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特開2024-137770プラスチックパイプ及びこの種のプラスチックパイプ用のパイプ基体を連続的に製造する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137770
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】プラスチックパイプ及びこの種のプラスチックパイプ用のパイプ基体を連続的に製造する装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 11/11 20060101AFI20240927BHJP
   B29C 48/335 20190101ALI20240927BHJP
   B29C 48/21 20190101ALI20240927BHJP
   F16L 11/22 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F16L11/11
B29C48/335
B29C48/21
F16L11/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031174
(22)【出願日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】23163153
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596137162
【氏名又は名称】ラルフ ペーター ヘーグラー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ペーター ヘーグラー
【テーマコード(参考)】
3H111
4F207
【Fターム(参考)】
3H111AA02
3H111BA15
3H111CA17
3H111CB14
3H111DB03
3H111DB05
3H111DB27
3H111EA04
4F207AG03
4F207AG08
4F207AG25
4F207AG28
4F207AR12
4F207KA01
4F207KA17
4F207KB26
4F207KL57
4F207KL88
4F207KM15
(57)【要約】
【課題】マルチチャネルを有する及び波形の又は畝状の外側面を有するプラスチックパイプの製造を単純化する。
【解決手段】パイプの外側面にパイプ長手軸(55)と垂直に指向する複数の突起(33)と、前記パイプ長手軸(55)と平行に指向した少なくとも1つのガイド要素(57)が一体的に形成されたパイプ内側面(56)と、前記少なくとも1つのガイド要素(57)に保持された分割要素(58)と、を有するプラスチックパイプが形成される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックパイプであって、
a. パイプの外側面にパイプ長手軸(55)と垂直に指向する複数の突起(33)と、
b. 前記パイプ長手軸(55)と平行に指向した少なくとも1つのガイド要素(57;62)が一体的に形成されたパイプ内側面(56)と、
c. 前記少なくとも1つのガイド要素(57;62)に保持された分割要素(58;58’;58’’;58’’’;58’’’’)と、
を含む、プラスチックパイプ。
【請求項2】
前記プラスチックパイプは、内径(d)を有する内側パイプ(34)及び当該内側パイプ(34)に溶接され外径(d)を有する外側パイプ(32)を含む複合パイプ(10:10’:10’’)として設計され、d/d≧1.15である、ことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガイド要素は溝(62)として又はウェブ(57)として設計される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックパイプ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガイド要素(57;62)は、前記パイプ長手軸(55)と垂直に指向した平面において、半径(r;r’)が少なくとも2.0mmである輪郭を有する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のプラスチックパイプ。
【請求項5】
前記パイプ長手軸(55)に関して半径方向に前記パイプ内側面(56)に対して第1高さ(h;h’)を有するちょうど1つのガイド要素(57;62)があり、h≧1.0%・d又はh’≧1.0%・dである、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のプラスチックパイプ。
