(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137640
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】薄片体をロック及び解放するための構造及び包装ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 85/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B65D85/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186528
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】202310285016.0
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】514043816
【氏名又は名称】精密産品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】留 国典
(72)【発明者】
【氏名】留 君銘
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA33
3E068AA40
3E068AB10
3E068AC05
3E068AC06
3E068AC07
3E068CC03
3E068CD10
3E068CE03
3E068DD25
3E068DD31
3E068DD40
3E068DE13
3E068DE18
3E068EE09
3E068EE26
3E068EE32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本出願は薄片体をロック及び解放するための構造及び包装ケースを開示する。
【解決手段】押圧部ユニット3は収容空間部2の中心に設けられるとともに、物品の中心孔を挿通できるように収容空間部2の底部から上へ突出することで、物品を収容空間部2に固定する。押圧部ユニット3は物品を固定するための複数のバックル部材と、前記物品を押すための複数の弾性片と、押圧部本体と、押圧シートとを含み、押圧シートは押圧部ユニット3の天井部中心に形成されて、平板状を呈し、使用者が下に押圧するために用いられる。バックル部材、弾性片は押圧部本体及び前記押圧シートにそれぞれ可撓的に接続されることで、前記押圧シートが上下に移動する時、バックル部材及び弾性片は回動できる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する収容空間部と、
前記収容空間部の中心に設けられるとともに、物品の中心孔を挿通可能になるように前記収容空間部の底部から上に突出することで、物品を前記収容空間部に固定する押圧部ユニットと、を含む薄片体をロック及び解放するための構造であって、
前記押圧部ユニットは物品を固定するための複数のバックル部材と、前記物品を押すための複数の弾性片と、押圧部本体と、押圧シートとを含み、前記押圧シートは押圧部ユニットの天井部中心に形成されて、平板状を呈し、使用者が下に押圧するために用いられ、前記バックル部材、前記弾性片は前記押圧部本体及び前記押圧シートにそれぞれ可撓的に接続されることで、前記押圧シートが上下に移動する時、前記バックル部材及び前記弾性片は回動可能であることを特徴とする薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項2】
前記バックル部材及び前記弾性片は前記押圧部本体と前記押圧シートとの間で径方向に沿って延在し、前記バックル部材の径方向の遠端は前記押圧部本体に可撓的に接続され、又は押圧部本体と一体成形されており、前記バックル部材の径方向の近端は前記押圧シートに可撓的に接続され、前記弾性片の径方向の近端は前記押圧シートに可撓的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項3】
前記バックル部材はバックル歯、第1接続部及び第2接続部を含み、前記バックル歯は、垂直に配置されており、径方向に沿って外部に突出するフック状部が設けられ、第1接続部及び第2接続部によって前記押圧部本体及び前記押圧シートにそれぞれ可撓的に接続され、前記バックル歯は第1接続部及び第2接続部との可撓的な接続箇所で第1接続部及び第2接続部に対してそれぞれ回動可能であり、第2接続部は、押圧シートとの可撓的な接続箇所で押圧シートに対して回動可能であり、
