IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェノプシス テクノロジーズ, インク.の特許一覧

特開2024-137850仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチ
<>
  • 特開-仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチ 図1
  • 特開-仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチ 図2
  • 特開-仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチ 図3
  • 特開-仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチ 図4
  • 特開-仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチ 図5
  • 特開-仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137850
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/291 20130101AFI20240927BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20240927BHJP
   H04B 10/25 20130101ALI20240927BHJP
【FI】
H04B10/291
H04J14/02
H04B10/25
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043536
(22)【出願日】2024-03-19
(31)【優先権主張番号】63/491627
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524106679
【氏名又は名称】ジェノプシス テクノロジーズ, インク.
【氏名又は名称原語表記】GeNopsys Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】3500 South Dupont Highway, Dover, DE 19901, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】楊啓瑞
(72)【発明者】
【氏名】鍾山
(72)【発明者】
【氏名】田伯隆
(72)【発明者】
【氏名】林天健
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA34
5K102AD01
5K102AL10
5K102NA01
5K102PA00
5K102PD11
5K102PH13
5K102PH47
5K102PH48
5K102PH49
5K102RB14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スケーラブルな帯域幅と共有可能なパスを持つ仮想回線型の光交換ネットワークシステム及び光スイッチを提供する。
【解決手段】光交換ネットワークシステムにおいて、光ファイバ接続モジュール1100は、複数の光スイッチ2000を備える。各光スイッチ2000は、光送信モジュールと、光転送モジュールと、光受信モジュールと、を備える。光送信モジュールは、光信号を水平光ネットワークサブシステム5100及び垂直光ネットワークサブシステム5200に送信する。光転送モジュールは、光信号を水平光ネットワークサブシステムから垂直光ネットワークサブシステムに誘導するか又は垂直光ネットワークサブシステムから水平光ネットワークサブシステムに誘導する。光受信モジュールは、処理された光信号を高密度波長分割多重トランシーバに出力し、高密度波長分割多重トランシーバによって光信号を電気信号に変換し、トップスイッチに送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光スイッチであって、
複数の初期光信号を結合し、少なくとも1つの第1結合光信号と少なくとも1つの第2結合光信号とを出力するマルチプレクサ、
前記マルチプレクサから前記第1結合光信号を受信し、前記第1結合光信号を増幅する少なくとも1つの第1水平増幅器、
前記マルチプレクサから前記第2結合光信号を受信し、前記第2結合光信号を増幅する少なくとも1つの第1垂直増幅器、
前記第1水平増幅器から増幅された前記第1結合光信号を受信し、複数の第1水平光信号を少なくとも1つの水平光スイッチに出力する少なくとも1つの第1水平分光器、及び
前記第1垂直増幅器から増幅された前記第2結合光信号を受信し、複数の第1垂直光信号を少なくとも1つの垂直光スイッチに出力する少なくとも1つの第1垂直分光器、を有する光送信モジュールと、
前記水平光スイッチから少なくとも1つの第2水平光信号を受信し、複数の選択待ち水平光信号を出力する少なくとも1つの第2水平分光器と、
前記垂直光スイッチから少なくとも1つの第2垂直光信号を受信し、複数の選択待ち垂直光信号を出力する少なくとも1つの第2垂直分光器と、
前記第2水平分光器から前記選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1転送出力光信号を出力する少なくとも1つの第1水平波長選択スイッチ、
前記第2垂直分光器から前記選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2転送出力光信号を出力する少なくとも1つの第1垂直波長選択スイッチ、
前記第1垂直波長選択スイッチから前記第2転送出力光信号を受信し、前記第2転送出力光信号を増幅する少なくとも1つの第2水平増幅器、
前記第1水平波長選択スイッチから前記第1転送出力光信号を受信し、前記第1転送出力光信号を増幅する少なくとも1つの第2垂直増幅器、
前記第2水平増幅器から増幅された前記第2転送出力光信号を受信し、複数の第3水平光信号を前記水平光スイッチに出力する少なくとも1つの第3水平分光器、及び
前記第2垂直増幅器から増幅された前記第1転送出力光信号を受信し、複数の第3垂直光信号を前記垂直光スイッチに出力する少なくとも1つの第3垂直分光器、を有する光転送モジュールと、
前記第2水平分光器から前記選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1出力光信号を出力する少なくとも1つの第2水平波長選択スイッチ、
前記第2垂直分光器から前記選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2出力光信号を出力する少なくとも1つの第2垂直波長選択スイッチ、
前記第2水平波長選択スイッチから前記第1出力光信号を受信し、かつ前記第2垂直波長選択スイッチから前記第2出力光信号を受信し、前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を増幅する出力増幅器、及び
前記出力増幅器から増幅された前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を受信し、増幅された前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を複数の最終光信号に分解するデマルチプレクサ、を有する光受信モジュールと、
を備える光スイッチ。
【請求項2】
前記初期光信号のそれぞれは、互いに異なる波長を有することを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
【請求項3】
前記第1水平増幅器、前記第1垂直増幅器、前記第2水平増幅器、前記第2垂直増幅器、及び前記出力増幅器は、それぞれエルビウムドープ光ファイバ増幅器(Erbium-doped Optical Fiber Amplifier、EDFA)であることを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
【請求項4】
前記光スイッチは、トップスイッチ(Top-of-Rack switch)に接続され、前記トップスイッチは、初期電気信号を複数の高密度波長分割多重トランシーバに送信し、前記高密度波長分割多重トランシーバで前記初期電気信号を前記初期光信号に変換し、前記高密度波長分割多重トランシーバは、前記デマルチプレクサから前記最終光信号を受信し、前記最終光信号を最終電気信号に変換することを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
【請求項5】
複数の光スイッチと複数の高密度波長分割多重トランシーバとを備える仮想回線型の光交換ネットワークシステムであって、
前記光スイッチは、光ファイバを介して接続され、光ファイバ接続モジュールを構成し、
前記光スイッチは、
複数の初期光信号を結合し、少なくとも1つの第1結合光信号と少なくとも1つの第2結合光信号とを出力するマルチプレクサ、
前記マルチプレクサから前記第1結合光信号を受信し、前記第1結合光信号を増幅する少なくとも1つの第1水平増幅器、
前記マルチプレクサから前記第2結合光信号を受信し、前記第2結合光信号を増幅する少なくとも1つの第1垂直増幅器、
前記第1水平増幅器から増幅された前記第1結合光信号を受信し、複数の第1水平光信号を少なくとも1つの水平光スイッチに出力する少なくとも1つの第1水平分光器、及び
前記第1垂直増幅器から増幅された前記第2結合光信号を受信し、複数の第1垂直光信号を少なくとも1つの垂直光スイッチに出力する少なくとも1つの第1垂直分光器、を有する光送信モジュールと、
前記水平光スイッチから少なくとも1つの第2水平光信号を受信し、複数の選択待ち水平光信号を出力する少なくとも1つの第2水平分光器と、
前記垂直光スイッチから少なくとも1つの第2垂直光信号を受信し、複数の選択待ち垂直光信号を出力する少なくとも1つの第2垂直分光器と、
前記第2水平分光器から前記選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1転送出力光信号を出力する少なくとも1つの第1水平波長選択スイッチ、
前記第2垂直分光器から前記選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2転送出力光信号を出力する少なくとも1つの第1垂直波長選択スイッチ、
前記第1垂直波長選択スイッチから前記第2転送出力光信号を受信し、前記第2転送出力光信号を増幅する少なくとも1つの第2水平増幅器、
前記第1水平波長選択スイッチから前記第1転送出力光信号を受信し、前記第1転送出力光信号を増幅する少なくとも1つの第2垂直増幅器、
前記第2水平増幅器から増幅された前記第2転送出力光信号を受信し、複数の第3水平光信号を前記水平光スイッチに出力する少なくとも1つの第3水平分光器、及び
前記第2垂直増幅器から増幅された前記第1転送出力光信号を受信し、複数の第3垂直光信号を前記垂直光スイッチに出力する少なくとも1つの第3垂直分光器、を有する光転送モジュールと、
前記第2水平分光器から前記選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1出力光信号を出力する少なくとも1つの第2水平波長選択スイッチ、
前記第2垂直分光器から前記選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2出力光信号を出力する少なくとも1つの第2垂直波長選択スイッチ、
前記第2水平波長選択スイッチから前記第1出力光信号を受信し、かつ前記第2垂直波長選択スイッチから前記第2出力光信号を受信し、前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を増幅する出力増幅器、及び
前記出力増幅器から増幅された前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を受信し、増幅された前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を複数の最終光信号に分解するデマルチプレクサ、を有する光受信モジュールと、を備え、
前記高密度波長分割多重トランシーバは、前記デマルチプレクサから前記最終光信号を受信し、前記最終光信号を最終電気信号に変換する、仮想回線型の光交換ネットワークシステム。
【請求項6】
前記光スイッチに接続され、初期電気信号を前記高密度波長分割多重トランシーバに送信する複数のトップスイッチと、
前記トップスイッチと1対1で接続され、前記光スイッチを介して互いに接続される複数のサーバと、をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の仮想回線型の光交換ネットワークシステム。
