(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137751
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】可変式光学構造
(51)【国際特許分類】
G02B 26/08 20060101AFI20240927BHJP
G02F 1/19 20190101ALI20240927BHJP
【FI】
G02B26/08 H
G02F1/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024027099
(22)【出願日】2024-02-27
(31)【優先権主張番号】18/188,198
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリアッパン、ダヌシュコディ デュライ
(72)【発明者】
【氏名】ドライフス、グレゴリー ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】リー、シアオペン
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ、ジェイムス ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラディギエリ、グレッグ アラン
【テーマコード(参考)】
2H141
2K101
【Fターム(参考)】
2H141MA12
2H141MB23
2H141MB27
2H141MB37
2H141MB43
2H141MB49
2H141MB56
2H141MC03
2H141MC04
2H141MC10
2H141MD04
2H141MD32
2H141MF21
2H141MG10
2K101AA11
2K101AA34
2K101CA06
2K101CB01
2K101CB41
2K101EE11
2K101EK01
(57)【要約】
【課題】可変式光学構造及びその改変方法を提供する。
【解決手段】可変式光学構造は、流体リザーバであって、1以上の流体、及び1以上の流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を備える流体リザーバと、多孔質構造と、流体リザーバと多孔質構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブとを備えており、1以上のバルブが開いているときは、1以上の流体は、毛細管作用によって多孔質構造を通って移動することができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変式光学構造であって、当該可変式光学構造が、
流体リザーバであって、1以上の流体、及び前記1以上の流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を備える流体リザーバと、
多孔質構造と、
前記流体リザーバと前記多孔質構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブと
を備えており、前記1以上のバルブが開いているときは、前記1以上の流体は、毛細管作用によって前記多孔質構造を通って移動することができる、可変式光学構造。
【請求項2】
前記1以上の流体が、重力に打ち勝つのに十分な1以上の力を受けるように構成されており、前記1以上の力が、磁力、慣性力、毛細管力及びそれらの組合せの1以上である、請求項1に記載の可変式光学構造。
【請求項3】
前記1以上の流体を磁気的に操作するように配向した磁場源をさらに含む、請求項1に記載の可変式光学構造。
【請求項4】
前記1以上の流体が磁気的に操作可能な流体を含む、請求項1に記載の可変式光学構造。
【請求項5】
前記多孔質構造が、1以上の流体を慣性的に操作するために回転可能である、請求項1に記載の可変式光学構造。
【請求項6】
前記多孔質構造が積層造形によって製造される、請求項1に記載の可変式光学構造。
【請求項7】
前記1以上の光学面が、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体様膜(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、太陽電池及びそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む、請求項1に記載の可変式光学構造。
【請求項8】
可変式光学構造を変化させる方法であって、前記可変式光学構造が、
流体リザーバであって、1以上の流体、及び1以上の流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面とを含む流体リザーバと、
多孔質構造と、
流体リザーバと多孔質構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブと
を備えており、当該方法が、
1以上の流体が毛細管作用によって多孔質構造を通って移動できるようにするために、1以上のバルブを開くこと
を含む、方法。
【請求項9】
当該方法が、前記1以上の流体を磁場源で磁気的に操作することをさらに含んでおり、前記1以上の流体が、磁気的に操作可能な流体を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために前記多孔質構造を回転させることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
可変式光学構造であって、当該可変式光学構造が、
1以上のメタマテリアルと、
前記メタマテリアル上に配置された1以上の磁気的に操作可能な流体と、
前記1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と
を備える、可変式光学構造。
【請求項12】
前記1以上の磁気的に操作可能な流体が強磁性流体を含む、請求項11に記載の可変式光学構造。
【請求項13】
前記可変式光学構造がフォトニックハイパークリスタルである、請求項11に記載の可変式光学構造。
【請求項14】
可変式光学構造を変化させる方法であって、前記可変式光学構造が、
1以上のメタマテリアルと、
前記メタマテリアル上に配置された1以上の磁気的に操作可能な流体と、
前記1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と
を備えており、当該方法が、
前記可変式光学構造の1以上の光学特性を変化させるために、前記1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作すること
を含む、方法。
【請求項15】
前記1以上の光学特性が、不透明度、透明性、屈折率及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術の分野は、広義には、可変式光学構造及びその改変方法に関する。
【0002】
光学構造は、多種多様な光学用途で有用である。例えば、かかる構造は、レーザー、顕微鏡、望遠鏡、カメラ、ソーラーコレクター、太陽電池の不可欠な部分である。さらに、光学構造は、反射、吸収、分割、集束などによって光を操作するために多用される。それらの使用に必要な精度のために、光学構造は概して永久的であり、正確に形成されなければならない。そのため、かかる構造の製造には時間及び費用がかかり、かかる構造は変更が容易ではないことがある。
