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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137870
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】機械式エンドストップ検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 7/06 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G01M7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024044654
(22)【出願日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】23163635
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】502149218
【氏名又は名称】エテル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】バジール・ルノー・グラフ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・コールマン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来技術の欠点および制限を克服するモーションシステムの機械式エンドストップを検出する方法を提供する。
【解決手段】モーションシステムの機械式エンドストップを検出するための方法は、(a)6DOFから並進のDOFを選択するステップと、(b)ベースおよびアクティブ分離システムを備える機械システムのプロセス感度行列を用いて、アクチュエータによってベースに適用される力を決定し、所定の振幅を有するベースの振動運動を選択された並進のDOFで引き起こすステップと、(c)アクチュエータを用いて、力をベースに適用し、ベースの振動運動を選択された並進のDOFで取得するステップと、(d)いくつかの慣性センサからの少なくとも1つの慣性センサを用いて、ベースと機械式エンドストップとの機械的接触を検出するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーションシステム(10)の機械式エンドストップを検出する方法であって、前記モーションシステム(10)は、器材のためのモーションステージ(14)を受け入れるように設計されたベース(12)と、床の上に載っている機械フレーム(16)と、これらの間のアクティブ分離システム(20)と、を備え、前記アクティブ分離システム(20)は、6自由度(DOF)の運動を前記ベース(12)に与えるように構成されるいくつかのアクチュエータ(MX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4)と、前記ベースの運動の6DOFの測定値を提供するように構成されるいくつかの慣性センサ(SX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3)と、前記ベースを支持するダンパーと、を備え、前記機械式エンドストップは、前記機械フレームに対して前記ベースの運動を制限するように構成され、前記方法は、
(a)前記6DOFから並進のDOFを選択するステップと、
(b)前記ベース(12)および前記アクティブ分離システム(20)を備える機械システムのプロセス感度行列(PS)を用いて、前記アクチュエータ(MX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4)によって前記ベースに適用される力(F)を決定し、所定の振幅を有する前記ベースの振動運動を前記選択された並進のDOFで引き起こすステップと、
(c)前記アクチュエータを用いて、前記力(F)を前記ベース(12)に適用し、前記ベースの前記振動運動を前記選択された並進のDOFで取得するステップと、
(d)前記いくつかの慣性センサ(SX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3)からの少なくとも1つの慣性センサを用いて、前記ベース(12)と前記機械式エンドストップとの機械的接触を検出するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記モーションシステム(10)は、各並進のDOFに関連付けられた1つの機械式エンドストップを備え、ステップ(a)-(d)は、前記6DOF間の互いの並進のDOFのために繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセス感度行列(PS)は、各所定のDOFにおいて、前記ベース(12)に適用される外乱力(Fext)の成分に対する、各所定のDOFの変位の振幅および位相に対応する複素エントリを有する6×6行列である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(c)は、前記選択された並進のDOFで前記所定の振幅を有する運動を表現するベクトルに、前記プロセス感度行列(PS)の逆行列を乗算することによって、前記ベース(12)に適用される前記力(F)を決定するステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセス感度行列(PS)は、各DOFで外乱力(Fext)を前記ベースに適用し、前記慣性センサを用いて各DOFで前記ベースの運動の前記振幅および位相を測定し、前記プロセス感度行列(PS)の列を占有することによって取得される、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記外乱力(Fext)は、正弦波力である、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記外乱力(Fext)は、異なる周波数の複数の正弦波関数の合計である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記外乱力(Fext)は、0.5Hzと10Hzとの間の範囲の1つまたは複数の周波数を備える、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(b)は、前記並進のDOFに沿って位置オフセットを作成するために必要なオフセット力(Foff)を決定するステップをさらに含み、前記位置オフセットは、位置オフセットおよび振動振幅の合計が機械式エンドストップの公称ギャップより大きいように選択され、
ステップ(c)は、前記ベースの運動が、前記振動運動と、前記オフセット力によって生じるオフセットされた運動と、の組み合わせであるように、前記ベースの振動のいくつかの期間にわたり、第1のランプを用いて、前記オフセット力を前記ベースに徐々に適用するステップをさらに含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
一旦前記ベース(12)と前記機械式エンドストップである第1の機械式エンドストップとの第1の機械的接触が検出されたならば、前記第1のランプの傾きと反対の傾きを有する第2のランプを用いて、前記オフセット力(Foff)を適用するステップと、
前記ベース(12)と前記並進のDOFに沿って前記第1の機械式エンドストップの反対にある第2の機械式エンドストップとの第2の機械的接触を検出するステップと、
をさらに含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記オフセット力(Foff)は、以下のベクトルの形、すなわち、
【数1】
を有し、
【数2】
は、複素数の実部を意味し、PS-1は、前記プロセス感度行列(PS)の逆行列であり、xは、前記並進のDOFのオフセット振幅を表現するベクトルである、
請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
前記オフセット力(Foff)は、以下のベクトルの形、すなわち、
off=λk
を有し、λは、オフセット振幅であり、kは、前記選択されたDOFの前記ダンパーの剛性を表現するベクトルである、
請求項8または9に記載の方法。
【請求項13】
前記オフセット力(Foff)は、以下のベクトルの形、すなわち、
off=Γ・x
を有し、xは、前記並進のDOFのオフセット振幅を表現するベクトルであり、Γは、前記ダンパーおよびそれらの座標に関連付けられた剛性行列である、
請求項8または9に記載の方法。
【請求項14】
前記機械式エンドストップとの接触が検出されるとき、前記ベース(12)の位置を獲得するステップ
をさらに含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記機械式エンドストップとの接触が検出されるとき、前記ベースが前記ベースの前記獲得した位置に基づいて停止するとき、前記機械式エンドストップに対する前記ベース(12)の相対位置を計算するステップ
をさらに含む、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記相対位置の視覚的指示を提供するステップをさらに含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記視覚的指示は、前記モーションシステムのダンパーが前記相対位置に基づいて調整されるべきかをさらに示す、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、モーションシステムの機械式エンドストップを検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]高精度モーションシステム、特に、半導体処理装置、例えば、位置決めデバイス、座標測定機械またはロボットは、米国特許第6,021,991号において開示されるような、高精度モーションシステムを地盤振動から分離するためのいわゆるアクティブ分離システムを備える。アクティブ分離システムは、典型的には、高精度モーションシステムが取り付け可能であるベースと、床の上に載っている機械フレームと、の間に組み立てられるいくつかのアクティブベアリングを備える。それゆえ、ベースは、機械フレームに対して相対的に移動することができる。アクティブ分離システムは、できるだけ小さい寄生移動を有する高精度モーションシステムの動作を確実にし、その結果、高い位置決めまたは測定精度が得られる。
【0003】