【請求項7】
前記高密度波長分割多重トランシーバは、前記初期電気信号を前記初期光信号に変換することを特徴とする請求項6に記載の仮想回線型の光交換ネットワークシステム。
【請求項8】
前記光ファイバ接続モジュールは、互いに接続された少なくとも1つの水平光ネットワークサブシステムと少なくとも1つの垂直光ネットワークサブシステムとを備え、前記光スイッチの総数は、前記水平光ネットワークサブシステムの数と、前記垂直光ネットワークサブシステムの数との積に等しいことを特徴とする請求項5に記載の仮想回線型の光交換ネットワークシステム。
【請求項9】
前記水平光ネットワークサブシステムにおける前記光スイッチの数は、前記垂直光ネットワークサブシステムにおける前記光スイッチの数と同じであることを特徴とする請求項8に記載の仮想回線型の光交換ネットワークシステム。
【請求項10】
前記水平光ネットワークサブシステムにおける前記光スイッチは、第1リボンファイバ(ribbon fiber)を介してフルメッシュ(full mesh)で互いに接続され、前記垂直光ネットワークサブシステムにおける前記光スイッチは、第2リボンファイバを介してフルメッシュで互いに接続されることを特徴とする請求項8に記載の仮想回線型の光交換ネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチに関する。特に、スケーラブルな帯域幅と共有可能なパスを持つ光交換ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高性能コンピューティング(High-Performance Computing、HPC)を提供するためには、サーバ間の高帯域幅と超低遅延の相互接続を柔軟に提供できるデータセンター・ネットワーク・アーキテクチャが必要である。図1は、複数のメインスイッチ110、複数のセカンダリスイッチ120、複数のトップスイッチ130、及び複数のサーバ140から構成される従来の電気信号のネットワークスイッチングのアーキテクチャ100を示している。
【0003】
電気信号のネットワークスイッチングのアーキテクチャ100は、多数の低コストのセカンダリスイッチ120及びメインスイッチ110を使用して、サーバ140間のパスダイバーシティを備えたペアワイズ帯域幅を提供する。電気信号のスイッチは光トランシーバを介して光ファイバに接続されるため、光-電気-光の変換が多く、その結果、消費電力と伝送遅延が大きくなる。なお、電気信号のネットワークスイッチングのアーキテクチャは、拡張不可能な帯域幅や複雑な配線などの問題がある。
【0004】
また、図2に示すように、電気ドメイン(electrical domain)では、仮想回線交換がパケット交換の主流方式となっている。送信端210と宛先端220との間には、複数のパスが確立されている。すべてのパケットは、図2の矢印で示すように、接続時にいずれかの経路を通過し、経路上の電気信号スイッチ240を介してルーティングされ、電気的に交換される。図2の点線部分に示すように、このパスは仮想回路230と呼ばれる。「回線」を経由するパケットのトラフィックは、エンドユーザ(すなわち、宛先端220)の回線専用のトラフィックとみなされる。「仮想」とは、そのパスが実際にはそのトラフィック専用ではなく、他のトラフィックと共有されていることを意味する。
【0005】
上記事情に鑑みて、本発明は、スケーラブルな帯域幅を有し、伝送中に頻繁な光-電気-光変換を必要としない仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチを提案する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、仮想回線型の光交換ネットワークシステム及びその光スイッチを提供することにある。光交換ネットワークシステムは、複数の光スイッチを備える。各光スイッチは、トラフィックを水平光ネットワークサブシステムに誘導し、水平光ネットワークサブシステムから戻すための第1組の波長選択スイッチと、第1対の光ファイバ増幅器と、2組の第1分光器を有する。各光スイッチは、トラフィックを垂直光ネットワークサブシステムに誘導し、垂直光ネットワークサブシステムから戻すための第2組の波長選択スイッチと、第2対の光ファイバ増幅器と、2組の第2分光器を有する。各光スイッチは、トップスイッチからデータを受信し、光ドメイン内において、水平光ネットワークサブシステムから垂直光ネットワークサブシステム、または垂直光ネットワークサブシステムから水平光ネットワークサブシステムにトラフィックを転送し、データをトップスイッチに送信する。
【0007】
光交換ネットワークシステムは、高性能コンピューティング(High-Performance Computing、HPC)のネットワークアーキテクチャであり、電気信号の仮想回路パケットスイッチングのものに似ている。光交換ネットワークシステムは、パケットを送信する前に、そのパケットのトラフィックに属するエンド・ツー・エンドの光パスを確立する必要がある。その光パスは、他の光パスからのパケットのトラフィックに共有できる。したがって、光交換ネットワークシステムは、分散仮想回線型の光交換ネットワークシステム(Distributed Optical Virtual-Circuit-Switching Network System、DOVINSY)とも呼ばれる。また、電気信号の仮想回線型の交換ネットワークとは異なり、光交換ネットワークシステムでは、パケットが送信端から宛先端に伝送される際に、光-電気-光変換を行う必要がない。
【0008】
光交換ネットワークシステムは、複数の光スイッチで構成される。それらの光スイッチは連携して動作し、波長ベースの光チャネルを通じてパケットを伝送する。光チャネルは、ソフトウェア定義ネットワーク(software defined networking、SDN)に基づく配信メカニズムによって、予防的かつ反応的に管理される。具体的には、光チャネルは必要なときにすぐに利用可能であり
