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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137428
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240927BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N1/00 567M
B41J29/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048951
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 英和
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AS02
2C061CE07
2C061CH01
2C061CK01
2C061CQ04
2C061HH09
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HK11
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB34
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC15
5C062AC16
5C062AC22
5C062AC67
5C062AF10
(57)【要約】
【課題】原稿のサイズに対応するサイズの媒体に原稿の画像を印刷するのに要する時間を短縮できる、印刷装置を提供する。
【解決手段】原稿DをCISユニットに読み取らせる読取処理の開始後、CISユニットに読み取られた画像から原稿Dの主走査方向の幅が検出される。そして、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当する場合、読取処理の途中から、CISユニットに読み取られた画像を印刷用紙に印刷させるダイレクト印刷処理が開始される。すなわち、CISユニットにより原稿Dを読み取りながら、原稿Dの主走査方向の幅が検出されて、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当する場合には、CISユニットによる原稿Dの読み取りの途中から、原稿Dの画像の印刷用紙への印刷が開始される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定型サイズの矩形状の媒体を搬送路に沿って搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送路に臨んで設けられ、前記搬送部より搬送される前記媒体に画像を印刷する印刷部と、
原稿に対して副走査方向に相対的に移動しつつ、前記原稿を前記副走査方向と直交する主走査方向の全幅にわたるライン状の領域ずつ読み取る読取部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記原稿を前記読取部に読み取らせる読取処理を開始し、
前記読取処理により前記読取部が前記原稿における前記副走査方向の一定距離の領域を読み取った画像から、前記原稿の前記主走査方向の幅を検出し、
前記原稿の前記主走査方向の幅が前記媒体の短辺の長さに相当する場合、前記読取処理の途中から、前記読取処理で前記読取部が読み取った画像を前記印刷部に印刷させるダイレクト印刷処理を開始する、印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記媒体を切断する切断部、をさらに備え、
前記制御部は、
前記読取処理で前記読取部が読み取った前記原稿の画像から、前記原稿の前記副走査方向の幅を検出し、
前記媒体を前記媒体の一方の短辺から前記原稿の前記副走査方向の幅に応じた長さを離れた位置で前記切断部に切断させる、印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記原稿の前記主走査方向の幅が前記媒体の短辺の長さに相当し、かつ、前記原稿の前記副走査方向の幅が前記媒体の長辺の半分の長さに相当する場合、前記媒体が前記媒体の長辺の方向に等分されるように前記媒体を前記切断部に切断させる、印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記読取処理で前記読取部が読み取った前記原稿の画像から、前記原稿における前記原稿に対する前記読取部の移動方向の下流端を検知し、
前記原稿の前記副走査方向の幅が前記媒体の長辺の半分の長さに相当し、かつ、前記原稿における前記移動方向の上流端の位置から前記媒体の長辺の半分の長さよりも離れた位置に前記原稿の前記下流端を検知しない場合に、前記媒体が前記媒体の長辺の方向に等分されるように前記媒体を前記切断部に切断させる、印刷装置。
【請求項5】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記読取処理で前記読取部が読み取った前記原稿の画像から、前記原稿の前記副走査方向の幅を検出し、