[0003]モーションシステムの輸送の間、機械フレームに対するベースの運動は、シッピングブラケットによって防止され、システムが損傷を受けるのを回避する。通常動作のために解除されるとき、シッピングブラケットはまた、機械式エンドストップを提供し、ベースと機械フレームとの間の相対運動を制限し、システムの機械部品を保護する。
【0004】
[0004]モーションシステムが作動するとき、第1のステップは、フレーム(およびベース)が完全に水平になるように、機械フレームを調整することである。一旦この動作が完了すると、ベースがそのダンパー上を移動することができるように、シッピングブラケットは解除される。ベース上に取り付けられたダンパーおよびベース上に設置された追加の器材の剛性に応じて、ベースは、水平位置に安定せず、余分の重量に起因して、傾斜したままであるかまたは安定性が低い。これは、ベースの水平状態および高さを修正するように、ダンパーの高さ調整ねじを回すことによって修正可能である。ベースが水平である場合であっても、その高さがその垂直エンドストップの中央に対応するという保証はない。これは、シムを用いて点検可能であるが、この動作はむしろ不正確で扱いにくい。
【0005】
[0005]さらに、例えば、ダンパーのエラストマが、時間とともにクリープを起こす場合、ベースの傾斜または高さは、時間とともに変化することがあり得るし、その機械式エンドストップに対するベースの位置の自動測定は、定期保守の一部として有用である。
【0006】
[0006]文書WO2013/122258は、アクティブ振動絶縁装置を開示する。コントローラを用いて、偏差を修正し、不所望の振動を減衰する。ベースの重心に対する6つの自由度(DOF)の計算された力およびトルクコマンドは、次に、各アクチュエータのためのコマンドに変換される。
【0007】
[0007]したがって、その並進のDOFの各々におけるベースのフリーストロークを決定可能であること、および、各機械式エンドストップに対するベースの位置決めが可能であることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,021,991号
【特許文献2】WO2013/122258
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0008]本発明の目的は、従来技術の欠点および制限を克服するモーションシステムの機械式エンドストップを検出する方法を提供することである。
[0009]本発明の他の目的は、モーションシステムが機械式エンドストップとの衝突に起因して損傷を受けるのを防止するモーションシステムの機械式エンドストップを検出するための方法を提供することである。
【0010】
[0010]本発明の他の目的は、機械式エンドストップに対してモーションシステムを位置決め可能にするモーションシステムの機械式エンドストップを検出するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011]本発明によれば、これらの目的は、添付の請求の範囲の対象によって、特に、モーションシステムの機械式エンドストップを検出するための方法によって達成され、モーションシステムは、器材のためのモーションステージを受け入れるように設計されたベースと、床の上に載っている機械フレームと、これらの間のアクティブ分離システムと、を備え、上記アクティブ分離システムは、6自由度(DOF)の運動を上記ベースに与えるように構成されるいくつかのアクチュエータと、ベースの運動の6DOFの測定値を提供するように構成されるいくつかの慣性センサと、ベースを支持するダンパーと、を備え、機械式エンドストップは、機械フレームに対してベースの運動を制限するように構成され、方法は、
(a)6DOFから並進のDOFを選択するステップと、
(b)ベースおよびアクティブ分離システムを備える機械システムのプロセス感度行列を用いて、アクチュエータによってベースに適用される力を決定し、所定の振幅を有するベースの振動運動を選択された並進のDOFで引き起こすステップと、
(c)アクチュエータを用いて、力をベースに適用し、ベースの振動運動を選択された並進のDOFで取得するステップと、
(d)いくつかの慣性センサからの少なくとも1つの慣性センサを用いて、ベースと機械式エンドストップとの機械的接触を検出するステップと、を含む。
【0012】
[0012]モーションシステムは、各並進のDOFに関連付けられた1つの機械式エンドストップを備えてもよく、機械式エンドストップの検出が各方向において実行されるように、ステップ(a)-(d)は、6DOF間の互いの並進のDOFのために繰り返し可能である。
【0013】
[0013]プロセス感度行列は、各所定のDOFにおいて、ベースに適用される外乱力の成分に対する、各所定のDOFの変位の振幅および位相に対応する複素エントリを有する6×6行列として表現可能である。
【0014】
[0014]ステップ(c)は、選択された並進のDOFで所定の振幅を有する運動を表現するベクトルに、プロセス感度行列の逆行列を乗算することによって、ベースに適用される力を決定するステップをさらに含んでもよい。
【0015】
[0015]プロセス感度行列は、各DOFで外乱力をベースに適用し、慣性センサを用いて各DOFでベースの運動の振幅および位相を測定し、プロセス感度行列の列を占有することによって取得可能である。
【0016】
[0016]外乱力(Fext)は、正弦波力とすることができる。これは、選択されたDOFに沿ったベースの振動運動を誘発する。
