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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137879
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20240927BHJP
   H10B 80/00 20230101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L25/04 Z
H10B80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024045151
(22)【出願日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】10-2023-0039242
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0057775
(32)【優先日】2023-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 辰 遇
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136CB03
5F136CB07
5F136CB08
5F136DA17
5F136DA44
5F136FA17
5F136FA18
5F136FA52
5F136FA53
(57)【要約】
【課題】冷却流体を用いて冷却可能な半導体パッケージを提供する。
【解決手段】本発明の半導体パッケージは、半導体チップと、半導体チップ上に配置されるダミー半導体チップと、半導体チップとダミー半導体チップとの間に介在し、半導体チップとダミー半導体チップとを取り付ける結合絶縁層と、を含み、ダミー半導体チップは、冷却流体が流入する流入口と、冷却流体が流出する流出口と、流入口から流出口まで延びる冷却チャネルと、を含み、流入口は、冷却チャネルを介して流出口と連通され、結合絶縁層の上面は、凹凸形状を有することを特徴とする。
【選択図】図1A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと、
前記半導体チップ上に配置されたダミー半導体チップと、
前記半導体チップと前記ダミー半導体チップとの間に介在し、前記半導体チップと前記ダミー半導体チップとを取り付ける結合絶縁層と、を含み、
前記ダミー半導体チップは、
冷却流体が流入する流入口と、
前記冷却流体が流出する流出口と、
前記流入口から前記流出口まで延びる冷却チャネルと、を含み、
前記流入口は、前記冷却チャネルを介して前記流出口と連通され、
前記結合絶縁層の上面は、凹凸形状を有することを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項2】
前記結合絶縁層の上面の少なくとも一部は、前記冷却チャネルに当接することを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記冷却チャネルと垂直方向に重なる前記結合絶縁層の厚さは、
前記冷却チャネルから水平方向に離隔した前記結合絶縁層の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記流入口、前記流出口、及び前記冷却チャネルのうちの少なくとも1つの内側壁に形成されたバリア層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記ダミー半導体チップの内部に、前記ダミー半導体チップを垂直方向に貫通する複数のダミー貫通電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記複数のダミー貫通電極のうちの少なくとも1つのダミー貫通電極は、前記冷却チャネルと垂直方向に重なることを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
平面的視点で、
前記流出口は、前記流入口よりも前記半導体チップの上面の中心により隣接したことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記結合絶縁層は、シリコン酸化物、SiN、SiCN、BCB(benzocyclobutene)、PI(Polyimide)、PBO(Polybenzoxazole)、シリコン、アクリレート、及びエポキシのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
インターポーザと、
前記インターポーザ上に配置された第1半導体チップと、
前記インターポーザ上に配置され、前記第1半導体チップと水平方向に離隔して配置された1つ以上の第2半導体チップと、
前記第1半導体チップ上に配置されたダミー半導体チップと、
前記第1半導体チップと前記ダミー半導体チップとの間に介在して、前記第1半導体チップと前記ダミー半導体チップとを取り付ける結合絶縁層と、を含み、
前記ダミー半導体チップは、
冷却流体が流入する流入口と、
前記冷却流体が流出する流出口と、
前記流入口から前記流出口まで延びる冷却チャネルと、を含み、
前記流入口は、前記冷却チャネルを介して前記流出口と連通され、
前記冷却チャネルの下面は、前記結合絶縁層の上面のうちの少なくとも一部と当接することを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項10】
前記流入口、前記流出口、及び前記冷却チャネルのうちの少なくとも1つの内側壁に形成されたバリア層と、
前記ダミー半導体チップの内部に、前記ダミー半導体チップを垂直方向に貫通する複数のダミー貫通電極と、をさらに含み、
前記バリア層は、金属及びシリコンのうちの少なくとも1つを含み、
前記複数のダミー貫通電極は、金属を含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
平面的視点で、
前記複数のダミー貫通電極のそれぞれは、前記流入口及び前記流出口から水平方向に離隔し、前記冷却チャネルと垂直方向に重なることを特徴とする請求項10に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記第1半導体チップの側面、前記ダミー半導体チップの側面、及び前記結合絶縁層の側面は、垂直方向に整列されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記結合絶縁層の上面は、凹凸形状を有し、
前記結合絶縁層の最上面及び前記結合絶縁層の下面のそれぞれは、半導体物質のみと当接することを特徴とする請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項14】
前記第1半導体チップの上面に当接する前記結合絶縁層の水平面積は、
前記ダミー半導体チップの下面に当接する前記結合絶縁層の水平面積よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項15】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板上に配置されたインターポーザと、
前記インターポーザ上に配置された第1半導体チップと、
前記インターポーザ上に配置され、前記第1半導体チップと水平方向に離隔して配置された1つ以上の第2半導体チップと、
前記第1半導体チップ上に配置されたダミー半導体チップと、
前記第1半導体チップと前記ダミー半導体チップとの間に介在して、前記第1半導体チップと前記ダミー半導体チップとを取り付ける結合絶縁層と、
前記インターポーザ上で、前記第1半導体チップ、前記1つ以上の第2半導体チップ、前記ダミー半導体チップ、及び前記結合絶縁層を取り囲む成形層と、を含み、
前記ダミー半導体チップは、
冷却流体が流入する流入口と、
前記冷却流体が流出する流出口と、
前記流入口から前記流出口まで延びる冷却チャネルと、を含み、
前記流入口は、前記冷却チャネルを介して前記流出口と連通され、
前記結合絶縁層の上面は、凹凸形状を有することを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項16】
前記結合絶縁層の下面は、扁平な形状を有し、
