(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013748
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】衣類乾燥機
(51)【国際特許分類】
D06F 58/02 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
D06F58/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116080
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】田中 駿
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA24
3B166AB24
3B166AB29
3B166AD03
3B166AD07
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3B166EE04
3B166EE07
3B166GA02
3B166GA07
3B166GA12
3B166GA22
3B166GA45
(57)【要約】
【課題】乾燥棚が嵩張ることを抑えて、乾燥棚の収容室内への収納性や見栄えを向上させた衣類乾燥機を提供する。
【解決手段】収容室21内に配置され、特定の被乾燥物が載置される載置部67を有する乾燥棚65を備える。筐体3は、自己の内周面7aにより投入口5を区画する入口形成部材7を有する。入口形成部材7は、投入口5に面するとともに水平方向に対向する部位に一対の支持部79と、一対の支持部79より下方かつ後方の位置で内周面7aに対して交差する方向に延在する支持後端面7bとを有する。乾燥棚65は、載置部67の前端部75よりも前方かつ上方の位置に一対の支持部79に係合する係合部77を有する。乾燥棚65は、係合部77が一対の支持部79に係合するとともに前端部75が支持後端面7bに当接することで、入口形成部材7に片持ち梁状に支持される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物が投入される投入口を前面に有する筐体と、
前記筐体内に前後方向に延びる回転軸心周りに回転可能に配置され、前記投入口から投入された被乾燥物が収容される前方開放の収容室を有するドラムと、
前記収容室内に配置され、前記被乾燥物のうち特定の被乾燥物が載置される載置部を有する乾燥棚と、を備えた衣類乾燥機において、
前記筐体は、自己の内周面により前記投入口を区画する入口形成部材を有し、
前記入口形成部材は、前記投入口に面するとともに水平方向に対向する部位に一対の支持部と、前記一対の支持部より下方かつ後方の位置で前記内周面に対して交差する方向に延在する支持後端面とを有し、
前記乾燥棚は、前記載置部の前端部よりも前方かつ上方の位置に前記一対の支持部に係合する係合部を有し、
前記乾燥棚は、前記係合部が前記一対の支持部に係合するとともに前記前端部が前記支持後端面に当接することで、前記入口形成部材に片持ち梁状に支持されることを特徴とする衣類乾燥機。
【請求項2】
前記載置部は平面視で略矩形状をなし、
前記乾燥棚は、前記載置部の左右両端縁において前後方向に延びつつ所定高さで立設された一対の側方縦壁を有し、
前記係合部は、前記一対の側方縦壁の上端と前記載置部の下端との間の上下方向の範囲に設けられている請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
前記係合部は、前記一対の側方縦壁と上端の高さ位置が同じである請求項2記載の衣類乾燥機。
【請求項4】
前記乾燥棚は、前記載置部の後方において左右方向に延びつつ所定高さで立設された後方縦壁を有し、
前記一対の側方縦壁及び前記後方縦壁は金属板により一体に形成されている請求項2又は3記載の衣類乾燥機。
【請求項5】
前記乾燥棚は、前記載置部の前方において左右方向に延びつつ所定高さで立設された前方縦壁を有し、
前記一対の側方縦壁、前記後方縦壁及び前記前方縦壁は金属板により一体に形成されている請求項4記載の衣類乾燥機。
【請求項6】
前記一対の支持部は、前記入口形成部材の互いに対向する対向内面から互いに近接する方向に突設されるとともに、上に凸の略矩形状をなし、