[0017]外乱力は、異なる周波数の複数の正弦波関数の合計とすることができる。これにより、例えば、単一の重畳信号の入力は、いくつかのDOFに沿ってベースを振動させることができる。
【0017】
[0018]外乱力は、典型的には、0.5Hzと10Hzとの間の範囲の1つまたは複数の周波数を備える。
[0019]検出方法のステップ(b)は、
並進のDOFに沿って位置オフセットを作成するために必要なオフセット力を決定するステップをさらに含むことができ、位置オフセットは、位置オフセットおよび振動振幅の合計が機械式エンドストップの公称ギャップより大きいように選択され、
ステップ(c)は、
ベースの運動が、振動運動と、オフセット力によって生じるオフセットされた運動と、の組み合わせであるように、ベースの振動のいくつかの期間にわたり、第1のランプを用いて、オフセット力をベースに徐々に適用するステップをさらに含むことができる。ベースのこのオフセット位置によって、ベースの振動を低エネルギーレベルに保ち、モーションシステムに対する損傷をさらに防止することができる。
【0018】
[0020]検出方法は、
一旦ベースと機械式エンドストップである第1の機械式エンドストップとの第1の機械的接触が検出されたならば、第1のランプの傾きと反対の傾きを有する第2のランプを用いて、オフセット力を適用するステップと、
ベースと並進のDOFに沿って第1の機械式エンドストップの反対にある第2の機械式エンドストップとの第2の機械的接触を検出するステップと、をさらに含むことができる。
【0019】
[0021]オフセット力は、以下のベクトルの形、すなわち、
【0020】
【数1】
【0021】
を有してもよく、
【0022】
【数2】
【0023】
は、複素数の実部を意味し、PS-1は、プロセス感度行列の逆行列であり、xは、並進のDOFのオフセット振幅を表現するベクトルである。
[0022]オフセット力は、以下のベクトルの形、すなわち、
off=λk
を有してもよく、λは、オフセット振幅であり、kは、選択されたDOFのダンパーの剛性を表現するベクトルである。
【0024】
[0023]オフセット力は、以下のベクトルの形、すなわち、
off=Γ・x
を有してもよく、xは、並進のDOFのオフセット振幅を表現するベクトルであり、Γは、ダンパーおよびそれらの座標に関連付けられた剛性行列である。
【0025】
[0024]方法は、
機械式エンドストップとの接触が検出されるとき、ベースの位置を獲得するステップをさらに含んでもよい。
【0026】
[0025]方法は、
機械式エンドストップとの接触が検出されるとき、ベースがベースの獲得した位置に基づいて停止するとき、機械式エンドストップに対するベースの相対位置を計算するステップをさらに含んでもよい。
【0027】
[0026]これにより、ユーザは、停止しているベースの位置が調整される必要があるか、例えば、停止位置が、機械式エンドストップにあまりに近いかを決定することができる。
[0027]方法は、相対位置の視覚的指示を提供するステップをさらに含んでもよい。
【0028】
[0028]視覚的指示は、モーションシステムのダンパーが相対位置に基づいて調整されるべきかをさらに示してもよい。
[0001]本発明は、例として与えられ、図面によって示されるいくつかの実施形態の説明を用いて、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】モーションシステムの斜視図であり、モーションシステムは、モーションステージが取り付けられる花崗岩ベースと、床の上に載っている機械フレームと、これらの間のアクティブ分離システムと、を備える。
図2】6自由度(DOF)作動をモーションシステムの花崗岩ベースに提供するように構成される、図1のアクティブ分離システムのアクチュエータおよび慣性センサの概略図である。
図3】面内のDOF X、Y、Rzおよび面外のDOF Z、Rx、Ryのための6×6の複素行列を示す図であり、各列および行は、所定のDOFの入出力に対応する。
図4】XのDOFの時間の関数として、0.1mmの変位に対応する力の入力に対して連続的にベースの測定値を示すチャートであり、上のチャートは、X、YおよびZのDOFの位置を示し、下のチャートは、Rx、RyおよびRzのDOFの位置を示す。
図5】XのDOFの時間の関数として、オフセットを追加したベースの位置を示すチャートである。上のチャートは、X、YおよびZのDOFの位置を示し、下のチャートは、Rx、RyおよびRzのDOFの位置を示す。
図6】ユーザに提供可能な視覚的指示を示す図であり、X、YおよびZのDOFの機械式エンドストップに対する表の相対位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0029]本発明は、モーションシステム10の機械式エンドストップを検出するための方法に関する。図1にて図示したように、モーションシステム10は、器材のためのモーションステージ14を受け入れるように設計されたベース12(典型的には花崗岩ベース)と、床の上に載っている機械フレーム16と、これらの間のアクティブ分離システム20と、を備える。アクティブ分離システム20の役割は、モーションステージを支持するベースを不所望に移動させる外部の振動からモーションステージを分離することである。
【0031】
[0030]いくつかのステップは、ユーザがモーションシステムまたはコンピュータと対話することを必要としてもよいが、この方法は、典型的には、少なくとも部分的にコンピュータで実施される。
