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特開2024-137418融資審査支援装置、融資審査支援方法、及び融資審査支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137418
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】融資審査支援装置、融資審査支援方法、及び融資審査支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20240927BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q40/03
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048940
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】生野 学
【テーマコード(参考)】
5L040
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB15
5L049CC20
5L050CC20
5L055BB15
(57)【要約】
【課題】申込毎のカテゴリに基づいて各調査要否を容易に振り分けでき、その結果、新規商品の新設や業務範囲の変化に応じて調査内容を簡単に変更できると共に、審査の最適化に貢献できるシステムの提供。
【解決手段】制御部を備える融資審査支援装置であって、前記制御部が、カテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付ける案件受付手段と、調査種類別にカテゴリ情報に応じた調査要否の区分が予め登録された調査要否マスタに基づいて、前記案件受付手段が受け付けた案件情報毎に、調査種類別の調査要否を決定し、調査種類別の調査要否を案件情報に紐づける調査実施決定手段と、を備えることを特徴とする融資審査支援装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える融資審査支援装置であって、
前記制御部が、
申込内容のカテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付ける案件受付手段と、
調査種類別にカテゴリ情報に応じた調査要否の区分が予め登録された調査要否マスタに基づいて、前記案件受付手段が受け付けた案件情報毎に、調査種類別の調査要否を決定し、調査種類別の調査要否を案件情報に紐づける調査実施決定手段と、
を備えることを特徴とする融資審査支援装置。
【請求項2】
前記カテゴリ情報が、新規融資か途上与信かの区分、商品の区分及び申込額を含むことを特徴とする請求項1に記載の融資審査支援装置。
【請求項3】
前記制御部が、
前記調査実施決定手段により調査が必要と決定された調査種類別に、調査結果を案件情報毎に受け付け、調査種類別の調査結果を案件情報に紐づける調査結果受付手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の融資審査支援装置。
【請求項4】
前記制御部が、
調査種類別に調査要否及び調査結果に応じた遷移先工程の区分が予め登録された遷移先工程マスタに基づいて、前記調査実施決定手段により紐づけられた調査要否及び前記調査結果受付手段により紐づけられた調査結果に対応する調査種類別の遷移先工程のうち、最も優先度が高い遷移先工程を案件情報毎に抽出し、最も優先度が高い遷移先工程を案件情報に紐づける優先工程決定手段
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の融資審査支援装置。
【請求項5】
制御部を備える融資審査支援装置において実行される融資審査支援方法であって、
前記制御部で実行される、
申込内容のカテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付ける案件受付ステップと、
調査種類別にカテゴリ情報に応じた調査要否の区分が予め登録された調査要否マスタに基づいて、前記案件受付ステップで受け付けた案件情報毎に、調査種類別の調査要否を決定し、調査種類別の調査要否を案件情報に紐づける調査実施決定ステップと、
を含むことを特徴とする融資審査支援方法。
【請求項6】
制御部を備える融資審査支援装置に実行させるための融資審査支援プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
申込内容のカテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付ける案件受付ステップと、
調査種類別にカテゴリ情報に応じた調査要否の区分が予め登録された調査要否マスタに基づいて、前記案件受付ステップで受け付けた案件情報毎に、調査種類別の調査要否を決定し、調査種類別の調査要否を案件情報に紐づける調査実施決定ステップと、
を含むことを特徴とする融資審査支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融資審査支援装置、融資審査支援方法、及び融資審査支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
融資の審査をする際、審査する根拠となる情報を集める調査業務があるが、商品の区分、新規融資か途上与信かの区分等の申込内容のカテゴリにより調査内容が異なる場合がある。また、新規融資の場合は、個信照会が、証貸の住宅ローンの場合は、担保評価が必要であるといったように、調査内容自体は、申込内容のカテゴリ毎にある程度固定化されていることが多く、申込内容のカテゴリに基づき各調査要否が定まることが多い。
【0003】
しかし、これまでところ、申込内容のカテゴリ毎の各調査要否を体系的に整理する方法は知られていない(特許文献1及び2)。そのため、新規商品新設や調査内容の変更の際に、プログラム改修が必要となり、そのリードタイムにより、新たな金融商品の投下が遅くなるなど、機会損失に至ることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-7703号公報
