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特開2024-137846情報を提示するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137846
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】情報を提示するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/903 20190101AFI20240927BHJP
【FI】
G06F16/903
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024043176
(22)【出願日】2024-03-19
(31)【優先権主張番号】202310282745.0
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】パン ツェン
(72)【発明者】
【氏名】フェン ルー
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175KA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】事柄グラフに対するクエリを受信し、情報を提示するための方法および装置を提供する。
【解決手段】方法は、事柄グラフに対するクエリを受信することを含み、クエリは少なくとも検索すべき目標イベントを指示するステップ810と、目標イベントおよび目標イベントに関連する1つまたは複数のイベントを示す複数のノードおよび複数のノードを接続してイベント間のイベント関係を示す少なくとも1つの有向エッジを含む目標事柄グラフをクエリの結果として提示するステップ820と、複数のノード中の少なくとも1つのノードに関して、少なくとも1つのノードがそれぞれ示す少なくとも1つのイベントの時間情報を提示するステップ830と、を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事柄グラフに対するクエリを受信し、前記クエリは少なくとも検索すべき目標イベントを指示すること、
複数のノードおよび前記複数のノードを接続する少なくとも1つの有向エッジを含む目標事柄グラフを前記クエリの結果として提示し、前記複数のノードはそれぞれ前記目標イベントおよび前記目標イベントに関連する1つまたは複数のイベントを示し、前記少なくとも1つの有向エッジはそれぞれ接続されたノードで示されたイベント間のイベント関係を示すこと、
前記複数のノード中の少なくとも1つのノードに関して、前記少なくとも1つのノードがそれぞれ示す少なくとも1つのイベントの時間情報を提示すること、を含む、情報提示方法。
【請求項2】
前記時間情報を提示することは、
前記複数のノード中の第1ノードに対する選択を受信し、前記第1ノードは第1イベントを示すこと、
前記第1ノードが選択されたことに応答して、前記第1イベントに対する発生時間分布を提示し、前記発生時間分布は歴史時間帯内の前記第1イベントの発生頻度を指示すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記歴史時間帯内の第1時間に対する選択を受信すること、
前記第1時間が選択されたことに応答して、1つまたは複数のメディア内容を提示し、前記第1時間における前記第1イベントの発生は、前記1つまたは複数のメディア内容から決定されること、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの有向エッジ中の第1有向エッジに対する選択を受信し、前記第1有向エッジは第1イベント関係を示すこと、
前記第1有向エッジが選択されたことに応答して、1つまたは複数のメディア内容を提示し、前記第1イベント関係は、前記1つまたは複数のメディア内容から決定されること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記時間情報を提示することは、
前記複数のノード中の第2ノードに関して、前記第2ノードによって示される第2イベントが発生する第2時間を提示すること、
前記複数のノード中の第3ノードに関して、前記第3ノードによって示される第3イベントが発生する第3時間を提示すること、を含み、
前記第2イベントは前記第3イベントと第2イベント関係を有し、前記第2時間と前記第3時間間の時間的順序は前記第2イベント関係を満たす、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記クエリは、検索すべき時間範囲をさらに指示し、前記時間情報に含まれる時間は前記時間範囲内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記目標事柄グラフは参照事柄グラフに基づいて決定され、前記参照事柄グラフ中の各ノードに該ノードによって示されるイベントの発生時間が関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記参照事柄グラフは以下のように構築され、
メディア内容に対応する個別事柄グラフを生成し、前記個別事柄グラフは少なくとも第4イベントを示す第4ノード、第5イベントを示す第5ノードおよび前記第4イベントと前記第5イベント間の第3イベント関係を示す第3有向エッジを含み、前記第4イベント、前記第5イベントおよび前記第3イベント関係は前記メディア内容から決定され、
前記メディア内容に基づいて、前記第4イベントが発生する第4時間および前記第5イベントが発生する第5時間を決定し、
前記第4イベントと前記参照事柄グラフ中の第6ノードによって示される第6イベントの第1類似度、および前記第5イベントと前記参照事柄グラフ中の第7ノードによって示される第7イベントの第2類似度を決定し、
前記第1類似度、前記第2類似度、第1閾値および前記第1閾値よりも小さい第2閾値に基づいて、前記第4時間および前記第5時間を利用して前記参照事柄グラフを更新する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記参照事柄グラフを更新することは、
前記第1類似度が前記第1閾値を超え、前記第2類似度が前記第1閾値を超えることに応答して、前記第6ノードと前記第7ノード間に前記第3イベント関係を示す有向エッジを追加すること、
前記参照事柄グラフにおいて前記第6ノードに関連して前記第4時間を記憶すること、
前記参照事柄グラフにおいて前記第7ノードに関連して前記第5時間を記憶すること、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記参照事柄グラフを更新することは、
前記第1類似度が前記第1閾値を超え、前記第2類似度が前記第2閾値よりも小さいことに応答して、前記参照事柄グラフに前記第5イベントを示す第8ノードを追加すること、
前記第6ノードと前記第8ノード間に前記第3イベント関係を示す有向エッジを追加すること、
前記参照事柄グラフにおいて前記第6ノードに関連して前記第4時間を記憶すること、
在前記参照事柄グラフにおいて前記第8ノードに関連して前記第5時間を記憶すること、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記参照事柄グラフを更新することは、
前記第1類似度および前記第2類似度がいずれも前記第1閾値と前記第2閾値間にあることに応答して、前記参照事柄グラフに前記個別事柄グラフを追加すること、
前記参照事柄グラフに前記第4イベントと前記第6イベントが類似する指示および前記第5イベントと前記第7イベントが類似する指示を追加すること、
前記参照事柄グラフにおいて前記第4ノードに関連して前記第4時間を記憶すること、
前記参照事柄グラフにおいて前記第5ノードに関連して前記第5時間を記憶すること、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの処理回路を備え、前記少なくとも1つの処理回路は、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的な実施例は、一般にコンピュータの分野に関し、特に情報を提示するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術およびマルチメディア技術の発展に伴い、ニュースの量は日々指数関数的に増加し、大量の反復ニュースが存在する。一般に、ニュースの事象は単独では発生しない。ユーザーはその出来事の背景を理解したり、歴史的な出来事を通してその出来事の方向性をさらに理解し、現在の出来事の起こりうる影響を予測したいと思うかもしれない。ユーザーにとって、イベント関連情報を検索し、フィルタリングするプロセスは非常に面倒である。そのため、様々なニュースを自動的に並べ替え、絞り込み、洞察を提供できるソリューションが望まれている。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1態様では、情報提示方法が提供される。該方法は、事柄グラフに対するクエリを受信し、クエリは少なくとも検索すべき目標イベントを指示すること、複数のノードおよび複数のノードを接続する少なくとも1つの有向エッジを含む目標事柄グラフをクエリの結果として提示し、複数のノードはそれぞれ目標イベントおよび目標イベントに関連する1つまたは複数のイベントを示し、少なくとも1つの有向エッジはそれぞれ接続されたノードで示されたイベント間のイベント関係を示すこと、複数のノード中の少なくとも1つのノードに関して、少なくとも1つのノードがそれぞれ示す少なくとも1つのイベントの時間情報を提示すること、を含む。
