(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137851
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043553
(22)【出願日】2024-03-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0037536
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】金 廷▲ひょん▼
(72)【発明者】
【氏名】朴 鐘勳
(72)【発明者】
【氏名】李 允基
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA05
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA22
4M118DD04
4M118FA27
4M118GC08
4M118GC09
4M118GD07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フォトダイオードにおける電荷量のセンシング正確度を向上させるイメージセンサを提供する。
【解決手段】イメージセンサ100は、2×2構造により共有ピクセルSPXを構成する4個の単位ピクセルPD1~PD4及び該単位ピクセルを互いに分離するDTI(deep trench isolation)120構造を含む。DTI構造は、共有ピクセルの内部に配置された内部DTI120in構造及び共有ピクセルを取り囲む外部DTI120out構造を具備する。内部DTI構造は、共有ピクセルの中心を通過し、第1方向又は第1方向に垂直な第2方向に延長される第1DTI120-1構造及び第1DTI構造が延長される方向に垂直な方向に、共有ピクセルの中心に延長される第2DTI120-2構造を具備し、第2DTI構造が延長される方向で、第1DTI構造と第2DTI構造との間に、DTIセンターカット領域DCCAが配置されている。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサであって、
2×2構造により共有ピクセルを構成する4個の単位ピクセルと、
前記単位ピクセルを互いに分離するDTI(deep trench isolation)構造と、を含み、
前記DTI構造は、
前記共有ピクセルの内部に配値された内部DTI構造と、
前記共有ピクセルを取り囲む外部DTI構造と、を具備し、
前記内部DTI構造は、
前記共有ピクセルの中心を通過し、第1方向、または、前記第1方向に垂直な第2方向に延長される第1DTI構造と、
前記第1DTI構造が延長される方向に垂直な方向に、前記共有ピクセルの中心に延長される第2DTI構造と、を具備し、
前記第2DTI構造が延長される方向に、前記第1DTI構造と前記第2DTI構造との間に、DTIセンターカット(DCC)領域が配値されている、
イメージセンサ。
【請求項2】
前記第1DTI構造は、前記共有ピクセルを、2個のピクセル対に分け、
前記第2DTI構造は、前記ピクセル対を、2個の前記単位ピクセルに分け、
前記ピクセル対の2個の前記単位ピクセルは、前記共有ピクセルの中央部分において、前記DCC領域を介して、互いに連結されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記イメージセンサは、さらに、
前記DCC領域に配値されたフローティングディフュージョン(FD)領域、を含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記イメージセンサは、さらに、
前記DCC領域に隣接し、4個の前記単位ピクセルそれぞれに配値されたFD領域、を含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記共有ピクセルは、前記第1方向及び前記第2方向に沿って、二次元アレイ構造に多数個が配置され、
前記第1方向または前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルは、前記外部DTI構造によって互いに分離され、
前記第1方向または前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルの前記内部DTI構造は、互いに同一構造を有するか、あるいは、互いに対して90°回転された構造を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第1方向または前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルの前記内部DTI構造は、互いに同一構造を有し、
前記第1DTI構造は、前記第1方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長され、
前記第1方向に隣接する2個の前記共有ピクセルの前記第1DTI構造は、互いに連結され、
前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルの前記第2DTI構造は、互いに連結されている、
ことを特徴とする、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第1方向または前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルの前記内部DTI構造は、互いに対して90°回転された構造を有し、
前記第1方向に隣接する2個の前記共有ピクセルは、第1共有ピクセルおよび第2共有ピクセルを含み、
前記第1共有ピクセルにおいて、前記第1DTI構造は、前記第1方向に延長され、かつ、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長されており、
前記第2共有ピクセルにおいて、前記第1DTI構造は、前記第2方向に延長され、かつ、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長されており、
前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルは、前記第1共有ピクセルおよび第3共有ピクセルを含み、
前記第3共有ピクセルにおいて、前記第1DTI構造は、前記第2方向に延長され、かつ、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長されている、
ことを特徴とする、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
2×2構造の4個の前記共有ピクセルは、繰り返し構造を構成し、
前記第1方向に隣接する2個の前記繰り返し構造は、第1繰り返し構造および第2繰り返し構造を含み、
前記第1繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第1方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長され、
前記第2繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第2方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長され、
前記第2方向に隣接する2個の前記繰り返し構造は、前記第1繰り返し構造および第3繰り返し構造を含み、
前記第3繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第2方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長される、
ことを特徴とする、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記イメージセンサは、さらに、
前記単位ピクセル当たり1枚配置されるか、あるいは、前記共有ピクセル当たり1枚配置される、マイクロレンズを含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記DTI構造は、FDTI(front side DTI)構造またはBDTI(back side DTI)構造を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記イメージセンサは、さらに、カラーフィルタを含み、
前記カラーフィルタは、ベイヤー、テトラまたはテトラ二乗のパターンに配置され、
前記カラーフィルタは、1個のレッド(R)フィルタ、2個のグリーン(G)フィルタ、及び、1個のブルー(B)フィルタを基盤とするか、あるいは、1個のレッドフィルタ、1個のグリーンフィルタ、1個のブルーフィルタ、及び、1個のホワイト(W)フィルタを基盤とする、
ことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記DCC領域の幅は、前記第2DTI構造が延長される方向に、前記単位ピクセルの幅の10%ないし90%である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
イメージセンサであって、
それぞれフォトダイオード(PD)を具備し、2×2構造により共有ピクセルを構成する4個の単位ピクセルと、
