(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137805
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/326 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
E06B9/326
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040217
(22)【出願日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】P 2023047348
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】飯泉 智司
(72)【発明者】
【氏名】星 裕之
(72)【発明者】
【氏名】塚本 将人
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043AA04
2E043BB13
2E043BB15
2E043BC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2種類の操作コードが絡み合うことのない操作性に優れた操作装置を提供する。
【解決手段】ヘッドボックス(101)に回転可能に支持されたプーリ(150)から垂下される一対の操作紐(131、132)と、ヘッドボックス(101)から垂下される他の操作紐(121)または他の操作棒と、を備え、一対の操作紐(131、132)により結合されて形成されたループの最下端は、他の操作紐(121)または他の操作棒の下端部よりも上側に位置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスに回転可能に支持されたプーリから垂下される一対の操作紐と、
前記ヘッドボックスから垂下される他の操作紐または他の操作棒と、
を備え、
前記一対の操作紐により結合されて形成されたループの最下端は、前記他の操作紐または前記他の操作棒の下端部よりも上側に位置する
ことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記一対の操作紐により結合されて形成されたループの最下端は、前記他の操作棒の上端部よりも上側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記一対の操作紐の下端部に対して設けられ、前記一対の操作紐を分離可能に結合する結合部材を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記一対の操作紐を相互に接続する中間紐を更に有し、
前記一対の操作紐のうち、一方の操作紐と前記中間紐とを分離可能に結合する結合部材と、
前記一対の操作紐のうち、前記結合部材が結合されていない操作紐と前記中間紐とを分離可能に結合する第2の結合部材と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項5】
前記結合部材は、スナップフィット方式により結合および分離可能である
ことを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項6】
前記結合部材および/または前記第2の結合部材は、スナップフィット方式により結合および分離可能である
ことを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
【請求項7】
前記ヘッドボックスから垂下される他の一対の操作紐と、
前記他の一対の操作紐の下端部に対して設けられ、前記他の一対の操作紐を分離可能に結合する他の結合部材と、
を更に備え、
前記一対の操作紐が前記結合部材により結合されて形成されたループの結合高さ位置は、前記他の一対の操作紐が前記他の結合部材により結合されて形成されたループの結合高さ位置よりも上側に位置する
ことを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項8】
前記ヘッドボックスから垂下される他の一対の操作紐と、
前記他の一対の操作紐の下端部に対して設けられ、前記他の一対の操作紐を分離可能に結合する他の結合部材と、
を更に備え、
前記一対の操作紐が前記結合部材および前記第2の結合部材ならびに前記中間紐により結合されて形成されたループの結合高さ位置は、前記他の一対の操作紐が前記他の結合部材により結合されて形成されたループの結合高さ位置よりも上側に位置する
ことを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
【請求項9】
前記結合部材および前記第2の結合部材は、
互いに異なる形状を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
【請求項10】
前記結合部材および前記第2の結合部材は、
上下方向において対称となる形状を有する
ことを特徴とする請求項9に記載の操作装置。
【請求項11】
前記結合部材および前記第2の結合部材は、
互いに異なる着色が施されている
ことを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関し、例えば、ヘッドボックス(ヘッドレール)から吊り下げられた横型ブラインドのスラット(羽根)の開閉角度を2本の操作紐により調整する日射遮蔽装置の操作装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遮蔽装置において、ヘッドボックスの室内側から垂下する操作コードと室外側から垂下する操作コードを判別し易い状態で当該ヘッドボックスから垂下させる遮蔽装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ブラインドのスラットを傾動させる操作棒を有するブラインドの操作コード止め具についても提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-071218号公報
【特許文献2】特許第6360746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる特許文献1の遮蔽装置における2種類の操作コードは、双方ともにフリーな状態で垂下されているために、相互に絡み合い易く、絡み合ってしまった場合には操作し難いという問題があった。
【0006】
