(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013756
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/02 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
B41J29/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116094
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】中野 秀一朗
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB08
2C061BB35
2C061DD01
(57)【要約】
【課題】各々剛性の異なる複数のフレームを備える印刷装置において、負荷がかかった際の損傷の虞を低減する。
【解決手段】媒体99に画像を形成する印刷部15と、印刷部15を保持する本体フレーム27と、印刷部で使用する印刷材料を貯留する貯留部と、本体フレームと貯留部とを保持する連結フレーム46と、本体フレーム27に取り付けられ媒体99を支持する媒体支持部21と、連結フレーム46に取り付けられ媒体支持部21を支持する外装部121、122及び123と、を備え、本体フレーム27と連結フレーム46とは剛性が異なり、媒体支持部21は、外装部121、122及び123によって支持される支持方向に沿って外装部121、122及び123に対して移動可能な状態で外装部121、122及び123に支持される印刷装置11。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に画像を形成する印刷部と、
前記印刷部を保持する本体フレームと、
前記印刷部で使用する印刷材料を貯留する貯留部と、
前記本体フレームと前記貯留部とを保持する連結フレームと、
前記本体フレームに取り付けられ、前記媒体を支持する媒体支持部と、
前記連結フレームに取り付けられ、前記媒体支持部を支持する外装部と、
を備え、
前記本体フレームと前記連結フレームとは剛性が異なり、
前記媒体支持部は、前記外装部によって支持される支持方向に沿って前記外装部に対して移動可能な状態で前記外装部に支持されることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記媒体支持部は、重力方向における下側から前記外装部に支持されることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷装置において、
前記媒体支持部は、搬送方向に搬送される前記媒体を支持可能に構成され、
前記媒体支持部の前記外装部に対する前記搬送方向の移動を規制する第1規制部と、前記媒体支持部の前記外装部に対する前記搬送方向と交差する幅方向の移動を規制する第2規制部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置において、
前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくとも一方は前記外装部に設けられることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項3に記載の印刷装置において、
前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくとも一方は前記媒体支持部に設けられることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項3に記載の印刷装置において、
前記媒体支持部は、前記媒体支持部及び前記外装部の一方に設けられた凸部を前記媒体支持部及び前記外装部の他方に設けられた凹部に差し込む構成の差込部において、前記外装部に支持され、
前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくとも一方は前記差込部に設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項3に記載の印刷装置において、
前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくとも一方は、前記媒体支持部と前記外装部とを点接触または線接触させることで前記媒体支持部の前記外装部に対する移動を規制することを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の印刷装置において、
