(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137616
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】スリガラス調樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20240927BHJP
C08J 5/18 20060101ALI20240927BHJP
C08J 3/22 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C08L101/00
C08J5/18 CET
C08J5/18 CFH
C08J5/18 CFD
C08J3/22 CEY
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150316
(22)【出願日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2023048756
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591229440
【氏名又は名称】住化カラー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100156085
【弁理士】
【氏名又は名称】新免 勝利
(72)【発明者】
【氏名】吉村 大祐
(72)【発明者】
【氏名】一条 昭良
(72)【発明者】
【氏名】谷口 日登美
【テーマコード(参考)】
4F070
4F071
4J002
【Fターム(参考)】
4F070AA18
4F070AA32
4F070AA47
4F070AC40
4F070AC47
4F070AD10
4F070AE04
4F070FA01
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4F071AA22
4F071AA33
4F071AA46
4F071AD02
4F071AE09
4F071AF30Y
4F071AH19
4F071BB05
4F071BC01
4F071BC12
4J002AA011
4J002BC031
4J002BC032
4J002BC072
4J002BG061
4J002BG062
4J002CF061
4J002CP032
(57)【要約】
【課題】安価であり、透明性が高く、且つマット感、およびスリガラス調で意匠性が高い成形品を製造することができる。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)および平均粒子径が50μm以下の架橋粒子(B)からなる熱可塑性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(A)と前記架橋粒子(B)との屈折率差が、0.005以上0.08以下である熱可塑性樹脂組成物が提供される。さらに、熱可塑性樹脂(A)およびビーズ状の架橋粒子(B)からなる熱可塑性樹脂用マスターバッチが提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂(A) 100重量部、および
平均粒子径が50μm以下のビーズ状の架橋粒子(B) 0.1~10重量部
からなる熱可塑性樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(A)と前記架橋粒子(B)との屈折率差が、0.005以上0.08以下である熱可塑性樹脂組成物。
【請求項2】
熱可塑性樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、およびポリメチルメタクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であり、
ビーズ状の架橋粒子(B)が、架橋ポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート-スチレン共重合体架橋粒子、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
熱可塑性樹脂(A)が、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
屈折率差が、0.008以上0.03以下である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、ビーズ状の架橋粒子(B)の量が、1.25重量部以上である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項6】
熱可塑性樹脂組成物が、脂肪族化合物である滑剤をさらに含む請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物から形成されている熱可塑性樹脂成型品であって、3mmの厚さで、全光線透過率が60%以上、ヘイズが40~85である熱可塑性樹脂成形品。
【請求項8】
熱可塑性樹脂(A) 100重量部、および
平均粒子径が50μm以下のビーズ状の架橋粒子(B) 5~100重量部
からなる熱可塑性樹脂用マスターバッチであって、
前記熱可塑性樹脂(A)と前記架橋粒子(B)との屈折率差が、0.005以上0.08以下である熱可塑性樹脂用マスターバッチ。
【請求項9】
熱可塑性樹脂(A)が共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂であるか、あるいはマスターバッチが、脂肪族化合物である滑剤をさらに含む請求項8に記載の熱可塑性樹脂用マスターバッチ。
