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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137696
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/147 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01J37/147 C
H01L21/30 541W
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024000996
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】P 2023046062
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 裕子
【テーマコード(参考)】
5C101
5F056
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101AA07
5C101AA27
5C101EE03
5C101EE23
5C101EE65
5C101EE68
5F056AA07
5F056CB05
5F056EA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気的接続が容易な半導体装置を提供する。
【解決手段】第1基板面と、第1基板面の反対側に設けられた第2基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過する複数の第1貫通孔と、を有する第1チップと、第1チップの上に設けられ、第2基板面に対向する第3基板面と、第4基板面と、第1貫通孔の上に設けられた複数の第2貫通孔と、を有する第2チップと、第1基板面上に、複数の第1貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第1電極と、複数の第2電極と、第4基板面上に、複数の第2貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第3電極と、複数の第4電極と、を備え、第1、第3電極は荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極であり、第2、第4電極は上記以外の追加電極パターンであり、第1、第2電極からなるパターンと、第3、第4電極からなる電極パターンとは、2つのチップの対向基板面に対して対称ではない、半導体装置である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板面と、前記第1基板面の反対側に設けられた第2基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過する複数の第1貫通孔と、を有する第1チップと、
前記第1チップの上に設けられ、前記第2基板面に対向する第3基板面と、第4基板面と、前記複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過しそれぞれ前記複数の第1貫通孔の上に設けられた複数の第2貫通孔と、を有する第2チップと、
前記第1基板面上に、前記複数の第1貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第1電極と、
前記第1基板面上に設けられた、複数の第2電極と、
前記第4基板面上に、前記複数の第2貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第3電極と、
前記第4基板面上に設けられた、複数の第4電極と、
を備え、
前記第1電極および前記第3電極は前記荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極であり、
前記第2電極および前記第4電極は前記荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極以外の追加電極パターンであり、
前記第1基板面上の前記第1電極と前記第2電極からなる電極パターンが、前記第4基板面上の前記第3電極と前記第4電極からなる電極パターンと、前記2つのチップの対向基板面に対して対称ではない、
半導体装置。
【請求項2】
前記第1基板面上に設けられた前記複数の第2電極は前記複数の第1電極と電気的に接続された複数の第1パッドであり、
前記第4基板面上に設けられた前記複数の第4電極は前記複数の第3電極と電気的に接続された複数の第2パッドであり、
前記第1パッドと前記第2パッドは、前記第2チップ上面から見て重ならないように配置されており、
前記第1チップと前記第2チップは支持体に保持され、
前記複数の第1パッドと前記複数の第2パッドは、前記支持体に設けられたパッドと接続されている、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の第1パッド及び前記複数の第2パッドは、前記支持体に設けられたパッドと、複数のワイヤを用いて電気的に接続されている、
請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記第1基板面に対向する第1面に設けられたパッドを有しており、
前記複数の第1パッドと複数のバンプを介して電気的に接続されている、
請求項2記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1チップは、
前記第1チップを貫通する複数のビアと、
前記第1電極と、前記複数のビアを介して電気的に接続され、前記第2基板面に設けられた複数の第3のパッドと、
を有し、
前記複数の第2のパッドと前記複数の第3のパッドは、前記支持体に設けられたパッド
と、複数のワイヤを用いて電気的に接続されている、
請求項2記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1チップは矩形形状を有し、
前記第2チップは矩形形状を有し、
前記複数の第1パッドは、前記第1基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられ、
前記複数の第2パッドは、前記第4基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられた、
請求項2記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1チップは矩形形状を有し、
前記第2チップは矩形形状を有し、
前記複数の第1パッドは、前記第1基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられ、
前記複数の第2パッドは、前記第4基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられた、
請求項3記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1チップは矩形形状を有し、
前記第2チップは矩形形状を有し、
前記複数の第1パッドは、前記第1基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられ、
前記複数の第2パッドは、前記第4基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられた、
請求項4記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1チップは矩形形状を有し、
前記第2チップは矩形形状を有し、
前記複数の第3パッドは、前記第2基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられ、
