IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 珠海越亜半導体股▲分▼有限公司の特許一覧

特開2024-137758埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法
<>
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図1
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図2
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図3
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図4
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図5
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図6
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図7
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図8
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図9
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図10
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図11
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図12
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図13
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図14
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図15
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図16
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図17
  • 特開-埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137758
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029939
(22)【出願日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】202310286921.8
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】徐 小偉
(72)【発明者】
【氏名】洪 業杰
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
(72)【発明者】
【氏名】張 東鋒
(72)【発明者】
【氏名】馮 進東
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC32
5E316DD02
5E316DD24
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG16
5E316GG17
5E316HH22
5E316HH40
5E316JJ11
5E316JJ26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体パッケージ技術の分野に関し、埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法を開示する。
【解決手段】埋込磁石フレーム作製方法は、キャリアプレート表面に導電性金属ポスト、第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックを作製するステップと、キャリアプレートの表面に第1の誘電体層を圧着し、第1の誘電体層が導電性金属ポスト、第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックを覆うようにするステップと、第1の誘電体層を薄くし、導電性金属ポスト、第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックの表面を露出させるステップと、第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックをエッチングし、対応する第1のマウントキャビティ及び第2のマウントキャビティを形成するステップと、第1のマウントキャビティの内部に磁性スラリーを充填し、埋込磁石を形成するステップと、キャリアプレートを除去し、埋込磁石フレームを形成するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアプレートの表面に導電性金属ポスト、第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックを作製するステップと、
