(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137623
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】スロットル操作装置
(51)【国際特許分類】
F02D 11/02 20060101AFI20240927BHJP
F02D 11/10 20060101ALI20240927BHJP
F02D 9/02 20060101ALI20240927BHJP
B62K 23/04 20060101ALI20240927BHJP
B62K 23/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F02D11/02 R
F02D11/10 U
F02D9/02 351J
B62K23/04
B62K23/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172377
(22)【出願日】2023-10-03
(31)【優先権主張番号】P 2023046652
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000213954
【氏名又は名称】朝日電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】植松 恭彦
【テーマコード(参考)】
3D013
3G065
【Fターム(参考)】
3D013CH01
3D013CJ05
3G065BA01
3G065CA22
3G065CA23
3G065HA22
3G065JA03
3G065KA16
(57)【要約】
【課題】構成を簡素化することができるとともに、汎用の磁石を用いることができて製造コストを低減させることができ、連動部材のデッドスペースを有効活用することができるスロットル操作装置を提供する。
【解決手段】連動部材1と、連動部材1と共に回転可能な磁石mと、磁石mの磁気変化を検出し得る磁気センサ2と、スロットルグリップGの正方向αの回転操作時に付勢する第1付勢手段3と、スロットルグリップGの逆方向βの回転操作時に付勢する第2付勢手段4と、スロットルグリップGの回転操作時に抵抗力を付与する抵抗力付与手段5とを具備したスロットル操作装置であって、連動部材1には、複数の磁石mが所定寸法離間して取り付けられるとともに、隣接する磁石mの離間部位に抵抗力付与手段5が形成されたものである。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の操作手段の回転操作と共に回転し得る連動部材と、
前記連動部材に取り付けられ、前記連動部材と共に回転可能な磁石と、
前記連動部材と共に回転する前記磁石の磁気変化を検出することにより、前記操作手段の回転角度を検出し得る回転角度検出手段と、
前記連動部材の回転時に摩擦を生じさせて前記操作手段の回転操作時に抵抗力を付与する抵抗力付与手段と、
を具備し、前記回転角度検出手段で検出された前記操作手段の回転角度に応じて車両の駆動源を制御可能とされたスロットル操作装置であって、
前記連動部材には、複数の前記磁石が所定寸法離間して取り付けられるとともに、隣接する前記磁石の離間部位に前記抵抗力付与手段が形成されたことを特徴とするスロットル操作装置。
【請求項2】
前記磁石及び抵抗力付与手段は、前記連動部材において同一円周上に形成されたことを特徴とする請求項1記載のスロットル操作装置。
【請求項3】
前記連動部材は、前記磁石を収容する複数の第1収容凹部と、前記抵抗力付与手段を収容する第2収容凹部とが一方の面に円弧状に並んで形成されたことを特徴とする請求項1記載のスロットル操作装置。
【請求項4】
前記連動部材を回転可能に収容するとともに前記回転角度検出手段が配設された収容部を有するケースと、
前記連動部材に取り付けられつつ前記ケースに固定された固定部材と、
を具備し、前記抵抗力付与手段は、前記固定部材の表面に押圧された摩擦材を有することを特徴とする請求項1記載のスロットル操作装置。
【請求項5】
前記操作手段の回転操作時、当該操作手段及び連動部材を初期位置に向かって付勢する捩りコイルバネを具備するとともに、前記捩りコイルバネは、一端が前記連動部材に係止され、他端が前記固定部材に係止されたことを特徴とする請求項4記載のスロットル操作装置。
【請求項6】
前記操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作可能なスロットルグリップから成ることを特徴とする請求項1記載のスロットル操作装置。
【請求項7】
前記操作手段は、運転者が車両のハンドルバーに取り付けられた把持グリップを把持しつつ指で操作可能な操作レバーから成ることを特徴とする請求項1記載のスロットル操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作手段の回転操作に基づいて車両の駆動源が制御されるスロットル操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時の二輪車においては、スロットルグリップの回転角度をポテンショメータ等のスロットル開度センサにて検出し、その検出値を電気信号として当該二輪車が搭載する電子制御装置等に送るよう構成されたスロットル操作装置が普及されるに至っている。そして、かかる検出信号に基づき電子制御装置が所定の演算を行い、その演算結果に基づいて車両の駆動源(例えばエンジンの点火時期、吸気バルブ若しくはスロットルバルブの開閉)が制御されるようになっている。