前記複数の第2パッドは、前記第4基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられた、
請求項5記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第2電極は、前記複数の第1電極の偏向電極と前記複数の第1貫通孔の少なくとも一部を囲むように配置され、
前記第3電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第4電極は、前記複数の第3電極の偏向電極と前記複数の第2貫通孔の少なくとも一部を囲むように配置されている、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第2チップ上方から見て、
前記複数の第1電極のグラウンド電極と、前記複数の第2電極からなるパターン、または、前記複数の第3電極のグラウンド電極と、前記複数の第4電極からなるパターンのいずれかが、前記複数の第1電極の偏向電極、前記第3電極の偏向電極、前記複数の第1貫通孔、及び前記複数の第2貫通孔を囲んでいる、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第2電極は、前記複数の第1電極のグラウンド電極と接続し、
前記複数の第4電極は、前記複数の第3電極のグラウンド電極と接続する、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第1貫通孔と前記複数の第2貫通孔は上下対応する位置にあり、
前記第4基板上に設けられた前記複数の第3電極のグラウンド電極と前記複数の第4電極からなるパターンは、第2チップ上面から見て、前記第1基板上に設けられた前記複数の第1電極のグラウンド電極と前記複数の第2電極からなるパターンを、前記第4基板面に平行な面内で180度回転させた形状を有する、
請求項10記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第1貫通孔と前記複数の第2貫通孔は上下対応する位置にあり、
前記第4基板上に設けられた前記複数の第3電極のグラウンド電極と前記複数の第4電極からなるパターンは、第2チップ上面から見て、前記第1基板上に設けられた前記複数の第1電極のグラウンド電極と前記複数の第2電極からなるパターンを、前記第4基板面に平行な面内で180度回転させた形状を有する、
請求項11記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第1貫通孔と前記複数の第2貫通孔は上下対応する位置にあり、
前記第4基板上に設けられた前記複数の第3電極のグラウンド電極と前記複数の第4電極からなるパターンは、第2チップ上面から見て、前記第1基板上に設けられた前記複数の第1電極のグラウンド電極と前記複数の第2電極からなるパターンを、前記第4基板面に平行な面内で180度回転させた形状を有する、
請求項12記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第2基板面と前記第3基板面は互いに接している、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項17】
前記複数の荷電粒子ビームの軌跡を制御する、
請求項1記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子ビーム装置、特に電子ビームを用いた装置は、リソグラフィーにおけるマスクやウェハの描画装置として使用されている。
【0003】
また、荷電粒子ビーム装置は、走査型電子顕微鏡、He(ヘリウム)イオン顕微鏡等の、物質の表面形状を観察する顕微鏡としても使用されている。さらに、荷電粒子ビーム装置のかかる顕微鏡機能を利用して、半導体ウェハ製品、半導体に使用するマスク、液晶ディスプレイ等に発生した欠陥を観察する欠陥検査装置としても使用されている。
【0004】
また、最近、速度の向上のために、複数のビームを使用することが可能な、マルチビーム装置も使用されるようになっている。かかるマルチビーム装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを、成形アパーチャを通過させることによりマルチビームを形成し、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小され、マスク像が縮小されて、偏向器で偏向され試料上の所望の位置へと照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-252198号公報
【特許文献2】特許第5675249号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】H.Yasuda et.al.:Jpn.J.Appl.Phys.32(1993)6012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、電気的接続が容易な半導体装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の半導体装置は、第1基板面と、第1基板面の反対側に設けられた第2基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過する複数の第1貫通孔と、を有する第1チップと、第1チップの上に設けられ、第2基板面に対向する第3基板面と、第4基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過しそれぞれ複数の第1貫通孔の上に設けられた複数の第2貫通孔と、を有する第2チップと、第1基板面上に、複数の第1貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第1電極と、第1基板面上に設けられた、複数の第2電極と、第4基板面上に、複数の第2貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第3電極と、第4基板面上に設けられた、複数の第4電極と、を備え、第1電極および第3電極は荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極であり、第2電極および第4電極は荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極以外の追加電極パターンであり、第1基板面上の第1電極と第2電極からなる電極パターンが、第4基板面上の第3電極と第4電極からなる電極パターンと、2つのチップの対向基板面に対して対称ではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の電子ビーム描画装置の模式断面図である。
図2】第1実施形態のブランキングアパーチャアレイの原理を示す模式図である。
図3】第1実施形態の第1態様の半導体装置の模式図である。
図4】第1実施形態の第2態様の半導体装置の模式図である。
図5】第1実施形態の第3態様の半導体装置の模式図である。
図6】第1実施形態の比較形態となる半導体装置の模式図である。
図7】第1実施形態の比較形態となる半導体装置の模式平面図である。
図8】第1実施形態の半導体装置の模式平面図である。
図9】第1実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図10】第1実施形態の半導体装置の要部の模式平面図である。
図11】第2実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図12】第3実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図13】第4実施形態の比較形態となる半導体装置の要部の模式図である。
図14】第4実施形態の比較形態となる半導体装置の要部の模式図である。
図15】第4実施形態の半導体装置の模式図である。
図16】第4実施形態の半導体装置の模式図である。
