(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137724
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】接続具
(51)【国際特許分類】
B44C 1/28 20060101AFI20240927BHJP
B44C 3/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B44C1/28 A
B44C3/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016364
(22)【出願日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2023048653
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023174660
(32)【優先日】2023-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 勝己
(72)【発明者】
【氏名】脇島 淳
(72)【発明者】
【氏名】大田 剛
(72)【発明者】
【氏名】村元 勝広
(57)【要約】
【課題】円形状の天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁とを有する物品をモザイク片として使用して立体的に配列して立体的な装飾品を作成することを可能にする新規な接続具を提供する。
【解決手段】接続具は、容器蓋の該スカート壁の外径に対応した内径を有する円環形状内周面又は周方向に間隔をおいて配置された複数個の円弧形状内面を有する環状主部を備えている。環状主部の外周面には第一の連結手段及び第二の連結手段が配設されている。1個の接続具の第一の連結手段と他の1個の接続具の第二の連結手段とを係合させて1個の接続具と他の1個の接続具とを連結することができる。環状主部には、更に、間隔をおいて立設され且つ両者間に物品のスカート壁を挿入することができる2個の挟み片を有する少なくとも1個の挟み手段が配設されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形状の天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁とを有する物品をモザイク片として利用して、立体的装飾品を作成するための接続具にして、
該物品の該スカート壁の外径に対応した内径を有する円環形状内周面又は周方向に間隔をおいて配置された複数個の円弧形状内面を備えた環状主部を備え、
該環状主部の該外周面には第一の連結手段及び第二の連結手段が配設されており、1個の接続具の該第一の連結手段と他の1個の接続具の該第二の連結手段とを係合させて該1個の接続具と該他の1個の接続具とを連結することができ、
該環状主部には、更に、間隔をおいて立設され且つ両者間に該物品の該スカート壁の下端部を挿入することができる2個の挟み片を有する少なくとも1個の挟み手段が配設されている、
ことを特徴とする接続具。
【請求項2】
該第一の連結手段及び該第二の連結手段並びに該挟み手段は、周方向にずらして配設されていて、軸線方向に重なり合うことがない、請求項1記載の接続具。
【請求項3】
該挟み手段は該環状主部の上面に接続された底板片を含み、該挟み片は該底板片の上面に立設されている、請求項1記載の接続具。
【請求項4】
該底板片の内側縁部は該環状主部の該内周面を超えて内方に延出している、請求項3記載の接続具。
【請求項5】
該環状主部の該外周面は多角形状であり、
該第一の連結手段は、該外周面における少なくとも1個の辺面に配設されており、該辺面に沿って延在し且つ上方に開放された第一の連結溝と、該第一の溝の外壁を規定する、上縁及び両側縁が自由縁である第一の連結舌片とから構成されており、
該第二の連結手段は、該外周面における他の少なくとも1個の辺面に配設されており、該辺面に沿って延在し且つ下方に開放された第二の連結溝と、該第二の溝の外壁を規定する、下縁及び両側縁が自由縁である第二の連結舌片が規定されており、
該第一の連結舌片は該第二の連結溝に対応した形状であり、該第二の連結舌片は該第一の連結溝に対応した形状である、
請求項1記載の接続具。
【請求項6】
該環状主部の外周面は正多角筒形状である、請求項1記載の接続具。
【請求項7】
該環状主部の該外周面は正八角筒形状又は正六角筒形状である、請求項6記載の接続具。
【請求項8】
該環状主部の該内周面には、その全体に渡って又は周方向に間隔をおいた複数個の部位において軸線方向に延びる複数個の凹凸が交互に存在するナールが形成されている、請求項1記載の接続具。
