IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-蓄電設備及び蓄電設備付き建物 図1
  • 特開-蓄電設備及び蓄電設備付き建物 図2
  • 特開-蓄電設備及び蓄電設備付き建物 図3
  • 特開-蓄電設備及び蓄電設備付き建物 図4
  • 特開-蓄電設備及び蓄電設備付き建物 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137860
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】蓄電設備及び蓄電設備付き建物
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/251 20210101AFI20240927BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/236 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20240927BHJP
   E04H 1/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01M50/251
H01M50/244 Z
H01M50/236
H01M50/224
E04H1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024044108
(22)【出願日】2024-03-19
(31)【優先権主張番号】P 2023046039
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】上野 敬章
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康宏
(72)【発明者】
【氏名】竹井 英俊
【テーマコード(参考)】
2E025
5H040
【Fターム(参考)】
2E025AA03
2E025AA14
5H040AA07
5H040AS01
5H040AY05
5H040CC57
5H040LL01
5H040LL06
5H040NN00
5H040NN01
(57)【要約】
【課題】配置面に対して蓄電素子ユニットを安定して固定する。
【解決手段】蓄電設備90は、配置面PLに対して固定される蓄電素子ユニット10と、蓄電素子ユニット10と配置面PLとの間に位置する凹凸吸収体50と、を有している。凹凸吸収体50は、凹凸吸収性を有し配置面PLに接触する第1層51を含んでいる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置面に対して固定される蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットと前記配置面との間に位置する凹凸吸収体と、を備え、
前記凹凸吸収体は、凹凸吸収性を有し前記配置面に接触する第1層を含む、蓄電設備。
【請求項2】
前記第1層のショアA硬度は、90以下である、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項3】
前記第1層は、ゴム層又は樹脂層である、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項4】
前記凹凸吸収体は、前記第1層と前記蓄電素子ユニットとの間に位置する第2層を含み、
前記第2層のショアA硬度は、前記第1層のショアA硬度よりも大きい、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項5】
前記第2層のヤング係数は、7GPa以上である、請求項4に記載の蓄電設備。
【請求項6】
前記第2層は、金属層又は合板層である、請求項4に記載の蓄電設備。
【請求項7】
前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記第1層及び前記第2層の面積は、前記筐体の前記配置面に対面する壁部の面積よりも大きい、又は当該壁部の当該面積と同一である、請求項4に記載の蓄電設備。
【請求項8】
前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記第2層のヤング係数は、前記筐体の前記配置面に対面する壁部のヤング係数よりも大きい、請求項4に記載の蓄電設備。
【請求項9】
前記凹凸吸収体は、前記蓄電素子ユニットに接触して前記蓄電素子ユニットを位置決めするアタッチメントを含む、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項10】
前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記アタッチメントは、前記筐体の前記配置面に対面する壁部に接触するベース部と、前記ベース部から延び出た規制部と、を含み、
前記規制部は、前記筐体の前記配置面に対面する前記壁部に接続する壁部に接触して、前記蓄電素子ユニットを位置決めする、請求項9に記載の蓄電設備。
【請求項11】
前記規制部は、周状であり、
前記筐体及び前記配置面が対面する方向に沿った前記規制部の長さは、1mm以上である、請求項10に記載の蓄電設備。
【請求項12】
前記第1層の厚さは、1mm以上である、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項13】
前記第2層の厚さは、3mm以上である、請求項4に記載の蓄電設備。
【請求項14】
前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記筐体の前記配置面に対面する壁部を貫通して前記配置面に取り付けられ、前記筐体を前記配置面に固定する固定具をさらに備える、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項15】