【0032】
[0031]それゆえ、アクティブ分離システム20は、6自由度(DOF)運動をベース12に与えるように構成されるいくつかのアクチュエータMX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4を備える。それはまた、ベースの運動の6DOFの測定値を提供するように構成されるいくつかの慣性センサSX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3と、ベースを支持するダンパーと、を備える。
【0033】
[0032]本テキストの全体にわたって、ベースの6DOFが所定の参照で識別されることに留意されたい。3つの並進のDOFが、それらが定義する座標系に対応する座標X、Y、Zにより識別され、その他の3つの回転のDOFは、X、Y、Z座標軸の周りの回転に対応する参照R、R、Rにより識別される。
【0034】
[0033]6DOF運動をベース12に提供するために必要とされる線形アクチュエータの最小数は、6に等しいが、分離システム20は、典型的には6より多いアクチュエータを備える。図2にて図示したように、分離システムは、8つのアクチュエータMX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4を備えてもよく、最初の2つは、方向Xの力を適用し、第3および第4は、方向Yの力を適用し、残りの4つは、垂直方向Zの力を適用する。最初の4つのアクチュエータを用いて、面内のDOF X、Y、Rを作動させ、残りの4つを用いて、面外のDOF Z、R、Rを作動させることができる。
【0035】
[0034]同様に、6DOFのベースの運動を測定するために必要なセンサの最小数は、6に等しく、分離システムは、典型的には、図2にて図示したように、少なくとも6つの慣性センサSX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3を備える。第1のセンサは、X方向の運動を測定し、第2のおよび第3のセンサは、Y方向の運動を測定し、残りの3つは、垂直Z方向の運動を測定する。最初の3つのセンサを用いて、典型的には、面内のDOF X、Y、Rを測定し、残りの3つは、面外のDOF Z、R、Rを測定する。すべてのDOFを測定するという可能性を維持しながら、センサの他の組み合わせも可能である。
【0036】
[0035]モーションシステムの部分に損害を与え得る、機械フレーム16に対するベース12の運動の特定のタイプを制限または防止するために、モーションシステムは、通常、機械式エンドストップを備えている。全システムが外部の運動を受け、機械フレームに対するベースの制御できない運動に起因して、損傷を受け得るとき、シッピングブラケットは、典型的には、輸送の間用いられる。高振幅の相対変位を防止し、損傷を回避することは重要である。通常動作のために解除されるとき、シッピングブラケットはまた、モーションシステム10が動作モードにあるときに用いられる機械式エンドストップを提供し、異なるDOFでベースの運動を制限する。例えば、運動は、X、YおよびZ方向の±1mmに制限され、他のすべての機械部品を保護することができる。
【0037】
[0036]機械式エンドストップを検出するための本方法は、並進のDOFを選択するための第1の基本的なステップを含む。換言すれば、それは、関連した機械式エンドストップが関連付けられた方向に従って、X、YまたはZのいずれかを選択することに対応する。
【0038】
[0037]この選択は、ユーザによって、または、直接コンピュータによって行うことができる。一実施形態において、ユーザは、並進のDOFを明確に選択するために、本方法を実行できるように、コンピュータプログラムによって求められる。他の実施形態では、方法は、モーションシステムの較正プロセスの一部であり、本方法を実行するコンピュータは、並進のDOFを自動的に選択し、さらなるステップを続行する。
【0039】
[0038]方法の第2のステップの間、アクチュエータによって適用され、選択された並進のDOFに沿ってベース12を振動させる力Fが決定される。この振動運動は、所定の振幅である。この所定の振幅は、ユーザによって方法を実行するコンピュータに提供されてもよいし、および/または、コンピュータプログラムによって、例えば、モーションシステムのシミュレーションまたは仮想モデルに基づいて提供されてもよい。
【0040】
[0039]これは、低エネルギーで、ベースと機械式エンドストップとの接触を探すことを可能にし、モーションシステムに対する損傷を防止する。所定の振幅は、典型的には、その特定の形状および物理的特性に基づいて、モーションシステムの部分の間にいかなる有害な影響も防止するように選ばれる。
【0041】
[0040]システムの機械式エンドストップの位置を測定するために、選択された並進のDOFの各々に沿って「純粋な」運動、すなわち、その他のDOFの構成要素が存在しないかまたは無視できる運動を実行することが望ましい。実際、他のDOF(特に回転)のいかなる寄生運動も、測定値を妨げ、並進のDOFの許容できる運動の範囲を実際のものより小さく見せる。
【0042】
[0041]力Fは、ベース12およびアクティブ分離システム20を備える機械システムのプロセス感度行列PSを用いて決定される。
