IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローバス メディカル インコーポレイティッドの特許一覧

特開2024-137874拡張可能フットプリントインプラント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137874
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】拡張可能フットプリントインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024044774
(22)【出願日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】18/124,095
(32)【優先日】2023-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン,グレイ
(72)【発明者】
【氏名】デビッド,フェイゲンバウム
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC03
4C097CC06
4C097CC18
4C097DD08
4C097DD09
4C097DD10
4C097EE11
(57)【要約】
【課題】拡張可能な椎間固定インプラント、システム、及び方法を提供する。
【解決手段】拡張可能な椎間インプラントは、椎間板腔を維持し、かつ脊椎の安定性を回復させために椎間板腔の内側に設置されることができ、それによって椎間固定術を容易にする。インプラントは、左側アセンブリ及び右側アセンブリを制御するように構成された中央駆動アセンブリを含み得る。拡張可能な椎間インプラントは、第1の幅及び第1の高さを有する収縮した構成から、第2の幅及び第2の高さを有する拡張した構成に移行するように構成されてもよい。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張可能な椎間インプラントであって、
中央駆動アセンブリであって、前方プレートを通して位置決めされた中央駆動ねじと、前記中央駆動ねじに螺合された中央アクチュエータと、前記中央アクチュエータに結合されたねじ付きスリーブと、を含み、前記ねじ付きスリーブが、後方プレートを通して位置決めされ、駆動ナットと螺合されている、中央駆動アセンブリと、
各々が上側端板及び下側端板と、側部アクチュエータと、前方ランプと、を含む、左側アセンブリ及び右側アセンブリであって、前記側部アクチュエータ及び前方ランプが、前記上側端板及び前記下側端板と摺動可能に係合されている、左側アセンブリ及び右側アセンブリと、を備えており、
前記駆動ナットの回転が、前記インプラントの幅を拡張し、前記駆動ねじの回転が、前記インプラントの高さ拡張する、拡張可能な椎間インプラント。
【請求項2】
前記駆動ナットが、前記ねじ付きスリーブ及び中央アクチュエータを前記後方プレートに向かって引っ張り、前記左側部分及び前記右側部分の幅を外向きに押す、請求項1に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項3】
前記中央駆動ねじが、前記前方ランプを前記中央アクチュエータに向かって引っ張り、次いで、前記引っ張ることが、前記上側端板及び前記下側端板の高さを拡張させる、請求項1に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項4】
前記中央アクチュエータが、内側ボアを有する管状体と、前記側部アクチュエータと嵌合するように構成された一対の反対側にあるウイングと、を含む、請求項1に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項5】
前記後方プレートが、前記後方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型水平ランプを含み、前記側部アクチュエータが、前記後方プレートの前記雌型水平ランプと適合するように構成された一対の雄型水平ランプを含む、請求項1に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項6】
前記前方プレートが、前記前方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型水平ランプを含み、前記前方ランプが、前記前方プレートの前記雌型水平ランプと適合するように構成された一対の雄型水平ランプを含む、請求項1に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項7】
拡張可能な椎間インプラントであって、
中央貫通ボアを有する前方プレートと、
拡大ヘッドと前記前方プレートの前記ボアを通して位置決めされたねじ付きシャフトとを有する中央駆動ねじと、
貫通ボアを有する管状体と、一対の反対側にあるウイングと、を有する中央アクチュエータであって、前記中央駆動ねじの前記ねじ付きシャフトが、前記中央アクチュエータの前記ボアの一端内で螺合されている、中央アクチュエータと、
中央貫通ボアを有する後方プレートと、
前記後方プレートの前記ボアを通して位置決めされ、前記中央アクチュエータの前記ボアの反対側の端部と螺合されたねじ付きスリーブと、
前記ねじ付きスリーブと螺合された駆動ナットと、
各々が上側端板及び下側端板、側部アクチュエータ、及び前方ランプを含む左側アセンブリ及び右側アセンブリであって、前記側部アクチュエータ及び前方ランプが、前記上側端板及び前記下側端板と摺動可能に係合され、前記側部アクチュエータが、前記後方プレート及び中央アクチュエータと摺動可能に係合され、前記前方ランプが、前記前方プレートと摺動可能に係合されている、左側アセンブリ及び右側アセンブリと、を備えている、拡張可能な椎間インプラント。
【請求項8】
前記左側アセンブリ及び前記右側アセンブリが、第1の幅を有する横方向収縮構成と、第2の幅を有する横方向拡張構成と、を有し、前記左側アセンブリ及び前記右側アセンブリが、第1の高さを有する垂直収縮構成と、第2の高さを有する垂直拡張構成と、を有する、請求項7に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項9】
前記一対の反対側にあるウイングが各々、前記側部アクチュエータからの対応する雄型ランプを受容するように構成された雌型ランプを画定する、請求項7に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項10】
前記一対の反対側にあるウイングが、前記前方プレートに向かって遠位に角度付けされている、請求項7に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項11】
前記後方プレートが、近位に突出した円筒リングを含み、前記円筒リングが、ねじ付き外面を画定する、請求項7に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項12】
前記ねじ付きスリーブが、前記駆動ナットのボアの内側ねじ山と適合するように構成された第1の近位外側ねじ付きセクションと、中央アクチュエータの前記ボアの内側ねじ山と適合するように構成された第2の遠位外側ねじ付きセクションと、を含む、請求項7に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項13】
前記中央駆動ねじが、保持リングによって前記前方プレート内に保持されている、請求項7に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項14】
前記駆動ナットが、保持スリーブによって前記後方プレート内に保持されている、請求項7に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項15】
拡張可能な椎間インプラントであって、
中央駆動アセンブリであって、長手方向中心軸に沿って整列された前方プレートと、中央駆動ねじと、中央アクチュエータと、ねじ付きスリーブと、後方プレートと、駆動ナットと、を含み、前記中央駆動ねじが、前記前方プレート内に保持され、前記中央アクチュエータが、前記中央駆動ねじ及び前記ねじ付きスリーブと螺合され、前記ねじ付きスリーブが、前記後方プレートで保持され、前記駆動ナットと螺合されている、中央駆動アセンブリと、
上側端板及び下側端板と、側部アクチュエータと、前方ランプと、を含む、側部アセンブリであって、前記側部アクチュエータ及び前方ランプが、前記上側端板及び前記下側端板と摺動可能に係合され、前記側部アクチュエータが、前記後方プレート及び中央アクチュエータと摺動可能に係合され、前記前方ランプが、前記前方プレートと摺動可能に係合されている、側部アセンブリと、を備えており、