また、2種類の操作コードが特許文献2のブラインドの操作コード止め具における操作棒と同時に用いられた場合、操作棒に対して操作コードが巻き付いて絡んでしまい、その場合にも操作し難くなるという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は、上記の課題に鑑みて為されたものであり、2種類の操作コードが絡み合うことのない操作性に優れた操作装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明においては、ヘッドボックスに回転可能に支持されたプーリから垂下される一対の操作紐と、前記ヘッドボックスから垂下される他の操作紐または他の操作棒と、を備え、前記一対の操作紐により結合されて形成されたループの最下端は、前記他の操作紐または前記他の操作棒の下端部よりも上側に位置する。
【0009】
本発明においては、前記一対の操作紐により結合されて形成されたループの最下端は、前記他の操作棒の上端部よりも上側に位置することが好ましい。
【0010】
本発明においては、前記一対の操作紐の下端部に対して設けられ、前記一対の操作紐を分離可能に結合する結合部材を更に備えることが好ましい。
【0011】
本発明においては、前記一対の操作紐を相互に接続する中間紐を更に有し、前記一対の操作紐のうち、一方の操作紐と前記中間紐とを分離可能に結合する結合部材と、前記一対の操作紐のうち、前記結合部材が結合されていない操作紐と前記中間紐とを分離可能に結合する第2の結合部材と、を更に備えることが好ましい。
【0012】
本発明においては、前記結合部材は、スナップフィット方式により結合および分離可能であることが好ましい。
【0013】
本発明においては、前記結合部材および/または前記第2の結合部材は、スナップフィット方式により結合および分離可能であることが好ましい。
【0014】
本発明においては、前記ヘッドボックス(101)から垂下される他の一対の操作紐と、前記他の一対の操作紐の下端部に対して設けられ、前記他の一対の操作紐を分離可能に結合する他の結合部材と、を更に備え、前記一対の操作紐(131、132)が前記結合部材(133)により結合されて形成されたループの結合高さ位置は、前記他の一対の操作紐が前記他の結合部材により結合されて形成されたループの結合高さ位置よりも上側に位置することが好ましい。
【0015】
本発明においては、ヘッドボックス(101)から垂下される他の一対の操作紐と、他の一対の操作紐の下端部に対して設けられ、前記他の一対の操作紐を分離可能に結合する他の結合部材と、を更に備え、前記一対の操作紐(131、132)が前記結合部材(133)および前記第2の結合部材(134)ならびに前記中間紐(131a)により結合されて形成されたループの結合高さ位置は、前記他の一対の操作紐が前記他の結合部材により結合されて形成されたループの結合高さ位置よりも上側に位置することが好ましい。
【0016】
本発明においては、前記結合部材および前記第2の結合部材は、互いに異なる形状を有することが好ましい。
【0017】
本発明においては、前記結合部材および前記第2の結合部材は、上下方向において対称となる形状を有することが好ましい。
【0018】
本発明においては、前記結合部材および前記第2の結合部材は、互いに異なる着色が施されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、2種類の操作コードが絡み合うことのない操作性に優れた操作装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる操作装置を含む遮蔽装置の全体構成を示す正面図(A)および側面図(B)である。
【
図2】本発明の実施の形態にかかる操作装置のチルトプーリの構成を示す側面図である。
【
図3】本発明の実施の形態にかかる横型ブラインドの羽根に対する開閉動作の説明に供する側面図(A)、(B)である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態にかかる操作装置を含む遮蔽装置の全体構成を示す正面図(A)および側面図(B)である。
【
図5】本発明の第2の実施の形態にかかる操作装置のチルトプーリの構成を示す側面図である。
【
図6】本発明の第3の実施の形態にかかる操作装置を含む遮蔽装置の全体構成を示す正面図(A)および側面図(B)である。
【
図7】本発明の第3の実施の形態にかかる操作装置のチルトプーリの構成を示す側面図である。
【
図8】本発明の第3の実施の形態にかかる操作装置の結合部材の複数種類の構成を示す側面図(A)、(B)、(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.実施の形態の概要
まず、本発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号が括弧を付して記載されている。
【0022】
〔1〕本発明においては、ヘッドボックス(101)に回転可能に支持されたプーリ(150)から垂下される一対の操作紐(131、132)と、ヘッドボックス(101)から垂下される他の操作紐(121)または他の操作棒と、を備え、一対の操作紐(131、132)により結合されて形成されたループの最下端は、他の操作紐(121)または他の操作棒の下端部よりも上側に位置する。
【0023】
〔2〕本発明においては、一対の操作紐(131、132)により結合されて形成されたループの最下端は、他の操作棒の上端部よりも上側に位置する。
【0024】
〔3〕本発明においては、一対の操作紐(131、132)の下端部に対して設けられ、一対の操作紐(131、132)を分離可能に結合する結合部材(133)を更に備える。
【0025】
〔4〕本発明においては、一対の操作紐(131、132)を相互に接続する中間紐(131a)を更に有し、一対の操作紐(131、132)のうち、一方の操作紐(131)と中間紐(131a)とを分離可能に結合する結合部材(133)と、一対の操作紐(131、132)のうち、結合部材(133)が結合されていない操作紐(132)と中間紐(131a)とを分離可能に結合する第2の結合部材(134)と、を更に備える。
【0026】
〔5〕本発明においては、結合部材(133)は、スナップフィット方式により結合および分離可能である。
【0027】
〔6〕本発明においては、結合部材(133)および/または第2の結合部材(134)は、スナップフィット方式により結合および分離可能である。
【0028】
〔7〕本発明においては、ヘッドボックス(101)から垂下される他の一対の操作紐と、他の一対の操作紐の下端部に対して設けられ、他の一対の操作紐を分離可能に結合する他の結合部材と、を更に備え、一対の操作紐(131、132)が結合部材(133)により結合されて形成されたループの結合高さ位置は、他の一対の操作紐が他の結合部材により結合されて形成されたループの結合高さ位置よりも上側に位置する。
【0029】
〔8〕本発明においては、ヘッドボックス(101)から垂下される他の一対の操作紐と、他の一対の操作紐の下端部に対して設けられ、他の一対の操作紐を分離可能に結合する他の結合部材と、を更に備え、一対の操作紐(131、132)が結合部材(133)および第2の結合部材(134)ならびに中間紐(131a)により結合されて形成されたループの結合高さ位置は、他の一対の操作紐が他の結合部材により結合されて形成されたループの結合高さ位置よりも上側に位置する。
