(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137664
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】気体弁蓋および其れを応用する基板キャリア
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240927BHJP
F16K 27/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L21/68 T
F16K27/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023203348
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】63/454,173
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】沈 恩年
(72)【発明者】
【氏名】荘 家和
(72)【発明者】
【氏名】李 國華
(72)【発明者】
【氏名】呂 俊明
【テーマコード(参考)】
3H051
5F131
【Fターム(参考)】
3H051BB10
3H051CC14
3H051FF15
5F131AA02
5F131CA09
5F131GA14
5F131GA62
5F131GA63
5F131GA92
5F131JA04
5F131JA16
5F131JA23
5F131JA24
5F131JA27
5F131KA03
5F131KA05
(57)【要約】
【課題】気体弁蓋および其れを応用する基板キャリアを提供する。
【解決手段】基板キャリアは、ハウジングと、前記ハウジングの底部に配置されるベースと、を含む。底部は、気体弁を収容できる。ベースには、気体開口が設置される。気体弁蓋は、気体弁蓋本体と、複数の弾性バックルアームと、を含む。気体弁蓋本体は、ベース上に設置される。弾性バックルアームは、気体弁蓋本体上に設置される。弾性バックルアームは、気体開口の場所に位置する。それによって、気体弁をハウジングの底部とベースとの間に固定する。その中で、気体弁蓋の上面は、ベースの表面高さと気体弁の表面高さより低い。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板キャリアに適用される、気体弁蓋であって、
前記基板キャリアは、ハウジングと、前記ハウジングの底部に配置されるベースと、を含み、前記底部は気体弁を収容でき、前記ベースには気体開口が設置され、前記気体弁蓋は、気体蓋本体と、複数個の弾性バックルアームを含み、
前記気体弁蓋本体は、前記ベース上に設置され、
前記複数個の弾性バックルアームは、前記気体弁蓋本体上に設置され、前記複数の弾性バックルアームは、前記気体開口の場所に位置し、それによって、前記気体弁を前記ハウジングの前記底部と前記ベースとの間に固定することと、
その中で、前記気体弁蓋の上面は、前記ベースの表面高さと前記気体弁の表面高さより低いことと、を特徴とする、気体弁蓋。
【請求項2】
その中で、前記気体弁蓋の前記上面は、前記ベースの表面高さと前記気体弁の表面高さより低く、その差は、1mmより大きいこと、を特徴とする請求項1に記載の気体弁蓋。
【請求項3】
その中で、前記複数の弾性バックルアームと、前記気体弁蓋本体と、の間に、スナップ弾性角度を有し、前記スナップ弾性角度は、0~90度の範囲であること、を特徴とする請求項1に記載の気体弁蓋。
【請求項4】
その中で、前記気体弁蓋本体は、中空リングであり、前記複数の弾性バックルアームの一側は、前記中空リングの外側に接続され、並びに、前記気体弁に当接するために用いられ、前記弾性バックルアームの他側は前記気体開口から該ベースに向かう側部に当接することで、前記弾性バックルアームの一部分が前記ベース上に位置し、前記弾性バックルアームは前記気体開口の場所に取り外し可能なように設置されること、を特徴とする請求項1に記載の気体弁蓋。
【請求項5】
その中で、それぞれの前記弾性バックルアームはフック部を有し、前記気体弁にはストッパ部が設けられ、前記フック部は前記気体開口に向けられて前記ベースの前記側部上に係止され、前記複数の弾性バックルアームと前記中空リングの外側との相互接続位置は前記ストッパ部に当接するために用いられること、を特徴とする請求項4に記載の気体弁蓋。
【請求項6】
その中で、前記ベースは前記気体開口の側縁から外向きに凹部が延伸し、前記フックは前記凹部を介して前記ベース上に係止され、且つ前記フック部と前記ベースとの重なり合う箇所は、0.8mm~1.5mmのフック範囲を有すること、を特徴とする請求項5に記載の気体弁蓋。