【請求項10】
請求項1または2に記載の樹脂組成物を溶融して成形する工程を含む熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観が優れたスリガラス調の成形品を与えるスリガラス調組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製容器をはじめとした成形品は、軽量性、価格、着色性、生産性の観点からガラス代替として、広く普及している。その中でも、熱可塑性樹脂であるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびポリカーボネート樹脂等は、透明性が高く、表面光沢に優れ、かつ、射出成形、押出成形、ブロー成形など成形性にも優れているといった特徴を持つ。そのため、化粧品をはじめ、食品、医療、ヘルスケア、照明、看板等、多くの分野で使用されており、使用量は拡大している。しかし、その用途としては、特長として挙げられる透明性が活用された、即ち内部充填物がそのまま視認されるような無着色透明、または着色透明の成形品として一般に利用されている。
【0003】
プラスチック製の透明な成形品は、美麗な外観を呈するものであるが、太陽光線を容易に透過するために、内容物が加温されるのみならず紫外線も容易に照射されるために、成形品内容物を化学変化から保護するには不適当である。また、透明な成形品は充填された内容物が丸見えのために、感覚的に商品の高級感を低下する傾向があることを否めない。
【0004】
また、プラスチック製の成形品に染料や顔料を配合し着色成形されることもあるが、マット感、手触り感といった風合いについて考慮したものでなく、スリガラスのような高級感が得られにくく、従来のプラスチックの成形品は、色彩的感覚、意匠性等にも好ましくない。
【0005】
そこで、プラスチック製の成形品でスリガラス外観を得る方法として、一般的に、プラスチック製容器または、成形金型に表面加工を施す方法が用いられている。例えば特許文献1には金型表面をサンドブラスト、ショットブラスト等で粗面化処理することで、延伸ブロー成形時にフロスト調のガラス製ボトルのような風合いが得られるとの開示がある。また、特許文献2には、フロスト調ガラス製品を得る方法として、ガラス粉末を塗装し、焼き付ける方法などが記載されている。一方、特許文献3には、耐熱性が高く、高い屈折率を用いた球形ビーズを用いることで、プラスチックの光沢を無くし、マット感を付与する技術が開示されている。特許文献4には、ポリエステル樹脂に対して、ポリメチルメタクリレート球状微粉体および炭酸カルシウム微粉体を配合してなるポリエステル系樹脂組成物において、得られる成形品が光拡散を生じて、スリガラス感覚となる成形品が得られることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-301596号公報
【特許文献2】特開昭60-226431号公報
【特許文献3】特開平01-297465号公報
【特許文献4】特開平11-001606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、金型の表面加工やラベルによるスリガラス外観の付与等では工程数の増加および成形品に適した金型、層構成の設計が必要となり、汎用性にかける。また、従来の球形ビーズやフィラーを用いた成形品では、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびポリカーボネート樹脂等の透明性を保持した状態で、表面光沢をなくし、なおかつマット感やスリガラス調を付与することが十分ではなかった。特に、射出成形において、成形品の表面が平滑であるため、スリガラス調を十分に付与することができるものはなかった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、プラスチックの透明性を保持した状態で、成形方法によらず、マット感、およびスリガラス調を付与することができる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、鋭意検討して、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は以下に関する。
[1]
熱可塑性樹脂(A) 100重量部、および
平均粒子径が50μm以下のビーズ状の架橋粒子(B) 0.1~10重量部
からなる熱可塑性樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂(A)と前記架橋粒子(B)との屈折率差が、0.005以上0.08以下である熱可塑性樹脂組成物。
[2]
熱可塑性樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、およびポリメチルメタクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であり、
ビーズ状の架橋粒子(B)が、架橋ポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート-スチレン共重合体架橋粒子、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂である[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3]
熱可塑性樹脂(A)が、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]
屈折率差が、0.008以上0.03以下である[1]~[3]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]
熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、ビーズ状の架橋粒子の量が、1.25重量部以上である[1]~[4]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6]
熱可塑性樹脂組成物が、脂肪族化合物である滑剤をさらに含む[1]~[5]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[7]
[1]~[6]に記載の熱可塑性樹脂組成物から形成されている熱可塑性樹脂成型品であって、3mmの厚さで、全光線透過率が60%以上、ヘイズが40~85である熱可塑性樹脂成形品。
[8]
熱可塑性樹脂(A) 100重量部、および
平均粒子径が50μm以下のビーズ状の架橋粒子(B) 5~100重量部
からなる熱可塑性樹脂用マスターバッチであって、
前記熱可塑性樹脂(A)と前記架橋粒子(B)との屈折率差が、0.005以上0.08以下である熱可塑性樹脂用マスターバッチ。
[9]
熱可塑性樹脂(A)が共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂であるか、あるいはマスターバッチが、脂肪族化合物である滑剤をさらに含む[8]に記載の熱可塑性樹脂用マスターバッチ。
[10]
[1]~[6]に記載の樹脂組成物を溶融して成形する工程を含む熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、安価であり、透明性が高く、且つマット感、およびスリガラス調で意匠性(スリガラス性による意匠性)が高い成形品を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[熱可塑性樹脂(以下、「樹脂」という場合がある。)]
樹脂としては、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン樹脂、セルロースアセテート樹脂、エチレン-ビニルアセテート樹脂、アクリル-アクリロニトリル-スチレン樹脂、アクリル-塩素化ポリエチレン樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂(例えばシクロオレフィンポリマー樹脂)、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。
【0013】
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、成形品の強度が高くなるので、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の例は、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、アジピン酸共重合ポリエチレンテレフタレート、ウレタン変性共重合ポリエチレンテレフタレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ネオペンチルグリコール共重合ポリエチレンテレフタレートである。
【0014】
ポリエチレンテレフタレート樹脂の融点は、ポリエチレンテレフタレート樹脂の組成などに応じて(特に、共重合ポリエチレンテレフタレートにおいてエチレンテレフタレートと共重合する単量体(コモノマー)の種類および量に応じて)、変化する。ポリエチレンテレフタレート樹脂の融点は、150~350℃、180~320℃、200~300℃、210~290℃、220~280℃、230~270℃、または240~260℃であってよい。
【0015】
樹脂としては、透明性に優れ、且つ所定の加工温度での成形性に優れた樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、およびポリメチルメタクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂が好ましい。
樹脂は、ポリカーボネート樹脂でないことが好ましい。
透明性が優れた熱可塑性樹脂を用いることにより、スリガラス調がより鮮明となる傾向がある。これらの樹脂は透明性や機械物性を阻害しなければ、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
成形前の樹脂(原料樹脂)は、粒子(ペレット、粒体または粉体)であることが一般的である。粒子の平均粒子径は、例えば、1μm~10mmまたは5μm~5mmであってよい。樹脂は、平均粒子径10μm~2mmまたは20μm~1mmの粒体(粉体)であることが好ましい。粒子の平均粒子径は、ビーズ状の架橋粒子と同様の方法によって測定できる。
【0017】
成形品の厚さ(すなわち、樹脂の厚さ)は、0.1mm~30mmまたは0.3mm~10mmであってよい。成形品の厚さは、0.2mm以上、0.4mm以上、0.6mm以上、0.8mm以上、1mm以上、1.2mm以上、1.4mm以上、1.6mm以上、1.8mm以上、2mm以上、2.2mm以上、2.4mm以上、2.6mm以上、2.8mm以上、または3mm以上であってよい。成形品の厚さは、25mm以下、20mm以下、15mm以下、12mm以下、10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、または3.5mm以下であってよい。
【0018】
