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特開2024-137807省力化仕組み付きのクランク装置及び自転車クランクアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137807
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】省力化仕組み付きのクランク装置及び自転車クランクアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B62M 3/00 20060101AFI20240927BHJP
   B62M 3/08 20060101ALI20240927BHJP
   B62M 3/04 20060101ALI20240927BHJP
   B62M 3/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B62M3/00 C
B62M3/08 C
B62M3/04
B62M3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040323
(22)【出願日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】112110515
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522019568
【氏名又は名称】林 暄智
(71)【出願人】
【識別番号】524099658
【氏名又は名称】林 凱文
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【弁理士】
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】林 暄智
(72)【発明者】
【氏名】林 凱文
(57)【要約】      (修正有)
【課題】省力化仕組み付きのクランク装置及び自転車クランクアセンブリを提供する。
【解決手段】クランク装置は、クランク、軸端歯車及びペダル端歯車を含むクランク機構と、両端に環状溝が形成された回転軸、第1歯車及び第2歯車を含む伝達機構と、回転軸に接続され、外環部と、それぞれ回転軸と外環部との間に挟持されるように環状溝に収容されたボールと、を含む複数の支持アセンブリと、第1回転アームと、一端が第1回転アームと接続されるとともに他端がペダル端歯車と接続された第2回転アームと、を含む回転アームアセンブリと、を含む。これにより、伝達時の安定性を向上させるとともに使用寿命を延長させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクと、前記クランクの一端に設けられた軸端歯車と、前記クランクの他端に設けられたペダル端歯車と、を含むクランク機構と、
前記クランクの内部に設けられた伝達機構であって、少なくとも環状溝が形成された第1端及び少なくとも環状溝が形成された第2端を有する回転軸と、前記第1端と接続されるとともに前記軸端歯車と噛合して伝達する第1歯車と、前記第2端と接続されるとともに前記ペダル端歯車と噛合して伝達する第2歯車と、を含む伝達機構と、
前記回転軸の前記第1端及び前記第2端に接続された複数の支持アセンブリであって、外環部と、それぞれ前記回転軸と前記外環部との間に挟持されるように前記環状溝に収容された複数のボールと、を含む複数の支持アセンブリと、
第1回転アームと、一端が前記第1回転アームと接続されるとともに他端が前記ペダル端歯車と接続された第2回転アームと、を含む回転アームアセンブリと、を含む、
省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項2】
各支持アセンブリは、前記外環部内に設けられるとともに各ボールを分隔して位置決めする位置決めリングをさらに含む、
請求項1に記載の省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項3】
前記位置決めリングは、開口が形成されたベース環と、前記ベース環から延在するとともにそれぞれ複数のボールと対応する複数のボール収容部と、をさらに含む、
請求項2に記載の省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項4】
前記回転軸、前記第1歯車及び前記第2歯車は、一体構成されている、
請求項1に記載の省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項5】
前記軸端歯車は、内側スリーブ、前記内側スリーブと接続されたはすば歯車及びボール軸受を含み、
前記クランクは、前記内側スリーブと接続された円柱筒を有する外側ハウジングと、前記外側ハウジングと対応して連結された内側ハウジングと、を含み、