【0003】
さらに、補償光学の分野は、イメージングの大気補正などのために光学系を繰り返し、かつ頻繁に変更する。また、補償光学を利用した集光型太陽熱発電技術により、時間帯によって電力エネルギーの収集効率を高めることも求められている。
【0004】
そこで、迅速かつ繰り返し改変し得る安価な光学構造が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、第1の可変式光学構造を提供する。第1の可変式光学構造は、流体リザーバ、多孔質構造及び流体リザーバと多孔質構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブを含む。流体リザーバは、1以上の流体と、1以上の流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面とを含む。1以上のバルブが開いているときは、1以上の流体は、毛細管作用によって多孔質構造を通って移動することができる。
【0006】
別の態様では、第1の可変式光学構造を変化させる方法を提供する。第1の可変式光学構造は、流体リザーバ、多孔質構造及び流体リザーバと多孔質構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブを含む。流体リザーバは、1以上の流体と、1以上の流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面とを含む。1以上のバルブが開いているときは、1以上の流体は、毛細管作用によって多孔質構造を通って移動することができる。本方法は、1以上の流体が毛細管作用によって多孔質構造を通って流れるようにするために、1以上のバルブを開くことを含む。
【0007】
別の態様では、第2の可変式光学構造を提供する。第2の可変式光学構造は、流体リザーバと、1以上の磁気的に操作可能な流体を受け入れるように配向された構造と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と、流体リザーバと構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブを含む。流体リザーバは、1以上の磁気的に操作可能な流体と、1以上の磁気的に操作可能な流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を含む。1以上のバルブが開いているときは、1以上の流体は、磁場源によって誘導される磁力によって構造を通って移動することができる。
【0008】
別の態様では、第2の可変式光学構造を変化させる方法を提供する。第2の可変式光学構造は、流体リザーバと、1以上の磁気的に操作可能な流体を受け入れるように配向された構造と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と、流体リザーバと構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブを含む。流体リザーバは、1以上の磁気的に操作可能な流体と、1以上の磁気的に操作可能な流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を含む。1以上のバルブが開いているときは、1以上の流体は、磁場源によって誘導される磁力によって構造を通って移動することができる。本方法は、1以上の流体が、磁場源によって誘導される磁力によって構造を通って流れるようにするために、1以上のバルブを開くことを含む。
【0009】
別の態様では、第3の可変式光学構造を提供する。第3の光学構造は、1以上の磁気的に操作可能な流体を含有する構造を含んでおり、1以上の磁気的に操作可能な流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源とを備える。
【0010】
別の態様では、第3の可変式光学構造を変化させる方法を提供する。前記可変式光学構造は、1以上の磁気的に操作可能な流体を含有する構造を含んでおり、1以上の磁気的に操作可能な流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源とを備える。本方法は、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するために、磁場源から磁力を誘導することを含む。
【0011】
別の態様では、第4の可変式光学構造を提供する。第4の可変式光学構造は、1以上のメタマテリアルと、メタマテリアル上に配置された1以上の磁気的に操作可能な流体と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源とを含む。
【0012】
別の態様では、第4の可変式光学構造を変化させる方法を提供する。第4の可変式光学構造は、1以上のメタマテリアルと、メタマテリアル上に配置された1以上の磁気的に操作可能な流体と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源とを含む。本方法は、可変式光学構造の1以上の光学特性を変化させるために、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の上記その他の特徴、態様及び利点については、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。
【
図1A】本開示技術に係る例示的な可変式光学構造の図。
【
図1B】本開示技術に係る可変式光学構造の例示的な細孔の図。
【
図1C】本開示技術に係る代替的な可変式光学構造の図。
【
図1D】本開示技術に係る可変式光学構造の例示的な細孔の図。
【
図2A】本開示技術に係る別の代替的な可変式光学構造の図。
【
図2B】本開示技術に係るさらに別の代替的な可変式光学構造の図。
【0014】
別途記載されていない限り、本願に添付した図面は、本開示技術の実施形態の特徴を例示するものである。これらの特徴は、本開示技術の1以上の実施形態を包含する多種多様なシステムに適用できると思料される。そのため、図面は、本明細書で開示する実施形態の実施に必要とされる当業者に公知の慣用的特徴をすべて含んでいるわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に記載の実施形態は、公知の光学構造の短所の少なくとも一部を克服する。本明細書に記載の例示的な実施形態は、第1の可変式光学構造を含む。可変式光学構造は、流体リザーバ、多孔質構造及び流体リザーバと多孔質構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブを含む。流体リザーバは、1以上の流体と、1以上の流体の表面上に位置する1以上の光学面とを含む。1以上のバルブが開いているときは、1以上の流体は、毛細管作用によって多孔質構造を通って移動することができる。本明細書に記載の例示的な実施形態は、種々の印加力によって改変可能かつ調整可能な光学構造の製造を容易にする。
【0016】
幾つかの実施形態では、1以上の流体は、重力に打ち勝つのに十分な1以上の力を受け取ることができる。一般に、1以上の力は、本明細書に記載の可変式光学構造を選択的に変化させることを容易にする、当技術分野で公知の任意の適切な力とすることができる。幾つかの実施形態では、1以上の力としては、限定されるものではないが、磁力、慣性力、毛細管力及び/又はそれらの任意の組合せが挙げられる。幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、多孔質構造が流体リザーバの上方、流体リザーバに水平に隣接し、流体リザーバの下方又はそれらの組合せとなるように配向される。