押圧シートが圧力を受けていない時、前記フック状部は水平に配向されるように保持され、前記フック状部の、前記押圧部ユニットの天井部に形成される水平方向での最大径方向距離が、前記物品の中心孔孔径より大きいことを特徴とする請求項2に記載の薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項4】
下向きの力を受けて収容空間部の底部に向かって下へ移動する時、前記押圧シートは、まず、第2接続部との可撓的な接続箇所で第2接続部に対して回動して、さらに前記第2接続部を下へ移動させて、前記第2接続部を前記バックル歯との可撓的な接続箇所でバックル歯に対して回動させ、バックル歯を下へ引いて、バックル歯を第1接続部との可撓的な接続箇所で第1接続部に対して下へ回動させて、バックル歯のフック状部を上へ回動させ、前記フック状部の、押圧部ユニットの天井部に形成される水平方向での最大径方向距離を、前記物品の中心孔孔径より小さくするように構成されており、
前記押圧シートが受けた下向きの力が解放された後、前記フック状部は初期の水平位置に回復し、前記フック状部の、押圧部ユニットの天井部に形成される水平方向での最大径方向距離が、前記物品の中心孔孔径より大きくなるように回復するように構成されることを特徴とする請求項3に記載の薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項5】
前記弾性片は上側天井部、支持部及び弾性片接続部を含み、前記上側天井部は水平に配置され、前記押圧シートの水平位置より低く、上側天井部の径方向の遠端は上側天井部自由端であり、上へ突起状として形成され、物品を上へ押すために用いられ、前記支持部は略垂直に配置され、その下方部分は上側天井部の径方向の近端に可撓的に接続され、前記支持部の最下端は、前記収容空間部の上面に常に当接されるように配置され、前記支持部の最上端は前記弾性片接続部の一端に可撓的に接続され、前記弾性片接続部の他端は押圧シートに可撓的に接続され、
上側天井部自由端の間の水平方向での最大径方向距離は、前記物品の中心孔孔径より大きく、前記上側天井部自由端の非受力状況での水平位置は、前記フック状部の非受力状況での水平位置より低く、当該垂直高さの差は少なくとも前記物品の厚さに等しいことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項6】
前記押圧シートは、下向きの力を受けて前記収容空間部の底部に向かって下へ移動する時、まず、前記弾性片接続部との可撓的な接続箇所で前記弾性片接続部に対して回動し、さらに、弾性片接続部を下へ移動させ、前記支持部の最下端が収容空間部の上面に常に当接されることで、前記上側天井部自由端は前記支持部の最下端の周りに上へ枢動して移動しており、前記押圧シートは、前記押圧シートが受けた下向きの力が解放された後、上へ移動して初期位置に回復することで、上側天井部自由端は初期の水平位置に回復するように、前記支持部の最下端の周りに下へ枢動して移動するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項7】
前記押圧部ユニットは、ABS、ポリスチレン、ポリカーボネート、PP、PEという材料から選択されて製造されることを特徴とする請求項1に記載の薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項8】
前記押圧部本体は収容空間部に固定されて接続され、又は収容空間部と一体成形されることを特徴とする請求項1に記載の薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項9】
前記収容空間部の円周エッジには、前記物品を取り出すための複数のエッジ凹部が、等しい円周角で間隔を空けて配置されることを特徴とする請求項1に記載の薄片体をロック及び解放するための構造。
【請求項10】
一定の厚さを有する箱体と、
請求項1~3のいずれか一項に記載の薄片体をロック及び解放するための構造と、
前記収容空間部を開閉可能になるように、前記箱体の一側で箱体に枢動するように接続される蓋体と、を含む薄片状物品を収容する包装ケースであって、
