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特開2024-13754ケーブル管理システム、ケーブル管理方法、監視サーバ、及びドラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013754
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ケーブル管理システム、ケーブル管理方法、監視サーバ、及びドラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240125BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20240125BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240125BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240125BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240125BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116089
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522291876
【氏名又は名称】住電HSTケーブル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123021
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 元幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126538
【弁理士】
【氏名又は名称】嶺 直道
(72)【発明者】
【氏名】内野 道夫
(72)【発明者】
【氏名】正村 浩三
(72)【発明者】
【氏名】西川 新悟
(72)【発明者】
【氏名】福田 和磨
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ケーブルの購入者に過度な負担をかけることなく、ケーブルの盗難防止性能の高いケーブル管理システムを提供する。
【解決手段】ケーブルの位置を管理するケーブル管理システムであって、出荷元から納入先へ出荷される前記ケーブルの位置を検出する位置検出装置と、監視サーバと、ユーザが利用する端末装置とを備え、前記位置検出装置は、検出した位置情報を前記監視サーバに送信し、前記監視サーバは、前記位置検出装置から前記位置情報を受信する位置情報受信部と、前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、前記端末装置から受信する識別子受信部と、前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出する移動検出部と、移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知する移動通知部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの位置を管理するケーブル管理システムであって、
出荷元から納入先へ出荷される前記ケーブルの位置を検出する位置検出装置と、
監視サーバと、
ユーザが利用する端末装置とを備え、
前記位置検出装置は、検出した位置情報を前記監視サーバに送信し、
前記監視サーバは、
前記位置検出装置から前記位置情報を受信する位置情報受信部と、
前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、前記端末装置から受信する識別子受信部と、
前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出する移動検出部と、
移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知する移動通知部とを含む、ケーブル管理システム。
【請求項2】
前記位置検出装置は、前記ケーブルが巻かれたドラムに取り付けられ、自装置の位置を前記ケーブルの位置として検出する、請求項1に記載のケーブル管理システム。
【請求項3】
前記位置検出装置は、前記ドラムの前記ケーブルが巻き始められる位置に取り付けられる、請求項2に記載のケーブル管理システム。
【請求項4】
前記位置検出装置は、前記ドラムの円筒状部材の端部に取り付けられる、請求項3に記載のケーブル管理システム。
【請求項5】
前記位置検出装置は、日種及び時間帯の少なくとも1つに基づいて、前記位置情報の検出頻度を決定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーブル管理システム。
【請求項6】
前記移動通知部は、あらかじめ定められたスケジュール情報に基づいて、前記端末装置への通知を制御する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーブル管理システム。
【請求項7】
前記位置検出装置は、前記ケーブルの移動を検出した場合に、前記位置情報を前記監視サーバに送信する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーブル管理システム。
【請求項8】
前記位置検出装置は、さらに、自装置の振動を検出し、検出した振動情報を前記監視サーバに送信し、
前記監視サーバは、さらに、前記位置検出装置から前記振動情報を受信する振動情報受信部を含み、
前記移動検出部は、前記位置情報及び前記振動情報の少なくとも1つに基づいて、前記位置検出装置の移動を検出する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーブル管理システム。
【請求項9】
前記端末装置は、前記端末装置への通知の解除要求を前記監視サーバに送信し、
前記監視サーバは、さらに、前記端末装置から前記解除要求を受信する解除要求受信部を含み、
前記移動通知部は、前記解除要求を受信した場合に前記端末装置への通知を終了する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーブル管理システム。
【請求項10】
前記位置検出装置は、さらに、前記監視サーバ又は前記端末装置からの指示に基づいて警報を発する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーブル管理システム。
【請求項11】
前記ケーブル管理システムは、前記ケーブルを搬送する車両の位置を検出する車両位置検出装置をさらに備え、
前記位置情報受信部は、さらに、前記車両位置検出装置から前記車両の位置情報を受信し、
前記監視サーバは、前記ケーブルが前記納入先で受領されるまで、前記車両の位置情報を前記端末装置に通知する位置通知部をさらに含み、
前記移動通知部は、前記受領に伴って前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信した後に、前記端末装置への通知を開始する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のケーブル管理システム。
【請求項12】
ケーブルの位置を管理するケーブル管理方法であって、
位置検出装置が、出荷元から納入先へ出荷される前記ケーブルの位置を検出するステップと、
前記位置検出装置が、検出した位置情報を監視サーバに送信するステップと、
前記監視サーバが、前記位置検出装置から前記位置情報を受信するステップと、
ユーザが利用する端末装置が、前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、前記監視サーバに送信するステップと、
前記監視サーバが、前記識別子を受信するステップと、
前記監視サーバが、前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出するステップと、
前記監視サーバが、移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知するステップとを含む、ケーブル管理方法。
【請求項13】
出荷元から納入先へ出荷されるケーブルの位置を検出する位置検出装置から、当該ケーブルの位置情報を受信する位置情報受信部と、
前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、ユーザが利用する端末装置から受信する識別子受信部と、
前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出する移動検出部と、
移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知する移動通知部とを備える、監視サーバ。
【請求項14】
2枚の側板と、
前記2枚の側板の間に設けられ、ケーブルが巻かれる円筒状部材とを備え、
前記2枚の側板及び前記円筒状部材の少なくとも1つに、自装置の位置を検出する位置検出装置を収容可能な収納部が形成されている、ドラム。
【請求項15】
前記側板及び前記円筒状部材は、合成樹脂製である、請求項14に記載のドラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケーブル管理システム、ケーブル管理方法、監視サーバ、及びドラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素化の流れに伴う電気自動車や太陽光発電装置の需要増加期待等の様々な要因により、銅価格が高騰している。このため、銅を材料とする電線の盗難が頻発している。
【0003】
これに対し、電線等の製品の購入者が、製品保管場所に人感センサ等を設置することにより盗難防止の対策を行ったり(例えば、非特許文献1)、盗難保険に加入することにより盗難被害の補償対策を行ったりしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】”資材泥棒、金属泥棒、作業場など屋外施設の防犯対策、防犯システム、セキュリティシステム。”,[online],防犯グッズ情報.com,[2022年6月13日検索],インターネット<URL: http://www.bouhangoods-joho.com/okugai.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、購入者が行う盗難防止対策は、購入者に過度な負担をかけるとともに、実効性に限界がある。また、盗難保険により製品購入額が補償されたとしても、同種の製品の調達には時間がかかるため、電線の敷設工事等の工期の遅れにつながり、製品購入者の顧客への信用問題にも発展しかねない。このような課題は、光ファイバーなどの電線以外のケーブルにも共通する課題である。
【0006】
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ケーブルの購入者に過度な負担をかけることなく、ケーブルの盗難防止性能の高いケーブル管理システム、ケーブル管理方法、監視サーバ、及びドラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るケーブル管理システムは、ケーブルの位置を管理するケーブル管理システムであって、出荷元から納入先へ出荷される前記ケーブルの位置を検出する位置検出装置と、監視サーバと、ユーザが利用する端末装置とを備え、前記位置検出装置は、検出した位置情報を前記監視サーバに送信し、前記監視サーバは、前記位置検出装置から前記位置情報を受信する位置情報受信部と、前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、前記端末装置から受信する識別子受信部と、前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出する移動検出部と、移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知する移動通知部とを含む。