【0030】
〔9〕本発明においては、結合部材(133)および第2の結合部材(134)は、互いに異なる形状を有する。
【0031】
〔10〕本発明においては、結合部材(133)および第2の結合部材(134)は、上下方向において対称となる形状を有する。
【0032】
〔11〕本発明においては、結合部材(133)および第2の結合部材(134)は、互いに異なる着色が施されている。
【0033】
2.実施の形態の詳細
2.1〔本発明の実施の形態〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる操作装置を含む遮蔽装置の全体構成を示す正面図(A)および側面図(B)である。
図2は、本発明の実施の形態にかかる操作装置のチルトプーリの構成を示す側面図である。
図3は、本発明の実施の形態にかかる横型ブラインドの羽根に対する開閉動作の説明に供する側面図(A)、(B)である。
【0034】
本発明の操作装置が用いられる日射遮蔽装置としては、公知の日射遮蔽装置であり、特定の日射遮蔽装置に限定されることはなく、遮蔽材としては畳上げカーテン(ローマンシェード)、バーチカルブラインド(縦型ブラインド)、アルミブラインド、プリーツスクリーン、シャッター等に適用可能である。例えば、本発明に係る操作装置1は、
図1に示すように、横型ブラインド110が用いられた日射遮蔽装置100に適用される。
【0035】
図1に示すように、日射遮蔽装置100は、例えば、窓枠や窓周辺の壁に固定され、室内から外部を視認可能にしたり、外部から室内の視認を防止し、また、室内へ光や風を取り入れ可能としたり、室内に対して光や風の進入を防止する覆いである。
【0036】
なお、本実施の形態においては、説明の便宜上、日射遮蔽装置100のヘッドボックス101が延びる左右方向を長手方向(矢印LR)とする。また、長手方向(矢印LR)において、例えば、屋内側から見た
図1において左側(矢印L)および右側(矢印R)とする。さらに、ヘッドボックス101に対して横型ブラインド110が垂下している方向または昇降する方向を上下方向(矢印UD)とする。
【0037】
また、上下方向(矢印UD)において、ヘッドボックス101の側を上側(矢印U)とし、ヘッドボックス101から下方に離れる側を下側(矢印D)とする。さらに、長手方向(矢印LR)および上下方向(矢印UD)と交差する方向を矢印FBで示す短手方向(前後方向)とする。また、短手方向(矢印FB)において、例えば、屋内側を前側(矢印F)とし、屋外側を後側(矢印B)とする。
【0038】
本実施の形態にかかる日射遮蔽装置100は、筐状のヘッドボックス101と、横型ブラインド110と、横型ブラインド110の昇降を行うための昇降コード102と、横型ブラインド110のスラット(羽根)111を開閉するための前側ラダーコード103と、前側ラダーコード103と共にスラット111を開閉するための後側ラダーコード104と、操作装置1とを備えている。以下、日射遮蔽装置100の構成について簡単に説明する。
【0039】
ヘッドボックス101は、内部に収容空間を有する長尺の筐状に形成されており、その内側には、図示しないヘッドレール、巻取ドラム、チルト用ドラム、および、昇降軸等を有している。なお、ヘッドボックス101は、ブラケット106を介して例えば窓枠や窓周辺の壁等の取付対象に取り付けられている。
【0040】
ヘッドボックス101の長手方向(矢印LR)における右側(矢印R)の端部には、操作装置1が取り付けられている。ただし、これに限るものではなく、操作装置1は、ヘッドボックス101の長手方向(矢印LR)における左側(矢印L)の端部に取り付けられていてもよい。なお、操作装置1の構成については、後述する。
【0041】
横型ブラインド110は、ヘッドボックス101の長手方向(矢印LR)に沿って延びるスラット111が上下方向(矢印UD)に一定の間隔で複数配置されている。なお、横型ブラインド110は、最下段のスラット111の下におもりの役割を担うボトムレール108が設けられている。
【0042】
横型ブラインド110の昇降を操作する昇降用操作紐121は、昇降コード102(
図1(B))とヘッドボックス101に収容されている巻取ドラム(図示せず)を介して繋がっている。
【0043】
したがって、昇降用操作紐121に対する使用者の引っ張る操作に応じて、ヘッドボックス101に収容されている昇降軸(図示せず)を介して巻取ドラム(図示せず)が回転する。これにより、横型ブラインド110は、昇降コード102が巻取ドラムに巻き取られることにより上昇し、また、昇降コード102が巻き出されることにより降下するようになっている。
【0044】
したがって使用者は、昇降用操作紐121の操作グリップ123を手で持ち引っ張ることにより、横型ブラインド110を上側(矢印U)へ昇降させることができる。このとき、横型ブラインド110は、上側(矢印U)へ昇降した位置で停止される。
【0045】
また、使用者は、昇降用操作紐121の操作グリップ123を手で持って微少量だけ引っ張った後に手を離すと、横型ブラインド110の昇降した停止状態を解除し、横型ブラインド110の自重によって昇降コード102が巻取ドラムから巻き出されて下降する。
【0046】
横型ブラインド110における複数のスラット111は、前側ラダーコード103および後側ラダーコード104の双方によって保持されている。複数のスラット111は、前側ラダーコード103および後側ラダーコード104の動きに応じてその開閉具合が調整される。
【0047】
操作装置1は、ヘッドボックス101に対して回転可能に支持されたプーリとしてのチルトプーリ150から垂下される一対の操作紐としての前側チルト紐131、および、後側チルト紐132と、前側チルト紐131および後側チルト紐132の下端部に対して設けられ、当該前側チルト紐131および後側チルト紐132を分離可能に結合する結合部材としてのジョイント133を有している。
【0048】
これらの前側チルト紐131、後側チルト紐132およびジョイント133は、横型ブラインド110のスラット111の開閉具合を調整するためのチルト用操作紐135を構成している。チルト用操作紐135は、前側チルト紐131と、後側チルト紐132とがジョイント133によって分離可能に結合されたことにより一時的にループを形成している。
【0049】
図2(A)に示すように、チルト用操作紐135の前側チルト紐131が使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、複数のスラット111は側面視において前側(矢印F)に倒れるように傾斜する。このとき、前側チルト紐131を引っ張る量に応じてスラット111の前側(矢印F)への傾斜角度が決定される。
【0050】