【0017】
幾つかの実施形態では、慣性力は、回転からの求心力である。
【0018】
幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、1以上の流体を磁気的に操作するように配向した磁場源も含む。一般に、磁場源は、本明細書に記載の可変式光学構造を選択的に変化させることを容易にする当技術分野で公知の任意の適切な磁場源とすることができる。幾つかの実施形態では、磁場源は、限定されるものではないが、永久磁石、電磁石、常磁性体、強磁性体、希土類磁石及びそれらの組合せの1つである。幾つかの実施形態では、磁場源は、ハルバッハアレイを含む。
【0019】
幾つかの実施形態では、1以上の流体は、磁気的に操作可能な流体を含む。幾つかの実施形態では、1以上の流体は、強磁性流体を含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、1以上の流体は、非強磁性流体を含む。これらの実施形態では、非強磁性流体は磁気的に操作可能ではない。
【0021】
幾つかの実施形態では、多孔質構造は、1以上の流体を慣性的に操作するために回転可能である。
【0022】
幾つかの実施形態では、多孔質構造は、メソポーラス構造である。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、約1nm~約1mmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、約1μm~約500μmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、約100μm~約200μmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、約5μm~約10μmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、多孔質構造は、灯心様構造を含む。
【0024】
幾つかの実施形態では、多孔質構造は、金属、ポリマー、セラミックス、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、疎水性材料、疎水性コーティング、親水性材料、親水性コーティング及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0025】
幾つかの実施形態では、多孔質構造は、積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、ポリマー積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、金属積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、セラミック積層造形によって製造される。
【0026】
幾つかの実施形態では、1以上の光学面は、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体様フィルム(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、太陽電池及びそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む。幾つかの実施形態では、1以上の光学面は、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体様フィルム(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル及びそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む。
【0027】
幾つかの実施形態では、1以上の光学面は、幾何学的形状、非幾何学的形状、放物面、楕円面、球面及び/又はそれらの組合せとして成形される。他の実施形態では、光学面は、光学構造が本明細書に記載の通り機能できるようにする任意の形状で形成し得る。他の実施形態では、光学面は、異なる位置で様々な形状の組合せで形成される。
【0028】
幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、望遠鏡で使用するための液体鏡である。幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、太陽エネルギーシステムにおいて使用するための液体鏡である。
【0029】
図1Aは、本開示技術に係る例示的な可変式光学構造100を描写する。可変式光学構造100は、流体リザーバ108の上方の多孔質構造102を含む。流体リザーバ108は、流体112と、流体112の上面を少なくとも部分的に横断する光学面106とを含む。多孔質構造102と流体リザーバ108との間の流体連通は、バルブ104を介して制御される。例示的な実施形態では、磁場源110は、流体リザーバ108の下方にある。図に示すように、バルブ104は閉じられ、光学面106及び流体112は流体リザーバ108内に収容される。
【0030】
図1Bは、可変式光学構造100の多孔質構造102の例示的な細孔を描写する。多孔質構造102は、流体112を含有し、光学面106が流体112を横切って少なくとも部分的に延在している流体リザーバ108の上方にある。多孔質構造102と流体リザーバ108との間の流体連通は、バルブ104を介して制御される。さらに、例示的な実施形態では、磁場源(図示せず)は、流体リザーバ108の下方にある。図に示すように、バルブ104は閉じられ、光学面106及び流体112は流体リザーバ108内に収容される。
【0031】
図1Cは、本開示技術に係る別の例示的な可変式光学構造100を描写する。例示的な実施形態では、可変式光学構造100は、流体112を含む流体リザーバ108の上方の多孔質構造102を含む。多孔質構造102と流体リザーバ108との間の流体連通は、バルブ104によって制御される。磁場源110は、流体リザーバ108の下方にある。図に示すように、バルブ104は開いており、流体112は、部分的に流体リザーバ108と共に、かつ部分的に多孔質構造102内に収容され、光学面106は、多孔質構造102における流体112の上面を少なくとも部分的に横切って延在している。光学面106は、流体112のメニスカスに基づく形状をなす。
【0032】
図1Dは、可変式光学構造100の多孔質構造102の例示的な細孔を描写する。多孔質構造102は、流体112を含む流体リザーバ108の上方にある。多孔質構造102と流体リザーバ108との間の流体連通は、バルブ104によって制御される。磁場源(図示せず)は、流体リザーバ108の下方にある。図に示すように、バルブ104は開いており、流体112は、流体リザーバ108と共に部分的に収容され、部分的に多孔質構造102内にあり、光学面106は、多孔質構造102における流体112の上面を横切って延在している。光学面106は、流体112のメニスカスに基づく形状をなす。