前記単位ピクセルを互いに分離するDTI(deep trench isolation)構造と、
前記共有ピクセル内に配置された少なくとも2個のフローティングディフュージョン(FD)領域と、
前記単位ピクセルそれぞれに配置され、前記少なくとも2個のフローティングディフュージョン(FD)領域のうちいずれか一つに隣接して配置された伝送ゲート(TG)と、
前記単位ピクセルのうち少なくとも一つに配置され、前記共有ピクセルの外郭部分に配置されたリセットゲート(RG)と、
前記リセットゲート(RG)に隣接し、前記単位ピクセルのうち少なくとも一つに配置され、前記共有ピクセルの外郭部分に配置されたソースフォロワゲート(SF)と、を含み、
前記DTI構造は、前記共有ピクセルの中心を通過し、第1方向、または、前記第1方向に垂直な第2方向に延長される第1DTI構造、および、前記第1DTI構造が延長される方向に垂直な方向に、前記共有ピクセルの中心に延長される第2DTI構造、を具備し、
前記第2DTI構造が延長される方向に、前記第1DTI構造と前記第2DTI構造との間に、DTIセンターカット(DCC)領域が配置されている、
イメージセンサ。
【請求項14】
前記第1DTI構造は、前記共有ピクセルを、2個のピクセル対に分け、
前記第2DTI構造は、前記ピクセル対を、2個の前記単位ピクセルに分け、
前記ピクセル対の2個の前記単位ピクセルは、前記DCC領域によって、前記共有ピクセルの中央部分で互いに連結されており、
前記フローティングディフュージョン(FD)領域は、
2個の前記ピクセル対それぞれの前記DCC領域に配置されるか、あるいは、
前記DCC領域に隣接し、前記単位ピクセルそれぞれに配置されている、
ことを特徴とする、請求項13に記載のイメージセンサ。
【請求項15】
前記共有ピクセルは、前記第1方向及び前記第2方向に沿って二次元アレイ構造に多数個が配置され、
前記第1方向または前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルは、前記DTI構造によって互いに分離され、
前記第1方向または前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルの前記DTI構造は、互いに同一構造を有するか、あるいは、互いに対して90°回転された構造を有する、
ことを特徴とする、請求項13に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
2×2構造の4個の前記共有ピクセルは、繰り返し構造を構成し、
前記第1方向に隣接する2個の前記繰り返し構造は、第1繰り返し構造および第2繰り返し構造を含み、
前記第1繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第1方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長され、
前記第2繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第2方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長され、
前記第2方向に隣接する2個の前記繰り返し構造は、前記第1繰り返し構造および第3繰り返し構造を含み、
前記第3繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第2方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長されている、
ことを特徴とする、請求項15に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
2×2構造により共有ピクセルを構成する4個の単位ピクセルと、
前記単位ピクセルを互いに分離するDTI(deep trench isolation)構造と、
前記共有ピクセル内に配置された少なくとも2個のフローティングディフュージョン(FD)領域と、
前記単位ピクセルそれぞれに配置され、前記少なくとも2個のフローティングディフュージョン(FD)領域のうちいずれか一つに隣接して配置された伝送ゲート(TG)と、を含み、
前記DTI構造は、前記共有ピクセルの中心を通過し、第1方向、または、前記第1方向に垂直な第2方向に延長され、前記共有ピクセルを、2個のピクセル対に分ける第1DTI構造、および、前記第1DTI構造が延長される方向に垂直な方向に、前記共有ピクセルの中心に延長され、前記ピクセル対を、2個の前記単位ピクセルに分ける第2DTI構造、を具備し、
前記第2DTI構造が延長される方向に、前記第1DTI構造と前記第2DTI構造との間に、DTIセンターカット(DCC)領域が配置されている、
イメージセンサ。
【請求項18】
前記ピクセル対の2個の前記単位ピクセルは、前記共有ピクセルの中央部分において、前記DCC領域を介して互いに連結され、
前記フローティングディフュージョン(FD)領域は、
2個の前記ピクセル対それぞれの前記DCC領域に配置されるか、あるいは、
前記DCC領域に隣接し、前記単位ピクセルそれぞれに配置されている、
ことを特徴とする、請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
前記共有ピクセルは、前記第1方向及び前記第2方向に沿って二次元アレイ構造に多数個が配置され、
前記第1方向または前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルは、前記DTI構造によって互いに分離され、
前記第1方向または前記第2方向に隣接する2個の前記共有ピクセルの前記DTI構造は、互いに同一構造を有するか、あるいは、互いに対して90°回転された構造を有する、
ことを特徴とする、請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
2×2構造の4個の前記共有ピクセルは、繰り返し構造を構成し、
前記第1方向に隣接する2個の前記繰り返し構造は、第1繰り返し構造および第2繰り返し構造を含み、
前記第1繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第1方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長され、
前記第2繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第2方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長され、
前記第2方向に隣接する2個の前記繰り返し構造は、前記第1繰り返し構造および第3繰り返し構造を含み、
前記第3繰り返し構造の4個の前記共有ピクセルそれぞれにおいて、前記第1DTI構造は、前記第2方向に延長され、前記第2DTI構造は、前記第2方向に延長されている、
ことを特徴とする、請求項19に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関する。特には、共有ピクセル内に深いトレンチ分離(DTI)構造を含む、イメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、複数個の単位ピクセルが二次元アレイ構造に配列されて構成される。一般的に、該単位ピクセルは、1つのフォトダイオード、および、複数のピクセルトランジスタによって、構成されうる。ここで、該ピクセルトランジスタは、例えば、伝送トランジスタ(transfer transistor)、リセットトランジスタ(reset transistor)、ソースフォロワトランジスタ(source follower transistor)、及び選択トランジスタ(selection transistor)を含むものでもある。最近、ピクセルサイズの微細化が進められることに従って、フォトダイオードの面積を広げるために、ピクセルトランジスタを複数のピクセルによって共有させた、いわゆる、共有ピクセル構造がイメージセンサに採用されている。そのような共有ピクセル構造において、それぞれのピクセルは、深いトレンチ分離(DTI:deep trench isolation)構造によって互いに分離されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の技術的思想が解決しようとする課題は、光損失を最小化させながら、オーバーフロー経路(over flow path)を低減させた、イメージセンサを提供するところにある。
【0004】
また、本発明の技術的思想が解決しようとする課題は、以上で言及された課題に制限されるものではなく、他の課題は、以下の記載から、当業者にとっては明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の技術的思想は、2×2構造により共有ピクセル(shared pixel)を構成する4個の単位ピクセルと、前記単位ピクセルを互いに分離するDTI(deep trench isolation)構造と、を含み、前記DTI構造は、前記共有ピクセルの内部に配置された内部DTI構造と、前記共有ピクセルを取り囲む外部DTI構造と、を具備し、前記内部DTI構造は、前記共有ピクセルの中心を通過し、第1方向、または、前記第1方向に垂直な第2方向に延長される第1DTI構造と、前記第1DTI構造が延長される方向に垂直な方向に、前記共有ピクセルの中心に延長される第2DTI構造と、を具備し、前記第2DTI構造が延長される方向に、前記第1DTI構造と前記第2DTI構造との間に、DTIセンターカット(DCC:DTI center cut)領域が配置されている、イメージセンサを提供する。