(つまり、予防的)、負荷分散動作中に動的に確立される(つまり、反応的)。光交換ネットワークシステムは、スケーラブルなアーキテクチャ、高スループット、超低遅延、フォールトトレランス、高いエネルギー効率を持ち、高性能コンピューティングの要求を満たすことができる。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、光送信モジュールと、光転送モジュールと、光受信モジュールとを備える光スイッチを提供する。前記光送信モジュールは、マルチプレクサと、少なくとも1つの第1水平増幅器と、少なくとも1つの第1垂直増幅器と、少なくとも1つの第1水平分光器と、少なくとも1つの第1垂直分光器とを有する。前記マルチプレクサは、複数の初期光信号を結合し、少なくとも1つの第1結合光信号と少なくとも1つの第2結合光信号とを出力する。前記第1水平増幅器は、前記マルチプレクサから前記第1結合光信号を受信し、前記第1結合光信号を増幅する。前記第1垂直増幅器は、前記マルチプレクサから前記第2結合光信号を受信し、前記第2結合光信号を増幅する。前記第1水平分光器は、前記第1水平増幅器から増幅された前記第1結合光信号を受信し、複数の第1水平光信号を少なくとも1つの水平光スイッチに出力する。前記第1垂直分光器は、前記第1垂直増幅器から増幅された前記第2結合光信号を受信し、複数の第1垂直光信号を少なくとも1つの垂直光スイッチに出力する。前記光スイッチは、少なくとも1つの第2水平分光器と、少なくとも1つの第2垂直分光器と、をさらに備える。前記第2水平分光器は、前記水平光スイッチから少なくとも1つの第2水平光信号を受信し、複数の選択待ち水平光信号を出力する。前記第2垂直分光器は、前記垂直光スイッチから少なくとも1つの第2垂直光信号を受信し、複数の選択待ち垂直光信号を出力する。前記光転送モジュールは、少なくとも1つの第1水平波長選択スイッチと、少なくとも1つの第1垂直波長選択スイッチと、少なくとも1つの第2水平増幅器と、少なくとも1つの第2垂直増幅器と、少なくとも1つの第3水平分光器と、少なくとも1つの第3垂直分光器とを有する。前記第1水平波長選択スイッチは、前記第2水平分光器から前記選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1転送出力光信号を出力する。前記第1垂直波長選択スイッチは、前記第2垂直分光器から前記選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2転送出力光信号を出力する。前記第2水平増幅器は、前記第1垂直波長選択スイッチから前記第2転送出力光信号を受信し、前記第2転送出力光信号を増幅する。前記第2垂直増幅器は、前記第1水平波長選択スイッチから前記第1転送出力光信号を受信し、前記第1転送出力光信号を増幅する。前記第3水平分光器は、前記第2水平増幅器から増幅された前記第2転送出力光信号を受信し、複数の第3水平光信号を前記水平光スイッチに出力する。前記第3垂直分光器は、前記第2垂直増幅器から増幅された前記第1転送出力光信号を受信し、複数の第3垂直光信号を前記垂直光スイッチに出力する。前記光受信モジュールは、少なくとも1つの第2水平波長選択スイッチと、少なくとも1つの第2垂直波長選択スイッチと、出力増幅器と、デマルチプレクサと、を有する。前記第2水平波長選択スイッチは、前記第2水平分光器から前記選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1出力光信号を出力する。前記第2垂直波長選択スイッチは、前記第2垂直分光器から前記選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2出力光信号を出力する。前記出力増幅器は、前記第2水平波長選択スイッチから前記第1出力光信号を受信し、かつ前記第2垂直波長選択スイッチから前記第2出力光信号を受信し、前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を増幅する。前記デマルチプレクサは、前記出力増幅器から増幅された前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を受信し、増幅された前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を複数の最終光信号に分解する。
【0010】
本発明の実施形態において、前記初期光信号のそれぞれは、互いに異なる波長を有する。
【0011】
本発明の実施形態において、前記第1水平増幅器、前記第1垂直増幅器、前記第2水平増幅器、前記第2垂直増幅器、及び前記出力増幅器は、それぞれエルビウムドープ光ファイバ増幅器(Erbium-doped Optical Fiber Amplifier、EDFA)である。
【0012】
本発明の実施形態において、前記光スイッチは、トップスイッチ(Top-of-Rack switch)に接続され、前記トップスイッチは、初期電気信号を複数の高密度波長分割多重トランシーバに送信し、前記高密度波長分割多重トランシーバで前記初期電気信号を前記初期光信号に変換し、前記高密度波長分割多重トランシーバは、前記デマルチプレクサから前記最終光信号を受信し、前記最終光信号を最終電気信号に変換する。
【0013】
なお、本発明は、複数の光スイッチと複数の高密度波長分割多重トランシーバとを備える光交換ネットワークシステムを開示する。前記光スイッチは、光ファイバを介して接続され、光ファイバ接続モジュールを構成する。前記光スイッチは、光送信モジュールと、光転送モジュールと、光受信モジュールとを備える。前記光送信モジュールは、マルチプレクサと、少なくとも1つの第1水平増幅器と、少なくとも1つの第1垂直増幅器と、少なくとも1つの第1水平分光器と、少なくとも1つの第1垂直分光器とを有する。前記マルチプレクサは、複数の初期光信号を結合し、少なくとも1つの第1結合光信号と少なくとも1つの第2結合光信号とを出力する。前記第1水平増幅器は、前記マルチプレクサから前記第1結合光信号を受信し、前記第1結合光信号を増幅する。前記第1垂直増幅器は、前記マルチプレクサから前記第2結合光信号を受信し、前記第2結合光信号を増幅する。前記第1水平分光器は、前記第1水平増幅器から増幅された前記第1結合光信号を受信し、複数の第1水平光信号を少なくとも1つの水平光スイッチに出力する。前記第1垂直分光器は、前記第1垂直増幅器から増幅された前記第2結合光信号を受信し、複数の第1垂直光信号を少なくとも1つの垂直光スイッチに出力する。前記光スイッチは、少なくとも1つの第2水平分光器と、少なくとも1つの第2垂直分光器と、をさらに備える。前記第2水平分光器は、前記水平光スイッチから少なくとも1つの第2水平光信号を受信し、複数の選択待ち水平光信号を出力する。