【0008】
本開示の他の態様に係るケーブル管理方法は、ケーブルの位置を管理するケーブル管理方法であって、位置検出装置が、出荷元から納入先へ出荷される前記ケーブルの位置を検出するステップと、前記位置検出装置が、検出した位置情報を監視サーバに送信するステップと、前記監視サーバが、前記位置検出装置から前記位置情報を受信するステップと、ユーザが利用する端末装置が、前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、前記監視サーバに送信するステップと、前記監視サーバが、前記識別子を受信するステップと、前記監視サーバが、前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出するステップと、前記監視サーバが、移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知するステップとを含む。
【0009】
本開示の他の態様に係る監視サーバは、出荷元から納入先へ出荷されるケーブルの位置を検出する位置検出装置から、当該ケーブルの位置情報を受信する位置情報受信部と、前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、ユーザが利用する端末装置から受信する識別子受信部と、前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出する移動検出部と、移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知する移動通知部とを備える。
【0010】
本開示の他の態様に係るドラムは、2枚の側板と、前記2枚の側板の間に設けられ、ケーブルが巻かれる円筒状部材とを備え、前記2枚の側板及び前記円筒状部材の少なくとも1つに、自装置の位置を検出する位置検出装置を収容可能な収納部が形成されている。
【0011】
なお、本開示は、監視サーバに含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなコンピュータプログラムを、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。また、本開示は、監視サーバの一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によると、ケーブルの購入者に過度な負担をかけることなく、ケーブルの盗難防止性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施形態1に係るケーブル管理システム1の全体構成を示す図である。
図2図2は、ドラムへの位置検出装置の取り付け方法について説明するための図である。
図3図3は、本開示の実施形態1に係る位置検出装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、本開示の実施形態1に係る監視サーバの構成を示すブロック図である。
図5図5は、ドラム管理情報の一例を示す図である。
図6図6は、スケジュール情報の一例を示す図である。
図7図7は、ログイン管理情報の一例を示す図である。
図8図8は、本開示の実施形態1に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図9図9は、ドラムの移動監視処理の開始前に実行される処理のシーケンス図である。
図10図10は、ドラムの移動監視処理の開始前に実行される処理のシーケンス図である。
図11図11は、ドラムの移動監視処理のシーケンス図である。
図12図12は、ドラムの位置の確認処理のシーケンス図である。
図13図13は、ドラムの移動検出情報及び位置情報の端末装置に対する通知の解除処理のシーケンス図である。
図14図14は、本開示の実施形態1の変形例5に係る位置検出装置の構成を示すブロック図である。
図15図15は、発報処理のシーケンス図である。
図16図16は、本開示の実施形態1の変形例6に係るケーブル管理システムの全体構成を示す図である。
図17図17は、監視サーバの記憶部に記憶されるドラム管理情報の一例を示す図である。
図18図18は、トラックの位置情報表示処理のシーケンス図である。
図19図19は、本開示の実施形態2に係るドラムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本開示の実施形態の概要]
最初に本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態に係るケーブル管理システムは、ケーブルの位置を管理するケーブル管理システムであって、出荷元から納入先へ出荷される前記ケーブルの位置を検出する位置検出装置と、監視サーバと、ユーザが利用する端末装置とを備え、前記位置検出装置は、検出した位置情報を前記監視サーバに送信し、前記監視サーバは、前記位置検出装置から前記位置情報を受信する位置情報受信部と、前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、前記端末装置から受信する識別子受信部と、前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出する移動検出部と、移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知する移動通知部とを含む。
【0015】
この構成によると、出荷元から納入先に位置検出装置の識別子が通知される。ユーザは、端末装置を操作して、端末装置から位置検出装置の識別子を監視サーバに送信する。監視サーバは、識別子の受信を端末装置に対するケーブルの移動の通知開始のトリガーとする。このように、ユーザは、出荷元から通知された位置検出装置の識別子を監視サーバに通知するだけで、出荷元から納入されたケーブルが移動した場合の通知サービスを開始させることができる。また、識別子の通知前においては、ケーブルが移動したことの通知は行われない。このため、納入先へのケーブルの搬送に伴いケーブルが移動した場合における通知を抑制することができる。また、出荷元は、ケーブルとケーブルの盗難防止サービスとを一体的に納入先に提供できる。これにより、ケーブルの購入者である納入先に過度な負担をかけることなく、ケーブルの盗難防止性能を高めることができる。ここで、端末装置を利用するユーザは、納入先の従業員などの納入先の関係者であってもよいし、ケーブルの販売代理店の従業員など納入先の関係者以外の者であってもよい。
【0016】
(2)上記(1)において、前記位置検出装置は、前記ケーブルが巻かれたドラムに取り付けられ、自装置の位置を前記ケーブルの位置として検出する。
【0017】
この構成によると、ケーブルとともに位置検出装置を取り付けたドラムを、出荷元から納入先に納入することができる。
【0018】
(3)上記(2)において、前記位置検出装置は、前記ドラムの前記ケーブルが巻き始められる位置に取り付けられてもよい。
【0019】
この構成によると、ドラムにケーブルが巻かれることにより、ケーブルによって位置検出装置が隠される。このため、第三者による位置検出装置の発見、操作及び取り外しを防止できる。その一方、位置検出装置がケーブルにより隠されてしまうと、その後に位置検出装置を動作状態に変更することが困難になる。このため、ケーブルを巻く前に位置検出装置を動作状態にしておく必要がある。しかし、位置検出装置を操作状態にしても、位置検出装置の識別子が監視サーバに送信されるまでの間は、ケーブルの移動の通知を抑制することができる。
【0020】
(4)上記(3)において、前記位置検出装置は、前記ドラムの円筒状部材の端部に取り付けられてもよい。
【0021】
通常、ケーブルは円筒状部材の端部から巻かれるため、端部に空間が生じる。当該空間に位置検出装置を取り付けることにより、ケーブルの巻き回しを邪魔することなく、位置検出装置をドラムに取り付けることができる。
【0022】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記位置検出装置は、日種及び時間帯の少なくとも1つに基づいて、前記位置情報の検出頻度を決定してもよい。
【0023】
例えば、土曜日や日曜日などの休日や夜間などの人手による監視が手薄になる時間帯ほど位置情報の検出頻度を高くできる。また、平日の昼間などに不必要に位置情報を送信することが無くなり、位置検出装置がバッテリにより駆動する場合であっても、長期間にわたって位置情報を送信できる。
【0024】
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記移動通知部は、あらかじめ定められたスケジュール情報に基づいて、前記端末装置への通知を制御してもよい。
【0025】
例えば、ケーブルを配送する時間帯をスケジュールとして登録しておくことにより、ケーブル配送時に位置検出装置の移動が検出された場合であっても、端末装置にケーブルが移動したことを通知しないようにできる。これにより、不必要な通知を防止できる。
【0026】
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記位置検出装置は、前記ケーブルの移動を検出した場合に、前記位置情報を前記監視サーバに送信してもよい。
【0027】
この構成によると、無駄な位置情報の送信を抑制することができる。
【0028】
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記位置検出装置は、さらに、自装置の振動を検出し、検出した振動情報を前記監視サーバに送信し、前記監視サーバは、さらに、前記位置検出装置から前記振動情報を受信する振動情報受信部を含み、前記移動検出部は、前記位置情報及び前記振動情報の少なくとも1つに基づいて、前記位置検出装置の移動を検出してもよい。
【0029】
ケーブルを移動させようとした場合には、ケーブル及び位置検出装置が振動する。また、ケーブルを移動させることなくケーブルだけを抜き取ろうとした場合にも、ケーブル及び位置検出装置が振動する。このため、位置検出装置の移動に位置検出装置の振動を含め、位置情報とともに、又は位置情報の代わりに振動情報に基づいて位置検出装置の移動を検出することにより、高精度かつ早期に位置検出装置の移動を検出できる。
【0030】
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、前記端末装置は、前記端末装置への通知の解除要求を前記監視サーバに送信し、前記監視サーバは、さらに、前記端末装置から前記解除要求を受信する解除要求受信部を含み、前記移動通知部は、前記解除要求を受信した場合に前記端末装置への通知を終了してもよい。
【0031】
ケーブルを使い切った状態においては、ケーブルの移動を監視する必要が無い。このため、ユーザは、ケーブルを使い切った場合に、端末装置への通知の解除要求を監視サーバに送信することにより、監視サーバから端末装置への通知を終了させることができる。これにより、不必要な通知を抑制することができる。
【0032】
(10)上記(1)から(9)のいずれかにおいて、前記位置検出装置は、さらに、前記監視サーバ又は前記端末装置からの指示に基づいて警報を発してもよい。
【0033】
この構成によると、ケーブルを捜索しているユーザが、位置検出装置に発報させることができる。これにより、ケーブルの近くにいるユーザは、所望のケーブルを容易に探すことができる。また、ケーブルの移動が検出された場合などに警報を発することで、ケーブル盗難前においては、ケーブルの周囲にいる人の注意を引きつけ、ケーブルの盗難を防止することができる。また、ケーブル盗難後であっても、警報によりケーブルを窃盗した犯人を動揺させたり、ケーブルの周囲にいる人の注意を引きつけたりすることができる。これにより、犯人にケーブルの窃盗を断念させることができる。
【0034】