前記一対の支持部に対して上方から係合された前記係合部と前記前方縦壁とにより、前記一対の支持部が前後方向に挟持される請求項5記載の衣類乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の衣類乾燥機の一例が開示されている。この衣類乾燥機は、筐体と、ドラムと、乾燥棚とを備えている。
【0003】
筐体は、衣類等の被乾燥物が投入される投入口を前面に有する。筐体は、自己の内周面により投入口を区画する入口形成部を一体に有する。
【0004】
ドラムは、筐体内に配置されている。ドラムは、前後方向に延びる回転軸心周りに回転可能とされている。ドラムは前方開放の収容室を有し、その収容室には投入口から投入された被乾燥物が収容される。
【0005】
乾燥棚は収容室内に配置される。乾燥棚は、被乾燥物のうち特定の被乾燥物が載置される載置部を有する。また、乾燥棚は、一対の係止フックと、一対の支持腕とを有する。一対の係止フックは、平面視で略矩形状の載置部の左右両端縁から前方に延びている。一対の支持腕は、載置部における略前半分の前部において、左右両端縁から下方に略三角形状に延びている。
【0006】
この乾燥棚は、一対の係止フックを入口形成部の開口縁部の前端面に引っ掛けるとともに、一対の支持腕の前端部をその開口縁部の後端面に当接させて、一対の係止フックと一対の支持腕とで開口縁部を前後方向に挟持することによって、入口形成部に片持ち梁状に支持される。
【0007】
この衣類乾燥機では、乾燥棚の載置部の上に運動靴や帽子等の特定の被乾燥物を載置する。そして、乾燥棚を静止状態に保ちつつドラムを回転させるとともに収容室内に熱風を吹き込むことにより、特定の被乾燥物を乾燥させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記従来の衣類乾燥機では、乾燥棚を入口形成部に取り付けるために、載置部に対して、前方に突出する一対の係止フックと、下方に突出する一対の支持腕を設けている。
【0010】
この構成により、乾燥棚は、略矩形状の載置部から前方及び下方にそれぞれ突出する部分があり、嵩張っている。このため、乾燥棚の収容室内への収納性や見栄えが悪くなり易いという問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、乾燥棚が嵩張ることを抑えて、乾燥棚の収容室内への収納性や見栄えを向上させた衣類乾燥機を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の衣類乾燥機は、被乾燥物が投入される投入口を前面に有する筐体と、
前記筐体内に前後方向に延びる回転軸心周りに回転可能に配置され、前記投入口から投入された被乾燥物が収容される前方開放の収容室を有するドラムと、
前記収容室内に配置され、前記被乾燥物のうち特定の被乾燥物が載置される載置部を有する乾燥棚と、を備えた衣類乾燥機において、
前記筐体は、自己の内周面により前記投入口を区画する入口形成部材を有し、
前記入口形成部材は、前記投入口に面するとともに水平方向に対向する部位に一対の支持部と、前記一対の支持部より下方かつ後方の位置で前記内周面に対して交差する方向に延在する支持後端面とを有し、
前記乾燥棚は、前記載置部の前端部よりも前方かつ上方の位置に前記一対の支持部に係合する係合部を有し、
前記乾燥棚は、前記係合部が前記一対の支持部に係合するとともに前記前端部が前記支持後端面に当接することで、前記入口形成部材に片持ち梁状に支持されることを特徴とする。
【0013】
本発明の衣類乾燥機では、入口形成部材に設けられた一対の支持部に係合部が係合するとともに、入口形成部材の支持後端面に載置部の前端部が当接することで、乾燥棚が入口形成部材に対して片持ち梁状に支持される。
【0014】
この乾燥棚では、入口形成部材に乾燥棚を取り付けるために必要な構成部品の一部を載置部の前端部が担っている。このため、上記従来の衣類乾燥機における乾燥棚と異なり、入口形成部材に乾燥棚を取り付けるために載置部の下方から突出する部分を別途設ける必要がない。その結果、この乾燥棚は嵩張ることが抑えられる。
【0015】
したがって、本発明の衣類乾燥機は、乾燥棚が嵩張ることを抑えて、乾燥棚の収容室内への収容性や見栄えを向上させることができる。
【0016】
