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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137849
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240927BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240927BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/041 512
G06F3/044 124
G06F3/046 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043487
(22)【出願日】2024-03-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0037850
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0080962
(32)【優先日】2023-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】513009370
【氏名又は名称】株式会社 ハイディープ
【氏名又は名称原語表記】HiDeep Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】キム,セヨブ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ボンキー
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヨンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ギドゥク
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミョンギュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フィンガー相互タッチ動作時に実際にタッチされていない領域で発生する正常でない弱いタッチ信号を予防し、タッチ駆動電極とタッチ受信電極でみられるキャパシタンスが顕著に増加することを防止できる電子デバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、電子デバイスを公開する。この装置は、センサ部及び制御部を含み、前記センサ部は、第1方向で延長形成される多数の第1パターンと、前記第1方向に延長形成され、前記第1パターンと隣接して配置され、一端が互いに電気的に連結された多数の第2パターンと、前記第1方向と垂直な第2方向で延長形成された多数の第3パターンと、前記第2方向に延長形成され、前記第3パターンと隣接して配置されて、一端が互いに電気的に連結された多数の第4パターンと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ部及び制御部を含み、
前記センサ部は、
第1方向に延長形成される多数の第1パターンと、
前記第1方向に延長形成され、前記第1パターンと隣接して配置されて、一端が互いに電気的に連結された多数の第2パターンと、
前記第1方向と垂直な第2方向に延長形成された多数の第3パターンと、
前記第2方向に延長形成され、前記第3パターンと隣接して配置されて、一端が互いに電気的に連結された多数の第4パターンと、を含むことを特徴とする、
電子デバイス。
【請求項2】
前記制御部は、相互センシングモードで前記センサ部を制御するものであり、
前記相互センシングモードは、前記制御部が前記多数の第1パターンでタッチ駆動信号を印加し、前記多数の第3パターンからタッチ感知信号を受信するモードであり、
前記相互センシングモードにおいて、前記制御部は、
前記多数の第2パターンで前記タッチ駆動信号を印加したり、前記多数の第2パターンを電気的に接地させたり、前記多数の第2パターンを電気的にフローティングさせるように構成され、
前記多数の第4パターンからタッチ感知信号を受信したり、前記多数の第4パターンを電気的に接地させたり、前記多数の第4パターンを電気的にフローティングさせるように構成された、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記制御部は、セルフセンシングモードで前記センサ部を制御するものであり、
前記セルフセンシングモードは、前記制御部が前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンそれぞれにタッチ駆動信号を印加し、前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンそれぞれからタッチ感知信号を受信するモードである、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記セルフセンシングモードにおいて、前記制御部は、
前記多数の第2パターンに前記タッチ駆動信号を印加したり、前記多数の第2パターンを電気的に接地させたり、前記多数の第2パターンを電気的にフローティングさせるように構成され、
前記多数の第4パターンに前記タッチ駆動信号を印加したり、前記多数の第4パターンを電気的に接地させたり、前記多数の第4パターンを電気的にフローティングさせるように構成された、
請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記制御部は、スタイラスペンを駆動させるためのアップリンクモードで動作されるように前記センサ部を制御するものであり、
前記アップリンクモードにおいて、前記制御部は、
前記多数の第2パターンで前記スタイラスペンを駆動させるためのペン駆動信号を印加するように構成され、
前記多数の第1パターンに前記ペン駆動信号を印加したり、前記多数の第1パターンを電気的にフローティングさせるように構成され、
前記多数の第3パターン及び前記多数の第4パターンを電気的に接地させたり、前記多数の第3パターン及び前記多数の第4パターンを電気的にフローティングさせるように構成された、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記制御部は、スタイラスペンのタッチ位置をセンシングするためのダウンリンクモードで動作されるように前記センサ部を制御するものであり、
前記ダウンリンクモードにおいて、前記制御部は、
前記多数の第1パターンと前記多数の第3パターンから前記スタイラスペンのペン感知信号を受信するように構成され、
前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンから前記ペン感知信号を受信したり、前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンを電気的に接地又は電気的にフローティングさせるように構成された、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記制御部は、スタイラスペンのタッチ位置をセンシングするためのダウンリンクモードで動作するように前記センサ部を制御するものであり、
前記ダウンリンクモードにおいて、前記制御部は、
前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンから前記スタイラスペンのペン感知信号を受信するように構成され、
前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンから前記ペン感知信号を受信したり、前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンを電気的に接地又はフローティングさせるように構成された、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記多数の第1ないし第4パターンは、同一の層に互いに離隔して配置された、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記セルフセンシングモードにおいて、前記制御部は、
前記多数の第2パターンに前記タッチ駆動信号を印加し、前記多数の第4パターンに前記タッチ駆動信号を印加するように構成された、