このようにチルト用操作紐135の前側チルト紐131が使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、ジョイント133は、前側チルト紐131および後側チルト紐132と共に後側(矢印B)において上側(矢印U)へ移動する。
【0051】
一方、
図2(B)に示すように、チルト用操作紐135の後側チルト紐132が使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、複数のスラット111は側面視において後側(矢印B)に倒れるように傾斜する。このとき、後側チルト紐132を引っ張る量に応じてスラット111の後側(矢印B)への傾斜角度が決定される。
【0052】
このようにチルト用操作紐135の後側チルト紐132が使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、ジョイント133は、前側チルト紐131および後側チルト紐132と共に前側(矢印F)において上側(矢印U)へ移動する。
【0053】
図3に示すように、前側チルト紐131の上側(矢印U)の一端は、操作装置1の内部に収容されたチルトプーリ150の中心部151と接続されている。前側チルト紐131は、チルトプーリ150の中心部151から出された後、チルトプーリ150の外周面に沿って反時計回りに1周した後に上側コードガイド152の上側を通過して操作装置1の開口部1hから外部に引き出されている。
【0054】
図3に示すように、後側チルト紐132の上側(矢印U)の一端は、前側チルト紐131と同様に、操作装置1の内部に収容されたチルトプーリ150の中心部151と接続されている。後側チルト紐132は、チルトプーリ150の中心部151から出された後、チルトプーリ150の外周面に沿って時計回りに1周した後に下側コードガイド153の上側を通過して操作装置1の開口部1hから外部に引き出されている。
【0055】
図3においては、チルトプーリ150に巻回された前側チルト紐131および後側チルト紐132が操作装置1の筐体1cから外部にはみ出しているように見えるが、これは視覚的に見易くするためである。したがって、実際は前側チルト紐131および後側チルト紐132についても操作装置1の筐体1cの内部に収容されており、操作装置1の開口部1hから外部に引き出されている。
【0056】
操作装置1のチルトプーリ150は、ヘッドボックス101に収容されたチルト用ドラム(図示せず)と連結されており、そのチルト用ドラムに対して前側ラダーコード103および後側ラダーコード104が巻き取りまたは巻き出し可能に取り付けられている。
【0057】
したがって、チルト用操作紐135の前側チルト紐131または後側チルト紐132が使用者によって引っ張られると、それに応じてチルトプーリ150が回転し、その回転がチルト用ドラムに伝達され、前側ラダーコード103および後側ラダーコード104が巻き取られ、または、巻き出される。これにより、横型ブラインド110のスラット111が
図2(A)または(B)のように開閉される。
【0058】
チルト用操作紐135のジョイント133は、前側チルト紐131または後側チルト紐132の下側(矢印D)の端部を互いに分離可能に結合する部品である。この場合、ジョイント133は、前側チルト紐131または後側チルト紐132を繋いで一時的にループを形成している。
【0059】
ここで、チルト用操作紐135において一次的にループを形成する、とは、ジョイント133が分離された場合には、ループは解消されるからである。なお、ジョイント133はセーフティジョイントの役割をも担っている。
【0060】
ジョイント133は、前側チルト紐131の下側(矢印D)の端部に取り付けられたジョイント部分133aと、後側チルト紐132の下側(矢印D)の端部に取り付けられたジョイント部分133bとからなる。
【0061】
2つのジョイント部分133aおよびジョイント部分133bは、互いにスナップフィット方式により結合されている。したがって、前側チルト紐131または後側チルト紐132が一定の強さ以上の力で引っ張られると、ジョイント部分133aおよびジョイント部分133bは容易に分離される。
【0062】
チルト用操作紐135のジョイント133は、横型ブラインド110のスラット111が前後方向(矢印FB)に沿って完全に平行な開状態にある場合に、ループの最下端に配置されるように設定されている。ただし、これに限るものではなく、ジョイント133が
図2(A)または(B)のようにループの最下端ではない位置に配置されていてもよい。
【0063】
このとき、
図1および
図2に示すように、チルト用操作紐135のループの最下端に配置されたジョイント133は、必ず、昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側(矢印U)に配置されている。
【0064】
特に、チルト用操作紐135のループの最下端に配置されたジョイント133は、昇降用操作紐121の操作グリップ123の上側端部よりも更に上側(矢印U)に配置されていると好ましい。
【0065】
因みに、チルト用操作紐135のループの最下端にジョイント133が配置されているが、ジョイント133がループの最下端に配置されていない場合、ループの最下端が昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側(矢印U)に配置されていればよい。
【0066】
これは、昇降用操作紐121の操作グリップ123がチルト用操作紐135のループの中に入り込んで絡まることを防止するためである。したがって、チルト用操作紐135のループの最下端に配置されたジョイント133が昇降用操作紐121の操作グリップ123よりも上側(矢印U)に配置されていれば、昇降用操作紐121の操作グリップ123がチルト用操作紐135のループの中に入り込んで絡まることを防止することができるのである。
【0067】
したがって、ジョイント133が昇降用操作紐121の操作グリップ123よりも出来るだけ高い位置に配置されているほど、昇降用操作紐121とチルト用操作紐135とが互いに絡み難くなるので好ましい。
【0068】
以上の構成において、日射遮蔽装置100の操作装置1は、横型ブラインド110のスラット111の開閉具合を調整するチルト用操作紐135の前側チルト紐131と後側チルト紐132とをジョイント133によって相互に結合し、ループを形成した。
【0069】
操作装置1では、前側チルト紐131と後側チルト紐132とをジョイント133で結合しなかった場合に、前側チルト紐131や後側チルト紐132が昇降用操作紐121に絡み付いてしまうが、前側チルト紐131および後側チルト紐132がジョイント133で結合されてループを形成することにより、昇降用操作紐121に絡み付いてしまうことを防止することができる。
【0070】
また、操作装置1のチルト用操作紐135では、前側チルト紐131、後側チルト紐132およびジョイント133で形成されるループの最下端が昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側に配置されている。