【0003】
従来のスロットル操作装置として、例えば特許文献1にて開示されたものが挙げられる。かかる従来のスロットル操作装置は、スロットルグリップと連動する連動部材に円弧状の磁石を取り付けるとともに、その磁石の磁気変化を磁気センサにて検出することにより、連動部材及びスロットルグリップの回転角度を検出してエンジン制御が行われるようになっていた。
【0004】
また、従来のスロットル操作装置の連動部材には、抵抗力付与手段が取り付けられており、連動部材の回転時に摩擦を生じさせてスロットルグリップの回転操作時に抵抗力を付与することにより任意の操作感を得ることができ、スロットルグリップの操作性を向上させることができる。このように、連動部材には、磁石及び抵抗力付与手段が形成されているので、構成を簡素化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術においては、円弧状の磁石及び抵抗力付与手段を連動部材に形成しているので構成を簡素化できるものの、円弧状の特殊な形状の磁石が必要とされ、製造コストが高くなる虞があった。そこで、本出願人は、円弧状の磁石に代えて、複数の磁石を円弧状に並べて形成することを考えたが、その場合、磁石の離間部位がデッドスペースとなってしまうことから、当該離間部位から成るデッドスペースを有効活用することを検討した。かかる要求は、運転者が把持しつつ回転操作可能なスロットルグリップに限らず、運転者が車両のハンドルバーに取り付けられた把持グリップを把持しつつ操作可能な操作レバーなど、他の形態の操作手段においても同様にあった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、構成を簡素化することができるとともに、汎用の磁石を用いることができて製造コストを低減させることができ、連動部材のデッドスペースを有効活用することができるスロットル操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、車両の操作手段の回転操作と共に回転し得る連動部材と、前記連動部材に取り付けられ、前記連動部材と共に回転可能な磁石と、前記連動部材と共に回転する前記磁石の磁気変化を検出することにより、前記操作手段の回転角度を検出し得る回転角度検出手段と、前記連動部材の回転時に摩擦を生じさせて前記操作手段の回転操作時に抵抗力を付与する抵抗力付与手段とを具備し、前記回転角度検出手段で検出された前記操作手段の回転角度に応じて車両の駆動源を制御可能とされたスロットル操作装置であって、前記連動部材には、複数の前記磁石が所定寸法離間して取り付けられるとともに、隣接する前記磁石の離間部位に前記抵抗力付与手段が形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスロットル操作装置において、前記磁石及び抵抗力付与手段は、前記連動部材において同一円周上に形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のスロットル操作装置において、前記連動部材は、前記磁石を収容する複数の第1収容凹部と、前記抵抗力付与手段を収容する第2収容凹部とが一方の面に円弧状に並んで形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のスロットル操作装置において、前記連動部材を回転可能に収容するとともに前記回転角度検出手段が配設された収容部を有するケースと、前記連動部材に取り付けられつつ前記ケースに固定された固定部材とを具備し、前記抵抗力付与手段は、前記固定部材の表面に押圧された摩擦材を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のスロットル操作装置において、前記操作手段の回転操作時、当該操作手段及び連動部材を初期位置に向かって付勢する捩りコイルバネを具備するとともに、前記捩りコイルバネは、一端が前記連動部材に係止され、他端が前記固定部材に係止されたことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1記載のスロットル操作装置において、前記操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作可能なスロットルグリップから成ることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1記載のスロットル操作装置において、前記操作手段は、運転者が車両のハンドルバーに取り付けられた把持グリップを把持しつつ指で操作可能な操作レバーから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、連動部材には、複数の磁石が所定寸法離間して取り