【0033】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、可変式光学構造を変化させる第1の方法を含む。第1の方法は、1以上の流体が毛細管作用によって多孔質構造を通って流れるようにするために、1以上のバルブを開くことを含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、方法は、磁場源で1以上の流体を磁気的に操作することも含む。かかる実施形態では、1以上の流体は、磁気的に操作可能な流体である。一般に、磁場源は、本明細書に記載されるような可変式光学構造を選択的に変化させることを容易にする、当技術分野で公知の任意の適切な磁場源とすることができる。幾つかの実施形態では、磁場源は、限定されるものではないが、永久磁石、電磁石、常磁性体、強磁性体及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、磁場源は、ハルバッハアレイを含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、方法は、1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために多孔質構造を回転させることをさらに含む。
【0036】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、第2の可変式光学構造を含む。第2の可変式光学構造は、流体リザーバと、1以上の磁気的に操作可能な流体を受け入れるように配向された構造と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と、流体リザーバと構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブを含む。流体リザーバは、1以上の磁気的に操作可能な流体と、1以上の磁気的に操作可能な流体の表面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を含む。1以上のバルブが開いているときは、1以上の流体は、磁場源によって誘導される磁力によって構造物内を流れることができる。本明細書に記載の例示的な実施形態は、種々の印加力によって改変可能かつ調整可能な光学構造の製造を容易にする。
【0037】
幾つかの実施形態では、1以上の磁気的に操作可能な流体は、重力に打ち勝つのに十分な1以上の力を受ける。一般に、1以上の力は、本明細書に記載の可変式光学構造の改変を容易にする、当技術分野で公知の任意の適切な力とすることができる。幾つかの実施形態では、1以上の力は、限定されるものではないが、磁力、慣性力、毛細管力及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、構造が流体貯留槽の上方にあり、流体リザーバに水平に隣接し、流体リザーバの下方にあり及び/又はそれらの幾つかの組合せであるように配向される。
【0038】
幾つかの実施形態では、1以上の磁気的に操作可能な流体は、強磁性流体を含む。
【0039】
幾つかの実施形態では、1以上の流体は、非強磁性流体を含む。これらの実施形態では、非強磁性流体は磁気的に操作可能ではない。
【0040】
幾つかの実施形態では、構造は、1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために回転可能である。
【0041】
幾つかの実施形態では、構造は多孔質構造を含む。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、メソポーラス構造である。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、約1nm~約1mmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む。
【0042】
幾つかの実施形態では、多孔質構造は、灯心様構造を含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、構造は、金属、ポリマー、セラミックス、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、疎水性材料、疎水性コーティング、親水性材料、親水性コーティング及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0044】
幾つかの実施形態では、構造は、積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、構造は、ポリマー積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、構造は、金属積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、構造は、セラミック積層造形によって製造される。
【0045】
幾つかの実施形態では、1以上の光学面は、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体様フィルム(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、太陽電池及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む。幾つかの実施形態では、1以上の光学面は、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体様フィルム(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む。
【0046】
幾つかの実施形態では、1以上の光学面は、幾何学的形状、非幾何学的形状、放物面、楕円面、球面及び/又はそれらの組合せとして成形される。他の実施形態では、光学面は、光学構造が本明細書に記載の通り機能できるようにする任意の形状で形成し得る。他の実施形態では、光学面は、異なる位置で様々な形状の組合せで形成される。
【0047】
幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、望遠鏡で使用するための液体鏡である。幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、太陽エネルギーシステムにおいて使用するための液体鏡である。
【0048】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、可変式光学構造を変化させる第2の方法を含む。第2の方法は、1以上の流体が、磁場源によって誘導される磁力によって構造を通って流れるようにするために、1以上のバルブを開くことを含む。
【0049】
幾つかの実施形態では、方法は、毛細管作用によって1以上の磁気的に操作可能な流体を構造を通して移動させることも含み、構造は多孔質構造を含む。
【0050】
幾つかの実施形態では、方法は、1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために構造を回転させることをさらに含む。
【0051】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、第3の例示的な可変式光学構造を含む。第3の可変式光学構造は、1以上の磁気的に操作可能な流体を含有する構造を含んでおり、1以上の磁気的に操作可能な流体の表面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源とを備える。本明細書に記載の例示的な実施形態は、種々の印加力を介して選択的に改変可能かつ調整可能である光学構造の製造を容易にする。