前記ボール軸受は、前記内側ハウジングと前記はすば歯車との間に挟持されるように前記はすば歯車と接続されている、
請求項1に記載の省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項6】
前記クランクは、内部に一方のクランプシャフト半部材が設けられた外側ハウジングと、内部に他方のクランプシャフト半部材が設けられ前記外側ハウジングと対応して連結された内側ハウジングと、を含み、
一方の前記クランプシャフト半部材と他方の前記クランプシャフト半部材とは、各支持アセンブリ及び前記回転軸を挟持するように設けられている、
請求項1に記載の省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項7】
前記外側ハウジングの一方の前記クランプシャフト半部材の上端及び前記内側ハウジングの他方の前記クランプシャフト半部材の上端には、上ストッパー壁が設けられ、
前記外側ハウジングの一方の前記クランプシャフト半部材の下端及び前記内側ハウジングの他方の前記クランプシャフト半部材の下端には、下ストッパー壁が設けられ、
前記支持アセンブリは、一部が前記上ストッパー壁と密着するとともに他部が前記下ストッパー壁と密着している、
請求項6に記載の省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項8】
前記クランクは、外側ハウジングと、スリーブ孔が形成された内側ハウジングと、を含み、
前記ペダル端歯車は、前記スリーブ孔に挿通された軸スリーブと、前記軸スリーブの一端と接続されるとともに前記スリーブ孔に収容された前ボール軸受と、前記軸スリーブの他端と接続されたはすば歯車と、前記外側ハウジングと前記はすば歯車との間に挟持されるように前記はすば歯車と接続された後ボール軸受と、を含む、
請求項1に記載の省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項9】
前記クランクは、エッジバンディング囲繞板及び複数のリベット筒が設けられた外側ハウジングと、エッジバンディング内縁面及び複数の接続孔が設けられた内側ハウジングと、を含み、
前記エッジバンディング囲繞板と前記エッジバンディング内縁面とは、接続され、
各リベット筒は、各接続孔を挿通してリベット加工により前記外側ハウジングと前記内側ハウジングと、を連結している、
請求項1に記載の省力化仕組み付きのクランク装置。
【請求項10】
自転車が有する中軸接続座を挿通して前記中軸接続座と接続された中軸と、
前記中軸の一端と接続された請求項1から9のいずれか一項に記載のクランク装置と、
それぞれ前記クランクと前記中軸接続座との間に介在するように前記軸端歯車と接続された一組の変換接続部材と、を含む、
自転車クランクアセンブリ。
【請求項11】
前記自転車は、前記中軸接続座と接続された立管を含み、
各変換接続部材は、
リング体と、前記リング体から延在する接続アームと、を含む接合材と、
前記接続アームを螺合部材によりロックするとともに当接ポール同士が互いに接続して前記立管と当接する当接ポールと、を含む、
請求項10に記載の自転車クランクアセンブリ。
【請求項12】
前記中軸接続座には、複数の挿入溝が形成され、
前記軸端歯車には、複数の嵌合溝が形成され、
各変換接続部材は、リング体と、前記リング体の外周面から延在する複数の外インサートと、前記リング体の内周壁から延在する複数の内インサートと、を含み、
各外インサートは、各挿入溝と嵌合して結合され、各内インサートは、各嵌合溝と嵌合して結合されている、
請求項10に記載の自転車クランクアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
自転車のクランク装置に関する技術であり、特に省力化仕組み付きのクランク装置及び自転車クランクアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来自転車のクランクは、長さが一定であるポールであり、ペダルと自転車の中心軸との接続に用いられている。自転車の動作時にユーザは、ペダルの中軸が回転中心となりクランクの長さが半径となる円周運動が可能となるようにペダルを漕ぐことにより、自転車の例えば、チェーンリング、チェーン等の部材である駆動装置を駆動させ、自転車を前進させる。
【0003】
現在広く用いられている自転車のクランク装置は、ペダルが力が加わるべき箇所に回転したときに、クランクを伸長させてモーメントアームの長さを増加させることができないため、トルクを増大させる効果を達成することができない。また、クランクを伸縮可能にする特殊設計を用いたが、これらの伸縮クランク設計は、人体工学に合致せず、円周運動を安定的に行うことができず、実質的に省力化を図れない設計であり、構造が複雑だけではなく、ユーザの疲労を増大させるクランク装置である。また、現在のクランク装置は、構造強度が不足しているため使用寿命が短いという問題又、は、組み立てにくい等の問題を抱えている。これらの問題が解決されることが求められている。