【0004】
本開示の第2態様では、電子装置が提供される。該電子装置は、少なくとも1つの処理回路を備える。少なくとも1つの処理回路は、事柄グラフに対するクエリを受信し、クエリは少なくとも検索すべき目標イベントを指示し、複数のノードおよび複数のノードを接続する少なくとも1つの有向エッジを含む目標事柄グラフをクエリの結果として提示し、複数のノードはそれぞれ目標イベントおよび目標イベントに関連する1つまたは複数のイベントを示し、少なくとも1つの有向エッジはそれぞれ接続されたノードで示されたイベント間のイベント関係を示し、複数のノード中の少なくとも1つのノードに関して、少なくとも1つのノードがそれぞれ示す少なくとも1つのイベントの時間情報を提示するように構成される。
【0005】
第2態様のいくつかの実施例では、少なくとも1つの処理回路はさらに、複数のノード中の第1ノードに対する選択を受信し、第1ノードは第1イベントを表示し、第1ノードが選択されたことに応答して、第1イベントに対する発生時間分布を提示し、発生時間分布は歴史時間帯内の第1イベントの発生頻度を指示するように構成される。
【0006】
第2態様のいくつかの実施例では、少なくとも1つの処理回路はさらに、歴史時間帯内の第1時間に対する選択を受信し、第1時間が選択されたことに応答して、1つまたは複数のメディア内容を提示し、第1時間における第1イベントの発生は、1つまたは複数のメディア内容から決定されるように構成される。
【0007】
第2態様のいくつかの実施例では、少なくとも1つの処理回路はさらに、少なくとも1つの有向エッジ中の第1有向エッジに対する選択を受信し、第1有向エッジは第1イベント関係を示し、第1有向エッジが選択されたことに応答して、1つまたは複数のメディア内容を提示し、第1イベント関係は1つまたは複数のメディア内容から決定されるように構成される。
【0008】
第2態様のいくつかの実施例では、少なくとも1つの処理回路はさらに、複数のノード中の第2ノードに関して、第2ノードによって示される第2イベントが発生する第2時間を提示し、複数のノード中の第3ノードに関して、第3ノードによって示される第3イベントが発生する第3時間を提示し、ここで、第2イベントは第3イベントと第2イベント関係を有し、第2時間と第3時間間の時間的順序は第2イベント関係を満たすように構成される。
【0009】
第2態様のいくつかの実施例では、クエリは検索すべき時間範囲をさらに指示し、時間情報に含まれる時間は時間範囲内にある。
【0010】
第2態様のいくつかの実施例では、目標事柄グラフは参照事柄グラフに基づいて決定され、参照事柄グラフ中の各ノードに該ノードによって示されるイベントの発生時間が関連付けられる。
【0011】
第2態様のいくつかの実施例では、少なくとも1つの処理回路はさらに以下のように参照事柄グラフを構築するように構成され:メディア内容に対応する個別事柄グラフを生成し、個別事柄グラフ少なくともは第4イベントを示す第4ノード、第5イベントを示す第5ノードおよび第4イベントと第5イベント間の第3イベント関係を示す第3有向エッジを含み、第4イベント、第5イベントおよび第3イベント関係はメディア内容から決定され、メディア内容に基づいて、第4イベントが発生する第4時間および第5イベントが発生する第5時間を決定し、第4イベントと参照事柄グラフ中の第6ノードによって示される第6イベントの第1類似度、および第5イベントと参照事柄グラフ中の第7ノードによって示される第7イベントの第2類似度を決定し、第1類似度、第2類似度、第1閾値および第1閾値よりも小さい第2閾値に基づいて、第4時間および第5時間を利用して参照事柄グラフを更新する。
【0012】
第2態様のいくつかの実施例では、少なくとも1つの処理回路はさらに、第1類似度が第1閾値を超え、第2類似度が第1閾値を超えることに応答して、第6ノードと第7ノード間に第3イベント関係を示す有向エッジを追加し、参照事柄グラフにおいて第6ノードに関連して第4時間を記憶し、参照事柄グラフにおいて第7ノードに関連して第5時間を記憶するように構成される。
【0013】
第2態様のいくつかの実施例では、少なくとも1つの処理回路はさらに、第1類似度が第1閾値を超え、第2類似度が第2閾値よりも小さいことに応答して、参照事柄グラフにおいて第5イベントを示す第8ノードを追加し、第6ノードと第8ノード間に第3イベント関係を示す有向エッジを追加し、参照事柄グラフにおいて第6ノードに関連して第4時間を記憶し、参照事柄グラフにおいて第8ノードに関連して第5時間を記憶するように構成される。
【0014】
第2態様のいくつかの実施例では、少なくとも1つの処理回路はさらに、第1類似度および第2類似度がいずれも第1閾値と第2閾値間にあることに応答して、参照事柄グラフにおいて個別事柄グラフを追加し、参照事柄グラフにおいて第4イベントと第6イベントが類似する指示および第5イベントと第7イベントが類似する指示を追加し、参照事柄グラフにおいて第4ノードに関連して第4時間を記憶し、参照事柄グラフにおいて第5ノードに関連して第5時間を記憶するように構成される。
【0015】
本開示の第3態様では、電子装置が提供される。該装置は、少なくとも1つの処理ユニット、および少なくとも1つのメモリを含み、少なくとも1つのメモリは少なくとも1つの処理ユニットに結合され、少なくとも1つの処理ユニットによって実行される指令を記憶するように構成される。指令が少なくとも1つの処理ユニットによって実行されると装置が第1態様の方法を実行する。
【0016】
本開示の第4態様では、コンピュータ可読記憶メディアを提供する。該コンピュータ可読記憶メディアにコンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると第1態様の方法を実現する。
【0017】
なお、本発明の概要の項に記載された内容は、本開示の実施例のキー特徴または重要な特徴を限定するものではなく、本開示の範囲を限定するものもではない。本開示の他の特徴は以下の説明によってより容易に理解され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することにより、本開示の各実施例の上記および他の特徴、利点及態様はより明らかになるであろう。添付図面では、同一または類似の符号は同一または類似の要素を示す。
【0019】
図1】本開示の実施例が実現され得る例示的環境を示す概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施例による参照事柄グラフの構築過程のフローチャートである。
図3】本開示のいくつかの実施例による時間要素を個別事柄グラフに関連付ける場合の概略図である。
図4A】本開示のいくつかの実施例による参照事柄グラフ更新例を示す図である。
図4B】本開示のいくつかの実施例による参照事柄グラフ更新例を示す図である。
図4C】本開示のいくつかの実施例による参照事柄グラフ更新例を示す図である。
図5】本開示のいくつかの実施例によるユーザによって検索条件が指定されたユーザインタフェースを示す概略図である。
図6】本開示のいくつかの実施例による不合理なイベントチェーンを除去する場合の概略図である。
図7A】本開示のいくつかの実施例によるクエリ結果の視覚的提示の例示を示す図である。
図7B】本開示のいくつかの実施例によるクエリ結果の視覚的提示の例示を示す図である。
図7C】本開示のいくつかの実施例によるクエリ結果の視覚的提示の例示を示す図である。
図7D】本開示のいくつかの実施例によるクエリ結果の視覚的提示の例示を示す図である。
図8】本開示のいくつかの実施例による情報提示の過程を示すフローチャートである。
図9】本開示を実施する複数の実施例の電子装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施例をより詳細に説明する。添付図面に本開示のいくつかの実施例が示されているが、本開示は様々な形態で実施され得、ここでの実施例に限定されなく、これらの実施例は、本開示をより徹底的かつ完全に理解するために使用されることを理解されたい。本開示の添付図面および実施例は例示的な目的でのみ使用され、本開示の保護範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0021】