作動されたときに、前記駆動ナットが、前記インプラントの幅の拡張を制御し、前記駆動ねじが、前記インプラントの高さの拡張を制御する、拡張可能な椎間インプラント。
【請求項16】
前記中央駆動ねじが、近位端から遠位端まで延び、前記遠位端が、拡大ヘッド部分を含み、前記近位端が、器具凹部を画定する、請求項15に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項17】
前記駆動ナットが、中央貫通ボアを画定し、前記駆動ナットの近位面が、前記中央駆動ねじの前記器具凹部とは異なる器具凹部を画定する、請求項16に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項18】
前記中央駆動ねじが、前記インプラントの遠位端に位置付けられ、前記駆動ナットが、前記インプラントの近位端に位置付けられている、請求項15に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項19】
作動されたときに、前記駆動ナットが、前記ねじ付きスリーブ及び中央アクチュエータを近位に引っ張り、それによって幅の拡張を生じさせる、請求項15に記載の拡張可能な椎間インプラント。
【請求項20】
作動されたときに、前記中央駆動ねじが、前記前方プレートを前記中央アクチュエータに向かって引っ張り、前記前方ランプを前記側部アクチュエータに向かって引っ張り、それによって高さの拡張を生じさせる、請求項15に記載の拡張可能な椎間インプラント。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、椎間固定を促進するための装置及び方法に関し、より具体的には、固定プロセスを促進するために、隣接する椎骨間に挿入することができる拡張可能な固定装置、並びに関連するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な要因(例えば、外傷又は加齢)により変性した椎間板に関連する疼痛に対処するための一般的な手技は、1つ以上の隣接する椎体を固定するための椎体間固定装置の使用である。概して、隣接する椎体を固定するために、椎間板が、まず部分的又は完全に除去される。次いで、椎体間固定装置を隣接する椎骨の間に挿入して、正常な椎間板間隔を維持し、脊椎安定性を回復させ、それによって椎体間固定を容易にする。
【0003】
椎体間固定を達成するためのいくつかの固定装置及び方法が存在する。これらは、中実の骨インプラントと、骨及び/又は骨成長誘導物質とパックされ得るケージ又は他のインプラント機構を含む固定装置と、拡張可能なインプラントと、を含み得る。例えば、椎間板の高さの回復を提供するために、後方インプラントが埋め込まれ得る。インプラントは、椎体を互いに固定するために、隣接する椎間に設置され、それによって関連する疼痛を軽減し得る。
【0004】
しかしながら、既存の後方インプラントには、沈み込み及び矢状バランスの問題を含む欠点が存在する。したがって、沈み込みの問題に対処するための拡張可能なフットプリント及び矢状バランスの問題に対処するための調節可能な前弯を備えた、最小限の高さ及び幅で椎間板腔の内側に設置することができる固定装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
この必要性及び他の必要性を満たすために、椎間固定及び脊椎安定化を実行するための装置、システム、及び方法が提供される。具体的には、例えば、後方脊椎手術用の拡張可能な椎間インプラントは、様々な患者の症状を治療するために使用され得る。拡張可能なインプラントは、椎間板腔に挿入された後に全体的なフットプリントサイズを増大させる一方で、前弯及び全体的な高さも調節するように構成されている。現場で拡張可能なフットプリント又は表面積は、沈み込みの問題に対処するように構成され、現場で調節可能な前弯は、矢状バランスの問題に対処するように構成されている。椎間インプラントは、脊椎を更に安定させるために、例えば椎弓根ねじ及び脊椎ロッドを含む、後方安定化システムと組み合わせられ得る。
【0006】
一実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、中央駆動アセンブリと、左側アセンブリ及び右側アセンブリと、を含む。中央駆動アセンブリは、フロントプレートを通して位置決めされた中央駆動ねじを含み、中央駆動ねじは、中央アクチュエータに螺合され、中央アクチュエータは、ねじ付きスリーブに結合され、ねじ付きスリーブは、後方プレートを通して位置決めされ、駆動ナットと螺合されている。左側アセンブリ及び右側アセンブリは各々、上側端板及び下側端板と、側部アクチュエータと、前方ランプと、を含む。側部アクチュエータ及び前方ランプは、上側端板及び下側端板と摺動可能に係合されている。駆動ナットの回転は、インプラントの幅を拡張し、駆動ねじの回転は、インプラントの高さを拡張する。
【0007】
拡張可能な椎間インプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。駆動ナットは、ねじ付きスリーブ及び中央アクチュエータを後方プレートに向かって引っ張り、左側部分及び右側部分の幅を外向きに押し得る。駆動ねじは、前方ランプを中央アクチュエータに向かって引っ張り得、次いで、上側端板及び下側端板の高さを拡張する。中央アクチュエータは、内側ボアを有する管状体と、側部アクチュエータと嵌合するように構成された一対の反対側にあるウイングと、を含み得る。後方プレートは、後方プレートの上面及び底面に画定された一対の雌型水平ランプを含み得、側部アクチュエータは、後方プレートの雌型水平ランプと適合するように構成された一対の雄型水平ランプを含み得る。前方プレートは、前方プレートの上面及び下面に画定された一対の雌型水平ランプを含んでよく、前方ランプは、前方プレートの雌型水平ランプと適合するように構成された一対の雄型水平ランプを含んでよい。
【0008】
一実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、中央貫通ボアを有する前方プレートと、拡大ヘッドと前方プレートのボアを通して位置決めされたねじ付きシャフトとを有する中央駆動ねじと、貫通ボアを有する管状体と一対の反対側にあるウイングとを有する中央アクチュエータであって、中央駆動ねじのねじ付きシャフトが、中央アクチュエータのボアの一端内で螺合されている、中央アクチュエータと、中央貫通ボアを有する後方プレートと、後方プレートのボアを通して位置決めされ、中央アクチュエータのボアの反対側の端部と螺合されたねじ付きスリーブと、ねじ付きスリーブと螺合された駆動ナットと、各々が上側端板及び下側端板、側部アクチュエータ、及び前方ランプを含む左側アセンブリ及び右側アセンブリと、を含む。側部アクチュエータ及び前方ランプは、上側端板及び下側端板と摺動可能に係合され、側部アクチュエータは、後方プレート及び中央アクチュエータと摺動可能に係合され、前方ランプは、前方プレートと摺動可能に係合されている。
【0009】
拡張可能な椎間インプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。左側アセンブリ及び右側アセンブリは、第1の幅を有する横方向収縮構成と、第2の幅を有する横方向拡張構成と、を有し得、左側アセンブリ及び右側アセンブリは、第1の高さを有する垂直収縮構成と、第2の高さを有する垂直拡張構成と、を有し得る。一対の反対側にあるウイングは各々、側部アクチュエータからの対応する雄型ランプを受容するように構成された雌型ランプを画定し得る。一対の反対側にあるウイングは、前方プレートに向かって遠位に角度付けされ得る。後方プレートは、近位に突出した円筒リングを含み得る。円筒リングは、ねじ付き外面を画定し得る。ねじ付きスリーブは、駆動ナットのボアの内側ねじ山と適合するように構成された第1の近位外側ねじ付きセクションと、中央アクチュエータのボアの内側ねじ山と適合するように構成された第2の遠位外側ねじ付きセクションと、を含み得る。中央駆動ねじは、保持リングによって前方プレート内に保持され得る。駆動ナットは、保持スリーブによって後方プレート内に保持され得る。
【0010】