前記連結フレームの剛性は前記本体フレームの剛性よりも高いことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々な印刷装置が使用されている。このうち、印刷部を有する本体部などに設けられる本体フレームや、該本体フレームが載せられて全体を支持する支持フレームなど、複数のフレームを備える印刷装置がある。例えば、特許文献1には、支持台部3に本体部7を乗せ、媒体の搬送経路に係る部材を共通のベース部材で支持することで、媒体の幅方向における一方側の端と他方側の端との搬送経路の長さの不一致を抑制し、媒体の搬送量の左右差を小さくしている記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、本体フレームと本体フレームが載せられて全体を支持する支持フレームとを有する印刷装置においては、本体フレームが載せられることでより大きな加重がかかりやすい支持フレームを本体フレームよりも高剛性にすることが一般的である。このように、各々剛性の異なる複数のフレームを備える印刷装置においては、例えば印刷装置が落下した場合など印刷装置に負荷がかかった際、損傷する可能性が高くなりやすい。負荷がかかった際の衝撃に伴う各々のフレーム間の歪み量が異なるためである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の印刷装置は、媒体に画像を形成する印刷部と、前記印刷部を保持する本体フレームと、前記印刷部で使用する印刷材料を貯留する貯留部と、前記本体フレームと前記貯留部とを保持する連結フレームと、前記本体フレームに取り付けられ、前記媒体を支持する媒体支持部と、前記連結フレームに取り付けられ、前記媒体支持部を支持する外装部と、を備え、前記本体フレームと前記連結フレームとは剛性が異なり、前記媒体支持部は、前記外装部によって支持される支持方向に沿って前記外装部に対して移動可能な状態で前記外装部に支持されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の印刷装置としてのプリンターの構成を示す断面図。
【
図4】
図1のプリンターの外装部における媒体支持部の支持構成を表す背面図。
【
図5】
図1のプリンターの外装部における媒体支持部の支持構成を表す側面断面図。
【
図6】
図1のプリンターの外装部における媒体支持部の支持構成を表す斜視図。
【
図7】
図6とは異なる角度から見た、
図1のプリンターの外装部における媒体支持部の支持構成を表す斜視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を概略的に説明する。
本発明の第1の態様に係る印刷装置は、媒体に画像を形成する印刷部と、前記印刷部を保持する本体フレームと、前記印刷部で使用する印刷材料を貯留する貯留部と、前記本体フレームと前記貯留部とを保持する連結フレームと、前記本体フレームに取り付けられ、前記媒体を支持する媒体支持部と、前記連結フレームに取り付けられ、前記媒体支持部を支持する外装部と、を備え、前記本体フレームと前記連結フレームとは剛性が異なり、前記媒体支持部は、前記外装部によって支持される支持方向に沿って前記外装部に対して移動可能な状態で前記外装部に支持されることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、媒体支持部は、外装部によって支持される支持方向に沿って外装部に対して移動可能な状態で外装部に支持される。このため、印刷装置が落下した場合など印刷装置に負荷がかかった際においても、媒体支持部から外装部に、或いは、外装部から媒体支持部に負荷が伝達することを抑制でき、本体フレームから連結フレームに、或いは、連結フレームから本体フレームに負荷が伝達することを抑制できる。したがって、本体フレームと連結フレームの剛性が異なっていても、印刷装置に負荷がかかった際の損傷の虞を低減することができる。
【0009】
また、本発明の第2の態様は、前記第1の態様の印刷装置において、前記媒体支持部は、重力方向における下側から前記外装部に支持されることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、媒体支持部は重力方向における下側から外装部に支持される。このため、外装部は重力方向における下側から媒体支持部を効率的に支持することができる。
【0011】
また、本発明の第3の態様は、前記第1または第2の態様の印刷装置において、前記媒体支持部は、搬送方向に搬送される前記媒体を支持可能に構成され、前記媒体支持部の前記外装部に対する前記搬送方向の移動を規制する第1規制部と、前記媒体支持部の前記外装部に対する前記搬送方向と交差する幅方向の移動を規制する第2規制部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、媒体支持部の外装部に対する搬送方向の移動を第1規制部で規制し、媒体支持部の外装部に対する幅方向の移動を第2規制部で規制する。このため、媒体支持部が外装部に対して位置ずれすることを効果的に抑制することができる。
【0013】
また、本発明の第4の態様は、前記第3の態様の印刷装置において、前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくとも一方は前記外装部に設けられることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方は外装部に設けられる。このため、外装部に第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方を設けることが可能なスペースがある場合などにおいて、媒体支持部が外装部に対して位置ずれすることを効果的に抑制することができる。
