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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013786
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】学習支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 5/02 20060101AFI20240125BHJP
   G09B 19/06 20060101ALI20240125BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240125BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240125BHJP
【FI】
G09B5/02
G09B19/06
G06Q50/10
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116143
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】522291980
【氏名又は名称】株式会社英語アカデミー
(74)【代理人】
【識別番号】100119367
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 理
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 直彦
【テーマコード(参考)】
2C028
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA03
2C028BA01
2C028BB04
2C028BC01
2C028BD01
5E555AA02
5E555AA26
5E555AA75
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB07
5E555CB12
5E555CB33
5E555CC26
5E555DB04
5E555DB45
5E555DC11
5E555FA00
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】この発明は、タッチパネルに表示される事項から見たい領域と隠したい領域を学習者自身が簡単かつ自由に選択でき、暗記学習に適した学習支援プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】
学習支援プログラム10は、演算装置によって実行されることによりタッチパネル5に学習支援画面を表示させるコンピュータプログラムであり、
複数の第1学習事項21をタッチパネル5の第1表示域23に表示し、第1学習事項21の各要素に一対一で対応する第2学習事項22をタッチパネル5の第2表示域24に表示する学習事項表示処理11と、
長方形のマスク6をタッチパネル5に表示するマスク表示処理12と、
タッチパネル5の表面への接触位置を検知し、接触位置の移動に対応してマスク6の表示位置を平行移動させるマスク移動処理13を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算装置によって実行されることによりタッチパネルに学習支援画面を表示させるコンピュータプログラムであり、
複数の第1学習事項をタッチパネルの第1表示域に表示し、第1学習事項の各要素に一対一で対応する第2学習事項をタッチパネルの第2表示域に表示する学習事項表示処理と、
長方形のマスクをタッチパネルに表示するマスク表示処理と、
タッチパネルの表面への接触位置を検知し、接触位置の移動に対応してマスクの表示位置を平行移動させるマスク移動処理を有する学習支援プログラム。
【請求項2】
第1学習事項の要素とそれに対応する第2学習事項の要素の組合せごとにタッチパネルに表示された非表示選択ボタンへの接触を検知した時に、対応する第1学習事項の要素と第2学習事項の要素の組合せをタッチパネルに表示させなくする非表示選択処理を有する請求項1に記載の学習支援プログラム。
【請求項3】
サーバコンピュータにインストールされ、サーバコンピュータにより実施され、通信回線によりサーバコンピュータに接続される携帯通信端末のタッチパネルに学習支援画面を表示させるコンピュータプログラムである、請求項1または請求項2に記載の学習支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、英単語の暗記などの学習を支援するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
学習のための教材としては、古来より教科書など紙媒体の印刷物は古くから使用されてきた。学習においては、思考力の養成よりも、記憶が重要な事項もある。特に、英語など言語の単語や歴史の年代などは、多数の事項を暗記することが求められ、単語帳のように暗記に適した教材が使用される。