請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記相互センシングモードにおいて、前記制御部は、
前記多数の第2パターンを電気的に接地させ、前記多数の第4パターンを電気的に接地させるように構成された、
請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記制御部は、
前記多数の第1パターンないし前記多数の第4パターンとの連結に対し、
(a)前記多数の第1パターン、前記多数の第2パターン、及び前記多数の第3パターンと連結された場合と、
(b)前記多数の第1パターンないし前記多数の第4パターンの全てと連結された場合と、
(c)前記多数の第1パターン、前記多数の第3パターン、及び前記多数の第4パターンと連結された場合と、
(d)前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンと連結された場合、
(e)前記多数の第1パターン、前記多数の第2パターン、及び前記多数の第4パターンと連結された場合と、
(f)前記多数の第2パターン、前記多数の第3パターン、及び前記多数の第4パターンと連結された場合と、
(g)前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンと連結された場合
のいずれか一つの場合で設定されることを特徴とする、
請求項1に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスに関するものであって、特にフィンガータッチ動作時に実際にタッチされていない領域で発生する正常でないタッチ信号を防止し、ペン駆動電極及びペン受信電極が接地される場合に発生するカップリングキャパシタンス及び相互キャパシタンスを防止することができる電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スマートフォン又はタブレットPCの普及が活発に進んでおり、内蔵される接触位置測定装置に対する技術の開発も活発に進んでいる。
【0003】
スマートフォン又はタブレットPCは、主にタッチスクリーンを備えており、使用者は、指又はスタイラスペンを用いてタッチスクリーンの特定座標を指定することができる。使用者は、タッチスクリーンの特定座標を指定することにより、スマートフォンに特定の信号を入力することができる。
【0004】
タッチスクリーンは、電気的方式、赤外線方式、及び超音波方式などに基づいて動作することができ、Rタイプタッチスクリーン(resistive touch screen)又はCタイプタッチスクリーン(capacitive touch screen)を電気的動作方式の例として挙げることができる。
【0005】
従来には、タッチスクリーンのうち使用者の指及びスタイラスペンを同時に認識することができるRタイプタッチスクリーンが多く利用された。しかし、Rタイプタッチスクリーンの場合、ITO層の間の空気層による反射による問題点が存在した。
【0006】
これにより、最近ではCタイプタッチスクリーンが多く適用されている。
【0007】
ここで、Cタイプタッチスクリーンは、物体の接触によって発生する透明電極の静電容量の差を感知する方式で作動するタッチスクリーンである。
【0008】
しかし、Cタイプタッチスクリーンは、手とペンの物理的な区分が難しく、ペン使用時に意図しない手の接触による動作エラーを有する短所があった。
【0009】
このような短所を改善するために、従来には接触面積に応じて手とペンを区分するソフトウェアのみで処理する方法、及びCタイプタッチスクリーン以外にEMR(electromagnetic resonance)方式と同じ別途の位置測定装置を備える方法などを用いて手とペンを区分した。
【0010】
すなわち、EMR方式は、タッチとディスプレイが動作をする間、スタイラスペンを用いてタッチ機能を利用する際に、駆動力(Driving Force)を電場の代わりに磁場を使用することにより、ディスプレイ及び外部ノイズに鈍感な長所を有している。
【0011】
しかし、この技術は、磁場を作ってスタイラスペンに伝達し、スタイラスペンで生成された磁場を再び受けるために、追加的な別途のFPCBで作製されたセンサフィルムを作ってディスプレイの裏面に付着しなければならない。
【0012】
この部品は、デジタイザー(digitizer)であって、磁場を発生させるスタイラスペンの位置が移動すれば相互作用で発生した磁場の変化を別途のEMR ICが感知する原理である。
【0013】
図1は、従来の電子デバイス内のフレキシブルディスプレイパネル上でスタイラスペン10の位置によってCVA(Capacitance to Voltage Amplifier)の出力電圧(Vout)が変わることを説明するための概略的な図面である。
【0014】
図1を参照すると、フレキシブルディスプレイパネル上のペン10の位置によってCVAの出力が異なって出てくる原因は、感知ライン上でペン10を中心とした両側のインピーダンス(impedance)比率が変わることにある。
【0015】
従来のフレキシブルディスプレイパネルの長軸基準で、メタルメッシュ(Metal Mesh)タッチセンサの抵抗Rは約1.2k(ohm)であり、キャパシタCは約250pFである。
【0016】
10個の分散モデル(distributed model)基準で、駆動周波数300kHzではキャパシタ(capacitor)のインピーダンス(impedance)が抵抗より約200倍(120(ohm) vs.1/(2π*300k*25pF)=21k(ohm))さらに大きい。したがって、キャパシタが主要な要素となる。
【0017】
図2は、図1においてペン10の位置によってCVAの出力電圧(Vout1,Vout2)が異なるということを電流センシング(current sensing)を介して説明するための図面である。
【0018】
図3は、図1においてペン10の位置によってCVAの出力電圧(Vout1,Vout2)が異なるということを電圧センシング(voltage sensing)を介して説明するための図面である。
【0019】
図2及び図3を参照すると、感知ライン上でペン10の位置によって、CVAの出力電圧が異なる。すなわち、感知回路部50側にペン10が近いほどCVAの出力電圧が大きく、感知回路部50側から離れるほどCVAの出力電圧が小さくなる。
【0020】
ところで、キャパシティブカップリング現象によってタッチ駆動電極と隣接したタッチ受信電極の間にタッチ駆動カップリング及び/又はタッチ受信カップリングが発生し、実際にタッチされていない領域のタッチ駆動電極と隣接したタッチ受信電極との間に正常でない弱いタッチ信号が発生する場合があった。
【0021】
また、ペン受信電極が上下に分かれて電気的に連結されている関係で、カップリング量が異なって現れるに従って正常でない段差が発生することになる問題点があった。
【0022】
また、セルフセンシングモードの動作時に、ペン駆動電極及びペン受信電極が接地される場合、電極間のカップリングキャパシタンス及び相互キャパシタンスによってタッチ駆動電極とタッチ受信電極で見られるキャパシタンスが顕著に増加する問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】JP2005-529414 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明が解決しようとする課題は、フィンガー相互タッチ動作時に実際にタッチされていない領域で発生する正常でない弱いタッチ信号を予防し、タッチ駆動電極とタッチ受信電極で見られるキャパシタンスが顕著に増加することを防止できる電子デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の実施形態による電子デバイスは、センサ部及び制御部を含み、前記センサ部は、第1方向に延長形成される多数の第1パターンと、前記第1方向に延長形成され、前記第1パターンと隣接して配置されて、一端が互いに電気的に連結された多数の第2パターンと、前記第1方向と垂直な第2方向に延長形成された多数の第3パターンと、前記第2方向に延長形成され、前記第3パターンと隣接して配置されて、一端が互いに電気的に連結された多数の第4パターンと、を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記制御部は、第1タッチ電極にタッチ駆動信号の印加を受け、第2タッチ電極からタッチ感知信号が出力される相互センシングモードで前記センサ部が動作されるように制御するものであり、前記制御部は、前記多数の第1パターンで前記タッチ駆動信号を印加し、前記多数の第3パターンを介して前記タッチ感知信号を受信して、前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンにペン駆動信号、ペン感知信号、接地、及びフローティングのいずれか一つを印加することを特徴とする。