前記キャリアプレートの表面に第1の誘電体層を圧着し、前記第1の誘電体層が前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックを覆うようにするステップと、
前記第1の誘電体層を薄くし、前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックの表面を露出させるステップと、
前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックをエッチングし、対応する第1のマウントキャビティ及び第2のマウントキャビティを形成するステップであって、前記第2のマウントキャビティはチップを装着するために用いられるステップと、
前記第1のマウントキャビティの内部に磁性スラリーを充填し、埋込磁石を形成するステップと、
前記キャリアプレートを除去し、埋込磁石フレームを形成するステップと、を含む、埋込磁石フレームの作製方法。
【請求項2】
前記キャリアプレートは、基板、前記基板の表面に順次積層して設けられる第1の金属層、第2の金属層及び第3の金属層、を備え、前記第1の金属層と前記第2の金属層が物理的に分離可能である、請求項1に記載の埋込磁石フレームの作製方法。
【請求項3】
前記第1の金属層及び前記第2の金属層は銅層であり、前記第3の金属層はチタン層である、請求項2に記載の埋込磁石フレームの作製方法。
【請求項4】
前記キャリアプレートの表面に前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックを作製する前記ステップは、
前記キャリアプレートの表面にフォトレジスト層を施すステップと、
前記フォトレジスト層を露光及び現像し、前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックに対応するパターンを形成するステップと、
前記パターンに応じて、前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックを電気めっきで形成するステップと、を含む、請求項1に記載の埋込磁石フレームの作製方法。
【請求項5】
前記第1のマウントキャビティの内部に前記磁性スラリーを充填し、前記埋込磁石を形成する前記ステップは、
シルク印刷により前記磁性スラリーを前記第1のマウントキャビティの内部に充填し、前記磁性スラリーを固化、研削及び研磨し、前記埋込磁石を形成するステップ、を含む、請求項1に記載の埋込磁石フレームの作製方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の埋込磁石フレームの作製方法により製造された埋込磁石フレームの前記第2のマウントキャビティの内部に前記チップを装着するステップと、
感光性樹脂フィルムにより前記チップをパッケージし、前記感光性樹脂フィルムが前記第1の誘電体層の上下面を覆うようにするステップと、
前記第1の誘電体層の上下面の前記感光性樹脂フィルムに窓を開け、第1の窓を形成するステップと、
前記第1の窓の位置に第1の線路を電気メッキで形成し、前記第1の誘電体層の上面の前記第1の線路と、前記第1の誘電体層の下面の前記第1の線路とは、前記導電性金属ポストにより電気的接続が実現されるステップと、を含む、埋込磁石一体化構造の作製方法。
【請求項7】
前記感光性樹脂フィルムの上下面のそれぞれに第2の誘電体層を設けるステップと、
前記第2の誘電体層の表面にソルダーレジスト層を作製し、前記ソルダーレジスト層に窓を開け、第2の窓を形成するステップと、
前記第2の窓の位置に第2の線路を電気メッキで形成し、前記第2の線路は、前記第2の誘電体層を貫通する金属ブラインドホールにより前記第1の線路との電気的接続が実現されるステップと、をさらに含む、請求項6に記載の埋込磁石一体化構造の作製方法。
【請求項8】
第1の誘電体層であって、前記第1の誘電体層を貫通する第1のマウントキャビティ及び第2のマウントキャビティが設けられており、前記第2のマウントキャビティは、チップを装着するために用いられる前記第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層を貫通する導電性金属ポストと、
前記第1のマウントキャビティの内部に設けられる埋込磁石と、を備える、埋込磁石フレーム。
【請求項9】
請求項8に記載の埋込磁石フレームと、
前記第2のマウントキャビティ内に設けられる前記チップと、
前記第2のマウントキャビティ内に充填されて前記チップを固定し、且つ前記第1の誘電体層の上下面を覆う感光性樹脂フィルムと、
第1の線路であって、前記第1の誘電体層の上下面の前記感光性樹脂フィルムのそれぞれに第1の窓が開設されており、前記第1の線路は、前記第1の窓内に設けられ、前記第1の誘電体層の上面の前記第1の線路と前記第1の誘電体層の下面の前記第1の線路とは、前記導電性金属ポストにより電気的接続が実現される前記第1の線路と、を備える、埋込磁石一体化構造。
【請求項10】