[0042]機械システムのプロセス感度行列は、従来技術において知られている。この開示の文脈で、ベース12およびアクティブ分離システムを備える機械システムのプロセス感度行列PSは、外乱力Fextがベースに適用されるとき、すべてのDOFの機械フレーム16に対するベース12の移動の振幅を提供する行列である。
【0043】
[0043]一実施形態において、外乱力FextがアクチュエータMX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4によってベース12に適用された後、プロセス感度行列PSは、分離システムの慣性センサSX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3によって測定される。
【0044】
[0044]より詳しくは、外乱力Fextは、制御信号Fs、Fs、Fs、FsRx、FsRy、FsRzとして各DOFのその構成要素に分解可能である。これらの制御信号は、外乱として各DOFに適用され、対応するアクチュエータMX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4を作動させるかまたは作動に寄与し、ベース12の移動を誘発する。次に、対応する慣性センサSX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3は、6DOFの各々でベース12の運動を測定する。
【0045】
[0045]図3にて図示したように、プロセス感度行列の各列は、所定の制御信号のための各DOFのベースの運動に対応する。例えば、プロセス感度行列の第1の列は、制御信号Fsに対して連続的に、X、Y、Z、R、RおよびRのDOFの変位に対応する。第2の列は、制御信号Fsに対して連続的に変位に対応するなどである。
【0046】
[0046]一実施形態において、外乱力Fextは、正弦波力である。この場合、制御信号は正弦波であり、プロセス感度行列PSは、複素エントリを有する6×6行列として表現可能であり、各複素エントリは、対応する変位の振幅および位相を符合化する。
【0047】
[0047]制御信号Fs、Fs、Fs、FsRx、FsRy、FsRzは、各DOFに対する外乱として順次適用可能であり、対応するアクチュエータMX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4を作動させるかまたは作動に寄与することができる。次に、慣性センサSX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3は、各制御信号のためにベースの運動を順次測定することができる。
【0048】
[0048]代替的には、異なる周波数の制御信号Fs、Fs、Fs、FsRx、FsRy、FsRzは、対応するアクチュエータMX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4を作動させるかまたは作動に寄与するために、各DOFに外乱として同時に適用可能である。それらはまた、各々いくつかの周波数を備えることもできる。次に、慣性センサSX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3は、ベースの運動を測定し、プロセス感度行列PSを作成することができる。この場合、外乱力Fextは、各DOFのための異なる周波数を有する正弦波力の合計である。すべての制御信号は、同時に適用されるので、これは、各DOFのベースの変位を識別することを可能にする。
【0049】
[0049]外乱力Fextが正弦波力または正弦波力の合計である場合、正弦波周波数は、典型的には、0.5Hzと10Hzとの間にある。
[0050]他の実施形態では、プロセス感度行列PSは、機械システムのシミュレーションおよび/または数学的モデリングに基づいて決定される。結果として生ずるプロセス感度行列はまた、シミュレーションおよび/または数学的モデリングを通して計算された、各DOFの変位の振幅および位相を表現する複素エントリを有する6×6行列とすることもできる。
【0050】
[0051]力がベースに適用されるときに結果として生ずる運動が、選択されたDOFに沿った純粋な運動であるように、かつ、結果として生ずる運動の振幅が所定の振幅に等しいように、力Fは決定される。
【0051】
[0052]6DOFによって決定される座標系において、すなわち(X,Y,Z,R,R,R)座標系において、Xに対応する第1の並進のDOFに沿って純粋な運動を取得するために必要な力Fは、ベクトルの形x=(A,0,0,0,0,0)にプロセス感度行列の逆行列を乗算することによって、
F=PS-1・x
として取得可能であり、Aは、所望の運動の所定の振幅である。同様に、所定の振幅Aを有するYまたはZに沿った純粋な運動は、それぞれ、ベクトルの形y=(0,A,0,0,0,0)、z=(0,0,A,0,0,0)を乗算することによって取得可能である。それゆえ、力Fは、プロセス感度行列が取得された周波数でベースの純粋な運動を取得するために、各DOFに適用される正弦波力の振幅および位相を生ずる複素ベクトルである。
【0052】
[0053]すべてのアクチュエータおよびセンサが予定通りに動作している機械システムは、最大ランクのプロセス感度行列を生じ、それが逆行列PS-1を認めることを意味することに留意されたい。それゆえ、上述した式は、明確に定義されている。
【0053】