【請求項7】
前記中空リングの内径幅は、前記気体弁の前記ストッパ部を支持するのに十分であり、前記中空リングの前記内径幅は直径25mm~26.5mmであり、前記中空リングの外径幅は直径25.1mm~28.5mmであること、を特徴とする請求項4に記載の気体弁蓋。
【請求項8】
前記気体弁蓋本体に被覆部が設けられ、前記被覆部は前記弾性バックルアームの下方に位置し、且つ前記気体開口から離れており、前記被覆部は前記気体弁の一部分を被覆するために用いられること、を特徴とする請求項1に記載の気体弁蓋。
【請求項9】
前記弾性バックルアームの一側は前記ベースから前記気体開口に向かって延伸して形成され、前記複数の弾性バックルアームの他側は前記気体弁蓋本体に接続され、前記気体弁蓋本体は前記気体弁に当接するために用いられること、を特徴とする請求項1に記載の気体弁蓋。
【請求項10】
基板キャリアであって、ハウジングと、ベースと、請求項1に記載の気体弁蓋を含み、
前記ハウジングは、底部を有し、前記底部は気体弁を収容するために用いられ、
前記ベースは、前記ハウジングの前記底部に配置され、前記ベースに気体開口が設けられ、前記気体開口は前記気体弁の一部分を収容するために用いられ、且つ前記気体弁の表面高さは前記ベースの表面高さ以下であり、 前記気体弁蓋は、前記ハウジングの前記底部と前記ベースとの間に設けられ、前記気体弁を固定し、並びに前記気体弁が前記気体開口の外へ落下することを防止すること、を特徴とする基板キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体弁蓋及び其れを応用する基板キャリアに関し、特に、半導体分野にお応用される迅速な分解及び組立が可能な気体弁の気体弁蓋及びそれを用いた基板キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴い、半導体プロセスも絶えず改善されており、特にスレッドの微細化に伴い、半導体素子はより小さく、より高い論理密度の方向へと発展している。このため、半導体素子に存在する欠陥又はその上に付着した粒子は、いずれも歩留まりに顕著な影響を与える。
【0003】
半導体製造工程において、搬送中に部品の清浄度を確保すると同時に部品の損傷を回避するために、業界では例えばフロントオープンウェハーキャリア(Front Opening Unified Pod, FOUP)などの半導体キャリアを開発し,同じキャリア内で複数の半導体部品をバッチで搬送することができ、効率を向上させている。キャリアの扉が開いた後に外部汚染物質がキャリアに入るため、如何にしてキャリア内部の清浄度を維持するかは、非常に重要な課題である。
【0004】
従来の技術において、キャリアに数量が異なるガスバルブを設置し、且つ一定の流量の気体を通過させることにより、キャリア内の気体置換率を維持し、それによりキャリア内の微粒子数を低減させることが知られている。エアバルブの周囲に弾性ゴムが設置され、それは弾性ゴムとハウジングの吸排気孔との干渉によってハウジングに取り付けられる。 しかしながら、このような取り付け方式は、外力の衝突要因又は機械上で空気充填操作を行う時に、気体弁が緩んで脱落する状況が発生しやすく、それにより正確に空気充填を行うことができない。
【0005】
従って、如何にして気体弁が半導体キャリアから脱落することを防止するかは、関連業界にとって早急に解決されるべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに鑑み、本発明は、気体弁蓋および其れを応用する基板キャリアを提供する。気体弁蓋および其れを応用する基板キャリアは、気体弁蓋本体および複数の弾性バックルアームを含み、弾性バックルアームは基板キャリアのベースの気体開口の場所の位置し、それにより気体弁をハウジングの底部とベースとの間に固定し、気体弁を良好に固定することで、給気操作時に気体弁が脱落することがなく、円滑に操作することができる。また、気体弁の分解、組立が容易であり、半導体製造工程の効率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、気体弁蓋を提供し、基板キャリアに適用され、基板キャリアは、ハウジングと、ハウジングの底部に配置されるベースと、を含む。底部は、気体弁を収容できる。ベースには、気体開口が設置される。気体弁蓋は、気体弁蓋本体と、複数個の弾性バックルアームを含む。気体弁蓋本体は、前記ベース上に設置される。複数個の弾性バックルアームは、気体弁蓋本体上に設置され、複数の弾性バックルアームは、気体開口の場所に位置し、それによって、気体弁をハウジングの底部とベースとの間に固定する。その中で、気体弁蓋の上面は、ベースの表面高さと気体弁の表面高さより低い。