前記感光性樹脂フィルムの上下面に設けられる第2の誘電体層であって、前記第2の誘電体層を貫通する金属ブラインドホールが設けられた前記第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層の表面に設けられるソルダーレジスト層であって、第2の窓が設けられた前記ソルダーレジスト層と、
前記第2の窓内に設けられ、前記金属ブラインドホールにより前記第1の線路に電気的に接続される第2の線路と、をさらに備える、請求項9に記載の埋込磁石一体化構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ技術の分野に関し、特に埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術が日増しに発展するにつれて、電子製品の性能はますます高くなるように要求され、寸法はますます小さくなるように要求され、それによって電子製品のパッケージ基板及びパッケージ構造は高密度集積化、小型化に発展するのは必然的なトレンドになっている。現在、磁気デバイスに対するパッケージは主に表面実装プロセスを採用するが、磁気デバイスが大きいので、このようなパッケージ方式の採用により、パッケージ化された後のデバイスの体積が大きくなり、小型化、高集積化の要求に応えることができず、また、表面に二次実装を行う必要があるため、生産フローと生産コストの増加につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術に存在する技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。そのために、本発明は、パッケージ製品の小型化及び高集積化の実現に有利で、生産フローと生産コストを節約する埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの局面において、本発明の実施形態に係る埋込磁石フレームの作製方法は、キャリアプレートの表面に導電性金属ポスト、第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックを作製するステップと、前記キャリアプレートの表面に第1の誘電体層を圧着し、前記第1の誘電体層が前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックを覆うようにするステップと、前記第1の誘電体層を薄くし、前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックの表面を露出させるステップと、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックをエッチングし、対応する第1のマウントキャビティ及び第2のマウントキャビティを形成するステップであって、前記第2のマウントキャビティはチップを装着するために用いられるステップと、前記第1のマウントキャビティの内部に磁性スラリーを充填し、埋込磁石を形成するステップと、前記キャリアプレートを除去し、埋込磁石フレームを形成するステップと、を含む。
【0005】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記キャリアプレートは、基板、前記基板の表面に順次積層して設けられる第1の金属層、第2の金属層及び第3の金属層、を備え、前記第1の金属層と前記第2の金属層が物理的に分離可能である。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は銅層であり、前記第3の金属層はチタン層である。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、キャリアプレートの表面に導電性金属ポスト、第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックを作製する前記ステップは、前記キャリアプレートの表面にフォトレジスト層を施すステップと、前記フォトレジスト層を露光及び現像し、前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックに対応するパターンを形成するステップと、前記パターンに応じて、前記導電性金属ポスト、前記第1の犠牲ブロック及び前記第2の犠牲ブロックを電気めっきで形成するステップと、を含む。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1のマウントキャビティの内部に磁性スラリーを充填し、埋込磁石を形成する前記ステップは、シルク印刷により前記磁性スラリーを前記第1のマウントキャビティの内部に充填し、前記磁性スラリーを固化、研削及び研磨し、前記埋込磁石を形成するステップ、を含む。
【0009】
