(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137509
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】信頼判定プログラム、操作端末および信頼判定方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049049
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲道 耕二
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】インターネット上のデータが信頼できるかどうかを簡単に判断する。
【解決手段】操作端末1は、インターネット上にアップロードされた特定の発信データを画面に表示し、発信データの確からしさを示すエンドースメントデータ41を受信し、エンドースメントデータ41に対し、発信データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した重視観点リスト31を用いて、特定の発信データの信頼の度合いを判定し、特定の発信データの信頼の度合いを示す情報を画面に重畳して表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上にアップロードされた特定のデータを画面に表示し、
前記特定のデータの確からしさを示すプロパティデータを受信し、
前記プロパティデータに対し、前記データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した第1の記憶部を用いて、前記特定のデータの信頼の度合いを判定し、
前記特定のデータの信頼の度合いを示す情報を前記画面に重畳して表示する
処理をコンピュータに実行させる信頼判定プログラム。
【請求項2】
該判定する処理は、受信されたプロパティデータに対して、前記第1の記憶部並びに、前記閲覧者が信用する組織または人の名称を記憶した第2の記憶部を参照し、前記特定のデータの信頼の度合いを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の信頼判定プログラム。
【請求項3】
該判定する処理は、前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶され組織または人の名称に合致するか否かを判定するとともに、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致するか否かを判定し、
前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶された組織または人の名称に合致し、且つ、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致すると判定された場合には、前記特定のデータが信頼できることを示す前記信頼の度合いを導出し、
該表示する処理は、該導出された前記信頼の度合いを示す情報を前記画面に表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の信頼判定プログラム。
【請求項4】
該導出する処理は、前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶された組織または人の名称に合致するが、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致しないと判定された場合、または、前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶された組織または人の名称に合致せず、且つ、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致しないと判定された場合には、前記特定のデータが信頼できないことを示す前記信頼の度合いを導出し、
該表示する処理は、該導出された前記信頼の度合いを示す情報を前記画面に表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の信頼判定プログラム。
【請求項5】
該導出する処理は、前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶された組織または人の名称に合致しないが、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致すると判定された場合には、前記特定のデータの信頼性が中レベルであることを示す前記信頼の度合いを導出し、
該表示する処理は、該導出された前記信頼の度合いを示す情報を前記画面に表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の信頼判定プログラム。
【請求項6】
該導出された前記信頼の度合いが中レベルである場合には、前記特定のデータに記載された製品またはサービスの購買履歴がある場合には、前記プロパティデータの投稿者の名称を前記第2の記憶部に追加する
ことを特徴とする請求項5に記載の信頼判定プログラム。
【請求項7】
インターネット上にアップロードされた特定のデータを画面に表示する第1の表示部と、
前記特定のデータの確からしさを示すプロパティデータを受信する受信部と、
前記プロパティデータに対し、前記データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した第1の記憶部を用いて、前記特定のデータの信頼の度合いを判定する判定部と、
前記特定のデータの信頼の度合いを示す情報を前記画面に重畳して表示する第2の表示部と、
を有することを特徴とする操作端末。
【請求項8】
インターネット上にアップロードされた特定のデータを画面に表示し、
前記特定のデータの確からしさを示すプロパティデータを受信し、
前記プロパティデータに対し、前記データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した第1の記憶部を用いて、前記特定のデータの信頼の度合いを判定し、
前記特定のデータの信頼の度合いを示す情報を前記画面に重畳して表示する
処理をコンピュータが実行する信頼判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信頼判定プログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上では、スマートフォンやSNS(Social Networking Service)の普及に伴い、時間や場所に依らずに情報の発信や閲覧を行うことが可能になっている。しかしながら、このように発信される情報には、例えば、意図的に広められる虚偽の情報または不正確な情報が含まれる場合があり、状況によっては拡散される場合がある。
【0003】
このため、上記のような偽情報の拡散を抑制する観点から、例えば、インターネット上のデータの確からしさを確認するための仕組みが用いられる場合がある。
【0004】