載置部は平面視で略矩形状をなすことが好ましい。また、乾燥棚は、載置部の左右両端縁において前後方向に延びつつ所定高さで立設された一対の側方縦壁を有することが好ましい。そして、係合部は、一対の側方縦壁の上端と載置部の下端との間の上下方向の範囲に設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成により、係合部は、一対の側方縦壁の上端と載置部の下端との間の範囲内に納まる。このため、この乾燥棚において係合部が高さ方向にはみ出ることがない。
【0018】
係合部は、一対の側方縦壁と上端の高さ位置が同じであることが好ましい。
【0019】
この構成により、係合部の上端と一対の側方縦壁の上端とが同一平面上に位置するので、見栄えがより一層向上する。
【0020】
乾燥棚は、載置部の後方において左右方向に延びつつ所定高さで立設された後方縦壁を有することが好ましい。そして、一対の側方縦壁及び後方縦壁は金属板により一体に形成されていることが好ましい。
【0021】
この場合、載置部の左右両端縁及び後方が一枚の金属板で一体に形成された一対の側方縦壁及び後方縦壁により、乾燥棚の剛性が高められる。このため、被乾燥物の載置による乾燥棚の下方への撓みを抑えることができる。その結果、例えばこの衣類乾燥機の乾燥運転中に回転するドラムに設けられたリフタに乾燥棚が当たる不都合を抑えることができる。
【0022】
乾燥棚は、載置部の前方において左右方向に延びつつ所定高さで立設された前方縦壁を有することが好ましい。そして、一対の側方縦壁、後方縦壁及び前方縦壁は金属板により一体に形成されていることが好ましい。
【0023】
この構成により、載置部の左右両端縁、後方及び前方が一枚の金属板で一体に形成された一対の側方縦壁、後方縦壁及び前方縦壁により囲まれるので、乾燥棚の剛性がより一層高くなる。
【0024】
一対の支持部は、入口形成部材の互いに対向する対向内面から互いに近接する方向に突設されるとともに、上に凸の略矩形状をなしていることが好ましい。そして、一対の支持部に対して上方から係合された係合部と前方縦壁とにより、一対の支持部が前後方向に挟持されることが好ましい。
【0025】
この構成により、入口形成部材に乾燥棚を取り付ける際、一対の支持部に対して、係合部と前方縦壁とを上方から係合させればよいので、乾燥棚を水平状態で取り付ける作業が容易となる。また、一対の支持部が係合部と前方縦壁とにより前後に挟持されるので、入口形成部材から乾燥棚が外れ難くなる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の衣類乾燥機は、乾燥棚が嵩張ることを抑えて、乾燥棚の収容室内への収容性や見栄えを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、実施例の衣類乾燥機の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施例の衣類乾燥機に係り、衣類乾燥機の模式断面図である。
【
図3】
図3は、実施例の衣類乾燥機に係り、入口形成部材の斜視図である。
【
図4】
図4は、実施例の衣類乾燥機に係り、入口形成部材の要部を部分的に示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施例の衣類乾燥機に係り、乾燥棚を斜め上から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、実施例の衣類乾燥機に係り、乾燥棚を斜め下から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、実施例の衣類乾燥機に係り、入口形成部材に乾燥棚を取り付けた状態を部分的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
(実施例)
図1及び
図2に示すように、実施例の衣類乾燥機1は、本発明の衣類乾燥機の具体的態様の一例である。衣類乾燥機1は、ガスの燃焼によって加熱した空気によって、被乾燥物を乾燥させるガス衣類乾燥機である。ここに、被乾燥物には、衣類の他、タオル、布団類や履物等が含まれる。
【0030】
