(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137424
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ガス浄化装置および粉粒体処理装置
(51)【国際特許分類】
F26B 21/00 20060101AFI20240927BHJP
B01D 53/86 20060101ALI20240927BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F26B21/00 K
B01D53/86 280
F01N3/24 E
F01N3/24 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048946
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000129183
【氏名又は名称】株式会社カワタ
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 和希
(72)【発明者】
【氏名】大堀 進一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 好治
【テーマコード(参考)】
3G091
3L113
4D148
【Fターム(参考)】
3G091AA06
3G091AB01
3G091AB08
3G091CA01
3G091GB06
3L113AA07
3L113AB04
3L113AC08
3L113AC48
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3L113CB05
3L113CB40
3L113DA02
4D148AA17
4D148AB01
4D148AB03
4D148BA30Y
4D148CC53
4D148CD01
4D148DA01
4D148DA02
4D148DA06
4D148DA20
(57)【要約】
【課題】浄化対象ガスから除去対象成分を除去する除去処理が無駄に実行されることを抑制できる、ガス浄化装置および粉粒体処理装置を提供する。
【解決手段】脱湿乾燥機2の運転が開始されると、乾燥ブロワ23および乾燥ヒータ25が作動し、乾燥ガスライン16を流れる乾燥ガスの温度が上昇する。脱湿乾燥機2の運転が開始されても、温度センサ137により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまでは、ガス浄化装置3(触媒ヒータ122)の運転が開始されず、浄化対象ガスから処理対象成分であるVOCを除去する除去処理が開始されない。脱湿乾燥機2の運転の開始後、温度センサ137により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると、ガス浄化装置3の運転が開始されて、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除去対象成分を含む浄化対象ガスを排出するガス排出装置に接続されて、前記ガス排出装置から排出される前記浄化対象ガスを浄化するガス浄化装置であって、
前記ガス排出装置の運転により上昇する温度を検出する検出器と、
前記浄化対象ガスから前記除去対象成分を除去する除去処理を実行する除去処理部と、
前記検出器により検出される温度が第1所定値未満から前記第1所定値以上に上昇したことに応じて、前記除去処理部による前記除去処理を開始させる制御部と、を含む、ガス浄化装置。
【請求項2】
前記除去処理部は、
前記浄化対象ガスを昇温させる昇温器と、
前記昇温器による昇温後の前記浄化対象ガスが通過する領域に配置されて、前記浄化対象ガスに含まれる前記除去対象成分を分解する触媒と、を備え、
前記制御部は、前記検出器により検出される温度が前記第1所定値未満から前記第1所定値以上に上昇したことに応じて、前記昇温器による前記浄化対象ガスの昇温を開始させる、請求項1に記載のガス浄化装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記検出器により検出される温度が第2所定値以上から前記第2所定値未満に低下したことに応じて、前記除去処理部による前記除去処理を停止させる、請求項1に記載のガス浄化装置。
【請求項4】
前記除去処理部は、
前記浄化対象ガスを昇温させる昇温器と、
前記昇温器による昇温後の前記浄化対象ガスが通過する領域に配置されて、前記浄化対象ガスに含まれる前記除去対象成分を分解する触媒と、を備え、
前記制御部は、前記検出器により検出される温度が前記第2所定値以上から前記第2所定値未満に低下したことに応じて、前記昇温器による前記浄化対象ガスの昇温を停止させる、請求項3に記載のガス浄化装置。
【請求項5】
前記検出器は、前記除去処理部に入る前記浄化対象ガスの温度を検出する、請求項1~4のいずれか一項に記載のガス浄化装置。
【請求項6】
粉粒体を処理して、除去対象成分を含む浄化対象ガスを排出するガス排出部と、
前記ガス排出部から排出される前記浄化対象ガスを浄化するガス浄化部と、を含み、
前記ガス浄化部は、
前記ガス排出部の運転により上昇する温度を検出する検出器と、
前記浄化対象ガスから前記除去対象成分を除去する除去処理を実行する除去処理部と、
前記検出器により検出される温度が第1所定値未満から前記第1所定値以上に上昇したことに応じて、前記除去処理部による前記除去処理を開始させる制御部と、を備える、粉粒体処理装置。
【請求項7】
前記除去処理部は、
前記浄化対象ガスを昇温させる昇温器と、
前記昇温器による昇温後の前記浄化対象ガスが通過する領域に配置されて、前記浄化対象ガスに含まれる前記除去対象成分を分解する触媒と、を備え、
前記制御部は、前記検出器により検出される温度が前記第1所定値未満から前記第1所定値以上に上昇したことに応じて、前記昇温器による前記浄化対象ガスの昇温を開始させる、請求項6に記載の粉粒体処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記検出器により検出される温度が第2所定値以上から前記第2所定値未満に低下したことに応じて、前記除去処理部による前記除去処理を停止させる、請求項6に記載の粉粒体処理装置。
【請求項9】
前記除去処理部は、
前記浄化対象ガスを昇温させる昇温器と、
前記昇温器による昇温後の前記浄化対象ガスが通過する領域に配置されて、前記浄化対象ガスに含まれる前記除去対象成分を分解する触媒と、を備え、
前記制御部は、前記検出器により検出される温度が前記第2所定値以上から前記第2所定値未満に低下したことに応じて、前記昇温器による前記浄化対象ガスの昇温を停止させる、請求項8に記載の粉粒体処理装置。
【請求項10】
前記ガス排出部は、
乾燥ガスの乾燥ガス入口および乾燥ガス出口を有し、乾燥処理対象の前記粉粒体を収容する乾燥容器と、
前記乾燥ガス入口から前記乾燥容器内に前記乾燥ガスを供給する乾燥ブロワと、
前記乾燥ガス入口に向けて流れる前記乾燥ガスを昇温させる乾燥ヒータと、を備える、請求項6~9のいずれか一項に記載の粉粒体処理装置。
【請求項11】
前記ガス排出部は、
複数のガス流路を有し、少なくとも前記ガス流路の内面が吸着材で形成され、乾燥領域および再生領域が設定され、前記乾燥領域に存在する前記ガス流路を前記乾燥ガスが通過し、前記再生領域に存在する前記ガス流路を再生ガスが通過する吸着器と、
前記再生領域に存在する前記ガス流路に前記再生ガスを供給する再生ブロワと、
前記再生領域に向けて流れる前記再生ガスを昇温させる再生ヒータと、をさらに備える、請求項10に記載の粉粒体処理装置。
【請求項12】
前記検出器は、前記乾燥ガス出口から出る前記乾燥ガスの温度を検出する、請求項10に記載の粉粒体処理装置。
【請求項13】
前記検出器は、前記再生領域に存在する前記ガス流路に入る前記再生ガスの温度を検出する、請求項11に記載の粉粒体処理装置。
【請求項14】
前記除去処理部は、前記除去処理により、前記再生領域に存在する前記ガス流路から出る前記再生ガスから前記除去対象成分を除去する、請求項11に記載の粉粒体処理装置。
【請求項15】
前記除去処理部は、前記除去処理により、前記乾燥ガス出口から出る前記乾燥ガスから前記除去対象成分を除去する、請求項10に記載の粉粒体処理装置。
【請求項16】
前記検出器は、前記除去処理部に入る前記浄化対象ガスの温度を検出する、請求項6に記載の粉粒体処理装置。
【請求項17】
前記ガス排出部を収めた第1筐体と、
前記第1筐体の外部に設けられ、前記ガス浄化部を収めた第2筐体と、をさらに含む、請求項6に記載の粉粒体処理装置。
【請求項18】
筐体、をさらに含み、
前記ガス排出部および前記ガス浄化部は、前記筐体に収められている、請求項6に記載の粉粒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス浄化装置および粉粒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、プラスチック製品の製造工程では、プラスチック材料が成形機に投入されるまでに、プラスチック材料から水分を除去するための予備乾燥が行われる。
【0003】
プラスチック材料には、多くの場合、紫外線防止剤や難燃剤などの種々の添加剤が混合されている。添加剤には、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)を含むものがある。VOCを含む添加剤がプラスチック材料に混合されていると、予備乾燥の工程で、プラスチック材料からVOCが揮発する。VOCは、臭気を発するだけでなく、そのVOCを含むガスが通過する管路内に析出して付着し、管路内を汚染することもある。
【0004】
被乾燥物の乾燥時にVOCを含むガスが発生する乾燥機と、乾燥機から排出されるガスを脱臭する脱臭装置とを備える乾燥設備が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。乾燥設備の運転時には、乾燥機および脱臭装置が作動し、乾燥機から排出されるガスが脱臭装置に供給される。脱臭装置には、予熱炉および触媒ユニットが設けられている。乾燥機から脱臭装置に供給されたガスは、予熱炉で加熱により昇温した後、触媒ユニット内を通過する。触媒ユニット内には、VOCを酸化分解する触媒が備えられている。VOCを含むガスが触媒ユニット内を通過する際に、VOCが触媒作用によって酸化分解され、そのガスからVOCが除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その乾燥設備では、乾燥機の作動中は、脱臭装置が常に作動している。ところが、乾燥機の作動中であっても、乾燥機でVOCを含むガスが発生していないときがあり、そのときに脱臭装置が作動するのは無駄である。
【0007】
本発明の目的は、浄化対象ガスから除去対象成分を除去する除去処理が無駄に実行されることを抑制できる、ガス浄化装置および粉粒体処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係るガス浄化装置は、除去対象成分を含む浄化対象ガスを排出するガス排出装置に接続されて、ガス排出装置から排出される浄化対象ガスを浄化するガス浄化装置であって、ガス排出装置の運転により上昇する温度を検出する検出器と、浄化対象ガスから除去対象成分を除去する除去処理を実行する除去処理部と、検出器により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇したことに応じて、除去処理部による除去処理を開始させる制御部とを含む。
【0009】
本発明の他の局面に係る粉粒体処理装置は、粉粒体を処理して、除去対象成分を含む浄化対象ガスを排出するガス排出部と、ガス排出部から排出される浄化対象ガスを浄化するガス浄化部とを含み、ガス浄化部は、ガス排出部の運転により上昇する温度を検出する検出器と、浄化対象ガスから除去対象成分を除去する除去処理を実行する除去処理部と、検出器により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇したことに応じて、除去処理部による除去処理を開始させる制御部とを備える。
【0010】
これらの構成によれば、ガス排出装置またはガス排出部の運転が開始されると、検出器により検出される温度が上昇する。ガス排出装置またはガス排出部の運転の開始後、検出器により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまでは、除去処理部による除去処理が開始されない。そして、検出器により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると、除去処理部による除去処理が開始される。