【0008】
一実施例において、前記気体弁蓋の前記上面は、前記ベースの表面高さと前記気体弁の表面高さより低く、その差は、1mmより大きい。
【0009】
一実施例において、複数の弾性バックルアームと、気体弁蓋本体と、の間に、スナップ弾性角度を有し、スナップ弾性角度は、0~90度の範囲である。
【0010】
一実施例において、気体弁蓋本体は、中空リングであり、弾性バックルアームの一側は、中空リングの外側に接続され、並びに、気体弁に当接するために用いられ、弾性バックルアームの他側は気体開口からベースに向かう側部に当接することで、弾性バックルアームの一部分がベース上に位置し、弾性バックルアームは気体開口の場所に取り外し可能なように設置される。
【0011】
一実施例において、それぞれの弾性バックルアームはフック部を有し、気体弁にはストッパ部が設けられ、フック部は気体開口に向けられて前記ベースの側部上に係止され、複数の弾性バックルアームと中空リングの外側との相互接続位置はストッパ部に当接するために用いられる。
【0012】
一実施例において、ベースは気体開口の側縁から外向きに凹部が延伸し、フックは凹部を介してベース上に係止され、且つフック部とベースとの重なり合う箇所は、0.8mm~1.5mmのフック範囲を有する。
【0013】
一実施例において、中空リングの内径幅は、気体弁のストッパ部を支持するのに十分であり、中空リングの内径幅は直径25mm~26.5mmであり、中空リングの外径幅は直径25.1mm~28.5mmである。
【0014】
一実施例において、気体弁蓋本体に被覆部が設けられ、被覆部は弾性バックルアームの下方に位置し、且つ前記気体開口から離れており、被覆部は気体弁の一部分を被覆する。
【0015】
一実施例において、弾性バックルアームの一側はベースから気体開口に向かって延伸して形成され、弾性バックルアームの他側は気体弁蓋本体に接続され、気体弁蓋本体は気体弁に当接するために用いられる。
【0016】
本発明の別の態様によれば、基板キャリアを提供する。前記基板キャリアは、ハウジングと、ベースと、及び前記気体弁蓋を含み、ハウジングは底部を有し、気体弁を収容するために用いられ、ベースはハウジングの底部に配置され、ベースに気体開口が設置され、気体開口は気体弁の一部分を収容するために用いられ、且つ気体弁の表面の高さはベースの表面高さ以下であり、気体弁蓋はハウジングの底部とベースとの間に設置され、気体弁を固定し且つ気体弁が気体開口から脱落することを防止するために用いられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の気体弁蓋および其れを応用する基板キャリアは、弾性バックルアームを利用して気体弁本体をベースと底面との間に固定し、給気操作時に、更には基板キャリアが移動する過程で、気体弁が脱落する状況を回避することができ、基板キャリアが正確に給気操作を行うことができ、また取り外し可能な弾性バックルアームは気体弁交換の利便性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の上記及び他の特徴、利点及び実施例をより明確にするために、添付の図面の説明は以下のとおりである。
【
図1】本発明の一実施例に係る基板キャリアを示す斜視図である。
【
図3】気体弁蓋、ハウジング及びベースの部分断面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る気体弁蓋を示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る気体弁蓋を示す側面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る気体弁蓋を示す平面図である。
【
図7】本発明の他の実施例に係る気体弁蓋、ハウジング及びベースの部分断面図である。
【
図8】本発明のさらに他の実施例に係る気体弁蓋、ハウジング及びベースの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本特許発明は、2023年3月23日にアメリカ合衆国において出願された「Quick Release Purge Valve Cover and Semiconductor Container Using The Same」という名称の