【請求項6】
前記分割要素(58’’’’)が配置されるガイド隙間(64)が、前記パイプ長手軸(55)の周りの周方向に隣接して配置される2つのガイド要素(57)の間に形成される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のプラスチックパイプ。
【請求項7】
前記分割要素(58;58’;58’’;58’’’;58’’’’)が保持される複数のガイド要素(57;62)がある、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のプラスチックパイプ。
【請求項8】
複数のガイド要素(57;62)が存在し、その各々が、前記パイプ長手軸(55)に関して半径方向に前記パイプ内側面(56)に対して第2高さ(h)を有し、h≧0.5%・dである、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のプラスチックパイプ。
【請求項9】
前記分割要素が、板(58’’;58’’’’)として又は開いた外形(58;58’;58’’’)として、特に十字外形として設計される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のプラスチックパイプ。
【請求項10】
前記分割要素(58;58’;58’’;58’’’;58’’’’)は、前記少なくとも1つのガイド要素(57,62)に一致する端面輪郭(60;63)を有する、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のプラスチックパイプ。
【請求項11】
プラスチックパイプ(10;10’)のためのパイプ基体を連続的に製造する装置であって、
a. 環状型凹部(28)を具備し、成形セクション(16)で二つ一組で互いを補完して中央長手軸(18)を有する型を形成する半型(12;12’)であって、円形に及び搬送方向(4)に配置された半型(12;12’)と、
b. 前記成形セクション(16)の上流に配置された少なくとも1つの押出機(1,2)の注入ヘッド(8)と、を有し、
前記注入ヘッド(8)は、
i. 外側パイプ(32)を押し出す外側ノズル(22)と、
ii. 内側パイプ(34)を押し出すために前記搬送方向(4)において下流に配置された内側ノズル(21)と、
iii. 前記搬送方向(4)において下流に配置された較正マンドレル(24;24’)と、を有し、
前記較正マンドレル(24;24’)は、
-前記中央長手軸(18)に沿って延びる内側支持パイプ(43)と、
-一体化した冷却流路(53)を備えた、前記支持パイプ(43)によって保持される冷却ジャケット(45)と、
-少なくとも1つのガイド要素(57,62)を一体的に形成するために少なくとも1つの型構造(50;50’;54;54’)を備えた、前記冷却ジャケット(45)に保持された外側スリーブ(48)と、を有する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
欧州特許出願EP23163153.2の内容が参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、プラスチックパイプ(プラスチック管)及びこの種のプラスチックパイプ用のパイプ基体を連続的に製造する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
マルチチャネルとしても知られる複数内部チャンバーを備えたパイプが、廃水技術における水処理のために又はケーブル保護パイプとして使用される。例えば、多数の相互接続した内管を有するパイプ束がケーブル保護パイプに引き出される。ケーブル保護パイプの製造と特に設置が複雑である。内部隔壁を有するプラスチックパイプの製造は、プラスチックパイプの設計の自由度に関して制限を有する。別個の固定手段が、隔壁の配置及び固定のためにパイプの内側に取り付けられねばならない。製造は幾つかのステップで及び付加的な肉体労働により実行されねばならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP0563575A2
【特許文献2】EP0531750A2
【特許文献3】DE2450171C2
【特許文献4】EP0995579A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、マルチチャネルを有する及び波形の又は畝状の外側面を有するプラスチックパイプの製造を単純化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有するプラスチックパイプによって及び請求項11に記載の特徴を有する装置によって達成される。