【0011】
除去処理では、浄化対象ガスから除去対象成分が除去される。ガス排出装置またはガス排出部の運転が開始されても、検出器により検出される温度が第1所定値未満である間は、ガス排出装置またはガス排出部で除去対象成分が発生していないか、または、除去対象成分が発生していても発生量が少ないと推定される。よって、検出器により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまで、除去処理部による除去処理が開始されないことにより、除去処理が無駄に実行されることを抑制できる。
【0012】
ガス排出装置またはガス排出部の運転により、ガス排出装置またはガス排出部内の温度が上昇すると、ガス排出装置またはガス排出部から排出されて除去処理部に入る浄化対象ガスの温度も上昇するので、検出器は、除去処理部に入る浄化対象ガスの温度を検出してもよい。
【0013】
除去処理部は、浄化対象ガスを昇温させる昇温器と、昇温器による昇温後の浄化対象ガスが通過する領域に配置されて、浄化対象ガスに含まれる除去対象成分を分解する触媒とを備え、制御部は、検出器により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇したことに応じて、昇温器による浄化対象ガスの昇温を開始させてもよい。
【0014】
検出器により検出される温度が第1所定値未満である間、昇温器による浄化対象ガスの昇温が開始されないことにより、除去対象成分を含まない浄化対象ガスが無駄に昇温されることを抑制できる。そして、検出器により検出される温度が第1所定値以上に上昇してから、昇温器による浄化対象ガスの昇温が開始されることにより、浄化対象ガスの温度が触媒による分解作用が良好に発揮される温度まで上昇するのに要するエネルギーを低減できる。
【0015】
制御部は、検出器により検出される温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下したことに応じて、除去処理部による除去処理を停止させてもよい。
【0016】
検出器により検出される温度が第2所定値未満に低下した状態では、ガス排出装置またはガス排出部で除去対象成分が発生していないか、または、除去対象成分が発生していても発生量が少ないと推定される。よって、検出器により検出される温度が第2所定値未満に低下したことに応じて、除去処理部による除去処理が停止されることにより、除去処理が無駄に実行されることを抑制できる。
【0017】
除去処理部は、浄化対象ガスを昇温させる昇温器と、昇温器による昇温後の浄化対象ガスが通過する領域に配置されて、浄化対象ガスに含まれる除去対象成分を分解する触媒とを備え、制御部は、検出器により検出される温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下したことに応じて、昇温器による浄化対象ガスの昇温を停止させてもよい。
【0018】
検出器により検出される温度が第2所定値未満に低下した状態で、昇温器による浄化対象ガスの昇温が停止されることにより、除去対象成分を含まない浄化対象ガスが無駄に昇温されることを抑制できる。
【0019】
粉粒体処理装置において、ガス排出部は、乾燥ガスの乾燥ガス入口および乾燥ガス出口を有し、乾燥処理対象の粉粒体を収容する乾燥容器と、乾燥ガス入口から乾燥容器内に乾燥ガスを供給する乾燥ブロワと、乾燥ガス入口に向けて流れる乾燥ガスを昇温させる乾燥ヒータとを備えていてもよい。
【0020】
この構成によれば、ガス排出部(乾燥ブロワおよび乾燥ヒータ)の運転により、加熱された乾燥ガスが乾燥ガス入口から乾燥容器内に供給される。これにより、乾燥容器に収容されている粉粒体を乾燥させることができる。
【0021】
ガス排出部(乾燥ブロワおよび乾燥ヒータ)の運転により、乾燥ガス入口から乾燥容器内に入る乾燥ガスの温度が上昇すると、乾燥ガス出口から出る乾燥ガスの温度も上昇するので、検出器は、乾燥ガス出口から出る乾燥ガスの温度を検出してもよい。
【0022】
粉粒体処理装置において、ガス排出部は、複数のガス流路を有し、少なくともガス流路の内面が吸着材で形成され、乾燥領域および再生領域が設定され、乾燥領域に存在するガス流路を乾燥ガスが通過し、再生領域に存在するガス流路を再生ガスが通過する吸着器と、再生領域に存在するガス流路に再生ガスを供給する再生ブロワと、再生領域に向けて流れる再生ガスを昇温させる再生ヒータとをさらに備えていてもよい。
【0023】
この構成によれば、吸着器では、乾燥領域と再生領域とが設定されている。乾燥ブロワの運転により、乾燥ガスが乾燥領域を通過し、乾燥領域で乾燥ガスから吸着材に水分が奪われる(吸着される)。そして、乾燥ヒータの運転により、乾燥ガスが昇温し、脱湿および昇温した乾燥ガスが乾燥容器内に供給される。そのため、乾燥容器に収容されている粉粒体をより良好に乾燥させることができる。一方、再生ブロワおよび再生ヒータの運転により、昇温した再生ガスが再生領域に存在するガス流路を通過し、再生領域で吸着材から再生ガスに水分が奪われる。これにより、吸着材を吸着材に吸着している水分量が少ない低湿状態に再生することができる。
【0024】
ガス排出部(再生ブロワおよび再生ヒータ)の運転により、再生領域に存在するガス流路に入る再生ガスの温度が上昇するので、検出器は、再生領域に存在するガス流路に入る再生ガスの温度を検出してもよい。
【0025】
乾燥容器内での粉粒体の乾燥により粉粒体からVOCなどの除去対象成分が揮発する場合、乾燥領域では、乾燥ガスから吸着材に水分だけでなく除去対象成分も吸着され、再生領域では、吸着材から再生ガスに水分でなく除去対象成分も奪われる。そのため、再生領域を通過した後の再生ガスが粉粒体処理装置の外部に排出されると、その粉粒体処理装置の周辺の環境の悪化を招くおそれがある。
【0026】
そこで、除去処理部は、除去処理により、再生領域に存在するガス流路から出る再生ガスから除去対象成分を除去してもよい。これにより、再生ガスから除去対象成分が除去されるので、粉粒体処理装置からの排気による環境の悪化を抑制することができる。
【0027】
乾燥容器内での粉粒体の乾燥により粉粒体からVOCなどの除去対象成分が揮発する場合、乾燥ガスに除去対象成分が含まれるので、乾燥容器を通過した後の乾燥ガスが粉粒体処理装置の外部に排出されると、その粉粒体処理装置の周辺の環境の悪化を招くおそれがある。また、乾燥ガスが粉粒体処理装置内を循環する構成(乾燥ガスが粉粒体処理装置の外部に排出されない構成)では、乾燥ガスに除去対象成分が含まれたままであると、乾燥ガスが通過する管路内に除去対象成分が析出して固着し、粉粒体処理装置の性能の低下や劣化を招くおそれがある。
【0028】
そこで、除去処理部は、除去処理により、乾燥ガス出口から出る乾燥ガスから除去対象成分を除去してもよい。これにより、乾燥ガスから除去対象成分が除去されるので、粉粒体処理装置から乾燥ガスが排出される構成では、粉粒体処理装置からの排気による環境の悪化を抑制することができ、粉粒体処理装置内を乾燥ガスが循環する構成では、乾燥ガスが通過する管路内に除去対象成分が析出することを抑制して、粉粒体処理装置の性能の低下や劣化を抑制することができる。
【0029】
粉粒体処理装置は、ガス排出部を収めた第1筐体と、第1筐体の外部に設けられ、ガス浄化部を収めた第2筐体とをさらに含む構成であってもよい。すなわち、粉粒体処理装置は、ガス排出部を第1筐体に収めて構成されるガス排出装置と、ガス浄化部を第2筐体に収めて構成されるガス浄化装置とを含む構成であってもよい。
【0030】
ガス排出部に、乾燥ガスの乾燥ガス入口および乾燥ガス出口を有し、乾燥処理対象の粉粒体を収容する乾燥容器と、乾燥ガス入口から乾燥容器内に乾燥ガスを供給する乾燥ブロワと、乾燥ガス入口に向けて流れる乾燥ガスを昇温させる乾燥ヒータと、複数のガス流路を有し、少なくともガス流路の内面が吸着材で形成され、乾燥領域および再生領域が設定され、乾燥領域に存在するガス流路を乾燥ガスが通過し、再生領域に存在するガス流路を再生ガスが通過する吸着器と、再生領域に存在するガス流路に再生ガスを供給する再生ブロワと、再生領域に向けて流れる再生ガスを昇温させる再生ヒータとが備えられる場合、ガス排出装置は、粉粒体を乾燥させる脱湿乾燥機となる。
【0031】
粉粒体処理装置は、筐体をさらに含み、ガス排出部およびガス浄化部は、その単一の筐体に収められていてもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、浄化対象ガスから除去対象成分を除去する除去処理が無駄に実行されることを抑制できる。その結果、装置で消費するエネルギーを低減でき、装置のランニングコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る粉粒体処理装置の構成を図解的に示す図である。
【
図2】粉粒体処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】ガス浄化装置の制御部により実行されるメインルーチンの流れを示すフローチャートである。
【
図4】運転制御処理(サブルーチン)の流れを示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る粉粒体処理装置の構成を図解的に示す図である。
【
図6】
図5に示される粉粒体処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る粉粒体処理装置の構成を図解的に示す図である。
【
図8】本発明の第4実施形態に係る粉粒体処理装置の構成を図解的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0035】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る粉粒体処理装置1の構成を図解的に示す図である。
【0036】
粉粒体処理装置1は、プラスチック製品の製造設備に含まれて、プラスチック製品の原料となるプラスチックペレットなどの粉粒体を処理する装置である。粉粒体処理装置1は、脱湿乾燥機2およびガス浄化装置3を含む。脱湿乾燥機2およびガス浄化装置3は、それぞれ筐体4,5を備えている。
【0037】
<脱湿乾燥機>
脱湿乾燥機2は、粉粒体を乾燥させて、その乾燥した粉粒体を成形機に輸送する装置である。脱湿乾燥機2は、乾燥ホッパ11と、乾燥ホッパ11の上方に配置されるローダホッパ12とを備えている。粉粒体は、ローダホッパ12から乾燥ホッパ11に供給されて、乾燥ホッパ11内に収容(貯留)された状態で乾燥された後、乾燥ホッパ11から成形機に輸送される。
【0038】
乾燥ホッパ11は、乾燥ガス入口13および乾燥ガス出口14を有している。乾燥ホッパ11の側壁には、乾燥ガス導入管15が貫通している。乾燥ガス導入管15は、乾燥ホッパ11内で下方に屈曲して延び、その下端部が下方ほど広がる円錐状に形成されており、乾燥ガス入口13は、その円錐状の下端部の下端が開放されることにより形成されている。乾燥ガス出口14は、乾燥ホッパ11の上壁に形成されている。
【0039】
乾燥ガス導入管15の他端には、乾燥ガスライン16の一端が接続されている。乾燥ガスライン16の他端は、乾燥ガス出口14に接続されている。乾燥ガスライン16の一端が乾燥ガス導入管15を介して乾燥ガス入口13に接続され、乾燥ガスライン16の他端が乾燥ガス出口14に接続されることにより、乾燥ガスライン16は、乾燥ホッパ11内と連通して、乾燥ガスを循環させる循環路を形成している。
【0040】
脱湿乾燥機2は、乾燥フィルタ21、アフタクーラ22、乾燥ブロワ23、吸着器24および乾燥ヒータ25を備えている。乾燥ガスライン16は、乾燥フィルタ21、アフタクーラ22、乾燥ブロワ23、吸着器24および乾燥ヒータ25を乾燥ガス出口14側からその順で経由している。具体的には、乾燥ガスライン16は、第1接続管31、第2接続管32、第3接続管33、第4接続管34、第5接続管35および第6接続管36を含む。第1接続管31の一端は、乾燥ガス出口14に接続され、第1接続管31の他端は、乾燥フィルタ21の入口41に接続されている。第2接続管32の一端は、乾燥フィルタ21の出口42に接続され、第2接続管32の他端は、アフタクーラ22の第1入口43に接続されている。第3接続管33の一端は、アフタクーラ22の第1出口44に接続され、第3接続管33の他端は、乾燥ブロワ23の吸込口45に接続されている。アフタクーラ22の第1入口43と第1出口44とは、アフタクーラ22内で連通している。第4接続管34の一端は、乾燥ブロワ23の吹出口46に接続され、第4接続管34の他端は、吸着器24に接続されている。第5接続管35の一端は、吸着器24に接続され、第5接続管35の他端は、乾燥ヒータ25の入口47に接続されている。第6接続管36の一端は、乾燥ヒータ25の出口48に接続され、第6接続管36の他端は、乾燥ガス導入管15に接続されている。