【0027】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記制御部は、一つの電極でタッチ駆動信号の印加を受けタッチ感知信号が出力されるセルフセンシングモードで前記センサ部が動作されるように制御するものであり、前記制御部は、前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンを介して前記タッチ駆動信号を印加し、前記タッチ感知信号を受信することを特徴とする。
【0028】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記制御部は、前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンにタッチ駆動信号、接地、及びフローティングのいずれか一つを印加することを特徴とする。
【0029】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記制御部は、スタイラスペンを駆動させるためのアップリンクモードで動作されるように制御するものであり、前記制御部は、前記多数の第2パターンで前記スタイラスペンを駆動させるためのペン駆動信号を印加し、前記多数の第1パターン、前記多数の第3パターン、及び前記多数の第4パターンにタッチ駆動信号、接地、及びフローティングのいずれか一つを印加することを特徴とする。
【0030】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記制御部は、前記スタイラスペンのタッチ位置をセンシングするためのダウンリンクモードで動作されるように制御するものであり、前記制御部は、前記多数の第1パターンと前記多数の第3パターンを介して前記スタイラスペンからのペン感知信号を受信する場合、前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンに、タッチ感知信号受信、接地、及びフローティングのいずれか一つを印加することを特徴とする。
【0031】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記制御部は、前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンにペン感知信号を受信する場合、前記多数の第1パターン及び前記多数の第2パターンにタッチ受信信号、接地、及びフローティングのいずれか一つを印加することを特徴とする。
【0032】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記多数の第1ないし第4パターンは、同一の層に離隔して配置されることを特徴とする。
【0033】
本発明の実施形態による電子デバイスは、前記セルフセンシングモードの動作時に前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンが動作する時、前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンにおいても共に駆動をさせることを特徴とする。
【0034】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記多数の第1パターンは、前記タッチ駆動信号が印加される前記タッチ駆動電極で動作し、前記多数の第2パターンは、ペン駆動信号が印加されるペン駆動電極で動作し、前記多数の第3パターンは、前記タッチ感知信号が印加される前記タッチ受信電極で動作し、前記多数の第1パターンないし前記多数の第4パターンは、ペン感知信号が印加されるペン受信電極で動作することを特徴とする。
【0035】
本発明の実施形態による電子デバイスの前記制御部は、前記多数の第1パターンないし前記多数の第4パターンとの連結に対して、前記多数の第1パターン、前記多数の第2パターン及び前記多数の第3パターンと連結された場合と、前記多数の第1パターンないし前記多数の第4パターンの全てと連結された場合と、前記多数の第1パターン、前記多数の第3パターン及び前記多数の第4パターンと連結された場合と、前記多数の第1パターン及び前記多数の第3パターンと連結された場合と、前記多数の第1パターン、前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンと連結された場合と、前記多数の第2パターン、前記多数の第3パターン及び前記多数の第4パターンと連結された場合と、前記多数の第2パターン及び前記多数の第4パターンと連結された場合、のいずれか一つの場合で設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
本発明による場合、電子デバイスにおいて、フィンガー相互タッチ動作時にタッチ信号が感知される時、実際にタッチされていない領域で発生する正常でない弱いタッチ信号を事前に予防することができる。
【0037】
また、駆動電極で駆動信号の印加を受け受信電極から感知信号が出力される相互センシングモードにおいて、多数のペン駆動電極及び多数のペン受信電極を接地させることにより、他のペン駆動電極及び/又はペン受信電極にタッチ信号が正常的でなく移ることを最小化させることができる。
【0038】
また、一つの電極で駆動信号の入力と感知信号の出力が同時に遂行されるセルフセンシングモードにおいて、ペン駆動電極及びペン受信電極が接地される場合、タッチ駆動電極とタッチ受信電極で見られる寄生キャパシタンスが顕著に増加することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、従来の電子デバイス内のフレキシブルディスプレイパネル上でスタイラスペン10の位置によってCVA(Capacitor Voltage Amplitude)の出力電圧(Vout)が変わることを説明するための概略的な図面である。
図2図2は、図1でペン10の位置によってCVAの出力電圧(Vout1,Vout2)が異なるということを電流センシング(current sensing)を介して説明するための図面である。
図3図3は、図1でペン10の位置によってCVAの出力電圧(Vout1,Vout2)が異なるということを電圧センシング(voltage sensing)を介して説明するための図面である。
図4図4は、本発明の一実施形態による電子デバイス内のセンサ部100の概略的な構成図である。
図5図5は、図4に示されたセンサ部100のうちタッチ入力センサパターンの一部の平面図である。
図6図6は、図5に示されたタッチ入力センサパターンの間に発生するキャパシタンスを表示したタッチ入力センサパターンの一部の平面図である。
図7図7は、図6に示されたタッチ入力センサパターンの一部の等価回路図である。
図8図8は、図6に示されたタッチ入力センサパターンのうちタッチされていない領域までタッチ受信信号が感知される場合を示したタッチ入力センサパターンの一部の平面図である。
図9図9は、図6に示されたタッチ入力センサパターンにおいて、フィンガー相互タッチ動作時にタッチ信号がシングルでタッチ受信された場合(a)と、差動でタッチ受信された場合(b)に、感知されるタッチ信号の静電容量の変化量を示す表である。
図10図10は、図6に示されたタッチ入力センサパターンにおいて、フィンガー相互タッチ動作時にタッチ信号が差動でタッチ受信された場合(a)と、シングルでタッチ受信された場合(b)に、測定されるタッチ信号の静電容量の変化を示すグラフである。
図11図11は、本発明の一実施形態により、正常でないタッチ信号の発生を防止するために、フィンガータッチする場合に設定される電子デバイス内の各電極の制御状態に対する表である。
図12図12は、本発明の一実施形態により、正常でないタッチ信号の発生を防止するために、スタイラスペンタッチする場合に設定される電子デバイス内の各電極の制御状態に対する表である。