樹脂は、厚さ2mm~5mm(例えば、2mm、3mm、4mmまたは5mm、特に3.0mm)のときの全光線透過率が55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上または90%以上であることが好ましい。全光線透過率は、56%以上、58%以上、60%以上、62%以上、64%以上、66%以上、68%以上、70%以上、72%以上、74%以上、76%以上、78%以上、80%以上、82%以上、84%以上、86%以上、88%以上、90%以上、92%以上、94%以上であってよい。全光線透過率は、100%以下、98%以下、96%以下、94%以下、92%以下、90%以下、または88%以下であってよい。
【0019】
全光線透過率は、JIS K 7136:2000に従って測定できる。例えば、測定には、東京電色製ヘーズメーター(モデル TC-H3DPK)を使用できる。
[式] 全光線透過率(Tt)=直線透過率(Tp)+拡散透過率(Td)
【0020】
[ビーズ状の架橋粒子]
ビーズ状の架橋粒子(架橋重合体粒子)は、球形であって、平均球形度が、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.9以上である。
球形度は顕微鏡で写真を撮り、その観察される粒子の面積と周囲長から、(球形度)={4π×(面積)÷(周囲長)2}で算出される値として算出する。1に近づくほど真球に近い。平均球形度は、任意に選択された100個の凝集体の球形度を平均することが好ましい。
【0021】
ビーズ状の架橋粒子は、特に限定されるものではないが、屈折率の調整がしやすい架橋ポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート-スチレン共重合体架橋粒子、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0022】
屈折率は、熱可塑性樹脂と粒子との差が小さい方が透明性を維持させることができるため、スリガラス調を付与しやすく、熱可塑性樹脂と粒子の屈折率差としては、0.005~0.08が好ましく、より好ましくは0.008~0.03である。屈折率差は、0.006以上、0.007以上、0.008以上、0.009以上、0.01以上、0.011以上、0.012以上、0.013以上、0.014以上、0.015以上、0.02以上、0.025以上、0.03以上、0.035以上、0.04以上、0.045以上、または0.05以上であってよく、屈折率差は、0.07以下、0.065以下、0.06以下、0.055以下、0.05以下、0.045以下、0.04以下、0.035以下、0.03以下、0.025以下、0.02以下、0.019以下、0.018以下、0.017以下、0.016以下、0.015以下、0.014以下、0.013以下、または0.012以下であってよい。
【0023】
ビーズ状の架橋粒子の平均粒子径は、50μm以下が好ましい。平均粒子径が50μm以下であると、光の散乱が十分であり、HAZEが高くなり、良好なスリガラス調が得られる。架橋粒子の平均粒子径は、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下または10μm以下であることが好ましい。架橋粒子の平均粒子径は、1μm以上、3μm以上、5μm以上または10μm以上であってよい。
【0024】
平均粒子径は、光学顕微鏡(200~500倍)によって測定できる。任意の数(例えば、100個または200個)の架橋粒子の粒子径から粒度分布を作成して求められるメジアン径(D50)を平均粒子径にできる。
【0025】
熱可塑性樹脂成形品3mm厚において、HAZEは、40~85、45~80、または50~75であってよい。
HAZEは、JIS K 7136に従って測定でき、例えば、東京電色製ヘーズメーター(モデル TC-H3DPK)によって、測定できる。
[式] HAZE=(拡散透過率(Td)/全光線透過率(Td))*100
【0026】
熱可塑性樹脂組成物において、ビーズ状の架橋粒子の量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、0.1~10重量部または0.3~5重量部が好ましい。量が上記の範囲であると、HAZEが高く、良好なスリガラス調が得られる。より好ましくは、0.2~8重量部または0.3~3重量部、例えば1~2.5重量部である。あるいは、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、ビーズ状の架橋粒子の量は、0.1重量部以上、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.4重量部以上、0.5重量部以上、0.6重量部以上、0.7重量部以上、0.8重量部以上、0.9重量部以上、1重量部以上、1.1重量部以上、1.2重量部以上、1.3重量部以上、1.4重量部以上、1.5重量部以上、1.6重量部以上、1.7重量部以上、1.8重量部以上、1.9重量部以上、2重量部以上、3重量部以上、4重量部以上、5重量部以上、6重量部以上、7重量部以上、8重量部以上、または9重量部以上であってよく、ビーズ状の架橋粒子の量は、10重量部以下、9重量部以下、8重量部以下、7重量部以下、6重量部以下、5重量部以下、4重量部以下、3重量部以下、2重量部以下、1.5重量部以下、1重量部以下、0.5重量部以下、または0.2重量部以下であってよい。スリガラス性が良好であるので、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、ビーズ状の架橋粒子の量は、1.21重量部以上、1.22重量部以上、1.23重量部以上、1.24重量部以上、または1.25重量部以上であることが好ましい。
【0027】