【0041】
吸着器24は、略円筒状の吸着筒51を備えている。吸着筒51は、その中心線方向に延びる多数のガス流路を有している。ガス流路の内面は、水分を吸着する吸着材(たとえば、ゼオライト)で形成されている。吸着筒51が存在する領域には、乾燥領域、冷却領域および再生領域が設定されている。吸着筒51のガス流路には、乾燥領域に存在するガス流路(以下、「乾燥流路」という。)と、冷却領域に存在するガス流路(以下、「冷却流路」という。)と、再生領域に存在するガス流路(以下、「再生流路」という。)とが含まれる。
【0042】
吸着筒51は、第1蓋体52および第2蓋体53に、中心線方向の両側から挟まれている。第1蓋体52には、乾燥流路と連通する第1乾燥ポート54D、冷却流路と連通する第1冷却ポート54Cと、再生流路と連通する第1再生ポート54Rとが設けられている。第2蓋体53には、乾燥流路と連通する第2乾燥ポート55Dと、冷却流路と連通する第2冷却ポート55Cと、再生流路と連通する第2再生ポート55Rとが設けられている。
【0043】
また、吸着筒51は、中心線まわりに回転可能に設けられている。吸着器24は、たとえば、モータ56を駆動源とし、そのモータ56の駆動力により吸着筒51を回転させる回転機構57を備えている。
【0044】
第1乾燥ポート54Dには、乾燥ガスライン16の第5接続管35が接続されている。第2乾燥ポート55Dには、乾燥ガスライン16の第4接続管34が接続されている。これにより、第4接続管34と第5接続管35とは、吸着筒51内の乾燥流路を介して連通している。
【0045】
第1冷却ポート54Cには、第1環流管61の一端が接続されている。第1環流管61の他端は、乾燥ガスライン16の第4接続管34に分岐して接続されている。第2冷却ポート55Cには、第2環流管62の一端が接続されている。第2環流管62の他端は、乾燥ガスライン16の第2接続管32に分岐して接続されている。これにより、第1環流管61と第2環流管62とは、吸着筒51内の冷却流路を介して連通している。
【0046】
脱湿乾燥機2には、再生ガスライン63が設けられている。また、脱湿乾燥機2は、再生ブロワ64および再生ヒータ65を備えており、再生ガスライン63は、再生ブロワ64、再生ヒータ65および吸着器24を再生ブロワ64側からその順で経由している。具体的には、再生ガスライン63は、第1接続管66、第2接続管67および再生ガス排出管68を含む。再生ブロワ64の吹出口71には、第1接続管66の一端が接続されている。再生ブロワ64の吸込口72は、再生フィルタ73を通して大気に開放されている。第1接続管66の他端は、アフタクーラ22の第2入口74に接続されている。第2接続管67の一端は、アフタクーラ22の第2出口75に接続され、第2接続管67の他端は、再生ヒータ65の入口76に接続されている。アフタクーラ22の第2入口74と第2出口75とは、アフタクーラ22内で連通している。再生ヒータ65の出口77は、第2再生ポート55Rに接続されている。再生ガス排出管68は、一端が第1再生ポート54Rに接続されて、筐体4外へと延びている。これにより、第2接続管67と再生ガス排出管68とは、吸着筒51内の再生流路を介して連通している。
【0047】
乾燥ブロワ23が駆動されると、乾燥ガスライン16の第4接続管34に、乾燥ブロワ23の吹出口46から吸着器24に向かう乾燥ガスの気流が発生する。その気流により、乾燥ガスは、吸着器24の第2乾燥ポート55Dから吸着器24の吸着筒51内の乾燥流路に流入し、乾燥流路を通過して、吸着器24の第1乾燥ポート54Dから乾燥ガスライン16の第5接続管35に流出する。乾燥ガスが乾燥流路を通過する際、乾燥ガスに含まれる水分が吸着筒51に吸着される。これにより、乾燥流路を通過した乾燥ガスは、脱湿された低露点の乾燥ガスとなる。
【0048】
第5接続管35を乾燥ホッパ11に向けて流れる乾燥ガスは、乾燥ヒータ25を通過して、乾燥ガスライン16の第6接続管36を流れる。乾燥ガスは、乾燥ヒータ25を通過する際、乾燥ヒータ25により加熱されて昇温し、脱湿および昇温した乾燥ガスとなる。この乾燥ガスの設定温度は、たとえば、60~160℃である。脱湿および昇温した乾燥ガスは、第6接続管36から乾燥ガス導入管15を流れて、乾燥ガス導入管15の先端の乾燥ガス入口13から吹き出す。乾燥ガス入口13から吹き出した乾燥ガスは、乾燥ホッパ11内に貯留されている粉粒体の間を下方に向けて流れ、乾燥ホッパ11の底面で流れ方向が転換されて、粉粒体の上方に抜ける。これにより、粉粒体から乾燥ガスに水分が奪われて、粉粒体が乾燥する。粉粒体から水分を奪った乾燥ガスは、乾燥ガス出口14から乾燥ガスライン16の第1接続管31に排出され、第1接続管31を乾燥ブロワ23に向けて流れる。
【0049】
第1接続管31を流れる乾燥ガスは、乾燥フィルタ21を通過して、第2接続管32を流れる。乾燥ガスが乾燥フィルタ21を通過することにより、乾燥ガスから異物が除去される。第2接続管32を流れる乾燥ガスは、アフタクーラ22を通過して、第3接続管33を流れ、乾燥ブロワ23の吸込口45に吸い込まれる。
【0050】
一方、再生ブロワ64が駆動される。再生ブロワ64が駆動されると、外気が再生フィルタ73を通して再生ブロワ64の吸込口72に吸い込まれる。そして、外気が再生ブロワ64の吹出口71から再生ガスライン63の第1接続管66に吹き出されることにより、第1接続管66に吸着器24に向かう再生ガスの気流が発生する。その気流により、再生ガスは、第1接続管66からアフタクーラ22を通過して、再生ガスライン63の第2接続管67を流れ、第2接続管67から再生ヒータ65を通過して、吸着器24の第2再生ポート55Rから吸着器24の吸着筒51内の再生流路に流入する。
【0051】
アフタクーラ22では、アフタクーラ22を通過する再生ガス(再生ガスライン63の第1接続管66から第2接続管67に流れる再生ガス)とアフタクーラ22を通過する乾燥ガス(乾燥ガスライン16の第2接続管32から第3接続管33に流れる乾燥ガス)との間で熱交換が行われて、再生ガスが昇温し、乾燥ガスが降温する。アフタクーラ22で昇温した再生ガスは、再生ヒータ65でさらに加熱されることにより昇温する。この昇温した再生ガスが吸着器24の第2再生ポート55Rから吸着筒51内の再生流路に流入し、再生流路を通過して、吸着器24の第1再生ポート54Rから再生ガスライン63の再生ガス排出管68に流出する。
【0052】
吸着筒51における乾燥ガスから水分を吸着した高湿部分は、回転機構57による吸着筒51の回転により、乾燥領域から再生領域に移動する。吸着筒51内の再生流路を再生ガスが通過する際、高湿部分から再生ガスに水分が奪われ、高湿部分が高湿部分よりも吸着している水分量が少ない低湿状態に再生される。高湿部分から水分を脱離させるため、再生流路に流入する再生ガスの温度は、たとえば、180~250℃に設定される。
【0053】
乾燥ガスライン16の第5接続管35を流れる乾燥ガスの一部は、第1環流管61を流れ、吸着器24の第1冷却ポート54Cから冷却流路に流入する。冷却流路を通過した乾燥ガスは、吸着器24の第2冷却ポート55Cから第2環流管62に流出して、第2環流管62を流れる。
【0054】
吸着筒51における再生ガスの通過により低湿状態に再生された再生部分は、再生ガスで加熱されて昇温している。回転機構57による吸着筒51の回転により、その再生部分は、再生領域から冷却領域に移動する。第1冷却ポート54Cから冷却流路に流入する乾燥ガスが冷却流路を通過する際、再生部分が乾燥ガスにより冷却される。これにより、再生部分が乾燥領域で水分を吸着可能な温度に降温する。
【0055】
乾燥ホッパ11の下部は、下方に先細りとなる円錐状に形成されており、その下端には、排出口81が形成されている。乾燥ホッパ11には、排出口81を開閉するゲートシャッタ82が設けられている。ゲートシャッタ82が閉じられて、排出口81が閉鎖された状態で、乾燥ホッパ11内に、ローダホッパ12から供給される粉粒体を貯留することができる。排出口81には、排出分岐管83が接続されている。乾燥ホッパ11内に粉粒体が貯留されている状態から、ゲートシャッタ82が開かれて、排出口81が開放されると、乾燥ホッパ11内の粉粒体が排出口81から排出分岐管83に排出される。
【0056】
脱湿乾燥機2には、1次輸送管84および2次輸送管85が設けられている。
【0057】
1次輸送管84の一端は、ローダホッパ12の側壁に接続されて、1次輸送管84は、ローダホッパ12内と連通している。1次輸送管84の他端は、吸込管86に接続されている。1次輸送管84は、粉粒体を貯留した原料タンク(図示せず)に向けて延び、吸込管86は、原料タンク内に貯留されている粉粒体内に配置される。
【0058】
2次輸送管85の一端は、排出分岐管83に接続されて、2次輸送管85は、排出分岐管83と連通している。粉粒体の輸送先である成形機の上方には、成形機に投入される粉粒体を貯留する輸送先ホッパが設けられている。2次輸送管85の他端は、輸送先ホッパの側壁に接続されて、2次輸送管85は、輸送先ホッパ内と連通している。
【0059】
また、脱湿乾燥機2は、1次2次切替弁91、集塵サイクロン92、輸送フィルタ93、輸送ブロワ94および切替弁95を備えている。
【0060】
1次2次切替弁91は、1次入力ポート96、2次入力ポート97および出力ポート98を有している。1次2次切替弁91には、1次入力ポート96および2次入力ポート97を個別に開閉する弁体が設けられている。1次2次切替弁91は、それらの弁体の位置により、2次入力ポート97を閉鎖し、1次入力ポート96を開放して、弁箱内で1次入力ポート96と出力ポート98とを連通させる1次輸送位置と、1次入力ポート96を閉鎖し、2次入力ポート97を開放して、弁箱内で2次入力ポート97と出力ポート98とを連通させる2次輸送位置とに切り替えられる。
【0061】
1次入力ポート96には、1次吸引管101の一端が接続されている。1次吸引管101の他端は、ローダホッパ12の上壁に接続されており、1次吸引管101は、ローダホッパ12内と連通している。2次入力ポート97には、2次吸引管102の一端が接続されている。2次吸引管102の他端は、輸送先ホッパの上壁に接続されており、2次吸引管102は、輸送先ホッパ内と連通している。
【0062】
出力ポート98には、第1共通吸引管103の一端が接続されている。第1共通吸引管103の他端は、集塵サイクロン92の入口104に接続されている。集塵サイクロン92の出口105には、第2共通吸引管106の一端が接続されている。第2共通吸引管106の他端は、輸送フィルタ93の入口107に接続されている。輸送フィルタ93の出口108には、第3共通吸引管109の一端が接続されている。第3共通吸引管109の他端は、輸送ブロワ94の吸込口111に接続されている。輸送ブロワ94の吹出口112には、第4共通吸引管113の一端が接続されている。
【0063】
切替弁95は、入力ポート114、循環出力ポート115、大気開放ポート116および乾燥導入ポート117を有している。切替弁95には、循環出力ポート115、大気開放ポート116および乾燥導入ポート117を個別に開閉する弁体が設けられている。切替弁95は、それらの弁体の位置により、大気開放ポート116を閉鎖し、循環出力ポート115および乾燥導入ポート117を開放して、弁箱内で入力ポート114と循環出力ポート115および乾燥導入ポート117とを連通させる循環位置と、循環出力ポート115および乾燥導入ポート117を閉鎖し、大気開放ポート116を開放して、弁箱内で入力ポート114と大気開放ポート116とを連通させる開放位置と、循環出力ポート115および大気開放ポート116を閉鎖し、乾燥導入ポート117を開放して、弁箱内で入力ポート114と乾燥導入ポート117とを連通させる乾燥導入位置とに切り替えられる。
【0064】
入力ポート114には、第4共通吸引管113の他端が接続されている。すなわち、第4共通吸引管113の一端は、輸送ブロワ94の吹出口112に接続され、その他端は、切替弁95の入力ポート114に接続されている。循環出力ポート115には、循環接続管118の一端が接続されている。循環接続管118の他端は、排出分岐管83に接続されて、循環接続管118は、排出分岐管83と連通している。乾燥導入ポート117には、乾燥接続管119の一端が接続されている。乾燥接続管119の他端は、乾燥ガスライン16の第4接続管34に分岐して接続され、乾燥接続管119は、第4接続管34と連通している。
【0065】