図13図13は、本発明の一実施形態による電子デバイスの全体構成図である。
図14図14は、図13に示された電子デバイス内のタッチ入力センサパターンの一部の平面図である。
図15図15は、フィンガータッチのセルフセンシングモードにおいて、第1ペン電極(STX)及び第2ペン電極(SRX)が接地する場合、発生する問題点を説明するための回路図である。
図16図16は、図15に示された回路図で発生する問題点に対して、本発明の解決手段について説明するための回路図である。
図17図17は、スタイラスペンタッチの場合、本発明のアップリンクモードで各電極の動作を説明するための概略的な構成図である。
図18図18は、スタイラスペンタッチの場合、本発明のダウンリンクモードで各電極の動作を説明するための概略的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これら実施形態は、当業者が本発明を実施するのに十分なように詳細に説明される。本発明の多様な実施形態は互いに異なるが、相互排他的である必要はないことが理解されなければならない。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造、及び特性は、一実施形態に関連して本発明の精神及び範囲を逸しないながらも他の実施形態で具現され得る。また、それぞれの開示された実施形態内の個別の構成要素の位置又は配置は、本発明の精神及び範囲を逸しないながらも変更され得ることが理解されなければならない。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として取ろうとするのではなく、本発明の範囲は、適切に説明されるならば、その請求項が主張することと均等な全ての範囲とともに添付された請求項によってのみ限定される。図面において類似の参照符号は、様々な側面にわたって同一又は類似の機能を指称する。
【0041】
本文書の多様な実施形態による電子デバイスは、通常のスマートフォンのような電子デバイスであってもよく、通常のスマートフォンの画面より相対的にさらに大きい長方形の画面を有し、対角の長さが約10インチ以上13インチの間の電子デバイスであってよい。例えば、フォルダー式スマートフォン(smartphone)、タブレットPC(tablet personal computer)、車両用ディスプレイ装置、電子ブックリーダー機(e-book reader)、ラップトップPC(laptop personal computer)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0042】
また、本発明の多様な実施形態による電子デバイスは、画面上に位置した指のようなオブジェクトの位置を検出できるだけでなく、スタイラスペンを駆動するための駆動信号を出力し、スタイラスペンから放出される信号を感知して画面上に位置したスタイラスペンの位置を検出することができる。
【0043】
以下では、様々な実施形態を、添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態による電子デバイス内のセンサ部100の概略的な構成図である。
【0045】
図5は、図4に示されたセンサ部100のうちタッチ入力センサパターンの一部の平面図である。
【0046】
本発明の一実施形態による電子デバイスは、ポートレート(portrait)タイプの電子デバイスである。このようなポートレートタイプの電子デバイスは幅が高さより小さく、センサ部100を制御する制御部(図示せず)がセンサ部100の下に配置される。例えば、スマートフォンの形状に対応する。
【0047】
センサ部100は、画面上に位置した指のようなオブジェクトの位置を検出できるだけでなく、画面上に位置したスタイラスペンを駆動させることができ、スタイラスペンから放出される信号を感知して画面上に位置したスタイラスペンの位置を検出することができる。
【0048】
センサ部100は、多数のパターン(又は、多数の電極)を含む。
【0049】
センサ部100は、多数の第1ないし第4パターン101,102,103,104を含んでよい。
【0050】
図4に見るように、第1パターン101は、任意の第1方向yに沿って延びた形状を有する。第1方向は、電子デバイスの画面の長軸方向であってよい。第1パターン101は、TX(第1タッチ電極又はタッチ駆動電極)とも命名することができる。
【0051】
第2パターン102は、第1方向yに沿って延びた形状を有し、第1パターン101に隣接して配置され、第1パターン101と所定の間隔離れて配置される。第2パターン102は、STX(Stylus TX、第1ペン電極又はペン駆動電極)とも命名することができる。
【0052】
第3パターン103は、第1方向と異なる第2方向xに沿って延びた形状を有する。第2方向xは、第1方向yと垂直な方向であってよく、電子デバイスの画面の短軸方向であってよい。第3パターン103は、RX(第2タッチ電極又はタッチ受信電極)とも命名することができる。
【0053】
第4パターン104は、第2方向yに沿って延びた形状を有し、第3パターン103に隣接して配置され、第3パターン103と所定の間隔離れて配置される。第4パターン104は、SRX(Stylus RX、第2ペン電極又はペン受信電極)とも命名することができる。
【0054】
第3及び第4パターン103,104は、第1及び第2パターン101,102と同一の層に配置され、第1及び第2パターン101,102と所定の間隔離れて配置される。
【0055】
多数の第1パターン101は第2方向xに沿って配列され、多数の第2パターン102も第2方向xに沿って配列される。多数の第3パターン103は第1方向yに沿って配列され、多数の第4パターン104も第1方向yに沿って配列される。
【0056】
第1パターン101が第1方向yに沿って延び、第3パターン103が第2方向xに沿って延び、第1方向yが第2方向xよりさらに長いため、多数の第1パターン101の個数は多数の第3パターン103の個数より少ない。したがって、多数の第1パターン101のチャネル(Channel)数は、多数の第3パターン103のチャネル数より少ない。
【0057】
ここで、多数の第1パターン101の個数と多数の第3パターン103の個数は、電子デバイスの画面の大きさによって増加してもよく、減少してもよい。
【0058】
多数の第2パターン102は多数の第1パターン101と同一の個数で構成されてよい。多数の第2パターン102それぞれの他端は、伝導性パターンを介して電気的に連結される。ここで、伝導性パターンは、メタルメッシュ(Metal Mesh)又はシルバートレース(Silver Trace)であってよい。
【0059】
図5に示されたように、多数の第2パターン102のうち互いに隣接した2以上の第2パターン102の一端が伝導性パターンを介して電気的に連結されてよい。
【0060】
再び、図4を参照すると、多数の第3パターン103が第1方向yに沿って配列されるので、多数の第3パターン103の個数は多数の第1パターン101の個数より多い。したがって、多数の第3パターン103のチャネル数は、多数の第1パターン101のチャネル数より多い。
【0061】
多数の第4パターン104は、多数の第3パターン103と同一の個数で構成されてよい。多数の第4パターン104それぞれの他端は、伝導性パターンを介して電気的に連結される。
【0062】
このような図4に示された電子デバイスのセンサ部100において、多数の第1パターン101と多数の第3パターン103は、基本的に指のようなオブジェクトのタッチをセンシングする。
【0063】
このため、多数の第1パターン101は、タッチ駆動信号が印加されるタッチ駆動電極で動作し、多数の第3パターン103は、タッチ感知信号が受信されるタッチ受信電極(又は、タッチ感知電極)で動作することができる。もちろん、反対にも動作することができる。
【0064】
図4に示された電子デバイスのセンサ部100がスタイラスペンを駆動(driving)とセンシング(sensing)するために、多数の第1ないし第4パターン101,102,103,104が多様な組み合わせとして用いられてよい。
【0065】
多数の第1パターン101と多数の第3パターン103は、指のようなオブジェクトのタッチをセンシングする。
【0066】