【請求項9】
合成樹脂から一体に形成されている、請求項1記載の接続具。
【請求項10】
該環状主部の内面又は該挟み手段の内面から径方向内側に向かって延びる梁が周方向に間隔をおいて複数配置されていて、複数の該梁は平面視における該環状主部の中央にて相互に接続される、請求項1に記載の接続具。
【請求項11】
該環状主部は、円筒形状乃至上方に向って内径が漸次低減する円錐台筒形状の内周面を備えている、請求項1に記載の接続具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みの容器蓋の如き円形天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁を有する物品をモザイク片として利用して、立体的装飾品を作成するための接続具に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、円形状の天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁を有する、使用済み(特に使用済みであることは明記されていないが使用済みであることが推定される)の、ポリテトラフルオロエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成された容器(通常ペットボトルと称されている容器)に適用されていた容器蓋を、モザイク片として使用して絵画様の装飾品を作成するための配列具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、上記配列具によれば、使用済みの容器蓋をモザイク片として使用して二次元的に配列して絵画様の装飾品を作成することができるが、使用済みの容器蓋をモザイク片として使用して立体的(三次元的)に配列することができず、立体的な装飾品を作成することができない。
【0005】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、使用済みの容器蓋(以下、単に「容器蓋」ということもある)の如き円形天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁を有する物品をモザイク片として使用して立体的に配列して立体的な装飾品を作成することを可能にする新規な接続具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する接続具として、
円形状の天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁とを有する物品をモザイク片として利用して、立体的装飾品を作成するための接続具にして、
該物品の該スカート壁の外径に対応した内径を有する円環形状内周面又は周方向に間隔をおいて配置された複数個の円弧形状内面を備えた環状主部を備え、
該環状主部の該外周面には第一の連結手段及び第二の連結手段が配設されており、1個の接続具の該第一の連結手段と他の1個の接続具の該第二の連結手段とを係合させて該1個の接続具と該他の1個の接続具とを連結することができ、
該環状主部には、更に、間隔をおいて立設され且つ両者間に該物品の該スカート壁の下端部を挿入することができる2個の挟み片を有する少なくとも1個の挟み手段が配設されている、
ことを特徴とする接続具が提供される。
【0007】
好ましくは、該第一の連結手段及び該第二の連結手段並びに該挟み手段は、周方向にずれして配設されている。好ましくは、該挟み手段は該環状主部の上面に接続された底板片を含み、該挟み片は該底板片の上面に立設されている。該底板片の内側縁部は該環状主部の該内周面を超えて内方に延出しているのが好適である。好ましくは、該環状主部の該外周面は多角形状であり、該第一の連結手段は、該外周面における少なくとも1個の辺面に配設されており、該辺面に沿って延在し且つ上方に開放された第一の連結溝と、該第一の溝の外壁を規定する、上縁及び両側縁が自由縁である第一の連結舌片とから構成されており、該第二の連結手段は、該外周面における他の少なくとも1個の辺面に配設されており、該辺面に沿って延在し且つ下方に開放された第二の連結溝と、該第二の溝の外壁を規定する、下縁及び両側縁が自由縁である第二の連結舌片が規定されており、該第一の連結舌片は該第二の連結溝に対応した形状であり、該第二の連結舌片は該第一の連結溝に対応した形状である。該環状主部の外周面は正多角筒形状、特に正八角筒形状又は正六角筒形状であるのが好適である。該環状主部の該内周面には、その全体に渡って又は周方向に間隔をおいた複数個の部位において軸線方向に延びる複数個の凹凸が交互に存在するナールが形成されているのが好ましい。