図17】第4実施形態の半導体装置の模式図である。
図18】第4実施形態の半導体装置の模式図である。
図19】第4実施形態の半導体装置の模式図である。
図20】第4実施形態の半導体装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて実施の形態を説明する。尚、図面中、同一又は類似の箇所には、同一又は類似の符号を付している。
【0011】
本明細書中、同一又は類似する部材については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0012】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0013】
(第1実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1基板面と、第1基板面の反対側に設けられた第2基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過する複数の第1貫通孔と、を有する第1チップと、第1チップの上に設けられ、第2基板面に対向する第3基板面と、第4基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過しそれぞれ複数の第1貫通孔の上に設けられた複数の第2貫通孔と、を有する第2チップと、第1基板面上に、複数の第1貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第1電極と、第1基板面上に設けられた、複数の第2電極と、第4基板面上に、複数の第2貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第3電極と、第4基板面上に設けられた、複数の第4電極と、を備え、第1電極および第3電極は荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極であり、第2電極および第4電極は荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極以外の追加電極パターンであり、第1基板面上の第1電極と第2電極からなる電極パターンが、第4基板面上の第3電極と第4電極からなる電極パターンと、2つのチップの対向基板面に対して対称ではない、半導体装置である。本実施形態においては、第2電極、第4電極はパッドである。
【0014】
また、本実施形態の半導体装置は、第1基板面上に設けられ、複数の第1電極と電気的に接続された複数の第1パッドと、第4基板面上に設けられ、複数の第3電極と電気的に接続され、上方から見たときに複数の第1パッドと重ならない複数の第2パッドを備える。また、本実施形態の半導体装置は、複数の第1パッド及び複数の第2パッドと、複数のワイヤを用いて電気的に接続された支持体と、を備える。
【0015】
図1は、本実施形態の電子ビーム描画装置150の模式断面図である。電子ビーム描画装置150は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置又は荷電粒子ビーム描画装置の一例である。
【0016】
本実施形態の半導体装置100は、例えば、電子ビーム描画装置150のブランキングアパーチャアレイ(偏向器)として用いられる。なお、半導体装置100の用途は、これに限定されるものではない。
【0017】
電子ビーム描画装置150は、電子鏡筒102(マルチ電子ビームカラム)と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、成形アパーチャアレイ203、半導体装置100(ブランキングアパーチャアレイ)、縮小レンズ205、制限アパーチャ部材206、対物レンズ207、主偏向器208、及び副偏向器209が配置されている。
【0018】
ここで、X軸と、X軸に垂直に交差するY軸と、X軸及びY軸に垂直に交差するZ軸と、を定義する。電子銃201はZ軸方向と反対の方向に電子ビーム200を放出するものとする。また、試料101は、XY面に平行な面内に配置されているものとする。
【0019】
電子銃201から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202により、ほぼ垂直に成形アパーチャアレイ203を照明する。そして、成形アパーチャアレイ203の開口部を電子ビーム200が通過することにより、マルチビーム111が形成される。マルチビーム111は、電子ビーム109a、109b、109c、109d、109e及び109fを有する。それぞれの電子ビーム109の形状は、成形アパーチャアレイ203の開口部の形状を反映したものであり、例えば矩形形状である。なお、図1において成形アパーチャアレイ203の開口部が6個示されているが、これに限定されるものではない。成形アパーチャアレイ203により形成されるマルチビーム111は、図1においては6本示されている。しかし、形成されるマルチビーム111の本数は、限定されるものではない。一例としては、成形アパーチャアレイ203の開口部は、X方向及びY方向)に方向にそれぞれ512個ずつ、マトリックス状に配置されている。
【0020】
半導体装置100は、成形アパーチャアレイ203の下に設けられている。半導体装置100によって偏向された、図中において点線で示された電子ビーム109は、制限アパーチャ部材206の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ部材206によって遮蔽される。一方、偏向されなかった電子ビーム109は、制限アパーチャ部材206の中心の穴を通過する。これにより、電子ビームのオンオフが制御される。
【0021】
制限アパーチャ部材206を通過した電子ビーム109は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、主偏向器208及び副偏向器209によって一括して偏向される。そして、XYステージ105に載置された試料101上の、それぞれの照射位置に照射される。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用のミラー210が配置されている。
【0022】
図2は、本実施形態のブランキングアパーチャアレイの原理を示す模式図である。一対の電極520a及び520bが、基板500の上に配置されている。例えば、電極520bbには所定の電圧を印加する。所定の電圧は、例えば数ボルトの程度であるが、特に限定されるものではない。また、電極520aは、例えば、接地する。これにより、電極520aと電極520bの間に電界が発生し、貫通孔510を通過する電子は偏向され、偏向電子となる。電圧の印加は、例えば基板500内に設けられたスイッチング素子により行われる。この電圧は、例えば、図示しない基板500の表面に設けられた多層配線を介して、電極520aに印加される。
【0023】
ここで、スイッチング素子としては、例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)素子が用いられる。スイッチング速度を速くするため、CMOS素子に用いられる電圧の低電圧化が進んでいる。このため、電極520aと電極520bの間に印加される電圧の差は低下する。このため、電子の偏向量は小さくなる。これを回避するためには、Z方向の電極の高さを高くすることが好ましい。しかし、電極の高さを高くする場合、電極形成が困難となるという問題があった。
【0024】
1枚のチップの中に、高い電極を形成する代わりに、半分の高さの電極を2枚に分けて作製し、2枚のチップを上下に配置することで、電極形成を容易にし、かつ、十分な荷電粒子ビーム偏向量を得ることができる。
図3は、本実施形態の第1態様の半導体装置1000の模式図である。半導体装置1000は、支持部532及び支持部534を有する支持体530を用いて、LSIチップ540及びLSIチップ550を支持している。半導体装置1000によれば、LSIチップ540に形成された図示しない電極と、LSIチップ550に形成された図示しない電極と、をZ方向に並べることによって、Z方向の電極の高さを高くしている。