【0052】
幾つかの実施形態では、1以上の磁気的に操作可能な流体は、重力に打ち勝つのに十分な1以上の力を受ける。一般に、1以上の力は、本明細書に記載の可変式光学構造の製造を容易にする当技術分野で公知の任意の適切な力とすることができる。幾つかの実施形態では、1以上の力は、限定されるものではないが、磁力、慣性力、毛細管力及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、構造が流体リザーバの上方に位置し、流体リザーバに水平に隣接し、流体リザーバの下方にあり及び/又はそれらの幾つかの組合せとなるように配置される。
【0053】
幾つかの実施形態では、1以上の磁気的に操作可能な流体は、強磁性流体を含む。
【0054】
幾つかの実施形態では、1以上の流体は、非強磁性流体を含む。これらの実施形態では、非強磁性流体は磁気的に操作可能ではない。
【0055】
幾つかの実施形態では、構造は、1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために回転可能である。
【0056】
幾つかの実施形態では、構造は多孔質構造を含む。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、メソポーラス構造である。幾つかの実施形態では、多孔質構造は、約1nm~約1mmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む。
【0057】
幾つかの実施形態では、多孔質構造は、灯心様構造を含む。
【0058】
幾つかの実施形態では、構造は、金属、ポリマー、セラミックス、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、疎水性材料、疎水性コーティング、親水性材料、親水性コーティング及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0059】
幾つかの実施形態では、構造は、積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、構造は、ポリマー積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、構造は、金属積層造形によって製造される。幾つかの実施形態では、構造は、セラミック積層造形によって製造される。
【0060】
幾つかの実施形態では、1以上の光学面は、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体様フィルム(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、太陽電池及びそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む。
【0061】
幾つかの実施形態では、1以上の光学面は、幾何学的形状、非幾何学的形状、放物面、楕円面、球面及び/又はそれらの組合せとして成形される。他の実施形態では、光学面は、光学構造が本明細書に記載の通り機能できるようにする任意の他の形状を有し得る。他の実施形態では、光学面は、異なる位置で様々な形状の組合せで形成される。
【0062】
図2Aは、本開示技術に係る例示的な可変式光学構造200を描写する。可変式光学構造200は、構造202を含む。構造202は、流体204と、流体204の上面を少なくとも部分的に横切って延在する光学面206とを含む。磁場源208は、構造202の下方にある。構造202は、回転可能(図示せず)である。描かれているように、光学面206の形状及び寸法は、毛細管、磁気及び/又は慣性磁力の組合せによって制御される。
【0063】
図2Bは、本開示技術に係る別の例示的な可変式光学構造200を描写する。可変式光学構造200は、多孔質構造210を含む。多孔質構造210は、流体204と、流体204の上面を少なくとも部分的に横断する光学面206とを含む。磁場源208は、多孔質構造210の下方にある。構造202は、回転可能(図示せず)である。描かれているように、光学面206の形状及び寸法は、毛細管、磁気及び/又は慣性磁力の組合せによって制御される。
【0064】
幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、望遠鏡で使用するための液体鏡である。幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、太陽エネルギーシステムにおいて使用するための液体鏡である。
【0065】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、可変式光学構造を変化させる第3の方法を含む。第3の方法は、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するために、磁場源から磁力を誘導することを含む。
【0066】
幾つかの実施形態では、方法は、毛細管作用によって、1以上の磁気的に操作可能な流体を構造を通して移動させることも含み、構造は、多孔質構造を含む。
【0067】
幾つかの実施形態では、方法は、1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために構造を回転させることをさらに含む。
【0068】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、第4の例示的な可変式光学構造を含む。第4の可変式光学構造は、1以上のメタマテリアルと、メタマテリアル上に配置された1以上の磁気的に操作可能な流体と、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源とを含む。本明細書に記載の例示的実施形態は、大きな傾斜角を達成するために改変可能かつ調整可能な光学構造の製造を容易にする。
【0069】
幾つかの実施形態では、1以上のメタマテリアルとしては、ハイパボリックメタマテリアル、電磁メタマテリアル、電磁バンドギャップメタマテリアル、ネガティブインデックスメタマテリアル、シングルネガティブメタマテリアル、ダブルポジティブメタマテリアル、双等方性(bi-isotropic)メタマテリアル、双異方性(bi-anisotropic)メタマテリアル、キラルメタマテリアル、周波数選択的表面メタマテリアル、弾性メタマテリアル、メカニカルメタマテリアル、音響メタマテリアル、構造メタマテリアル、熱メタマテリアル、非線形メタマテリアル、ホールメタマテリアル、テラヘルツメタマテリアル、フォトニックメタマテリアル、チューナブルメタマテリアル、プラズモニックメタマテリアル及び/又はそれらの組合せからなる群から選択されるメタマテリアルが挙げられる。
【0070】
幾つかの実施形態では、1以上のメタマテリアルは、アルミニウム、ステンレス鋼、プラスチック複合材料、ガラス繊維系複合材料及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む。
【0071】
幾つかの実施形態では、1以上の磁気的に操作可能な流体は、強磁性流体を含む。
【0072】
幾つかの実施形態では、1以上の流体は、非強磁性流体を含む。これらの実施形態では、非強磁性流体は磁気的に操作可能ではない。
【0073】