【0006】
また、本発明の技術的思想は、前記課題を解決するために、それぞれフォトダイオード(PD:photo diode)を具備し、2×2構造により共有ピクセルを構成する4個の単位ピクセルと、前記単位ピクセルを互いに分離するDTI(deep trench isolation)構造と、前記共有ピクセル内に配置された少なくとも2個のフローティングディフュージョン(FD:floating diffusion)領域と、前記単位ピクセルそれぞれに配置され、前記少なくとも2個のフローティングディフュージョン(FD)領域のうちいずれか一つに隣接して配置された伝送ゲート(TG:transfer gate)と、前記単位ピクセルのうち少なくとも一つに配置され、前記共有ピクセルの外郭部分に配置されたリセットゲート(RG:reset gate)と、前記リセットゲート(RG)に隣接し、前記単位ピクセルのうち少なくとも一つに配置され、前記共有ピクセルの外郭部分に配置されたソースフォロワゲート(SF:source follower gate)と、を含み、前記DTI構造は、前記共有ピクセルの中心を通過し、第1方向、または前記第1方向に垂直な第2方向に延長される第1DTI構造、および、前記第1DTI構造が延長される方向に垂直な方向に、前記共有ピクセルの中心に延長される第2DTI構造、を具備し、前記第2DTI構造が延長される方向に、前記第1DTI構造と前記第2DTI構造との間に、DCC領域が配置されている、イメージセンサを提供する。
【0007】
さらには、本発明の技術的思想は、前記課題を解決するために、2×2構造により共有ピクセルを構成する4個の単位ピクセルと、前記単位ピクセルを互いに分離するDTI(deep trench isolation)構造と、前記共有ピクセル内に配置され少なくとも2個のフローティングディフュージョン(FD)領域と、前記単位ピクセルそれぞれに配置され、前記少なくとも2個のFD領域のうちいずれか一つに隣接して配置された伝送ゲート(TG)と、を含み、前記DTI構造は、前記共有ピクセルの中心を通過し、第1方向、または、前記第1方向に垂直な第2方向に延長され、前記共有ピクセルを、2個のピクセル対に分ける第1DTI構造、および、前記第1DTI構造が延長される方向に垂直な方向に、前記共有ピクセルの中心に延長され、前記ピクセル対を、2個の前記単位ピクセルに分ける第2DTI構造、を具備し、前記第2DTI構造が延長される方向に、前記第1DTI構造と前記第2DTI構造との間に、DCC領域が配置されている、イメージセンサを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の技術的思想によるイメージセンサにおいて、2×2構造の共有ピクセル(shared pixel)は、x方向またはy方向に延長される第1DTI構造により、2個のピクセル対に完全に分離されうる。また、該ピクセル対それぞれは、第1DTI構造の延長方向に垂直な方向に延長される第2DTI構造により、2個の単位ピクセルに部分的に分離されうる。そのような第2DTI構造に基づき、ピクセル対それぞれにおいて、隣接する単位ピクセルは、DCC(DIT center cut)領域を介して互いに連結された構造を有しうる。従って、本発明の技術的思想によるイメージセンサは、第1DTI構造、第2DTI構造、及びDCC領域に基づき、光損失を最小化させながらも、オーバーフロー経路を、2個のPD間において縮小させ、フォトダイオード(PD)それぞれにおける電荷量のセンシング正確度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の一実施形態による、イメージセンサの共有ピクセルに対応する等価回路図である。
【
図1B】
図1Aのイメージセンサの共有ピクセルに係る平面図である。
【
図1C】
図1Aのイメージセンサの共有ピクセルに係る平面図である。
【
図2A】
図1Bのイメージセンサの共有ピクセルをさらに詳細に示す平面図である。
【
図2D】
図2AのII-II’部分を切断して示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、イメージセンサの共有ピクセルに係る平面図である。
【
図4A】
図1Bイメージセンサの共有ピクセルにおいて、フローティングディフュージョン(FD)領域とピクセルトランジスタとの間の配線連結を示す概念図である。
【
図4B】
図3のイメージセンサの共有ピクセルにおいて、フローティングディフュージョン(FD)領域とピクセルトランジスタとの間の配線連結を示す概念図である。
【
図5A】
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルが二次元アレイ構造に配列された構造を示す平面図である。
【
図5B】
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルが二次元アレイ構造に配列された構造を示す平面図である。
【
図5C】
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルが二次元アレイ構造に配列された構造を示す平面図である。
【
図6A】
図1Bのイメージセンサの共有ピクセルに配値された、マイクロレンズの構造を示す概念図である。
【
図6B】
図1Bのイメージセンサの共有ピクセルに配値された、マイクロレンズの構造を示す概念図である。
【
図7A】
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルに配値された、カラーフィルタの構造を示す概念図である。
【
図7B】
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルに配値された、カラーフィルタの構造を示す概念図である。
【
図7C】
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルに配値された、カラーフィルタの構造を示す概念図である。
【
図7D】
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルに配値された、カラーフィルタの構造を示す概念図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、イメージセンサ全体に係るブロック構造図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、イメージセンサを含む電子装置に係るブロック構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下においては、添付図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明される。図面上の同一構成要素については、同一参照符号を使用し、それらに係わる重複説明は、省略される。
【0011】
図1Aは、本発明の一実施形態によるイメージセンサの共有ピクセルに対応する等価回路図であり、
図1B及び
図1Cは、
図1Aのイメージセンサの共有ピクセルに係わる平面図である。
【0012】
図1A及び
図1Bを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100は、基板上に、二次元アレイ構造に配置された多数の共有ピクセル(shared pixel)SPXを含むものでもある。共有ピクセルSPXは、2×2構造に配置された4個の単位ピクセルを含むものでもある。例えば、4個の単位ピクセルは、第1単位ピクセルPX1ないし第4単位ピクセルPX4を含むものでもある。
【0013】
単位ピクセルは、DTI(deep trench isolation)構造120を介して、互いに分離されうる。また、該単位ピクセルそれぞれの内部には、フォトダイオード(PD)が配置されうる。例えば、第1単位ピクセルPX1に、第1PD PD1が配置され、第2単位ピクセルPX2に、第2PD PD2が配置され、第3単位ピクセルPX3に、第3PD PD3が配置され、第4単位ピクセルPX4に、第4PD PD4が配置されうる。
図1Bに図示されているように、単位ピクセルそれぞれは、平面的に概ね四角形状を有しうる。それにより、該PDも、それぞれ平面的に概ね四角形状を有しうる。しかしながら、該単位ピクセル及び該PDの平面的形態は、四角形に限定されるものではない。
【0014】
なお、単位ピクセルとPDとを互いに厳密に区別するならば、該単位ピクセルは、PD、フローティングディフュージョン(FD)領域160の全部または一部、及び、ピクセルトランジスタのうち少なくとも一つを含む概念でもある。また、垂直的な構造において、ピクセルトランジスタは、基板101の表面部分に配置され、PDは、基板101の内部に配置されうる。例えば、該PDは、該ピクセルトランジスタの下部に配置されうる。ここで、該ピクセルトランジスタは、例えば、伝送トランジスタ、リセットトランジスタ、ソースフォロワトランジスタ、及び選択トランジスタを含むものでもある。なお、該伝送トランジスタの場合、垂直ゲート構造の伝送ゲートTG(