接続具は合成樹脂から一体に形成されているのが好適である。好適には、該環状主部の内面又は該挟み手段の内面から径方向内側に向かって延びる梁が周方向に間隔をおいて複数配置されていて、複数の該梁は平面視における該環状主部の中央にて相互に接続される。該環状主部は、円筒形状乃至上方に向って内径が漸次低減する円錐台筒形状の内周面を備えているのが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の接続具によれば、環状主部に容器蓋の上端部を下方から挿入して容器蓋を装着し、そしてまた挟み手段の挟み片間に容器蓋のスカート壁を局部的に挿入して容器蓋を装着することができ、接続具を介して容器蓋の配列を上下方向に展開することができる。また、1個の接続具の第一の連結手段と他の1個の連結手段とを係合させて2個の接続具を横方向に連結することができ、これによって容器蓋の配列を横方向に展開することができる。かくして、容器蓋をモザイク片として使用して立体的に配列して立体的な装飾品を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本発明に従って構成された接続具の好適実施形態を示す斜面図。
【
図7】本発明に従って構成された接続具の第一変形例を示す斜面図。
【
図8】本発明に従って構成された接続具の第二変形例を示す斜面図。
【
図9】
図8に示す接続具の断面を部分的に拡大して示す斜面図。
【
図10】本発明に従って構成された接続具の第三の変形例を示す斜面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、使用済みの容器蓋の典型例及び本発明に従って構成された接続具の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0011】
図1には、本発明に従って構成された接続具にモザイク片として装着される使用済みの容器蓋の典型例が図示されている。全体を番号2で示す容器蓋は、円形状の天面壁4とこの天面壁4の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁6とを有する。スカート壁6の下端縁部には周方向に連続して延在する突条8が形成されている。スカート壁6の外周面における突条8よりも上方の部位には軸線方向に延びる複数個の凹凸が交互に存在するナール10が周方向全体に渡って形成されている。ナール10は周方向に間隔おいた複数個の部位のみに形成されていることもある。図示の容器蓋2が容器(図示していない)の口頸部に装着され口頸部を密封していた状態においては、二点鎖線で図示する如くスカート壁6の下端には破断可能な複数個の橋絡部(図示を省略している)介してタンパーエビデント裾部12が接続されていたが、容器の口頸部から容器蓋2を離脱する際に複数個の橋絡部が破断されてタンパーエビデント裾部12がスカート壁6から切り離される。かような容器蓋2はポリレチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から形成されている。しかしながら、本発明に従って構成された接続具は合成樹脂から形成されている使用済みの容器蓋のみならず、シェル(外殻)がアルミニウム基合金薄板の如き適宜の金属薄板から形成されている使用済みの容器蓋にも適用することができる。上述したとおりの容器蓋2自体は周知の形態でよく、それ故にその詳細な説明(天面壁の内面及びスカート壁の内周面の構成等)は本明細書においては省略する。
【0012】
本発明に従って構成された接続具に適用されるモザイク片は、使用済みの容器蓋に限られるものではなく、モザイク片専用として形成された、円形状の天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁とを有する、合成樹脂又は金属薄板等の適宜の材料から形成された物品も含まれる。
【0013】
図2乃至
図6を参照して説明を続けると、全体を番号14で示す、本発明に従って構成された図示の接続具は、ポリエチレン或いはポリプロピレンの如きポリエステル系合成樹脂或いはポリカーボネート系合成樹脂等の適宜の合成樹脂から一体に成形されているのが望ましい。接続具14は透明乃至半透明でよく、或いは白、赤又は青の如き所望色に着色することもできる。
【0014】
接続具14は環状主部16を備えている。図示の実施形態においては、環状主部16の内周面18は円筒形状であり、その内径は上記容器蓋2のスカート壁6の外径(更に詳細には突条8よりも上方の部位の外径)に対応している、更に詳しくはスカート壁6の外径と実質上同一又はこれより若干小さい。一方、環状主部16の外周面20は多角形状、特に正多角形状であることが好ましく、図示の実施形態においては正八角形状であり、8個の辺面20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、及び20hを有する。