図1では、衣類乾燥機1が使用可能に設置された状態を基準とし、扉9が配置された側面を衣類乾燥機1の前面と規定し、衣類乾燥機1を前からみて左右方向を規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。
図2以降の各図に示す各方向は、全て
図1に示す各方向に対応させて表示する。
【0031】
<衣類乾燥機の構成>
衣類乾燥機1は、略箱状体の筐体3を備えている。筐体3は、被乾燥物が投入される投入口5を筐体3の前面に有している。
【0032】
図2に示すように、筐体3の前部には、入口形成部材7が設けられている。入口形成部材7は、自己の内周面7aにより投入口5を区画する。入口形成部材7より前方には、投入口5を開閉する片開き式の扉9が設けられている。扉9は、投入口5を開放する開放位置と、投入口5を閉鎖する閉鎖位置とに変位可能となるように、筐体3の前板3aに支持されている。前板3aには、投入口5に連通する開口3bが貫設されている。入口形成部材7の後端面には、略円環状のリング板11が接合されている。入口形成部材7の前端面には、環状のゴムパッキン13が取り付けられている。ゴムパッキン13は、閉鎖位置にある扉9と入口形成部材7との間に介在して、投入口5を密封する。
【0033】
筐体3の後板3cには、回転軸心X17を中心とするドラム支持軸15が固定されている。回転軸心X17は、筐体3の前後方向に水平に延びている。ドラム支持軸15は、後板3cから前方に向かって突出している。
【0034】
筐体3は、回転ドラム17を有している。回転ドラム17は、周壁17a及び奥壁17bを有している。周壁17aは、回転軸心X17を中心とする円筒形状である。奥壁17bは、周壁17aの後端縁に接続する略円盤形状である。回転ドラム17は本発明のドラムの一例である。
【0035】
回転ドラム17は、周壁17a及び奥壁17bによって、被乾燥物としての衣類19等を収容する前方開放の収容室21を形成している。奥壁17bには、第1通気部25が設けられている。第1通気部25は、複数の孔によって構成されている。
【0036】
回転ドラム17は、奥壁17bがドラム支持軸15によって回転可能に支持され、かつ、周壁17aの前端縁がリング板11の外周縁によって回転可能に支持されることにより、回転軸心X17周りに回転可能となっている。
【0037】
筐体3内における回転ドラム17よりも下方には、モータ27が設けられている。モータ27は、回転軸心X17と平行な駆動軸心X27を中心とする第1駆動軸29及び第2駆動軸31を有している。第1駆動軸29は、モータ27から前方に向かって突出している。第2駆動軸31は、モータ27から後方に向かって突出している。
【0038】
第1駆動軸29には、第1プーリ33が一体回転可能に固定されている。そして、第1伝達ベルト35が第1プーリ33と、回転ドラム17の周壁17aとに巻き掛けられている。
【0039】
モータ27が作動して駆動力を発生すると、第1駆動軸29、第1プーリ33及び第1伝達ベルト35を経由して周壁17aに駆動力が伝達され、回転ドラム17が回転軸心X17周りに回転する。回転ドラム17の回転は、収容室21に収容されている衣類19を定位置に止めることなく常に動かすために行われる。
【0040】
衣類乾燥機1は、送風手段として、給気口37と、給気ダクト39と、排気口41と、第1排気ダクト43と、第2排気ダクト45と、第3排気ダクト47と、第4排気ダクト49とを有している。
【0041】
給気口37は、筐体3の左側板に貫設された複数の穴である。給気ダクト39は、回転ドラム17の奥壁17bの後方に設けられている。給気ダクト39は、筐体3内を介して給気口37に連通している。
【0042】
給気口37、筐体3内、給気ダクト39及び第1通気部25によって、収容室21に空気を供給する給気経路が構成されている。
【0043】
排気口41は、給気ダクト39よりも後方において、筐体3の天板3dに貫設された穴である。
【0044】
第1排気ダクト43は、入口形成部材7の下部に設けられている。第1排気ダクト43は、筐体3内において概ね上下方向に延びている。入口形成部材7の下半部の下部における内周面7aには第2通気部51が設けられている。第2通気部51は、複数の孔によって構成されている。図示しないが、第1排気ダクト43の通路内には、第2通気部51を通過する排気に含まれる糸屑等を捕集するフィルタが設けられている。
【0045】