(11)上記(1)から(10)のいずれかにおいて、前記ケーブル管理システムは、前記ケーブルを搬送する車両の位置を検出する車両位置検出装置をさらに備え、前記位置情報受信部は、さらに、前記車両位置検出装置から前記車両の位置情報を受信し、前記監視サーバは、前記ケーブルが前記納入先で受領されるまで、前記車両の位置情報を前記端末装置に通知する位置通知部をさらに含み、前記移動通知部は、前記受領に伴って前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信した後に、前記端末装置への通知を開始してもよい。
【0035】
この構成によると、ユーザは、ケーブルを搬送中の車両の位置を確認することができる。また、ケーブルが納入先で受領された後に、ケーブルが移動した場合の通知サービスを開始させることができる。
【0036】
(12)本開示の他の実施形態に係るケーブル管理方法は、ケーブルの位置を管理するケーブル管理方法であって、位置検出装置が、出荷元から納入先へ出荷される前記ケーブルの位置を検出するステップと、前記位置検出装置が、検出した位置情報を監視サーバに送信するステップと、前記監視サーバが、前記位置検出装置から前記位置情報を受信するステップと、ユーザが利用する端末装置が、前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、前記監視サーバに送信するステップと、前記監視サーバが、前記識別子を受信するステップと、前記監視サーバが、前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出するステップと、前記監視サーバが、移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知するステップとを含む。
【0037】
この構成は、上述のケーブル管理システムにおける特徴的な処理をステップとして含む。このため、上述のケーブル管理システムと同様の作用及び効果を奏する。
【0038】
(13)本開示の他の実施形態に係る監視サーバは、出荷元から納入先へ出荷されるケーブルの位置を検出する位置検出装置から、当該ケーブルの位置情報を受信する位置情報受信部と、前記出荷元から前記納入先に通知される前記位置検出装置の識別子を、ユーザが利用する端末装置から受信する識別子受信部と、前記位置情報に基づいて、前記ケーブルの移動を検出する移動検出部と、移動が検出された前記ケーブルの位置を検出した前記位置検出装置の前記識別子を前記識別子受信部が受信している場合に、前記端末装置に前記ケーブルが移動したことを通知する移動通知部とを備える。
【0039】
この構成は、上述のケーブル管理システムにおける監視サーバの構成を含む。このため、上述のケーブル管理システムと同様の作用及び効果を奏する。
【0040】
(14)本開示の他の実施形態に係るドラムは、2枚の側板と、前記2枚の側板の間に設けられ、ケーブルが巻かれる円筒状部材とを備え、前記2枚の側板及び前記円筒状部材の少なくとも1つに、自装置の位置を検出する位置検出装置を収容可能な収納部が形成されている。
【0041】
ドラムに、位置検出装置を収容可能な収納部が形成されている。このため、ドラムに位置検出装置を容易に取り付けることができる。また、ケーブルを使い終わった後に、位置検出装置とともにドラムを回収する運用を行うことも可能である。
【0042】
(15)上記(14)において、前記側板及び前記円筒状部材は、合成樹脂製であってもよい。
【0043】
これにより、ドラムに収納部を容易に形成可能である。また、ドラムを軽量化できるため、効率的にドラムを回収できる。
【0044】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0045】
また、同一の構成要素には同一の符号を付す。それらの機能及び名称も同様であるため、それらの説明は適宜省略する。
【0046】
<実施形態1>
〔ケーブル管理システムの全体構成〕
図1は、本開示の実施形態1に係るケーブル管理システム1の全体構成を示す図である。
ケーブル管理システム1は、ドラム2に巻かれたケーブルの盗難を防止するためのシステムである。ここで、ケーブルは、産業用に広く一般に利用される産業用電線、電力会社が敷設する送電網等に利用される高圧電線、光ファイバーケーブルなどを含む。なお、ケーブルは、これらに限定されるものではなく、ドラム2に巻かれて取引される線状部材であれば、他の部材であってもよい。ドラム2は、トラック3等の配送車両により出荷元から納入先に配送され、納入先において利用又は管理される。
【0047】
ケーブル管理システム1は、出荷元装置4と、監視サーバ100と、位置検出装置200と、端末装置300とを備える。
【0048】
出荷元装置4は、ドラム2の出荷元のユーザが利用するコンピュータである。出荷元装置4は、有線又は無線によりネットワーク7に接続され、監視サーバ100に対して、監視の対象とするドラム2の情報を送信する。ネットワーク7は、例えば、公衆インターネット回線である。
【0049】
位置検出装置200は、ドラム2に取り付けられる。位置検出装置200は、LPWA(Low Power Wide Area)の通信規格の一種であるSigfox(登録商標)に従い、周波数帯920MHzの信号を無線基地局5に送信する。具体的には、位置検出装置200は、自装置の位置を検出し、検出した位置情報をLPWAネットワークシステム6の無線基地局5に送信する。また、位置検出装置200は、自装置の振動を検出し、検出した振動情報を無線基地局5に送信する。ただし、LPWAの通信規格は、Sigfox(登録商標)に限定されるものではなく、LTE-M、ELTRES(登録商標)、Wi-SUNなどの他の通信規格を用いてもよい。
【0050】
LPWAネットワークシステム6は、LPWAサーバ6A及び無線基地局5を含んで構成され、LPWAネットワークシステム6内ではLPWAの通信規格に従った通信が行われる。LPWAサーバ6Aは、無線基地局5及びLPWAネットワークシステム6を介して、位置検出装置200から送信された位置情報及び振動情報を受信する。
【0051】
LPWAサーバ6Aは、有線又は無線によりネットワーク7に接続され、位置検出装置200から受信した位置情報及び振動情報をネットワーク7を介して監視サーバ100に送信する。なお、LPWAサーバ6Aと監視サーバ100とは、API(Application Programming Interface)連携されている。
【0052】
監視サーバ100は、有線又は無線によりネットワーク7に接続され、ネットワーク7を介してLPWAサーバ6Aと接続される。監視サーバ100は、LPWAサーバ6Aが位置検出装置200から受信した位置検出装置200の位置情報及び振動情報を、LPWAサーバ6Aから受信する。監視サーバ100は、位置検出装置200の位置情報及び振動情報の少なくとも1つに基づいて、位置検出装置200の移動を検出する。移動検出方法については後述する。監視サーバ100は、位置検出装置200の移動を検出した場合には、位置検出装置200が取り付けられたドラム2が移動したことを示す移動検出情報を、ネットワーク7を介して端末装置300に送信する。
【0053】
端末装置300は、ドラム2の納入先のユーザが利用するスマートフォン、タブレット端末又はコンピュータなどである。端末装置300は、有線又は無線によりネットワーク7に接続され、ネットワーク7を介して監視サーバ100から移動検出情報を受信する。端末装置300は、受信した移動検出情報に基づいて、ドラム2が移動したことを示すメッセージを表示画面上に表示することにより、ドラム2の移動をユーザに通知する。以下の説明では、端末装置300を利用するユーザは、納入先の従業員などの納入先の関係者として説明する。ただし、端末装置300を利用するユーザは、納入先の関係者に限定されるものではない。例えば、端末装置300を利用するユーザは、ケーブルの販売代理店の従業員など納入先の関係者以外の者であってもよい。
【0054】
端末装置300は、カメラを備えている。ユーザは、カメラによりドラム2の納品書8に印刷されたバーコード8Aを撮影する。ここで、納品書8はドラム2とともに納入先に納品され、バーコード8Aには位置検出装置200の識別子である装置IDが記録されている。つまり、ドラム2の出荷とともに出荷元から納入先に位置検出装置200の識別子が通知される。端末装置300は、カメラが撮影したバーコード8Aの画像を画像処理することにより、バーコード8Aによって示される位置検出装置200の識別子である装置IDを読み取る。端末装置300は、読み取った装置IDの情報を監視サーバ100に送信する。監視サーバ100は、装置IDの情報をトリガーとして、装置IDで識別される位置検出装置200による移動検出情報の端末装置300への送信を開始する。なお、端末装置300に、バーコードリーダが接続され、バーコードリーダで装置IDの読み取りを行ってもよい。ドラム2とともに納品書8が納品されることにより、納品先のユーザは、直ちにバーコード8Aを撮影することができる。これにより、ユーザによるバーコード8Aの撮影忘れを防止することができる。
【0055】
図2は、ドラム2への位置検出装置200の取り付け方法について説明するための図である。図2(a)は、ドラム2の外観を示す図であり、図2(b)は、図2(a)の破線内の拡大図である。
【0056】
ドラム2は、2枚の側板21A,21Bと、側板21A,21Bの間に設けられた円筒状部材22とを備える。円筒状部材22には、ケーブル23が端部(例えば、側板21Bの側)から巻かれる。ケーブル23の端部は、絶縁キャップ24により覆われ、他と絶縁される。絶縁キャップ24は、例えば、ポリ塩化ビニル製である。
【0057】
ケーブル23は、ロープ26によりドラム2に固定される。つまり、ロープ26の一端は絶縁キャップ24に固定され、他端は側板21Bに設けられた係止部25に固定される。ロープ26の途中には袋27が括り付けられており、袋27の内部に位置検出装置200が収容される。袋27は、両面テープ等により円筒状部材22に貼付される。これにより、ドラム2に位置検出装置200を取り付けることができる。
【0058】
ケーブル23は円筒状部材22の端部から巻かれるため、端部(具体的には、係止部25と絶縁キャップ24との間)に空間が生じる。この空間に位置検出装置200を取り付けることにより、ケーブル23の巻き回しを邪魔することなく、位置検出装置200をドラムに取り付けることができる。
【0059】
なお、位置検出装置200は、ケーブル23への接触を防止するため、例えば、小型の扁平形状を有する。
【0060】
図2は、ケーブル23の巻き始めの状態の一例を示しており、ケーブル23が円筒状部材22に順次巻かれることにより、袋27はケーブル23により隠される。
【0061】
〔位置検出装置200の構成〕
図3は、本開示の実施形態1に係る位置検出装置200の構成を示すブロック図である。
位置検出装置200は、ドラム2に取り付けられ、位置検出装置200の位置、即ちドラム2の位置を検出する。なお、本開示において、ドラム2に位置検出装置200が取り付けられケーブル23が巻かれた状態においては、ドラム2、位置検出装置200及びケーブル23の各位置は同じである。このため、ドラム2の位置、位置検出装置200の位置及びケーブル23の位置は同義とする。同様に、ドラム2の移動、位置検出装置200の移動及びケーブル23の移動も同義とする。
【0062】
位置検出装置200は、GPS(Global Positioning System)受信機201と、振動センサ202と、クロック203と、通信部204と、記憶部205と、CPU(Central Processing Unit)206と、バッテリ207とを備える。図3では、信号線を実線で表し、電力線を点線で表している。
【0063】
GPS受信機201は、複数のGPS衛星から送信される電波を受信し、受信した電波に基づいて、位置検出装置200の位置、即ちドラム2の位置を特定する。位置検出装置200の位置は、例えば、緯度及び経度により示される。なお、GPS受信機201の代わりに、準天頂衛星システムなどの他の衛星測位システム(GNSS : Global Navigation Satellite System)を用いて位置検出装置200の位置を特定する受信機を用いることも可能である。
【0064】
振動センサ202は、位置検出装置200の振動を検出するセンサであり、例えば、サーボ型又は圧電型の加速度測定器などにより構成される。振動センサ202は、振動に相当する加速度を出力する。