前記原稿の前記主走査方向の幅が前記媒体の短辺の長さより小さい場合であって、前記原稿の前記主走査方向の幅が前記媒体の長辺の半分の長さより大きい場合、前記読取処理の途中から、前記ダイレクト印刷処理を開始する、印刷装置。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷装置であって、
記憶部、をさらに備え、
前記制御部は、
前記原稿の前記主走査方向の幅が前記媒体の短辺の長さより小さい場合であって、前記原稿の前記主走査方向の幅が前記媒体の長辺の半分の長さ以下である場合、前記読取処理で前記読取部が読み取った画像のデータを前記記憶部に記憶させ、
前記読取処理の終了後、前記記憶部に記憶されているデータに係る画像を前記印刷部に印刷させるメモリ印刷処理を開始する、印刷装置。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記原稿の前記主走査方向の幅が前記媒体の長辺の半分の長さ以下である場合であって、前記原稿の前記副走査方向の幅が前記媒体の短辺の長さ以下である場合、前記読取処理の終了後、前記記憶部に記憶されているデータに係る画像を90°回転させる回転処理を行い、
前記回転処理後のデータに係る画像を前記印刷部に印刷させる、印刷装置。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷装置であって、
前記媒体を切断する切断部、をさらに備え、
前記制御部は、
前記媒体を前記媒体の一方の短辺から前記原稿の前記主走査方向の幅に応じた長さを離れた位置で前記切断部に切断させる、印刷装置。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記媒体が前記媒体の長辺の方向に等分されるように前記媒体を前記切断部に切断させる、印刷装置。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記読取処理で前記読取部が読み取った前記原稿の画像から、前記原稿における前記原稿に対する前記読取部の移動方向の下流端を検知し、
前記原稿における前記移動方向の上流端の位置から前記媒体の短辺の長さよりも離れた位置に前記原稿の前記下流端を検知しない場合に、前記媒体が前記媒体の長辺の方向に等分されるように前記媒体を前記切断部に切断させる、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を印刷用紙に印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置には、A4サイズなどの定型サイズの印刷用紙(カット紙)に画像を印刷し、画像が印刷された印刷用紙を半分にカットする機能を有するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-186448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その機能を有する印刷装置では、たとえば、原稿の等倍コピーにおいて、原稿のサイズがA4サイズである場合には、A4サイズの印刷用紙に原稿の画像が印刷され、原稿のサイズがA5サイズである場合には、A4サイズの印刷用紙の半分の領域に原稿の画像が印刷されて、A4サイズの印刷用紙がA5サイズにカットされることにより、結果として、A5サイズの印刷用紙に原稿の画像が印刷されると便利である。
【0005】
原稿の全体をCIS(Contact Image Sensor)などの読取部で読み取れば、原稿のサイズを特定できるので、その原稿のサイズに応じて、A4サイズの印刷用紙をA5サイズにカットするか否かを判断できる。しかし、原稿の全体を読み取ってから印刷を開始したのでは、原稿の等倍コピーに時間がかかる。
【0006】
本発明の目的は、原稿のサイズに対応するサイズの媒体に原稿の画像を印刷するのに要する時間を短縮できる、印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明に係る印刷装置は、定型サイズの矩形状の媒体を搬送路に沿って搬送方向に搬送する搬送部と、搬送路に臨んで設けられ、搬送部より搬送される媒体に画像を印刷する印刷部と、原稿に対して副走査方向に相対的に移動しつつ、原稿を副走査方向と直交する主走査方向の全幅にわたるライン状の領域ずつ読み取る読取部と、制御部とを備え、制御部は、原稿を読取部に読み取らせる読取処理を開始し、読取処理により読取部が原稿における副走査方向の一定距離の領域を読み取った画像から、原稿の主走査方向の幅を検出し、原稿の主走査方向の幅が媒体の短辺の長さに相当する場合、読取処理の途中から、読取処理で読取部が読み取った画像を印刷部に印刷させるダイレクト印刷処理を開始する。
【0008】
この構成によれば、原稿を読取部に読み取らせる読取処理の開始後、読取処理により読取部に読み取られた画像から原稿の主走査方向の幅が検出される。そして、原稿の主走査方向の幅が印刷部により画像が印刷される媒体の短辺の長さに相当する場合、読取処理の途中から、その読取処理で読取部に読み取られた画像を印刷部により媒体に印刷させるダイレクト印刷処理が開始される。すなわち、読取部により原稿を読み取りながら、原稿の主走査方向の幅が検出されて、原稿の主走査方向の幅が媒体の短辺の長さに相当する場合には、読取部による原稿の読み取りの途中から、原稿の画像の媒体への印刷が開始される。これにより、原稿のサイズに対応するサイズの媒体に原稿の画像を印刷するのに要する時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原稿のサイズに対応するサイズの媒体に原稿の画像を印刷するのに要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る複合機の斜視図である。