【0004】
本発明の発明者は、以上のことに鑑みて、従来技術の問題を解決することを目的としている。すなわち、従来技術の問題解決は、発明者の改良目標である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、全体の構造強度に優れており、伝達時の安定性を向上させるとともに使用寿命を延長させることができる省力化仕組み付きのクランク装置及び自転車クランクアセンブリを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある態様によれば、クランクと、前記クランクの一端に設けられた軸端歯車と、前記クランクの他端に設けられたペダル端歯車と、を含むクランク機構と、前記クランクの内部に設けられた伝達機構であって、少なくとも環状溝が形成された第1端及び少なくとも環状溝が形成された第2端を有する回転軸と、前記第1端と接続されるとともに前記軸端歯車と噛合して伝達する第1歯車と、前記第2端と接続されるとともに前記ペダル端歯車と噛合して伝達する第2歯車と、を含む伝達機構と、前記回転軸の前記第1端及び前記第2端に接続された複数の支持アセンブリであって、外環部と、それぞれ前記回転軸と前記外環部との間に挟持されるように前記環状溝に収容された複数のボールと、を含む複数の支持アセンブリと、第1回転アームと、一端が前記第1回転アームと接続されるとともに他端が前記ペダル端歯車と接続された第2回転アームと、を含む回転アームアセンブリと、を含む省力化仕組み付きのクランク装置が提供される。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の他の態様によれば、自転車が有する中軸接続座を挿通して前記中軸接続座と接続された中軸と、前記中軸の一端と接続されたクランク装置と、それぞれ前記クランクと前記中軸接続座との間に介在するように前記軸端歯車と接続された一組の変換接続部材と、を含む自転車クランクアセンブリが提供される。
【0008】
本発明によれば、下記の効果が得られる。すなわち、回転軸の環状溝設計を利用することにより、直径が比較的大きいボールを収容するだけではなく、外環部の厚みを増大させることができるため、強度及び使用寿命を数倍に向上させることができる。位置決めリングの開口設計によって位置決めリングをねじりながら変形させて回転軸に接続しやすく、外環部内に押し付けて固定することができる。各ストッパー壁の設置によって回転軸の上下方向の軸方向推力を除去することで、伝達機構の動作をより安定にすることができる。ペダルを漕いでクランクを円周運動させるプロセスにおいて、上下の死点がなく、伝達が一時的に中断するような不具合が発生しない。はすば歯車及び傘歯車の伝達によってクランクが正方向に回転しても逆方向に回転しても密着することを達成することができるため、騒音の発生を低下させることができ、伝達効率及び位置決めの制度をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る省力化仕組み付きのクランク装置を示す分解図である。
図2】本発明に係る軸端歯車を示す分解図である。
図3】本発明に係るペダル端歯車を示す分解図である。
図4】本発明に係る伝達機構を示す分解図である。
図5】本発明に係る支持アセンブリ示す分解図である。
図6】本発明に係る回転アームアセンブリを示す分解図である。
図7】本発明に係る省力化仕組み付きのクランク装置を示す断面図である。
図8】本発明に係る自転車クランクアセンブリ及び自転車の車体フレームを示す分解図である。
図9】本発明に係る省力化仕組み付きのクランク装置及び当接停止機構を示す分解図である。
図10】本発明に係る自転車クランクアセンブリと自転車の車体フレームとの組み合わせを示す断面図である。
図11】本発明に係る自転車クランクアセンブリと自転車の車体フレームとの組み合わせを示す斜視図である。
図12】本発明に係る自転車クランクアセンブリが自転車に用いられた説明図である。
図13】本発明に係る自転車クランクアセンブリの使用状態を示す図である。
図14】本発明に係る変換接続部材の他の実施例及び自転車の車体フレームを示す分解図である。
図15】本発明に係る変換接続部材の他の実施例と自転車の車体フレームとの組み合わせを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら本発明の詳細説明及び技術内容について説明する。図面は、説明のために用いられるものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0011】
図1から図7に示すように、本発明によれば、主にクランク機構10、伝達機構20及び複数の支持アセンブリ30及び回転アームアセンブリ40を含む省力化仕組み付きのクランク装置1が提供される。