前記収容空間部は円形であり、前記箱体の中央に設けられ、箱体の一側の表面から厚さ方向に沿って下へ凹んでいることを特徴とする包装ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は物品収容の技術分野に関して、特に、薄片体をロック及び解放するための構造及び包装ケースに関している。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ユーザは包装ケースを使用して薄片状物品、例えばスターカード、切手、マルチメディアストレージディスク、又はデータストレージカードなどを収容する。従来技術において、包装ケースは一般的に硬質材料(例えば、プラスチック、ポリプロピレンポリマーPE)などから製造され、このような材料は比較的強固であり、収容される物品を損壊から保護する一方、包装ケースに軽量という特点を具備させ、持ち運びが容易であり、また、上記材料はさらに、包装ケースに透明性を具備させ、製品の使用体験を向上する。
【0003】
また、従来技術のこのような包装ケースにおいて、一般的に、物品を収容するための収容空間部の中心には押圧部が設けられ、前記押圧部は収容空間部の底部から突起して僅かに変形でき、例えば、光ディスクなどの物品の中心孔を挿通して、変形することで物品を係止し、物品を収容空間部に固定する。物品を取り出す時、押圧部は外力を受けて変形することで、物品を係止せず、物品を収容空間部から取り出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来技術の包装ケースの押圧部の変形が不十分であるため、物品を収容空間部に装着し、又は収容空間部から物品を取り出す時、使用者は大きな力を付与する必要があり、使用の不便を招致し、大きな力を付与するため、物品又は押圧部ユニットを破損しやすい。
【0005】
本出願は、物体の収容又は取り出しを行う時、使用者は大きな力を付与する必要がなく、物品又は押圧部ユニットを破損しないようにするために、薄片体をロック及び解放するための構造及び当該構造が設けられた包装ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これに鑑みると、本出願は薄片体をロック及び解放するための構造を提供し、
物品を収容する収容空間部と、
前記収容空間部の中心に設けられるとともに、物品の中心孔を挿通可能になるように、前記収容空間部の底部から上に突出することで、物品を前記収容空間部に固定する押圧部ユニットと、を含み、
前記押圧部ユニットは物品を固定するための複数のバックル部材と、前記物品を押すための複数の弾性片と、押圧部本体と、押圧シートとを含み、前記押圧シートは押圧部ユニットの天井部中心に形成されて、平板状を呈し、使用者が下に押圧するために用いられ、前記バックル部材、前記弾性片は前記押圧部本体及び前記押圧シートにそれぞれ可撓的に接続されることで、前記押圧シートが上下に移動する時、前記バックル部材及び前記弾性片は回動可能である。
【0007】
本出願の1つの実施例によれば、前記バックル部材及び前記弾性片は前記押圧部本体と前記押圧シートとの間で径方向に沿って延在し、前記バックル部材の径方向の遠端は前記押圧部本体に可撓的に接続され、又は押圧部本体と一体成形され、前記バックル部材の径方向の近端は前記押圧シートに可撓的に接続され、前記弾性片の径方向の近端は前記押圧シートに可撓的に接続される。
【0008】
本出願の1つの実施例によれば、前記バックル部材はバックル歯、第1接続部及び第2接続部を含み、前記バックル歯は垂直に配置されており、径方向に沿って外部に突出するフック状部が設けられ、第1接続部及び第2接続部によって前記押圧部本体及び前記押圧シートにそれぞれ可撓的に接続され、前記バックル歯は第1接続部及び第2接続部との可撓的な接続箇所で第1接続部及び第2接続部に対してそれぞれ回動可能であり、第2接続部は、押圧シートとの可撓的な接続箇所で押圧シートに対して回動可能であり、
押圧シートが圧力を受けていない時、前記フック状部は水平に配向されるように保持され、前記フック状部の、前記押圧部ユニットの天井部に形成される水平方向での最大径方向距離が、前記物品の中心孔孔径より大きい。
【0009】
本出願の1つの実施例によれば、前記押圧シートは、下向きの力を受けて収容空間部の底部に向かって下へ移動する時、まず、第2接続部との可撓的な接続箇所で第2接続部に対して回動して、さらに前記第2接続部を下へ移動させ、前記バックル歯との可撓的な接続箇所で前記第2接続部をバックル歯に対して回動させ、バックル歯を下へ引いて、第1接続部との可撓的な接続箇所でバックル歯を第1接続部に対して下へ回動させ、バックル歯のフック状部を上へ回動させ、前記フック状部の、押圧部ユニットの天井部に形成される水平方向での最大径方向距離を、前記物品の中心孔孔径より小さくし、