【0015】
環状主部16の内周面には、その全体に渡って或いは周方向に間隔をおいた複数個の部位において、上記容器蓋2のスカート壁6の外周面に形成されているナール10に対応して複数個の凹凸が交互に存在するナール22が形成されているのが好適である。図示の実施形態においては、周方向に等間隔をおいた4個の部位、更に詳しくは辺面20a、20c、20e及び20gに対応した部位、にナール22が形成されている。
【0016】
本発明に従って構成された接続具14においては、環状主部16の外周面20における辺面20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、及び20hの内の少なくとも1個、特に等角度間隔をおいて位置する複数個の辺面に第一の連結手段24が配設されており、他の少なくとも1個の辺面、特に等角度間隔をおいて位置する他の複数個の片面に第二の連結手段26が配設されているのが好ましい。図示の実施形態においては、180度の角度間隔を置いて位置する2個の辺面20a及び20eに第一の連結手段24が配設され、同様に180度の角度間隔をおいて位置する2個の辺面20c及び20gに第二の連結手段26が配設されている。
図2と共に
図3及び
図5を参照することによって明確に理解される如く、第一の連結手段24の各々は、辺面20a及び20eに沿って(従って実質上直線状に)延在し上方に開放されている第一の連結溝28と、かかる第一の連結溝28の外側壁を規定している略横長長方形状の第一の連結片30とから構成されている。第一の連結片30の各々は、環状主部16の底面から上方に突出しているが、その上縁は環状主部16の上面よりも幾分下方に位置している。第一の連結片30の両側にはスリット32が形成されており、第一の連結片30の各々の上縁及び両側縁は自由縁である。
図2と共に
図4及び
図6を参照することによって明確に理解される如く、第二の連結手段26の各々は、辺面20c及び20gに沿って(従って実質上直線状に)延在し下方に開放されている第二の連結溝34と、かかる第二の連結溝34の外側壁を規定している略横長長方形状の第二の連結片36とから構成されている。第二の連結片36の各々は、環状主部16の上面から下方に突出しているが、その下縁は環状主部16の下面よりも幾分上方に位置している。第二の連結片36の両側にもスリット38が形成されており、第二の連結片36の各々の上縁及び両側縁も自由縁である。第一の連結片30の形状は第二の連結溝34の形状に対応しており、後述するとおり第一の連結片30は第二の連結溝34内に下方から挿入されてこれに係合され、同様に第二の連結片36の形状は第一の連結溝28の形状に対応しており、後述するとおり第二の連結片36は第一の連結溝28内に上方から挿入されてこれに係合される。第一の連結片30の厚さは第二の連結溝34の幅と実質上同一或いはこれより若干大きいのが好都合であり、同様に第二の連結片36の厚さは第一の連結溝28の幅と実質上同一或いはこれより若干大きいのが好都合である。
【0017】
本発明に従って構成された接続具14においては、更に、環状主部16には少なくとも1個の挟み手段40が形成されていることが重要である。挟み手段38は、環状主部16の上面、特に複数個の片面20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、及び20hの内の等角度間隔をおいて位置し且つ上記第一の連結手段22及び上記第二の連結手段24が配設されていない複数個の辺面が位置する部位の上面、に形成されているのが好ましい。
図1と共に
図5を参照することによって明確に理解される如く、図示の実施形態においては、辺面20b、20d、20f及び20hが位置する部位の各々において環状主部16の上面に挟み手段40が配設されている。挟み手段40の各々は、環状主部16の上面に接続された底板片42とこの底板片42の上面に立設されている2個の挟み片44及び46から構成されている。底板片42の各々は略細長長方形状であり、その外側縁は環状主部16の外周面に整合しているが、その内側縁部は環状主部16の内周面を超えて幾分内側に突出している。挟み片44及び46の各々は辺面20b、20d、20f及び20hに平行に且つ相互に所定間隔をおいて延在しており、挟み片44と挟み片46との間隔は上記容器蓋2のスカート壁6の下端部の厚さに対応、更に詳しくはこれと実質上同一或いはこれよりも若干小さい又は大きい。図示の実施形態においては、外側に位置する挟み片44は比較的大きい略長方形状であり、内側に位置する挟み片46は比較的小さい略長方形状である。