一方、本発明の実施形態に係る埋込磁石一体化構造の作製方法は、上述した局面の実施形態に記載の埋込磁石フレームの作製方法により製造された埋込磁石フレームの第2のマウントキャビティの内部にチップを装着するステップと、感光性樹脂フィルムにより前記チップをパッケージし、前記感光性樹脂フィルムが前記第1の誘電体層の上下面を覆うようにするステップと、前記第1の誘電体層の上下面の前記感光性樹脂フィルムに窓を開け、第1の窓を形成するステップと、前記第1の窓の位置に第1の線路を電気メッキで形成し、前記第1の誘電体層の上面の前記第1の線路と、前記第1の誘電体層の下面の前記第1の線路とは、前記導電性金属ポストにより電気的接続が実現されるステップと、を含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記感光性樹脂フィルムの上下面のそれぞれに第2の誘電体層を設けるステップと、前記第2の誘電体層の表面にソルダーレジスト層を作製し、前記ソルダーレジスト層に窓を開け、第2の窓を形成するステップと、前記第2の窓の位置に第2の線路を電気メッキで形成し、前記第2の線路は、前記第2の誘電体層を貫通する金属ブラインドホールにより前記第1の線路との電気的接続が実現されるステップと、をさらに含む。
【0011】
一方、本発明の実施形態に係る埋込磁石フレームは、第1の誘電体層であって、前記第1の誘電体層を貫通する第1のマウントキャビティ及び第2のマウントキャビティが設けられており、前記第2のマウントキャビティは、チップを装着するために用いられる第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層を貫通する導電性金属ポストと、前記第1のマウントキャビティの内部に設けられる埋込磁石と、を備える。
【0012】
一方、本発明の実施形態に係る埋込磁石一体化構造は、上述した局面の実施形態に記載の埋込磁石フレームと、前記第2のマウントキャビティ内に設けられるチップと、前記第2のマウントキャビティ内に充填されて前記チップを固定し、且つ前記第1の誘電体層の上下面を覆う感光性樹脂フィルムと、第1の線路であって、前記第1の誘電体層の上下面の前記感光性樹脂フィルムのそれぞれに第1の窓が開設されており、前記第1の線路は、前記第1の窓内に設けられ、前記第1の誘電体層の上面の前記第1の線路と前記第1の誘電体層の下面の前記第1の線路とは、前記導電性金属ポストにより電気的接続が実現される第1の線路と、を備える。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記感光性樹脂フィルムの上下面に設けられる第2の誘電体層であって、前記第2の誘電体層を貫通する金属ブラインドホールが設けられた第2の誘電体層と、前記第2の誘電体層の表面に設けられるソルダーレジスト層であって、第2の窓が設けられたソルダーレジスト層と、前記第2の窓内に設けられ、前記金属ブラインドホールにより前記第1の線路に電気的に接続される第2の線路と、をさらに備える。
【0014】
本発明の実施形態に係る埋込磁石フレーム、一体化構造及び作製方法は、少なくとも、下記の有益な効果を有する。フレームを作製すると同時に、埋込磁石をフレームの内部に既に埋め込んだので、後続でパッケージ基板の表面に磁気デバイスを二次実装する必要がなく、生産フロー及び生産コストを節約し、しかも、埋込磁石が第1の誘電体層の内部に設けられているので、パッケージ製品の小型化及び高集積化を実現するのに有利である。
【0015】
本発明の追加の局面及び利点は、以下の説明において部分的に示され、一部は以下の説明から明らかになるか、または本発明の実施によって理解されるであろう。
【0016】
本発明の上述した及び/または追加の局面及び利点は、以下の図面に関連して実施形態に対する説明から明らかになり、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る埋込磁石フレームの作製方法のステップのフローチャートである。
図2】本発明の実施形態に係るキャリアプレートの構成模式図である。
図3】キャリアプレートの表面に導電性金属ポスト、第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックを作製した後の構造模式図である。
図4】キャリアプレートの表面に第1の誘電体層を圧着し、第1の誘電体層を薄くした後の構造模式図である。
図5】第1の犠牲ブロック及び第2の犠牲ブロックをエッチングして取り除いた後の構造模式図である。
図6】第1のマウントキャビティ内に磁性スラリーを充填した後の構造模式図である。
図7】本発明の実施形態に係る埋込磁石フレームの構造模式図である。
図8】本発明の実施形態に係る埋込磁石フレームの平面図である。
図9】本発明の1つの実施形態に係る埋込磁石一体化構造の作製方法のステップのフローチャートである。
図10】本発明の他の実施形態に係る埋込磁石一体化構造の作製方法のステップのフローチャートである。
図11】埋込磁石フレームの底部にキャリアフィルムを設けた後の構造模式図である。
図12】第2のマウントキャビティの内部にチップを装着した後の構造模式図である。
図13】キャリアフィルムを除去した後の構造模式図である。
図14】感光性樹脂フィルムによりチップをパッケージした後の構造模式図である。
図15】感光性樹脂フィルムに窓を開けた後の構造模式図である。
図16】窓を開けた後に、シード層の作製と電気メッキによる穴埋めを行った後の構造模式図である。
図17】本発明の1つの実施形態に係る埋込磁石一体化構造の構造模式図である。