前記押圧シートが受けた下向きの力が解放された後、前記フック状部は初期の水平位置に回復し、前記フック状部の、押圧部ユニットの天井部に形成される水平方向での最大径方向距離が、前記物品の中心孔孔径より大きくなるように回復する。
【0010】
本出願の1つの実施例によれば、前記弾性片は上側天井部、支持部及び弾性片接続部を含み、前記上側天井部は水平に配置され、前記押圧シートの水平位置より低く、上側天井部の径方向の遠端は上側天井部自由端であり、上へ突起状として形成され、物品200を上へ押すために用いられ、前記支持部は略垂直に配置され、その下方部分は上側天井部の径方向の近端に可撓的に接続され、前記支持部の最下端は、前記収容空間部の上面に常に当接されるように配置され、前記支持部の最上端は前記弾性片接続部の一端に可撓的に接続され、前記弾性片接続部の他端は押圧シートに可撓的に接続され、
上側天井部自由端の間の水平方向での最大径方向距離は、前記物品の中心孔孔径より大きく、前記上側天井部自由端の非受力状況での水平位置は、前記フック状部の非受力状況での水平位置より低く、当該垂直高さの差は少なくとも前記物品の厚さに等しい。
【0011】
本出願の1つの実施例によれば、前記押圧シートは、下向きの力を受けて前記収容空間部の底部に向かって下へ移動する時、まず、前記弾性片接続部との可撓的な接続箇所で前記弾性片接続部に対して回動し、さらに、弾性片接続部を下へ移動させ、前記支持部の最下端が収容空間部の上面に常に当接されることで、前記上側天井部自由端は前記支持部の最下端の周りに上へ枢動して移動し、前記押圧シートが受けた下向きの力が解放された後、前記押圧シートは上へ移動して初期位置に回復することで、上側天井部自由端は初期の水平位置に回復するように、前記支持部の最下端の周りに下へ枢動して移動する。
【0012】
本出願の1つの実施例によれば、前記押圧部ユニットは、ABS、ポリスチレン、ポリカーボネート、PP、PEという材料から選択されて製造される。
【0013】
本出願の1つの実施例によれば、前記押圧部本体は収容空間部に固定されて接続され、又は収容空間部と一体成形される。
【0014】
本出願の1つの実施例によれば、前記収容空間部の円周エッジには、前記物品を取り出すための複数のエッジ凹部が、等しい円周角で間隔を空けて配置される。
【0015】
本出願は薄片状物品を収容する包装ケースをさらに提供し、
一定の厚さを有する箱体と、
薄片体をロック及び解放するための構造と、
前記収容空間部を開閉可能になるように、前記箱体の一側で箱体に枢動するように接続される蓋体と、を含み、
前記収容空間部は円形であり、前記箱体の中央に設けられ、箱体の一側の表面から厚さ方向に沿って下へ凹んでいる。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べると、本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造及び当該構造が設けられる包装ケースは以下の技術効果を有する。
1、物品を収容空間部に置く時、押圧シートを押圧した後、物品を係止するための押圧部ユニットのフック状部が上へ回動し、押圧部ユニットの上方の径方向距離が物品中心孔の孔径より小さく、物品は阻害されないように収容空間部に置かされ、置き過程で物品は包装ケースの衝突を受けて損壊されることなく、また、押圧シートを解放した後、フック状部は自動に水平状態に回復して、物品を確実に係止する。
2、物品を収容空間部から取り出す時、押圧部ユニットのフック状部が力を受けた後、上へ回動し、押圧部ユニットの上方の径方向距離が物品中心孔の孔径より小さく、物品は包装ケースの衝突を受けて損壊されることなく、楽に取り出されることができる。また、本出願の押圧部ユニットはさらに弾性片が設けられるため、てこ作用を形成でき、前記押圧シートを下へ押圧する力を、物品を上へ押す力に変換し、使用者は容易且つ手数が省けるように物品を収容空間部から取り出すことができる。
3、本出願の押圧部ユニットは一体形成され、構造が簡単であり、占有空間が小さく、使用者はただ押圧シートを押圧することで、物品の入れ及び取り出しを実現でき、操作がより簡単になる。
4、押圧過程で、本出願のバックル部材は物品との直接的な接触を回避するため、物品の損壊を避ける。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の具体的な実施形態又は従来技術中の技術案をより明らかに説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本出願のいくつかの実施形態のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を取得できる。