付けられるとともに、隣接する磁石の離間部位に抵抗力付与手段が形成されたので、構成を簡素化することができるとともに、汎用の磁石を用いることができて製造コストを低減させることができ、連動部材のデッドスペースを有効活用することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、磁石及び抵抗力付与手段は、連動部材において同一円周上に形成されたので、連動部材の径方向の寸法を小さくして小型化することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、連動部材は、磁石を収容する複数の第1収容凹部と、抵抗力付与手段を収容する第2収容凹部とが一方の面に円弧状に並んで形成されたので、複数の磁石及び抵抗力付与手段を精度よく位置決めして連動部材に容易に取り付けることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、連動部材を回転可能に収容するとともに回転角度検出手段が配設された収容部を有するケースと、連動部材に取り付けられつつケースに固定された固定部材とを具備し、抵抗力付与手段は、固定部材の表面に押圧された摩擦材を有するので、抵抗力付与手段による抵抗力の付与を固定部材により確実に行わせることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、操作手段の回転操作時、当該操作手段及び連動部材を初期位置に向かって付勢する捩りコイルバネを具備するとともに、捩りコイルバネは、一端が連動部材に係止され、他端が固定部材に係止されたので、抵抗力付与手段による抵抗力の付与に加え、第1付勢手段による付勢を固定部材により確実に行わせることができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作可能なスロットルグリップから成るので、スロットルグリップを具備した車両に適用することができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、操作手段は、運転者が車両のハンドルバーに取り付けられた把持グリップを把持しつつ指で操作可能な操作レバーから成るので、操作レバーを具備した車両に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係るスロットル操作装置の外観を示す正面図及び側面図
【
図5】同スロットル操作装置の連動部材等で構成されるユニットを示す3面図
【
図9】同スロットル操作装置の連動部材を示す3面図
【
図10】同スロットル操作装置における連動部材の磁石と磁気センサとの位置関係を示す模式図
【
図11】同スロットル操作装置における連動部材を正方向に回転させたときの連動部材の磁石と磁気センサとの位置関係を示す模式図
【
図12】同スロットル操作装置における連動部材を逆方向に回転させたときの連動部材の磁石と磁気センサとの位置関係を示す模式図
【
図13】同スロットル操作装置の第2付勢手段を示す斜視図
【
図14】本発明の第2の実施形態に係るスロットル操作装置の外観を示す正面図及び側面図
【
図15】同スロットル操作装置の外観を示す右側面図
【
図16】同スロットル操作装置の連動部材及び操作レバー等で構成されるユニットを示す3面図
【
図20】同スロットル操作装置における連動部材の磁石と磁気センサとの位置関係を示す模式図
【
図21】同スロットル操作装置における操作レバーを操作する状態を示す模式図
【
図22】本発明の第3の実施形態に係るスロットル操作装置の外観を示す正面図及び側面図
【
図23】同スロットル操作装置の外観を示す右側面図
【
図24】同スロットル操作装置の連動部材及び操作レバー等で構成されるユニットを示す3面図
【
図28】同スロットル操作装置における連動部材の磁石と磁気センサとの位置関係を示す模式図
【
図29】同スロットル操作装置における操作レバーを操作する状態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係るスロットル操作装置は、
図1に示すように、二輪車のハンドルバーHに取り付けられたスロットルグリップG(操作手段)の回転角度を検出し、その検出信号を二輪車が搭載するECU等電子制御装置に送信するためのものである。具体的に本実施形態に係るスロットル操作装置は、
図1~9に示すように、連動部材1と、磁気センサ2(回転角度検出手段)と、第1付勢手段3と、第2付勢手段4と、抵抗力付与手段5と、固定部材6と、ケースCとを有して構成されている。本実施形態に係るスロットルグリップGは、運転者が把持しつつ回転操作可能なものである。
【0024】
連動部材1は、車両のスロットルグリップGの回転操作と共に回転し得るもので、
図7~9に示すように、略円筒形状の樹脂成形品から成り、スロットルグリップGの基端側部位を嵌合し得る被嵌合部1aと、磁石mをそれぞれ収容する複数(本実施形態においては3つ)の第1収容凹部1bと、抵抗力付与手段5を収容する複数(本実施形態においては2つ)の第2収容凹部1dと、第2付勢手段4を収容する第3収容凹部1cとが形成されている。
【0025】