なお、本明細書で提供されるあらゆるセクション/サブセクションのタイトルは限定的なものではないことに留意されたい。本明細書全体を通じて様々な実施例が記載されており、任意の実施例は任意のセクション/サブセクションに含まれ得る。さらに、任意セクション/サブセクションに記載された実施例は、任意の形態で同一セクション/サブセクションおよび/または異なるセクション/サブセクションに記載された任意の他の実施例と組み合わせることができる。
【0022】
本開示の実施例の説明において、用語「含む」および類似の用語は広義的な包含として理解されたく、すなわち、「含むが、これに限定されない」。「基づく」という用語は「少なくとも部分的に基づく」を意味する。「一実施例」または「該実施例」とは「少なくとも1つの実施例」を意味する。「いくつかの実施例」とは「少なくともいくつかの実施例」を意味する。以下に、明確的および暗示的な定義を含み得る。
【0023】
本明細書で使用される「回路」の用語はハードウェア回路および/またはハードウェア回路とソフトウエアの組み合わせを意味する。例えば、回路は、アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウエア/ファームウェアの組み合わせであってもよい。別の例として、回路は、ソフトウエアを含むハードウェアプロセッサの任意の部分であってもよく、ハードウェアプロセッサは(複数の)デジタル信号プロセッサ、ソフトウエアおよび(複数の)メモリを含み、それらは協働して装置が動作し、各種の機能を実行する。別の例では、回路はハードウェア回路および/またはプロセッサ、例えばマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部であってもよく、操作のためのソフトウエア/ファームウェアを必要とするが、操作する必要がない場合ソフトウエアがなくてもよい。本明細書で使用される用語「回路」は、ハードウェア回路またはプロセッサのみ、またはハードウェア回路またはプロセッサの一部およびその(またはそれらの)付随ソフトウエアおよび/またはファームウェアの実装も含み得る。
【0024】
本明細書で使用される「イベント」という用語は、特定の時間および空間における、1つまたは複数のイベント主体が関与する、1つまたは複数のアクションからなる事象または状態の変化を指す。
【0025】
例示的な環境および基本原理
図1は、本開示の実施例が実現され得る例示的な環境100の概略図である。環境100において、電子装置150はユーザからの事柄グラフに対するクエリ110を受信する。クエリ110は少なくとも検索すべきイベントを指示し、目標イベントまたは関心イベントとも呼ばれる。電子装置150はさらに目標事柄グラフ130をクエリ110に対する結果として提示する。図1に示すように、目標事柄グラフ130は複数のノードを含み、各ノードは1つのイベントを示す。これらのノード中の1つのノードは目標イベントを示し、他の1つまたは複数のノードは検索された目標イベントに関連するイベントを示す。目標事柄グラフ130は、少なくとも1つの有向エッジをさらに含み、各有向エッジはそれによって接続されたノードによって示されるイベント間の関係を示し、イベント関係とも呼ばれる。
【0026】
目標事柄グラフ130はより大きな事柄グラフ(参照事柄グラフとも呼ばれる)から決定される。目標事柄グラフ130と比較すると、参照事柄グラフはグローバル事柄グラフと見なされてもよい。いくつかの実施例では、参照事柄グラフは、特定分野、例えば金融分野、半導体分野に対して構築される。あるいは、参照事柄グラフは複数の分野にわたって構築されてもよく、または分野なしであってもよい。参照事柄グラフはグローバルな視点から様々な異なるイベント間の関連を描写することができる。
【0027】
目標事柄グラフ130は、参照事柄グラフの一部(サブブラフとも呼ばれる)であってもよく、または参照事柄グラフのサブブラフの変形であってもよい。いくつかの実施例では、電子装置150は参照事柄グラフを記憶またはアクセスすることができる。したがって、電子装置150はクエリ110によって指定された条件に基づいて参照事柄グラフを検索して、目標事柄グラフ130を決定して提示することができる。
【0028】
別のいくつかの実施例では、図1に示すように、電子装置150は、クエリ110を電子装置120(例えば、事柄グラフ検索サービスを提供するサービス側装置)に送信し、電子装置120から目標事柄グラフ130に関する情報を受信してもよい。すなわち、このような実施例では、電子装置120はクエリ110によって指定された条件に基づいて検索を実行する。
【0029】
環境100では、電子装置150は、端末装置を含む任意のコンピューティング能力を有する装置であってもよい。端末装置は、任意のモバイル端末、固定端末またはポータブル端末であってもよく、携帯電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、メディアコンピュータ、マルチメディアコンピュータ、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、オーディオ/ビデオプレーヤー、デジタルカメラ/カムカメラ、ロケータデバイス、テレビジョン受信機、ラジオ放送受信機、電子書籍デバイス、ゲームデバイスまたはそれらの任意の組み合わせ、それらのデバイスを含む付属品および周辺機器またはそれらの任意の組み合わせを含む。電子装置120は、サーバ側装置など、コンピューティング能力を有する任意の装置であってもよい。サーバ側装置は、例えばコンピューティングシステム/サーバ、例えばメインフレーム、エッジコンピューティングノード、クラウド環境のコンピューティング装置などを含んでもよい。
【0030】
なお、環境100の構造および機能は例示的な目的のためだけに記載されており、本開示の範囲の何らか制限を意味するものではない。例えば、環境100は、参照事柄グラフをさらに含んでもよい。さらに、図1に示される目標事柄グラフ130の構造および様式は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0031】
ユーザに所望のクエリ結果を提供するために、グローバル事柄グラフを検索する必要がある。事柄グラフデータベースが拡大し続けるにつれて、グローバル事柄グラフに含まれるイベントおよびイベント間の関係の数は増加し、数百万から数千万に達することさえある。グローバル事柄グラフ中のイベントは膨大な歴史ニュース、レポートなどのテキストから派生したものである。各イベントは、複数のテキストに関連付けられる可能性があり、ユーザは、イベントまたはイベント間の関係対応するテキストを検索するには、かなりの時間を要する。
【0032】
別の態様では、歴史は常に類似しており、グローバル事柄グラフ中の各イベントは歴史上何度も発生している可能性があり、あるイベントが歴史上で発生した回数と具体的な時刻を視覚的に表示することで、ユーザはイベントの発生パターンを感じることができる。ユーザーの関心のある事柄グラフを検索する際、時間的要因が考慮されていないと、不合理なイベントチェーンが起こり、ユーザーに間違った情報を与える可能性がある。
【0033】
大規模な事柄グラフは、ユーザがイベント検索を実行するための基礎を提供するが、現在の検索と視覚化の方法は、まだ比較的同質的である。時間的要素は検索プロセスでは考慮されず、検索結果を提示する際に時間的要素に関連する情報がユーザに提示されることもない。
【0034】
以上の問題中の1つまたは複数および他の潜在的な問題を少なくとも解決するために、本開示の実施例は情報を提示するための解決策を提供する。1つまたは複数の実施例によれば、事柄グラフに対するクエリを受信し、該クエリは少なくとも検索すべき目標イベントを指示する。クエリの結果として、複数のノードおよび複数のノードを接続する少なくとも1つの有向エッジを含む目標事柄グラフを提示する。これらのノードはそれぞれ目標イベントおよび目標イベントに関連する1つまたは複数のイベントを示し、有向エッジは接続されたノードで示されたイベント間のイベント関係を示す。これらのノード中の少なくとも1つのノードに関して、該ノードがそれぞれ示すイベントの時間情報を提示する。
【0035】
本開示の実施例では、ユーザにクエリ結果を提示する同時に、クエリ結果中のイベントの時間情報を提示する。これにより、ユーザはイベントの発生時間規律を深く感じすることができる。このように、ユーザがイベントの進化規律を洞察することができ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0036】
参照事柄グラフの例示的な構築過程
事柄グラフクエリ結果の提示をより明確に理解するために、以下、まず検索ソースとしての参照事柄グラフの例示的な構築過程を説明する。該例示的な過程において、様々なメディア内容に基づいて参照事柄グラフを構築する。
【0037】