【0018】
【
図1A】本出願の実施解決策による包装ケースの模式的な立体図である。
【
図1B】本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の模式的な立体図である。
【
図1C】本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の使用模式図である。
【
図2A】本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の模式的な平面図である。
【
図2B】本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の、
図2Aの線A-Aに沿う断面図であり、前記押圧部ユニットは非受力状態にある。
【
図2C】本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の受圧時の状態図である。
【
図3A】本出願の実施解決策による包装ケースの模式的な平面図であり、物品は包装ケースの収容空間部に収容される。
【
図3B】本出願の実施解決策による包装ケースの、
図3Aの線B-Bに沿う断面図である。
【
図3C】
図3BのV1部分の拡大図であり、本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の非受圧時の状態図を示す。
【
図3D】
図3BのV1部分の拡大図であり、本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の受圧時の状態図を示す。
【
図3E】本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の押圧部ユニットの非受圧時の物品とバックル部材との間の位置関係の模式図である。
【
図4A】本出願の実施解決策による包装ケースの模式的な平面図であり、物品は包装ケースの収容空間部に収容される。
【
図4B】本出願の実施解決策による包装ケースの、
図3Aの線C-Cに沿う断面図である。
【
図4C】
図4BのV3部分の拡大図であり、本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の非受圧時の状態図を示す。
【
図4D】
図4BのV3部分の拡大図であり、本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の受圧時の状態図を示す。
【
図4E】本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の非受圧時の物品と弾性片との間の作用関係の模式図である。
【
図4F】本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造の受圧時の物品と弾性片との間の作用関係の模式図である。
【
図4G】
図4BのV2部分の拡大図であり、物品が本出願の実施解決策による包装ケースに収容される状態の模式図を示す。
【
図4H】
図4BのV2部分の拡大図であり、物品を本出願の実施解決策による包装ケースから取り出す時の状態の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を結合して本出願の技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載される実施例は全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例である。本出願の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は何れも本出願の保護範囲に属している。
【0020】
特に明示的に規定及び限定がない限り、「装着」、「連結」、「接続」という用語を広義で理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体接続であってもよいし、機械接続、電気接続であってもよいし、直接的な連結、中間媒体による間接的な連結、さらに2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の、本出願における具体的な意味を理解すればよい。
【0021】
図面1A~1C、
図2A及び