原料タンクからローダホッパ12に粉粒体が供給される際には、切替弁95が開放位置にされ、1次2次切替弁91が1次輸送位置にされる。輸送ブロワ94が駆動されると、第4共通吸引管113に輸送ブロワ94の吹出口112から切替弁95の入力ポート114に向かう気流が発生し、その気流の発生により、1次吸引管101、第1共通吸引管103、第2共通吸引管106および第3共通吸引管109に負圧が発生する。そして、その負圧により、原料タンク内の粉粒体が吸込管86に吸い込まれ、吸込管86から1次輸送管84を通してローダホッパ12内に供給される。第4共通吸引管113に発生した気流は、切替弁95の弁箱内を通過し、開放されている大気開放ポート116から大気に放出される。
【0066】
粉粒体の乾燥後、乾燥ホッパ11から輸送先ホッパに粉粒体が輸送される際には、切替弁95が循環位置にされ、1次2次切替弁91が2次輸送位置にされる。そして、輸送ブロワ94が駆動される。輸送ブロワ94が駆動されると、第4共通吸引管113に輸送ブロワ94の吹出口112から切替弁95の入力ポート114に向かう気流が発生し、その気流の発生により、2次吸引管102、第1共通吸引管103、第2共通吸引管106および第3共通吸引管109に負圧が発生する。一方、第4共通吸引管113に発生した気流は、切替弁95の弁箱内を通過し、切替弁95の循環出力ポート115から循環接続管118および排出分岐管83をこの順に流れ、排出分岐管83から2次輸送管85を流れる。また、第4共通吸引管113に発生した気流は、切替弁95の弁箱内を通過し、切替弁95の乾燥導入ポート117から乾燥接続管119、乾燥ガスライン16の第4接続管34、吸着器24の吸着筒51内の乾燥流路、乾燥ガスライン16の第5接続管35および第6接続管36、ならびに乾燥ガス導入管15をこの順に流れ、乾燥ガス導入管15の先端の乾燥ガス入口13から乾燥ホッパ11内に吹き出す。乾燥ホッパ11のゲートシャッタ82が開かれて、乾燥ホッパ11の排出口81が開放されると、乾燥ホッパ11内の粉粒体が排出口81から排出分岐管83に排出される。そして、排出分岐管83に排出された粉粒体は、排出分岐管83および2次輸送管85を気流に乗って輸送先ホッパに向けて輸送される。
【0067】
このとき、第5接続管35から第6接続管36に流れる気流が乾燥ヒータ25により加熱されることが好ましく、これにより、脱湿および昇温した気流が乾燥ホッパ11内から排出口81を通して排出分岐管83に供給されるので、粉粒体を輸送する気流を低湿度に保つことができる。
【0068】
第1共通吸引管103から輸送ブロワ94に向かう気流に含まれる粉塵などの異物は、その気流が集塵サイクロン92および輸送フィルタ93を通過する際に捕集される。集塵サイクロン92内では、気流が旋回し、遠心力と重力とにより、気流から異物が分離して、異物が集塵サイクロン92の下端に接続された捕集ボックスに貯留される。
【0069】
粉粒体の添加剤にVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)が含まれている場合、そのVOCが粉粒体の乾燥に伴って揮発するので、乾燥ガスライン16を循環する乾燥ガスには、粉粒体から揮発したVOCが含まれる。乾燥ガスライン16を循環する乾燥ガスに含まれるVOCの一部が吸着器24の吸着筒51(吸着材)に付着するため、吸着器24の第2再生ポート55Rから再生ガスライン63の再生ガス排出管68に排出される再生ガスにも、VOCが含まれる。
【0070】
<ガス浄化装置>
ガス浄化装置3は、脱湿乾燥機2の再生ガス排出管68に接続されて、再生ガス排出管68を流れる再生ガスを浄化対象ガスとして浄化する装置である。
【0071】
ガス浄化装置3には、浄化対象ガス取込管121が設けられている。また、ガス浄化装置3は、触媒ヒータ122、触媒ユニット123およびアフタクーラ124を備えている。浄化対象ガス取込管121の一端は、触媒ヒータ122の入口125に接続されている。浄化対象ガス取込管121の他端には、再生ガス排出管68の先端が接続されて、再生ガス排出管68は、浄化対象ガス取込管121と連通する。
【0072】
触媒ユニット123は、ケース内に触媒(たとえば、白金)を担持した担体が収容された構成を有している。触媒ヒータ122の出口126は、触媒ユニット123のケースに形成された入口127に接続されている。また、ガス浄化装置3には、第1浄化ガス排出管131および第2浄化ガス排出管132が設けられている。触媒ユニット123のケースに形成された出口128には、第1浄化ガス排出管131の一端が接続されている。第1浄化ガス排出管131の他端は、アフタクーラ124の第1入口133に接続されている。第2浄化ガス排出管132は、一端がアフタクーラ124の第1出口134に接続され、他端がガス浄化装置3の筐体5の外部で大気に開放されている。アフタクーラ124の第1入口133と第1出口134とは、アフタクーラ124内で連通している。
【0073】
また、ガス浄化装置3の筐体5内には、再生ガスライン63の第2接続管67が引き込まれている。第2接続管67は、一端が脱湿乾燥機2のアフタクーラ22の第2出口75に接続された第1部分と、一端が脱湿乾燥機2の再生ヒータ65の入口76に接続された第2部分とに分断されている。そして、第2接続管67の第1部分の他端がアフタクーラ124の第2入口135に接続され、第2接続管67の第2部分の他端がアフタクーラ124の第2出口136に接続されている。アフタクーラ124の第2入口135と第2出口136とは、アフタクーラ124内で連通している。
【0074】
再生ガス排出管68から浄化対象ガス取込管121に流入する浄化対象ガス(再生ガス)は、触媒ヒータ122により加熱されて、200~300℃に昇温した後、触媒ユニット123内の触媒に接触しつつ、触媒ユニット123を通過する。その際、触媒の分解作用により、浄化対象ガスに含まれる除去対象成分であるVOCの化学分解が生じ、触媒ユニット123を通過する浄化対象ガスからVOCが除去されて、浄化対象ガスが浄化されたガスとなる。
【0075】
触媒ユニット123を通過した浄化されたガスは、アフタクーラ124を通過する。一方、脱湿乾燥機2の再生ガスライン63の第2接続管67を流れる再生ガスがアフタクーラ124を通過する。アフタクーラ124では、浄化されたガスと第2接続管67を流れる再生ガスとの間で熱交換が行われて、再生ガスが昇温し、浄化されたガスが降温する。その結果、浄化されたガスは、110℃以下、たとえば、92~93℃に低下した状態で、第2浄化ガス排出管132を通して大気に排出される。
【0076】
また、ガス浄化装置3には、浄化対象ガス取込管121から触媒ヒータ122の入口125に入る浄化対象ガスの温度を検出する温度センサ137が設けられている。
【0077】
<粉粒体処理装置の電気的構成>
図2は、粉粒体処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【0078】
脱湿乾燥機2およびガス浄化装置3は、それぞれ制御部141,142を備えている。制御部141,142はいずれも、マイコン(マイクロコントローラ)を含む構成であり、マイコンには、たとえば、CPUと、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのメモリとが内蔵されている。制御部141と制御部142とは、双方向に通信可能に接続されている。
【0079】
脱湿乾燥機2の制御部141は、乾燥ブロワ23、乾燥ヒータ25、回転機構57のモータ56、再生ブロワ64、再生ヒータ65、ゲートシャッタ82、1次2次切替弁91、輸送ブロワ94および切替弁95の動作を制御する。
【0080】
ガス浄化装置3の制御部142には、温度センサ137の検出信号が入力される。制御部142は、温度センサ137の検出信号などに基づいて、触媒ヒータ122の動作を制御する。
【0081】
<ガス浄化装置の運転制御>
図3は、ガス浄化装置3の制御部142により実行されるメインルーチンの流れを示すフローチャートである。
【0082】
ガス浄化装置3では、制御部142により、
図3に示されるメインルーチンが実行される。
【0083】
メインルーチンでは、脱湿乾燥機2の制御部141から乾燥運転信号が入力されたか否かが判断される(ステップS1)。乾燥運転信号は、脱湿乾燥機2が運転していることを表す信号であり、たとえば、乾燥ブロワ23の運転中(作動中)、制御部141からガス浄化装置3の制御部142に入力される。
【0084】
脱湿乾燥機2の制御部141からガス浄化装置3の制御部142に乾燥運転信号が入力されるまでは(ステップS1のNO)、ガス浄化装置3の運転は開始されず、後述する運転制御処理は実行されない。
【0085】
脱湿乾燥機2の制御部141から乾燥運転信号が入力されると(ステップS1のYES)、ガス浄化装置3の運転がスタンバイ状態とされて(ステップS2)、運転制御処理が実行される(ステップS3)。
【0086】
図4は、運転制御処理(サブルーチン)の流れを示すフローチャートである。
【0087】
運転制御処理は、ガス浄化装置3の運転を制御するための処理であり、ガス浄化装置3の制御部142により実行される。
【0088】
運転制御処理では、温度センサ137による検出温度、つまり触媒ヒータ122の入口125に入る浄化対象ガスの温度が予め設定された第1所定値未満から第1所定値以上に上昇したか否かが繰り返し判断される(ステップS31)。第1所定値は、脱湿乾燥機2で吸着器24の第2再生ポート55Rから吸着筒51内の再生流路に流入する再生ガスの設定温度よりも低い温度、たとえば、50~120℃の温度範囲内の値に設定される。
【0089】
温度センサ137による検出温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると(ステップS31のYES)、触媒ヒータ122の運転が開始される(ステップS32)。触媒ヒータ122の運転の開始により、ガス浄化装置3による浄化対象ガスを浄化する処理、つまり触媒ヒータ122および触媒ユニット123からなる除去処理部により浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が開始される。
【0090】
触媒ヒータ122の運転中は、温度センサ137による検出温度が予め設定された第2所定値以上から第2所定値未満に低下したか否かが繰り返し判断される(ステップS33)。第2所定値は、第1所定値と同じ値であってもよいし、第1所定値よりも小さい値であってもよい。脱湿乾燥機2において、粉粒体を乾燥させる処理が終了するか、または、乾燥ヒータ25の故障などの異常が発生すると、脱湿乾燥機2の運転が停止し、温度センサ137による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下する。
【0091】
温度センサ137による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下すると(ステップS33のYES)、触媒ヒータ122の運転が停止される(ステップS34)。触媒ヒータ122の運転の停止により、触媒作用によるVOCの除去が停止し、浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が停止する。これにより、運転制御処理が終了となる。
【0092】
<作用効果>
脱湿乾燥機2の運転が開始されると、乾燥ブロワ23および乾燥ヒータ25が作動し、乾燥ガスライン16を流れる乾燥ガスの温度が上昇する。また、再生ブロワ64および再生ヒータ65が作動し、再生ガスライン63の再生ガス排出管68を流れる再生ガスの温度が上昇する。そのため、再生ガス排出管68から浄化対象ガス取込管121に流入する再生ガスの温度が上昇し、温度センサ137により検出される温度、つまり浄化対象ガス取込管121から触媒ヒータ122の入口125に入る浄化対象ガス(再生ガス)の温度が上昇する。
【0093】
脱湿乾燥機2の運転が開始されても、温度センサ137により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまでは、ガス浄化装置3(触媒ヒータ122)の運転が開始されず、浄化対象ガスから処理対象成分であるVOCを除去する除去処理が開始されない。
【0094】