第2排気ダクト45は、回転ドラム17よりも下方において、筐体3の底板3e上に設置されている。第2排気ダクト45は、筐体3内において前後方向に延びている。
【0046】
第3排気ダクト47は、給気ダクト39の後方に設けられている。第1排気ダクト43の下端と第3排気ダクト47の下端とが第2排気ダクト45によって連通している。第3排気ダクト47は、筐体3内において概ね上下方向に延びている。第3排気ダクト47を区画する後壁47aには、導出口53が貫設されている。
【0047】
第4排気ダクト49は第3排気ダクト47の後方に設けられている。第4排気ダクト49は、筐体3内において概ね上下方向に延びている。第4排気ダクト49の上端は排気口41に接続している。
【0048】
第2通気部51、第1排気ダクト43、第2排気ダクト45、第3排気ダクト47、第4排気ダクト49及び排気口41によって、収容室21から空気を排出する排気経路が構成されている。
【0049】
第4排気ダクト49内には、排気ファン55が設けられている。排気ファン55は、後壁47aの導出口53に対向する状態で、ドラム支持軸15に外挿された円筒状のファン支持体57に一体回転可能に固定されている。これにより、排気ファン55は、回転軸心X17周りに回転可能となっている。
【0050】
モータ27の第2駆動軸31には、第2プーリ59が一体回転可能に固定されている。そして、第2伝達ベルト61が第2プーリ59と、ファン支持体57とに巻き掛けられている。
【0051】
モータ27が作動して駆動力を発生すると、第2駆動軸31、第2プーリ59及び第2伝達ベルト61を経由してファン支持体57に駆動力が伝達され、排気ファン55が回転軸心X17周りに回転する。排気ファン55の回転により、筐体3の外部の空気が給気口37、筐体3内、給気ダクト39及び第1通気部25を経由して収容室21内に供給され、収容室21内で流通した後、第2通気部51、第1排気ダクト43、第2排気ダクト45、第3排気ダクト47、第4排気ダクト49及び排気口41を経由して筐体3の外部に排出される。
【0052】
衣類乾燥機1は、加熱源として、燃焼装置63を有している。燃焼装置63は、給気ダクト39の上方に配置されている。給気口37から筐体3内に取り込まれた空気は、燃焼装置63内を通過した後、給気ダクト39に送られる。
【0053】
燃焼装置63は、図示しないガスバーナ、ガス供給弁装置及びガス噴射ノズル等を有している。ガス供給弁装置は、図示しないガス供給源からガス噴射ノズルに燃料ガスを供給する。ガス噴射ノズルは、燃料ガスをガスバーナに向けて噴射する。これにより、燃料ガスが空気と共にガスバーナに導かれて燃焼する。その結果、排気ファン55の回転によって給気口37から筐体3内に取り込まれた空気は、燃焼装置63内でガスバーナで生成される燃料排ガスによって加熱され、給気ダクト39、第1通気部25を経由して収容室21内に温風として供給される。そして、その温風は、収容室21内で流通して衣類19の湿気を吸収した後、第2通気部51、第1排気ダクト43、第2排気ダクト45、第3排気ダクト47及び第4排気ダクト49を経由して排気口41から筐体3の外部に排出される。
【0054】
<乾燥棚の構成>
図2及び
図7に示すように、衣類乾燥機1は、収容室21内に配置される乾燥棚65をさらに備えている。乾燥棚65は、被乾燥物のうち特定の被乾燥物を乾燥するために用いられる。特定の被乾燥物とは、例えば回転ドラム17の回転により収容室21内で撹拌させたくない物、具体的にはセーター、ランジェリー、帽子、運動靴やスリッパ等を挙げることができる。
【0055】
図5及び
図6に示すように、乾燥棚65は、特定の被乾燥物が載置される載置部67と、左右一対の側方縦壁69a、69bと、後方縦壁71と、前方縦壁73とを有している。
【0056】
左右一対の側方縦壁69a、69b、後方縦壁71及び前方縦壁73は、金属板により一体に形成されている。すなわち、帯状の1枚の金属板を折り曲げて矩形の枠状とし、その金属板の両端を接合して環状にすることで、左右一対の側方縦壁69a、69b、後方縦壁71及び前方縦壁73を一体に形成している。
【0057】
載置部67は、平面視で略矩形状をなしている。載置部67は、左右方向に延びる複数の金属製線材が前後方向に平行状態に並べて構成されている。各線材は、各線材の両端が上方に屈曲され、その屈曲先端が左右の側方縦壁69a、69bにそれぞれ接合されている。