一般に、磁場源は、本明細書に記載の可変式光学構造の製造を容易にする、当技術分野で公知の任意の適切な磁場源とすることができる。幾つかの実施形態では、磁場源は、永久磁石、電磁石、常磁性体、強磁性材料及びそれらの組合せからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、磁場源は、ハルバッハアレイを含む。
【0074】
幾つかの実施形態では、可変式光学構造は、フォトニックハイパークリスタルである。
【0075】
本明細書に記載の例示的実施形態は、可変式光学構造を変化させる第4の方法を含む。第4の方法は、可変式光学構造の1以上の光学特性を変化させるために、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作することを含む。
【0076】
幾つかの実施形態では、1以上の光学特性は、不透明度、透明性、屈折率及び/又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0077】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、太陽エネルギーシステムを含む。太陽エネルギーシステムは、本明細書に記載の可変式光学構造を含む。太陽エネルギーシステムは、日中に空を走る太陽の軌跡を局所的及び世界的にたどるのに特に有益である。太陽エネルギーシステムは、大きな設置面積と複雑な機械的な太陽追跡メカニズムを必要とする従来の太陽エネルギーシステムと比較して、太陽光を受け取り、必要に応じて方向転換するために必要なスペースが少なくて済む。
【0078】
幾つかの実施形態では、太陽エネルギーシステムは、さらに、限定されるものではないが、ソーラーパワータワー、太陽光吸収体、太陽電池及び/又はソーラーコレクターを始めとして、他の太陽エネルギーシステム部品を含む。
【0079】
幾つかの実施形態では、太陽エネルギーシステムは、太陽、ソーラータワー、ソーラーコレクター、鏡、制御システム、電力変換器、エネルギー貯蔵システム又はそれらの組合せから太陽光を受信するように構成される。
【0080】
幾つかの実施形態では、太陽エネルギーシステムは、可変式光学構造を変化させ、受信された太陽光の量を増加及び/又は最適化するための制御システムを含む。
【0081】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、太陽エネルギーシステムで可変式光学構造を使用する方法を含む。本方法は、可変式光学構造を含む太陽エネルギーシステムで太陽光を受光することと、太陽光の受光量を増加及び/又は最適化するために可変式光学構造を変化させることを含む。
【0082】
本開示技術の追加の態様を、以下の実施態様項に示す。
[実施態様項1]
可変式光学構造であって、当該可変式光学構造が、
流体リザーバであって、1以上の流体、及び1以上の流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を備える流体リザーバと、
多孔質構造と、
流体リザーバと多孔質構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブと
を備えており、1以上のバルブが開いているときは、1以上の流体は、毛細管作用によって多孔質構造を通って移動することができる、可変式光学構造。
[実施態様項2]
1以上の流体が、重力に打ち勝つのに十分な1以上の力を受けるように構成されており、1以上の力が、磁力、慣性力、毛細管力及びそれらの組合せの1以上である、実施態様項1に記載の可変式光学構造。
[実施態様項3]
当該可変式光学構造が、1以上の流体を磁気的に操作するように配向した磁場源をさらに含む、実施態様項1又は実施態様項2に記載の可変式光学構造。
[実施態様項4]
1以上の流体が磁気的に操作可能な流体を含む、実施態様項1乃至実施態様項3のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項5]
1以上の流体が強磁性流体を含む、実施態様項1乃至実施態様項4のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項6]
多孔質構造が、1以上の流体を慣性的に操作するために回転可能である、実施態様項1乃至実施態様項5のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項7]
多孔質構造が、約1nm~約1mmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む、実施態様項1乃至実施態様項6のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項8]
多孔質構造が、金属、ポリマー、セラミックス、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、疎水性材料、疎水性コーティング、親水性材料、親水性コーティング及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、実施態様項1乃至実施態様項7のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項9]
多孔質構造が積層造形によって製造される、実施態様項1乃至実施態様項8のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項10]
1以上の光学面が、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体状膜(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、太陽電池及びそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む、実施態様項1乃至実施態様項9のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項11]
1以上の光学面が、幾何学的形状、非幾何学的形状、放物面、楕円面、球面及びそれらの組合せの1以上として成形されている、実施態様項1乃至実施態様項10のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項12]
可変式光学構造を変化させる方法であって、可変式光学構造が、
流体リザーバであって、1以上の流体、及び1以上の流体の表面上に配置された1以上の光学面を備える流体リザーバと、
多孔質構造と、
流体リザーバと多孔質構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブと
を備えており、当該方法が、
1以上の流体が毛細管作用によって多孔質構造を通って移動できるようにするために、1以上のバルブを開くこと
を含む、方法。
[実施態様項13]
当該方法が、1以上の流体を磁場源で磁気的に操作することをさらに含んでおり、1以上の流体が、磁気的に操作可能な流体を含む、実施態様項12に記載の方法。
[実施態様項14]
1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために多孔質構造を回転させることをさらに含む、実施態様項12又は実施態様項13に記載の方法。
[実施態様項15]
可変式光学構造であって、当該可変式光学構造が、
1以上のメタマテリアルと、