例えば、データの確からしさを確認するためのアーキテクチャとして、「Trustable Internet」が提案されている(例えば、非特許文献を参照)。「Trustable Internet」は、インターネット上のデータの確からしさを容易に確認できるように、データに対する発信者または第三者が元のデータの確からしさとして裏付け可能な情報を付加する。付加される情報には、例えば、データの生成や処理等に関与した人や物の情報や、データを見た第三者による確認や評価に関する情報、データに関連したフィジカル空間の情報(センサーデータ等)等が挙げられる。
【0005】
そして、「Trustable Internet」は、利用者と情報を付加する者との間で共用するエンドースメントレイヤ(Endorsement Layer)をインターネットの階層上に持つ。これにより、「Trustable Internet」は、利用者に、従来と同様にウェブアプリケーションを利用させ、データの確からしさを確認させることが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Trustable Internet “https://tial.sfc.keio.ac.jp/blob/Trustable_Internet_Whitepaper_V1.0.pdf”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、利用者は、インターネット上のデータが信頼できるかどうかを簡単に判断できないという問題がある。例えば、利用者は、インターネット上のデータに付加される情報を確認して、当該データが信頼できるかどうかを判断することが可能である。ところが、インターネット上のデータに付加される情報は、必ずしも利用者にとって信用できる情報とはいえない。
【0008】
つまり、データに付加される情報を信じるかどうかは、利用者によって変わる。一例として、データに付加される情報が、利用者によって信用される人や組織からの情報であれか否かによって、利用者がデータに付加される情報を信じるかどうかが変わる。この結果、利用者は、インターネット上のデータに付加された情報を確認しても、当該データが信頼できるかどうかを簡単に判断できない。
【0009】
また、インターネット上のデータに付加される情報が多く表示された場合に、利用者が全ての情報を確認するには、手間がかかる。この結果、利用者は、インターネット上のデータが信頼できるかどうかを簡単に判断できない。
【0010】
本発明は、1つの側面では、インターネット上のデータが信頼できるかどうかを簡単に判断することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの態様では、信頼判定プログラムは、インターネット上にアップロードされた特定のデータを画面に表示し、前記特定のデータの確からしさを示すプロパティデータを受信し、前記プロパティデータに対し、前記データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した第1の記憶部を用いて、前記特定のデータの信頼の度合いを判定し、前記特定のデータの信頼の度合いを示す情報を前記画面に重畳して表示する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
1実施態様によれば、利用者は、インターネット上のデータが信頼できるかどうかを簡単に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施例に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施例に係る信頼判定処理の流れの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施例に係る操作端末(閲覧者)の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施例に係る重視観点リストの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例に係る信頼対象リストの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、操作端末(閲覧者)の画面イメージを示す図である。
【
図7】
図7は、実施例に係る操作端末(閲覧者)の制御処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施例に係る信頼判定処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施例に係る信頼判定処理のフローチャートの変形例を示す図である。
【
図10】
図10は、信頼判定プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する信頼判定プログラム、操作端末および信頼判定方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例では、実施例により限定されるものではない。
【実施例0015】
[情報処理システムの機能構成]
まず、情報処理システム9の構成について説明を行う。
図1は、実施例に係る情報処理システム9の構成の一例を示す図である。
【0016】
図1に示す情報処理システム9は、例えば、操作端末(閲覧者)1と、操作端末(発信者)2aと、操作端末(エンドーサー)2bと、管理サーバ3と、記憶装置4とを有する。以下、操作端末(閲覧者)1は、単に操作端末1とも呼ぶ。操作端末(発信者)2aは、単に操作端末2aとも呼ぶ。操作端末(エンドーサー)2bは、単に操作端末2bとも呼ぶ。
【0017】
操作端末2aは、例えば、データを発信する発信者が所有する端末であり、発信者がインターネット7上におけるWebサーバ(図示せず)に対して発信データを、アップロード等を行う端末である。具体的に、操作端末2aは、例えば、発信者が所有するスマートフォン等であっても良い。また、操作端末2aは、例えば、インターネット7を介して操作端末1、操作端末2bおよび管理サーバ3とアクセスを行うことが可能である。なお、発信データは、例えば、SNS(Social Network Service)上に投稿された文章であっても良い。
【0018】
操作端末2bは、例えば、エンドーサーが所有する端末であり、発信者がインターネット7上におけるWebサーバにアップロードした発信データのエンドース等を行う端末である。ここでいう「エンドース」とは、発信データに対して、人や物によって裏付けられた情報を付加することをいう。ここでいう付加される情報は、「エンドースメントデータ」とも呼び、プロパティデータの一例である。そして、エンドースを行う人や物は、「エンドーサー」と呼ばれる。すなわち、エンドーサーは、例えば、エンドースメントデータ41を生成する人または物であり、エンドーサー以外の人やエンドースメントデータ41を自動的に生成する機器が含まれる。具体的に、操作端末2bは、例えば、エンドーサーが所有するスマートフォン等であっても良い。また、操作端末2bは、例えば、インターネット7を介して操作端末1、操作端末2aおよび管理サーバ3とアクセスを行うことが可能である。
【0019】