【0003】
紙媒体の教材に加えて、コンピュータなど電子機器を利用した教材も開発されてきている。たとえば、特許文献1には、表示デバイスの画面の上から順に、問題 、確信度 、選択肢群を表示し、学習者が選択すると、「正解」または「誤答」と表示する。
【0004】
特許文献2には、教材編集時には、教材原稿として表示されているテキストや図から暗記学習対象とする複数の領域を隠蔽指定するマスク設定手段と、隠蔽指定された各々のマスク設定領域に対する解答領域を選択し、選択された該解答領域から解答を設定する解答設定手段と、暗記学習時には、マスク設定領域と解答領域の情報をもとに実際の隠蔽領域を決定後、該隠蔽領域を隠蔽するマスク手段と、隠蔽領域に対する回答を操作者が入力する回答手段と、解答設定手段によってあらかじめ設定された解答を表示する解答表示手段と、を備えたコンピュータを用いた暗記学習システムが記載されている。ここで、マスクにより隠蔽する領域を指定するのは教材編集時である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-22081号
【特許文献2】特開2002-62792号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
教科書や単語帳などの印刷物は嵩張り、持ち運びのは不便である。また、かばんの中から取り出すのは不便であり、短い空き時間に利用しにくい。特許文献1のような携帯電話機を利用する学習支援装置であれば、どこでも簡単に利用できて便利である。しかし、特許文献1の学習支援装置は一問一答であり、画面に一つの問題を表示し、これに対する答えを4つの選択肢から選択するというものである。したがって、多数の事項を学習するには、その事項の数に対応した回数で画面の表示を切り替えていく。しかも、用意された選択肢から選ぶという解答であり、まったく手がかりがない条件で解答するという学習方法は実現できない。このような方法は、英単語の暗記のような大量の事項を短時間に習得するのには適していない。
【0007】
特許文献2の暗記学習システムでは、教材の編集者が指定した領域がマスクにより隠蔽され、学習者はその領域に隠蔽された事項を答えるという学習方法しか選べない。学習者自身が隠蔽領域を自由に指定することはできない。
【0008】
この発明は、タッチパネルに表示される事項から見たい領域と隠したい領域を事項学習者自身が簡単かつ自由に選択でき、暗記学習に適した学習支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、この発明の学習支援プログラムは、演算装置によって実行されることによりタッチパネルに学習支援画面を表示させるコンピュータプログラムであり、
複数の第1学習事項をタッチパネルの第1表示域に表示し、第1学習事項の各要素に一対一で対応する第2学習事項をタッチパネルの第2表示域に表示する学習事項表示処理と、
長方形のマスクをタッチパネルに表示するマスク表示処理と、
タッチパネルの表面への接触位置を検知し、接触位置の移動に対応してマスクの表示位置を平行移動させるマスク移動処理を有する。
また、第1学習事項の要素とそれに対応する第2学習事項の要素の組合せごとに非表示選択ボタンをタッチパネルに表示し、非表示選択ボタンへの接触を検知した時に対応する第1学習事項の要素と第2学習事項の要素の組合せをタッチパネルに表示させなくする非表示選択処理を備えてもよい。
さらに、サーバコンピュータにインストールされ、サーバコンピュータにより実施され、通信回線によりサーバコンピュータに接続される携帯通信端末のタッチパネルに学習支援画面を表示させるコンピュータプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明の学習支援プログラムは、第1学習事項の要素とそれに対応する第2学習事項の要素の組合せを一つの画面に複数表示するので、暗記に必要な情報を効果的に提供できる。タッチパネルへの操作によりマスクを自由に自動させることができ、見たい領域や隠したい領域を簡単に変えることができ、効果的に暗記の支援ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】学習支援システムを示す概念図である。
図2】学習支援プログラムの実施例を示す概念図である。
図3】学習支援プログラムの作用を示す流れ図である。
図4】クラス選択画面の表示の例を示す概念図である。
図5】学習事項データ構成の例を示す概念図である。
図6】学習画面の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明を実施するための形態について説明する。図1は学習支援システムを示す概念図である。学習支援システムにおいてサーバコンピュータ2はインターネットなどの通信回線3に接続されており、利用者端末4と送受信が可能となっている。利用者端末4には高機能携帯電話端末やタブレット端末などの携帯通信端末が使用される。この利用者端末4は、表示機能に加えて指やタッチペンなどの接触を感知する位置入力機能を備えたタッチパネル(接触画面)5を備えている。ここで、サーバコンピュータ2には学習支援プログラム10がインストールされていて、学習支援プログラム10がサーバコンピュータ2で実行されることにより、サーバコンピュータ2は学習支援装置30として機能する。
