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特開2024-137832測定装置の制御方法、測定装置及びシステム
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  • 特開-測定装置の制御方法、測定装置及びシステム 図1
  • 特開-測定装置の制御方法、測定装置及びシステム 図2
  • 特開-測定装置の制御方法、測定装置及びシステム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137832
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】測定装置の制御方法、測定装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01D 3/028 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G01D3/028 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024042183
(22)【出願日】2024-03-18
(31)【優先権主張番号】10 2023 107 027.4
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】63/453,481
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】301077552
【氏名又は名称】ネッチ ゲレーテバウ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ブルーナー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス デンナー
(72)【発明者】
【氏名】ティロ ヒルパート
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ウォルファート
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル シェーネイヒ
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル ミューラー
(72)【発明者】
【氏名】トルステン ハックマン
【テーマコード(参考)】
2F075
【Fターム(参考)】
2F075AA02
2F075AA03
2F075AA10
2F075EE18
2F075FF07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】測定結果に対する望ましくない外的影響の作用を最小限に抑えること。
【解決手段】本発明は、センサ装置(110)によって、測定装置(100)に対する外的影響を監視することと、測定装置(100)のコントローラ(120)によって、監視された外的影響を評価することと、を含む測定装置(100)の制御方法に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ装置(110;200)によって、測定装置(100)に対する外的影響を監視すること(M1)と、
前記測定装置のコントローラ(120)によって、前記監視された外的影響を評価すること(M2)と、
を含む、測定装置(100)の制御方法(M)。
【請求項2】
前記センサ装置(110)が、前記測定装置(100)に組み込まれる請求項1に記載の方法(M)。
【請求項3】
前記センサ装置(110)が、前記測定装置(100)の外部に配置される請求項1に記載の方法(M)。
【請求項4】
前記監視された外的影響が、周囲温度、周囲湿度、日射及び/又は測定装置(100)の振動を含む請求項1に記載の方法(M)。
【請求項5】
評価されて監視された前記外的影響が、所定の許容範囲外である場合に警告を出力することを含む請求項1に記載の方法(M)。
【請求項6】
評価されて監視された前記外的影響が、前記測定装置(100)によって決定される測定値に参酌される請求項1に記載の方法(M)。
【請求項7】
前記測定値を決定することが、前記コントローラ(120)によって自律的に実行される請求項6に記載の方法(M)。
【請求項8】
評価されて監視された前記外的影響が、近い将来に前記測定装置(100)の個々の構成要素の保守又は交換が必要であることを示す場合に通知を出力することを含む請求項1に記載の方法(M)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法(M)を実行するように構成される測定装置(100)。
【請求項10】
少なくとも1つの測定装置(100)と、センサ装置(200)と、を備え、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法(M)を実行するように構成されるシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置の制御方法、測定装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な材料の特性を明らかにすることは、研究及び産業における多くの用途にとって非常に重要である。この目的のために、用途に応じて、時には非常に複雑な測定プロセスを提供する様々な測定装置が使用されている。
【0003】
使用される測定装置は、外部環境、特に、例えば温度や振動の影響を受けやすい場合がある。このような影響は、ユーザに認識されることなく測定装置によって決定された測定値に影響を及ぼし、測定値の精度を損なう可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
このような背景から、本発明の目的は、測定結果に対する望ましくない外的影響の作用を最小限に抑えることである。
この課題は、請求項1の特徴を有する方法、請求項9の特徴を有する測定装置及び請求項10の特徴を有するシステムによって解決される。
【0005】
従って、測定装置の制御方法が提供される。本方法は、センサ装置によって、測定装置に対する外的影響を監視することと、前記測定装置のコントローラによって、前記監視された外的影響を評価することとを含む。
【0006】
さらに、本発明に係る方法を実行するように構成された測定装置及びシステムが提供される。
【0007】
測定装置に作用する外的影響を常に自律的に監視し評価することが、本発明の基本的な考え方である。結果として、測定装置のユーザは、有利に支援され、安心することができる。つまり、測定装置又は測定装置によって行われた測定結果に対する外的影響の作用をよりよく考慮又は最小化することができる。
【0008】
本方法の例示的な実施形態によれば、前記センサ装置が、前記測定装置に組み込まれる。結果として、測定装置に直接作用する影響を有利に監視することができる。
【0009】
本方法の例示的な実施形態によれば、前記センサ装置が、前記測定装置の外部に配置される。この構成は、複数の測定装置がある実験室環境において特に有利である。
【0010】
本方法の例示的な実施形態によれば、前記監視された外的影響が、周囲温度、周囲湿度、日射及び/又は測定装置の振動を含む。これらの影響は測定装置に特に大きな影響を与えるため、特に有利に考慮される。