図3Aを参照し、本出願は薄片状物品200を収容できる包装ケース100を開示し、前記物品は例えば、スターカード、切手、マルチメディアストレージディスク、又はデータストレージカードなどであってもよい。前記包装ケース100は箱体1と、薄片体をロック及び解放するための構造とを含み、前記箱体1は一定の厚さを有し、包装ケース100の主体部分である。前記薄片体をロック及び解放するための構造は、収容空間部2及び押圧部ユニット3を含む。前記収容空間部2は略円形であり、箱体1の中央に設けられ、箱体1の一側の表面から下へ凹んで、物品200を収容するための一定の空間を形成して、収容空間部2の円周エッジには、使用者が物品200を取り出すための1つ又は複数のエッジ凹部21が等しい円周角で間隔を空けて配置されている。本出願において、収容空間部2の中心には、収容空間部2の円周エッジに沿って90度の間隔を空けて合計4つのエッジ凹部21が設けられ、無論、本出願はエッジ凹部21の数を限定していない。また、物品の形状に応じて収容空間部2の形状を設定し、例えば、正方形、矩形、多角形などであってもよく、これに対して本出願は限定していない。また、本出願の包装ケース100には、収容空間部2を開閉可能になるように箱体1の一側で箱体に枢動するように接続される蓋体がさらに設けられる。
【0022】
特に、
図1B、1C、
図2A~2C、
図3A~3E及び
図4A~4Hを参照し、前記押圧部ユニット3は前記収容空間部2の中心に設けられ、その全体は円形を呈し、物品200の中心孔を挿通できるように収容空間部2の底部から上へ突出し、物品200固定用のバックルを収容空間部2に固定する。具体的に、押圧部ユニット3はバックル部材31、弾性片32、押圧部本体33及び押圧シート34を含む。
【0023】
本出願によれば、前記押圧部ユニット3はポリマー材料から製造され、好ましくは、前記押圧部ユニット3は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(AcrylonitrileButadiene Styrene、ABS)、ポリスチレン(GeneralPurpose Polystyrene、GPPS)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリプロピレン(Polypropylene,PP)、 ポリエチレン(Poly Ethylen,PE)という材料を選択して製造される。
【0024】
具体的に、
図2A、3A及び4Aを参照し、押圧部ユニット3の円周方向に沿って、等しい円周角で間隔を空けて複数のバックル部材31及び複数の弾性片32が配置され、それらは押圧部ユニット3の円周方向に沿ってそれぞれ対称配置されるとともに、相互の間は周方向に沿って隙間を有することで、相対的に移動できる。前記押圧部本体33は収容空間部2に固定されて接続され、又は収容空間部2と一体成形され、押圧シート34は押圧部ユニット3の天井部の中心に形成され、平板状を呈し、使用者が下に押圧するために用いられる。
【0025】
図2B~2C、
図3B~3E、及び
図4B~4Hを参照し、バックル部材31及び弾性片32は押圧部本体33と押圧シート34との間で径方向に沿って延在し、何れも一定の周方向の幅を備える。バックル部材31の径方向の遠端は押圧部本体33に可撓的に接続され、又は押圧部本体33と一体成形され、バックル部材31の径方向の近端は前記押圧シートに可撓的に接続される。弾性片32の径方向の近端は押圧シート34に可撓的に接続され、弾性片32の径方向の遠端は自由端であり、押圧部本体33に対して移動できる。
【0026】
本明細書において、「可撓接続」という用語は、両者の間が弾性を有する可撓材料によって接続され、受力の時、互いに対して回動でき、非受力の場合、自体の弾性によって初期状態に回復することを示す。
【0027】
本出願の実施解決策によれば、特に、
図2B~2C及び
図3B-3Eを参照し、前記バックル部材31はバックル歯311、第1接続部312、及び第2接続部313を含む。前記バックル歯311は垂直に配置されており、径方向に沿って外部へ突出するフック状部3111を備え、第1接続部312及び第2接続部313にとって押圧部本体33及び押圧シート34にそれぞれ可撓的に接続される。特に、バックル歯311は第1接続部312及び第2接続部313との可撓的な接続箇所で第1接続部312及び第2接続部313に対してそれぞれ回動でき、第2接続部313は押圧シート34との可撓的な接続箇所で押圧シート34に対して回動できる。
【0028】