【0071】
これにより操作装置1では、操作グリップ123がチルト用操作紐135のループの中に入り込んでしまって、昇降用操作紐121とチルト用操作紐135とが絡まることを防止することができる。
【0072】
さらに、チルト用操作紐135は、前側チルト紐131と、後側チルト紐132とが分離可能なジョイント133によって結合されているため、前側チルト紐131または後側チルト紐132の何れかが少しの力で引っ張られただけで容易に分離される。
【0073】
これにより、操作装置1のチルト用操作紐135のループによって昇降用操作紐121に絡み付くことを防止することができると共に、ジョイント133が容易に分離可能であるので安全性についても保証することができる。
【0074】
2.2〔本発明の第2の実施の形態〕
以下、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる操作装置を含む遮蔽装置の全体構成を示す正面図(A)および側面図(B)である。
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかる操作装置のチルトプーリの構成を示す側面図である。なお、以下の説明においては上記の実施の形態に係る操作装置1と異なる部分について主に説明し、同じ部分については同じ名称又は符号を用いてその説明を省略する。
【0075】
本実施の形態にかかる日射遮蔽装置100Aは、筐状のヘッドボックス101と、横型ブラインド110と、横型ブラインド110の昇降を行うための昇降コード102と、横型ブラインド110のスラット(羽根)111を開閉するための前側ラダーコード103と、前側ラダーコード103と共にスラット111を開閉するための後側ラダーコード104と、操作装置1とを備えている。以下、日射遮蔽装置100Aの構成について簡単に説明する。
【0076】
操作装置1は、ヘッドボックス101に対して回転可能に支持されたプーリとしてのチルトプーリ150から垂下される一対の操作紐としての前側チルト紐131、および、後側チルト紐132からなるチルト紐セット130aを有している。日射遮蔽装置100Aのチルト紐セット130aは、日射遮蔽装置100におけるチルト用操作紐135とは異なり、前側チルト紐131および後側チルト紐132を分離可能に結合する結合部材としてのジョイント133(
図1,2参照)を有していない。
【0077】
これらの前側チルト紐131および後側チルト紐132は、横型ブラインド110のスラット111の開閉具合を調整するためのチルト紐セット130aを構成している。チルト紐セット130aは、前側チルト紐131と、後側チルト紐132が連続した一つの紐体に形成されることにより恒常的にループを形成している。
【0078】
図5(A)に示すように、チルト紐セット130aの前側チルト紐131が使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、複数のスラット111は側面視において前側(矢印F)に倒れるように傾斜する。このとき、前側チルト紐131を引っ張る量に応じてスラット111の前側(矢印F)への傾斜角度が決定される。
【0079】
このようにチルト紐セット130aの前側チルト紐131が使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、前側チルト紐131および後側チルト紐132は、後側(矢印B)において上側(矢印U)へ移動する。
【0080】
一方、
図5(B)に示すように、チルト紐セット130aの後側チルト紐132が使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、複数のスラット111は側面視において後側(矢印B)に倒れるように傾斜する。このとき、後側チルト紐132を引っ張る量に応じてスラット111の後側(矢印B)への傾斜角度が決定される。
【0081】
このようにチルト紐セット130aの後側チルト紐132が使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、前側チルト紐131および後側チルト紐132は、前側(矢印F)において上側(矢印U)へ移動する。
【0082】
操作装置1のチルトプーリ150は、ヘッドボックス101に収容されたチルト用ドラム(図示せず)と連結されており、そのチルト用ドラムに対して前側ラダーコード103および後側ラダーコード104が巻き取りまたは巻き出し可能に取り付けられている。
【0083】
したがって、チルト用操作紐135の前側チルト紐131または後側チルト紐132が使用者によって引っ張られると、それに応じてチルトプーリ150が回転し、その回転がチルト用ドラムに伝達され、前側ラダーコード103および後側ラダーコード104が巻き取られ、または、巻き出される。これにより、横型ブラインド110のスラット111が
図5(A)または(B)のように開閉される。
【0084】
チルト紐セット130aは、横型ブラインド110のスラット111が前後方向(矢印FB)に沿って完全に平行な開状態にある場合に、ループの最下端が配置される長さに設定されている。
【0085】
このとき、
図4および
図5に示すように、チルト紐セット130aのループの最下端は、必ず、昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側(矢印U)に配置されている。
【0086】
特に、チルト紐セット130aのループの最下端は、昇降用操作紐121の操作グリップ123の上側端部よりも更に上側(矢印U)に配置されていると好ましい。
【0087】
これは、昇降用操作紐121の操作グリップ123がチルト紐セット130aのループの中に入り込んで絡まることを防止するためである。したがって、チルト紐セット130aのループの最下端が昇降用操作紐121の操作グリップ123よりも上側(矢印U)に配置されていれば、昇降用操作紐121の操作グリップ123がチルト紐セット130aのループの中に入り込んで絡まることを防止することができるのである。
【0088】
したがって、チルト紐セット130aのループの最下端が昇降用操作紐121の操作グリップ123よりも出来るだけ高い位置に配置されているほど、昇降用操作紐121とチルト紐セット130aとが互いに絡み難くなるので好ましい。
【0089】
以上の構成において、日射遮蔽装置100Aの操作装置1は、横型ブラインド110のスラット111の開閉具合を調整するチルト紐セット130aの前側チルト紐131と、後側チルト紐132が連続一体に形成されることによりループを形成した。
【0090】
操作装置1のチルト紐セット130aでは、前側チルト紐131と、後側チルト紐132から連続一体に形成されるループの最下端が昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側に配置されている。