第1所定値は、脱湿乾燥機2で吸着器24の第2再生ポート55Rから吸着筒51内の再生流路に流入する再生ガスの設定温度よりも低い温度、たとえば、80~120℃の温度範囲内の値に設定される。一方、乾燥ヒータ25の加熱による昇温後の乾燥ガスの温度は、たとえば、60~160℃に設定されている。ところが、脱湿乾燥機2の運転の開始後、乾燥ホッパ11内の粉粒体が昇温するまで、粉粒体が乾燥ガスライン16を流れる乾燥ガスから熱を奪うので、乾燥ガスライン16を流れる乾燥ガスの温度よりも、再生ガスライン63の再生ガス排出管68を流れる再生ガスの温度が上がりやすい。そのため、温度センサ137により検出される温度が第1所定値未満である状態では、乾燥ガスライン16を流れる乾燥ガスの温度が十分に昇温しておらず、粉粒体の添加剤に除去対象成分であるVOCが含まれていても、粉粒体からの揮発によるVOCの発生量が0または0に近いと推定される。また、第1所定値が吸着筒51内の再生流路に流入する再生ガスの設定温度よりも小さい値に設定されているので、吸着筒51にVOCが付着していても、吸着筒51からの揮発によるVOCの発生量も0または0に近いと推定される。
【0095】
したがって、脱湿乾燥機2の運転の開始後、温度センサ137により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまでの間、ガス浄化装置3の運転が開始されず、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始されないことにより、除去処理が無駄に実行されることを抑制できる。すなわち、温度センサ137により検出される温度が第1所定値未満である間、触媒ヒータ122による浄化対象ガスの昇温が開始されないことにより、VOCを含まない浄化対象ガスが無駄に昇温されることを抑制できる。その結果、ガス浄化装置3で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置3、ひいては粉粒体処理装置1のランニングコストを低減することができる。
【0096】
脱湿乾燥機2の運転の開始後、温度センサ137により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると、ガス浄化装置3(触媒ヒータ122)の運転が開始されて、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始される。温度センサ137により検出される温度が第1所定値以上に上昇してから、触媒ヒータ122による浄化対象ガスの昇温が開始されることにより、浄化対象ガスの温度が触媒による分解作用が良好に発揮される温度まで上昇するのに要するエネルギーを低減できる。その結果、ガス浄化装置3で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置3、ひいては粉粒体処理装置1のランニングコストをさらに低減することができる。もちろん、浄化対象ガスからVOCが除去されるので、VOCが粉粒体処理装置1の周辺に放出されることによる環境の悪化を抑制できる。
【0097】
温度センサ137により検出される温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下すると、触媒ヒータ122の運転が停止されて、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が停止される。温度センサ137により検出される温度が第2所定値未満に低下すると、第2所定値が吸着筒51内の再生流路に流入する再生ガスの設定温度よりも小さい値に設定されているので、吸着筒51にVOCが付着していても、吸着筒51からの揮発によるVOCの発生量が0または0に近いと推定される。よって、温度センサ137により検出される温度が第2所定値未満に低下したことに応じて、ガス浄化装置3による除去処理が停止さることにより、除去処理が無駄に継続して実行されることを抑制できる。その結果、ガス浄化装置3で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置3、ひいては粉粒体処理装置1のランニングコストを低減することができる。
【0098】
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係る粉粒体処理装置151の構成を図解的に示す図である。
図5において、
図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、
図1に示される構成との相違点を中心に説明する。
【0099】
粉粒体処理装置151は、
図1に示される粉粒体処理装置1と同様、プラスチック製品の製造設備に含まれて、プラスチック製品の原料となるプラスチックペレットなどの粉粒体を処理する装置である。粉粒体処理装置151は、筐体152を備え、筐体152内に、
図1に示される脱湿乾燥機2およびガス浄化装置3と同等の構成を備えている。
【0100】
粉粒体処理装置151では、再生ガスライン63に第3接続管153が含まれ、再生ヒータ65の出口77に第3接続管153の一端が接続されている。第3接続管153の他端は、吸着器24の第1再生ポート54Rに接続されている。再生ガスライン63の再生ガス排出管68の一端は、吸着器24の第2再生ポート55Rに接続されている。
【0101】
また、粉粒体処理装置151では、
図1に示される構成のうち、切替弁95の乾燥導入ポート117と、乾燥導入ポート117に接続される乾燥接続管119が省略されている。
【0102】
粉粒体処理装置151は、触媒ヒータ154、触媒ユニット155およびアフタクーラ156を備えている。また、粉粒体処理装置151には、接続管157、第1浄化ガス排出管158および第2浄化ガス排出管159が設けられている。
【0103】
再生ガス排出管68の他端、触媒ヒータ154の入口161に接続されている。触媒ヒータ154の出口162には、接続管157の一端が接続されている。触媒ユニット155は、ケース内に触媒を担持した担体が収容された構成を有している。接続管157の他端は、触媒ユニット155のケースに形成された入口163に接続されている。触媒ユニット155のケースに形成された出口164には、第1浄化ガス排出管158の一端が接続されている。第1浄化ガス排出管158の他端は、アフタクーラ156の第1入口165に接続されている。第2浄化ガス排出管132は、一端がアフタクーラ156の第1出口166に接続され、他端が筐体152の外部で大気に開放されている。アフタクーラ156の第1入口165と第1出口166とは、アフタクーラ156内で連通している。
【0104】
また、再生ガスライン63の第2接続管67は、一端がアフタクーラ22の第2出口75に接続された第1部分と、一端が再生ヒータ65の入口76に接続された第2部分とに分断されている。そして、第2接続管67の第1部分の他端がアフタクーラ156の第2入口167に接続され、第2接続管67の第2部分の他端がアフタクーラ156の第2出口168に接続されている。アフタクーラ156の第2入口167と第2出口168とは、アフタクーラ156内で連通している。
【0105】
再生ガス排出管68を流れる再生ガスは、触媒ヒータ154および触媒ユニット155からなる除去処理部による浄化処理の対象となる浄化対象ガスであり、その再生ガスは、触媒ヒータ154により加熱されて、200~300℃に昇温した後、触媒ユニット155内の触媒に接触しつつ、触媒ユニット155を通過する。その際、触媒の分解作用により、浄化対象ガスに含まれる除去対象成分であるVOCの化学分解が生じ、触媒ユニット155を通過する浄化対象ガスからVOCが除去されて、浄化対象ガスが浄化されたガスとなる。
【0106】
触媒ユニット155を通過した浄化されたガスは、アフタクーラ156を通過する。一方、脱湿乾燥機2の再生ガスライン63の第2接続管67を流れる再生ガスがアフタクーラ156を通過する。アフタクーラ156では、浄化されたガスと第2接続管67を流れる再生ガスとの間で熱交換が行われて、再生ガスが昇温し、浄化されたガスが降温する。その結果、浄化されたガスは、110℃以下、たとえば、92~93℃に低下した状態で、第2浄化ガス排出管132を通して大気に排出される。
【0107】
また、ガス浄化装置3には、吸着器24の第1再生ポート54Rから吸着筒51(再生領域)に入る再生ガスの温度を検出する温度センサ169が設けられている。
【0108】
<粉粒体処理装置の電気的構成>
図6は、粉粒体処理装置151の電気的構成を示すブロック図である。
【0109】
粉粒体処理装置151は、制御部170を備えている。制御部170は、マイコン(マイクロコントローラ)を含む構成であり、マイコンには、たとえば、CPUと、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのメモリとが内蔵されている。
【0110】
制御部170には、温度センサ169の検出信号が入力される。制御部170は、温度センサ169の検出信号などに基づいて、乾燥ブロワ23、乾燥ヒータ25、回転機構57のモータ56、再生ブロワ64、再生ヒータ65、ゲートシャッタ82、1次2次切替弁91、輸送ブロワ94、切替弁95および触媒ヒータ154の動作を制御する。
【0111】
<粉粒体処理装置の運転制御>
粉粒体処理装置151では、制御部170により、粉粒体処理装置151の運転を制御するための運転制御処理が実行される。
【0112】
運転制御処理では、温度センサ169による検出温度、つまり吸着器24の第1再生ポート54Rから吸着筒51(再生領域)に入る再生ガスの温度が予め設定された第1所定値未満から第1所定値以上に上昇したか否かが繰り返し判断される(
図4のステップS31)。第1所定値は、吸着器24の第1再生ポート54Rから吸着筒51内の再生流路に流入する再生ガスの設定温度よりも低い温度、たとえば、50~120℃の温度範囲内の値に設定される。
【0113】
温度センサ169による検出温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると(
図4のステップS31のYES)、触媒ヒータ154の運転が開始される(
図4のステップS32)。触媒ヒータ154の運転の開始により、浄化対象ガスを浄化する処理、つまり触媒ヒータ154および触媒ユニット244からなる除去処理部により浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が開始される。
【0114】
触媒ヒータ154の運転中は、温度センサ169による検出温度が予め設定された第2所定値以上から第2所定値未満に低下したか否かが繰り返し判断される(
図4のステップS33)。第2所定値は、第1所定値と同じ値であってもよいし、第1所定値よりも小さい値であってもよい。粉粒体を乾燥させる処理が終了するか、または、乾燥ヒータ25の故障などの異常が発生すると、乾燥ブロワ23、乾燥ヒータ25、再生ブロワ64および再生ヒータ65の運転が停止し、温度センサ169による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下する。
【0115】
温度センサ169による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下すると(
図4のステップS33のYES)、触媒ヒータ154の運転が停止される(
図4のステップS34)。触媒ヒータ154の運転の停止により、触媒作用によるVOCの除去が停止し、浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が停止する。これにより、運転制御処理が終了となる。
【0116】
<作用効果>
粉粒体処理装置151の構成によっても、粉粒体処理装置1と同様の効果を奏することができる。
【0117】
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係る粉粒体処理装置171の構成を図解的に示す図である。
図7において、
図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、
図1に示される構成との相違点を中心に説明する。また、
図7では、粉粒体の1次輸送および2次輸送に関する構成の図示が省略され、以下では、その構成についての説明が省略されているが、粉粒体処理装置171(脱湿乾燥機172)にも、その省略された構成が備えられている。
【0118】
粉粒体処理装置171は、
図1に示される粉粒体処理装置1と同様、プラスチック製品の製造設備に含まれて、プラスチック製品の原料となるプラスチックペレットなどの粉粒体を処理する装置である。粉粒体処理装置171は、脱湿乾燥機172およびガス浄化装置173を含む。
【0119】
<脱湿乾燥機>
脱湿乾燥機172では、
図1に示される構成のうち、第1環流管61および第2環流管62が省略されている。そして、脱湿乾燥機172では、乾燥ガスライン16の第4接続管34の一端が乾燥ブロワ23の吹出口46に接続され、第4接続管34の他端は、2本に分岐して、吸着器24の第2乾燥ポート55Dおよび第2冷却ポート55Cに接続されている。また、吸着器24の第1冷却ポート54Cには、環流管174の一端が接続されている。環流管174の他端は、乾燥ガスライン16の第2接続管32に分岐して接続されている。