具体的に、多数の第1パターン101は、タッチ駆動電極として動作し、多数の第3パターン103は、タッチ受信電極として動作する。
【0067】
また、多数の第1ないし第4パターン101,102,103,104のうちの一つ又は2つは、スタイラスペンを駆動させるためのスタイラス駆動電極で動作することができる。第1ないし第4パターン101,102,103,104のうちの一つ又は二つのパターンを用いて、スタイラスペンを駆動させるための電流ループを形成することができる。
【0068】
X軸駆動は、多数の第1パターン101と多数の第2パターン102のいずれか一つ、Y軸駆動は、多数の第3パターン103と多数の第4パターン104のいずれか一つであってよい。
【0069】
スタイラスペンの駆動は、X軸駆動とY軸駆動のいずれか一つでも可能であり、二つ全てでも可能である。
【0070】
多数の第1ないし第4パターン101,102,103,104のうちの二つは、スタイラスペンから放出されるスタイラスペン信号をセンシングするペン感知電極で動作することができる。
【0071】
スタイラスペン信号をセンシングするためには、X軸センシングとY軸センシングが共に必要なので、多数の第1ないし第4パターン101,102,103,104のうち二つのパターンを用いる。
【0072】
X軸センシングは、多数の第1パターン101と多数の第2パターン102のいずれか一つであってよく、Y軸センシングは、多数の第3パターン103と多数の第4パターン104のいずれか一つであってよい。
【0073】
図5を参照すると、センサ部100Aは多数の第1ないし第4パターン101A,102A,103A,104Aを含む。多数の第1ないし第4パターン101A,102A,103A,104Aは、同一層に共に配置される。
【0074】
第1パターン101Aは、第1方向(長手方向)に沿って延びた形状を有する。第1方向は、電子デバイスの画面の長軸方向であってよい。第1パターン101Aは、TXとも命名することができる。
【0075】
第1パターン101Aは、多数のメインパターン部と多数のメインパターン部のうち互いに隣接した2つのメインパターン部との間を連結する連結パターン部を含んでよい。ここで、メインパターン部はダイヤモンド形状を有してよいが、これに限定するのではなく、多様な形状として連結パターン部と他の形状を有してよい。
【0076】
第1パターン101Aは、第1パターン101Aに隣接して第2パターン102Aが配置される開口部を有してよい。開口部の形状は、第1パターン101Aの外形と対応することができる。第1パターン101Aは、第2パターン102Aを囲む構造を有してよい。第1パターン101Aは、第2パターン102Aから所定の間隔離れて配置される。
【0077】
第2パターン102Aは、第1方向に沿って延びた形状を有し、第1パターン101Aに隣接して配置され、第1パターン101Aと所定の間隔離れて配置される。第2パターン102Aは、STX(Stylus TX)とも命名することができる。
【0078】
第2パターン102Aは、第1パターン101Aに隣接して配置される。
【0079】
第2パターン102Aは、多数のメインパターン部と多数のメインパターン部のうち互いに隣接した2つのメインパターン部との間を連結する連結パターン部を含んでよい。ここで、メインパターン部はダイヤモンド形状を有してよいが、これに限定するのではなく、多様な形状として連結パターン部と他の形状を有してよい。
【0080】
第2パターン102Aのメインパターン部は、第1パターン101Aのメインパターン部と対応する形状であってよく、第2パターン102Aの連結パターン部は、第1パターン101Aの連結パターン部と対応する形状であってよい。
【0081】
第3パターン103Aは、第1パターン101Aの一つの連結パターン部を基準として左右にそれぞれ一つずつ配置される。第3パターン103Aはダイヤモンド形状を有してよいが、これに限定するのではなく、多様な形状として連結パターン部と他の形状を有してよい。
【0082】
第3パターン103Aは、第3パターン103Aに隣接して第4パターン104Aが配置される開口部を有してよい。開口部の形状は、第3パターン103Aの外形と対応することができる。第3パターン103Aは、第4パターン104Aを囲む構造を有してよい。第3パターン103Aは、第4パターン104Aから所定の間隔離れて配置される。第3パターン103AはRXとも命名することができ、第4パターン104AはSRX(Stylus RX)とも命名することができる。
【0083】
多数の第3パターン103Aのうち第1方向に垂直な第2方向(幅方向)に沿って延びた第3パターンは、第3導電性パターンD3によって電気的に連結される。
【0084】
第3導電性パターンD3は、互いに隣り合った二つの第3パターンの間に配置された第1パターン101Aの連結パターン部を交差するように配置される。
【0085】
多数の第4パターン104Aのうち第1方向に垂直な第2方向に沿って延びた第4パターンは、第4導電性パターンD4によって電気的に連結される。
【0086】
第4導電性パターンD4は、互いに隣り合った二つの第4パターンの間に配置された第1パターン101Aの連結パターン部を交差するように配置される。また、第4導電性パターンD4は、第1方向に沿って延びた第4パターン104Aを電気的に連結する。
【0087】
多数の第1ないし第4パターン101A,102A,103A,104Aは、同一層である第1層に共に配置されるものであり、互いに離隔して配置される。
【0088】
一方、「アップリンク(uplink)信号」とは、スタイラスペンを駆動させるための駆動信号を意味する。同一のスタイラスペン駆動信号を多数の第1パターン101と多数の第2パターン102にそれぞれ印加してスタイラスペンで受信される信号の大きさを比較してみれば、多数の第2パターン102にスタイラスペン駆動信号を印加した場合が、多数の第1パターン101にスタイラスペン駆動信号を印加した場合よりアップリンク信号が相対的にさらに大きい。
【0089】
なぜならば、多数の第2パターン102は他端が電気的に連結されていて、スタイラスペン駆動信号が印加される2以上の第2パターンを適切に選択すれば少なくとも1以上の電流ループが形成されているが、多数の第1パターン101の他端は互いに電気的に連結されておらず、電流ループが形成できないためである。
【0090】
各第1パターン101で電流が流れる場合、各第1パターン101のRCがチャージングされるので、各第1パターン101の一端から他端に行くほど電流がよく流れることができない。
【0091】
また、多数の第1パターン101を介して印加されるスタイラスペン駆動信号は、キャパシティブカップリングを介して電流ループが形成された多数の第2パターン102に伝達されるが、この時、キャパシティブカップリングによって信号減衰が生じるためである。
【0092】
同様に、多数の第4パターン104にスタイラスペン駆動信号を印加した場合が、多数の第3パターン103にスタイラスペン駆動信号を印加した場合より、アップリンク信号が相対的にさらに大きい。
【0093】
一方、「ダウンリンク(downlink)信号」とは、スタイラスペンから受信されるスタイラスペン信号を意味する。
【0094】
同一のスタイラスペン信号を多数の第1パターン101と多数の第2パターン102を介してそれぞれ受信して信号の大きさを比較してみれば、多数の第2パターン102を介してスタイラスペン信号を受信した場合が、多数の第1パターン101を介してスタイラスペン信号を受信した場合より、ダウンリンク信号が相対的にさらに大きい。
【0095】
その理由は、多数の第2パターン102は他端が電気的に連結されていて電流ループが形成されているが、多数の第1パターン101は他端が互いに電気的に連結されておらず、特に、キャパシティブカップリングを介して電流ループが形成された多数の第2パターン102からスタイラスペン信号が多数の第1パターン101に伝達されるので、この時、ダウンリンク信号の減衰が生じるためである。
【0096】
同様に、多数の第4パターン104を介してスタイラスペン信号を受信した場合が、多数の第3パターン103を介してスタイラスペン信号を受信した場合より、ダウンリンク信号が相対的にさらに大きい。
【0097】
図6は、図5に示されたタッチ入力センサパターンの間に発生するキャパシタンスを表示したタッチ入力センサパターンの一部の平面図であって、Cは相互キャパシタンス、Cは各電極と接地との間のキャパシタンス、Cはカップリングキャパシタンスを意味する。