記憶装置4は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であり、発信者がアップロードしたインターネット7上の発信データに対してエンドーサー等が付加したエンドースメントデータ41を記憶する。また、エンドースメントデータ41は、例えば、発信データの内容についての確からしさの判断する際の判断基準として用いられる情報である。なお、データの確からしさとは、データの正しさの程度のことをいう。具体的に、エンドースメントデータ41には、例えば、発信データの生成や処理等に関与した人や物の情報や、発信データを見た第三者(エンドーサー)による確認や評価に関する情報、発信データに関連したフィジカル空間の情報(センサーデータ等)が含まれる。
【0020】
管理サーバ3は、例えば、1以上の物理マシンまたは1以上の仮想マシンであり、発信データについてのエンドースメントデータ41を管理する処理を行う。
【0021】
具体的に、管理サーバ3は、例えば、インターネット7上にアップロードされた発信データの確からしさを示すエンドースメントデータ41と、エンドースメントデータ41から生成されたデジタル署名とを受信する。そして、管理サーバ3は、例えば、インターネット7上にアップロードされた発信データの識別情報とデジタル署名とを付加したエンドースメントデータ41を記憶装置4に記憶する。すなわち、管理サーバ3は、例えば、各エンドースメントデータ41の記憶を、各エンドースメントデータ41の生成主体であるエンドーサーによって生成されたデジタル署名を付加した状態で行う。この結果、管理サーバ3は、各エンドースメントデータ41の真正性や非改竄性を確保する。
【0022】
そして、管理サーバ3は、操作端末1から、特定のエンドースメントデータ41の取得要求を受信する。取得要求には、例えば、特定のエンドースメントデータ41に対応する発信データの識別情報が含まれる。そして、管理サーバ3は、記憶装置4に記憶されたエンドースメントデータ41から、取得要求に対応する特定のエンドースメントデータ41を取得する。そして、管理サーバ3は、取得された特定のエンドースメントデータ41を要求元の操作端末1に送信する。これにより、操作端末1の閲覧者は、例えば、インターネット7上にアップロードされた発信データを閲覧する場合、発信データに対応するエンドースメントデータ41を参照することで、発信データの確からしさを適宜判断することが可能になる。
【0023】
なお、管理サーバ3は、例えば、インターネット7上にアップロードされた発信データに関する人物または物に対応する他のエンドースメントデータ41が記憶装置4に既に記憶されている場合、当該発信データに対応するエンドースメントデータ41と他のエンドースメントデータ41とを対応付けて記憶しても良い。すなわち、管理サーバ3は、例えば、記憶装置4において各エンドースメントデータ41を記憶する際に、各エンドースメントデータ41の生成主体であるエンドーサーについての他のエンドースメントデータ41や発信データの対象物についての他のエンドースメントデータ41と対応付けることによってグラフ構造を形成することが可能となる。
【0024】
操作端末1は、例えば、閲覧者が所有する端末であり、発信者がインターネット7上におけるWebサーバにアップロードした発信データが信頼できるか否かを示す信頼判定処理を行う。操作端末1は、例えば、閲覧者が所有するスマートフォン等であっても良い。また、操作端末1は、例えば、インターネット7を介して管理サーバ3とアクセスを行うことが可能である。
【0025】
具体的に、実施例に係る操作端末1は、発信者がインターネット7上におけるWebサーバにアップロードした発信データを取得する。そして、操作端末1は、取得された発信データを画面に表示する。また、操作端末1は、発信データに対するエンドースメントデータ41の取得要求を管理サーバ3に送信し、管理サーバ3から当該発信データに対するエンドースメントデータ41を取得する。取得要求には、例えば、発信データの識別情報が含まれる。
【0026】
そして、操作端末1は、取得されたエンドースメントデータ41に対し、閲覧者が重視する観点を記憶した重視観点リスト31および閲覧者が信用する人または組織を記憶した信頼対象リスト32を用いて、発信データが信頼できるか否かを判定する。一例として、操作端末1は、発信データに対するエンドースメントデータ41が、重視観点リスト31に記憶された重視観点に対する肯定的な情報であり、且つ当該エンドースメントデータ41のエンドーサーが、信頼対象リスト32に記憶されている場合に、この発信データは信頼できると判定する。つまり、操作端末1は、閲覧者が閲覧している発信データに対し、閲覧者が重視する観点に対して第三者のエンドーサーによる肯定的なエンドースがあり、且つこのエンドーサーが閲覧者にとって信用する人または組織である場合に、この発信データが閲覧者にとって信頼できると判定する。そして、操作端末1は、判定結果を、発信データを閲覧する画面に重畳して表示する。
【0027】
これにより、閲覧者は、例えば、発信データに対する判定結果から、発信データが信頼できるかどうかを簡単に判断することができる。すなわち、閲覧者は、自身の知りたい観点(重視観点)に対して、発信データが信頼できるかどうかを、エンドースメントデータ41を全て確認することなく、迅速に判断できる。この結果、閲覧者は、発信データに対する意思決定(例えば、購買等)が素早く行えるようになる。
【0028】
ここで、実施例に係る信頼判定処理の流れを、
図2を参照して説明する。
図2は、実施例に係る信頼判定処理の流れの一例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、操作端末1は、発信者がインターネット7上におけるWebサーバにアップロードした発信データを取得する。そして、操作端末1は、取得された発信データを画面に表示する。ここでいう発信データは、例えば、ネジについての製品情報を含むデータである。
【0030】
また、操作端末1は、管理サーバ3から、発信データと対応付けられているエンドースメントデータ41を取得する。1つのエンドースメントデータ41は、例えば、エンドーサーとしての企業Aが「ネジの強度は問題ない」という文章をエンドースしたデータである。もう1つのエンドースメントデータ41は、例えば、エンドーサーとしてのアナリストB氏が「財務状況は良好」という文書をエンドースしたデータである。そして、各エンドーサーによって生成されたデジタル署名が各エンドースメントデータ41に付加されている。
【0031】
そして、操作端末1は、取得されたエンドースメントデータ41に対し、閲覧者が重視する観点を記憶した重視観点リスト31および閲覧者が信用する人または組織を記憶した信頼対象リスト32を用いて、発信データが信頼できるか否かを判定する。重視観点リスト31には、閲覧者の重視観点として、例えば、「ネジの材質」や「ネジの強度」等が設定されている。信頼対象リスト32には、閲覧者の信頼対象として、例えば、「企業A社」や「企業B社」等が設定されている。
【0032】
例えば、企業Aによってエンドースされた「ネジの強度は問題ない」という内容を含むエンドースメントデータ41に対して、重視観点リスト31に「ネジの強度」が設定され、信頼対象リスト32に「企業A社」が設定されている。したがって、操作端末1は、発信データが信頼できると判定する。すなわち、閲覧者の重視観点である「ネジの強度」に関して、閲覧者が信頼している「企業A」からエンドースされたエンドースメントデータ41が存在する。このため、ネジについての製品情報を含む発信データは信頼できると判断される。そして、操作端末1は、判定結果である信頼できることを示す、例えば「Trustable」を、発信データを閲覧する画面に重畳して表示する。