前記結合絶縁層の最上面は、前記冷却チャネルの最下面よりも高い垂直レベルに位置することを特徴とする請求項15に記載の半導体パッケージ。
【請求項17】
前記結合絶縁層は、
前記第1半導体チップの上面全体を覆い、
前記ダミー半導体チップの最下面全体を覆うことを特徴とする請求項15に記載の半導体パッケージ。
【請求項18】
前記ダミー半導体チップは、半導体物質からなるベアウェーハの一部分であり、
前記結合絶縁層の最上面は、前記半導体物質のみと当接することを特徴とする請求項15に記載の半導体パッケージ。
【請求項19】
前記1つ以上の第2半導体チップの上面、前記ダミー半導体チップの上面、及び前記成形層の上面は、同一平面をなし、
前記第1半導体チップの上面は、前記成形層の上面よりも低い垂直レベルに位置することを特徴とする請求項15に記載の半導体パッケージ。
【請求項20】
前記結合絶縁層は、加熱されて活性化された複数のパッシベーション層のそれぞれの分子が結合したパッシベーションボンディングが行われて一体をなすことを特徴とする請求項15に記載の半導体パッケージ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージに関し、より詳細には、相異なる種類の半導体チップを1つの半導体パッケージに含めるシステムインパッケージ(System in Package)、及びその冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子製品の市場は、ポータブル装置の需要が急激に増加しつつあり、これによって、これらの電子製品に実装される電子部品の小型化及び軽量化が求められつつある。電子部品の小型化及び軽量化のために、これに搭載される半導体パッケージは、その嵩がだんだんと小さくなりながらも大容量のデータを処理することが求められている。このような半導体パッケージに実装される半導体チップの高集積化及び単一パッケージ化が求められている。これによって、半導体パッケージの限られた構造内に半導体チップを効率的に配置するために、システムインパッケージが適用されており、その冷却のための技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-123736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、冷却流体を用いて冷却可能な半導体パッケージ及びその冷却システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による半導体パッケージは、半導体チップと、前記半導体チップ上に配置されたダミー半導体チップと、前記半導体チップと前記ダミー半導体チップとの間に介在し、前記半導体チップと前記ダミー半導体チップとを取り付ける結合絶縁層と、を含み、前記ダミー半導体チップは、冷却流体が流入する流入口と、前記冷却流体が流出する流出口と、前記流入口から前記流出口まで延びる冷却チャネルと、を含み、前記流入口は、前記冷却チャネルを介して前記流出口と連通され、前記結合絶縁層の上面は、凹凸形状を有することを特徴とする。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による半導体パッケージは、インターポーザと、前記インターポーザ上に配置された第1半導体チップと、前記インターポーザ上に配置され、前記第1半導体チップと水平方向に離隔して配置された1つ以上の第2半導体チップと、前記第1半導体チップ上に配置されたダミー半導体チップと、前記第1半導体チップと前記ダミー半導体チップとの間に介在して、前記第1半導体チップと前記ダミー半導体チップとを取り付ける結合絶縁層と、を含み、前記ダミー半導体チップは、冷却流体が流入する流入口と、前記冷却流体が流出する流出口と、前記流入口から前記流出口まで延びる冷却チャネルと、を含み、前記流入口は、前記冷却チャネルを介して前記流出口と連通され、前記冷却チャネルの下面は、前記結合絶縁層の上面のうちの少なくとも一部と当接することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明のさらに他の態様による半導体パッケージは、パッケージ基板と、前記パッケージ基板上に配置されたインターポーザと、前記インターポーザ上に配置された第1半導体チップと、前記インターポーザ上に配置され、前記第1半導体チップと水平方向に離隔して配置される1つ以上の第2半導体チップと、前記第1半導体チップ上に配置されたダミー半導体チップと、前記第1半導体チップと前記ダミー半導体チップとの間に介在して、前記第1半導体チップと前記ダミー半導体チップとを取り付ける結合絶縁層と、前記インターポーザ上で、前記第1半導体チップ、前記1つ以上の第2半導体チップ、前記ダミー半導体チップ、及び前記結合絶縁層を取り囲む成形層と、を含み、前記ダミー半導体チップは、冷却流体が流入する流入口と、前記冷却流体が流出する流出口と、前記流入口から前記流出口まで延びる冷却チャネルと、を含み、前記流入口は、前記冷却チャネルを介して前記流出口と連通され、前記結合絶縁層の上面は、凹凸形状を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体パッケージの内部から外部への熱放出能が向上する。また、構造的信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本発明の一実施形態による半導体パッケージの断面図である。
図1B】本発明の一実施形態による半導体パッケージの平面図である。
図1C】本発明の一実施形態によるダミー半導体チップの平面図である。
図2】本発明の一実施形態による半導体パッケージの冷却システムを示す断面図である。
図3A】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示す断面図である。
図3B】本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。
図4A】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示す断面図である。
図4B】本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。
図7】本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。
図9A】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を示す断面図である。
図9B】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を示す断面図である。
図9C】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を示す断面図である。
図9D】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を示す断面図である。
図9E】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図面上の同じ構成要素については同じ参照符号を使い、これらについての重なる説明は省略する。
【0011】
図1Aは、本発明の一実施形態による半導体パッケージの断面図であり、図1Bは、本発明の一実施形態による半導体パッケージの平面図であり、図1Cは、本発明の一実施形態によるダミー半導体チップの平面図である。図1Bでは、各構成要素間の配置関係を明確に示すために、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、ダミー半導体チップ300、成形層500、及び補強構造物800のみを示した。
【0012】
図1A図1Cを参照すれば、半導体パッケージ10は、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、ダミー半導体チップ300、結合絶縁層400、成形層500、インターポーザ600、パッケージ基板700、及び補強構造物800を含む。
【0013】