【0018】
次に、上記のとおりの接続具14の使用様式について説明する。
図3に二点鎖線で図示する如く、接続具14の環状主部16にその下方から容器蓋2を進入させて、換言すれば容器蓋2の上端部に接続具14の環状主部16を被嵌して、接続具2に1個の容器蓋2を接続する。環状主部16に容器蓋2を進入させる際には容器蓋2のスカート壁6の外周面に形成されているナール10が環状主部16の内周面18に形成されているナール22に係合される。環状主部16に対する容器蓋2の進入度合いは、接続具2の挟み手段40の底板片42における、環状主部16の内周面を超えて突出する内側縁部の下面に容器蓋2の天面壁4の上面が当接することによって規制される。所望ならば、環状主部16の内周面の所要部位に規制突条を形成して容器蓋2の天面壁4を規制突条に当接させることによって或いは環状主部16の内周面の少なくとも一部を上方に向って内径が漸次低減する円錐台筒形状にして又はナール22の凸部の突出量を上方に向って漸次増大して容器蓋2のスカート壁6の上端部を環状主部16の内周面又はナール22の凸部に弾性的に係合させる等によって環状主部16に対する容器蓋2の進入度合いを規制することもできる。更に、
図2に二点鎖線で図示する如く、接続具2の上面側において、容器蓋2のスカート壁6の下端部を、接続具14の挟み手段40における挟み片44と挟み片46との間に部分的に進入させて、接続具2に容器蓋2を組み合わせる。更に、必要に応じて、接続具2の上面側に組み合わされた容器蓋2に次の接続具14を被嵌する。かようにして容器蓋2を上下方向に積み重ねて配列することができる。横方向の展開は、
図2に二点鎖線で図示する如く、接続具14に並列して他の接続具14を連結する。更に詳述すると、一方の接続具14の第二の連結手段26における第二の連結溝34に他の接続具14の第一の連結片30を挿入すると共に一方の接続具14の第二の連結手段24の第一の連結片34を他方の接続具14の第一の連結手段24の第一の連結溝28内に挿入して、一方の接続具14の第二の連結手段26と他方の接続具14の第一の連結手段24とを係合する。そして、他方の接続具14の下側及び/又は上側に容器蓋2を組み合わせる。かようにして容器蓋2を横方向に配列することができる。
【0019】
図7には、本発明に従って構成された接続具の第一変形例が図示されている。
図7に図示する接続具114においては、環状主部116の内周面118は円筒形状であり、外周面120は正六角形であり、外周面120には6個の辺面120a、120b、120c、120d、120e及び120fが存在する。そして、辺面120a、120b及び120cには第一の連結手段124が配設され、辺面120d、120e及び120fには第二の連結手段126が配設されている。第一の連結手段124は辺面120a、120b及び120cの周方向全体に渡ってではなくて周方向中央部に配設され、同様に第二の連結手段126も辺面120d、120e及び120fの周方向全体に渡ってではなくて周方向中央部に配設されている。そして、挟み手段140は、環状主部116の上面における辺面120bと辺面120cとの境界領域、辺面120dと辺面120eとの境界領域及び辺面120fと辺面120aとの境界領域に対応する3個の部位に配設されている。挟み手段140の底板片142の外側縁は第一の連結手段124と第二の連結手段126の隣接する側縁間を直線状に延在し、内側縁は外側縁と平行に延在している。そして、底板片142の内側縁部は環状主部116の内周面118を超えて内方に延出している。
図7に図示する実施形態における上述した構成以外の構成、例えば第一の連結手段124、第二の連結手段126及び挟み手段140の構成、そしてまた
図7に図示する実施形態の使用様式は、
図2乃至
図6に図示する実施形態と実質上同一であるので、説明の重複を避けるために説明を省略する。
【0020】
図8には、本発明に従って構成された接続具の第二変形例が図示されている。本変形例における接続具214にあっては、挟み手段240の内面から径方向内側に向かって延びる梁248が周方向に間隔をおいて複数配置され、複数の梁248は平面視における環状主部216の中央にて相互に接続される。図示の実施形態においては、挟み手段240は周方向に等角度間隔をおいて4つ配設されており、梁248は4つの挟み手段240の各々の内面さらに詳しくは挟み片246の内面から径方向内側に延びている。従って、図示の実施形態においては、梁248は全部で4本設けられていて、4本の梁248は周方向に等角度間隔をおいて配置されている。4本の梁248は全て実質上水平且つ直線状に延びている。換言すれば、4本の梁248は全て同一の高さ位置に存在する。