【0025】
図4は、本実施形態の第2態様の半導体装置1100の模式図である。LSIチップ560とLSIチップ570を接合することにより、Z方向の電極の高さを高くしている。
【0026】
図5は、本実施形態の第3態様の半導体装置1200の模式図である。半導体装置1200は、LSIチップ580と、LSIチップ590と、を有する。LSIチップ580は、シリコン基板584と、電極582と、貫通孔586と、を有する。LSIチップ590は、シリコン基板594と、電極592と、貫通孔596と、を有する。貫通孔586は、貫通孔596の上に配置されている。シリコン基板584とシリコン基板594は、それぞれ薄膜化された上で、シリコン-シリコン結合されている。作成難易度の低い、高さの低い電極582と電極592をZ方向に並べている。これにより、実質的に高さが2倍となる、高さの高い電極を、容易に形成することができる。
【0027】
図5のように形成した半導体チップを実装することを考える。図6及び図7は、本実施形態の比較形態となる半導体装置1300の模式図である。図6は、本実施形態の比較形態となる半導体装置1300の模式断面図である。図7(a)は、本実施形態の比較形態となる半導体装置1300のLSIチップ604の模式上面図である。図7(b)は、本実施形態の比較形態となる半導体装置1300のLSIチップ602の模式下面図である。
【0028】
図6に示すように、半導体装置1300は、LSIチップ602と、LSIチップ604と、支持体620と、を有する。LSIチップ604の上面604bには、パッド636及びパッド638が設けられている。パッド636は、ワイヤ644により、支持体620に設けられたパッド646に接続されている。パッド638は、ワイヤ642により、支持体620に設けられたパッド640に接続されている。一方、LSIチップ602の下面602aには、パッド632及びパッド634が設けられている。ここで、パッド636とパッド632は、上(Z方向)から見て同じ位置に設けられているものとする。また、パッド638とパッド634は、上(Z方向)から見て同じ位置に設けられているものとする。また、パッドは、例えばボンディングパッドである。また、ワイヤは、例えばボンディングワイヤである。
【0029】
LSIチップ602は、複数の第1貫通孔650を有する。複数の第1電極651aは、複数の第1貫通孔650と隣接して、LSIチップ602の下面602aに、それぞれ設けられている。複数の第1電極651aは、例えば、図示しない、LSIチップ602内に設けられた多層配線により、パッド632に接続されている。複数の第1電極651aには、例えば、数ボルト程度の所定の電圧が印加される。複数の第2電極651bは、複数の第1貫通孔650と隣接して、LSIチップ602の下面602aに、例えばそれぞれ第1電極651aと対向して設けられている。複数の第2電極651bは、例えば、図示しない、LSIチップ602内に設けられた多層配線により、パッド634に接続されている。複数の第2電極651bは、例えば、接地されている。
【0030】
LSIチップ604は、複数の第2貫通孔652を有する。複数の第3電極653aは、複数の第2貫通孔652と隣接して、LSIチップ604の上面604bに、それぞれ設けられている。複数の第3電極653aは、例えば、図示しない、LSIチップ604内に設けられた多層配線により、パッド636に接続されている。複数の第3電極653aには、例えば、数ボルト程度の所定の電圧が印加される。複数の第4電極653bは、複数の第2貫通孔652と隣接して、LSIチップ604の上面604bに、例えばそれぞれ第3電極653aと対向して設けられている。複数の第4電極653bは、例えば、図示しない、LSIチップ604内に設けられた多層配線により、パッド638に接続されている。複数の第4電極653bは、例えば、接地されている。
【0031】
ここで、複数の第2貫通孔652は、それぞれ複数の第1貫通孔650の上に設けられている。また、LSIチップ602の上面602bとLSIチップ604の下面604aは、例えば、接している。LSIチップ602の上面602bとLSIチップ604の下面604aは、例えば、接合されている。
【0032】
支持体620は、ワイヤ644及びワイヤ642を介して、LSIチップ602及びLSIチップ604を支持する。支持体620の材料や構造は、特に図6に示したものに限定されるものではない。
【0033】
上(Z方向)から見て同じ位置にLSIチップ602及びLSIチップ604がボンディングパットを備える場合、言い換えると、それぞれのパッドに接続されるワイヤ(ボンディングワイヤ)が重なってしまうという問題があった。このために、チップを実装することができないという問題があった。
【0034】
図8図9及び図10を用いて本実施形態の半導体装置を説明する。
本実施形態の半導体装置は、第1基板面上に設けられ、複数の第1電極と電気的に接続された複数の第1パッド(第2電極の一例)と、第4基板面上に設けられ、複数の第3電極と電気的に接続され、上方から見たときに複数の第1パッドと重ならない複数の第2パッド(第4電極の一例)と、を備える。また、本実施形態の半導体装置は、複数の第1パッド及び複数の第2パッドと、複数のワイヤを用いて電気的に接続された支持体と、を備える。
ここで、第1電極及び第3電極は電子ビームを偏向するための電極、第2電極及び第4電極はパッドである。
【0035】
また、第1チップ2は矩形形状を有している。第2チップ4は矩形形状を有している。複数の第1パッドは、第1基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられている。複数の第2パッドは、第4基板面に平行で第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられている。
【0036】
図8は、本実施形態の半導体装置100の模式平面図である。図9は、本実施形態の半導体装置100の模式断面図である。図10は、本実施形態の半導体装置100の要部の模式平面図である。より詳細に説明すると、図9(a)は、YZ平面に平行な、A-A’断面における、半導体装置100の模式断面図である。図9(b)は、XZ平面に平行な、B-B’断面における、半導体装置100の模式断面図である。図10(a)は、本実施形態の半導体装置100の第2チップ4の第4基板面4bの模式上面図である。図10(b)は、本実施形態の半導体装置100の第1チップ2の第1基板面2aの模式下面図である。
【0037】
半導体装置100は、第1チップ2(例えば図10(b)に図示)と、第2チップ4(例えば図10(a)に図示)と、支持体20(例えば図8)と、を有する。
【0038】
図10(a)、図10(b)及び図9(b)を用いて説明する。第1チップ2は、第1基板面2aと、第2基板面2bと、を有する。第2基板面2bは、第1基板面2aの反対側に設けられている。第1基板面2a及び第2基板面2bは、XY面に平行に設けられている。第1チップの第1基板面2aには、パッド32及びパッド34が設けられている。パッド32は、ワイヤ64により、支持体20に設けられたパッド66に接続されている。パッド34は、ワイヤ62により、支持体20に設けられたパッド60に接続されている。
【0039】
図10(a)、図10(b)及び図9(a)を用いて説明する。第2チップ4は、第1チップ2の上に設けられている。第2チップ4は、第3基板面4aと、第4基板面4bと、を有する。第4基板面4bは、第3基板面4aの反対側に設けられている。第3基板面4a及び第4基板面4bは、XY面に平行に設けられている。第2チップの第4基板面4bには、パッド36及び38が設けられている。パッド36は、ワイヤ44により、支持体20に設けられたパッド46に接続されている。パッド38は、ワイヤ42により、支持体20に設けられたパッド40に接続されている。
【0040】