さらに、本実施形態に係る連動部材1においては、磁石mを収容する複数の第1収容凹部1bと、抵抗力付与手段5を収容する複数の第2収容凹部1dとが一方の面に円弧状に並んで形成されており、これら第1収容凹部1b及び第2収容凹部1dに対して同一円周上の位置に第3収容凹部1cが形成されている。また、連動部材1の他方の面には被嵌合部1aが形成されている。
【0026】
そして、連動部材1は、第1収容凹部1bに磁石m、第2収容凹部1dに抵抗力付与手段5及び第3収容凹部1cに第2付勢手段4をそれぞれ嵌入して取り付けられる。こうして、本実施形態に係る連動部材1は、複数の磁石mが円弧状に並んで形成されるとともに、複数の磁石m、抵抗力付与手段5及び第2付勢手段4が同一円周上に形成されて構成される。
【0027】
より具体的には、複数の磁石mは、それぞれブロック状(断面が矩形の立方体形状又は直方体形状)に形成されており、第1収容凹部1bに取り付けられることにより、互いに所定寸法離間しつつ円弧状に並んで形成されるとともに、隣接する磁石mの離間部位には、それぞれ抵抗力付与手段5が形成されている。なお、円弧状に並んで形成された第1収容凹部1bは、カバー部材D(
図7、8参照)にて覆われており、第1収容凹部1bに嵌入した磁石mの脱落が防止されている。
【0028】
ケースCは、二輪車(車両)のハンドルバーH(
図1、2参照)の先端側(スロットルグリップGの基端側)に固定されたもので、下ケースCa及び上ケースCb(
図4参照)をボルトB(
図2参照)にて組み付けて構成される。これら下ケースCa及び上ケースCbの内部には、それぞれ収容凹部が形成されており、下ケースCa及び上ケースCbが合致して組み付けられることにより、内部に収容空間が形成されるようになっている。
【0029】
また、下ケースCaは、
図1、2、4に示すように、磁気センサ2が取り付けられた基板Kを収容する収容部Caaが形成されている。かかる磁気センサ2(回転角度検出手段)は、
図1、2に示すように、下ケースCaの収容部Caaに配設されたセンサから成り、磁石mから生じる磁気の変化を検出することにより、連動部材1の回転角度を検出し、スロットルグリップGの回転角度を検出可能とされている。なお、図中符号hは、磁気センサ2から延設された配線を示しており、かかる配線hを介して車両側に検出信号が送信されるよう構成されている。
【0030】
具体的には、磁気センサ2は、連動部材1の回転に伴う磁石mの磁場変化(磁束密度の変化)に応じた出力電圧を得ることができるもので、例えばホール効果を利用した磁気センサであるホール素子(具体的には、磁石mの磁場(磁束密度)に比例した出力電圧を得ることができるリニアホールIC)等により構成されている。そして、スロットルグリップGが回転操作されて連動部材1が回転するのに伴い、複数の磁石mが回動すると、磁気センサ2に及ぼされる磁気が変化することとなる。
【0031】
しかるに、本実施形態に係る磁石mは、
図10に示すように、連動部材1の周方向に亘って3つ配設(中央位置の磁石m1、および両端位置の磁石m2、m3の3つが配設)されており、両端位置の磁石(m2、m3)の外側部位aの極(N極又はS極)と中央位置の磁石m1の外側部位aの極(N極又はS極)とが互いに異なるよう設定されている。例えば、中央位置の磁石m1は、外側部位aがN極及び内側部位bがS極となるよう配設されるとともに、隣接する両端位置の2つの磁石m2、m3は、それぞれ外側部位aがS極、内側部位bがN極となるよう配設、或いは、中央位置の磁石m1は、外側部位aがS極及び内側部位bがN極となるよう配設されるとともに、隣接する両端位置の2つの磁石m2、m3は、それぞれ外側部位aがN極及び内側部位bがS極となるよう配設することができる。
【0032】
これにより、本実施形態に係るスロットル操作装置は、連動部材1の回転角度によって磁気が変化するので、当該回転角度に応じた出力電圧を得ることができ、当該出力電圧に基づき連動部材1の回転角度(即ち、スロットルグリップGの回転角度)を検出することが可能とされている。このように検出されたスロットルグリップGの回転角度は、二輪車に搭載されたECU(エンジン・コントロール・ユニット)に対して電気信号として送信され、送信されたスロットルグリップGの回転角度に応じて車両のエンジン(駆動源)が制御され得るようになっている。
【0033】
また、本実施形態に係る磁気センサ2は、スロットルグリップGの正方向αの回転操作に加え、逆方向βの回転操作を検出可能とされている。これにより、本実施形態に係るスロットル操作装置は、運転者がスロットルグリップGを把持しつつ初期位置から正方向αに回転操作することにより、当該スロットルグリップGの回転角度に応じてエンジンを制御することができ、任意速度による走行が可能となるとともに、スロットルグリップGを初期位置から逆方向βに回転操作することにより、車両に搭載された電装品(例えば、クルーズコントロールのキャンセル機能等)を作動又は非作動とすることができる。
【0034】
第1付勢手段3は、スロットルグリップGの正方向αの回転操作時、スロットルグリップG及び連動部材1を初期位置に向かって付勢する捩りコイルバネから成り、