【0007】
本発明によれば、少なくとも1つのガイド要素が、特に滑らかな、プラスチックパイプのパイプ内側面に一体的に形成され得ることが認識された。少なくとも1つのガイド要素は、パイプ内部をマルチチャネルに分割する分割要素を保持する機能を有する。分割要素は、隔壁として機能し、プラスチックパイプ内でチャネルを分ける。分割要素は、分割チャネル間の接続を可能にするための複数の側面開口を有し得る。開口は例えば水処理及び/又は水前洗浄に役立ち得る。
【0008】
分割要素は、定義された方法で、特に複雑でない方法で、少なくとも1つのガイド要素に位置決めされ得る。特に、分割要素は、パイプの長手軸の周りに周方向に適所に、特に正確な角度で、固定される。分割要素は、プラスチックパイプに軸方向に挿入可能である。製造が単純化される。
【0009】
分割要素は、プラスチック射出成形によって又は相加法(additive method)、特に3次元印刷によって製造可能である。分割要素はさらに手作業でも製造可能である。
【0010】
少なくとも1つのガイド要素はパイプ長手軸に沿って配向されている、すなわち軸方向に整列している。少なくとも1つのガイド要素はパイプ内側面(pipe inner side)に一体的に成形される。少なくとも1つのガイド要素を除いて、パイプ内側面は円筒形に設計される。プラスチックパイプの外側面(outer side)は、パイプ長手軸と垂直に指向した複数の突起(elevations)を有する。例えば特許文献1から知られているように、プラスチックパイプは、特に、滑らかな内側パイプとそれに接続した、特にそれに溶接された波形の外側パイプを有する複合パイプである。プラスチックパイプはまた、特許文献2に従うフィン付きパイプであってもよい。このようなフィン付きパイプの製造は特許文献3から知られている。
【0011】
プラスチックパイプ、特にパイプ基体及び分割要素は、プラスチック材料、特に熱可塑性材料で作られる。
【0012】
特に、分割要素は、少なくとも1つのさらなる支持位置でパイプ内側面に支持され、特にそれがパイプの長手軸に対して捩じれないようにプラスチックパイプに確実に保持される。複数の分割要素であって、その各々が少なくとも1つのガイド要素に保持される分割要素を使用することも考えられる。
【0013】
請求項2に従う複合パイプは、水処理に特に適している。特に、複合パイプは、少なくとも100mmの内径を有する。外径から内径までの複合パイプの一般的な直径比は、少なくとも1.15、特に少なくとも1.20、特に少なくとも1.25である。外径に関する又は内径に関する一般的な直径製造公差は、±0.25%~±0.5%である。
【0014】
請求項3に従うプラスチックパイプは、少なくとも1つのガイド要素に関する高い設計自由度を可能にする。特に、製造されるチャネル分割に依存して、少なくとも1つのガイド要素は、溝として、すなわちパイプの内側面における半径方向凹部として、又はウェブとして、すなわちパイプの内側面における半径方向に隆起した構造として設計され得る。
【0015】
請求項4に従うプラスチックパイプは、少なくとも1つのガイド要素の信頼できる及び特にエラーの無い製造を可能とする。少なくとも1つのガイド要素の丸い輪郭は製造に関連する欠陥を回避する。使用される丸い半径はプラスチックパイプの呼び径に依存し、特に少なくとも2.0mmである。
【0016】
請求項5に従うプラスチックパイプは、ちょうど1つのガイド要素を有する分割要素の信頼できる、安定した装置・配置を保証する。ガイド要素の高さは内径の少なくとも1.0%であり、特に外径の少なくとも1.0%である。
【0017】
請求項6に従うプラスチックパイプは、パイプ長手軸の周りに周方向に隣接して配置された2つのガイド要素の間の分割要素の安定した装置を可能とする。ガイド隙間がガイド要素間に形成され、そこに少なくとも1つの分割要素が配置され、そこに保持される。
【0018】
請求項7に従うプラスチックパイプは、特に互いに向かい合って配置された、複数のガイド要素を有する。「向かい合う」は、特にパイプ長手軸に関して正反対であること、すなわちパイプ長手軸に関して180°の回転角を有することを意味する。しかしながら、請求項の意味での「向かい合う」は、180°より小さい及び特に少なくとも90°である長手軸に関する回転角度も意味する。分割要素は特に複数のガイド要素に保持される。
【0019】