前記第2垂直分光器は、前記垂直光スイッチから少なくとも1つの第2垂直光信号を受信し、複数の選択待ち垂直光信号を出力する。前記光転送モジュールは、少なくとも1つの第1水平波長選択スイッチと、少なくとも1つの第1垂直波長選択スイッチと、少なくとも1つの第2水平増幅器と、少なくとも1つの第2垂直増幅器と、少なくとも1つの第3水平分光器と、少なくとも1つの第3垂直分光器とを有する。前記第1水平波長選択スイッチは、前記第2水平分光器から前記選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1転送出力光信号を出力する。前記第1垂直波長選択スイッチは、前記第2垂直分光器から前記選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2転送出力光信号を出力する。前記第2水平増幅器は、前記第1垂直波長選択スイッチから前記第2転送出力光信号を受信し、前記第2転送出力光信号を増幅する。前記第2垂直増幅器は、前記第1水平波長選択スイッチから前記第1転送出力光信号を受信し、前記第1転送出力光信号を増幅する。前記第3水平分光器は、前記第2水平増幅器から増幅された前記第2転送出力光信号を受信し、複数の第3水平光信号を前記水平光スイッチに出力する。前記第3垂直分光器は、前記第2垂直増幅器から増幅された前記第1転送出力光信号を受信し、複数の第3垂直光信号を前記垂直光スイッチに出力する。前記光受信モジュールは、少なくとも1つの第2水平波長選択スイッチと、少なくとも1つの第2垂直波長選択スイッチと、出力増幅器と、デマルチプレクサと、を有する。前記第2水平波長選択スイッチは、前記第2水平分光器から前記選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1出力光信号を出力する。前記第2垂直波長選択スイッチは、前記第2垂直分光器から前記選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2出力光信号を出力する。前記出力増幅器は、前記第2水平波長選択スイッチから前記第1出力光信号を受信し、かつ前記第2垂直波長選択スイッチから前記第2出力光信号を受信し、前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を増幅する。前記デマルチプレクサは、前記出力増幅器から増幅された前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を受信し、増幅された前記第1出力光信号と前記第2出力光信号を複数の最終光信号に分解する。前記高密度波長分割多重トランシーバは、前記デマルチプレクサから前記最終光信号を受信し、前記最終光信号を最終電気信号に変換する。
【0014】
本発明の実施形態において、光交換ネットワークシステムは、複数のトップスイッチ(Top-of-Rack switch)と複数のサーバとをさらに備える。前記トップスイッチは、前記光スイッチに接続され、初期電気信号を前記高密度波長分割多重トランシーバに送信する。前記サーバは、前記トップスイッチと1対1で接続され、前記サーバは、前記光スイッチを介して互いに接続される。
【0015】
本発明の実施形態において、前記高密度波長分割多重トランシーバは、前記初期電気信号を前記初期光信号に変換する。
【0016】
本発明の実施形態において、前記光ファイバ接続モジュールは、互いに接続された少なくとも1つの水平光ネットワークサブシステムと少なくとも1つの垂直光ネットワークサブシステムとを備え、前記光スイッチの総数は、前記水平光ネットワークサブシステムの数と、前記垂直光ネットワークサブシステムの数との積に等しい。
【0017】
本発明の実施形態において、前記水平光ネットワークサブシステムにおける前記光スイッチの数は、前記垂直光ネットワークサブシステムにおける前記光スイッチの数と同じである。
【0018】
本発明の実施形態において、前記水平光ネットワークサブシステムにおける前記光スイッチは、第1リボンファイバ(ribbon fiber)を介してフルメッシュ(full mesh)で互いに接続され、前記垂直光ネットワークサブシステムにおける前記光スイッチは、第2リボンファイバを介してフルメッシュで互いに接続される。
【0019】
当業者は、図面及び後述する実施態様を参照すれば、本発明の他の目的、及び本発明の技術的手段と実施態様を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術における電気信号のネットワークスイッチングのアーキテクチャを示す模式図
図2】従来技術における電気信号のネットワークスイッチングの伝送経路及び仮想回路を示す模式図
図3】本発明に係る光交換ネットワークシステムを示す模式図
図4】本発明に係る水平光ネットワークサブシステム及び垂直光ネットワークサブシステムの関係を示す模式図
図5】本発明に係る光スイッチを示す模式図
図6】本発明に係る光スイッチの回路を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の内容を実施例を通じて説明する。なお、本発明の実施例は、実施形態の例を示すものであり、実施例で説明したような環境、用途、または特定の態様に限定することを意図するものではない。従って、実施例の説明は、本発明を説明するためのものであるが、本発明を限定するものではない。なお、実施形態及び図面において、本発明と直接関係のない構成要素は省略され、図示されていない。図面における各構成要素の寸法の関係は、理解を容易にするためのものであり、実際の寸法を限定するものではない。
【0022】
図3から図6を参照して説明する。図3は、本発明に係る光交換ネットワークシステム1000の実施形態を示す図である。図4は、水平光ネットワークサブシステム及び垂直光ネットワークサブシステムの関係を示す模式図である。図5及び図6は、それぞれ光スイッチ2000の模式図と回路図である。光交換ネットワークシステム1000は、複数の光スイッチ2000を備える。光スイッチ2000は、光ファイバを介して接続され、光ファイバ接続モジュール1100を構成する。光スイッチ2000は、それぞれトップスイッチ(Top-of-Rack switch)3000と接続される。サーバ(図示せず)は、トップスイッチ3000と1対1で接続される。言い換えれば、サーバは、光スイッチ2000を介して互いに接続される。