【0091】
これにより操作装置1では、操作グリップ123がチルト紐セット130aのループの中に入り込んでしまって、昇降用操作紐121とチルト紐セット130aとが絡まることを防止することができる。
【0092】
2.3〔本発明の第3の実施の形態〕
以下、本発明の第3の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図6は、本発明の第3の実施の形態にかかる操作装置を含む遮蔽装置の全体構成を示す正面図(A)および側面図(B)である。
図7は、本発明の第3の実施の形態にかかる操作装置のチルトプーリの構成を示す側面図である。
図8は、本発明の第3の実施の形態にかかる操作装置の結合部材の複数種類の構成を示す側面図(A)、(B)、(C)である。なお、以下の説明においては上記の実施の形態に係る操作装置1と異なる部分について主に説明し、同じ部分については同じ名称又は符号を用いてその説明を省略する。
【0093】
本実施の形態にかかる日射遮蔽装置100Bは、筐状のヘッドボックス101と、横型ブラインド110と、横型ブラインド110の昇降を行うための昇降コード102と、横型ブラインド110のスラット(羽根)111を開閉するための前側ラダーコード103と、前側ラダーコード103と共にスラット111を開閉するための後側ラダーコード104と、操作装置1とを備えている。以下、日射遮蔽装置100Bの構成について簡単に説明する。
【0094】
操作装置1は、ヘッドボックス101に対して回転可能に支持されたプーリとしてのチルトプーリ150から垂下される一対の操作紐としての前側チルト紐131、中間チルト紐131aおよび後側チルト紐132と、前側チルト紐131および中間チルト紐131aの端部に対して設けられ、当該前側チルト紐131および中間チルト紐131aを分離可能に結合する結合部材としてのジョイント133と、中間チルト紐131aおよび後側チルト紐132の端部に対して設けられ、当該中間チルト紐131aおよび後側チルト紐132を分離可能に結合する結合部材としての第2のジョイント134を有している。日射遮蔽装置100Bのチルト用操作紐135は、日射遮蔽装置100におけるチルト用操作紐135とは異なり、ジョイント133は、前側チルト紐131および中間チルト紐131aを分離可能に結合する結合部材として機能する。加えて、中間チルト紐131aおよび後側チルト紐132を分離可能に結合する結合部材としての第2のジョイント134を有している。
【0095】
これらの前側チルト紐131、中間チルト紐131a、後側チルト紐132、ジョイント133および第2のジョイント134は、横型ブラインド110のスラット111の開閉具合を調整するためのチルト用操作紐135を構成している。チルト用操作紐135は、前側チルト紐131と、中間チルト紐131aとがジョイント133によって分離可能に結合され、中間チルト紐131aと、後側チルト紐132とが第2のジョイント134によって分離可能に結合されたことにより一時的にループを形成している。
【0096】
図7(A)に示すように、チルト用操作紐135の前側チルト紐131または中間チルト紐131aが使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、複数のスラット111は側面視において前側(矢印F)に倒れるように傾斜する。このとき、前側チルト紐131または中間チルト紐131aを引っ張る量に応じてスラット111の前側(矢印F)への傾斜角度が決定される。
【0097】
このようにチルト用操作紐135の前側チルト紐131または中間チルト紐131aが使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、ジョイント133および第2のジョイント134は、前側チルト紐131、中間チルト紐131aおよび後側チルト紐132と共に後側(矢印B)において上側(矢印U)へ移動する。
【0098】
一方、
図7(B)に示すように、チルト用操作紐135の後側チルト紐132または中間チルト紐131aが使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、複数のスラット111は側面視において後側(矢印B)に倒れるように傾斜する。このとき、後側チルト紐132または中間チルト紐131aを引っ張る量に応じてスラット111の後側(矢印B)への傾斜角度が決定される。
【0099】
このようにチルト用操作紐135の後側チルト紐132または中間チルト紐131aが使用者によって下側(矢印D)に引っ張られると、ジョイント133および第2のジョイント134は、前側チルト紐131、中間チルト紐131aおよび後側チルト紐132と共に前側(矢印F)において上側(矢印U)へ移動する。
【0100】
操作装置1のチルトプーリ150は、ヘッドボックス101に収容されたチルト用ドラム(図示せず)と連結されており、そのチルト用ドラムに対して前側ラダーコード103および後側ラダーコード104が巻き取りまたは巻き出し可能に取り付けられている。
【0101】
したがって、チルト用操作紐135の前側チルト紐131、中間チルト紐131aまたは後側チルト紐132が使用者によって引っ張られると、それに応じてチルトプーリ150が回転し、その回転がチルト用ドラムに伝達され、前側ラダーコード103および後側ラダーコード104が巻き取られ、または、巻き出される。これにより、横型ブラインド110のスラット111が
図7(A)または(B)のように開閉される。
【0102】
チルト用操作紐135のジョイント133は、前側チルト紐131または中間チルト紐131aの端部を互いに分離可能に結合する部品である。また、チルト用操作紐135の第2のジョイント134は、中間チルト紐131aまたは後側チルト紐132の端部を互いに分離可能に結合する部品である。この場合、ジョイント133は、前側チルト紐131または中間チルト紐131aを繋ぎ、第2のジョイント134は、中間チルト紐131aまたは後側チルト紐132を繋ぐことにより一時的にループを形成している。
【0103】
ここで、チルト用操作紐135において一時的にループを形成する、とは、ジョイント133または第2のジョイント134が分離された場合には、ループは解消されるからである。なお、ジョイント133および第2のジョイント134はセーフティジョイントの役割をも担っている。
【0104】
ジョイント133は、前側チルト紐131の下側(矢印D)の端部に取り付けられたジョイント部分133aと、中間チルト紐131aの上側(矢印U)の端部に取り付けられたジョイント部分133bとからなる。
【0105】
2つのジョイント部分133aおよびジョイント部分133bは、互いにスナップフィット方式により結合されている。したがって、前側チルト紐131、中間チルト紐131aまたは後側チルト紐132が一定の強さ以上の力で引っ張られると、ジョイント部分133aおよびジョイント部分133bは容易に分離される。
【0106】