図2A)を介して、PDとFD領域160とが連結されうる。平面的な形態とDTIの分離構造との側面において、単位ピクセルとPDは、実質的に同一でもある。従って、以下において、特別に区別しない限り、該単位ピクセルと該PDとは、同一の意味で使用される。さらには、一部単位ピクセル内に配置されたトランジスタのうち少なくとも一つは、ダミートランジスタであり、電気的に動作しないものである。ピクセルトランジスタについては、
図2Aないし
図2Dの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0015】
DTI構造120は、内部DTI構造120inと外部DTI構造120outとを含むものでもある。内部DTI構造120inは、共有ピクセルSPXの内部に配置され、単位ピクセルが互いに分離されうる。内部DTI構造120inは、第1DTI構造120-1および第2DTI構造120-2を含むものでもある。
【0016】
第1DTI構造120-1は、x方向に延長され、共有ピクセルSPXを、2個のピクセル対に分離しうる。例えば、該2個のピクセル対は、y方向に上部に配置された第1ピクセル対PXp1、および、y方向に下部に配置された第2ピクセル対PXp2、を含むものでもある。
図1Bに図示されているように、第1ピクセル対PXp1および第2ピクセル対PXp2は、第1DTI構造120-1によって完全に分離されうる。
【0017】
第2DTI構造120-2は、y方向に拡張され、ピクセル対それぞれを、2個の単位ピクセルに部分的に分離しうる。例えば、第2DTI構造120-2は、第1ピクセル対PXp1を、第1単位ピクセルPX1および第2単位ピクセルPX2で部分的に分離しうる。また、第2DTI構造120-2は、第2ピクセル対PXp2を、第3単位ピクセルPX3および第4単位ピクセルPX4に部分的に分離しうる。
【0018】
それにより、
図1Bに図示されているように、共有ピクセルSPXの中央部分において、y方向に、第1DTI構造120-1と第2DTI構造120-2との間に、DCC(DTI center cut)領域DCCAが配置されうる。DCC領域DCCAは、共有ピクセルSPXの中央部分の第1ピクセル対PXp1に配置された第1 DCC領域DCCA1、および、共有ピクセルSPXの中央部分の第2ピクセル対PXp2に配置された第2 DCC領域DCCA2、を含むものでもある。第1ピクセル対PXp1の第1単位ピクセルPX1および第2単位ピクセルPX2は、第1 DCC領域DCCA1を介して、互いに連結されうる。また、第2ピクセル対PXp2の第3単位ピクセルPX3および第4単位ピクセルPX4は、第2 DCC領域DCCA2を介して、互いに連結されうる。
【0019】
y方向にDCC領域DCCAの幅は、単位ピクセルのサイズの10%ないし90%の範囲を有しうる。例えば、y方向に、DCC領域DCCAは、第1幅W1を有しうる。単位ピクセルのサイズは、x方向またはy方向における幅として定義されうる。単位ピクセルは、例えば、第2幅W2を有しうる。第1幅W1は、第2幅W2の10%ないし90%範囲を有しうる。
【0020】
本実施形態のイメージセンサ100において、DCC領域DCCAは、共有ピクセルSPXにおける光損失を最小化させながら、隣接する2個の単位ピクセル間に、オーバーフロー経路(over flow path)を提供しうる。参照として、一般的に、2×2構造の共有ピクセル構造の場合、DDC領域なしに、「┼」形態にDTI構造が形成され、光は、共有ピクセルの中央部分にフォーカシングされうる。従って、「┼」形態のDTI構造により、共有ピクセルの中央部分において、光損失が大きく生じうる。それに反して、本実施形態のイメージセンサ100においては、共有ピクセルSPXの中央部分に、DCC領域DCCAが配置されることにより、DCC領域DCCAほど光損失が改善されうる。
【0021】
なお、4個の単位ピクセルがいずれも連結されるように、共有ピクセルの中央部分にDCC領域が配置された構造を考慮しうる。しかしながら、そのような構造の場合、4個のPDが互いに連結され、4個のPD間のオーバーフロー経路が生じることになるので、PDそれぞれにおいて生成された正確な電荷量をセンシングし難いという、イメージセンサ100においては、第1DTI構造120-1を介して、2個のピクセル対が互いに完全に分離されうる。また、第2DTI構造120-2を介して、2個の単位ピクセルが部分分離され、隣接する2個の単位ピクセル間に、DCC領域DCCAが配置されうる。従って、本実施形態のイメージセンサ100は、光損失を最小化させながら、オーバーフロー経路を、2個のPD間で縮小しうる。従って、PDそれぞれにおける電荷量のセンシング正確度を向上させることができる。
【0022】
外部DTI構造120outは、共有ピクセルSPXの外郭を取り囲む形態により、共有ピクセルSPXの外部に配置されうる。外部DTI構造120outは、x方向及びy方向に隣接する共有ピクセルSPXを互いに分離しうる。DTIの内部構造については、
図2Aないし
図2Dの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0023】
共有ピクセルSPXは、平面的に概ね四角形状を有しうる。しかしながら、共有ピクセルSPXの平面的形態は、四角形に限定されるものではない。共有ピクセルSPXのそれぞれの単位ピクセルに、マイクロレンズが配置されるか、あるいは、共有ピクセルSPX全体に、マイクロレンズが配置されうる。共有ピクセルSPXおよびマイクロレンズの配置構造については、
図6A及び
図6Bの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0024】
共有ピクセルSPXには、1つのカラーフィルタが配置されもする。しかしながら、一実施形態により、共有ピクセルSPXには、多数のカラーフィルタが配置されうる。また、共有ピクセルSPXに、同一カラーフィルタのうち一部が配置されもする。共有ピクセルSPXおよびカラーフィルタの配置構造については、
図7Aないし
図7Dの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0025】
FD領域160は、共有ピクセルSPXの中心部分のピクセル対それぞれのDCC領域DCCAに配置されうる。例えば、第1ピクセル対PXp1の第1 DCC領域DCCA1に、第1FD領域160-1が配置され、第2ピクセル対PXp2の第2 DCC領域DCCA2に、第2FD領域160-2が配置されうる。第1FD領域160-1は、第1単位ピクセルPX1の第1PD PD1と、第2単位ピクセルPX2の第2PD PD2とによって共有され、第2FD領域160-2は、第3単位ピクセルPX3の第3PD PD3と、第4単位ピクセルPX4の第4PD PD4とによって共有されうる。言い替えれば、第1PD PD1および第2PD PD2において生成された電荷は、当該伝送トランジスタを経て、第1FD領域160-1に蓄積され、第3PD PD3および第4PD PD4において生成された電荷は、当該伝送トランジスタを経て、第2FD領域160-2に蓄積されうる。それにより、単位ピクセルそれぞれにおいて、PDとFD領域160との間に、伝送ゲートTG(
図2A)が配置されうる。PD、伝送ゲートTG、FD領域160の配置構造については、
図2Aないし
図2Dの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0026】
図1A及び
図1Bにおいては、1つの共有ピクセルSPXのみが図示されているが、本実施形態のイメージセンサ100は、二次元アレイ構造に配置された多数の共有ピクセルSPXを含むものでもある。すなわち、本実施形態のイメージセンサ100において、共有ピクセルSPXは、x方向およびy方向に沿い、それぞれ複数個ずつ配置されうる。共有ピクセルSPXの二次元アレイ構造については、
図5Aないし
図5Cの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0027】
図1Aの等価回路図に基づき、PD、FD領域160、及びピクセルトランジスタの間の連結関係について述べれば、4個のPD PD1~PD4は、それぞれ対応する4個の伝送トランジスタ(TX)TX1~TX4のソース領域に連結されうる。伝送トランジスタTX1~TX4それぞれのドレイン領域は、リセットトランジスタ(RX)のソース領域に連結されうる。リセットトランジスタ(RX)のソース領域は、FD領域160に該当しうる。結局、伝送トランジスタの共通ドレイン領域が、FD領域160に該当しうる。FD領域160は、ソースフォロワトランジスタ(SFX)のソースフォロワゲートSF(
図2A)に連結されうる。
図1Aから分かるように、リセットトランジスタ(RX)のドレイン領域と、ソースフォロワトランジスタ(SFX)のドレイン領域とが電源電圧Vpixに連結されうる。また、ソースフォロワトランジスタ(SFX)のソース領域と、選択トランジスタ(SX)のドレイン領域とが互いに連結されうる。なお、選択トランジスタ(SX)のソース領域には、出力ラインが連結され、選択トランジスタ(SX)のソース領域の電圧が、出力電圧Voutとして出力されうる。
【0028】