クロック203は、時刻を計時する。
【0065】
通信部204は、上述したLPWAの通信規格に従い、LPWAネットワークシステム6の無線基地局5と無線通信する。
【0066】
記憶部205は、フラッシュメモリ又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性のメモリ素子により構成される。記憶部205は、CPU206で実行されるコンピュータプログラム205Aを記憶する。また、記憶部205は、自装置の装置IDの情報を記憶する。また、記憶部205は、コンピュータプログラム205Aの実行時の一時データを記憶する。
【0067】
CPU206は、バッテリ207からの電源の供給をトリガーとして、記憶部205からコンピュータプログラム205Aを読み出し、実行する。
【0068】
具体的には、CPU206は、クロック203から出力される時刻に基づいて、現在時刻が昼間(例えば、6:00から18:00)であれば、第1周期で(例えば、60分毎に)GPS受信機201から位置検出装置200の位置情報を取得する。CPU206は、取得した位置情報を装置IDの情報とともに、通信部204を介してLPWAネットワークシステム6に即時に送信する。また、CPU206は、クロック203から出力される時刻に基づいて、現在時刻が夜間(例えば、18:00から翌日の6:00)であれば、第1周期よりも短い第2周期で(例えば、6分毎に)GPS受信機201から位置検出装置200の位置情報を取得する。CPU206は、取得した位置情報を自装置の装置IDの情報とともに、通信部204を介してLPWAサーバ6Aに即時に送信する。LPWAサーバ6Aは、位置情報及び装置IDの情報を即時に受信し、監視サーバ100に即時に転送する。なお、CPU206は、クロック203から時刻情報を取得する代わりに、GPS受信機201がGPS衛星から受信した時刻情報を、GPS受信機201から取得してもよい。この場合、クロック203は位置検出装置200に備えられていなくてもよい。
【0069】
また、CPU206による位置情報取得のスケジュール(上述の時間と周期との組み合わせ)を、外部装置が設定してもよい。例えば、出荷元のユーザが、出荷元装置4と位置検出装置200とを、USB(Universal Serial Bus)などの通信線を介して接続する。ユーザは、位置情報取得のスケジュールを出荷元装置4に入力する。出荷元装置4は、入力されたスケジュール情報を位置検出装置200に送信し、位置検出装置200のCPU206は、通信部204を介してスケジュール情報を受信する。CPU206は、受信したスケジュール情報を記憶部205に記憶させる。CPU206は、記憶部205に記憶されたスケジュール情報に従って、GPS受信機201から位置検出装置200の位置情報を取得する。なお、スケジュールを設定する外部装置は、端末装置300又は監視サーバ100などの他の装置であってもよい。
【0070】
また、CPU206は、振動センサ202から出力される加速度に基づいて、加速度の絶対値が所定の加速度閾値を超えた場合に、振動を検出したことを示す振動情報を自装置の装置IDの情報とともに、通信部204を介してLPWAサーバ6Aに即時に送信する。LPWAサーバ6Aは、振動情報及び装置IDの情報を即時に受信し、API連携された監視サーバ100に振動情報を即時に転送する。
【0071】
バッテリ207は、例えば、位置検出装置200に収容可能な乾電池により構成される。位置検出装置200にバッテリ207が挿入されると、バッテリ207は、各処理部201~206に電力を供給する。なお、位置検出装置200には、バッテリ207による電力供給のON/OFFを切り替えるスイッチが設けられていてもよい。この場合には、スイッチをONすることにより、バッテリ207は各処理部201~206に電力を供給する。バッテリ207は、電力の残容量が無くなるまで電力を供給し続ける。これにより、バッテリ207の電力の残容量が無くなるまで、位置検出装置200は位置情報及び振動情報を送信し続ける。
【0072】
〔監視サーバ100の構成〕
図4は、本開示の実施形態1に係る監視サーバ100の構成を示すブロック図である。
監視サーバ100は、通信部101と、記憶部102と、制御部103とを備える。
【0073】
通信部101は、ネットワーク7との間で有線通信又は無線通信を行う。
記憶部102は、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性のメモリ素子、フラッシュメモリ若しくはEEPROMなどの不揮発性のメモリ素子、又は、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成される。記憶部102は、コンピュータプログラム102Aと、ドラム管理情報102Bと、スケジュール情報102Cと、ログイン管理情報102Dとを記憶する。
コンピュータプログラム102Aは、制御部103で実行される。
【0074】
ドラム管理情報102Bは、ドラム2又はドラム2に巻かれたケーブル23を管理するための情報である。
【0075】
図5は、ドラム管理情報102Bの一例を示す図である。
ドラム管理情報102Bは、製品IDと、装置IDと、納入先IDと、監視対象フラグと、移動通知フラグと、位置情報とを含む。
【0076】
製品IDは、ドラム2に巻かれたケーブル23の識別子である。装置IDは、ドラム2に取り付けられた位置検出装置200の識別子である。納入先IDは、ケーブル23が巻かれたドラム2の納入先又は納入先の端末装置300の識別子である。
【0077】
監視対象フラグは、ドラム2を監視サーバ100によるドラム2の移動又は位置の監視対象とするか否かを示す制御するためのフラグである。監視対象フラグがONの場合には、監視サーバ100は、ドラム2をドラム2の移動又は位置の監視対象とする。監視対象フラグがOFFの場合には、監視サーバ100は、ドラム2をドラム2の移動又は位置の監視対象としない。
【0078】
移動通知フラグは、監視サーバ100によりドラム2の移動が検出された場合に、端末装置300にドラム2の移動を通知するか否かを制御するためのフラグである。移動通知フラグがONの場合には、監視サーバ100は、ドラム2の移動が検出された場合に端末装置300に移動検出情報を送信する。移動通知フラグがOFFの場合には、監視サーバ100は、ドラム2の移動が検出された場合であっても端末装置300に移動検出情報を送信しない。
【0079】
位置情報は、監視サーバ100が受信したドラム2の最新の位置情報を示す。位置情報は、(緯度,経度)で示される。
【0080】
例えば、製品ID「P1」で識別されるケーブル23が巻かれたドラム2には、装置ID「D1」で識別される位置検出装置200が取り付けられている。そのドラム2は納入先ID「U1」で識別される納入先に納入される。また、ドラム2は、監視サーバ100による移動又は位置の監視対象とされ、監視サーバ100により移動が検出された場合には端末装置300に移動検出情報が送信される。さらに、ドラム2の最新の位置情報は(N1,E1)である。
【0081】
図6は、スケジュール情報102Cの一例を示す図である。
スケジュール情報102Cは、位置検出装置200に対する移動検出情報の非通知のスケジュールを示す情報である。スケジュール情報102Cは、装置IDと、開始日時と、終了日時とを含む。
【0082】
装置IDは、ドラム2に取り付けられた位置検出装置200の識別子である。
開始日時及び終了日時は、位置検出装置200に対する移動検出情報の通知を行わないスケジュール期間の開始日時及び終了日時をそれぞれ示す。
【0083】
例えば、スケジュール情報102Cは、装置ID「D1」で識別される位置検出装置200について移動が検出された場合であっても、2022年x月x日9:00から2022年x月x日12:00の間は、移動検出情報を通知しないことを示している。また、スケジュール情報102Cは、装置ID「D2」で識別される位置検出装置200について移動が検出された場合であっても、毎日9:00から17:00までの間は、移動検出情報を通知しないことを示している。
【0084】
図7は、ログイン管理情報102Dの一例を示す図である。
ログイン管理情報102Dは、端末装置300が監視サーバ100にログインするための納入先IDとパスワードとを含む。例えば、納入先ID「U1」に対応するパスワード「abcdef」であり、納入先ID「U1」で識別される納入先のユーザは、当該納入先ID及びパスワードを用いて認証処理を行うことにより、端末装置300から監視サーバ100にログインできる。
【0085】
再び図4を参照して、制御部103は、CPUなどのプロセッサにより構成され、コンピュータプログラム102Aを実行することにより実現される機能的な処理部として、ドラム管理情報登録部111と、位置情報受信部112と、識別子受信部113と、振動情報受信部114と、移動検出部115と、通知部116と、解除要求受信部117と、認証処理部118とを含む。
【0086】
ドラム管理情報登録部111は、通信部101を介して出荷元装置4から、ドラム2に巻かれたケーブル23の製品ID、ドラム2に取り付けられた位置検出装置200の装置ID、及びドラム2の納入先IDの情報を受信し、これら3つのIDをドラム管理情報102Bとして記憶部102に記憶させる。また、ドラム管理情報登録部111は、登録した3つのIDに対応する監視対象フラグをONに設定し、移動通知フラグをOFFに設定する。ここで、出荷元のユーザは、ドラム2を出荷するまでに、出荷元装置4を操作してこれら3つのIDを入力する。
【0087】
位置情報受信部112は、通信部101を介して位置検出装置200から、位置検出装置200の位置情報及び装置IDの情報を受信する。なお、実際には、位置情報受信部112は、通信部101を介してLPWAサーバ6A経由で位置検出装置200から位置情報及び装置IDの情報を受信する。ただし、LPWAサーバ6Aは、位置検出装置200から受信した情報を監視サーバ100に転送しているだけである。このため、以下の説明では、LPWAサーバ6Aを経由することの説明を省略する。例えば、監視サーバ100がLPWAサーバ6A経由で位置検出装置200と情報を送信又は受信することを、監視サーバ100が位置検出装置200と情報を送信又は受信すると略記する。同様に、位置検出装置200がLPWAサーバ6A経由で監視サーバ100と情報を送信又は受信することを、位置検出装置200が監視サーバ100と情報を送信又は受信すると略記する。
【0088】
位置情報受信部112は、受信した位置情報を、ドラム管理情報102Bの受信した装置IDの位置情報の欄に書き込む。
【0089】
識別子受信部113は、納品書8に印刷されたバーコード8Aにより納入先に通知された位置検出装置200の装置IDの情報を、通信部101を介して端末装置300から受信する。識別子受信部113が装置IDの情報を受信すると、ドラム管理情報登録部111は、ドラム管理情報102Bの装置IDに対応する移動通知フラグをONに設定する。
振動情報受信部114は、通信部101を介して位置検出装置200から、振動情報を受信する。
【0090】
移動検出部115は、位置情報受信部112が受信した位置情報に基づいて、ドラム2の移動を検出する。具体的には、移動検出部115は、ドラム管理情報102Bに記憶されているドラム2の位置情報と、位置情報受信部112が受信した位置情報であって、ドラム管理情報102Bに書き込む前の位置情報とを比較する。つまり、移動検出部115は、最新の位置情報と、1つ前に受信した位置情報とを比較する。移動検出部115は、2つの位置情報がそれぞれ示すドラム2の位置間の距離を、ドラム2の位置変化量として算出する。移動検出部115は、算出した位置変化量が所定の距離閾値以上の場合には、ドラム2が移動したと判断し、ドラム2の移動を検出する。移動検出部115は、当該位置変化量が距離閾値未満の場合には、ドラム2が移動していないと判断し、ドラム2の移動を検出しない。
【0091】
また、移動検出部115は、振動情報受信部114が振動情報を受信した場合に、ドラム2が移動すると未然に判断し、ドラム2の移動を検出する。本開示では、ドラム2の移動には、ドラム2の振動が含まれるものとする。