メタマテリアル上に配置された1以上の磁気的に操作可能な流体と、
1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と
を備える、可変式光学構造。
[実施態様項16]
1以上のメタマテリアルが、ハイパボリックメタマテリアル、電磁メタマテリアル、電磁バンドギャップメタマテリアル、ネガティブインデックスメタマテリアル、シングルネガティブメタマテリアル、ダブルポジティブメタマテリアル、双等方性メタマテリアル、双異方性メタマテリアル、カイラルメタマテリアル、周波数選択的表面メタマテリアル、、弾性メタマテリアル、メカニカルメタマテリアル、音響メタマテリアル、構造メタマテリアル、熱メタマテリアル、非線形メタマテリアル、ホールメタマテリアル、テラヘルツメタマテリアル、フォトニックメタマテリアル、チューナブルメタマテリアル、プラズモニックメタマテリアル及びそれらの組合せからなる群から選択されるメタマテリアルを含む、実施態様項15に記載の可変式光学構造。
[実施態様項17]
1以上の磁気的に操作可能な流体が強磁性流体を含む、実施態様項15又は実施態様項16のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項18]
可変式光学構造がフォトニックハイパークリスタルである、実施態様項15乃至実施態様項17のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項19]
可変式光学構造を変化させる方法であって、可変式光学構造が、
1以上のメタマテリアルと、
メタマテリアル上に配置された1以上の磁気的に操作可能な流体と、
1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と
を備えており、当該方法が、
可変式光学構造の1以上の光学特性を変化させるために、1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作すること
を含む、方法。
[実施態様項20]
1以上の光学特性が、不透明度、透明性、屈折率及びそれらの組合せからなる群から選択される、前項に記載の方法。
[実施態様項21]
可変式光学構造であって、当該可変式光学構造が、
流体リザーバであって、1以上の磁気的に操作可能な流体、及び1以上の磁気的に操作可能な流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を備える流体リザーバと、
1以上の磁気的に操作可能な流体を受け入れるように構成された構造と、
1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と、
流体貯留槽と構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブと
を備えており、1以上のバルブが開いているときは、1以上の磁気的に操作可能な流体は、磁場源によって加えられる磁力によって構造を通って移動することができる、可変式光学構造。
[実施態様項22]
1以上の磁気的に操作可能な流体は、重力に打ち勝つのに十分な1以上の力を受けるように構成されており、1以上の力は、毛細管力、慣性力及びそれらの組合せの1以上である、実施態様項21に記載の可変式光学構造。
[実施態様項23]
1以上の磁気的に操作可能な流体が強磁性流体を含む、実施態様項21又は実施態様項22に記載の可変式光学構造。
[実施態様項24]
構造が、1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために回転可能である、実施態様項21乃至実施態様項23のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項25]
構造が多孔質構造を含む、実施態様項21乃至実施態様項24のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項26]
多孔質構造が、約1nm~約1mmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む、実施態様項21乃至実施態様項25のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項27]
構造が、金属、ポリマー、セラミックス、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、疎水性材料、疎水性コーティング、親水性材料、親水性コーティング及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、実施態様項21乃至実施態様項26のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項28]
構造が積層造形によって製造される、実施態様項21乃至実施態様項27のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項29]
1以上の光学面が、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体状膜(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、太陽電池及びそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む、実施態様項21乃至実施態様項28のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項30]
1以上の光学面が、幾何学的形状、非幾何学的形状、放物面、楕円面、球面及びそれらの組合せの1以上として成形されている、実施態様項21乃至実施態様項29のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項31]
可変式光学構造を変化させる方法であって、可変式光学構造が、
流体リザーバであって、1以上の磁気的に操作可能な流体、及び1以上の磁気的に操作可能な流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を備える流体リザーバと、
1以上の磁気的に操作可能な流体を受け入れるように構成された構造と、
1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と、
流体リザーバと構造との間の流体連通を選択的に制御するように構成された1以上のバルブと
を備えており、当該方法が、
1以上の磁気的に操作可能な流体が、磁場源によって誘導される磁力によって構造を通って移動できるようにするために、1以上のバルブを開くこと
を含む、方法。
[実施態様項32]
1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために構造を回転させることをさらに含む、実施態様項31に記載の方法。
[実施態様項33]
当該方法が、1以上の磁気的に操作可能な流体を構造を通して移動させることをさらに含んでおり、構造が多孔質構造を含む、実施態様項31又は実施態様項32に記載の方法。
[実施態様項34]
可変式光学構造であって、
1以上の磁気的に操作可能な流体、及び1以上の磁気的に操作可能な流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を備える構造と、
