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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137663
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ポスト部材及び間仕切り構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20240927BHJP
   E04B 2/72 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E04B2/74 531R
E04B2/74 531N
E04B2/72 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023202055
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2023048854
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】川井 達樹
(72)【発明者】
【氏名】芝 良平
(57)【要約】
【課題】地レール及び天レールが露出するラインが、ポスト部材によって途切れないデザインを実現する間仕切構造を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係るポスト部材(43)は、天井側に設置される端部および床側に設置される端部のうちの一方である第1端部と、他方である第2端部とには、切り欠き部(55)が設けられており、切り欠き部(55)には、天井または床に対して固定される固定部材(3a)の側面に対向可能な対向部が設けられており、天井と床との間へのポスト部材(43)の施工時には、パネルの横端部に沿って天井および床に敷設されたレール(3b)の延設方向に対して交差する第1方向に沿ってポスト部材(43)を所定箇所に差し込む構成となっている。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間を仕切るために床側から天井側に向かって立設されるパネルの縦端部に沿って配設されるポスト部材であって、
天井側に設置される端部および床側に設置される端部のうちの一方である第1端部と、他方である第2端部とには、切り欠き部が設けられており、
前記切り欠き部には、天井または床に対して固定される固定部材の側面に対向可能な対向部が設けられており、
天井と床との間への前記ポスト部材の施工時には、前記パネルの横端部に沿って天井および床に敷設されたレールの延設方向に対して交差する第1方向に沿って前記ポスト部材を所定箇所に差し込む構成となっている、
ポスト部材。
【請求項2】
前記固定部材は、前記天井および床に敷設されたレールに連結可能なレール部材を含み、
天井と床との間への前記ポスト部材の施工時には、前記レール部材の側面が前記対向部に対向して前記切り欠き部に前記レール部材が挿入された状態の前記ポスト部材を、前記第1方向に沿って前記所定箇所に差し込む構成となっている、
請求項1に記載のポスト部材。
【請求項3】
天井と床との間への前記ポスト部材の施工時には、前記第2端部を前記所定箇所に押し当てた状態で、前記第2端部を回動中心として前記ポスト部材を回動させることにより、前記第1端部が前記第1方向に沿って前記所定箇所に差し込まれる構成となっている、
請求項1に記載のポスト部材。
【請求項4】
前記切り欠き部は、前記レール部材を跨ぐように、前記レール部材の一方の外側面に対向して設けられた第1脚部と、他方の外側面に対向して設けられた第2脚部と、前記第1脚部と前記第2脚部とを繋ぎ前記レール部材を横断する基部とが設けられており、
前記対向部は、前記第1脚部に位置する第1対向部と、前記第2脚部に位置する第2対向部とを含む、
請求項2に記載のポスト部材。
【請求項5】
前記床側に設置される端部の前記切り欠き部には、前記固定部材に対して載置されている部分と、前記固定部材から離間している部分とを含む、
請求項1に記載のポスト部材。
【請求項6】
前記ポスト部材は、床に対向する下端縁を有し、
前記下端縁と、前記ポスト部材に隣接する前記パネルが配置されている領域の下端縁とは、水平方向に連続している、
請求項1に記載のポスト部材。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載のポスト部材と、
前記パネルと、
前記パネルにおける天井側に横方向に配される上枠と、
前記パネルにおける床側に横方向に配される下枠と、
を備え、
前記ポスト部材、前記上枠および前記下枠には、木質調の化粧材が配されており、
前記パネルはガラスである、間仕切り構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空間に配置して空間を間仕切りするためのポスト部材及び間仕切構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に例示するように、間仕切用のパネル部材に対してポスト部材および下側枠体を組み付けることにより、室内の間仕切とするための構造が種々開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-204167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の間仕切構造においては、地レール及び天レールが露出するラインが、ポスト部材によって途切れるものとなっている。このような構造では、例えばデザイン面での要求を満たさない場合がある。