半導体パッケージ10は、相異なる機能を果たす第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200を含む。半導体パッケージ10は、1つ以上の第1半導体チップ100と、1つ以上の第2半導体チップ200を含む。第1及び第2半導体チップ100及び200は、第1水平方向(例えば、X方向)及び/または第2水平方向(例えば、Y方向)に並んで(side by side)配置され、インターポーザ600を介して相互に電気的に連結される。図1Bに示すように、1つの第1半導体チップ100の周りに4つの第2半導体チップ200が配置される。すなわち、第1半導体チップ100の上面100TSの一端に隣接して2つの第2半導体チップ200が配置され、第1半導体チップ100の上面100TSの他端に隣接して2つの第2半導体チップ200が配置される。
【0014】
本発明で、水平方向(X方向及び/またはY方向)は、パッケージ基板700の主面(main surface)に平行な方向を意味し、垂直方向(Z方向)は、水平方向(X方向及び/またはY方向)に垂直な方向を意味する。
【0015】
また、本発明で、外部接続端子750を除いた、いずれかの構成要素の上面は、垂直方向(Z方向)に離隔した2つの面のうち、外部接続端子750から垂直方向(Z方向)により遠く離れた面を意味し、構成要素の下面は、上記構成要素の上面の反対面を意味する。また、外部接続端子750の上面は、バンプパッド740と外部接続端子750とが当接する面を意味する。
【0016】
第1半導体チップ100は、ロジックチップで構成される。ロジックチップは、内部に複数のロジック素子(図示せず)を含む。ロジック素子は、例えば、AND、OR、NOT、フリップ・フロップなどのロジック回路を含んで、多様な信号処理を行う素子を意味する。一部の実施形態で、ロジック素子は、アナログ信号処理、A/D変換(Analog-to-Digital Conversion)、制御などの信号処理を行う素子である。第1半導体チップ100は、処理回路を含む。
【0017】
一部の実施形態で、第1半導体チップ100は、その機能によって、マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、信号プロセッサ、ネットワークプロセッサ、チップセット、オーディオコーデック、ビデオコーデック、アプリケーションプロセッサ、システム・オン・チップなどで具現される。
【0018】
第2半導体チップ200は、揮発性メモリチップ及び/または不揮発性メモリチップで構成される。揮発性メモリチップは、例えば、DRAM(dynamic random access memory)、SRAM(static RAM)、またはTRAM(thyristor RAM)である。不揮発性メモリチップは、例えば、フラッシュメモリ、MRAM(magnetic RAM)、STT-MRAM(spin-transfer torque MRAM)、FeRAM(ferroelectric RAM)、PRAM(phase change RAM)、またはReRAM(resistive RAM)である。第2半導体チップ200は、処理回路を含む。
【0019】
一部の実施形態で、第2半導体チップ200は、互いにデータ併合(data merging)の可能な複数のメモリチップを含むメモリチップレットで構成される。また、第2半導体チップ200は、高帯域幅メモリ(High Bandwidth Memory:HBM)チップを含む。すなわち、第1及び第2半導体チップ100及び200を含む半導体パッケージ10は、HBMであり、第1半導体チップ100は、HBM制御ダイ(HBM controller die)と称し、第2半導体チップ200は、DRAMダイと称する。
【0020】
第1及び第2半導体チップ100及び200を構成するそれぞれの構成要素について詳細に説明すると、次の通りである。
【0021】
第1半導体チップ100は、第1半導体基板101、第1半導体配線層110、第1接続パッド140、及び第1接続部材150を含む。
【0022】
第1半導体チップ100は、単数のスライスで構成され、単数のスライスは、第1半導体基板101で構成される。第1半導体基板101は、ウェーハであり、互いに対向する活性面及び非活性面を備える。ここで、第1半導体基板101の非活性面は、インターポーザ600からより遠く離隔した第1半導体チップ100の上面100TSである。
【0023】
第1半導体基板101は、例えば、結晶質シリコン、多結晶質シリコン、または非晶質シリコンを含むシリコン(Si)ウェーハである。または、第1半導体基板101は、ゲルマニウム(Ge)のような半導体元素、またはSiC(silicon carbide)、GaAs(gallium arsenide)、InAs(indium arsenide)、及びInP(indium phosphide)のような化合物半導体を含む。
【0024】
一方、第1半導体基板101は、SOI(silicon on insulator)構造を有する。例えば、第1半導体基板101は、BOX層(buried oxide layer)を含む。一部の実施形態で、第1半導体基板101は、導電領域、例えば、不純物がドーピングされたウェルまたは不純物がドーピングされた構造物を含む。また、第1半導体基板101は、STI(shallow trench isolation)構造のような多様な素子分離構造を有する。
【0025】
第1半導体配線層110は、第1半導体基板101の活性面上に配置され、第1半導体配線層110上の第1接続パッド140と電気的に連結される。第1半導体配線層110は、第1接続パッド140を介して第1接続部材150と電気的に連結される。第1接続パッド140は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、白金(Pt)、及び金(Au)のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
第1接続部材150は、第1半導体チップ100とインターポーザ600とを電気的に連結する。第1接続部材150は、第1接続パッド140に取り付けられるハンダボールである。ハンダボールを構成する物質は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)、及びアルミニウム(Al)のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態で、ハンダボールは熱圧着接続及び超音波接続のうちのいずれか1つの方法によって第1接続パッド140に連結され、熱圧着接続及び超音波接続方法を混合した熱音波(thermo sonic)接続方法によって第1接続パッド140に連結されることもある。
【0027】
第1半導体チップ100は、第1接続部材150を通じて、第1半導体チップ100の動作のための制御信号、電源信号、及び接地信号のうちの少なくとも1つを外部から提供されるか、第1半導体チップ100に保存されるデータ信号を外部から提供されるか、または第1半導体チップ100に保存されたデータを外部に提供する。
【0028】
第2半導体チップ200は、第2半導体基板201、第2半導体配線層210、上部接続パッド220、貫通電極230、下部接続パッド240、及び第2接続部材250を含む。
【0029】
第2半導体チップ200は、複数のスライスで構成され、複数のスライスのそれぞれは、第2半導体基板201で構成される。複数の第2半導体基板201は、チップスタックを構成し、垂直方向(Z方向)に積層される。複数の第2半導体基板201は、実質的に同一である。すなわち、第2半導体チップ200は、複数のスライスのそれぞれがメモリチップとして動作し、互いにデータ併合自在に積層された構造を有する。
【0030】
複数の第2半導体基板201のそれぞれは、互いに対向する活性面及び非活性面を有する。ここで、複数の第2半導体基板201のうち最上層の非活性面は、成形層500から露出される第2半導体チップ200の上面200TSである。複数の第2半導体基板201のうち最上層を除いた残りの第2半導体基板201は、これらを貫通する貫通電極230を含む。貫通電極230は、例えば、TSV(Through Silicon Via)である。さらに他の実施形態で、すべての複数の第2半導体基板201は、これらを貫通する貫通電極230を含む。
【0031】