前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記凹凸吸収体を前記配置面に固定する固定具をさらに備える、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項16】
前記第1層の厚さは、前記配置面の前記凹凸吸収体と重なる部分における凹凸形状の高低差の最大値以上である、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項17】
前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体を含み、
前記第1層の面積は、前記筐体の前記配置面に対面する壁部の面積の50%以上である、請求項1に記載の蓄電設備。
【請求項18】
配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に収容された蓄電素子モジュールと、を含む蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットと前記配置面との間に位置するスペーサと、
前記筐体の前記配置面に対面する壁部を貫通して前記配置面に取り付けられる固定具と、を備え、
前記スペーサは、大きさ及び厚さの少なくとも一方が異なる複数の小片を含む、蓄電設備。
【請求項19】
前記配置面は、建物の床下収納スペースの底面、建物の床面及び建物の壁面のいずれかである、請求項1~18のいずれか一項に記載の蓄電設備。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか一項に記載の蓄電設備と、
前記配置面を有する建物と、を備える、蓄電設備付き建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電設備及び蓄電設備付き建物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、建物内に配置される蓄電素子ユニットが知られている。蓄電素子ユニットは、建物の配置面に接触した状態で、配置面に対して固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-101584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電素子ユニットの配置場所によっては、平らな配置面を確保できない。凹凸形状を有する配置面に接触した状態では、蓄電素子ユニットを安定して固定できない。本開示は、配置面に対して蓄電素子ユニットを安定して固定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施の形態による蓄電設備は、
配置面に対して固定される蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットと前記配置面との間に位置する凹凸吸収体と、を備え、
前記凹凸吸収体は、凹凸吸収性を有し前記配置面に接触する第1層を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、配置面に対して蓄電素子ユニットを安定して固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施の形態を説明するための図であって、蓄電設備付き建物の正面図である。
図2図2は、筐体のカバーが外された状態の蓄電素子ユニットを示す斜視図である。
図3図3は、配置面に固定された、凹凸吸収体、及び、カバーが外された状態の筐体を示す平面図である。
図4図4は、蓄電設備の一変形例を示す側面図である。
図5図5は、蓄電設備の他の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施の形態は、次の[1]~[20]に関する。
【0009】
[1] 配置面に対して固定される蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットと前記配置面との間に位置する凹凸吸収体と、を備え、
前記凹凸吸収体は、凹凸吸収性を有し前記配置面に接触する第1層を含む、蓄電設備。
【0010】
[2] 前記第1層のショアA硬度は、90以下である、[1]の蓄電設備。
【0011】
[3] 前記第1層は、ゴム層又は樹脂層である、[1]又は[2]の蓄電設備。
【0012】
[4] 前記凹凸吸収体は、前記第1層と前記蓄電素子ユニットとの間に位置する第2層を含み、
前記第2層のショアA硬度は、前記第1層のショアA硬度よりも大きい、[1]~[3]のいずれかに記載の蓄電設備。
【0013】
[5] 前記第2層のヤング係数は、7GPa以上である、[4]の蓄電設備。
【0014】
[6] 前記第2層は、金属層又は合板層である、[4]又は[5]の蓄電設備。
【0015】
[7] 前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記第1層及び前記第2層の面積は、前記筐体の前記配置面に対面する壁部の面積よりも大きい、又は当該壁部の当該面積と同一である、[4]~[6]のいずれかの蓄電設備。
【0016】
[8] 前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記第2層のヤング係数は、前記筐体の前記配置面に対面する壁部のヤング係数よりも大きい、[4]~[7]のいずれかの蓄電設備。
【0017】
[9] 前記凹凸吸収体は、前記蓄電素子ユニットに接触して前記蓄電素子ユニットを位置決めするアタッチメントを含む、[1]~[8]のいずれかの蓄電設備。