【0058】
こうして、載置部67の左右両端縁において、左右一対の側方縦壁69a、69bが前後方向に延びつつ所定の高さで立設される。また、載置部67の後方において、後方縦壁71が左右方向に延びつつ所定の高さで立設される。さらに、載置部67の前方において、前方縦壁73が左右方向に延びつつ所定の高さで立設される。左右一対の側方縦壁69a、69b及び後方縦壁71は、上端の高さ位置が同じとされる。前方縦壁73の上端の高さ位置は、後述する係合部77を構成する金属板の板厚分だけ、左右一対の側方縦壁69a、69bの上端の高さ位置より低い位置とされている。
【0059】
乾燥棚65は、前端支持部75を有している。載置部67の前端部が前端支持部75とされている。乾燥棚65は、前端支持部75よりも前方かつ上方の位置に係合部77を有している。係合部77は、前方縦壁73と同じ左右方向長さで左右の長手方向に延びている。係合部77は、長尺状の金属板を長手方向に沿う中心線で折り曲げられた断面L状をなしている。係合部77は、上面部77aと、前面部77bとを有している。係合部77は、上面部77aの長辺をなす後端縁が前方縦壁73の上端に接合されている。係合部77の上端の高さ位置は、左右一対の側方縦壁69a、69b及び後方縦壁71の上端の高さ位置と同じとされている。前端支持部75は、本発明の前端部の一例である。
【0060】
こうして、係合部77は、一対の側方縦壁69a、69bの上端及び後方縦壁71の上端と載置部67の下端との間の上下方向の範囲に設けられている。
【0061】
<入口形成部材の構成>
図3、
図4及び
図7に示すように、入口形成部材7は、一対の支持部79と、支持後端面7bと、一対の棚状部81とを有している。
【0062】
一対の支持部79は、投入口5に面するとともに水平方向に対向する部位に設けられている。一対の支持部79は、投入口5における上下方向の中心よりも下方に位置している。一対の支持部79は、入口形成部材7の互いに対向する一対の対向内面83から互いに近接する方向に突設されている。一対の対向内面83は、入口形成部材7の内周面7aから下方に向かって互いに対向しつつ鉛直方向に平行に延びている。一対の支持部79は、上に凸の略矩形状をなしている。
【0063】
一対の棚状部81は、投入口5に面するとともに水平方向に対向する部位に設けられている。一対の棚状部81は、一対の支持部79の下端に接続されている。一対の棚状部81は、一対の支持部79の下端から前方及び後方に向かって水平方向に延びている。一対の支持部79の下端から後方に向かう一対の棚状部81は、入口形成部材7の支持後端面7bまで延びている。一対の棚状部81は、入口形成部材7の互いに対向する一対の対向内面83の下端からから互いに近接する方向に突設されている。
【0064】
支持後端面7bは、一対の支持部79より下方かつ後方の位置で内周面7a及び棚状部81に対して直交する鉛直方向に延在している。
【0065】
一対の支持部79に係合部77が係合した時、支持後端面7bに載置部67の前端支持部75が当接するとともに、前方縦壁73及び一対の側方縦壁69a、69bが一対の棚状部81に当接するように、各構成部の寸法等が設定されている。
【0066】
乾燥棚65は、係合部77が一対の支持部79に係合するとともに、載置部67の前端支持部75が支持後端面7bに当接することで、入口形成部材7に片持ち梁状に支持される。このとき、一対の支持部79に対して上方から係合された係合部77の前面部77bと前方縦壁73とにより、一対の支持部79が前後方向に挟持される。また、前方縦壁73及び一対の側方縦壁69a、69bの下面並びに係合部77の前面部77bの下端が一対の棚状部81に当接する。
【0067】
<作用効果>
実施例の衣類乾燥機1では、入口形成部材7に設けられた一対の支持部79に係合部77が係合するとともに、入口形成部材7の支持後端面7bに載置部67の前端支持部75が当接することで、乾燥棚65が入口形成部材7に対して片持ち梁状に支持される。
【0068】
この乾燥棚65では、入口形成部材7に乾燥棚65を取り付けるために必要な構成部品の一部を載置部67の前端支持部75が担っている。このため、上記従来の衣類乾燥機における乾燥棚と異なり、入口形成部材7に乾燥棚65を取り付けるために載置部67の下方から突出する部分を別途設ける必要がない。その結果、この乾燥棚65は嵩張ることが抑えられる。