【0005】
本発明は、地レール及び天レールが露出するラインが、ポスト部材によって途切れないデザインを実現する間仕切構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るポスト部材は、室内空間を仕切るために床側から天井側に向かって立設されるパネルの縦端部に沿って配設されるポスト部材であって、天井側に設置される端部および床側に設置される端部のうちの一方である第1端部と、他方である第2端部とには、切り欠き部が設けられており、前記切り欠き部には、天井または床に対して固定される固定部材の側面に対向可能な対向部が設けられており、天井と床との間への前記ポスト部材の施工時には、前記パネルの横端部に沿って天井および床に敷設されたレールの延設方向に対して交差する第1方向に沿って前記ポスト部材を所定箇所に差し込む構成となっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、切り欠き部が設けられているため、ポスト部材の位置にてレールが途切れることがないデザインを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の間仕切構造を具備する間仕切機構100を、室内に設置している例を示す外観図である。
図2図1に示す間仕切機構100の外観斜視図である。
図3】間仕切り機構100の一部をZ軸上方側から見た図である。
図4】3WAYポストの一例を示す図である。
図5】3WAYポストのxy平面における断面図である。
図6】3WAYポストの端部の構成例を示す図である。
図7】2WAYポストの端部の構成例を示す図である。
図8】地レール3がT字状に設けられた箇所を示す図である。
図9図8に示す地レール3にアジャスター58を設置した図である。
図10】3WAYポスト及び天レール5の外観斜視図である。
図11】3WAYポスト及び地レール3の外観斜視図である。
図12】3WAYポストをレール間に差し込む様子を示す図である。
図13】地レール3の一部に枠部材41を取り付けた様子を示す図である。
図14】隙間を埋めるための隙間隠し部材62を示す図である。
図15】3WAYポスト及び地レール3の外観斜視図である。
図16】本発明の一態様の間仕切構造に具備される地レールの態様を説明する斜視図である。
図17図16に示す地レールに対して施工されるポスト部材の一例である3WAYポストの上端部と下端部の斜視図である。
図18図16に示す地レールに対して施工される3WAYポストを模式的に示した図である。
図19図16に示す地レールに対して回動しながら施工される3WAYポストを模式的に示した図である。
図20図16に示す地レールに対して施工される3WAYポストにアジャスターが設置された様子を示した図である。
図21図16に示す地レールに対して回動しながら施工される3WAYポストとともに差し込むレール部分の別例を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態における間仕切構造について、図1から図15を用いて説明する。図1は、本実施形態の間仕切構造を具備する間仕切機構100を、室内に設置している例を示す外観図である。図2は、図1に示す間仕切機構100の外観斜視図である。
【0010】
図1に示す間仕切機構100は、室内に設置されることによって、室内空間を間仕切ることができる。ここで、図1に示す間仕切機構100は、天井120から吊り下げられた垂下壁101を含む壁部111とともに、室内を間仕切りしているが、この限りではなく、間仕切機構100のみによって間仕切りしてもよい。なお、以下の説明においては、室内床面130をXY平面とし、XY平面に対して鉛直方向に沿った軸をZ軸とするXYZ系の三次元座標を規定して、このXYZ系の三次元座標を用いて各構成要素を説明する。Z軸は、床面130から天井120に向かう方向を正方向とする。なお、XYZ系の三次元座標は、各図にも付記している。また、床面130及び天井120は、本開示における敷設対象物の一例である。
【0011】
間仕切機構100は、図2に示すように、XZ平面に沿った面を有する間仕切構造1A~1Fが、X軸方向に複数枚(6枚)並設されて具備されているとともに、YZ平面に沿った面を有する間仕切構造1G(図2)が具備されている。これら間仕切構造1A~1Gのうち、位置固定タイプの間仕切構造が、間仕切構造1B~1E、1Gであり、スライド扉としての引戸タイプの間仕切構造が、間仕切構造1A、1Fである。引戸タイプの間仕切構造1A、1Fについては、X軸に沿って進退して開閉する。なお、間仕切機構100は、これらのタイプに限らず、また、各タイプの枚数も例示している枚数に限らない。
【0012】
<1>共通する構成
位置固定タイプ、引戸タイプの何れのタイプの間仕切構造1A~1Gについても、図2に示すように、床面130(XY平面)側からZ軸正方向に立設するパネル部材2(パネル)と、パネル部材2の外周辺を保持する枠部材4とを含む。また、各パネル部材2の中ほどの高さには、横桟6が配されている。ここで、各パネル部材2は、横桟6によってZ軸の長さが分断されているのではなく床面130側から天井120側に向かって一枚板のパネルである。横桟6は、例えば縦枠43の側面に取り付けられるダボピンによって位置決め及び支持される。別の側面から言えば、ダボピンは、縦枠43に設けられた穴と横桟6に設けられた穴とを跨ぐ位置に配される。加えて、横桟6は、両面テープによってパネル部材2に張り付けて固定される。
【0013】
パネル部材2には、一例としてガラス板を用いることができるが、これに限らず、プラスチック製のパネルなど間仕切り用に用いることができる構成を適宜用いることができる。
