(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137537
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240927BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L29/78 657D
H01L29/78 652T
H01L29/78 652D
H01L29/78 652C
H01L29/78 652F
H01L29/78 652S
H01L29/78 652J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049092
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】朝羽 俊介
(72)【発明者】
【氏名】河野 洋志
(57)【要約】
【課題】信頼性が向上する半導体装置を提供する。
【解決手段】第1の面と第2の面とを有し、第2の面の側から順に、第1導電形の第1の炭化珪素領域、第2導電形の第2の炭化珪素領域、第2導電形の第2の炭化珪素領域、第1導電形の第4の炭化珪素領域が設けられた炭化珪素層と、第1の方向に延びる第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間に位置し、第3の炭化珪素領域及び第4の炭化珪素領域に接する第1の部分と、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間に位置し、第1の部分の第1の方向に設けられ、第1の炭化珪素領域に接する第2の部分と、を含む第1の電極と、炭化珪素層の第2の面の側の第2の電極と、を備える。第4の炭化珪素領域に対向する第2の炭化珪素領域の深さは、第1のゲート電極に対向する第2の炭化珪素領域の深さよりも浅い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する炭化珪素層であって、
第1導電形の第1の炭化珪素領域と、
前記第1の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の炭化珪素領域と、
前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第2の炭化珪素領域の第2導電形不純物濃度よりも第2導電形不純物濃度の高い、第2導電形の第3の炭化珪素領域と、
前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1の面に接する第1導電形の第4の炭化珪素領域と、
を含む炭化珪素層と、
前記第1の面に平行な第1の方向に延び、前記第2の炭化珪素領域と対向した第1のゲート電極と、
前記第1の方向に延び、前記第1のゲート電極に対し前記第1の面に平行で前記第1の方向に垂直な第2の方向に設けられ、前記第2の炭化珪素領域と対向した第2のゲート電極と、
前記第2の炭化珪素領域と前記第1のゲート電極との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、
前記第2の炭化珪素領域と前記第2のゲート電極との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、
前記炭化珪素層の前記第1の面の側に設けられた第1の電極であって、
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極との間に設けられ、前記第3の炭化珪素領域及び前記第4の炭化珪素領域に接する第1の部分と、
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極との間に設けられ、前記第1の部分の前記第1の方向に設けられ、前記第1の炭化珪素領域に接する第2の部分と、
を含む第1の電極と、
前記炭化珪素層の前記第2の面の側に設けられた第2の電極と、
を備え、
前記第1の炭化珪素領域は、第1の領域と、前記第1の領域と前記第2の炭化珪素領域との間に設けられた第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の炭化珪素領域との間に設けられた第3の領域と、前記第1の領域と前記第2の炭化珪素領域との間に設けられた第4の領域と、を有し、
前記第2の領域の第1導電形不純物濃度は、前記第1の領域の第1導電形不純物濃度よりも高く、
前記第3の領域の第1導電形不純物濃度は、前記第1の領域の前記第1導電形不純物濃度よりも高く、
前記第2の炭化珪素領域は、前記第1のゲート電極に対向する第5の領域と、前記第2のゲート電極に対向する第6の領域と、前記第5の領域と前記第6の領域との間に設けられ前記第5の領域の深さ及び前記第6の領域の深さよりも深さの浅い第7の領域と、を有し、
前記第2の領域は、前記第1の領域と前記第5の領域との間に設けられ、
前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第6の領域との間に設けられ、
前記第4の領域は、前記第1の領域と前記第7の領域との間に設けられる、半導体装置。
【請求項2】
前記第4の領域の第1導電形不純物濃度は、前記第1の領域の前記第1導電形不純物濃度よりも高い、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第4の領域の前記第1導電形不純物濃度は、前記第2の領域の前記第1導電形不純物濃度よりも高く、
前記第4の領域の前記第1導電形不純物濃度は、前記第3の領域の前記第1導電形不純物濃度よりも高い、請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第4の領域の前記第1導電形不純物濃度は、前記第2の領域の前記第1導電形不純物濃度の2倍以上であり、
前記第4の領域の前記第1導電形不純物濃度は、前記第3の領域の前記第1導電形不純物濃度の2倍以上である、請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第5の領域の前記深さは、1.5μm以上であり、
前記第6の領域の前記深さは、1.5μm以上である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第7の領域の前記深さは、前記第5の領域の前記深さの2分の1以下であり、
前記第7の領域の前記深さは、前記第6の領域の前記深さの2分の1以下である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の方向に延び、前記第2のゲート電極に対し前記第2の方向に設けられ、前記第1のゲート電極との間に前記第2のゲート電極が設けられた第3のゲート電極と、
第3のゲート絶縁層とを、更に備え、
前記炭化珪素層は、
前記第1の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第2の炭化珪素領域に対し前記第2の方向に離隔した第2導電形の第5の炭化珪素領域と、
前記第5の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第5の炭化珪素領域の第2導電形不純物濃度よりも第2導電形不純物濃度の高い、第2導電形の第6の炭化珪素領域と、
前記第5の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1の面に接する第1導電形の第7の炭化珪素領域と、
を更に含み、
前記第2のゲート電極は、前記第5の炭化珪素領域と対向し、
前記第2のゲート絶縁層は、前記第5の炭化珪素領域と前記第2のゲート電極との間に設けられ、