メディア内容は、情報を提供できる任意の適切な形式の内容であってもよい。例えば、メディア内容は、テキスト、画像、オーディオ、ビデオまたはそれらの組み合わせなどのニュースレポートであってもよい。メディア内容は、様々なプラットフォーム(例えばニュースプラットフォーム)から取得されたメディア内容であっても用、記憶されたメディア内容であってもよい。テキスト形式のメディア内容の場合、テキストから事柄グラフを構築するための情報を直接抽出してもよい。画像、ビデオ、オーディオなどの形式のメディア内容の場合、既知または将来開発される任意の技術を用いて画像、オーディオまたはビデオから事柄グラフを構築するための情報を抽出してもよい。例えば、画像認識または音声認識技術に基づいて画像、ビデオまたはオーディオフォーマットから関連情報を直接抽出することができる。
【0038】
電子装置120はまず単一のメディア内容に対応する事柄グラフを生成し、個別事柄グラフとも呼ばれる。個別事柄グラフは、単一メディア内容から抽出されたイベントとイベント間の関係を示すために使用される。このため、個別事柄グラフは、それぞれメディア内容から抽出された複数のイベントを示す複数のノードを含む。個別事柄グラフは、異なるイベント間のイベント関係を示す少なくとも1つの有向エッジをさらに含む。そして、個別事柄グラフを用いて参照事柄グラフを更新する。
【0039】
図2は、本開示のいくつかの実施例による構築参照事柄グラフの過程200を示すフローチャートである。以下、電子装置120で参照事柄グラフの構築を実現する場合を例にして過程200を説明するが、これは単なる例示であり、何ら限定を意図するものではない。
【0040】
ブロック210において、電子装置120はメディア内容を収集する。メディア内容は例えば現在政治ニュース、社会ニュース、一般的な科学情報などを含んでもよい。ニュースをメディア内容として例示すると、電子装置120はニュースウェブサイトリストに基づいて、ウェブサイトによって提供されるインタフェースを介して、定期的にニュースを収集することができる。ニュースウェブサイトリストは例えば主流ニュースプラットフォーム、特定業界のニュースプラットフォーム、政策発表プラットフォーム、知識共有プラットフォームなどである。ニュースウェブサイトリストはユーザによって指定されてもよい。
【0041】
ブロック220において、電子装置120は収集されたメディア内容を重複除去処理する。メディア内容は例えば現在政治ニュースであってもよく、ニュースウェブサイトリストからニュースを収集する場合を例にして説明する。異なるニュースウェブサイトのニュースの相互参照や転載があり、収集されたニュースが重複である可能性がある。電子装置120は、重複除去アルゴリズムに基づいて収集されたニュースをフィルタリングしてもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、電子装置120は、Simhashアルゴリズムを用いて収集されたメディア内容を重複除去処理する。重複除去過程は、単語分割、ハッシュ値計算、重み付け、マージ、次元削減および重複除去などのステップを含む。具体的に、電子装置120はメディア内容中のテキストまたはメディア内容から認識または変換されたテキストに対して単語分割を行って、有効な特徴ベクトルを得、さらに各特徴ベクトルを重み付けてもよい。電子装置120は、ハッシュ関数によって各特徴ベクトルのハッシュ値を計算し、各特徴ベクトルを重み付けてもよい。電子装置120はさらに特徴ベクトルのハッシュ値に基づいて、特徴ベクトルを重み付けてもよい。さらに、電子装置120は各特徴ベクトルの重み付け結果を累積して1つのシーケンス文字列を得てもよい。電子装置120は該シーケンス文字列の各桁を判定する。0以上の桁は、1として設定され、0未満の桁は、0として設定される。このように、電子装置120は該メディア内容に対応するSimhash値を得る。最後に、電子装置120は各メディア内容のSimhash値に基づいて、任意の2つのメディア内容間の新しいハッシュ距離を計算する。ハッシュ距離が予設閾値未満である場合、2つのメディア内容が重複であると見なされる。電子装置120は一方のメディア内容を削除して重複除去処理を実現する。
【0043】
なお、Simhashアルゴリズムは単なる例示である。本開示の実施例では、任意の適切なアルゴリズムを用いて重複除去を実現してもよい。
【0044】
ブロック230において、電子装置120はイベントおよびイベント関係を抽出する。重複除去後の任意のメディア内容または各メディア内容に対してブロック230を実行してもよい。電子装置120はイベント抽出アルゴリズムに基づいて重複除去後のメディア内容からイベントおよびイベント関係を自動的に抽出する。単一メディア内容から1つまたは複数のイベントを抽出することができる。あるメディア内容について、イベントを抽出できない場合もある。イベント関係は、上記した図1を参照して説明されたそれらのイベント関係を含んでもよい。例えば、「飼料価格の上昇による養殖コストの増加に対処するために飼料ソースを豊かにする」というニュースにおいて、電子装置120は第1イベント「飼料価格上昇」、第2イベント「養殖コスト増加」および両者の因果関係を抽出することができる。
【0045】
さらに、いくつかの実施例では、電子装置120はイベント関係の関連度をさらに決定してもよく、本明細書では関連係数とも呼ばれる。関連度はイベント関係の強さ、イベント移転確率またはイベント関係の確からしさなどを指示することができる。いくつかの実施例では、電子装置120は有向エッジに関連して該有向エッジによって示されるイベント関係の関連度を記憶することができる。
【0046】
ブロック230において、任意の適切なイベント抽出アルゴリズムを用いてイベントおよびイベント関係を抽出することができる。イベント抽出アルゴリズムの例は分類に基づくイベント抽出方法、シーケンスラベリングに基づくイベント抽出方法、読解力に基づくイベント抽出方法、生成に基づくイベント抽出方法などが挙げられる。本開示の範囲はこの点で限定されない。
【0047】
一例として、電子装置120は、シーケンスラベリングに基づくイベント抽出アルゴリズムを用いて、イベントおよびイベント関係を抽出する。ニューステキストの例を引き続き、電子装置120は重複除去後のニューステキストを、例えば余分なスペース、文字化けしたコード、テキスト句の実行、干渉する文字列の置換などのフィルタリングなどの前処理をしてもよい。電子装置120は、連続イベント文字列シーケンスモデルを訓練して前処理後のニューステキストに対してイベントの開始位置および終了位置を認識し、イベントの説明的な断片、すなわちイベント名称を取得することができる。イベント名称は通常イベントのトリガワードを含み、該トリガワードは該イベントのイベントタイプを規定する。さらに、電子装置120はイベントのトリガワードに基づいて、イベント間のイベント関係を決定し、さらにイベント間の関連度を計算することができる。
【0048】
ブロック240において、電子装置120は時間などのイベント要素を抽出する。電子装置120は、イベントが有するイベント要素を抽出することができる。イベント要素はイベント主体、イベント客体、時間、場所、人物、業界、会社、製品などを含むが、これらに限定されない。メディア内容の情報量に応じて、各イベントが有するイベント要素は1つまたは複数であってもよく、イベント要素がなくてもよい。例えば、あるニューステキストからイベント「養殖コスト増加」およびそれに対応するイベント要素を抽出する。イベント「養殖コスト増加」のイベント要素は時間要素「2022年4月1日」、業界要素「養殖業界」および場所要素「XX県」などを含む。電子装置120は少なくともイベントの時間要素を抽出し、さらに他の要素を抽出してもよい。イベントの時間要素はイベントの発生時間を示す。メディア内容からあるイベントの時間要素を抽出できない場合、メディア内容の発表時間をイベントの発生時間として使用してもよい。
【0049】
次に、電子装置120は個別事柄グラフを生成してもよい。具体的に、電子装置120はブロック230において抽出されたイベントおよびイベント関係に基づいて、個別事柄グラフを生成する。上記した養殖業界の例を引き続き、生成された個別事柄グラフは第1イベント「飼料価格上昇」を示すノード、第2イベント「養殖コスト増加」を示すノードおよびこれらの2つのノード間に接続され、2つのイベント間の因果関係を示すための有向エッジを含む。この例では、該有向エッジは第1イベント「飼料価格上昇」を示すノードから第2イベント「養殖コスト増加」を示すノードを指向する。
【0050】
電子装置120はさらに個別事柄グラフにおいて時間要素などのイベント要素を対応するイベントに関連付ける。例えば、1つのイベントが有する時間要素はイベントの属性として該イベントを示すノードに関連付けられて記憶される。図3は、本開示のいくつかの実施例による時間要素を個別事柄グラフに関連付ける場合の概略図である。図3の例では、電子装置120は、メディア内容からノード301によって示されるイベントA、ノード302によって示されるイベントB、イベントAとイベントB間のイベント関係、および各イベントに対応する時間要素を抽出する。具体的に、電子装置120は、イベントAの発生時間TAおよびイベントBの発生時間TBを抽出する。したがって、時間TAはイベントAを示すノード301に関連付けられ、時間TBはイベントBを示すノード302に関連付けられる。