図18】本発明の他の実施形態に係る埋込磁石一体化構造の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この部分において、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明し、本発明のより良い実施形態を図面で示し、図面は、明細書の文字部分の説明を図形で補足することにより、本発明の各技術的特徴及び技術案全体を直感的かつイメージ的に理解することを可能にするためものであるが、本発明の保護範囲を限定するものとは理解されない。
【0019】
本発明の説明において、方位に関する説明、例えば上、下、前、後、左、右などが示す方位または位置関係は、図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを示すまたは暗示するものではないため、本発明を限定するものとは理解されない。
【0020】
本発明の説明において、いくつかの意味は1つまたは複数であり、複数の意味は2つ以上であり、より大きい、より小さい、超えるなどは、本数を含まないと理解され、以上、以下、以内などは、本数を含むと理解される。第1、第2という説明は単に技術的特徴を区別することを目的としたものであり、相対的重要性を示すまたは暗示する、又は示された技術的特徴の数を暗示する、又は示された技術的特徴の前後関係を暗示するとは理解されない。
【0021】
本発明の説明において、別途明確な限定がない限り、設ける、装着、接続等の用語は広義に理解されるべきであり、当業者は技術案の具体的な内容と合わせて上記の用語の本発明における具体的な意味を合理的に特定することができる。
【0022】
1つの局面において、図1に示すように、本発明の実施形態は、埋込磁石フレームの作製方法を提案し、この作製方法は、キャリアプレート100の表面に導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400を作製するステップS100と、キャリアプレート100の表面に第1の誘電体層500を圧着し、第1の誘電体層500が導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400を覆うようにするステップS200と、第1の誘電体層500を薄くし、導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400の表面を露出させるステップS300と、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400をエッチングし、対応する第1のマウントキャビティ310及び第2のマウントキャビティ410を形成するステップS400であって、第2のマウントキャビティ410はチップ600を装着するために用いられるステップS400と、第1のマウントキャビティ310の内部に磁性スラリーを充填し、埋込磁石700を形成するステップS500と、キャリアプレート100を除去し、埋込磁石フレーム800を形成するステップS600と、を含む。
【0023】
具体的には、図2を参照すると、本発明のいくつかの実施形態において、キャリアプレート100は、基板110、基板110の表面に順次積層して設けられる第1の金属層120、第2の金属層130及び第3の金属層140、を備え、第1の金属層120と第2の金属層130が物理的に分離可能である。なお、第1の金属層120、第2の金属層130及び第3の金属層140は、基板110の上面に設けてもよいし、基板110の下面に設けてもよいし、基板110の上面及び下面に同時に設けてもよい(これにより、後続で2つの埋込磁石フレーム800を同時に作製することが容易になる)。便宜上、本例において、第1の金属層120、第2の金属層130及び第3の金属層140が基板110の上面に設けられている場合を例に挙げて説明する。ここで、第1の金属層120及び第2の金属層130はいずれも銅層であり、両者は物理的に結合されており、後続の操作における板の分離を容易にする。第3の金属層140はチタン層であり、後続でキャリアプレート100を除去する際には、第1の金属層120と第2の金属層130を先に分離してから、第2の金属層130及び第3の金属層140をエッチングして取り除く必要があり、第3の金属層140は過剰なエッチングを防止する役割を果たす。
【0024】
キャリアプレート100の表面に導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400を作製するために、ステップS100は、具体的には、キャリアプレート100の表面にフォトレジスト層を施すステップS101と、フォトレジスト層を露光及び現像し、導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400に対応するパターンを形成するステップS102と、前記パターンに応じて、導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400を電気めっきで形成するステップS103と、を含む。
【0025】
導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400の材質は、一般に銅であり、他の金属材質であってもよい。
【0026】