【0033】
これにより、閲覧者は、例えば、発信データに対する判定結果から、発信データが信頼できるかどうかを簡単に判断することができる。すなわち、閲覧者は、自身の知りたい観点(重視観点)に対して、発信データが信頼できるかどうかを、エンドースメントデータ41を全て確認することなく、迅速に判断ができる。この結果、閲覧者は、発信データに対する意思決定(例えば、購買等)が素早く行えるようになる。
【0034】
[操作端末(閲覧者)の機能構成]
次に、実施例に係る操作端末(閲覧者)1の機能構成を、
図3を参照して説明する。
図3は、実施例に係る操作端末(閲覧者)の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、操作端末(閲覧者)1は、閲覧アプリ10と、制御部20と、記憶部30とを有する。
【0035】
閲覧アプリ10は、例えば、Webブラウザである。Webブラウザには、一例として、Google Chrome、Safari、Microsoft Edge等が挙げられる。閲覧アプリ10は、インターネット7を介してWebサーバやクラウドにアクセスし、発信者データ等を取得し、操作端末1の画面に表示する。
【0036】
記憶部30は、重視観点リスト31および信頼対象リスト32を有する。
【0037】
重視観点リスト31は、閲覧者が重視する観点を記憶したリストである。すなわち、重視観点リスト31は、閲覧者が発信データに対して信頼できるかどうかを判断する際に重視する観点を記憶する。重視観点リスト31は、閲覧者によって予め生成されても良いし、適宜追加されても良い。なお、重視観点リスト31は、閲覧者が重視する観点を入力するUI(User Interface)を用いて生成されても良い。
【0038】
信頼対象リスト32は、閲覧者が信用する人または組織を記憶したリストである。すなわち、信頼対象リスト32は、閲覧者が発信データに対して信頼できるかどうかを判断する際に重視する信頼対象を記憶する。信頼対象リスト32は、閲覧者によって予め生成されても良いし、適宜追加されても良い。なお、信頼対象リスト32は、閲覧者が重視する信頼対象を入力するUIを用いて生成されても良い。
【0039】
ここで、重視観点リスト31の一例を、
図4を参照して説明する。
図4は、実施例に係る重視観点リストの一例を示す図である。
図4に示すように、重視観点リスト31には、閲覧者が重視する観点が記憶されている。一例として、重視観点リスト31には、「ネジの材質」、「ネジの強度」、「価格」が記憶されている。なお、重視観点リスト31には、項目に限定されず、項目を用いた算術式が記憶されても良い。項目を用いた算術式の一例として、「ネジの強度≧nn」が挙げられる。
【0040】
ここで、信頼対象リスト32の一例を、
図5を参照して説明する。
図5は、実施例に係る信頼対象リストの一例を示す図である。
図5に示すように、信頼対象リスト32は、例えば、組織/人(名称)を記憶する。加えて、信頼対象リスト32は、組織/人(名称)の属性として、例えば、国、所属組織、役職名および所有資格を対応付けて記憶しても良い。一例として、「〇〇エンジニアリング株式会社」が信頼対象として記憶されている。「〇〇エンジニアリング株式会社」には、「日本」が属性として対応付けられている。また、「xx工業株式会社」が信頼対象として記憶されている。「xx工業株式会社」には、「アメリカ」が属性として対応付けられている。また、「△△太郎」が信頼対象として記憶されている。「△△太郎」には、「日本」、「〇〇株式会社」、「品証部マネージャー」、「XXスペシャリスト」が属性として対応付けられている。なお、信頼対象リスト32を構成する項目は、これらに限定されず、適宜追加されても良い。
【0041】
図3に戻って、制御部20は、画面処理部21および信頼判定部22を有する。
【0042】
画面処理部21は、画面処理を実行する。例えば、画面処理部21は、後述する信頼判定部22によって判定される信頼度に応じた信頼度結果情報を、閲覧者が発信データを閲覧する画面に重畳して表示する。信頼度には、例えば、信頼性が高いことを示す「高」、信頼性が低いことを示す「低」、信頼性が中程度を示す「中」が挙げられる。なお、信頼度は、これに限定されず、例えば、0~100の間の数値で表しても良い。
【0043】
信頼判定部22は、発信データに対する信頼度を判定する。例えば、信頼判定部22は、発信データに対するエンドースメントデータ41を管理サーバ3から受信する。一例として、信頼判定部22は、発信データの識別情報を含むエンドースメントデータ41の取得要求を管理サーバ3に送信し、当該発信データに対するエンドースメントデータ41を管理サーバ3から受信する。そして、信頼判定部22は、受信されたエンドースメントデータ41に対し、重視観点リスト31および信頼対象リスト32を用いて、発信データに対する信頼度を判定する。一例として、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーが信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致するか否かを判定する。加えて、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41の内容は重視観点リスト31に設定された観点に合致するか否かを判定する。
【0044】
そして、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーが信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致し、且つ当該エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致する場合には、信頼度を「高」と判定する。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定され、このエンドースメントデータ41に閲覧者の重視観点が設定されているからである。これにより、閲覧者は、信頼度「高」の表示を見ることで、発信データが信頼できることを簡単に判断することができる。すなわち、閲覧者は、自身の重視している観点に対して、発信データが信頼できるかどうかを、エンドースメントデータ41を全て確認することなく、迅速に判断できる。
【0045】
そして、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーが信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致するが、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致しない場合には、信頼度を「低」と判定する。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定されていても、閲覧者の重視観点が設定されていないからである。これにより、閲覧者は、信頼度「低」の表示を見ることで、発信データが信頼できないことを簡単に判断することができる。すなわち、閲覧者は、自身の重視している観点に対して、発信データが信頼できるかどうかを、エンドースメントデータ41を全て確認することなく、迅速に判断できる。