【0015】
また、本発明の第5の態様は、前記第3の態様の印刷装置において、前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくとも一方は前記媒体支持部に設けられることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方は媒体支持部に設けられる。このため、媒体支持部に第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方を設けることが可能なスペースがある場合などにおいて、媒体支持部が外装部に対して位置ずれすることを効果的に抑制することができる。
【0017】
また、本発明の第6の態様は、前記第3の態様の印刷装置において、前記媒体支持部は、前記媒体支持部及び前記外装部の一方に設けられた凸部を前記媒体支持部及び前記外装部の他方に設けられた凹部に差し込む構成の差込部において、前記外装部に支持され、前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくとも一方は前記差込部に設けられていることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、媒体支持部及び外装部の一方に設けられた凸部を媒体支持部及び外装部の他方に設けられた凹部に差し込む構成の差込部により、外装部による媒体支持部の支持機構を簡単に構成することができる。また、第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方が差込部に設けられていることにより、第1規制部及び第2規制部を外装部による媒体支持部の支持機構以外の領域に構成する必要性をなくし、該支持機構以外の領域の構成が複雑化することを抑制することができる。
【0019】
また、本発明の第7の態様は、前記第3の態様の印刷装置において、前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくとも一方は、前記媒体支持部と前記外装部とを点接触または線接触させることで前記媒体支持部の前記外装部に対する移動を規制することを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方は、媒体支持部と外装部とを点接触または線接触させることで媒体支持部の外装部に対する移動を規制する。媒体支持部と外装部との接触面積が広いとこれらが擦り合わされることで屑などが発生する場合があるが、媒体支持部と外装部とを点接触または線接触させることで接触面積を狭くすることができ、屑などが発生する虞を低減することができる。
【0021】
また、本発明の第8の態様は、前記第1または第2の態様の印刷装置において、前記連結フレームの剛性は前記本体フレームの剛性よりも高いことを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、連結フレームの剛性は本体フレームの剛性よりも高い。このような構成とすることで、本体フレームよりも大きな加重がかかりやすい連結フレームを特に高剛性とすることができ、印刷装置全体の強度を高くすることができる。
【0023】
以下、本発明を具体的に説明する。
以下の各図においては、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、及びZ軸として説明する。X軸に沿う方向を「X方向」、Y軸に沿う方向を「Y方向」、Z軸に沿う方向を「Z方向」とし、矢印の方向が+方向であり、+方向と反対の方向を-方向とする。なお、+Z方向を「上」又は「上方」、-Z方向を「下」又は「下方」ということもあり、+Z方向から見ることを平面視あるいは平面的ともいう。また、Z方向+側の面を上面、これと反対側となるZ方向-側の面を下面として説明する。
【0024】
まず、
図1及び
図2を参照しながら、印刷装置としてのプリンター11の構成を説明する。
図1及び
図2に示すように、プリンター11は、例えば、媒体としての用紙99に、液体としてのインクを吐出することにより、文字や、写真などの画像を形成する。
【0025】
プリンター11は、筐体12と、脚部14と、印刷部15と、プラテン19と、第1媒体保持部23と、第2媒体保持部24と、を備えている。筐体12には、画像が形成された後、すなわち、印刷された後の用紙99を排出する排出口13が設けられている。筐体12は、脚部14によって支持されている。脚部14は、プリンター11において、着脱可能である。脚部14は、プリンター11が設置される設置面A1に接触する。また、詳細は後述するが、
図2で表されるように、プリンター11の正面側には、筐体12の一部を構成する外装部121、122及び123を有している。
【0026】