【0092】
通知部116は、移動が検出された位置検出装置200の装置IDを識別子受信部113が受信している場合に、端末装置300にドラム2が移動したことを通知する。具体的には、通知部116は、移動検出部115がドラム2の移動を検出し、かつ、所定の移動通知条件を満たす場合に、ドラム2が移動したことを示す移動検出情報をドラム2に巻かれたケーブルの製品IDの情報とともに、通信部101を介して端末装置300に送信する。これにより、通知部116は、納入先にドラム2の移動を通知する。
【0093】
ここで、移動通知条件は、例えば、以下の3つの条件から構成される。つまり、条件1から条件3の全てを満たす場合に、移動通知条件を満たし、1つでも条件を満たさない場合には、移動通知条件を満たさない。ただし、移動通知条件には、少なくとも条件1が含まれていればよく、条件2,3は含まれていなくてもよい任意の条件である。
(条件1)移動が検出されたドラム2の移動通知フラグがONであること。
(条件2)移動が検出されたドラム2の監視対象フラグがONであること。
(条件3)現在時刻がスケジュール情報102Cのスケジュール期間に含まれないこと。
【0094】
なお、通知部116は、移動検出情報を送信する端末装置300を以下のようにして特定する。つまり、通知部116は、ドラム管理情報102Bを参照して、移動が検出されたドラム2に取り付けられた位置検出装置200の装置IDに対応する納入先IDを特定する。通知部116は、納入先IDで識別される端末装置300を通知の対象として特定する。
【0095】
また、通知部116は、端末装置300から送信される位置確認要求及び製品IDに従い、製品IDで識別されるケーブル23が巻かれたドラム2の位置情報をドラム管理情報102Bから読み出し、通信部101を介して端末装置300に送信する。ここで、通知部116は、ドラム2の監視対象フラグがONの場合に位置情報を送信し、監視対象フラグがOFFの場合には位置情報を送信しない。
【0096】
解除要求受信部117は、通信部101を介して端末装置300から、移動検出情報及び位置情報の通知解除要求、及び通知解除対象のドラム2に巻かれたケーブルの製品IDの情報を受信する。解除要求受信部117が通知解除要求及び製品IDの情報を受信すると、ドラム管理情報登録部111は、製品IDに対応する監視対象フラグをOFFに変更する。なお、納入先のユーザは、ケーブル23を使い終わった後に監視の必要が無いと判断したドラム2について、位置検出装置200を用いて通知解除要求を監視サーバ100に送信する。
【0097】
認証処理部118は、通信部101を介して端末装置300から、納入先ID及びパスワードの情報を受信する。認証処理部118は、受信した納入先ID及びパスワードの情報に基づいて、端末装置300の認証処理を行う。つまり、認証処理部118は、受信した納入先ID及びパスワードの情報がログイン管理情報102Dに登録されていれば認証に成功したと判断し、端末装置300から監視サーバ100へのログインを許可する。認証処理部118は、認証処理の結果を端末装置300に送信する。
【0098】
〔端末装置300の構成〕
図8は、本開示の実施形態1に係る端末装置300の構成を示すブロック図である。
端末装置300は、通信部301と、カメラ302と、入力部303と、表示部304と、記憶部305と、制御部306と、バス307とを備える。
通信部301は、ネットワーク7との間で有線通信又は無線通信を行う。
カメラ302は、例えば、ドラム2の納品書8に印刷されたバーコード8Aを撮影し、画像を出力する。
【0099】
入力部303は、キーボード、タッチパネル又はタッチパッド等から構成され、ユーザからの各種情報の入力を受け付ける。例えば、入力部303は、監視サーバ100にログインするための納入先ID及びパスワードの入力を受け付ける。また、入力部303は、監視サーバ100へのドラム2の位置確認要求と、位置の確認を要求するドラム2に巻かれたケーブル23の製品IDの入力を受け付ける。また、入力部303は、監視サーバ100からの移動検出情報及び位置情報の通知の解除要求と通知解除対象のドラム2に巻かれたケーブルの製品IDの入力を受け付ける。
【0100】
表示部304は、ディスプレイ装置又はタッチパネル等の表示装置である。表示部304は、各種情報を画像又は文字により表示する。例えば、表示部304は、ドラム2が移動したことを示すテキストメッセージを表示する。また、表示部304は、地図上にドラム2の存在する位置を示した画像を表示する。
【0101】
記憶部305は、SRAM又はDRAMなどの揮発性のメモリ素子、フラッシュメモリ若しくはEEPROMなどの不揮発性のメモリ素子、又は、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成される。記憶部305は、制御部306で実行されるコンピュータプログラム305Aを記憶する。
【0102】
制御部306は、CPUなどのプロセッサにより構成され、コンピュータプログラム305Aを実行することにより実現される機能的な処理部として、ログイン処理部311と、バーコード読取部312と、通知情報処理部313と、解除処理部314とを含む。
【0103】
ログイン処理部311は、監視サーバ100にログインするためのログイン処理を行う。具体的には、ログイン処理部311は、入力部303から納入先ID及びパスワードを受け付け、受け付けた納入先ID及びパスワードの情報を通信部301を介して監視サーバ100に送信する。また、ログイン処理部311は、監視サーバ100による認証処理の結果を通信部301を介して受信する。
【0104】
バーコード読取部312は、カメラ302から出力される画像を受信し、受信した画像からバーコードを検出し、バーコードが示す情報を読み取る。例えば、カメラ302からドラム2の納品書8に印刷されたバーコード8Aを含む画像が出力された場合には、バーコード読取部312は、画像からバーコード8Aを検出し、バーコード8Aが示す位置検出装置200の識別子である装置IDを読み取る。バーコード読取部312は、読み取った装置IDの情報を通信部301を介して監視サーバ100に送信する。また、バーコード読取部312は、読み取った装置IDの情報を記憶部305に記憶させる。
【0105】
通知情報処理部313は、通信部301を介して監視サーバ100から通知される情報を処理する。具体的には、通知情報処理部313は、監視サーバ100からドラム2の移動検出情報を受信し、当該移動検出情報に基づいて、ドラム2が移動したことを示すテキストメッセージを表示部304に表示させる。また、表示部304は、監視サーバ100からドラム2の位置情報を受信し、当該位置情報に基づいて、地図上にドラム2の位置を示した画像を表示部304に表示させる。
【0106】
解除処理部314は、入力部303が監視サーバ100からの移動検出情報及び位置情報の通知の解除要求と製品IDとを受け付けた場合に、移動検出情報及び位置情報の通知解除要求及び製品IDの情報を、通信部301を介して監視サーバ100に送信する。また、解除処理部314は、入力部303がドラム2の位置確認要求及び製品IDを受け付けた場合に、位置確認要求及び製品IDの情報を通信部301を介して監視サーバ100に送信する。
【0107】
〔ケーブル管理システム1の処理の流れ〕
図9及び図10は、ドラム2の移動監視処理の開始前に実行される処理のシーケンス図である。図9に示される処理の後に図10に示される処理が実行される。
【0108】
出荷元のユーザは、位置検出装置200にバッテリ207に挿入する(ステップS1)。位置検出装置200にバッテリ207をONするスイッチが設けられている場合には、ユーザは、スイッチをONする。
【0109】
出荷元のユーザは、バッテリ207が挿入され、動作状態にある位置検出装置200をドラム2に取り付ける(ステップS2)。
出荷元のユーザは、当該ドラム2に、納入先に出荷するケーブル23を巻く(ステップS3)。
【0110】
位置検出装置200は、バッテリ207が挿入された後は、自装置の位置情報を取得し、取得した位置情報を装置IDの情報とともに周期的に監視サーバ100に送信し、監視サーバ100は位置情報及び装置IDの情報を受信する(ステップS4)。位置検出装置200は、受信した製品IDの情報に対応した位置情報をドラム管理情報102Bに書き込む。上述したように、例えば、位置検出装置200は、昼間であれば60分毎に位置情報を送信し、夜間であれば6分毎に位置情報を送信する。位置検出装置200は、バッテリ207から電力が供給されている限り、ステップS4の処理を周期的に実行する。
【0111】
位置検出装置200は、振動センサ202から出力される加速度の絶対値に基づいて、自装置が振動しているか否かを判断する(ステップS5)。位置検出装置200は、加速度の絶対値が加速度閾値を超えた場合に振動を検出し(ステップS5においてYES)、振動を検出したことを示す振動情報を装置IDの情報とともに、監視サーバ100に送信する。監視サーバ100は、振動情報及び装置IDの情報を受信する(ステップS6)。位置検出装置200は、バッテリ207から電力が供給されている限り、ステップS5,S6の処理を繰り返し実行する。これにより、位置検出装置200は、振動を検出すると、振動情報を即座に監視サーバ100に送信できる。
【0112】
図10以降のシーケンス図においては、ステップS4~S6の処理の記載を省略しているが、バッテリ207からの電力供給が途絶えるまで、これらの処理は実行され続ける。
【0113】
出荷元のユーザは、出荷元装置4を利用して、監視の対象とするドラム2の情報を入力する。具体的には、ユーザは、ドラム2に巻かれたケーブル23を識別する製品IDと、ステップS2においてドラム2に取り付けられた位置検出装置200を識別する装置IDと、ケーブル23が巻かれたドラム2の納入先を識別する納入先IDとを入力する(ステップS7)。
【0114】
出荷元装置4は、入力された製品ID、装置ID及び納入先IDの情報を監視サーバ100に送信し、監視サーバ100は、3つのIDの情報を受信する(ステップS8)。
【0115】
監視サーバ100は、ステップS8において受信した情報に基づいて、製品ID、装置ID及び納入先IDを、ドラム管理情報102B(図5)に登録する(ステップS9)。
【0116】
なお、ステップS7の処理において、納入先IDが不明の場合には、出荷元のユーザは、納入先の名称及び住所等の納入先の特定情報を入力するようにしてもよい。この場合、監視サーバ100は、出荷元装置4から納入先IDの代わりに納入先特定情報を受信する。監視サーバ100は、納入先IDと納入先の特定情報との対応関係を示す対応テーブルを参照することにより、特定情報を納入先IDに変換し、ドラム管理情報102Bに登録する。
【0117】
また、監視サーバ100は、登録した3つのIDに対応する監視対象フラグをONに設定し、移動通知フラグにOFFを設定する(ステップS10)。監視対象フラグがONであるため、監視サーバ100はドラム2の移動又は位置を監視する。ただし、移動通知フラグがOFFであるため、監視サーバ100はドラム2の移動が検出されても端末装置300に通知を行わない。
【0118】
図10を参照して、出荷元のユーザは、ドラム2に巻かれた出荷対象のケーブル23の製品IDを示すバーコード8Aが印刷された納品書8とともに、ドラム2を出荷する(ステップS11)。
トラック3が、出荷対象のドラム2及び納品書8を納入先に配送する(ステップS12)。
納入先のユーザは、配送されたドラム2及び納品書8を受領する(ステップS13)。
【0119】
その後、納入先のユーザは、端末装置300の入力部303を操作して、監視サーバ100にログインするためのログイン処理を実行する(ステップS14)。つまり、ユーザは、入力部303を操作して、納入先に割り当てられた納入先ID及びパスワードを入力する。
【0120】
端末装置300は、入力された納入先ID及びパスワードを監視サーバ100に送信し、監視サーバ100は、納入先ID及びパスワードを受信する(ステップS15)。
【0121】