【0046】
そして、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーが信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致しないが、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致する場合には、信頼度を「中」と判定する。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定されていないが、閲覧者の重視観点が設定されているからである。これにより、閲覧者は、信頼度「中」の表示を見ることで、発信データの信頼度を簡単に判断することができる。すなわち、閲覧者は、自身の重視している観点に対して、発信データが信頼できるかどうかを、エンドースメントデータ41を全て確認することなく、迅速に判断できる。
【0047】
そして、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーが信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致せず、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致しない場合には、信頼度を「低」と判定する。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定されておらず、閲覧者の重視観点が設定されていないからである。これにより、閲覧者は、信頼度「低」の表示を見ることで、発信データが信頼できないことを簡単に判断することができる。すなわち、閲覧者は、自身の重視している観点に対して、発信データが信頼できるかどうかを、エンドースメントデータ41を全て確認することなく、迅速に判断できる。
【0048】
なお、信頼判定部22は、発信データに対するエンドースメントデータ41を、所定時間の経過後、再度、管理サーバ3から受信して、発信データに対する信頼度を判定しても良い。これにより、信頼判定部22は、新たに追加されたエンドースメントデータ41を用いることで、判定を変更することが可能となる。
【0049】
[操作端末(閲覧者)の画面イメージ]
次に、操作端末(閲覧者)1の画面イメージを、
図6を参照して説明する。
図6は、操作端末(閲覧者)の画面イメージを示す図である。なお、信頼判定部22が、発信データに対し、信頼度を「中」と判定した場合であるとする。
【0050】
図6に示すように、操作端末1には、ネジについての製品情報を含む発信データが画面に表示されている。そして、発信データが表示されている画面に、信頼度「中」に応じた「Trust Level 中」が重畳して表示されている。これにより、閲覧者は、信頼度の表示を見ることで、発信データが信頼できるかどうかを簡単に判断することができる。すなわち、閲覧者は、自身の重視している観点に対して、発信データが信頼できるかどうかを、エンドースメントデータ41を全て確認することなく、迅速に判断できる。
【0051】
[操作端末(閲覧者)の制御部のフローチャート]
次に、実施例に係る操作端末(閲覧者)1の制御部20が実施する制御処理のフローチャートを、
図7を参照して説明する。
図7は、実施例に係る操作端末(閲覧者)の制御処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0052】
図7に示すように、閲覧アプリ10は、発信されたデータをWebサーバから取得して表示する(ステップS11)。
【0053】
そして、信頼判定部22は、取得されたデータに対するエンドースメントデータ41を取得し、取得されたエンドースメントデータ41からエンドーサーの名称を抽出する(ステップS12)。信頼判定部22は、発信されたデータに対する信頼度を判定する(ステップS13)。なお、信頼判定部22が行う信頼判定処理のフローチャートについては、後述する。
【0054】
そして、画面処理部21は、信頼度判定結果に応じた信頼度結果情報を閲覧アプリ10上に表示する(ステップS14)。そして、制御部20が実施する制御処理は、終了する。
【0055】
[信頼判定処理のフローチャート]
次に、実施例に係る信頼判定部22が実施する信頼判定処理のフローチャートを、
図8を参照して説明する。
図8は、実施例に係る信頼判定処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0056】
図8に示すように、信頼判定部22は、エンドーサーの名称が信頼対象リスト32にあるか否かを判定する(ステップS21)。すなわち、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーの名称が信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致するか否かを判定する。エンドーサーの名称が信頼対象リスト32にあると判定した場合には(ステップS21;Yes)、信頼判定部22は、エンドーサーが重視観点に対してエンドースしたか否かを判定する(ステップS22)。すなわち、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致するか否かを判定する。
【0057】
エンドーサーが重視観点に対してエンドースしたと判定した場合には(ステップS22;Yes)、信頼判定部22は、信頼度を「高」と判定する(ステップS23)。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーの名称が設定され、このエンドースメントデータ41に閲覧者の重視観点が設定されているからである。そして、信頼判定部22は、ステップS28に移行する。
【0058】
一方、エンドーサーが重視観点に対してエンドースしていないと判定した場合には(ステップS22;No)、信頼判定部22は、信頼度を「低」と判定する(ステップS24)。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーの名称が設定されていても、閲覧者の重視観点が設定されていないからである。そして、信頼判定部22は、ステップS28に移行する。
【0059】
一方、エンドーサーの名称が信頼対象リスト32にないと判定した場合には(ステップS21;No)、信頼判定部22は、エンドーサーが重視観点に対してエンドースしたか否かを判定する(ステップS25)。すなわち、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致するか否かを判定する。エンドーサーが重視観点に対してエンドースしたと判定した場合には(ステップS25;Yes)、信頼判定部22は、信頼度を「中」と判定する(ステップS26)。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定されていないが、閲覧者の重視観点が設定されているからである。そして、信頼判定部22は、ステップS28に移行する。
