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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137728
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/26 20060101AFI20240927BHJP
   E06B 3/62 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E06B3/26
E06B3/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017984
(22)【出願日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】P 2023045224
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】山下 富広
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA02
2E014BA08
2E014BB01
2E014BB03
2E014BD08
2E016AA03
2E016BA01
2E016BA02
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC02
2E016DA06
2E016DB03
2E016DC01
2E016DD01
2E016DD03
(57)【要約】
【課題】断熱性を向上させることができる建具を提供する。
【解決手段】建具は、金属部材32Aと、金属部材32Aの屋内側に設けられた樹脂部材32Bと、金属部材32Aと樹脂部材32Bとで形成される空間部S21,S22,S23,S24,S25と、を備え、樹脂部材32Bのみで囲まれた中空部を備えず、空間部S21,S22,S23,S24,S25は、見付け方向に並んで複数配置され、空間部S22は、パネル溝32Cの屋内側に配置されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部材と、
前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材と、
前記金属部材と前記樹脂部材とで形成される空間部と、を備え、
前記樹脂部材のみで囲まれた中空部を備えない框を備える建具。
【請求項2】
前記空間部は、見付け方向に並んで複数配置されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
パネルの端部が配置されるパネル溝を有し、
前記空間部は、前記パネル溝の屋内側に配置されている請求項1または2に記載の建具。
【請求項4】
前記パネル溝を形成し前記パネルの屋内側に配置される前記金属部材の溝壁部と、前記パネルの屋内側面と、の間に設けられている封止材を備える請求項3に記載の建具。
【請求項5】
前記封止材は、シーリング材である請求項4に記載の建具。
【請求項6】
前記封止材は、グレージングチャンネルである請求項4に記載の建具。
【請求項7】
前記金属部材は、前記樹脂部材の見付け方向の外側に配置される外側壁部を有し、
前記外側壁部は、屋内側に露出している請求項1または2に記載の建具。
【請求項8】
前記建具は、ビルに設置されるビル用建具である請求項1または2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の開口に設置される建具の框として、アルミ合金等からなる金属材料と樹脂材料とが組み合わせられた構成が知られている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-133195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の建具の框では、樹脂部材が金属部材の屋内側に間隔を空けずに取り付けられているため、断熱性に劣るという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、断熱性を向上させることができる建具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る建具は、金属部材と、前記金属部材の屋内側に設けられた樹脂部材と、前記金属部材と前記樹脂部材とで形成される空間部と、を備え、前記樹脂部材のみで囲まれた中空部を備えない框を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一実施形態に係る建具の外障子部分の鉛直断面図である。
図2】第一実施形態に係る建具の内障子部分の鉛直断面図である。
図3】第一実施形態に係る建具の水平断面図である。
図4】第一実施形態に係る建具の上框の構成を示す鉛直断面図である。
図5】第一実施形態に係る建具の下框の構成を示す鉛直断面図である。
図6】第一実施形態に係る建具の戸先框の構成を示す水平断面図である。
図7】第一実施形態に係る建具の召合せ框の構成を示す水平断面図である。
図8】第二実施形態に係る建具の上框の構成を示す鉛直断面図である。
図9】第二実施形態に係る建具の下框の構成を示す鉛直断面図である。
図10】第二実施形態に係る建具の戸先框の構成を示す水平断面図である。
図11】第二実施形態に係る建具の召合せ框の構成を示す水平断面図である。
図12】第三実施形態に係る建具の上框の構成を示す鉛直断面図である。
図13】第三実施形態に係る建具の下框の構成を示す鉛直断面図である。
図14】第三実施形態に係る建具の戸先框の構成を示す水平断面図である。
図15】第三実施形態に係る建具の召合せ框の構成を示す水平断面図である。
図16】第四実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
図17】第四実施形態に係る建具の水平断面図である。
図18】第四実施形態に係る建具の上枠の構成を示す鉛直断面図である。
図19】第四実施形態に係る建具の下枠の構成を示す鉛直断面図である。
図20】第四実施形態に係る建具の縦枠の構成を示す水平断面図である。
図21】第五実施形態に係る建具の上枠の構成を示す鉛直断面図である。
図22】第五実施形態に係る建具の下枠の構成を示す鉛直断面図である。
図23】第五実施形態に係る建具の縦枠の構成を示す水平断面図である。
図24】第六実施形態に係る建具の鉛直断面図である。
図25】第六実施形態に係る建具の水平断面図である。
図26】第六実施形態に係る建具の上框の構成を示す鉛直断面図である。
図27】第六実施形態に係る建具の下框の構成を示す鉛直断面図である。
図28】第六実施形態に係る建具の戸先框の構成を示す水平断面図である。
図29】第六実施形態に係る建具の吊元框の構成を示す水平断面図である。
図30】第七実施形態に係る建具の上框の構成を示す鉛直断面図である。
図31】第七実施形態に係る建具の下框の構成を示す鉛直断面図である。
図32】第七実施形態に係る建具の戸先框の構成を示す水平断面図である。
図33】第七実施形態に係る建具の吊元框の構成を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る建具について、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0009】
建物の開口部に設けられる建具の一例として、ビル用建具の引違い窓を用いて説明する。図1に示すように、引違い窓100は、枠体1と、アングル2と、外障子3Xと、図2に示す内障子3Yと、を備えている。外障子3X及び内障子3Yは、枠体1の内側を幅方向にスライド可能とされている。
【0010】
ビル用建具とは、中層ビル(地上からの高さ12m超え31m以下)、高層ビル(地上からの高さ31m超え)及び超高層ビル(地上からの高さ60m超え)の建物に設置される建具である。中層ビル、高層ビル及び超高層ビルに設置される建具は、低層ビル(地上からの高さ12m以下)に設置される建具と比較して、高い耐風圧性能や水密性能、気密性能等が求められる。このため、中層ビル、高層ビル及び超高層ビルに設置されるビル用建具に要求される性能は、JIS A 4706:2021で定められるとおり、耐風圧性能としてはS-4等級以上、水密性能としてはW-4等級以上、気密性能としてはA-4以上が挙げられる。
【0011】
以下の説明では、引違い窓100を正面から見た左右方向を、幅方向と称する。幅方向に直交し水平方向に沿う方向を、屋内外方向と称する。幅方向及び屋内外方向に直交する方向を、上下方向と称する。図面では、幅方向を矢印Xで示し、屋内外方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。幅方向及び上下方向を、見付け方向という場合がある。枠体1及びアングル2の各構成部材において、幅方向及び見付け方向で枠体1の中心から離れる側を外側と称し、枠体1の中心に向かう側を内側という場合がある。外障子3X及び内障子3Yの各構成部材において、幅方向及び見付け方向で外障子3X及び内障子3Yの中心から離れる側を外側と称し、外障子3X及び内障子3Yの中心に向かう側を内側という場合がある。
【0012】
枠体1は、四方枠状をしている。枠体1は、図1に示す上枠11と、下枠12と、図3に示す縦枠13と、を有している。各枠11,12,13は、金属枠と樹脂枠とが連結されて構成されている。
【0013】
図1に示すように、上枠11は、幅方向に延びている。上枠11は、金属上枠11Aと、樹脂上枠11Bと、を有している。樹脂上枠11Bは、金属上枠11Aの屋内側の下側に取り付けられている。
【0014】
下枠12は、幅方向に延びている。下枠12は、金属下枠12Aと、樹脂下枠12Bと、を有している。樹脂下枠12Bは、金属下枠12Aの屋内側の上側に取り付けられている。
【0015】
図3に示すように、縦枠13は、上下方向に延びている。縦枠13は、上枠11の幅方向の端部と下枠12の幅方向の端部とを連結している。縦枠13は、金属縦枠13Aと、樹脂縦枠13Bと、を有している。樹脂縦枠13Bは、一対の金属縦枠13Aのうち幅方向の一方側の金属縦枠13Aに取り付けられている。樹脂縦枠13Bは、一方の金属縦枠13Aの幅方向の内側に取り付けられている。樹脂縦枠13Bは、屋内側から見て左側の金属縦枠13Aに取り付けられているが、右側の金属縦枠13Aに取り付けられていてもよい。
【0016】
金属枠11A,12A,13Aは、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂枠11B,12B,13Bは、樹脂材料の形材で形成されている。
【0017】
アングル2は、樹脂材料の形材で形成されている。アングル2は、図1に示す上アングル21と、下アングル22と、図3に示す縦アングル23と、を有している。
【0018】
図1に示すように、上アングル21は、幅方向に延びている。上アングル21は、金属上枠11Aの屋内側且つ下側に取り付けられている。
【0019】
下アングル22は、幅方向に延びている。下アングル22は、金属下枠12Aの屋内側且つ上側に取り付けられている。
【0020】
図3に示すように、縦アングル23は、上下方向に延びている。縦アングル23は、一対の金属縦枠13Aのうち樹脂縦枠13Bが取り付けられていない方の金属縦枠13Aに取り付けられている。縦アングル23は、金属縦枠13Aの屋内側且つ幅方向の内側に取り付けられている。縦アングル23は、屋内側から見て右側の金属縦枠13Aに取り付けられているが、左側の金属縦枠13Aに取り付けられていてもよい。
【0021】
外障子3Xは、屋外側に配置されている。内障子3Yは、屋内側に配置されている。外障子3X及び内障子3Yを総称して、障子3と称することがある。
【0022】
障子3は、框体30と、ガラスパネル40と、を有している。框体30は、図1に示す上框31と、下框32と、図3に示す戸先框33と、召合せ框34と、を有している。各框31,32,33,34は、金属框と樹脂框とが連結されて構成されている。
【0023】
図1に示すように、上框31は、幅方向に延びている。上框31は、金属上框31Aと、樹脂上框31Bと、を有している。樹脂上框31Bは、金属上框31Aの屋内側に取り付けられている。金属上框31Aは、「金属部材」に対応する。樹脂上框31Bは、「樹脂部材」に対応する。
【0024】
下框32は、幅方向に延びている。下框32は、金属下框32Aと、樹脂下框32Bと、を有している。樹脂下框32Bは、金属下框32Aの屋内側に取り付けられている。金属下框32Aは、「金属部材」に対応する。樹脂下框32B、「樹脂部材」に対応する。
【0025】
図3に示すように、戸先框33は、上下方向に延びている。戸先框33は、上框31の幅方向の一方側である戸先側の端部と下框32の戸先側の端部とを連結している。戸先框33は、金属戸先框33Aと、樹脂戸先框33Bと、を有している。樹脂戸先框33Bは、金属戸先框33Aの屋内側に取り付けられている。金属戸先框33Aは、「金属部材」に対応する。樹脂戸先框33Bは、「樹脂部材」に対応する。
【0026】
召合せ框34は、上下方向に延びている。召合せ框34は、上框31の幅方向の他方側である召合せ側の端部と下框32の召合せ側の端部とを連結している。召合せ框34は、金属召合せ框34Aと、樹脂召合せ框34Bと、を有している。樹脂召合せ框34Bは、金属召合せ框34Aの屋内側に取り付けられている。金属召合せ框34Aは、「金属部材」に対応する。樹脂召合せ框34Bは、「樹脂部材」に対応する。