[0054]方法の第3のステップの間、第2のステップの間に計算された力Fから導出された正弦波力は、アクチュエータMX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4を用いてベース12に適用される。その結果、ベース12は、選択されたDOFに沿って振動し、振動は、所定の振幅を有する。
【0054】
[0055]方法の第4のステップは、ベース12と選択されたDOFに関連付けられた機械式エンドストップとの接触に連続的に機械式エンドストップを検出することである。すべての慣性センサSX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3の間の少なくとも1つの慣性センサを用いて接触が検出される。
【0055】
[0056]接触は、1つの慣性センサのみを用いて検出可能であるが、各慣性センサがベースとの接触を測定し、機械式エンドストップがいくつかのDOFの残りの運動を誘発する可能性が高い。
【0056】
[0057]図4に示される2つのチャートは、0.1mmに等しい振幅および2sの時間間隔のXに対応する並進のDOFに沿ったベース12の純粋な運動を示す。上のチャートでは、x軸は、時間を秒で示し、y軸は、基準位置に対するベースの位置をミリメートルで示す。式y=0に対応する平らな線は、2つの他の並進のDOF YおよびZに沿ったベースの運動に対応する。下のチャートでは、ベースのR、R、Rに対応する3つの回転のDOFに沿った運動が示される。x軸は、時間を秒で示し、y軸は、R、R、Rに対するベースの位置をmrad(ミリラジアン)で示す。運動は、Xのみに沿うので、R、R、Rに沿ったすべての運動成分は、ゼロに等しい。
【0057】
[0058]危険な速度でベース12と機械式エンドストップとが衝突するのをさらに防止するために、ベースの振動運動は、ランプ信号に組み合わせられ、その停止位置に対するベース12のオフセットを徐々に作成することができる。それゆえ、ベースのオフセットされた位置が当然ベースを機械式エンドストップにより近づけるので、振動の振幅は、ベース12が機械式エンドストップに衝撃を与えるために増加する必要はない。振動の振幅が小さく保たれ、それゆえ、損傷を防止するので、これは、低エネルギーレベルで、ベースと機械式エンドストップとの接触を作成することを可能にする。
【0058】
[0059]より詳しくは、方法の第2のステップは、選択された並進のDOFに沿って位置オフセットを作成するために必要であるオフセット力Foffの決定をさらに含むことができる。アクチュエータMX1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4によってベース12に適用されるとき、オフセット力Foffは、振動する間、ベース12を選択された並進のDOFに沿って移動させ、機械式エンドストップにより近づける。オフセット力Foffに対応するランプ信号は、典型的には、ベース12のいくつかの振動を通じて適用される。
【0059】
[0060]図5の上のチャートにて図示したように、オフセット力Foffに対応するランプ信号は、ベース12に適用され、ベース12のオフセットされた位置は、選択されたDOFに沿っていくつかの振動にわたり段階的に増加する。x軸は、秒で測定される時間に対応し、y軸は、mm(ミリメートル)で測定される3つの並進のDOFに沿ったベース12の位置に対応する。ベース12の運動は、選択されたDOFのみに沿うので、2つの他の並進のDOFに沿って測定された運動は、ゼロに等しい。
【0060】
[0061]ベース12と機械式エンドストップとの接触は、検出可能な残りの回転を誘発する。図5は、R、R、Rに対応する回転のDOFに沿った(ミリラジアンで測定される)ベースの位置を時間の関数として示す。選択されたDOFに沿った位置が0.19mmに到達するとき、ベース12と機械式エンドストップとの接触は、R、R、Rに沿ったベースの位置の変化を観察することによって検出される。図5の上のチャートの正弦波信号の小さい歪みもまた検出される。
【0061】
[0062]通常、所定の並進のDOFに沿ったベース12の移動は、両方の方向において防止され、損傷を回避しなければならない。これは、例えば、双方向の機械式エンドストップによって、および/または、選択された並進のDOFに沿ってベースの反対側に配置されるいくつかの機械式エンドストップによって行うことができる。任意の他の適切なタイプの機械式エンドストップも、当業者によって等しく使用可能である。
【0062】
[0063]一実施形態において、ベースと第1の機械式エンドストップとの接触が検出されるまで、オフセット力Foffに対応するランプ信号は、第1の方向でベース12に適用される。次に、ベース12と第2の機械式エンドストップとの接触が検出されるまで、ベース12が同じオフセット力の振幅で第1の方向とは反対の第2の方向に移動するように、ランプ信号の傾きは反転し、ベース12に適用される。
【0063】
[0064]双方向の機械式エンドストップの場合、第1および第2の機械式エンドストップは、同じ機械式エンドストップとすることができる。
[0065]一実施形態において、オフセット力Foffは、上述した機械システムに関連付けられたプロセス感度行列を用いて決定される。より詳しくは、オフセット力は、以下のベクトルの形、すなわち、
【0064】
【数3】
【0065】
をとることができ、
【0066】
【数4】
【0067】