別の実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントは、中央駆動アセンブリと、側部アセンブリと、を含む。中央駆動アセンブリは、長手方向中心軸に沿って整列された前方プレートと、中央駆動ねじと、中央アクチュエータと、ねじ付きスリーブと、後方プレートと、駆動ナットと、を含む。中央駆動ねじは、前方プレート内に保持される。中央アクチュエータは、中央駆動ねじ及びねじ付きスリーブと螺合されている。ねじ付きスリーブは、後方プレート内に保持され、駆動ナットと螺合されている。側部アセンブリは、上側端板及び下側端板と、側部アクチュエータと、前方ランプと、を含む。側部アクチュエータ及び前方ランプは、上側端板及び下側端板と摺動可能に係合されている。側部アクチュエータは、後方プレート及び中央アクチュエータと摺動可能に係合され、前方ランプは、前方プレートと摺動可能に係合されている。作動されたときに、駆動ナットは、インプラントの幅の拡張を制御し、駆動ねじは、インプラントの高さの拡張を制御する。
【0011】
拡張可能な椎間インプラントは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。中央駆動ねじは、近位端から遠位端まで延び得、遠位端は、拡大ヘッド部分を含み、近位端は、器具凹部を画定する。駆動ナットは、中央貫通ボアを画定し得、駆動ナットの近位面は、中央駆動ねじの器具凹部とは異なる器具凹部を画定し得る。中央駆動ねじは、インプラントの遠位端に位置付けられ得、駆動ナットは、インプラントの近位端に位置付けられ得る。作動されたときに、駆動ナットは、ねじ付きスリーブ及び中央アクチュエータを近位に引っ張り、それによって幅の拡張を生じさせ得る。作動されたときに、中央駆動ねじは、前方プレートを中央アクチュエータに向かって引っ張り、前方ランプを側部アクチュエータに向かって引っ張り、それによって高さの拡張を生じさせ得る。
【0012】
別の実施形態によれば、拡張可能な椎間インプラントを組み立てる方法は、以下のステップ、すなわち、(1)嵌合ランプ又はスライダを整列させることによって、2つの前方ランプを前方プレートの上へ配置するステップ、(2)嵌合ランプ又はスライダを整列させることによって、1つの側部アクチュエータを後方プレートの上へ配置するステップ、(3)ランプ又はスライダを整列させることによって、中央アクチュエータを側部アクチュエータの上へ配置し、第2の側部アクチュエータを後方プレート及び中央アクチュエータの上へ配置するステップ、(4)下側端板を側部アクチュエータの上へ配置し、上側端板を側部アクチュエータの上へ配置することによって、左側アセンブリ及び右側アセンブリの各々を組み立てるステップ、(5)前方ランプを下側及び上側端板内に配置するステップ、(6)ねじ付きスリーブを、後方プレートを通して中央アクチュエータに挿入するステップ、(7)摩擦リングを駆動ナットの上に配置するステップ、(8)駆動ナットをねじ付きスリーブにねじ込むステップ、(9)保持スリーブを後方プレート内に圧入し、駆動ナットを固定するステップ、(10)摩擦リングを中央駆動ねじの上に配置するステップ、(11)中央駆動ねじを、前方プレートを通して中央アクチュエータにねじ込むステップ、並びに(12)保持リングを前方プレート内に配置して、中央駆動ねじを固定するステップ、のうちの1つ以上を任意の好適な順序で含み得る。
【0013】
別の実施形態によれば、脊椎固定システムは、拡張可能な椎間インプラントと、骨締結具と、骨締結具に取り付け可能な脊椎ロッドと、を含む。拡張可能な椎間インプラントは、中央駆動アセンブリと、左側アセンブリ及び右側アセンブリと、を備えており、中央駆動アセンブリは、前方プレートと、中央駆動ねじと、中央アクチュエータと、ねじ付きスリーブと、後方プレートと、駆動ナットと、を含み、左側アセンブリ及び右側アセンブリの各々は、上側端板及び下側端板と、側部アクチュエータと、前方ランプと、を含み、駆動ナットの回転は、インプラントの幅を拡張するように構成され、駆動ねじの回転は、インプラントの高さを拡張するように構成されている。
【0014】
脊椎固定システムは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。拡張可能な椎間インプラントは、経椎間孔腰椎椎体間固定術手技を通して設置されるように構成され得る。骨締結具は、ねじ付きシャフトと、チューリップヘッドと、を含み得る。骨締結具は、多軸骨ねじであり得る。骨締結具は、椎弓根ねじであり得る。複数の骨締結具は、拡張可能な椎間インプラントに隣接して椎骨内に設置されるように構成され得る。本システムは、脊椎を安定させるように構成された一組のねじ及びロッドを含み得る。
【0015】
別の実施形態によれば、脊椎固定システムは、中央駆動アセンブリ及び左側アセンブリ及び右側アセンブリと、後方安定化システムと、を含む、拡張可能な椎間インプラントを含む。中央駆動アセンブリは、中央貫通ボアを有する前方プレートと、拡大ヘッド、及び前方プレートのボアを通して位置決めされたねじ付きシャフトを有する中央駆動ねじと、貫通ボア及び一対の反対側にあるウイングを備えた管状体を有する中央アクチュエータであって、中央駆動ねじのねじ付きシャフトが、中央アクチュエータのボアの一端内で螺合されている、中央アクチュエータと、中央貫通ボアを有する後方プレートと、後方プレートのボアを通して位置決めされ、中央アクチュエータのボアの反対側の端部と螺合されるねじ付きスリーブと、ねじ付きスリーブと螺合された駆動ナットと、を含む。左側アセンブリ及び右側アセンブリは各々、上側端板及び下側端板と、側部アクチュエータと、前方ランプと、を含む。
【0016】
脊椎固定システムは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。後方安定化システムは、ねじ付きシャフト及びチューリップヘッドを含む複数の骨締結具を含み得る。複数の骨締結具は、隣接する椎骨の椎弓根に挿入されるように構成され得る。後方安定化システムは、脊椎の一部分を安定させるために骨締結具のチューリップヘッドに固定された脊椎ロッドを含み得る。駆動ナットの作動は、椎間インプラントの幅を拡張するように構成され得る。中央駆動ねじの作動は、原位置で椎間インプラントの高さを拡張するように構成され得る。
【0017】
更に別の実施形態によれば、脊椎を固定する方法は、以下のステップ、すなわち、(1)拡張可能な椎間インプラントを椎間板腔に隣接する椎骨間に挿入するステップであって、拡張可能なインプラントが、中央駆動アセンブリと、左側アセンブリ及び右側アセンブリと、を備え、中央駆動アセンブリが、前方プレートと、中央駆動ねじと、中央アクチュエータと、ねじ付きスリーブと、後方プレートと、駆動ナットと、を含み、左側アセンブリ及び右側アセンブリが各々、上側端板及び下側端板と、側部アクチュエータと、前方ランプと、を含む、挿入するステップ、(2)インプラントの幅及び/又は高さを拡張するステップ、(3)隣接する椎骨の椎弓根に骨ねじを固定するステップ、並びに(4)脊椎ロッドを骨ねじの間に接続するステップ、のうちの1つ以上を任意の好適な順序で含み得る。本方法は、駆動ナットを回転させることによってインプラントの幅を拡張することと、中央駆動ねじを回転させることによってインプラントの高さを拡張することと、を更に含み得る。インプラントは、幅を拡張し、全体的なフットプリントサイズを増大させ、それによってインプラントが沈み込む可能性を最小にし得る。インプラントは、原位置で高さ方向に拡張して、前湾を調節し得る。拡張可能な椎間インプラントを椎間板腔に挿入する前に、脊椎の後方面にアクセスして、脊椎関節突起切除術を実行する。片側脊椎関節突起切除術は、椎体間板の視覚化及び除去可能にするために実行され得る。第1組の骨ねじが椎骨の椎弓根に固定され得、第1の脊椎ロッドがそれらの間に接続され、第2組の骨ねじが椎骨の対向する椎弓根に固定され得、第2の脊椎ロッドがそれらの間で接続される。
【0018】
更に別の実施形態によると、キットは、異なるサイズ及び構成の複数のインプラントを含んでもよい。本キットは、挿入装置又はドライバなどの、本明細書に記載されるインプラント及びシステムの設置及び/又は除去に好適な1つ以上の装置と、1つ以上の除去装置と、外科手術に好適であり得るその他のツール及び装置とを更に含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本実施形態は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
図1A】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、幅及び高さが拡張された、拡張可能なインプラントの斜視図を例解する。
図1B】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、幅及び高さが拡張された、拡張可能なインプラントの斜視図を例解する。
図1C】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、幅及び高さが拡張された、拡張可能なインプラントの斜視図を例解する。
