(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137713
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】無線タグ読取装置、陳列位置表示システム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240927BHJP
G01S 5/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06K7/10 136
G06K7/10 144
G06K7/10 184
G06K7/10 240
G01S5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009247
(22)【出願日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】P 2023045677
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】舩越 寛
(72)【発明者】
【氏名】山下 勉
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062CC14
5J062CC18
5J062HH09
(57)【要約】
【課題】 使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる無線タグ読取装置を提供する。
【解決手段】 無線タグ読取装置(10)は、表示部(17)と、2つ以上のアンテナ(14a、14b)と、2つ以上のアンテナを介して無線タグ(30)からそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段(S16)と、送信又は受信電波強度に基づいて無線タグまでの距離を測定する距離測定手段(S17)と、方向と距離から表示部に無線タグの位置を表示させる表示制御手段(S34、S40)と、を有する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
2つ以上のアンテナと、
前記2つ以上のアンテナを介して無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段と、
送信又は受信電波強度に基づいて前記無線タグまでの距離を測定する距離測定手段と、
前記方向と前記距離から前記表示部に前記無線タグの位置を表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項2】
請求項1の無線タグ読取装置であって、
前記方向特定手段は、それぞれ受信した電波の前記位相差に基づいて入射角を算出することで、無線タグ読取装置のスキャン方向に対する当該無線タグの方向を特定することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の無線タグ読取装置であって、
前記距離測定手段は、送信電波強度を調整しながら送受が行えるか否かにより前記無線タグまでの距離を測定することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項4】
請求項1の無線タグ読取装置であって、
前記無線タグに保持される商品カテゴリを識別するカテゴリ識別手段を有し、
前記表示制御手段は、前記無線タグをカテゴリ別に識別可能に表示することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項5】
請求項4の無線タグ読取装置であって、
前記識別可能な表示は、色分け、又は、形状であることを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項6】
表示部と、
2つ以上のアンテナと、
商品識別用の商品タグと位置基準となる基準タグとからなる無線タグを読み取る読取り手段と、
前記2つ以上のアンテナを介して無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段と、
送信又は受信電波強度に基づいて前記無線タグまでの距離を測定する距離測定手段と、
前記方向と前記距離から前記表示部に前記商品タグ、前記基準タグの位置を表示させる表示制御手段と、
前記商品タグが、前記基準タグを基準に設定された一定距離以上か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記商品タグが前記基準タグを基準に設定された一定距離以上であると判断されたとき所定の警告を行う警告手段と、
を有することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項7】
請求項6の無線タグ読取装置であって、
前記基準タグは、商品タグに保持される商品カテゴリ毎に設けられ、
前記判断手段は、当該基準タグに保持される商品カテゴリと同一である前記商品タグが、該基準タグを基準に設定された一定距離以上か否かを判断することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項8】
請求項7の無線タグ読取装置であって、
前記表示制御手段は、前記判断手段により前記商品タグが前記基準タグを基準に設定された一定距離以上であると判断された無線タグの位置と前記一定距離未満と判断された無線タグの位置とを識別可能に前記表示部に表示させることを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8の無線タグ読取装置であって、
前記警告手段は、前記商品タグに保持される商品カテゴリと同一である基準タグが読み取れないために前記判断手段による判断がなされないときに、前記基準タグが読み取れない状態を示す警告を行うことを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項10】
請求項9の無線タグ読取装置であって、
前記商品タグに保持される商品カテゴリと同一である基準タグが読み取れないために前記判断手段による判断がなされない場合、前記警告手段が警告を行わないように切換可能であることを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項11】
請求項7又は請求項8の無線タグ読取装置であって、
前記判断手段により判断される一定距離は、前記表示部に表示されると共に、調整可能であることを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項12】
請求項7又は請求項8の無線タグ読取装置であって、
前記表示制御手段は、前記表示部に表示される商品タグに触れられた際に、当該商品タグの情報が表示されるように前記表示部を制御することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項13】
請求項7又は請求項8の無線タグ読取装置であって、
前記商品タグに保持される商品カテゴリを識別するカテゴリ識別手段を有し、
前記表示制御手段は、前記商品タグをカテゴリ別に識別可能に表示させるように前記表示部を制御することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項14】
請求項13の無線タグ読取装置であって、
前記表示制御手段は、前記表示部に、前記商品タグをカテゴリ別に色分け表示し、前記商品タグと同一カテゴリの前記基準タグを前記商品タグと同色であって異なる形状で表示させることを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項15】
請求項6の無線タグ読取装置と、商品識別用の商品タグと、位置基準となる基準タグと、を備える陳列位置表示システム。
【請求項16】
請求項15の陳列位置表示システムであって、
前記基準タグは、商品タグに保持される商品カテゴリ毎に設けられ、
前記判断手段は、当該基準タグに保持される商品カテゴリと同一である前記商品タグが該基準タグを基準に設定された一定距離以上か否かを判断することを特徴とする陳列位置表示システム。
【請求項17】
請求項15又は請求項16の陳列位置表示システムであって、
前記基準タグの周りに該基準タグと同一のカテゴリの前記商品タグが配置される陳列位置表示システム。
【請求項18】
表示部と、
それぞれアンテナを備える2以上の無線タグ読取装置と、
前記アンテナを介して無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段と、
送信又は受信電波強度に基づいて前記無線タグまでの距離を測定する距離測定手段と、
前記方向と前記距離から前記表示部に前記無線タグの位置を表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする陳列位置表示システム。
【請求項19】
管理エリア内に配置される無線タグを読み取る無線タグ読取装置と前記無線タグ読取装置の読み取り結果を管理する管理装置とを備える陳列位置表示システムであって、
前記無線タグは、前記管理エリア内にて陳列される商品に付されて当該商品の商品カテゴリを特定可能な商品情報が記録され、
前記無線タグ読取装置は、
2つ以上のアンテナと、
前記2つ以上のアンテナを介して前記無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段と、
送信又は受信電波強度に基づいて前記無線タグまでの距離を測定する距離測定手段と、
前記無線タグから前記商品情報を読み取った際の前記管理エリアを基準とする当該無線タグ読取装置の位置を検出する装置位置検出手段と、
前記無線タグから前記商品情報を読み取った際の前記管理エリアを基準とする読取方向を検出する読取方向検出手段と、
前記方向特定手段の特定結果と前記距離測定手段の測定結果と前記装置位置検出手段の検出結果と前記読取方向検出手段の検出結果とに基づいて前記管理エリア内での前記無線タグの位置を特定する無線タグ位置特定手段と、