【0011】
本方法の例示的な実施形態によれば、評価されて監視された前記外的影響が所定の許容範囲外である場合に警告が出力される。結果として、測定装置によって実行される測定の正確さが、特に有利な方法で保証される。
【0012】
本方法の例示的な実施形態によれば、評価されて監視された前記外的影響が、測定装置によって決定される測定値に参酌される。結果として、測定装置によって決定された測定値は、有利に正確に決定される。
【0013】
本方法の例示的な実施形態によれば、前記測定値を決定することが、前記コントローラによって自律的に実行される。結果として、測定装置のユーザの負担を有利に軽減することができる。
【0014】
本方法の例示的な実施形態によれば、評価されて監視された前記外的影響が、近い将来に前記測定装置の個々の構成要素の保守又は交換が必要であることを示す場合に通知が出力される。結果として、外的影響のさらなる間接的影響を考慮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1】本発明の例示的な実施形態に係る方法の概略フロー図である。
図2】本発明の例示的な実施形態に係る測定装置の概略図である。
図3】本発明の例示的な実施形態に係る複数の測定装置を備えたシステムの概略図である。
【0016】
図中、同一の参照符号は、別段の指示がない限り、同一又は機能的に同一の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る測定装置の制御方法Mの概略フロー図である。
【0018】
第1の方法ステップM1では、センサ装置が、測定装置上の外的影響を監視する。さらなる方法ステップM2において、測定装置のコントローラが、監視された外的影響を評価する。
【0019】
図2及び図3を参照しながら、以下に示す方法Mを詳細に説明する。
【0020】
図2は、本発明の例示的な実施形態に係る測定装置100の概略図である。
【0021】
測定装置100は、センサ装置110と、コントローラ120と、データベース130と、出力装置140と、入力装置150と、サンプル受取装置160と、を備えている。
【0022】
ここに示される例示的な実施形態では、センサ装置110は、測定装置100に組み込まれ、測定装置100に対する外的影響を監視するように構成されている。これらの外的影響には、例えば、周囲温度、周囲湿度、日射及び/又は測定装置の振動が含まれ得る。
【0023】
コントローラ120は、センサ装置110によって監視された外的影響を評価するように構成される。この目的のために、コントローラ120は、データベース130にアクセスすることができ、本例示的実施形態におけるデータベース130は、測定装置100の内部メモリの形態で構成される。データベース130は、材料特性及び測定方法に関する複数の情報を含むことができ、これにより、コントローラ120は、監視された外的影響が測定装置100によって決定された測定値に影響を及ぼす程度を評価することができる。
【0024】
コントローラ120は、評価されて監視された外的影響が所定の許容範囲外である場合に警告を出力するように構成されてもよい。例えば、測定装置100の出力装置140をこの目的のために使用することができる。出力装置140は、例えば、この目的のためにスクリーン及び/又はスピーカを備えていてもよい。代替的または追加的に、測定装置100の個々の構成要素、例えば入力装置150及びサンプル受取装置160が、例えば作動させるべきスイッチフィールドを照明するなどして強調表示されてもよい。入力装置150は、例えば、キーボード、タッチスクリーン等を備えていてもよい。例えば、出力装置140及び入力装置150をタッチスクリーンに組み合わせてもよい。
【0025】
評価されて監視された外的影響が、測定装置100によって決定される測定値に参酌されることも提供され得る。この目的のために、特にコントローラ120は、対応する測定値を自律的に決定するように構成されてもよい。
【0026】
コントローラ120によって評価され、センサ装置110によって監視された外的影響を用いて、具体的には、コントローラ120によって、測定装置100又は個々のその構成要素について、予見可能な将来に保守又は交換が必要となる可能性があるかどうかを推定することも可能である。この場合、例えば出力装置140によって、対応する通知を出力してもよい。
【0027】
特に、コントローラ120は、データベース130を更新するように構成されてもよい。結果として、例えば、測定装置を使用する際に得られた所見をデータベース130に記録することができ、将来の測定に利用することができる。実施された測定に関してこのために必要な情報は、測定装置100のユーザによってコントローラ120に転送されてもよい。代替的または追加的に、コントローラ120は、測定装置100から、具体的にはセンサ装置110から、関連情報を直接受信してもよい。
【0028】
測定装置100は、特に、材料の熱解析のための装置として構成されてもよい。具体的には、測定装置100は、示差熱分析、動的示差熱量測定、動的機械分析、熱機械分析などを実行するように構成されてもよい。このような測定プロセスでは、コントローラ120によるユーザの支援が特に有利である。
【0029】
図3は、本発明の例示的な実施形態に係る複数の測定装置100を備えたシステム10の概略図である。
【0030】
図示の例示的な実施形態では、システム10は、合計2つの測定装置100と、センサ装置200と、を備えている。
【0031】
システム10の個々の構成要素は、原則として、図2を参照して説明した対応する構成要素と全く同様に構成することができる。ここに示される例示的な実施形態では、センサ装置200のみが、独立した装置として2つの測定装置100の外部に構成されている。
【0032】
センサ装置200は、スタンドアロンデバイスとして構成されているため、いずれかの測定装置100と組み合わせて使用するように構成することができる。このことは、周囲温度のような両方の測定装置100に影響を与える外的影響を、1つのセンサ装置200だけで効率的かつ均一に監視できることを意味する。また、例えば図2に示されるように、外部のセンサ装置200を、測定装置100に組み込まれたセンサ装置110と共に併用することも考えられ、この場合、外部のセンサ装置200及び組み込まれたセンサ装置110がそれぞれ、特に適した外的影響を有利に監視する。
【0033】
図3は2台の測定装置100を示している。しかしながら、任意の数の測定装置100が提供されてもよい。特に、個別の測定装置100を外部のセンサ装置200とともに使用することも考えられる。
【0034】
測定装置100は、同じ機能を有するように構成することもできるし、それぞれの場合に異なる測定を実行するように構成することもできる。用途に応じて、それぞれの測定プロセスを同時に、又は逐次実行することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 システム
100 測定装置
110 センサ装置
120 コントローラ
130 データベース
140 出力装置
150 入力装置
160 サンプル受取装置
200 センサ装置
M 方法
M1 方法ステップ
M2 方法ステップ
図1
図2
図3