【0018】
[10] 前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記アタッチメントは、前記筐体の前記配置面に対面する壁部に接触するベース部と、前記ベース部から延び出た規制部と、を含み、
前記規制部は、前記筐体の前記配置面に対面する前記壁部に接続する壁部に接触して、前記蓄電素子ユニットを位置決めする、[10]の蓄電設備。
【0019】
[11] 前記規制部は、周状であり、
前記筐体及び前記配置面が対面する方向に沿った前記規制部の長さは、3mm以上である、[10]の蓄電設備。
【0020】
[12] 前記第1層の厚さは、1mm以上である、[1]~[11]のいずれかの蓄電設備。
【0021】
[13] 前記第2層の厚さは、3mm以上である、[1]~[12]のいずれかの蓄電設備。
【0022】
[14] 前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記筐体の前記配置面に対面する壁部を貫通して前記配置面に取り付けられ、前記筐体を前記配置面に固定する固定具をさらに備える、[1]~[13]のいずれかの蓄電設備。
【0023】
[15] 前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に配置された蓄電素子モジュールと、を含み、
前記凹凸吸収体を前記配置面に固定する固定具をさらに備える、[1]~[14]のいずれかの蓄電設備。
【0024】
[16] 前記第1層の厚さは、前記配置面の前記凹凸吸収体と重なる部分における凹凸形状の高低差の最大値以上である、[1]~[15]のいずれかの蓄電設備。
【0025】
[17] 前記蓄電素子ユニットは、前記配置面に対して固定される筐体を含み、
前記第1層の面積は、前記筐体の前記配置面に対面する壁部の面積の50%以上である、[1]~[16]のいずれかの蓄電設備。
【0026】
[18] 配置面に対して固定される筐体と、前記筐体内に収容された蓄電素子モジュールと、を含む蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットと前記配置面との間に位置するスペーサと、
前記筐体の前記配置面に対面する壁部を貫通して前記配置面に取り付けられる固定具と、を備え、
前記スペーサは、大きさ及び厚さの少なくとも一方が異なる複数の小片を含む、蓄電設備。
【0027】
[19] 前記配置面は、建物の床下収納スペースの底面、建物の床面及び建物の壁面のいずれかである、[1]~[18]のいずれかの蓄電設備。
【0028】
[20] [1]~[18]のいずれの蓄電設備と、
前記配置面を有する建物と、を備える、蓄電設備付き建物。
【0029】
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、一部の図において示された構成等が、他の図面において省略されていることもある。
【0030】
本明細書において、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
【0031】
図面間における方向関係を明確化するため、図面間で共通する方向を矢印によって示している。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、例えば図1に示すように、円の中に×を設けた記号により示した。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の手前に向かう矢印を、例えば図4に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。
【0032】
図1図3は、本発明による一実施の形態を説明するための図である。図1は、一実施の形態による蓄電設備付き建物100を示す正面図である。蓄電設備付き建物100は、蓄電設備90と、配置面PLを有する建物1と、を有している。蓄電設備90は、配置面PLに対して固定される蓄電素子ユニット10と、蓄電素子ユニット10と配置面PLとの間に位置する中間材40と、を有している。図示された例において、蓄電素子ユニット10は、筐体20と、筐体20内に配置された蓄電素子モジュール30と、を含んでいる。また、中間材40は、凹凸吸収体50である。
【0033】
蓄電設備90は、筐体20及び凹凸吸収体50の少なくともいずれか一方を配置面PLに固定する固定具60を有してもよい。図示された例では、蓄電設備90は、筐体20及び凹凸吸収体50を配置面PLに固定する第1固定具61と、凹凸吸収体50を配置面PLに固定する第2固定具62と、を有している。第1固定具61及び第2固定具62は、ねじでもよい。第1固定具61として用いられるねじは、第2固定具62として用いられるねじと同種でもよい。
【0034】
蓄電設備90が設置される建物1として、一戸建住宅、集合住宅、マンション等の住宅や、オフィス、ビル等の公共施設が例示される。以下では、蓄電設備90を一戸建住宅に設置した例を用いて、一実施の形態を説明する。
【0035】
図1に示す例において、建物1は、床面3と、床面3から立ち上がった壁面4と、を有している。床面3は、第1方向D1及び第1方向D1に直交する第2方向D2に広がっている。壁面4は、第1方向D1と、第1方向D1及び第2方向D2の両方向に直交する第3方向D3と、に広がっている。蓄電素子ユニット10及び凹凸吸収体50は、床面3及び壁面4のいずれかに対して固定されてもよい。床面3及び壁面4のいずれかが、配置面PLでもよい。
【0036】
図示された例において、第3方向D3は鉛直方向と平行な方向となっている。第3方向D3を示す矢印の先端側が、鉛直方向における上側(上方)となる。第3方向D3を示す矢印の基端側が、鉛直方向における下側(下方)となる。
【0037】