請求項8に従うプラスチックパイプは、分割要素の複数のガイド要素への確実な固定を可能とする。このために必要となるガイド要素の高さは、内径の少なくとも0.5%及び特に外径の少なくとも0.5%である。
【0020】
請求項9に従う板としての分割要素の実施形態は簡単で、コスト効率が高い。用途に依存して、特に必要とされるチャネルの数に依存して、分割要素は開いた外形(プロフィール)として、特に十字外形として設計され得る。分割要素は、パイプ長手軸と垂直な平面に複数のウェブを有し得、それらは、特に異なる大きさのチャネルがパイプ内に形成されるように配置され得る。分割要素は、内側チャネルの設計において大きな自由度を可能とする。
【0021】
請求項10に従うプラスチックパイプでは、分割要素は、特に安定的に配置される。少なくとも1つのガイド要素に対応する端面輪郭により、分割要素は、パイプ長手軸の周りに周方向に嵌合により(形状拘束により)プラスチックパイプ内に配置される。
【0022】
請求項11に従う装置は、プラスチックパイプ用のパイプ基体の連続的な製造を可能とする。当該装置は、半型を有する公知の成形セクションと、外側パイプを押し出す外側ノズル及び滑らかなパイプ内側面を有する内側パイプを押し出す内側ノズルを有する注入ヘッドとを含む。較正マンドレルが注入ヘッドの端部に配置され、内側パイプを冷却し較正するために使用される。この目的のために、較正マンドレルは、支持パイプ、そこに保持された冷却ジャケット及びそこに保持された外側スリーブを有する。基本的に円筒形の外側スリーブは、滑らかなパイプ内側面に少なくとも1つのガイド要素を一体的に形成するのに役立つ少なくとも1つの型構造(moulded structure)を有する。これにより、特にパイプ基体の押し出しによって、少なくとも1つのガイド要素を連続的な方法で製造することが可能となる。分割要素は、その次に、少なくとも1つのガイド要素を有するパイプ基体に軸方向に挿入される。
【0023】
本発明のさらなる特徴、利点及び詳細は、図面を参照して実施形態例の以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に従うプラスチックパイプのパイプ基体を連続的に製造する装置を示す図である。
図2図1における装置の注入ヘッドの縦断面を示す図である。
図3】溝形の成形構造を有する図2に従う注入ヘッドの冷却マンドレルの縦断面における拡大詳細描写を示す図である。
図4図3における切断線IV-IVに従う断面描写を示す図である。
図5図4における詳細Vに従う成形構造の拡大詳細描写を示す図である。
図6】さらなる実施形態例に従う変形成形構造の、図5に対応する描写を示す図である。
図7】上昇した成形構造を有する冷却マンドレルの図3に対応する描写を示す図である。
図8】上昇した成形構造を有する冷却マンドレルの図4に対応する描写を示す図である。
図9】上昇した成形構造を有する冷却マンドレルの図5に対応する描写を示す図である。
図10】さらなる実施形態例に従う図9に対応する成形構造の描写を示す図である。
図11】十字外形の分割要素を有するウェブとして設計されたガイド要素を有する複合パイプとしての本発明に従うプラスチックパイプの部分断面側面図である。
図12】十字外形の分割要素を有するウェブとして設計されたガイド要素を有する複合パイプとしての本発明に従うプラスチックパイプの部分断面側面図である。
図13】十字外形の分割要素を有するウェブとして設計されたガイド要素を有する複合パイプとしての本発明に従うプラスチックパイプの部分断面側面図である。
図14】向かい合って配置されたガイド要素を有する及び異なるタイプの分割要素を有するプラスチックパイプのさらなる実施形態を示す図である。
図15】向かい合って配置されたガイド要素を有する及び異なるタイプの分割要素を有するプラスチックパイプのさらなる実施形態を示す図である。
図16】溝として設計されたガイド要素を有するさらなる実施形態例に従う複合パイプの図11に対応する描写を示す図である。
図17】溝として設計されたガイド要素を有するさらなる実施形態例に従う複合パイプの図12に対応する描写を示す図である。
図18】溝として設計されたガイド要素を有するさらなる実施形態例に従う複合パイプの図13に対応する描写を示す図である。
図19】各々がウェブとして設計された2つの隣接するガイド要素とそれらの間に配置された分割要素を有するさらなる実施形態例に従うプラスチックパイプの、図18に対応する描写を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示される、複合パイプの製造装置が2つの押出機1,2を含む。これらはそれぞれ変速駆動モーター3,3’によって駆動され、変速駆動モーターは、-装置全体の搬送方向4に関して-押出機1,2の供給ホッパー5の上流に設置されている。