上部接続パッド220及び下部接続パッド240は、貫通電極230と上下部で電気的に連結される。また、下部接続パッド240は、第2半導体基板201の活性面上の第2半導体配線層210と電気的に連結される。第2半導体配線層210は、下部接続パッド240を介して第2接続部材250と電気的に連結される。
【0032】
複数の第2半導体基板201のうち、最下層と接触する第2接続部材250は、第2半導体チップ200とインターポーザ600とを電気的に連結する。第2接続部材250は、下部接続パッド240に取り付けられるハンダボールである。
【0033】
第2半導体チップ200は、第2接続部材250を通じて、第2半導体チップ200の動作のための制御信号、電源信号、及び接地信号のうちの少なくとも1つを外部から提供されるか、第2半導体チップ200に保存されるデータ信号を外部から提供されるか、または第2半導体チップ200に保存されたデータを外部に提供する。
【0034】
第1半導体チップ100上には、ダミー半導体チップ300が積層される。ダミー半導体チップ300は、ダミー基板301、冷却流体(図2のCT)が流入する流入口320、冷却流体(図2のCT)が流出する流出口330、及び流入口320から流出口330まで延びた冷却チャネル340をさらに含む。冷却チャネル340は、冷却流体(図2のCT)が流動する内部チャネルを提供する。冷却流体(図2のCT)は、ダミー半導体チップ300の内部チャネルである冷却チャネル340を通じて流動して、第1半導体チップ100を冷却する。
【0035】
ダミー半導体チップ300は、単数のスライスで構成され、単数のスライスは、ダミー基板301で構成される。ダミー基板301は、例えば、シリコンのような半導体物質を含む。一部の実施形態で、ダミー半導体チップ300は、半導体物質のみからなる。例えば、ダミー半導体チップ300は、ベアウェーハの一部分である。他の実施形態で、ダミー半導体チップ300は、複数のスライスで構成される。
【0036】
ダミー半導体チップ300の上面300TSは、扁平な形状を有し、ダミー半導体チップ300の下面300BSは、凹凸形状を有する。ダミー半導体チップ300の上面300TSは、第2半導体チップ200の上面200TS及び成形層500の上面500TSと同一平面をなす。ダミー半導体チップ300の下面300BSは、冷却チャネル340が配置されて凹凸形状を有する。ダミー半導体チップ300の垂直厚さは、第1半導体チップ100の垂直厚さ及び第2半導体チップ200の垂直厚さよりも厚い。
【0037】
冷却流体(図2のCT)は、ダミー半導体チップ300の流入口320を通じて冷却チャネル340に流入する。また、冷却流体(図2のCT)は、冷却チャネル340を通過して流出口330に流動する。流入口320及び流出口330は、冷却チャネル340上に提供される。例えば、冷却チャネル340は、第1レベルに位置し、流入口320及び流出口330は、第1レベルよりも高い垂直レベルを有する第2レベルに位置する。
【0038】
図1Cでは、例示的に、流入口320及び流出口330のそれぞれの平面断面の形状が円形であると示されているが、本発明の技術的思想はこれに限定されるものではない。例えば、流入口320及び/または流出口330のそれぞれの平面断面の形状は、楕円形、多角形、及び/または非定形を有する。
【0039】
図1B及び図1Cに示すように、冷却チャネル340は、半導体パッケージ10の第1半導体チップ100に垂直方向(Z方向)に重なる。上述したように、半導体パッケージ10が動作する時、ロジックチップである第1半導体チップ100で発生する熱の量が、メモリチップである第2半導体チップ200で発生する熱の量よりも多い。よって、第1半導体チップ100上にダミー半導体チップ300を配置して、第1半導体チップ100で発生する熱を効率的に半導体パッケージ10の外部に放出することができる。
【0040】
平面的な視点で、ダミー半導体チップ300は、第1半導体チップ100と垂直方向(Z方向)に重なり、第2半導体チップ200とは水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔する。
【0041】
また、図1B及び図1Cに示すように、流出口330は、流入口320よりも第1半導体チップ100の上面100TSの中心及び/またはダミー半導体チップ300の上面300TSの中心により隣接する。例えば、流出口330は、平面的視点で、第1半導体チップ100の中心及び/またはダミー半導体チップ300の中心に垂直方向(Z方向)に重なるように位置し、流入口320は、平面的視点で、第1半導体チップ100のエッジ及び/またはダミー半導体チップ300のエッジに隣接して配置される。例えば、流入口320は、平面的視点で、第1半導体チップ100の中心及び/またはダミー半導体チップ300の中心から、水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔して配置される。
【0042】
例えば、平面的視点で、冷却チャネル340は、第1半導体チップ100の上面100TSから直線的に延びた単一のチャネルである。例えば、冷却チャネル340は、第1半導体チップ100上で第1水平方向(X方向)に直線的に延び、互いに第2水平方向(Y方向)に離隔した複数の第1サブチャネルと、第1半導体チップ100上で第2水平方向(Y方向)に直線的に延び、互いに第1水平方向(X方向)に離隔した複数の第2サブチャネルとを含む。複数の第1サブチャネルのそれぞれの一側は、複数の第2サブチャネルのうちの少なくとも1つの第2サブチャネルの一側と連結される。また、複数の第2サブチャネルのそれぞれの一側は、複数の第1サブチャネルのうちの少なくとも1つの第1サブチャネルの一側と連結される。すなわち、冷却チャネル340の全部は、第1半導体チップ100と垂直方向(Z方向)に重なる。
【0043】
ダミー半導体チップ300の下面300BS上には、結合絶縁層400が形成される。結合絶縁層400は、第1半導体チップ100とダミー半導体チップ300との間に介在する。結合絶縁層400は、第1半導体チップ100の上面100TS及びダミー半導体チップ300の下面300BSの少なくとも一部を覆う。例示的な実施形態で、結合絶縁層400は、第1半導体チップ100の上面100TS及びダミー半導体チップ300の最下面の全部を覆う。すなわち、結合絶縁層400の下面及び結合絶縁層400の最上面は、半導体物質のみと当接する。例示的な実施形態で、結合絶縁層400は、第1半導体チップ100の上面100TS及び/またはダミー半導体チップ300の最下面の少なくとも一部は覆わない。
【0044】
結合絶縁層400は、第1半導体チップ100の上面100TS及びダミー半導体チップ300の下面300BSに、それぞれパッシベーション層を別途に形成した後、互いに対向するパッシベーション層が、プラズマ処理及び/またはウェット処理されて活性化され、パッシベーション層のそれぞれの分子の結合により一体をなすように、パッシベーションボンディングが行われて形成される。結合絶縁層400を形成する過程は、図9A及び図9Bで詳細に説明する。結合絶縁層400は、酸素リッチな層(oxide-rich layer)である。
【0045】
ダミー基板301の下面には、半導体物質のみが露出する。よって、結合絶縁層400の最上面は、半導体物質のみと当接する。また、結合絶縁層400の内部には、金属パッド及び金属バンプが配置されない。さらに他の実施形態で、結合絶縁層400の内部には、金属パッド及び/または金属バンプが配置される。
【0046】
結合絶縁層400の下面は、第1半導体チップ100の上面100TSと当接し、結合絶縁層400の上面は、ダミー半導体チップ300の下面300BSの少なくとも一部と当接する。結合絶縁層400の上面のうちの少なくとも一部には、冷却チャネル340が当接する。結合絶縁層400の上面は、凹凸形状を有し、結合絶縁層400の下面は、扁平な形状を有する。
【0047】
結合絶縁層400の最上面は、冷却チャネル340の最下面よりも高い垂直レベルに位置する。また、結合絶縁層400の最上面は、冷却チャネル340の最下面よりも高い垂直レベルに位置する。冷却チャネル340と垂直方向(Z方向)に重なる結合絶縁層400の厚さは、冷却チャネル340から水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔した結合絶縁層400の厚さよりも薄い。すなわち、冷却チャネル340と垂直方向(Z方向)に重なる部分の結合絶縁層400の厚さは、冷却チャネル340から水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔した部分の結合絶縁層400の厚さよりも薄い。