図1に示す例において、建物1は、床面3よりも下方に床下収納スペースSを有している。建物1は、床下収納スペースSの底面2を有している。蓄電素子ユニット10及び凹凸吸収体50は、底面2に対して固定されている。すなわち図示された例において、底面2は、配置面PLである。
【0038】
図1に示す例において、配置面PLは、凹凸形状ASを有している。凹凸形状ASは、凸部P及び凹部Rを含んでいる。凸部Pは、配置面PLの凸部P以外の部分よりも突出している。凹部Rは、配置面PLの凹部R以外の部分よりも凹んでいる。図1では、いくつかの凸部Pの最大突出量PA,PBが示されている。図1では、いくつかの凹部Rの最大凹み量RA,RBが示されている。凸部P及び凹部Rは、第1方向D1に並んでいる。凸部P及び凹部Rは、互いに隣接してもよい。
【0039】
蓄電素子ユニット10は、充電及び放電が可能な二次電池ユニットとして用いられる。図1及び図2に示す例において、蓄電素子ユニット10は、直方体状の形状を有している。
【0040】
図2に示す例において、筐体20は、配置面PLと第3方向D3に対面している。図示された例では、第3方向D3は、筐体20と配置面PLとが対面する対面方向DFである。
【0041】
筐体20は、筐体20の外表面を形成する複数の壁部20Wを有している。筐体20は、壁部20Wとして、底壁部21と、底壁部21から立ち上がった複数の側壁部22と、を有している。図示された筐体20では、複数の側壁部22によって上方への開口が形成されている。底壁部21及び側壁部22によって、筐体本体25が構成されてもよい。筐体20は、図2に示すように、壁部20Wとして、開口を覆うカバー23を有してもよい。
【0042】
図3に示す例において、底壁部21は、長方形形状を有する板状の部材である。底壁部21は、配置面PLと対面する壁部20Wである。底壁部21は、配置面PLと第3方向D3に対面している。底壁部21は、筐体20内に収容された蓄電素子モジュール30等の機器を支持する。底壁部21は、金属製でもよい。
【0043】
図1及び図3に示すように、底壁部21は、底壁部21を第3方向D3に貫通する複数の貫通穴21Hを有してもよい。貫通穴21Hは、平面視における筐体20の外周に沿って配置されている。詳しくは後述するように、貫通穴21Hには、筐体20を配置面PLに固定する第1固定具61を通せる。図示された例では、筐体20は、貫通穴21Hを通過し、さらに凹凸吸収体50を貫通した第1固定具61によって、配置面PLに対して固定されている。なお、第1固定具61は、図2では省略されている。
【0044】
図1及び図2に示す例において、側壁部22は、長方形形状を有するパネル状の部材である。図示された例では、底壁部21の各辺から4つの側壁部22が第3方向D3に立ち上がっている。4つの側壁部22は、それぞれ、底壁部21に接続している。側壁部22は、第3方向D3とは非平行な方向から、筐体20の内部空間を区画している。側壁部22は、樹脂製でもよいし、金属製でもよい。
【0045】
図1図3に示す例において、カバー23は、パネル状の部材である。カバー23は、上方から筐体本体25を覆っている。筐体20の内部空間は、カバー23によって上方から区画されている。カバー23は、筐体本体25に取り付けられたとき、第1方向D1及び第2方向D2に広がっている。カバー23は、筐体本体25にねじ止めされてもよい。カバー23は、樹脂製でもよいし、金属製でもよい。
【0046】
図2に示す例において、蓄電素子ユニット10は、筐体20内に収容された複数の蓄電素子モジュール30を含んでいる。複数の蓄電素子モジュール30は、筐体20内において第3方向D3に重ねられている。図示された例において、第3方向D3は、蓄電素子モジュール30の積層方向である。
【0047】
蓄電素子モジュール30は、図示しない複数のセルを収容する機能を有する。セルは、蓄電素子として取り扱われる最小単位である。セルは、蓄電素子モジュール30内において第3方向D3に重ねられてもよい。セルとして、種々の形式を採用できる。セルは、例えばリチウムイオン二次電池でもよい。
【0048】
図2に示すように、筐体20内には、蓄電素子モジュール30以外の機器が収容されてもよい。図示された例では、筐体20内に収容された制御モジュール35が観察される。
【0049】
制御モジュール35は、複数の蓄電素子モジュール30の充電及び放電を制御する機能、蓄電素子モジュール30の充電状態(例えば充電量)を監視する機能、蓄電素子モジュール30の異常の有無を監視する機能の一以上の機能を有する。制御モジュール35は、蓄電素子モジュール30の充電状態や異常の有無等に関する情報を、蓄電素子ユニット10の外部に設けられた制御装置(図示せず)に送信し得る。制御モジュール35は、蓄電素子モジュール30との電気的な接続状態及び制御装置との電気的な接続状態を変更可能な開閉器を含んでもよい。
【0050】
図3では、筐体20内に収容された蓄電素子モジュール30及び制御モジュール35が省略されている。
【0051】
以上の構成を有する蓄電素子ユニット10は、凹凸吸収体50を介して配置面PLに対して固定されている。図1及び図2に示す例において、凹凸吸収体50は、第1接触面50aと、第1接触面50aとは反対の第2接触面50bと、を有するシート状の部材である。第1接触面50aは、蓄電素子ユニット10及び配置面PLの一方と接触する。第2接触面50bは、蓄電素子ユニット10及び配置面PLの他方と接触する。
【0052】
図1図3に示された例において、凹凸吸収体50は、配置面PLに接触する第1層51と、第1層51に重ねられた第2層52と、を有している。凹凸吸収体50は、第2層52において蓄電素子ユニット10に接触している。第2層52には、筐体20の底壁部21が接触している。
【0053】