【0098】
図7は、図6に示されたタッチ入力センサパターンの一部の等価回路図である。
【0099】
例えば、図6及び図7において、Cm,TX-Rxは、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXとの間の相互キャパシタンスを指し、Cb,TXは、第1タッチ電極TXと接地との間のキャパシタンスを指し、Cc,TX-STXは、第1タッチ電極TXと第1ペン電極STXとの間のカップリングキャパシタンスを指す。
【0100】
ところで、図6に示されたタッチ入力センサパターンにおいて、フィンガー相互タッチ動作時に、所定の位置にタッチ動作信号が印加された場合、次のような問題が発生する。
【0101】
図8は、図6に示されたタッチ入力センサパターンのうちタッチされていない領域までタッチ受信信号が感知される場合を示したタッチ入力センサパターンの一部の平面図である。
【0102】
図8に見るように、第1-1タッチ電極TX1と第2-1タッチ電極RX1との間にフィンガータッチがある場合、一般的に第1-1タッチ電極TX1と第2-1タッチ電極RX1との間に正常な正常タッチ信号が発生する。
【0103】
ところで、キャパシティブカップリング現象によって主に第1タッチ電極TXと第1ペン電極STX、第2タッチ電極RXと第2ペン電極SRXとの間にタッチ駆動カップリング及び/又はタッチ受信カップリングが発生して、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXとの間に正常でない弱いタッチ信号が発生することがある。
【0104】
先ず、タッチ駆動カップリングが発生する経路は、次の通りである。
【0105】
第1-1タッチ電極TX1が駆動されれば、第1-1タッチ電極TX1と第1-1ペン電極STX1との間にキャパシティブカップリング現象によって駆動信号がカップリングされる。
【0106】
この時、すべての第1ペン電極STXは、図4に見るように、電気的に連結されているので、第1-1タッチ電極TX1と第1-1ペン電極STX1との間の前記駆動信号カップリングによって第1-2タッチ電極TX2と第1-2ペン電極STX2との間にも駆動信号カップリングが発生する。
【0107】
これにより、第1-2タッチ電極TX2と、これと隣接した第2-1タッチ電極RX1との間に相互キャパシタンスCmでカップリングが発生し、最終的に第1-2タッチ電極TX2と第2-1タッチ電極RX1との間に正常でない弱いタッチ信号が発生することになる。
【0108】
次に、タッチ受信カップリングが発生する経路は、次の通りである。
【0109】
第1-1タッチ電極TX1が駆動されれば、第1-1タッチ電極TX1と第2-1タッチ電極RX1との間に相互キャパシタンスCmで駆動信号カップリングが発生する。
【0110】
また、第2-1タッチ電極RX1と第2-1ペン電極SRX1との間にカップリングキャパシタンスCcで駆動信号カップリングが発生する。
【0111】
ところで、第2ペン電極SRXは、図4に見るように、上下に分かれて電気的に連結されているので、カップリング量が異なるように表われることにより、正常でない段差が発生することになる。
【0112】
すなわち、第2-2ペン電極SRX2は、第2-1ペン電極SRX1で発生した駆動信号カップリングにより、第2-2タッチ電極RX2の間でもキャパシティブカップリング現象によって駆動信号がカップリングされる。
【0113】
これにより、第2-2タッチ電極RX2と第1-1タッチ電極TX1との間に相互キャパシタンスCmでカップリングが発生し、第2-2タッチ電極RX2と第1-1タッチ電極TX1との間に正常でない弱いタッチ信号が発生するようになり、最終的に前記正常でない段差が発生することになる。
【0114】
実際の実験結果、図6に示されたタッチ入力センサパターンにおいて、フィンガー相互タッチ動作時、タッチ信号がシングルでタッチ受信された場合と、差動(differential)でタッチ受信された場合に、後述する図8でのように、実際にタッチされていない領域でタッチ信号が感知されることを確認することができた。
【0115】
図9は、図6に示されたタッチ入力センサパターンにおいて、フィンガー相互タッチ動作時、タッチ信号がシングルでタッチ受信された場合(a)と、差動でタッチ受信された場合(b)に、感知されるタッチ信号の静電容量の変化量を示す表である。
【0116】
図10は、図6に示されたタッチ入力センサパターンにおいて、フィンガー相互タッチ動作時、タッチ信号が差動でタッチ受信された場合(a)と、シングルでタッチ受信された場合(b)に、測定されるタッチ信号の静電容量の変化を示すグラフである。
【0117】
図9に見るように、シングルでタッチ受信された場合(a)、タッチ駆動カップリング及びタッチ受信カップリングが共通して発生した領域(点線で表示された円)でタッチ信号の静電容量の変化量が大きいことを確認することができる。
【0118】
また、差動でタッチ受信された場合(b)、実際にタッチされていない領域(点線で表示された円)でも、タッチ信号の静電容量の変化量が大きく示されることを確認することができる。
【0119】
図10に見るように、フィンガー相互タッチ信号が差動でタッチ受信された場合(a)に、タッチ信号の静電容量の変化が(-)から(+)に変化し、シングルでタッチ受信された場合(b)に、正常でない段差が発生することを確認することができる。
【0120】
そこで、本発明は、フィンガー相互タッチ動作時、後述するように、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXを接地させることにより、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXとの間に正常でない弱いタッチ信号が発生することを防止する。
【0121】
図11は、本発明の一実施形態により、正常でないタッチ信号の発生を防止するために、フィンガータッチする場合に設定される電子デバイス内の各電極の制御状態に対する表である。
【0122】
図12は、本発明の一実施形態により、正常でないタッチ信号の発生を防止するために、スタイラスペンタッチする場合に設定される電子デバイス内の各電極の制御状態に対する表である。
【0123】
図13は、本発明の一実施形態による電子デバイスの全体構成図である。
【0124】
図14は、図13に示された電子デバイス内のタッチ入力センサパターンの一部の平面図であって、Cmは相互キャパシタンス、Ccはカップリングキャパシタンスを意味する。
【0125】
図15は、フィンガータッチのセルフセンシングモードにおいて、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXが接地される場合、発生する問題点を説明するための回路図である。
【0126】
図16は、図15に示された回路図で発生する問題点に対して、本発明の解決手段について説明するための回路図である。
【0127】
図17は、スタイラスペンタッチの場合、本発明のアップリンクモードで各電極の動作を説明するための概略的な構成図である。
【0128】
図18は、スタイラスペンタッチの場合、本発明のダウンリンクモードで各電極の動作を説明するための概略的な構成図である。
【0129】
図13に見るように、本発明の電子デバイス100は、センサ部100A及び制御部300を含んでよい。
【0130】
センサ部100Aは、多数の第1ないし第4パターン101A,102A,103A,104Aを含む。
【0131】
第1パターン101Aは、第1方向(長手方向)に沿って延びた形状を有する。第1方向は、電子デバイス100の画面の長軸方向Lであってよい。第1パターン101Aは、TX(タッチ駆動電極)とも命名することができる。
【0132】
第1パターン101Aは、多数のメインパターン部と多数のメインパターン部のうち互いに隣接した2つのメインパターン部との間を連結する連結パターン部を含んでよい。ここで、メインパターン部はダイヤモンド形状を有してよいが、これに限定するのではなく、多様な形状として連結パターン部と他の形状を有してよい。
【0133】
第1パターン101Aは、第1パターン101Aに隣接して第2パターン102Aが配置される開口部を有してよい。開口部の形状は、第1パターン101Aの外形と対応することができる。第1パターン101Aは、第2パターン102Aを囲む構造を有してよい。第1パターン101Aは、第2パターン102Aから所定の間隔離れて配置される。