【0012】
図1から図3に示すように、クランク機構10は、主にクランク11、軸端歯車12及びペダル端歯車13を含む。本実施例に係るクランク11は、主に外側ハウジング111及び内側ハウジング116を含む。外側ハウジング111の上端には、円柱筒112が延在している。外側ハウジング111の下端には、第1接続孔113が形成されている。外側ハウジング111内部の円柱筒112と第1接続孔113との間には、一方のクランプシャフト半部材Aが設けられている。又は、外側ハウジング111の内側面周縁には、複数のリベット筒114が均一に設けられている。また、円柱筒112の内部には、歯形孔115が形成されている。
【0013】
内側ハウジング116の形状は、外側ハウジング111の形状と対応している。内側ハウジング116の上端には、第2接続孔117が形成されている。内側ハウジング116の下端には、スリーブ孔118が形成されている。スリーブ孔118は、第1接続孔113と対応して設けられている。内側ハウジング116内部の第2接続孔117とスリーブ孔118との間には、一方のクランプシャフト半部材Aと対応する他方のクランプシャフト半部材Bが延在している。
【0014】
軸端歯車12は、静止歯車(回転不能)であり、円柱筒112と接続された後、第2接続孔117を挿通して第2接続孔117と接続されている。これにより、軸端歯車12は、円柱筒112と内側ハウジング116との間に支持されている(図7参照)。図2に示すように、軸端歯車12は、主に内側スリーブ121、はすば歯車122及びボール軸受123を含む。内側スリーブ121は、円柱筒112と接続され、はすば歯車122は、内側スリーブ121と接続されている。ボール軸受123じゃ、内側ハウジング116とはすば歯車122との間に挟持されるようにはすば歯車122と接続されている。はすば歯車122には、複数の嵌合溝1221が等間隔を空けて形成されている。
【0015】
ペダル端歯車13は、可動歯車(クランク11が回転動作するプロセスにおいて、伝達機構20の駆動を受けて回転する)であり、第1接続孔113とスリーブ孔118との間に跨って設けられている。これにより、ペダル端歯車13は、外側ハウジング111と内側ハウジング116の下端とに支持されている(図7参照)。図3に示すように、ペダル端歯車13は、主に軸スリーブ131、前ボール軸受132、後ボール軸受133及びはすば歯車134を含む。軸スリーブ131は、スリーブ孔118を挿通してスリーブ孔118と接続されている。前ボール軸受132は、スリーブ孔118に収容されるように軸スリーブ131の一端と接続されている。はすば歯車134は、軸スリーブ131の他端と接続されている。後ボール軸受133は、外側ハウジング111とはすば歯車134との間に挟持されるようにはすば歯車134と接続されている(図7参照)。
【0016】
図4及び図5に示すように、伝達機構20は、クランク11の内部に設けられ、主に回転軸21、第1歯車22及び第2歯車23を含む。なお、回転軸21、第1歯車22及び第2歯車23は、一体構成されている。また、第1歯車22及び第2歯車23は、いずれも傘型はすば歯車である。回転軸21は、第1端211と、第1端211から離間する第2端212と、を有する。第1歯車22は、第1端211から延在して軸端歯車12と互いに噛合して伝達する。第2歯車23は、第2端212から延在してペダル端歯車13と互いに噛合して伝達する。第1端211及び第2端212のいずれにも、複数の環状溝213が形成されている。環状溝213は、単一のものであってもよい。
【0017】
各支持アセンブリ30は、回転軸21の第1端211及び第2端212と接続されている。図5に示すように、各支持アセンブリ30は、主に外環部31、複数のボール32及び位置決めリング33を含む。各ボール32は、部分的に環状溝213に収容されるように外環部31に設けられている。位置決めリング33は、ボール32を分隔して位置決めするように外環部31内に設けられている。位置決めリング33は、主にベース環331及びベース環331から上方に向かって延在する複数のボール収容部322を含む。各ボール収容部322は、各ボール32が収容されるように等間隔を空けて配置されている。ベース環331には、位置決めリング33をねじりながら変形させて回転軸21に接続して外環部31内に押し付けて固定する開口333が形成されている。実施例では、外環部31の内径を、第1歯車22及び第2歯車23のうちのいずれか一方の外径よりも大きくすることにより、組み立てやすくなる。
【0018】
実施例では、支持アセンブリ30は、単独して回転軸21の第1端211及び第2端212に設けられる以外に、各支持アセンブリ30を互いに積み重ねて回転軸21の第1端211及び第2端212に設けてもよい。
【0019】