【0023】
光ファイバ接続モジュール1100は、少なくとも1つの水平光ネットワークサブシステム(Horizontal net、H-net)5100と、少なくとも1つの垂直光ネットワークサブシステム(Vertical net、V-net)5200と、を備える。各水平光ネットワークサブシステム5100における光スイッチ2000は、第1リボンファイバ(ribbon fiber)(図示せず)を介してフルメッシュ(full mesh)で互いに接続される。各垂直光ネットワークサブシステム5200における光スイッチ2000は、第2リボンファイバ(図示せず)を介してフルメッシュで互いに接続される。言い換えれば、光スイッチ2000は、それぞれ水平光ネットワークサブシステム5100及び垂直光ネットワークサブシステム5200を介して、隣接する光スイッチ2000に接続される。
【0024】
例えば、図3及び図4に示すように、光スイッチ2000は、それぞれ水平光ネットワークサブシステム5100を介して他の4つの光スイッチ2000とフルメッシュで接続され、垂直光ネットワークサブシステム5200を介して他の4つの光スイッチ2000とフルメッシュで接続される。パケットを送信するとき、各光スイッチ2000は、水平光ネットワークサブシステム5100または垂直光ネットワークサブシステム5200のそれぞれにトラフィックを送信または受信することができる。また、光スイッチ2000は、水平光ネットワークサブシステム5100または垂直光ネットワークサブシステム5200の間でトラフィックを伝送するように設計されており、双方向伝送が可能である。
【0025】
光交換ネットワークシステム1000は、NxS個の光スイッチ2000からなる。Nは水平光ネットワークサブシステム5100の数であり、Sは垂直光ネットワークサブシステム5200の数である。各光スイッチ2000は、1つの水平光ネットワークサブシステム5100及び1つの垂直光ネットワークサブシステム5200に直接接続される。言い換えれば、光スイッチ2000の総数は、水平光ネットワークサブシステムの数と、垂直光ネットワークサブシステムの数との積に等しい。
【0026】
例えば、図3に示すように、水平光ネットワークサブシステムが5個あり(すなわち、N=5)、垂直光ネットワークサブシステムが5個ある(すなわち、S=5)。そのため、図3に示す光交換ネットワークシステム1000では、光スイッチ2000の数は5x5=25となる。水平光ネットワークサブシステム5100、垂直光ネットワークサブシステム5200、光スイッチ2000のいずれかの数を増やすことによって、光交換ネットワークシステム1000の規模を拡大することができる。
【0027】
この実施例では、水平光ネットワークサブシステム5100における光スイッチ2000の数は、垂直光ネットワークサブシステム5200における光スイッチ2000の数と同じである。光交換ネットワークシステム1000を使用する場合、通常、すべての光スイッチ2000が有効になっている。実際の要求に応じて、光スイッチ2000の一部だけを有効にすることも可能である。また、有効になった光スイッチ2000の一部が損傷し、一部のパスが利用できなくなった場合でも、ソフトウェア制御によりパケットを他のパスで転送することができる。
【0028】
図4は、水平光ネットワークサブシステム5100と垂直光ネットワークサブシステム5200との関係を示す図である。図4では、1組の水平光ネットワークサブシステム5100と1組の垂直光ネットワークサブシステム5200のみが代表として示されている。光交換ネットワークシステム1000では、各水平光ネットワークサブシステム5100及び垂直光ネットワークサブシステム5200におけるすべての光スイッチ2000は、フルメッシュで接続される。詳しくは、光スイッチ2000のそれぞれは、双方向に接続されており、双方向に通信することが可能である。
【0029】
図5及び図6は、それぞれ光スイッチ2000の模式図と実施形態を示す。各光スイッチ2000は、光送信モジュール2010と、光転送モジュール2020と、光受信モジュール2030とを備える。光信号がトップスイッチ3000の1つを介して光スイッチ2000の1つに送信される場合、光信号は、光送信モジュール2010を経由して水平光ネットワークサブシステム5100または垂直光ネットワークサブシステム5200を介して別の光スイッチに伝送される。その後、光信号は、前記別の光スイッチの光受信モジュール2030を通って、それに接続されたトップスイッチ3000に伝送される。あるいは、光信号は、前記別の光スイッチの光転送モジュールを通って、水平光ネットワークサブシステム5100または垂直光ネットワークサブシステム5200を介して、次の光スイッチに伝送され、その光スイッチの光受信モジュールを通って、それに接続されたトップスイッチに伝送される。
【0030】
光送信モジュール2010は、マルチプレクサ2100と、少なくとも1つの第1水平増幅器2210と、少なくとも1つの第1垂直増幅器2310と、少なくとも1つの第1水平分光器2220と、少なくとも1つの第1垂直分光器2320とを有する。
【0031】
トップスイッチ3000は、初期電気信号を複数の高密度波長分割多重トランシーバ2600に送信する。詳しくは、高密度波長分割多重トランシーバ2600は、初期電気信号を初期光信号に変換し、初期光信号をマルチプレクサ2100に送信する。初期光信号のそれぞれは、互いに異なる波長を有する。詳しくは、初期光信号が光スイッチ2000に入力された後は、信号処理のどの段階においても、光信号に対して光-電気-光変換を行う必要はない。
【0032】
マルチプレクサ2100は、複数の初期光信号を結合し、少なくとも1つの第1結合光信号と少なくとも1つの第2結合光信号とを出力する。第1水平増幅器2210は、マルチプレクサ2100から第1結合光信号を受信し、第1結合光信号を増幅する。第1水平分光器2220は、第1水平増幅器2210から増幅された第1結合光信号を受信し、複数の第1水平光信号を少なくとも1つの水平光スイッチ2000に出力する。
【0033】
具体的には、図6に示すように、初期光信号の数が16であり、つまり波長の異なる光信号が16本あると仮定する。1つの波長が1つの光チャネルを作るために使われる。波長の数は、サーバと光交換ネットワークシステム1000の規模に関係する。マルチプレクサ2100は、初期光信号を結合し、同じ信号を複製し、水平増幅器と垂直増幅器にそれぞれ送信する。第1結合光信号と第2結合光信号の数は、光交換ネットワークシステム1000の規模や波長の数に応じて変化する。