前記第3のゲート電極は、前記第5の炭化珪素領域と対向し、
前記第3のゲート絶縁層は、前記第5の炭化珪素領域と前記第3のゲート電極との間に設けられ、
前記第1の電極は、前記第2のゲート電極と前記第3のゲート電極との間に設けられ、前記第6の炭化珪素領域及び前記第7の炭化珪素領域に接する第3の部分を、更に含む、請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第5の領域と前記第6の領域との間の前記第2の方向の距離は、
前記第2の炭化珪素領域と前記第5の炭化珪素領域との間の前記第2の方向の距離よりも大きい、請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の部分の前記第2の方向に、前記第3の部分が位置する、請求項7記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1のゲート電極は、前記第1の面において前記第2の炭化珪素領域と対向し、
前記第2のゲート電極は、前記第1の面において前記第2の炭化珪素領域と対向する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第7の領域は、前記第3の炭化珪素領域と前記第4の領域との間に設けられる、請求項1記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス用の材料として炭化珪素がある。炭化珪素はシリコンと比較して、バンドギャップが約3倍、破壊電界強度が約10倍、熱伝導率が約3倍と優れた物性を有する。この特性を活用すれば、例えば、高耐圧、低損失かつ高温動作可能なMetal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor(MOSFET)を実現することができる。
【0003】
炭化珪素を用いた縦形のMOSFETは、内蔵ダイオードとしてpn接合ダイオードを有する。例えば、MOSFETは誘導性負荷に接続されたスイッチング素子として用いられる。この場合、MOSFETがオフ状態であっても、pn接合ダイオードを用いることで還流電流を流すことが可能となる。
【0004】
しかし、バイポーラ動作するpn接合ダイオードを用いて還流電流を流すと、キャリアの再結合エネルギーにより炭化珪素層中に積層欠陥が成長する。炭化珪素層中に積層欠陥が成長すると、MOSFETのオン抵抗が増大するという問題が生ずる。MOSFETのオン抵抗の増大は、MOSFETの信頼性の低下を招く。例えば、MOSFETに内蔵ダイオードとしてユニポーラ動作するSchottky Barrier Diode(SBD)を設けることで、炭化珪素層中の積層欠陥の抑制が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、信頼性が向上する半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の半導体装置は、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する炭化珪素層であって、第1導電形の第1の炭化珪素領域と、前記第1の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の炭化珪素領域と、前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第2の炭化珪素領域の第2導電形不純物濃度よりも第2導電形不純物濃度の高い、第2導電形の第3の炭化珪素領域と、前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1の面に接する第1導電形の第4の炭化珪素領域と、を含む炭化珪素層と、前記第1の面に平行な第1の方向に延び、前記第2の炭化珪素領域と対向した第1のゲート電極と、前記第1の方向に延び、前記第1のゲート電極に対し前記第1の面に平行で前記第1の方向に垂直な第2の方向に設けられ、前記第2の炭化珪素領域と対向した第2のゲート電極と、前記第2の炭化珪素領域と前記第1のゲート電極との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、前記第2の炭化珪素領域と前記第2のゲート電極との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、前記炭化珪素層の前記第1の面の側に設けられた第1の電極であって、前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極との間に設けられ、前記第3の炭化珪素領域及び前記第4の炭化珪素領域に接する第1の部分と、前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極との間に設けられ、前記第1の部分の前記第1の方向に設けられ、前記第1の炭化珪素領域に接する第2の部分と、を含む第1の電極と、前記炭化珪素層の前記第2の面の側に設けられた第2の電極と、を備え、前記第1の炭化珪素領域は、第1の領域と、前記第1の領域と前記第2の炭化珪素領域との間に設けられた第2の領域と、前記第1の領域と前記第2の炭化珪素領域との間に設けられた第3の領域と、前記第1の領域と前記第2の炭化珪素領域との間に設けられた第4の領域と、を有し、前記第2の領域の第1導電形不純物濃度は、前記第1の領域の第1導電形不純物濃度よりも高く、前記第3の領域の第1導電形不純物濃度は、前記第1の領域の前記第1導電形不純物濃度よりも高く、前記第2の炭化珪素領域は、前記第1のゲート電極に対向する第5の領域と、前記第2のゲート電極に対向する第6の領域と、前記第5の領域と前記第6の領域との間に設けられ前記第5の領域の深さ及び前記第6の領域の深さよりも深さの浅い第7の領域と、を有し、前記第2の領域は、前記第1の領域と前記第5の領域との間に設けられ、前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第6の領域との間に設けられ、前記第4の領域は、前記第1の領域と前記第7の領域との間に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図4】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図5】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図6】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図。
【
図9】第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果の説明図。
【
図10】第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果の説明図。
【
図11】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図12】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図13】第2の実施形態の半導体装置の模式上面図。
【
図14】第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図15】第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図16】第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図17】第2の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する場合がある。