【特許文献2】特開2004-164155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのようなことから、申込内容のカテゴリに基づいて各調査要否を容易に振り分けすることができるシステムの構築が求められていた。
【0006】
したがって、本発明の目的は、申込毎のカテゴリに基づいて各調査要否を容易に振り分けでき、その結果、新規商品の新設や業務範囲の変化に応じて調査内容を簡単に変更できると共に、審査の最適化に貢献できるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融資審査支援装置は、制御部を備える融資審査支援装置であって、前記制御部が、申込内容のカテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付ける案件受付手段と、調査種類別にカテゴリ情報に応じた調査要否の区分が予め登録された調査要否マスタに基づいて、前記案件受付手段が受け付けた案件情報毎に、調査種類別の調査要否を決定し、調査種類別の調査要否を案件情報に紐づける調査実施決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る融資審査支援装置は、前記カテゴリ情報が、新規融資か途上与信かの区分、商品の区分及び申込額を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る融資審査支援装置は、前記制御部が、前記調査実施決定手段により調査が必要と決定された調査種類別に、調査結果を案件情報毎に受け付け、調査種類別の調査結果を案件情報に紐づける調査結果受付手段をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る融資審査支援装置は、前記制御部が、調査種類別に調査要否及び調査結果に応じた遷移先工程の区分が予め登録された遷移先工程マスタに基づいて、前記調査実施決定手段により紐づけられた調査要否及び前記調査結果受付手段により紐づけられた調査結果に対応する調査種類別の遷移先工程のうち、最も優先度が高い遷移先工程を案件情報毎に抽出し、最も優先度が高い遷移先工程を案件情報に紐づける優先工程決定手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る融資審査支援方法は、制御部を備える融資審査支援装置において実行される融資審査支援方法であって、前記制御部で実行される、申込内容のカテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付ける案件受付ステップと、調査種類別にカテゴリ情報に応じた調査要否の区分が予め登録された調査要否マスタに基づいて、前記案件受付ステップで受け付けた案件情報毎に、調査種類別の調査要否を決定し、調査種類別の調査要否を案件情報に紐づける調査実施決定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る融資審査支援プログラムは、制御部を備える融資審査支援装置に実行させるための融資審査支援プログラムであって、前記制御部に実行させるための、申込内容のカテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付ける案件受付ステップと、調査種類別にカテゴリ情報に応じた調査要否の区分が予め登録された調査要否マスタに基づいて、前記案件受付ステップで受け付けた案件情報毎に、調査種類別の調査要否を決定し、調査種類別の調査要否を案件情報に紐づける調査実施決定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシステムによれば、申込毎のカテゴリに基づいて各調査要否を容易に振り分けでき、その結果、新規商品の新設や業務範囲の変化に応じて調査内容を簡単に変更できると共に、審査の最適化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態におけるPC100の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、一実施形態における案件の受付から最も優先度が高い遷移先工程の決定の情報処理までの情報処理及びその後の遷移先工程の推移のフローの一例を示す図である。
図3図3は、一実施形態における調査種類マスタの一例を示す図である。
図4図4は、一実施形態における調査要否マスタの一例を示す図である。
図5図5は、一実施形態における遷移先工程マスタの一例を示す図である。
図6図6は、一実施形態における案件データ並びにそれに紐づけされた調査状況データ及び優先工程データの一例を示す図である。
図7図7は、一実施形態における調査状況データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.構成]
ここでは、本発明の融資審査支援装置を含む本実施形態に係るPC(パーソナルコンピュータ)100の構成の一例について、図1を参照して説明する。なお、本実施形態の構成はあくまでも一例であり、本発明は、本実施形態の構成で実現することに限定されるものではない。また、構成に関する以下の説明において、重複する説明を省略する場合がある。
【0017】
図1は、PC100の構成の一例を示すブロック図である。PC100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108とを備え、各種データ(例えば、記憶部106に記憶される、後述する各データでもよい)を記憶したサーバ200(例えばWebサーバなど)とネットワーク300(例えばインターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)など)を介して通信可能に接続されている。
【0018】
PC100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