を備え、
前記管理装置は、
管理用表示部と、
前記無線タグ位置特定手段により特定された前記無線タグの位置を示すタグ位置情報を関連する前記商品情報とともに取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、
前記記憶手段に記憶される情報を利用して前記管理エリアを基準とする無線タグの位置を示す表示マークが前記無線タグごとに前記商品カテゴリを識別可能に表示されるように前記管理用表示部を制御する管理用表示制御手段と、
を備えることを特徴とする陳列位置表示システム。
【請求項20】
請求項19の陳列位置表示システムであって、
前記取得手段は、前記タグ位置情報及び前記商品情報とともに前記商品情報が読み取られた読取時刻を取得し、
前記表示マークは、前記読取時刻に応じて表示状態が変化するように表示されることを特徴とする陳列位置表示システム。
【請求項21】
請求項19の陳列位置表示システムであって、
前記商品カテゴリごとに商品陳列位置の基準として前記管理エリア内にて陳列エリアが1又は2以上設定され、
前記管理用表示制御手段は、前記表示マークとともに前記陳列エリアが表示されるように前記管理用表示部を制御することを特徴とする陳列位置表示システム。
【請求項22】
請求項21の陳列位置表示システムであって、
前記管理用表示制御手段は、同じ商品カテゴリに関して前記陳列エリア外となる無線タグの位置を示す表示マークが警告状態で表示されるように前記管理用表示部を制御することを特徴とする陳列位置表示システム。
【請求項23】
請求項22の陳列位置表示システムであって、
前記陳列エリア外であっても前記表示マークが警告状態で表示されない警告対象外エリアを設けることを特徴とする陳列位置表示システム。
【請求項24】
請求項21の陳列位置表示システムであって、
前記管理装置は、前記管理エリア内での前記陳列エリアの位置及び範囲を調整可能な陳列エリア調整手段を備えることを特徴とする陳列位置表示システム。
【請求項25】
管理エリア内に配置される無線タグを読み取る無線タグ読取装置であって、
前記無線タグは、前記管理エリア内にて陳列される商品に付されて当該商品の商品カテゴリを特定可能な商品情報が記録され、
2つ以上のアンテナと、
前記2つ以上のアンテナを介して前記無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段と、
送信又は受信電波強度に基づいて前記無線タグまでの距離を測定する距離測定手段と、
前記無線タグから前記商品情報を読み取った際の前記管理エリアを基準とする当該無線タグ読取装置の位置を検出する装置位置検出手段と、
前記無線タグから前記商品情報を読み取った際の前記管理エリアを基準とする読取方向を検出する読取方向検出手段と、
前記方向特定手段の特定結果と前記距離測定手段の測定結果と前記装置位置検出手段の検出結果と前記読取方向検出手段の検出結果とに基づいて前記管理エリア内での前記無線タグの位置を特定する無線タグ位置特定手段と、
を備えることを特徴とする無線タグ読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信媒体に記録される情報を無線通信により読み取る無線タグ読取装置、及び、無線タグ読取装置を用いる陳列位置表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
衣料品店や食料品店などの店舗では、商品毎に決まった位置に商品を陳列している。しかし、顧客が商品をいったん手にとった後、購入をやめる際に、元の商品の陳列位置と異なる位置に戻してしまう場合がある。その場合、店員は目視などで商品を見つけた上、元の位置に戻さなければならない。
【0003】
このような商品の陳列位置の問題に対応する一例として、商品陳列位置アラートシステム及び商品陳列位置アラートプログラム(特許文献1)がある。特許文献1では、対策として、陳列棚にRFIDリーダを固定し、商品に無線タグを付加した上で、RFIDリーダのスキャン範囲内に存在しないはずの商品の無線タグが検出された場合、警告する。また、特許文献1では、スキャンを高頻度で行うことで、陳列位置が誤っていることを即時に検知し警告できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-142572号公報
【特許文献2】特開2005-352725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、棚毎にRFIDリーダを設置する必要があるため、導入にコストが掛かり、更に、商品の無線タグ位置の検出機能はないため、棚のどの位置にその商品が置かれているかを検出できない。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる無線タグ読取装置、該無線タグ読取装置を用いる陳列位置表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明の無線タグ読取装置(10)は、表示部(17)と、2つ以上のアンテナ(14a、14b)と、前記2つ以上のアンテナを介して無線タグ(30)からそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段(S16)と、送信又は受信電波強度に基づいて前記無線タグまでの距離を測定する距離測定手段(S17)と、前記方向と前記距離から前記表示部に前記無線タグの位置を表示させる表示制御手段(S34、S40)と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項19に記載の発明の陳列位置表示システムは、管理エリア(S)内に配置される無線タグ(30,TG)を読み取る無線タグ読取装置(210)と前記無線タグ読取装置の読み取り結果を管理する管理装置(220)とを備える陳列位置表示システム(200)であって、前記無線タグは、前記管理エリア内にて陳列される商品に付されて当該商品の商品カテゴリを特定可能な商品情報が記録され、前記無線タグ読取装置は、2つ以上のアンテナ(14a、14b)と、前記2つ以上のアンテナを介して前記無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段(11)と、送信又は受信電波強度に基づいて前記無線タグまでの距離を測定する距離測定手段(11)と、前記無線タグから前記商品情報を読み取った際の前記管理エリアを基準とする当該無線タグ読取装置の位置を検出する装置位置検出手段(211)と、前記無線タグから前記商品情報を読み取った際の前記管理エリアを基準とする読取方向を検出する読取方向検出手段(212)と、前記方向特定手段の特定結果と前記距離測定手段の測定結果と前記装置位置検出手段の検出結果と前記読取方向検出手段の検出結果とに基づいて前記管理エリア内での前記無線タグの位置を特定する無線タグ位置特定手段(11)と、を備え、前記管理装置は、管理用表示部(223)と、前記無線タグ位置特定手段により特定された前記無線タグの位置を示すタグ位置情報を関連する前記商品情報とともに取得する取得手段(221,225)と、前記取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段(222)と、前記記憶手段に記憶される情報を利用して前記管理エリアを基準とする無線タグの位置を示す表示マークが前記無線タグごとに前記商品カテゴリを識別可能に表示されるように前記管理用表示部を制御する管理用表示制御手段(221)と、を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、無線タグ読取装置に2以上のアンテナを持たせ、方向特定手段によって、商品に付した無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づき無線タグ読取装置から見た商品の方向を特定することができる。上述のように方向特定手段により特定された無線タグの方向と距離測定手段により測定された無線タグの距離とから特定される無線タグの位置を表示部に表示することで、使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。
【0010】
請求項2の発明では、無線タグ読取装置の方向特定手段は、2つ以上のアンテナを介してそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて入射角を算出することで、無線タグ読取装置のスキャン方向に対する当該無線タグの方向を特定するため、無線タグの方向を特定することが可能である。
【0011】
請求項3の発明では、無線タグ読取装置の距離測定手段は、送信電波強度を調整しながら送受が行えるか否かにより無線タグまでの距離を測定するため、無線タグまでの距離を正確に測定できる。
【0012】
請求項4の発明の無線タグ読取装置は、無線タグに保持される商品カテゴリを識別するカテゴリ識別手段(S20)を有し、表示制御手段は、無線タグをカテゴリ別に識別可能に表示する。このため、無線タグ読取装置は、使用者にどの範囲の商品カテゴリの無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。
【0013】
請求項5の発明の無線タグ読取装置では、識別可能な表示は、色分け、又は、形状である。無線タグ読取装置が、使用者に表示される無線タグの商品カテゴリを確実に識別させることができる。
【0014】