【0069】
したがって、この衣類乾燥機1は、乾燥棚65が嵩張ることを抑えて、乾燥棚65の収容室21内への収容性や見栄えを向上させることができる。
【0070】
特に、この乾燥棚65では、係合部77が、一対の側方縦壁69a、69b及び後方縦壁71の上端と載置部67の下端との間の上下方向の範囲に設けられており、係合部77が、一対の側方縦壁69a、69b及び後方縦壁71の上端と載置部67の下端との間の範囲内に納まっている。このため、この乾燥棚65において係合部77が高さ方向にはみ出ることがない。しかも係合部77は、一対の側方縦壁69a、69b及び後方縦壁71と上端の高さ位置が同じであり、係合部77の上端と一対の側方縦壁69a、69b及び後方縦壁71の上端とが同一平面上に位置している。このため、この乾燥棚65は、見栄えがより一層向上している。
【0071】
また、この乾燥棚65では、左右一対の側方縦壁69a、69b、後方縦壁71及び前方縦壁73が1枚の金属板により一体に形成されており、載置部67の四方が左右一対の側方縦壁69a、69b、後方縦壁71及び前方縦壁73により囲まれている。このため、乾燥棚65の剛性が高められており、特定の被乾燥物の載置による載置部67の下方への撓みを抑えることができる。その結果、例えばこの衣類乾燥機1の乾燥運転中に回転する回転ドラム17に設けられたリフタ等に乾燥棚65が衝突する不都合を抑えることができる。また、載置部67の四方が左右一対の側方縦壁69a、69b、後方縦壁71及び前方縦壁73により囲まれているため、載置部67から特定の被乾燥物が落下し難い。
【0072】
さらに、入口形成部材7に設けられた一対の支持部79は、一対の対向内面83から互いに近接する方向に突設されるとともに、上に凸の略矩形状をなしている。このため、入口形成部材7に乾燥棚65を取り付ける際、一対の支持部79に対して、係合部77と前方縦壁73とを上方から係合させればよいので、乾燥棚65を水平状態で取り付ける取付作業が容易となる。そして、一対の支持部79に対して上方から係合された係合部77と前方縦壁73とにより、一対の支持部79が前後方向に挟持されるため、入口形成部材7から乾燥棚65が外れ難い。しかも、前方縦壁73及び一対の側方縦壁69a、69bの下面並びに係合部77の前面部77bの下端が一対の棚状部81に当接するので、乾燥棚65を水平状態に安定して保持することができる。
【0073】
また、この衣類乾燥機1では、入口形成部材7の対向内面83に設けた一対の支持部79に乾燥棚65の係合部77を係合させている。そして、投入口5を密封するためのゴムパッキン13は、入口形成部材7よりも前方に配置されている。このため、入口形成部材7に乾燥棚65を取り付けることによって、係合部77がゴムパッキン13を傷つけるおそれがない。その結果、投入口5の気密性を維持するのに有利となる。
【0074】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0075】
実施例では、複数の線材を平行状態に配置して載置部を構成するが、この構成には限定されない。例えば、複数の線材を格子状や網状に配置したり、複数の帯状の板材を平行状態に配置したりして載置部を構成してもよく、また1枚の板材により載置部を構成してもよい。
【0076】
実施例では、載置部を平面視で略矩形状とするが、この構成に限定されない。支持後端面に当接する前端部と、一対の支持部に係合する係合部とを設けた構成とする限り、載置部の形状を適宜変更可能である。
【0077】
実施例では、入口形成部材を筐体と別部材とするが、この構成に限定されず、入口形成部材を筐体と一体的に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は衣類乾燥機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1…衣類乾燥機
3…筐体
5…投入口
7…入口形成部材
7b…支持後端面
17…回転ドラム(ドラム)
21…収容室
65…乾燥棚
67…載置部
69a、69b…側方縦壁
71…後方縦壁
73…前方縦壁
75…前端支持部(前端部)
77…係合部
79…支持部