【0051】
以上、個別事柄グラフの例示的な構築過程を例にして説明した。しかしながら、これは単なる例示であり、本開示の実施例では、任意の適切な方法で個別事柄グラフを構築することができることを理解されたい。さらに、上記したイベント、イベント関係、イベント数、イベント要素は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0052】
引き続き図2を参照する。ブロック250において、電子装置120は個別事柄グラフ中のイベントと参照事柄グラフ中のイベントの類似度を計算する。イベント名称、イベント要素などに基づいて類似度を計算する。一例として、電子装置120はJaccard類似度に基づいてイベント間の類似度を決定してもよい。引き続き図3の例を参照すると、電子装置120は個別事柄グラフ中のイベントAと参照事柄グラフ中の別のイベントを比較する。イベントAの名称とそれが有する要素に対して単語分割を行って、イベントAの第1単語分割セットを得る。電子装置120は参照事柄グラフ中の比較すべきイベントの名称とそれが有する要素に対して単語分割を行って、第2単語分割セットを得る。電子装置120は、第1単語分割セットおよび第2単語分割セットに基づいて、これらの2つのセットの交差セット内の単語の数およびこれらの2つのセットの連結セット中の単語の数を決定する。さらに、電子装置120は交差セット中の単語の数と連結セット中の単語の数的比を計算してJaccard類似度を求める。
【0053】
なお、上記したJaccard類似度はイベント間の類似度を決定する一例に過ぎない。本開示の実施例では、任意の適切な類似度計算方法を使用してもよい。
【0054】
ブロック260において、電子装置120は参照事柄グラフを更新する。具体的に、電子装置120は個別事柄グラフを用いて参照事柄グラフを更新してもよい。本明細書では、参照事柄グラフを更新することは、個別事柄グラフと参照事柄グラフを融合させることとも呼ばれる。融合は、個別事柄グラフ中の1つまたは複数のノードをそれぞれ参照事柄グラフ中の1つまたは複数のノードとマージすること、または個別事柄グラフ自体をその一部として参照事柄グラフに追加することを意味する場合がある。具体的な操作方法は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、参照事柄グラフまたはグローバル事柄グラフに対して、個別事柄グラフは事柄グラフサブブラフと見なされてもよい。
【0055】
類似度に基づいて個別事柄グラフと参照事柄グラフを融合させる。電子装置120は類似度の値および予設された1つまたは複数の閾値の関係に基づいて、個別事柄グラフと参照事柄グラフを融合させる。いくつかの実施例では、2つの閾値、すなわち第1閾値および第2閾値を予め設定してもよく、第1閾値が第2閾値よりも大きい。比較される2つのイベント間の類似度が第1閾値よりも大きい場合、これらの2つのイベントが同一イベントであると見なされ得る。したがって、電子装置120は、参照事柄グラフに新しいノードを追加することなく、個別事柄グラフ中のノードと参照事柄グラフに対応するノードをマージさせることができる。個別事柄グラフ中のノードに関連付けられたイベント発生時間は参照事柄グラフ中の対応のノードに追加されるか、または関連付けられる。
【0056】
2つのイベント間の類似度が第2閾値未満である場合、これらの2つのイベントは互いに独立したイベントであると見なされる。したがって、電子装置120は個別事柄グラフ中のノードを参照事柄グラフに追加して、グラフの融合を実現してもよい。個別事柄グラフ中のノードに関連付けられたイベント発生時間もそれに対応して参照事柄グラフに追加される。
【0057】
2つのイベント間の類似度が第1閾値と第2閾値間にある場合、2つのイベントが類似イベントであると見なされ得る。したがって、電子装置120は個別事柄グラフ中のノードを参照事柄グラフに追加し、類似イベントに類似関係の指示を確立してもよい(例えば異なるスタイルの有向エッジによって表される)。個別事柄グラフ中のノードに関連付けられたイベント発生時間もそれに対応して参照事柄グラフに追加される。
【0058】
図4A図4Cは、本開示のいくつかの実施例による参照事柄グラフの更新例を示す。図3と併せて図4A図4Cの例を説明する。
【0059】
図4Aの例では、個別事柄グラフはイベントAを示すノード301およびイベントBを示すノード302を含む。ノード301に関連してイベントAの発生時間TAが記憶され、ノード302に関連してイベントBの発生時間TBが記憶される。電子装置120はそれぞれイベントAおよびイベントBと参照事柄グラフ中の各ノードによって示されるイベントの類似度をトラバーサル計算する(図では、破線矢印で2つのイベント間の類似度計算を示すが、トラバーサル計算のすべての破線矢印が示されない)。イベントAと参照事柄グラフ中のノード401によって示されるイベントの類似度が第1閾値(例えば0.9)よりも大きい。電子装置120はノード301とノード401を融合させる。融合前に、ノード401に関連してイベント発生時間T1およびT2が記憶される。融合後、イベントAの発生時間TAもノード401に関連して記憶される。イベントBと参照事柄グラフ中のノード402によって示されるイベントの類似度も第1閾値(例えば0.9)よりも大きい。電子装置120はノード302とノード402を融合させる。融合前に、ノード402に関連してイベント発生時間T3およびT4が記憶される。融合後、イベントBの発生時間TBもノード402に関連して記憶される。同時に、イベントAとイベントB間の元の関係について、参照事柄グラフに、ノード401からノード402を指向する有向エッジ411を追加する。図に示すように、融合後、参照事柄グラフに新しいノードを追加することではなく、イベントAとイベントB間の有向エッジを追加し、イベントAとBの発生時間も追加する。
【0060】
図4Bの例では、電子装置120はそれぞれ個別事柄グラフ中のイベントAおよびイベントBと参照事柄グラフ中の各イベントの類似度をトラバーサル計算する(図ではトラバーサル計算の一部の破線矢印のみが図示される)。イベントAと参照事柄グラフ中のノード401によって示されるイベントの類似度が第1閾値(例えば0.9)よりも大きい。電子装置120は、ノード301とノード401を融合させる。融合前、ノード401に関連してイベント発生時間T1およびT2が記憶される。融合後、イベントAの発生時間TAもノード401に関連して記憶される。イベントBと参照事柄グラフ中の各ノードによって示されるイベントの類似度はいずれも第2閾値(例えば0.6)よりも小さい。電子装置120は、参照事柄グラフにイベントBを示すノード404を追加し、ノード404に関連してイベントBの発生時間TBを記憶する。したがって、イベントAとイベントB間の元の関係を保持するために、参照事柄グラフにノード401からノード404を指向する有向エッジ412を追加する。融合後、参照事柄グラフに新しいノードが追加され、イベントAとイベントB間の有向エッジが追加され、さらにイベントAとBの発生時間が追加される。
【0061】
図4Cの例では、電子装置120はそれぞれ個別事柄グラフ中のイベントAおよびイベントBと参照事柄グラフ中の各イベントの類似度をトラバーサル計算する(図ではトラバーサル計算の一部の破線矢印のみが図示される)。イベントAと参照事柄グラフ中のノード401によって示されるイベントの類似度は第1閾値と第2閾値間にある。したがって、電子装置120はノード301を参照事柄グラフに追加し、ノード301とノード401間に有向エッジ413(双方向エッジ)を追加して、イベントAとノード401によって示されるイベントが類似関係を有すると指示する。参照事柄グラフにおいて、ノード301に関連してイベントAの発生時間TAが記憶される。イベントBと参照事柄グラフ中のノード402によって示されるイベントの類似度も第1閾値と第2閾値間にある。したがって、電子装置120は、ノード302を参照事柄グラフに追加し、ノード302とノード402間に有向エッジ414(双方向エッジ)を追加してイベントBとノード402によって示されるイベントが類似関係を有すると指示する。参照事柄グラフにおいて、ノード302に関連してイベントBの発生時間TBが記憶される。融合後、参照事柄グラフに新しいノードが追加され、それぞれイベントAと類似のイベント間およびイベントBと類似のイベント間に類似関係の指示が確立され、イベントAとBの発生時間が追加される。
【0062】