図1に示すように、実施例では、外側ハウジング111の一方のクランプシャフト半部材Aと内側ハウジング116の他方のクランプシャフト半部材Bとは、各支持アセンブリ30及び回転軸21を挟持している。外側ハウジング111の一方のクランプシャフト半部材Aの上端及び内側ハウジング116の他方のクランプシャフト半部材Bの上端には、上ストッパー壁Cが設けられている(図7参照)。外側ハウジング111の一方のクランプシャフト半部材Aの下端及び内側ハウジング116の他方のクランプシャフト半部材Bの下端には、下ストッパー壁Dが設けられている(図7参照)。上方の各支持アセンブリ30は、上ストッパー壁Cと密着している。下方の各支持アセンブリ30は、下ストッパー壁Dと密着している。これにより、回転軸21の上下方向の軸方向推力を除去することで、伝達機構20の動作をより安定にすることができる。
【0020】
図1に示すように、実施例では、外側ハウジング111の周縁には、エッジバンディング囲繞板111Aが形成されている。内側ハウジング116の外側ハウジング111と対応する周縁には、エッジバンディング内縁116Aが形成されている。内側ハウジング116には、それぞれ複数のリベット筒114と対応する複数の接続孔1161が形成されている。エッジバンディング囲繞板111Aは、エッジバンディング内縁116Aと接続されている。各リベット筒114は、各接続孔1161を挿通して各接続孔1161と接続されている。リベット加工により外側ハウジング111と内側ハウジング116とを緊密に連結している(図7参照)。
【0021】
図6に示すように、回転アームアセンブリ40は、第1回転アーム41及び第2回転アーム42を含む。第1回転アーム41及び第2回転アーム42は、いずれも円弧回転アームである。第1回転アーム41は、ペダル接続筒411が設けられるとともにクランク11と第2回転アーム42との間に形成されている。第1回転アーム41のペダル接続筒411から離間する一端には、接続溝412及びインサート413が設けられている。第2回転アーム42には、貫通孔421が形成されている。第2回転アーム42の貫通孔421から離間する一端には、嵌合インサート422及び支持溝423が設けられている。ペダル接続筒411は、貫通孔421を挿通して貫通孔421と接続され、支持溝423及び嵌合インサート422は、それぞれ第1回転アーム41のインサート413及び接続溝412と結合している。
【0022】
実施例では、第2回転アーム42の貫通孔421側の端部には、雌ねじ部424が設けられ、雌ねじ部424の外周側には、複数の係合溝425が形成されている。はすば歯車134には、複数の係合バー1341が設けられている。雌ねじ部424は、はすば歯車134を挿通してはすば歯車134と接続されている。各係合バー1341は、係合溝425と係合されている。ボルトを内側ハウジング116外側から挿入し、軸スリーブ131に貫通させて雌ねじ部424に螺合させる。
【0023】
図8から図11に示すように、本発明によれば、主に中軸5、一組のクランク装置1及び変換接続部材6を含む自転車クランクアセンブリが提供される。
【0024】
中軸5は、主に主軸段51と、主軸段51の両端からそれぞれ外側へ延在する延伸段52と、を含む。延伸段52には、円柱筒112の歯形孔115と連結するねじ筒521が設けられている。また、延伸段52の端面には、ボルト53と螺合する螺合孔522が形成されている。
【0025】
各変換接続部材6は、主に接合材61及び当接ポール62を含む。各接合材61は、主にリング体611及びリング体611から延在する接続アーム612を含む。リング体611の一方側には、嵌入リングが設けられている。リング体611の他方側には、複数のインサート613が設けられている。当接ポール62は、螺合部材63を介して接続アーム612に固定されるとともに、各当接ポール62は、互いに接続して固定されている。
【0026】
実施例では、本発明に係る自転車クランクアセンブリは、いずれか一方のクランク11の内側ハウジング116に設けられたスプロケットアセンブリ7をさらに含む。スプロケットアセンブリ7は、主にスプロケット71及び固定フレーム72を含む。固定フレーム72は、ボルト等の螺合部材によってスプロケット71に固定されるとともにクランク11の内側ハウジング116と接続されている。固定フレーム72には、穿孔721が形成されている。内側ハウジング116には、穿孔721を挿通する凸柱119が突出している。これにより、クランク11は、スプロケットアセンブリ7を駆動して回転運動させることができる。
【0027】
本発明は、主に自転車8に応用されている。このような自転車8は、車体フレーム81を含む。車体フレーム81の下方には、中軸接続座82が取り付けられている。中軸接続座82から後輪に向かう方向には、左支管83が延在している。左支管83の右側には、右支管84が形成されている。また、中軸接続座82から上方に向かって立管85が延在している。また、自転車8は、一組のペダル86、一組の嵌合リング87及び他の必要装置をさらに含む。