なお、PC100は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型のものであってもよく、また、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型のものであってもよい。
【0020】
制御部102は、PC100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0021】
制御部102は、機能概念的に、案件受付部102a、調査実施決定部102b、調査結果受付部102c、優先工程決定部102d等を備えている。
【0022】
案件受付部102aは、申込内容のカテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付ける。案件受付部102aは、一実施形態において、案件情報を受け付け後、案件情報毎、調査種類別に調査状況を未判定(調査要否が未決定)とした調査状況情報を作成し、案件情報に当該調査状況情報を紐づける。案件受付部102aは、一実施形態において、案件情報を受け付け後、案件情報毎に優先工程を受付工程とした優先工程情報を作成し、案件情報に当該優先工程情報を紐づける。
【0023】
案件受付部102aが受け付ける案件情報は、申込別の情報であって、調査種類別の調査要否の判定が可能なカテゴリ情報を含む。カテゴリ情報は、例えば、新規融資か途上与信かの区分、商品の区分、申込額等である。調査種類は、一般的な融資の与信判断のために行われる調査の区分であって、例えば、外信追加調査、本人特定、要注意顧客かの調査、勤務先住所の調査等を含む。このような調査は、カテゴリ情報に応じて要否判定が分かれる場合があり、要否判定が分かれる場合に本発明が有用となる。
【0024】
調査実施決定部102bは、調査種類別にカテゴリ情報に応じた調査要否の区分が予め登録された調査要否マスタに基づいて、案件受付部102aが受け付けた案件情報毎に、調査種類別の調査要否を決定し、調査種類別の調査要否を案件情報に紐づける。
【0025】
調査実施決定部102bによる調査要否の案件情報への紐づけは、一実施形態において、案件受付部102aが案件情報毎に作成した調査種類別の調査状況情報を、調査実施決定部102bが決定した調査要否を含む調査状況情報に更新し、更新された調査種類別の調査状況情報を案件情報に紐づけることにより行われる。
【0026】
これにより、カテゴリに基づいて各調査要否を容易に振り分けでき、審査の最適化が可能となる。また、調査要否マスタの登録内容を変更するだけで、カテゴリ毎の調査内容や各調査要否を体系的に整理でき、新規商品の新設や業務範囲の変化に応じて柔軟に調査内容や各調査要否を変更できる。
【0027】
調査結果受付部102cは、調査実施決定部102bにより調査が必要と決定された調査種類別に、調査結果を案件情報毎に受け付け、調査種類別の調査結果を案件情報に紐づける。
【0028】
調査結果受付部102cによる調査結果の案件情報への紐づけは、一実施形態において、調査実施決定部102bにより調査が必要と決定された調査種類の調査状況情報を、調査結果受付部102cが受け付けた調査結果を含む調査状況情報に更新し、更新された調査種類別の調査状況情報を案件情報に紐づけることにより行われる。
【0029】
これにより、必要な調査を適格に行うことができ、適切に調査状況の管理を行うことができる。
【0030】
優先工程決定部102dは、調査種類別に調査要否及び調査結果に応じた遷移先工程の区分が予め登録された遷移先工程マスタに基づいて、調査実施決定部102bにより紐づけられた調査要否及び調査結果受付部102cにより紐づけられた調査結果に対応する調査種類別の遷移先工程のうち、最も優先度が高い遷移先工程を案件情報毎に抽出し、最も優先度が高い遷移先工程を案件情報に紐づける。
【0031】
優先工程決定部102dによる最も優先度が高い遷移先工程の案件情報への紐づけは、一実施形態において、案件受付部102aが作成した優先工程を受付工程とした優先工程情報を、案件情報毎に、優先工程を最も優先度が高い遷移先工程とした優先工程情報に更新し、更新された優先工程情報を案件情報に紐づけることにより行われる。遷移先工程の優先度は予め設定されており、変更可能である。
【0032】
これにより、案件ごとに優先するべき必要な工程を容易に把握することができ、適切に案件の管理を行うことができる。
【0033】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、PC100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0034】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0035】
記憶部106は、概念的に、調査種類マスタ記憶部106a、調査要否マスタ記憶部106b、遷移先工程マスタ記憶部106c、案件データ記憶部106d、調査状況データ記憶部106e、優先工程データ記憶部106f等を備えている。
【0036】
調査種類マスタ記憶部106aは、調査種類に関する情報が調査種類別に予め登録された調査種類マスタを格納する。調査種類マスタには、調査種類の識別子に加えて、調査名などの調査種類に関する情報を含む調査種類情報が含まれる。調査種類マスタにおける調査種類情報は、必要に応じて、随時追加及び変更することができる。
【0037】
調査要否マスタ記憶部106bは、カテゴリ情報に応じた調査要否の区分が調査種類別に予め登録された調査要否マスタを格納する。調査要否の区分は、例えば、カテゴリ情報の新規融資か途上与信かの区分別、カテゴリ情報の商品の区分別、カテゴリ情報の申込額の範囲別に調査要否マスタに登録される。調査要否マスタには、カテゴリ情報(例えば、
新規融資か途上与信かの区分、商品の区分、申込額の範囲)、及びそれに対応する調査要否の区分を含む調査要否情報が含まれる。調査要否マスタにおける調査要否情報は、調査種類の識別子を介して、調査種類マスタにおける調査種類情報に紐づけされる。調査要否マスタにおける調査要否情報は、必要に応じて、随時追加及び変更することができる。