図9に示すとおり、梁248の断面は実質上水平な下面250と、下面250の両端から上方に起立する一対の下方側面252と、一対の下方側面252の各々の上端から上方に向かって内側に弧状に湾曲せしめられた一対の上方側面254と、一対の上方側面254の各々の上端を相互に接続して実質上水平に延在する上面256とを有している。
図8を参照して説明すると、4本の梁248が相互に接続された中央接続部258は、4本の梁248の夫々の上面256から連続して延在する実質上水平な上面外周部260と、上面外周部260の内側に規定される円形の上面中央凹部262とを備えている。所望ならば、梁248は環状主部216の内面から径方向内側に延びていてもよく、また、複数の梁248の夫々の高さ位置は必ずしも全て同一でなくてもよい。
【0021】
本変形例における接続具にあっては、環状主部216の内面又は挟み手段240の内面から径方向内側に向かって延びる梁248が周方向に間隔をおいて複数配置されていて、複数の梁248は平面視における環状主部216の中央(つまり中央接続部258)にて相互に接続されている。これにより、本変形例における接続具が上述した適宜の合成樹脂から一体に射出成形される際には、成型機から成形金型へ溶融状態の合成樹脂を流入させるための入口を中央接続部258の上面又は下面に規定つまり所謂ゲートを中央接続部258の上面又は下面に規定することで、溶融状態の合成樹脂を成形型内に迅速に流入させることができる。上記梁248を有しない形態の接続具(例えば
図2又は
図7に示す接続具14、114)が射出成形により成形される場合、上記ゲートは接続具の表面上の任意の一点に規定される。そうすると、ゲートから流入した溶融状態の合成樹脂は環状主部を成形するための環状流路を2方向に分岐して流動した後ゲートと直径方向反対側にて合流することとなり、分岐してから合流するまでの時間が長く、合流した際の合成樹脂の樹脂温度が低下するため、合流した部位にて所謂ウェルドの如き成形不良を生じる虞がある。
【0022】
以上、添付図面を参照して本発明に従って構成された接続具の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言を要しない。例えば、図示の実施形態においては、環状主部の内周面は円筒形状であるが、内周面の全体又は軸線方向の一部を円錐台形状にすることもできる。更に、環状主部の内周面を円環形状に替えて周方向に間隔をおいて配置される複数個の円弧形状内面とすることもできる。
図10に示す第三の変形例にあっては、環状主部316は周方向に等間隔をおいて配置された4個の円弧形状内面318a、318c、318e及び318gを備えている。円弧形状内面318a、318c、318e及び318gは夫々環状主部316の外周面320の辺面320a、320c、320e及び320gに対応する周方向領域に設けられている。夫々の円弧形状内面318a、318c、318e及び318gには、その全体に亘って軸線方向に延びる複数個の凹凸が交互に存在するナール322が形成されている。一方、環状主部316の辺面320b、320d、320f及び320hに対応する周方向領域にあっては、環状主部316は上端部を除いて切り欠かれている。また、上述したとおり環状主部の外周面は多角形、特に正多角形であるのが好ましいが、所望ならば、環状主部の外周面を、例えば一部が平坦な辺面であり一部は円弧形状の面であって全体としてD字形状の如き他の適宜の形状にすることもできる。この場合、第一の連結手段及び第二の連結手段は平坦な辺面に配設するのが望ましい。更に、図示の実施形態においては、第一の連結手段と第二の連結手段とを夫々異なった辺面に配設しているが、第一の連結手段と第二の連結手段とを同一の辺面に配設することもできる。かような場合においても、第一に連結手段及び第二の連結手段並びに挟み手段は周方向にずらして配設されており、軸線方向において重なり合うことがないのが好ましい。
【符号の説明】
【0023】
2:容器蓋
4:天面壁
6:スカート壁
8:突条
10:ナール
12:タンンパーエビデント裾部
14:接続具
16:環状主部
18:環状主部の内周面
20:環状主部の外周面
20a乃至20h:辺面
22:ナール
24:第一の連結手段
26:第二の連結手段
28:第一の連結溝
30:第一の連結片
32:スリット
34:第二の連結溝
36:第二の連結片
38:スリット
40:挟み手段
42:底板片
44:挟み片
46:挟み片
114:接続具
116:環状主部
118:環状主部の内周面
120:環状主部の外周面
120a乃至120f:辺面
124:第一の連結手段
126:第二の連結手段
140:挟み手段
142:底板片