【0134】
第2パターン102Aは、第1方向に沿って延びた形状を有し、第1パターン101Aに隣接して配置され、第1パターン101Aと所定の間隔離れて配置される。第2パターン102Aは、STX(Stylus TX、第1ペン電極)とも命名することができる。
【0135】
第2パターン102Aは、第1パターン101Aに隣接して配置される。
【0136】
第2パターン102Aは、多数のメインパターン部と多数のメインパターン部のうち互いに隣接した2つのメインパターン部との間を連結する連結パターン部を含んでよい。ここで、メインパターン部はダイヤモンド形状を有してよいが、これに限定するのではなく、多様な形状として連結パターン部と他の形状を有してよい。
【0137】
第2パターン102Aのメインパターン部は、第1パターン101Aのメインパターン部と対応する形状であってよく、第2パターン102Aの連結パターン部は、第1パターン101Aの連結パターン部と対応する形状であってよい。
【0138】
第3パターン103Aは、第1方向と異なる第2方向(幅方向)に沿って延びた形状を有する。第2方向は、第1方向と垂直な方向であってよく、電子デバイスの画面の短軸方向Sであってよい。第3パターン103Aは、RX(タッチ受信電極)とも命名することができる。
【0139】
第3パターン103Aは、多数のメインパターン部と多数のメインパターン部のうち互いに隣接した2つのメインパターン部との間を連結する連結パターン部を含んでよい。ここで、メインパターン部はダイヤモンド形状を有してよいが、これに限定するのではなく、多様な形状として連結パターン部と他の形状を有してよい。
【0140】
第3パターン103Aは、第3パターン103Aに隣接して第4パターン104Aが配置される開口部を有してよい。開口部の形状は、第3パターン103Aの外形と対応することができる。第3パターン103Aは、第4パターン104Aを囲む構造を有してよい。第3パターン103Aは、第4パターン104Aから所定の間隔離れて配置される。
【0141】
第4パターン104Aは、第2方向に沿って延びた形状を有し、第3パターン103Aに隣接して配置され、第3パターン103Aと所定の間隔離れて配置される。第4パターン104Aは、SRX(Stylus RX、第2ペン電極)とも命名することができる。
【0142】
第4パターン104Aは、第3パターン103Aに隣接して配置される。
【0143】
第4パターン104Aは、多数のメインパターン部と、多数のメインパターン部のうち互いに隣接した2つのメインパターン部の間を連結する連結パターン部とを含んでよい。ここで、メインパターン部は、ダイヤモンド形状を有してよいが、これに限定するのではなく、多様な形状として連結パターン部と異なる形状を有してよい。
【0144】
第4パターン104Aのメインパターン部は、第3パターン103Aのメインパターン部と対応する形状であってよく、第4パターン104Aの連結パターン部は、第3パターン103Aの連結パターン部と対応する形状であってよい。
【0145】
第3及び第4パターン103A,104Aは、第1及び第2パターン101A,102Aと同一層に所定の間隔離れて配置される。
【0146】
一方、制御部300は、センサ部100Aと電気的に連結され、センサ部100Aの動作を制御することができる。制御部300とセンサ部100Aの連結は、多数の伝導性パターンを介して電気的に連結されてよい。
【0147】
制御部300がセンサ部100Aと連結されるケースは、次の通りである。
【0148】
(a)多数の第1パターン101A、多数の第2パターン102A、及び多数の第3パターン103Aと連結された場合と、(b)多数の第1パターン101Aないし多数の第4パターン104Aの全てと連結された場合と、(c)多数の第1パターン101A、多数の第3パターン103A、及び多数の第4パターン104Aと連結された場合と、(d)多数の第1パターン101A及び多数の第3パターン103Aと連結された場合と、(e)多数の第1パターン101A、多数の第2パターン102A、及び多数の第4パターン104Aと連結された場合と、(f)多数の第2パターン102A、多数の第3パターン103A、及び多数の第4パターン104Aと連結された場合と、(g)多数の第2パターン102A及び多数の第4パターン104Aと連結された場合、のいずれか一つの場合に設定することができる。
【0149】
制御部300は、多数の駆動回路部310と多数の感知回路部330を含んでよい。
【0150】
多数の駆動回路部310は、指のようなオブジェクトのタッチ位置センシングのためのタッチ駆動信号を多数の第1パターン101Aに提供するタッチ駆動回路部と、スタイラスペンの駆動のためのペン駆動信号を多数の第2パターン102Aに提供するペン駆動回路部とを含んでよい。
【0151】
多数の感知回路部330は、多数の第3パターン103Aを介して感知信号を受信して指のようなオブジェクトのタッチ位置検出のためのタッチ感知回路部と、多数の第2パターン102A及び多数の第4パターン104Aを介してスタイラスペンセンシングのためのペン感知回路部を含んでよい。ここで、多数の感知回路部のうち一部の感知回路部はタッチ位置センシングも遂行し、スタイラスペンセンシングも共に遂行することができる。
【0152】
図11に見るように、制御部300はセンサ部100Aを用いて指を感知する場合、制御部300はセンサ部100Aを相互センシングモードとセルフセンシングモードのいずれか一つのモードで動作するように制御することができる。
【0153】
また、図12に見るように、制御部300はセンサ部100Aを用いてスタイラスペンを駆動する場合にアップリンクモードで動作するように制御することができ、制御部300はセンサ部100Aを用いてスタイラスペンを感知する場合にダウンリンクモードで動作するように制御することができる。
【0154】
まず、指を感知するフィンガータッチの場合、制御部300によるセンサ部100Aの動作は、次の通りである。
【0155】
相互(mutual)センシングモードは、タッチ駆動電極で駆動信号の印加を受け、それと隣接したタッチ受信電極から感知信号が出力されるモードを意味する。
【0156】
セルフ(self)センシングモードは、それぞれの電極で駆動信号の印加を受けると同時に、感知信号が出力されるモードを意味する。
【0157】
相互センシングモードにおいて、多数の第1パターン101Aの第1タッチ電極TXはタッチ駆動信号が印加される駆動動作(Driving)、多数の第3パターン103Aの第2タッチ電極RXはタッチ感知信号を出力する受信動作(Receiving)を遂行する。多数の第2パターン102Aの第1ペン電極STXは前記タッチ駆動信号(Driving)の印加を受けたり、電気的に接地(GND)されたり、電気的にフローティング(Floating)されてよい。そして、多数の第4パターン104Aの第2ペン電極SRXは、前記タッチ感知信号(Receiving)を出力したり、電気的に接地(GND)されたり、電気的にフローティング(Floating)されてよい。
【0158】
特に、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXを接地(GND)させる場合、図14に詳述するように、他の第1ペン電極STX及び/又は第2ペン電極SRXへタッチ信号が移るのを最小化する。すなわち、他の第1ペン電極STX及び/又は第2ペン電極SRXにおいて、図14で説明した正常でない弱いタッチ信号が発生するのを防止したり最小化することができる。
【0159】
この時、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXが接地(GND)される場合にも、前記当該電極は制御部300と電気的に連結されて接地電位の印加を受けることができる。
【0160】
ただし、後述するセルフセンシングモードでは、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXが接地される場合、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXで見られるキャパシタンスが非常に大きくなる問題が発生するが、これに対しては図15を参照して後述するようにする。
【0161】