図7、8に示すように、連動部材1に係止される一端3a、固定部材6の係止部6aに係止される他端3b、及び一端3a及び他端3bの間に位置するコイル部3cとを有して構成されている。
【0035】
このように、本実施形態に係る第1付勢手段3は、捩りコイルバネから成るとともに、その一端3aが連動部材1に取り付けられ、他端3bが固定部材に組み付けられており、スロットルグリップGを回転させると、第1付勢手段3の付勢力に抗して連動部材1が回転するので、その付勢力がスロットルグリップGに伝わり、スロットルグリップG及び連動部材1を初期位置に戻す力が作用するのである。
【0036】
第2付勢手段4は、スロットルグリップGの逆方向βの回転操作時、スロットルグリップG及び連動部材1を初期位置に向かって付勢するもので、既述したように、連動部材1の第3収容凹部1cに取り付けられている。かかる第2付勢手段4は、全体的に円弧上に形成された可動部4aと、可動部4a内に収容されたコイルスプリング4bとを有して構成されている。
【0037】
可動部4aは、連動部材1の周方向に延びる円弧状部品から成り、
図7、8、13に示すように、コイルスプリング4bを保持する収容溝部4aaと、収容溝部4aaの壁面から成りコイルスプリング4bの一端を受けるバネ受け部4acと、固定部材6の当接部6cに当接可能(
図6参照)な突出部4abとが一体的に形成されている。また、コイルスプリング4bは、可動部4aの収容溝部4aaに保持されるとともに、一端が可動部4aのバネ受け部4ac及び他端が連動部材1における第3収容凹部1cの壁面1caにそれぞれ当接して組付けられるようになっている。
【0038】
これにより、スロットルグリップGが逆方向βに回転操作されたとき、連動部材1が連動して回転する一方、可動部4aの突出部4abが当接部6cに当接して回転が規制されることにより、コイルスプリング4bが圧縮され、その圧縮で生じた付勢力がスロットルグリップGに付与されるので、スロットルグリップG及び連動部材1を初期位置に戻す力が作用することとなる。なお、スロットルグリップGが正方向αに回転操作されたとき、可動部4aの突出部4abが当接部6cから離間するので、コイルスプリング4bは圧縮されず付勢力は付与されない。
【0039】
抵抗力付与手段5は、連動部材1の回転時に摩擦を生じさせてスロットルグリップGの回転操作時に抵抗力を付与するもので、
図7、8に示すように、円筒状に形成された摩擦材5aと、摩擦材5aを付勢して固定部材6の表面に押圧する付勢ばね5bとを有して構成されている。また、本実施形態に係る抵抗力付与手段5は、連動部材1の第2収容凹部1dに嵌入して組付けられており、隣接する磁石mの離間部位に取り付けられるとともに、磁石m及び抵抗力付与手段5は、連動部材1において同一円周上に形成されている。
【0040】
固定部材6は、連動部材1を位置決めしつつ回転可能に保持するもので、
図6~8に示すように、第1付勢手段3の他端3bを係止する係止部6aと、連動部材1を位置決めしつつ保持する案内部6bと、第2付勢手段4の突出部4abと当接又は離間可能な当接部6cとが形成された金属製の板状部材から成る。なお、固定部材6の所定位置には、ネジn(
図6参照)を挿通可能なネジ穴が形成されており、下ケースCa内の所定位置に固定部材6をネジ止めにて固定可能とされている。
【0041】
係止部6aは、固定部材6の一部を折り曲げ形成して得られた部位から成るもので、第1付勢手段3の他端3bを確実に係止し得るよう構成されている。案内部6bは、固定部材6の一部をバーリング加工等により円環状に突出形成された部位から成り、連動部材1の中央孔に挿通することにより連動部材1を回転可能に嵌合して位置決め(特に、径方向の位置決め)可能とされている。
【0042】
当接部6cは、既述のように、第2付勢手段4の突出部4abと当接して周方向に保持する部位から成るもので、スロットルグリップGが逆方向βに回転操作されて同方向に連動部材1が回転する際、第2付勢手段4の可動部4aを係止して同方向に対する回転を規制することにより、連動部材1と可動部4aとを相対的に移動させ、コイルスプリング4bの付勢力を生じさせるようになっている。
【0043】
このように、固定部材6に対して連動部材1及び第1付勢手段3等を保持させることにより、一体部品として取り扱い可能なユニットYが構成されることとなる。すなわち、固定部材6は、ユニットYを構成する種々部品を保持するとともに、スロットルグリップGの回転操作時に抵抗力付与手段5により抵抗力を生じさせることができ、且つ、スロットルグリップGの正方向αの回転操作時には、第1付勢手段3による付勢力を生じさせ、スロットルグリップGの逆方向βの回転操作時には、第2付勢手段4による付勢力を生じさせることができる。そして、このように構成されたユニットYに対し、ネジnにて固定部材6をケースC(下ケースCa)内に固定させることにより、ユニットYを一体部品としてケースC内に組付け可能とされている。
【0044】
ここで、本実施形態に係るスロットル操作装置は、
図10に示すように、円弧状に並んで配設された磁石mの近傍位置に基板K及び磁気センサ2が配設されている。すなわち、磁気センサ2及び基板Kは、