第2のジョイント134は、中間チルト紐131aの上側(矢印U)の端部に取り付けられた第2のジョイント部分134aと、後側チルト紐132の下側(矢印D)の端部に取り付けられた第2のジョイント部分134bとからなる。
【0107】
2つの第2のジョイント部分134aおよび第2のジョイント部分134bは、互いにスナップフィット方式により結合されている。したがって、前側チルト紐131、中間チルト紐131aまたは後側チルト紐132が一定の強さ以上の力で引っ張られると、第2のジョイント部分134aおよび第2のジョイント部分134bは容易に分離される。
【0108】
チルト用操作紐135の中間チルト紐131aの延在方向における中間部は、横型ブラインド110のスラット111が前後方向(矢印FB)に沿って完全に平行な開状態にある場合に、ループの最下端に配置されるように設定されている。言い換えると、ジョイント133および第2のジョイント134は、上下方向(矢印UD)において、略同一位置に配置されるように設定されている。ただし、これに限るものではなく、中間チルト紐131aの延在方向における中間部が
図7(A)または(B)のようにループの最下端ではない位置(ジョイント133および第2のジョイント134が、上下方向(矢印UD)において、略同一位置ではない位置)に配置されていてもよい。
【0109】
このとき、
図6および
図7に示すように、チルト用操作紐135のループの最下端に配置された中間チルト紐131aの延在方向における中間部は、必ず、昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側(矢印U)に配置されている。
【0110】
特に、チルト用操作紐135のループの最下端に配置された中間チルト紐131aの延在方向における中間部は、昇降用操作紐121の操作グリップ123の上側端部よりも更に上側(矢印U)に配置されていると好ましい。
【0111】
因みに、チルト用操作紐135のループの最下端に中間チルト紐131aの延在方向における中間部が配置されているが、中間チルト紐131aの延在方向における中間部がループの最下端に配置されていない場合、ループの最下端が昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側(矢印U)に配置されていればよい。
【0112】
これは、昇降用操作紐121の操作グリップ123がチルト用操作紐135のループの中に入り込んで絡まることを防止するためである。したがって、チルト用操作紐135のループの最下端に配置された中間チルト紐131aの延在方向における中間部が昇降用操作紐121の操作グリップ123よりも上側(矢印U)に配置されていれば、昇降用操作紐121の操作グリップ123がチルト用操作紐135のループの中に入り込んで絡まることを防止することができるのである。
【0113】
したがって、中間チルト紐131aの延在方向における中間部が昇降用操作紐121の操作グリップ123よりも出来るだけ高い位置に配置されているほど、昇降用操作紐121とチルト用操作紐135とが互いに絡み難くなるので好ましい。
【0114】
図8に示すように、ジョイント133および第2のジョイント部分134aは、種々の形態を採用することができる。
【0115】
図8(A)に示すように、ジョイント133は、前側チルト紐131の下側(矢印D)の端部に取り付けられたジョイント部分133aと、中間チルト紐131aの上側(矢印U)の端部に取り付けられたジョイント部分133bとからなり、ジョイント部分133aおよびジョイント部分133bは異なる形状を有する。
【0116】
詳述すると、ジョイント部分133aは略台形から構成されており、上辺よりも下辺の方が前後方向(矢印FB)において長くなっている。ジョイント部分133bも略台形から構成されており、上辺よりも下辺の方が前後方向(矢印FB)において長くなっている。加えて、ジョイント部分133aの下辺とジョイント部分133bの上辺は、略同一の長さを有している。
【0117】
一方、第2のジョイント134は、中間チルト紐131aの上側(矢印U)の端部に取り付けられた第2のジョイント部分134aと、後側チルト紐132の下側(矢印D)の端部に取り付けられた第2のジョイント部分134bとからなり、第2のジョイント部分134aおよび第2のジョイント部分134bは異なる形状を有する。しかし、第2のジョイント部分134aおよび第2のジョイント部分134bの関係は、ジョイント部分133aおよびジョイント部分133bの関係とは異なる。
【0118】
詳述すると、第2のジョイント部分134aは略台形から構成されており、上辺よりも下辺の方が前後方向(矢印FB)において短くなっている。第2のジョイント部分134bも略台形から構成されており、上辺よりも下辺の方が前後方向(矢印FB)において短くなっている。加えて、第2のジョイント部分134aの上辺と第2のジョイント部分134bの下辺は、略同一の長さを有している。つまり、第2のジョイント部分134aおよび第2のジョイント部分134bの関係は、ジョイント部分133aおよびジョイント部分133bの関係は上下方向(矢印UD)において対称関係にある。
【0119】
ジョイント部分133aとジョイント部分133bが上下方向(矢印UD)において非同一の形状を有し、第2のジョイント部分134aと第2のジョイント部分134bが上下方向(矢印UD)において非同一の形状を有し、かつジョイント部分133aおよびジョイント部分133bの関係は上下方向(矢印UD)において対称関係の形状を有することにより、操作者は、ジョイント133または第2のジョイント134の方向を視覚や触覚を通じて容易に判別することが可能となる。つまり、チルト用操作紐135の方向を容易に判別することが可能となる。
【0120】
ジョイント133または第2のジョイント134の方向を操作者に容易に判別させるためには、ジョイント133または第2のジョイント134の形状は
図3(A)に示した形状に限られない。
【0121】
例えば、
図8(B)に示すように、ジョイント133および第2のジョイント134は異なる形状から構成されることとしてもよい。
【0122】
詳述すると、ジョイント133は、ジョイント部分133cおよびジョイント部分133dがいずれも略同一の略矩形から構成されている。一方で、第2のジョイント134は、全体で略円形から構成されている。第2のジョイント部分134cは、上側(矢印U)に半径部を有する略円形であり、第2のジョイント部分134dは、下側(矢印D)に半径部を有する略円形であり、第2のジョイント部分134cの半径部と、第2のジョイント部分134dの半径部を連結させることにより、第2のジョイント134を構成することができる。
【0123】
ジョイント133および第2のジョイント134が異なる形状を有することにより、操作者は、ジョイント133または第2のジョイント134の方向を視覚や触覚を通じて容易に判別することが可能となる。つまり、チルト用操作紐135の方向を容易に判別することが可能となる。