【0014】
枠部材4および横桟6は何れも、骨格の枠体の表面に、化粧材を貼り付けた構成である。枠体は外から見て角柱構造を有しており、詳細な構造は後述するが、枠体を構成する材料としては周知の間仕切り用の建材料を用いることができる。一例としては、アルミ製の枠体を用いることができる。化粧材としては、一例として木質調の化粧材を用いる。木質調の化粧材を貼り付けた枠部材4および横桟6は、外観的には木材であるかのような印象を与えることができる。一具体例としては、突板を用いる。突板は、天然木材のシートを表面として、裏面に、接着シート等を介してアルミシートが積層してなる。例えば天然木材の厚さ0.2mmのシートと、厚さ0.2mmのアルミシートとの間に、厚さ0.05~0.1mmの接着シートを貼り合わせた突板を用いることができる。このように比較的薄いシートでありながら、表層が天然木材であるため、突板を枠体に貼り付けた枠部材4および横桟6は、外観的には木材からなる枠部材であるかのような印象を与えることができ、木(樹)の質感、香り、風合いによって人に安らぎを与えることができる。
【0015】
枠部材4は、このような木質調の外観に対して、内部の枠体はアルミ等の建材から構成しているため、不燃性、耐火性を呈することができる。ビルなどの建築物には、建築基準法に従って様々な規定があり、ビル等の内装には、一定の基準を超えて可燃性材料を使用することができない。従って、内装の一部としての間仕切構造についても、その規定が適用され、枠部材4および横桟6を木材そのものから作製することは困難である。そこで、本実施形態のように、不燃性、耐火性を有する内部構成を有した枠体の表面に、木質調の化粧材(突板)を貼り付けて覆うことによって、木の外観を与えつつも、不燃性、耐火性を満たす枠部材4および横桟6を実現する。なお、突板に限らず、木質調の画が表面に印刷された化粧シート等であってもよい。また、木質調にも限らず、1つの枠体の複数の表面に渡って延設でき、当該枠体に対して接着剤等を用いて貼り付けることができるシート状の構成の化粧材であれば、特に限定はない。
【0016】
<2>位置固定タイプの間仕切構造
図2に示すように、位置固定タイプの間仕切構造1B~1E、1Gは、床面130に設けられる地レール3と、天井120側(図1の垂下壁101の下端)に設けられる天レール5とを備える。地レール3および天レール5はそれぞれ、間仕切構造1B~1Eに共通で一連に構成されているX軸方向のレールと、間仕切構造1GのY軸方向のレールとを含む。X軸方向のレールと、Y軸方向のレールとは、連結されている。
【0017】
位置固定タイプの間仕切構造1B~1E、1Gは、パネル部材2として、XZ平面に沿って表裏面を有する、Z軸正方向に沿って配列した4枚の第1~4パネル部材2b~2e(何れにも共通した構成を説明する場合にはパネル部材2と称する)を含む。また、枠部材4としては、地レール3に沿って敷設された下枠41と、天レール5に沿って敷設された上枠42と、下枠41と上枠42との間に配される縦枠(ポスト部材)43とを含む。
【0018】
下枠41および上枠42については、各パネル部材2b~2eに対応して個々に配設されており、地レール3および天レール5のような一連のものとは異なる。各下枠41と各上枠42とには、パネル部材2を保持するパネル凹溝が形成されている。各下枠41と各上枠42とのパネル凹溝には、パネル部材2の横端部が嵌合可能である。
【0019】
縦枠43は、隣り合う2枚のパネル部材2に共通して、それらの間に一本が配されている構成となっている。第1パネル部材2bと第2パネル部材2cとの間に配される縦枠43には、X軸負方向を向いた面に第1パネル部材2bを保持するパネル凹溝が形成され、X軸正方向を向いた面に第2パネル部材2cを保持するパネル凹溝が形成されている。また、第2パネル部材2cと第3パネル部材2dとの間に配される縦枠43には、X軸負方向を向いた面に第2パネル部材2cを保持するパネル凹溝が形成され、X軸正方向を向いた面に第3パネル部材2dを保持するパネル凹溝が形成されている。また、第3パネル部材2dと第4パネル部材2eとの間に配される縦枠43は、X軸負方向を向いた面に第3パネル部材2dを保持するパネル凹溝が形成され、X軸正方向を向いた面に第4パネル部材2eを保持するパネル凹溝が形成されている。ここで、第2パネル部材2cと第3パネル部材2dとの間の縦枠43のY軸正方向を向いた面には、更に、YZ平面に沿って表裏面を有する第5パネル部材2gを保持するパネル凹溝が設けられている。各縦枠43のパネル凹溝には、パネル部材2の縦端部が嵌合可能である。
【0020】
このようにパネル部材2の配置に応じたパネル凹溝が設けられた縦枠43を配置することによって、複数のパネル部材2を用いて室内空間を自由に間仕切ることができる。
【0021】
なお、位置固定タイプの間仕切構造は、1枚のみのパネル部材2を含むものであってもよい。
【0022】
また、天レール5は、天井120に直接固定される構成であってもよいし、所定の部材を介して天井120に間接的に固定される構成であってもよい。また、地レール3は、床面130に直接固定される構成であってもよいし、所定の部材を介して床面130に間接的に固定される構成であってもよい。
【0023】
以上のような下枠41、上枠42および縦枠43のいずれにおいても、先述したように化粧材が延設されている。
【0024】
<3>引戸タイプの間仕切構造
図1および図2に示す引戸タイプの間仕切構造1A、1Fは、周知のスライド機構を具備することができる。一例としては、引戸タイプの間仕切構造1Aは、上枠42と天レール5との間にスライド機構部55が設けられており、枠部材によって保持されたパネル部材2が、スライド可能に吊り下げられた態様とすることができる。