図2図1A図1Cの拡張可能なインプラントの分解図を示す。
図3】一実施形態による、前方プレートに挿入可能な中央駆動ねじを含み、保持リングによって保持されるように構成された中央駆動アセンブリの一部分の分解図を示す。
図4】一実施形態による、中央駆動ナットと、後方プレートと、ねじ付きスリーブと、駆動ナットを後方プレートに固定するための保持スリーブと、を含む、中央駆動アセンブリの別の部分の分解図を示す。
図5】一実施形態による、駆動スリーブに取り付けられた後方プレートを含み、駆動スリーブが中央アクチュエータに取り付けられ、中央アクチュエータが中央駆動ねじに取り付けられ、中央駆動ねじが前方プレートに取り付けられた、中央駆動アセンブリを示す。
図6】側部アクチュエータ及び前方ランプ上に組み付けられた上側端板と、組み立て中に側部アクチュエータ及び前方ランプ上に配置されるように構成された下側端板と、を含む、側部アセンブリを示す。
図7】一実施形態による、側部アクチュエータ及び前方ランプと係合した上側端板及び下側端板のランプの断面図を示す。
図8】一実施形態による、側部アセンブリの側部アクチュエータを示す。
図9】一実施形態による側部アセンブリの前方ランプを示す。
図10A】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、後方プレートと摺動可能に係合した側部アクチュエータを例解し、側部アクチュエータと後方プレートとの間の相互作用の拡大図を例解する。
図10B】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、後方プレートと摺動可能に係合した側部アクチュエータを例解し、側部アクチュエータと後方プレートとの間の相互作用の拡大図を例解する。
図10C】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、後方プレートと摺動可能に係合した側部アクチュエータを例解し、側部アクチュエータと後方プレートとの間の相互作用の拡大図を例解する。
図11A】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、前方プレートと摺動可能に係合した前方ランプを例解する。
図11B】一実施形態による、それぞれ、収縮位置における、幅が拡張された、前方プレートと摺動可能に係合した前方ランプを例解する。
図12A】一実施形態による、それぞれ、幅が拡張されたインプラントの背面図及び斜視図を示す。
図12B】一実施形態による、それぞれ、幅が拡張されたインプラントの背面図及び斜視図を示す。
図13A】一実施形態による、それぞれ、幅が完全に拡張されたインプラント、並びに幅及び高さが完全に拡張されたインプラントを示す(明確にするために、一組の端板、側部アクチュエータ、及び前方ランプを含む1つの側部アセンブリが省略されている)。
図13B】一実施形態による、それぞれ、幅が完全に拡張されたインプラント、並びに幅及び高さが完全に拡張されたインプラントを示す(明確にするために、一組の端板、側部アクチュエータ、及び前方ランプを含む1つの側部アセンブリが省略されている)。
図14】一実施形態による、椎弓根ねじと組み合わせた拡張可能なインプラントを含む脊椎構築物、及び取り付けられた後方脊椎を安定させるための脊椎ロッドを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態は、概して、椎間固定及び脊椎安定化のための装置、システム、及び方法を目的とする。特に、拡張可能なインプラントは、椎間板腔に挿入された後に全体的なフットプリントサイズを増大させる一方で、前弯及び全体的な高さも調節するように構成されている。拡張可能なインプラントは、幅及び高さが拡張するように構成された1つ以上の側部アセンブリを含んでもよい。そうすることで、拡張は、矢状バランス補正及び沈み込み問題に対処する。椎間インプラントは、脊椎を更に安定させるために、例えば椎弓根ねじ及び脊椎ロッドを含む、後方安定化システムと組み合わせられ得る。
【0021】
脊椎固定術は、典型的には、変性した椎間板材料の運動によって生じる疼痛を排除するために使用される。固定が成功すると、固定装置は椎間板腔内に永久的に固定される。拡張可能な固定装置は、収縮位置において、隣接する椎体の間に位置決めされてよい。拡張可能な固定装置は、幅が拡張し、続いて高さが拡張するように構成されている。固定装置は、隣接する椎体の端板に係合し、設置位置において、所望の椎間板腔を維持し、脊椎安定を回復し、それによって椎間固定を容易にする。
【0022】
低侵襲手術(Minimally invasive surgery、MIS)は、必要なところでのみ破壊を引き起こすことによって筋肉の解剖学的構造を保存するために使用され得る。MIS外科的アプローチの利点は、術後の疼痛を低減し、患者の回復時間を改善することができることである。一実施形態では、拡張可能固定装置は、内視鏡チューブを通じて外科手術標的部位内に配置されるように構成することができる。例として、手術部位は、2つの隣接する椎骨の間に位置する椎間板腔であってもよい。経椎間孔腰椎椎体間固定術(transforaminal lumbar interbody fusion、TLIF)での使用に特に好適であるが、インプラントは、腰椎、頚椎、又は胸椎への前方、後方、側方、前側方、又は後外側アプローチ、並びに骨折などの治療などの任意の非脊椎適用を含むがこれらに限定されない、あらゆる数の好適な整形外科的アプローチ及び手技で使用され得ることが、当業者によって容易に認められるであろう。
【0023】
本明細書に開示される全ての装置の構成要素は、金属(例えば、チタン)、金属合金(例えば、ステンレス鋼、コバルト-クロム、及びチタン合金)、セラミック、プラスチック、プラスチック複合材、又はポリマー材料(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール、又はそれらの混合物若しくはコポリマー)、及び/又はそれらの組み合わせを含む、あらゆる好適な材料から製造され得る。いくつかの実施形態では、装置は、放射線透過性及び/又は放射線不透過性材料を含んでもよい。構成要素はまた、あらゆる好適な技術(例えば、3Dプリンティング)を使用して機械加工及び/又は製造することができる。
【0024】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号は同様の要素を指し、図1A図1Cは、一実施形態による拡張可能な固定装置又はインプラント10を示す。拡張可能な固定装置10は、幅が拡大して装置10の全体的なフットプリントを増大させ、かつ高さが拡張して椎間板の高さの回復、前弯、及び/又は矢状バランスを矯正するように構成された左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14を含み得る。インプラント10は、後方アプローチ又はその他の好適な外科手技による経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)のために好適であり得る。
【0025】
拡張可能な固定装置10は、装置10の前端と後端との間に中心長手方向軸Aに沿って延びている。図1Aは、左側部分12及び右側部分14が幅及び高さの両方において収縮させられた、完全に収縮させられた構成の拡張可能な固定装置10を示す。図1Bは、左側部分12及び右側部分14の幅が拡張された、拡張した構成の拡張可能な固定装置10を示す。図1Cは、左側部分12及び右側部分14の幅及び高さが拡張された、完全に拡張させられた構成の拡張可能な固定装置を示す。前端及び後端並びに左側部分12及び右側部分14への言及は、拡張可能な固定装置10の前方が最初に椎間板腔内に配置され、続いて拡張可能な固定装置10の後方が配置される、椎間板腔内への配置の方向に関して記載されることを理解されたい。これら及びその他の方向を示す用語は、説明のために本明細書で使用される場合があり、装置が使用され得る向きを限定するものではない。
【0026】
図2の分解図に重点を置くと、インプラント10は、第1の半部又は左側部分12と、第2の半部又は右側部分14と、及び中央駆動アセンブリ16と、を含む。左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14は各々、上側端板20及び下側端板22と、前方ランプ24と、側部アクチュエータ26と、を含み得る。中央駆動アセンブリ16は、中心長手方向軸Aに沿って整列された中央駆動ねじ30と、前方プレート32と、中央アクチュエータ34と、後方プレート36と、中央ねじ付きスリーブ38と、中央駆動ナット40と、を含む。左側部分12及び右側部分14は、中央駆動ナット40によって幅が拡張される。上側端板20及び下側端板22は、中央駆動ねじ30によって高さが拡張される。