【0048】
結合絶縁層400は、第1半導体チップ100及びダミー半導体チップ300のそれぞれと垂直方向(Z方向)に整列される。例えば、結合絶縁層400の側壁400SSは、第1半導体チップ100の側壁100SS及びダミー半導体チップ300の側壁300SSと垂直方向(Z方向)に整列されて、同一平面(coplanar)をなす。
【0049】
結合絶縁層400は、冷却流体(図2のCT)が第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及び/または成形層500に浸透することを防止する。すなわち、結合絶縁層400は、冷却流体(図2のCT)が第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及び/または成形層500に吸収または吸着されることを防止するように構成される。
【0050】
結合絶縁層400が、第1半導体チップ100の上面100TS及びダミー半導体チップ300の下面300BSの少なくとも一部を覆うように形成された場合、第1半導体チップ100で発生した熱は、結合絶縁層400を通じて効果的に冷却流体(図2のCT)に伝達される。
【0051】
結合絶縁層400は、SiO、SiN、SiCN、SiCO、及び高分子物質のうちのいずれか1つの物質からなる。高分子物質は、BCB(benzocyclobutene)、PI(Polyimide)、PBO(Polybenzoxazole)、シリコン、アクリレート、またはエポキシである。例えば、結合絶縁層400は、シリコン酸化物からなる。結合絶縁層400は、例えば、約100nm~約10μmの厚さを有する。
【0052】
成形層500は、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300を取り囲む。具体的に、成形層500は、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300のそれぞれの側壁に沿って延び、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300のそれぞれの側壁を覆う。また、成形層500は、第1及び第2半導体チップ100及び200のそれぞれの下面に沿って延び、第1及び第2半導体チップ100及び200のそれぞれの下面を覆う。ここで、成形層500は、第2半導体チップ200の上面200TS及びダミー半導体チップ300の上面300TSを覆わない。これによって、成形層500の上面500TSは、第2半導体チップ200の上面200TS及びダミー半導体チップ300の上面300TSと同一平面上に位置する。
【0053】
例えば、成形層500の上面500TSは、第1半導体チップ100の上面100TSよりも高い垂直レベルに位置する。すなわち、第2半導体チップ200の上面200TSは、第1半導体チップ100の上面100TSよりも高い垂直レベルに位置する。
【0054】
成形層500は、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300を、衝撃及び汚染などの外部影響から保護することができる。例えば、成形層500は、エポキシモールドコンパウンド(epoxy mold compound)またはレジンなどからなる。成形層500は、コンプレッションモールディング、ラミネーション、またはスクリーン印刷などの工程によって形成される。
【0055】
インターポーザ600は、第1及び第2半導体チップ100及び200の下部に配置され、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200とを互いに電気的に連結する。一部の実施形態で、インターポーザ600は、シリコン基板601で構成され、シリコン基板601の上部に配置される再配線構造体620を含む。また、インターポーザ600は、再配線構造体620と電気的に連結されてシリコン基板601を貫通するインターポーザ貫通電極630、シリコン基板601の下部に配置されてインターポーザ貫通電極630と電気的に連結される接続パッド640、及び接続パッド640に取り付けられる内部接続端子650を含む。
【0056】
パッケージ基板700は、インターポーザ600の下部に配置される。パッケージ基板700は、印刷回路基板、ウェーハ基板、セラミックス基板、ガラス基板などに基づいて形成される。例示的な実施形態で、パッケージ基板700は、印刷回路基板である。パッケージ基板700は、ボディ部701の下面に配置されるバンプパッド740、及びバンプパッド740に取り付けられる外部接続端子750を含む。半導体パッケージ10は、外部接続端子750を通じて、半導体パッケージ10が搭載される外部電子機器のメインボードまたはシステムボードなどに電気的に連結される。
【0057】
アンダーフィルUFは、インターポーザ600とパッケージ基板700との間に形成される。アンダーフィルUFは、インターポーザ600とパッケージ基板700との間に介在して、内部接続端子650を取り囲む。アンダーフィルUFは、例えば、エポキシ樹脂からなる。一部の実施形態で、アンダーフィルUFではない非伝導性フィルム(non-conductive film、NCF)が形成されることもある。
【0058】
補強構造物800は、パッケージ基板700上に配置され、パッケージ基板700の上面の外郭部分上に配置される。補強構造物800は、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300から水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔する。補強構造物800は、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300と垂直方向(Z方向)に重畳しない。補強構造物800は、平面的に、すなわち、トップビューで、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、ダミー半導体チップ300、及び成形層500の周りを取り囲む。すなわち、補強構造物800は、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、ダミー半導体チップ300、及び成形層500を取り囲む方形のリング状を有する。また、平面的視点で、補強構造物800は、パッケージ基板700の4つの端に当接して延びる。補強構造物800は、パッケージ基板700の4つの端のそれぞれに沿って延びる4つの側壁が互いに連結される形状を有する。補強構造物800は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、及び/またはステンレス・スチール(SUS)などの金属物質を含む。補強構造物800は、第1及び第2半導体チップ100及び200、ダミー半導体チップ300、並びにインターポーザ600から離隔して空の空間VAを形成する。すなわち、第1及び第2半導体チップ100及び200、ダミー半導体チップ300、並びにインターポーザ600は、補強構造物800が提供する空の空間VAに収容される。
【0059】
本発明による半導体パッケージ10は、第1半導体チップ100とダミー半導体チップ300との間に結合絶縁層400が介在するため、第1半導体チップ100とダミー半導体チップ300との付着力が増大して構造的信頼性が向上し、第1半導体チップ100からダミー半導体チップ300への熱伝達が向上して、半導体パッケージ10の内部から外部への熱放出能が向上する。
【0060】
本発明による半導体パッケージ10は、第1半導体基板101上の第1パッシベーション層(図9Aの160)とダミー基板301上の第2パッシベーション層(図9Aの370)とをプラズマ処理及び/またはウェット処理して互いにボンディングする、パッシベーションボンディングによって、結合絶縁層400を形成する。結合絶縁層400がパッシベーションボンディング方式で形成されるので、結合絶縁層400は防水効果に優れ、構造的信頼性が向上する。