【0027】
金属框31A,32A,33A,34Aは、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂框31B,32B,33B,34Bは、樹脂材料の形材で形成されている。
【0028】
金属框31A,32A,33A,34Aには、ガラスパネル40の端部が嵌め込まれるガラス溝が形成されている。図1に示すように、金属上框31Aには、下方に開口する上框ガラス溝31Cが幅方向の略全長にわたって形成されている。上框ガラス溝31Cには、ガラスパネル40の上端部40uが嵌め込まれている。金属下框32Aには、上方に開口する下框ガラス溝32Cが幅方向の略全長にわたって形成されている。下框ガラス溝32Cには、ガラスパネル40の下端部40dが嵌め込まれている。図3に示すように、金属戸先框33Aには、幅方向の内側に開口する戸先框ガラス溝33Cが上下方向の略全長にわたって形成されている。戸先框ガラス溝33Cには、ガラスパネル40の幅方向の端部40sが嵌め込まれている。金属召合せ框34Aには、幅方向の内側に開口する召合せ框ガラス溝34Cが上下方向の略全長にわたって形成されている。召合せ框ガラス溝34Cには、ガラスパネル40の幅方向の端部40sが嵌め込まれている。上框ガラス溝31C、下框ガラス溝32C、戸先框ガラス溝33C及び召合せ框ガラス溝34Cは、「パネル溝」に対応する。
【0029】
ガラスパネル40は、平板状に形成されている。ガラスパネル40は、屋外側ガラス401と、屋内側ガラス402と、スペーサー403と、を有している。スペーサー403は、屋外側ガラス401の四辺の縁部の略全長と屋内側ガラス402の四辺の縁部の略全長との間に配置されている。ガラスパネル40は、2枚のガラス401,402を有するペアガラスである。ガラスパネル40は、単層ガラスや複層ガラスであってもよい。ガラスパネル40は、板状部材であれば、樹脂製の板材等ガラスパネル以外であってもよい。
ガラスパネル40は、「パネル」に対応する。
【0030】
ガラスパネル40の四辺の縁部には、屋外側を向く面40a及び屋内側を向く面40bとガラス溝31C,32C,33C,34Cとの間に、バックアップ材41及びシーリング材42が設けられている。バックアップ材41及びシーリング材42は、ガラスパネル40の四辺の縁部の略全長にわたって設けられている。シーリング材42は、バックアップ材41の見付け方向の内側に、バックアップ材41に隣り合って配置されている。ガラスパネル40の面40bは、「屋内側面」に対応する。シーリング材42は、「封止材」に対応する。
【0031】
図4を用いて上框31の構成について詳細に説明する。図4に示すように、上框31の金属上框31Aは、溝底板部311と、溝屋外側板部312と、溝屋内側板部313と、上板部317と、を有している。
【0032】
溝底板部311は、平板状に形成されている。溝底板部311の板面は、上下方向を向いている。溝底板部311の下面は、ガラスパネル40の上端部40uに対向している。
溝底板部311の屋内外方向の中間部には、段部311aが形成されている。溝底板部311の段部311aよりも屋内側の部分は、溝底板部311の段部311aよりも屋外側の部分よりも上方に配置されている。
【0033】
溝屋外側板部312は、平板状に形成されている。溝屋外側板部312の板面は、屋内外方向を向いている。溝屋外側板部312の下端部312dは、シーリング材42の下面42dと略同一平面上にある。溝屋外側板部312の上下方向の中間部には、段部312aが形成されている。溝屋外側板部312の段部312aよりも下側の部分は、溝屋外側板部312の段部312aよりも上側の部分よりも屋外側に配置されている。
【0034】
溝屋内側板部313は、平板状に形成されている。溝屋内側板部313の板面は、屋内外方向を向いている。溝屋内側板部313は、溝屋外側板部312の屋内側に、溝屋外側板部312と空間を空けて配置されている。
【0035】
溝屋内側板部313の上部には、屋内側に突出し、さらに上方に突出するように屈曲する爪部314が設けられている。溝屋内側板部313と爪部314の先端部との間には、上方に開口する凹部314aが形成されている。爪部314は、溝底板部311よりも上方の高さに位置している。
【0036】
溝屋内側板部313の下端部には、屋外側に僅かに突出して、屋内外方向の厚さが厚くなった肉厚部316が設けられている。肉厚部316の屋外側を向く面316aは、シーリング材42に当たっている。肉厚部316の面316aとガラスパネル40の面40bとの間に、シーリング材42が挟み込まれている。肉厚部316は、「金属部材の溝壁部」に対応する。
【0037】
溝屋内側板部313の下部には、屋内側に突出し、さらに下方に突出するように屈曲する爪部315が設けられている。肉厚部316と爪部315との間には、下方に開口する凹部315aが形成されている。爪部315は、バックアップ材41とシーリング材42との境界部と略同一の高さに位置している。
【0038】
溝底板部311は、溝屋外側板部312の段部312aの僅かに上方の部分と、溝屋内側板部313の上下方向の中間部とを接続している。溝屋外側板部312における溝底板部311との接続部よりも下側の部分を、溝外板部312cとする。溝屋内側板部313における溝底板部311との接続部よりも下側の部分を、溝内板部313cとする。溝底板部311、溝外板部312c及び溝内板部313cによって、上框ガラス溝31Cが形成されている。
【0039】
上板部317は、平板状に形成されている。上板部317の板面は、上下方向を向いている。上板部317は、溝底板部311の上方に配置されている。上板部317は、溝屋外側板部312の上部と溝屋内側板部313の上端部とを接続している。上板部317の屋内外方向の中間部には、段部317aが形成されている。上板部317の段部317aよりも屋内側の部分は、上板部317の段部317aよりも屋外側の部分よりも上方に配置されている。
【0040】
上板部317、溝屋外側板部312、溝底板部311及び溝屋内側板部313によって、中空部S101が形成されている。
【0041】
上板部317の屋内側の端部には、取付板部318が設けられている。取付板部318は、平板状に形成されている。取付板部318の板面は、屋内外方向を向いている。取付板部318は、上板部317との接続部分から上下方向の両側に延びている。
【0042】
上框31の樹脂上框31Bは、樹脂屋内側板部361と、樹脂上板部362と、樹脂下板部364と、を有している。
【0043】
樹脂屋内側板部361は、平板状に形成されている。樹脂屋内側板部361の板面は、屋内外方向を向いている。樹脂屋内側板部361は、金属上框31Aの溝屋内側板部313の屋内側に、溝屋内側板部313と空間を空けて配置されている。樹脂屋内側板部361の上端部361uは、金属上框31Aの上板部317の下方に配置されている。樹脂屋内側板部361の下端部361dは、下方に向かうにしたがって次第に屋外側に向かうように傾斜している。
【0044】
樹脂上板部362は、樹脂屋内側板部361の上部から屋外側に延びている。樹脂上板部362は、平板状に形成されている。樹脂上板部362の板面は、上下方向を向いている。樹脂上板部362の屋外側の端部には、下方に延びる延出片363が設けられている。延出片363は、金属上框31Aの溝屋内側板部313と爪部314との間の凹部314aに挿入されて、金属上框31Aに固定されている。
【0045】
樹脂下板部364は、樹脂屋内側板部361の下端部361dから屋外側に延びている。樹脂下板部364は、平板状に形成されている。樹脂下板部364の板面は、上下方向を向いている。樹脂下板部364の屋外側の端部には、上方に延びる延出片365が設けられている。延出片365は、金属上框31Aの肉厚部316と爪部315との間の凹部315aに挿入されて、金属上框31Aに固定されている。
【0046】
樹脂上框31Bの延出片365は、金属上框31Aの肉厚部316の屋内側に、肉厚部316に隣り合って配置されている。肉厚部316の屋外側を向く面316aと、延出片365の屋外側を向く面365aとは、面一に配置されていない。肉厚部316の面316aは、延出片365の面365aよりも屋外側にセットバックして配置されている。シーリング材42は、肉厚部316の面316a及び延出片365の面365aにおける肉厚部316よりも下側の部分に当たっている。シーリング材42は、肉厚部316の下端部316dを下側から覆っている。
【0047】
金属上框31Aの溝屋内側板部313と樹脂上框31Bの樹脂屋内側板部361との間には、空間部S11が形成されている。空間部S11は、金属上框31Aの溝屋内側板部313、樹脂上框31Bの樹脂上板部362、樹脂屋内側板部361及び樹脂下板部364によって形成されている。空間部S11の上框31の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S11は、上框31の長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S11の下部は、上框ガラス溝31Cと同じ高さで、上框ガラス溝31Cの屋内側に配置されている。空間部S11の上部は、中空部S101と同じ高さで、中空部S101の屋内側に配置されている。
【0048】
金属上框31Aの溝屋内側板部313と樹脂上框31Bの樹脂屋内側板部361との間には、空間部S11の上側に、空間部S12が形成されている。空間部S12は、金属上框31Aの溝屋内側板部313、上板部317、樹脂上框31Bの樹脂屋内側板部361及び樹脂上板部362によって形成されている。空間部S12の上框31の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S12は、上框31の長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S12は、中空部S101と同じ高さで、中空部S101の屋内側に配置されている。空間部S11,S12は、上下方向に並んで配置されている。
空間部S11と空間部S12とは、樹脂上板部362で区画されている。樹脂上框31Bは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。
【0049】
上框31は、中空部S101、空間部S11,S12を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0050】
金属上框31Aの取付板部318の上端部318uは、樹脂上框31Bの樹脂屋内側板部361の上端部361uよりも見付け方向の外側である上側に配置されている。取付板部318の上端部318uは、樹脂屋内側板部361の上端部361uよりも屋内側に配置されている。取付板部318の上端部318uは、樹脂上框31Bで屋内側から覆われておらず、屋内側に露出している。取付板部318の上端部318uは、「外側壁部」に対応する。
【0051】
図1に示すように、上枠11の金属上枠11Aの屋外側の部分には、下向きに開口する上枠障子溝110が形成されている。上枠障子溝110に面するように屋内側に配置された上枠屋内側壁部111には、気密材112が取り付けられている。気密材112は、外障子3Xの金属上框31Aの取付板部318の上端部318uの屋内側を向く面に当たっている。
【0052】
図2に示すように、上枠11の金属上枠11Aの屋内側の部分には、下向きに開口する上枠障子溝115が形成されている。上枠障子溝115に面するように屋内側に配置された上枠屋内側壁部116には、気密材117が取り付けられている。気密材117は、内障子3Yの金属上框31Aの取付板部318の上端部318uの屋内側を向く面に当たっている。
【0053】
図5を用いて下框32の構成について詳細に説明する。図5に示すように、下框32の金属下框32Aは、溝底板部321と、溝屋外側板部322と、溝屋内側板部323と、下板部327と、中板部329と、を有している。
【0054】
溝底板部321は、平板状に形成されている。溝底板部321の板面は、上下方向を向いている。溝底板部321の上面は、ガラスパネル40の下端部40dに対向している。
【0055】
溝屋外側板部322は、平板状に形成されている。溝屋外側板部322の板面は、屋内外方向を向いている。溝屋外側板部322の上端部322uは、シーリング材42の上面42uと略同一平面上にある。溝屋外側板部322の上下方向の中間部には、段部322aが形成されている。溝屋外側板部322の段部322aよりも上側の部分は、溝屋外側板部322の段部322aよりも下側の部分よりも屋外側に配置されている。
【0056】
溝屋内側板部323は、平板状に形成されている。溝屋内側板部323の板面は、屋内外方向を向いている。溝屋内側板部323は、溝屋外側板部322の屋内側に、溝屋外側板部322と空間を空けて配置されている。
【0057】
溝屋内側板部323の下部には、段部323aが形成されている。溝屋内側板部323における段部323aよりも上側の部分は、段部323aよりも下側の部分よりも屋外側に配置されている。段部323aには、上方に延びる延出片320が設けられている。
【0058】
溝屋内側板部323の上下方向の中間部には、屋内側に延びる延出片324が設けられている。延出片324は、溝底板部321よりも上方の高さに位置している。
【0059】
溝屋内側板部323の上端部には、屋外側に僅かに突出して、屋内外方向の厚さが厚くなった肉厚部326が設けられている。肉厚部326の屋外側を向く面326aは、シーリング材42に当たっている。肉厚部326の面326aとガラスパネル40の面40bとの間に、シーリング材42が挟み込まれている。肉厚部326は、「金属部材の溝壁部」に対応する。