【0038】
遷移先工程マスタ記憶部106cは、遷移先工程に関する情報が、調査要否及び調査結果別、調査種類別に予め登録された遷移先工程マスタを格納する。遷移先工程マスタには、調査種類の識別子、調査状況(すなわち調査要否及び調査結果)、及びそれらに対応する遷移先工程を含む遷移先工程情報が含まれる。遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報は、必要に応じて、随時追加及び変更することができる。
【0039】
案件データ記憶部106dは、案件に関する情報が申込別に登録された案件データを格納する。案件データには、案件の識別子、申込内容(例えば、新規融資か途上与信かの区分、商品の区分、申込額)を含む案件情報が含まれる。
【0040】
調査状況データ記憶部106eは、調査状況に関する情報が案件情報別、調査種類別に登録された調査状況データを格納する。調査状況データには、案件の識別子、調査種類の識別子、及びそれらに対応する調査状況(すなわち調査要否及び調査結果)を含む調査状況情報が含まれる。調査状況データの調査状況情報は、案件の識別子を介して、案件データの案件情報に紐づけされる。調査状況データにおける調査状況情報は、必要に応じて、随時変更することができる。
【0041】
優先工程データ記憶部106fは、最も優先度が高い遷移先工程に関する情報が案件情報別に登録された優先工程データを格納する。優先工程データには、案件の識別子、及び最も優先度が高い遷移先工程を含む優先工程情報が含まれる。優先工程データの優先工程情報は、案件の識別子を介して、案件データの案件情報及び調査状況データの調査状況情報に紐づけされる。
【0042】
入出力インターフェース部108には、入力装置400及び出力装置500が接続されている。出力装置400には、ディスプレイ、プロジェクタ等の表示装置、スピーカ等の音響装置、プリンタ等の印刷装置の他、データファイル形式でダウンロード可能とする装置も含まれる。データファイルファイル形式は、PDF、CSV、文書ファイル、表計算ソフトファイル、テキストファイル等、当分野で公知のファイル形式を採用することができる。入力装置500には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0043】
[2.具体例]
以下、具体例を用いて、本発明に係る融資審査支援装置による案件の受付、調査実施の決定、調査結果の受付、最も優先度が高い遷移先工程の決定の情報処理、及びその後の遷移先工程の推移に関し、図2~7を参照して説明する。
【0044】
図2は、本具体例における案件の受付から最も優先度が高い遷移先工程の決定の情報処理までの情報処理及びその後の遷移先工程の推移のフローの一例を示す図である。
【0045】
図2に示すように、まず、案件受付部102aは、申込内容のカテゴリ情報を含む申込別の案件情報を受け付け(S01)、調査実施決定部102bは、調査要否マスタに基づいて案件情報毎に調査種類別の調査要否を決定する(S02)。
【0046】
さらに、調査結果受付部102cは、調査が必要と決定された調査種類別に、調査結果を案件情報毎に受け付け(S03)、優先工程決定部102dは、遷移先工程マスタに基づいて、調査要否及び調査結果に対応する調査種類別の遷移先工程のうち、最も優先度が高い遷移先工程を案件情報毎に抽出し、決定する(S04)。
【0047】
最も優先度が高い遷移先工程が、調査工程である案件については(S05-YES)、調査工程に移行し(S06)、審査が順調に進めば、審査準備工程を経て(S08)、最終判定工程に移行する(S09)。最も優先度が高い遷移先工程が、審査準備工程である案件については(S05-NO、S07-YES)、そのまま審査準備工程に移行し(S08)、審査が順調に進めば、最終判定工程に移行する(S09)。最も優先度が高い遷移先工程が、最終判定工程である案件については(S05-NO、S07-NO)、そのまま最終判定工程に移行する(S09)。
【0048】
図3は、本具体例における調査種類マスタ30を示す図である。本具体例における調査種類マスタ30は、図3に示すように、調査種類別に予め登録された、調査CD(調査種類の識別子)、及び調査名を含む調査種類情報3a~3dを有している。
【0049】
図4は、本具体例における調査要否マスタ40を示す図である。本具体例における調査要否マスタ40は、図4に示すように、調査種類別且つ3つのカテゴリ情報(新規融資か途上与信かの区分、商品の区分、申込額の範囲)別に予め登録された、調査CD、新規途上区分(新規融資か途上与信かの区分)、商品(商品の区分)、申込額の上限下限(申込額の範囲)、与信種別、及び実施有無(調査要否の区分)を含む調査要否情報4a~4jを有している。調査要否マスタ40における調査要否情報4a~4jは、調査CDを介して、調査種類マスタ30における調査種類情報3a~3dに紐づけされている。
【0050】
図5は、本具体例における遷移先工程マスタ50を示す図である。本具体例における遷移先工程マスタ50は、図5に示すように、調査状況(調査要否及び調査結果)別、調査種類別に予め登録された、調査CD、調査結果(調査状況)、遷移先工程を含む遷移先工程情報5a~5lを有している。遷移先工程マスタ50における遷移先工程情報5a~5lは、調査CDを介して、調査種類マスタ30における調査種類情報3a~3d及び調査要否マスタ40における調査要否情報4a~4jに紐づけされている。
【0051】
図6は、本具体例における案件データ60並びにそれに紐づけされた調査状況データ70及び優先工程データ80を示す図である。図6(a)は、案件受付部102aによる案件情報を受け付け後、図6(b)は、調査実施決定部102bによる調査要否を決定後、図6(c)は、調査結果受付部102cによる調査結果の受け付け後、図6(d)は、優先工程決定部102dによる最も優先度が高い遷移先工程の抽出後における案件データ60並びにそれに紐づけされた調査状況データ70及び優先工程データ80である。本具体例における案件データ60は、図6に示すように、申込別に、案件No(案件情報毎に割り振られる識別子)、新規途上区分、商品、申込額を含む案件情報6a・6bを有し、案件情報6a・6bそれぞれに、調査状況データ70における調査状況情報の外信追加調査、本人特定、要注意顧客、勤務先住所の調査状況と共に、優先工程データ80における優先工程情報の工程(最も優先度が高い遷移先工程)が案件Noを介して紐づけされている。