請求項6の発明の無線タグ読取装置は、表示部と、2つ以上のアンテナと、商品識別用の商品タグと位置基準となる基準タグとからなる無線タグを読み取る読取り手段と、を有する。そして、無線タグ読取装置は、2つ以上のアンテナを介して無線タグ(商品タグ、基準タグ)からそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段と、送信又は受信電波強度に基づいて無線タグ(商品タグ、基準タグ)までの距離を測定する距離測定手段と、方向と距離から表示部に商品タグ、基準タグの位置を表示させる表示制御手段と、商品タグが、基準タグを基準に設定された一定距離以上か否かを判断する判断手段(S42)と、判断手段により商品タグが基準タグを基準に設定された一定距離以上であると判断されたとき所定の警告を行う警告手段(S44)と、を有する。使用者により予め商品陳列位置に商品カテゴリ情報を保持した基準タグが設置される。無線タグ読取装置が、表示部に基準タグ、及び、商品タグを表示することで、使用者は基準タグの周りに期待するカテゴリの商品が置かれているか知ることができる。例えば、使用者は陳列棚に陳列対象の商品が置かれているか判別することができる。また、商品タグが、基準タグを基準に設定された一定距離以上であるとき警告することで、使用者に、基準タグから離れた所に基準タグとカテゴリの同一の商品が置かれていることを警告できる。例えば、顧客が、いったん手にした商品の購入を止める際に、元の陳列位置と異なる位置に戻してしまった場合等、使用者に陳列棚に陳列対象以外の商品が置かれていることを知らせることができる。この検出、警告機能を無線タグ読取装置が単体で備えるため、警告システムの導入コストを抑えることができる。
【0015】
請求項7の発明の無線タグ読取装置は、各基準タグは、商品タグに保持される商品カテゴリ毎に設けられ、判断手段は、当該基準タグに保持される商品カテゴリと同一である商品タグが、該基準タグを基準に設定された一定距離以上か否かを判断し、警告手段は商品タグが、基準タグを基準に設定された一定距離以上であるとき警告を行う。使用者に対して基準タグから離れた所に基準タグとカテゴリの同一の商品が置かれていることを警告できる。
【0016】
請求項8の発明の無線タグ読取装置では、表示制御手段が、判断手段により商品タグが基準タグを基準に設定された一定距離以上であると判断された無線タグの位置と一定距離未満と判断された無線タグの位置とを識別可能に表示部に表示させる。このため、使用者に対して基準タグから離れた所に基準タグとカテゴリの同一の商品が置かれていることを容易に識別できるように表示できる。
【0017】
請求項9の発明の無線タグ読取装置では、警告手段が、商品タグに保持される商品カテゴリと同一である基準タグが読み取れないために判断手段による判断がなされないときに、該基準タグが読み取れない状態を示す警告を行う。このため、使用者に対して基準タグが読み取れない程離れた所に、当該基準タグとカテゴリの同一の商品が置かれていることを警告できる。
【0018】
請求項10の発明の無線タグ読取装置では、商品タグに保持される商品カテゴリと同一である基準タグが読み取れないために判断手段による判断がなされない場合、警告手段が警告を行わないように切換可能である。このため、保持される商品カテゴリと同一である基準タグが遠すぎて読み取れない場合、例えば、期待する商品タグを読んだ際に、当該商品タグの付けられている商品の奥の、異なる商品の商品タグが読めてしまった場合に警告を行わないことで、誤った位置に商品が置かれているとの誤解を使用者に与えない。警告を行うこと、警告を行わないことが切換可能であるため、商品展示の実情に適合させることができる。
【0019】
請求項11の発明の無線タグ読取装置は、判断手段により判断される一定距離は、表示部に表示されると共に、調整可能である。一定距離が表示部に表示されるため、使用者に設定範囲を容易に把握させることができる。また、一定距離が調整可能であるため、陳列の実情に合わせて警告範囲を設定できる。
【0020】
請求項12の発明の無線タグ読取装置では、表示制御手段は、表示部に表示される商品タグに触れられた際に、当該商品タグの情報が表示されるように該表示部を制御する。このため、使用者は表示された商品タグの情報を容易に知ることができる。
【0021】
請求項13の発明の無線タグ読取装置は、商品タグに保持される商品カテゴリを識別するカテゴリ識別手段を有し、表示制御手段は、商品タグをカテゴリ別に識別可能に表示させるように表示部を制御する。このため、無線タグ読取装置は、使用者にどの範囲の商品カテゴリの無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。
【0022】
請求項14の発明の無線タグ読取装置では、表示制御手段が、表示部に、商品タグをカテゴリ別に色分け表示し、商品タグと同一カテゴリの基準タグを商品タグと同色であって異なる形状で表示させる。商品タグと商品タグと同一カテゴリの基準タグとが同色で表示され、且つ、商品タグと商品タグと同一カテゴリの基準タグとが形状が異なるように表示されるため、商品タグと商品タグと同一カテゴリの基準タグが容易に識別できるようになる。
【0023】
請求項15の発明の陳列位置表示システムは、請求項6の無線タグ読取装置と、商品識別用の商品タグと、位置基準となる基準タグと、を備える。このため、受信できた無線タグの位置を表示部に表示することで、使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。例えば、陳列棚に陳列対象商品の基準タグを置き、その周りに商品タグの付けられた陳列対象商品を配置させることで、無線タグ読取装置を用いて陳列対象商品が適切に配置されているか確認することができる。1台の無線タグ読取装置で、陳列棚に陳列されるべきでない商品が含まれていないか判断することができる。
【0024】
請求項16の発明の陳列位置表示システムは、各基準タグは、商品タグに保持される商品カテゴリ毎に設けられ、判断手段は、当該基準タグに保持される商品カテゴリと同一である商品タグが、該基準タグを基準に設定された一定距離以上か否かを判断する。このため、無線タグ読取装置は、使用者にどの範囲の商品カテゴリの無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。例えば、陳列棚に陳列対象商品の基準タグを置き、その周りに商品タグの付けられた陳列対象商品を配置させることで、無線タグ読取装置を用いて基準タグと異なるカテゴリの商品が置かれていることを判別でき、陳列対象商品が適切に配置されているか確認することができる。
【0025】
請求項17の発明の陳列位置表示システムは、基準タグの周りに、該基準タグと同一のカテゴリの商品タグが配置される。このため、使用者は、基準タグの周りに、該基準タグと同一のカテゴリの商品タグの付いた商品を置くことで、無線タグ読取装置を用いて基準タグの周りに期待するカテゴリの商品が置かれているか知ることができる。例えば、使用者は陳列棚に陳列対象の商品が置かれているか判別することができる。
【0026】
請求項18の陳列位置表示システムでは、それぞれアンテナを備える2以上の無線タグ読取装置を用いて、無線タグの方向を特定するため、既存の無線タグ読取装置を用いて使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。
【0027】
請求項19の発明の陳列位置表示システムは、無線タグ読取装置は、2つ以上のアンテナを介して無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段と、送信又は受信電波強度に基づいて無線タグまでの距離を測定する距離測定手段と、無線タグから商品情報を読み取った際の管理エリアを基準とする当該無線タグ読取装置の位置を検出する装置位置検出手段と、無線タグから商品情報を読み取った際の管理エリアを基準とする読取方向を検出する読取方向検出手段と、方向特定手段の特定結果と距離測定手段の測定結果と装置位置検出手段の検出結果と読取方向検出手段の検出結果とに基づいて管理エリア内での無線タグの位置を特定する無線タグ位置特定手段と、を備える。管理装置は、無線タグ位置特定手段により特定された無線タグの位置を示すタグ位置情報を関連する商品情報とともに取得する取得手段と、取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、記憶手段に記憶される情報を利用して管理エリアを基準とする無線タグの位置を示す表示マークが無線タグごとに商品カテゴリを識別可能に表示されるように管理用表示部を制御する管理用表示制御手段と、を備える。このため、無線タグ読取装置にて読み取られた無線タグのタグ位置情報及び商品情報が管理装置の記憶部に記憶されることで、管理エリアを基準とする無線タグの位置を示す表示マークが商品カテゴリを識別可能に表示されるので、使用者に管理エリア内での無線タグの位置、すなわち、管理エリア内での商品の位置を視覚的に把握させることができる。
【0028】
請求項20の陳列位置表示システムでは、取得手段は、タグ位置情報及び商品情報とともに商品情報が読み取られた読取時刻を取得し、表示マークは、読取時刻に応じて表示状態が変化するように表示される。このため、使用者は、管理エリア内でどの範囲が最近読み取り作業が行われていないか視覚的に把握することができる。
【0029】
請求項21の陳列位置表示システムでは、商品カテゴリごとに商品陳列位置の基準として管理エリア内にて陳列エリアが1又は2以上設定され、管理用表示制御手段は、表示マークとともに陳列エリアが表示されるように管理用表示部を制御する。このため、使用者は、表示マークが同じ商品カテゴリの陳列エリア内で表示されているか、すなわち、商品カテゴリごとに正しく商品が陳列されているか視覚的に把握することができる。
【0030】
請求項22の陳列位置表示システムでは、管理用表示制御手段は、同じ商品カテゴリに関して陳列エリア外となる無線タグの位置を示す表示マークが警告状態で表示されるように管理用表示部を制御する。このため、警告状態で表示される表示マークを見た使用者は、その表示マークの位置にある商品の陳列位置に関して異常があることを視覚的に把握することができる。
【0031】
請求項23の陳列位置表示システムでは、陳列エリア外であっても表示マークが警告状態で表示されない警告対象外エリアを設ける。例えば、購入者が通る通路等を警告対象外エリアとすることで、購入者が買い物かごに入れた商品の無線タグが読み取られる場合でも、その無線タグの位置を示す表示マークが不要に警告状態で表示されることを防止することができる。