は、複素数の実部を意味し、PS-1は、プロセス感度行列(PS)の逆行列であり、xは、選択された並進のDOFのオフセット振幅を表現するベクトルである。例えば、座標Xに対応する並進のDOFでλ=0.5mmに等しいベース12の所望のオフセット振幅を取得するのに必要なオフセット力Foffは、上述した式において、x=(λ,0,0,0,0,0)を設定することによって取得可能である。
【0068】
[0066]他の実施形態では、オフセット力Foffは、ダンパーの剛性を用いて決定される。実際、いくつかのシステムのために、クロスカップリングを無視し、ダンパーの剛性のみを用いてオフセット力を推定することができる。λによって所望のオフセット振幅を意味すると、オフセット力は、以下のベクトルの形、すなわち、
off=λk
をとることができ、kは、選択されたDOFのダンパーの剛性を表現するベクトルである。例えば、座標Xに対応する並進のDOFでλ=0.5mmに等しいベース12のオフセットされた位置を取得するのに必要なオフセット力Foffは、k=(k,0,0,0,0,0)をとることによって取得可能であり、kは、N/mで測定されるX方向のダンパーの剛性である。
【0069】
[0067]他の実施形態では、オフセット力Foffは、ダンパーに関連付けられた剛性行列Γを用いて決定される。この6×6行列は、以下の式、すなわち、
off=Γ・x
によってオフセット力Foffを6DOFの変位に関連付け、ダンパーの剛性およびそれらの座標を知ると計算可能である。例えば、座標Xに対応する並進のDOFでλ=0.5mmに等しいベース12の所望のオフセット振幅を取得するのに必要なオフセット力Foffは、上述した式において、x=(λ,0,0,0,0,0)を設定することによって取得可能である。
【0070】
[0068]ベース12と機械式エンドストップとの接触の検出は、ベースの位置信号を用いて実現可能であるが、慣性センサにより提供される速度信号を用いることもできる。信号対雑音比(SNR)または全高調波歪み(THD)のような従来の信号処理を用いて、位置または速度信号の歪みを決定することができる。代替的にまたは相補的に、検知閾値に基づいた突然の変化の検出を可能にするベースの回転速度の監視を用いて、接触を検出することもできる。
【0071】
[0069]機械式エンドストップに対するベース12の位置決めを可能にするために、機械式エンドストップとの接触が検出されるとき、ベースの位置を獲得するステップは、さらに実行可能である。
【0072】
[0070]ランプ信号がベース12のオフセットされた位置を作成するために適用される実施形態では、ベースの位置の獲得は、ベース12と機械式エンドストップとの接触が検出されるランプ値を格納することによって実現可能である。このステップは、各方向において、かつ、各並進のDOFのために実行可能である。
【0073】
[0071]代替的にまたは相補的に、1つまたは複数の慣性センサSX1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3を用いて、機械式エンドストップとの接触が検出されるとき、ベース12の位置を獲得してもよい。
【0074】
[0072]格納されたランプ値を用いて、ベースが停止するとき、すなわち、アクチュエータを通してベースに適用される力がないときの機械式エンドストップに対するベース12の位置は、次に、さらなるステップにおいて計算可能である。このステップは、リアルタイムに実行可能であるか、または、代替的には、格納された獲得した位置は、モーションシステムを較正または調整するために後のステージで使用可能である。
【0075】
[0073]一実施形態において、ベース12の相対位置を計算するステップは、ユーザに対する相対位置の視覚的指示の提供をさらに含むことができる。この種の視覚的指示は、ユーザが、どれくらいの自由端ストロークが各並進のDOFで利用できるかの情報を高速に得るのに有用となり得る。
【0076】
[0074]ベース12の相対位置に加えて、視覚的指示はまた、ベースを機械式エンドストップにより近づけるかまたはより遠ざけるために、1つまたは複数のダンパーが調整される必要があるか、または、どのダンパーが調整される必要があるか、に関する指示を表示してもよい。
【0077】
[0075]図6にて図示したように、視覚的指示は、X、Y、Zによって表現されるDOFの各々でベース12の相対位置を示すことができる。水平線の各々は、1つの並進のDOFに沿って利用できるフリーストロークを表現した。線上のひし形は、特定のDOFに沿ったベースの相対位置を示す。さらなる表示は、各ひし形の充填色によって提供される。白いひし形は、特定のDOFに対応するダンパー上の調整が必要ないことを示し、一方、黒いひし形は、対応するダンパーがZ DOFに沿って利用できるフリーストロークの中央にベースをより近づけるために調整されることを示す。
【符号の説明】
【0078】
10 モーションシステム
12 ベース
14 モーションステージ
16 機械フレーム
20 アクティブ分離システム
X1、MX2、MY1、MY2、MZ1、MZ2、MZ3、MZ4 アクチュエータ
X1、SY1、SY2、SZ1、SZ2、SZ3 慣性センサ
PS プロセス感度行列
F 力
ext 外乱力
off オフセット力
X、Y、Z 並進のDOF
、R、R 回転のDOF
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】