【0026】
搬送方向4に対して押出機1,2の下流に、成形機6、いわゆるコルゲータが配置されており、コルゲータの後に後冷却装置7が位置している。成形機6に射出する交差注入ヘッド8が、成形機6及び後冷却装置7と整列して配置された押出機1に取り付けられている。この押出機1の横に配置された他の押出機2は、交差注入ヘッド8に側方に合流している注入流路9を介して交差注入ヘッド8に接続している。図1に概略的に示されているように、複合パイプ10が成形機6で形成され、それは成形機6から搬送方向4に出現し、後冷却装置7で冷却される。その際、それはこの後冷却装置7の下流で適切な長さのピースに切断され得る。成形機6の設計は例えば特許文献1で知られており、そこに記載されている。それは参照によりここに組み込まれる。
【0027】
それは基本的に、半型(ハーフモールド)12,12’が配置された工作台11を含み、半型の各々は互いに接続されて、2つのいわゆるチェーン13,13’を形成する。これらチェーン13,13’は、-搬送方向4に対して-上流入口端部14で及び不図示の偏向ローラを介してそれらの下流出口端部15でガイドされる。搬送方向4における循環中、それぞれ2つの半型12,12’が組み合わさって型ペアを形成し、連続的な型ペアが搬送方向4にすぐ近くに位置する(共に接近する)ように、それらチェーンはガイドされる。成形セクション16で一緒にされて型ペアを形成する半型12,12’の駆動は、駆動モーター17により実行される。
【0028】
交差注入ヘッド8は、共通の中央長手軸18と同軸に配置された2つの溶解物流路、すなわち内側溶解物流路19及び外側溶解物流路20を有する。これら溶解物流路はそれぞれ、-搬送方向4に関して-内側ノズル21及び外側ノズル22内で下流で終端する。内側溶解物流路19は、成形機6と整列して配置された押出機1の注入流路23に接続しているのに対し、外側溶解物流路20は他の押出機2の注入流路9に接続している。
【0029】
やはり中央長手軸18と同軸に延びる較正マンドレル24が、搬送方向4に関して注入ヘッド8の下流端部に取り付けられている。それは冷媒、特に冷却水用の複数の冷却流路25を有し、冷媒は冷却水供給ライン26を介して供給され、冷却水戻りライン27を介して排出される。ライン26,27は、注入ヘッド8において中央長手軸18と同軸に形成された略管状の供給流路を介してガイドされ得る。それに代えて、ライン26,27は、図3及び4に示されるように較正マンドレル24に一体化されてもよい。
【0030】
半型12,12’は、規則的な間隔を置いて次々に配置された環状型凹部(mould recesses)であって、部分真空流路29にそれぞれ接続した環状型凹部28を有する。半型12,12’が成形セクション16に入る時、部分真空流路29は-図2に見られるように-部分真空供給源30,31に達し、それにより型凹部28は部分真空を受ける。
【0031】
押出機2から注入流路9を通って注入ヘッド8に供給されるプラスチック溶解物は、外側溶解物流路20を通って外側ノズル22に流れ、そこで押し出され、外側パイプ32を形成する。部分真空のために、外側パイプ32は型凹部28に留まり(なじみ)、横断皺を有するパイプを形成する。横断皺はパイプ外側面に複数の突起33を形成する。プラスチック溶解物は押出機1から注入流路23を通って交差注入ヘッド8に供給され、内側溶解物流路19を通って内側ノズル21に流れ、そこでそれは、較正マンドレル24に達する内側パイプ34として現れる。内側パイプは、内側パイプ34が外側パイプ32の皺溝35に達するまで、搬送方向4に内側ノズル21から僅かに外側に広がり、それに溶接される(固着される)。
【0032】
冷却及び固化の後、内側パイプ34及び外側パイプ32は複合パイプ10のパイプ基体を形成する。
【0033】
特に図2に見られるように、パイプソケット36がエンドレスな(無端の)複合パイプ10内で所定間隔で形成されるように、半型12,12’は設計される。この目的のため、実質的に円筒形のソケット凹所37が一組の半型12,12’に形成され、したがって実質的に滑らかな円筒壁38を有する。
【0034】
移行セクション39が、ソケット凹所37の壁38と搬送方向4にリードする型凹部28の間に形成される。円錐台形型セクション40が、搬送方向4において後に続くソケット凹所37の壁38の端部に接続しており、そこにソケット36の外側拡張挿入端部41が形成される。これの後に今度は、次の型凹部28に通じる移行セクション42が続き、搬送方向4に引き続く。
【0035】