印刷部15は、筐体12に収容されている。印刷部15は、用紙99にインクを吐出する。印刷部15が用紙99にインクを吐出することによって、用紙99に画像が印刷される。印刷部15は、ヘッド16と、ヘッド16を搭載するキャリッジ17と、を有する。ヘッド16は、インクを吐出する複数のノズル18を有する。キャリッジ17は、用紙99に対して走査する。具体的には、キャリッジ17は、筐体12内において、幅方向W、すなわち、+X方向及び-X方向に移動する。これにより、ヘッド16は、用紙99の幅にわたってインクを吐出する。
【0027】
本実施形態のプリンター11は、シリアルプリンターである。なお、プリンター11は、用紙99の幅にわたって一斉にインクを吐出可能なラインプリンターでもよい。プラテン19は、筐体12に収容され、印刷部15と対向して配置されている。プラテン19は、搬送方向Vに搬送される用紙99を下方から支持する。印刷部15は、プラテン19に支持されている部分にインクを吐出する。プラテン19の搬送方向Vには、印刷部15によって印刷された後の用紙99を支持する排出支持部21が配置されている。
【0028】
第1媒体保持部23は、印刷部15によって印刷される前の、ロール状に巻き重ねられた用紙99を保持する。第1媒体保持部23は、用紙99が巻き重ねられている繰出軸25を有する。第1媒体保持部23は、筐体12に収容される。
【0029】
第2媒体保持部24は、印刷部15によって印刷された後の用紙99を、ロール状に巻き重ねられた状態で保持する。第2媒体保持部24は、用紙99が巻き重ねられた巻取軸26を有する。巻取軸26が回転することによって、用紙99が巻き取られる。第2媒体保持部24は、例えば、脚部14に取り付けられている。
【0030】
図2に示すように、プリンター11は、筐体12と、脚部14とが取り付けられた本体フレーム27を備える。本体フレーム27は、メインフレーム28と、ベースフレーム29と、第1サイドフレーム31と、第2サイドフレーム32と、を有する。そして、本体フレーム27は、連結フレーム46に取り付けられる。
【0031】
メインフレーム28は、印刷部15のキャリッジ17を支持するフレームである。メインフレーム28は、X方向に長尺である。ベースフレーム29は、プラテン19を支持するフレームである。ベースフレーム29は、X方向に長尺である。第1サイドフレーム31及び第2サイドフレーム32は、メインフレーム28及びベースフレーム29を支持し、X方向において、プラテン19を挟むように配置される。第1サイドフレーム31及び第2サイドフレーム32には、脚部14が取り付けられる。
【0032】
第1サイドフレーム31は、3つのサイドフレーム33,34,35を有する。サイドフレーム33は、メインフレーム28及びベースフレーム29を支持する。第2サイドフレーム32は、3つのサイドフレーム41,42,43を有する。サイドフレーム41は、メインフレーム28及びベースフレーム29を支持する。
【0033】
連結フレーム46は、サイドフレーム35とサイドフレーム43とに取り付けられる。サイドフレーム35及びサイドフレーム43は本体フレーム27の一部を構成すると見なすことができるので、サイドフレーム35とサイドフレーム43とが載せられる連結フレーム46は、本体フレーム27を保持すると見なすことができる。連結フレーム46には、保持ユニット53と、電子部品57と、が配置されている。
【0034】
保持ユニット53は、インクを収容する液体収容部52を保持する保持トレイ54と、インクを受ける液体受け部56と、を備えている。保持ユニット53は、例えば、プリンター11に2つ配置されている。2つの保持ユニット53の間には、電子部品57が配置されている。言い換えれば、プラテン19の下方に、電子部品57が配置されている。また、電子部品57以外には、図示しないポンプユニットが配置されている。ポンプユニットは、液体収容部52から印刷部15に向けて液体を供給するポンプである。ポンプユニットは、例えば、液体収容部52内を減圧することによって、印刷部15にインクを供給する。
【0035】
Z方向において、プラテン19と電子部品57との間には、例えば、ベースフレーム29に固定されたフレーム100と、フレーム100に取り付けられた樹脂板200と、が配置されている。フレーム100は、例えば、図示しないファンのカバーである。なお、プラテン19と電子部品57との間に樹脂板200が配置されればよく、例えば、フレーム100を介さずにベースフレーム29に樹脂板200が取り付けられていてもよく、筐体12の内部やプリンター11本体に、樹脂板200が取り付けられていてもよい。また、樹脂板200のかわりに樹脂以外の可撓性のシート部材を備えていてもよい。
【0036】