【0060】
溝屋内側板部323の上部には、屋内側に突出し、さらに上方に突出するように屈曲する爪部325が設けられている。肉厚部326と爪部325との間には、上方に開口する凹部325aが形成されている。爪部325は、バックアップ材41とシーリング材42との境界部と略同一の高さに位置している。
【0061】
溝底板部321は、溝屋外側板部322の段部322aの僅かに下方の部分と、溝屋内側板部323の上下方向の中間部とを接続している。溝屋外側板部322における溝底板部321との接続部よりも上側の部分を、溝外板部322cとする。溝屋内側板部323における溝底板部321との接続部よりも上側の部分を、溝内板部323cとする。溝底板部321、溝外板部322c及び溝内板部323cによって、下框ガラス溝32Cが形成されている。
【0062】
下板部327は、平板状に形成されている。下板部327の板面は、上下方向を向いている。下板部327は、溝底板部321の下方に配置されている。下板部327は、溝屋外側板部322の下部と溝屋内側板部323の下部とを接続している。
【0063】
中板部329は、平板状に形成されている。中板部329の板面は、上下方向を向いている。中板部329は、溝底板部321の下方且つ下板部327の上方に配置されている。下板部327は、溝屋外側板部322の上下方向の中間部と溝屋内側板部323の上下方向の中間部とを接続している。
【0064】
中板部329、溝屋外側板部322、溝底板部321及び溝屋内側板部323によって、中空部S111が形成されている。溝底板部321、溝屋外側板部322、中板部329及び溝屋内側板部323によって、中空部S112が形成されている。
【0065】
溝屋内側板部323の段部323aよりも下側部分を、取付板部328とする。取付板部328は、平板状に形成されている。取付板部328の板面は、屋内外方向を向いている。
【0066】
下框32の樹脂下框32Bは、樹脂屋内側板部371と、樹脂下板部372と、第1樹脂中間板部374と、第2樹脂中間板部375と、樹脂上板部376と、を有している。
【0067】
樹脂屋内側板部371は、平板状に形成されている。樹脂屋内側板部371の板面は、屋内外方向を向いている。樹脂屋内側板部371は、金属下框32Aの溝屋内側板部323の段部323aよりも上側の部分の屋内側に、溝屋内側板部323と空間を空けて配置されている。樹脂屋内側板部371の下部には、段部371aが形成されている。樹脂屋内側板部371の段部371aよりも上側の部分は、樹脂屋内側板部371の段部371aよりも下側の部分よりも屋外側に配置されている。樹脂屋内側板部371の下端部371dは、樹脂下框32Bの溝屋内側板部323の段部323aの上面に当たっている。
【0068】
樹脂下板部372は、樹脂屋内側板部371の下部から屋外側に延びている。樹脂下板部372は、平板状に形成されている。樹脂下板部372の板面は、上下方向を向いている。樹脂下板部372の屋外側の端部は、金属下框32Aの溝屋内側板部323に当たっている。樹脂下板部372の屋内外方向の中間部には、下方に延びる延出片373が設けられている。延出片373は、金属下框32Aの溝屋内側板部323の延出片320の屋外側に、延出片320と隣り合って配置されている。
【0069】
第1樹脂中間板部374は、樹脂屋内側板部371の上下方向の中間部から屋外側に延びている。第1樹脂中間板部374は、樹脂下板部372の上方に空間を空けて配置されている。第1樹脂中間板部374は、平板状に形成されている。第1樹脂中間板部374の板面は、上下方向を向いている。第1樹脂中間板部374の屋外側の端部は、金属下框32Aの溝屋内側板部323に当たっている。
【0070】
第2樹脂中間板部375は、樹脂屋内側板部371の上下方向の中間部から屋外側に延びている。第2樹脂中間板部375は、第1樹脂中間板部374の上方に空間を空けて配置されている。第2樹脂中間板部375は、平板状に形成されている。第2樹脂中間板部375の板面は、上下方向を向いている。第2樹脂中間板部375の屋外側の端部は、金属下框32Aの溝屋内側板部323に当たっている。第2樹脂中間板部375は、金属下框32Aの延出片324の下側に隣り合って配置されている。
【0071】
樹脂上板部376は、樹脂屋内側板部371の上端部から屋外側に延びている。樹脂上板部376は、平板状に形成されている。樹脂上板部376の板面は、上下方向を向いている。樹脂上板部376の屋外側の端部には、下方に延びる延出片377が設けられている。延出片377は、金属下框32Aの肉厚部326と爪部325との間の凹部325aに挿入されて、金属下框32Aに固定されている。
【0072】
樹脂下框32Bの延出片377は、金属下框32Aの肉厚部326の屋内側に、肉厚部326に隣り合って配置されている。肉厚部326の屋外側を向く面326aと、延出片377の屋外側を向く面377aとは、面一に配置されていない。肉厚部326の面326aは、延出片377の面377aよりも屋外側にセットバックして配置されている。シーリング材42は、肉厚部326の面326a及び延出片377の面377aにおける肉厚部326よりも上側の部分に当たっている。シーリング材42は、肉厚部326の上端部326uを上側から覆っている。
【0073】
金属下框32Aの溝屋内側板部323と樹脂下框32Bの樹脂屋内側板部371との間には、空間部S21,S22,S23,S24,S25が形成されている。
【0074】
空間部S21は、金属下框32Aの溝屋内側板部323、延出片324、樹脂下框32Bの第2樹脂中間板部375、樹脂屋内側板部371、樹脂上板部376及び延出片377によって形成されている。空間部S21の下框32の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S21は、下框32の長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S21は、下框ガラス溝32Cと同じ高さで、下框ガラス溝32Cの屋内側に配置されている。空間部S21は、バックアップ材41及びシーリング材42と同じ高さに配置されている。
【0075】
空間部S22は、空間部S21の下側に配置されている。空間部S22は、金属下框32Aの溝屋内側板部323、樹脂下框32Bの第1樹脂中間板部374、樹脂屋内側板部371及び第2樹脂中間板部375によって形成されている。空間部S22の下框32の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S22は、下框32の長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S22の上部は、下框ガラス溝32Cと同じ高さで、下框ガラス溝32Cの屋内側に配置されている。空間部S22の下部は、中空部S112と同じ高さで、中空部S112の屋内側に配置されている。
【0076】
空間部S23は、空間部S22の下側に配置されている。空間部S23は、金属下框32Aの溝屋内側板部323、樹脂下框32Bの樹脂下板部372、樹脂屋内側板部371及び第1樹脂中間板部374によって形成されている。空間部S23の下框32の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S23は、下框32の長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S23は、中空部S112と同じ高さで、中空部S112の屋内側に配置されている。
【0077】
空間部S24,S25は、空間部S23の下側に配置されている。空間部S24は、金属下框32Aの溝屋内側板部323、段部323a、樹脂下框32Bの延出片373及び樹脂下板部372によって形成されている。空間部S25は、金属下框32Aの延出片320、段部323a、樹脂下框32Bの樹脂屋内側板部371及び樹脂下板部372によって形成されている。空間部S24,S25の下框32の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S24,S25は、下框32の長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S24,S25は、中空部S111の上部と同じ高さで、中空部S111の屋内側に配置されている。樹脂下框32Bは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。
【0078】
下框32は、中空部S111、S112、空間部S21,S22,S23,S24,S25を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0079】
金属下框32Aの取付板部328は、樹脂下框32Bの樹脂屋内側板部371の下端部371dよりも見付け方向の外側である下側に配置されている。取付板部328は、樹脂屋内側板部371と見付け方向に沿う同一平面上にある。取付板部328は、樹脂下框32Bで屋内側から覆われておらず、屋内側に露出している。取付板部328は、「外側壁部」に対応する。
【0080】
図1に示すように、下枠12の金属下枠12Aの屋外側の部分には、上向きに開口する下枠障子溝120が形成されている。下枠障子溝120に面するように屋内側に配置された下枠屋内側壁部121には、気密材122が取り付けられている。気密材122は、外障子3Xの金属下框32Aの取付板部328の屋内側を向く面に当たっている。
【0081】
図2に示すように、下枠12の金属下枠12Aの屋内側の部分には、上向きに開口する下枠障子溝125が形成されている。下枠障子溝125に面するように屋内側に配置された下枠屋内側壁部126には、気密材127が取り付けられている。気密材127は、外障子3Xの金属下框32Aの取付板部328の屋内側を向く面に当たっている。
【0082】
図6を用いて戸先框33の構成について詳細に説明する。図6に示すように、戸先框33の金属戸先框33Aは、溝底板部331と、溝屋外側板部332と、溝屋内側板部333と、外板部337と、を有している。
【0083】
溝底板部331は、平板状に形成されている。溝底板部331の板面は、幅方向を向いている。溝底板部331の幅方向の内側を向く面は、ガラスパネル40の幅方向の端部40sに対向している。
【0084】
溝屋外側板部332は、平板状に形成されている。溝屋外側板部332の板面は、屋内外方向を向いている。溝屋外側板部332の幅方向の内側の端部332sは、シーリング材42の幅方向の内側を向く面42sと略同一平面上にある。
【0085】
溝屋内側板部333は、平板状に形成されている。溝屋内側板部333の板面は、屋内外方向を向いている。溝屋内側板部333は、溝屋外側板部332の屋内側に、溝屋外側板部332と空間を空けて配置されている。
【0086】
溝屋内側板部333の幅方向の端部には、屋内側に延びる段部333aが形成されている。段部333aの屋内側の端部には、幅方向に延びる取付板部338が設けられている。取付板部338は、平板状に形成されている。取付板部338の板面は、屋内外方向を向いている。
【0087】
溝屋内側板部333の幅方向の内側の端部には、屋外側に僅かに突出して、さらに幅方向の内側に延びる当接部336が設けられている。当接部336の屋外側を向く面336aは、シーリング材42に当たっている。当接部336の面336aとガラスパネル40の面40bとの間に、シーリング材42が挟み込まれている。当接部336は、「金属部材の溝壁部」に対応する。
【0088】
当接部336の幅方向の内側の端部には、屋内側に突出し、さらに幅方向の外側に突出するように屈曲する爪部335が設けられている。当接部336と爪部335との間には、幅方向の外側に開口する凹部335aが形成されている。
【0089】
溝底板部331は、溝屋外側板部332の幅方向の中間部と、溝屋内側板部333の幅方向の中間部とを接続している。溝屋外側板部332における溝底板部331との接続部よりも幅方向の内側の部分を、溝外板部332cとする。溝屋内側板部333における溝底板部331との接続部よりも幅方向の内側の部分を、溝内板部333cとする。溝底板部331、溝外板部332c及び溝内板部333cによって、戸先框ガラス溝33Cが形成されている。
【0090】
外板部337は、平板状に形成されている。外板部337の板面は、幅方向を向いている。外板部337は、溝底板部331の幅方向の外側に配置されている。外板部337は、溝屋外側板部332の幅方向の中間部と溝屋内側板部333の幅方向の中間部とを接続している。
【0091】
溝底板部331、溝屋内側板部333、外板部337及び溝屋外側板部332によって、中空部S121が形成されている。
【0092】
戸先框33の樹脂戸先框33Bは、樹脂屋内側板部381と、樹脂外板部382と、樹脂内板部386と、を有している。
【0093】
樹脂屋内側板部381は、平板状に形成されている。樹脂屋内側板部381の板面は、屋内外方向を向いている。樹脂屋内側板部381は、金属戸先框33Aの溝屋内側板部333の屋内側に、溝屋内側板部333と空間を空けて配置されている。樹脂屋内側板部381の幅方向の外側の端部381sは、樹脂戸先框33Bの取付板部338の幅方向の内側の端部に当たっている。
【0094】