【0010】
また、以下の説明において、n+、n、n-及び、p+、p、p-の表記がある場合、それらの表記は、各導電形における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわちn+はnよりもn形不純物濃度が相対的に高く、n-はnよりもn形不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、p+はpよりもp形不純物濃度が相対的に高く、p-はpよりもp形不純物濃度が相対的に低いことを示す。なお、n+形、n-形を単にn形、p+形、p-形を単にp形と記載する場合もある。
【0011】
不純物濃度は、例えば、Secondary Ion Mass Spectrometry(SIMS)により測定することが可能である。また、不純物濃度の相対的な高低は、例えば、Scanning Capacitance Microscopy(SCM)で求められるキャリア濃度の高低から判断することも可能である。また、不純物領域の幅や深さ等の距離は、例えば、SIMSで求めることが可能である。また。不純物領域の幅や深さ等の距離は、例えば、SCMの画像やScanning Electron Microscope(SEM)の画像から求めることが可能である。また、絶縁層の厚さ等は、例えば、SIMS、SEM、又はTransmission Electron Microscope(TEM)の画像上で計測することが可能である。
【0012】
なお、本明細書中でp形の炭化珪素領域の「p形不純物濃度」とは、当該領域のp形不純物濃度から当該領域のn形不純物濃度を引いた正味(net)のp形不純物濃度を意味する。また、n形の炭化珪素領域の「n形不純物濃度」とは、当該領域のn形不純物濃度から当該領域のp形不純物濃度を引いた正味(net)のn形不純物濃度を意味する。
【0013】
また、明細書中に別段の記述がない限り特定の領域の不純物濃度とは、当該領域の最大不純物濃度を意味するものとする。
【0014】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、第1の面と、第1の面に対向する第2の面と、を有する炭化珪素層であって、第1導電形の第1の炭化珪素領域と、第1の炭化珪素領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の炭化珪素領域と、第2の炭化珪素領域と第1の面との間に設けられ、第2の炭化珪素領域の第2導電形不純物濃度よりも第2導電形不純物濃度の高い、第2導電形の第3の炭化珪素領域と、第2の炭化珪素領域と第1の面との間に設けられ、第1の面に接する第1導電形の第4の炭化珪素領域と、を含む炭化珪素層と、第1の面に平行な第1の方向に延び、第2の炭化珪素領域と対向した第1のゲート電極と、第1の方向に延び、第1のゲート電極に対し第1の面に平行で第1の方向に垂直な第2の方向に設けられ、第2の炭化珪素領域と対向した第2のゲート電極と、第2の炭化珪素領域と第1のゲート電極との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、第2の炭化珪素領域と第2のゲート電極との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、炭化珪素層の第1の面の側に設けられた第1の電極であって、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間に設けられ、第3の炭化珪素領域及び第4の炭化珪素領域に接する第1の部分と、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間に設けられ、第1の部分の第1の方向に設けられ、第1の炭化珪素領域に接する第2の部分と、を含む第1の電極と、炭化珪素層の第2の面の側に設けられた第2の電極と、を備える。そして、第1の炭化珪素領域は、第1の領域と、第1の領域と第2の炭化珪素領域との間に設けられた第2の領域と、第1の領域と第2の炭化珪素領域との間に設けられた第3の領域と、第1の領域と第2の炭化珪素領域との間に設けられた第4の領域と、を有し、第2の領域の第1導電形不純物濃度は、第1の領域の第1導電形不純物濃度よりも高く、第3の領域の第1導電形不純物濃度は、第1の領域の第1導電形不純物濃度よりも高く、第2の炭化珪素領域は、第1のゲート電極に対向する第5の領域と、第2のゲート電極に対向する第6の領域と、第5の領域と第6の領域との間に設けられ第5の領域の深さ及び第6の領域の深さよりも深さの浅い第7の領域と、を有し、第2の領域は、第1の領域と第5の領域との間に設けられ、第3の領域は、第1の領域と第6の領域との間に設けられ、第4の領域は、第1の領域と第7の領域との間に設けられる。
【0015】
第1の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いたプレーナゲート形の縦形MOSFET100である。第1の実施形態のMOSFET100は、例えば、ボディ領域とソース領域をイオン注入で形成する、Double Implantation MOSFET(DIMOSFET)である。また、第1の実施形態のMOSFET100は、内蔵ダイオードとしてSBDを備える。
【0016】
以下、第1導電形がn形、第2導電形がp形である場合を例に説明する。MOSFET100は、電子をキャリアとする縦型のnチャネル形のMOSFETである。
【0017】
図1は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図2は、第1の実施形態の半導体装置の模式上面図である。
図2は、炭化珪素層の上面の、ゲート電極及びソース電極のパターンを示す模式図である。
図1は、
図2のAA’断面図である。
【0018】
図3、
図4、及び
図5は、第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。
図6は、第1の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図である。
図6は、炭化珪素層の表面の半導体領域のパターンを示す図である。
図3は、
図6のBB’断面図である。
図4は、
図6のCC’断面図である。
図5は、
図6のDD’断面図である。
【0019】
MOSFET100は、炭化珪素層10、ソース電極12(第1の電極)、ドレイン電極14(第2の電極)、ゲート絶縁層16、ゲート電極18、層間絶縁層20を備える。ソース電極12は、金属シリサイド層12s及びメタル層12mを含む。ソース電極12は、コンタクト電極部分12x、ダイオード電極部分12yを含む。コンタクト電極部分12xは、第1のコンタクト電極部分12x1(第1の部分)及び第2のコンタクト電極部分12x2(第3の部分)を含む。ダイオード電極部分12yは、第1のダイオード電極部分12y1(第2の部分)及び第2のダイオード電極部分12y2を含む。ゲート絶縁層16は、第1のゲート絶縁層16a、第2のゲート絶縁層16b、及び第3のゲート絶縁層16cを含む。ゲート電極18は、第1のゲート電極18a、第2のゲート電極18b、及び第3のゲート電極18cを含む。
【0020】