【特許文献1】米国仮特許出願第63/454,173号の国際優先権を主張するものであり、その内容は引用により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【実施例0020】
本発明の実施例の気体弁蓋および其れを応用する基板キャリアであって、気体弁蓋本体及び複数の弾性バックルアームを含み、弾性バックルアームは基板キャリアのベースの気体開口に位置し、それにより気体弁をベースとハウジングの底部との間に固定し、気体弁蓋の上面はベースの表面高さと気体弁の表面高さより低い。気体弁蓋は気体弁を良好に固定することができ、気体弁が脱落する状況を発生させず、給気操作をスムーズに行うことができ、半導体製造工程の効率を向上させる。
【0021】
図1ないし
図3を参照されたい。
図1は、本発明の一実施例に係る基板キャリアを示す斜視図であり、
図2は、
図1の基板キャリアの分解図であり、
図3は、気体弁蓋、ハウジング及びベースの部分断面図である。本実施例の基板キャリア100は、ハウジング110と、ベース130と、気体弁蓋150と、を含む。ハウジング110は底部111を有し、気体弁170を収容することに用いられ、ベース130はハウジング110の底部111に配置され、ベース130に気体開口130aが設置され、気体開口130aは気体弁170の一部分を収容することに用いられ、且つ気体弁170の表面高さ176はベース130の表面高さ136以下である。気体弁蓋150は、気体弁蓋本体151及び複数の弾性バックルアーム153を含む。弾性バックルアーム153は、気体弁蓋本体151に設置され、且つ気体開口130aに位置し、それにより気体弁170をベース130とハウジング110の底部111との間に固定する。
【0022】
図2に示すように、本実施例は、四つの気体弁蓋150及び四つの気体開口130aを以って例とし、そのうち一部分の気体開口130aは気体をハウジング110に入れること(即ち吸気であり、具体的には気体をハウジング110内の複数の基板を収容するための収容空間に入れること)に用いられる。
他方の気体開口130aは、気体をハウジング110から排出すること(即ち排気であり、具体的には収容空間からガスを排出する)に用いられる。本実施例では、2つの気体開口130aが吸気に用いられ、他の2つの気体開口130aが排気に用いられる。実際の応用においては、吸気及び排気の気体開口130aの数量は、給気の需要に応じて調整することができ、気体弁蓋150の数量も対応して調整することができる。
【0023】
図3ないし
図6を参照されたい。
図4は、本発明の一実施例に係る気体弁蓋を示す斜視図であり、
図5は、本発明の一実施例に係る気体弁蓋を示す側面図であり、
図6は、本発明の一実施例に係る気体弁蓋を示す平面図である。本実施例において、気体弁蓋150の気体弁蓋本体151は、中空リング1511であり、弾性バックルアーム153の一側は、中空リング1511の外側に接続され、並びに、気体弁170に当接するために用いられ、弾性バックルアーム153の他側は気体開口130aからベース130に向かう側部131に当接することで、弾性バックルアーム153の一部分がベース130上に位置し、弾性バックルアーム153は気体開口130aの場所に取り外し可能なように設置される。弾性バックルアーム153は、中空リング1511の半径方向rに外向きに延在し、ベース130の開口130aに取り外し可能なように係合する。一実施例において、弾性バックルアーム153は例えばU字形フックであり、一側は中空リング1511に接続され、他側はベース130と弾性的に係合することに用いられる。弾性バックルアーム153と気体弁蓋本体151との間にスナップ弾性角度Aを有し、このスナップ弾性角度Aの角度は、0度~90度の範囲である。スナップ弾性角度Aの角度が小さければ小さいほど、弾性バックルアーム153の弾性ストロークが短くなり、その構造剛性が大きくなり、より安定した係合力を提供する。これに対して、スナップ弾性角度Aの角度が大きければ大きいほど、弾性バックルアーム153の弾性ストロークが長くなり、その構造が弾性を有し、より容易に取り外すことができる。実際の応用では、弾性バックルアーム153の材質又は空気充填操作に必要な気流の大きさに応じて、異なるスナップ弾性角度Aの弾性バックルアーム153を選択することができ、それにより係合力と取り外しの難易度との間でトレードオフを行う。
【0024】