監視サーバ100は、受信した納入先ID及びパスワードに基づいて端末装置300の認証処理を実行する(ステップS16)。ここでは、認証に成功し、ログインが許可されたとする。
【0122】
監視サーバ100は、認証に成功したことを示す認証処理の結果情報を端末装置300に送信し、端末装置300は結果情報を受信する(ステップS17)。
【0123】
認証に成功すると、端末装置300は、カメラ302による撮影が許可され、納入先のユーザは、納品書8のバーコード8Aをカメラ302を用いて撮影する。端末装置300は、カメラ302から出力される画像に基づいて、バーコード8Aが示す装置IDを読み取り、製品IDの情報を記憶部305に記憶させる(ステップS18)。
【0124】
端末装置300は、読み取った装置IDの情報を、監視サーバ100に送信し、監視サーバ100は、当該情報を受信する(ステップS19)。
【0125】
監視サーバ100は、受信した装置IDの情報に基づいて、ドラム管理情報102B(図5)の装置IDに対応する移動通知フラグをONに設定する(ステップS20)。ここまでの処理により、装置IDに対応する監視対象フラグ及び移動通知フラグが共にONに設定される。このため、これ以降、監視サーバ100は、ドラム2の移動を検出した場合に、移動検出情報を端末装置300に送信する。
【0126】
図11は、ドラム2の移動監視処理のシーケンス図である。図11に示す処理は、監視サーバ100が位置検出装置200から位置情報又は振動情報を受信する度に実行される。
【0127】
つまり、監視サーバ100は、位置情報受信処理(図9のステップS4)において位置情報及び装置IDの情報を受信した場合に、現在受信した位置情報と1周期前に受信した位置情報とに基づいて、装置IDで識別される位置検出装置200が取り付けられたドラム2の位置変化量を算出する(ステップS31)。
【0128】
監視サーバ100は、算出したドラム2の位置変化量が所定の距離閾値TH1以上であるか、又は、振動情報受信処理(図9のステップS6)において振動情報及び装置IDの情報を受信した場合には(ステップS32においてYES)、ドラム2が移動したと判断し、ドラム2の移動を検出する(ステップS33)。
【0129】
また、監視サーバ100は、移動が検出されたドラム2について、上述の移動通知条件(条件1から条件3)を満たすか否かを判断する(ステップS34)。監視サーバ100が端末装置300から装置IDの情報を受信している場合には(図10のステップS19)、移動通知フラグにONが設定され(図10のステップS20)、条件1を満たす。また、出荷元のユーザが監視対象とするドラム2の情報を入力している場合には(図9のステップS7)、監視対象フラグにONが設定され(図9のステップS20)、条件2を満たす。また、図6を参照して、移動が検出されたドラム2に取り付けられた位置検出装置200の装置IDがD2であり、現在時刻が9:00から17:00までの時間に該当しなければ条件3を満たす。
【0130】
監視サーバ100は、移動通知条件を満たす場合には(ステップS34においてYES)、ドラム2の移動検出情報及び製品IDの情報を端末装置300に送信し、端末装置300はこれらの情報を受信する(ステップS35)。
【0131】
監視サーバ100は、移動通知条件を満たさない場合には(ステップS34においてNO)、ドラム2の移動検出情報を端末装置300に送信しない。
【0132】
移動検出情報を受信した端末装置300は、ドラム2が移動したことと製品IDを示すテキストメッセージを表示する(ステップS36)。ただし、端末装置300は、テキストメッセージの表示以外の方法でドラム2が移動したことをユーザに通知してもよい。例えば、端末装置300は、ドラム2の移動を示す画像を表示してもよい。また、端末装置300は、スピーカーより警報音を出力したり、ユーザに電子メールを送信することにより、ドラム2の移動を通知してもよい。
【0133】
図12は、ドラム2の位置の確認処理のシーケンス図である。図12に示す処理は、納入先のユーザが、納入先に納入された又は納入予定のドラム2の位置を確認するために実行する処理である。図12に示す処理により、納入先のユーザは、例えば、ドラム2が移動された後にドラム2の位置を確認したり、出荷元からの配送途中のドラム2の位置を確認することができる。
【0134】
ステップS41~S44の処理が実行され、端末装置300は監視サーバ100にログインする。ステップS41~S44の処理は、図10のステップS14~S17の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0135】
納入先のユーザは、端末装置300を操作して、ドラム2の位置確認要求と、位置の確認を要求するドラム2に巻かれたケーブル23の製品IDとを入力する(ステップS45)。例えば、コンピュータプログラム305Aの実行時に表示部304に表示される画面上には、位置確認要求ボタンと、記憶部305に記憶されている製品IDの情報の一覧が表示される。ユーザは、位置確認要求ボタンを押下し、製品IDを選択することにより、ステップS45の処理を実行する。
【0136】
端末装置300は、入力された位置確認要求及び製品IDの情報を監視サーバ100に送信し、監視サーバ100はそれらの情報を受信する(ステップS46)。
【0137】
端末装置300は、端末装置300は、ドラム管理情報102Bを参照して、受信した製品IDに対応する監視対象フラグがONか否かを判定する(ステップS47)。
【0138】
監視対象フラグがONの場合には(ステップS47においてYES)、監視サーバ100は、製品IDに対応するドラム2の位置情報をドラム管理情報102Bから読み出す(ステップS48)。
【0139】
監視対象フラグがOFFの場合には(ステップS47においてNO)、監視サーバ100は、何も処理を行わない。
【0140】
監視サーバ100は、読み出したドラム2の位置情報を端末装置300に送信し、端末装置300は位置情報を受信する(ステップS49)。
【0141】
端末装置300は、受信したドラム2の位置情報を表示する(ステップS50)。例えば、端末装置300は、ドラム2の位置情報に基づいて、地図上のドラム2が存在している位置にドラム2のアイコンを表示させる。
【0142】
なお、納入先へのドラム2の納入前には製品IDが納入先に通知されていない。このため、ステップS46の処理で端末装置300から監視サーバ100に送信される情報に製品IDが含まれていない場合には、監視サーバ100は、情報の送信を行った納入先に関連する(ログイン処理を行った納入先IDに関連する)すべての製品IDを、ドラム管理情報102Bに基づいて特定する。監視サーバ100は、特定した製品IDに対応するドラム2の位置情報を端末装置300に通知する。これにより、納入先のユーザは、例えば、出荷元から納入先へ配送中のドラム2の位置を確認できる。
【0143】
図13は、ドラム2の移動検出情報及び位置情報の端末装置300に対する通知の解除処理のシーケンス図である。納入先のユーザは、ドラム2に巻かれたケーブル23を使い終わった後などドラム2の監視の必要が無いと判断した場合に、図13に示す処理を実行する。
【0144】
ステップS51~S54の処理が実行され、端末装置300は監視サーバ100にログインする。ステップS51~S54の処理は、図10のステップS14~S17の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0145】
納入先のユーザは、端末装置300を操作して、ドラム2の移動検出情報及び位置情報の通知解除要求と、ドラム2に巻かれたケーブル23の製品IDとを入力する(ステップS55)。
【0146】
例えば、コンピュータプログラム305Aの実行時に表示部304に表示される画面上には、通知解除要求ボタンと、記憶部305に記憶されている製品IDの情報の一覧が表示される。ユーザは、通知解除要求ボタンを押下し、製品IDを選択することにより、ステップS55の処理を実行する。
【0147】
端末装置300は、入力された通知解除要求及び製品IDの情報を監視サーバ100に送信し、監視サーバ100はそれらの情報を受信する(ステップS56)。
【0148】
監視サーバ100は、受信した装置IDの情報に基づいて、ドラム管理情報102B(図5)の装置IDに対応する監視対象フラグをOFFに設定する(ステップS57)。これにより、監視サーバ100から端末装置300への移動検出情報及び位置情報の通知が解除され、以降は、これらの通知が行われない。
【0149】
以上のように、ケーブル23とともに位置検出装置200がドラム2に取り付けられた状態で出荷元から納入先にドラム2が納入される。また、ドラム2の出荷とともに、出荷元から納入先に位置検出装置200の識別子が通知される。このため、納入先のユーザは、ドラム2の納入後に、端末装置300から位置検出装置200の識別子を監視サーバ100に送信できる。また、監視サーバ100は、識別子の受信を端末装置300に対するドラム2の移動の通知開始のトリガーとすることができる。このように、納入先のユーザは、出荷元から通知された位置検出装置200の識別子を監視サーバ100に通知するだけで、出荷元から納入されたドラム2が移動した場合の通知サービスを開始させることができる。また、出荷元は、ケーブル23とケーブル23の盗難防止サービスとを一体的に納入先に提供できる。これにより、ケーブル23の購入者である納入先に過度な負担をかけることなく、ケーブル23の盗難防止性能を高めることができる。
【0150】
ここで、納入先に位置検出装置200を配布し、納入先で位置検出装置200にバッテリ207を挿入してもらうか、バッテリ207のスイッチをONにしてもらった後に、位置検出装置200をドラム2に取り付けてもらう運用を想定する。このような運用においては、ユーザは、煩雑な作業であるバッテリ207の挿入又はスイッチのONとドラム2への位置検出装置200の取り付けとを後回しにしがちである。このため、ユーザが他の作業に移って、バッテリ207を挿入し忘れたり、スイッチをONし忘れたり、位置検出装置200の取り付けを忘れたにもかかわらず、その作業をしたつもりになる場合がある。しかし、本実施形態では、バッテリ207から位置検出装置200の各処理部に電力が供給され、かつ、位置検出装置200がドラム2に取り付けられた状態で、納品書8とともにドラム2が納入先に納入される。このため、納入先のユーザは、煩雑な作業を行うことなく、納品書8に印刷されたバーコード8Aを端末装置300で読み取るだけで、ドラム2の移動検出情報の通知処理を開始させることができる。
【0151】
また、ドラム2の荷受け時に納品書8のバーコード8Aを読み取ってもらうように納入先のユーザに促すことにより、納入先のユーザは、ドラム2の移動検出情報の通知処理を確実に開始させることができる。
【0152】
また、位置検出装置200の識別子の通知前においては、ドラム2が移動したことの通知は行われない。このため、納入先へのドラム2の搬送に伴いドラム2が移動した場合における通知を抑制することができる。
【0153】
また、位置検出装置200は本実施形態において、ドラム2のケーブル23が巻き始められる位置や部分に取り付けられる。これにより、ドラム2にケーブル23が順次巻かれることにより、ケーブル23によって位置検出装置200が隠される。このため、第三者による位置検出装置200の発見、操作及び取り外しを防止できる。ドラム2のケーブル23が巻き始められる位置に位置検出装置200を取り付けるのが好ましいが、ケーブル23の途中や巻き終わりの位置に位置検出装置200を取り付けるようにしてもよい。ケーブル23が巻き始められる位置やケーブル23の途中の位置で位置検出装置200がケーブル23により隠されてしまうと、その後に位置検出装置200を動作状態に変更することが困難になる。この場合、位置検出装置200へのバッテリ207の挿入と、位置検出装置200にバッテリ207のスイッチが設けられている場合のスイッチのON操作とは、ドラム2にケーブル23を巻く前に行われる。
【0154】