炭化珪素層10の中には、n+形のドレイン領域22、n-形のドリフト領域24(第1の炭化珪素領域)、p形のボディ領域26、p+形のボディコンタクト領域28、n+形のソース領域30を含む。p形のボディ領域26は、p形の第1のボディ領域26a(第2の炭化珪素領域)及びp形の第2のボディ領域26b(第5の炭化珪素領域)を含む。p+形のボディコンタクト領域28は、p+形の第1のボディコンタクト領域28a(第3の炭化珪素領域)及びp+形の第2のボディコンタクト領域28b(第6の炭化珪素領域)を含む。n+形のソース領域30は、n+形の第1のソース領域30a(第4の炭化珪素領域)及びn+形の第2のソース領域30b(第7の炭化珪素領域)を含む。
【0021】
ドリフト領域24は、主領域24a(第1の領域)、第1のCSL領域24b(第2の領域)、第2のCSL領域24c(第3の領域)、及び第3のCSL領域24d(第4の領域)を含む。なお、CSLは、Current Spreading Layerの省略形である。
【0022】
ドリフト領域24は、JBS領域24xを含む。JBS領域24xは、第1のJBS領域24x1、及び、第2のJBS領域24x2を含む。なお、JBSは、Junction Barrier Schottkyの省略形である。
【0023】
第1のボディ領域26aは、第1のディープ領域26ax(第5の領域)、第2のディープ領域26ay(第6の領域)、及びシャロー領域26azを含む。
【0024】
炭化珪素層10は、ソース電極12とドレイン電極14との間に設けられる。炭化珪素層10は、単結晶のSiCである。炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCである。
【0025】
炭化珪素層10は、第1の面(
図1中“F1”)と第2の面(
図1中“F2”)とを備える。以下、第1の面F1を表面、第2の面F2を裏面と称する場合がある。第1の面F1は、炭化珪素層10のソース電極12側に位置する。また、第2の面F2は、炭化珪素層10のドレイン電極14側に位置する。第1の面F1と第2の面F2は対向する。なお、以下、「深さ」とは、第1の面を基準として第2の面に向かう方向の深さを意味する。
【0026】
第1の方向及び第2の方向は、第1の面F1に平行である。第2の方向は、第1の方向に垂直である。
【0027】
第1の面F1は、例えば、(0001)面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。また、第2の面F2は、例えば、(000-1)面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。(0001)面はシリコン面と称される。(000-1)面はカーボン面と称される。
【0028】
n+形のドレイン領域22は、炭化珪素層10の裏面側に設けられる。ドレイン領域22は、例えば、窒素(N)をn形不純物として含む。ドレイン領域22のn形不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0029】
n-形のドリフト領域24は、ドレイン領域22と第1の面F1との間に設けられる。n-形のドリフト領域24は、ソース電極12とドレイン電極14との間に設けられる。n-形のドリフト領域24は、ゲート電極18とドレイン電極14との間に設けられる。
【0030】
n-形のドリフト領域24は、ドレイン領域22上に設けられる。ドリフト領域24は、例えば、窒素(N)をn形不純物として含む。ドリフト領域24のn形不純物濃度は、ドレイン領域22のn形不純物濃度よりも低い。ドリフト領域24のn形不純物濃度は、例えば、4×1014cm-3以上5×1017cm-3以下である。ドリフト領域24の厚さは、例えば、3μm以上150μm以下である。
【0031】
ドリフト領域24は、主領域24a(第1の領域)、第1のCSL領域24b(第2の領域)、第2のCSL領域24c(第3の領域)、及び、第3のCSL領域24d(第4の領域)を含む。第1のCSL領域24b、第2のCSL領域24c、及び第3のCSL領域24dは、主領域24aとボディ領域26との間に設けられる。第1のCSL領域24b、第2のCSL領域24c、及び第3のCSL領域24dは、例えば、主領域24aと第1のボディ領域26a(第2の炭化珪素領域)との間に設けられる。
【0032】
第1のCSL領域24b、第2のCSL領域24c、及び第3のCSL領域24dは、例えば、MOSFET100のオン動作時又はSBDのオン動作時に、電流経路を広げ、オン電流を増加させる機能を有する。
【0033】
第1のCSL領域24bは、例えば、主領域24aと第1のディープ領域26axとの間に設けられる。第1のCSL領域24bは、例えば、第1のディープ領域26axに接する。
【0034】
第2のCSL領域24cは、例えば、主領域24aと第2のディープ領域26ayとの間に設けられる。第2のCSL領域24cは、例えば、第2のディープ領域26ayに接する。
【0035】
第3のCSL領域24dは、例えば、主領域24aとシャロー領域26azとの間に設けられる。第3のCSL領域24dは、例えば、シャロー領域26azに接する。
【0036】
第1のCSL領域24bのn形不純物濃度は、主領域24aのn形不純物濃度よりも高い。第1のCSL領域24bのn形不純物濃度は、例えば、1×1016cm-3以上5×1017cm-3以下である。
【0037】
第2のCSL領域24cのn形不純物濃度は、主領域24aのn形不純物濃度よりも高い。第2のCSL領域24cのn形不純物濃度は、例えば、1×1016cm-3以上5×1017cm-3以下である。
【0038】
第3のCSL領域24dのn形不純物濃度は、例えば、主領域24aのn形不純物濃度よりも高い。第3のCSL領域24dのn形不純物濃度は、例えば、第1のCSL領域24bのn形不純物濃度、及び、第2のCSL領域24cのn形不純物濃度よりも高い。第3のCSL領域24dのn形不純物濃度は、例えば、第1のCSL領域24bのn形不純物濃度、及び、第2のCSL領域24cのn形不純物濃度の1.5倍以上10倍以下である。第3のCSL領域24dのn形不純物濃度は、例えば、1.5×1016cm-3以上5×1017cm-3以下である。
【0039】
ドリフト領域24は、JBS領域24xを含む。JBS領域24xは、第1のJBS領域24x1、及び、第2のJBS領域24x2を含む。
【0040】
JBS領域24xは、第1の面F1に接する。JBS領域24xは、ボディ領域26に囲まれる。例えば、第1のJBS領域24x1は、第1のボディ領域26aに囲まれる。例えば、第2のJBS領域24x2は、第2のボディ領域26bに囲まれる。
【0041】
JBS領域24xは、ソース電極12のダイオード電極部分12yに接する。例えば、第1のJBS領域24x1は、第1のダイオード電極部分12y1に接する。例えば、第2のJBS領域24x2は、第2のダイオード電極部分12y2に接する。JBS領域24xは、SBDのカソード領域として機能する。
【0042】
p形のボディ領域26は、ドリフト領域24と第1の面F1との間に設けられる。ボディ領域26は、第1の方向に延びる。ボディ領域26は、MOSFET100のチャネル領域として機能する。
【0043】
第1のボディ領域26aは、ドリフト領域24と第1の面F1との間に設けられる。第2のボディ領域26bは、ドリフト領域24と第1の面F1との間に設けられる。第2のボディ領域26bは、第1のボディ領域26aに対し、第2の方向に離隔する。
【0044】
ボディ領域26は、例えば、アルミニウム(Al)をp形不純物として含む。ボディ領域26のp形不純物濃度は、例えば、5×1016cm-3以上5×1018cm-3以下である。
【0045】
ボディ領域26の深さは、例えば、500nm以上2μm以下である。
【0046】
ボディ領域26は、ソース電極12に電気的に接続される。ボディ領域26は、ソース電極12の電位に固定される。