【0034】
第1水平増幅器2210は、第1結合光信号のパワーを増強するためのエルビウムドープ光ファイバ増幅器(Erbium-doped Optical Fiber Amplifier、EDFA)である。光信号は光ファイバの伝送中に減衰する。EDFAは、光信号伝送中に信号を増幅することで、信号の強度と品質を維持し、長距離光通信を実現できる。
【0035】
分光器は、通常、1つの光信号を2つ以上の出力光信号に分岐して、信号分配を行うために使用される。各出力信号のパワーは、入力信号のパワーに比例する。分光器は、通常、1つの入力ポートと2つ以上の出力ポートを有する。分光器は、特定の分割比に基づいて入力光信号を異なる出力ポートに分配する。図6に示す実施形態では、第1水平分光器2220は、1つの第1結合光信号の入力と4つの第1水平光信号の出力とを有する1入力4出力の分光器である。これらの第1水平光信号のうち、2つの第1水平光信号は、東方向の2つの水平光スイッチに送信され、他の2つの第1水平光信号は、西方向の2つの第1水平光スイッチに送信される。
【0036】
第1垂直増幅器2310は、マルチプレクサ2100から第2結合光信号を受信し、第2結合光信号を増幅する。第1垂直増幅器2310は、第2結合光信号のパワーを増強するためのエルビウムドープ光ファイバ増幅器(Erbium-doped Optical Fiber Amplifier、EDFA)である。
【0037】
第1垂直分光器2320は、第1垂直増幅器2310から増幅された第2結合光信号を受信し、複数の第1垂直光信号を少なくとも1つの垂直光スイッチ2000に出力する。光スイッチ2000は、少なくとも1つの第2水平分光器2230をさらに備える。第2水平分光器2230は、水平光スイッチ2000から少なくとも1つの第2水平光信号を受信し、複数の選択待ち水平光信号を出力する。
【0038】
例えば、図6に示す実施形態では、第1垂直分光器2320は、1つの第2結合光信号の入力と4つの第1垂直光信号の出力とを有する1入力4出力の分光器である。これらの第1垂直光信号のうち、2つの第1垂直光信号は、南方向の2つの垂直光スイッチに送信され、他の2つの第1垂直光信号は、北方向の2つの第1垂直光スイッチに送信される。
【0039】
また、第2水平分光器2230の数は8個で、それぞれが1入力2出力の分光器である。4つの第2水平分光器2230の入力信号は、東側の水平光スイッチから受信した第2水平光信号であり、出力信号は、それぞれ2つの選択待ち水平光信号である。別の4つの第2水平分光器2230の入力信号は、西側の水平光スイッチから受信した第2水平光信号であり、出力信号は、それぞれ2つの選択待ち水平光信号である。したがって、これらの第2水平分光器2230は、合計16個の選択待ち水平光信号を出力する。光スイッチ2000は、少なくとも1つの第2垂直分光器2350をさらに備える。第2垂直分光器2350は、垂直光スイッチ2000から少なくとも1つの第2垂直光信号を受信し、複数の選択待ち垂直光信号を出力する。
【0040】
同様に、第2垂直分光器2350の数は8個で、それぞれが1入力2出力の分光器である。4つの第2垂直分光器2350の入力信号は、南側の垂直光スイッチから受信した第3垂直光信号であり、出力信号は、それぞれ2つの選択待ち垂直光信号である。別の4つの第2垂直分光器2350の入力信号は、北側の垂直光スイッチから受信した第3垂直光信号であり、出力信号は、それぞれ2つの選択待ち垂直光信号である。したがって、これらの第2垂直分光器2350は、合計16個の選択待ち垂直光信号を出力する。
【0041】
光転送モジュール2020は、少なくとも1つの第1水平波長選択スイッチ2241と、少なくとも1つの第1垂直波長選択スイッチ2361と、少なくとも1つの第2水平増幅器2250と、少なくとも1つの第2垂直増幅器2330と、少なくとも1つの第3水平分光器2260と、少なくとも1つの第3垂直分光器2340とを有する。第1水平波長選択スイッチ2241は、第2水平分光器2230から選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1転送出力光信号を出力する。第1垂直波長選択スイッチ2361は、第2垂直分光器2350から選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2転送出力光信号を出力する。
【0042】
波長選択スイッチは、伝送する光信号の波長を選択するために使用される。複数の入力光路から複数の出力光路に光信号を伝送する場合、波長選択スイッチは、1つの入力光路の信号をコピーして複数の出力光路に伝送することで、マルチキャスト伝送を実現する。なお、波長選択スイッチは、複数の入力光路から複数の出力光路への任意の接続を実現し、光路切替機能を実現するために、異なる波長を選択することもできる。また、複数の入力光路を集中および分配することもできる。
【0043】
具体的には、図6に示す実施形態では、第1水平波長選択スイッチ2241の数は1つである。第1水平波長選択スイッチ2241は、8x1波長選択スイッチ、すなわち、8つの入力ポートと1つの出力ポートとを有する波長選択スイッチである。第1水平波長選択スイッチ2241は、光交換ネットワークシステム1000内の異なる波長信号を選択し、選択された波長信号を出力ポートにルーティングすることができる。第1水平波長選択スイッチ2241は、高速かつ低挿入損失という利点を有し、大容量の光信号を扱うことができる。第1水平波長選択スイッチ2241は、第1転送出力光信号を出力し、第2垂直増幅器2330に転送する。
【0044】
同様に、第1垂直波長選択スイッチ2361の数は1つである。第1垂直波長選択スイッチ2361は、8x1波長選択スイッチ、すなわち、8つの入力ポートと1つの出力ポートとを有する波長選択スイッチである。第1垂直波長選択スイッチ2361は、第2転送出力光信号を出力し、第2水平増幅器2250に転送する。
【0045】
第2水平増幅器2250は、第1垂直波長選択スイッチ2361から第2転送出力光信号を受信し、第2転送出力光信号を増幅して損失を補償する。第2水平増幅器2250は、エルビウムドープ光ファイバ増幅器である。
【0046】