【0027】
具体的には、左側部分12及び右側部分14は、中央ねじ付きスリーブ38及び中央アクチュエータ34に取り付けられた中央駆動ナット40によって制御可能である。駆動ナット40は、ランプ又はスライダ70、102、132、154、156、170を使用することによって、ねじ付きスリーブ38及び中央アクチュエータ34を後方プレート36に向かって引っ張り、左側部分12及び右側部分14を外向きに押圧する。左側部分12及び右側部分14の幅が完全に拡張されると、前方プレート32が中央駆動ねじ30によって制御可能になる。中央駆動ねじ30は、前方プレート20を中央アクチュエータ34に向かって引っ張る一方で、前方ランプ24も側部アクチュエータ26に向かって引っ張る。側部アセンブリ12、14は各々、上側端板20及び下側端板22と、前方ランプ24と、側部アクチュエータ26と、を有する。前方ランプ24は、駆動ねじ30を回転させている間に作動される。これは、前方ランプ24を側部アクチュエータ26に向かって引っ張り、次いで、ランプ142、160、168が前方ランプ24及び側部アクチュエータ26に嵌合することによって、上部端板20及び底部端板22が上下に拡張する。
【0028】
図3に最もよく見られるように、中央駆動ねじ30は、近位端44から遠位端46まで延びている。遠位端46は、前方プレート32を通して画定されたボア62内で受容されるように構成された拡大ヘッド部分48をみ得る。拡大ヘッド48は、中央駆動ねじ30の遠位端に滑らかな外面を有する幅広の円筒形ヘッドを含み得る。駆動ねじ30の近位端44は、駆動ねじ30を回転又は作動させるために、ドライバなどの器具を受容するように構成された器具凹部50を画定し得る。器具凹部50は、駆動ねじ30にトルクを加えるためにドライバ器具と係合するように構成された三葉形、六角形、星形、又はその他の好適な凹部を含み得る。駆動ねじ30は、その長さに沿って延びる外側ねじ付き部分52を有するシャフトを含み得る。外側ねじ山52は、近位端44から拡大ヘッド48の底部付近の位置まで延び得る。駆動ねじ30は、駆動ねじ30の拡大ヘッド部分48が前方プレート32内で受容可能であるように、前方プレート32のボア62を通して受容可能である。回転中に駆動ねじ30上の摩擦又は抗力を増大させるように、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)リングなどの選択的な摩擦リング56が、駆動ねじ30上に、例えば拡大ヘッド48の下方に、組み付けられ得る。
【0029】
中央駆動ねじ30は、前方プレート32に挿入されて、保持リング58を使用して前方プレート32内に保持され得る。駆動ねじ30は、作動されたときに、インプラント10の高さ拡張を制御する。保持リング58は、複数の内歯及び/又は外歯60又は様々なレリーフを有するスプリットリングを含み、これにより、保持リング58が圧縮されて前方プレート32のボア62に進入し、内部溝に係合することができる。保持リング60は、例えば、保持リング58の挿入及び除去を補助するために器具と係合される2つのスロットを含み得る。保持リング58が駆動ねじ30の周りに、かつ前方プレート32のボア62内に位置決めされたときに、歯58が中央駆動ねじ30と係合するように構成され、それによってねじ30をプレート32内の所定の位置にロックする。
【0030】
前方プレート32は、駆動ねじ30を受容するように構成された、そこを通る中央穴62を画定する。ボア62の軸は、中心長手方向軸Aに沿って整列される。前方プレート32は、側面68によって接続された、上側面又は上面64と、反対側の下側面又は底面66と、を含む。上面64及び底面66は、左側部分12及び右側部分14の前方ランプ24上の対応するランプ170と適合するように構成された1つ以上のスライダ又はランプ70を含み得る。スライダ又はランプ70は、前方ランプ24の嵌合雄型対応物170を受容するように構成された雌型チャネル又は溝を画定する水平ランプを含み得る。しかしながら、雌型/雄型構成は、反転されてもよいか、又は左側部分12及び乗車部分14の横方向拡張を提供するためにその他の好適なランプ相互作用、摺動特徴、若しくは嵌合構成要素を含んでもよいことが認められるであろう。
【0031】
一実施形態では、前方プレート32は、前方プレート32の上部64に画定された第1対の水平ランプ70と、前方プレート32の底部66に画定された第2対の水平ランプ70と、を含み得る。ランプ70の各々は、別個の水平面に沿って整列させられてもよい。このようにして、各ランプ70は、雌型水平ランプのうちの一方が他方の雌型水平ランプよりも大きい深さを有するように、その長さに沿って一定の深さを有する。例えば、前方プレート32の上部64に沿って画定された第1のランプ70は、前方プレート32の上部64に沿って画定された他方のランプ70に対してより低い又はより高い1つの所与の水平面に沿って位置決めされ得る。水平ランプ70は、各ランプ70の一端が前方プレート32の側面68において始まり、ランプ70が互いに向かって進みながら、中央アクチュエータ34に向かう方向に中心に延びるように角度付けされ得るか、又は傾斜され得る。水平ランプは、左側アセンブリ12及び右側アセンブリ14の水平又は横方向拡張を提供するものとして説明されているが、水平ランプ70は、異なる軌跡又は拡張タイプを提供するように勾配付けされ得るか、傾斜され得るか、又は別様に軸外に構成され得ることが認められるであろう。
【0032】
図4に最もよく見られるように、駆動ナット40は、後方プレート36に挿入され、保持スリーブ74を使用して保持され得る。駆動ナット40は、作動されたときに、インプラント10の幅拡張を制御する。駆動ナット40は、近位端76から遠位端78まで延びる略円筒形の本体を有し得る。近位面76は、ドライバなどの器具と適合して駆動ナット40を回転又は作動させるように構成された器具凹部80を形成するために、1つ以上のくぼみ又はノッチを画定し得る。器具凹部80は、ドライバ器具と係合して駆動ナット40にトルクを加えるように構成されたスロット付き、スプライン付き、三葉形、六角形、星形、他の好適な凹部、又はその一部分を画定し得る。駆動ナット40の器具凹部80は、駆動ねじ30の器具凹部50とは異なるタイプのものであり得るので、ユーザは、どの構成要素を作動させようとしているのかを容易に理解することができる。このようにして、器具凹部80は、ドライバ器具と係合して、駆動ナット40にトルクを加え、それによって左側アセンブリ12及び右側アセンブリ14の幅拡張を駆動するように構成されている。
【0033】
駆動ナット40は、別の器具が遠位駆動ねじ30にアクセスすることができるように、中央貫通ボア82を画定する。貫通ボア82の軸は、中心長手方向軸Aに沿って整列され得る。駆動ナット40は、駆動ナット40の本体が後方プレート36に受容可能であるように、後方プレート36のボア88内で受容可能である。回転中に駆動ナット40上の摩擦又は抗力を増大させるように、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)リングなどの選択的な摩擦リング84が、駆動ナット40上に、例えば遠位端78付近に、組み付けられ得る。保持スリーブ74は、後方プレート36内に圧入され、それによって駆動ナット40を後方プレート36に固定する。保持スリーブ74は、駆動ナット40の周りに、かつ後方プレート36の突起96内に嵌合するようなサイズ及び寸法にされたリング又はバンドを含み得る。
【0034】
後方プレート36は、駆動ナット40及びねじ付きスリーブ38を受容するように構成された、そこを通る中央ボア88を画定する。ボア88の軸は、中心長手方向軸Aに沿って整列される。後方プレート36は、側面94によって接続された、上側面又は上面90と、反対側の下側面又は底面92と、を含む。突起96は、近位に延びて、例えばインプラント挿入器具と螺合するように構成された、外ねじ付き部分98を有する実質的に円筒形のリングを画定し得る。後方プレート36へのねじ接続は、挿入器具への剛性接続を提供する。上面90及び底面92は、左側部分12及び右側部分14の側部アクチュエータ26上の対応するランプ154と適合するように構成された1つ以上のスライダ又はランプ102を含み得る。
【0035】