【0047】
ボディ領域26の一部は第1の面F1に接する。ボディ領域26の一部はゲート電極18に対向する。ボディ領域26の一部は、MOSFET100のチャネル領域となる。ボディ領域26の一部とゲート電極18との間に、ゲート絶縁層16が挟まれる。
【0048】
第1のボディ領域26aは、第1のディープ領域26ax、第2のディープ領域26ay、及び、シャロー領域26azを含む。
【0049】
第1のディープ領域26axは、第1の面F1において第1のゲート電極18aに対向する。第2のディープ領域26ayは、第1の面F1において第2のゲート電極18bに対向する。
【0050】
シャロー領域26azは、第1のディープ領域26axと第2のディープ領域26ayとの間に設けられる。シャロー領域26azは、第1のボディコンタクト領域28aとドリフト領域24との間に設けられる。シャロー領域26azは、第1のボディコンタクト領域28aと第3のCSL領域24dとの間に設けられる。
【0051】
シャロー領域26azの深さ(
図3中のd1)は、第1のディープ領域26axの深さ(
図3中のd2)及び第2のディープ領域26ayの深さ(
図3中のd2)よりも浅い。シャロー領域26azの深さ(
図3中のd1)は、例えば、第1のディープ領域26axの深さ(
図3中のd2)及び第2のディープ領域26ayの深さ(
図3中のd2)の2分の1以下10分の1以上である。
【0052】
第1のディープ領域26axの深さ(
図3中のd2)及び第2のディープ領域26ayの深さ(
図3中のd2)は、例えば、1.5μm以上2μm以下である。シャロー領域26azの深さ(
図3中のd1)は、例えば、0.5μm以上1μm以下である。
【0053】
第2の面F2からシャロー領域26azまでの距離は、第2の面F2から第1のディープ領域26axまでの距離よりも大きい。また、第2の面F2からシャロー領域26azまでの距離は、第2の面F2から第2のディープ領域26ayまでの距離よりも大きい。
【0054】
第1のディープ領域26axと第2のディープ領域26ayとの間の第2の方向の距離(
図3中のd3)は、例えば、第1のボディ領域26aと第2のボディ領域26bとの間の第2の方向の距離(
図3中のd4)よりも大きい。第1のディープ領域26axと第2のディープ領域26ayとの間の第2の方向の距離(
図3中のd3)は、例えば、第1のボディ領域26aと第2のボディ領域26bとの間の第2の方向の距離(
図3中のd4)の1.2倍以上2倍以下である。
【0055】
p+形のボディコンタクト領域28は、ボディ領域26と第1の面F1との間に設けられる。ボディコンタクト領域28は、ボディ領域26とソース電極12のコンタクト電極部分12xとの間に設けられる。
【0056】
第1のボディコンタクト領域28aは、第1のボディ領域26aと第1の面F1との間に設けられる。第1のボディコンタクト領域28aは、第1のボディ領域26aと第1のコンタクト電極部分12x1との間に設けられる。
【0057】
第1のボディコンタクト領域28aは、シャロー領域26azとソース電極12との間に設けられる。
【0058】
第2のボディコンタクト領域28bは、第2のボディ領域26bと第1の面F1との間に設けられる。第2のボディコンタクト領域28bは、第2のボディ領域26bと第2のコンタクト電極部分12x2との間に設けられる。
【0059】
ボディコンタクト領域28のp形不純物濃度は、ボディ領域26のp形不純物濃度よりも高い。
【0060】
ボディコンタクト領域28は、例えば、アルミニウム(Al)をp形不純物として含む。ボディコンタクト領域28のp形不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上5×1020cm-3以下である。
【0061】
ボディコンタクト領域28の深さは、例えば、200nm以上700nm以下である。
【0062】
ボディコンタクト領域28は、ソース電極12に接する。ボディコンタクト領域28は、ソース電極12に電気的に接続される。ボディコンタクト領域28と、ソース電極12との間のコンタクトは、例えば、オーミックコンタクトである。ボディコンタクト領域28は、ソース電極12の電位に固定される。
【0063】
ボディコンタクト領域28は、ソース電極12のコンタクト電極部分12xに接する。第1のボディコンタクト領域28aは、第1のコンタクト電極部分12x1に接する。第2のボディコンタクト領域28bは、第2のコンタクト電極部分12x2に接する。
【0064】
n+形のソース領域30は、ボディ領域26と第1の面F1との間に設けられる。n+形のソース領域30は、例えば、ボディコンタクト領域28と第1の面F1との間に設けられる。
【0065】
第1のソース領域30aは、第1のボディ領域26aと第1の面F1との間に設けられる。第1のソース領域30aは、例えば、第1のボディコンタクト領域28aと第1の面F1との間に設けられる。
【0066】
第2のソース領域30bは、第2のボディ領域26bと第1の面F1との間に設けられる。第2のソース領域30bは、例えば、第2のボディコンタクト領域28bと第1の面F1との間に設けられる。
【0067】
ソース領域30は、例えば、リン(P)又は窒素(N)をn形不純物として含む。ソース領域30のn形不純物濃度は、ドリフト領域24のn形不純物濃度よりも高い。
【0068】
ソース領域30のn形不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上5×1021cm-3以下である。ソース領域30の深さは、ボディ領域26の深さよりも浅い。ソース領域30の深さは、例えば、80nm以上200nm以下である。
【0069】
ソース領域30は、ソース電極12に接する。ソース領域30は、ソース電極12に電気的に接続される。ソース領域30とソース電極12との間のコンタクトは、例えば、オーミックコンタクトである。ソース領域30は、ソース電極12の電位に固定される。
【0070】
ソース領域30は、ソース電極12のコンタクト電極部分12xに接する。第1のソース領域30aは、第1のコンタクト電極部分12x1に接する。第2のソース領域30bは、第2のコンタクト電極部分12x2に接する。
【0071】
ゲート電極18は、炭化珪素層10の第1の面F1の側に設けられる。ゲート電極18は、第1の方向に延びる。複数のゲート電極18が、第2の方向に、互いに並行に配置される。ゲート電極18は、第1の面F1においてボディ領域26と対向する。
【0072】
第1のゲート電極18aは、第1の方向に延びる。第1のゲート電極18aは、第1の面F1において第1のボディ領域26aと対向する。
【0073】
第2のゲート電極18bは、第1の方向に延びる。第2のゲート電極18bは、第1のゲート電極18aに対し、第2の方向に設けられる。第2のゲート電極18bは、第1の面F1において第1のボディ領域26a及び第2のボディ領域26bと対向する。
【0074】
第3のゲート電極18cは、第1の方向に延びる。第3のゲート電極18cは、第2のゲート電極18bに対し、第2の方向に設けられる。第1のゲート電極18aと第3のゲート電極18cとの間に、第2のゲート電極18bが設けられる。第3のゲート電極18cは、第1の面F1において第2のボディ領域26bと対向する。
【0075】
ゲート電極18は、導電層である。ゲート電極18は、例えば、p形不純物又はn形不純物を含む多結晶質シリコンである。
【0076】