樹脂外板部382は、樹脂屋内側板部381の幅方向の外側の端部381sから屋外側に延びている。樹脂外板部382は、平板状に形成されている。樹脂外板部382の板面は、幅方向を向いている。樹脂外板部382の屋外側の端部は、金属戸先框33Aの溝屋内側板部333に当たっている。樹脂外板部382の屋内側の部分には、幅方向の外側に延びる延出片383が設けられている。延出片383は、樹脂戸先框33Bの取付板部338の屋外側に、取付板部338と隣り合って配置されている。
【0095】
樹脂内板部386は、樹脂屋内側板部381の幅方向の内側の端部から屋外側に延びている。樹脂内板部386は、平板状に形成されている。樹脂内板部386の板面は、幅外方向を向いている。樹脂内板部386の屋外側の端部よりも僅かに屋内側の部分には、幅方向の外側に延びる延出片387が設けられている。延出片387は、樹脂内板部386から幅方向の外側に延び、屋外側に延び、更に幅方向の内側に延びている。延出片387は、金属戸先框33Aの当接部336と爪部335との間の凹部335aに挿入されて、金属戸先框33Aに固定されている。
【0096】
樹脂戸先框33Bの樹脂内板部386の端部は、金属戸先框33Aの当接部336の屋内側に、当接部336に隣り合って配置されている。当接部336の屋外側を向く面336aと、樹脂内板部386の端部の屋外側を向く面386aとは、面一に配置されていない。当接部336の面336aは、樹脂内板部386の面386aよりも屋外側にセットバックして配置されている。シーリング材42は、当接部336の面336a及び樹脂内板部386の面386aに当たっている。シーリング材42は、爪部335を幅方向の内側から覆っている。
【0097】
金属戸先框33Aの溝屋内側板部333と樹脂戸先框33Bの樹脂屋内側板部381との間には、空間部S31,S32が形成されている。
【0098】
空間部S31は、金属戸先框33Aの溝屋内側板部333、樹脂戸先框33Bの延出片387、樹脂内板部386、樹脂屋内側板部381及び樹脂外板部382によって形成されている。空間部S31の戸先框33の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。
空間部S31は、戸先框33の長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S31は、戸先框ガラス溝33C及び中空部S121と同じ幅方向の位置で、戸先框ガラス溝33C及び中空部S121の屋内側に配置されている。
【0099】
空間部S32は、空間部S31の幅方向の外側に配置されている。空間部S32は、樹脂戸先框33Bの樹脂外板部382、延出片383、金属戸先框33Aの段部333a及び溝屋内側板部333によって形成されている。空間部S32の戸先框33の長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S32は、戸先框33の長さ方向の略全長にわたって形成されている。樹脂戸先框33Bは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。
【0100】
戸先框33は、中空部S121、空間部S31,S32を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0101】
金属戸先框33Aの取付板部338は、樹脂戸先框33Bの樹脂屋内側板部381よりも見付け方向の外側である幅方向の外側に配置されている。取付板部338は、樹脂屋内側板部381と見付け方向に沿う同一平面上にある。取付板部338は、樹脂戸先框33Bで屋内側から覆われておらず、屋内側に露出している。取付板部338は、「外側壁部」に対応する。
【0102】
図3に示すように、縦枠13の金属縦枠13Aの屋外側の部分には、幅方向の内側に開口する縦枠障子溝130が形成されている。縦枠障子溝130に面するように屋内側に配置された縦枠屋内側壁部131には、気密材132が取り付けられている。気密材132は、外障子3Xが閉じた状態で、金属戸先框33Aの取付板部338の屋内側を向く面に当たっている。
【0103】
縦枠13の金属縦枠13Aの屋内側の部分には、幅方向の内側に開口する縦枠障子溝135が形成されている。縦枠障子溝135に面するように屋内側に配置された縦枠屋内側壁部136には、気密材137が取り付けられている。気密材137は、外障子3Xが閉じた状態で、金属下框32Aの取付板部338の屋内側を向く面に当たっている。
【0104】
図7を用いて外障子3Xの召合せ框34の構成について詳細に説明する。外障子3Xの召合せ框34を召合せ框34Xとする。図7に示すように、召合せ框34Xの金属召合せ框34Aは、溝底板部341と、溝屋外側板部342と、溝屋内側板部343と、連結板部348と、外板部347と、を有している。
【0105】
溝底板部341は、平板状に形成されている。溝底板部341の板面は、幅方向を向いている。溝底板部341の幅方向の内側を向く面は、ガラスパネル40の幅方向の端部40sに対向している。
【0106】
溝屋外側板部342は、平板状に形成されている。溝屋外側板部342の板面は、屋内外方向を向いている。溝屋外側板部342の幅方向の内側の端部342sは、シーリング材42の幅方向の内側を向く面42sと略同一平面上にある。
【0107】
溝屋内側板部343は、平板状に形成されている。溝屋内側板部343の板面は、屋内外方向を向いている。溝屋内側板部343は、溝屋外側板部342の屋内側に、溝屋外側板部342と空間を空けて配置されている。
【0108】
溝屋内側板部343の幅方向の内側の端部には、屋外側に僅かに突出して、さらに幅方向の内側に延びる当接部346が設けられている。当接部346の屋外側を向く面346aは、シーリング材42に当たっている。当接部346の面346aとガラスパネル40の面40bとの間に、シーリング材42が挟み込まれている。当接部346は、「金属部材の溝壁部」に対応する。
【0109】
当接部346の幅方向の内側の端部には、屋内側に突出し、さらに幅方向の外側に突出するように屈曲する爪部345が設けられている。当接部346と爪部345との間には、幅方向の外側に開口する凹部345aが形成されている。
【0110】
溝底板部341は、溝屋外側板部342の幅方向の中間部と、溝屋内側板部343の幅方向の外側の端部側とを接続している。溝屋外側板部342における溝底板部341との接続部よりも幅方向の内側の部分を、溝外板部342cとする。溝屋内側板部343における溝底板部341との接続部よりも幅方向の内側の部分を、溝内板部343cとする。
溝底板部341、溝外板部342c及び溝内板部343cによって、召合せ框ガラス溝34Cが形成されている。
【0111】
連結板部348は、溝底板部341と外板部347とを連結している。連結板部348は、平板状に形成されている。連結板部348の板面は、屋内外方向を向いている。
【0112】
溝屋内側板部343の幅方向の外側の端部344は、溝底板部341よりも幅方向の外側に突出している。連結板部348と溝屋内側板部343の端部344との間には、幅方向の外側に開口する凹部344aが形成されている。
【0113】
外板部347は、平板状に形成されている。外板部347の板面は、幅方向を向いている。外板部347は、溝底板部341の幅方向の外側に配置されている。外板部347は、溝屋外側板部342の幅方向の外側の端部と連結板部348の幅方向の外側の端部とを接続している。
【0114】
溝底板部341、連結板部348、外板部347及び溝屋外側板部342によって、中空部S131が形成されている。
【0115】
召合せ框34Xの樹脂召合せ框34Bは、樹脂屋内側板部391と、樹脂外板部392と、樹脂中間板部394と、樹脂内板部396と、を有している。
【0116】
樹脂屋内側板部391は、平板状に形成されている。樹脂屋内側板部391の板面は、屋内外方向を向いている。樹脂屋内側板部391は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343の屋内側に、溝屋内側板部343と空間を空けて配置されている。
【0117】
樹脂外板部392は、樹脂屋内側板部391の幅方向の外側の端部から屋外側に延びている。樹脂外板部392は、平板状に形成されている。樹脂外板部392の板面は、幅方向を向いている。樹脂外板部392の屋外側の端部には、幅方向の内側に延びる延出片393が設けられている。延出片393は、金属召合せ框34Aの連結板部348と溝屋内側板部343の端部344との間の凹部344aに挿入されて、金属召合せ框34Aに固定されている。
【0118】
樹脂中間板部394は、樹脂屋内側板部391の幅方向の中間部から屋外側に延びている。樹脂中間板部394は、樹脂外板部392の幅方向の内側に空間を空けて配置されている。樹脂中間板部394は、平板状に形成されている。樹脂中間板部394の板面は、幅方向を向いている。樹脂中間板部394の屋外側の端部は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343に当たっている。
【0119】
樹脂内板部396は、樹脂屋内側板部391の幅方向の内側の端部から屋外側に延びている。樹脂内板部396は、平板状に形成されている。樹脂内板部396の板面は、幅外方向を向いている。樹脂内板部396の屋外側の端部よりも僅かに屋内側の部分には、幅方向の外側に延びる延出片397が設けられている。延出片397は、樹脂内板部396から幅方向の外側に延び、屋外側に延び、更に幅方向の内側に延びている。延出片397は、金属召合せ框34Aの当接部346と爪部345との間の凹部345aに挿入されて、金属召合せ框34Aに固定されている。
【0120】
樹脂召合せ框34Bの樹脂内板部396の端部は、金属召合せ框34Aの当接部346の屋内側に、当接部346に隣り合って配置されている。当接部346の屋外側を向く面346aと、樹脂内板部396の端部の屋外側を向く面396aとは、面一に配置されていない。当接部346の面346aは、樹脂内板部396の面396aよりも屋外側にセットバックして配置されている。シーリング材42は、当接部346の面346a及び樹脂内板部396の面396aに当たっている。シーリング材42は、爪部345を幅方向の内側から覆っている。
【0121】
金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343と樹脂召合せ框34Bの樹脂屋内側板部391との間には、空間部S41,S42が形成されている。
【0122】
空間部S41は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343、樹脂召合せ框34Bの延出片397、樹脂内板部396、樹脂屋内側板部391及び樹脂中間板部394によって形成されている。空間部S41の召合せ框34Xの長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S41は、召合せ框34Xの長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S41は、召合せ框ガラス溝34Cと同じ幅方向の位置で、召合せ框ガラス溝34Cの屋内側に配置されている。
【0123】
空間部S42は、空間部S41の幅方向の外側に配置されている。空間部S42は、框34Aの溝屋内側板部343、樹脂召合せ框34Bの樹脂中間板部394、樹脂屋内側板部391及び樹脂外板部392によって形成されている。空間部S42の召合せ框34Xの長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S42は、召合せ框34Xの長さ方向の略全長にわたって形成されている。樹脂召合せ框34Bは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。
【0124】
召合せ框34Xは、中空部S131、空間部S41,S42を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0125】
内障子3Yの召合せ框34の構成について詳細に説明する。内障子3Yの召合せ框34を召合せ框34Yとする。召合せ框34Yの構成について、外障子3Xの召合せ框34Xと同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。召合せ框34Yの金属召合せ框34Aは、溝底板部341と、溝屋外側板部342と、溝屋内側板部343と、外板部347と、を有している。
【0126】
溝屋外側板部342の幅方向の中間部には、段部342aが形成されている。溝屋外側板部342の段部342aよりも幅方向の外側の部分は、溝屋外側板部342の段部342aよりも内側の部分よりも屋外側に配置されている。
【0127】
溝屋内側板部343の幅方向の内側の端部には、一対の延出片349,350が設けられている。延出片349は、屋外側に突出して、さらに幅方向の内側に延びている。延出片350は、屋内側に突出して、さらに幅方向の内側に延びている。延出片349の屋外側を向く面349aは、シーリング材42に当たっている。延出片349の面349aとガラスパネル40の面40bとの間に、シーリング材42が挟み込まれている。延出片349は、「金属部材の溝壁部」に対応する。
【0128】
溝底板部341は、溝屋外側板部342の幅方向の中間部と、溝屋内側板部343の幅方向の中間部とを接続している。溝底板部341、溝外板部342c及び溝内板部343cによって、召合せ框ガラス溝34Cが形成されている。
【0129】
溝屋外側板部342の幅方向の外側の端部352は、屋外側に突出して、幅方向の外側に突出して、さらに屋外側に突出している。