図2】複合機に備えられた印刷部の構成を図解的に示す断面図である。
図3】複合機に備えられた読取部の構成を図解的に示す断面図である。
図4】複合機の電気的構成を示すブロック図である。
図5】等倍コピー処理の流れを示すフローチャートである。
図6】A4サイズの原稿の短辺が主走査方向に延びるように、原稿が原稿台上の規定位置に配置された状態を示す平面図である。
図7】A5サイズの原稿の短辺が副走査方向に延びるように、原稿が原稿台上の規定位置に配置された状態を示す平面図である。
図8】A5サイズの原稿の長辺が副走査方向に延びるように、原稿が原稿台上の規定位置に配置された状態を示す平面図である。
図9】短辺の長さがA5幅以下である原稿の長辺が副走査方向に延びるように、原稿が原稿台上の規定位置に配置された状態を示す平面図である。
図10】短辺の長さがA5幅よりも大きい原稿の長辺が副走査方向に延びるように、原稿が原稿台上の規定位置に配置され状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
<複合機>
図1に示されるように、画像データに係る画像を印刷用紙P(図2参照)などのシート状の媒体に印刷する印刷機能部1と、原稿D(図6参照)を読み取る読取機能部2とを組み合わせることにより、複合機3(印刷装置の一例)が構成されている。
【0013】
複合機3の正面には、操作パネル4が設けられている。操作パネル4は、たとえば、タッチパネル5を備えている。タッチパネル5には、各種の設定のために操作されるボタンや、そのボタン操作により設定された内容などの各種の情報が表示される。操作パネル4は、タッチパネル5以外に、各種の設定のために操作されるテンキーなどの物理キーを備えていてもよい。
【0014】
なお、説明の便宜上、複合機3の正面に向かって、手前の方向を複合機3の前方とし、奥の方向を複合機3の後方とする。また、複合機3が水平面上に設置された状態で、複合機3の正面に向かって、複合機3の上下方向および左右方向を定める。図1図2および図3には、複合機3の前、後、上、下、左および右の各方向が矢印で示されている。
【0015】
<印刷装置>
印刷機能部1は、筐体11を備えている。筐体11の前面には、矩形状の開口12が形成されている。筐体11内には、開口12の奥側の空間を上下2分割するように、前後方向および左右方向に延びる板状の排紙トレイ13が設けられている。排紙トレイ13の下側の空間には、給紙トレイ14が開口12を通して抜き差し可能に配置される。給紙トレイ14は、上面が開放された箱型に形成されている。給紙トレイ14には、印刷用紙Pが積み重なった状態で収容される。排紙トレイ13の上側の空間は、印刷用紙Pが排出される空間とされている。
【0016】
筐体11内には、図2に示されるように、印刷用紙Pが搬送される搬送路21が設定されている。搬送路21には、給紙トレイ14の後端から後方に膨出しつつ上方に湾曲する略半円弧状の湾曲部22と、湾曲部22から前方に直線状に延びる直線部23とが含まれる。
【0017】
また、筐体11内には、給紙ローラ24、第1搬送ローラ25、第2搬送ローラ26、第3搬送ローラ27および排紙ローラ28が設けられている。
【0018】
排紙トレイ13の後方には、ローラ支持板(図示せず)が配置されている。ローラ支持板は、一端部が左右方向に延びる揺動軸を介して筐体11のフレームに回動可能に支持されて、揺動軸から後方に延びている。給紙ローラ24は、ローラ支持板の先端部に左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に支持されている。これにより、給紙トレイ14が排紙トレイ13の下側の空間に差し込まれる途中、給紙トレイ14の後端によりローラ支持板が持ち上げられる。その後、給紙トレイ14の後端がローラ支持板を後方に越えると、ローラ支持板の先端が下がって、給紙ローラ24の周面が給紙トレイ14内の最上の印刷用紙Pに当接する。
【0019】
第1搬送ローラ25は、駆動ローラ31および従動ローラ32の対からなる。駆動ローラ31および従動ローラ32は、それぞれ左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、それらの周面が互いに当接している。駆動ローラ31は、搬送路21の直線部23の後端部の上側に配置され、従動ローラ32は、駆動ローラ31の下側に配置されている。
【0020】
第2搬送ローラ26は、駆動ローラ33および従動ローラ34の対からなる。駆動ローラ33および従動ローラ34は、それぞれ左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、それらの周面が互いに当接している。駆動ローラ33は、搬送路21の直線部23の途中部の下側に配置され、従動ローラ34は、駆動ローラ33の上側に配置されている。
【0021】