【0013】
学習支援プログラム10は主要な構成として、学習事項表示処理部11と、マスク表示処理部12と、マスク移動処理部13を備える。
【0014】
学習事項表示処理部11は、複数の第1学習事項21と、第1学習事項の各要素に一対一で対応する第2学習事項22を利用者端末4のタッチパネルに表示する。画面には、第1表示域23と第2表示域24が形成され、第1表示域23には第1学習事項21が、第2表示域24には第2学習事項22がそれぞれ表示される。
【0015】
たとえば、英単語の学習の場合、第1学習事項21を英単語に、第2学習事項22をその和訳、すなわち日本語による意味の説明にすることができる。あるいは逆に、日本語による意味の説明を第1学習事項21とし、対応する英単語を第2学習事項22としもよい。また、古文の単語と現代語訳の組み合わせ、年代とその年の歴史的事実の組み合わせなどを第1学習事項21と第2学習事項22の組み合わせとして、古語の暗記や年代の暗記などの学習支援を行ってよく、この発明は、さまざまな学習内容の暗記の学習支援に適用できる。
【0016】
第1表示域23と第2表示域24はそれぞれ長方形状に設定される。これらは、左右に並べられてもよく、上下に並べてもよい。英単語学習の場合、第1表示域23をタッチパネル5の左側に表示し、その右側に第2表示域24に表示するのが好ましい。
【0017】
マスク表示処理部12は、タッチパネル5にマスク6を表示する。マスク6は第2表示部24の幅と同じかそれより若干大きい幅の長方形状であり、このマスク6の領域においては、第1表示域23や第2表示域24に表示されるべき内容、つまり、第1学習事項21や第2学習事項22は見えなくなる。また、幅に対して垂直な方向の長さ(本例では縦方向の長さ)は、第2表示域24とほぼ同じにすることが好ましい。この場合、マスク6が第2表示域24に重なっているときに第2表示域24を全て隠し、しかも第1領域23は完全に見える状態になっている。なお、マスク6は完全な長方形状に限らず、四隅に丸みが付いていてもよい。
【0018】
マスク6が表示されている領域内においてタッチパネルが触れられると、マスク移動処理部13が実行される。接触位置の読み取りを続け、接触位置の変化があった場合には、その変化量に応じてマスク6の表示位置を平行移動させる。これによって、学習者は指やタッチペンでタッチパネル5を操作させることによってマスク6の表示位置を自由に移動させることができ、見たい部分と隠したい部分を自由に選択できる。
【0019】
実施例に基いて、さらに説明する。図2は学習支援プログラムの実施例を示す概念図である。学習支援プログラム10は、学習事項表示処理部11、マスク表示処理部12、マスク移動処理部13に加えて、利用者認証処理部14とクラス選択処理部15および非表示項目選択処理部16を備えている。本実施例でも、この学習支援プログラム10は図1におけるサーバコンピュータ2にインストールされており、主にサーバコンピュータ2の演算装置によって実行されるが、処理の一部は利用者端末4の演算装置で分担して実行されてもよい。
【0020】
サーバコンピュータ2はこの学習支援プログラム10により学習支援サービスを提供する者が運用するコンピュータである。利用者端末4は、この学習支援プログラム10による学習支援サービスを利用する学習者が使用する携帯通信端末であり、高機能携帯電話端末やタブレット端末など、通信機能と演算処理機能を有し、表示装置としてタッチパネルを備える端末である。これらは既に普及している汎用的な装置であり、既に学習者が所有している端末を利用することができる。学習者はインターネットなどの通信回線3により、サーバコンピュータ2に接続できる。この接続および学習支援プログラム10の利用は、ブラウザやsnsで提供されるブラウジング機能により行うことができる。
【0021】
図3は学習支援プログラムの作用を示す流れ図である。学習支援サービスの利用において、学習者は事前に学習支援サービス提供者と契約し、利用者として登録していることを前提とする。利用者端末4からサーバコンピュータ2への接続があると、利用者認証処理部14が実行される。たとえば、snsによる利用の場合、その学習者のsnsにおけるアカウント情報などにより、登録されているかを確認し、登録が確認出来たら、以下の処理を行う。
【0022】