上記のように、本実施例のプリンター11は、媒体としての用紙99に画像を形成する印刷部15と、印刷部15を保持する本体フレーム27と、印刷部15で使用する印刷材料であるインクを貯留する貯留部である液体収容部52などを保持する保持ユニット53と、本体フレーム27と保持ユニット53とを保持する連結フレーム46と、を備えている。なお、本実施例のプリンター11はインクを用紙99に吐出して印刷するインクジェットプリンターであるが、このような構成に限定されず、例えば、印刷材料としてトナーを用いて印刷する熱転写式の印刷装置などとしてもよい。また、本実施例のプリンター11は、プラテン19とともに用紙99を支持する媒体支持部としての役割をする排出支持部21を備えている。そして、本実施例のプリンター11は、外装部121、122及び123を備えており、外装部121、122及び123は、排出支持部21を重力方向における下側から支持することが可能な構成となっている。排出支持部21を下側から支持することで、排出支持部21が重力方向で変動することが抑えられ、排出支持部21に支持される用紙99の搬送経路を安定させることができる。そこで、以下に、プリンター11の外装部121、122及び123における排出支持部21の支持構成210について
図3から
図7を参照して説明する。
【0037】
図1及び
図3で表されるように、排出支持部21は本体フレーム27に取り付けられている。詳細には、排出支持部21は本体フレーム27の一部を構成する幅方向フレーム36に対して複数の取付部270において取り付けられている。また、外装部121、122及び123は、不図示の取付部において連結フレーム46に取り付けられている。
図4は、
図3の領域Aについて幅方向フレーム36を省略して表した拡大図であるが、
図4、並びに、
図5から
図7で表されるように、外装部121、122及び123は、重力方向における上側に突出する平板状の凸部124を複数有している。一方、
図4、並びに、
図5から
図7で表されるように、排出支持部21には平板状の凸部124を重力方向における下側から差し込み可能な凹部211を有している。すなわち、凸部124と凹部211とで支持構成210としての差込部を形成し、支持構成210により外装部121、122及び123は排出支持部21を重力方向における下側から支持することが可能な構成となっている。なお、外装部121、122及び123には、いずれも同様の構成の凸部124が複数形成されており、外装部121、122及び123の凸部124の各々の凸部124に対応して排出支持部21には凹部211が設けられている。
【0038】
ここで、本体フレーム27と連結フレーム46とは異なる形状または構成材料で構成されていることで剛性が異なっている。そして、外装部121、122及び123と、排出支持部21と、は、例えばネジなどの固定部材で両者が固定されるような構成とはなっていない。このため、排出支持部21は、外装部121、122及び123によって支持される支持方向に沿って、すなわち、重力方向における上下方向に、外装部121、122及び123に対して移動可能な状態で、外装部121、122及び123に支持されている。
【0039】
このように、排出支持部21が外装部121、122及び123によって支持される支持方向に沿って外装部121、122及び123に対して移動可能な状態で外装部に支持される構成とすることで、プリンター11が落下した場合などプリンター11に負荷がかかった際においても、排出支持部21から外装部121、122及び123に、或いは、外装部121、122及び123から排出支持部21に負荷が伝達することを抑制でき、本体フレーム27から連結フレーム46に、或いは、連結フレーム46から本体フレーム27に負荷が伝達することを抑制できる。したがって、本実施例のプリンター11は、本体フレーム27と連結フレーム46の剛性が異なっていても、プリンター11に負荷がかかった際の損傷の虞を低減することができる。
【0040】
また、上記のように、排出支持部21は、重力方向における下側から外装部121、122及び123に支持される。このため、外装部121、122及び123は重力方向における下側から排出支持部21を効率的に支持することができる。
【0041】
支持構成210についてさらに詳細に説明する。上記のように、排出支持部21は、搬送方向Vに搬送される用紙99を支持可能に構成されている。そして、
図4及び
図6などで表されるように、排出支持部21には、凹部211が形成されるとともにX方向に延びるリブ215が設けられている。また、
図5及び
図7などで表されるように、排出支持部21には、X方向において所定の間隔で凹部211を仕切るように形成されるとともにY方向に延びるリブ212が設けられている。リブ215は、凹部211に対応する領域が+Z方向側に窪み、+Z方向側の窪みに凸部124が差し込まれることで該窪みの+Y方向側の端部が凸部124の-Y方向側の面と当接するとともに-Y方向側の端部が凸部124の+Y方向側の面と当接する。リブ212は、凹部211に凸部124が差し込まれることで+X方向側の面が凸部124の-X方向側の端部と当接するとともに-X方向側の面が凸部124の+X方向側の端部と当接する。さらに、
図4から