【0061】
図2は、本発明の一実施形態による半導体パッケージの冷却システムを示す断面図である。図1A図1Cを共に参照して説明する。
【0062】
図2を参照すれば、冷却システムCSは、半導体パッケージ10の上部に提供され、冷却流体CT、水冷ポンプ910、及び熱放散器920を含む。
【0063】
冷却流体CTは、超純水をベースとする。冷却流体CTは、超純水及び各種添加剤を含む。添加剤は、例えば、界面活性剤、腐食抑制剤、不凍液、熱伝導性を有するナノ粒子などを含む。
【0064】
水冷ポンプ910は、ダミー半導体チップ300の流入口320に連結され、熱放散器920は、ダミー半導体チップ300の流出口330に連結される。水冷ポンプ910及び熱放散器920は、それぞれパイピングシステムを通じて、ダミー半導体チップ300の流入口320及び流出口330にそれぞれ連結される。
【0065】
冷却システムCSの動作過程を具体的に説明すれば、次の通りである。図2で矢印は、冷却流体CTの移動経路を概略的に示す。先ず、水冷ポンプ910から提供された冷却流体CTは、ダミー半導体チップ300の流入口320に流入する。次いで、冷却流体CTは、ダミー半導体チップ300の冷却チャネル340に沿って流動して、流出口330に連結された熱放散器920に回収される。
【0066】
一般的に、半導体パッケージ10が動作する間に内部温度が上昇する。この場合、第1半導体チップ100の内部温度は、ダミー半導体チップ300の温度及び冷却流体CTの温度よりもさらに高い。よって、冷却流体CTが冷却チャネル340に提供されれば、第1半導体チップ100と冷却流体CTとの間に熱交換が発生する。熱交換の結果として、第1半導体チップ100の内部温度は低くなり、冷却流体CTの温度は高くなる。温度が高くなった冷却流体CTは、第1半導体チップ100の冷却に再び用いられる前に、熱放散器920によって冷却される。
【0067】
最近、電子製品の市場は、ポータブル装置の需要が急激に増加しつつあり、これによって、これらの電子製品に実装される電子部品の小型化及び軽量化が求められつつある。電子部品の小型化及び軽量化のために、これに搭載される半導体パッケージは、その嵩がだんだんと小さくなりながらも大容量のデータを処理することが求められている。このような半導体パッケージに実装される半導体チップの高集積化及び単一パッケージ化が求められている。これによって、半導体パッケージの限られた構造内に半導体チップを効率的に配置するために、システムインパッケージが適用されている。但し、速い応答速度及び大容量を有する半導体パッケージの場合、半導体パッケージの限られた構造のため、過熱及び熱疲労(thermal fatigue)による問題はさらに深刻になっている。
【0068】
例示的な実施形態による半導体パッケージ10は、第1半導体チップ100の上部に水冷式の冷却装置を連結するように設計して、第1半導体チップ100の冷却が、冷却流体CTを用いた直接冷却によって実現されるようにしながら、結合絶縁層400が第1半導体チップ100とダミー半導体チップ300との間に介在して、優れた防水性能を確保することができる。また、相対的に温度の高い第1半導体チップ100上にダミー半導体チップ300を配置して、効率的に第1半導体チップ100の温度を下げることができる。
【0069】
図3Aは、本発明の一実施形態による半導体パッケージを示す断面図であり、図3Bは、本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。図1A及び図2を共に参照して説明する。
【0070】
図3A及び図3Bを参照すれば、半導体パッケージ10aは、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、ダミー半導体チップ300a、成形層500、インターポーザ600、パッケージ基板700、及び補強構造物800を含む。図3の半導体パッケージ10aの第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、成形層500、インターポーザ600、パッケージ基板700、及び補強構造物800は、図1Aの半導体パッケージ10の第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、成形層500、インターポーザ600、パッケージ基板700、及び補強構造物800と実質的に等しいので、ここでは、ダミー半導体チップ300aについて説明する。
【0071】
ダミー半導体チップ300aは、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340のそれぞれの(あるいは少なくとも1つの)内側壁上に形成されるバリア層350をさらに含む。バリア層350は、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340のそれぞれの(あるいは少なくとも1つの)内側壁に沿ってコンフォーマルに延びる。バリア層350は、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340のそれぞれの内側壁を覆う。
【0072】
バリア層350は、冷却流体CTがダミー基板301の内部に浸透することを防止する。すなわち、バリア層350は、冷却流体CTがダミー基板301に吸収または吸着されることを防止する。バリア層350は、金属、シリコン(Si)などの防水性を有する物質を含む。例えば、バリア層350は、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、またはこれらの組み合わせを含む。例えば、バリア層350は、チタン(Ti)を含む第1層と、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及びシリコン(Si)のうちの少なくとも1つを含む第2層を含む。
【0073】
また、バリア層350は、金属のように熱伝導性の優れた物質を含み、冷却流体CTを用いた第1半導体チップ100の冷却を容易に行える。バリア層350を介して、冷却流体CTとダミー半導体チップ300aとは、互いに熱交換する。バリア層350は、例えば、約100nm~約10μmの厚さを有する。
【0074】
図4Aは、本発明の一実施形態による半導体パッケージを示す断面図であり、図4Bは、本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。図1A図2を共に参照して説明する。
【0075】
図4A及び図4Bを参照すれば、ダミー半導体チップ300bは、ダミー半導体基板301、流入口320、流出口330、冷却チャネル340、及びダミー貫通電極360を含む。図4A及び図4Bのダミー半導体チップ300bのダミー半導体基板301、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340は、図1Aのダミー半導体チップ300のダミー半導体基板301、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340と実質的に等しいので、ここでは、ダミー貫通電極360についてのみ説明する。
【0076】
ダミー貫通電極360は、ダミー半導体基板301を垂直方向(Z方向)に貫通して形成される。例えば、ダミー貫通電極360は、TSV(Through Silicon Via)である。ダミー貫通電極360は、熱伝導度の高い物質を含む。例えば、ダミー貫通電極360の熱伝導度は、ダミー半導体基板301の熱伝導度よりも高い。例えば、ダミー貫通電極360は、金属を含む。
【0077】
ダミー貫通電極360の下面は、冷却チャネル340と当接し、ダミー貫通電極360の上面は、ダミー半導体チップ300bの上面300bTSと同一垂直レベルに位置する。ダミー貫通電極360は、冷却チャネル340の冷却流体CTが、ダミー半導体チップ300bの外部と容易に熱交換するようにする。すなわち、ダミー貫通電極360は、冷却チャネル340の冷却流体CTが、半導体パッケージ10bの外部と容易に熱交換するようにする。すなわち、ダミー貫通電極360は、冷却流体CTを用いた第1半導体チップ100の冷却を容易にする。
【0078】