【0060】
一方、エンドーサーが重視観点に対してエンドースしていないと判定した場合には(ステップS25;No)、信頼判定部22は、信頼度を「低」と判定する(ステップS27)。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定されておらず、閲覧者の重視観点が設定されていないからである。そして、信頼判定部22は、ステップS28に移行する。
【0061】
ステップS28において、信頼判定部22は、信頼度判定結果を画面処理部21へ出力する(ステップS28)。そして、信頼判定部22は、信頼判定処理を終了する。
【0062】
[変形例]
次に、実施例に係る操作端末(閲覧者)1の変形例について説明を行う。実施例に係る操作端末(閲覧者)1における信頼判定部22は、発信データに対するエンドースメントデータ41に対し、閲覧者によって予め生成された重視観点リスト31および信頼対象リスト32を用いて、当該発信データに対する信頼度を判定すると説明した。信頼判定部22は、さらに、発信データの信頼判定を行う際に、信頼対象リスト32に設定されていない第三者であっても、重視観点リスト31に設定された重視観点についてエンドースしたエンドーサーを信頼対象リスト32に追加するようにしても良い。すなわち、信頼判定部22は、信頼対象を信頼対象リスト32に自動的に追加するようにしても良い。
【0063】
例えば、信頼判定部22は、発信データに対するエンドースメントデータ41を管理サーバ3から受信する。信頼判定部22は、受信されたエンドースメントデータ41に対し、重視観点リスト31および信頼対象リスト32を用いて、発信データに対する信頼度を判定する。一例として、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーが信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致するか否かを判定する。加えて、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致するか否かを判定する。
【0064】
そして、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーが信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致しないが、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致する場合には、信頼度を「中」と判定する。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定されていないが、閲覧者の重視観点が設定されているからである。
【0065】
信頼度が「中」と判定された場合に、信頼判定部22は、一例として、閲覧者が発信データに記載された製品やサービスを購入していれば、観点に合致したエンドースメントデータ41のエンドーサーの名称を信頼対象リスト32に追加する。つまり、信頼判定部22は、閲覧者が購入した物に対して肯定的にエンドースしたエンドーサーを信頼対象と推定しても良い。なお、製品やサービスを購入したか否かは、例えば、購買履歴データが接続されていれば、購買履歴データを用いて判定されれば良い。
【0066】
また、別の例では、信頼度が「中」と判定された場合に、信頼判定部22は、信頼対象リスト32に設定されていないエンドーサーがエンドースした回数をカウントする。そして、信頼判定部22は、カウントが一定の回数に達したエンドーサーの名称を信頼対象リスト32に追加しても良い。つまり、信頼判定部22は、より多くエンドースしたエンドーサーを信頼対象と推定しても良い。
【0067】
これにより、信頼判定部22は、信頼対象を信頼対象リスト32に自動的に追加することで、閲覧者の追加の手間を省くことができ、新たなエンドーサーを反映できる。この結果、信頼判定部22は、反映された信頼対象リスト32を用いて、発信データが信頼できるかどうかを判定できる。
【0068】
[信頼判定処理のフローチャートの変形例]
次に、実施例に係る信頼判定部22が実施する信頼判定処理のフローチャートを、
図9を参照して説明する。
図9は、実施例に係る信頼判定処理のフローチャートの変形例を示す図である。
【0069】
図9に示すように、信頼判定部22は、エンドーサーの名称が信頼対象リスト32にあるか否かを判定する(ステップS31)。すなわち、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41のエンドーサーの名称が信頼対象リスト32に設定された信頼対象に合致するか否かを判定する。エンドーサーの名称が信頼対象リスト32にあると判定した場合には(ステップS31;Yes)、信頼判定部22は、エンドーサーは重視観点に対してエンドースしたか否かを判定する(ステップS32)。すなわち、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41の内容は重視観点リスト31に設定された観点に合致するか否かを判定する。
【0070】
エンドーサーが重視観点に対してエンドースしたと判定した場合には(ステップS32;Yes)、信頼判定部22は、信頼度を「高」と判定する(ステップS33)。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーの名称が設定され、このエンドースメントデータ41に閲覧者の重視観点が設定されているからである。そして、信頼判定部22は、ステップS40に移行する。
【0071】
一方、エンドーサーが重視観点に対してエンドースしていないと判定した場合には(ステップS32;No)、信頼判定部22は、信頼度を「低」と判定する(ステップS34)。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーの名称が設定されていても、閲覧者の重視観点が設定されていないからである。そして、信頼判定部22は、ステップS40に移行する。
【0072】
一方、エンドーサーの名称が信頼対象リスト32にないと判定した場合には(ステップS31;No)、信頼判定部22は、エンドーサーが重視観点に対してエンドースしたか否かを判定する(ステップS35)。すなわち、信頼判定部22は、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に設定された観点に合致するか否かを判定する。エンドーサーが重視観点に対してエンドースしたと判定した場合には(ステップS35;Yes)、信頼判定部22は、信頼度を「中」と判定する(ステップS36)。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定されていないが、閲覧者の重視観点が設定されているからである。
【0073】
そして、信頼判定部22は、表示された発信データに記載された製品・サービスを閲覧者が購入したか否かを判定する(ステップS37)。例えば、信頼判定部22は、操作端末1と接続された購買履歴データを参照して、表示された発信データに記載された製品・サービスが購入されたか否かを判定する。そして、信頼判定部22は、閲覧者が製品・サービスを購入したと判定した場合には(ステップS37;Yes)、信頼判定部22は、エンドーサーの名称を信頼対象リスト32に追加する(ステップS38)。そして、信頼判定部22は、ステップS40に移行する。