【0052】
図7は、本具体例における調査状況データ70を示す図である。図7(a)は、案件受付部102aによる案件情報を受け付け後、図7(b)は、調査実施決定部102bによる調査要否を決定後、図7(c)は、調査結果受付部102cによる調査結果の受け付け後における調査状況データ70である。図7(a)は、図6(a)の調査状況データ70に対応し、図7(b)は、図6(b)の調査状況データ70に対応し、図7(c)は、図6(c)の調査状況データ70に対応する。本具体例における調査状況データ70は、図7に示すように、案件情報別且つ調査種類別に、案件No、調査CD、調査状況を含む調査状況情報7a~7hを有する。調査状況データ70における調査状況情報7a~7hは、調査CDを介して、調査種類マスタ30における調査種類情報3a~3dと紐づけされる。また、調査状況データ70における調査状況情報7a~7hは、図6に示すように、案件Noを介して、案件データ60における案件情報6a・6bと紐づけされる。
【0053】
以下、本具体例における融資審査支援装置による案件の受付、調査実施の決定、調査結果の受付、最も優先度が高い遷移先工程の決定の情報処理のフローの詳細を図2~7を用いて説明する。
【0054】
まず、案件受付部102aは、新規途上区分「新規与信(新規融資)」、商品「証貸」、申込額「¥500,000」を含む案件情報6aと、新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥1,500,000」を含む案件情報6bを受け付け、案件情報6a・6bそれぞれに対して、図6(a)に示すように、「1」と「2」の案件Noを割り振る(S01)。
【0055】
案件受付部102aは、図7(a)に示すように、調査状況データ70において、受け付けた案件情報6a・6b毎に、外信追加調査、本人特定、要注意顧客、勤務先住所の4つの調査種類別の未判定の調査状況情報7a~7hを作成し、図6(a)に示すように、案件情報6a・6bに紐づける。
【0056】
一方で、案件受付部102aは、優先工程データ80において、案件情報6a・6b毎に、優先工程を「受付工程」とした優先工程情報を作成し、図6(a)に示すように、案件情報6a・6bに紐づける。
【0057】
次に、調査実施決定部102bは、外信追加調査、本人特定、要注意顧客、勤務先住所の4つの調査種類別に、図4に示すような、新規途上区分、商品、申込額の上限下限の3つのカテゴリ情報に応じて実施有無(調査要否の区分)が予め登録された調査要否マスタに基づいて、案件受付部102aが受け付けた案件情報6a・6b毎に、調査種類別の調査要否を決定し、さらに、案件受付部102aが作成した調査状況情報を、調査実施決定部102bが決定した調査要否を含む調査状況情報に更新し、更新された調査種類別の調査状況情報を案件情報に紐づける(S02)。
【0058】
具体的に、まず、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「外信追加調査」については、調査実施決定部102bは、図3に示す調査種類マスタ30における「外信追加調査」の調査種類情報3aの調査CD「001」と、案件情報6aにおける新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥500,000」に基づき、図4に示す調査要否マスタにおける調査要否情報4a~4jのうち対応する調査要否情報4aを抽出し、実施有無(調査要否の区分)が「有(調査必要)」であると決定する。さらに、調査実施決定部102bは、図7(a)における案件No「1」で調査CD「001」の調査状況情報7aの調査状況「未判定」を、図7(b)に示すように、調査必要を意味する「判定待ち」に更新し、図6(b)に示すように、案件情報6aに紐づける。
【0059】
同様に、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「本人特定」については、調査実施決定部102bは、図3に示す調査種類マスタ30における「本人特定」の調査種類情報3bの調査CD「002」と、案件情報6aにおける新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥500,000」に基づき、図4に示す調査要否マスタにおける調査要否情報4a~4jのうち対応する調査要否情報4eを抽出し、実施有無(調査要否の区分)が「有(調査必要)」であると決定する。さらに、調査実施決定部102bは、図7(a)における案件No「1」で調査CD「002」の調査状況情報7bの調査状況「未判定」を、図7(b)に示すように、調査必要を意味する「判定待ち」に更新し、図6(b)に示すように、案件情報6aに紐づける。
【0060】
同様に、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「要注意顧客」については、調査実施決定部102bは、図3に示す調査種類マスタ30における「要注意顧客」の調査種類情報3cの調査CD「003」と、案件情報6aにおける新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥500,000」に基づき、図4に示す調査要否マスタにおける調査要否情報4a~4jのうち対応する調査要否情報4gを抽出し、実施有無(調査要否の区分)が「無(調査不要)」であると決定する。さらに、調査実施決定部102bは、図7(a)における案件No「1」で調査CD「003」の調査状況情報7cの調査状況「未判定」を、図7(b)に示すように、調査不要を意味する「不要」に更新し、図6(b)に示すように、案件情報6aに紐づける。
【0061】