【0032】
請求項24の陳列位置表示システムでは、管理装置は、管理エリア内での陳列エリアの位置及び範囲を調整可能な陳列エリア調整手段を備える。このため、店内レイアウト変更等に伴って商品カテゴリ単位で陳列位置が変更される場合でも、その変更に合わせて陳列エリアの位置及び範囲を容易に調整することができる。
【0033】
請求項25の無線タグ読取装置は、2つ以上のアンテナを介して無線タグからそれぞれ受信した電波の位相差に基づいて当該無線タグの方向を特定する方向特定手段と、送信又は受信電波強度に基づいて無線タグまでの距離を測定する距離測定手段と、無線タグから商品情報を読み取った際の管理エリアを基準とする当該無線タグ読取装置の位置を検出する装置位置検出手段と、無線タグから商品情報を読み取った際の管理エリアを基準とする読取方向を検出する読取方向検出手段と、方向特定手段の特定結果と距離測定手段の測定結果と装置位置検出手段の検出結果と読取方向検出手段の検出結果とに基づいて管理エリア内での無線タグの位置を特定する無線タグ位置特定手段と、を備える。このため、無線タグ読取装置にて読み取られた無線タグの位置を示すタグ位置情報と商品情報とを利用することで、管理エリア内での無線タグの位置、すなわち、管理エリア内での商品の位置を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】第1実施形態に係る無線タグ読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【
図2】無線タグの電気的構成を例示するブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る無線タグ読取装置による入射角検出の説明図である。
【
図4】第1実施形態に係る無線タグ読取装置による距離測定の説明図である。
【
図5】
図5(A)は第1実施形態に係る無線タグ読取装置による位置特定の説明図であり、
図5(B)は表示部による無線タグ位置の表示例である。
【
図6】商品棚に置かれた基準タグと商品タグの説明図である。
【
図7】商品棚に置かれた基準タグと商品タグをスキャンした際の説明図である。
【
図8】スキャンされた基準タグと商品タグの商品カテゴリの説明図である。
【
図9】表示部による基準タグ未検出を警告する画像表示の説明図である。
【
図10】表示部による設定距離外の商品タグを警告する画像表示の説明図である。
【
図11】第1実施形態に係る無線タグ読取装置による商品カテゴリ特定処理のフローチャートである。
【
図12】第1実施形態に係る無線タグ読取装置による基準タグと商品タグとの距離判断処理のフローチャートである。
【
図13】
図13(A)は、第1実施形態に係る無線タグ読取装置による基準タグの検出、未検出判断のフローチャートであり、
図13(B)は、警告範囲調整処理のフローチャートである。
【
図14】第2実施形態に係る無線タグ読取装置による情報表示処理のフローチャートである。
【
図15】第2実施形態に係る無線タグ読取装置の表示部による画像表示の説明図である。
【
図16】第3実施形態に係る陳列位置表示システムの電気的構成を例示するブロック図である。
【
図17】第4実施形態に係る陳列位置表示システムの電気的構成を例示するブロック図である。
【
図18】
図18(A)は、管理エリアを基準とする無線タグ読取装置の位置検出時を例示する説明図であり、
図18(B)は、管理エリアを基準とする無線タグ読取装置の読取方向検出時を例示する説明図であり、
図18(C)は、管理エリアを基準とする商品タグの位置特定時を例示する説明図である。
【
図19】第4実施形態に係る無線タグ読取装置による無線タグ位置特定処理のフローチャートである。
【
図20】第4実施形態に係る管理装置による管理エリアに対する各表示マークの表示状態の説明図である。
【
図21】第4実施形態の変形例に係る管理装置による管理エリアに対する各表示マーク及び指定した表示マークに関する商品情報等の表示状態の説明図である。
【
図22】第5実施形態に係る管理装置による管理エリアに対する各表示マーク及び各陳列エリアの表示状態の説明図である。
【
図23】第5実施形態の第1変形例に係る管理装置による警告状態の表示マークの表示例の説明図である。
【
図24】第5実施形態の第2変形例に係る管理装置によって管理エリア内にて設定される警告対象外エリアを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第1実施形態]
以下、本発明の無線タグ読取装置、陳列位置表示システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は第1実施形態に係る無線タグ読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。
図2は無線タグの電気的構成を例示するブロック図である。
無線タグ読取装置10は、いわゆるRFIDタグリーダであって、そのハードウェア構成は、
図1のようになっており、制御部11、記憶部12、通信処理部13、アンテナ14a、14b、表示部17及び外部インタフェース15等を備えている。制御部11は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、半導体メモリ等からなる記憶部12とともに情報処理装置を構成している。
【0036】
また、通信処理部13は、
図1に示すように、送信回路13b、受信回路13c等を備えている。送信回路13bは、例えば、キャリア発振器、符号化部、変調部及び増幅器等によって構成されている。キャリア発振器は、所定周波数のキャリア(搬送波)を出力しており、符号化部は、制御部11に接続され、制御部11より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。また、増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を設定された増幅率で増幅しており、その増幅信号が送信信号としてアンテナ14a、14bに出力されるようになっている。
【0037】
また、アンテナ14a、14bには、受信回路13cの入力端子が接続されており、アンテナ14a、14bによって受信された無線タグ30からの応答波に相当する電波信号(受信信号)は、受信回路13cに入力されるようになっている。受信回路13cは、例えば、増幅器、復調部等によって構成されており、アンテナ14a、14bによって受信された受信信号を増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調している。更に、その復調された信号波形に相当する信号を受信データとして制御部11に出力している。アンテナ14a、14bを介して受信された無線タグ30の応答波のそれぞれの位相及び位相差は、制御部11により、その測定時刻(受信時刻)に関連付けられて、順次記憶部12に記憶される。
【0038】
また、外部インタフェース15は、管理装置等の図示されない外部機器との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部11と協働して通信処理を行う構成をなしている。表示部17は、各種の情報の表示を行う。
【0039】
ここで、無線タグ読取装置10の読取対象となる無線タグ30の電気的構成について、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、無線タグ30は、アンテナ31,電源回路32,復調回路33,制御回路34,メモリ35,変調回路36などによって構成されている。電源回路32は、アンテナ31を介して受信した無線タグ読取装置10からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御回路34をはじめとする各構成要素に供給している。
【0040】
また、復調回路33は、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御回路34に出力している。メモリ35は、ROM,EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、制御プログラムや無線タグ30を識別するための識別情報(無線タグID)、或いは無線タグ30の用途に応じたデータなどが記憶されている。制御回路34は、メモリ35から上記情報やデータを読み出し、それを送信データとして変調回路36に出力する構成をなしており、変調回路36は、応答信号(キャリア信号)を当該送信データで負荷変調してアンテナ31から応答波として送信するように構成されている。なお、
図1及び
図2では、無線タグ読取装置10及び無線タグ30の電気的構成の一例を挙げたが、電磁波を媒介として無線通信を行い得る構成であれば公知の他の電気的構成を用いてもよい。
【0041】
第1実施形態の無線タグ読取装置10は、商品の陳列位置を表示することができ、使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させる。また、無線タグ読取装置10は、商品識別用の商品タグ(通常の無線タグ)に加え、位置基準となる基準タグとを用いることで、誤った陳列位置に商品があることを通知することができる陳列位置表示システム1を構成する(
図1参照)。
【0042】
無線タグ読取装置10は、無線タグの位置を特定し、表示部17に表示する。
図3は第1実施形態に係る無線タグ読取装置による入射角検出の説明図である。
まず、無線タグ読取装置10は、
図3中に示すように、無線タグからの電波を2台のアンテナ14a、14bで受信し、位相差ψから入射角θ(cosθ=ψλ/2πd、λ:波長、d:アンテナ14a、14b間の距離)を求めることで、無線タグ読取装置のスキャン方向(無線タグ読取装置の読み取りの面の向けられている方向)に対して、どの方向に無線タグが存在するか特定することができる。即ち、無線タグ読取装置10は、2以上のアンテナを介して受信した無線タグからの電波の位相差を検出し、入射角θを算出することで、無線タグ読取装置のスキャン方向に対する無線タグの相対角度を無線タグの方向として求める。