ゲート絶縁層16は、ゲート電極18とボディ領域26との間に設けられる。第1のゲート絶縁層16aは、第1のゲート電極18aと第1のボディ領域26aとの間に設けられる。第2のゲート絶縁層16bは、第2のゲート電極18bと第1のボディ領域26aとの間に設けられる。第2のゲート絶縁層16bは、第2のゲート電極18bと第2のボディ領域26bとの間に設けられる。第3のゲート絶縁層16cは、第3のゲート電極18cと第2のボディ領域26bとの間に設けられる。
【0077】
ゲート絶縁層16は、例えば、酸化シリコンを含む。ゲート絶縁層16は、例えば、酸化シリコン層を含む。ゲート絶縁層16には、例えば、高誘電率絶縁材料を適用することも可能である。また、ゲート絶縁層16には、例えば、酸化シリコン層と高誘電率絶縁層との積層構造を適用することも可能である。
【0078】
ゲート絶縁層16の厚さは、例えば、30nm以上100nm以下である。
【0079】
層間絶縁層20は、ゲート電極18上に設けられる。層間絶縁層20は、ゲート電極18とソース電極12との間に設けられる。
【0080】
層間絶縁層20は、ゲート電極18とソース電極12を電気的に分離する。層間絶縁層20は、例えば、酸化シリコンを含む。層間絶縁層20は、例えば、酸化シリコン層である。
【0081】
ソース電極12は、炭化珪素層10の第1の面F1の側に設けられる。ソース電極12は、炭化珪素層10に接する。ソース電極12は、ボディコンタクト領域28及びソース領域30に接する。
【0082】
ソース電極12は、コンタクト電極部分12x及びダイオード電極部分12yを含む。
【0083】
コンタクト電極部分12xは、2本のゲート電極18の間に設けられる。コンタクト電極部分12xは、ボディコンタクト領域28及びソース領域30に接する。
【0084】
例えば、コンタクト電極部分12xとボディコンタクト領域28との界面は、第1の面F1に垂直な第3の方向において、第1の面F1よりも第2の面F2の側に位置する。例えば、コンタクト電極部分12xは、第2の方向において、ソース領域30に接する。
【0085】
第1のコンタクト電極部分12x1は、第1のゲート電極18aと第2のゲート電極18bとの間に設けられる。第1のコンタクト電極部分12x1は、第1のボディコンタクト領域28a及び第1のソース領域30aに接する。
【0086】
例えば、第1のコンタクト電極部分12x1と第1のボディコンタクト領域28aとの界面は、第1の面F1に垂直な第3の方向において、第1の面F1よりも第2の面F2の側に位置する。例えば、第1のコンタクト電極部分12x1は、第2の方向において、第1のソース領域30aに接する。
【0087】
第2のコンタクト電極部分12x2は、第2のゲート電極18bと第3のゲート電極18cとの間に設けられる。第2のコンタクト電極部分12x2は、第2のボディコンタクト領域28b及び第2のソース領域30bに接する。
【0088】
例えば、第2のコンタクト電極部分12x2と第2のボディコンタクト領域28bとの界面は、第1の面F1に垂直な第3の方向において、第1の面F1よりも第2の面F2の側に位置する。例えば、第2のコンタクト電極部分12x2は、第2の方向において、第2のソース領域30bに接する。
【0089】
ダイオード電極部分12yは、2本のゲート電極18の間に設けられる。ダイオード電極部分12yは、コンタクト電極部分12xの第1の方向に設けられる。
【0090】
コンタクト電極部分12xとダイオード電極部分12yは、同じ2本のゲート電極18の間に、第1の方向に交互に繰り返し配置される。
【0091】
ダイオード電極部分12yは、ドリフト領域24のJBS領域24xに接する。ダイオード電極部分12yは、SBDのアノード電極として機能する。
【0092】
第1のダイオード電極部分12y1は、第1のゲート電極18aと第2のゲート電極18bの間に設けられる。第1のダイオード電極部分12y1は、第1のコンタクト電極部分12x1の第1の方向に設けられる。第1のダイオード電極部分12y1は、ドリフト領域24の第1のJBS領域24x1に接する。
【0093】
第2のダイオード電極部分12y2は、第2のゲート電極18bと第3のゲート電極18cの間に設けられる。第2のダイオード電極部分12y2は、第2のコンタクト電極部分12x2の第1の方向に設けられる。第2のダイオード電極部分12y2は、ドリフト領域24の第2のJBS領域24x2に接する。
【0094】
ダイオード電極部分12yの第2の方向にコンタクト電極部分12xが位置する。例えば、第1のダイオード電極部分12y1の第2の方向に第2のコンタクト電極部分12x2が位置する。例えば、第2のダイオード電極部分12y2の第2の方向に第1のコンタクト電極部分12x1が位置する。
【0095】
MOSFET100においては、ダイオード電極部分12yとコンタクト電極部分12xが第2の方向に隣り合う。コンタクト電極部分12xとダイオード電極部分12yの第1の方向の配置が、第2の方向に隣りあうコンタクト電極部分12xとダイオード電極部分12yの第1の方向の配置に対し、半周期ずれた配置となっている。
【0096】
MOSFET100においては、ダイオード電極部分12y及びコンタクト電極部分12xがチェッカーボードパターンで配置されている。
【0097】
ソース電極12は、金属シリサイド層12sとメタル層12mを含む。金属シリサイド層12sは、炭化珪素層10とメタル層12mとの間に設けられる。
【0098】
金属シリサイド層12sは、ボディコンタクト領域28に接する。金属シリサイド層12sは、ソース領域30に接する。
【0099】
金属シリサイド層12sは、例えば、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、又はコバルト(Co)を含む。金属シリサイド層12sは、例えば、ニッケルシリサイド層、チタンシリサイド層、又は、コバルトシリサイド層である。
【0100】
メタル層12mは、金属を含む。メタル層12mは、例えば、バリアメタル膜と金属膜との積層構造を備える。
【0101】
バリアメタル膜は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、又は、タンタル(Ta)を含む。バリアメタル膜は、例えば、チタン膜、窒化チタン膜、窒化タングステン膜、又は、窒化タンタル膜である。
【0102】
金属膜は、例えば、アルミニウム(Al)を含む。金属膜は、例えば、アルミニウム膜である。
【0103】
コンタクト電極部分12xは、金属シリサイド層12sを含む。第1のコンタクト電極部分12x1は、金属シリサイド層12sを含む。第2のコンタクト電極部分12x2は、金属シリサイド層12sを含む。
【0104】
コンタクト電極部分12xが金属シリサイド層12sを含むことで、ソース電極12とボディコンタクト領域28との間、及び、ソース電極12とソース領域30との間がオーミック接触となる。
【0105】
ダイオード電極部分12yは、例えば、バリアメタル膜を含む。第1のダイオード電極部分12y1は、例えば、バリアメタル膜を含む。第2のダイオード電極部分12y2は、例えば、バリアメタル膜を含む。
【0106】
例えば、ダイオード電極部分12yがバリアメタル膜を含むことで、ソース電極12とJBS領域24xとの間がショットキー接触となる。
【0107】
ドレイン電極14は、炭化珪素層10の第2の面F2側に設けられる。ドレイン電極14は、炭化珪素層10の第2の面F2上に設けられる。ドレイン電極14は、第2の面F2に接する。
【0108】
ドレイン電極14は、例えば、金属又は金属半導体化合物を含む。ドレイン電極14は、例えば、ニッケルシリサイド層、チタン層、ニッケル層、銀層、又は金層を含む。
【0109】
ドレイン電極14は、ドレイン領域22に電気的に接続される。ドレイン電極14は、例えば、ドレイン領域22に接する。
【0110】