【0025】
<4>横桟
図2に示す横桟6は、各タイプの間仕切構造1A~1Gに設けられている。なお、図2等に示す例では、横桟6は各間仕切構造1A~1Gに対して1箇所に設けられているが、複数箇所に設けられていてもよい。また、本実施形態では、水平方向に延設される桟を例示するが、鉛直方向(Z軸方向)に延設される桟(縦桟)であってもよく、水平あるいは鉛直方向に対して傾斜角度を有して斜め方向に桟部材が延びた態様であってもよく、延設方向は問わない。要するに、パネル部材2の外周縁を保持する枠部材とは異なり、パネル部材2の表面において枠部材と外観が同等の桟用の構造体であれば、横桟6に具備される構成を適用できる。
【0026】
横桟6は、先述のようにパネル部材2を構造的に分断する構成ではない。横桟6は、パネル部材2の表裏面のそれぞれの面に貼り付けて固定される。要するに、パネル部材2は、下枠41に保持されている端から、上枠42に保持されている端までが一連の一枚物のパネルである。
【0027】
横桟6は、上述した枠部材4と同様に、骨格となる枠部材の表面に、化粧材を貼り付けた構成である。
【0028】
<5>縦枠
図3は、間仕切り機構の一部をZ軸上方側から見た図である。以下、図3の破線囲み31に示すように間仕切構造がT字状となる箇所に設置される縦枠43、破線囲み32に示すように間仕切構造がL字状となる箇所に設置される縦枠43、破線囲み34に示すように間仕切り構造の端部に設置される縦枠43、及び、図示しない間仕切り構造が十字状となる箇所に設置される縦枠43の構成例及び設置手順について説明する。
【0029】
以下、間仕切り構造が平面視で十字状となる箇所に設置される縦枠43を4WAYポストとも呼称する。また、間仕切り構造が平面視でT字状となる箇所に設置される縦枠43を3WAYポストとも呼称し、間仕切り構造が平面視でL字状となる箇所に設置される縦枠43を2WAYポストとも呼称する。また、間仕切り構造の端部に設置される縦枠43をエンドポストとも呼称する。つまり、4WAYポスト、3WAYポスト、2WAYポスト及びエンドポストは、縦枠43の一種である。
【0030】
4WAYポストの長手方向の4面には、パネル部材2を保持するパネル凹溝が設けられている。また、3WAYポストの長手方向の3面には、パネル凹溝が設けられている。図2の第2パネル部材2cと第3パネル部材2dとの間に配される縦枠43、及び図4の縦枠43は、3WAYポストの一例である。
【0031】
2WAYポストの隣接する長手方向の2面には、パネル凹溝36が縦方向に設けられている。
【0032】
間仕切り構造の端部に設置されるエンドポストの長手方向の1面には、パネル凹溝36が縦方向に設けられている。図2の第1パネル部材2bの端部に配される縦枠43、及び第4パネル部材2eの端部に配される縦枠43は、間仕切り構造の端部に設置されるエンドポストの一例である。
【0033】
図5は、3WAYポストのXY平面における断面図である。図5に示すように、パネル凹溝36においてパネル部材2の表面に配されるパネル保持部材44を、パネル部材2と、縦枠43である3WAYポストとの間で挟持するように構成している。互いに向かい合うパネル保持部材44は、それらの間に位置するパネル部材2を挟み込んで保持するように作用する。また、パネル凹溝36の個数は異なるが、4WAYポスト、2WAYポスト及びエンドポストについても同様に構成される。
【0034】
図6は、3WAYポストの端部の構成例を示す図である。図6の上図は、3WAYポストの上端を示しており、下図は、3WAYポストの下端を示している。また、図7は、2WAYポストの端部の構成例を示す図である。図7の上図は、2WAYポストの上端を示しており、下図は、2WAYポストの下端を示している。図6の下図及び図7の下図に示すように、各ポストの下端には、地レール3が干渉しないように切り欠かれた切り欠き部55が設けられており、切り欠き部55に隣接した位置に地レール3の側面に対向または当接可能な当接部56(対向部)が設けられている。
【0035】
3WAYポストの切り欠き部55は、下端における側面の4面のうち、3面の一部又は全部が切り欠くように形成されている。また、2WAYポストの切り欠き部55は、下端における側面の4面のうち、2面の一部又は全部が切り欠くように形成されている。また、図示していないが4WAYポストの切り欠き部55は、下端における1つの角部分を残して切り欠くように形成されており、エンドポストの切り欠き部55は、下端における側面の4面のうち、1面が角部を残して切り欠くように形成されている。また、各ポストの下端において切り欠いた部分に面する内側端面が、当接部56を構成する。
【0036】
なお、各ポストの上端の形状と下端の形状とが逆の構成であってもよい。つまり広義には、各ポストは、天レール5と地レール3とのうち一方である第1レールに設置される第1端部を有し、第1端部には、第1レールが干渉しないように切り欠かれた切り欠き部55が設けられている。また、第1端部には、切り欠き部55に隣接した位置に、第1レールの側面に当接可能な当接部56が設けられている構成である。図6及び図7の例においては、下図に示す各ポストの下端が第1端部である。また、上図に示す各ポストの上端が後述する第2端部である。なお、各ポストの上端の形状と下端の形状とが同じ構成であってもよい。
【0037】
続いて、3WAYポストの設置手順を例に挙げて説明する。図8は、地レール3がT字状となる箇所を示す図である。また、天井120側には、地レール3と対向する位置に天レール5がT字状に設けられている。地レール3に対して、図9に示すように金属製のアジャスターを設置したのち、以下の手順に示すように、3WAYポストを天レール5と地レール3との間に設置する。