第3搬送ローラ27は、駆動ローラ35および従動ローラ36の対からなる。駆動ローラ35および従動ローラ36は、それぞれ左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、それらの周面が互いに当接している。駆動ローラ35は、第2搬送ローラ26の駆動ローラ35から前方に離間した位置で搬送路21の下側に配置され、従動ローラ36は、駆動ローラ35の上側に配置されている。
【0022】
排紙ローラ28は、駆動ローラ37および従動ローラ38の対からなる。駆動ローラ37および従動ローラ38は、それぞれ左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、それらの周面が互いに当接している。駆動ローラ37は、搬送路21の直線部23の前端部の下側に配置され、従動ローラ38は、駆動ローラ37の上側に配置されている。
【0023】
給紙ローラ24および駆動ローラ31,33,35,37には、搬送モータ(図示せず)の駆動力の伝達経路が接続されている。給紙ローラ24および駆動ローラ33,35,37は、搬送モータの駆動力により、左から見て時計回りに回転する。駆動ローラ31は、搬送モータの駆動力により、左から見て反時計回りに回転する。従動ローラ32,34,36,38は、それぞれ駆動ローラ31,33,35,37の回転に従動して回転する。
【0024】
給紙ローラ24の周面が給紙トレイ14内の最上の印刷用紙Pに当接した状態で、給紙ローラ24が回転することにより、その最上の印刷用紙Pが搬送路21の湾曲部22に送り出される。印刷用紙Pの先端が第1搬送ローラ25の駆動ローラ31または従動ローラ32の少なくとも一方の周面に当接すると、印刷用紙Pの先端が駆動ローラ31と従動ローラ32との間に引き込まれる。そして、印刷用紙Pは、駆動ローラ31から搬送力を受けて、駆動ローラ31と従動ローラ32との間を通過する。印刷用紙Pは、第1搬送ローラ25を通過する場合と同様に、第2搬送ローラ26の駆動ローラ33と従動ローラ34との間、第3搬送ローラ27の駆動ローラ35と従動ローラ36との間および排紙ローラ28の駆動ローラ37と従動ローラ38との間を順に通過する。これにより、給紙ローラ24により給紙トレイ14から搬送路21に送り出された印刷用紙Pは、第1搬送ローラ25、第2搬送ローラ26、第3搬送ローラ27および排紙ローラ28によって、搬送路21を排紙トレイ13の上側の空間に向かう方向(以下、この方向を「用紙搬送方向」という。)に搬送される。排紙ローラ28の駆動ローラ37と従動ローラ38との間を通過し終えた印刷用紙Pは、排紙トレイ13の上側の空間に排出されて、排紙トレイ13に受けられる。
【0025】
第1搬送ローラ25と第2搬送ローラ26との間には、搬送路21の上側に、たとえば、インクジェット方式により画像を印刷する構成の印刷ヘッド41(印刷部の一例)が設けられている。印刷ヘッド41の下面には、複数のノズルが配列されている。印刷ヘッド41が印刷用紙Pに対向する状態で、印刷ヘッド41のノズルからインクが選択的に吐出されて、そのインクが印刷用紙Pに着滴することにより、インクの着滴によるドットからなる画像が印刷用紙Pに印刷される。
【0026】
なお、印刷ヘッド41は、その位置が固定されたラインヘッドであってもよいし、複合機3の左右方向と一致する主走査方向に往復移動するシリアルヘッドであってもよい。
【0027】
第3搬送ローラ27と排紙ローラ28との間には、カッタユニット42が主走査方向に往復移動可能に設けられている。カッタユニット42には、搬送路21を上下から挟むように、上側ブレード43および下側ブレード44が備えられている。上側ブレード43と下側ブレード44との間に印刷用紙Pが存在する状態で、カッタモータ(図示せず)の駆動力により、カッタユニット42が主走査方向に動かされて、上側ブレード43および下側ブレード44が印刷用紙Pに当接しつつ印刷用紙Pの主走査方向の一端から他端まで進行することにより、印刷用紙Pが第1用紙P1と第2用紙P2(図7参照)とに切断される。第1用紙P1および第2用紙P2は、この順で排紙トレイ13の上側の空間に排出される。
【0028】
<読取装置>
読取機能部2は、図1および図3に示されるように、筐体51と、筐体51の上面を開閉する原稿カバー52とを備えている。原稿カバー52は、左右方向に延びる回動軸線を中心とする揺動により、筐体51の上面に対して前端が持ち上がって筐体51の上面を開放する状態と、筐体51の上面に対して倒伏して筐体51の上面を覆う状態とに開閉する。
【0029】
筐体51の上面には、矩形状の開口53が形成されている。開口53は、原稿台54により下方から閉塞されている。原稿台54は、透明なガラス板または樹脂板などの透明板からなる。
【0030】
原稿台54の下側には、図3に示されるように、CIS(Contact Image Sensor)ユニット55および移動機構56が設けられている。
【0031】
CISユニット55(読取部の一例)には、光源61、ロッドレンズアレイ62およびイメージセンサ63が内蔵されている。光源61は、R(赤色)、G(緑色)およびB(青色)の3色のLED(Light Emitting Diode)を含む。光源61は、パルス幅変調により点灯が制御される。ロッドレンズアレイ62は、主走査方向に整列して並べられた多数のロッドレンズを備えている。ロッドレンズは、成立等倍の屈折率分布型レンズである。イメージセンサ63は、たとえば、複数の受光素子が主走査方向に等ピッチで配列された構成のリニアイメージセンサである。