第1チップ2及び第2チップ4は、例えば、それぞれ、半導体チップである。第1チップ2及び第2チップ4は、例えば、それぞれ、LSIチップである。
【0041】
パッドは、例えば、ボンディングパッドである。また、ワイヤは、例えば、ボンディングワイヤである。
【0042】
第2基板面2bと第3基板面4aは、互いに接している。例えば第1チップ2及び第2チップ4がシリコン基板を用いて形成された半導体チップである場合、第2基板面2bと第3基板面4aは、互いにシリコン-シリコン結合されている。
【0043】
図10(b)を用いて説明する。第1チップ2は、複数の第1貫通孔50を有する。複数の第1a電極51aは、複数の第1貫通孔50と隣接して、第1チップ2の第1基板面2aに、それぞれ設けられている。複数の第1a電極51aは、例えば、図示しない、第1チップ2内に設けられた多層配線により、パッド32に接続されている。複数の第1a電極51aには、例えば、数ボルト程度の所定の電圧が印加される。複数の第1b電極51bは、複数の第1貫通孔50と隣接して、第1チップ2の第1基板面2aに、例えば複数の第1a電極51aとそれぞれ対向して設けられている。複数の第1b電極51bは、例えば、図示しない、第1チップ2内に設けられた多層配線により、パッド34に接続されている。複数の第1b電極51bは、例えば、接地されている。例えば、第1電極は、荷電粒子ビームを偏向させるための、第1電極対である。例えば、第1電極対は、偏向電極(51a)と接地電極(51b)を含む。例えば、第1a電極51aは、偏向電極である。例えば、第1b電極51bは、接地電極である。
【0044】
図10(a)を用いて説明する。第2チップ4は、複数の第2貫通孔52を有する。複数の第3a電極53aは、複数の第2貫通孔52と隣接して、第2チップ4の第4基板面4bに、それぞれ設けられている。複数の第3a電極53aは、例えば、図示しない、第2チップ4内に設けられた多層配線により、パッド36に接続されている。複数の第3a電極53aには、例えば、数ボルト程度の所定の電圧が印加される。複数の第3b電極53bは、複数の第2貫通孔52と隣接して、第2チップ4の第4基板面4bに、例えば複数の第3a電極53aとそれぞれ対向して設けられている。複数の第3b電極53bは、例えば、図示しない、第2チップ4内に設けられた多層配線により、パッド38に接続されている。複数の第3b電極53bは、例えば、接地されている。例えば、第3電極は、荷電粒子ビームを偏向させるための、第2電極対である。例えば、第2電胸対は、偏向電極(53a)と接地電極(53b)を含む。例えば、第3a電極53aは、偏向電極である。例えば、第3b電極53bは、接地電極である。
【0045】
第1チップ2のパッド32及びパッド34は、それぞれ、第1チップ2の、Y方向における端部に並んで設けられている。かかるY方向における端部は、X方向に沿っている。一方、第2チップのパッド36及びパッド38は、それぞれ、第2チップ4の、X方向における端部に並んで設けられている。かかるX方向における端部は、Y方向に沿っている。パッド32は、上から見たときに、パッド36及びパッド38と重ならない。また、パッド34は、上から見たときに、パッド36及びパッド38と重ならない。
【0046】
図9(b)に示すように、複数の第2貫通孔52は、それぞれ複数の第1貫通孔50の上に設けられている。第2貫通孔52と第1貫通孔50はつながっており、連通している。(図8では、第2貫通孔52の下に第1貫通孔50がある。)
【0047】
図9(a)及び図9(b)に示したように、支持体20は、板部22と、凸部24と、を有する。板部22は、第1基板面2aに対向する第1面22aと、第1面22aの反対側に設けられた第2面22bと、を有する。凸部24は、第1面22aの上に、第1チップ2及び第2チップ4を囲むように設けられている。凸部24の上に、パッド40、パッド46、パッド60及びパッド66が設けられている。支持体20は、ワイヤ42、ワイヤ44、ワイヤ62及びワイヤ64を介して、第1チップ2及び第2チップ4を支持する。支持体20の材料や構造は、特に限定されるものではない。
【0048】
第1チップ2は、XY面内に平行な面内において、矩形形状を有していることが好ましい。第2チップ4は、XY面内に平行な面内において、矩形形状を有していることが好ましい。
【0049】
図8では、第3a電極53a、第3b電極53bの下に、第1a電極51a、第1b電極51bがある。
本実施形態の変形例として、例えば、第2チップ4の形状は、第1チップ2の形状をXY面内に90°回転させたものであってもよい。電子ビームの偏向量は√2になるが、準備するチップの種類が1種類になるため、製造工程が容易になるため好ましい。なおこの場合、複数の第3a電極53a、第3b電極53bは、上から見たときに、複数の第1a電極51a、複数の第1b電極51bを、第4基板面4bに平行な面内で90度回転させた形状を有する。
【0050】
本実施形態の半導体装置によれば、図8に示すように、パッド32は、上から見たときに(Z方向において)、パッド36及びパッド38と重ならない。また、パッド34は、上から見たときに、パッド36及びパッド38と重ならない。従って、ワイヤを用いて、第1チップ2及び第2チップ4を支持体20に、容易に電気的接続を行う実装することが可能となる。
【0051】
本実施形態の半導体装置によれば、電気的接続が容易な半導体装置の提供が可能となる。
【0052】
(第2実施形態)
第1実施形態では、チップ1をワイヤボンディングしたが、第2実施形態では、チップ1をフリップボンディングした例を示す。
【0053】
上面図は図8図10と同様で、半導体装置が100ではなく、110となる。B-B’断面(図9(b)記載)が図11に対応し、本実施形態の半導体装置110の断面模式図である。A-A’断面(図9(a)記載)は図9(a)と同様である。ここで、第1実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0054】
図11に示すように、本実施形態の半導体装置では、支持体20は、第1チップ2の第1基板面2aに対向する第1面22aに設けられた複数のパッド31を有している。本実施形態の半導体装置では、複数のバンプ72、74を介して、第1チップ2の第1基板面2aに設けられた複数のパッド32,34と電気的に接続されている。
【0055】
パッド32は、支持体20の第1面22aの上に設けられたパッド31aと、バンプ72を介して接続されている。パッド34は、支持体20の第1面22aの上に設けられたパッド31bと、バンプ74を介して接続されている。第2チップ4は、図9(a)同様、第4基板面にあるパッド36、パッド38と、支持体20の凸部24のパッド46、40とそれぞれ、ワイヤ44、42によりボンディングされている。
【0056】
第1面22aと第1チップ2の間には、封止樹脂70が設けられている。封止樹脂70を用いることにより、さらに安定して第1チップ2及び第2チップ4を保持することが可能である。なお、封止樹脂70は、例えば酸化シリコン粒子や酸化アルミニウム粒子等のフィラーを含んでいてもかまわない。
【0057】
本実施形態の半導体装置によっても、電気的接続が容易な半導体装置の提供が可能となる。
【0058】
(第3実施形態)
第1実施形態では、例えば、図9(b)に示すように、第1チップ2の下面のパッドをワイヤボンディングしたが、本実施形態では、第1チップ2の上面に設けられたパッドと接続して、ワイヤボンディングする例について述べる。
【0059】
平面図は図8図10と同様で、半導体装置が100ではなく、120となる。B-B’断面(図9(b)記載)が図12に対応し、本実施形態の半導体装置120の断面模式図である。A-A’断面(図9(a)記載)は図9(a)と同様である。
【0060】
ここで、第1実施形態及び第2実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0061】