平面的視点で、ダミー貫通電極360は、冷却チャネル340と垂直方向(Z方向)に重なる。ダミー貫通電極360は、流入口320及び流出口330のそれぞれから水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔する。他の実施形態で、ダミー貫通電極360のうちの少なくとも1つは、冷却チャネル340と垂直方向(Z方向)に重畳せず、水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔する。
【0079】
図5は、本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。図1A図4を共に参照して説明する。
【0080】
図5を参照すれば、ダミー半導体チップ300cは、流入口320、流出口330、冷却チャネル340、バリア層350、及びダミー貫通電極360を含む。バリア層350は、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340のそれぞれの内側壁に沿ってコンフォーマルに延びる。バリア層350は、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340のそれぞれの(あるいは少なくとも1つの)内側壁を覆う。バリア層350は、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340のそれぞれの(あるいは少なくとも1つの)内側壁を覆う。ダミー貫通電極360は、ダミー半導体基板301を垂直方向(Z方向)に貫通して形成される。平面的視点で、ダミー貫通電極360は、冷却チャネル340と垂直方向(Z方向)に重なる。ダミー貫通電極360は、流入口320及び流出口330のそれぞれから水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔する。さらに他の実施形態で、ダミー貫通電極360のうちの少なくとも1つは、冷却チャネル340と垂直方向(Z方向)に重畳せず、水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔する。
【0081】
図6は、本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。図1A図2を共に参照して説明する。図6では、流入口320及び流出口330の配置関係を明確に示すために、冷却チャネル340は省略する。
【0082】
図6を参照すれば、ダミー半導体チップ300dは、複数の流入口320及び複数の流出口330を含む。平面的視点で、複数の流入口320は、第1半導体チップ100及びダミー半導体チップ300dのそれぞれのエッジに隣接して配置され、複数の流出口330は、第1半導体チップ100及びダミー半導体チップ300dのそれぞれの中心に隣接して配置される。
【0083】
冷却流体CTは、複数の流入口320のそれぞれを通じて冷却チャネル340に提供される。また、冷却流体CTは、複数の流出口330を通じてダミー半導体チップ300dの外部に放出される。
【0084】
複数の流入口320及び複数の流出口330の配置位置は、これに限定されるものではない。例えば、さらに他の実施形態で、複数の流入口320は、第1半導体チップ100及びダミー半導体チップ300dのそれぞれの中心に隣接して配置され、複数の流出口330は、第1半導体チップ100及びダミー半導体チップ300dのそれぞれのエッジに隣接して配置される。
【0085】
たとえ図6には図示されていないにしても、冷却チャネル340は、複数の流入口320及び複数の流出口330と連結して形成される。例えば、冷却チャネル340は、複数の流入口320及び複数の流出口330と垂直方向(Z方向)に重なる。
【0086】
図7は、本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。図1A図2を共に参照して説明する。
【0087】
図7を参照すれば、ダミー半導体チップ300eは、第1半導体チップ100の上面100TSから蛇行状に(serpentine)延びた単一のチャネルである、冷却チャネル340aを含む。例えば、冷却チャネル340aは、第1半導体チップ100上で第2水平方向(Y方向)に直線的に延びた第1サブチャネル、第1半導体チップ100上で第1水平方向(X方向)に直線的に延び、互いに第2水平方向(Y方向)に離隔した複数の第2サブチャネル、及び第1サブチャネルと複数の第2サブチャネルとを連結するための連結チャネルを含む。
【0088】
図8は、本発明の一実施形態によるダミー半導体チップを示す平面図である。図1A図2及び図7を共に参照して説明する。
【0089】
図8を参照すれば、ダミー半導体チップ300fは、第1半導体チップ100の上面100TSから螺旋状に延びる冷却チャネル340bを含む。平面的視点で、流入口320及び流出口330は、冷却チャネル340bと垂直方向(Z方向)に重なる。
【0090】
以上、図1C図6図8で、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340、340a、340bの多様な形状及び配置位置について説明したが、本発明の技術的思想は、これらに限定されるものではない。例えば、流入口320及び/または流出口330は、複数で提供され、流入口320及び/または流出口330のそれぞれの配置位置は、多様に変形される。また、冷却チャネル340、340a、340bは、複数で提供され、冷却チャネル340、340a、340bの配置位置及び形状は、多様に変形される。例えば、平面的視点で、第1半導体チップ100のホットスポットに隣接して、冷却チャネル340、340a、340bが形成される。
【0091】
図9A図9Eは、本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を示す断面図である。以下、図9A図9Eを参照して、図1A図1Cを参照して説明した半導体パッケージ10の製造方法と、図2の半導体パッケージ10の冷却システムCSを構成する方法を説明する。
【0092】
図9A及び図9Bを参照すれば、第1半導体チップ100とダミー半導体チップ300が用意される。第1半導体チップ100及びダミー半導体チップ300は、相異なる機能を果たす。第1半導体チップ100は、ロジックチップで構成されて、多様な信号処理を行う。ダミー半導体チップ300は、流入口320、流出口330、及び冷却チャネル340を含み、第1半導体チップ100で発生した熱を効率的に半導体パッケージ10の外部に排出する。
【0093】
第1半導体チップ100は、第1半導体基板101、第1半導体配線層110、第1接続パッド140、第1接続部材150、及び第1パッシベーション層160を含む。第1パッシベーション層160は、第1半導体基板101の上面に形成される。第1パッシベーション層160は、第1半導体基板101の上面101TSを覆い、ほぼ同じ厚さを有するように、平坦な上面及び下面を有する。例えば、第1パッシベーション層160は、第1半導体基板101の上面101TSの全部を覆うこともある。
【0094】
ダミー半導体チップ300は、ダミー基板301、流入口320、流出口330、冷却チャネル340、及び第2パッシベーション層370を含む。第2パッシベーション層370は、ダミー基板301の下面301BSに形成される。例えば、第2パッシベーション層370は、冷却チャネル340から水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔して配置される。第2パッシベーション層370は、冷却チャネル340と垂直方向(Z方向)に重畳しない。
【0095】
第1及び第2パッシベーション層160及び370は、SiO、SiN、SiCN、SiCO、及び高分子物質のうちのいずれか1つの物質からなる。高分子物質は、BCB、PI、PBO、シリコン、アクリレート、またはエポキシである。例えば、第1及び第2パッシベーション層160及び370は、シリコン酸化物からなる。
【0096】
第1及び第2パッシベーション層160及び370のそれぞれは、第1半導体基板101の上面101TS及びダミー基板301の下面301BSに、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)、物理気相蒸着(Physical Vapor Deposition:PVD)、原子層蒸着(Atomic Layer Deposition)、及び/またはプラズマ強化化学気相蒸着(Plasma Enhanced CVD)方法によって形成される。