セルフセンシングモードにおいて、第1タッチ電極TX及び第2タッチ電極RXは、タッチ駆動及び受信動作を遂行し、多数の第2パターン102Aである第1ペン電極STXは、前記タッチ駆動信号(Driving)の印加を受けたり、電気的に接地(GND)されたり、電気的にフローティング(Floating)されてよい。そして、多数の第4パターン104Aである第2ペン電極SRXは、前記タッチ駆動信号(Driving)の印加を受けたり、電気的に接地(GND)されたり、電気的にフローティング(Floating)されてよい。
【0162】
次に、スタイラスペンを駆動して検出するスタイラスペンタッチの場合、センサ部100Aの動作は、次の通りである。
【0163】
アップリンク(uplink)モードは、スタイラスペンを駆動させるモードを意味する。
【0164】
ダウンリンク(downlink)モードは、スタイラスペンからスタイラスペン信号を受信するモードを意味する。
【0165】
図12に示されたように、アップリンクモードにおいて、第1ペン電極STXのみペン駆動信号が印加される駆動動作(Driving)を遂行し、第1タッチ電極TXは電気的にフローティング(Floating)されたり、前記ペン駆動信号の印加を受けることができる。そして、第2タッチ電極RX及び第2ペン電極SRXは、電気的にフローティング(Floating)されたり接地(GND)されてよい。前記アップリンクモードにおいて、前記ペン駆動信号が印加される第1ペン電極STXを除いた残りの電極は、各種キャパシタンスが発生しないように、電気的にフローティングされることが好ましい。
【0166】
図12に示されたように、ダウンリンクモードにおいて、第1タッチ電極TX及び第2タッチ電極RXがペン感知信号を出力する受信動作(Receiving)を遂行する場合、第1ペン電極STXと第2ペン電極SRXは、電気的に接地(GND)されたり、前記ペン感知信号を出力(Receiving)したり、電気的にフローティング(Floating)されてよい。
【0167】
一方、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXがペン感知信号を出力する受信動作(Receiving)を遂行する場合、第1タッチ電極TXと第2タッチ電極RXは、電気的に接地(GND)されたり、前記ペン感知信号を出力(Receiving)したり、電気的にフローティング(Floating)されてよい。
【0168】
ここで、ダウンリンクモードにおいて、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXをすべて接地(GND)させる場合、ペン信号による電流が流れることができないことがある。したがって、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXをすべて電気的にフローティング(Floating)させることが好ましい。
【0169】
第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXがすべて電気的にフローティングされる場合には、当該電極STX,SRXが制御部300と電気的に連結されず、何らの電位の印加を受けない。
【0170】
以下では、セルフセンシングモードにおいて、第1ペン電極STX及び第2ペン電極SRXが接地される場合、発生する問題点と、これに対する本発明の解決手段に対して詳細に説明する。
【0171】
図15に見るように、セルフセンシングモードで第1ペン電極STX0及び第2ペン電極SRX0が接地される場合、タッチ駆動電極TX0で見られるキャパシタンスは、第1タッチ電極TXと接地との間のキャパシタンスCb,TXに、第1タッチ電極TXと第1ペン電極STXとの間のカップリングキャパシタンスCc,Tx-STXと、第2ペン電極SRXと第1タッチ電極TXとの間の相互キャパシタンスCm,SRX-TXまで追加されて非常に大きくなる問題が発生する。
【0172】
また、タッチ受信電極RX0で見られるキャパシタンスは、第2タッチ電極RXと接地との間のキャパシタンスCb,RXに、第2タッチ電極RXと第2ペン電極SRXとの間のカップリングキャパシタンスCc,RX-SRXと、第1ペン電極STXと第2タッチ電極RXとの間の相互キャパシタンスCm,STX-RXまで追加されて非常に大きくなる問題が発生する。
【0173】
このような問題を解決するために、本発明では、セルフセンシングモード動作時にタッチ駆動電極TX0とタッチ受信電極RX0が動作する時、図16に見るように、第1ペン電極STX0及び第2ペン電極SRX0でも共に駆動をさせる。すなわち、第1ペン電極STX0及び第2ペン電極SRX0にもタッチ駆動電極TX0とタッチ受信電極RX0に印加されたタッチ駆動信号が同時に印加される。
【0174】
このような場合、カップリングキャパシタンスCc,Tx-STX及びカップリングキャパシタンスCc,RX-SRXと、相互キャパシタンスCm,SRX-TX及び相互キャパシタンスCm,STX-RXが発生しないため、接地キャパシタンスCb,TX及び/又は接地キャパシタンスCb,RXに追加される大容量キャパシタンスを防止できるようになる。
【0175】
一方、制御部300は、図13に見るように、各モードに応じて多数の駆動回路部310及び感知回路部330をセンサ部100Aと電気的に連結させて制御することができる。このために、制御部300は、制御部300の命令に従って多数の駆動回路部310及び感知回路部330とセンサ部100Aとを電気的に連結させる多数のスイッチ(図示せず)を含んでよい。
【0176】
このように、本発明は、フィンガー相互タッチ動作時に実際にタッチされていない領域で発生する正常でない弱いタッチ信号を予防し、タッチ駆動電極とタッチ受信電極で見られるキャパシタンスが顕著に増加することを防止することができる電子デバイスを提供する。
【0177】
これを通じて、本発明は、電子デバイスにおいて、フィンガー相互タッチ動作時にタッチ信号が感知される時、実際にタッチされていない領域で発生する正常でない弱いタッチ信号を事前に予防することができる。
【0178】
また、駆動電極で駆動信号の印加を受けて受信電極から感知信号が出力される相互センシングモードにおいて、多数のペン駆動電極及び多数のペン受信電極を接地させることにより、他のペン駆動電極及び/又はペン受信電極にタッチ信号が正常でなく移ることを最小化させることができる。
【0179】
また、一つの電極で駆動信号の入力と感知信号の出力とが同時に遂行されるセルフセンシングモードにおいて、ペン駆動電極及びペン受信電極が接地される場合、タッチ駆動電極とタッチ受信電極だけでなく、ペン駆動電極及びペン受信電極も共に駆動させることにより、タッチ駆動電極とタッチ受信電極で見られる寄生キャパシタンスが顕著に増加することを防止できるようになる。
【0180】
以上において、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の一つの実施形態に含まれ、必ずしも一つの実施形態にのみ限定される訳ではない。さらに、各実施形態において例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野における通常の知識を有する者によって、他の実施形態に対しても組み合わせ又は変形されて実施可能である。したがって、このような組み合わせや変形に関係した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0181】
また、以上において、実施形態を中心に説明したが、これは単に例示に過ぎず、本発明を限定する訳ではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性を逸しない範囲で、以上に例示されない様々な変形と応用が可能であることが分かるだろう。例えば、実施形態に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に係る相違点は、添付の請求の範囲において規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならないだろう。
【符号の説明】
【0182】
100,100A:センサ部
101,101A:第1パターン
102,102A:第2パターン
103,103A:第3パターン
104,104A:第4パターン
300:制御部
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