図10に示すように、3つの磁石mのうち中央の磁石m1に近い位置であって連動部材1の側方位置に取り付けられており、スロットルグリップGが正方向αに回転操作され、連動部材1が正方向αに回転すると、
図11に示すように、磁気センサ2が同図中右側の磁石m2に近づくようになり、スロットルグリップGが逆方向βに回転操作され、連動部材1が逆方向βに回転すると、
図12に示すように、磁気センサ2が同図中左側の磁石m3に近づくようになる。
【0045】
本実施形態によれば、連動部材1には、複数の磁石mが所定寸法離間して取り付けられるとともに、隣接する磁石mの離間部位に抵抗力付与手段5が形成されたので、構成を簡素化することができる。また、本実施形態は、汎用の磁石m(ブロック状の磁石)を用いることができて製造コストを低減させるとともに、連動部材1のデッドスペースを有効活用することができる。
【0046】
しかるに、本実施形態は、円弧上に並んで形成された磁石mの離間寸法や個々の配設位置を任意に設定すれば、磁気センサ2で検出し得る範囲を任意設定することができ、例えばスロットルグリップGが正方向αに回転操作された際に磁気センサ2が検出可能な回転角度と、スロットルグリップGが逆方向βに回転操作された際に磁気センサ2が検出可能な回転角度とをそれぞれ任意に設定することができる。
【0047】
また、磁石m及び抵抗力付与手段5は、連動部材1において同一円周上に形成されたので、連動部材1の径方向の寸法を小さくして小型化することができる。さらに、本実施形態に係る連動部材1は、磁石mを収容する複数の第1収容凹部1bと、抵抗力付与手段5を収容する第2収容凹部1dとが一方の面に円弧状に並んで形成されたので、複数の磁石m及び抵抗力付与手段5を精度よく位置決めして連動部材1に容易に取り付けることができる。
【0048】
またさらに、本実施形態は、連動部材1を回転可能に収容するとともに磁気センサ2が配設された収容部Caaを有するケースCと、連動部材1に取り付けられつつケースCに固定された固定部材6とを具備し、抵抗力付与手段5が固定部材6の表面に押圧された摩擦材5aを有するので、抵抗力付与手段5による抵抗力の付与を固定部材6により確実に行わせることができる。
【0049】
加えて、本実施形態は、スロットルグリップGの回転操作時、当該スロットルグリップG及び連動部材1を初期位置に向かって付勢する第1付勢手段3としての捩りコイルバネを具備するとともに、捩りコイルバネの一端3aが連動部材1に係止され、他端3bが固定部材6に係止されたので、抵抗力付与手段5による抵抗力の付与に加え、第1付勢手段3(捩りコイルバネ)による付勢を固定部材6により確実に行わせることができる。
【0050】
しかるに、本実施形態に係る抵抗力付与手段5は、固定部材6の表面に押圧された摩擦材5aを有する。また、本実施形態に係る第2付勢手段4は、スロットルグリップGの逆方向βの回転に伴って連動部材1が回転する際、固定部材6の所定部位(当接部6c)で押圧されて圧縮することにより付勢力を生じるコイルスプリング4bを有する。これらにより本実施形態は、抵抗力付与手段5による抵抗力の付与及び第2付勢手段4による付勢を固定部材6により確実に行わせることができる。
【0051】
また、本実施形態は、連動部材1を回転可能に収容するとともに磁気センサ2が配設された収容部Caaを有するケースCと、連動部材1に取り付けられつつケースCに固定された固定部材6とを具備する。さらに、本実施形態に係る第1付勢手段3は、捩りコイルバネから成るとともに、一端3aが連動部材1に係止され、他端3bが固定部材6に係止されたので、抵抗力付与手段5による抵抗力の付与及び第2付勢手段4による付勢に加え、第1付勢手段3による付勢を固定部材6により確実に行わせることができる。
【0052】
加えて、本実施形態に係る磁石m又は抵抗力付与手段5は、
図10に示すように、連動部材1の回転軸に直交する線に垂直な平面で二分された一方の側(同図において下側)に配置されると共に、第2付勢手段4は、連動部材1の回転軸に直交する線に垂直な平面で二分された他方の側(同図において上側)に配置されるので、連動部材1の回転方向の重量バランスを良好に設定することができ、連動部材1の回転を安定して行わせることができる。さらに、操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作可能なスロットルグリップGから成るので、スロットルグリップGを具備した車両に適用することができる。
【0053】
次に、本発明の第2の実施形態に係るスロットル操作装置について説明する。
第2の実施形態に係るスロットル操作装置は、
図21に示すように、二輪車のハンドルバーHに取り付けられた把持グリップMを把持しつつ指(親指)で操作可能な操作レバーL(操作手段)の回転角度を検出し、その検出信号を二輪車が搭載するECU等電子制御装置に送信するためのものである。
【0054】
具体的には、本実施形態に係るスロットル操作装置は、
図14~20に示すように、連動部材1と、磁気センサ2(回転角度検出手段)と、第1付勢手段3と、第2付勢手段4と、抵抗力付与手段5と、固定部材6と、ケースCと、操作レバーLと、把持グリップMとを有して構成されている。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0055】