【0124】
また、例えば、
図8(C)に示すように、ジョイント133および第2のジョイント134の形状をともに略同一の略矩形とした上で、異なる着色を施すこととしてもよい。例えば、ジョイント133のジョイント部分133eおよびジョイント部分133fは赤色の略同一の略矩形とし、第2のジョイント134の第2のジョイント部分134eおよび第2のジョイント部分134fは白色の略同一の略矩形としてもよい。
【0125】
ジョイント133および第2のジョイント134が異なる着色を施されることにより、操作者は、ジョイント133または第2のジョイント134の方向を視覚を通じて容易に判別することが可能となる。つまり、チルト用操作紐135の方向を容易に判別することが可能となる。
【0126】
さらに、
図8(A)、(B)、(C)のいずれの場合においても、ジョイント133および第2のジョイント134は、いずれか一方のみを分離可能な連結部材から構成し、他の一方を分離不可能な非連結部材から構成することとしてもよい。
【0127】
以上の構成において、日射遮蔽装置100Bの操作装置1は、横型ブラインド110のスラット111の開閉具合を調整するチルト用操作紐135の前側チルト紐131と中間チルト紐131aとをジョイント133によって相互に結合し、中間チルト紐131aと後側チルト紐132とを、第2のジョイント134によって相互に結合し、ループを形成した。
【0128】
操作装置1では、前側チルト紐131と中間チルト紐131aとをジョイント133によって相互に結合しなかった場合、あるいは中間チルト紐131aと後側チルト紐132とを、第2のジョイント134によって相互に結合しなかった場合に、前側チルト紐131、中間チルト紐131aや後側チルト紐132が昇降用操作紐121に絡み付いてしまうが、前側チルト紐131と中間チルト紐131aがジョイント133によって結合され、中間チルト紐131aと後側チルト紐132が第2のジョイント134によって結合されてループを形成することにより、昇降用操作紐121に絡み付いてしまうことを防止することができる。
【0129】
また、操作装置1のチルト用操作紐135では、前側チルト紐131、中間チルト紐131a、後側チルト紐132、ジョイント133および第2のジョイント134で形成されるループの最下端が昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側に配置されている。
【0130】
これにより操作装置1では、操作グリップ123がチルト用操作紐135のループの中に入り込んでしまって、昇降用操作紐121とチルト用操作紐135とが絡まることを防止することができる。
【0131】
さらに、チルト用操作紐135は、前側チルト紐131と、中間チルト紐131aとが分離可能なジョイント133によって結合され、中間チルト紐131aと、後側チルト紐132とが分離可能な第2のジョイント134によって結合されているため、前側チルト紐131、中間チルト紐131aまたは後側チルト紐132の何れかが少しの力で引っ張られただけで容易に分離される。
【0132】
これにより、操作装置1のチルト用操作紐135のループによって昇降用操作紐121に絡み付くことを防止することができると共に、ジョイント133および第2のジョイント134が容易に分離可能であるので安全性についても保証することができる。
【0133】
3.〔本発明の他の実施の形態〕
上述した実施の形態における操作装置1では、結合部材としてスナップフィット方式のジョイント133を用いるようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、マグネット方式、面ファスナー方式、粘着性シート方式等、分離可能に結合できるその他種々の構成からなる結合部材を用いるようにしてもよい。
【0134】
また、上述した実施の形態における操作装置1では、2本の前側チルト紐131および後側チルト紐132に対してジョイント133を取り付けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、横型ブラインド110を上昇させる上昇用紐、および、横型ブラインド110を降下させる降下用紐にジョイント133を取り付けるようにしてもよい。
【0135】
さらに、上述した実施の形態における操作装置1では、2本の前側チルト紐131および後側チルト紐132に対してジョイント133を取り付けるようにした場合について述べた。
【0136】
しかしながら、本発明はこれに加えて、他の操作紐として、横型ブラインド110を上昇させる上昇用紐、および、横型ブラインド110を降下させる降下用紐に対しても他の結合部材としてジョイント133を取り付け、2つのループを形成するようにしてもよい。この場合、一方のループの結合高さ位置が他方のループの結合高さ位置よりも上側に配置されていればよい。
【0137】
さらに、上述した実施の形態における操作装置1では、2本の前側チルト紐131および後側チルト紐132が昇降用操作紐121に対して絡み付かないようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、昇降用操作紐121のような紐ではなく棒状体からなる操作棒に対して絡み付かないようにしてもよい。
【0138】
さらに、上述した実施の形態における操作装置1では、チルト用操作紐135のジョイント133を昇降用操作紐121の操作グリップ123の最下端よりも上側に配置するようにした場合について述べた。
【0139】
しかしながら、本発明はこれに限らず、昇降用操作紐121が操作グリップ123を有していない場合には、その昇降用操作紐121の最下端よりもジョイント133を上側に配置するようにしてもよい。この場合、昇降用操作紐121自体を使用者は手で掴んで引っ張ればよい。
【0140】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の操作装置1におけるチルト用操作紐135の前側チルト紐131、後側チルト紐132、および、ジョイント133を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0141】
1…操作装置、1h…開口部、100…日射遮蔽装置、101…ヘッドボックス、102…昇降コード、103…前側ラダーコード、104…後側ラダーコード、106…ブラケット、108…ボトムレール、110…横型ブラインド、111…スラット、121…昇降用操作紐、123…操作グリップ、130…チルト紐、130a…チルト紐セット、131…前側チルト紐、131a…中間チルト紐、132…後側チルト紐、133…ジョイント、133a、133b…ジョイント部分、134…第2のジョイント、134a、134b…第2のジョイント部分、135…チルト用操作紐、150…チルトプーリ、151…中心部、152…上側コードガイド、153…下側コードガイド。