クラス選択処理部15が実行される。学習内容はまずクラスという大きな区分で分けられている。本例は500の英単語の暗記学習用の教材であるが、5つのクラスに区分している。それぞれの区分には100の英単語が登録されている。クラス選択処理部15が実行されると、利用者端末4のタッチパネルにクラス選択画面が表示される。図4はクラス選択画面の表示の例を示す概念図である。この画面は、目次としての役割を果たしている。クラス1からクラス5までの選択ボタンが画面上に選択され、利用者が指等などでボタンに触れるのを待つ。利用者がいずれかの選択ボタンに触れると、選択されたボタンに対応したクラスの学習画面を利用者端末4のタッチパネルに表示する。
【0023】
図5は学習事項データ構成の例を示す概念図であり、あるクラスの学習事項データの例を示している。一つのクラスの学習事項は、さらに小さな区分に分割されている。たとえば、1画面上に表示するのに適した単語数として10の英単語を一つのページにグループ化し、10ページで一つのクラスを構成している。
【0024】
各学習事項は、少なくとも第1学習事項データFDと第2学習事項データSDを有する。本例では、第1学習事項データFDは英単語データであり、一つの英単語の綴りのデータが含まれる。さらに、品詞データPSも含まれてもよい。また、第2学習事項データSDは、第1学習事項データの英単語に対応する日本語のデータである。例えば、1頁目の1番目の第1学習事項データFD1は”adopt”、および、動詞であることを示す品詞データPS1”動”である。一方、これに対応する第2学習事項データSD1は”採用する、養子にする”である。
【0025】
第1学習事項データFDと第2学習事項データSDに加え、さらに非表示選択データNDを含ませてもよい。図5では” 表示” ,” 非表示”と示されて、”0”または”1”の数値などで指定してもよい。第1学習事項データFD、第2学習事項データSDおよび非表示選択データNDの組み合わせを一つの学習事項の単位とし、これを10組まとめて1ページ分のデータとする。そして、それぞれのページにはページ番号データPも設けられている。
【0026】
学習事項表示処理部11が実行されると、利用者端末4のタッチパネル5に学習事項が表示される。図6は学習画面の例を示す概念図である。第1学習事項表示処理により第1学習事項21が表示される。本例では、タッチパネル5の画面の左側に長方形の第1表示域23が設定され、この第1表示域23に第1学習事項21の各要素が上から下へと並べられる。例えば、1ページが選択されているときには、1ページの第1学習事項データFD1,FD2,・・・に基いて、”adopt (動)”,”affair(名)”,・・・・のように表示される。第2学習事項表示処理により第2学習事項22が表示されると、第1表示域の右に長方形の第2表示域24が設定され、この第2表示域24に第2学習事項22の各要素が上から下へ、第2学習事項データSD1,SD2,・・・に基いて、”採用する,養子にする”,”事,事件”,・・・・のように表示される。
【0027】
それぞれ第1学習事項21の要素に対応する第2学習事項22は、縦方向または横方向の位置を合わせて配置される。本例のように、第1表示域23と第2表示域24を左右に配置した場合は、1番目の第1学習事項21の”adopt (動)”の右側に1番目の第2学習事項22の”採用する,養子にする”が表示される。
【0028】
マスク表示処理部12が実行されると、利用者端末4のタッチパネル5にマスクが表示される。マスクの大きさや形状は、見たい部分を表示し、かつ、隠したい部分を隠すのに適していればよいが、第2表示域24と同じ形状にすることが好ましい。特に、その幅は第2表示域24の幅と同じにすることが好ましい。概ね長方形であることが好ましいが、本例のように角部に丸みが形成されていてもよい。また、マスクの中の表示は、単色による塗りつぶしでもよく、模様で表されてもよく、さらには、複数の色や模様のパターンから利用者が選択できるようにしてもよい。このマスク6の領域では、第1学習事項21や第2学習事項22は表示されず、「隠された」状態になる。
【0029】
マスク6の表示位置は、選択されたページの表示を開始するときには、破線Lで示すように第2表示域24に重ねることが好ましい。これにより、第1学習事項21は全て表示されるが、第2学習事項22は全て隠された状態になりそのページの学習を始めるのに適している。
【0030】
また、本例では、画面の右端部に非表示選択ボタン25が表示されている。第1学習事項21と第2学習事項22の組み合わせごとに非表示選択ボタン25が表示される。この非表示選択ボタン25を操作することによって、その列の第1学習事項21と第2学習事項22を非表示にすることができる。例えば、「覚」という字を非表示選択ボタン25に表示することによって、学習者がその学習事項をもう覚えたので表示する必要がないと判断した時に、非表示選択ボタン25を選択することを促すことができる。
【0031】
画面の下端部にページ選択ボタン26が表示されている。本例ではページ数は10なので、それぞれのページに対応した1から10までの数字のボタンが設けられている。そして、現在のページを示すボタンは他の数字のボタンと異なる色や模様掛けで表示されている。
【0032】