後方プレート36は、左側部分12及び右側部分14のアクチュエータ26上の対応するランプ154と適合するように構成された1つ以上のスライダ又はランプ102を含む。例えば、後方プレート36の遠位端の近くで、後方プレート36は、後方プレート36の上面90及び底面92の各々に画定された一対のランプ102を含み得る。ランプ70と同様に、ランプ102は、1つ以上の水平面に沿って整列された水平ランプであり得る。例えば、一対のランプ102のうちの1つは、1つの所与の水平面下側に沿って、別の所与の水平面に沿った他のランプ102に対してより低く又はより高く位置決めされ得る。換言すれば、各ランプ102は、一方ランプ102が他方のランプ102よりも大きい深さを有するように、その長さに沿って一定の深さを有する。水平ランプ102は、ランプ102の一端が後方プレート36の側面94において始まり、ランプ102が互いに向かって進みながら、後方プレート36の中心に向かって延びるように角度付けされ得るか、対角であり得るか、又は傾斜され得る。水平ランプ102は、アクチュエータ26の嵌合雄型対応物154を受容するように構成された雌型チャネル又は溝を画定し得る。しかしながら、雌型/雄型構成は、反転され得るか、又は左側部分12及び右側部分14の横方向拡張を提供するために、その他の好適なランプ相互作用、摺動特徴、若しくは嵌合構成要素を含み得ることが認められるであろう。
【0036】
後方プレート36は、挿入器具などの器具によって係合されるように、又はインプラント10へのアクセスを可能にするように構成された1つ以上の器具凹部又はスロット104、106を含み得る。例えば、後方プレート36の側面94は各々、移植片送達装置を受容するように構成された側面凹部又は器具スロット104を含み得る。例えば、後方プレート36の反対側にある側面94は、幅及び/又は高さが完全に拡張されると、移植片送達装置がインプラント10の中心部分に進入することを可能にするように構成された、2つの半反対側にある円形凹部104を含み得る。椎体間固定を更に促進及び容易にするために、骨移植片又は同様の骨成長誘導材料を固定装置10の内部及び/又は周囲に導入することができる。加えて、1つ以上の凹部106が後方プレート36の近位面の周りに位置決めされ得る。これらの円形凹部106は、プレート36の4つの隅部において整列され得る。4つの凹部106は、挿入器具などの器具を整列させるのを補助し得る。
【0037】
駆動ナット40は、ねじ付きスリーブ38にねじ込まれる。ねじ付きスリーブ38は、後方プレート36のボア88を通して位置決めされ、駆動ナット40に螺合されている。ねじ付きスリーブ38は、スリーブ38の近位端110と遠位端112との間に中央貫通ボア114を画定する円筒状スリーブ又はシャフトスリーブである。中央ボア114の軸は、中心長手方向軸Aと整列する。スリーブ38の外面は、外側ねじ付きセクション116、118を含む。第1の近位外側ねじ付きセクション116は、駆動ナット40のボア82の内側ねじ山と適合するように構成されている。第2の遠位外側ねじ付きセクション118は、中央アクチュエータ34のボア124の内側ねじ山と適合するように構成されている。ねじ付きセクション116は、任意の好適なリード、ピッチ、巻き方、角度、直径、などを有する螺旋巻きのねじ形態を含み得る。別個のねじ付きセクション116、118は、同じ又は異なるねじ付きタイプを有し得る。ねじ付きセクション116、118は、ねじなしの又は滑らかなセクション120によって分離され得る。近位ねじ付きセクション116は、ねじなしセクション120がスリーブ38の遠位端112のより近くに位置付けられるように、遠位ねじ付きセクション118よりも長くなり得る。例えば、近位ねじ付きセクション116の長さは、遠位ねじ付きセクション118の長さの2倍、3倍、4倍、又はそれ以上であり得る。
【0038】
ここで図5を参照すると、完全に組み立てられた中央駆動アセンブリ16が示されている。ねじ付きスリーブ38は、中央アクチュエータ34に取り付けられている。中央アクチュエータ34は、近位端126から遠位端128まで延びる内側ボア124を有する管状体を含む。中央アクチュエータ34の内側ボア124は、ねじ付きスリーブ38の遠位ねじ付きセクション118及び駆動ねじ30のねじ付きシャフト52との螺合を可能にするように、雌ねじ付きである。中央アクチュエータ34は、管状体の外面から延びる一対の反対側にあるウイング130を含む。各ウイング130は、遠位自由端で終端し得る。ウイング130は、ウイング130の遠位自由端が前方プレート32の方を向くように角度付けされ得る。各ウイング130は、側部アクチュエータ26の対応する表面と嵌合するように構成された1つ以上のスライダ又はランプ132を画定し得る。ランプ132は、ランプ132の一端が中央アクチュエータ34の本体において始まり、それぞれのウイング130の自由端まで延びるように角度付けされ得るか、対角であり得るか、面取りされ得るか、又は傾斜され得る。ランプ132は、側部アクチュエータ26の嵌合雄型対応物156を受容するように構成された雌型チャネル又は溝を画定し得る。雌型ランプ132は、各ウイング130の近位面に沿って開口的に延在し得る。雌型/雄型構成及び位置は、左側部分12及び右側部分14の横方向拡張の提供を補助するために、他の好適なランプ相互作用、摺動特徴、若しくは嵌合構成要素を含むように逆にされ得るか、又は変更され得ることが認められるであろう。
【0039】
中央駆動アセンブリ16が組み立てられるとき、ねじ付きスリーブ38の近位端110は、後方プレート36のボア88を通して位置決めされる。駆動ナット40は、ねじ付きスリーブ38の近位ねじ付きセクション116にねじ込まれる。ねじ付きスリーブ38の遠位ねじ付きセクション118は、中央アクチュエータ34にねじ込まれる。完全に組み立てられると、駆動ナット40の作動が、ねじ付きスリーブ38及び中央アクチュエータ34を後方プレート36に対して押し引きして、インプラント10幅を拡張するように構成される。駆動ねじ30は、前方プレート32のボア62を通して位置決めされる。駆動ねじ30のねじ付きシャフト52は、ねじ付きスリーブ38に取り付けられた中央アクチュエータ34の遠位端128にねじ込まれる。完全に組み立てられると、駆動ねじ30の作動が、前方プレート32及び前方ランプ24を中央アクチュエータ34及び側部アクチュエータ26に対して押し引きして、インプラント10の高さを拡張するように構成される。
【0040】
ここで図6及び図7を参照すると、左側アセンブリ12及び右側アセンブリ14は各々、上側端板20及び下側端板22を側部アクチュエータ26及び前方ランプ24上に配置することによって組み立てられる。左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14は各々、互いから離れて拡張して、拡張可能な固定装置10の垂直高さを増大させるように構成された上側端板20及び下側端板22を含み得る。上側端板20及び下側端板22は、互いに同じであり得るか、又は鏡像であり得る。アセンブリ12及び上側端板20を参照して説明されているが、本明細書の議論は、アセンブリ14及び下側端板22にも同様に適用される。上側端板20は、椎間板腔内に埋め込まれたときに、隣接する椎体の椎骨端板と適合するように構成された上側又は外側対向面136を含む。外面136は、複数の歯、隆起部、粗面、竜骨、把持若しくは握持突起、又は椎間板腔内に装置10を保持するように構成された他の摩擦増大要素を含み得る。例えば、端板20、22は、骨の成長を促進するために自然な粗面を提供するように積層造形を使用して3D印刷され得るか、又は粗面を得るために機械加工及びブラストされ得る。
【0041】
上側端板20は、アクチュエータ26及び前方ランプ24上の対応するランプ160、168とそれぞれ適合するように構成された1つ以上のスライダ又はランプ142を画定する、下側又は内側対向面138及び1つ以上の側壁140を含む。例えば、上側端板20は、その間に間隙又はチャネル144を形成する一対の側壁140を画定し得る。チャネル144は、概して、U字形状、J字形状、C字形状、又は別の好適な構成であり得る。少なくとも3対のランプ142が端板20のチャネル144内に画定され得る。ランプ142は、1つ以上の垂直面に沿って整列された垂直ランプであり得る。一実施形態では、3つ全ての垂直ランプ142が、同じ平面に沿って整列され得る。垂直ランプ142は、垂直に配向されているが、端板20、22の垂直高さを増大するように角度付けされ得るか、対角であり得るか、又は傾斜され得る。
【0042】
一実施形態では、側部アクチュエータ26と適合する二対の垂直ランプ142が一方向に角度付けされ得、前方ランプ24と適合する第3の一対の垂直ランプ142が反対方向に角度付けされ得る。例えば、前方ランプ24の近くの最遠位の垂直ランプ142は、側壁140に沿って内面138から外面136に向かって延びるにつれて前方ランプ24の方を向くように傾斜され得る。同様に、側部アクチュエータ26の近くの最近位垂直ランプ142、及び中央に位置付けられた垂直ランプ142は、側壁140に沿って内面138から外面136に向かって延びるにつれて側部アクチュエータ26の方を向くように傾斜され得る。最近位垂直ランプ142及び中央垂直ランプ142は、同じ傾斜度で平行に整列され得るか、異なる傾斜度を有し得る。