【0130】
外板部347の屋内外方向の中間部には、幅方向の外側に延びる延出片353が設けられている。
【0131】
溝底板部341、段部342a、溝屋外側板部342の段部342aよりも幅方向の外側の部分342b、外板部347及び溝屋内側板部343によって、中空部S132が形成されている。
【0132】
召合せ框34Yの樹脂召合せ框34Bは、樹脂屋内側板部391と、樹脂外板部392と、樹脂中間板部398,399と、樹脂内板部396と、を有している。
【0133】
樹脂外板部392の屋外側の端部に設けられた延出片393は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343の端部352に係止されて、金属召合せ框34Aに固定されている。
【0134】
樹脂中間板部398,399は、樹脂屋内側板部391の幅方向の中間部から屋外側に延びている。樹脂中間板部398は、樹脂外板部392の幅方向の内側に空間を空けて配置されている。樹脂中間板部399は、樹脂中間板部398の幅方向の内側に空間を空けて配置されている。樹脂中間板部398,399は、平板状に形成されている。樹脂中間板部398,399の板面は、幅方向を向いている。樹脂中間板部398,399の屋外側の端部は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343に当たっている。
【0135】
樹脂内板部396の屋外側の端部よりも僅かに屋内側の部分には、幅方向の外側に延びる延出片395が設けられている。延出片395は、金属召合せ框34Aの延出片350の屋内側に係止されて、金属召合せ框34Aに固定されている。
【0136】
樹脂召合せ框34Bの樹脂内板部396の端部は、金属召合せ框34Aの延出片349の屋内側に、延出片349に隣り合って配置されている。延出片349の屋外側を向く面349aと、樹脂内板部396の端部の屋外側を向く面396aとは、面一に配置されていない。延出片349の面349aは、樹脂内板部396の面396aよりも屋外側にセットバックして配置されている。シーリング材42は、延出片349の面349a及び樹脂内板部396の面396aに当たっている。シーリング材42は、延出片349を幅方向の内側から覆っている。
【0137】
樹脂召合せ框34Bの樹脂屋内側板部391及び樹脂外板部392は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343及び外板部347を幅方向の外側及び屋内側から覆っている。
金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343及び外板部347と樹脂召合せ框34Bの樹脂屋内側板部391及び樹脂外板部392との間には、空間部S46,S47,S48,S49が形成されている。
【0138】
空間部S46は、金属召合せ框34Aの延出片353、外板部347、溝屋外側板部342の端部352及び樹脂召合せ框34Bの樹脂外板部392によって形成されている。
空間部S46の召合せ框34Yの長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S46は、召合せ框34Yの長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S46は、中空部S132の幅方向の外側に配置されている。
【0139】
空間部S47は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343、外板部347、延出片353、樹脂召合せ框34Bの樹脂外板部392、樹脂屋内側板部391及び樹脂中間板部398によって形成されている。空間部S47の召合せ框34Yの長さ方向に直交する断面形状は、略L字状形である。空間部S47は、召合せ框34Yの長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S47は、中空部S132の幅方向の外側且つ屋内側に配置されている。
【0140】
空間部S48は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343、樹脂召合せ框34Bの樹脂中間板部398、樹脂屋内側板部391及び樹脂中間板部399によって形成されている。空間部S48の召合せ框34Yの長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S48は、召合せ框34Yの長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S48は、中空部S132及び召合せ框ガラス溝34Cの幅方向の外側に配置されている。
【0141】
空間部S49は、金属召合せ框34Aの延出片350、溝屋内側板部343、樹脂召合せ框34Bの樹脂中間板部399、樹脂屋内側板部391及び樹脂内板部396によって形成されている。空間部S49の召合せ框34Yの長さ方向に直交する断面形状は、略矩形である。空間部S49は、召合せ框34Yの長さ方向の略全長にわたって形成されている。空間部S49は、召合せ框ガラス溝34Cの屋内側に配置されている。樹脂召合せ框34Bは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。
【0142】
召合せ框34Yは、中空部S132、空間部S46,S47,S48,S49を備えることによって、断熱性能、遮音性能を向上させることができる。引違い窓100の屋内外の温度変化に起因した結露を抑制することができる。
【0143】
内障子3Yの召合せ框34Yの金属召合せ框34Aの溝屋外側板部342の段部342aよりも幅方向の外側の部分342bには、気密材142が取り付けられている。気密材142は、外障子3X及び内障子3Yが閉じた状態で、外障子3Xの樹脂召合せ框34Bの樹脂屋内側板部391の屋内側を向く面に当たっている。
【0144】
引違い窓100では、上框31では、金属上框31Aの屋内側に樹脂上框31Bが設けられ、金属上框31Aと樹脂上框31Bとの間には空間部S11,S12が形成されている。下框32では、金属下框32Aの屋内側に樹脂下框32Bが設けられ、金属下框32Aと樹脂下框32Bとの間には空間部S21,S22,S23,S24,S25が形成されている。戸先框33では、金属戸先框33Aの屋内側に樹脂戸先框33Bが設けられ、金属戸先框33Aと樹脂戸先框33Bとの間には、空間部S31,S32が形成されている。外障子3Xの召合せ框34Xでは、金属召合せ框34Aの屋内側に樹脂召合せ框34Bが設けられ、金属召合せ框34Aと樹脂召合せ框34Bとの間には、空間部S41,S42が形成されている。内障子3Yの召合せ框34Yでは、金属召合せ框34Aの屋内側に樹脂召合せ框34Bが設けられ、金属召合せ框34Aと樹脂召合せ框34Bとの間には、空間部S46,S47,S48,S49が形成されている。框体30において、断熱性を向上させることができる。
【0145】
形材で部材単独で中空部のようなホローを形成するに金型加工が複雑になるが、框体30は、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。框体30を容易に製造することができる。
【0146】
上框31では、空間部S11,S12が上下方向に並んで配置されている。下框32では空間部S21,S22,S23,S24またはS25が上下方向に並んで配置されている。戸先框33では、空間部S31,S32が幅方向に並んで配置されている。外障子3Xの召合せ框34では、空間部S41,S42が幅方向に並んで配置されている。内障子3Yの召合せ框34では、空間部S47,S48,S49が幅方向に並んで配置されている。上框31並びに下框32の上下方向、及び戸先框33並びに召合せ框34の幅方向にそれぞれ並んで空間部が配置されているため、断熱性を高めることができる。
【0147】
金属上框31Aの肉厚部316、金属下框32Aの肉厚部326、金属戸先框33Aの当接部336、外障子3Xの金属召合せ框34Aの当接部346及び内障子3Yの金属召合せ框34Aの延出片349とガラスパネル40との間には、シーリング材42が設けられている。ガラスパネル40と金属上框31A、金属下框32A、金属戸先框33A及び金属召合せ框34Aとの間にシーリング材42を設けて気密性を高めることができる。
【0148】
障子3の金属上框31Aの取付板部318の上端部318uには、上枠11に取り付けられた気密材112が当たっている。障子3の金属下框32Aの取付板部328には、下枠12に取り付けられた気密材122が当たっている。障子3の金属戸先框33Aの取付板部338には、縦枠13に取り付けられた気密材132が当たっている。外障子3Xの召合せ框34Aの樹脂屋内側板部391には、内障子3Yの召合せ框34Yに取り付けられた気密材142が当たっている。気密材112,122,132,142を框体30の金属部分に当てて、気密性及水密性を高めることができる。
【0149】
(第二実施形態)
第二実施形態に係る建具について、主に図8から図11を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0150】
図8に示すように、上框31の金属上框31Aの溝屋内側板部313の下端部313dには、屋内側に突出し、さらに下方に突出して、端部が屋外側に屈曲する爪部315が設けられている。
【0151】
樹脂上框31Bの延出片365の上端部には、屋内側に延びる係止爪部366が設けられている。係止爪部366は、金属上框31Aの爪部315に係止されている。
【0152】
樹脂屋内側板部361には、屋外側に延びる樹脂中間板部367が設けられている。樹脂中間板部367は、平板状に形成されている。樹脂中間板部367の板面は、上下方向を向いている。
【0153】
金属上框31Aの溝屋内側板部313の下端部313dは、バックアップ材41に当たっている。樹脂上框31Bの延出片365とガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。溝屋内側板部313の下端部313dと延出片365との境界部は、バックアップ材41とシーリング材42との境界部と略同一の高さに位置している。
【0154】
金属上框31Aの溝屋内側板部313と樹脂上框31Bの樹脂屋内側板部361との間には、空間部S13,S14が形成されている。空間部S13は、空間部S12の下側に配置されている。空間部S14は、空間部S13の下側に配置されている。空間部S13は、金属上框31Aの溝屋内側板部313、樹脂上框31Bの樹脂上板部362、樹脂屋内側板部361及び樹脂中間板部367によって形成されている。空間部S14は、金属上框31Aの溝屋内側板部313の下部、樹脂上框31Bの樹脂中間板部367、樹脂屋内側板部361の下部、樹脂下板部364及び延出片365によって形成されている。
【0155】
金属上框31Aの溝底板部311、溝外板部312c、溝内板部313c及び樹脂上框31Bの延出片365によって、上框ガラス溝31Cが形成されている。
【0156】
図9に示すように、下框32の金属下框32Aの溝屋内側板部323の上端部323uには、屋内側に突出し、さらに上方に突出して、端部が屋外側に屈曲する爪部325が設けられている。
【0157】
樹脂下框32Bの延出片377の下端部には、屋内側に延びる係止爪部378が設けられている。係止爪部378は、金属下框32Aの爪部325に係止されている。
【0158】
金属下框32Aの溝屋内側板部323の上端部323uは、バックアップ材41に当たっている。樹脂下框32Bの延出片377とガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。溝屋内側板部323の上端部323uと延出片377との境界部は、バックアップ材41とシーリング材42との境界部と略同一の高さに位置している。
【0159】
金属下框32Aの溝底板部321、溝外板部322c、溝内板部323c及び樹脂下框32Bの延出片377によって、下框ガラス溝32Cが形成されている。
【0160】
図10に示すように、戸先框33の金属戸先框33Aの溝屋内側板部333の幅方向の内側の端部の屋外側を向く面にはわずかに屋内側に凹む係止凹部339が設けられている。溝屋内側板部333の幅方向の中間には、屋内側に延びる突出壁部333bが設けられている。
【0161】
樹脂戸先框33Bの樹脂内板部386の屋外側の端部には、幅方向の外側に延びる延出片388が設けられている。延出片388の幅方向の外側の端部には、屋内側に延びる係止爪部389が設けられている。係止爪部389は、金属戸先框33Aの係止凹部339に係止されている。
【0162】
樹脂屋内側板部381には、屋外側に延びる樹脂中間板部381bが設けられている。樹脂中間板部381bは、平板状に形成されている。樹脂中間板部381bの板面は、幅方向を向いている。
【0163】
金属戸先框33Aの溝屋内側板部333は、バックアップ材41に当たっている。樹脂戸先框33Bの延出片388とガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。延出片388に設けられた係止爪部389は、バックアップ材41とシーリング材42との境界部と略同一の高さに位置している。
【0164】