第2垂直増幅器2330は、第1水平波長選択スイッチ2241から第1転送出力光信号を受信し、第1転送出力光信号を増幅する。第2垂直増幅器2330は、エルビウムドープ光ファイバ増幅器である。
【0047】
第3水平分光器2260は、第2水平増幅器2250から増幅された第2転送出力光信号を受信し、複数の第3水平光信号を水平光スイッチ2000に出力する。
【0048】
第2転送出力光信号は、本来、垂直光ネットワークから第2垂直分光器2350によって受信された複数の第3垂直光信号である。光信号は、垂直光ネットワークサブシステム5200で送信され、第1垂直波長選択スイッチ2361で結合され、第2水平増幅器2250に出力され、その後、水平光ネットワークサブシステム5100で送信されるようになる。
【0049】
第3垂直分光器2340は、第2垂直増幅器2330から増幅された第1転送出力光信号を受信し、複数の第3垂直光信号を垂直光スイッチ2000に出力する。
【0050】
第1転送出力光信号は、本来、水平光ネットワークから第2水平分光器2230によって受信された複数の第2水平光信号である。光信号は、水平光ネットワークサブシステム5100で送信され、第1水平波長選択スイッチ2241で結合され、第2垂直増幅器2330に出力され、その後、垂直光ネットワークサブシステム5200で送信されるようになる。
【0051】
上記の機能を実現するために、各光スイッチ2000は、水平光ネットワークサブシステム5100及び垂直光ネットワークサブシステム5200のための2つの12コアリボン光ファイバ束を備えている。
【0052】
光受信モジュールは、少なくとも1つの第2水平波長選択スイッチ2242と、少なくとも1つの第2垂直波長選択スイッチ2362と、出力増幅器2400と、デマルチプレクサ2500と、を有する。
【0053】
第2水平波長選択スイッチ2242は、選択待ち水平光信号を受信し、少なくとも1つの第1出力光信号を出力する。第2垂直波長選択スイッチ2362は、選択待ち垂直光信号を受信し、少なくとも1つの第2出力光信号を出力する。出力増幅器2400は、第2水平波長選択スイッチ2242から第1出力光信号を受信し、かつ第2垂直波長選択スイッチ2362から第2出力光信号を受信し、第1出力光信号と第2出力光信号を増幅する。
【0054】
デマルチプレクサ2500は、出力増幅器2400から増幅された第1出力光信号と第2出力光信号を受信し、増幅された第1出力光信号と第2出力光信号を複数の最終光信号に分解する。最終光信号のそれぞれは、互いに異なる波長を有する。最後に、高密度波長分割多重トランシーバ2600は、デマルチプレクサ2500から最終光信号を受信し、最終光信号を最終電気信号に変換し、トップスイッチの対応するポートに入力する。
【0055】
詳しくは、図3に示す光交換ネットワークシステム1000、図4に示す水平光ネットワークサブシステム5100と垂直光ネットワークサブシステム5200、及び図6に示す光スイッチ2000については、いずれも25個の光スイッチ2000から構成される光交換ネットワークシステム1000を例として説明する。その他の実施例では、光スイッチ2000の数は増減してもよい。光スイッチ2000における各構成要素の数および各構成要素のポート数は、光交換ネットワークシステム1000内の光スイッチ2000の数に応じて変化する。
【0056】
また、詳しくは、増幅器、分光器、波長選択スイッチ、コアリボン光ファイバ束の数、及びポート数は、光交換ネットワークシステム1000内の光スイッチ2000の数に応じて調整することができる。
【0057】
上述のように、本発明に係る光交換ネットワークシステムは、複数のサーバを同数の光スイッチを介して接続する分散型ネットワークアーキテクチャである。各サーバには、サーバ間の相互接続のためのトップスイッチと光スイッチとが備えられる。各光スイッチは、それが配置されている水平光ネットワークサブシステム及び垂直光ネットワークサブシステム内のすべての光スイッチに接続されている。
【0058】
信号伝送の際に、光スイッチは、水平光ネットワークサブシステムと垂直光ネットワークサブシステムの間でパケットを伝送することができ、双方向伝送が可能である。水平光ネットワークサブシステムから垂直光ネットワークサブシステムへ、あるいは垂直光ネットワークサブシステムから水平光ネットワークサブシステムへ光信号を伝送するために、光スイッチの水平伝送と垂直伝送の両方には、波長選択スイッチ、光ファイバ増幅器、及び分光器が使用される。
【0059】
光信号は、水平伝送用の波長選択スイッチから出力されると、垂直伝送用の光ファイバ増幅器及び分光器に転送される。光信号は、垂直伝送用の波長選択スイッチから出力されると、水平伝送用の光ファイバ増幅器及び分光器に転送される。それによって、水平光ネットワークサブシステム及び垂直光ネットワークサブシステム内で光信号を伝送することができる。
【0060】
上述の実施例は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明の特徴構成を説明するものである。本発明は、上記実施例に限定されるものではない。当業者が容易になし得る変更または均等配置も本発明の範囲内にある。本発明の権利の保護範囲は、特許請求の範囲に基づくものとする。
【符号の説明】
【0061】
100 アーキテクチャ
110 メインスイッチ
120 セカンダリスイッチ
130 トップスイッチ
140 サーバ
210 送信端
220 宛先端
230 仮想回路
240 電気信号スイッチ
1000 光交換ネットワークシステム
1100 光ファイバ接続モジュール
2000 光スイッチ
2010 光送信モジュール
2020 光転送モジュール
2030 光受信モジュール
2100 マルチプレクサ
2210 第1水平増幅器
2220 第1水平分光器
2230 第2水平分光器
2241 第1水平波長選択スイッチ
2242 第2水平波長選択スイッチ
2250 第2水平増幅器
2260 第3水平分光器
2310 第1垂直増幅器
2320 第1垂直分光器
2330 第2垂直増幅器
2340 第3垂直分光器
2350 第2垂直分光器
2361 第1垂直波長選択スイッチ
2362 第2垂直波長選択スイッチ
2400 出力増幅器
2500 デマルチプレクサ
2600 高密度波長分割多重トランシーバ
3000 トップスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6