図12に示すように、本実施形態の半導体装置の第1チップ2は、第1基板面2aと反対の第2基板面2b上に複数の第3パッド35が設けられている。第3パッド35は複数のビア80a、80bを介して、第1チップ2を貫通し、複数の第1a電極51a又は複数の第1b電極51bと電気的に接続されている。
【0062】
図12に示すように、支持体20はパッド60、66を有している。
【0063】
第3パッド35aはワイヤ64により支持体上のパッド66、第3パッド35bはワイヤ62により支持体上のパッド60と接続されている。
【0064】
図9(a)に示した、第4基板面4b上に設けられ、複数の第3a電極53a又は複数の第3b電極53bと電気的に接続された複数の第2パッド36、38と第3パッド35は、上方から見たときに重ならない。(図8の34,32が上面に形成されていることに対応する。)
【0065】
図9(a)同様、第4基板面にあるパッド36、パッド38と、支持体凸部のパッド46、40とそれぞれ、ワイヤ44、42によりボンディングされている。
【0066】
第1チップ2がシリコン基板を用いて形成されている場合、ビア80a及びビア80bは、例えば、シリコン貫通電極(through-silicon via)である。
【0067】
本実施形態の半導体装置120によれば、支持体20の上方から、ワイヤ62及びワイヤ64を用いたワイヤボンディングを行うことができる。そのため、実装が容易になる。
【0068】
本実施形態の半導体装置によれば、電気的接続が容易な半導体装置の提供が可能となる。
【0069】
(第4実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1基板面と、第1基板面の反対側に設けられた第2基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過する複数の第1貫通孔と、を有する第1チップと、第1チップの上に設けられ、第2基板面に対向する第3基板面と、第4基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過しそれぞれ複数の第1貫通孔の上に設けられた複数の第2貫通孔と、を有する第2チップと、第1基板面上に、複数の第1貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第1電極と、第1基板面上に設けられた、複数の第2電極と、第4基板面上に、複数の第2貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第3電極と、第4基板面上に設けられた、複数の第4電極と、を備え、第1電極および第3電極は荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極であり、第2電極および第4電極は荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極以外の追加電極パターンであり、第1基板面上の第1電極と第2電極からなる電極パターンが、第4基板面上の第3電極と第4電極からなる電極パターンと、2つのチップの対向基板面に対して対称ではない、半導体装置である。
本実施形態においては、図13において、第1電極と第3電極は荷電粒子ビームを偏向するための電極対(枠F1で囲まれたグラウンド電極96と偏向電極94)、第2電極と第4電極は追加電極98である。
【0070】
チップを2つ並べて電極高さを2倍にし、荷電粒子ビームの偏向量を2倍にすることができることは前述した。さらに、電極パターンの平面配置を工夫することで描画パターンのゆがみを起こりにくくすることもできる。
【0071】
マルチ荷電粒子ビーム描画装置の原理を図2に示したが、基本的には偏向電極とグラウンド電極の対があれば、電子ビームを偏向させることができる。図13の枠F1に囲まれたパターンは、比較例の電極パターンの平面配置を示す。偏向電極94とグラウンド電極96が図示されている。荷電粒子ビームが通過する貫通孔52の両側に一対の電極(偏向電極94とグラウンド電極96)が存在すれば、荷電粒子を偏向することができる。この対電極を、実施形態説明のために図示した枠F1で囲った。
【0072】
しかし、これ以外に、偏向電極と開口を囲むようにグラウンド電極が延伸・追加されていることが多い。これらの追加電極はクロストークを解消するために形成されている。クロストークとは、荷電粒子ビームを偏向するための対電極を周期的に並べると、隣の開口にも電界が回りこんでしまうことをいい、これにより、隣の開口を通過するビームが影響をうけて軌跡が変わってしまう。そこで、例えば、グラウンド電極を延伸して、偏向電極の周囲を囲むことにより、クロストークを抑えることができる。
【0073】
偏向電極を囲んだ例を図14に示す。対電極は荷電粒子ビームを偏向するためのグラウンド電極96と偏向電極(ブランキング電極)94からなる。追加電極98とグラウンド電極96は接続され、グラウンド電極として機能する。具体的には、追加電極98aとグラウンド電極96a、96b、96eは接続されている。追加電極98bとグラウンド電極96a、96b、96e、96c、96d、96fは接続されている。追加電極98cとグラウンド電極96c、96d及び96fは接続されている。
【0074】
図13図14のユニットセル(枠F2で囲った部分、繰り返しの最小単位)の隣り合う2か所、上側と下側を切り欠きした構造になっている。これは、グラウンド電極で偏向電極周囲をすべて囲ってしまうと、応力が大きくなってしまうためである。応力を緩和するため、囲っている電極のパターンの一部を切り欠いている。
【0075】
しかし、このように電極に切り欠き(離間部)を入れると、グラウンド電極と追加電極パターンは対称でなくなってしまう。対称性が崩れると、荷電粒子ビーム描画装置のレンズ系の収差が強調されたり、二次電子や散乱電子の影響が非対称になるため、基板上の描画パターンがゆがむという現象が起こりやすくなる。
【0076】
2枚の半導体チップを図5に示すように重ねる場合、平面上で、2枚重ねて、グラウンド電極配置が対称になるようにすると、荷電粒子ビームは2枚のチップを通過する間に、グラウンド電極と追加電極パターンが非対称であることにより受ける影響が逆方向に働く。このため、荷電粒子ビーム描画装置のレンズ系の収差が強調されなくなり、二次電子や散乱電子の影響がキャンセルされる。結果として、基板上の描画パターンのゆがみを抑えることができる。
【0077】
その例を図15及び図16に示す。
【0078】
図5の上側の矢印方向(上方、Z方向)から電極パターンを見て、下に投影した場合、第1基板面2a上に設けられた偏向電極84と第4基板面4b上に設けられた偏向電極94は、ほぼ重なる。また、第1基板面2a上に設けられたグラウンド電極86と第4基板面4b上に設けられたグラウンド電極96は、ほぼ重なる。また、第1チップ2の貫通孔50と第2チップ4の貫通孔52は、ほぼ重なる。第1基板面2aの追加電極88の第1離間部(切り欠き)89と、第4基板面4bの追加電極98の第2離間部(切り欠き)99の配置は、異なっている。図5の上側の矢印方向(チップ2上方)から電極パターンを見て、下に投影した場合、第1基板面2a上と第4基板面4b上に形成されたグラウンド電極と追加電極からなるパターンが偏向電極を囲むように配置する。これにより、電極高さを2倍にして偏向量を2倍にできる効果に加えて、グラウンド電極の対称性が維持でき、描画パターン歪を抑制できる。
【0079】
なお、図示を省略しているが、追加電極88gは、追加電極88dと同様に、X方向に延伸している。また、追加電極88hは、追加電極88eと同様に、X方向に延伸している。また、追加電極88iは、追加電極88fと同様に、X方向に延伸している。また、追加電極98aは、追加電極98dと同様に、-X方向(X方向と反対の方向)に延伸している。追加電極98bは、追加電極98eと同様に、-X方向に延伸している。追加電極98cは、追加電極98fと同様に、-X方向に延伸している。
【0080】