把持グリップMは、車両のハンドルバーHの先端部に取り付けられたハンドルグリップから成り、運転者が把持可能な把持領域Mbを有するとともに、その基端には、周方向に亘って突出形成されて径が把持領域Mbより大きく設定された鍔部Maが一体形成されている。なお、本実施形態に係る把持グリップMは、専ら運転者が把持するためのものであり、ハンドルバーHの先端部に接着等にて固定されて回転しない(回転操作できない)ようになっている。
【0056】
操作レバーLは、
図14、15に示すように、連動部材1を回転可能に収容したケースCの右側(把持グリップMとケースCとの間)に取り付けられたもので、
図17、18に示すように、円筒形状の回転部N1と、回転部N1から延設された延設部N2とを有して構成されたものである。回転部N1は、連動部材1に取り付けられる部位とされ、円環状に突出形成された突出部Lbが形成されるとともに、突出部Lbの一部には、連動部材1の被嵌合部1aに嵌合可能な嵌合部Lbaが形成されている。
【0057】
延設部N2は、回転部N1から運転者側に向かって突出形成されたアーム状の部位から成り、その先端には操作部Laが形成されている。本実施形態に係る操作部Laは、延設部N2の延設方向に対して左側(ケースC側)に屈曲形成されており、
図21で示すように、運転者が把持グリップMを把持しつつその把持した手の親指で操作可能とされている。そして、回転部N1の嵌合部Lbaを連動部材1の被嵌合部1aに嵌合させて組み付けるとともに、固定部材6に対して連動部材1及び第1付勢手段3等を保持させることにより、
図16、19に示すように、一体部品として取り扱い可能なユニットYが構成されることとなる。
【0058】
本実施形態においては、操作部Laを下方に押し下げて正方向αに揺動操作可能とされるとともに、操作部Laを上方に押し上げて逆方向βに揺動操作可能とされている。これにより、本実施形態に係るスロットル操作装置は、運転者が操作レバーLを初期位置から正方向αに回転操作することにより、当該操作レバーLの回転角度に応じてエンジンを制御することができ、任意速度による走行が可能となるとともに、操作レバーLを初期位置から逆方向βに揺動操作することにより、車両に搭載された電装品(例えば、クルーズコントロールのキャンセル機能等)を作動又は非作動とすることができる。
【0059】
ここで、本実施形態に係るスロットル操作装置は、
図20に示すように、円弧状に並んで配設された磁石(m1~m3)の近傍位置に基板K及び磁気センサ2が配設されている。すなわち、磁気センサ2及び基板Kは、
図20に示すように、3つの磁石(m1~m3)のうち中央位置の磁石m1に近い位置であって連動部材1の側方位置に取り付けられており、操作レバーLが正方向αに回転操作され、連動部材1が正方向αに回転すると、磁気センサ2が同図中右側の磁石m2に近づくようになり、操作レバーLが逆方向βに回転操作され、連動部材1が逆方向βに回転すると、磁気センサ2が同図中左側の磁石m3に近づくようになる。
【0060】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、連動部材1には、複数の磁石mが所定寸法離間して取り付けられるとともに、隣接する磁石mの離間部位に抵抗力付与手段5が形成されたので、構成を簡素化することができる。また、本実施形態は、汎用の磁石m(ブロック状の磁石)を用いることができて製造コストを低減させるとともに、連動部材1のデッドスペースを有効活用することができる。加えて、操作手段は、運転者が車両のハンドルバーHに取り付けられた把持グリップMを把持しつつ指で操作可能な操作レバーLから成るので、操作レバーLを具備した車両に適用することができる。
【0061】
さらに、本実施形態に係るケースCの上ケースCbは、
図14、15に示すように、操作レバーLに向かって突出形成された覆い部Cbaが一体形成されている。かかる覆い部Cbaは、操作レバーLの上方を覆う位置まで延設されるとともに、先端が把持グリップMの鍔部Maの突端部に指向するよう突出形成されている。これにより、覆い部Cbaによって操作レバーLの回転部N1(特に、連動部材1との連結部)を保護することができ、回転操作を確実かつ円滑に行わせることができる。
【0062】
次に、本発明の第3の実施形態に係るスロットル操作装置について説明する。
第3の実施形態に係るスロットル操作装置は、
図29に示すように、二輪車のハンドルバーHに取り付けられた把持グリップMを把持しつつ指(親指)で操作可能な操作レバーL(操作手段)の回転角度を検出し、その検出信号を二輪車が搭載するECU等電子制御装置に送信するためのものである。
【0063】
具体的には、本実施形態に係るスロットル操作装置は、
図22~28に示すように、連動部材1と、磁気センサ2(回転角度検出手段)と、第1付勢手段3と、第2付勢手段4と、抵抗力付与手段5と、固定部材6と、ケースCと、操作レバーLと、把持グリップMとを有して構成されている。なお、第1、2の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0064】
操作レバーLは、