図1Cを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100aは、共有ピクセルSPX’のDTI構造120’と、ピクセル対の形態とにおいて、
図1Bのイメージセンサ100と異なりうる。具体的には、本実施形態のイメージセンサ100aにおいて、共有ピクセルSPX’は、DTI構造120’を含むものでもある。また、DTI構造120’は、内部DTI構造120in’および外部DTI構造120outを含むものでもある。外部DTI構造120outは、
図1Bのイメージセンサ100のDTI構造120の外部DTI構造120outと実質的に同一でもある。
【0029】
内部DTI構造120in’は、第1DTI構造120-1’および第2DTI構造120-2’を含むものでもある。第1DTI構造120-1’は、y方向に延長され、共有ピクセルSPX’を、2個のピクセル対に完全に分離しうる。例えば、第1DTI構造120-1’を介して、共有ピクセルSPX’は、第1ピクセル対PXp1’と第2ピクセル対PXp2’とに完全に分離されうる。
図1Cに図示されているように、第1ピクセル対PXp1’は、第2単位ピクセルPX2および第3単位ピクセルPX3を含み、第2単位ピクセルPX2と第3単位ピクセルPX3との間に、第1 DCC領域DCCA1’が配置されうる。また、第2ピクセル対PXp2’は、第4単位ピクセルPX4および第1単位ピクセルPX1を含み、第4単位ピクセルPX4と第1単位ピクセルPX1との間に、第2 DCC領域DCCA2’が配置されうる。
【0030】
第2DTI構造120-2’は、x方向に延長され、ピクセル対それぞれを、2個の単位ピクセルに部分的に分離しうる。例えば、第1ピクセル対PXp1’の第2単位ピクセルPX2および第3単位ピクセルPX3は、第2DTI構造120-2’を介して、部分的に分離され、第2ピクセル対PXp2’の第4単位ピクセルPX4および第1単位ピクセルPX1は、第2DTI構造120-2’を介して、部分的に分離されうる。x方向に、第1DTI構造120-1’と第2DTI構造120-2’との間に、DCC領域DCCA’が配置されうる。また、DCC領域DCCA’には、FD領域160’が配置されうる。例えば、第1 DCC領域DCCA1’に、第1FD領域160-1’が配置され、第2 DCC領域DCCA2’に、第2FD領域160-2’が配置されうる。
【0031】
本実施形態のイメージセンサ100aの共有ピクセルSPX’は、
図1Bのイメージセンサ100の共有ピクセルSPXが90°回転された形態に対応しうる。それにより、DTI構造120’の形態も、
図1Bのイメージセンサ100の共有ピクセルSPXのDTI構造120が90°回転された形態に対応しうる。具体的には、DTI構造120’の内部DTI構造120in’の形態は、DTI構造120の内部DTI構造120inが90°回転された形態に対応しうる。それ以外に、DCC領域DCCA’の幅や機能などについては、
図1Bのイメージセンサ100のDCC領域DCCAについて説明された通りである。
【0032】
本実施形態のイメージセンサ100,100aにおいて、2×2構造の共有ピクセルSPXは、x方向またはy方向に延長される第1DTI構造120-1,120-1’により、2個のピクセル対に完全に分離されうる。また、ピクセル対それぞれは、第1DTI構造120-1,120-1’の延長方向に垂直な方向に延長される第2DTI構造120-2,120-2’により、2個の単位ピクセルに部分的に分離されうる。そのような第2DTI構造120-2,120-2’に基づき、ピクセル対それぞれにおいて、隣接する単位ピクセルは、DCC領域DCCA,DCCA’を介して、互いに連結された構造を有しうる。従って、本実施形態のイメージセンサ100は、第1DTI構造120-1,120-1’、第2DTI構造120-2,120-2’、及びDCC領域DCCA,DCCA’に基づいて、光損失を最小化させながらも、オーバーフロー経路を、2個のPD間において縮小させ、PDそれぞれにおける電荷量のセンシング正確度を向上させることができる。
【0033】
図2Aは、
図1Bのイメージセンサの共有ピクセルをさらに詳細に示す平面図であり、
図2B及び
図2Cは、それぞれ
図2AのI-I’部分を切断して示す断面図であり、
図2Dは、
図2AのII-II’部分を切断して示す断面図である。
【0034】
図2Aないし
図2Dを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100,100bは、基板101、PD 110、DTI構造120または120a、ピクセルトランジスタ130,140,150、FD領域160、多重配線層170、カラーフィルタ180、及びマイクロレンズ190を含むものでもある。
【0035】
基板101は、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、Si-Geのような半導体物質、または、GaP、GaAs、GaSbのようなIII-V族化合物を含むものでもある。なお、一部実施形態において、基板101の少なくとも一部は、SOI(silicon-on-insulator)基板またはGOI(germanium-on-insulator)基板でもある。本実施形態のイメージセンサ100,100bにおいて、基板101は、例えば、Si基板でもある。
【0036】
基板101内に、PD 110が配置されうる。また、基板101の下面には、多重配線層170が配置され、基板101の上面には、カラーフィルタ180およびマイクロレンズ190が配置されうる。本実施形態のイメージセンサ100,100bにおいて、基板101の下面が前面FS(front side)に該当し、基板101の上面が背面BS(back side)に該当しうる。それにより、本実施形態のイメージセンサ100,100bは、光が背面BSに入射されるBSI(back-side illumination)構造を有しうる。
【0037】
PD 110は、基板101内に配置され、DTI構造120または120aによって分離されうる。DTI構造120または120aの平面的な形態については、
図1B及び
図1Cの説明部分において、説明された通りである。DTI構造120または120aの垂直構造と係わり、DTI構造120または120aは、前面DTI構造120または背面DTI構造120aを有しうる。前面DTI構造120とは、基板101の前面(FS)においてトレンチを形成した後で、トレンチをDTI物質で充填して形成した構造を言い、FDTI構造と言及されうる。それに反して、背面DTI構造120は、基板101の背面(BS)においてトレンチを形成した後で、トレンチをDTI物質で充填して形成した構造を言い、BDTI構造と言及されうる。
【0038】
図2Bのイメージセンサ100に図示されているように、前面DTI構造120は、基板101を完全に貫通する構造を有しうる。例えば、前面DTI構造120の場合、初期DTI構造の形成後に、基板101の背面グラインディング工程において、DTI構造の下面が露出されるようにすることにより、前面DTI構造120は、基板101を完全に貫通することができる。それに反して、
図2Cのイメージセンサ100bに図示されているように、背面DTI構造120aは、基板101の一部だけ貫通する構造を有しうる。例えば、基板101の背面グラインディング工程後に、背面DTI構造120aが形成されるが、基板101の前面FS上の多重配線層170の損傷を考慮し、トレンチを形成する工程において、基板101の前面FS側のSiが所定厚に維持されるようにすることにより、背面DTI構造120aは、基板101を部分的に貫通しうる。しかしながら、一部実施形態において、背面DTI構造120aが、基板101を完全に貫通する構造を有することもできる。
【0039】
DTI構造120,120aは、
図2Bおよび
図2Cに図示されているように、内部導電層122,122aおよび外部絶縁層124,124aを含むものでもある。内部導電層122,122aは、DTI構造120,120aの中心部分に配置され、ポリSi、メタルのような導電物質を含むものでもある。外部絶縁層124,124aは、内部導電層122,122aを取り囲む構造を有し、内部導電層122,122aを、基板101のSiと絶縁させることができる。例えば、外部絶縁層124,124aは、SiO2のような酸化膜、SiNxのような窒化膜、酸窒化膜、または、HfOxのような高誘電膜、のような絶縁物質を含むものでもある。しかしながら、外部絶縁層124,124aの材質は、前述の物質に限定されるものではない。
【0040】
本実施形態のイメージセンサ100,100aにおいて、DTI構造120,120aが、2種物質層を含む二重層構造を有しうる。しかしながら、本実施形態のイメージセンサにおいて、DTI構造120,120aの構造は、二重層構造に限定されるものではない。例えば、本実施形態のイメージセンサ100,100aにおいて、DTI構造120,120aは、1種絶縁物質層の単一層構造を有するか、あるいは、3種以上の物質層を含む多重層構造を有しうる。
【0041】