【0043】
図4は第1実施形態に係る無線タグ読取装置による距離測定の説明図である。
無線タグ読取装置10は、電波出力の強弱を切り換えて、
図4(A)に示す送受不能(無線タグ未検出:スキャン範囲外)な電波出力Paと、
図4(B)に示す送受可能(無線タグ検出:スキャン範囲内)な電波出力Pbを求め、図中扇形の最外半円(最大出力Pmでのスキャン範囲)との比率(二乗された値、対数値等の比率)から、無線タグ読取装置から商品(無線タグ)までの距離rを特定する。無段階に電波出力の強度を変えることで、正確に距離を求めることができる。或いは、予め計測された各電波出力に対応する距離から、無線タグ読取装置から商品(無線タグ)までの距離rを特定することもできる。
【0044】
また、無線タグ読取装置10は、電波出力の強弱を2段(強、弱)、3段(強、中、弱)、4段(強、中、弱、微弱)と切り換えて送受の可否出力を判断し、無線タグ読取装置から商品(無線タグ)までの距離rを特定することもできる。段階的に切り換えることで短時間に距離を特定できる。更に、受信電波出力の強さ(RSSI)を元に距離rを特定することもできる。送信する電波強度を固定することで最小時間で距離を求めることができる。
【0045】
図5(A)は第1実施形態に係る無線タグ読取装置による位置特定の説明図である。
図3を参照して上述した無線タグからの電波の入射角θと、
図4を参照して上述した無線タグ読取装置10から無線タグまでの距離rによって、無線タグの位置が特定される。
【0046】
図5(B)は表示部17による無線タグ位置の表示例である。
表示部17に、スキャン範囲SCと、スキャン範囲SC内の無線タグの検出位置TPとが表示される。これにより、無線タグ読取装置10の使用者は、どの範囲の無線タグを読めたか視覚的に把握することができる。
【0047】
第1実施形態では、無線タグ読取装置10に複数のアンテナ14a、14bを持たせ、商品に付した無線タグから受信した電波の位相差から電波の入射角θを割り出すことで、無線タグ読取装置から見た商品の位置を特定する。また、無線タグ読取装置の電波出力を切り換え、送受可能な電波出力と送受不能な電波出力を求めることで、無線タグ読取装置から商品までの距離rを特定することができる。第1実施形態の無線タグ読取装置は、受信できた無線タグの位置情報を表示部に表示することで、使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。
【0048】
図6は商品棚に置かれた基準タグと商品タグの説明図である。
商品棚A、商品棚Bに図中四角で示す基準タグと、図中丸で示す商品タグとが置かれている。ここで、第1実施形態の陳列位置表示システムでは、商品に付けられる商品識別用の既存の無線タグ(商品タグ)に加え、新たに位置基準となる無線タグ(基準タグ)が設けられる。基準タグは、商品タグに保持される商品カテゴリ毎に設けられ、基準タグの周りに、該基準タグと同一のカテゴリの無線タグの付けられた商品が配置される。このため、使用者は、無線タグ読取装置を用いて基準タグの周りに期待するカテゴリの商品が置かれているか知ることができる。例えば、使用者は陳列棚に陳列対象の商品が置かれているか判別することができる。
【0049】
図7は商品棚に置かれた基準タグと商品タグをスキャン(読み取り)した際の説明図である。
商品棚Aに向かって無線タグ読取装置10で読み取りを行うことで、スキャン範囲内の商品棚A上の図中実線四角で示す基準タグと、図中実線丸で示す商品タグと、商品棚B上の3個の図中実線丸で示す商品タグが検出されている。図中破線四角で示す基準タグと、図中破線丸で示す商品タグとは未検出である。商品タグ情報が受信されると、情報には商品コード(例えば001)が含まれる。無線タグ読取装置10には、図中に示す商品コードと商品カテゴリとを対応付けた商品のマスタ情報が保持されている。無線タグ読取装置10は、読み取った商品タグの商品コード(例えば001)と、保持しているマスタ情報から、その商品カテゴリ(例えば a)を特定する。マスタ情報で、商品コード(002)は商品カテゴリ(b)に対応し、商品コード(003)は商品カテゴリ(c)に対応し、商品コード(004)は商品カテゴリ(d)に対応している。
【0050】
図8は、スキャンされた基準タグと商品タグの商品カテゴリの説明図である。
商品カテゴリaの基準タグBGaの周りに商品カテゴリaの商品タグTGaが配置されている。商品カテゴリbの基準タグBGbの周りに商品カテゴリbの商品タグTGbが配置されている。商品カテゴリcの基準タグBGcの周りに商品カテゴリcの商品タグTGcが配置されている。商品カテゴリdの基準タグBGdの周囲に商品カテゴリdの商品タグTGdが配置されている。一部の商品タグTGdはスキャン範囲に入り、検出されているが、スキャン範囲よりも遠い基準タグBGdは検出されていない。
【0051】
図9は表示部による基準タグ未検出を警告する画像表示の説明図である。
上述したように、一部の商品タグTGdはスキャン範囲に入り、検出されているが、スキャン範囲よりも遠い基準タグBGdは検出されていない。スキャン範囲に入り検出された商品タグTGdは、基準タグBGdが検出されないため陳列位置誤り警告がなされ、商品タグTGd上にクロス(バッテン)の印が上書きされている。そして、警告内容として商品タグTGdの商品コード:004、商品カテゴリ:d、陳列位置誤り警告:あり、が情報表示されている。なお、[陳列位置誤り警告:あり]の表示の代わりに、[基準タグ未検出商品タグ有り]との情報表示を行うことも好適である。
【0052】
第1実施形態の無線タグ読取装置は、商品タグが、保持される商品カテゴリと同一である基準タグが読み取れない場合、警告を行う。このため、使用者に、基準タグが読み取れない程離れた所に、当該基準タグとカテゴリの同一の商品が置かれていることを警告できる。
【0053】
なお、商品カテゴリaの基準タグBGaと商品タグTGaは例えばオレンジ色で色づけされ、基準タグBGaはオレンジ色の四角で、商品タグTGaはオレンジ色の丸で表示されている。商品カテゴリbの基準タグBGbと商品タグTGbは例えば青色で色づけされ、基準タグBGbは青色の四角で、商品タグTGbは青色の丸で表示されている。商品カテゴリcの基準タグBGcと商品タグTGcは例えば黄色で色づけされ、基準タグBGcは黄色の四角で、商品タグTGcは黄色の丸で表示されている。商品カテゴリdの商品タグTGdは例えば紫色で色づけされ、商品タグTGdは紫色の丸で表示されている。
【0054】
第1実施形態に係る無線タグ読取装置10は、無線タグ(基準タグ、商品タグ)に保持される商品カテゴリを識別し、表示部17で無線タグをカテゴリ別に識別可能に表示する。このため、無線タグ読取装置は、使用者にどの範囲の商品カテゴリの無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。第1実施形態の無線タグ読取装置では、識別可能な表示は、色分け、又は、異なる形状である。無線タグ読取装置が、使用者に表示される無線タグの商品カテゴリを確実に識別させることができる。
【0055】
第1実施形態の無線タグ読取装置10は、表示部17で商品タグをカテゴリ別に色分け表示し、商品タグと同一カテゴリの基準タグを、商品タグと同色であって、異なる形状で表示する。商品タグと商品タグと同一カテゴリの基準タグとが同色で表示され、且つ、商品タグと商品タグと同一カテゴリの基準タグとが形状が異なるように表示されるため、商品タグと商品タグと同一カテゴリの基準タグが容易に識別できるようになる。
【0056】
各基準タグには、許容される商品タグまでの設定範囲(一定距離)が設けられている。商品カテゴリaの基準タグBGaには設定範囲Daが設けられ、この例では、設定範囲Da内に商品タグTGaが配置されている。商品カテゴリbの基準タグBGbには設定範囲Dbが設けられ、この例では、設定範囲Db内に商品タグTGbが配置されている。商品カテゴリcの基準タグBGcには設定範囲Dcが設けられ、この例では、設定範囲Dc内に商品タグTGcが配置されている。ここで、設定範囲は、商品陳列の実情に合うように基準タグを中心とした円形(一定距離)である場合のみでなく、基準タグから離れた位置を中心とした円形であっても、楕円形(所定範囲)であってもよい。
【0057】
図10は表示部による設定範囲外の商品タグを警告する画像表示の説明図である。
この例では、商品カテゴリbの基準タグBGbに設けられた設定範囲Dbの外に1つの商品タグTGbが配置されている。このため、陳列位置誤り警告がなされ、設定範囲Dbの外の商品タグTGd上にクロス(バッテン)の印が上書きされている。そして、警告内容として商品タグTGdの商品コード:002、商品カテゴリ:b、陳列位置誤り警告:あり、が情報表示されている。なお、[陳列位置誤り警告:あり]の表示の代わりに、[基準タグからの設定範囲外に商品タグ有り]との情報表示を行うことも好適である。
【0058】
第1実施形態の無線タグ読取装置を用いる陳列位置表示システムでは、基準タグは複数用いられ、各基準タグは、商品タグに保持される商品カテゴリ毎に設けられる。無線タグ読取装置10は、当該基準タグに保持される商品カテゴリと同一である商品タグが、該基準タグを基準に設定された一定距離以上(設定範囲外)か否かを判断し、商品タグが、基準タグを基準に設定された一定距離以上(設定範囲外)であるとき警告を行う。使用者に、基準タグから離れた所に、基準タグとカテゴリの同一の商品が置かれていることを警告できる。
【0059】
第1実施形態の無線タグ読取装置は、商品タグが、基準タグを基準に設定された一定距離以上(設定範囲外)であるときに、表示部17に表示される無線タグを、一定距離内の無線タグの表示と識別可能に表示する。このため、使用者に、基準タグから離れた所に、基準タグとカテゴリの同一の商品が置かれていることを容易に識別できるように表示できる。
【0060】