1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と
を備える可変式光学構造。
[実施態様項35]
1以上の磁気的に操作可能な流体が、重力に打ち勝つのに十分な1以上の力を受けるように構成されており、1以上の力が、毛細管力、磁力、慣性力及びそれらの組合せの1以上である、実施態様項34に記載の可変式光学構造。
[実施態様項36]
1以上の磁気的に操作可能な流体が強磁性流体を含む、実施態様項34又は実施態様項35のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項37]
構造が、1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために回転可能である、実施態様項34乃至実施態様項36のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項38]
構造が多孔質構造を含む、実施態様項34乃至実施態様項37のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項39]
多孔質構造が、約1nm~約1mmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む、実施態様項38に記載の可変式光学構造。
[実施態様項40]
構造が、金属、ポリマー、セラミックス、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、疎水性材料、疎水性コーティング、親水性材料、親水性コーティング及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、実施態様項34乃至実施態様項39のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項41]
構造が積層造形によって製造される、実施態様項34乃至実施態様項40のいずれか1項に記載の改変可能な光
[実施態様項42]
1以上の光学面が、レンズ、光学構造、フォトニック構造、鏡、光学フィルム、反射性光学フィルム、金属液体状膜(MELLF)、銀フィルム、メタマテリアル、ハイパボリックメタマテリアル、太陽電池及びそれらの組合せからなる群から選択される光学面を含む、実施態様項34乃至実施態様項41のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項43]
1以上の光学面が、幾何学的形状、非幾何学的形状、放物面、楕円面、球面及びそれらの組合せの1以上として成形されている、実施態様項34乃至実施態様項42のいずれか1項に記載の可変式光学構造。
[実施態様項44]
可変式光学構造を変化させる方法であって、可変式光学構造が、
1以上の磁気的に操作可能な流体、及び1以上の磁気的に操作可能な流体の上面を少なくとも部分的に横断する1以上の光学面を備える構造と、
1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するように配向した磁場源と
を備えており、当該方法が、
1以上の磁気的に操作可能な流体を磁気的に操作するために、磁場源から磁力を誘導すること
を含む、方法。
[実施態様項45]
1以上の磁気的に操作可能な流体を慣性的に操作するために構造を回転させることをさらに含む、実施態様項44に記載の方法。
[実施態様項46]
当該方法が、1以上の磁気的に操作可能な流体を構造を通して移動させることをさらに含んでおり、構造が多孔質構造を含む、実施態様項44又は実施態様項45に記載の方法。
[実施態様項47]
実施態様項1乃至実施態様項6のいずれか1項に記載の可変式光学構造を含む太陽エネルギーシステム。
[実施態様項48]
ソーラーパワータワー、太陽光吸収体、太陽電池、ソーラーコレクター及びそれらの組合せからなる群から選択される1以上の部品をさらに備える、実施態様項47に記載の太陽エネルギーシステム。
[実施態様項49]
太陽エネルギーシステムが、太陽からの太陽光を受光するように構成されており、ソーラータワー、ソーラーコレクター、鏡、制御システム、電力変換器、エネルギー貯蔵システム又はそれらの組合せを含む、実施態様項47又は実施態様項48に記載の太陽エネルギーシステム。
[実施態様項50]
太陽エネルギーシステムが、可変式光学構造を改変して受光量を増加及び/又は最適化する制御システムを備える、実施態様項47乃至実施態様項49のいずれか1項に記載の太陽エネルギーシステム。
[実施態様項51]
太陽エネルギーシステムに可変式光学構造を使用する方法であって、当該方法が、
可変式光学構造を含む太陽エネルギーシステムで太陽光を受光することと、
太陽光の受光量を増加及び/又は最適化するために可変式光学構造を変化させることと
を含む、方法。
【0083】
本明細書において「幾つかの実施形態」という場合、記載された特徴を備える追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈すべきではない。
【0084】
本開示は、補償光学の様々な利点を重力場の内外で利用できるように、流体の光学面(例えば反射面)を迅速に操作する方法を提供する。これらの利点には、光の集束と、大気ノイズなどの光干渉の対策が含まれる。したがって、本開示は、応答速度及びより分割された、より連続性の少ない光学面という短所を有する固体鏡の断片の操作などの従来の解決策よりも優れている。
【0085】
別途記載されていない限り、本明細書において、「略」、「実質的に」及び「約」などの近似的表現は、それらで修飾された用語が、絶対的又は厳密なものではなく、当業者に自明の近似的なものにすぎないことを示す。したがって、「約」、「略」及び「実質的に」のような用語で修飾された値はその厳密な数値に限定されない。少なくとも幾つかの事例では、近似表現は、その値を測定する機器の精度に対応する。さらに、別途記載されていない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本願では符号にすぎず、それらが付されたものに、数的、位置的又は階層的要件を課すものではない。さらに、例えば「第2」という場合、例えば「第1」以下又は「第3」以上のものの存在を必要とするものでも、排除するものでもない。
【0086】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴が、ある図面には記載され、他の図面には記載されていないこともあるが、これは便宜上のものにすぎない。本明細書において「幾つかの実施形態」という場合、記載された特徴を備える追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈すべきではない。本発明の原理に則して、ある図面に記載された特徴は、他の図面に記載されたいかなる特徴との組合せとして参照及び/又は特許請求の範囲に記載することができる。
【0087】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、当業者が本発明を実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0088】
100 可変式光学構造
102 多孔質構造
104 バルブ
106 光学面
108 流体リザーバ
110 磁場源
112 流体
200 可変式光学構造
202 構造
204 流体
206 光学面
208 磁場源
210 多孔質構造
【外国語明細書】