【0032】
光源61からの光が原稿台54上の原稿Dで反射し、その反射光がロッドレンズアレイ62を通過してイメージセンサ63に入射する。イメージセンサ63に光が入射すると、イメージセンサ63の各受光素子から光電変換による電圧が出力される。各受光素子から出力される電圧は、ゲイン調整回路による増幅後、A/D変換回路によりデジタル値である画素値に変換される。A/D変換回路は、たとえば、8ビット(0~255)の分解能を有しており、RGBの各色について、イメージセンサ63から出力される電圧(電気信号)をデジタル値である画素値に変換する。たとえば、下限側の基準電圧(下限値)未満の電圧については一律に「0」に変換され、上限側の基準電圧(上限値)を超える電圧については一律に「255」に変換され、下限値から上限値の範囲の電圧についてはその電圧の大小に応じた画素値に変換される。各受光素子から出力される電圧が画素値に変換されることにより、CISユニット55による原稿Dの主走査方向の1ライン分の読み取りが達成される。
【0033】
移動機構56は、CISユニット55を主走査方向と直交する副走査方向に移動させる機構である。副走査方向は、複合機3の左右方向と一致している。移動機構56には、CISユニット55を担持するCISキャリッジ64と、CISキャリッジ64を左右方向に往復移動させる駆動力を発生するスキャナモータ65とが含まれる。
【0034】
原稿Dの読み取りの際には、原稿カバー52が開位置に配置されて、原稿Dが読取機能部2による読取対象の面を下方に向けて原稿台54上に載置される。このとき、原稿Dは、原稿台54の規定位置に配置される。すなわち、原稿Dは、1つの角を開口53の後端縁66と左端縁67とが交わる左後角に合わせて、2つの端縁を開口53の後端縁66および左端縁67に沿わせて配置される。その後、原稿カバー52が閉じられて、原稿カバー52により、原稿Dが上方から覆われる。原稿カバー52の内面には、シート状の白色樹脂からなる原稿押さえ68が弾性的に支持されている。原稿押さえ68は、開口53よりも小さいサイズの略矩形状に形成されている。原稿押さえ68は、原稿カバー52が閉じられたときに、筐体51の開口53の周縁部に乗り上げず、開口53内に開口53の各端縁と間隔を空けて配置されて、原稿Dを原稿台54に押圧する。そして、原稿Dの読み取りが開始されると、CISユニット55が原稿Dの左端から右端まで動かされつつ、CISユニット55により原稿Dが1ラインずつ読み取られていく。
【0035】
<電気的構成>
複合機3は、図4に示されるように、CPU(Central Processing Unit)71と、フラッシュメモリやE2PROMなどのデータの書き換えが可能な不揮発性メモリ72と、SDRAMなどの揮発性メモリ73(記憶部の一例)とを備えている。CPU71(制御部の一例)、不揮発性メモリ72および揮発性メモリ73は、データ通信のためのバス74に接続されている。
【0036】
また、バス74には、操作パネル4、印刷機能部1の印刷ヘッド41、搬送機構75(搬送部の一例)、切断機構76(切断部の一例)、レジセンサ77およびロータリエンコーダ78、ならびに読取機能部2のCISユニット55および移動機構56が接続されている。
【0037】
搬送機構75には、給紙ローラ24、第1搬送ローラ25、第2搬送ローラ26、第3搬送ローラ27および排紙ローラ28を回転させる駆動源である搬送モータなどが含まれる。
【0038】
切断機構76には、カッタユニット42を主走査方向に移動させる駆動源であるカッタモータなどが含まれる。
【0039】
レジセンサ77は、図1に示されるように、たとえば、第1搬送ローラ25に対する用紙搬送方向の上流の検知位置に印刷用紙Pが存在することを検知するセンサである。レジセンサ77は、検知位置における印刷用紙Pの存在を検知できるものであれば、たとえば、印刷用紙Pの接触により変位するアクチュエータを備えるセンサであってもよいし、発光素子および受光素子を備える透過型または反射型のフォトセンサなどであってもよい。レジセンサ77は、印刷用紙Pが検知位置に存在する状態で検知信号を出力する。
【0040】
ロータリエンコーダ78は、第1搬送ローラ25の駆動ローラ31に設けられている。ロータリエンコーダ78は、駆動ローラ31の回転に同期したパルス信号であるエンコーダ信号を出力する。
【0041】
CPU71は、不揮発性メモリ72に記憶されているプログラムを実行し、レジセンサ77およびロータリエンコーダ78の出力信号などに基づいて、印刷ヘッド41、搬送機構75および切断機構76など、印刷機能部1の各部の動作を制御する。このとき、CPU71は、レジセンサ77の検知信号の出力状態およびロータリエンコーダ78からのエンコーダ信号の出力パルス数から、搬送路21における印刷用紙Pの位置を把握することができる。また、CPU71は、不揮発性メモリ72に記憶されているプログラムを実行し、操作パネル4から入力される情報などに基づいて、CISユニット55および移動機構56など、読取機能部2の各部の動作を制御する。揮発性メモリ73は、CPU71によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