上記した参照事柄グラフの更新過程は参照事柄グラフのインクリメンタルな構築と見なされる。このようなインクリメンタルな構築は、参照事柄グラフの最初の作成に使用することができ、作成した参照事柄グラフをインクリメンタルに更新するために使用され得る。追加された個別事柄グラフを継続的に参照事柄グラフに融合させることにより、参照事柄グラフを継続的に更新する。このように、豊かで包括的なイベントチェーンおよびイベント関係ネットワークを形成することができる。
【0063】
以上、検索ソースとしての参照事柄グラフの例示的な構築過程を説明した。なお、説明された過程は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の実施例では、任意の適切な方法で構築されたイベントの時間情報を有する参照事柄グラフを使用してもよい。
【0064】
クエリ結果の提示例
検索ソースとしての参照事柄グラフが拡大し続けるにつれて、参照事柄グラフに含まれるイベントおよびイベント間の関係の数が増加し、数百万または数千万に達するさえある。ユーザが関心のイベントに関連する事柄グラフを容易に閲覧するために、ユーザの指定条件に従って事柄グラフを検索することができる。
【0065】
検索条件を決定するために、ユーザに条件を指定するためのユーザインタフェース(UI)を提供することができる。ユーザとUIの対話を通じて、事柄グラフに対するクエリを受信する。このようなクエリは少なくとも検索すべき目標イベント、すなわちユーザが関心または注目するイベントを指示する。いくつかの実施例では、クエリは、検索すべき時間範囲をさらに指示してもよい。同一のイベントが異なる時間で異なる発展過程を示す可能性がある。例えば、XX要因によって、YYイベントが2022年の関連イベントと過去の該イベントの関連イベント提示と大きな違いを示す。したがって、検索条件に時間要因が含まれると、ユーザが関心を有する時間範囲に焦点を当てることが容易になる。あるいはまたはさらに、クエリは地域、機関などの他の検索条件を指示してもよい。
【0066】
図5は、本開示のいくつかの実施例によるユーザによって検索条件が指定されたユーザインタフェースの概略図である。例えば、電子装置150によってUI510が提供される。UI510を通じて、ユーザは1つまたは複数の検索条件を入力することができる。図5の例では、UI領域501は、ユーザが検索すべきイベントを入力するため、すなわち目標イベントを指定するために利用可能である。UI領域502は、ユーザが関心の時間範囲を入力するために利用可能である。UI領域503は、ユーザが地域、例えば目標イベントの発生地域を入力するために利用可能である。
【0067】
図5に示すように、ユーザがイベントCを目標イベントとして指定し、TSからTEまでの時間範囲を指定し、そして地域Aを指定する。その後、ユーザは「検索」ボタン504をクリックして事柄グラフに対するクエリを提出してもよい。
【0068】
なお、図5に示されるUIおよび検索条件は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の実施例では、ユーザに任意の適切なUIを提供してクエリを指定してもよい。
【0069】
ユーザがクエリを提出した後、電子装置150は参照事柄グラフを検索して目標事柄グラフをクエリ結果として取得する。あるいはまたはさらに、電子装置150は電子装置120に該クエリに対する要求を送信してもよく、それに応じて、電子装置120は、参照事柄グラフを検索して目標事柄グラフをクエリ結果として取得してもよい。なお、目標事柄グラフは参照事柄グラフの少なくとも一部であってもよく、または参照事柄グラフの少なくとも一部に基づいて決定されてもよい。
【0070】
いくつかの実施例では、検索条件が時間範囲を含むと、検索中、時間範囲を考慮することにより、目標事柄グラフによって示されるイベントの時間情報が該時間範囲内にあることを理解されたい。言い換えれば、目標事柄グラフによって示されるイベントは該時間範囲内で発生した。
【0071】
いくつかの実施例では、検索中、さらに参照事柄グラフが有する時間情報を利用することができる。具体的に、検索中、イベントの時間情報を制約として、目標事柄グラフにおけるイベント関係を有する異なるイベント間の時間的順序がそれらの間のイベント関係を満たす。言い換えれば、検索中、論理的にイベント関係を満たさないイベントチェーンを除去することができる。
【0072】
図6は、本開示のいくつかの実施例による不合理なイベントチェーンの除去の概略図である。図6に示すように、あるメディア内容に基づいて、イベントDとイベントEがイベント関係を有することを示す個別事柄グラフ610を生成し、該メディア内容に基づいて、イベントDが発生時間TDを有し、イベントEがTDより後の発生時間TD+1を有する。別のメディア内容に基づいて、イベントEとイベントFがイベント関係を有することを示す個別事柄グラフ620を生成し、該メディア内容に基づいて、イベントEが発生時間TD-2を有し、イベントFが発生時間TD-1を有する。図4A図4Cを参照して上述した融合方法によって、参照事柄グラフの一部としてのサブブラフ630を生成する。個別事柄グラフ610と620中の時間情報も参照事柄グラフに融合される。
【0073】
事柄グラフ中の矢印は2つのイベント間の関係、例えば因果関係、連続関係などを示し、時間的な前後関係も暗示される。ユーザの設定条件に基づいて事柄グラフを検索する際に、イベントの時間情報を制約として使用することができる。
【0074】
図6の例では、サブブラフ630に基づいて、イベントチェーン640とイベントチェーン650を導出することができる。イベントチェーン640において、イベントFの発生時間TD-1はイベントEの発生時間TD+1よりも早い。つまり、該チェーンでは、イベントEとイベントF間の時間的順序は両者間のイベント関係を満たさない。同様に、イベントチェーン650において、イベントEの発生時間TD-2はイベントDの発生時間TDよりも早い。つまり、該チェーンでは、イベントEとイベントD間の時間的順序は両者間のイベント関係を満たさない。したがって、イベントチェーン640と650は不合理なイベントチェーンであり、それに応じて、結果としてイベントDに関連する目標事柄グラフに現れない。
【0075】
検索中、イベントの時間情報を制約条件として使用することにより、前のイベントの発生時間が後のイベントよりも遅いという論理エラーを回避することができ、より合理的にイベントチェーンが検索される。このように、ユーザにより合理的なクエリ結果を提供し、ユーザの後続意思決定などにより正確な支持を提供することができる。
【0076】
目標事柄グラフを取得した後、電子装置150は目標事柄グラフをクエリ結果として提示することができる。目標事柄グラフは複数のノードとこれらのノードを接続する少なくとも1つの有向エッジを含み、これらのノードはそれぞれ目標イベントおよび目標イベントに関連する1つまたは複数のイベントを示し、有向エッジはそれぞれ接続されたノードで示されたイベント間のイベント関係を示す。これらのノード中の少なくとも1つのノードに関して、該ノードによって示されるイベントの時間情報を提示することができる。特に、各ノードに関して時間情報を提示する。
【0077】
図7Aは、クエリ結果の視覚的提示の一例を示す。提示される目標事柄グラフ700はイベントCを示すノード701-1、イベントGを示すノード701-2、イベントHを示すノード701-3、イベントKを示すノード701-4、イベントLを示すノード701-5、イベントMを示すノード701-6、イベントNを示すノード701-7を含み、これらをまとめてノード701とも呼ばれる。目標事柄グラフ700はイベント関係を示す有向エッジ、例えばイベントGとイベントM間のイベント関係を示す有向エッジ702をさらに含む。
【0078】
各ノード701について、対応するイベントの時間情報、例えば発生時間が提示されている。具体的に、イベントCの発生時間TC、イベントGの発生時間TG、イベントHの発生時間TH、イベントKの発生時間TK、イベントLの発生時間TL、イベントMの発生時間TM、イベントNの発生時間TNが示される。
【0079】
クエリ結果にイベントの時間情報が示されることで、ユーザは前のイベントと後のイベント間の時間間隔を把握することができ、イベント傾向や発生時間を容易に予測することができる。
【0080】
ユーザは、提示される目標事柄グラフと対話してより豊富な情報を得ることができる。事柄グラフ中のイベント関係都はメディア内容(例えばニュース)から抽出される。これを考慮して、ユーザにイベント関係のソースを提示することができる。いくつかの実施例では、目標事柄グラフ中の有向エッジに対する選択を受信することができる。したがって、それから決定される該有向エッジによって示されるイベント関係の1つまたは複数のメディア内容が提示され、すなわち、該有向エッジによって示されるイベント関係のソースが提示される。複数のメディア内容が存在する場合、一度にユーザに提示してもよく、切り替え可能にユーザに提示してもよい。
【0081】
図7Bはイベント関係のソースの例示的な提示を示す。本例では、有向エッジ702が選択され、例えばユーザが有向エッジ702をクリックする。これに応答して、メディア内容710が提示される。また、選択された有向エッジおよびメディア内容における関連イベント(本例ではイベントMとイベントG)のテキストが強調表示される。