図1図3に示す例において、凹凸吸収体50は、第1固定具61及び第2固定具62によって配置面PLに固定されている。凹凸吸収体50は、凹凸吸収体50を第3方向D3に貫通する貫通穴50Hを有してもよい。貫通穴50Hには、凹凸吸収体50を配置面PLに固定する固定具60を通せる。第1固定具61は、底壁部21の貫通穴21Hを通過したのち、貫通穴50Hを貫通している。第2固定具62は、凹凸吸収体50の中央部分に設けられた凹部59において、貫通穴50Hを通過している。第2固定具62は、筐体20よりも下方に位置している。
【0054】
第1層51及び第2層52は、対面方向DFからの観察において、互いに同一の面積を有してもよい。図3に示すように、対面方向DFからの観察において、第1層51及び第2層52の面積は、底壁部21の面積よりも大きくてもよい。図示された例とは異なり、第1層51及び第2層52の面積は、底壁部21の面積と同一でもよい。図示された例とは異なり、第1層51及び第2層の面積は、底壁部21の面積よりも小さくてもよい。
【0055】
図1及び図2に示す例において、第1層51は、第1面51aと、第1面51aとは反対の第2面51bと、を有するシート状の部材である。第1層51は、第1面51aにおいて、配置面PLである底面2に接触している。
【0056】
図1に示す例において、第1面51aは、配置面PLの凹凸形状ASに合わせて変形している。第1面51aの凸部Pに接触する部分は、蓄電素子ユニット10に向けて凹んでいる。第1層51の凹部Rに接触する部分は、蓄電素子ユニット10から離れる向きに突出している。第1面51aは、配置面PLに対して固定された蓄電素子ユニット10からの荷重によって変形してもよい。
【0057】
第1層51は、凹凸吸収性を有している。凹凸吸収性とは、第1層51の蓄電素子ユニット10を向く面(すなわち、第1層51の配置面PLとは反対側を向く面)における凹凸深さを、配置面PLの凹凸深さよりも低減する性質を意味する。図1に示す例では、第1層51の第2面51bにおける凹凸深さが、配置面PLの凹凸深さよりも減少している。より具体的には、第2面51bの凸部Pと重なる部分における最大突出量が、凸部Pの最大突出量PA,PBよりも減少している。第2面51bの凹部Rと重なる部分における最大凹み量が、凹部Rの最大凹み量RA,RBよりも減少している。
【0058】
十分な凹凸吸収性を確保する観点から、第1層51のショアA硬度は、90以下でもよく、70以下でもよく、50以下でもよい。第1層51のショアA硬度は、20以上でもよく、30以上でもよい。第1層51のショアA硬度は、JIS K 6253-3:2023に準拠したタイプAデュロメータを用いて以下のように特定される。タイプAデュロメータの加圧板を第1層51に接触させ、15秒経過後の数値を測定値として得る。第1層51のショアA硬度は、上記以外の条件において、JIS K 6253-3:2023に準拠して測定される。第1層51のショアA硬度は、第1層51の異なる5点において得られた測定値の平均値として特定される。
【0059】
第1層51は、ゴム層でもよい。第1層51は、樹脂層でもよい。第1層51を構成するゴム層は、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴムを含んでもよい。第1層51を構成する樹脂層は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を含んでもよい。第1層51は、多孔質体でもよい。
【0060】
十分な凹凸吸収性を確保する観点から、対面方向DFからの観察における第1層51の面積は、筐体20の配置面PLに対面する壁部20Wの面積の50%以上でもよく、75%以上でもよく、95%以上でもよい。図1図3に示された筐体20では、上述の通り、底壁部21が、配置面PLに対面する。図示された第1層51の面積は、底壁部21の面積の50%以上である。底壁部21の面積に対する第1層51の面積の割合に関する下限を設けることによって、凹凸吸収体50上に配置された蓄電素子ユニット10を、配置面PLから安定して離すことができる。
【0061】
とりわけ、図1図3に示された蓄電設備90において、第1層51の面積は、底壁部21の面積の100%以上である。すなわち、図示された第1層51の面積は、底壁部21の面積以上である。第1層51の面積を、筐体20の配置面PLに対面する壁部20Wの面積以上とすることによって、筐体20を凹凸吸収体50の上方から第1層51上に容易に配置できる。
【0062】
図1図3に示された蓄電設備90において、底壁部21の面積に対する第1層51の面積の割合に関する上限は、特に限定されない。第1層51に含まれる材料を低減する観点から、第1層51の面積は、底壁部21の面積の120%以下でもよい。
【0063】
なお、「筐体20の配置面PLに対面する壁部20Wの面積」は、凹凸吸収体50上に配置された状態の筐体20において、当該壁部20Wを対面方向DFから観察したときの面積である。
【0064】
第1層51の厚さ、すなわち配置面PLと蓄電素子ユニット10とが対面する方向における第1層51の長さは、1mm以上でもよく、3mm以上でもよい。第1層51の厚さは、20mm以下でもよく、10mm以下でもよい。
【0065】
十分な凹凸吸収性を確保する観点から、図1に示すように、第1層51の厚さは、配置面PLの凹凸吸収体50と重なる部分における凹凸形状ASの高低差の最大値以上でもよい。なお、「配置面PLの凹凸吸収体50と重なる部分における凹凸形状ASの高低差の最大値」は、以下のように測定される。配置面PLの凹凸吸収体50と重なる部分を、配置面PLから延び上がる枠材によって取り囲む。枠材によって取り囲まれた部分に水を注ぐ。水は、少なくとも配置面PLの板材によって取り囲まれた部分が水面下に位置するように注がれる。枠材として、枠外に水が漏れることを抑制できる種々の材料が使用可能である。枠内の水深を、異なる50箇所にて測定する。水深の測定には、テーパーゲージが使用される。「配置面PLの凹凸吸収体50と重なる部分における凹凸形状ASの高低差の最大値」は、異なる50箇所における水深の測定値の最大値と最小値との差である。なお、水深の測定に使用されるテーパーゲージは、1.00mm~15.00mmの測定範囲を有し、0.10mm毎に目盛が設けられ、且つ±0.05mm以下の測定誤差を有するものとする。