また、本実施例において一対の弾性バックルアーム153を例とし、且つこの一対の弾性バックルアーム153は反対の半径方向rに位置し、つまり二つの弾性バックルアーム153の間は180度の角度である。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性バックルアーム153の数は3つ以上であってもよい。弾性バックルアーム153の数が3つである場合、2つ同士の間は例えば120度の角度であってもよい。弾性バックルアーム153の数が4つである場合、隣接する弾性バックルアーム153の間は例えば90度の角度であってもよい。前記異なる数量の弾性バックルアーム153はいずれも中空リング1511上に等間隔で分布することを例として説明したが、弾性バックルアーム153は中空リング1511に非等間隔で分布してもよく、実際の機構設計のニーズに応じて決定される。
【0025】
それぞれの弾性バックルアーム153はフック部1533を有し、気体弁170にはストッパ部171が設けられ、フック部1533は気体開口130aに向けられてベース130の側部131上に係止され、複数の弾性バックルアーム153と中空リング1511の外側との相互接続位置はストッパ部171に当接するために用いられる。このようにして、気体弁蓋150は気体弁170を固定する。弾性バックルアーム153と中空リング1511との相互接続位置は気体弁170のストッパ部171に当接することに用いられるため、中空リング1511のサイズは気体弁170を固定する効果と密接に関連し、給気操作にも影響を与える。一実施例において、中空リング1511の内径D0は、それが当接するストッパ部171よりもわずかに小さく、気体弁170の気体弁軟質ゴム177に近い(気体弁軟質ゴムの詳細は後述する)。中空リング1511の内径D0のサイズが小さければ小さいほど、気体弁170が脱落しにくい。内径D0が大きければ大きいほど、気体弁軟質ゴム177との干渉を回避することができる。実際の応用において、そのサイズは外部気体ノズルの寸法に応じて調整することができる。一実施例において、中空リング1511の内径D0は、約25.0mm?約26.5mmの直径を有し、これは、良好な固定効果を提供することができ、外部気体ノズルがドッキングする給気範囲に適合することができる。さらに、一実施例において、中空リング1511の外径D1は、直径約25.1mm?約28.5mmの幅を有する。
【0026】
図3に示すように、本実施例の気体弁170にさらに気体弁軟質ゴム177が設置される。気体弁軟質ゴム177は外部気体ノズルを気密に当接させることに用いられ、気体弁170の一側に配置され、且つ気体開口130aに位置する。気体弁蓋150の上面156は、ベース130の表面高さ136と気体弁170の表面高さ176より低い。さらに、気体弁蓋150の頂面156はベース130の表面高さ136と気体弁170の表面高さ176より低く、その差は1.0mmより大きく、それにより緩衝安全値を達成し、機器本体に給気をする時に安定効果を有する。外部気体ノズルが気体弁軟質ゴム177に当接し且つ給気操作を行う時、気体弁蓋150はそれと干渉せず、気密性及び給気操作の実行に影響を与えることを回避する。
【0027】
別の態様では、
図2及び
図3に示すとおり、ベース130は気体開口130aの側縁から外向きに凹部130bが延在し、弾性バックルアーム153のフック部1533は凹部130bを介してベース130に係合され、且つフック部1533とベース130との重なり合う箇所は0.8mm~1.5mmのフック範囲Cを有し、それにより弾性バックルアーム153はベース130に良好に係合することができ、同時に使用者の分解を容易にし、良好なアセンブリ分解関係を達成する。
【0028】
ハウジング110の底部111に収容部115が設けられ、ハウジング110は収容部115を介して気体弁170を収容する。気体弁170は、逆止弁であってもよく、その周りに弾性グロメット175を有してもよい。気体弁170が収容部115に収容されると、弾性グロメット175が収容部115に密着して気密状態となり、気体弁170の中央の気流通路170aのみからハウジング110内に気体が流入したり流出したりして、漏洩が発生することが防止される。
【0029】
上記本発明の一実施例に係る気体弁蓋150は、弾性バックルアーム153を利用して、ベース130の気体開口130aに設置され、それにより気体弁170を、ベース130とハウジング110の底面111との間に固定し、給気操作を行う時、又は基板キャリア100が移動する過程において、気体弁170が脱落する状況を回避することができ、基板キャリア100が給気操作を正確に行うことができる。さらに、取り外し可能な弾性バックルアーム153はまた、気体弁170の交換を容易にする。
【0030】
図7を参照されたい。