【0042】
<等倍コピー処理>
複合機3は、原稿Dのコピー機能を有している。コピー機能は、読取機能部2で原稿Dを読み取り、印刷機能部1でその読み取られた原稿Dの画像を印刷用紙Pに印刷する機能である。複合機3では、コピー機能により、原稿Dを読み取った画像を印刷用紙Pに原稿Dと等倍(同じサイズ)で印刷する等倍コピーを行うことができる。
【0043】
なお、以下では、印刷用紙PがA4サイズの印刷用紙である場合を例にとる。
【0044】
使用者によって、読取機能部2の原稿台54上の規定位置に配置されて、操作パネル4が操作され、操作パネル4から原稿Dの等倍コピーの開始が指示されると、CPU71は、図5に示される等倍コピー処理を実行する。
【0045】
等倍コピー処理では、CPU71は、読取機能部2のCISユニット55および移動機構56などの動作を制御して、原稿DをCISユニット55に読み取らせる読取処理を開始する。読取処理の初期の段階で、原稿Dの先頭部分、つまり原稿Dの先端から副走査方向に一定距離の領域がCISユニット55に読み取られる(S11)。原稿Dの先端は、読取機能部2の筐体51に形成された開口53の左端縁に沿わせて配置される端縁である。CPU71は、CISユニット55に読み取られた原稿Dの先頭部分の画像(データ)から、原稿Dの主走査方向の幅を検出する。
【0046】
そして、CPU71は、原稿Dの主走査方向の幅がA4サイズの短辺の長さ(以下、「A4幅」という。)に相当するか否かを判断する(S12)。
【0047】
図6に示されるように、原稿DのサイズがA4サイズであり、そのA4サイズの原稿Dの短辺が主走査方向(前後方向)に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当する。また、図7に示されるように、原稿DのサイズがA5サイズであり、そのA5サイズの原稿Dの長辺が主走査方向に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当する。
【0048】
CPU71は、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当すると判断した場合(S12:YES)、読取処理を続けながら、印刷機能部1の印刷ヘッド41および搬送機構75などの動作を制御して、原稿Dの画像をCISユニット55に読み取られた部分から順次に印刷用紙Pに印刷するダイレクト印刷処理を開始する(S13:ダイレクトコピー開始)。
【0049】
ダイレクト印刷処理の開始後、CPU71は、CISユニット55に読み取られた原稿Dの画像から、原稿Dの副走査方向の幅がA5サイズの短辺の長さ(以下、「A5幅」という。)に相当するか否かを判断する(S14)。
【0050】
原稿Dの副走査方向の幅がA5幅に相当しない場合は、図6に示されるように、A4サイズの原稿DまたはA4サイズより小さくかつA5サイズより大きいサイズの原稿Dの長辺が副走査方向(左右方向)に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合である。CPU71は、原稿Dの副走査方向の幅がA5幅に相当しないと判断した場合(S14:NO)、原稿Dの画像がA4サイズの印刷用紙Pに等倍で印刷された後、その印刷用紙Pを切断機構76(カッタユニット42)で切断しないことを決定し(S15)、等倍コピー処理を終了する。
【0051】
原稿Dの副走査方向の幅がA5幅に相当する場合は、図7に示されるように、A5サイズの原稿Dの短辺が副走査方向に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合である。CPU71は、原稿Dの副走査方向の幅がA5幅に相当すると判断した場合(S14:YES)、原稿Dの画像がA4サイズの印刷用紙Pの第1用紙P1の領域に等倍で印刷された後、切断機構76に印刷用紙Pを長辺の方向に等分するように切断させて(S16)、等倍コピー処理を終了する。印刷用紙Pの切断により、原稿Dの画像が等倍で印刷されたA5サイズの第1用紙P1と、白紙状態のA5サイズの第2用紙P2とが得られ、第1用紙P1および第2用紙P2が排紙トレイ13上に排出される。
【0052】
一方、CPU71は、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当しないと判断した場合(S12:NO)、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅以下であるか否かを判断する(S17)。
【0053】
図8に示されるように、原稿DのサイズがA5サイズであり、そのA5サイズの原稿Dの長辺が副走査方向に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合、CPU71は、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅以下であると判断する(S17:YES)。この場合、原稿Dの全体をCISユニット55で読み取った後、その読み取られた画像のデータに対してその画像を90°回転させる回転処理を行い、回転処理後のデータに係る画像を印刷用紙Pに印刷すれば、原稿Dの画像が印刷用紙Pの第1用紙P1の領域に等倍で印刷される。