【0074】
一方、エンドーサーが重視観点に対してエンドースしていないと判定した場合には(ステップS35;No)、信頼判定部22は、信頼度を「低」と判定する(ステップS39)。これは、エンドースメントデータ41に信頼対象のエンドーサーが設定されておらず、閲覧者の重視観点が設定されていないからである。そして、信頼判定部22は、ステップS40に移行する。
【0075】
ステップS40において、信頼判定部22は、信頼度判定結果を画面処理部21へ出力する(ステップS40)。そして、信頼判定部22は、信頼判定処理を終了する。
【0076】
[実施例の効果]
上記実施例によれば、操作端末1は、インターネット上にアップロードされた特定のデータを画面に表示する。そして、操作端末1は、特定のデータの確からしさを示すエンドースメントデータ41を受信する。そして、操作端末1は、エンドースメントデータ41に対して、データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した重視観点リスト31を参照し、特定のデータの信頼の度合いを判定する。そして、操作端末1は、特定のデータの信頼の度合いを示す情報を画面に重畳して表示する。かかる構成によれば、閲覧者は、インターネット上のデータが信頼できるかどうかを簡単に判断できる。
【0077】
また、上記実施例によれば、操作端末1は、受信されたエンドースメントデータ41に対して、重視観点リスト31並びに、閲覧者が信用する組織または人の名称を記憶した信頼対象リスト32を参照し、特定のデータの信頼の度合いを判定する。かかる構成によれば、閲覧者は、インターネット上のデータが信頼できるかどうかを、さらに確実に判断できる。
【0078】
また、上記実施例によれば、操作端末1は、エンドースメントデータ41の投稿者が信頼対象リスト32に記憶された組織または人の名称に合致するか否かを判定するとともに、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に記憶された観点に合致するか否かを判定する。操作端末1は、エンドースメントデータ41の投稿者が信頼対象リスト32に記憶された組織または人の名称に合致し、且つ、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に記憶された観点に合致すると判定された場合には、特定のデータが信頼できることを示す信頼の度合いを導出する。そして、操作端末1は、導出された信頼の度合いを示す情報を画面に表示する。かかる構成によれば、閲覧者は、信頼の度合いを示す情報を見ることで、発信データが信頼できることを簡単に判断することができる。
【0079】
また、上記実施例によれば、操作端末1は、エンドースメントデータ41の投稿者が信頼対象リスト32に記憶された組織または人の名称に合致するが、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に記憶された観点に合致しないと判定された場合、または、エンドースメントデータ41の投稿者が重視観点リスト31に記憶された組織または人の名称に合致せず、且つ、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に記憶された観点に合致しないと判定された場合には、特定のデータが信頼できないことを示す信頼の度合いを導出する。そして、操作端末1は、導出された信頼の度合いを示す情報を画面に表示する。かかる構成によれば、閲覧者は、信頼の度合いを示す情報を見ることで、発信データが信頼できないことを簡単に判断することができる。
【0080】
また、上記実施例によれば、操作端末1は、エンドースメントデータ41の投稿者が信頼対象リスト32に記憶された組織または人の名称に合致しないが、エンドースメントデータ41の内容が重視観点リスト31に記憶された観点に合致すると判定された場合には、特定のデータの信頼性が中レベルであることを示す信頼の度合いを導出する。そして、操作端末1は、導出された前記信頼の度合いを示す情報を前記画面に表示する。かかる構成によれば、閲覧者は、信頼性が中レベルであるという情報を見ることで、発信データの信頼度を簡単に判断することができる。
【0081】
また、上記実施例によれば、操作端末1は、導出された信頼の度合いが中レベルである場合には、特定のデータに記載された製品またはサービスの購買履歴がある場合には、エンドースメントデータ41の投稿者の名称を信頼対象リスト32に追加する。かかる構成によれば、操作端末1は、信頼対象リスト32を自動的に更新できる。
【0082】
[その他]
なお、上記実施例では、信頼判定部22は、発信データに対応するエンドースメントデータ41に対し、重視観点リスト31および信頼対象リスト32を用いて、発信データに対する信頼度を判定すると説明した。しかしながら、信頼判定部22は、これに限定されず、発信データに対応するエンドースメントデータ41に対し、重視観点リスト31だけを用いて、発信データに対する信頼度を判定しても良い。
【0083】
また、上記実施例では、図示した情報処理システム9の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、操作端末1の分散・統合の具体的態様は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、記憶部30を操作端末1の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしても良い。
【0084】
また、上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、
図1に示した操作端末1と同様の機能を実現する信頼判定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
図10は、信頼判定プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【0085】
図10に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)203と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置215と、表示装置209とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読取るドライブ装置213と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行う通信I/F(InterFace)217とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するメモリ201と、HDD(Hard Disk Drive)205を有する。そして、メモリ201、CPU203、HDD205、表示制御部207、表示装置209、ドライブ装置213、入力装置215、通信I/F217は、バス219で接続されている。
【0086】