【0066】
図1に示す例において、第2層52は、第1層51に重ねられている。第2層52は、第3方向D3において第1層51と蓄電素子ユニット10との間に位置する部分を含んでいる。第1層51及び第2層52は、接合材によって互いに接合されてもよい。接合材は、アクリル系接着材、ゴム系接着材、ウレタン系接着材、シリコーン系接着材等の接着材でもよい。接合材は、アクリル系粘着材、ゴム系粘着材、ウレタン系粘着材、シリコーン系粘着材等の粘着材でもよい。
【0067】
第2層52のショアA硬度は、第1層51のショアA硬度より大きくてもよい。第2層52のロックウェル硬度は、第1層51のロックウェル硬度より大きくてもよい。第2層52のビッカース硬度は、第1層51のビッカース硬度より大きくてもよい。ショアA硬度、ロックウェル硬度及びビッカース硬度の一以上において第1層51を上回ることによって、第2層52は、蓄電素子ユニット10から力を加えられても、第1層51と比較して変形しにくい。これにより、第2層52を含む凹凸吸収体50は、蓄電素子ユニット10を安定して支持できる。
【0068】
なお、第2層52のショアA硬度は、上述した第1層51における方法と同じ方法によって特定される。
【0069】
第1層51及び第2層52のロックウェル硬度は、JIS K 7202-2:2001に準拠した試験機を用いて、異なる5点をRスケールにて測定した測定値によって特定される。第1層51及び第2層52のロックウェル硬度は、それぞれ、これら5つの測定値の平均値として特定される。第1層51及び第2層52のロックウェル硬度は、上記以外の条件において、JIS K 7202-2:2001に準拠して測定される。
【0070】
第1層51及び第2層52のビッカース硬度は、JIS Z 2244-1:2020に準拠した試験機を用いて、異なる5点を測定した測定値によって特定される。第1層51及び第2層52のビッカース硬度は、それぞれ、これら5つの測定値の平均値として特定される。第1層51及び第2層52のビッカース硬度は、上記以外の条件において、JIS Z 2244-1:2020に準拠して測定される。
【0071】
第2層52は、金属層でもよく、合板層でもよく、樹脂層でもよい。第2層52を構成する金属層は、鉄、アルミニウム等の金属を含んでもよい。第2層52を構成する樹脂層は、硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでもよい。硬化性樹脂組成物は、加熱により硬化する熱硬化性樹脂を含んでもよい。硬化性樹脂組成物は、紫外線や電子線により硬化する電離放射線硬化性樹脂を含んでもよい。
【0072】
蓄電素子ユニット10を安定して支持する観点から、第2層52のヤング係数は、7GPa以上でもよく、70GPa以上でもよく、205GPa以上でもよい。第2層52のヤング係数の上限値は、特に限定されない。第2層52のヤング係数は、220GPa以下でもよい。
【0073】
蓄電素子ユニット10を安定して支持する観点から、第2層52のヤング率は、筐体20の配置面PLに対面する壁部20Wのヤング率より大きくてもよい。図1図3に示された例では、第2層第2外側エンボス部52のヤング率は、底壁部21のヤング率より大きくてもよい。
【0074】
第2層52のヤング率は、第2層52が金属層であるとき、JIS Z 2241:2022「金属材料引張試験方法」に規定された方法によって測定される。第2層52のヤング率は、第2層が樹脂層であるとき、JIS K 7161-1:2014「プラスチック―引張特性の求め方―第1部:通則」に規定された方法によって測定される。第2層52のヤング率は、第2層52が、合板層を含む、金属層及び樹脂層以外の層であるとき、超音波法によって測定される。
【0075】
筐体20の配置面PLに対面する壁部20Wのヤング率は、当該壁部20Wの材料が金属であるとき、JIS Z 2241:2022「金属材料引張試験方法」に規定された方法によって測定される。筐体20の配置面PLに対面する壁部20Wのヤング率は、当該壁部20Wの材料が樹脂であるとき、JIS K 7161-1:2014「プラスチック―引張特性の求め方―第1部:通則」に規定された方法によって測定される。筐体20の配置面PLに対面する壁部20Wのヤング率は、当該壁部20Wの材料が金属及び樹脂以外であるとき、超音波法によって測定される。
【0076】
第2層52の厚さは、3mm以上でもよく、12mm以上でもよい。第2層52の厚さに下限値を設けることによって、蓄電素子ユニット10から力を受けても第2層52の変形を抑制できる。これにより、蓄電素子ユニット10を安定して支持できる。第2層52の重量を抑制する観点から、第2層52の厚さは、30mm以下でもよく、20mm以下でもよい。
【0077】
図1図3に示す例において、凹凸吸収体50は、蓄電素子ユニット10に接触するアタッチメント55を有している。アタッチメント55は、蓄電素子ユニット10を位置決めする。図示された例では、アタッチメント55は、第2層52によって構成されている。アタッチメント55は、図示された例とは異なり、第1層51及び第2層52とは別に設けられてもよい。凹凸吸収体50がアタッチメント55を含むことによって、蓄電素子ユニット10を凹凸吸収体50に対して容易に配置できる。これにより、蓄電素子ユニット10を含む蓄電設備90の施工性を改善できる。
【0078】