また、位置検出装置200は、ドラム2の円筒状部材22の長手方向端部、すなわち円筒状部材22と側板21Bとの境界付近に取り付けることができる。通常、ケーブル23は円筒状部材22の端部から巻かれるため、端部に空間が生じる。当該空間に位置検出装置200を取り付けることにより、ケーブル23の巻き回しを邪魔することなく、位置検出装置200をドラム2に取り付けることができる。なお、位置検出装置200を、ドラム2の円筒状部材22の長手方向端部としての円筒状部材22と側板21Aとの境界付近に取り付けてもよい。
【0155】
また、位置検出装置200は、夜間などの人手による監視が手薄になる時間帯ほど位置情報の検出頻度が高い。このため、夜間の防犯性能を高めることができる。また、昼間に不必要に位置情報を送信することが無くなるため、バッテリ207の寿命を長くすることができる。これにより、位置検出装置200は、長期間にわたって位置情報を送信できる。
【0156】
また、監視サーバ100は、スケジュール情報102Cに基づいて、ドラム2の移動検出情報を端末装置300に通知するか否かを制御する。例えば、ドラム2を配送する時間帯をスケジュール情報102Cに登録しておくことにより、ドラム2配送時に位置検出装置200の移動が検出されたとしても、端末装置300にドラム2が移動したことを通知しないようにできる。これにより、不必要な通知を防止できる。
【0157】
また、ドラム2を移動させようとした場合には、ドラム2が振動する。また、ドラム2を移動させることなくケーブル23だけを抜き取ろうとした場合にも、ドラム2が振動する。このため、監視サーバ100は、ドラム2の振動をドラム2の移動に含め、振動情報に基づいてドラム2の移動を検出することにより、早期にドラム2の移動を検出できる。
【0158】
また、ケーブル23を使い切ってドラム2にケーブル23が巻かれていない状態においては、ドラム2の移動を監視する必要が無い。このため、納入先のユーザは、例えばケーブル23を使い切った場合には、端末装置300への通知の解除要求を監視サーバ100サーバに送信することにより、監視サーバ100から端末装置300への通知を終了させることができる。これにより、不必要な通知を防止できる。
【0159】
<実施形態1の変形例1>
監視サーバ100の移動検出部115は、位置検出装置200から受信した位置情報及び振動情報の両方に基づいて、ドラム2の移動を検出してもよい。
【0160】
例えば、移動検出部115は、実施形態1と同様に、同じドラム2についての最新の位置情報と、1つ前に受信した位置情報とに基づいて、ドラム2の位置変化量を算出する。移動検出部115は、算出したドラム2の位置変化量と距離閾値とを比較する。
【0161】
また、移動検出部115は、同じドラム2について、1つ前の位置情報を受信してから最新の位置情報を受信するまでの時間に振動情報を受信しているかを判定する。
【0162】
移動検出部115は、ドラム2の位置変化量が距離閾値以上であり、かつ、上記時間に振動情報を受信している場合には、ドラム2が移動したと判断し、ドラム2の移動を検出する。それ以外の場合には、移動検出部115は、ドラム2が移動していないと判断し、ドラム2の移動を検出しない。
【0163】
ドラム2を移動させた場合には、ドラム2が振動する。このため、位置情報とともに振動情報に基づいてドラム2の移動を検出することにより、高精度にドラム2の移動を検出できる。例えば、ドラム2が移動していないにもかかわらず、位置検出装置200の位置の測定誤差によりドラム2が移動していると誤判定される場合があるが、位置情報とともに振動情報に基づいてドラム2の移動を判定することにより、このような誤判定を防止できる。
【0164】
<実施形態1の変形例2>
実施形態1では、位置検出装置200のCPU206は、時間帯により位置情報の取得の周期を変更したが、日種(日種別)により周期を変更してもよい。例えば、土曜日、日曜日又は祝日などの休日は、それ以外の平日よりも位置情報の取得周期を短くしてもよい。
【0165】
一例として、CPU206は、現時点が平日の昼間であれば、第1周期で(例えば、60分毎に)GPS受信機201から位置検出装置200の位置情報を取得する。CPU206は、取得した位置情報及び位置検出装置200の装置IDの情報を、監視サーバ100に即時に送信する。
【0166】
また、CPU206は、現時点が平日の夜間か休日であれば、第1周期よりも短い第2周期で(例えば、6分毎に)GPS受信機201から位置検出装置200の位置情報を取得する。CPU206は、取得した位置情報及び位置検出装置200の装置IDの情報を、監視サーバ100に即時に送信する。
【0167】
これにより、位置検出装置200から監視サーバ100への休日の位置情報の検出頻度を、平日の位置情報の検出頻度よりも高くできる。
【0168】
これにより、人手による監視が手薄になる休日の防犯性能を高めることができる。また、平日に不必要に位置情報を送信することが無くなるため、バッテリ207の寿命を長くすることができる。これにより、位置検出装置200は、長期間にわたって位置情報を送信できる。
【0169】
<実施形態1の変形例3>
実施形態1では、出荷元は、納品書8に印刷されたバーコード8Aにより出荷先に対して位置検出装置200の装置IDの情報を通知したが、通知の方法はこれに限定されるものではない。例えば、納品書8以外の伝票にバーコード8Aが印刷されてもよいし、ドラム2に取り付けられた荷札にバーコード8Aが印刷されてもよい。
【0170】
また、バーコード8Aの代わりにQRコード(登録商標)が印刷されてもよいし、装置IDそのものが印刷されてもよい。
【0171】
また、出荷元から納入先に対する電子メールによりバーコード8A、QRコード(登録商標)又は装置IDを通知してもよい。
【0172】
<実施形態1の変形例4>
実施形態1では、位置検出装置200は所定の周期で位置検出装置200の位置情報を取得し、取得した位置情報を監視サーバ100に即時に送信することとした。これに対し、位置検出装置200に位置検出装置200の移動を検出する機能を持たせ、移動が検出された場合に位置情報を監視サーバ100に送信するようにしてもよい。
【0173】
例えば、図3を参照して、CPU206は、コンピュータプログラム205Aを実行することにより、監視サーバ100の移動検出部115と同様の機能を発揮する。つまり、CPU206は、GPS受信機201から取得した位置検出装置200の位置情報に基づいて、位置検出装置200の移動を検出する。
【0174】
具体的には、CPU206は、最新の位置情報と、1つ前に取得した位置情報とがそれぞれ示す位置検出装置200の位置間の距離を、位置検出装置200の位置変化量として算出する。CPU206は、算出した位置変化量が所定の距離閾値以上の場合には、位置検出装置200が移動したと判断し、位置検出装置200の移動を検出する。CPU206は、当該位置変化量が距離閾値未満の場合には、位置検出装置200が移動していないと判断し、位置検出装置200の移動を検出しない。なお、CPU206は、振動センサ202から出力される加速度に基づいて位置検出装置200の振動を検出した場合にも、位置検出装置200の移動を検出してもよい。
【0175】
CPU206は、位置検出装置200の移動を検出した場合に、最新の位置情報を監視サーバ100に送信し、位置検出装置200の移動を検出していない場合には、最新の位置情報を監視サーバ100に送信しない。
【0176】
これにより、無駄な位置情報の送信を抑制し、バッテリ207の寿命を長くすることができる。
【0177】
<実施形態1の変形例5>
実施形態1に係る位置検出装置200は、監視サーバ100からの指示に基づいて警報を発してもよい。
図14は、本開示の実施形態1の変形例5に係る位置検出装置200の構成を示すブロック図である。
【0178】
位置検出装置200は、図3に示した実施形態1に係る位置検出装置200の構成に加えて、発報部208を備える。
【0179】
発報部208は、CPU206からの発報開始指示信号に従い、音又は光で警報を発する。例えば、発報部208はスピーカーを含み、CPU206から発報開始指示信号を受信すると、所定の警告音又は警告メッセージをスピーカーから音声出力する。また、発報部208はLED(Light Emitting Diode)などの発光素子を含み、CPU206から発報開始指示信号を受信すると発光素子を所定の色で点灯又は点滅させてもよい。また、CPU206は液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイなどから構成される小型の表示部を含み、CPU206から発報開始指示信号を受信すると所定のメッセージを表示部に表示させてもよい。ただし、発報部208による発報の態様はこれらに限定されるものではない。発報部208は、後述の発報停止指示信号を受信するまで、発報を継続する。
発報部208は、CPU206からの発報停止指示信号に従い、警報を停止する。
【0180】
図15は、発報処理のシーケンス図である。
ステップS61~S64の処理が実行され、端末装置300は監視サーバ100にログインする。ステップS61~S64の処理は、図10のステップS14~S17の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0181】
納入先のユーザは、端末装置300を操作して、位置検出装置200からの発報開始要求と、発報の開始を要求する位置検出装置200が取り付けられているドラム2に巻かれたケーブル23の製品IDとを入力する(ステップS65)。
【0182】
例えば、コンピュータプログラム305Aの実行時に表示部304に表示される画面上には、発報開始要求ボタンと、記憶部305に記憶されている製品IDの情報の一覧が表示される。ユーザは、発報開始要求ボタンを押下し、製品IDを選択することにより、ステップS65の処理を実行する。
【0183】
端末装置300の制御部306は、入力された発報開始要求及び製品IDの情報を監視サーバ100に送信し、監視サーバ100はそれらの情報を受信する(ステップS66)。
【0184】
監視サーバ100の制御部103は、ドラム管理情報102Bを参照して、受信した製品IDに対応する装置IDを特定する(ステップS67)。
【0185】
監視サーバ100の制御部103は、特定した装置IDで識別される位置検出装置200に発報開始指示信号を送信し、位置検出装置200は発報開始指示信号を受信する(ステップS68)。
【0186】
位置検出装置200のCPU206は、発報部208に対して発報開始指示信号を送信し、発報部208は、発報開始指示信号に基づいて音又は光で警報を発する(ステップS69)。発報部208は、発報を継続する。
【0187】
納入先のユーザは、発報を停止させたい場合には、端末装置300を操作して、位置検出装置200からの発報停止要求と、発報の停止を要求する位置検出装置200が取り付けられているドラム2に巻かれたケーブル23の製品IDとを入力する(ステップS70)。
【0188】
例えば、コンピュータプログラム305Aの実行時に表示部304に表示される画面上には、発報停止要求ボタンと、記憶部305に記憶されている製品IDの情報の一覧が表示される。ユーザは、発報停止要求ボタンを押下し、製品IDを選択することにより、ステップS70の処理を実行する。
【0189】
端末装置300の制御部306は、入力された発報停止要求及び製品IDの情報を監視サーバ100に送信し、監視サーバ100はそれらの情報を受信する(ステップS71)。
【0190】
監視サーバ100の制御部103は、ドラム管理情報102Bを参照して、受信した製品IDに対応する装置IDを特定する(ステップS72)。
【0191】
監視サーバ100の制御部103は、特定した装置IDで識別される位置検出装置200に発報停止指示信号を送信し、位置検出装置200は発報停止指示信号を受信する(ステップS73)。
【0192】
位置検出装置200のCPU206は、発報部208に対して発報停止指示信号を送信し、発報部208は、発報停止指示信号に基づいて発報を停止する(ステップS74)。
【0193】
なお、端末装置300は、監視サーバ100を介さずに、位置検出装置200と直接通信を行い、位置検出装置200に対して発報開始指示信号及び発報停止指示信号を送信する構成であってもよい。
【0194】