以下、第1実施形態の無線タグ読取装置10による処理について、
図11~
図13のフローチャートを参照して説明する。
図11は第1実施形態に係る無線タグ読取装置の制御部11による商品カテゴリ特定処理のフローチャートである。
制御部11により商品カテゴリ特定処理が開始されると、2つのアンテナ14a、14bを利用してタグスキャンが行われる(S12)。検出タグに対する処理が開始される(S14)。まず、無線タグの方向が求められる(S16)。ここでは、
図3を参照して上述したように、複数のアンテナを介して受信した無線タグからの電波の位相差を検出し、入射角θを算出することで、無線タグ読取装置のスキャン方向に対する無線タグの相対角度を無線タグの方向として求める。次ぎに、無線タグまでの距離が求められる(S17)。
図4を参照して上述したように、電波出力の強弱を切り換えて、
図4(A)に示す送受不能な電波出力Paと、
図4(B)に示す送受可能な電波出力Pbを求め、無線タグ読取装置から無線タグまでの距離rを特定する。上述したように、送信電波強度ではなく受信電波強度から距離rを特定することも可能である。角度と距離からタグ位置の特定が成される。なお、S12の処理を行う制御部11は、「読取り手段」の一例に相当し、S16の処理を行う制御部11は、「方向特定手段」の一例に相当し、S17の処理を行う制御部11は、「距離測定手段」の一例に相当し得る。
【0061】
処理対象の無線タグが商品タグか判断する(S18)。基準タグである場合は(S18:No)、S14の処理に戻る。商品タグであった際には(S18:Yes)、商品カテゴリを特定する(S20)。
図7を参照して上述したように、無線タグ読取装置10は、読み取った商品タグの商品コード(例えば001)と、保持しているマスタ情報から、その商品カテゴリ(例えば a)を特定する。なお、S20の処理を行う制御部11は、「カテゴリ識別手段」の一例に相当し得る。
【0062】
全ての検出タグに対する処理が完了したか判断し、未処理の検出タグがある場合、S14に戻る。全ての検出タグに対する処理の完了で、ループ処理を完了し、
図12に示される次処理に移行する(S22)。
【0063】
図12は第1実施形態に係る無線タグ読取装置の制御部11による基準タグと商品タグとの距離判断処理のフローチャートである。
基準タグに対する処理が開始される(S32)。
図9に示すように表示部17の画像中に基準タグの位置を表示する(S34)。商品タグに対する処理が開始される(S36)。基準タグと商品タグの商品カテゴリが一致するか判断される(S38)。商品カテゴリが一致しない場合(S38:No)、S36の処理に戻る。商品カテゴリが一致する場合(S38:Yes)、
図9に示すように表示部17の画像中に商品タグの位置を表示する(S40)。そして、基準タグと商品タグの距離は閾値内か判断される(S42)。
図8中に示されるように、例えば、商品カテゴリaの基準タグBGaの周りの閾値内の距離に商品カテゴリaの商品タグTGaが配置されている場合(S42:Yes)、S40の処理に戻る。例えば、商品カテゴリbの基準タグBGbの周りの閾値外の距離に商品カテゴリbの商品タグTGbが配置されている場合(S42:No)、所定の警告として陳列位置誤り警告表示が成される(S44)。ここでは、
図10を参照して上述したように、設定範囲(閾値範囲)Dbの外の商品タグTGb上にクロス(バッテン)の印が上書きされる。そして、警告内容として商品タグTGbの商品コード:002、商品カテゴリ:b、陳列位置誤り警告:あり、が情報表示される。なお、S34,S40の処理を行う制御部11は、「表示制御手段」の一例に相当し、S42の処理を行う制御部11は、「判断手段」の一例に相当し得る。また、S44の処理を行う制御部11は、「警告手段」の一例に相当し得る。
【0064】
S46の処理で、全ての商品タグに対する処理が完了したか判断し、未処理の商品タグがある場合、S36に戻る。全ての商品タグに対する処理の完了で、S48の処理に移行する。S48の処理で、全ての基準タグに対する処理が完了したか判断し、未処理の基準タグがある場合、S32に戻る。全ての基準タグに対する処理の完了で、ループ処理を完了し、
図13(A)に示される次処理に移行する。
【0065】
図13(A)は、第1実施形態に係る無線タグ読取装置の制御部11による基準タグの検出、未検出判断のフローチャートである。
商品タグに対する処理が開始される(S52)。各商品タグに対して関連する(同一カテゴリ)基準タグがあるか判断される(S54)。商品タグに対して関連する基準タグがある場合(S54:Yes)、S52の処理に戻る。商品タグに対して関連する基準タグがない場合(S54:No)、商品タグ位置の警告表示が行われる(S56)。ここでは、
図8を参照して上述したように、スキャン範囲よりも遠い基準タグBGdが検出されていない。スキャン範囲に入り検出された商品タグTGdは、基準タグBGdが検出されないため陳列位置誤り警告がなされ、
図9を参照して上述したように、商品タグTGd上にクロス(バッテン)の印が上書きされる。そして、警告内容として商品タグTGdの商品コード:004、商品カテゴリ:d、陳列位置誤り警告:あり、が情報表示されている。
【0066】
S58の処理で、全ての商品タグに対する処理が完了したか判断し、未処理の商品タグがある場合、S52に戻る。全ての商品タグに対する処理の完了で、処理を終了する。
【0067】
図13(B)は、第1実施形態に係る無線タグ読取装置の制御部11による警告範囲調整処理のフローチャートである。
第1実施形態の無線タグ読取装置10は、
図9中に示す商品カテゴリaの基準タグBGaに設けられた設定範囲Da、商品カテゴリbの基準タグBGbに設けられた設定範囲Db、商品カテゴリcの基準タグBGcに設けられ設定範囲Dcが、調整できるように構成されている。
【0068】
S62で、
図9中の表示部17の画像中に基準タグBGaに設けられた設定範囲Da、基準タグBGbに設けられた設定範囲Db、基準タグBGcに設けられ設定範囲Dcが表示される。そして、使用者により警告範囲調整指示があったか判断し(S64)、指示があった場合(S64:Yes)、指示に従い各警告範囲(設定範囲)が調整される(S66)。
【0069】
第1実施形態の発明の無線タグ読取装置10は、設定範囲は、表示部17に表示されると共に、調整可能である。設定範囲(一定距離)が表示部17に表示されるため、使用者に設定範囲を容易に把握させることができる。また、設定範囲が調整可能であるため、陳列の実情に合わせて警告範囲を設定できる。
【0070】
第1実施形態の無線タグ読取装置10は、商品識別用の商品タグと、位置基準となる基準タグと、を読み取り、複数のアンテナ14a、14bと表示部17とを有する。そして、無線タグ読取装置10は、複数のアンテナ14a、14bを介して受信した商品タグ、基準タグからの電波の位相差を検出し、入射角θを算出することで、無線タグ読取装置のスキャン方向に対する当該無線タグの角度を求め、電波出力を調整することで、商品タグ、基準タグまでの距離rを測定する。角度と距離から表示部17に商品タグ、基準タグの位置が表示される。そして、無線タグ読取装置10は、商品タグが、基準タグを基準に設定された一定距離以上か否かを判断し、商品タグが、基準タグを基準に設定された一定距離以上であるとき警告を行う。使用者により予め商品陳列位置に商品カテゴリ情報を保持した基準タグが設置される。無線タグ読取装置が、表示部に基準タグ、及び、商品タグを表示することで、使用者は基準タグの周りに期待するカテゴリの商品が置かれているか知ることができる。例えば、使用者は陳列棚に陳列対象の商品が置かれているか判別することができる。また、無線タグ読取装置10は、商品タグが、基準タグを基準に設定された一定距離以上であるとき警告することで、使用者に、基準タグから離れた所に、基準タグとカテゴリの同一の商品が置かれていることを警告できる。例えば、顧客が、いったん手にした商品の購入を止める際に、元の陳列位置と異なる位置に戻してしまった場合等、使用者に陳列棚に陳列対象以外の商品が置かれていることを知らせることができる。この検出、警告機能を無線タグ読取装置が単体で備えるため、警告システムの導入コストを抑えることができる。
【0071】
第1実施形態の陳列位置表示システムは、無線タグ読取装置10と、商品識別用の商品タグと、位置基準となる基準タグとを備える。このため、受信できた無線タグの位置情報を表示部17に表示することで、使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。例えば、陳列棚に陳列対象商品の基準タグを置き、その周りに商品タグの付けられた陳列対象商品を配置させることで、無線タグ読取装置を用いて陳列対象商品が適切に配置されているか確認することができる。1台の無線タグ読取装置で、陳列棚に陳列されるべきでない商品が含まれていないか判断することができる。
【0072】
第1実施形態の陳列位置表示システムは、基準タグは複数用いられ、各基準タグは、商品タグに保持される商品カテゴリ毎に設けられ、当該基準タグに保持される商品カテゴリと同一である商品タグが、該基準タグを基準に設定された一定距離以上か否かが判断される。このため、無線タグ読取装置10は、使用者にどの範囲の商品カテゴリの無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。例えば、陳列棚に陳列対象商品の基準タグを置き、その周りに商品タグの付けられた陳列対象商品を配置させることで、無線タグ読取装置を用いて基準タグと異なるカテゴリの商品が置かれていることを判別でき、陳列対象商品が適切に配置されているか確認することができる。
【0073】
第1実施形態の陳列位置表示システムは、基準タグの周りに、該基準タグと同一のカテゴリの商品タグが配置される。このため、使用者は、基準タグの周りに、該基準タグと同一のカテゴリの商品タグの付いた商品を置くことで、無線タグ読取装置を用いて基準タグの周りに期待するカテゴリの商品が置かれているか知ることができる。例えば、使用者は陳列棚に陳列対象の商品が置かれているか判別することができる。