マスターバッチにおいて、ビーズ状の架橋粒子の量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、1~100重量部または5~20重量部が好ましい。量が上記の範囲であると、HAZEが高く、良好なスリガラス調が得られる。熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、ビーズ状の架橋粒子の量は、1重量部以上、2重量部以上、3重量部以上、4重量部以上、5重量部以上、6重量部以上、7重量部以上、8重量部以上、9重量部以上、10重量部以上、15重量部以上、20重量部以上、25重量部以上、30重量部以上、40重量部以上、50重量部以上、または60重量部以上であってよく、ビーズ状の架橋粒子の量は、100重量部以下、90重量部以下、80重量部以下、70重量部以下、60重量部以下、50重量部以下、40重量部以下、30重量部以下、25重量部以下、20重量部以下、19重量部以下、18重量部以下、17重量部以下、16重量部以下、15重量部以下、14重量部以下、13重量部以下、12重量部以下、11重量部以下、10重量部以下、または5重量部以下であってよい。
【0028】
熱可塑性樹脂の屈折率の測定は多波長アッベ屈折計(ATAGO製DR-M4型)を用いて行った。先ず、射出成形により作製した試験片の表面に微量の接触液(1-ブロモナフタレン)を滴下し、試験片のエッジを光源の方に向けてプリズムの表面に密着させた。その後、全ての色が視野からなくなるまで調節し、明視野と暗視野との間の境界線を接眼レンズの十字線の交点に一致させ、屈折率を測定した。また、光源にはハロゲンランプ波長589nmを用いた。
【0029】
ビーズ状の架橋粒子の屈折率測定はベッケ法により行った。まず、スライドガラス上に重合体粒子を載せ、屈折液(CARGILLE社製:カーギル標準屈折液、屈折率nD25が1.480~1.596の屈折液を、屈折率差0.002刻みで複数準備)を滴下する。そして、重合体粒子と屈折液をよく混ぜた後、下から岩崎電気株式会社製高圧ナトリウムランプ「NX35」(中心波長589nm)の光を照射しながら、上部から光学顕微鏡により重合体粒子の輪郭を観察した。そして、輪郭が見えない場合を、屈折液と重合体粒子の屈折率が等しいと判断した。
【0030】
なお、光学顕微鏡による観察は、重合体粒子の輪郭が確認できる倍率での観察であれば特に問題ないが、粒子径5μmの重合体粒子であれば500倍程度の観察倍率が適当である。上記操作により、重合体粒子と屈折液の屈折率が近いほど重合体粒子の輪郭が見えにくくなることから、重合体粒子の輪郭が判りにくい屈折液の屈折率をその重合体粒子の屈折率と等しいと判断した。
【0031】
また、屈折率差が0.002の2種類の屈折液の間で重合体粒子の見え方に違いがない場合は、これら2種類の屈折液の中間の値を当該重合体粒子の屈折率と判断した。例えば、屈折率1.554と1.556の屈折液それぞれで試験をしたときに、両屈折液で重合体粒子の見え方に違いがない場合は、これら屈折液の中間値1.555を重合体粒子の屈折率と判定した。
【0032】
樹脂およびビーズ状の架橋粒子は、溶融される前に、それぞれ、必要に応じて混合してもよい。また、予め、ビーズ状の架橋粒子と樹脂の一部とを溶融混練して、ビーズ状の架橋粒子濃度が高いマスターパウダーまたはマスターバッチを作製してから、さらに樹脂とマスターパウダーまたはマスターバッチとを溶融混練してもよい。樹脂および顔料を混合する方法としては、ドライブレンド等が挙げられる。
【0033】
[その他の剤]
樹脂およびビーズ状の架橋粒子に加えて、その他の剤を加えてもよい(溶融してもよい)。その他の剤としては、染料、顔料、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、難燃化剤、抗菌剤、帯電防止剤、銅害防止剤、金属不活性化剤、粘着付与剤、アンチブロッキング剤、滑剤、スリップ剤、内部離型剤、防曇剤(防滴剤、霧滴防止剤)、付香剤、界面活性剤、湿潤剤、防腐剤、防カビ剤、充填剤、補強剤、安定剤、保温剤、発泡剤、防震剤、耐衝撃性向上剤、表面処理剤、保温剤、表面処理剤、分散剤、禁水性材料等が挙げられる。
その他の剤の量は、樹脂組成物に対して、0~30重量%、0.1~20重量%、または1~10重量%であってよい。
【0034】
滑剤を使用することによって、樹脂とビーズ状の架橋粒子とを良好に混合できる。
滑剤としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、m-キシレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド等のアミド系滑剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪族系滑剤;ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート等のエステル系滑剤;ステアリルアルコール等の高級アルコール系滑剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸系滑剤が挙げられる。
【0035】
滑剤は、脂肪族化合物であることが好ましい。滑剤は、カルボキシ基、水酸基、アミド基およびエステル結合から選択された少なくとも1種の官能基を有する脂肪族化合物、特に、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩であることが好ましい。脂肪族化合物(特に、1つの脂肪族基)の炭素数は、10以上、12以上または14以上であり、40以下、32以下または28以下であることが好ましい。
【0036】
脂肪族化合物としては、
ステアリルアルコール、セチルアルコール等の脂肪族アルコール;
ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸;
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の金属塩やその金属塩の複合体;
オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド等の脂肪族モノアミド;
エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪族アルキレンビスアミド;
ペンタエリスリトールセスキステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート等の多価アルコール脂肪酸エステル;
12-ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド等のヒドロキシ脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0037】
滑剤の量は、樹脂組成物に対して、0~10重量%、0.05~5重量%、0.1~2重量%または0.2~1重量%であってよい。滑剤の量は、マスターバッチに対して、0~30重量%、0.1~20重量%、0.5~10重量%または1~5重量%であってよい。
【0038】
<樹脂とビーズ状の架橋粒子とを溶融混練する工程>
樹脂およびビーズ状の架橋粒子は、通常、混練機を用いて溶融する。樹脂およびビーズ状の架橋粒子を溶融混練するための混練機としては、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等の各種押出機の他、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダー等のバッチ型混練機;ブラベンダーミキサー等の簡易型の混練機;連続式インテンシブミキサー;これらの混練機の下に一軸押出成形機を有する、混練と押出を同時に実施する装置;が挙げられる。
溶融温度(高温)は、樹脂の融点以上であり、樹脂の融点に依存するが、一般に、200~350℃、または230~320℃であってよい。
【0039】
<樹脂とビーズ状の架橋粒子とを溶融混練して得られた樹脂組成物を成形する工程>
成形は、射出成形、押出成形、ブロー成形等によって行なうことができる。成形は射出成形またはダイレクトブロー成形であることが好ましい。
【0040】
<射出成形品の製造方法>
本発明は、樹脂とビーズ状の架橋粒子および必要に応じてその他の剤とを高温で溶融して得られた樹脂組成物を射出成形する工程を含む射出成形品の製造方法にも関する。
射出成形には、通常の射出成形機が使用される。溶融混練された樹脂およびビーズ状の架橋粒子は、射出成形機へ供給される。
射出成形機としては、公知のものを用いることができ、油圧式射出成形機、電動式射出成形機等が挙げられる。射出成形機は、得られる射出成形品の大きさや、用いる金型のサイズによって、適宜選択することができる。
型締圧力は、用いる金型のサイズや、樹脂容量によって適宜選択することができる。電熱ヒーターや、熱媒循環式の金型温調機を用いて金型を加熱することができる。特に、金型および成形体の表面温度を正確且つ迅速に制御できることから、金型内部に熱媒循環配管を埋設させて金型を加熱することが好ましい。
【0041】
<押出成形品の製造方法>
本発明は、樹脂とビーズ状の架橋粒子および必要に応じてその他の剤とを高温で溶融して得られた樹脂組成物を押出成形する工程を含む押出成形品の製造方法にも関する。
押出成形には、通常のT-ダイ押出成形機、インフレーション成形機等が使用される。これらの押出成形機は、混練機に接続される。溶融混練された樹脂およびビーズ状の架橋粒子は、押出成形機へ供給される。
また、混練機および押出成形機が一体化された装置を用いてもよい。混練機および押出成形機が一体化された装置としては、公知のものを用いることができ連続式インテンシブミキサー;ニーディングタイプ二軸押出成形機(同方向または異方向)等の連続型混練機;摩砕機構を有する回転円板を使用した連続混練装置;一軸押出成形機に混練部(ダルメージ、CTM等)を設けたもの;ニーディングディスクまたは混練用ローターを有する二軸混練押出成形機;が挙げられるが特に制限はない。混練機は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
<ブロー成形品の製造方法>
本発明は、樹脂とビーズ状の架橋粒子および必要に応じてその他の剤とを高温で溶融して得られた樹脂組成物をブロー成形する工程を含むブロー成形品の製造方法にも関する。
ブロー成形には、通常の射出ブロー成形機、ダイレクトブロー成形機が使用される。溶融混練された樹脂およびビーズ状の架橋粒子は、ブロー成形機へ供給される。
ブロー成形機としては、公知のものを用いることができ、適宜選択することができる。
【0043】
<ペレットの製造方法>
樹脂組成物がペレットである場合について説明する。
溶融混練された樹脂およびビーズ状の架橋粒子は、ダイ装置に供給されてもよい。
ダイ装置は、供給口を有する。供給口には、上記の押出機が接続される。ダイ装置の供給口へ、押出機から、溶融混練された樹脂およびビーズ状の架橋粒子が供給される。
【0044】
押出機からダイ装置に供給された樹脂およびビーズ状の架橋粒子は、ダイ装置の押出成形部へと供給される。押出成形部の押出口からは、樹脂およびビーズ状の架橋粒子が押し出され、ストランドを形成する。ストランドの直径は、特に限定されず、目的に応じて適宜変更され得るが、例えば0.2~10mmまたは0.5~5mmの範囲である。
【0045】
ストランドを、必要に応じて冷却した後、切断して、ペレットを得ることができる。切断は、ペレタイザーにより行なう。