学習画面が表示されると、学習支援プログラム10はタッチパネル5の接触を待つ状態になる。マーク6が表示されている領域内が指やタッチペンで接触され、それに対応した接触位置情報を受領したら、マスク移動処理部13が実行される。学習支援プログラムは接触位置情報の取得を継続する。そして、接触位置の変化を検知した場合は、その変化に対応して、マーク6の表示位置を移動させる。たとえば、利用者が指をタッチパネルに当て、下に移動させると、この指の接触位置の変化を検知し、マーク6を下方向に移動させる。これによって、これまでマーク6の上端部によって隠されていた第2学習事項22、たとえば”採用する,養子にする”が表れる。利用者がこれを知らなかった場合は、”adopt (動)”の意味を知ることができ、知っていた場合は自分の知識が正しかったことを確認できる。
【0033】
マスク6は、縦と横の両方向に移動できるようにしてもよい。利用者が指をマスクの位置に当てて、左方向に移動させると、マスク移動処理部13は接触位置情報よりこの移動を検知し、マスク6を左方向に移動するように表示する。これにより、第1学習事項21が隠れ、第2学習事項22が表れる。利用者は、第2学習事項22(日本語による意味)を見ながら、第1学習事項21(英単語の綴り)を考えることができる。
【0034】
以上、利用者はタッチパネルに接した指を移動させることによって自由にマスク6の位置を変化させ、自分の見たい情報や隠したい情報を選択できる。これは、印刷された本にマスクとなるカードを置いて、指で位置を変えるのと同じ操作であり、利用者とって直感的に受け入れやすい学習方法である。しかも、紙などのカードと違って、カードを落下させたり失くしたりする心配もなく、使いやすい。タッチパネルから指を放せばマスク移動処理部13は処理を停止し、最後の接触位置に対応した位置にマスク6は表示され続ける。
【0035】
タッチパネル5の接触を待つ状態において、非表示選択ボタン25の表示位置が接触されたら、非表示項目選択処理部14が実行される。接触された非表示選択ボタン25に対応する第1学習事項21と第2学習事項22がタッチパネル上に表示されなくなる。また、図5に示す学習事項データが変更され、選択された非表示選択ボタン25に対応する非表示選択データNDを”非表示”とし、これを記憶する。暗記を完了した学習事項を表示させないことによって、タッチパネル上には学習に必要な事項のみが画面上に表示されるようになり、学習の効率が向上する。なお、同じページを再度表示させたときは、非表示を選択された項目については非表示選択データNDに”非表示”が記録されているので、その学習項目はやはり表示されない。
【0036】
ページ選択ボタン26の表示位置が接触されたら、学習事項表示処理部11とマスク表示処理部12が実行される。ページ選択ボタン26によって指定されたページの学習事項データに基いて、第1学習事項21と第2学習事項22がタッチパネル状に表示され、さらに第2表示領域の位置にマスクが表示される。こうして、ページの切り替えが行われる。
【0037】
学習画面には、目次ボタン27も表示されている。この目次ボタン27に接触があれば、クラス選択処理部15が実行され、クラス選択画面が表示される。
【0038】
以上、この発明の学習支援プログラムが実行されることにより、暗記学習に適した学習支援サービスが提供される。高機能携帯電話端末など小型の装置で学習ができる。多くの学習事項が第1学習事項21と第2学習事項22の組み合わせで表示されるため、短時間に多くの事項を学習できる。タッチパネルによりマスクの表示位置を自由に移動させ、効果的に暗記に適した学習の支援が実現できる。
【0039】
これまで、学習支援プログラムをサーバコンピュータにインストールし、通信回線で接続された利用者端末に対して学習支援サービスを提供する例を説明した。これによると、利用者は利用者端末にアプリケーションなどをインストールしなくても、学習支援サービスを利用できる。また、学習支援サービスを提供する者は、契約した利用者に対してサービスを提供することにより、対価を安全に得ることができ、また、学習事項の内容に関する知的財産権などについても適切に管理することができる。
【0040】
しかしまた、学習支援プログラムはアプリケーションとして利用者端末にインストールさせ、利用者端末の演算装置で実行させることも可能である。この場合、通信回線を使用することなく利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1.学習支援システム
2.サーバコンピュータ
3.通信回線
4.利用者端末
5.タッチパネル
6.マスク
10.学習支援プログラム
11.学習事項表示処理部
12.マスク表示処理部
13.マスク移動処理部
14.利用者認証処理部
15.クラス選択処理部
16.非表示項目選択処理部
21.第1学習事項
22.第2学習事項
23.第1表示域
24.第2表示域
25.非表示選択ボタン
26.ページ選択ボタン
30.学習支援装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6