【0120】
さらに、乾燥ガスライン16の第1接続管31の途中部には、ラインフィルタ175が介装されている。第1接続管31を流れる乾燥ガスがラインフィルタ175を通過することにより、乾燥ガスから異物が除去される。
【0121】
<ガス浄化装置>
ガス浄化装置173は、脱湿乾燥機172の乾燥ガスライン16の第1接続管31に接続されて、第1接続管31を流れる乾燥ガスを浄化対象ガスとして浄化する装置である。
【0122】
ガス浄化装置173には、浄化対象ガス取込管181が設けられている。浄化対象ガス取込管181の一端は、乾燥ガスライン16の第1接続管31の途中部であって、ラインフィルタ175と乾燥フィルタ21との間の位置に分岐して接続されて、浄化対象ガス取込管181は、第1接続管31と連通している。
【0123】
また、ガス浄化装置173は、アフタクーラ182、触媒ヒータ183および触媒ユニット184を備えている。また、ガス浄化装置173には、接続管185、第1浄化ガス戻し管186および第2浄化ガス戻し管187が設けられている。
【0124】
浄化対象ガス取込管181の他端は、アフタクーラ182の第1入口188に接続されている。接続管185の一端は、アフタクーラ182の第2出口189に接続されている。アフタクーラ182の第1入口188と第1出口249とは、アフタクーラ182内で連通している。接続管185の他端は、触媒ヒータ183の入口191に接続されている。
【0125】
触媒ユニット184は、ケース内に触媒を担持した担体が収容された構成を有している。触媒ヒータ183の出口192は、触媒ユニット184のケースに形成された入口193に接続されている。触媒ユニット184のケースに形成された出口194には、第1浄化ガス戻し管186の一端が接続されている。第1浄化ガス戻し管186の他端は、アフタクーラ182の第2入口195に接続されている。第2浄化ガス戻し管187は、一端がアフタクーラ182の第2出口196に接続され、他端が乾燥ガスライン16の第1接続管31の途中部であって、浄化対象ガス取込管181の接続部分と乾燥フィルタ21との間の位置に分岐して接続されて、第1接続管31と連通している。アフタクーラ182の第2入口195と第2出口196とは、アフタクーラ182内で連通している。
【0126】
第1接続管31から浄化対象ガス取込管181に流入する浄化対象ガス(乾燥ガス)は、アフタクーラ182および触媒ヒータ183を順に通過する。浄化対象ガスは、触媒ヒータ183により加熱されて、200~300℃に昇温した後、触媒ユニット184内の触媒に接触しつつ、触媒ユニット184を通過する。その際、触媒の分解作用により、浄化対象ガスに含まれる除去対象成分であるVOCの化学分解が生じ、触媒ユニット184を通過する浄化対象ガスからVOCが除去されて、浄化対象ガスが浄化されたガスとなる。
【0127】
触媒ユニット184を通過した浄化されたガスは、アフタクーラ182を通過する。一方、アフタクーラ182では、浄化されたガスと浄化対象ガス取込管181から接続管185に流れる浄化対象ガスとの間で熱交換が行われて、浄化対象ガスが昇温し、浄化されたガスが降温する。その結果、浄化されたガスは、110℃以下、たとえば、92~93℃に低下した状態で、第2浄化ガス戻し管187を通して第1接続管31に戻される。
【0128】
また、ガス浄化装置173には、浄化対象ガス取込管181からアフタクーラ182の第1入口188に入る浄化対象ガスの温度を検出する温度センサ197が設けられている。
【0129】
<粉粒体処理装置の電気的構成>
脱湿乾燥機172およびガス浄化装置173は、
図2に示される脱湿乾燥機172およびガス浄化装置173と同様に、それぞれマイコンを含む構成の制御部を備えている。脱湿乾燥機172の制御部とガス浄化装置173の制御部とは、双方向に通信可能に接続されている。
【0130】
脱湿乾燥機172の制御部は、乾燥ブロワ23および乾燥ヒータ25など、脱湿乾燥機172の各部の動作を制御する。
【0131】
ガス浄化装置173の制御部には、温度センサ197の検出信号が入力される。ガス浄化装置173の制御部は、温度センサ197の検出信号などに基づいて、触媒ヒータ183の動作を制御する。
【0132】
<ガス浄化装置の運転制御>
ガス浄化装置173では、ガス浄化装置173の制御部により、脱湿乾燥機172の制御部から乾燥運転信号が入力されたか否かが判断される(
図3のステップS1)。乾燥運転信号は、脱湿乾燥機172が運転していることを表す信号であり、たとえば、乾燥ブロワ23の運転中(作動中)、熱風乾燥機202の制御部からガス浄化装置173の制御部に入力される。
【0133】
脱湿乾燥機172の制御部からガス浄化装置173の制御部に乾燥運転信号が入力されるまでは(
図3のステップS1のNO)、ガス浄化装置173の運転は開始されず、後述する運転制御処理は実行されない。
【0134】
脱湿乾燥機172の制御部からガス浄化装置173の制御部に乾燥運転信号が入力されると(
図3のステップS1のYES)、ガス浄化装置173の運転がスタンバイ状態とされて(
図3のステップS2)、運転制御処理が実行される(
図3のステップS3)。
【0135】
運転制御処理は、ガス浄化装置173の運転を制御するための処理であり、ガス浄化装置173の制御部により実行される。
【0136】
運転制御処理では、温度センサ197による検出温度、つまりアフタクーラ182の第1入口188に入る浄化対象ガスの温度が予め設定された第1所定値未満から第1所定値以上に上昇したか否かが繰り返し判断される(
図4のステップS31)。乾燥ヒータ25による加熱後の乾燥ガスの設定温度が60~160℃である場合、第1所定値は、その乾燥ガスの設定温度よりも低い温度、たとえば、30~130℃の温度範囲内の値(一例では、40℃)に設定される。
【0137】
温度センサ197による検出温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると(
図4のステップS31のYES)、触媒ヒータ183の運転が開始される(
図4のステップS32)。触媒ヒータ183の運転の開始により、ガス浄化装置173による浄化対象ガスを浄化する処理、つまり触媒ヒータ183および触媒ユニット184からなる除去処理部により浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が開始される。
【0138】
触媒ヒータ183の運転中は、温度センサ197による検出温度が予め設定された第2所定値以上から第2所定値未満に低下したか否かが繰り返し判断される(
図4のステップS33)。第2所定値は、第1所定値と同じ値であってもよいし、第1所定値よりも小さい値であってもよい。脱湿乾燥機172において、粉粒体を乾燥させる処理が終了するか、または、乾燥ヒータ25の故障などの異常が発生すると、脱湿乾燥機172の運転が停止し、温度センサ197による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下する。
【0139】
温度センサ197による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下すると(
図4のステップS33のYES)、触媒ヒータ183の運転が停止される(
図4のステップS34)。触媒ヒータ183の運転の停止により、触媒作用によるVOCの除去が停止し、浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が停止する。これにより、運転制御処理が終了となる。
【0140】
なお、浄化対象ガス取込管181と乾燥ガスライン16の第1接続管31との接続部分には、第1接続管31を流れる乾燥ガスの流通先を制御する分岐弁が介装されることが好ましい。
【0141】
この場合、分岐弁により、ガス浄化装置173の運転が停止した状態では、第1接続管31を切替弁に向けて流れる乾燥ガスがそのまま第1接続管31を流れ、ガス浄化装置173の運転中は、第1接続管31を切替弁に向けて流れる乾燥ガスが浄化対象ガス取込管181に流れるように、乾燥ガスの流通先が切り替えられてもよい。こうすることにより、ガス浄化装置173の運転停止中、乾燥ガスがガス浄化装置173に無駄に流れ込むことが阻止され、脱湿乾燥機172における乾燥ヒータ25による乾燥ガスの昇温に要するエネルギーを低減できる。
【0142】
また、ガス浄化装置173の運転中、第1接続管31を切替弁に向けて流れる乾燥ガスの一部(たとえば、乾燥ガスの流量の1/5)が浄化対象ガス取込管181に流れ、乾燥ガスの残りが第1接続管31をそのまま流れるように、分岐弁により、浄化対象ガス取込管181を流れる流量と分岐弁から第1接続管31に流れる乾燥ガスの流量とが調節されてもよい。こうすることにより、ガス浄化装置173の運転中、ガス浄化装置173で乾燥ガスから奪われる熱量を低減でき、脱湿乾燥機172における乾燥ヒータ25による乾燥ガスの昇温に要するエネルギーを低減できる。
【0143】
<作用効果>
脱湿乾燥機172の運転が開始されると、乾燥ブロワ23および乾燥ヒータ25が作動し、乾燥ガスライン16を流れる乾燥ガスの温度が上昇する。
【0144】
脱湿乾燥機172の運転が開始されても、温度センサ197により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまでは、ガス浄化装置173(触媒ヒータ183)の運転が開始されず、浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が開始されない。
【0145】
第1所定値は、乾燥ヒータ25による加熱後の乾燥ガスの設定温度よりも低い温度の値に設定される。そのため、温度センサ197により検出される温度が第1所定値未満である状態では、乾燥ガスライン16を流れる乾燥ガスの温度が十分に昇温しておらず、粉粒体の添加剤に除去対象成分であるVOCが含まれていても、粉粒体からの揮発によるVOCの発生量が0または0に近いと推定される。
【0146】
したがって、脱湿乾燥機172の運転の開始後、温度センサ197により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまでの間、ガス浄化装置173の運転が開始されず、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始されないことにより、除去処理が無駄に実行されることを抑制できる。すなわち、温度センサ197により検出される温度が第1所定値未満である間、触媒ヒータ183による浄化対象ガスの昇温が開始されないことにより、VOCを含まない浄化対象ガスが無駄に昇温されることを抑制できる。その結果、ガス浄化装置173で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置173、ひいては粉粒体処理装置171のランニングコストを低減することができる。
【0147】
脱湿乾燥機172の運転の開始後、温度センサ197により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると、ガス浄化装置173(触媒ヒータ183)の運転が開始されて、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始される。
【0148】
粉粒体の乾燥により粉粒体からVOCが揮発する場合、乾燥ホッパ11内および乾燥ガスライン16を循環する乾燥ガスにVOCが含まれるので、そのままにしておくと、乾燥ガスライン16を構成する管路内に除去対象成分が析出して固着し、脱湿乾燥機172の性能の低下や劣化を招くおそれがある。乾燥ガスライン16(第1接続管31)から浄化対象ガス取込管181に流入する乾燥ガスを浄化対象ガスとして、温度センサ197により検出される温度が第1所定値以上に上昇したことに応じて、その浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始されることにより、乾燥ガスライン16を構成する管路内に除去対象成分が析出することを抑制でき、脱湿乾燥機172の性能の低下や劣化を抑制することができる。しかも、温度センサ197により検出される温度が第1所定値以上に上昇してから、触媒ヒータ183による浄化対象ガスの昇温が開始されることにより、浄化対象ガスの温度が触媒による分解作用が良好に発揮される温度まで上昇するのに要するエネルギーを低減できる。その結果、ガス浄化装置173で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置173、ひいては粉粒体処理装置171のランニングコストをさらに低減することができる。