グラウンド電極86a、第1貫通孔50a、偏向電極84a、グラウンド電極86b、第1貫通孔50b、偏向電極84bは、X方向に並んで順に設けられている。追加電極88aは、グラウンド電極86aに接続され、X方向に延伸している。追加電極88dは、グラウンド電極86bに接続され、X方向に延伸している。ここで、追加電極88a及び追加電極88dは、X方向に平行な同一直線上に設けられている。そして、追加電極88aと追加電極88dは、第1偏向電極84aの近傍で離間部89aをもって互いに離間している。
【0081】
グラウンド電極96a、第2貫通孔52a、偏向電極94a、グラウンド電極96b、第2貫通孔52b、偏向電極94bは、それぞれ、グラウンド電極86a、第1貫通孔50a、偏向電極84a、グラウンド電極86b、第1貫通孔50b、偏向電極84bの上に設けられている。第2貫通孔52は、第1貫通孔50と、上下対応する位置にある。言い換えると、第2貫通孔52は、上から見たときに、第1貫通孔50と、実質的に同一の位置にある。追加電極98aは、グラウンド電極96aに接続され、-X方向に延伸している。追加電極98dは、グラウンド電極96bに接続され、-X方向に延伸している。ここで、追加電極98aと追加電極98dは、X方向に平行な同一直線上に設けられている。そして、追加電極98aと追加電極98dは、グラウンド電極96aの近傍で離間部99aをもって互いに離間している。
【0082】
また、図15及び図16では貫通孔が平面上90°方向に配置されていたが、これに限定されることはなく、平面上45°に配置された場合も同様である。(図17及び図18)。
【0083】
第1貫通孔50eと第1貫通孔50cは、Y方向に並んで、互いに離間して設けられている。第1貫通孔50fは、Y方向において、第1貫通孔50eと第1貫通孔50cの間に設けられている。また、第1貫通孔50eと第1貫通孔50fは、X方向に並んで、互いに離間して設けられている。グラウンド電極86e、第1貫通孔50e、偏向電極84eは、X方向に順に並んで、互いに離間して設けられている。グラウンド電極86c、第1貫通孔50c、偏向電極84aは、X方向に順に並んで、互いに離間して設けられている。グラウンド電極86f、第1貫通孔50f、偏向電極88gは、X方向に順に並んで、互いに離間して設けられている。グラウンド電極86fは、偏向電極84e及び偏向電極84cと離間して設けられている。追加電極88bは、グラウンド電極86e及びグラウンド電極86cに接続され、第1貫通孔50cと第1貫通孔50eの間に設けられている。そして、追加電極88bの先端は偏向電極84eと偏向電極84cの間に設けられ、偏向電極84e、偏向電極84c及びグラウンド電極86fと離間部89bをもって離間している。
【0084】
第2貫通孔52は、第1貫通孔50と、上下対応する位置にある。言い換えると、第2貫通孔52は、上から見たときに、第1貫通孔50と、実質的に同一の位置にある。第2貫通孔52eは、第1貫通孔50eの上に設けられている。第2貫通孔52cは、第1貫通孔50cの上に設けられている。第2貫通孔52fは、第1貫通孔50fの上に設けられている。偏向電極94eは、偏向電極84eの上に設けられている。偏向電極94cは、偏向電極84cの上に設けられている。グラウンド電極96eは、グラウンド電極86eの上に設けられている。グラウンド電極96hは、グラウンド電極86hの上に設けられている。グラウンド電極96fは、グラウンド電極86fの上に設けられている。追加電極98eは、グラウンド電極96bとグラウンド電極96dに接続され、偏向電極94aと追加電極98hの間に設けられ、偏向電極94a及び追加電極98hと離間して設けられている。
【0085】
上記では追加電極の隣り合う2か所切り欠きを入れた例を示したが、切り欠きの位置はこれに限定されない。対角線上の2か所に切り欠きをいれたパターンであっても、同様の配置をすることで、描画パターンの歪を抑える効果が得られる。
その一例を図19及び図20に示す。貫通孔を45°方向に配置した場合である。2つのチップを重ねてチップ2上側から見て、投影した時、2つのチップが作るグラウンド電極+追加電極パターンが、偏向電極を囲む例である。ここで、第2貫通孔52は、第1貫通孔50と、上下対応する位置にある。言い換えると、第2貫通孔52は、上から見たときに、第1貫通孔50と、実質的に同一の位置にある。
【0086】
それぞれの偏向電極94は、それぞれの偏向電極84の上に設けられている。それぞれのグラウンド電極96は、それぞれのグラウンド電極86の上に設けられている。それぞれの第2貫通孔52は、それぞれの第1貫通孔50の上に設けられている。
【0087】
追加電極88bは、グラウンド電極86cとグラウンド電極86eの間に設けられ、グラウンド電極86c及びグラウンド電極86eと接続されている。追加電極88cは、第1貫通孔50cと第1貫通孔50eの間及び偏向電極84cと偏向電極84eの間に設けられ、グラウンド電極86fと接続され、追加電極88bと離間部89cをもって離間している。
【0088】
追加電極88aは、グラウンド電極86aとグラウンド電極86cの間に設けられ、グラウンド電極86a及びグラウンド電極86cと接続されている。また、追加電極88aは、第1貫通孔50aと第1貫通孔50cの間及び偏向電極84aと偏向電極84cの間に設けられ、グラウンド電極86dと離間部89aをもって離間している。
【0089】
追加電極98cは、グラウンド電極96cとグラウンド電極96eの間に設けられ、グラウンド電極96c及びグラウンド電極96eと接続されている。また、追加電極98cは、第2貫通孔52cと第2貫通孔52eの間及び偏向電極94cと偏向電極94eの間に設けられ、グラウンド電極96fと離間部99bをもって離間している。
【0090】
追加電極98bは、第2貫通孔52aと第2貫通孔52cの間及び偏向電極94aと偏向電極94cの間に設けられ、グラウンド電極96dと接続され、追加電極98aと離間部99aをもって離間している。
【0091】
追加電極の対角線上の2か所に切り欠きをいれ、貫通孔を90°方向に配置した場合も同様の配置が可能であり、描画パターンの歪を抑える効果がある。
【0092】
図5の上側の矢印方向(チップ2上方)からグラウンド電極と追加電極からなるパターンを見て、下に投影した場合、第1基板面上と第4基板面上に形成されたグラウンド電極と追加電極からなるパターンが偏向電極を囲むように配置することが発明の要件であり、種々の変形が可能である。
【0093】
本実施形態において、X方向は第4方向の一例、Y方向は第4方向に垂直に交差する第5方向の一例、-X方向は第4方向と反対の第6方向の一例である。
【0094】
本実施形態の半導体装置によっても、電気的接続が容易な半導体装置の提供が可能となる。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0096】
なお、上記の実施形態を、以下の技術案にまとめることができる。
(技術案1)
第1基板面と、前記第1基板面の反対側に設けられた第2基板面と、複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過する複数の第1貫通孔と、を有する第1チップと、
前記第1チップの上に設けられ、前記第2基板面に対向する第3基板面と、第4基板面と、前記複数の荷電粒子ビームのそれぞれが通過しそれぞれ前記複数の第1貫通孔の上に設けられた複数の第2貫通孔と、を有する第2チップと、
前記第1基板面上に、前記複数の第1貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第1電極と、
前記第1基板面上に設けられた、複数の第2電極と、
前記第4基板面上に、前記複数の第2貫通孔と隣接してそれぞれ設けられた、複数の第3電極と、
前記第4基板面上に設けられた、複数の第4電極と、
を備え、
前記第1電極および前記第3電極は前記荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極であり、
前記第2電極および前記第4電極は前記荷電粒子ビームを偏向するための対となる電極以外の追加電極パターンであり、