図示された例において、アタッチメント55は、ベース部56と、ベース部56から延び出た規制部57と、を有している。ベース部56は、第1方向D1及び第2方向D2に広がっている。ベース部56は、凹凸吸収体50の第2接触面50bを形成する部分を含んでいる。ベース部56は、底壁部21に接触する部分を含んでいる。規制部57は、ベース部56の周縁部分から延び出ている。規制部57は、アタッチメント55によって位置決めされた蓄電素子ユニット10よりも外方、すなわち、第3方向D3と非平行な方向において凹凸吸収体50の重心から離れた位置に設けられている。規制部57は、第1方向D1あるいは第2方向D2に沿って、ベース部56から第3方向D3に延び出ている。
【0079】
規制部57は、図2及び図3に示すように、周状でもよい。周状の規制部57は、図示された例では、アタッチメント55によって位置決めされた筐体20の側壁部22と第1方向D1あるいは第2方向D2に接触しうる。規制部57と側壁部22とが接触することによって、筐体20の配置面PLに対する第1方向D1及び第2方向D2への相対移動が規制される。これにより、筐体20を配置面PLに対して安定して固定できる。
【0080】
図示された例とは異なり、アタッチメント55は、ベース部56を含まなくてもよい。アタッチメント55において、規制部57は、対面方向DFとは非平行な方向に延びる直線状の部材でもよい。
【0081】
対面方向DF(図1図3における第3方向D3)に沿った規制部57の長さLは、1mm以上でもよく、3mm以上でもよい。対面方向DFに沿った規制部57の長さLは、配置面PLに固定された蓄電素子ユニット10の対面方向DFに沿った長さより小さくてもよい。対面方向DFに沿った規制部57の長さLは、500mm以下でもよく、495mm以下でもよい。
【0082】
図1及び図2に示す例において、凹凸吸収体50の中央部分には、凹部59が設けられている。凹凸吸収体50は、凹部59において配置面PLに向けて凹んでいる。凹部59によって、蓄電素子ユニット10と凹凸吸収体50との間には、空隙が生じている。
【0083】
凹凸吸収体50の厚さ、すなわち第1接触面50aと第2接触面50bとの間の距離は、4mm以上でもよく、6mm以上でもよく、15mm以上でもよい。凹凸吸収体50の厚さは、50mm以下でもよく、30mm以下でもよい。なお、凹凸吸収体50の厚さは、凹凸吸収体50に蓄電素子ユニット10が接触していない状態にて、ノギス等の種々の物差しによって測定される。
【0084】
図示された蓄電設備90の作用について説明する。具体的には、図示された蓄電設備90の設置方法について説明する。
【0085】
蓄電素子ユニット10及び凹凸吸収体50を、建物1内に持ち込む。蓄電素子ユニット10は、組み立てられた状態で建物1内に持ち込まれてもよい。あるいは、蓄電素子ユニット10に含まれる構成要素が、建物1内に別々に持ち込まれてもよい。
【0086】
凹凸吸収体50を配置面PLに対して固定する。図示された例では、凹凸吸収体50は、第2固定具62によって配置面PLに固定される。この具体例によれば、凹凸吸収体50を、筐体20あるいは蓄電素子ユニット10と接触していない状態で、容易に位置決め及び固定できる。配置面PLに対して固定された凹凸吸収体50において、第1層51は、第1面51aから配置面PLに接触するようになる。
【0087】
配置面PLに対して固定された凹凸吸収体50に筐体20を重ねる。図1図3に示す例では、筐体20は、床面3から、床下収納スペースSの底面2に向けて下ろされる。
【0088】
筐体20を配置面PLに対して固定する。筐体20は、凹凸吸収体50に接触した状態で、配置面PLに対して固定される。図1図3に示す例では、筐体20の底壁部21と、凹凸吸収体50の第2層52とが接触する。筐体20は、第1固定具61によって配置面PLに対して固定される。第1固定具61は、底壁部21の貫通穴21H、及び凹凸吸収体50の貫通穴50Hを通過し、配置面PLに取り付けられている。
【0089】
配置面PLに対して固定された筐体20内に蓄電素子モジュール30等を配置する。蓄電素子モジュール30及び制御モジュール35が筐体20内に配置される。蓄電素子モジュール30及び制御モジュール35は、上方から筐体20の開口を通過して、筐体20内に配置される。
【0090】
筐体本体25にカバー23を取り付ける。カバー23は、筐体本体25にねじ止めされてもよい。カバー23が取り付けられると、筐体本体25は、カバー23によって上方から覆われる。
【0091】
以上のようにして、蓄電設備90が建物1内に設置される。ところで、建物に配置される従来の蓄電素子ユニットは、床下収納スペースの底面や床面といった配置面に対して、直接固定されていた。配置面に固定された蓄電素子ユニットは、例えば、蓄電素子モジュールを収容した筐体の壁部において、配置面に接触していた。
【0092】
安定した状態で建物内に配置する観点から、蓄電素子ユニットは、平らな面に接触した状態で固定されることが好ましい。しかしながら、配置面として、平らな面を建物内に確保できない問題が生じ得る。凹凸形状を有する配置面に対して蓄電素子ユニットを固定する場合、蓄電素子ユニットが不安定な状態で配置され得る。蓄電素子ユニットが不安定な状態で配置されると、地震等の振動発生時に、建物に対して蓄電素子ユニットを固定できないことが想定され得る。また、蓄電素子ユニットが不安定な状態で配置されると、筐体の形状に歪みが生じることによって、筐体が蓄電素子モジュールを安定した状態で収容できないことも想定され得る。
【0093】