【0054】
また、図9に示されるように、原稿DのサイズがA4サイズおよびA5サイズのどちらでもなく、短辺の長さがA5幅以下である原稿Dの長辺が副走査方向に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合、CPU71は、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅以下であると判断する(S17:YES)。この場合、原稿Dの副走査方向の幅によっては、原稿Dの全体をCISユニット55で読み取った後、その読み取られた画像のデータに対してその画像を90°回転させる回転処理を行い、回転処理後のデータに係る画像を印刷用紙Pに印刷すれば、原稿Dの画像を印刷用紙Pの第1用紙P1の領域に等倍で印刷することができる。
【0055】
そこで、CPU71は、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅以下であると判断した場合(S17:YES)、読取処理でCISユニット55に読み取られた原稿Dの全体の画像のデータを揮発性メモリ73に記憶させる(S18:メモリコピー開始)。
【0056】
その後、CPU71は、揮発性メモリ73に記憶された画像のデータから、原稿Dの副走査方向の幅がA4幅(A5サイズの長辺の長さ)以下であるか否かを判断する(S19)。
【0057】
原稿Dの副走査方向の幅がA4幅以下である場合は、A5サイズの原稿Dの長辺が副走査方向に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合か、または、原稿DのサイズがA5サイズではなく、長辺の長さがA4幅以下である原稿Dの長辺が副走査方向に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合である。CPU71は、原稿Dの副走査方向の幅がA4幅以下であると判断した場合(S19:YES)、揮発性メモリ73に記憶されている画像のデータに対して回転処理を行い、印刷機能部1の印刷ヘッド41および搬送機構75などの動作を制御して、回転処理後のデータに係る画像を印刷用紙Pに印刷させるメモリ印刷処理を行う(S20)。その後、CPU71は、切断機構76に印刷用紙Pを長辺の方向に等分するように切断させて(S20)、等倍コピー処理を終了する。印刷用紙Pの切断により、原稿Dの画像が等倍で印刷されたA5サイズの第1用紙P1と、白紙状態のA5サイズの第2用紙P2とが得られ、第1用紙P1および第2用紙P2が排紙トレイ13上に排出される。
【0058】
CPU71は、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅以下であり(S17:YES)、かつ、原稿Dの副走査方向の幅がA4幅以下ではないと判断した場合(S19:NO)、印刷機能部1の印刷ヘッド41および搬送機構75などの動作を制御して、揮発性メモリ73に記憶されているデータに係る画像を印刷用紙Pに印刷させるメモリ印刷処理を行う(S22)。そして、CPU71は、印刷用紙Pを切断機構76(カッタユニット42)で切断しないことを決定し(S22)、等倍コピー処理を終了する。
【0059】
図10に示されるように、原稿DのサイズがA4サイズおよびA5サイズのどちらでもなく、短辺の長さがA5幅よりも大きい原稿Dの長辺が副走査方向に延びるように、原稿Dが原稿台54上の規定位置に配置されている場合、原稿Dの全体をCISユニット55で読み取った後、その読み取られた画像のデータに対してその画像を90°回転させる回転処理を行い、回転処理後のデータに係る画像を印刷用紙Pに印刷しても、印刷された画像が印刷用紙Pの第1用紙P1の領域内に収まることはない。
【0060】
CPU71は、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当せず、かつ、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅よりも大きい場合(S17:NO)、読取処理を続けながら、印刷機能部1の印刷ヘッド41および搬送機構75などの動作を制御して、原稿Dの画像をCISユニット55に読み取られた部分から順次に印刷用紙Pに印刷するダイレクト印刷処理を開始する(S21:ダイレクトコピー開始)。そして、CPU71は、印刷用紙Pを切断機構76(カッタユニット42)で切断しないことを決定し(S22)、等倍コピー処理を終了する。
【0061】
<作用効果>
以上のように、原稿DをCISユニット55に読み取らせる読取処理の開始後、CISユニット55に読み取られた画像から原稿Dの主走査方向の幅が検出される。そして、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅(媒体の短辺の長さの一例)に相当する場合、読取処理の途中から、CISユニット55に読み取られた画像を印刷機能部1で印刷用紙Pに印刷させるダイレクト印刷処理が開始される。すなわち、CISユニット55により原稿Dを読み取りながら、原稿Dの主走査方向の幅が検出されて、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当する場合には、CISユニット55による原稿Dの読み取りの途中から、原稿Dの画像の印刷用紙Pへの印刷が開始される。これにより、原稿Dのサイズに対応するサイズの印刷用紙Pに原稿Dの画像を印刷するのに要する時間を短縮することができる。