次に、第1の実施形態のMOSFET100の作用及び効果について説明する。
【0111】
図7は、第1の実施形態の半導体装置の等価回路図である。MOSFET100では、ソース電極12とドレイン電極14との間に、トランジスタに並列にpnダイオードとSBDとが内蔵ダイオードとして接続される。ボディ領域26がpn接合ダイオードのアノード領域であり、ドリフト領域24がpn接合ダイオードのカソード領域である。また、ソース電極12がSBDのアノード電極であり、JBS領域24xがSBDのカソード領域となる。
【0112】
例えば、MOSFET100が、誘導性負荷に接続されたスイッチング素子として用いられる場合を考える。MOSFET100のオフ時に、誘導性負荷に起因する誘導電流により、ソース電極12にドレイン電極14に対し正となる電圧が印加される場合がある。この場合、内蔵ダイオードに順方向電流が流れる。この状態は、逆導通状態とも称される。
【0113】
仮にMOSFETがSBDを備えない場合、pn接合ダイオードに順方向電流が流れる。pn接合ダイオードはバイポーラ動作をする。バイポーラ動作するpn接合ダイオードを用いて還流電流を流すと、キャリアの再結合エネルギーにより炭化珪素層中に積層欠陥が成長する。炭化珪素層中に積層欠陥が成長すると、MOSFETのオン抵抗が増大するという問題が生ずる。MOSFETのオン抵抗の増大は、MOSFETの信頼性の低下を招く。
【0114】
MOSFET100は、SBDを備える。SBDに順方向電流が流れ始める順方向電圧(Vf)は、pn接合ダイオードの順方向電圧(Vf)よりも低い。したがって、pn接合ダイオードに先立ち、SBDに順方向電流が流れる。
【0115】
SBDの順方向電圧(Vf)は、例えば、1.0V以上2.0V未満である。pn接合ダイオードの順方向電圧(Vf)は、例えば、2.0V以上3.0V以下である。
【0116】
SBDはユニポーラ動作をする。このため、順方向電流が流れても、キャリアの再結合エネルギーにより炭化珪素層10中に積層欠陥が成長することはない。したがって、MOSFET100のオン抵抗の増大が抑制される。よって、MOSFET100の信頼性が向上する。
【0117】
図8は、比較例の半導体装置の拡大模式断面図である。
図8は、第1の実施形態の
図3に対応する図である
【0118】
比較例の半導体装置はMOSFET900である。MOSFET900は、第1のボディ領域26aがシャロー領域26azを含まない点、及び、ドリフト領域24が第3のCSL領域24dを含まない点、第1の実施形態のMOSFET100と異なる。
【0119】
図9は、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果の説明図である。
図9は、比較例のMOSFET900の模式断面図である。
図9は、第1の実施形態の
図5に対応する図である。
【0120】
図9は、SBDに順方向電流が流れている状態を示す。
図9中の矢印は、SBDの順方向電流の経路を示す。
【0121】
図9に示すように、順方向電流の一部が、第1のコンタクト電極部分12x1の下のボディ領域26の底部の第2のCSL領域24cに沿って、ボディ領域26の底部に回り込む。順方向電流の一部がボディ領域26の底部に回り込むことにより、ボディ領域26の底部におけるpn接合のポテンシャル障壁が低くなることを抑制する。pn接合のポテンシャル障壁が低くなることを抑制することで、pn接合ダイオードの実効的な順方向電圧(Vf)が低くなることが抑制される。したがって、pn接合ダイオードに順方向電流が流れ始めることが抑制される。
【0122】
もっとも、例えば、ボディ領域26の深さが深くなると、ボディ領域26の底部にSBDの順方向電流が十分に回り込めなくなるおそれがある。ボディ領域26の底部に順方向電流が十分に回り込めなくなると、pn接合ダイオードの実効的な順方向電圧(Vf)が低くなり、pn接合ダイオードに順方向電流が流れ始める。このため、炭化珪素層中に積層欠陥が成長によるMOSFET900の信頼性の低下が問題となる。
【0123】
図10は、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果の説明図である。
図10は、第1の実施形態のMOSFET100の模式断面図である。
図10は、第1の実施形態の
図5に対応する図である。
【0124】
第1の実施形態のMOSFET100は、第1のコンタクト電極部分12x1の下の第1のボディ領域26aがシャロー領域26azを含む。また、ドリフト領域24が第3のCSL領域24dを含む。
【0125】
第1のボディ領域26aがシャロー領域26azを含むことで、SBDの第1の方向に隣接する第1のボディ領域26aの深さが浅い。したがって、ボディ領域26の底部に回り込むSBDの順方向電流が大きくなる。
【0126】
ボディ領域26の底部に回り込むSBDの順方向電流が大きくなることで、pn接合ダイオードの実効的な順方向電圧(Vf)が低くなることが抑制できる。したがって、pn接合ダイオードに順方向電流が流れることを抑制できる。よって、炭化珪素層中に積層欠陥が成長することが抑制され、MOSFET100の信頼性が向上する。
【0127】
ボディ領域26の底部に回り込む順方向電流を大きくする観点から、第3のCSL領域24dのn形不純物濃度は、主領域24aのn型不純物濃度よりも高いことが好ましい。また、第3のCSL領域24dのn形不純物濃度は、第1のCSL領域24bのn形不純物濃度、及び、第2のCSL領域24cのn形不純物濃度よりも高いことが好ましい。ボディ領域26の底部に回り込む順方向電流を大きくする観点から、第3のCSL領域24dのn形不純物濃度は、第1のCSL領域24bのn形不純物濃度、及び、第2のCSL領域24cのn形不純物濃度の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましく、5倍以上であることが更に好ましい。
【0128】
ボディ領域26の底部に回り込む順方向電流を大きくする観点から、シャロー領域26azの深さ(
図3中のd1)は、第1のディープ領域26axの深さ(
図3中のd2)及び第2のディープ領域26ayの深さ(
図3中のd2)の2分の1以下であることが好ましく、3分の1以下であることがより好ましい。
【0129】
ボディ領域26の底部に回り込む順方向電流を大きくする観点から、第1のディープ領域26axと第2のディープ領域26ayとの間の第2の方向の距離(
図3中のd3)は、第1のボディ領域26aと第2のボディ領域26bとの間の第2の方向の距離(
図3中のd4)よりも大きいことが好ましい。ボディ領域26の底部に回り込む順方向電流を大きくする観点から、第1のディープ領域26axと第2のディープ領域26ayとの間の第2の方向の距離(
図3中のd3)は、第1のボディ領域26aと第2のボディ領域26bとの間の第2の方向の距離(
図3中のd4)の1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましい。
【0130】
第1のディープ領域26axの深さ、及び、第2のディープ領域26ayの深さは、1.5μm以上であることが好ましい。第1のディープ領域26axの深さ、及び、第2のディープ領域26ayの深さを1.5μm以上とすることで、例えば、MOSFET100の負荷に短絡が生じた場合に、MOSFET100に流れる短絡電流が抑制できる。よって、MOSFET100の短絡耐量が向上する。
【0131】
第1の実施形態のMOSFET100では、ダイオード電極部分12yとコンタクト電極部分12xが第2の方向に隣り合うことで、トランジスタ動作しないダイオード電極部分12yの第2の方向に、トランジスタ動作する領域が設けられる。したがって、トランジスタのオン電流が流れる領域が分散され、MOSFET100のオン電流が増加する。