【0082】
このような実施例では、ユーザは事柄グラフ中のあるイベント関係を選択して該イベント関係のニュースソースを得ることができる。事柄グラフ自体は高度に一般化されており、このように、事柄グラフを閲覧する同時にそのソースを得ることができ、ユーザは関心のイベント関係を具体的かつ直感的に理解することができる。
【0083】
1つのイベントは歴史を通じて複数回発生する可能性がある。これを考慮して、いくつかの実施例では、ユーザにイベントの歴史的な発生に関連する情報を提供する。具体的に、提示される事柄グラフ中のノードの選択を受信することができる。これに応答して、選択されたノードによって示されるイベントの発生時間分布を提示することができる。発生時間分布は歴史時間帯内の対応のイベントの発生頻度を指示する。該歴史時間帯の範囲は、ユーザによって検索条件において指定された時間範囲と同じであってもよく、異なってもよい。特に、いくつかの実施例では、歴史時間帯の範囲は検索条件において指定された時間範囲よりも多くてもよい。このように、ユーザにより包括的なイベント情報を提供することができる。
【0084】
図7Cは発生時間分布の例示的な提示を示す。該例では、イベントGのノード701-2が選択されたことが表示される。したがって、イベントGの発生時間分布721が表示される。さらに、ノード701-2が強調表示される。イベントMのノード701-6が選択されたことが表示される。したがって、イベントMの発生時間分布722が表示される。ノード701-6も強調表示される。
【0085】
このような実施例では、ユーザは複数のノードを順次表示し、対応のイベントの発生時間分布を順次表示する。ユーザは複数のノードを一度に選択し、対応のイベントの発生時間分布を同時に表示してもよい。ユーザに発生時間分布を提供することにより、ユーザはイベント発生時間の分布規律を把握することができる。また、イベント関係を有するイベントの発生時間分布が表示されることにより、ユーザはイベント間の関連度を直感的に把握することができる。例えば、図7Cの例では、発生時間分布721と722を比較することにより、ユーザは、イベントGの発生がすべてイベントMの発生につながるわけではないことが理解され得る。
【0086】
さらに、いくつかの実施例では、発生時間分布との対話を実施してもよい。例えば、ユーザは、あるまたはいくつかの歴史時間により注意を払い、そのためその歴史時間についてもっと情報を知りたいと思うかもしれない。このような場合、ある時間の発生時間分布について、ユーザは歴史時間帯内のある時間を選択することができる。電子装置150は該時間の選択を受信し、ソースとしての1つまたは複数のメディア内容を提示してもよい。すなわち、該時間における該イベントの発生は提示されるメディア内容から決定される。
【0087】
図7Dの例を参照する。ユーザは、時間703に発生したイベントMのより多くの詳細を把握するために、時間703を選択する。したがって、ソースとしてのメディア内容730が提示される。すなわち、メディア内容720から時間703にイベントMが発生したことが決定される。このように、ユーザはさらに検索することなく関心のイベントのより多くの情報を得ることができる。
【0088】
なお、図7A図7Dに示される目標事柄グラフ、メディア内容、発生時間分布などは単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、これらの例では、すべての要素が同一の概略図に示されているが、実際には、これらの要素の一部が異なるUIに表示され得ることを理解されたい。
【0089】
例示的な過程
図8は、本開示のいくつかの実施例による情報提示の過程800のフローチャートを示す。過程800は、電子装置150または電子装置120中の少なくとも1つにおいて実施され得る。
【0090】
ブロック810において、電子装置150は事柄グラフに対するクエリを受信する。クエリは少なくとも検索すべき目標イベントを指示する。
【0091】
ブロック820において、電子装置150は複数のノードおよび複数のノードを接続する少なくとも1つの有向エッジを含む目標事柄グラフをクエリの結果として提示する。複数のノードはそれぞれ目標イベントおよび目標イベントに関連する1つまたは複数のイベントを示し、少なくとも1つの有向エッジはそれぞれ接続されたノードで示されたイベント間のイベント関係を示す。
【0092】
ブロック830において、電子装置150は複数のノード中の少なくとも1つのノードに関して、少なくとも1つのノードがそれぞれ示す少なくとも1つのイベントの時間情報を提示する。
【0093】
いくつかの実施例では、時間情報を提示するために、電子装置150は複数のノード中の第1ノードの選択を受信し、第1ノードは第1イベントを示す。第1ノードが選択されたことに応答して、電子装置150は第1イベントに対する発生時間分布を提示し、発生時間分布は歴史時間帯内の第1イベントの発生頻度を示す。
【0094】
いくつかの実施例では、電子装置150は歴史時間帯内の第1時間の選択を受信することができる。第1時間が選択されたことに応答して、電子装置150は1つまたは複数のメディア内容を提示し、第1時間における第1イベントの発生は1つまたは複数のメディア内容から決定される。
【0095】
いくつかの実施例では、電子装置150は少なくとも1つの有向エッジ中の第1有向エッジの選択を受信し、第1有向エッジは第1イベント関係を示す。第1有向エッジが選択されたことに応答して、電子装置150は1つまたは複数のメディア内容を提示し、第1イベント関係は1つまたは複数のメディア内容から決定される。
【0096】
いくつかの実施例では、複数のノード中の第2ノードについて、電子装置150は第2ノードによって示される第2イベントが発生する第2時間を提示することができる。複数のノード中の第3ノードについて、電子装置150は第3ノードによって示される第3イベントが発生する第3時間を提示することができる。第2イベントは第3イベントと第2イベント関係を有し、第2時間と第3時間間の時間的順序は第2イベント関係を満たす。
【0097】
いくつかの実施例では、クエリは検索すべき時間範囲をさらに指示し、時間情報に含まれる時間は時間範囲内にある。
【0098】
いくつかの実施例では、目標事柄グラフは参照事柄グラフに基づいて決定され、参照事柄グラフ中の各ノードに該ノードによって示されるイベントの発生時間が関連付けられる。
【0099】
いくつかの実施例では、参照事柄グラフは以下のように構築され、メディア内容に対応する個別事柄グラフを生成し、個別事柄グラフは少なくとも第4イベントを示す第4ノード、第5イベントを示す第5ノードおよび第4イベントと第5イベント間の第3イベント関係を示す第3有向エッジを含み、第4イベント、第5イベントおよび第3イベント関係はメディア内容から決定され、メディア内容に基づいて、第4イベントが発生する第4時間および第5イベントが発生する第5時間が決定され、第4イベントと参照事柄グラフ中の第6ノードによって示される第6イベントの第1類似度、および第5イベントと参照事柄グラフ中の第7ノードによって示される第7イベントの第2類似度が決定され、第1類似度、第2類似度、第1閾値および第1閾値よりも小さい第2閾値に基づいて、第4時間と第5時間を利用して参照事柄グラフを更新する。構築は例えば電子装置120によって実行される。
【0100】
いくつかの実施例では、参照事柄グラフを更新するために、第1類似度が第1閾値を超え、第2類似度が第1閾値を超えることに応答して、第6ノードと第7ノード間に第3イベント関係を示す有向エッジを追加してもよい。参照事柄グラフに第6ノードに関連して第4時間を記憶してもよい。参照事柄グラフにおいて第7ノードに関連して第5時間を記憶してもよい。
【0101】
いくつかの実施例では、参照事柄グラフを更新する。第1類似度が第1閾値を超え、第2類似度が第2閾値未満であることに応答して、参照事柄グラフに第5イベントを示す第8ノードを追加してもよい。第6ノードと第8ノード間に第3イベント関係を示す有向エッジを追加してもよい。参照事柄グラフにおいて第6ノードに関連して第4時間を記憶してもよい。参照事柄グラフにおいて第8ノードに関連して第5時間を記憶してもよい。
【0102】
いくつかの実施例では、参照事柄グラフを更新するために、第1類似度と第2類似度がいずれも第1閾値と第2閾値間にあることに応答して、参照事柄グラフに個別事柄グラフを追加してもよい。参照事柄グラフに第4イベントと第6イベントが類似する指示および第5イベントと第7イベントが類似する指示を追加してもよい。参照事柄グラフにおいて第4ノードに関連して第4時間を記憶してもよい。参照事柄グラフにおいて第5ノードに関連して第5時間を記憶してもよい。
【0103】
例示的な装置