図22、23に示すように、連動部材1を回転可能に収容したケースCの左側(把持グリップMの取り付け位置に対して反対側)に取り付けられたもので、
図25、26に示すように、円筒形状の回転部N1と、回転部N1から延設された延設部N2とを有して構成されたものである。回転部N1は、連動部材1に取り付けられる部位とされ、円環状に突出形成された突出部Lbが形成されるとともに、突出部Lbの一部には、連動部材1の被嵌合部1aに嵌合可能な嵌合部Lbaが形成されている。
【0065】
延設部N2は、回転部N1から運転者側に向かって突出形成されたアーム状の部位から成り、その先端には操作部Laが形成されている。本実施形態に係る操作部Laは、延設部N2の延設方向に対して右側(ケースC側)に屈曲形成されており、
図29で示すように、運転者が把持グリップMを把持しつつその把持した手の親指で操作可能とされている。そして、回転部N1の嵌合部Lbaを連動部材1の被嵌合部1aに嵌合させて組み付けるとともに、固定部材6に対して連動部材1及び第1付勢手段3等を保持させることにより、
図24、27に示すように、一体部品として取り扱い可能なユニットYが構成されることとなる。
【0066】
本実施形態においては、第2の実施形態と同様、操作部Laを下方に押し下げて正方向αに揺動操作可能とされるとともに、操作部Laを上方に押し上げて逆方向βに揺動操作可能とされている。これにより、本実施形態に係るスロットル操作装置は、運転者が操作レバーLを初期位置から正方向αに回転操作することにより、当該操作レバーLの回転角度に応じてエンジンを制御することができ、任意速度による走行が可能となるとともに、操作レバーLを初期位置から逆方向βに揺動操作することにより、車両に搭載された電装品(例えば、クルーズコントロールのキャンセル機能等)を作動又は非作動とすることができる。
【0067】
ここで、本実施形態に係るスロットル操作装置は、
図28に示すように、円弧状に並んで配設された磁石(m1~m3)の近傍位置に基板K及び磁気センサ2が配設されている。すなわち、磁気センサ2及び基板Kは、
図28に示すように、3つの磁石(m1~m3)のうち中央位置の磁石m1に近い位置であって連動部材1の側方位置に取り付けられており、操作レバーLが正方向αに回転操作され、連動部材1が正方向αに回転すると、磁気センサ2が同図中右側の磁石m2に近づくようになり、操作レバーLが逆方向βに回転操作され、連動部材1が逆方向βに回転すると、磁気センサ2が同図中左側の磁石m3に近づくようになる。
【0068】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、連動部材1には、複数の磁石mが所定寸法離間して取り付けられるとともに、隣接する磁石mの離間部位に抵抗力付与手段5が形成されたので、構成を簡素化することができる。また、本実施形態は、汎用の磁石m(ブロック状の磁石)を用いることができて製造コストを低減させるとともに、連動部材1のデッドスペースを有効活用することができる。加えて、操作手段は、運転者が車両のハンドルバーHに取り付けられた把持グリップMを把持しつつ指で操作可能な操作レバーLから成るので、操作レバーLを具備した車両に適用することができる。
【0069】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば連動部材1が操作手段であるスロットルグリップGまたは操作レバーLと一体とされたもの、固定部材6により固定されないもの等であってもよく、さらには第1付勢手段3及び第2付勢手段4が付勢力を付与し得る他の形態のものであってもよい。また、本実施形態に係る磁石mは、連動部材1に3つ形成されているが、2つ又は4つ以上としてもよく、抵抗力付与手段5も連動部材1に1つ又は3つ以上形成するようにしてもよい。なお、適用される車両は、本実施形態の如く二輪車に限定されるものではなく、ハンドルバーHを有した他の車両(例えばATVやスノーモービル等)に適用してもよい。また、本実施形態が適用される車両は、駆動源がエンジンに限定されるものではなく、例えば電気モータを駆動源とする車両であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の趣旨に沿ったスロットル操作装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 連動部材
1a 被嵌合部
1b 第1収容凹部
1c 第3収容凹部
1ca 壁面
1d 第2収容凹部
2 磁気センサ(回転角度検出手段)
3 第1付勢手段
3a 一端
3b 他端
3c コイル部
4 第2付勢手段
4a 可動部
4aa 収容溝部
4ab 突出部
4ac バネ受け部
4b コイルスプリング
5 抵抗力付与手段
5a 摩擦材
5b 付勢ばね
6 固定部材
6a 係止部
6b 案内部
6c 当接部
C ケース
Ca 下ケース
Caa 収容部
Cb 上ケース
Cba 覆い部
m 磁石
h 配線
n ネジ
B ボルト
K 基板
D カバー部材
Y ユニット
G スロットルグリップ(操作手段)
L 操作レバー(操作手段)
La 操作部
Lb 突出部
Lba 嵌合部
N1 回転部
N2 延設部
M 把持グリップ
Ma 鍔部