FD領域160は、x方向に隣接する2個の単位ピクセルの間、例えば、DCC領域DCCAに配置されうる。そのようなFD領域160は、基板101の前面FSのSi部分に、不純物が高濃度にドーピングされて形成されうる。トランジスタの概念において、FD領域160は、伝送トランジスタ130のソース/ドレイン領域を構成しうる。すなわち、PD 110とFD領域160とが伝送トランジスタ130のソース/ドレイン領域を構成し、伝送ゲートTGのスイッチング作用を介して、PD 110で生成された電荷が、FD領域160に伝達され、FD領域160に保存されうる。FD領域160は、配線172を介して、リセットトランジスタ140のソース/ドレイン領域と、ソースフォロワトランジスタ150のソースフォロワゲートSFとに連結されうる。FD領域160、リセットトランジスタ140、及びソースフォロワトランジスタ150の配線連結関係については、
図4A及び
図4Bの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0042】
多重配線層170は、基板101の前面FS上に配置され、配線172、垂直ビア174、及び層間絶縁層176を含むものでもある。図示されているように、配線172は、多重層構造を有し、z方向に隣接する配線172は、垂直ビア174を介して、互いに連結されうる。また、配線172は、垂直ビア174を介して、トランジスタのゲートおよびソース/ドレイン領域に連結されうる。
図2B及び
図2Cにおいて、配線172が垂直ビア174を介して、伝送トランジスタ130のゲートに連結された構造が図示されている。伝送トランジスタ130のゲート、すなわち、伝送ゲートTGは、一部分が、基板101の内部に挿入される垂直ゲート構造を有しうる。なお、層間絶縁層176は、窒化膜、酸化膜、または酸窒化膜などを含むものでもある。
【0043】
カラーフィルタ180は、基板101の背面BS上に配置されうる。
図1Bおよび
図1Cに図示されているように、1個の単位ピクセルに、1個のカラーフィルタ180が配置されうる。しかしながら、カラーフィルタ180の配置構造は、それに限定されるものではない。カラーフィルタ180の配置構造については、
図7Aないし
図7Dの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0044】
マイクロレンズ190は、基板101の背面BSのカラーフィルタ180上に配置されうる。
図1Bおよび
図1Cに図示されているように、1個の単位ピクセルに、1個のマイクロレンズ190が配置されうる。しかしながら、マイクロレンズ190の配置構造は、それに限定されるものではない。マイクロレンズ190の配置構造については、
図6A及び
図6Bの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0045】
共有ピクセルSPXは、ピクセルトランジスタを含むものでもある。ピクセルトランジスタは、例えば、伝送トランジスタ130、リセットトランジスタ140、ソースフォロワトランジスタ150、及び選択トランジスタを含むものでもある。
図2Aにおいて、伝送トランジスタ130の伝送ゲートTG、リセットトランジスタ140のリセットゲートRG、ソースフォロワトランジスタ150のソースフォロワゲートSFが、図示されている。リセットゲートRG、および、その両側に配置された高濃度ドーピング領域が、リセットトランジスタ140を構成し、ソースフォロワゲートSF、および、その両側に配置された高濃度ドーピング領域が、ソースフォロワトランジスタ150を構成しうる。
【0046】
図2Aに図示されているように、単位ピクセルそれぞれには、リセットゲートRGまたはソースフォロワゲートSF以外に、少なくとも1つのダミーゲート145が配置されうる。そのようなダミーゲート145は、多様な用途に使用されうる。例えば、本実施形態のイメージセンサ100において、第3ピクセルPX3の右側下端のダミーゲート145は、選択トランジスタ145Tを構成しうる。さらには、ダミーゲート145は、選択トランジスタ145Tの選択ゲートとしてだけではなく、イメージセンサ100において、他の動作特性を具現するために利用されうる。例えば、ダミーゲート145は、共有ピクセルのデュアル変換利得(CG:conversion gain)やトリプルCG具現のために利用されうる。ここで、該CGは、PDで生成された電荷がFD領域に移されて、蓄積され、該電荷が電圧に変わる比率を意味しうる。また、ダミーゲート145は、ソースフォロワゲートSFを複数個により構成するときに、さらなるソースフォロワゲートSFとして利用されもする。
【0047】
本実施形態のイメージセンサ100においては、4個の単位ピクセルが1つの共有ピクセルSPXを構成しうる。それにより、共有ピクセルSPXは、4個のPD 110が1つのFD領域160を共有する構造を有しうる。ただし、本実施形態のイメージセンサ100,100bにおいては、第1DTI構造122-1により、物理的に2個のFD領域160が配置され、2個のFD領域160が配線172を介して連結されることにより、電気的に1個のFD領域160を構成しうる。共有ピクセルSPXにおいて、4個のPD 110による1つのFD領域160の共有は、
図1Aの等価回路図を介して知ることができるように、それぞれのPD 110に対応する伝送トランジスタ130を介して行われうる。
【0048】
なお、共有ピクセルSPXにおける共有の概念は、4個のPD 110が、1つのFD領域を共有するという意味だけではなく、4個のPD 110が、リセットトランジスタ140、ソースフォロワトランジスタ150、及び選択トランジスタを共有するという意味も含むものでもある。前述のように、選択トランジスタは、ソースフォロワトランジスタに隣接して配置されたダミーゲート145Tによって具現されうる。
【0049】
図3は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの共有ピクセルに係わる平面図である。
図1Aないし
図2Dの説明部分においてすでに説明された内容、簡単に説明されるか、あるいは省略される。
【0050】
図3を参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100cは、FD領域160aの構造において、
図1Bのイメージセンサ100と異なりうる。具体的には、本実施形態のイメージセンサ100cにおいて、FD領域160aは、単位ピクセルPX1~PX4それぞれに配置されうる。例えば、第1FD領域160a-1は、DCC領域DCCAに隣接し、第1単位ピクセルPX1に配置され、第2FD領域160a-2は、DCC領域DCCAに隣接し、第2単位ピクセルPX12に配置され、第3FD領域160a-3は、DCC領域DCCAに隣接し、第3単位ピクセルPX3に配置され、第4FD領域160a-4は、DCC領域DCCAに隣接し、第4単位ピクセルPX4に配置されうる。それにより、第1単位ピクセルPX1の第1PD PD1で生成された電荷は、当該伝送トランジスタを介して、第1FD領域160a-1に蓄積され、第2単位ピクセルPX2の第2PD PD2で生成された電荷は、当該伝送トランジスタを介して、第2FD領域160a-2に蓄積され、第3単位ピクセルPX3の第3PD PD3で生成された電荷は、当該伝送トランジスタを介して、第3FD領域160a-3に蓄積され、第4単位ピクセルPX4の第4PD PD4で生成された電荷は、当該伝送トランジスタを介して、第4FD領域160a-4に蓄積されうる。
【0051】
なお、本実施形態のイメージセンサ100cにおいては、共有ピクセルSPXの概念に基づき、4個のFD領域160a-1~160a-4は、配線172を介して、互いに連結され、リセットトランジスタ140およびソースフォロワトランジスタ150に連結されうる。FD領域160a、リセットトランジスタ140、及びソースフォロワトランジスタ150の配線連結関係については、
図4A及び
図4Bの説明部分において、さらに詳細に説明される。
【0052】
図4A及び
図4Bは、
図1B及び
図3のイメージセンサの共有ピクセルにおいて、FD領域とピクセルトランジスタとの配線連結を示す概念図である。
【0053】
図4Aを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100において、共有ピクセルSPXの中心部分の2個のFD領域160は、配線172を介して、互いに連結されうる。また、2個のFD領域160は、配線172を介して、リセットトランジスタ140のソース領域140sに連結され、ソースフォロワトランジスタ150のソースフォロワゲートSFに連結されうる。そのような連結関係は、
図1Aの回路図を介して知ることができる。参照として、
図4Aにおいて、ソース領域140s内の×を含む四角は、コンタクトを示しうる。
【0054】
配線172を介して連結されることにより、リセットトランジスタ140のソース領域140sは、FD領域160と同電位をなしうる。また、ソースフォロワトランジスタ150のソースフォロワゲートSFも、FD領域160と同電位をなしうる。従って、FD領域160、リセットトランジスタ140のソース領域140s、及びソースフォロワゲートSFは、いずれも同電位をなしうる。
【0055】
図4Bを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100cにおいて、共有ピクセルSPXの中心部分の4個のFD領域160aは、配線172を介して、互いに連結されうる。また、4個のFD領域160aは、配線172を介して、リセットトランジスタ140のソース領域140sに連結され、ソースフォロワトランジスタ150のソースフォロワゲートSFに連結されうる。