図7は、本発明の他の実施例に係る気体弁蓋、ハウジング及びベースの部分断面図である。気体弁蓋250は、気体弁蓋本体251と、複数の弾性バックルアーム253と、を含む。気体弁蓋本体251は、ベース230上に設置される。弾性バックルアーム253は気体弁蓋本体251上に設置され、弾性バックルアーム253はベース230の気体開口230aに設置され、それにより気体弁270をハウジング210の底部211とベース230との間に固定する。気体弁蓋250の上面256は、ベース230の表面高さ236と気体弁270の表面高さ276より低い。
【0031】
本実施例の気体弁蓋本体251には被覆部255が設けられ、被覆部255は弾性バックルアーム253の下方に位置し、且つ気体開口230aから離れており、被覆部255は気体弁270の一部分を被覆する。また、本実施例の弾性バックルアーム253は、前記
図1~
図6の実施例に係る弾性バックルアーム153と例えば同じ構造を有することができ、その詳細な技術的特徴はここでは説明を省略する。
【0032】
上記本発明の一実施例に係る気体弁蓋250は、弾性バックルアーム253が気体弁蓋本体251に設置され、弾性バックルアーム253が気体開口230aに設置され、それにより気体弁270をベース230とハウジング210の底面211との間に固定し、気体弁270が脱落する状況を回避することができ、給気操作を正確に行うことができ、且つ気体弁270を交換する利便性を向上させる。
【0033】
図8を参照されたい。
図8は、本発明のさらに他の実施例に係る気体弁蓋、ハウジング及びベースの部分断面図である。気体弁蓋350は、気体弁蓋本体351と、複数の弾性バックルアーム353とを含む。弾性バックルアーム353は気体弁蓋本体351上に設置され、弾性バックルアーム353はベース330の気体開口330aに設置され、それにより気体弁370をハウジング310の底部311とベース330との間に固定する。気体弁蓋350の上面356は、ベース330の表面高さ336と気体弁370の表面高さ376より低い。
【0034】
本実施例において、弾性バックルアーム353の一側はベース330から気体開口330aに向かって延伸して形成され、弾性バックルアーム353の他側は気体弁蓋本体351に接続され、気体弁蓋本体351は気体弁370に当接するために用いられる。つまりベース330の気体開口330aに向かう側部は、弾性バックルアーム353、気体弁蓋本体351と一体成形されている。弾性バックルアームはスナップ弾性角度A(
図5及び対応する構造機能の説明を参照されたい)を提供し、気体弁蓋本体351の一端は弾性バックルアーム353に接続され、他端は気体弁370のストッパ部(
図3における気体弁170のストッパ部171を参照されたい)に当接することに用いられる。気体弁蓋本体351が実体のない中空リング構造設計であっても、同じ技術的手段及び効果を保持し、同じ技術的目的を達成する。また、本実施例の弾性バックルアーム353は、前記
図1~
図6の実施例に係る弾性バックルアーム153と例えば同じ構造を有することができ、その詳細な技術的特徴はここでは説明を省略する。
【0035】
上記本発明の一実施例に係る気体弁蓋350であって、弾性バックルアーム353は気体開口330aに設置され、それにより気体弁370を固定し、気体弁370が脱落する状況の発生を回避することができ、給気操作を正確に行うことができ、且つ気体弁アセンブリ370の交換の利便性を向上させる。
【0036】
以上のように、本発明の実施例の気体弁蓋および其れを応用する基板キャリアであって、気体弁蓋は気体弁本体及び弾性バックルアームを含み、気体弁蓋は独立した要素であり又はベースの一部として結合され、弾性バックルアームによって気体開口に設置され、気体弁をベースとハウジングの底部との間に固定することに用いられ、気体弁が気体開口から脱落する状況を回避することができる。さらに、気体弁蓋の上面は、ベースの表面高さおよび気体弁の表面高さよりも低く、これにより、給気作業を正確に行うことができる。さらに、弾性バックルアームを気体弁蓋本体に設置することにより、気体弁蓋を迅速に取り外すことができ、気体弁交換の利便性を向上させることに有利である。
【0037】
本発明は複数の実施例によって以上のように開示されているが、それらは本発明を限定するものではない。属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができ、従って本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲に規定されたものを基準とする。