【0038】
図6の上図に示すように、3WAYポストの上端には、天レール5を跨ぐように、天レール5の外側面に対向して設けられた第1脚部51と、他方の外側面に対向して設けられた第2脚部52と、第1脚部51と第2脚部52とをつなぎ天レール5を横断する基部53とが設けられている。また、第1脚部51と第2脚部52とは、基部53の側から各脚部の先端に向かって距離が次第に長くなるようにテーパー面を有している。
【0039】
まず、図10に示すように、天レール5の延設方向と交差するT字状の箇所が基部53部分に位置するように、3WAYポストの上端を天レール5に押し当てる。その状態で、図11及び図12に示すように、Y軸負方向からY軸正方向に3WAYポストの下端を地レール3に差し込む。また、3WAYポストを地レール3に差し込む際、前記方向の前方に切り欠き部55が位置し、前記方向の後方に当接部56が位置する。ここで、前記方向は、本開示における第1方向の一例である。
【0040】
前記の構成によれば、地レール3(固定部材)が干渉しないように切り欠かれた切り欠き部55が設けられているため、敷設された地レール3をかわすようにして第1レール上に設置することができる。このため、地レール3がポスト部材の位置にて途切れることがないデザインを提供することができる。
【0041】
なお、前述したように各ポストの上端の形状と下端の形状とが逆の構成であってもよく、先に3WAYポストの下端を地レール3に押し当てる手順で設置する構成であってもよい。つまり広義には、天レール5及び地レール3のうちの一方である第1レールへの3WAYポストの施工時には、第1レールの延設方向に対して交差する第1方向に沿って3WAYポストを第1レールに差し込む構成となっており、3WAYポストを第1レールに差し込む際、第1方向の前方に切り欠き部55が位置し、第1方向の後方に当接部56が位置する。これにより、第1レールの延設方向に対して交差する第1方向に沿って3WAYポストを第1レールに差し込むことができる。
【0042】
また、各ポストの上端の形状と下端の形状とが同じ構成である場合には、図12に示すように一端を軸として3WAYポストの他端を回転させて差し込むのではなく、側面から真っ直ぐに差し込む態様となる。
【0043】
また、3WAYポストは、天レール5及び地レール3のうち、前述した第1レールとは異なる他方の第2レールに設置される第2端部を有する。また、第2端部には、第2レールを跨ぐように、第2レールの一方の外側面に対向して設けられた第1脚部51と、他方の外側面に対向して設けられた第2脚部52と、第1脚部51と第2脚部52とを繋ぎ第2レールを横断する基部53とが設けられている。これにより、第2レールを中心にして3WAYポストの第1レール側の端部を回動させながら第1レールに差し込むことが可能な構成が実現できる。
【0044】
3WAYポストを天レール5と地レール3との間に設置したのち、天レール5に上枠42を取り付け、地レール3に下枠41を取り付ける。図13は、地レール3の一部に下枠41を取り付けた様子を示す図である。但し、3WAYポストの下端に切り欠き部55が設けられていることによって、図13に示すように、下枠41では覆いきれない隙間60が生じ得る。
【0045】
図14は、隙間60を埋めるための隙間隠し部材62を示す図である。隙間隠し部材62を切り欠き部55の端面と床面130との間に設置したのち、地レール3に下枠41を取り付けることによって、隙間60が生じていた箇所も下枠41及び3WAYポストと同様に木質調等の見た目とすることができる。なお、3WAYポストの上端側に切り欠き部55等を有し、下端側に第1脚部51及び第2脚部52等を有する構成の場合、隙間隠し部材62を切り欠き部55の端面と天井120との間に設置した後に、天レール5に上枠が取り付けられる。隙間隠し部材62は、3WAYポストの端部に対して接続可能な構成であってもよい。隙間隠し部材62を取り付けることによって、隙間が部材同士の接合箇所に好ましくない場合は、隙間隠し部材62によって、隙間を小さくすることができる。
【0046】
また、図13に示す下枠41を裏側から見たとき、下枠41は、図15の矢印64の位置まで地レール3を覆う。ここで、下枠41と、地レール3が敷設されている床面130との間には、矢印65に示す所定の隙間が形成されている。加えて、3WAYポストの下端における、当接部56を含み地レール3の側面に沿う部分68の端面69と床面130との間には、矢印66に示す所定の隙間が形成されている。ここで、矢印65に示す所定の隙間と、矢印66に示す所定の隙間とは、同じ長さである。換言すると、間仕切り機構を外側から見たときに、下枠41の下面の縁と3WAYポストの下面の縁とは床面と平行に一直線状になる。なお、所定の隙間は、0又はそれに準ずる距離であってもよい。
【0047】
また、3WAYポストの上端側に当接部56等を有する場合も同様である。即ち、パネル部材2の横方向には、第1レールに沿って設置される枠部材4が配されており、枠部材4と、第1レールが敷設されている敷設対象物、即ち床面130又は天井120の表面との間には、所定の隙間が形成されている。また、3WAYポストの第1端部における、当接部56を含み第1レールの側面に沿う部分68の端面69と、敷設対象物の表面との間には、同じ長さの前記所定の隙間が形成されている。これにより、第1レールに設けられる枠部材4の縁が3WAYポストによって途切れないデザインを確実に実現できる。
【0048】