金属戸先框33Aの溝屋内側板部333と樹脂戸先框33Bの樹脂屋内側板部381との間には、空間部S33,S34が形成されている。空間部S33は、空間部S32の幅方向の内側に配置されている。空間部S34は、空間部S33の幅方向の内側に配置されている。空間部S33は、金属戸先框33Aの溝屋内側板部333、突出壁部333b、樹脂戸先框33Bの樹脂中間板部381b、樹脂屋内側板部381及び樹脂外板部382によって形成されている。空間部S34は、金属戸先框33Aの溝屋内側板部333の幅方向の内側の部分、樹脂戸先框33Bの延出片388、樹脂内板部386、樹脂屋内側板部381の幅方向の内側の部分及び樹脂中間板部381bによって形成されている。
【0165】
金属戸先框33Aの溝底板部331、溝外板部332c、溝内板部333c及び樹脂戸先框33Bの延出片388によって、戸先框ガラス溝33Cが形成されている。
【0166】
図11に示すように、外障子3Xの召合せ框34Xでは、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343の幅方向の内側の端部の屋外側を向く面にはわずかに屋内側に凹む係止凹部354が設けられている。
【0167】
樹脂召合せ框34Bの樹脂内板部396の屋外側の端部には、幅方向の外側に延びる延出片390が設けられている。延出片390の幅方向の外側の端部には、屋内側に延びる係止爪部390aが設けられている。係止爪部390aは、金属召合せ框34Aの係止凹部354に係止されている。
【0168】
金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343は、バックアップ材41に当たっている。樹脂召合せ框34Bの延出片390とガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。延出片390に設けられた係止爪部390aは、バックアップ材41とシーリング材42との境界部と略同一の幅方向の位置に位置している。
【0169】
内障子3Yの召合せ框34Yでも、樹脂召合せ框34Bの係止爪部390aは、金属召合せ框34Aの係止凹部354に係止されている。金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343は、バックアップ材41に当たっている。樹脂召合せ框34Bの延出片390は、シーリング材42に当たっている。延出片390に設けられた係止爪部390aは、バックアップ材41とシーリング材42との境界部と略同一の幅方向の位置に位置している。
【0170】
空間部S48の幅方向の内側には、空間部S50が形成されている。空間部S50は、金属召合せ框34Aの溝屋内側板部343の幅方向の内側の部分、樹脂召合せ框34Bの樹脂中間板部399、樹脂屋内側板部391の幅方向の内側の部分及び樹脂内板部396によって形成されている。
【0171】
金属召合せ框34Aの溝底板部341、溝外板部342c、溝内板部343c及び樹脂召合せ框34Bの延出片390によって、召合せ框ガラス溝34Cが形成されている。
【0172】
引違い窓100では、上框31では、金属上框31Aと樹脂上框31Bとの間には空間部S12,S13,S14が形成されている。下框32では、金属下框32Aと樹脂下框32Bとの間には空間部S21,S22,S23,S24,S25が形成されている。戸先框33では、金属戸先框33Aと樹脂戸先框33Bとの間には、空間部S32,S33,S34が形成されている。外障子3Xの召合せ框34Xでは、金属召合せ框34Aと樹脂召合せ框34Bとの間には、空間部S41,S42が形成されている。内障子3Yの召合せ框34Yでは、金属召合せ框34Aと樹脂召合せ框34Bとの間には、空間部S46,S47,S48,S50が形成されている。框体30において、断熱性を向上させることができる。
【0173】
形材で部材単独で中空部のようなホローを形成するに金型加工が複雑になるが、框体30は、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。框体30を容易に製造することができる。
【0174】
ガラスパネル40の屋内側に配置されてシーリング材42には、樹脂上框31Bの延出片365、樹脂下框32Bの延出片377、樹脂戸先框33Bの延出片388及び樹脂召合せ框34Bの延出片390が当たっている。屋外の冷気が金属框31A,32A,33A,34Aを伝達してくるものの、シーリング材42には樹脂框31B,32B,33B,34Bが当たっているため、樹脂框31B,32B,33B,34Bによって冷気がさらに屋内側に伝達されることが抑制される。
【0175】
樹脂上框31Bの延出片365、樹脂下框32Bの延出片377、樹脂戸先框33Bの延出片388及び樹脂召合せ框34Bの延出片390とガラスパネル40との間には、シーリング材42が設けられている。ガラスパネル40と樹脂上框31B、樹脂下框32B、樹脂戸先框33B及び樹脂召合せ框34Bとの間にシーリング材42を設けて気密性を高めることができる。
【0176】
(第三実施形態)
第三実施形態に係る建具について、主に図12から図15を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0177】
本実施形態に係る引違い窓100では、ガラスパネル40の四辺の縁部に、グレージングチャンネル43が設けられている。グレージングチャンネル43は、ガラスパネル40の四辺の縁部の略全長にわたって設けられている。
【0178】
図12に示すように、上框31に設けられるグレージングチャンネル43の断面は、下方に開口する断面略U字状である。グレージングチャンネル43は、端面支持部431と、一対の側縁部436と、を有している。
【0179】
端面支持部431は、ガラスパネル40の上端部に沿って配置されている。側縁部436は、端面支持部431の屋内外方向の両端部から見付け方向の内側である下方に延びている。屋外側の側縁部436は、ガラスパネル40の面40aに沿って配置されている。屋内側の側縁部436は、ガラスパネル40の面40bに沿って配置されている。
【0180】
側縁部436には、ガラスパネル40の対応する面40a,40bに向けて延びる一対の内側ヒレ部437が設けられている。一対の内側ヒレ部437は、上下方向に離れて配置されている。内側ヒレ部437の先端部は、ガラスパネル40の面40a,40bに当たっている。内側ヒレ部437の個数は、適宜設定可能である。
【0181】
側縁部436には、内側ヒレ部437と反対側に延びる外側ヒレ部478が設けられている。外側ヒレ部478の上下方向の位置は、一対の内側ヒレ部437の間である。屋外側の外側ヒレ部478の先端部は、溝外板部312cの屋内側を向く面に当たっている。屋内側の外側ヒレ部478の先端部は、溝内板部313cの屋外側を向く面に当たっている。
【0182】
側縁部436の先端部には、先端ヒレ部439が設けられている。先端ヒレ部439は、側縁部436の先端部から屋内外方向の両側に延びている。屋内側の側縁部436の先端部は、樹脂上框31Bの延出片365に当たっている。先端ヒレ部439は、樹脂上框31Bの樹脂下板部364に当たっている。延出片365は、樹脂下板部364を下側から覆っている。
【0183】
図13に示すように、下框32では、グレージングチャンネル43の端面支持部431がガラスパネル40の下端部に沿う向きで、グレージングチャンネル43は配置されている。屋内側の側縁部436の先端部は、樹脂下框32Bの延出片377に当たっている。先端ヒレ部439は、樹脂下框32Bの樹脂上板部376に当たっている。先端ヒレ部439は、樹脂上板部376を上側から覆っている。
【0184】
図14に示すように、戸先框33では、グレージングチャンネル43の端面支持部431がガラスパネル40の幅方向の端部に沿う向きで、グレージングチャンネル43は配置されている。屋内側の側縁部436の先端部は、樹脂戸先框33Bの延出片388に当たっている。先端ヒレ部439は、樹脂戸先框33Bの樹脂内板部386に当たっている。先端ヒレ部439は、樹脂内板部386を幅方向の内側から覆っている。
【0185】
図15に示すように、召合せ框34では、グレージングチャンネル43の端面支持部431がガラスパネル40の幅方向の端部に沿う向きで、グレージングチャンネル43は配置されている。屋内側の側縁部436は、樹脂召合せ框34Bの延出片390に当たっている。先端ヒレ部439は、樹脂召合せ框34Bの樹脂内板部396に当たっている。先端ヒレ部439は、樹脂内板部396を幅方向の内側から覆っている。
【0186】
引違い窓100では、上框31では、金属上框31Aと樹脂上框31Bとの間には空間部S12,S13,S14が形成されている。下框32では、金属下框32Aと樹脂下框32Bとの間には空間部S21,S22,S23,S24,S25が形成されている。戸先框33では、金属戸先框33Aと樹脂戸先框33Bとの間には、空間部S32,S33,S34が形成されている。外障子3Xの召合せ框34Xでは、金属召合せ框34Aと樹脂召合せ框34Bとの間には、空間部S41,S42が形成されている。内障子3Yの召合せ框34Yでは、金属召合せ框34Aと樹脂召合せ框34Bとの間には、空間部S46,S47,S48,S50が形成されている。框体30において、断熱性を向上させることができる。
【0187】
形材で部材単独で中空部のようなホローを形成するに金型加工が複雑になるが、框体30は、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。框体30を容易に製造することができる。
【0188】
樹脂上框31Bの延出片365、樹脂下框32Bの延出片377、樹脂戸先框33Bの延出片388及び樹脂召合せ框34Bの延出片390とガラスパネル40との間には、グレージングチャンネル43の側縁部436が設けられている。ガラスパネル40と樹脂上框31B、樹脂下框32B、樹脂戸先框33B及び樹脂召合せ框34Bとの間にグレージングチャンネル43を設けて気密性を高めることができる。
【0189】
(第四実施形態)
第四実施形態に係る建具について、主に図16から図20を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0190】
本実施形態に係る建具は、FIX窓100Dである。FIX窓100Dは、建物の開口に枠体1Dが固定されていて、ガラスパネル40の四辺の縁部が枠体1に形成されたガラス溝21C,22C,23Cの内側に固定されている。
【0191】
図16に示すように、上枠11Dは、幅方向に延びている。金属上枠11A1は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂上枠11B1は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂上枠11B1は、金属上枠11A1の屋内側に設けられている。金属上枠11A1は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上枠11B1は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0192】
下枠12Dは、幅方向に延びている。金属下枠12A1は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂下枠12B1は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂下枠12B1は、金属下枠12A1の屋内側に設けられている。金属下枠12A1は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂下枠12B1は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0193】
図17に示すように、縦枠13Dは、上下方向に延びている。金属縦枠13A1は、金属上枠11A1の幅方向の端部と金属下枠12A1の幅方向の端部とを連結している。金属縦枠13A1は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂縦枠13B1は、樹脂上枠11B1の幅方向の端部と樹脂下枠12B1の幅方向の端部とを連結している。樹脂縦枠13B1は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂縦枠13B1は、金属縦枠13A1の屋内側に設けられている。金属縦枠13A1は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂縦枠13B1は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0194】
図18に示すように、金属上枠11A1は、溝底板部211と、溝屋外側板部212と、溝屋内側板部213と、を有している。
【0195】
溝底板部211は、ガラスパネル40の上端部に対向して配置されている。溝屋外側板部212は、溝底板部211の屋外側の端部から下方に延びている。溝屋外側板部212の下端部には、屋内側に延びる折曲壁部212aが設けられている。折曲壁部212aの屋内側の端部には、上方に延びる支持壁部212bが設けられている。支持壁部212bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。溝屋内側板部213は、溝底板部211の屋内側の端部から下方に延びている。
【0196】
樹脂上枠11B1は、内側板部216と、中間板部217と、屋内板部218と、を有している。
【0197】
