい。このようにして、管理者などは、様々な条件分岐をより簡単に指定できる。
【0051】
図2の説明に戻り、また、生成部42は、例えば、各部品の組み合わせに基づいて生成された作業手順に基づいて、電子文書ベースのSOPを生成し、生成されたSOPを出力する。
【0052】
表示部43は、例えば、作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する。例えば、SOPにしたがった作業手順は、様々な作業手順があり、
図5などに示すように、1つの作業手順の中に複数の作業が存在し、当該複数の作業それぞれの中にさらに作業手順が存在する場合もある。そのため、例えば、オペレータが、操作者装置70を用いて、表示したい作業手順を要求し、表示部43は、オペレータからの要求に応じた作業手順を、操作者装置70を介して表示する。なお、オペレータによる作業手順の要求は、例えば、オペレータが、操作者装置70を介して表示された作業一覧や、
図5の右側に示されたような作業手順の表示210の中の表示220-1~220-6に対応する各作業から、作業手順を表示したい作業をユーザ操作によって選択することにより行われる。
【0053】
図12は、本実施形態にかかる作業手順の表示画面の一例について示す図である。
図12は、例えば、操作者装置70を介して表示される、作業手順の表示画面の一例である。
図12に示すように、作業手順の表示画面には、例えば、フレーム分けされた表示280、290、および310が含まれる。また、
図12に示すように、表示280は、1つの大きな作業の手順(プロセスチェック、ロボットの派遣、現地確認、ロボットの帰還)を示し、表示220は、当該手順に含まれる1つの作業(プロセスチェック)の作業手順を示すものである。また、表示280および290は、
図5~11を用いて説明したように、生成部42によって、各部品の組み合わせに基づいて作業内容が配置され、SOPにしたがった作業手順として、生成される。例えば、表示280および290は、それぞれ、
図5に示す表示210、
図6に示す表示220-1に対応する画面やウインドウであってよい。
【0054】
図12に示す作業手順の表示画面は、例えば、作業一覧の表示画面から、ユーザ操作によって作業が選択されることにより、選択された作業の手順を表示する画面として作業一覧の表示画面から画面遷移して表示されてよい。また、例えば、表示280に表示される作業手順から、ユーザ操作によって1つの作業が選択されることにより、表示290に、選択された作業の手順が表示されてよい。また、表示280および290には、例えば、作業の進捗状況を示す情報や、作業結果やコメントを入力するための画面コントロールが表示されてよい。また、
図12に示すように、表示290には、例えば、表示された1つの作業(プロセスチェック)の作業手順に含まれる各作業(バルブの操作テスト、流量と圧力への影響の確認、流量の観察)に対する作業手順が、作業ごとに表示されてよい(
図12の例では、表示290には、バルブの操作テストの作業手順が表示されている)。
【0055】
また、表示310は、例えば、DCSを監視および操作するための画面やウインドウである。なお、表示310は、表示280および290を表示するシステムとは別のシステムによる表示であってよく、一方のシステムに、他方のシステムの表示をアドオンさせて表示させてもよい。そして、例えば、両システムで、DCSを識別するための識別子に、共通の識別子を用いることで、例えば、
図12に表示311として示すように、表示290に表示された作業手順の作業箇所を強調表示させることができる。なお、作業手順における作業箇所の指定は、
図4を用いて説明したように、例えば、確認作業を指定するための部品130に、作業箇所である“TIC001”など確認先のDCSを識別するための識別子を入力することにより行われる。
【0056】
そのため、表示部43は、例えば、DCSの作業内容が指定された各部品のうちの第3の部品に作業箇所が指定されている場合、第3の部品に対して指定された作業内容と作業箇所とを対応付け、第1の作業手順として表示された作業内容に対応付けられた作業箇所に対する監視および操作の少なくとも1つを行うための画面を表示し、当該画面に含まれる作業箇所の表示を強調表示する。
【0057】
また、表示部43は、例えば、表示290に表示された作業手順の作業箇所における温度など各種測定結果を示す値やグラフなど、表示290に表示された作業手順に関する情報を表示してもよい。
【0058】
更新部44は、例えば、生成部42によって生成された、SOPにしたがった作業手順の修正内容として、修正された、DCSの作業内容、当該作業内容が指定された部品、および当該部品の組み合わせの少なくとも1つを取得し、当該修正内容に基づいて、作業手順を更新する。このような更新処理は、例えば、
図5~11を用いて説明したように、各部品の組み合わせに基づいて生成された作業手順を修正する処理である。例えば、オペレータは、操作者装置70を用いて、生成された作業手順に対応する各部品の組み合わせを表示および再構成し、修正を行う。なお、作業手順の修正方法は、