【0149】
温度センサ197により検出される温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下すると、触媒ヒータ183の運転が停止されて、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が停止される。温度センサ197により検出される温度が第2所定値未満に低下すると、第2所定値が乾燥ヒータ25による加熱後の乾燥ガスの設定温度よりも低い温度の値に設定されているので、粉粒体の添加剤に除去対象成分であるVOCが含まれていても、粉粒体からの揮発によるVOCの発生量が0または0に近いと推定される。よって、温度センサ197により検出される温度が第2所定値未満に低下したことに応じて、ガス浄化装置173による除去処理が停止さることにより、除去処理が無駄に継続して実行されることを抑制できる。その結果、ガス浄化装置173で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置173、ひいては粉粒体処理装置171のランニングコストを低減することができる。
【0150】
[第4実施形態]
図8は、本発明の第4実施形態に係る粉粒体処理装置201の構成を図解的に示す図である。
図8では、粉粒体の1次輸送および2次輸送に関する構成の図示が省略され、以下では、その構成についての説明が省略されているが、粉粒体処理装置201にも、その省略された構成が備えられている。
【0151】
粉粒体処理装置201は、
図1に示される粉粒体処理装置1と同様、プラスチック製品の製造設備に含まれて、プラスチック製品の原料となるプラスチックペレットなどの粉粒体を処理する装置である。粉粒体処理装置201は、熱風乾燥機202およびガス浄化装置203を含む。熱風乾燥機202およびガス浄化装置203は、それぞれ筐体204,205を備えている。
【0152】
<熱風乾燥機>
熱風乾燥機202は、粉粒体を乾燥させて、その乾燥した粉粒体を成形機に輸送する装置である。熱風乾燥機202は、乾燥ホッパ211と、乾燥ホッパ211の上方に配置されるローダホッパ212とを備えている。粉粒体は、ローダホッパ212から乾燥ホッパ211に供給されて、乾燥ホッパ211内に収容(貯留)された状態で乾燥された後、乾燥ホッパ211から成形機に輸送される。
【0153】
乾燥ホッパ211は、乾燥ガス入口213および乾燥ガス出口214を有している。乾燥ホッパ211の側壁には、乾燥ガス導入管215が貫通している。乾燥ガス導入管215は、乾燥ホッパ211内で下方に屈曲して延び、その下端部が下方ほど広がる円錐状に形成されており、乾燥ガス入口213は、その円錐状の下端部の下端が開放されることにより形成されている。乾燥ガス出口214は、乾燥ホッパ211の側壁であって、乾燥ガス導入管215よりも上方の位置に形成されている。
【0154】
乾燥ガス導入管215の他端には、乾燥ガスライン216の一端が接続されている。乾燥ガスライン216の他端は、乾燥ガス出口214に接続されている。乾燥ガスライン216の一端が乾燥ガス導入管215を介して乾燥ガス入口213に接続され、乾燥ガスライン216の他端が乾燥ガス出口214に接続されることにより、乾燥ガスライン216は、乾燥ホッパ211内と連通して、乾燥ガスを循環させる循環路を形成している。
【0155】
熱風乾燥機202は、乾燥排気フィルタ221、乾燥ブロワ222および乾燥ヒータ223を備えている。乾燥ガスライン216は、乾燥排気フィルタ221、乾燥ブロワ222および乾燥ヒータ223を乾燥ガス出口214側からその順で経由している。具体的には、乾燥ガスライン216は、第1接続管224、第2接続管225、第3接続管226および第4接続管227を含む。第1接続管224の一端は、乾燥ガス出口214に接続され、第1接続管224の他端は、乾燥排気フィルタ221の入口231に接続されている。第2接続管225の一端は、乾燥排気フィルタ221の出口232に接続され、第2接続管225の他端は、乾燥ブロワ222の吸込口233に接続されている。第3接続管226の一端は、乾燥ブロワ222の吹出口234に接続され、第3接続管226の他端は、乾燥ヒータ223の入口235に接続されている。第4接続管227の一端は、乾燥ヒータ223の出口236に接続され、第4接続管227の他端は、乾燥ガス導入管215に接続されている。
【0156】
第4接続管227の途中部には、環流管228の一端が接続されている。環流管228の他端は、第2接続管225の途中部に分岐して接続されている。また、第2接続管225の途中部には、環流管228の分岐接続位置よりも乾燥排気フィルタ221側の位置に、乾燥ガス排出管229の一端が分岐して接続されている。さらに、第2接続管225の途中部には、環流管228および乾燥ガス排出管229の分岐接続位置よりも乾燥ブロワ222側の位置に、外気取込管237の一端が分岐して接続されている。外気取込管237の他端は、乾燥吸気フィルタ238を介して大気に開放されている。
【0157】
乾燥ブロワ222が駆動されると、乾燥ガスライン216の第3接続管226に、乾燥ブロワ222の吹出口234から乾燥ヒータ223に向かう乾燥ガスの気流が発生する。その気流により、乾燥ガスは、乾燥ヒータ223を通過して、乾燥ガスライン216の第4接続管227を流れる。乾燥ガスは、乾燥ヒータ223を通過する際、乾燥ヒータ223により加熱されて昇温し、昇温した乾燥ガスとなる。この乾燥ガスの設定温度は、たとえば、60~160℃である。昇温した乾燥ガスは、第4接続管227から乾燥ガス導入管215を流れて、乾燥ガス導入管215の先端の乾燥ガス入口213から吹き出す。乾燥ガス入口213から吹き出した乾燥ガスは、乾燥ホッパ211内に貯留されている粉粒体の間を下方に向けて流れ、乾燥ホッパ211の底面で流れ方向が転換されて、粉粒体の上方に抜ける。これにより、粉粒体から乾燥ガスに水分が奪われて、粉粒体が乾燥する。粉粒体から水分を奪った乾燥ガスは、乾燥ガス出口214から乾燥ガスライン216の第1接続管224に排出され、第1接続管224を乾燥ブロワ222に向けて流れる。
【0158】
第1接続管224を流れる乾燥ガスは、乾燥排気フィルタ221を通過して、第2接続管225を流れる。乾燥ガスが乾燥排気フィルタ221を通過することにより、乾燥ガスから異物が除去される。第2接続管225を流れる乾燥ガスは、乾燥ブロワ222の吸込口233に吸い込まれる。
【0159】
また、乾燥ブロワ222の駆動により、第3接続管226に乾燥ガスの気流が発生するとともに、第2接続管225に負圧が発生する。その負圧により、第4接続管227を流れる乾燥ガスの一部が環流管228を通して第2接続管225に引き込まれ、外気が乾燥吸気フィルタ238を通して第2接続管225に引き込まれる。
【0160】
さらに、第1接続管224から乾燥排気フィルタ221を通過して第2接続管225に流れ込む乾燥ガスの一部は、第2接続管225から乾燥ガス排出管229に流出する。
【0161】
粉粒体の添加剤にVOCが含まれている場合、そのVOCが粉粒体の乾燥に伴って揮発するので、乾燥ガスライン216を流れる乾燥ガスには、粉粒体から揮発したVOCが含まれる。そのため、乾燥ガスライン216の第2接続管225から乾燥ガス排出管229に流出する乾燥ガスには、VOCが含まれる。
【0162】
<ガス浄化装置>
ガス浄化装置203は、熱風乾燥機202の乾燥ガス排出管229に接続されて、乾燥ガス排出管229を流れる乾燥ガスを浄化対象ガスとして浄化する装置である。
【0163】
ガス浄化装置203には、浄化対象ガス取込管241が設けられている。浄化対象ガス取込管241の一端には、乾燥ガス排出管229の先端が接続されて、乾燥ガス排出管229は、浄化対象ガス取込管241と連通する。
【0164】
また、ガス浄化装置203は、アフタクーラ242、触媒ヒータ243および触媒ユニット244を備えている。また、ガス浄化装置203には、接続管245、第1浄化ガス排出管246および第2浄化ガス排出管247が設けられている。
【0165】
浄化対象ガス取込管241の他端は、アフタクーラ242の第1入口248に接続されている。接続管245の一端は、アフタクーラ242の第1出口249に接続されている。アフタクーラ242の第1入口248と第1出口249とは、アフタクーラ242内で連通している。接続管245の他端は、触媒ヒータ243の入口251に接続されている。
【0166】
触媒ユニット244は、ケース内に触媒を担持した担体が収容された構成を有している。触媒ヒータ243の出口252は、触媒ユニット244のケースに形成された入口253に接続されている。触媒ユニット244のケースに形成された出口254には、第1浄化ガス排出管246の一端が接続されている。第1浄化ガス排出管246の他端は、アフタクーラ242の第2入口255に接続されている。第2浄化ガス排出管247は、一端がアフタクーラ242の第2出口256に接続され、他端がガス浄化装置203の筐体205の外部で大気に開放されている。アフタクーラ242の第2入口255と第2出口256とは、アフタクーラ242内で連通している。
【0167】
乾燥ガス排出管229から浄化対象ガス取込管241に流入する浄化対象ガス(乾燥ガス)は、アフタクーラ242および触媒ヒータ243を順に通過する。浄化対象ガスは、触媒ヒータ243により加熱されて、200~300℃に昇温した後、触媒ユニット244内の触媒に接触しつつ、触媒ユニット244を通過する。その際、触媒の分解作用により、浄化対象ガスに含まれる除去対象成分であるVOCの化学分解が生じ、触媒ユニット244を通過する浄化対象ガスからVOCが除去されて、浄化対象ガスが浄化されたガスとなる。
【0168】
触媒ユニット244を通過した浄化されたガスは、アフタクーラ242を通過する。一方、アフタクーラ242では、浄化されたガスと浄化対象ガス取込管241から接続管245に流れる浄化対象ガスとの間で熱交換が行われて、浄化対象ガスが昇温し、浄化されたガスが降温する。その結果、浄化されたガスは、110℃以下、たとえば、92~93℃に低下した状態で、第2浄化ガス排出管247を通して大気に排出される。
【0169】
また、ガス浄化装置203には、浄化対象ガス取込管241からアフタクーラ242の第1入口248に入る浄化対象ガスの温度を検出する温度センサ257が設けられている。
【0170】
なお、第1接続管224を流れる乾燥ガスから異物をより良好に除去するため、第1接続管224に集塵サイクロン258が介装されてもよい。
【0171】
また、
図8に示される構成では、環流管228の途中部に、リリーフ弁259が介装されているが、リリーフ弁259に代えて、電磁弁が介装されて、電磁弁が適宜開閉されてもよい。
【0172】
<粉粒体処理装置の電気的構成>
熱風乾燥機202およびガス浄化装置203は、図示されていないが、
図2に示される熱風乾燥機202およびガス浄化装置203と同様に、それぞれマイコンを含む構成の制御部を備えている。熱風乾燥機202の制御部とガス浄化装置203の制御部とは、双方向に通信可能に接続されている。
【0173】
熱風乾燥機202の制御部は、乾燥ブロワ222および乾燥ヒータ223など、熱風乾燥機202の各部の動作を制御する。
【0174】
ガス浄化装置203の制御部には、温度センサ257の検出信号が入力される。ガス浄化装置203の制御部は、温度センサ257の検出信号などに基づいて、触媒ヒータ243の動作を制御する。
【0175】
<ガス浄化装置の運転制御>
ガス浄化装置203では、ガス浄化装置203の制御部により、熱風乾燥機202の制御部から乾燥運転信号が入力されたか否かが判断される(
図3のステップS1)。乾燥運転信号は、熱風乾燥機202が運転していることを表す信号であり、たとえば、乾燥ブロワ222の運転中(作動中)、熱風乾燥機202の制御部からガス浄化装置203の制御部に入力される。
【0176】
熱風乾燥機202の制御部からガス浄化装置203の制御部に乾燥運転信号が入力されるまでは(
図3のステップS1のNO)、ガス浄化装置203の運転は開始されず、後述する運転制御処理は実行されない。
【0177】
熱風乾燥機202の制御部からガス浄化装置203の制御部に乾燥運転信号が入力されると(
図3のステップS1のYES)、ガス浄化装置203の運転がスタンバイ状態とされて(
図3のステップS2)、運転制御処理が実行される(
図3のステップS3)。
【0178】
運転制御処理は、ガス浄化装置203の運転を制御するための処理であり、ガス浄化装置203の制御部により実行される。
【0179】
運転制御処理では、温度センサ257による検出温度、つまりアフタクーラ242の第1入口248に入る浄化対象ガスの温度が予め設定された第1所定値未満から第1所定値以上に上昇したか否かが繰り返し判断される(