図3及び図4に示すように、導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400の作製が完了した後、キャリアプレート100の表面に第1の誘電体層500を圧着により圧着する。第1の誘電体層500は、通常の樹脂フィルムまたはガラスファイバを含む樹脂フィルムであってもよい(ガラスファイバを含む樹脂フィルムはパッケージ基板の剛性を向上させるのに有利である)。第1の誘電体層500は、導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400よりも厚さを高くする必要があり、よって、導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400のすべてを覆う。その後、機械的研削等により、第1の誘電体層500を薄くして、導電性金属ポスト200、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400の表面を露出させる。
【0027】
その後、図5に示すように、第1の犠牲ブロック300及び第2の犠牲ブロック400のすべてをエッチングして取り除き、対応する第1のマウントキャビティ310及び第2のマウントキャビティ410を形成する。図6に示すように、シルク印刷により磁性スラリーを第1のマウントキャビティ310の内部に充填し、磁性スラリーを固化、研削及び研磨し、埋込磁石700を形成する。
【0028】
最後に、図7及び図8に示すように、キャリアプレート100を除去して、残った部分が埋込磁石フレーム800として形成される。キャリアプレート100を除去するためには、まず板の分離をして第1の金属層120と第2の金属層130を分離してから、第2の金属層130及び第3の金属層140をエッチングして取り除けば、キャリアプレート100を除去することができる。
【0029】
本発明の実施形態に係る埋込磁石フレームの作製方法によれば、フレームを作製すると同時に、埋込磁石700をフレームの内部に既に埋め込んだので、後続でパッケージ基板の表面に磁気デバイスを二次実装する必要がなく、生産フロー及び生産コストを節約し、しかも、埋込磁石700が第1の誘電体層500の内部に設けられているので、パッケージ製品の小型化及び高集積化を実現するのに有利である。
【0030】
一方、本発明は、上述した局面の実施形態の埋込磁石フレームの作製方法に対応して、図7及び図8に示すように、第1の誘電体層500と導電性金属ポスト200と埋込磁石700とを含む埋込磁石フレーム800をさらに提案しており、第1の誘電体層500には、第1の誘電体層500を貫通する第1のマウントキャビティ310及び第2のマウントキャビティ410が設けられており、埋込磁石700は第1のマウントキャビティ310の内部に設けられており、第2のマウントキャビティ410の内部はチップ600を装着するために用いられ、導電性金属ポスト200は、第1の誘電体層500を貫通する。
【0031】
本発明の実施形態に係る埋込磁石フレームによれば、埋込磁石700を第1の誘電体層500の内部に設け、チップ600を装着するために使用可能な第2のマウントキャビティ410が設けられているので、パッケージ製品の小型化及び高集積化を実現するのに有利である。
【0032】
一方、本発明の実施形態は、埋込磁石一体化構造の作製方法をさらに提案しており、図9に示すように、この作製方法は、上述した埋込磁石フレームの作製方法により製造された埋込磁石フレーム800の第2のマウントキャビティ410の内部にチップ600を装着するステップS1000と、感光性樹脂フィルム1000によりチップ600をパッケージし、感光性樹脂フィルム1000が第1の誘電体層500の上下面を覆うようにするステップS2000と、第1の誘電体層500の上下面の感光性樹脂フィルム1000に窓を開け、第1の窓1100を形成するステップS3000と、第1の窓1100の位置に第1の線路1200を電気メッキで形成し、第1の誘電体層500の上面の第1の線路1200と、第1の誘電体層500の下面の第1の線路1200とは、導電性金属ポスト200により電気的接続が実現されるステップS4000と、を含む。
【0033】
具体的には、図11に示すように、チップ600を第2のマウントキャビティ410の内部に装着するために、まず、チップ600を一時的にキャリアするために、埋込磁石フレーム800の底部に一定的な粘着性を有するキャリアフィルム900を貼り付ける。図12に示すように、第2のマウントキャビティ410の内部にチップ600を入れてキャリアフィルム900で予備固定した後、感光性樹脂フィルム1000によりチップ600をパッケージし、感光性樹脂フィルム1000は、第2のマウントキャビティ410を充填すると同時に、第1の誘電体層500の上面も覆う。その後、図13及び図14に示すように、キャリアフィルム900を除去し、感光性樹脂フィルム1000を第1の誘電体層500の下面に圧着する。
【0034】