上述した3WAYポストについての設置手順等の説明は、4WAYポスト、2WAYポスト及びエンドポストにも同様に適用できる。但し、4WAYポストについては、第2レールの十字状となる箇所が基部53部分に位置するように第2端部を押し当てた状態で、十字状となる箇所の斜め側から第1端部が差し込まれる。また、2WAYポストについては、第2レールのL字状となる箇所が基部53部分に位置するように第2端部を押し当てた状態で、第1端部が第1レールの角側から差し込まれる。また、エンドポストについては、第2レールの端部が基部53部分に位置するように第2端部を押し当てた状態で、第1端部が第1レールの端部側から差し込まれる。
【0049】
〔実施形態1のまとめ〕
[1]本実施形態におけるポスト部材は、天井120に直接または間接的に固定される天レールと床に直接または間接的に固定される地レールとの間に設置され、室内空間を仕切る面状のパネルの縦端部が嵌合可能なポスト部材であって、前記天レールおよび前記地レールのうちの一方である第1レールに設置される第1端部を有し、前記第1端部には、前記第1レールが干渉しないように切り欠かれた切り欠き部が設けられており、前記第1端部には、前記切り欠き部に隣接した位置に、前記第1レールの側面に当接可能な当接部が設けられていることを特徴とする。
【0050】
前記[1]の態様によれば、第1レールが干渉しないように切り欠かれた切り欠き部が設けられているため、敷設された第1レールをかわすようにして第1レール上に設置することができる。このため、第1レールがポスト部材の位置にて途切れることがないデザインを提供することができる。
【0051】
[2]本実施形態におけるポスト部材は、前記[1]の態様において、前記第1レールへの前記ポスト部材の施工時には、前記第1レールの延設方向に対して交差する第1方向に沿って前記ポスト部材を前記第1レールに差し込む構成となっており、前記ポスト部材を前記第1レールに差し込む際、前記第1方向の前方に前記切り欠き部が位置し、前記第1方向の後方に前記当接部が位置する構成としてもよい。
【0052】
前記[2]の態様によれば、前記第1レールの延設方向に対して交差する第1方向に沿って前記ポスト部材を前記第1レールに差し込むことができる。
【0053】
[3]本実施形態におけるポスト部材は、前記[1]または[2]の態様において、前記天レールおよび前記地レールのうちの他方である第2レールに設置される第2端部を有し、前記第2端部には、前記第2レールを跨ぐように、前記第2レールの一方の外側面に対向して設けられた第1脚部と、他方の外側面に対向して設けられた第2脚部と、前記第1脚部と前記第2脚部とを繋ぎ前記第2レールを横断する基部とが設けられており、前記第1脚部と前記第2脚部とは、前記基部の側から各脚部の先端の側に向かって距離が次第に長くなるようにテーパー面を有する構成としてもよい。
【0054】
前記[3]の態様によれば、第2レールを中心としてポスト部材の第1レール側の端部を回動させながら第1レールに差し込むことが可能な構成を実現する。
【0055】
[4]本実施形態におけるポスト部材は、前記[1]から[3]の何れかの態様において、前記面状のパネルの横方向には、前記第1レールに沿って設置される枠部材が配されており、前記枠部材と、前記第1レールが敷設されている敷設対象物の表面との間には、所定の隙間が形成されており、前記第1端部における、前記当接部を含み前記第1レールの側面に沿う部分の端面と、前記敷設対象物の前記表面との間には、前記所定の隙間が形成されている構成としてもよい。
【0056】
前記[4]の態様によれば、レールに設けられる枠部材の縁がポスト部材によって切れないデザインを確実に実現できる。
【0057】
[5]本実施形態におけるポスト部材は、前記[4]の態様において、前記切り欠き部の端面と、前記敷設対象物の前記表面との間には、隙間隠し部材が設置されている構成としてもよい。
【0058】
前記[5]の態様によれば、隙間が部材同士の接合箇所に好ましくない場合は、隙間隠し部材によって、隙間を小さくすることができる。
【0059】
[6]本実施形態における間仕切り構造は、前記[1]から[5]の何れかの態様のポスト部材と、前記面状のパネルと、前記面状のパネルにおける前記天レールの側に横方向に配される上枠と、前記面状のパネルにおける前記地レールの側に横方向に配される下枠と、を備え、前記ポスト部材、前記上枠および前記下枠には、木質調の化粧材が配されており、前記面状のパネルはガラスであることを特徴とする。
【0060】
前記[6]の態様によれば、より洗練されたデザインの引戸構造を提供することができる。
【0061】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0062】
本実施形態は、縦枠43(4WAYポスト、3WAYポスト、2WAYポスト及びエンドポスト)の設置態様と、天レール及び地レールのうちの一方のレールの態様とについて、上述の実施形態1のそれらと異なっている。以下、本実施形態について、図16から図21を用いて説明する。なお、本実施形態では、縦枠43の一例として、3WAYポストを挙げるが、4WAYポスト、2WAYポスト及びエンドポストについても本実施形態を適用することができる。
【0063】
図16は、本実施形態における地レール3´の態様を示す斜視図である。本実施形態の地レール3´は、T字状となった箇所を含むポスト対応レール部分3a(固定部材)と、直線状の延びる直線レール部分3b(レール)とを含む。
【0064】
ポスト対応レール部分3aと直線レール部分3bとは、それぞれが、床面130に対して固定される態様である。固定前の状態においてはこれらを個別に取り扱うことができる点において、実施形態1において説明した一体型の地レール3の態様と相違する。
【0065】