内側板部216は、金属上枠11A1の下側に配置されている。内側板部216の板面は、上下方向を向いている。内側板部216の屋外側の端部には、上方に延びる支持壁部216bが設けられている。支持壁部216bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。
【0198】
中間板部217は、内側板部216の屋内側方向の中間から上方に延びている。中間板部217の上端部は、屋外側に折曲して金属上枠11A1に係止されている。屋内板部218は、内側板部216の屋内側の端部から上方に延びている。屋内板部218の上端部は、金属上枠11A1に係止されている。
【0199】
金属上枠11A1と樹脂上枠11B1との間には、空間部S61,S62が形成されている。空間部S61,S62は、屋内外方向に並んで配置されている。空間部S61は、空間部S62よりも屋外側に配置されている。空間部S61,S62は、内側板部216に面して内側板部216の上側に配置されている。空間部S61と空間部S62との間は、中間板部217で区画されている。上枠11Dでは、樹脂上枠11B1のみで形成された中空部を備えていない。
【0200】
金属上枠11A1の溝底板部211、溝屋外側板部212、溝屋内側板部213及び樹脂上枠11B1の支持壁部216bによって、下方に開口する上枠ガラス溝21Cが形成されている。上枠ガラス溝21Cは、特許請求の範囲のパネル溝に対応する。
【0201】
図19に示すように、金属下枠12A1は、溝底板部221と、溝屋外側板部222と、溝屋内側板部223と、を有している。
【0202】
溝底板部221は、ガラスパネル40の下端部に対向して配置されている。溝屋外側板部222は、溝底板部221の屋外側の端部から上方に延びている。溝屋外側板部222の上端部には、屋内側に延びる折曲壁部222aが設けられている。折曲壁部222aの屋内側の端部には、下方に延びる支持壁部222bが設けられている。支持壁部222bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。溝屋内側板部223は、溝底板部221の屋内側の端部から上方に延びている。
【0203】
樹脂下枠12B1は、内側板部226と、中間板部227と、屋内板部228と、屋外板部229と、を有している。
【0204】
内側板部226は、金属下枠12A1の上側に配置されている。内側板部226の板面は、上下方向を向いている。内側板部226は、屋外側の部分が屋内側の部分よりも上段に配置されて階段状に形成されている。内側板部226の屋外側の端部には、下方に延びる支持壁部226bが設けられている。支持壁部226bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。
【0205】
中間板部227は、内側板部226の屋内側方向の中間から下方に延びている。中間板部227の下端部は、金属下枠12A1に当たっている。屋内板部228は、内側板部226の屋内側の端部から下方に延びている。屋内板部228の下端部は、金属下枠12A1に係止されている。屋外板部229は、内側板部226の屋外側の端部近傍から下方に延びている。屋外板部229の下端部は、金属下枠12A1に係止されている。
【0206】
金属下枠12A1と樹脂下枠12B1との間には、空間部S64,S65,S66が形成されている。空間部S64,S65,S66は、屋内外方向に並んで配置されている。空間部S64は、空間部S65よりも屋外側に配置されている。空間部S65は、空間部S66よりも屋外側に配置されている。空間部S64,S65,S66は、内側板部226に面して内側板部226の下側に配置されている。空間部S64と空間部S65との間は、屋外板部229で区画されている。空間部S65と空間部S66との間は、中間板部227で区画されている。下枠12Dでは、樹脂下枠12B1のみで形成された中空部を備えていない。
【0207】
金属下枠12A1の溝底板部221、溝屋外側板部222、溝屋内側板部223及び樹脂下枠12B1の支持壁部226bによって、上方に開口する上枠ガラス溝22Cが形成されている。上枠ガラス溝22Cは、特許請求の範囲のパネル溝に対応する。
【0208】
図20に示すように、金属縦枠13A1は、溝底板部231と、溝屋外側板部232と、溝屋内側板部233と、を有している。
【0209】
溝底板部231は、ガラスパネル40の幅方向の端部に対向して配置されている。溝屋外側板部232は、溝底板部231の屋外側の端部から幅方向の内側に延びている。溝屋外側板部232の幅方向の内側の端部には、屋内側に延びる折曲壁部232aが設けられている。折曲壁部232aの屋内側の端部には、幅方向の外側に延びる支持壁部232bが設けられている。支持壁部232bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。溝屋内側板部233は、溝底板部231の屋内側の端部から幅方向の内側に延びている。
【0210】
樹脂縦枠13B1は、内側板部236を有している。内側板部236は、金属縦枠13A1の幅方向の内側に配置されている。内側板部236の板面は、幅方向を向いている。内側板部236の屋外側の端部には、幅方向の外側に延びる支持壁部236bが設けられている。支持壁部236bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。
【0211】
金属縦枠13A1と樹脂縦枠13B1との間には、空間部S71,S72,S73,S74が形成されている。空間部S71は、金属縦枠13A1と樹脂縦枠13B1との間の空間の大部分を占めている。空間部S72,S73は、空間部S71よりも屋外側に配置されている。空間部S72は、空間部S73よりも幅方向の内側に配置されている。空間部S74は、空間部S71の幅方向の外側且つ屋内側に配置されている。空間部S71,S72,S73,S74は、樹脂縦枠13B1に設けられた壁部で区画されている。縦枠13Dでは、樹脂縦枠13B1のみで形成された中空部を備えていない。
【0212】
金属縦枠13A1の溝底板部231、溝屋外側板部232、溝屋内側板部233及び樹脂縦枠13B1の支持壁部236bによって、幅方向の内側に開口する縦枠ガラス溝23Cが形成されている。縦枠ガラス溝23Cは、特許請求の範囲のパネル溝に対応する。
【0213】
FIX窓100Dでは、上枠11Dでは、金属上枠11A1と樹脂上枠11B1との間には空間部S61,S62が形成されている。下枠12Dでは、金属下枠12A1と樹脂下枠12B1との間には空間部S64,S65,S66が形成されている。縦枠13Dでは、金属縦枠13A1と樹脂縦枠13B1との間には、空間部S71,S72,S73,S74が形成されている。枠体1Dにおいて、断熱性を向上させることができる。
【0214】
形材で部材単独で中空部のようなホローを形成するに金型加工が複雑になるが、枠体1Dは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。枠体1Dを容易に製造することができる。
【0215】
ガラスパネル40の屋内側に配置されてシーリング材42には、樹脂上枠11B1の支持壁部216b、樹脂下枠12B1の支持壁部226b及び樹脂縦枠13B1の支持壁部236bが当たっている。屋外の冷気が金属枠11A1,12A1,13A1を伝達してくるものの、シーリング材42には樹脂枠11B1,12B1,13B1が当たっているため、樹脂枠11B1,12B1,13B1によって冷気がさらに屋内側に伝達されることが抑制される。
【0216】
樹脂上枠11B1の支持壁部216b、樹脂下枠12B1の支持壁部226b及び樹脂縦枠13B1の支持壁部236bとガラスパネル40との間には、シーリング材42が設けられている。ガラスパネル40と樹脂枠11B1,12B1,13B1との間にシーリング材42を設けて気密性を高めることができる。
【0217】
(第五実施形態)
第五実施形態に係る建具について、主に図21から図23を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0218】
本実施形態に係るFIX窓100Dでは、ガラスパネル40の四辺の縁部の屋内外両側にそれぞれ、ビート44,45が設けられている。ビート44,45は、ガラスパネル40の四辺の縁部の略全長にわたって設けられている。
【0219】
図21に示すように、上枠11Dでは、金属上枠11A1の支持壁部212bにビート44が係止されている。ビート44は、支持壁部212bとガラスパネル40との間に挟み込まれている。樹脂上枠11B1の支持壁部216bとガラスパネル40との間には、ビート45が挟み込まれている。
【0220】
図21に示すように、下枠12Dでは、金属下枠12A1の支持壁部222bにビート44が係止されている。ビート44は、支持壁部222bとガラスパネル40との間に挟み込まれている。樹脂下枠12B1の支持壁部226bとガラスパネル40との間には、ビート45が挟み込まれている。
【0221】
図22に示すように、縦枠13Dでは、金属縦枠13A1の支持壁部232bにビート44が係止されている。ビート44は、支持壁部232bとガラスパネル40との間に挟み込まれている。樹脂縦枠13B1の支持壁部236bとガラスパネル40との間には、ビート45が挟み込まれている。
【0222】
FIX窓100Dでは、上枠11Dでは、金属上枠11A1と樹脂上枠11B1との間には空間部S61,S62が形成されている。下枠12Dでは、金属下枠12A1と樹脂下枠12B1との間には空間部S64,S65,S66が形成されている。縦枠13Dでは、金属縦枠13A1と樹脂縦枠13B1との間には、空間部S71,S72,S73,S74が形成されている。枠体1Dにおいて、断熱性を向上させることができる。
【0223】
形材で部材単独で中空部のようなホローを形成するに金型加工が複雑になるが、枠体1Dは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。枠体1Dを容易に製造することができる。
【0224】
樹脂上枠11B1の支持壁部216b、樹脂下枠12B1の支持壁部226b及び樹脂縦枠13B1の支持壁部236bとガラスパネル40との間には、ビート45が設けられている。ガラスパネル40と樹脂枠11B1,12B1,13B1との間にビート45を設けて気密性を高めることができる。
【0225】
(第六実施形態)
第六実施形態に係る建具について、主に図24から図29を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0226】
本実施形態に係る建具は、縦滑り出し窓100Eである。
図24に示すように、上枠11Eは、幅方向に延びている。金属上枠11A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂上枠11B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂上枠11B2は、金属上枠11A2の屋内側に設けられている。下枠12Eは、幅方向に延びている。金属下枠12A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂下枠12B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂下枠12B2は、金属下枠12A2の屋内側に設けられている。
【0227】
図25に示すように、縦枠13Eは、上下方向に延びている。金属縦枠13A2は、金属上枠11A2の幅方向の端部と金属下枠12A2の幅方向の端部とを連結している。金属縦枠13A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂縦枠13B2は、樹脂上枠11B2の幅方向の端部と樹脂下枠12B2の幅方向の端部とを連結している。樹脂縦枠13B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂縦枠13B2は、金属縦枠13A2の屋内側に設けられている。
【0228】
図24に示すように、障子3Eの框体30Eの上框31Eは、幅方向に延びている。金属上框31A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂上框31B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂上框31B2は、金属上框31A2の屋内側に設けられている。金属上框31A2は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂上框31B2は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0229】
下框32Eは、幅方向に延びている。金属下框32A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂下框32B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂下框32B2は、金属下框32A2の屋内側に設けられている。金属下框32A2は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂下框32B2は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0230】