同様に、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「勤務先住所」については、調査実施決定部102bは、図3に示す調査種類マスタ30における「勤務先住所」の調査種類情報3dの調査CD「004」と、案件情報6aにおける新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥500,000」に基づき、図4に示す調査要否マスタにおける調査要否情報4a~4jのうち対応する調査要否情報4iを抽出し、実施有無(調査要否の区分)が「無(調査不要)」であると決定する。さらに、調査実施決定部102bは、図7(a)における案件No「1」で調査CD「004」の調査状況情報7dの調査状況「未判定」を、図7(b)に示すように、調査不要を意味する「不要」に更新し、図6(b)に示すように、案件情報6aに紐づける。
【0062】
同様に、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「外信追加調査」については、調査実施決定部102bは、図3に示す調査種類マスタ30における「外信追加調査」の調査種類情報3aの調査CD「001」と、案件情報6aにおける新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥1,500,000」に基づき、図4に示す調査要否マスタにおける調査要否情報4a~4jのうち対応する調査要否情報4bを抽出し、実施有無(調査要否の区分)が「有(調査必要)」であると決定する。さらに、調査実施決定部102bは、図7(a)における案件No「2」で調査CD「001」の調査状況情報7eの調査状況「未判定」を、図7(b)に示すように、調査必要を意味する「判定待ち」に更新し、図6(b)に示すように、案件情報6bに紐づける。
【0063】
同様に、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「本人特定」については、調査実施決定部102bは、図3に示す調査種類マスタ30における「本人特定」の調査種類情報3bの調査CD「002」と、案件情報6aにおける新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥1,500,000」に基づき、図4に示す調査要否マスタにおける調査要否情報4a~4jのうち対応する調査要否情報4fを抽出し、実施有無(調査要否の区分)が「有(調査必要)」であると決定する。さらに、調査実施決定部102bは、図7(a)における案件No「2」で調査CD「002」の調査状況情報7fの調査状況「未判定」を、図7(b)に示すように、調査必要を意味する「判定待ち」に更新し、図6(b)に示すように、案件情報6bに紐づける。
【0064】
同様に、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「要注意顧客」については、調査実施決定部102bは、図3に示す調査種類マスタ30における「要注意顧客」の調査種類情報3cの調査CD「003」と、案件情報6aにおける新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥1,500,000」に基づき、図4に示す調査要否マスタにおける調査要否情報4a~4jのうち対応する調査要否情報4hを抽出し、実施有無(調査要否の区分)が「有(調査必要)」であると決定する。さらに、調査実施決定部102bは、図7(a)における案件No「2」で調査CD「003」の調査状況情報7gの調査状況「未判定」を、図7(b)に示すように、調査必要を意味する「判定待ち」に更新し、図6(b)に示すように、案件情報6bに紐づける。
【0065】
同様に、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「勤務先住所」については、調査実施決定部102bは、図3に示す調査種類マスタ30における「勤務先住所」の調査種類情報3dの調査CD「004」と、案件情報6aにおける新規途上区分「新規与信」、商品「証貸」、申込額「¥1,500,000」に基づき、図4に示す調査要否マスタにおける調査要否情報4a~4jのうち対応する調査要否情報4jを抽出し、実施有無(調査要否の区分)が「無(調査不要)」であると決定する。さらに、調査実施決定部102bは、図7(a)における案件No「2」で調査CD「004」の調査状況情報7hの調査状況「未判定」を、図7(b)に示すように、調査不要を意味する「不要」に更新し、図6(b)に示すように、案件情報6bに紐づける。
【0066】
次に、調査結果受付部102cは、調査実施決定部102bにより調査必要と決定された案件情報6a(案件No「1」)に対する「外信追加調査」及び「本人特定」、並びに案件情報6b(案件No「2」)に対する「外信追加調査」、「本人特定」及び「要注意顧客」の5つの調査種類について、それぞれ調査結果を受け付け、調査実施決定部102bにより更新された「判定待ち」の調査状況情報を、当該調査結果を含む調査状況情報に更新し、更新された調査種類別の調査状況情報を案件情報に紐づける(S03)。
【0067】
なお、本具体例においては、ユーザーによる融資審査支援装置への調査結果入力操作により、調査結果受付部102cは、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「外信追加調査」については、不備があったことを意味する調査結果「不備」を受け付け、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「本人特定」並びに案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「外信追加調査」、「本人特定」及び「要注意顧客」については、調査済みを意味する調査結果「済」を受け付けたとする。
【0068】