装置についてこれまで記載してきた限りにおいて、それは基本的に特許文献4から知られており、それを参照されたい。
【0036】
較正マンドレル24の特別な設計を図3~5を参照して以下により詳細に説明する。較正マンドレル24は、複合パイプの製造中内側パイプ34を冷却し、較正・調整するために使用される。較正マンドレル24は冷却/較正マンドレルである。
【0037】
較正マンドレル24は、中央長手軸18と同軸に指向した支持パイプ43を有し、その外側面には複数の支持ウェブ44が配置されており、その4つが図示の実施形態例によれば中央長手軸18に対して半径方向に指向している。
【0038】
冷却マンドレルコア52を備えた冷却ジャケット45が、支持パイプ43と同軸に配置されており、その冷却マンドレルコア52には、冷却水供給ライン26及び冷却水戻りライン27が一体化されている。冷却ジャケット45は、保持ディスク46及び軸方向スリーブ47を介して支持パイプ43に中央長手軸18に関して軸方向に固定されている。保持ディスク46は、環状ディスクとして設計され、その外径にて冷却マンドレルコア52に取り付けられている。
【0039】
冷却ジャケット45は、特にその軸方向端部の領域で、特に段付きに、構成され、それにより外側スリーブ48は冷却マンドレルコア52から半径方向に距離を置いて配置される。冷却ジャケット45は管状の冷却マンドレルコア52を含む。冷却水供給ライン26及び冷却水戻りライン27は、冷却マンドレルコア52内に、特に中央長手軸18に関して互いに正反対に、配置される。ライン26,27は中央長手軸18と平行に延びる。
【0040】
環状隙間53が、冷却マンドレルコア52と外側スリーブ48の間に形成され、当該環状隙間53は、較正マンドレル24のための冷却セクションとして機能する。
【0041】
外側スリーブ48が冷却ジャケット45に配置され、それに保持される。外側スリーブ48は、中空円筒状に構成され、その外側面49に図5に拡大して示される型構造50を有する。型構造50は、外側スリーブ48の外側溝として設計される。図4における描画平面に対応する、中央長手軸18と垂直に指向した平面において、外側溝は、溝深さt及び溝幅bを有する半円形を有する。半円形設計では、溝幅bは溝深さtの2倍の大きさである。外側面49への移行部では、溝輪郭は少なくとも2.0mmの丸い半径rによって丸くなっている。内側パイプ34が複合パイプ10の製造中に較正マンドレル24を介して冷却され、較正されるとき、対応するガイド要素57が型構造50において内側パイプ34に形成される。それは図11~13を参照してより詳細に説明される。
【0042】
図6に示されるように、型構造50’がさらに、溝深さtN’及び溝幅bN’を有して、基本的に長方形であるように設計され得る。図示の実施形態例によれば、溝幅bN’は溝深さtN’の略2倍の大きさである。特に、以下の式が当てはまる:bN’=1.0×t ~ 3.0×tN’。溝輪郭は、外側面49への移行部において及び丸い半径r’を有する溝基部において丸みを帯びている。
【0043】
図7~9に示される較正マンドレル24’は、その基本構造に関して較正マンドレル24に一致する。これを参照されたい。
【0044】
較正マンドレル24’における唯一の違いは、外側スリーブ48の外側面49に隆起ウェブとして形成された型構造54の設計である。図9に示されるように、ウェブは、ウェブ高さh及びウェブ幅bを有する半円形状を有し得る。ウェブ輪郭の外側面49への移行領域には、すくなくとも2.0mmである丸い半径rが存在する。
【0045】
図10に示されるように、ウェブ状型構造54’は、ウェブ高さh’、ウェブ幅b’及び対応する丸い半径r’を有する基本的に長方形であるように設計され得る。特に、以下の式が当てはまる:b’=1.0×h’ ~ 3.0×h’。
【0046】
図3~5に従う冷却マンドレル24及び装置を用いて製造される複合パイプ10のパイプ基体が図11~13に示される。複合パイプ10はプラスチックパイプであり、パイプ長手軸55を有する。複合パイプ10の内側パイプ34は、皺溝35の領域で外側パイプ32に溶接されている。外側パイプ32には、複数の横断溝が、パイプ長手軸55に垂直に指向した複数の突起33として形成されている。外側パイプ32は、複合パイプ10のパイプ外側面を形成する。内側パイプ34は、滑らかなパイプ内側面56によってパイプ長手軸55に関して円筒状に設計されている。
【0047】
較正マンドレル24の溝形型構造50の結果、内側パイプ34は、一体に形成された、すなわち一体成形されたガイド要素57を有する。ガイド要素57の輪郭は型構造50の輪郭に一致する。ガイド要素57はパイプ長手軸55と平行であるように延びる。ガイド要素57は軸方向に指向している。ガイド要素57は、ガイドウェブ又はガイドレールを形成する。