【0028】
自転車8が組み立てられる際に、中軸5を中軸接続座82に挿通させることで、各嵌合リング87を中軸接続座82に固定する。これにより、中軸5を中軸接続座82内に規制させ、中軸5の主軸段51を中軸接続座82内において回転動作させることができる。次に、各変換接続部材6の嵌入リングを嵌合リング87に嵌合させて位置決めすることにより、変換接続部材6を中軸接続座82の両側に形成させ、左側の変換接続部材6の当接ポール62を右側の変換接続部材6の当接ポール62に接続させ、接続された当接ポール62を立管85の後側に密着させる。次に、円柱筒112の歯形孔115を中軸5のねじ筒521に接続させるとともに、リング体611の各インサート613を軸端歯車12の各嵌合溝1221に嵌合させる。最後、ボルト53をクランク11の円柱筒112に挿入させて中軸5の螺合孔522に螺合させることにより、各クランク11の回転によって中軸5を駆動して回転させることができる。
【0029】
図12及び図13に示すように、さらに説明すると、軸端歯車12の軸心から第1回転アーム41と第2回転アーム42とを接続する接続箇所までのモーメントアームは、クランク11の長さよりも大きく、トルク原理(M=F*D、F:作用力、d:モーメントアーム)によれば、トルクが同じである場合に、モーメントアームの長さが増大すると加わる作用力が減少する。
【0030】
ペダル86から作用力を加えると、クランク機構10は、クランク11に伴って円柱筒112を介して中軸5及びスプロケットアセンブリ7を駆動して伝達し、回転アームアセンブリ40が頂点位置から下方に向かって回転する際に、第1歯車22が軸端歯車12により駆動されると、回転軸21及び第2歯車23を回転させ、第2歯車23によってペダル端歯車13を回転させる。これにより、回転アームアセンブリ40を地面に対し安定の角度を維持しながら、ペダル86の運動奇跡をほぼ円周運動にさせることができる。また、回転アームアセンブリ40の運動方向とクランク11の運動方向とは、逆である。
【0031】
図14及び図15に示すように、本発明に係る自転車クランクアセンブリは、上述した実施例以外に、実施例では、中軸接続座82の両側には、複数の挿入溝821が形成されている。変換接続部材6Aは、主にリング体611と、リング体611の外周面から延在する複数の外インサート614と、リング体611の内周面から延在する複数の内インサート615と、を含む。各外インサート614は、中軸接続座82の各挿入溝821に嵌合され、各内インサート615は、軸端歯車12のはすば歯車122の各嵌合溝1221に嵌合されている。これにより、上述した実施例とは同じ効果を奏する。
【0032】
上述したものは、本発明の好適実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、その他、本発明の好適実施例からの変化も本発明の特許請求の範囲に属している。
【符号の説明】
【0033】
1:クランク装置
10:クランク機構
11:クランク
111:外側ハウジング
111A:エッジバンディング囲繞板
112:円柱筒
113:第1接続孔
114:リベット筒
115:歯形孔
116:内側ハウジング
116A:エッジバンディング内縁
1161:接続孔
117:第2接続孔
118:スリーブ孔
119:凸柱
12:軸端歯車
121:内側スリーブ
122:はすば歯車
1221:嵌合溝
123:ボール軸受
13:ペダル端歯車
131:軸スリーブ
132:前ボール軸受
133:後ボール軸受
134:はすば歯車
1341:係合バー
20:伝達機構
21:回転軸
211:第1端
212:第2端
213:環状溝
22:第1歯車
23:第2歯車
30:支持アセンブリ
31:外環部
32:ボール
33:位置決め環
331:ベース環
332:ボール収容部
333:開口
40:回転アームアセンブリ
41:第1回転アーム
411:ペダル接続筒
412:接続溝
413:インサート
42:第2回転アーム
421:貫通孔
422:嵌合インサート
423:支持溝
424:雌ねじ部
425:係合溝
A:一方のクランプシャフト半部材
B:他方のクランプシャフト半部材
C:上ストッパー壁
D:下ストッパー壁
5:中軸
51:主軸段
52:延伸段
521:ねじ筒
522:螺合孔
53:ボルト
6,6A:変換接続部材
61:接合材
611:リング体
612:接続アーム
613:インサート
614:外インサート
615:内インサート
62:当接ポール
63:螺合部材
7:スプロケットアセンブリ
71:スプロケット
72:固定フレーム
721:穿孔
8:自転車
81:車体フレーム
82:中軸接続座
821:挿入溝
83:左支管
84:右支管
85:立管
86:ペダル
87:嵌合リング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15