図9は、本開示を実施可能な1つまたは複数の実施例の電子装置900のブロック図である。なお、図9に示す電子装置900は単なる例示であり、本明細書に記載の実施例の機能および範囲を何らか限定するものではないことを理解されたい。図9に示す電子装置900は図1の電子装置120を実現するために使用されてもよい。
【0104】
図9に示すように、電子装置900は汎用電子装置の形態である。電子装置900の構成要素は、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニット910、メモリ920、記憶装置930、1つまたは複数の通信ユニット940、1つまたは複数の入力装置950および1つまたは複数の出力装置960を含むが、これらに限定されない。処理ユニット910は実際または仮想プロセッサであってもよく、メモリ920に記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。マルチプロセッサシステムでは、複数の処理ユニットはコンピュータ実行可能指令を並列に実行して、電子装置900の並列処理能力を高める。
【0105】
電子装置900は通常複数のコンピュータ記憶メディアを含む。このようなメディアは、電子装置900がアクセス可能な任意に入手可能なメディアであり得、揮発性および不揮発性メディア、取り外し可能および取り外し不可能なメディアを含むが、これらに限定されない。メモリ920は揮発性メモリ(例えばレジスタ、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ)またはそれらの組み合わせであってもよい。記憶装置930は、取り外し可能または取り外し不可能なメディアであってもよく、機器可読メディア、例えばフラッシュメモリドライブ、磁気ディスクまたは任意の他のメディアであってもよく、情報および/またはデータ(例えば訓練用の訓練データ)を記憶して電子装置900内でアクセス可能である。
【0106】
電子装置900は、別の取り外し可能/取り外し不可能な、揮発性/不揮発性記憶メディアをさらに含んでもよい。図9には図示されていないが、取り外し可能な不揮発性磁気ディスク(例えば「フロッピーディスク」)から読み取りまたは書き込み可能な磁気ディスクドライブ、および取り外し可能な不揮発性光ディスクから読み取りまたは書き込み可能な光ディスクドライブが提供されてもよい。これらの形態では、各ドライブは1つまたは複数のデータメディアインタフェースを介してバス(図示せず)に接続される。メモリ920は、1つまたは複数のプログラムモジュールを有するコンピュータプログラム製品925を含んでもよく、これらのプログラムモジュールは、本開示の各種実施例の各種方法または動作を実行するように構成される。
【0107】
通信ユニット940は通信メディアを介して他の電子装置と通信することができる。さらに、電子装置900の構成要素の機能は単一の計算クラスタまたは複数のコンピューティングマシンとして実装され得、これらのコンピューティングマシンは通信接続を介して通信することができる。したがって、電子装置900は、1つまたは複数の他のサーバー、ネットワークパーソナルコンピュータ(PC)または別のネットワークノードの論理接続を介してネットワーク化環境で動作することができる。
【0108】
入力装置950は、1つまたは複数の入力装置、例えばマウス、キーボード、トラッキングボールなどであってもよい。出力装置960は、1つまたは複数の出力装置、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンターなどであってもよい。電子装置900は、必要に応じて、通信ユニット940を介して記憶装置、表示装置などの1つまたは複数の外部装置(図示せず)、ユーザと電子装置900の相互作用のための1つまたは複数の装置、または電子装置900と1つまたは複数の他の電子装置との通信のための任意装置(例えば、ネットワークカード、モデムなど)と通信してもよい。このような通信は入力/出力(I/O)インタフェース(図示せず)を介して実行されてもよい。
【0109】
本開示の例示的な実施態様によれば、コンピュータ可読記憶メディアを提供し、コンピュータ実行可能指令が記憶され、コンピュータ実行可能指令がプロセッサによって実行されると上記した方法が実施される。本開示の例示的な実施態様によれば、コンピュータプログラム製品をさらに提供し、コンピュータプログラム製品は非一時的なコンピュータ可読メディアに有形に記憶され、コンピュータ実行可能指令を含み、コンピュータ実行可能指令がプロセッサによって実行されると上記した方法が実施される。
【0110】
ここで、本開示に従って実施される方法、装置、デバイスおよびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して本開示の各態様を説明する。なお、フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックおよびフローチャートおよび/またはブロック図中の各ブロックの組み合わせは、すべてコンピュータ可読プログラム指令によって実施され得る。
【0111】
これらのコンピュータ可読プログラム指令は汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置の処理ユニットに提供されて機器を製造し、これらの指令がコンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置の処理ユニットによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図中の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作の装置を実現する。これらのコンピュータ可読プログラム指令をコンピュータ可読記憶メディアに記憶してもよく、これらの指令によりコンピュータ、プログラマブルデータ処理装置および/または他の装置が特定の方法で動作し、指令が記憶されたコンピュータ可読メディアは、フローチャートおよび/またはブロック図中の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実現するための様々な指令を有する製造品を含む。
【0112】
コンピュータ可読プログラム指令がコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の装置にロードされ、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置または他の装置で一連の操作ステップが実行され、コンピュータの実装過程を生成し、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の装置で実行される指令は、フローチャートおよび/またはブロック図中の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実現する。
【0113】
添付図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本開示の複数の態様に従って実施され得るシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能および操作を示す。この点で、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックはモジュール、プログラムセグメントまたは指令の一部を示し、モジュール、プログラムセグメントまたは指令の一部は、指定された論理機能を実現するための1つまたは複数の実行可能指令を含む。いくつかの代替可能な態様では、ブロックに付けられた機能は添付図面に示す順序と異なる順序で発生することもある。例えば、連続的な2つのブロックは実質的に並列に実行され、かかる機能によって、逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート中の各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャート中のブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する専用ハードウェアに基づくシステムによって実現されてもよく、または専用ハードウェアとコンピュータ指令の組み合わせによって実現されてもよい。
【0114】
以上、本開示の各態様を説明したが、上記説明は例示的なものであり、網羅的なものではなく、開示された各態様に限定されない。説明された各態様の範囲および精神から逸脱しない限り、多くの修正および変更が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語の選択は、各態様の原理、実際応用または市場における技術の改良を最もよく説明するため、または当業者が本明細書で開示された各実施態様を理解できるように選択される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
【外国語明細書】