図7で表されるように、排出支持部21には、凸部124の+Z方向側の端部と対向する位置にX方向に延びるリブ214が設けられている。ここで、リブ215は、排出支持部21の外装部121、122及び123に対する搬送方向Vの移動を規制する第1規制部を構成している。また、リブ212は、排出支持部21の外装部121、122及び123に対する搬送方向Vと交差する幅方向Wの移動を規制する第2規制部を構成している。このように、排出支持部21の外装部121、122及び123に対する搬送方向Vの移動を第1規制部で規制し、排出支持部21の外装部121、122及び123に対する幅方向Wの移動を第2規制部で規制する構成とすることで、排出支持部21が外装部121、122及び123に対して位置ずれすることを効果的に抑制することができる。排出支持部21の位置ずれを抑制することで、用紙99の搬送経路が変動することを抑えられ、安定させて用紙99を搬送することができる。
【0042】
上記のように、本実施例のプリンター11は、第1規制部及び第2規制部が媒体支持部である排出支持部21に設けられている。このように、第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方が媒体支持部に設けられることで、媒体支持部に第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方を設けることが可能なスペースがある場合などにおいて、媒体支持部が外装部に対して位置ずれすることを効果的に抑制することができる。
【0043】
ただし、このような構成に限定されない。第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方が外装部に設けられていてもよい。第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方が外装部に設けられる構成とすることで、外装部に第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方を設けることが可能なスペースがある場合などにおいて、媒体支持部が外装部に対して位置ずれすることを効果的に抑制することができる。
【0044】
上記のように、本実施例のプリンター11においては、排出支持部21は、外装部121、122及び123に設けられた凸部124を排出支持部21に設けられた凹部211に差し込む構成の差込部である支持構成210において、外装部121、122及び123に支持され、第1規制部及び第2規制部が支持構成210に設けられている。本実施例のプリンター11のように、媒体支持部及び外装部の一方に設けられた凸部を媒体支持部及び外装部の他方に設けられた凹部に差し込む構成の支持構成210を設けることにより、外装部による媒体支持部の支持機構を簡単に構成することができる。また本実施例のプリンター11のように、第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方を支持構成210に設けることにより、第1規制部及び第2規制部を外装部による媒体支持部の支持機構以外の領域に構成する必要性をなくし、該支持機構以外の領域の構成が複雑化することを抑制することができる。
【0045】
ここで、本実施例のプリンター11においては、リブ215及びリブ212は、排出支持部21と外装部121、122及び123とを線接触させることで排出支持部21の外装部121、122及び123に対する移動を規制する構成となっている。本実施例のプリンター11のように、第1規制部及び第2規制部の少なくとも一方が、媒体支持部と外装部とを点接触または線接触させることで媒体支持部の外装部に対する移動を規制する構成とすることが好ましい。媒体支持部と外装部との接触面積が広いとこれらが擦り合わされることで屑などが発生する場合があるが、媒体支持部と外装部とを点接触または線接触させることで接触面積を狭くすることができ、屑などが発生する量を低減することができるためである。
【0046】
なお、本実施例のプリンター11においては、連結フレーム46の剛性は本体フレーム27の剛性よりも高くなるように構成されている。このような構成とすることで、本体フレーム27よりも大きな加重がかかりやすい連結フレーム46を特に高剛性とすることができ、プリンター11全体の強度を高くすることができる。
【0047】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
11…プリンター(印刷装置)、12…筐体、13…排出口、14…脚部、15…印刷部、16…ヘッド、17…キャリッジ、18…ノズル、19…プラテン、21…排出支持部(媒体支持部)、23…第1媒体保持部、24…第2媒体保持部、25…繰出軸、26…巻取軸、27…本体フレーム、28…メインフレーム、29…ベースフレーム、31…第1サイドフレーム、32…第2サイドフレーム、33…サイドフレーム、34…サイドフレーム、35…サイドフレーム、36…幅方向フレーム、41…サイドフレーム、42…サイドフレーム、43…サイドフレーム、46…連結フレーム、52…液体収容部(貯留部)、53…保持ユニット、54…保持トレイ、56…液体受け部、57…電子部品、99…用紙(媒体)、100…フレーム、121…外装部、122…外装部、123…外装部、124…凸部、200…樹脂板、210…支持構成(差込部)、211…凹部、212…リブ(第2規制部)、214…リブ、215…リブ(第1規制部)、270…取付部、A1…設置面