図5~11を用いて説明したような、作業手順の生成方法と同様である。
【0059】
(処理の流れ)
次に、情報処理装置10を動作主体として実行される作業手順表示処理の流れを説明する。
図13は、本実施形態にかかる作業手順表示処理の流れを示すフローチャートである。
図13に示す作業手順表示処理は、例えば、管理者などが、管理者装置60などに表示された専用のエディタを用いて、各部品を選択し、配置することにより、各部品を組み合わせて、部品の組み合わせを構成し、当該組み合わせが作業手順情報32に記憶された後に実行される。
【0060】
まず、
図13に示すように、情報処理装置10は、例えば、DCSの作業内容が指定された部品の組み合わせを取得する(ステップS101)。当該組み合わせは、例えば、情報処理装置10によって管理者装置60などから受信され、作業手順情報32に記憶されているので、作業手順情報32から取得される。
【0061】
次に、情報処理装置10は、例えば、ステップS101で取得された部品の組み合わせに基づいて、各部品に指定された作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成する(ステップS102)。当該作業手順の生成は、例えば、
図5~11を用いて説明したように、各部品の組み合わせに基づいて作業内容が配置され、SOPにしたがった作業手順として、各部品に対応する表示が生成されることであってよい。ステップS102で生成された作業手順は、例えば、作業手順情報32に記憶される。
【0062】
次に、情報処理装置10は、例えば、操作者装置70などから、作業手順の表示要求を受信したか否かを判定する(ステップS103)。作業手順の表示要求を受信していない場合(ステップS103:No)、情報処理装置10は、例えば、表示要求の受信を待つ。
【0063】
一方、作業手順の表示要求を受信した場合(ステップS103:Yes)、情報処理装置10は、例えば、ステップS102で生成された作業手順のうち、当該表示要求に応じた作業手順を表示する(ステップS104)。当該作業手順の表示は、例えば、
図12に示したような作業手順の表示画面を、当該作業手順の表示要求の要求元である操作者装置70などに表示することであってよい。
【0064】
ステップS104の実行後、
図13に示す作業手順表示処理は終了するが、例えば、オペレータは、ステップS104で表示された作業手順にしたがってDCSを操作する。そして、操作者装置70などから、別の作業手順の表示要求があった場合(ステップS103:Yes)は、情報処理装置10は、例えば、別の作業手順の表示要求に応じた作業手順を、要求元である操作者装置70など表示する(ステップS104)。
【0065】
また、ステップS102で生成された作業手順の修正があった場合の処理の流れも、ステップS102が作業手順の更新になるのみで、
図13に示す作業手順表示処理の流れと同様である。
【0066】
(効果)
上述したように、情報処理装置10は、DCSの作業内容が指定された部品の組み合わせを取得し、当該組み合わせに基づいて作業内容を配置してSOPにしたがった作業手順を生成し、当該作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する。
【0067】
この結果、情報処理装置10は、DCSの作業手順を構成する管理者などにとってより作業手順を構成し易い、DCSの作業内容が指定された部品に基づいて、作業手順を生成してオペレータに表示できるため、オペレータによる作業手順にしたがった装置の操作に対して安定的な安全が確保でき、SOPにしたがった装置の操作を支援できる。
【0068】
また、情報処理装置10は、DCSの作業内容が指定された部品のうちの第1の部品および第2の部品のそれぞれに対応付けられた作業内容を組み合わせることができない場合、ユーザが第1の部品と第2の部品とを組み合わせることができないように制御する。
【0069】
この結果、情報処理装置10は、ユーザである管理者などに対して誤った作業内容を組み合わせて作業手順が生成されないように制御できるため、オペレータによる作業手順にしたがった装置の操作に対して安定的な安全が確保できる。
【0070】
また、情報処理装置10は、DCSの作業内容が指定された部品の指定に用いるユーザインタフェースの形状を表示する場合に、第1の部品と第2の部品とに組み合わせられない形状を対応付けて表示することにより、ユーザが第1の部品と第2の部品とを組み合わせることができないように制御する。
【0071】
この結果、情報処理装置10は、作業手順を構成する管理者などにとっては分かり易く、誤った作業内容を組み合わせて作業手順が生成されないように制御できるため、オペレータによる作業手順にしたがった装置の操作に対して安定的な安全が確保できる。
【0072】
また、情報処理装置10は、部品のうちの第3の部品に作業箇所が指定されている場合、第3の部品に対して指定された作業内容と作業箇所とを対応付け、第1の作業手順として表示された作業内容に対応付けられた作業箇所に対する監視および操作の少なくとも1つを行うための画面を表示する。