図3Cに示すように、押圧シート34が圧力を受けていない時、第2接続部313と押圧シート34とは角度A°となすように(前記角度A°は30度~90度である)傾斜し、第2接続部313の水平面での投影の長さはCであり、また、前記バックル歯311は、そのフック状部3111が水平に保持されるように配置され、この場合、フック状部3111の間の、押圧部ユニット3の天井部に形成される水平方向での最大径方向距離Dは、物品200の中心孔孔径より大きい。
【0029】
図3Dに示すように、下向きの力を受けて収容空間部2の底部に向かって下へ移動する時、押圧シート34はまず、第2接続部313との可撓的な接続箇所で第2接続部313に対して回動し、両者の間の傾斜角度がA1°(A1°<A°)に変えて、第2接続部313の水平面での投影の長さはC1(C1<C)であり、これによって第2接続部313を下へ移動させる。第2接続部313は下へ移動し、バックル歯311との可撓的な接続箇所でバックル歯311に対して回動し、バックル歯311を下へ引いて、第1接続部312との可撓的な接続箇所でバックル歯311を第1接続部312に対して下へ回動させ、バックル歯311のフック状部3111を上へ回動させ、これによって、全てのフック状部3111の、押圧部ユニット3の天井部に形成される水平方向での最大径方向距離はD1に変えて、D1<Dであるとともに、物品200の中心孔孔径より小さい。
【0030】
押圧シート34が受けた下向きの力が解放された後、押圧シート34と第2接続部313との間の傾斜角度はA°に回復し、第2接続部313の水平面での投影の長さはCに回復し、押圧シート34は初期位置に回復するように自動に上に移動し、さらに、フック状部3111を初期の水平位置に回復され、押圧部ユニット3の天井部に形成される水平方向での最大径方向距離をDに回復させ、物品200の中心孔孔径の状態より大きい。
【0031】
さらに、本出願の実施解決策によれば、特に、
図2B~2C及び
図4B~4Hを参照し、前記弾性片32は、上側天井部321、支持部322及び弾性片接続部323を含む。前記上側天井部321は水平に配置され、前記押圧シート34の水平位置より低く、上側天井部321の径方向の遠端は上側天井部自由端3211であり、上へ突起状として形成され、物品200を上へ押すために用いられる。前記支持部322は略垂直に配置され、その下方部分は上側天井部321に可撓的に接続され、支持部322の最下端は収容空間部2の上面に常に当接されるように配置され、この場合、
図4Gから分かるように、物品200と押圧部ユニットの底部BTとの間の最小距離はH1である。
【0032】
また、支持部322の最上端は弾性片接続部323の一端に可撓的に接続され、弾性片接続部323の他端は押圧シート34に可撓的に接続される。従って、上側天井部321、支持部322、弾性片接続部323及び押圧シート34は可撓的な接続箇所でそれぞれ互いに回動できる。また、複数の上側天井部自由端3211の間の最大径方向距離は物品200の中心孔孔径より大きく、上側天井部自由端3211の非受力状況での水平位置は、フック状部3111の非受力状況での水平位置より低く、垂直高さの差は少なくとも物品200の厚さに等しい。
【0033】
上記構造によれば、
図2C及び
図4Dを参照し、押圧シート34は、下向きの力を受けて収容空間部2の底部に向かって下へ移動する時に、まず、弾性片接続部323との可撓的な接続箇所で弾性片接続部323に対して回動して、両者の間の夾角が小さくなり、さらに弾性片接続部323を下へ移動させる。第2接続部313は下へ移動し、支持部322の最下端は収容空間部2の上面に常に当接されるため、てこ作用を形成し、上側天井部321の径方向の遠端に位置する上側天井部自由端3211を前記支持部322の最下端の周りに上へ枢動させ、この場合、
図4Fから分かるように、上側天井部自由端3211による上向きの押し作用で、物品200の高さはΔH大きくなり、物品200と押圧部ユニットの底部BTとの間の最小距離をH2に高くし、この場合、高さが増えるため、使用者が物品を収容空間部2から容易に取り出すことができる。
【0034】
また、
図2C及び
図4Dを参照し、押圧シート34が受けた下向きの力が解放された後、押圧シート34は初期位置に回復するように、自動に上へ移動して、弾性片32を初期の水平位置に回復させ、この場合、上側天井部自由端3211は前記支持部322の最下端の周りに、下へ枢動して水平位置に回復する。
【0035】
以下、本出願の押圧部ユニット3の動作過程を具体的に記載し、