具体的に、調査結果受付部102cは、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「外信追加調査」の調査結果「不備」の受け付け後、図3に示す調査種類マスタ30における「外信追加調査」の調査種類情報3aの調査CD「001」に基づいて、図7(b)における案件No「1」で調査CD「001」の調査状況情報7aの調査状況「判定待ち」を、図7(c)に示すように、受け付けた調査結果「不備」に更新し、図6(c)に示すように、案件情報6aに紐づける。
【0069】
同様に、調査結果受付部102cは、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「本人特定」の調査結果「済」の受け付け後、図3に示す調査種類マスタ30における「本人特定」の調査種類情報3aの調査CD「002」に基づいて、図7(b)における案件No「1」で調査CD「002」の調査状況情報7bの調査状況「判定待ち」を、図7(c)に示すように、受け付けた調査結果「済」に更新し、図6(c)に示すように、案件情報6aに紐づける。
【0070】
同様に、調査結果受付部102cは、案件情報6b(案件No「2」)に対する3つの調査「外信追加調査」、「本人特定」及び「要注意顧客」の調査結果「済」の受け付け後、図3に示す調査種類マスタ30における「外信追加調査」、「本人特定」及び「要注意顧客」の調査種類情報3a~3cの調査CD「001」~「003」に基づいて、図7(b)における案件No「2」で調査CD「001」~「003」の調査状況情報7e~7gの調査状況「判定待ち」を、それぞれ、図7(c)に示すように、受け付けた調査結果「済」に更新し、図6(c)に示すように、案件情報6bに紐づける。
【0071】
次に、優先工程決定部102dは、図5に示すような、調査工程、審査準備工程、最終判定工程の3段階の遷移先工程が調査状況(調査要否及び調査結果)別に予め登録された遷移先工程マスタに基づいて、調査種類別に、調査実施決定部102b又は調査結果受付部102cにより更新された優先工程情報の調査状況(調査要否及び調査結果)に対応する遷移先工程を決定し、その遷移先工程のうち、最も優先度が高い遷移先工程を案件情報毎に抽出し、調査実施決定部102b又は調査結果受付部102cにより更新された優先工程情報を、優先工程を最も優先度が高い遷移先工程とした優先工程情報にさらに更新し、更新された優先工程情報を案件情報に紐づける(S04)。なお、本具体例において、遷移先工程の優先度は、優先度が高い順に、調査工程、審査準備工程、最終判定工程に予め設定されているものとする。
【0072】
具体的に、まず、優先工程決定部102dは、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「外信追加調査」について、図3に示す調査種類マスタ30における「外信追加調査」の調査種類情報3aの調査CD「001」と、図7(c)に示す調査状況情報7aの調査状況「不備」に基づいて、図5に示す遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報5a~5lのうち対応する調査要否情報5aを抽出し、遷移先工程が「調査工程」であると決定する。
【0073】
同様に、優先工程決定部102dは、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「本人特定」について、図3に示す調査種類マスタ30における「本人特定」の調査種類情報3aの調査CD「002」と、図7(c)に示す調査状況情報7bの調査状況「済」に基づいて、図5に示す遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報5a~5lのうち対応する調査要否情報5eを抽出し、遷移先工程が「最終判定工程」であると決定する。
【0074】
同様に、優先工程決定部102dは、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「要注意顧客」について、図3に示す調査種類マスタ30における「要注意顧客」の調査種類情報3aの調査CD「003」と、図7(c)に示す調査状況情報7cの調査状況「不要」に基づいて、図5に示す遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報5a~5lのうち対応する調査要否情報5iを抽出し、遷移先工程が「最終判定工程」であると決定する。
【0075】
同様に、優先工程決定部102dは、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「勤務先住所」について、図3に示す調査種類マスタ30における「勤務先住所」の調査種類情報3aの調査CD「004」と、図7(c)に示す調査状況情報7dの調査状況「不要」に基づいて、図5に示す遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報5a~5lのうち対応する調査要否情報5lを抽出し、遷移先工程が「最終判定工程」であると決定する。
【0076】
優先工程決定部102dは、案件情報6a(案件No「1」)に対する調査「外信追加調査」、「本人特定」、「要注意顧客」、「勤務先住所」について決定された遷移先工程「調査工程」、「最終判定工程」、「最終判定工程」、「最終判定工程」にうち、最も優先度が高い遷移先工程「調査工程」を抽出する。優先工程決定部102dは、図6(c)に示すような、案件受付部102aによって作成された案件No「1」に対応する優先工程「受付工程」の優先工程情報を、図6(d)に示すように、最も優先度が高い遷移先工程「調査工程」の優先工程情報に更新し、案件情報6aに紐づける。
【0077】
最も優先度が高い遷移先工程「調査工程」とされた案件情報6aについては、調査工程に移行し(S05-YES、S06)、審査が順調に進めば、審査準備工程を経て(S08)、最終判定工程に移行する(S09)。
【0078】