ドライブ装置213は、例えばリムーバブルディスク211用の装置である。HDD205は、信頼判定プログラム205aおよび信頼判定処理関連情報205bを記憶する。通信I/F217は、ネットワークと装置内部とのインタフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F217には、例えば、モデムやLANアダプタ等を採用することができる。
【0087】
表示装置209は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報等のデータを表示する表示装置である。表示装置209は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等を採用することができる。
【0088】
CPU203は、信頼判定プログラム205aを読み出して、メモリ201に展開し、プロセスとして実行する。かかるプロセスは操作端末1の各機能部に対応する。信頼判定処理関連情報205bには、例えば、重視観点リスト31および信頼対象リスト32が含まれる。そして、例えばリムーバブルディスク211が、信頼判定プログラム205a等の各情報を記憶する。
【0089】
なお、信頼判定プログラム205aについては、必ずしも最初からHDD205に記憶させておかなくても良い。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の「可搬用の物理媒体」に当該プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200がこれらから信頼判定プログラム205aを読み出して実行するようにしても良い。
【0090】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0091】
(付記1)インターネット上にアップロードされた特定のデータを画面に表示し、
前記特定のデータの確からしさを示すプロパティデータを受信し、
前記プロパティデータに対し、前記データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した第1の記憶部を用いて、前記特定のデータの信頼の度合いを判定し、
前記特定のデータの信頼の度合いを示す情報を前記画面に重畳して表示する
処理をコンピュータに実行させる信頼判定プログラム。
【0092】
(付記2)該判定する処理は、受信されたプロパティデータに対して、前記第1の記憶部並びに、前記閲覧者が信用する組織または人の名称を記憶した第2の記憶部を参照し、前記特定のデータの信頼の度合いを判定する
ことを特徴とする付記1に記載の信頼判定プログラム。
【0093】
(付記3)該判定する処理は、前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶され組織または人の名称に合致するか否かを判定するとともに、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致するか否かを判定し、
前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶された組織または人の名称に合致し、且つ、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致すると判定された場合には、前記特定のデータが信頼できることを示す前記信頼の度合いを導出し、
該表示する処理は、該導出された前記信頼の度合いを示す情報を前記画面に表示する
ことを特徴とする付記2に記載の信頼判定プログラム。
【0094】
(付記4)該導出する処理は、前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶された組織または人の名称に合致するが、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致しないと判定された場合、または、前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶された組織または人の名称に合致せず、且つ、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致しないと判定された場合には、前記特定のデータが信頼できないことを示す前記信頼の度合いを導出し、
該表示する処理は、該導出された前記信頼の度合いを示す情報を前記画面に表示する
ことを特徴とする付記3に記載の信頼判定プログラム。
【0095】
(付記5)該導出する処理は、前記プロパティデータの投稿者が前記第2の記憶部に記憶された組織または人の名称に合致しないが、前記プロパティデータの内容が前記第1の記憶部に記憶された観点に合致すると判定された場合には、前記特定のデータの信頼性が中レベルであることを示す前記信頼の度合いを導出し、
該表示する処理は、該導出された前記信頼の度合いを示す情報を前記画面に表示する
ことを特徴とする付記3に記載の信頼判定プログラム。
【0096】
(付記6)該導出された前記信頼の度合いが中レベルである場合には、前記特定のデータに記載された製品またはサービスの購買履歴がある場合には、前記プロパティデータの投稿者の名称を前記第2の記憶部に追加する
ことを特徴とする付記5に記載の信頼判定プログラム。
【0097】
(付記7)インターネット上にアップロードされた特定のデータを画面に表示する第1の表示部と、
前記特定のデータの確からしさを示すプロパティデータを受信する受信部と、
前記プロパティデータに対し、前記データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した第1の記憶部を用いて、前記特定のデータの信頼の度合いを判定する判定部と、
前記特定のデータの信頼の度合いを示す情報を前記画面に重畳して表示する第2の表示部と、
を有することを特徴とする操作端末。
【0098】
(付記8)インターネット上にアップロードされた特定のデータを画面に表示し、
前記特定のデータの確からしさを示すプロパティデータを受信し、
前記プロパティデータに対し、前記データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した第1の記憶部を用いて、前記特定のデータの信頼の度合いを判定し、
前記特定のデータの信頼の度合いを示す情報を前記画面に重畳して表示する
処理をコンピュータが実行する信頼判定方法。
【0099】
(付記9)情報処理装置と、前記情報処理装置にアクセス可能な操作端末とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
インターネット上にアップロードされたデータの確からしさを示すプロパティデータを記憶する記憶部を有し、
前記操作端末は、
特定の前記データを画面に表示する第1の表示部と、
前記特定の前記データの確からしさを示すプロパティデータを前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記プロパティデータに対し、前記データを閲覧する閲覧者が重視する観点を記憶した第1の記憶部を参照し、前記特定の前記データの信頼の度合いを判定する判定部と、
前記特定の前記データの信頼の度合いを示す情報を前記画面に重畳して表示する第2の表示部と、を有する
ことを特徴とする情報処理システム。