物品200を包装ケース100の収容空間部2に置く時、まず、前記押圧部ユニット3の押圧シート34を下に押圧し、この場合、以上のように、押圧部ユニット3のバックル部材31の間は可撓的に接続され、バックル歯311のフック状部3111が力を受けて上へ回動し、これによって、全てのフック状部3111の、押圧部ユニット3の天井部に形成される水平方向での最大径方向距離が小さくなり、また、上側天井部自由端3211の位置がフック状部3111の水平位置より低いため、物品200が収容空間部に入ることを阻害していない。物品200は収容空間部2に完全的に収容された場合、押圧シート34を解放し、その自体が可撓であるため、フック状部3111は水平位置に回復し、フック状部3111の間の水平方向での最大径方向距離から、物品200の中心孔孔径より大きくなるように回復し、これによって、物品200を上方から係止して収容空間部2に保持する。
【0036】
物品200を収容空間部2から取り出す時、まず、前記押圧部ユニット3の押圧シート34を下に押圧し、この場合、以上のように、押圧部ユニット3のバックル部材31の間は可撓的に接続され、バックル歯311のフック状部3111が力を受けて上へ回動し、これによって、全てのフック状部3111の、押圧部ユニット3の天井部に形成される水平方向での最大径方向距離が小さくなる。また、力の作用で弾性片32の支持部322はてこ作用を形成し、弾性片接続部323が下へ移動することで、上側天井部321の上側天井部自由端3211を上へ枢動させて移動させ、収容空間部2から取り出される方向に沿って移動させるように物品200を上へ押す。この場合、全てのフック状部3111の、押圧部ユニット3の天井部に形成される水平方向での最大径方向距離が、物品200の中心孔孔径より小さくなるため、物品200の上向きの移動を阻害していない一方、支持部322のてこ作用で、上側天井部自由端3211は、前記押圧シート34を下へ押圧する力を、物品200を上へ押す力に変換し、これによって、使用者は物品200を収容空間部2から容易に取り出すことができる。
【0037】
本出願の実施解決策による薄片体をロック及び解放するための構造、及び当該構造が設けられた包装ケースは以下の技術効果を有する。
1、物品を収容空間部に置く時、押圧シートを押圧した後、物品を係止するための押圧部ユニットのフック状部が上へ回動することで、押圧部ユニットの上方の水平径方向距離が物品中心孔の孔径より小さく、物品は阻害されないように収容空間部に置かされ、置き過程で物品は包装ケースの衝突を受けて損壊されることなく、また、押圧シートを解放した後、フック状部は自動に水平状態に回復して、物品を確実に係止する。
2、物品を収容空間部から取り出す時、押圧部ユニットのフック状部が力を受けた後、上へ回動し、押圧部ユニットの上方の水平径方向距離が物品中心孔の孔径より小さく、物品は包装ケースの衝突を受けて損壊されることなく、楽に取り出されることができる。また、本出願の押圧部ユニットはさらに弾性片が設けられるため、てこ作用を形成でき、前記押圧シートを下へ押圧する力を、物品を上へ押す力に変換し、使用者は容易且つ手数が省けるように物品を収容空間部から取り出すことができる。
3、本出願の押圧部ユニットは一体形成され、構造が簡単であり、占有空間が小さく、使用者はただ押圧シートを押圧することで、物品の入れ及び取り出しを実現でき、操作がより簡単になる。
4、押圧過程で、本出願のバックル部材は物品との直接的な接触を回避するため、物品の損壊を避ける。
【0038】
最後、以上の各実施例は本出願の技術案を限定していなく、ただ説明するためのものであり、上記各実施例を参照して本出願を詳しく説明したが、当業者であれば理解できるように、依然的に上記各実施例に記載の技術案を補正して、又はその一部又は全ての技術特徴に対して等価置き換えを行ってもよく、相応的な技術案の本質はこれらの補正又は置き換えため、本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱することない。
【符号の説明】
【0039】
1 ・・・箱体;
2 ・・・収容空間部;
21 ・・・エッジ凹部;
3 ・・・押圧部ユニット;
31 ・・・バックル部材;
311 ・・・バックル歯;
3111 ・・・フック状部;
312 ・・・第1接続部;
313 ・・・第2接続部;
32 ・・・弾性片;
321 ・・・上側天井部;
3211 ・・・上側天井部自由端;
322 ・・・支持部;
323 ・・・弾性片接続部;
33 ・・・押圧部本体;
34 ・・・押圧シート;
100 ・・・包装ケース;
200 ・・・物品。