これに対して、本実施の形態による蓄電設備90は、配置面PLに対して固定される蓄電素子ユニット10と、蓄電素子ユニット10と配置面PLとの間に位置する凹凸吸収体50と、を含んでいる。凹凸吸収体50は、凹凸吸収性を有し配置面PLに接触する第1層51を含んでいる。この具体例によれば、第1層51は、凹凸吸収体50の蓄電素子ユニット10を向く面における凹凸深さを、配置面PLにおける凹凸深さよりも低減できる。この凹凸吸収体50に蓄電素子ユニット10を接触させることによって、蓄電素子ユニット10を配置面PLに対して安定して固定できる。したがって、この具体例によれば、配置面PLの形状に関わらず、蓄電素子ユニット10を安定して設置できる。
【0094】
図1図3に示す蓄電設備90の一具体例において、第1層51及び第2層52の面積は、配置面PLに対面する底壁部21の面積以上である。すなわち、第1層51及び第2層52の面積は、配置面PLに対面する底壁部21の面積よりも大きい、又は当該壁部の当該面積と同一である。この具体例によれば、底壁部21を全域に亘って支持することで、凹凸吸収体50は、蓄電素子ユニット10を安定して支持できる。
【0095】
とりわけ図示された例では、第1層51及び第2層52の面積は、配置面PLに対面する底壁部21の面積よりも大きくなっている。この具体例によれば、蓄電素子ユニット10から凹凸吸収体50に伝達される力は、蓄電素子ユニット10よりも外方に位置する部分を含む、第2層52の広範囲に分散し得る。これにより、凹凸吸収体50の変形を抑制できる。したがって、凹凸吸収体50は、蓄電素子ユニット10を安定して支持できる。この具体例は、凹凸吸収体50が比較的大きな力を受ける蓄電設備90において好適である。一例として、蓄電素子ユニット10が凹凸吸収体50上に配置される、すなわち凹凸吸収体50が蓄電素子ユニット10の荷重を受ける蓄電設備90において好適である。
【0096】
図1図3に示す蓄電設備90の一具体例において、規制部57は、周状であり、筐体20及び配置面PLが対面する対面方向DFに沿った規制部57の長さは、1mm以上でもよく、3mm以上でもよい。この具体例では、第3方向D3に延びる周状の規制部57が、外方から筐体20を取り囲む。これにより、外部から筐体20内への異物の流入を抑制できる。一例として、図1図3に示された蓄電設備付き建物100において、配置面PLが浸水した場合を考える。この場合、水は、第1層51の厚さと、ベース部56の厚さと、対面方向DFに沿った規制部57の長さLと、を合わせた値を超える水位に達しなければ、凹凸吸収体50を超えて筐体20に浸入しない。この例では、対面方向DFに沿った規制部57の長さに下限値を設けることによって、筐体20内への水の浸入を効果的に抑制できる。
【0097】
図1図3に示す蓄電設備90は、筐体20の配置面PLに対面する壁部20W(底壁部21)を貫通して配置面PLに取り付けられ、筐体20を配置面PLに固定する第1固定具61を有している。この具体例によれば、筐体20を配置面PLに固定する固定具60を筐体20内に配置することによって、小さなスペースにおいても蓄電素子ユニット10を配置面PLに固定できる。
【0098】
以上に説明してきた一実施の形態において、蓄電設備90は、配置面PLに対して固定される蓄電素子ユニット10と、蓄電素子ユニット10と配置面PLとの間に位置する凹凸吸収体50と、を有している。凹凸吸収体50は、凹凸吸収性を有し配置面PLに接触する第1層51を含んでいる。この具体例によれば、凹凸吸収体50の蓄電素子ユニット10を向く面の凹凸深さを、配置面PLの凹凸深さよりも低減できる。蓄電素子ユニット10をこの凹凸吸収体50に接触した状態で配置面PLに固定することによって、配置面PLに対して蓄電素子ユニット10を安定して固定できる。
【0099】
具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述の具体例が一実施の形態を限定しない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施でき、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
【0100】
上述した蓄電設備90の一具体例において、筐体20は、底壁部21において配置面PLと対面していた。筐体20は、底壁部21以外の壁部20Wにおいて配置面PLと対面してもよい。一例として、筐体20は、図4に示すように、側壁部22において配置面PLと対面してもよい。側壁部22は、筐体20を配置面PLに対して固定する固定具60が通過可能な貫通穴22Hを有してもよい。
【0101】
上述した蓄電設備90の一具体例において、中間材40は、凹凸吸収体50であった。これに限られず、中間材40は、図5に示すようにスペーサ70でもよい。図示された例において、スペーサ70は、第1方向D1に間隔を空けて配列された複数の小片71を含んでいる。
【0102】
図5に示す例において、小片71の厚さ、すなわち対面方向DFにおける長さは、底壁部21と、配置面PLの底壁部21に対面する部分と、の間の距離に応じて異なっている。また、第1方向D1における中央部分に位置する小片71の第1方向D1への長さは、第1方向D1における両端部に位置する小片71の第1方向D1への長さと異なっている。小片71の厚さが異なることによって、各小片71における底壁部21と接触する接触面の高さを揃えることができる。小片71の大きさ(図5では第1方向D1への長さ)が異なることによって、部品点数を低減しつつ上述した接触面を拡大できる。したがって、この具体例によっても、凹凸形状ASを有する配置面PLに対して蓄電素子ユニット10を安定して固定できる。
【符号の説明】
【0103】
1:建物、2:底面、3:床面、4:壁面、10:蓄電素子ユニット、20:筐体、20W:壁部、30:蓄電素子モジュール、50:凹凸吸収体、51:第1層、52:第2層、55:アタッチメント、56:ベース部、57:規制部、60:固定具、70:スペーサ、71:小片、100:建物、PL:配置面、S:床下収納スペース
図1
図2
図3
図4
図5