【0097】
次いで、第1及び第2パッシベーション層160及び370をプラズマ処理及び/またはウェット処理する。第1及び第2パッシベーション層160及び370がプラズマ処理及び/またはウェット処理される場合、第1及び第2パッシベーション層160及び370のそれぞれで拡散、化学反応及び分子間結合が誘導されて、第1及び第2パッシベーション層160及び370が互いに結合する。例えば、第1及び第2パッシベーション層160及び370をプラズマ処理及び/またはウェット処理する場合、第1及び第2パッシベーション層160及び370のそれぞれで不完全に結合されたダングリング・ボンドが形成される。第1及び第2パッシベーション層160及び370のそれぞれのダングリング・ボンドが互いに結合し、第1及び第2パッシベーション層160及び370が結合して、結合絶縁層400が生成される。例えば、第1パッシベーション層160の上面の-OH作用基と、第2パッシベーション層370の下面の-OH作用基とは、水素結合によりボンディングされる。この場合、結合絶縁層400は、酸素リッチな層である。
【0098】
結合された第1及び第2パッシベーション層160及び370は、一体に結合絶縁層400を形成する。よって、第1半導体チップ100とダミー半導体チップ300との間に、結合絶縁層400が形成される。
【0099】
結合絶縁層400の下面は、第1半導体チップ100の上面100TSと当接し、結合絶縁層400の上面は、ダミー半導体チップ300の下面300BSの少なくとも一部と当接する。結合絶縁層400の上面のうちの少なくとも一部には、冷却チャネル340が当接する。結合絶縁層400の上面は、凹凸形状を有し、結合絶縁層400の下面は、扁平な形状を有する。
【0100】
結合絶縁層400の最上面は、冷却チャネル340の最下面よりも高い垂直レベルに位置する。また、結合絶縁層400の最上面は、ダミー半導体チップ300の最下面よりも高い垂直レベルに位置する。冷却チャネル340と垂直方向(Z方向)に重なる結合絶縁層400の厚さは、冷却チャネル340から水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔した結合絶縁層400の厚さよりも薄い。
【0101】
結合絶縁層400は、第1半導体チップ100及びダミー半導体チップ300のそれぞれと垂直方向(Z方向)に整列する。例えば、結合絶縁層400の側壁400SSは、第1半導体チップ100の側壁100SS及びダミー半導体チップ300の側壁300SSと垂直方向(Z方向)に整列して、同一平面(coplanar)をなす。
【0102】
図9Cを参照すれば、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300をインターポーザ600上に配置する。例えば、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200とは、互いに水平方向(X方向及び/またはY方向)に離隔して配置される。また、第2半導体チップ200の上面200TSは、ダミー半導体チップ300の上面300TSと同一平面上に位置する。
【0103】
第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300をインターポーザ600の上部に実装し、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300を取り囲むように成形層500を形成する。
【0104】
成形層500は、第2半導体チップ200及びダミー半導体チップ300のそれぞれの上面200TS及び300TSを露出させる。これによって、成形層500の上面500TSは、第2半導体チップ200の上面200TS及びダミー半導体チップ300の上面300TSと同一平面上に位置する。
【0105】
インターポーザ600は、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200とを互いに電気的に連結する。また、インターポーザ600の下部に内部接続端子650を形成する。
【0106】
図9Dを参照すれば、第1及び第2半導体チップ100及び200が実装されたインターポーザ600をパッケージ基板700上に配置する。
【0107】
インターポーザ600の下部に配置された内部接続端子650が、パッケージ基板700の上面に電気的に連結されるように、インターポーザ600をパッケージ基板700上に配置する。
【0108】
次いで、インターポーザ600とパッケージ基板700との間に、アンダーフィルUFを形成する。アンダーフィルUFは、インターポーザ600とパッケージ基板700との間に介在して、内部接続端子650を取り囲む。
【0109】
パッケージ基板700は、印刷回路基板である。印刷回路基板において、ボディ部701は、通常、熱硬化性樹脂などの高分子物質、FR-4(Flame Retardant 4)、BT(Bismaleimide Triazine)、ABF(Ajinomoto Build up Film)などのエポキシ系樹脂、またはフェノール樹脂などを一定厚さに圧縮して薄型に形成し、両面に銅箔を塗った後、パターニングにより電気的信号の伝達経路である配線を形成することで具現される。
【0110】
一方、印刷回路基板は、一面のみに配線を形成した片面PCB、そして両面に配線を形成した両面PCBに区別される。また、プリプレグという絶縁体を用いて銅箔の層数を3層以上に形成することができ、形成された銅箔の層数によって3つ以上の配線を形成することで、多層構造のPCBが具現される。
【0111】
図9Eを参照すれば、パッケージ基板700上に補強構造物800を配置する。補強構造物800は、方形のリング状を有し、パッケージ基板700の上面の外郭部分上に配置される。補強構造物800は、垂直方向(Z方向)に第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、及びダミー半導体チップ300と重畳しない。補強構造物800は、平面的に、すなわち、トップビューで、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、ダミー半導体チップ300、及び成形層500の周りを取り囲む。
【0112】
補強構造物800は、パッケージ基板700の4つの端に当接して延びる。補強構造物800は、パッケージ基板700の4つの端のそれぞれに沿って延びる4つの側壁が互いに連結される形状を有する。補強構造物800は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、及び/またはステンレス・スチール(SUS)などの金属物質を含む。
【0113】
図2を参照すれば、半導体パッケージ10についての冷却システムCSを構成するために、水冷ポンプ910をダミー半導体チップ300の流入口320に連結し、熱放散器920をダミー半導体チップ300の流出口330に連結する。水冷ポンプ910は、パイプを通じてダミー半導体チップ300の流入口320に連結され、ダミー半導体チップ300の流入口320に冷却流体CTを供給する。熱放散器920は、パイプを通じてダミー半導体チップ300の流出口330に連結され、ダミー半導体チップ300の流出口330を通じて流出された冷却流体CTを回収し、冷却流体CTを冷却する。水冷ポンプ910から提供された冷却流体CTは、半導体パッケージ10に提供された流路に沿って流動して半導体パッケージ10を冷却した後、熱放散器920に回収される。
【0114】
以上、本発明は、図面に図示された実施形態を参照までに説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。
【符号の説明】
【0115】
10:半導体パッケージ
100:第1半導体チップ
200:第2半導体チップ
300:ダミー半導体チップ
400:結合絶縁層
500:成形層
600:インターポーザ
700:パッケージ基板
800:補強構造物

図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E