【0132】
以上、第1の実施形態によれば、上述した効果、すなわち信頼性が向上するMOSFETが実現する。
【0133】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置は、第1の部分の第2の方向に第3の部分が位置する点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0134】
第2の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いたプレーナゲート形の縦形MOSFET200である。第2の実施形態のMOSFET200は、DIMOSFETである。また、第2の実施形態のMOSFET200は、内蔵ダイオードとしてSBDを備える。
【0135】
図11及び
図12は、第2の実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図13は、第2の実施形態の半導体装置の模式上面図である。
図13は、炭化珪素層の上面の、ゲート電極及びソース電極のパターンを示す模式図である。
図11は、
図13のAA’断面図である。
図12は、
図13のBB’断面図である。
【0136】
【0137】
MOSFET200は、炭化珪素層10、ソース電極12(第1の電極)、ドレイン電極14(第2の電極)、ゲート絶縁層16、ゲート電極18、層間絶縁層20を備える。ソース電極12は、金属シリサイド層12s及びメタル層12mを含む。ソース電極12は、コンタクト電極部分12x、ダイオード電極部分12yを含む。コンタクト電極部分12xは、第1のコンタクト電極部分12x1(第1の部分)及び第2のコンタクト電極部分12x2(第3の部分)を含む。ダイオード電極部分12yは、第1のダイオード電極部分12y1(第2の部分)及び第2のダイオード電極部分12y2を含む(第4の部分)を含む。ゲート絶縁層16は、第1のゲート絶縁層16a、第2のゲート絶縁層16b、及び第3のゲート絶縁層16cを含む。ゲート電極18は、第1のゲート電極18a、第2のゲート電極18b、及び第3のゲート電極18cを含む。
【0138】
炭化珪素層10の中には、n+形のドレイン領域22、n-形のドリフト領域24(第1の炭化珪素領域)、p形のボディ領域26、p+形のボディコンタクト領域28、n+形のソース領域30を含む。p形のボディ領域26は、p形の第1のボディ領域26a(第2の炭化珪素領域)及びp形の第2のボディ領域26b(第5の炭化珪素領域)を含む。p+形のボディコンタクト領域28は、p+形の第1のボディコンタクト領域28a(第3の炭化珪素領域)及びp+形の第2のボディコンタクト領域28b(第6の炭化珪素領域)を含む。n+形のソース領域30は、n+形の第1のソース領域30a(第4の炭化珪素領域)及びn+形の第2のソース領域30b(第7の炭化珪素領域)を含む。
【0139】
ドリフト領域24は、主領域24a(第1の領域)、第1のCSL領域24b(第2の領域)、第2のCSL領域24c(第3の領域)、及び第3のCSL領域24d(第4の領域)を含む。
【0140】
ドリフト領域24は、JBS領域24xを含む。JBS領域24xは、第1のJBS領域24x1、及び第2のJBS領域24x2を含む。
【0141】
第1のボディ領域26aは、第1のディープ領域26ax(第5の領域)、第2のディープ領域26ay(第6の領域)、及びシャロー領域26azを含む。
【0142】
第1のダイオード電極部分12y1は、第1のゲート電極18aと第2のゲート電極18bの間に設けられる。第1のダイオード電極部分12y1は、第1のコンタクト電極部分12x1の第1の方向に設けられる。第1のダイオード電極部分12y1は、ドリフト領域24の第1のJBS領域24x1に接する。
【0143】
第2のダイオード電極部分12y2は、第2のゲート電極18bと第3のゲート電極18cの間に設けられる。第2のダイオード電極部分12y2は、第2のコンタクト電極部分12x2の第1の方向に設けられる。第2のダイオード電極部分12y2は、ドリフト領域24の第2のJBS領域24x2に接する。
【0144】
MOSFET200においては、ダイオード電極部分12yの第2の方向に別のダイオード電極部分12yが位置する。また、コンタクト電極部分12xの第2の方向に別のコンタクト電極部分12xが位置する。
【0145】
例えば、第1のダイオード電極部分12y1の第2の方向に、第2のダイオード電極部分12y2が位置する。例えば、第1のコンタクト電極部分12x1の第2の方向に、第2のコンタクト電極部分12x2が位置する。
【0146】
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用及び効果により、信頼性が向上するMOSFETが実現する。
【0147】
第1及び第2の実施形態では、SiCの結晶構造として4H-SiCの場合を例に説明したが、本発明は6H-SiC、3C-SiC等、その他の結晶構造のSiCを用いたデバイスに適用することも可能である。また、炭化珪素層10の表面に(0001)面以外の面を適用することも可能である。
【0148】
第1及び第2の実施形態では、第1導電形がn形、第2導電形がp形の場合を例に説明したが、第1導電形をp形、第2導電形をn形とすることも可能である。
【0149】
第1及び第2の実施形態では、p形不純物としてアルミニウム(Al)を例示したが、ボロン(B)を用いることも可能である。また、n形不純物として窒素(N)及びリン(P)を例示したが、砒素(As)、アンチモン(Sb)等を適用することも可能である。
【0150】
第1及び第2の実施形態では、各ゲート電極が炭化珪素層10の第1の面F1上に設けられる、いわゆるプレーナゲート構造で例示した。しかしながら、炭化珪素層10内にトレンチを形成し、トレンチ内にゲート電極を設けるトレンチゲート構造を本発明に適用することも可能である。
【0151】
また、Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)に本発明を適用することも可能である。
【0152】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0153】
10 炭化珪素層
12 ソース電極(第1の電極)
12s 金属シリサイド層
12x1 第1のコンタクト電極部分(第1の部分)
12x2 第2のコンタクト電極部分(第3の部分)
12y1 第1のダイオード電極部分(第2の部分)
14 ドレイン電極(第2の電極)
16a 第1のゲート絶縁層
16b 第2のゲート絶縁層
16c 第3のゲート絶縁層
18a 第1のゲート電極
18b 第2のゲート電極
18c 第3のゲート電極
24 ドリフト領域(第1の炭化珪素領域)
24a 主領域(第1の領域)
24b 第1のCSL領域(第2の領域)
24c 第2のCSL領域(第3の領域)
24d 第3のCSL領域(第4の領域)
26a 第1のボディ領域(第2の炭化珪素領域)
26ax 第1のディープ領域(第5の領域)
26ay 第2のディープ領域(第6の領域)
26az シャロー領域(第7の領域)
26b 第2のボディ領域(第5の炭化珪素領域)
28a 第1のボディコンタクト領域(第3の炭化珪素領域)
28b 第2のボディコンタクト領域(第6の炭化珪素領域)
30a 第1のソース領域(第4の炭化珪素領域)
30b 第2のソース領域(第7の炭化珪素領域)
100 MOSFET(半導体装置)
200 MOSFET(半導体装置)
F1 第1の面
F2 第2の面