一方で、優先工程決定部102dは、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「外信追加調査」について、図3に示す調査種類マスタ30における「外信追加調査」の調査種類情報3aの調査CD「001」と、図7(c)に示す調査状況情報7eの調査状況「済」に基づいて、図5に示す遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報5a~5lのうち対応する調査要否情報5bを抽出し、遷移先工程が「最終判定工程」であると決定する。
【0079】
同様に、優先工程決定部102dは、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「本人特定」について、図3に示す調査種類マスタ30における「本人特定」の調査種類情報3aの調査CD「002」と、図7(c)に示す調査状況情報7fの調査状況「済」に基づいて、図5に示す遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報5a~5lのうち対応する調査要否情報5eを抽出し、遷移先工程が「最終判定工程」であると決定する。
【0080】
同様に、優先工程決定部102dは、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「要注意顧客」について、図3に示す調査種類マスタ30における「要注意顧客」の調査種類情報3aの調査CD「003」と、図7(c)に示す調査状況情報7gの調査状況「済」に基づいて、図5に示す遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報5a~5lのうち対応する調査要否情報5hを抽出し、遷移先工程が「最終判定工程」であると決定する。
【0081】
同様に、優先工程決定部102dは、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「勤務先住所」について、図3に示す調査種類マスタ30における「勤務先住所」の調査種類情報3aの調査CD「004」と、図7(c)に示す調査状況情報7hの調査状況「不要」に基づいて、図5に示す遷移先工程マスタにおける遷移先工程情報5a~5lのうち対応する調査要否情報5lを抽出し、遷移先工程が「最終判定工程」であると決定する。
【0082】
優先工程決定部102dは、案件情報6b(案件No「2」)に対する調査「外信追加調査」、「本人特定」、「要注意顧客」、「勤務先住所」について決定された遷移先工程がすべて「最終判定工程」であるので、最も優先度が高い遷移先工程として「最終判定工程」を抽出する。優先工程決定部102dは、図6(c)に示すような、案件受付部102aによって作成された案件No「2」に対応する優先工程「受付工程」の優先工程情報を、図6(d)に示すように、最も優先度が高い遷移先工程「最終判定工程」の優先工程情報に更新し、案件情報6aに紐づける。
【0083】
最も優先度が高い遷移先工程「最終判定工程」とされた案件情報6bについては、そのまま最終判定工程に移行する(S09)。
【0084】
以上で説明した通り、本発明のシステムによれば、申込毎のカテゴリに基づいて各調査要否を容易に振り分けでき、その結果、新規商品の新設や業務範囲の変化に応じて調査内容を簡単に変更できると共に、審査の最適化に貢献できる。
【0085】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0088】
[4.他の実施形態]
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0089】
例えば、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0090】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0091】
また、PC100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0092】
例えば、PC100を構成する各装置が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて各装置に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0093】
また、このコンピュータプログラムは、PC100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0094】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム第一商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0095】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0096】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0097】
また、PC100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、PC100は、当該PC100に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0098】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、例えば、融資審査を行う金融業界などにおいて有用である。
【符号の説明】
【0100】
100 PC
102 制御部
102a 案件受付部
102b 調査実施決定部
102c 調査結果受付部
102d 優先工程決定部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 調査種類マスタ記憶部
106b 調査要否マスタ記憶部
106c 遷移先工程マスタ記憶部
106d 案件データ記憶部
106e 調査状況データ記憶部
106f 優先工程データ記憶部
108 入出力インターフェース部
200 サーバ
300 ネットワーク
400 入力装置
500 出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7