【0074】
[第2実施形態]
図15は、第2実施形態に係る無線タグ読取装置の表示部による画像表示の説明図である。第2実施形態の無線タグ読取装置の構成は、
図1を参照して上述した第1実施形態と同様であるため、説明は省略される。
第2実施形態の無線タグ読取装置10は、商品タグが、保持される商品カテゴリと同一である基準タグが読み取れない場合でも警告を行わない。
図15中に示されているように、例えば、商品タグTGdが、保持される商品カテゴリと同一である基準タグが読み取れない場合でも警告が行われず、そのまま表示される。即ち、第1実施形態の
図13(A)の処理が削除されている。
【0075】
第2実施形態の無線タグ読取装置10は、保持される商品カテゴリと同一である基準タグが遠すぎて読み取れない場合、例えば、期待する商品タグを読んだ際に、当該商品タグの付けられている商品の奥の、異なる商品の商品タグが読めてしまった場合に警告を行わないことで、誤った位置に商品が置かれているとの誤解を与えない。警告を行う、行わないは切り換え可能である。商品展示の実情に適合させることができる。
【0076】
図14は、第2実施形態に係る無線タグ読取装置10の制御部11による情報表示処理のフローチャートである。
第2実施形態の無線タグ読取装置10は、表示部17のパネルにタッチが有った場合(S62:Yes)、指示された無線タグの情報を表示する(S64)。パネル上の商品タグTGcが選択されることで、情報内容として商品タグTGcの商品コード:003、商品カテゴリ:c、陳列位置誤り警告:無し、が表示されている。
【0077】
第2実施形態の無線タグ読取装置10は、表示部17に表示される商品タグに触れられた際に、当該商品タグの情報を表示する。このため、使用者は表示された商品タグの情報を容易に知ることができる。
【0078】
[第3実施形態]
図16は、本発明の第3実施形態に係る陳列位置表示システムの構成を示すブロック図である。第3実施形態の陳列位置表示システム101では、2以上の無線タグ読取装置を用いる。ここでは、2台の無線タグ読取装置10A、10Bが用いられる。第3実施形態の無線タグ読取装置10A、10Bの構成は、
図1を参照して上述した第1実施形態と同様であるため、説明は省略される。無線タグ読取装置10A、10Bは、外部インタフェース15を介してコンピュータから成る管理装置110に接続されている。管理装置110は表示部117を備える。
【0079】
無線タグ読取装置10は、無線タグからの電波を2台の無線タグ読取装置10Aのアンテナ14、及び、無線タグ読取装置10Bのアンテナ14で受信する。無線タグ読取装置10A、10Bは、それぞれ外部インタフェース15を介してコンピュータから成る管理装置110に位相値、及び、受信データを出力する。管理装置110は、
図3を参照して上述した第1実施形態と同様に位相差ψから入射角θ(cosθ=ψλ/2πd、λ:波長、d:アンテナ14、14間の距離)を求めることで、無線タグ読取装置のスキャン方向(無線タグ読取装置の読み取りの面の向けられている方向)に対して、どの方向に無線タグが存在するか特定する。即ち、管理装置110は、2以上のアンテナを介して受信した無線タグからの電波の位相差を検出し、入射角θを算出することで、無線タグ読取装置のスキャン方向に対する無線タグの相対角度を無線タグの方向として求める。
【0080】
無線タグ読取装置10A、無線タグ読取装置10Bの少なくとも一方は、
図4を参照して上述した第1実施形態と同様にして無線タグまでの距離を測定する。そして、測定を行った無線タグ読取装置は、外部インタフェース15を介してコンピュータから成る管理装置110に測定した距離を出力する。
【0081】
管理装置110は、
図11、
図12、
図13を参照して上述した第1実施形態と同様な処理を行い、
図6~
図10を参照して上述した第1実施形態と同様な画像表示を表示部117に行う。これと同時に、管理装置110は、無線タグ読取装置10Aの表示部17、無線タグ読取装置10Aの表示部17に表示部117と同様な画像表示を行わせる。
【0082】
第3実施形態の陳列位置表示システムでは、それぞれアンテナ14を備える2台の無線タグ読取装置10A、10Bを用いて、無線タグの方向を特定するため、既存の無線タグ読取装置を用いて使用者にどの範囲の無線タグが読めたかを視覚的に把握させることができる。
【0083】
[第4実施形態]
図17は、本発明の第4実施形態に係る陳列位置表示システムの構成を示すブロック図である。第4実施形態の陳列位置表示システム200は、管理エリアS内に配置される無線タグ30を読み取る携帯型の無線タグ読取装置210と、無線タグ読取装置210の読み取り結果を管理する管理装置220とを備えるように構成されている。
【0084】
本実施形態では、無線タグ30としてそれぞれ商品タグTGを付した各種の商品が各陳列棚にて陳列される店舗内の商品販売エリアが、上記管理エリアSとして採用されている。商品タグTGには、商品カテゴリを特定するための商品コードと固有の識別情報(商品ID)とを含めた商品情報等が記録されている。
【0085】
図17に示すように、本実施形態に係る無線タグ読取装置210は、上述した無線タグ読取装置10の制御部11、記憶部12、通信処理部13、アンテナ14a、14b、表示部17、外部インタフェース15等に加えて、装置位置検出部211及び読取方向検出部212を備えるように構成されている。
【0086】
装置位置検出部211は、GPS信号やビーコン信号等を利用して、管理エリアSを基準とする無線タグ読取装置210の現在位置を検出可能に構成されている。装置位置検出部211は、制御部11により制御されて、検出した現在位置に関する現在位置情報を制御部11に出力するように機能する。例えば、無線タグ読取装置210が管理エリアSに対して
図18(A)に例示する位置にいる場合には、この位置の座標情報が現在位置情報として制御部11に出力される。なお、装置位置検出部211は、「装置位置検出手段」の一例に相当し得る。
【0087】
読取方向検出部212は、地磁気センサ等を利用して、商品タグTGから商品情報を読み取った際の管理エリアSを基準とする無線タグ読取装置210の読取方向を検出可能に構成されている。読取方向検出部212は、制御部11により制御されて、検出した読取方向に関する読取方向情報を制御部11に出力するように機能する。例えば、無線タグ読取装置210が
図18(B)に例示する向きFで商品タグTGから商品情報を読み取っている場合には、この向きFに関する情報が読取方向情報として制御部11に出力される。なお、読取方向検出部212は、「読取方向検出手段」の一例に相当し得る。
【0088】
このように構成される無線タグ読取装置210の制御部11にてなされる無線タグ位置特定処理では、商品タグTGから商品情報を読み取った際に、上述した第1実施形態と同様にしてアンテナ14a、14bを介して受信した電波の位相差等に基づいて特定される商品タグTGの方向及び商品タグTGまでの距離と、装置位置検出部211の検出結果及び読取方向検出部212の検出結果とに基づいて、管理エリアS内での商品タグTGの位置が特定される。
【0089】
例えば、
図5(B)のように商品タグTGの方向及び商品タグTGまでの距離が特定されるとともに
図18(A)(B)のように無線タグ読取装置210の現在位置及び読取方向が検出される場合には、
図18(C)にて例示するように管理エリアSを基準とする商品タグTGの位置を特定することができる。このように管理エリアS内での商品タグTGの位置を特定できるため、本実施形態では、上述した基準タグBGを廃止している。なお、上記無線タグ位置特定処理を行う制御部11は、「方向特定手段」の特定結果と「距離測定手段」の測定結果と「装置位置検出手段」の検出結果と「読取方向検出手段」の検出結果とに基づいて管理エリアS内での無線タグ30の位置を特定する「無線タグ位置特定手段」の一例に相当し得る。
【0090】
使用者は、上記無線タグ位置特定処理を実行している無線タグ読取装置210を携帯して管理エリアS内を巡回することで、管理エリアS内にて陳列されている各商品の商品タグTGから読み取った商品情報と上述のようにして特定された商品タグTGの位置を示すタグ位置情報と商品情報が読み取られた読取時刻とが関連付けられるようにして、記憶部12のデータベースに順次記憶される。このように記憶部12に記憶される複数組の商品情報、タグ位置情報及び読取時刻は、巡回終了後など、所定のタイミングで読取結果として管理装置220に送信される。
【0091】
以下、上述した巡回時に、本実施形態において無線タグ読取装置210の制御部11にてなされる無線タグ位置特定処理について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
図19は、第4実施形態に係る無線タグ読取装置210の制御部11による無線タグ位置特定処理のフローチャートである。
制御部11により無線タグ位置特定処理が開始されると、2つのアンテナ14a、14bを利用してタグスキャンが行われる(S102)。次に、読取時刻が取得されるとともに装置位置検出部211により現在位置情報が検出されて取得される(S104)。続いて、読取方向検出部212により読取方向情報が検出されて取得される(S106)。そして、検出タグに対する処理が開始される(S108)。上記第1実施形態と同様にして、無線タグの方向が求められるとともに(S110)、無線タグまでの距離が求められる(S112)。
【0092】
処理対象の無線タグが商品タグTGか判断する(S114)。商品タグTGと異なる無線タグである場合は(S114:No)、S108の処理に戻る。商品タグTGであった際には(S114:Yes)、その商品タグTGの位置が、商品タグTGの方向及び商品タグTGまでの距離と無線タグ読取装置210の現在位置情報及び読取方向情報とに基づいて特定されて、タグ位置情報として記憶部12に記憶(保存)される(S116)。
【0093】