【0073】
この結果、情報処理装置10は、作業手順と併せて、当該作業手順に対応付けられた作業箇所に対する監視および操作の少なくとも1つを行うための画面を表示できるため、SOPにしたがった装置の操作を支援できる。
【0074】
また、情報処理装置10は、画面に含まれる作業箇所の表示を強調表示する。
【0075】
この結果、情報処理装置10は、作業手順と併せて、当該作業手順に対応付けられた作業箇所を強調表示できるため、SOPにしたがった装置の操作を支援できる。
【0076】
また、情報処理装置10は、生成された作業手順の修正内容として、修正された、作業内容、部品、および組み合わせの少なくとも1つを取得し、修正内容に基づいて、作業手順を更新する。
【0077】
この結果、情報処理装置10は、DCSの作業手順を修正するオペレータなどにとってより作業手順を構成し易い、DCSの作業内容が指定された部品に基づいて、作業手順を修正してオペレータに表示できるため、オペレータによる作業手順にしたがった装置の操作に対して安定的な安全が確保でき、SOPにしたがった装置の操作を支援できる。
【0078】
また、情報処理装置10は、作業手順に基づいて、SOPを生成し、生成されたSOPを出力する。
【0079】
この結果、情報処理装置10は、DCSの作業手順を構成する管理者などにとってより作業手順を構成し易い、DCSの作業内容が指定された部品に基づいて生成された作業手順に基づいて、装置の操作に対して安定的な安全が確保できるSOPを生成および出力できる。
【0080】
(さらにその他の実施形態)
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0081】
(システム)
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更できる。
【0082】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0083】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0084】
(ハードウェア)
次に、情報処理装置10のハードウェア構成例を説明するが、情報処理装置10以外の管理者装置60、操作者装置70、およびDCS制御装置も同様のハードウェア構成をとることができる。
図14は、本実施形態にかかる情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図14に示すように、情報処理装置10は、通信端子10a、不揮発性メモリ10b、RAM(Random-Access Memory)10c、プロセッサ10dを有する。また、
図14に示した各部は、バスなどで相互に接続される。
【0085】
通信端子10aは、イーサネット(登録商標)ポートなどであり、管理者装置60、操作者装置70、およびDCS制御装置など、他の情報処理装置との通信を行う。不揮発性メモリ10bは、フラッシュメモリなどであり、
図2に示した機能を動作させるプログラムやデータを記憶する。
【0086】
プロセッサ10dは、CPU、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などである。また、プロセッサ10dは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されるようにしてもよい。また、プロセッサ10dは、
図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムを不揮発性メモリ10bなどから読み出してRAM10cに展開することで、
図2などで説明した各機能を実行するスレッドを動作させる。例えば、このスレッドは、情報処理装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、取得部41、生成部42、表示部43、および更新部44などと同様の機能を有するプログラムを不揮発性メモリ10bなどから読み出す。そして、プロセッサ10dは、取得部41、生成部42、表示部43、および更新部44などと同様の処理を実行するスレッドを実行する。
【0087】
このように、情報処理装置10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する情報処理装置として動作する。また、当該プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布されてもよい。また、当該プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータ可読記憶媒体に記録されてよい。そして、当該プログラムは、情報処理装置10などによってコンピュータ可読記憶媒体から読み出されることによって実行されてもよい。
【0088】
(その他)
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0089】