冷却方法としては、押出したストランドを水槽中に導き、水槽中の冷却水にストランドを浸漬させる方法が最も一般的に広く用いられている。
冷却後のストランドは、好ましくは、水切り装置によって表面に付着した水分を除去した後に、ペレタイザーへ供給される。ペレタイザーは、回転刃等を駆動させることにより、ストランドを切断する。ストランドを切断する長さは特に限定されず、目的に応じて適宜変更され得るが、例えば0.5~10.0mmまたは1.0~5.0mmの範囲である。ペレットの形状としては、円柱、角柱等が挙げられるが、製造が容易であり、取り扱いが容易である点から円柱が好ましい。
【0046】
ペレットを用いて、成形品を得ることができる。成形品の製造方法としては、上記の射出成形品の製造方法、上記の押出成形品の製造方法、吹き込み成形法、真空成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、スラッシュ成形法、ディップ成形法、発泡成形法等が挙げられる。
得られた成形品は、マット感およびスリガラス調を有する。
【実施例0047】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、これらの説明が本発明を限定するものでない。
【0048】
[実施例1~10、および比較例1]
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート100重量部とビーズ状の架橋粒子34重量部を温度280℃で2軸押出機によりマスターバッチ(MB)を得た。
得られたMB(表1に示す量)を、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート100重量部とドライブレンドして、3段成形プレートの金型を取り付けた射出成形機(商品名:IS55FP-1.5A、芝浦機械(株)製、型締め圧:55t)を用いて、温度280℃で射出成形し、1.0mm/2.0mm/3.0mm厚の3段成形プレートとして射出成形品を得た。なお、実施例5については、色材としてピグメントブラック7を0.001部添加した以外は、実施例4と同様にしてプレート成形品を得た。
【0049】
【0050】
熱可塑性樹脂
A :イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート
【0051】
ビーズ状架橋粒子
I :架橋ポリスチレン 4.9μm
II :架橋ポリスチレン 8.1μm
III :架橋ポリスチレン 17μm
IV :架橋ポリスチレン 34μm
V :架橋ポリメチルメタクリレート-スチレン共重合体 6.8μm
VI :架橋ポリメチルメタクリレート-スチレン共重合体 9.2μm
VII :架橋ポリメチルメタクリレート-スチレン共重合体 57μm
VIII :架橋ポリメチルメタクリレート 8.5μm
【0052】
[実施例11~12、および比較例2]
ポリメタクリル酸メチル樹脂100重量部とビーズ状の架橋粒子(表2に示す量)をドライブレンドして組成物を得た。得られた組成物を、3段成形プレートの金型を取り付けた射出成形機(商品名:EC75SXIII-1.5A 、芝浦機械(株)製、型締め圧:75t)を用いて、温度240℃で射出成形し、1.0mm/2.0mm/3.0mm厚の3段成形プレートとして射出成形品を得た。
【0053】
【0054】
熱可塑性樹脂
B :ポリメチルメタクリレート
【0055】
ビーズ状架橋粒子
X :架橋ポリメチルメタクリレートスチレン共重合体 13μm
XI :架橋ポリメチルメタクリレートスチレン共重合体 40μm
【0056】
[実施例13~20]
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート100重量部とビーズ状の架橋粒子34重量部にステアリン酸マグネシウム0.40重量部、エチレンビスステアリン酸アマイド0.13重量部を、温度280℃で2軸押出機によりマスターバッチ(MB)を得た。
得られたMB(表3に示す量)を、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート100重量部とドライブレンドして、3段成形プレートの金型を取り付けた射出成形機(商品名:IS55FP-1.5 A 、芝浦機械(株)製、型締め圧 :55t)を用いて、温度280℃で射出成形し、1.0mm/2.0mm/3.0mm厚の3段成形プレートとして射出成形品を得た。
【0057】
【0058】
実施例および比較例で得られた成形品を以下について評価し、評価結果を表4に示す。
【0059】
[全光線透過率]
実施例および比較例で得られた成形品を、JIS K7361に準拠して全光線透過率を測定した。なお、実施例1~10、比較例1は成形品厚み3.0mm部分を、実施例11~12、比較例2は成形品厚み1.0mm部分を測定した。
【0060】
[HAZE]
実施例および比較例で得られた成形品を、JIS K7136に準拠してHAZEを測定した。なお、実施例1~10、比較例1は成形品厚み3.0mm部分を、実施例11~12、比較例2は成形品厚み1.0mm部分を測定した。
【0061】
[スリガラス性]
実施例および比較例で得られた成形品を、目視にて、下記の基準でスリガラス性を評価した。なお、実施例1~10、比較例1は成形品厚み3.0mm部分を、実施例11~12、比較例2は成形品厚み1.0mm部分を測定した。
◎:より好ましいスリガラス性がある
〇:スリガラス性がある
×:スリガラス性がない
【0062】
<全光線透過率、HAZE、スリガラス性評価>
実施例および比較例で得られた成形品を評価したその結果を表4に示す。
【0063】