図4のステップS31)。第1所定値は、乾燥ガスの設定温度よりも低い温度、たとえば、30~130℃の温度範囲内の値(一例では、40℃)に設定される。
【0180】
温度センサ257による検出温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると(
図4のステップS31のYES)、触媒ヒータ243の運転が開始される(
図4のステップS32)。触媒ヒータ243の運転の開始により、ガス浄化装置203による浄化対象ガスを浄化する処理、つまり触媒ヒータ243および触媒ユニット244からなる除去処理部により浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が開始される。
【0181】
触媒ヒータ243の運転中は、温度センサ257による検出温度が予め設定された第2所定値以上から第2所定値未満に低下したか否かが繰り返し判断される(
図4のステップS33)。第2所定値は、第1所定値と同じ値であってもよいし、第1所定値よりも小さい値であってもよい。熱風乾燥機202において、粉粒体を乾燥させる処理が終了するか、または、乾燥ヒータ223の故障などの異常が発生すると、熱風乾燥機202の運転が停止し、温度センサ257による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下する。
【0182】
温度センサ257による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下すると(
図4のステップS33のYES)、触媒ヒータ243の運転が停止される(
図4のステップS34)。触媒ヒータ243の運転の停止により、触媒作用によるVOCの除去が停止し、浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が停止する。これにより、運転制御処理が終了となる。
【0183】
<作用効果>
熱風乾燥機202の運転が開始されると、乾燥ブロワ222および乾燥ヒータ223が作動し、乾燥ガスライン216を流れる乾燥ガスの温度が上昇する。
【0184】
熱風乾燥機202の運転が開始されても、温度センサ257により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまでは、ガス浄化装置203(触媒ヒータ243)の運転が開始されず、浄化対象ガスから除去対象成分であるVOCを除去する除去処理が開始されない。
【0185】
第1所定値は、乾燥ヒータ223による加熱後の乾燥ガスの設定温度よりも低い温度の値に設定される。そのため、温度センサ257により検出される温度が第1所定値未満である状態では、乾燥ガスライン216を流れる乾燥ガスの温度が十分に昇温しておらず、粉粒体の添加剤に除去対象成分であるVOCが含まれていても、粉粒体からの揮発によるVOCの発生量が0または0に近いと推定される。
【0186】
したがって、熱風乾燥機202の運転の開始後、温度センサ257により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇するまでの間、ガス浄化装置203の運転が開始されず、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始されないことにより、除去処理が無駄に実行されることを抑制できる。すなわち、温度センサ257により検出される温度が第1所定値未満である間、触媒ヒータ243による浄化対象ガスの昇温が開始されないことにより、VOCを含まない浄化対象ガスが無駄に昇温されることを抑制できる。その結果、ガス浄化装置203で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置203、ひいては粉粒体処理装置171のランニングコストを低減することができる。
【0187】
熱風乾燥機202の運転の開始後、温度センサ257により検出される温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇すると、ガス浄化装置203(触媒ヒータ243)の運転が開始されて、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始される。
【0188】
粉粒体の乾燥により粉粒体からVOCが揮発する場合、乾燥ホッパ211内および乾燥ガスライン216を循環する乾燥ガスにVOCが含まれるので、そのままにしておくと、乾燥ガスライン216を構成する管路内に除去対象成分が析出して固着し、熱風乾燥機202の性能の低下や劣化を招くおそれがある。乾燥ガスライン216から乾燥ガス排出管229を通して浄化対象ガス取込管241に流入する乾燥ガスを浄化対象ガスとして、温度センサ257により検出される温度が第1所定値以上に上昇したことに応じて、その浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が開始されることにより、乾燥ガスライン216を構成する管路内に除去対象成分が析出することを抑制でき、熱風乾燥機202の性能の低下や劣化を抑制することができる。しかも、温度センサ257により検出される温度が第1所定値以上に上昇してから、触媒ヒータ243による浄化対象ガスの昇温が開始されることにより、浄化対象ガスの温度が触媒による分解作用が良好に発揮される温度まで上昇するのに要するエネルギーを低減できる。その結果、ガス浄化装置203で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置203、ひいては粉粒体処理装置171のランニングコストをさらに低減することができる。
【0189】
温度センサ257により検出される温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下すると、触媒ヒータ243の運転が停止されて、浄化対象ガスからVOCを除去する除去処理が停止される。温度センサ257により検出される温度が第2所定値未満に低下すると、第2所定値が乾燥ヒータ223による加熱後の乾燥ガスの設定温度よりも低い温度の値に設定されているので、粉粒体の添加剤に除去対象成分であるVOCが含まれていても、粉粒体からの揮発によるVOCの発生量が0または0に近いと推定される。よって、温度センサ257により検出される温度が第2所定値未満に低下したことに応じて、ガス浄化装置203による除去処理が停止さることにより、除去処理が無駄に継続して実行されることを抑制できる。その結果、ガス浄化装置203で消費するエネルギーを低減でき、ガス浄化装置203、ひいては粉粒体処理装置171のランニングコストを低減することができる。
【0190】
[変形例]
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
【0191】
たとえば、
図1に示される粉粒体処理装置1では、温度センサ137により、ガス浄化装置3の触媒ヒータ122の入口125に入る浄化対象ガスの温度が検出されるとしたが、
図5に示される構成と同様に、脱湿乾燥機2の吸着器24の第1再生ポート54Rから吸着筒51に入る再生ガスの温度が検出されてもよい。
【0192】
また、
図1に示される粉粒体処理装置1および
図5に示される粉粒体処理装置151では、乾燥ブロワ23および乾燥ヒータ25の運転により、乾燥ガス入口13から乾燥ホッパ11内に入る乾燥ガスの温度が上昇すると、乾燥ガス出口14から出る乾燥ガスの温度も上昇する。乾燥ガス出口14から出る乾燥ガスの温度が一定以上に上昇すると、乾燥ホッパ11内で粉粒体からVOCが揮発し始めていると推定されるので、乾燥ガス出口14から出る乾燥ガスの温度が温度センサにより検出されて、その温度センサの検出温度が第1所定値未満から第1所定値以上に上昇したことに応じて、触媒ヒータ122,154の運転が開始されてもよい。
【0193】
図1に示される粉粒体処理装置1では、乾燥ブロワ23の運転中、脱湿乾燥機2の制御部141からガス浄化装置3の制御部142に乾燥運転信号が入力されるとした。すなわち、粉粒体処理装置1では、乾燥運転信号が乾燥ブロワ23が運転していることを表す信号であるとした。これに限らず、乾燥運転信号を乾燥ヒータ25、再生ブロワ64または再生ヒータ65が運転していることを表す信号であるとして、乾燥ヒータ25、再生ブロワ64または再生ヒータ65の運転中、脱湿乾燥機2の制御部141からガス浄化装置3の制御部142に乾燥運転信号が入力されてもよい。
図7に示される粉粒体処理装置151においても、同様である。
図8に示される粉粒体処理装置201では、乾燥運転信号を乾燥ヒータ223が運転していることを表す信号であるとして、乾燥ヒータ223の運転中、熱風乾燥機202の制御部からガス浄化装置203の制御部に乾燥運転信号が入力されてもよい。
【0194】
また、
図1に示される粉粒体処理装置1では、温度センサ137による検出温度が第2所定値以上から第2所定値未満に低下すると、触媒ヒータ122の運転が停止されるとしたが、脱湿乾燥機2の制御部141からガス浄化装置3の制御部142への乾燥運転信号の入力がなくなったことに応じて、触媒ヒータ122の運転が停止されてもよい。
図5に示される粉粒体処理装置151、
図7に示される粉粒体処理装置171および
図8に示される粉粒体処理装置201においても、同様である。
【0195】
図1に示される粉粒体処理装置1において、脱湿乾燥機2の運転開始時に、脱湿乾燥機2の運転開始を表す乾燥運転開始信号が脱湿乾燥機2の制御部141からパルス的に出力され、脱湿乾燥機2の運転終了時に、脱湿乾燥機2の運転終了を表す乾燥運転終了信号が脱湿乾燥機2の制御部141からパルス的に出力される構成が採用されてもよい。この場合、脱湿乾燥機2の制御部141からガス浄化装置3の制御部142に乾燥運転終了信号が入力されたことに応じて、触媒ヒータ122の運転が停止されてもよい。
図7に示される粉粒体処理装置171および
図8に示される粉粒体処理装置201においても、同様である。
【0196】
前述の各実施形態から、アフタクーラ124,156,182,242が省略されてもよい。アフタクーラ124,156,182,242が省略されて、触媒ユニット123,155,184,244を通過した後の浄化されたガスの熱が乾燥ホッパ11,211や輸送先ホッパの加熱に利用されてもよい。また、触媒ユニット123,155,184,244を通過した後の浄化されたガスの熱が粉粒体処理装置1,151,171,201以外の装置、たとえば、粉粒体を含む複数種類の材料を混合する混合機の加熱に利用されてもよい。
【0197】
アフタクーラ124,156,182,242に加えて、触媒ユニット123,155,184,244を通過した後の浄化されたガスを冷却するファンがさらに設けられてもよい。
【0198】
図1に示されるガス浄化装置3は、脱湿乾燥機2と別体で独立して構成されているので、脱湿乾燥機2以外に、既存の脱湿乾燥機と容易に組み合わせることができる。
図7に示されるガス浄化装置173および
図8に示されるガス浄化装置203についても、同様である。
【0199】
また、前述の各実施形態では、浄化対象ガスから除去対象成分を除去する除去処理の方法として、触媒分解法が採用されている。しかし、除去処理の方法としては、触媒分解法以外の方法、VOCなどの除去対象成分を高温処理して酸化分解する燃焼法、オゾンと除去対象成分を接触させて酸化分解するオゾン酸化法、除去対象成分をプラズマにより酸化分解するプラズマ分解法、紫外線および酸化チタンを主成分とする触媒により除去対象成分を酸化分解する光触媒分解法、除去対象成分を吸着材に吸着させる吸着法、除去対象成分を含む排気を洗浄液(酸、アルカリ、水)と気液接触させて、除去対象成分を洗浄液に吸収させて分解する洗浄法などが適宜採用されてもよい。
【0200】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0201】
1,151,171,201:粉粒体処理装置
2,172:脱湿乾燥機(ガス排出装置、ガス排出部)
3,173,203:ガス浄化装置(ガス浄化部)
4,204:筐体(第1筐体)
5,205:筐体(第2筐体)
11,211:乾燥ホッパ(乾燥容器)
13,213:乾燥ガス入口
14,214:乾燥ガス出口
23,222:乾燥ブロワ
24:吸着器
25,223:乾燥ヒータ
64:再生ブロワ
65:再生ヒータ
122,154,183,243:触媒ヒータ(昇温器)
123,155,184,244:触媒ユニット(触媒)
137,169,197,257:温度センサ(検出器)
142,170:制御部
152:筐体
202:熱風乾燥機(ガス排出装置、ガス排出部)