【0056】
以上、4個の単位ピクセルを共有する共有ピクセルSPXの構造について説明してきた。しかしながら、本実施形態のイメージセンサの共有ピクセルが、4個の単位ピクセルを共有する構造に限定されるものではない。例えば、本実施形態のイメージセンサにおいて、該共有ピクセルは、2個の単位ピクセルを共有するか、あるいは、8個の単位ピクセルを共有することもできる。なお、該共有ピクセルが、2個の単位ピクセルを共有し、
図1Bや
図2Bの構造を有する場合、ピクセル対それぞれが、共有ピクセルを構成し、該ピクセル対それぞれの2個の単位ピクセルに、リセットトランジスタ、ソースフォロワトランジスタ、及び選択トランジスタが配置されうる。
【0057】
図5Aないし
図5Cは、
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルが、二次元アレイ構造に配列された構造を示す平面図である。
図1B及び
図1Cを共に参照して説明されるが、
図1Aないし
図4Bの説明部分においてすでに説明された内容は、簡単に説明されるか、あるいは、省略される。
【0058】
図5Aを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100は、二次元アレイ構造に配置された多数の第1共有ピクセルSPX1を含むものでもある。例えば、第1共有ピクセルSPX1は、x方向とy方向とに沿い、多数個配置されうる。なお、x方向に隣接する2個の第1共有ピクセルSPX1は、互いに同一構造を有しうる。また、y方向に隣接する2個の第1共有ピクセルSPX1も、互いに同一構造を有しうる。
【0059】
本実施形態のイメージセンサ100において、第1共有ピクセルSPX1は、
図1Bの共有ピクセルSPX、または、
図1Cの共有ピクセルSPX’と実質的に同一形態を有しうる。
図5Aには、
図1Bの共有ピクセルSPXの形態を有する第1共有ピクセルSPX1が図示されている。それにより、全ての第1共有ピクセルSPX1の第1DTI構造120-1が、x方向に延長される構造を有しうる。また、y方向に隣接する第1共有ピクセルSPX1の第2DTI構造120-2が、互いに対向する構造を有しうる。
【0060】
もし、第1共有ピクセルSPX1が、
図1Cの共有ピクセルSPX’の形態を有する場合には、全ての第1共有ピクセルSPX1の第1DTI構造120-1’が、y方向に延長される構造を有しうる。また、x方向に隣接する第1共有ピクセルSPX1の第2DTI構造120-2’が、互いに対向する構造を有しうる。
【0061】
図5Bを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100dは、二次元アレイ構造に配置された多数の第2共有ピクセルSPX2を含むものでもある。例えば、第1共有ピクセルSPX2は、x方向とy方向とに沿い、多数個配置されうる。なお、x方向に隣接する2個の第2共有ピクセルSPX2は、互いに異なる構造を有しうる。また、y方向に隣接する2個の第2共有ピクセルSPX2も、互いに異なる構造を有しうる。例えば、第2共有ピクセルSPX2は、
図1Bの共有ピクセルSPX、および、
図1Cの共有ピクセルSPX’の2種形態を共に含むものでもある。また、多数の第2共有ピクセルSPX2は、x方向に、
図1Bの共有ピクセルSPXと、
図1Cの共有ピクセルSPX’とが互いに隣接し、y方向に、
図1Bの共有ピクセルSPXと、
図1Cの共有ピクセルSPX’とが互いに隣接して配置されうる。従って、x方向に沿い、
図1Bの共有ピクセルSPXと、
図1Cの共有ピクセルSPX’とが、代わる代わる配置され、また、y方向に、
図1Bの共有ピクセルSPXと、
図1Cの共有ピクセルSPX’とが、代わる代わる配置されうる。
【0062】
なお、
図1Bの共有ピクセルSPXと、
図1Cの共有ピクセルSPX’とが互いに隣接して配置されることにより、x方向に、
図1Bの共有ピクセルSPXの第1DTI構造120-1が、
図1Cの共有ピクセルSPX’の第2DTI構造120-2’と対向しうる。また、y方向に、
図1Cの共有ピクセルSPX’の第1DTI構造120-1’が、
図1Bの共有ピクセルSPXの第2DTI構造120-2と対向しうる。
【0063】
図5Cを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100eにおいて、4個の共有ピクセルSPX,SPX’は、2×2構造の繰り返し構造RPXを構成しうる。繰り返し構造RPXは、第1繰り返し構造PRX1および第2繰り返し構造PRX2を含むものでもある。x方向に沿い、第1繰り返し構造PRX1と、第2繰り返し構造PRX2とが、代わる代わる配置され、また、y方向に沿い、第1繰り返し構造PRX1と、第2繰り返し構造PRX2とが、代わる代わる配置されうる。
【0064】
なお、第1繰り返し構造PRX1および第2繰り返し構造PRX2は、互いに異なる共有ピクセルを含むものでもある。例えば、第1繰り返し構造PRX1は、4個の、
図1Bの共有ピクセルSPXを含み、第2繰り返し構造PRX2は、4個の、
図1Cの共有ピクセルSPX’を含むものでもある。
【0065】
一実施形態により、第1繰り返し構造PRX1および第2繰り返し構造PRX2は、それぞれ、2個の
図1Bの共有ピクセルSPX、および、2個の
図1Cの共有ピクセルSPX’を含みながら、互いに異なる構造を有することもできる。例えば、第1繰り返し構造PRX1は、左側上側から時計回り方向に、
図1Bの共有ピクセルSPX、
図1Cの共有ピクセルSPX’、
図1Bの共有ピクセルSPX、及び、
図1Cの共有ピクセルSPX’が配置され、第2繰り返し構造PRX2は、左側上側から時計回り方向に、
図1Cの共有ピクセルSPX’、
図1Bの共有ピクセルSPX、
図1Cの共有ピクセルSPX’、及び、
図1Bの共有ピクセルSPXが配置されうる。
【0066】
本実施形態のイメージセンサにおいて、共有ピクセルの二次元アレイ構造が、前述の二次元アレイ構造に限定されるものではない。例えば、本実施形態のイメージセンサにおいて、
図1Bの共有ピクセルSPXと、
図1Cの共有ピクセルSPX’との多様な組み合わせを介して、共有ピクセルに係わる多様な二次元アレイ構造が具現されうる。さらには、
図1Bの共有ピクセルSPXと、
図1Cの共有ピクセルSPX’とのFD領域160の配置構造に限定されるものではなく、
図3の共有ピクセルSPXのFD領域160aの配置構造も、適用されうる。
【0067】
図6A及び
図6Bは、
図1Bのイメージセンサの共有ピクセルに配置されたマイクロレンズの構造を示す概念図である。
図1Bを共に参照して説明されるが、
図1Aないし
図5Cの説明部分においてすでに説明された内容は、簡単に説明されるか、あるいは、省略される。
【0068】
図6Aを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100において、マイクロレンズ190は、単位ピクセル1個当たり、1個ずつ配置されうる。例えば、第1単位ピクセルPX1ないし第4単位ピクセルPX4それぞれに、1枚のマイクロレンズ190が配置されうる。従って、
図6Aに図示されているように、本実施形態のイメージセンサ100において、共有ピクセルSPX内に、4枚のマイクロレンズ190が配置されうる。
【0069】
図6Bを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100fにおいて、マイクロレンズ190aは、共有ピクセル1個当たり、1枚ずつ配置されうる。例えば、第1単位ピクセルPX1ないし第4単位ピクセルPX4の全体を覆う1枚のマイクロレンズ190aが配置されうる。従って、
図6Bに図示されているように、本実施形態のイメージセンサ100において、共有ピクセルSPX内に、1枚のマイクロレンズ190aが配置されうる。
【0070】
図7Aないし
図7Dは、
図1Bまたは
図1Cのイメージセンサの共有ピクセルに配置されたカラーフィルタの構造を示す概念図であり、説明の便宜のために、PD、DTI構造及びFD領域は、省略され、カラーフィルタだけ図示されている。
【0071】
図7Aを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100において、カラーフィルタ180は、共有ピクセルSPX内の単位ピクセル1個当たり、1個ずつ配置されうる。例えば、カラーフィルタ180は、RGGB基盤のベイヤー(Bayer)パターンに配置されうる。ここで、Rは、レッドカラーフィルタを意味し、Gは、グリーンカラーフィルタを意味し、Bは、ブルーカラーフィルタを意味しうる。それにより、RGGB基盤のベイヤーパターンは、
図7Aに図示されているように、RとBとが対角に配置され、2個のGが対角に配置されうる。例えば、第1単位ピクセルPX1にRが配置され、第2単位ピクセルPX2にGが配置され、第3単位ピクセルPX3にBが配置され、第4単位ピクセルPX4にGが配置されうる。
【0072】
図7Bを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100gにおいて、カラーフィルタ180aは、共有ピクセルSPXa内の単位ピクセル1個当たり、1個ずつ配置されうる。例えば、カラーフィルタ180aは、RGBW基盤のベイヤーパターンに配置されうる。ここで、Wは、ホワイトカラーフィルタを意味しうる。それにより、RGBW基盤のベイヤーパターンは、