(1)分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、
前記部品の組み合わせに基づいて、前記各部品に指定される前記作業内容を配置してSOP(Standard Operating Procedure)にしたがった作業手順を生成し、
前記作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する
処理を情報処理装置に実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0090】
(2)前記部品のうちの第1の部品および第2の部品のそれぞれに対応付けられた前記作業内容を組み合わせることができない場合、ユーザが前記第1の部品と前記第2の部品とを組み合わせることができないように制御する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする(1)に記載の情報処理プログラム。
【0091】
(3)前記第1の部品と前記第2の部品とを組み合わせることができないように制御する処理は、
前記部品の指定に用いるユーザインタフェースの形状を表示する場合に、前記第1の部品と前記第2の部品とに組み合わせられない前記形状を対応付けて表示することにより、前記ユーザが前記第1の部品と前記第2の部品とを組み合わせることができないように制御する
処理を含むことを特徴とする(2)に記載の情報処理プログラム。
【0092】
(4)前記各部品のうちの第3の部品に作業箇所が指定されている場合、前記第3の部品に対して指定された前記作業内容と前記作業箇所とを対応付け、
前記第1の作業手順として表示された前記作業内容に対応付けられた前記作業箇所に対する監視および操作の少なくとも1つを行うための画面を表示する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする(1)~(3)のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【0093】
(5)前記画面に含まれる前記作業箇所の表示を強調表示する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【0094】
(6)生成された前記作業手順の修正内容として、修正された、前記作業内容、前記部品、および前記組み合わせの少なくとも1つを取得し、
前記修正内容に基づいて、前記作業手順を更新する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする(1)~(5)のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【0095】
(7)前記作業手順に基づいて、前記SOPを生成し、
生成された前記SOPを出力する
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする(1)~(6)のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【0096】
(8)分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、
前記部品の組み合わせに基づいて、前記各部品に指定される前記作業内容を配置してSOP(Standard Operating Procedure)にしたがった作業手順を生成し、
前記作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する
処理を情報処理装置が実行することを特徴とする情報処理方法。
【0097】
(9)分散制御システムの作業内容がそれぞれに指定された各部品を組み合わせた部品の組み合わせを取得し、
前記部品の組み合わせに基づいて、前記各部品に指定される前記作業内容を配置してSOP(Standard Operating Procedure)にしたがった作業手順を生成し、
前記作業手順のうち要求に応じた第1の作業手順を表示する
制御部を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0098】
10 情報処理装置
10a 通信端子
10b 不揮発性メモリ
10c RAM
10d プロセッサ
20 通信部
30 記憶部
31 部品情報
32 作業手順情報
33 SOP情報
40 制御部
41 取得部
42 生成部
43 表示部
44 更新部
50 ネットワーク
60 管理者装置
70 操作者装置
80 DCS制御装置
100 SOP
110 部品
111 部品
120 部品
121 部品
130 部品
131 部品
132 部品
133 部品
134 部品
135 部品
136 部品
140 部品
141 部品
150 部品
151 部品
160 部品
161 部品
162 部品
210 表示
220 表示
232 表示
233 表示
234 表示
235 表示
236 表示
250 表示
260 表示
280 表示
290 表示
310 表示
311 表示