S118の処理で、全ての検出タグに対する処理が完了したか判断し、未処理の検出タグがある場合、S108に戻る。全ての検出タグに対する処理の完了で、本無線タグ位置特定処理を終了する。
【0094】
次に、本実施形態に係る管理装置220について説明する。
本実施形態に係る管理装置220は、無線タグ読取装置210の読み取り結果等を管理することで、管理エリアS内の商品の陳列状態を使用者に対して視認可能に表示するための装置である。管理装置220は、
図17に示すように、管理装置220全体を統括的に制御する制御部221、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部222、液晶モニタ等によって構成される表示部223、マウスやキーボード等によって構成される操作部224、無線タグ読取装置210等の外部機器と通信するための通信部225などを備えている。
【0095】
このように構成される管理装置220の制御部221にてなされる商品陳列位置管理処理では、通信部225を介して無線タグ読取装置210から上記読取結果(複数組の商品情報、タグ位置情報及び読取時刻)が受信されるごとに、記憶部222に構築される商品陳列位置管理用データベースが更新される。
【0096】
具体的には、上記商品陳列位置管理処理では、前回も読み取られている商品IDについて、商品陳列位置管理用データベースのタグ位置情報等が受信した読取結果に応じて最新状態に上書き更新される。また、前回読み取られておらず今回読み取られている商品IDについて、タグ位置情報等が受信した読取結果に応じて新規追加される。また、今回読み取られておらず前回読み取られていた商品IDについて、タグ位置情報及び商品情報等が商品陳列位置管理用データベースから削除される。なお、読み取り漏れ等を考慮して、所定回数連続して読み取られていない商品IDについて、タグ位置情報及び商品情報等が商品陳列位置管理用データベースから削除されてもよい。
【0097】
なお、無線タグ読取装置210から上記読取結果(複数組の商品情報、タグ位置情報及び読取時刻)を受信して取得するための処理を行う制御部221及び通信部225は、タグ位置情報を関連する商品情報とともに取得する「取得手段」の一例に相当し、記憶部222は、「取得手段」により取得された情報が記憶される「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0098】
そして、使用者が所定のタイミングにて管理装置220の操作部224に対して所定の操作を行うことで、制御部221にて商品陳列位置表示処理が開始される。この商品陳列位置表示処理では、上述のように逐次更新される商品陳列位置管理用データベースの情報を利用することで、管理エリアSを基準とする各商品タグTGの位置を示す表示マークが、商品タグTGごとに商品カテゴリを識別可能に変色等して、表示部223の表示画面223aに表示される。なお、表示部223は、「管理用表示部」の一例に相当し、表示部223の表示内容を制御する制御部221は、「管理用表示制御手段」の一例に相当し得る。
【0099】
具体的には、上記商品陳列位置表示処理により、
図20にて例示するように、商品カテゴリaの商品タグTGの位置を示す表示マークが例えばオレンジ色の丸で表示され、商品カテゴリbの商品タグTGの位置を示す表示マークが例えば青色の丸で表示され、商品カテゴリcの商品タグTGの位置を示す表示マークが例えば黄色の丸で表示され、商品カテゴリdの商品タグTGの位置を示す表示マークが例えば紫色の丸で表示され、商品カテゴリeの商品タグTGの位置を示す表示マークが例えば黒色の丸で表示され、商品カテゴリfの商品タグTGの位置を示す表示マークが例えば白色の丸で表示される。なお、表示マークは、商品カテゴリ数等に応じて、上述以外の色や丸以外の形状を利用して表示されてもよい。
【0100】
このように、無線タグ読取装置210にて読み取られた商品タグTGのタグ位置情報及び商品情報が管理装置220の記憶部222に記憶されることで、管理エリアSを基準とする商品タグTGの位置を示す表示マークが商品カテゴリを識別可能に表示部223の表示画面223aに表示される。このため、表示画面223aに表示される各表示マークを見た使用者に、管理エリアS内での商品タグTGの位置、すなわち、管理エリアS内での商品の位置を視覚的に把握させることができる。
【0101】
本実施形態の変形例として、上記商品陳列位置表示処理では、上述のように取得される読取時刻を利用して、各表示マークを、読取時刻に応じてその表示状態が変化するように表示画面223aに表示してもよい。例えば、読取時刻が古いほど表示マークの色を同系色で薄く表示することで、使用者は、管理エリアS内でどの範囲が最近読み取り作業が行われていないか視覚的に把握することができる。なお、例えば、読取時刻が古いほど表示マークの点滅速度を速くするように表示してもよいし、一定期間を超えて古くなる表示マークを点線で表示してもよい。
【0102】
また、上記商品陳列位置表示処理では、
図21に例示するように、表示画面223aに表示されている表示マークをマウス操作等によって指定(選択)することで、その表示マークに対応して記憶部222に記憶されている商品情報やタグ位置情報及び読取時刻が画面表示されてもよい。これにより、その表示マークに対応する商品が何であるか、陳列位置に誤りがないかなどを使用者が容易に確認することができる。
【0103】
[第5実施形態]
図22は、第5実施形態に係る管理装置による管理エリアに対する各商品タグの位置を示す各表示マークの表示状態の説明図である。第5実施形態の陳列位置表示システム200の構成は、
図17を参照して上述した第4実施形態と同様であるため、説明は省略される。
【0104】
第5実施形態では、商品カテゴリごとに商品陳列位置の基準として管理エリアS内にて陳列エリアSDが設定される。そして、管理装置220にてなされる商品陳列位置表示処理では、管理エリアSを基準に、表示マークとともに各陳列エリアSDが表示されるように表示部223を制御される。
【0105】
具体的には、
図22に例示するように、管理エリアSを基準に、商品カテゴリaの陳列エリアSDaと商品カテゴリbの陳列エリアSDbと商品カテゴリcの陳列エリアSDcと商品カテゴリdの陳列エリアSDdと商品カテゴリeの陳列エリアSDeと商品カテゴリfの陳列エリアSDfとが、表示部223の表示画面223aに表示される。
【0106】
このため、商品陳列位置表示処理によって表示マークとともに陳列エリアSDが表示される表示画面223aを見た使用者は、表示マークが同じ商品カテゴリの陳列エリアSD内で表示されているか、すなわち、商品カテゴリごとに正しく商品が陳列されているか視覚的に把握することができる。
【0107】
なお、商品カテゴリごとに1つ陳列エリアSDが設定されることに限らず、商品陳列状態等に応じて、1つの商品カテゴリに対して2つ以上の陳列エリアSDが設定されてもよい。
【0108】
本実施形態の第1変形例として、商品陳列位置表示処理では、同じ商品カテゴリに関して陳列エリアSD外となる商品タグTGの位置を示す表示マークが警告状態で表示されてもよい。
【0109】
具体的には、例えば、商品カテゴリaの商品に付された商品タグTGが陳列エリアSDbにて陳列されていると、
図23に例示するように、その商品タグTGの位置を示す表示マーク(
図23の符号Ma参照)が警告状態を示す表示状態(例えば赤色の点滅状態)で表示画面223aに表示される。
【0110】
このため、警告状態で表示される表示マークを見た使用者は、その表示マークの位置にある商品の陳列位置に関して異常があることを視覚的に把握することができる。
【0111】
また、本実施形態の第2変形例として、上述のように警告状態で表示マークを表示するモードにおいて、陳列エリア外であっても表示マークが警告状態で表示されない警告対象外エリアSEを設けてもよい。具体的には、例えば、
図24にてハッチングを付して例示するエリアのように、購入者が通る通路等を警告対象外エリアSEとして採用することができる。
【0112】
これにより、購入者が買い物かごに入れた商品の商品タグTGが読み取られる場合でも、その商品タグTGの位置を示す表示マークが不要に警告状態で表示されることを防止することができる。なお、警告対象外エリアSEとして、例えば、各陳列エリアSDが設定されないエリア(商品が陳列されないエリア)等が採用されてもよい。
【0113】
また、上記商品陳列位置表示処理では、表示画面223aに表示されている陳列エリアSDをマウス操作等によって指定することで、その陳列エリアSDの商品カテゴリ等を表示してもよい。これにより、陳列エリアSDの設定位置が正しいか、ある商品カテゴリの商品が陳列されるべき位置がどこかなどを、使用者が容易に確認することができる。
【0114】
さらに、管理装置220の制御部221にてなされる陳列エリア調整処理によって、各陳列エリアSDが表示された表示画面223aを見た使用者の操作部224を利用したマウス操作等に応じて、管理エリアS内での陳列エリアSDの位置及び範囲が調整されてもよい。これにより、店内レイアウト変更等に伴って商品カテゴリ単位で陳列位置が変更される場合でも、その変更に合わせて陳列エリアSDの位置及び範囲を容易に調整することができる。なお、上記陳列エリア調整処理を行う制御部221及び操作部224は、「陳列エリア調整手段」の一例に相当し得る。
【符号の説明】
【0115】
1…陳列位置表示システム
10…無線タグ読取装置
11…制御部(方向特定手段,距離測定手段,表示制御手段,カテゴリ識別手段,読取り手段,判断手段,警告手段,無線タグ位置特定手段)
14a、14b…アンテナ
17…表示部
30…無線タグ
200…陳列位置表示システム
210…無線タグ読取装置
211…装置位置検出部(装置位置検出手段)
212…読取方向検出部(読取方向検出手段)
220…管理装置
221…制御部(取得手段,管理用表示制御手段,陳列エリア調整手段)
222…記憶部(記憶手段)
223…表示部(管理用表示部)
224…操作部(陳列エリア調整手段)
225…通信部(取得手段)
BGa…基準タグ
TGa…商品タグ
S…管理エリア
SD…陳列エリア