図7Bに図示されているように、RとBとが対角に配置され、GとWとが対角に配置されうる。例えば、第1単位ピクセルPX1にRが配置され、第2単位ピクセルPX2にGが配置され、第3単位ピクセルPX3にBが配置され、第4単位ピクセルPX4にWが配置されうる。
【0073】
図7Cを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100hにおいて、カラーフィルタ180bは、共有ピクセルSPXb 1個当たり、1個ずつ配置されうる。すなわち、1個のカラーフィルタ180bは、共有ピクセルSPXb内の4個の単位ピクセルをいずれも覆うように配置されうる。例えば、カラーフィルタ180bは、RGGB基盤のテトラ(Tetra)パターンに配置されうる。それにより、RGGB基盤のテトラパターンは、
図7Cに図示されているように、RとBとが対角に配置され、2個のGが対角に配置されうる。例えば、第1共有ピクセルSPXb1にRが配置され、第2共有ピクセルSPXb2にGが配置され、第3共有ピクセルSPXb3にBが配置され、第4共有ピクセルSPXb4にGが配置されうる。
【0074】
図7Dを参照すれば、本実施形態のイメージセンサ100iにおいて、カラーフィルタ180cは、4個の共有ピクセルSPXc 1個当たり、1個ずつ配置されうる。すなわち、1個のカラーフィルタ180cは、4個の共有ピクセルSPXc内の16個の単位ピクセルをいずれも覆うように配置されうる。例えば、カラーフィルタ180cは、RGGB基盤のテトラ二乗のパターンに配置されうる。それにより、RGGB基盤のテトラ二乗のパターンは、
図7Dに図示されているように、RとBとが対角に配置され、2個のGが対角に配置されうる。例えば、4個の第1共有ピクセルSPXc1にRが配置され、4個の第2共有ピクセルSPXc2にGが配置され、4個の第3共有ピクセルSPXc3にBが配置され、4個の第4共有ピクセルSPXc4にGが配置されうる。
【0075】
さらには、本実施形態のイメージセンサにおいて、カラーフィルタの配置構造は、前述の配置構造に限定されるものではない。例えば、本実施形態のイメージセンサにおいて、カラーフィルタは、RGBW基盤のテトラパターンや、RGBW基盤のテトラ二乗のパターンに配置されもする。
【0076】
図8は、本発明の一実施形態によるイメージセンサ全体に係わるブロック構造図である。
図1Aないし
図1Cを共に参照するが、
図1Aないし
図7Dの説明部分においてすでに説明された内容は、簡単に説明されるか、あるいは、省略される。
【0077】
図8を参照すれば、本実施形態のイメージセンサ1000は、ピクセルアレイ1100、タイミングコントローラ(T/C)1010、ロウデコーダ1020、及び出力回路(1030)を含むものでもある。本実施形態のイメージセンサ1000は、例えば、CCD(charge couple device)イメージセンサまたはCMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサでもある。
【0078】
なお、本実施形態のイメージセンサ1000は、
図1B、
図1C、
図2C、
図3、
図5B、
図5C、
図6B、及び、
図7bないし
図7Dのイメージセンサ100,100a~100iのうちいずれか一つでもある。それにより、ピクセルアレイ1100は、複数のロウと、複数のカラムとに沿い、二次元アレイ構造に配列された複数の単位ピクセル及び/又は共有ピクセルSPXを含むものでもある。ロウデコーダ1020は、タイミングコントローラ1010から出力されたロウアドレス信号に応答し、ピクセルアレイ1100の複数のロウのうちいずれか1つのロウを選択しうる。出力回路1030は、選択されたロウに沿って配列された複数の単位ピクセル及び/又は共有ピクセルSPXから、カラム単位でイメージ信号を出力しうる。出力回路1030は、アナログ・デジタル(A/D)コンバータ(ADC)を含むものでもある。例えば、出力回路1030は、カラムデコーダとピクセルアレイ1100との間において、カラム別にそれぞれ配置された複数のアナログ・デジタル(A/D)コンバータ(ADC)を含むか、あるいは、カラムデコーダの出力端に配置された1つのアナログ・デジタル(A/D)コンバータ(ADC)を含むものでもある。一実施形態により、タイミングコントローラ1010、ロウデコーダ1020、及び出力回路1030は、1つのチップに具現されるか、あるいは、それぞれ別個のチップに具現されうる。
【0079】
本実施形態のイメージセンサ1000において、共有ピクセルSPXが第1DTI構造120-1を介して、ピクセル対に完全に分離され、また、該ピクセル対が、第2DTI構造120-2を介して、単位ピクセルに部分的に分離される構造を有しうる。そのような共有ピクセルSPXの構造に基づき、本実施形態のイメージセンサ1000は、光損失を最小化させながらも、隣接する2個の単位ピクセル間に、オーバーフロー経路を提供しうる。従って、PDそれぞれにおける電荷量のセンシング正確度を向上させることができる。
【0080】
図9は、本発明の一実施形態によるイメージセンサを含む電子装置に係るブロック構造図である。
図1Aないし
図1C、及び、
図8を共に参照するが、
図1Aないし
図8の説明部分においてすでに説明された内容は、簡単に説明されるか、あるいは、省略される。
【0081】
図9を参照すれば、本実施形態のイメージセンサを含む電子装置2000(以下,簡単に「電子装置」とする)は、撮像部2100、イメージセンサ1000、及びプロセッサ(PRO.)2200を含むものでもある。電子装置2000は、例えば、カメラでもある。撮像部2100は、被写体OBJから反射された光を収束し、光学像(optical image)を形成しうる。撮像部2100は、対物レンズ2010、レンズ駆動部(L-DR.)2120、絞り(IRIS)2130、及び絞り駆動部(I-DR.)2140を含むものでもある。
図9において、便宜上、1枚のレンズだけが図示されているが、実際には、対物レンズ2010は、大きさと形態とがそれぞれ異なる複数のレンズを含むものでもある。一部実施形態において、電子装置2000は、モバイル用カメラでもあるが、該モバイル用カメラにおいて、絞り2130及び絞り駆動部2140が省略されうる。
【0082】
レンズ駆動部2120は、プロセッサ2200と、焦点検出に係わる情報を通信し、プロセッサ2200から提供された制御信号により、対物レンズ2010の位置を調節しうる。レンズ駆動部2120は、対物レンズ2010を移動させ、対物レンズ2010と被写体OBJとの距離を調節するか、あるいは、対物レンズ2010内のそれぞれの個別レンズの位置を調節しうる。レンズ駆動部2120が対物レンズ2010を駆動させることにより、被写体OBJに対する焦点が調節されうる。また、レンズ駆動部2120は、焦点を合わせるために、オートフォーカスAF情報を受け、対物レンズ2010内の個別レンズの位置を調節しうる。
【0083】
絞り駆動部2140は、プロセッサ2200と、光量に係わる情報を通信し、プロセッサ2200から提供された制御信号により、絞り2130を調節しうる。例えば、絞り駆動部2140は、対物レンズ2010を介して、電子装置2000の内部に入ってくる光の量により、絞り2130の口径を増減させうる。また、絞り駆動部2140は、絞り2130の開放時間を調節しうる。
【0084】
イメージセンサ1000は、入射される光の強度を基に、電気的なイメージ信号を生成しうる。イメージセンサ1000は、例えば、
図1B、
図1C、
図2C、
図3、
図5B、
図5C、
図6B、及び、
図7bないし
図7Dのイメージセンサ100,100a~100iのうちいずれか一つでもある。また、イメージセンサ1000は、
図8のイメージセンサ1000でもある。それにより、イメージセンサ1000は、ピクセルアレイ(PA)1100、タイミングコントローラ1010、及び出力回路(OC)1030を含むものでもある。また、
図9に図示されていないが、イメージセンサ1000は、ロウデコーダ1020を、さらに含むものでもある。
【0085】
プロセッサ2200は、電子装置2000の全般的な動作を制御し、映像処理機能を遂行しうる。例えば、プロセッサ2200は、レンズ駆動部2120、絞り駆動部2140、タイミングコントローラ1010などに、各構成要素の動作のための制御信号を提供しうる。
【0086】
以上、本発明について、図面に図示された実施形態を参照にして説明してきたが、それらは、例示的なものに過ぎず、本技術分野の通常の知識を有する者であるならば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。
【符号の説明】
【0087】
100,100a~100i,1000 イメージセンサ
101 基板
110 PD
120 DTI
130 伝送トランジスタ
140 リセットトランジスタ
150 ソースフォロワトランジスタ
160 FD領域
170 多重配線層
180,180a~180c カラーフィルタ
190,190a マイクロレンズ
1100 ピクセルアレイ
1010 タイミングコントローラ
1020 ロウデコーダ
1030 出力回路
2200 プロセッサ
2000 電子装置
2010 対物レンズ
2120 レンズ駆動部
2100 撮像部
2130 絞り
2140 絞り駆動部