【0048】
ガイド要素57は、内側パイプ34の内径dの少なくとも1.0%である第1高さhだけパイプ基体によって包囲された内側パイプスペースに突出する。特に、以下の式が当てはまる:h≧1.5%×d、特に2.0%×d、特にh≧2.5%×d。特に、h=t
【0049】
分割要素58が、図13に示されるように本発明に従うプラスチックパイプにおいてガイド要素57に保持される。分割要素58は、十字外形として設計され、パイプ長手軸55と同軸に配置される。分割要素58は、中央位置で互いに及び一体に接続された2つの交差ウェブ59を有する。ガイド要素57に面するウェブ59は、ガイド要素57に一致する端面輪郭60を有し、当該端面輪郭60によって分割要素58は内側パイプ34に挿入可能であり、ガイド要素57に保持される。分割要素58は、捩れ得ず、パイプ長手軸55に関して角度的に正確になるように、複合パイプ10に保持される。分割要素58は複合パイプ10のパイプ内側スペースを4つの、特に等しい大きさの、サブチャネル61に分割する。ガイド要素57は、分割要素58がパイプ長手軸55に関して捩れることが防止されることを保証する。ウェブ59の3つの残りの端面は、分割要素58をパイプ内側面56に支持する。分割要素58はパイプ基体内に頑強に配置される。分割要素58の回転位置の意図的でない変化が確実に防止される。
【0050】
図14に示されるさらなる実施形態例によれば、2つのガイド要素57が内側パイプ34に形成される。ガイド要素57はパイプ長手軸55に関して互いに正反対に配置される。
【0051】
分割要素58’が2つのガイド要素57によって内側パイプ34に保持される事実により、分割要素58’の幾何形状に関する設計自由度が増加する。分割要素58’はT形状で設計され得、すなわちそれは3つのウェブ59のみを有する。これにより、プラスチックパイプ10を3つの、特に異なる大きさの、サブチャネル61に分割することが可能である。
【0052】
図15に示される複合パイプ10の実施形態例では、2つの対向するガイド要素57が図14に示されるように形成される。分割要素58’’は、両側で対応する端面輪郭60を備えて板状であるように構成される。分割要素58’’はガイド要素57にのみ保持される。特に板平面と垂直に指向する、パイプ内側面56に保持するための更なるウェブは不必要である(省略できる)。
【0053】
図16~18に従う複合パイプ10’のさらなる実施形態例では、ガイド要素62は、図7~9に従う型構造54に一致する溝として設計される。分割要素58’’’は同様に設置され、保持される。分割要素58’’’は、ガイド要素62に一致する端面輪郭63を有し、当該端面輪郭63はウェブ状の突起として設計される。複数のガイド要素が、溝状ガイド要素62のパイプ内側面56に、特に互いに正反対に、形成され得ると理解される。
【0054】
第1高さh’は特に型構造54のウェブ高さhによって定義される。
【0055】
図19に従う複合パイプ10’’の実施形態例では、2つのガイド要素57がパイプ長手軸55の周りの周方向に関して互いに隣接して配置される。ガイド隙間64が2つの隣接するガイド要素57の間に形成され、当該ガイド隙間64に分割要素58’’’’が保持される。この装置は特に堅牢である。特に、この装置によって、分割要素58’’’’がパイプ長手軸55に関して中心を外れて位置決めされ得る。
【0056】
隣接するガイド要素57はそれぞれ、特に第1高さhより小さくなるように構成され得る第2高さhを有する。特に、以下の式が当てはまる:h≧0.5%×d、特にh≧0.8%×d、特にh≧1.0%×d、特にh≧1.5%×d
【符号の説明】
【0057】
1,2 押出機
4 搬送方向
8 注入ヘッド
10:10’:10’’ プラスチックパイプ
12;12’ 半型
16 成形セクション
18 中央長手軸
21 内側ノズル
22 外側ノズル
24;24’ 較正マンドレル
28 環状型凹部
34 内側パイプ
33 突起
32 外側パイプ
43 内側支持パイプ
45 冷却ジャケット
48 外側スリーブ
53 冷却流路
55 パイプ長手軸
56 パイプ内側面
57;62 ガイド要素
57 ウェブ
58;58’;58’’;58’’’;58’’’’ 分割要素
60;63 端面輪郭
62 溝
;h’ 第1高さ
第2高さ
図1
図2
図3
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図5
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