図25に示すように、戸先框33E及び吊元框34Eは、上下方向に延びている。金属戸先框33A2は、金属上框31A2の戸先側の端部と金属下框32A2の戸先側の端部とを連結している。金属吊元框34A2は、金属上框31A2の吊元側の端部と金属下框32A2の吊元側の端部とを連結している。金属戸先框33A2及び金属吊元框34A2は、アルミニウム合金等の金属材料の形材で形成されている。樹脂戸先框33B2は、樹脂上框31B2の戸先側の端部と樹脂下框32B2の戸先側の端部とを連結している。樹脂吊元框34B2は、樹脂上框31B2の吊元側の端部と樹脂下框32B2の吊元側の端部とを連結している。樹脂戸先框33B2及び樹脂吊元框34B2は、樹脂材料の形材で形成されている。樹脂戸先框33B2は、金属戸先框33A2の屋内側に設けられている。樹脂吊元框34B2は、金属吊元框34A2の屋内側に設けられている。金属戸先框33A2及び金属吊元框34A2は、特許請求の範囲の金属部材に対応する。樹脂戸先框33B2及び樹脂吊元框34B2は、特許請求の範囲の樹脂部材に対応する。
【0231】
図26に示すように、金属上框31A2は、溝底板部511と、溝屋外側板部512と、溝屋内側板部513と、を有している。
【0232】
溝底板部511は、ガラスパネル40の上端部に対向して配置されている。溝屋外側板部512は、溝底板部511の屋外側の端部から下方に延びている。溝屋外側板部512の下端部には、屋内側に延びる折曲壁部512aが設けられている。折曲壁部512aの屋内側の端部には、上方に延びる支持壁部512bが設けられている。支持壁部512bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。溝屋内側板部513は、溝底板部511の屋内側の端部から下方に延びている。溝屋内側板部513は、複数の板材組付けられて構成されている。
【0233】
樹脂上框31B2は、内側板部516を有している。内側板部516は、金属上框31A2の下側に配置されている。内側板部516の板面は、上下方向を向いている。内側板部516の屋外側の端部には、上方に延びる支持壁部516bが設けられている。支持壁部516bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。
【0234】
金属上框31A2と樹脂上框31B2との間には、空間部S81が形成されている。空間部S81は、内側板部516に面して内側板部516の上側に配置されている。上框31Eでは、樹脂上框31B2のみで形成された中空部を備えていない。
【0235】
金属上框31A2の溝底板部511、溝屋外側板部512、溝屋内側板部513及び樹脂上框31B2の支持壁部516bによって、下方に開口する上枠ガラス溝51Cが形成されている。上枠ガラス溝51Cは、特許請求の範囲のパネル溝に対応する。
【0236】
図27に示すように、金属下框32A2は、溝底板部521と、溝屋外側板部522と、溝屋内側板部523と、を有している。
【0237】
溝底板部521は、ガラスパネル40の下端部に対向して配置されている。溝屋外側板部522は、溝底板部521の屋外側の端部から上方に延びている。溝屋外側板部522の上端部には、屋内側に延びる折曲壁部522aが設けられている。折曲壁部522aの屋内側の端部には、下方に延びる支持壁部522bが設けられている。支持壁部522bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。溝屋内側板部523は、溝底板部521の屋内側の端部から上方に延びている。溝屋内側板部523は、複数の板材組付けられて構成されている。
【0238】
樹脂下框32B2は、内側板部526を有している。内側板部526は、金属下框32A2の上側に配置されている。内側板部526の板面は、上下方向を向いている。内側板部526の屋外側の端部には、下方に延びる支持壁部526bが設けられている。支持壁部526bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。
【0239】
金属下框32A2と樹脂下框32B2との間には、空間部S82が形成されている。空間部S82は、内側板部526に面して内側板部526の下側に配置されている。下框32Eでは、樹脂下框32B2のみで形成された中空部を備えていない。
【0240】
金属下框32A2の溝底板部521、溝屋外側板部522、溝屋内側板部523及び樹脂下框32B2の支持壁部526bによって、上方に開口する上枠ガラス溝52Cが形成されている。上枠ガラス溝52Cは、特許請求の範囲のパネル溝に対応する。
【0241】
図28に示すように、金属戸先框33A2は、溝底板部531と、溝屋外側板部532と、溝屋内側板部533と、を有している。
【0242】
溝底板部531は、ガラスパネル40の幅方向の端部に対向して配置されている。溝屋外側板部532は、溝底板部531の屋外側の端部から幅方向の内側に延びている。溝屋外側板部532の幅方向の内側の端部には、屋内側に延びる折曲壁部532aが設けられている。折曲壁部532aの屋内側の端部には、幅方向の外側に延びる支持壁部532bが設けられている。支持壁部532bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。溝屋内側板部533は、溝底板部531の屋内側の端部から幅方向の内側に延びている。
【0243】
樹脂戸先框33B2は、内側板部536を有している。内側板部536は、金属戸先框33A2の幅方向の内側に配置されている。内側板部536の板面は、幅方向を向いている。内側板部536の屋外側の端部には、幅方向の外側に延びる支持壁部536bが設けられている。支持壁部536bとガラスパネル40との間に、シーリング材42が挟み込まれている。
【0244】
金属戸先框33A2と樹脂戸先框33B2との間には、空間部S83,S84,S85が形成されている。空間部S83は、支持壁部536bに面して支持壁部536bの屋内側に配置されている。空間部S84は、空間部S83の屋内側に配置されている。空間部S85は、空間部S84の幅方向の外側に配置されている。空間部S83,S84,S85は、樹脂戸先框33B2に設けられた壁部で区画されている。戸先框33Eでは、樹脂戸先框33B2のみで形成された中空部を備えていない。
【0245】
金属戸先框33A2の溝底板部531、溝屋外側板部532、溝屋内側板部533及び樹脂戸先框33B2の支持壁部536bによって、幅方向の内側に開口する縦枠ガラス溝53Cが形成されている。縦枠ガラス溝53Cは、特許請求の範囲のパネル溝に対応する。
【0246】
図29に示すように、吊元框34Eでは、戸先框33Eと同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0247】
縦滑り出し窓100Eでは、上框31Eでは、金属上框31A2と樹脂上框31B2との間には空間部S81が形成されている。下框32Eでは、金属下框32A2と樹脂下框32B2との間には空間部S82が形成されている。戸先框33Eでは、金属戸先框33A2と樹脂戸先框33B2との間には、空間部S83,S84,S85が形成されている。吊元框34Eでは、金属吊元框34A2と樹脂吊元框34B2との間には、空間部S84,S85が形成されている。框体30Eにおいて、断熱性を向上させることができる。
【0248】
形材で部材単独で中空部のようなホローを形成するに金型加工が複雑になるが、框体30Eは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。框体30Eを容易に製造することができる。
【0249】
ガラスパネル40の屋内側に配置されてシーリング材42には、樹脂上框31B2の支持壁部516b、樹脂下框32B2の支持壁部526b、樹脂戸先框33B2の支持壁部536b及び樹脂吊元框34B2の支持壁部536bが当たっている。屋外の冷気が金属框31A2,32A2,33A2を伝達してくるものの、シーリング材42には樹脂框31B2,32B2,33B2が当たっているため、樹脂框31B2,32B2,33B2によって冷気がさらに屋内側に伝達されることが抑制される。
【0250】
樹脂上框31B2の支持壁部516b、樹脂下框32B2の支持壁部526b、樹脂戸先框33B2の支持壁部536b及び樹脂吊元框34B2の支持壁部536bとガラスパネル40との間には、シーリング材42が設けられている。ガラスパネル40と樹脂框31B2,32B2,33B2との間にシーリング材42を設けて気密性を高めることができる。
【0251】
(第七実施形態)
第七実施形態に係る建具について、主に図30から図33を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0252】
本実施形態に係る縦滑り出し窓100Eでは、ガラスパネル40の四辺の縁部の屋内外両側にそれぞれ、ビート44,45が設けられている。ビート44,45は、ガラスパネル40の四辺の縁部の略全長にわたって設けられている。
【0253】
図30に示すように、上框31Eでは、金属上框31A2の支持壁部512bにビート44が係止されている。ビート44は、支持壁部512bとガラスパネル40との間に挟み込まれている。樹脂上框31B2の支持壁部516bとガラスパネル40との間には、ビート45が挟み込まれている。
【0254】
図31に示すように、下框32Eでは、金属下框32A2の支持壁部522bにビート44が係止されている。ビート44は、支持壁部522bとガラスパネル40との間に挟み込まれている。樹脂下框32B2の支持壁部526bとガラスパネル40との間には、ビート45が挟み込まれている。
【0255】
図32に示すように、戸先框33Eでは、金属戸先框33A2の支持壁部532bにビート44が係止されている。ビート44は、支持壁部532bとガラスパネル40との間に挟み込まれている。樹脂戸先框33B2の支持壁部536bとガラスパネル40との間には、ビート45が挟み込まれている。
【0256】
図33に示すように、吊元框34Eでは、金属吊元框34A2の支持壁部532bにビート44が係止されている。ビート44は、支持壁部532bとガラスパネル40との間に挟み込まれている。樹脂吊元框34B2の支持壁部536bとガラスパネル40との間には、ビート45が挟み込まれている。
【0257】
縦滑り出し窓100Eでは、上框31Eでは、金属上框31A2と樹脂上框31B2との間には空間部S81が形成されている。下框32Eでは、金属下框32A2と樹脂下框32B2との間には空間部S82が形成されている。戸先框33Eでは、金属戸先框33A2と樹脂戸先框33B2との間には、空間部S83,S84,S85が形成されている。吊元框34Eでは、金属吊元框34A2と樹脂吊元框34B2との間には、空間部S84,S85が形成されている。框体30Eにおいて、断熱性を向上させることができる。
【0258】
形材で部材単独で中空部のようなホローを形成するに金型加工が複雑になるが、框体30Eは、樹脂材料のみで囲まれた中空部を備えていない。框体30Eを容易に製造することができる。
【0259】
樹脂上框31B2の支持壁部516b、樹脂下框32B2の支持壁部526b、樹脂戸先框33B2の支持壁部536b及び樹脂吊元框34B2の支持壁部536bとガラスパネル40との間には、ビート45が設けられている。ガラスパネル40と樹脂框31B2,32B2,33B2,34B2との間にビート45を設けて気密性を高めることができる。
【0260】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0261】
引違い窓100を例に挙げて説明したが、適用する建具はこれに限られない。滑り出し窓、FIX窓、突き出し窓、框ドア、片開き窓等にも適用可能である。FIX窓では、開口に固定される枠が、本実施形態の框の構成を備えていればよい。
【0262】
上框31、下框32、戸先框33及び召合せ框34のうち少なくともいずれか一つの框が空間部を備えていればよい。上框並びに下框の上下方向、及び戸先框並びに召合せ框の幅方向にそれぞれ並んで空間部が配置されていなくてもよい。
【0263】
封止材として、シーリング材に代えて、断面略U字状に形成され、ガラスパネル40の端部40u,40d,40sを囲うように配置されるグレージングチャンネルを設けてもよい。
【0264】
樹脂框はアルミ合金等で形成された金属框と比べて、熱によって伸縮しやすい。シーリング材が破断する方向に樹脂框が伸縮してしまうと、シーリングが破断してしまって、各種性能が低下してしまう可能性がある。第二実施形態、第四実施形態及び第六実施形態のように、シーリング材に対して金属框が接触せずに樹脂框のみが接触している構成では、樹脂框の伸縮抑制のため、樹脂框を金属框にカシメ固定やネジ固定等を行って、シーリング材が破断する方向に樹脂框が伸縮することを抑制する構造としてもよい。
【符号の説明】
【0265】
1 枠体、3 障子、11 上枠、12 下枠、13 縦枠、30 框体、31 上框、31A 金属上框(金属部材)、31B 樹脂上框(金属部材)、32A 金属下框(金属部材)、32B 樹脂下框(樹脂部材)、33A 金属戸先框(金属部材)、33B 樹脂戸先框(金属部材)、34A 金属召合せ框(金属部材)、34B 樹脂召合せ框(樹脂部材)、42 シーリング材(封止材)、100 引違い窓、316,326 肉厚部(溝壁部)、318u 上端部(外側壁部)、328,338 取付板部(外側壁部)、336,346 当接部(溝壁部)、349 延出片(溝壁部)
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