【0062】
また、CISユニット55に読み取られた画像から原稿Dの副走査方向の幅が検出される。そして、原稿Dの主走査方向の幅がA4幅に相当し、かつ、原稿Dの副走査方向の幅がA5幅(媒体の長辺の半分の長さの一例)に相当する場合、ダイレクト印刷処理の終了後(原稿Dの画像が印刷用紙Pに印刷された後)、印刷用紙Pが長辺の方向に等分されるように切断される。これにより、原稿Dの画像が等倍で印刷されたA5サイズの第1用紙P1と、白紙状態のA5サイズの第2用紙P2とを得ることができる。
【0063】
原稿Dの主走査方向の幅がA4幅より小さい場合であって、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅より大きい場合にも、読取処理の途中から、ダイレクト印刷処理が開始される。これにより、原稿Dのサイズに対応するサイズの印刷用紙Pに原稿Dの画像を印刷するのに要する時間を短縮することができる。
【0064】
原稿Dの主走査方向の幅がA4幅より小さい場合であって、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅以下である場合、読取処理でCISユニット55に読み取られた画像のデータが揮発性メモリ73に記憶される。そして、読取処理の終了後、揮発性メモリ73に記憶されているデータに係る画像を印刷機能部1で印刷用紙Pに印刷するメモリ印刷処理が行われる。
【0065】
この場合において、原稿Dの主走査方向の幅がA5幅以下である場合であって、原稿Dの副走査方向の幅がA4幅以下である場合には、読取処理の終了後、揮発性メモリ73に記憶されているデータに係る画像を90°回転させる回転処理が行われて、回転処理後のデータに係る画像が印刷機能部1で印刷用紙Pに印刷される。そして、メモリ印刷処理の終了後(原稿Dの画像が印刷用紙Pに印刷された後)、印刷用紙Pが長辺の方向に等分されるように切断される。これにより、原稿Dの画像が等倍で印刷されたA5サイズの第1用紙P1と、白紙状態のA5サイズの第2用紙P2とを得ることができる。
【0066】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0067】
たとえば、前述の実施形態では、等倍コピー処理において、CPU71は、原稿Dの副走査方向の幅がA5幅に相当すると判断した場合に(S14:YES)、切断機構76に印刷用紙Pを長辺の方向に等分するように切断させるとした。CPU71は、CISユニット55に読み取られた原稿Dの画像から、原稿Dの右端(原稿Dの読取時のCISユニット55の移動方向の下流端)を検知し、ステップS14の判断に加えて、原稿Dの左端の位置(開口53の左端縁67の位置)からA5幅よりも離れた位置に原稿Dの右端が存在していないことを確認し、原稿Dの左端の位置からA5幅よりも離れた位置に原稿Dの右端が存在していない場合に、切断機構76に印刷用紙Pを長辺の方向に等分するように切断させてもよい。
【0068】
また、CPU71は、原稿Dの副走査方向の幅がA4幅以下であると判断した場合に(S19:YES)、切断機構76に印刷用紙Pを長辺の方向に等分するように切断させるとした。CPU71は、CISユニット55に読み取られた原稿Dの画像から、原稿Dの右端を検知し、ステップS19の判断に加えて、原稿Dの左端の位置からA4幅よりも離れた位置に原稿Dの右端が存在していないことを確認し、原稿Dの左端の位置からA4幅よりも離れた位置に原稿Dの右端が存在していない場合に、切断機構76に印刷用紙Pを長辺の方向に等分するように切断させてもよい。
【0069】
原稿Dの画像が印刷用紙Pに印刷された後、印刷用紙Pが長辺の方向に等分されるのではなく、その印刷された画像が印刷された領域に応じて切断されてもよい。すなわち、原稿Dの画像がCISユニット55に読み取られて、その読み取られた画像が回転処理されずに印刷用紙Pに印刷される場合、原稿Dの画像が印刷用紙Pに印刷された後、印刷用紙Pが一方の短辺から原稿Dの副走査方向の幅に応じた位置で切断されてもよい。また、原稿Dの画像がCISユニット55に読み取られて、その読み取られた画像が回転処理されて印刷用紙Pに印刷される場合、原稿Dの画像が印刷用紙Pに印刷された後、印刷用紙Pが一方の短辺から原稿Dの主走査方向の幅に応じた位置で切断されてもよい。これにより、原稿Dの画像が印刷される印刷用紙のサイズを原稿Dのサイズに合わせることができる。
【0070】
印刷部の一例としての印刷ヘッド41は、インクジェット方式により画像を印刷する構成であるとしたが、印刷部は、熱転写方式により画像を印刷する構成であってもよいし、電子写真方式により画像を印刷する構成であってもよい。
【0071】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0072】
3:複合機
21:搬送路
55:CISユニット
71:CPU
73:揮発性メモリ
75:搬送機構
76:切断機構
D:原稿
P:印刷用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10