ポスト対応レール部分3aおよび直線レール部分3bのそれぞれの床面130に対する固定方法は、実施形態1の地レール3と同様の方法を採用できる。ポスト対応レール部分3aおよび直線レール部分3bのそれぞれが床面130に対する固定されると、レール同士が連結して、実施形態1において説明した一体型の地レール3と同等の構造となる。ここで、直線レール部分3bは、本開示におけるパネルの横端部に沿って床に敷設されたレールの一種である。
【0066】
このように地レール3´が分断される構造となっており、ポスト対応レール部分3aを、直線レール部分3bとは独立して扱うことができることにより、ポスト対応レール部分3aの床への配置工程と、床面から天井面までの間への3WAYポスト(縦枠43)の設置工程とを一つの工程内において実現することができる。以下、これについて説明する。
【0067】
図17は、3WAYポスト(縦枠43)の端部の構成例を示す図である3WAYポスト(縦枠43)には、図17の上図は、3WAYポストの上端を示しており、下図は、3WAYポストの下端を示している。
【0068】
実施形態1の図6の下図に示した3WAYポストの下端は、切り欠き部55が、下端における側面の4面のうち、3面の一部又は全部が切り欠くように形成されており、地レール3に干渉しないように切り欠かれている。これに対し、図17の下図に示す本実施形態の3WAYポストの下端に設けられた切り欠き部55は、下端における側面の4面のうちの3面のそれぞれの面が設けられている。すなわち、3WAYポストの下端には、地レール3のポスト対応レール部分3aにおいてT字状となる箇所を中心にして3方向に延びるレール部分のそれぞれを跨ぐ切り欠き部55が設けられている。3WAYの下端において切り欠いた部分に面する内側端面が、対向部56を構成する。
【0069】
切り欠き部55は、ポスト対応レール部分3aにおいてT字の横線に相当するレール部分の外側面に対向して設けられた第1脚部51と、他方の外側面に対向して設けられた第2脚部52と、第1脚部51と第2脚部52とをつなぎポスト対応レール部分3aを横断する基部53とを含む。また、ポスト対応レール部分3aにおいてT字の縦線に相当するレール部分の一方の外側面に対向して設けられた第1脚部51と、他方の外側面に対向して設けられた第2脚部52と、第1脚部51と第2脚部52とをつなぎポスト対応レール部分3aを横断する基部53とを含む。各切り欠き部55において、第1脚部51と第2脚部52とは、基部53の側から各脚部の先端に向かって距離が次第に長くなるようにテーパー面を有している。このテーパー面を含む対向部56において、第1脚部51に位置する対向部が第1対向部56aであり、第2脚部52に位置する対向部が第2対向部56bである。
【0070】
本実施形態の構成においても実施形態1において説明したように、3WAYポストを所定箇所に施工する場合に、天レール5の延設方向と交差するT字状の箇所が基部53部分に位置するように、3WAYポストの上端を天レール5に押し当てる。その状態で、図18に示すようにY軸負方向からY軸正方向に3WAYポストの下端を差し込むことができる。ここで、Y軸負方向からY軸正方向への差し込み方向が、本開示における第1方向の一例である。
【0071】
より詳細に説明すれば、図19に示すように、3WAYポスト(縦枠43)は、3WAYポストの上端43uを天レール5のT字状の箇所に押し当てた状態で、上端43uを回動中心43cとして3WAYポストを回動させることにより、3WAYポストの下端43xが、Y軸負方向からY軸正方向に(第1方向)に沿って、3WAYポストの上端43uの鉛直方向下部(Z軸負側)に下端43xが位置する箇所(所定箇所)まで、差し込まれる構成となっている。
【0072】
そして、本実施形態によれば、3WAYポストの下端を上述のように差し込む際に、3WAYポストの下端の切り欠き部55に、ポスト対応レール部分3aを配置した状態で行うことができる。要するに、ポスト対応レール部分3aも、3WAYポストの下端43xとともに、Y軸負方向からY軸正方向へ移動する。ここで、ポスト対応レール部分3aは、床面130上をY軸負方向からY軸正方向に移動する。
【0073】
上述のように3WAYポストをY軸負方向からY軸正方向に差し込み、3WAYポストの長手方向がZ軸に沿った状態において、3WAYポストの下端の切り欠き部55には、ポスト対応レール部分3aに対して載置されている部分と、ポスト対応レール部分3aから離間している部分とが含まれる。ポスト対応レール部分3aから離間している部分は、切り欠き部55における基部53における3WAYポストの側面に近い領域を含む。この離間している部分に、3WAYポストに固定される金属製のアジャスター58が配置される(図20)。すなわち、アジャスター58は、3WAYポストが上述のように差し込まれた後に、当該離間している部分に挿し入れられる態様となっており、後付け可能となっている。
【0074】
また、3WAYポストにおける床面130に対向する下端縁と、3WAYポストに隣接するパネル部材2を保持する横枠41の下端縁とは、水平方向に連続した構成となっている。3WAYポストにおける床面130に対向する下端縁は、図17の下図の第1脚部51の脚先部分と、第2脚部52の脚先部分とである。3WAYポストの下端縁と、横枠41の下端縁とを水平方向に連続させた設計とすることにより、下端縁が直線状に揃って外観的に統一感を与えることができる。
【0075】