図15に示すように、感光性樹脂フィルム1000の特性を利用し、感光性樹脂フィルム1000の余分な部分を露光により除去し、感光性樹脂フィルム1000に窓を開け、第1の窓1100を形成する。図16に示すように、窓を開けた後、Sputterシード層作製及び電気めっきによる穴埋めによって、第1の窓1100を金属充填する。図17に示すように、感光性樹脂フィルム1000の表面の導電性金属層を研削して取り除き、所望の第1の線路1200及び/又はパッドを形成する。第1の誘電体層500の上面の第1の線路1200と第1の誘電体層500の下面の第1の線路1200とは、導電性金属ポスト200により電気的接続が実現され、且つ第1の線路1200は埋込磁石700及びチップ600にも電気的に接続され、よって、埋込磁石一体化構造の作製が完成する。
【0035】
図10及び18に示すように、本発明のいくつかの実施形態において、埋込磁石一体化構造の作製方法は、感光性樹脂フィルム1000の上下面のそれぞれに第2の誘電体層1300を設けるステップS5000と、第2の誘電体層1300の表面にソルダーレジスト層1400を作製し、ソルダーレジスト層1400に窓を開け、第2の窓を形成するステップS6000と、第2の窓の位置に第2の線路1500を電気メッキで形成し、第2の線路1500は、第2の誘電体層1300を貫通する金属ブラインドホール1600により第1の線路1200との電気的接続が実現されるステップS7000と、をさらに含む。
【0036】
具体的には、上記3つのステップは、埋込磁石一体化構造に対して層をさらに増やすステップであり、当業者は、実際の必要に応じて、上記の方法に従って埋込磁石一体化構造に対して層を増やすことができ、具体的な層数は、実際の必要に応じて選択してもよい。
【0037】
本発明の実施形態に係る埋込磁石一体化構造の作製方法によれば、上述した埋込磁石フレーム800を採用することにより、フレームを作製すると同時に、埋込磁石700をフレームの内部に既に埋め込んだので、後続でパッケージ基板の表面に磁気デバイスを二次実装する必要がなく、生産フロー及び生産コストを節約するとともに、実装デバイスのピンとパッケージ基板との間の位置合わせずれを回避し、磁性材料一体化パッケージ基板構造の微細配線能力を向上させ、製品の歩留まりを効果的に向上させ、そして、埋込磁石700はフレームの内部に設けられているので、パッケージ製品の小型化及び高集積化を実現するのに有利である。
【0038】
一方、本発明の実施形態は、上述した埋込磁石一体化構造の作製方法に対応して、図17に示すように、埋込磁石フレーム800と、チップ600と、感光性樹脂フィルム1000と、第1の線路1200とを備える埋込磁石一体化構造をさらに提案する。チップ600は、第2のマウントキャビティ410内に設けられる。感光性樹脂フィルム1000は第2のマウントキャビティ410内に充填されてチップ600を固定し、且つ第1の誘電体層500の上下面を覆う。第1の誘電体層500の上下面の感光性樹脂フィルム1000のそれぞれに第1の窓1100が設けられ、第1の窓内に第1の線路1200が設けられ、第1の誘電体層500の上面の第1の線路1200と第1の誘電体層500の下面の第1の線路1200とは、導電性金属ポスト200により電気的接続が実現される。
【0039】
さらに、本発明のいくつかの実施形態において、埋込磁石一体化構造は、第2の誘電体層1300と、ソルダーレジスト層1400と、第2の線路1500とをさらに備える。第2の誘電体層1300は感光性樹脂フィルム1000の上下面に設けられ、第2の誘電体層1300には、第2の誘電体層1300を貫通する金属ブラインドホール1600が設けられている。ソルダーレジスト層1400は第2の誘電体層1300の表面に設けられ、ソルダーレジスト層1400には、第2の窓が設けられている。第2の線路1500は第2の窓内に設けられ、第2の線路1500は金属ブラインドホール1600により第1の線路1200に電気的に接続される。
【0040】
本発明の実施形態に係る埋込磁石一体化構造によれば、埋込磁石700を第1の誘電体層500の内部に設けることにより、後続でパッケージ基板の表面に磁気デバイスを二次実装する必要がなく、生産フロー及び生産コストを節約するとともに、実装デバイスのピンとパッケージ基板との間の位置合わせずれを回避し、磁性材料一体化パッケージ基板構造の微細配線能力を向上させ、製品の歩留まりを効果的に向上させ、そして、埋込磁石700はフレームの内部に設けられているので、パッケージ製品の小型化及び高集積化を実現するのに有利である。
【0041】
以上、図面と合わせて本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当業者が備える知識の範囲内において、本発明の要旨を逸脱することなく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
100 キャリアプレート
110 基板
120 第1の金属層
130 第2の金属層
140 第3の金属層
200 導電性金属ポスト
300 第1の犠牲ブロック
310 第1のマウントキャビティ
400 第2の犠牲ブロック
410 第2のマウントキャビティ
500 第1の誘電体層
600 チップ
700 埋込磁石
800 埋込磁石フレーム
900 キャリアフィルム
1000 感光性樹脂フィルム
1100 第1の窓
1200 第1の線路
1300 第2の誘電体層
1400 ソルダーレジスト層
1500 第2の線路
1600 金属ブラインドホール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18