前記第1基板面上の前記第1電極と前記第2電極からなる電極パターンが、前記第4基板面上の前記第3電極と前記第4電極からなる電極パターンと、前記2つのチップの対向基板面に対して対称ではない、
半導体装置。
(技術案2)
前記第1基板面上に設けられた前記複数の第2電極は前記複数の第1電極と電気的に接続された複数の第1パッドであり、
前記第4基板面上に設けられた前記複数の第4電極は前記複数の第3電極と電気的に接続された複数の第2パッドであり、
前記第1パッドと前記第2パッドは、前記第2チップ上面から見て重ならないように配置されており、
前記第1チップと前記第2チップは支持体に保持され、
前記複数の第1パッドと前記複数の第2パッドは、前記支持体に設けられたパッドと接続されている、
技術案1記載の半導体装置。
(技術案3)
前記複数の第1パッド及び前記複数の第2パッドは、前記支持体に設けられたパッドと、複数のワイヤを用いて電気的に接続されている、
技術案1記載の半導体装置。
(技術案4)
前記支持体は、前記第1基板面に対向する第1面に設けられたパッドを有しており、
前記複数の第1パッドと複数のバンプを介して電気的に接続されている、
技術案1記載の半導体装置。
(技術案5)
前記第1チップは、
前記第1チップを貫通する複数のビアと、
前記第1電極と、前記複数のビアを介して電気的に接続され、前記第2基板面に設けられた複数の第3のパッドと、
を有し、
前記複数の第2のパッドと前記複数の第3のパッドは、前記支持体に設けられたパッド
と、複数のワイヤを用いて電気的に接続されている、
技術案2記載の半導体装置。
(技術案6)
前記第1チップは矩形形状を有し、
前記第2チップは矩形形状を有し、
前記複数の第1パッドは、前記第1基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられ、
前記複数の第2パッドは、前記第4基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられた、
技術案2記載の半導体装置。
(技術案7)
前記第1チップは矩形形状を有し、
前記第2チップは矩形形状を有し、
前記複数の第1パッドは、前記第1基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられ、
前記複数の第2パッドは、前記第4基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられた、
技術案3記載の半導体装置。
(技術案8)
前記第1チップは矩形形状を有し、
前記第2チップは矩形形状を有し、
前記複数の第1パッドは、前記第1基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられ、
前記複数の第2パッドは、前記第4基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられた、
技術案4記載の半導体装置。
(技術案9)
前記第1チップは矩形形状を有し、
前記第2チップは矩形形状を有し、
前記複数の第3パッドは、前記第2基板面に平行な第1方向に沿った端部に並んで設けられ、
前記複数の第2パッドは、前記第4基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に沿った端部に並んで設けられた、
技術案5記載の半導体装置。
(技術案10)
前記第1電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第2電極は、前記複数の第1電極の偏向電極と前記複数の第1貫通孔の少なくとも一部を囲むように配置され、
前記第3電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第4電極は、前記複数の第3電極の偏向電極と前記複数の第2貫通孔の少なくとも一部を囲むように配置されている、
技術案1記載の半導体装置。
(技術案11)
前記第1電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第2チップ上方から見て、
前記複数の第1電極のグラウンド電極と、前記複数の第2電極からなるパターン、または、前記複数の第3電極のグラウンド電極と、前記複数の第4電極からなるパターンのいずれかが、前記複数の第1電極の偏向電極と前記第3電極の偏向電極と前記複数の第1貫通孔、前記複数の第2貫通孔を囲んでいる、
技術案1記載の半導体装置。
(技術案12)
前記第1電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第2電極は、前記複数の第1電極のグラウンド電極と接続し、
前記複数の第4電極は、前記複数の第3電極のグラウンド電極と接続する、
技術案1記載の半導体装置。
(技術案13)
前記第1の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第1貫通孔と前記複数の第2貫通孔は上下対応する位置にあり、
前記第4基板上に設けられた前記複数の第3電極のグラウンド電極と前記複数の第4電極からなるパターンは、第2チップ上面から見て、前記第1基板上に設けられた前記複数の第1電極のグラウンド電極と前記複数の第2電極からなるパターンを、前記第4基板面に平行な面内で180度回転させた形状を有する、
技術案10記載の半導体装置。
(技術案14)
前記第1の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第1貫通孔と前記複数の第2貫通孔は上下対応する位置にあり、
前記第4基板上に設けられた前記複数の第3電極のグラウンド電極と前記複数の第4電極からなるパターンは、第2チップ上面から見て、前記第1基板上に設けられた前記複数の第1電極のグラウンド電極と前記複数の第2電極からなるパターンを、前記第4基板面に平行な面内で180度回転させた形状を有する、
技術案11記載の半導体装置。
(技術案15)
前記第1の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記第3の電極は、電圧を印加する偏向電極とグラウンド電極の対を含み、
前記複数の第1貫通孔と前記複数の第2貫通孔は上下対応する位置にあり、
前記第4基板上に設けられた前記複数の第3電極のグラウンド電極と前記複数の第4電極からなるパターンは、第2チップ上面から見て、前記第1基板上に設けられた前記複数の第1電極のグラウンド電極と前記複数の第2電極からなるパターンを、前記第4基板面に平行な面内で180度回転させた形状を有する、
技術案12記載の半導体装置。
(技術案16)
前記第2基板面と前記第3基板面は互いに接している、
技術案1記載の半導体装置。
(技術案17)
前記複数の荷電粒子ビームの軌跡を制御する、
技術案1記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0097】
1 :チップ
2 :第1チップ
2a :第1基板面
2b :第2基板面
4 :第2チップ
4a :第3基板面
4b :第4基板面
20 :支持体
22a :第1面
31 :パッド
32 :パッド
34 :パッド
35 :第3パッド
36 :パッド
36 :第2パッド
40 :パッド
42 :ワイヤ
44 :ワイヤ
46 :パッド
50 :第1貫通孔
51a :第1a電極
51b :第1b電極
52a :第2貫通孔
53a :第3a電極
53b :第3b電極
60 :パッド
62 :ワイヤ
64 :ワイヤ
66 :パッド
70 :封止樹脂
72 :バンプ
74 :バンプ
80 :ビア
84 :偏向電極
86 :グラウンド電極
88 :追加電極
89 :離間部
92 :偏向電極
94 :偏向電極
96 :グラウンド電極
98 :追加電極
99 :離間部
100 :半導体装置
110 :半導体装置
120 :半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20