【0043】
垂直ランプ142は、側部アクチュエータ26及び前方ランプ24の嵌合雄型対応物160、168をそれぞれ受容するように構成された雌型チャネル又は溝を画定し得る。雌型/雄型構成は、反転されてもよく、又は左側部分12及び乗車部分14の垂直方向拡張を提供するためにその他の好適なランプ相互作用、摺動特徴、若しくは嵌合構成要素を含んでよいことが認められるであろう。垂直ランプは、左側アセンブリ12及び右側アセンブリ14の垂直拡張を提供するものとして説明されているが、垂直ランプ142は、異なる軌跡又は拡張タイプを提供するように勾配付けされ得るか、傾斜され得るか、又は別様に軸外に構成され得ることが認められるであろう。
【0044】
1つ以上の開口部146は、端板20、22の本体を通って垂直に延び得る。図1Aに示されるように、収縮位置では、側部アクチュエータ26の傾斜部分160は、開口部146を通して受容され得る。同様に、図1Bに示されるように、幅が拡張されると、側部アクチュエータ26のランプ160は、端板20、22の開口部146を通して受容可能である。図1Cに示されるように、垂直拡張位置では、開口部146は、開いており、骨移植片又はその他の好適な骨形成材料を受容するために自由であり得る。1つ以上の開口部又はスロット148は、端板20、22の側壁140を通って水平に延び得る。スロット148は、最遠位と中央の垂直ランプ142の間に、かつ端板20、22の内面138の近くに提供され得る。図1Aに示されるように、収縮位置では、上側端板20及び下側端板22からのスロット148は、中央アクチュエータ34のウイング130が開口部148を通して位置決め可能であるように整列し得る。図1Bに示されるように、幅が拡張すると、側部アセンブリ12、14が外向きに、かつ互いから離れるように拡張し、開口部148又はその一部分は空になる。
【0045】
ここで図8を参照すると、左側部分アセンブリ12及び右側部分アセンブリ14は、左側部分12及び右側部分14の上側端板20と下側端板22との間にそれぞれ位置決めされた第1及び第2のアクチュエータ26を含み得る。アクチュエータ26は、近位端150から遠位端152まで中心軸A1に沿って延びる本体を含み得る。中心軸A1は、中心長手方向軸Aと略平行であり得る。近位端150は、後方プレート36の水平ランプ102と係合するように構成された1つ以上の水平スライダ又はランプ154を画定し得る。側部アクチュエータ26は、互いに向かって内向きに向いた一対の上部及び底部水平ランプ154を画定し得る。水平ランプ154は、後方プレート36のランプ102に対して相補的な様式で角度付けされた、対角の、又は傾斜させた表面を有し得る。具体的には、水平ランプ154は、後方プレート36の雌型対応物102に進入するように構成された雄型突起を画定し得る。ランプ154は、嵌合スライダ又はランプ102、154の移動を止めるためのリミッタ176を画定し得る。例えば、リミッタ176は、ランプ102、154の間の相対的な移動を低減又は制限するように構成された幅広ランプ面、突起又は突出部、ベベル又はダブテール、などを含み得る。
【0046】
側部アクチュエータ26の遠位端152は、中央アクチュエータ34のウイング130上の対応するランプ132と係合するように構成されたランプ156を含み得る。側部アクチュエータ26は、遠位に向いた単一の雄型ランプ156を形成するための上側溝及び下側溝158を画定し得る。雄型ランプ156は、中央アクチュエータ34のウイング130上の雌型ランプ132に対して相補的な様式で角度付けされた、対角の、又は傾斜させた表面を有し得る。この摺動可能な境界面132、156は、第1の側部アセンブリ12及び第2の側部アセンブリ14の外向きの幅の拡張を案内するのを補助するように構成され得る。
【0047】
アクチュエータ26は、端板20、22と係合するように構成された複数のランプ160を含む。アクチュエータ26は、端板20、22の垂直ランプ142と係合するように構成された複数の垂直ランプ160を画定し得る。アクチュエータ26は、近位端150に向かって上向きに、又は遠位端152に向かって下向きに傾斜した第1組の垂直ランプ160と、遠位端152に向かって上向きに、又はアクチュエータ26の近位端150に向かって下向きに傾斜した第2組の垂直ランプ160と、を画定し得る。各一組のランプ160は、端板20、22の雌型対応物142に進入するように構成された一対の雄型突起を画定し得る。垂直ランプ160は、端板20、22の対応するランプ142に対して相補的な様式で角度付けされた、対角の、又は傾斜させた表面を有し得る。
【0048】
図9に示されるように、左側部分12及び右側部分14は各々、上側端板20及び下側端板22の遠位端又は前端を拡張するように構成された前方ランプ24を含み得る。前方ランプ24は、近位端164から遠位端166まで延びる本体を含み得る。近位端164は、端板20、22の垂直ランプ142と係合するように構成された1つ以上の垂直ランプ168を画定し得る。前方ランプ24は、近位端164に向かって下向きに傾斜させた第1の垂直ランプ168と、及び前方ランプ24の近位端164に向かって上向きに傾斜させた第2の垂直ランプ168と、を画定し得る。ランプ168の各々は、端板20、22のチャネル144の雌型対応物142に進入するように構成された一対の反対側にある雄型突起を画定し得る。垂直雄型ランプ168は、端板20、22の雌型ランプ142に対して相補的な様式で角度付けされた、対角の、又は傾斜させた表面を有し得る。
【0049】
前方ランプ24の遠位端166は、前方プレート32の水平ランプ70と係合するように構成された1つ以上の水平ランプ170を画定し得る。前方ランプ32は、間隙によって分離され、かつ互いに向かって内向きに向いている一対の上部及び底部水平ランプ170を画定し得る。水平ランプ170は、前方プレート32のランプ70に相補的な様式で角度付けされた、対角の、又は傾斜した表面を有し得る。具体的には、水平ランプ170は、前方プレート32の雌型対応物70に進入するように構成された雄型突起を画定し得る。ランプ154と同様に、ランプ170は、嵌合スライダ又はランプ70、170の移動を止めるためのリミッタ176を画定し得る。例えば、リミッタ176は、ランプ70、170の間の相対的な移動を低減又は制限するように構成された幅広ランプ面、突起又は突出部、ベベル又はダブテール、などを含み得る。
【0050】
図10A図10Cは、それぞれ、収縮位置及び拡張位置において後方プレート36と摺動可能に係合した側部アクチュエータ26を示す。側部アクチュエータ26は、拡張を制御するキーイング特徴を整列させることによって後方プレート36上に摺動する。図10Aでは、アクチュエータ26は、後方プレート36と係合し、互いの上に収縮する。他方のアクチュエータ26を受容するようなサイズ及び寸法にされたアクチュエータ26の上部の凹面162は、アクチュエータ26を一緒に入れ子にし、それによって挿入のための小さいフットプリントを提供することを可能にする。相補的な嵌合を提供するために、対応する凹面162が反対側のアクチュエータ26の底部に提供され得ることが認められるであろう。図10Cに最もよく見られるように、隣接する側部アクチュエータ26のこの入れ子状構成を更に容易にするために、一方の水平ランプ102は、もう一方の水平ランプ102よりも深く位置決めされている。側部アクチュエータ26の水平雄型ランプ154は、後方プレート36の水平雌型ランプ102と摺動可能に適合し、それによって左側アセンブリ12及び右側アセンブリ14の横方向又は水平の移動を可能にする。側部アクチュエータ26は、幅を拡張しながら平行移動の量を制限する、嵌合後方プレート36と係合するリミッタ176などの特徴を有し得る。幅が横方向に拡大されると、側部アクチュエータ26は、外向きにかつ互いから離れて摺動し、それによってインプラント10の幅を増大させる。図10Bは、後方プレート32に対して幅が完全に拡張された側部アクチュエータ26を示す。
【0051】