また、監視サーバ100の管理者が監視サーバ100を操作することにより、位置検出装置200と直接又はLPWAネットワークシステム6を介して通信を行い、位置検出装置200に対して発報開始指示信号及び発報停止指示信号を送信する構成であってもよい。
【0195】
なお、位置検出装置200が端末装置300又は監視サーバ100と直接通信を行う場合には、位置検出装置200の通信部204は、ネットワーク7に無線接続可能な構成とし、端末装置300又は監視サーバ100からネットワーク7を介して発報開始指示信号及び発報停止指示信号を受信する。
【0196】
また、発報部208は、発報指示信号を受信すると、一定期間発報を行った後、発報を停止してもよい。この場合、端末装置300から監視サーバ100に発報停止要求を送信する必要はない。
【0197】
本変形例によると、端末装置300の表示部304に表示される存在位置に基づいてドラム2を捜索している納入先のユーザなどが、当該ドラム2に取り付けられた位置検出装置200に発報させることができる。これにより、ドラム2の近くにいるユーザ等は、所望のドラム2を容易に探すことができる。また、ドラム2の移動が検出された場合などに警報を発することで、ドラム2盗難前においては、ドラム2の周囲にいる人の注意を引きつけ、ドラム2の盗難を防止することができる。また、ドラム2盗難後であっても、警報によりドラム2を窃盗した犯人を動揺させたり、ドラム2の周囲にいる人の注意を引きつけたりすることができる。これにより、犯人にドラム2の窃盗を断念させることができる。
【0198】
<実施形態1の変形例6>
実施形態1では、ドラム2が納入先に受領され、端末装置300が監視サーバ100に製品IDを通知した後に、納入先のユーザがドラム2の位置を確認できる構成としたが、納入先に搬送中のドラム2の位置を確認できる構成としてもよい。
【0199】
図16は、本開示の実施形態1の変形例6に係るケーブル管理システム1の全体構成を示す図である。
ケーブル管理システム1の構成は、図1に示したケーブル管理システム1の構成に加え、トラック3に車両位置検出装置3Aが設けられている。
【0200】
車両位置検出装置3Aは、複数のGPS衛星から送信される電波を受信し、受信した電波に基づいて、車両位置検出装置3Aの位置、即ちトラック3の位置を特定する。トラック3の位置は、例えば、緯度及び経度により示される。なお、車両位置検出装置3Aは、GPS衛星の電波の代わりに、準天頂衛星などの他の衛星から送信される電波を利用してトラック3の位置を特定してもよい。
【0201】
車両位置検出装置3Aは、無線通信機能を備え、ネットワーク7に無線で接続され、監視サーバ100に対して、トラック3の位置情報を、トラック3の識別情報とともに送信する。
【0202】
なお、車両位置検出装置3Aは、トラック3に設置された車載装置であってもよいし、トラック3の搭乗者が車内に持ち込んだスマートフォンなどの通信装置であってもよい。
【0203】
図17は、監視サーバ100の記憶部102に記憶されるドラム管理情報102Bの一例を示す図である。
ドラム管理情報102Bは、図5に示したドラム管理情報102Bの各情報に加え、車両IDを含む。
車両IDは、トラック3を識別する識別情報である。
【0204】
例えば、ドラム管理情報102Bは、製品ID「P1」のケーブル23が車両ID「C1」で識別されるトラック3により配送されることを示す。同様に、ドラム管理情報102Bは、製品ID「P2」のケーブル23が車両ID「C2」で識別されるトラック3により配送され、製品ID「P3」のケーブル23が車両ID「C3」で識別されるトラック3により配送されることを示す。製品IDに対応する車両IDは、出荷元のユーザによって、出荷元装置4を利用して事前に入力される。
【0205】
図4を参照して、監視サーバ100の通知部116は、通信部101を介して、車両位置検出装置3Aからトラック3の車両ID及びトラック3の位置情報を受信する。通知部116は、ドラム管理情報102Bを参照して、受信した車両IDに対応する納入先IDを特定する。図17に示すドラム管理情報102Bの例では、車両ID「C1」に対応する納入先IDは「U1」であり、車両ID「C2」に対応する納入先IDは「U2」であり、車両ID「C3」に対応する納入先IDは「U3」である。
【0206】
通知部116は、特定した納入先IDに対応する端末装置300に、受信したトラック3の位置情報を送信する。
端末装置300は、当該位置情報を表示する。
【0207】
図18は、トラック3の位置情報表示処理のシーケンス図である。
出荷元のユーザは、ドラム2に巻かれた出荷対象のケーブル23の製品IDを示すバーコード8Aが印刷された納品書8とともに、ドラム2を出荷する(ステップS81)。
【0208】
トラック3が、出荷対象のドラム2及び納品書8を納入先に配送する(ステップS82)。
【0209】
トラック3は、ドラム2の配送途中において、トラック3の位置情報及びトラック3の車両IDを監視サーバ100に送信し、監視サーバ100は、これらの情報を受信する(ステップS83)。
【0210】
監視サーバ100は、ドラム管理情報102Bを参照して、受信した車両IDに対応する納入先IDを特定する(ステップS84)。
【0211】
監視サーバ100は、特定した納入先IDに対応する端末装置300に、受信したトラック3の位置情報を送信し、端末装置300は、位置情報を受信する(ステップS85)。
【0212】
端末装置300は、受信したトラック3の位置情報を表示する(ステップS86)。例えば、端末装置300は、トラック3の位置情報に基づいて、地図上のトラック3が存在している位置にトラック3のアイコンを表示させる。なお、端末装置300は、配送中のドラム2の個数を識別可能に表示してもよい。例えば、端末装置300は、トラック3のアイコンの近傍に配送中のドラム2の個数を表示させてもよいし、トラック3のアイコンの代わりに配送個数分のドラム2のアイコンを表示させてもよい。
車両位置検出装置3Aは、所定の周期で位置情報送信処理(ステップS83)を繰り返し実行する。例えば、車両位置検出装置3Aは、所定の時間間隔で位置情報送信処理(ステップS83)を実行してもよいし、トラック3が所定の距離だけ進む度に位置情報送信処理(ステップS83)を実行してもよい。
【0213】
監視サーバ100は、車両位置検出装置3Aから位置情報を受信する度に、納入先ID特定処理(ステップS84)及び位置情報送信処理(ステップS85)を実行する。端末装置300は、監視サーバ100から位置情報を受信する度に、位置情報表示処理を実行する(ステップS86)。
【0214】
なお、納入先がトラック3により配送されたドラム2及び納品書8を受領した後は、図10に示したステップS14~S20と同様の処理が実行される。これ以降、監視サーバ100によるドラム2の移動の監視が開始され、監視サーバ100は、ドラム2の移動を検出した場合に、移動検出情報を端末装置300に送信する。
【0215】
監視サーバ100は、ステップS19において端末装置300から装置IDを受信した後は、位置情報送信処理(ステップS85)を停止する。
【0216】
また、監視サーバ100は、ステップS19において端末装置300から装置IDを受信した場合に、ドラム管理情報102Bを参照して、装置IDに対応した車両IDを特定し、車両IDに対応する車両位置検出装置3Aに対して、位置情報の送信停止指示を送信してもよい。車両位置検出装置3Aは、受信した送信停止指示に基づいて、監視サーバ100に対する位置情報の送信を停止する。
【0217】
本変形例によると、納入先のユーザは、ドラム2の搬送中であっても、納入予定のドラム2の位置を、ドラム2を搬送するトラック3の位置として確認することができる。また、ドラム2が納入された後は、ドラム2の移動の監視処理に切り替えることができる。
【0218】
<実施形態2>
実施形態1では、位置検出装置200が取り付けられるドラム2は汎用品である。これに対し、ドラム2は、位置検出装置200を取り付け可能な専用品であってもよい。
【0219】
図19は、本開示の実施形態2に係るドラム2の一例を示す図である。図19(a)は、ドラム2の外観を示す図である。図19(b)及び図19(c)は、図19(a)の破線内の拡大図である。
【0220】
図19(a)に示すように、ドラム2は、2枚の側板21A,21Bと、側板21A,21Bの間に設けられたケーブルが巻かれる円筒状部材22とを備える。
【0221】
側板21Bには、凹形状の収納部28が設けられている。図19(a)及び図19(b)は、位置検出装置200の収納前の状態を示し、図19(c)は、位置検出装置200の収納後の状態を示す。位置検出装置200は、収納部28内に収納され、例えば、両面テープ等により側板21Bに貼付される。
【0222】
なお、ドラム2(側板21A,21B及び円筒状部材22)は、例えば合成樹脂製である。
また、収納部28は、側板21A又は円筒状部材22に設けられていてもよい。
【0223】
ドラム2に、位置検出装置200を収容可能な収納部28が形成されているため、ドラム2に位置検出装置200を容易に取り付けることができる。また、ケーブルを使い終わった後に、位置検出装置200とともにドラム2を回収する運用を行うことも可能である。
【0224】
また、ドラム2は合成樹脂製であるため、ドラム2に収納部28を容易に形成可能である。また、ドラム2を軽量化できるため、効率的にドラム2を回収できる。
【0225】
[付記]
位置検出装置200が位置情報を取得する周期を、監視サーバ100からの命令により変更できるように構成してもよい。
【0226】
上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1又は複数のシステムLSIなどの半導体装置から構成されていてもよい。
【0227】
また、上記したコンピュータプログラムを、コンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、HDD、CD-ROM、半導体メモリなどに記録して流通させてもよい。また、コンピュータプログラムを、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送して流通させてもよい。
また、上記各装置は、複数のコンピュータ又は複数のプロセッサにより実現されてもよい。
【0228】
また、上記各装置の一部又は全部の機能がクラウドコンピューティングによって提供されてもよい。つまり、各装置の一部又は全部の機能がクラウドサーバにより実現されていてもよい。
さらに、上記実施形態及び上記変形例の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0229】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0230】
1 ケーブル管理システム
2 ドラム
3 トラック
3A 車両位置検出装置
4 出荷元装置
5 無線基地局
6 LPWAネットワークシステム
6A LPWAサーバ
7 ネットワーク
8 納品書
8A バーコード
9 毎日
21A 側板
21B 側板
22 円筒状部材
23 ケーブル
24 絶縁キャップ
25 係止部
26 ロープ
27 袋
28 収納部
100 監視サーバ
101 通信部
102 記憶部
102A コンピュータプログラム
102B ドラム管理情報
102C スケジュール情報
102D ログイン管理情報
103 制御部
111 ドラム管理情報登録部
112 位置情報受信部
113 識別子受信部
114 振動情報受信部
115 移動検出部
116 通知部(移動通知部、位置通知部)
117 解除要求受信部
118 認証処理部
200 位置検出装置
201 GPS受信機
202 振動センサ
203 クロック
204 通信部
205 記憶部
205A コンピュータプログラム
206 CPU
207 バッテリ
208 発報部
300 端末装置
301 通信部
302 カメラ
303 入力部
304 表示部
305 記憶部
305A コンピュータプログラム
306 制御部
307 バス
311 ログイン処理部
312 バーコード読取部
313 通知情報処理部
314 解除処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19