なお、本実施形態では、実施形態1と同様に、パネル部材2を保持する横枠41が、縦枠43(一例では3WAYポスト)と同じく木質調の化粧材が配されてなる。しかしながら、この横枠41とは別の態様によって間仕切構造に配されるパネルが支持されてもよい。例えば、パネルが、実施形態1において説明したプラスチック製のパネルであったり、スチールパネルであったりする場合に、横枠41の代わりに、これらパネルにおける床面130に沿って延びる下端縁を板状の支持部材に載せて支持する態様が有り得る。この態様の場合には、パネルの下端縁と、3WAYポストの下端縁とを、水平方向に連続させた設計とする。これにより、先述と同様に、下端縁が直線状に揃って外観的に統一感を与えることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、ポスト対応レール部分3aを、3WAYポストと共に、差し込む態様を説明した。しかしながら、この態様に限らず、図21に示すように、T字の横線に対応する部分のみをポスト対応レール部分3aとして、その一直線状の形状を有したレール部材を、3WAYポストと共に差し込むようにしてもよい。
【0077】
〔付記事項〕
本発明の態様1に係るポスト部材は、室内空間を仕切るために床側から天井側に向かって立設されるパネルの縦端部に沿って配設されるポスト部材であって、天井側に設置される端部および床側に設置される端部のうちの一方である第1端部と、他方である第2端部とには、切り欠き部が設けられており、前記切り欠き部には、天井または床に対して固定される固定部材の側面に対向可能な対向部が設けられており、天井と床との間への前記ポスト部材の施工時には、前記パネルの横端部に沿って天井および床に敷設されたレールの延設方向に対して交差する第1方向に沿って前記ポスト部材を所定箇所に差し込む構成となっている。
【0078】
前記態様1によれば、前記切り欠き部が設けられているため、天井または床に固定されるレールをポスト部材の位置にて途切れさせることがない。
【0079】
本発明の態様2に係るポスト部材は、前記態様1において、前記固定部材は、前記天井および床に敷設されたレールに連結可能なレール部材を含み、
天井と床との間への前記ポスト部材の施工時には、前記レール部材の側面が前記対向部に対向して前記切り欠き部に前記レール部材が挿入された状態の前記ポスト部材を、前記第1方向に沿って前記所定箇所に差し込む構成となっていてもよい。
【0080】
前記態様2によれば、天井および床に敷設されたレールに連結可能なレール部材が前記切り欠き部に挿入された状態のポスト部材を差し込むことができることから、天井および床に敷設されるレールがポスト部材の位置にて途切れることがないデザインを提供することができる。
【0081】
本発明の態様3に係るポスト部材は、前記態様1または前記態様2において、天井と床との間への前記ポスト部材の施工時には、前記第2端部を前記所定箇所に押し当てた状態で、前記第2端部を回動中心として前記ポスト部材を回動させることにより、前記第1端部が前記第1方向に沿って前記所定箇所に差し込まれる構成となっていてもよい。
【0082】
前記態様3によれば、ポスト部材を回動させて差し込むという簡易な操作によって、ポスト部材を天井と床との間に配設することができる。
【0083】
本発明の態様4に係るポスト部材は、前記態様2または前記態様3において、前記切り欠き部は、前記レール部材を跨ぐように、前記レール部材の一方の外側面に対向して設けられた第1脚部と、他方の外側面に対向して設けられた第2脚部と、前記第1脚部と前記第2脚部とを繋ぎ前記レール部材を横断する基部とが設けられており、前記対向部は、前記第1脚部に位置する第1対向部と、前記第2脚部に位置する第2対向部とを含む構成であってもよい。
【0084】
前記態様4によれば、切り欠き部がレール部材を跨ぐ態様となっており、第1脚部および第2脚部が、レール部材の側面に設けられていることから、レール部材の側面が露出せず、外観的な要求を満たすことが可能となる。
【0085】
本発明の態様5に係るポスト部材は、前記態様1から前記態様4の何れかにおいて、前記床側に設置される端部の前記切り欠き部には、前記固定部材に対して載置されている部分と、前記固定部材から離間している部分とを含む構成であってもよい。
【0086】
前記態様5によれば、前記固定部材から離間している部分に、アジャスターを後付けする(後から当該離間している部分に挿し入れる)ことができる。
【0087】
本発明の態様6に係るポスト部材は、前記態様1から前記態様5の何れかにおいて、前記ポスト部材は、床に対向する下端縁を有し、前記下端縁と、前記ポスト部材に隣接する前記パネルが配置されている領域の下端縁とは、水平方向に連続していてもよい。
【0088】
前記態様6によれば、下端縁が直線状に揃って外観的に統一感を与えられる。
【0089】
本発明の態様7に係る間仕切り構造は、前記態様1から前記態様6の何れかに記載のポスト部材と、前記パネルと、前記パネルにおける天井側に横方向に配される上枠と、前記パネルにおける床側に横方向に配される下枠と、を備え、前記ポスト部材、前記上枠および前記下枠には、木質調の化粧材が配されており、前記パネルはガラスである。
【0090】
前記態様7によれば、洗練されたデザインの間仕切り構造を提供することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 間仕切構造
2、パネル部材(パネル)
3 地レール
3a ポスト対応レール部分(固定部材)
3b 直線状の延びる直線レール部分(レール)
4 枠部材
5 天レール
6 横桟
41 下枠
42 上枠
43 縦枠(ポスト部材、3WAYポスト)
43c 回動中心
51 第1脚部
52 第2脚部
53 基部
55 切り欠き部
56 当接部(対向部)
58 アジャスター
100 間仕切機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21