前方ランプ24及び前方プレート32は、アクチュエータ側部26及び後方プレート36と同様の摺動境界面を利用する。図11A図11Bは、それぞれ、収縮位置及び拡張位置において前方プレート32と摺動可能に係合された前方ランプ24を示す。前方ランプ24は、拡張を制御するキーイング特徴を整列させることによって前方プレート32上に摺動する。図11Aでは、前方ランプ24は、前方プレート32と係合し、互いの上に収縮している。他方の前方ランプ24を受容するようなサイズ及び寸法にされた1つの前方ランプ24の上部の凹面172は、前方ランプ24を一緒に入れ子にし、それによって挿入のための小さいフットプリントを提供することを可能にする。相補的な嵌合を提供するために、対応する凹面172が反対側の前方ランプ24の底部に提供され得ることが認められるであろう。後方プレート36と同様に、前方ランプ24のこの入れ子状構成を更に容易にするために、一方の水平ランプ70は、もう一方の水平ランプ70よりも大きい深さで位置決めされ得る。前方ランプ24の水平ランプ170は、前方プレート32の水平ランプ70と摺動可能に適合する。前方ランプ24はまた、幅を拡張しながら平行移動の量を限定する、嵌合前方プレート32と係合するリミッタ176などの特徴も有し得る。図11Bでは、前方ランプ24は、幅が完全に拡張している。幅が拡張されると、前方ランプ24は、外向きにかつ互いから離れて摺動し、それによってインプラント10の全体的な幅を増大させる。
【0052】
図12A図12Bは、それぞれ、幅が完全に拡張されたときの、組み立てられたインプラント10の背面図及び斜視図を示す。ユーザは、後方プレート36のボア88を通して中央駆動アセンブリ16にアクセスすることができる。具体的には、駆動ナット40及び駆動ねじ30は、独立して回して又は回転させてインプラント10を作動させ得る。駆動ナット40を作動させると、ねじ付きスリーブ38が近位に引き込まれて、左側部分12及び右側部分14の幅が拡張する。幅が拡張されると、凹部104を画定する後方プレート36が側部アクチュエータ28上の対応する凹部174と整列して、インプラント10の中央部分へのアクセスを可能にする。このようにして、インプラント10の内側の中央開放領域に進入して、移植片材料をその中に送達するために、移植片送達装置が使用され得る。駆動ねじ30を作動させると、左側部分12及び乗車部分14の高さが拡張する。
【0053】
図13A図13Bは、左側アセンブリ12(明確にするために、一組の端板20、22、側部アクチュエータ26、及び前方ランプ24が隠されている)を有するインプラント10を示す。インプラント10は、例えば後方アプローチを通して、椎間板腔に挿入されるように、完全に収縮させられ得る。インプラント10は、例えば、複数構成要素の器具に取り付けられ得る。第1の幅駆動器具は、駆動ナット40の凹部80を、互換性のある駆動特徴と係合させるために使用され得る。駆動ナット40を回転させると、当該駆動ナットがねじ付きスリーブ38、中央アクチュエータ34、及び前方プレート32を近位に引っ張るか、又は平行移動させる。そうすると、駆動ナット40が、側部アクチュエータ26及び前方ランプ24を外向きに平行移動させて、幅を拡張させる。中央アクチュエータ34及び後方プレート36が互いに接触すると、駆動ナット40はそれ以上回転することができない。図13Aに示されるように、全幅拡張が達成されている。第2の高さ駆動器具は、駆動ねじ30の凹部52を、互換性のある駆動特徴と係合させるために使用され得る。駆動ねじ30を回転させると、駆動ねじ30が前方プレート32及び前方ランプ24を近位に引っ張るか、又は平行移動させる。そうすると、前方ランプ24が、側部アクチュエータ26に向かって近位に平行移動して、端板20、22を軸平面から上向き及び下向きに平行移動させる。前方プレート32及び中央アクチュエータ34が互いに接触すると、駆動ねじ30はそれ以上回転することができない。図13Bに示されるように、インプラント10は、幅及び高さが完全に拡張されている。左側アセンブリ12及び右側アセンブリ14の高さ拡張の量は、同じであり得るか、又は異なり得る。このようにして、インプラント10は、全体的な安定性を補助するためにフットプリントが増大するように幅が拡張され、インプラント10は、患者に正確に嵌合するように前弯及び高さが調節される。
【0054】
インプラント10は、両側又は片側の幅拡張を有し得る。一実施形態では、拡張可能な固定装置又はインプラント10は、一方のアセンブリ12、14だけの幅が拡張し、他方は静止状態のままであるように構成され得る。左側部分12及び右側部分14はどちらも、高さが拡張し得る。この実施形態では、前方及び後方プレート32、36は、それぞれ、単一の側部アクチュエータ26及び前方ランプ24と係合するために、上面及び底面の各々に単一の水平ランプだけを含み得る。横方向外向きに拡張しない単一の側部は、前方ランプ特徴を前方遠位プレート32に組み込み、アクチュエータ特徴を後方近位プレート36に組み込み得る。
【0055】
インプラント10は、以下のように組み立てられ得る。2つの前方ランプ24を、スライダ又はランプ70、170を整列させることによって、前方プレート32上に配置する。一方の側部アクチュエータ26を、スライダ又はランプ102、154を整列させることによって、後方プレート36上に配置する。中央アクチュエータ34を、側部アクチュエータ26上に配置する。他方の側部アクチュエータ26を、スライダ又はランプ132、156を整列させることによって、後方プレート36及び中央アクチュエータ34上に配置する。左側12及び右側14は各々、下側端板22を側部アクチュエータ26上に配置して、上側端板20を側部アクチュエータ26上に配置することによって組み立てられ得る。前方ランプ24を、下側端板20及び上側端板22の両方の中に配置する。ねじ付きスリーブ38を、後方プレート36に通し、中央アクチュエータ34に挿入して、固定する。摩擦リング84は、駆動ナット40上に配置され得る。次いで、駆動ナット40を、ねじ付きスリーブ38にねじ込み、着底させる。保持スリーブ74を、後方プレート36内に圧入し、それによって駆動ナット40を固定する。摩擦リング56は、駆動ねじ30上に配置され得る。駆動ねじ30を、前方プレート32を通して挿入し、中央アクチュエータ34にねじ込む。保持リング58は、前方プレート32に配置され、それによって駆動ねじ30を固定し得る。
【0056】
ここで図14を参照すると、一実施形態による椎間固定用のシステム210が示されている。システム210は、拡張可能なインプラント10と、複数の骨締結具212と、骨締結具212を接続する脊椎ロッド214と、を含み得る。拡張可能な固定装置10は、上側椎骨204と下側椎骨206との間にある椎間板腔202に外科的に埋め込まれ得る。脊椎の後方面は、例えば、最小侵襲外科手技を通してアクセスされ得る。一実施形態では、インプラント10は、椎間板腔202にアクセスするために椎間関節が除去され得る経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)手技を使用して埋め込まれ得る。椎間板又はその一部分が除去され得る。TLIF手技は、椎間板の視覚化及び除去を可能にするために、片側脊椎関節突起切除を含み得る。インプラント10は、脊椎セグメントを固定するように、椎骨204、206の間に位置決めされ得る。
【0057】
椎間板の1つ又は複数のレベルは、椎弓根ねじなどの骨締結具212をインプラント10の上及び下の椎骨204、206に挿入して、脊椎ロッド214を締結具212に接続することによって、更に安定され得る。骨締結具212は、骨に係合するように構成された骨ねじ、アンカ、クランプ、などを含み得る。示される実施形態では、骨締結具212は、近位端から遠位先端216まで延びる骨ねじである。近位端は、モジュール式チューリップ要素218内で受容可能な多軸骨ねじなどの拡大ヘッドを含み得る。チューリップヘッド218は、脊椎ロッド214を固定するように構成されている。骨締結具並びに他のインプラント及びロッド構築物の例は、例えば、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,368,917号により詳細に記載されている。椎弓根ねじ212は、脊椎固定術とともに使用して、回復させながら更なる支持及び強度を固定術に加え得る。椎弓根ねじ212は、固定させる椎骨204、206の上及び下に配置され得る。単一のロッド214だけが示されているが、両側性の構築物が、脊椎の各側に沿って横方向に固定された一対のロッド214とともに使用され得る。
【0058】
本発明は、詳細に、かつ特定の実施形態を参照して記載されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にある提供される本発明の修正及び変形を網羅することが意図されている。例えば、上で開示される様々な装置の全ての構成要素が、任意の好適な構成で組み合わされ得るか、又は修正され得ることが明確に意図されている。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14